JP2011047026A - メッキ粉体 - Google Patents

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泰 柳本
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和知  浩子
Mitsuru Sadamoto
満 貞本
Hideji Hayashishita
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Abstract

【課題】表面に均一に金属メッキを施したポリエチレン粒子及び該ポリエチレン粒子を製造する方法を提供する。
【解決手段】平均粒子径が1μm〜100μmの樹脂粒子の表面に無電解メッキ層が形成されていることを特徴とする機能性微粒子であって、上記樹脂粒子がポリエチレン粒子に極性モノマーをグラフト重合したグラフト共重合体であることを特徴とする機能性粒子、および極性モノマーをグラフト重合する方法が、放射線グラフト重合である上記機能性微粒子。
【選択図】図4

Description

本発明は、金属メッキされたポリエチレン粒子に関する。
金属メッキされた高分子粒子が知られており、異方導電性素材などに用いられている。しかし、これらのものはポリアクリル性樹脂やポリスチレン性のものが用いられている。
それに対して、ポリエチレンは安価に製造でき、その粒子は従来の高分子粒子よりも柔軟性に富み、周囲環境に応じてその形状を変化させやすいという性質を有している。
また、特許文献1および2に、ポリエチレン粒子を金属メッキする方法も開示されている。しかし、金属メッキされたポリエチレン粒子が市場に出回っている報告はない。それは、実際には次のような理由で金属メッキすることが困難なためである。ポリエチレンは表面エネルギーが低いため、そのままでは水に分散しない。また界面活性剤などを用いただけではメッキ層が定着しない。さらにポリエチレンは、酸・アルカリ・有機溶媒などの化学薬品に対して極めて安定であるため、エッチング処理に対して十分な効果が得られない。
また、ポリエチレンに水分散性や反応性を付与する方法として、ポリエチレンの製造工程において、他のエチレン性不飽和基を有するモノマーをエチレンと共重合する方法も考えられるが、球形度の高い粒子として得るのは困難である。従って、既存ポリエチレン粒子の二次加工によって製造されるメッキ加工に適した粒子が望まれる。
特開平8−311655(出願人:日本化学工業) 特開2008−41671(出願人:積水化学)
本発明は、ポリエチレン粒子に極性モノマーをグラフト重合し、均一なメッキ被覆を可能にしたことにより、ポリエチレンが有する特徴を活かした金属メッキしたポリエチレン粒子を完成させたものである。
本発明者らは、金属メッキしたポリエチレン粒子を完成させ、本発明を完成させるに至った。
すなわち、
[1]平均粒子径が1μm〜100μmの樹脂粒子の表面に無電解メッキ層が形成されていることを特徴とする機能性微粒子であって、上記樹脂粒子がポリエチレン粒子に極性モノマーをグラフト重合したグラフト共重合体であることを特徴とする機能性粒子。
[2]極性モノマーをグラフト重合する方法が、放射線グラフト重合である[1]に記載の機能性微粒子。
[3]グラフト共重合体が1〜50wt%の極性モノマーの重合体からなることを特徴とする[2]に記載の機能性微粒子。
[4]金属層の厚さが10nm〜500nmである、[1]に記載の機能性粒子。
[5]破壊強度100Pa以上にて、樹脂径の50%以上が塑性変形することを特徴とする[4]に記載の機能性粒子。
本発明によれば、金属メッキにより金属層を表層に形成したポリエチレン粒子を製造することが可能になる。
本発明の一例に係るグラフト重合を行ったポリエチレン粒子の表面に、ニッケル被覆による金属層を形成させた粒子の走査型電子顕微鏡像。 本発明の一例に係るグラフト重合を行ったポリエチレン粒子の表面に、ニッケル-金被覆による金属層を形成させた粒子の走査型電子顕微鏡像。 グラフト重合を行わずにポリエチレン粒子の表面に、ニッケル被覆による金属層を形成させた粒子の走査型電子顕微鏡像。 本発明の一例に係るグラフト重合を行ったポリエチレン粒子の表面に、ニッケル-金被覆による金属層を形成させた粒子を、エポキシ樹脂に混錬固化しミクロトームでスライスした後にその断面を撮影した走査型電子顕微鏡像。 本発明の一例に係るグラフト重合を行ったポリエチレン粒子のゼータ電位 金属メッキされたポリエチレン粒子の塑性変形率測定により得られた樹脂変形率(:L1)、弾性変形率(:L2)、塑性変形率(:L3)の関係
