JP2011045845A - 室内浄化方法、及び、室内浄化装置 - Google Patents

室内浄化方法、及び、室内浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】対象室のガス状有機化合物を除去する給排気運転に要する運転コストや装置コストを効果的に低減する。
【解決手段】対象室1の室内空気RAを触媒酸化装置20に導いて無害化処理する排気運転と、希釈用空気HAを対象室1に供給する給気運転とを実施して対象室1のガス状有機化合物Hgを除去するのに、給排気運転の開始後、触媒酸化装置20に導いて無害化処理する室内空気RAの風量である排気風量Qr、及び、対象室1に供給する希釈用空気HAの風量である給気風量Qsを小風量に制限するとともに、触媒酸化装置20における加熱器通過後の空気温度である触媒層入口温度trを高温にした小風量高温処理モードの給排気運転を実施し、その後、排気風量Qr及び給気風量Qsを増大させるとともに、触媒層入口温度trを低下させた大風量低温処理モードの給排気運転を実施する。
【選択図】