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエチレン粒子の表面に金属層を形成した機能性粒子は、ポリエチレン粒子の非反応性、非親水性等の短所を解消し、かつポリエチレンの有する柔軟性という特徴を活かした無電解メッキによる金属層を形成した機能性粒子に関するものである。
まず、グラフト重合の基材に用いる粒子について説明を行う。ポリエチレン粒子であれば特に限定されるものではないが、例えば「WO2006/054696」に開示されているポリエチレン微粒子を用いると真球度が高く狭粒度分布であり、本発明の機能性微粒子を製造するうえで好ましい。
具体的にはマグネシウム含有微粒子に遷移金属錯体を担持することで得られる重合用固体触媒を用い、エチレンを重合することにより製造される。マグネシウム含有微粒子の調製する条件とエチレンを重合する条件とを調整することによりポリエチレン粒子の粒径を制御することが出来る。
さらに具体的には、マグネシウム含有微粒子は、ハロゲン化マグネシウムと炭素原子数1〜20のアルコール、またはフェノール化合物を接触させ、次いで、特定の条件下にて、有機アルミニウム化合物と接触させることにより得られる。このマグネシウム含有微粒子を担体成分として用い、「特開2005-8734」に開示されている遷移金属化合物とトルエン中で攪拌混合させることで重合用固体触媒成分を得ることが出来る。この重合用固体触媒成分を用いエチレンを加圧条件にて重合させることにより、ポリエチレン粒子を得ることが出来る。
次に、ポリエチレン粒子に極性モノマーをグラフト重合する方法について説明する。極性モノマーをグラフト重合させる目的は、撥水性であるため、水になじまないポリエチレン粒子に親水性を付与し、水を主成分とする電解液に分散させる為、さらに酸やアルカリに対する反応性を付与しエッチング処理による効果を出す為である。
ポリエチレンは撥水性の高分子材料であり、水には全く分散しない。水に分散させるための方法として、界面活性剤を使用することが一般的に行なわれる。しかし、この場合にはポリエチレン粒子の表面が界面活性剤に被覆された状態になる。水分散状態の後、界面活性剤が離脱した後は、撥水性であるポリエチレン表面が露出すれば、浴中液体との接触が生ぜず、ポリエチレン表面で生起されるべき(1)式に示す部分カソード反応が得られない。従って、ポリエチレン材料自身の表面に水分散性を与えなくてはならない。
一般に、ポリマーを無電解メッキ加工する際、ポリマー表面を粗面化するためにエッチング処理を施す。それはメッキを行う前に触媒核を基材表面に付与する触媒化処理工程が必要であるが、粗面化による凸凹によってその触媒核を安定に付与できる効果があるからである。またメッキ層を形成した後も、その凸凹による基材と金属層のアンカー効果によってメッキ層の剥離を防ぐ効果もあり、重要な前処理工程である。
本発明者らは、まずポリエチレン粒子の表面に親水性を付与する方法を探索した。ポリエチレンの表面処理方法として、紫外線等を用いたオゾン処理、コロナ放電処理による処理等を適用することが広く知られているが、これらの方法は表面処理を施した一部のポリエチレン粒子の水分散性を高めることが出来るに過ぎず、殆どの粒子に対して水分散性を与えることができなかった。またこのような物理的な処理方法を樹脂粒子に適用する場合、複雑な粉体処理プロセスが必要となる。
本発明者らは次にポリエチレン粒子をエッチング処理する方法を探索した。エッチング処理には上記粗面化の目的に他に親水化の副次効果も期待できる。しかし、ポリエチレンは化学的に安定であるため、一般的なエッチング液ではエッチング効果を発現するのは難しく、ポリエレンの表面処理法としてクロム酸などの重金属酸化剤を用いる方法が知られているが、比表面積の大きい粒子を処理する場合、大量の薬剤が必要となり高コストとなるうえ環境に対しても負荷が大きい。
これに対し、ポリエチレン粒子に極性モノマーをグラフト重合する方法は、極性モノマーの重合体を粒子に直接導入できるため、水分散性を高めることが出来ると同時に、エッチング液に対しても反応性を付与することが出来ることを見出し本発明に至った。すなわちポリエチレン粒子を基材として極性モノマーをグラフト重合することにより、無電解メッキを行うことが可能になる。
ここから詳しく、ポリエチレン粒子にグラフト重合を行う方法について説明する。ポリエチレンの化学構造は炭素原子と水素原子のみからなり、分子内の分極が乏しく、イオン的な反応により直接極性基を導入したり、極性基を持つセグメントを導入することは困難である。したがって、エチレンのホモポリマーに極性基を導入する場合、水素引き抜きや炭素-炭素結合の開裂よりラジカル種を生成させ、そこに他のラジカル種やラジカル重合性モノマーを接触させる方法、若しくはカルベン、ナイトレン、原子状硫黄などを炭素-水素結合間に挿入し結合させる方法が挙げられる。
メッキ処理を行うためには前記方法の中でも、ポリエチレン上に生成したラジカル種を起点にラジカル重合性の極性モノマーをグラフト重合させる方法が、より多くの極性基を導入できるという点で好適である。
上記グラフト重合する方法は、ポリエチレン主鎖にラジカル重合性モノマーをグラフト重合出来る方法であれば特に限定されるものではないが、具体的には次のような方法が例示できる。ポリエチレンに有機過酸化物などのラジカル開始剤を作用させ、次にポリエチレンに生成したラジカルにモノマーを作用させる方法。ポリエチレンにハロゲン化を施し、次いで原子移動ラジカル重合によりモノマーをグラフトする方法。前記ハロゲン化の方法は臭素を溶解した溶媒中にポリエチレン粒子を分散させ加熱することにより臭素を導入しても良いし、大気圧プラズマによって生成したラジカル種を介して臭素を結合させても良い。放射線照射によりポリエチレンにラジカルを生成させ、そのラジカルを開始点にモノマーをグラフト重合する方法(放射線グラフト重合)。
中でも放射線グラフト重合は、放射線照射によって基材粒子に均一かつ効率よくラジカルを生成させることができる点で優れている。特に高密度ポリエチレンや超高分子量ポリエチレンのように分岐構造が少なく、三級炭素が少ない構造を持つポリエレンに対しては、他の水素原子の引き抜き反応などによるラジカルの生成法に比べると、効率よく確実にラジカルを生成させることが出来るため好適である。
以下に本発明で用いる放射線グラフト重合について詳しく説明する。
本発明で用いることの出来る放射線はα線、β線、γ線、電子線など挙げられるが、処理速度がはやく生産性が高いことから、特に電子線が適している。
また、グラフト重合の起点となるラジカルを十分に発生させると同時に、不必要な架橋反応や部分的な分解反応によるポリエチレンの変質を最小限とするため、放射線の照射線量は、10〜250kGyの範囲とするのが好ましい。
基材粒子に放射線グラフトを行う方法としては、基材粒子に放射線を照射しラジカルを生成させた後、モノマーを接触させグラフト重合する前照射法や、モノマー共存下で放射線を照射しラジカルの生成とグラフト重合を同時に行う同時照射法があるが、モノマーの単独重合を抑え、効率よくモノマーを基材にグラフトさせることの出来るのは前照射法である。
モノマーを基材に接触させる方法としては、モノマーを蒸散させた気相中で接触させる気相法や、モノマーをそのままあるいは溶媒で希釈した液中で接触させる液相法があり、いずれの方法を用いても良い。液相法を用いた場合、放射線照射によりラジカルを生成させたポリエチレン粒子をモノマーの希釈溶液中に分散させ、スラリー状態にすると、均一に粒子とモノマーを接触させることが出来る。
ここで用いるモノマーはエチレン性不飽和結合をもつ極性モノマーであれば、特に限定されるものではないが、水分散性およびエッチング液に対する反応性を良く与えるものが好ましい。具体例として、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸-tert-ブチル、(メタ)アクリル酸-n-ペンチル、(メタ)アクリル酸-n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸-n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸-n-オクチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸-2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸-3-メトキシブチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2-アミノエチル、(メタ)アクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2-トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロメチル-2-パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマー、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン系モノマー、ブタジエン、イソプレン等のジエン系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等、更には、末端にアクロイル基、メタクロイル基やスチリル基などの炭素-炭素不飽和結合を有し、分子量が100〜100000のマクロモノマー等が挙げられる。本実施形態において用いられる前記モノマーは、これらから1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
後述する、無電解メッキ浴中の溶媒のpHは1〜10に調整される。それゆえ、被処理粒子であるポリエチレン粒子は、pHが1〜10の水を主成分とする液体中に均一に分散できるものである必要がある。
さらに、被処理粒子であるポリエチレン粒子のゼータ電位が、pH6〜8のいずれかのpHの水溶液中においてゼータ電位が−10mV以下であることが水分散性を良好にするための要件である。
ゼータ電位測定法は以下の手順で行なわれることは代表的な一例である。
以上のようにして親水化したポリエチレン粒子0.0005gを純水15ml中に入れ、超音波を20分照射し、液全体が均一に白濁し、親水処理した粒子が均一に分散していることを確認した。
そして、この分散液のゼータ電位をELSZ series(大塚電子株式会社製)にて、セル温度25℃設定にて、測定した。
次に極性モノマーでグラフト重合したポリエチレン粒子の無電解メッキ処理について詳細に説明する。
金属被覆を粒子に行なうための一般的な手法として、無電解メッキによる方法が取られている。無電解メッキにより、複雑な形状の物体にも均一に金属層を形成することができる。これは、金属イオンを用いた還元析出を被処理物質に対して行なうと同時に、還元析出のために必要な電子を供給するための還元剤の酸化反応を利用しているためである。無電解析出反応は、還元析出と還元剤の酸化反応を同時に一つの電解浴にて行なわせているものであるということができる。
無電解析出反応における析出反応は、下記(1)式にて表現できる。
MLm n+ + ne- → M + mL (1)式
M:金属 L:配位子、錯化剤 e-:電子
(1)式の反応は、部分カソード反応と定義することができる。金属イオンMn+に対し、m個の錯化剤(もしくは配位子という)が結合し、無電解を実施するための無電解浴中にて安定化させ、MLm n+ を形成する。MLm n+ に対し、電荷的に等量の電子が供給されると、金属イオンは供給された被処理物質に対し還元作用により金属Mとして析出し、金属層を形成することになる。
一方、還元剤の酸化反応は、下記(2)式にて表現できる。
Red → Oxn+ + ne- (2)式
Red:還元剤 Ox:酸化物
(2)式の反応は、部分アノード反応と定義することができる。還元剤が酸化されて、Oxn+ になると同時に電子が供給される。
つまり、無電解析出反応は、(2)式で示す部分アノード反応によって発生させた電子を用いて、(1)式で示す部分カソード反応によって電子を消費しながら浴中の金属イオンを被処理物表面に金属として析出する方法である。この無電解析出反応が無電解メッキを可能にしている。この無電解析出反応は、化学的な酸化還元反応を利用したものである。そして、電解メッキと同じように1nm程度の電気ニ重層内にて電荷移動過程により反応が支配される部分と、金属イオンなどの拡散による物質移動過程により反応が支配される数μm程度の部分に分けることができる。その一方で、通常の電解メッキによる浴中に電子を供給する際に支配的な役割を果たす電流分布を必要としない。従って、被処理物質同士あるいは被処理物質と浴壁との間に数μm以上の間隔が空いていれば、どの被処理物質表面部分においても、均等に析出反応を受けるチャンスが存在する。しかも浴中に電流分布を必要としない純粋に化学反応によるものであるので、被処理物質の電気伝導性は全く問題にならない。
従って、無電解析出反応を利用した無電解メッキ方法は、一般に電気絶縁性であり、かつ電解浴中に無秩序に分散している高分子材料からなる粒子に対しても均等な厚みを有する金属層を形成することが可能になる。
ポリエチレン粒子の表面上に形成されている金属層は、最終製品の用途等に応じて金属の種類を適宜選ぶことができる。例えば、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、クロム、コバルト、鉄、亜鉛、スズ等を挙げる事ができる。これらは、1種類または2種類以上を用いることができる。なお、2種類以上用いる場合には、その一部又は全部が合金または金属化合物を形成していても良い。
金属皮膜の厚みは、最終製品の用途等によって適宜設定できるが、一般的には5nm〜5μm程度、好ましくは10nm〜1μmとすれば良い。
また、金属皮膜は、1層であっても良いし、2層以上を積層したものであっても良い。
ただし、酸化還元反応である無電解析出反応を高分子材料からなる粒子の表面上に生起させるためには、酸化還元反応が生じるための化学状態を非処理表面に形成することが必要である。その主たる方法が、被処理表面の触媒化処理である。
触媒化処理は、特に限定的でなく、公知の無電解メッキ処理で用いられている方法を採用することができるが、例えば次のような方法を好適に用いることができる。
例えば、塩酸水溶液に塩化パラジウムと塩化第一スズを溶解させた水溶液でポリエチレン粒子を処理した後、濃度1〜20重量%の塩酸にてスズ塩を溶解し、ポリエチレン粒子表面にパラジウム核を形成する(アクセレーター処理)。
前処理した後、無電解メッキ浴にてポリエチレン粒子を処理し、金属皮膜を形成させる。
無電解メッキ浴は、公知の無電解メッキ処理に従って、所望の金属皮膜の性状等に応じて適宜設定することができる。例えば、主成分(金属塩、還元剤)を含み、さらに必要に応じて補助成分(pH調整剤、緩衝剤、錯化剤、促進剤、安定剤、改質剤)を含む無電解メッキ浴を用いることができる。
金属塩としては、所望の金属皮膜の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、ニッケルからなる金属皮膜を形成する場合は、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル等のニッケル塩を使用すれば良い。
還元剤としては、例えば次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、グリオキシル酸、水素化ホウ素ナトリウム、酒石酸、ブドウ糖、グリセリン、過酸化水素等を用いることができる。
pH調整剤としては、例えば苛性ソーダ、水酸化アンモニウム等の塩基性化合物等を使用することができる。pH調整剤によって、メッキ速度、還元効率等を制御することができる。
緩衝剤としては、pH変動を抑制できるものであれば限定的でなく、例えばクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等のオキシカルボン酸塩系化合物のほか、ホウ酸塩、炭酸塩等の無機酸塩であって解離定数の小さなアルカリ塩等を使用することができる。
錯化剤としては、メッキ浴を錯イオン状態にできるものであれば良い。例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、エチレングリコール等を使用することができる。
促進剤は、メッキ速度を促進すると同時に水素ガスの発生を抑えて金属の析出効率を向上させるために使用されるものである。例えば、硫化物、フッ化物等を使用することができる。
安定剤は、被メッキ物の表面以外での酸化還元反応が起こるのを抑える効果がある。すなわち、安定剤の添加によりメッキ浴の自動分解を防ぐことができる。また、メッキ浴の老化が進むと同時に生じた沈殿物が還元剤として反応して激しく水素ガスを発生するのを防ぐ効果もある。このような安定剤としては、例えば鉛の塩化物、硫化物、硝酸塩等が挙げられる。
改質剤は、光沢等のメッキ皮膜の状態を向上させるために使用される。一般的には、ポリエチレングリコール等を用いることができる。
より具体的なメッキ浴としては、銅メッキを施す場合は、例えば、次亜リン酸ナトリウム及びジメチルアミンボランの少なくとも1種のほか、水、硫酸銅、硫酸ニッケル、クエン酸ナトリウム、ホウ酸及びポリエチレングリコールを含む浴組成とすることが好ましい。また、ニッケルメッキを施す場合は、例えば、次亜リン酸ナトリウム及びジメチルアミンボランの少なくとも1種のほか、水、硫酸ニッケル、クエン酸ナトリウム、乳酸及びポリエチレングリコールを含む浴組成とすることが好ましい。あるいは、ニッケルメッキを施す場合は、例えば、次亜リン酸ナトリウム及びジメチルアミンボランの少なくとも1種のほか、水、硫酸ニッケル、グリシン、リンゴ酸及びポリエチレングリコールを含む浴組成とすることが好ましい。これらの成分の割合、濃度等は、所望の金属被膜の性状等に応じて適宜決定することが可能である。例えば、金属皮膜の膜厚を増加させる場合には、無電解メッキ浴中の各成分の濃度を高くすれば良い。
また、無電解メッキ処理の操作条件も、公知の無電解メッキ処理に従って適宜設定することができる。無電解メッキ処理の処理量は、用いるポリエチレン粒子の性状、無電解メッキ浴の組成等に応じて適宜決定することができる。無電解メッキ浴の液温も限定されないが、一般的には40〜100℃、好ましくは50〜90℃とすれば良い。また、無電解メッキ浴のpHは、1〜10程度、特に3〜10程度、さらに好ましくは6〜10程度とすることが望ましい。pHを上記範囲内に設定することによって、原料であるポリエチレン粒子の粒子性状をより確実に維持しながらメッキ処理することが可能となる。無電解メッキ浴による処理時間は、そのメッキ浴の組成、液温、pH、処理量等に応じて適宜変更される。
無電解メッキ処理が完了した後、得られたポリエチレン粒子を公知の固液分離方法により回収し、必要に応じて水洗等により洗浄を行えば良い。
さらに、無電解ニッケルメッキを施したポリエチレン粒子に対して、公知の置換金メッキ法を用いることにより、金皮膜を形成することができる。
置換金メッキ法で用いる金属塩としては、シアン化金カリウム、亜硫酸金ナトリウム等が挙げられる。
このようにして得られた金属層を有するポリエチレン粒子のSEM像を図2に示す。
このようにして得られた金属メッキされたポリエチレン粒子の塑性変形率測定方法を下記に示す。塑性変形率は、メッキを施したポリエチレン粒子の破壊強度と樹脂変形の関係を島津ダイナミック超微小硬度計DUH-W201(島津製作所)を使用して測定した。
測定する粒子は、平滑性を有するガラス板上に散布し、装置の試料ステージ上に固定した。この中から、樹脂1個を選択し、径50μmの圧子にて、試験力0.4mN〜98mNまで負荷した状態で5秒保持した後、除荷した。この際の樹脂の押し込み深さを測定した。
樹脂変形率=L1/樹脂径
弾性変形率=L2/樹脂径
塑性変形率=L3/樹脂径
なお、L1、L2、L3は図6に示す。
破壊強度は以下の式にて算出した。
St=2.8P/(π×d
St:破壊強度(Pa) P:試験力(N) d:樹脂径(mm)
このようにして求めた破壊強度と塑性変形率の関係を求めることができる。金属メッキを行なったポリエチレン粒子は、破壊強度100Pa以上にて、樹脂径の50%以上が塑性変形することを特徴とするとすることが確認できた。
本発明のメッキ粒子は塑性変形であることから、押用によって扁平な形になり表面積が増大することから、電磁波遮断シールド用途に好適に使える。
本発明の上記電磁波遮断シールド用粒子として用いるためには、本発明のメッキ粒子に、塗布材を添加することが好ましい。また塗布するための展開液として連結性の観点から伸展性のある方が好ましい
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより明確にする。ただし、本発明は、これら実施例の範囲に限定されない。
また以下の合成例および実施例では、以下の材料を使用した。
デカン:三井化学ファイン社製
2-エチルヘキシルアルコール:和光純薬社製
クロロベンゼン(無水):アルドリッチ社製
トリエチルアルミニウム:日本アルキルアルミ社製
トルエン(脱水)関東化学社製:
ヘプタン(高分子用):和光純薬社製
はじめに、無電解メッキを施す被処理粒子の母材粒子を以下のようにして製造した。
[合成例]超高分子量ポリエチレン粒子(平均粒径10μm)の合成
1. Mg含有単体成分(B1−1)の合成
無水塩化マグネシウム95.2g(1.0モル)と、デカン442mlと、2−エチルヘキシルアルコール390.6g(3.0モル)とを130℃で2時間混合して反応させ均一溶液(以下、成分(B1)という)を得た。次に、充分に窒素置換した内容積1000mlのフラスコに、前記成分(B1)50ml(マグネシウム原子換算で50ミリモル)と、精製デカン283mlと、およびクロロベンゼン117mlとを挿入し、オルガノ社製クレアミックスCLM−0.8Sを用いて回転数15000rpmの攪拌し、液温を0℃に保持しつつ精製デカンで希釈したトリエチルアルミニウム52ミリモルを30分間かけて滴下し混合物を作成した。その後、前記混合物の液温を5時間かけて80℃に昇温(消音速度:0.26〜0.27℃/min)し、続いて80℃で1時間反応させた。次いで、80℃を保持しながら、前記混合物に精製デカン希釈のトリエチルアルミニウム98ミリモルを、30分間かけて滴下し、その後さらに80℃で1時間反応させた。反応終了後、濾過(G5ガラスフィルター)で固体部を採取し、前記固体をトルエンにて洗浄し、全量が100mlになるようトルエンを加えてMg含有担体成分(B1−1)のトルエンスラリーとした。
2.固体触媒成分(B1−1−A2−172I)の調整
充分に窒素置換した内容積1000mlのフラスコに、Mg含有担体成分(B1−1)トルエンスラリーをマグネシウム原子換算で20ミリモルと、および精製トルエン600mlとを装入し、攪拌下、室温に保持しながら、下記遷移金属化合物(A2−172)のトルエン溶液(0.0001mmol/ml)20mlを20分かけて滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過(G5ガラスフィルター)にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、全量が200mlになるよう精製デカンを加えて固体触媒成分(B1−1−A2−172I)のデカンスラリーとした。
3.超高分子量ポリエチレン粒子(平均粒径9μm)の合成
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに精製ヘプタン500mlを装入し、室温でエチレン100リットル/hrを15分間流通させ、液相及び気相を飽和させた。続いて63℃に昇温した後、エチレンを12リットル/hrで流通させたまま、トリエチルアルミニウムのデカン溶液(A1原子で1mmol/ml)1.25mlと、固体触媒成分(B1−1−A2−172I)とを5.33ml(Zr原子換算で、0.00008mmol)を加え、温度を維持したまま3分間攪拌し、エマルゲンE−108(花王(株)製)40mgを添加し、前記添加直後に、エチレン圧の昇圧を開始した。10分かけてエチレン圧を0.8MPa・Gに昇圧し、圧力を維持するようにエチレンを供給しながら65℃で2時間重合を行なった。その後、オートクレーブを40℃に冷却し、エチレンを脱圧した。得られたポリマースラリーを濾過後、ヘキサンで洗浄し、80℃で10時間減圧乾燥することにより、粒子51.9gを得た。生成粒子のメジアン径は(d50)は9.4μm、変動係数(Cv)は13.5%であった。なお、標準偏差、d50は、レーザー回折式粒度分布測定装置(Beckman Coulter社製、LS-13320)を用いて、メタノールにより粉体を5分間超音波処理することにより分散させ、粒子径の測定を行うことにより算出した。
また、前記に示した、Mg含有単体成分(B1−1)の調整方法、固体触媒成分(B1−1−A2−172I)の調整方法と、エチレンの供給方法の調整により、得られる超高分子量ポリエチレン粒子の粒径を3μmから100μmの範囲に調整することができる。
(実施例1)
酸素濃度0.5ppm以下、−50℃以下の条件下でポリエチレン粒子に照射線量200kGyとなるように加速電圧2.0MeVの電子線照射を行い、ポリエチレン微粒子にラジカルを生成させた。
この電子線照射処理を行ったポリエチレン粒子47gを10vol%のグリシジルメタクリレート/メタノール溶液230mlに投入し、窒素雰囲気下、前記溶液を50℃に保ちながら分散液を2時間攪拌した。その後、分散液を濾過し粉末をメタノールで洗浄した後、さらにアセトンに再分散・濾過洗浄を2回繰り返し、未反応のモノマーや副生ホモポリマーを取り除いた。最後にメタノールに再分散、濾過を行い、60℃で10時間真空乾燥したところ、67gの粉末が得られた。その粉末の熱プレスシートの赤外吸収分光によりグリシジルアクリレートの重合体の生成を確認した。粉末の生成量よりグリシジルメタクリレートの重合体の含量は31wt%であった。
以上のようにして極性モノマーの重合体をグラフトしたポリエチレン粒子0.005gを純水15ml中に入れ、超音波を20分照射し、液全体が均一に白濁し、親水処理した粒子が均一に分散していることを確認した。そして、この分散液のゼータ電位をELSZseries(大塚電子株式会社製)にて、セル温度25℃設定にて測定した。図5に前記極性モノマーの重合体をグラフトしたポリエチレン粒子のゼータ電位測定結果を示した。この中からPH6〜8の間でゼータ電位がー10mV以下であることを確認した。
極性モノマーの重合体をグラフトしたポリエチレン粒子10gを粉末メッキ用プレディップ液(製)に分散させ、30℃で30分間攪拌することによりエッチングを行った。水洗後、硫酸パラジウムを1重量%含有するPd触媒化液100mlに添加し、30℃で30分間攪拌させてPdイオンを粒子に吸着させた。具体的には、2N濃塩酸を水で2倍〜6倍に希釈した塩酸水溶液に塩化パラジウム0.001〜1重量%及び塩化第一スズ0.25〜25重量%を溶解させた水溶液(好ましくは液温40〜60℃)でポリエチレン粒子を処理する(キャタリスト処理)。次いで、濃度1〜20重量%の塩酸にてスズ塩を溶解し、ポリエチレン粒子表面にパラジウム核を形成した(アクセレーター処理)。この粒子を濾取、水洗した後、0.5重量%のジメチルアミンボラン(pH6.0に調整)に添加し、Pdを活性化させたポリマー粒子を得た。
得られたPd活性化ポリエチレン粒子に蒸留水500mlを加え、ホモジナイザーを用いて充分に分散させることにより粒子懸濁液を得た。この懸濁液を50℃で攪拌しながら、硫酸ニッケル50g/Lと、次亜リン酸ナトリウム40g/Lと、クエン酸50g/Lとからなる無電解メッキ液(pHは7.5に調整)を徐々に添加し無電解ニッケルメッキを行った。金属被覆層が約0.090μmになった時点で無電解メッキ液の添加をやめ、アルコール置換した後、真空乾燥させることにより、ニッケル被覆ポリエチレン粒子を得た。得られたニッケル被覆ポリエチレン粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S-4700)で観察した所、金属皮膜が均一に形成されていた。
(実施例2)
シアン化金カリウム5.9g(金に換算して4g)を含有する置換金メッキ液(日本高純度化学社製、IM−GoldST)2000mlに実施例1で得られたニッケル被覆ポリエチレン粒子を10g添加して、攪拌しながら70℃にて30分間反応させた。反応終了後に置換金メッキ液における金の濃度を測定したところ10ppm以下であった。反応終了後の置換金メッキ液から粒子を濾取、水洗し、アルコール置換した後、真空乾燥させ、金−ニッケル被覆ポリエチレン粒子を得た。この金−ニッケル被覆ポリエチレン粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図4に示すように金属皮膜が均一に形成されていた。さらにこの粒子をエポキシ樹脂に混練し、硬化させた後ミクロトームでスライスし、断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図4に示すように金が均一に0.020μmの厚さで形成されていることが確認できた。
(比較例1)
未処理のポリエチレン粒子を実施例1と同様の工程で無電解ニッケルメッキを施した。得られたニッケル被覆ポリエチレン粒子を走査型電子顕微鏡で確認した所、図3に示すように粒子同士の凝集箇所が多く、また金属皮膜の形成が十分でなく、剥離している箇所が観察された。
本発明により、均一に金属メッキしたポリエチレン粒子を製造することができる。これにより、柔軟性に富み、周囲の環境の変化に対応することができる異方導電性素材などを提供することができる。

Claims (5)

  1. 平均粒子径が1μm〜100μmの樹脂粒子の表面に無電解メッキ層が形成されていることを特徴とする機能性微粒子であって、上記樹脂粒子がポリエチレン粒子に極性モノマーをグラフト重合したグラフト共重合体であることを特徴とする機能性粒子。
  2. 極性モノマーをグラフト重合する方法が、放射線グラフト重合である請求項1に記載の機能性微粒子。
  3. グラフト共重合体が1〜50wt%の極性モノマーの重合体からなることを特徴とする請求項2に記載の機能性微粒子
  4. 金属層の厚さが10nm〜500nmである、請求項1に記載の機能性粒子。
  5. 破壊強度100Pa以上にて、樹脂径の50%以上が塑性変形することを特徴とする請求項4に記載の機能性粒子。
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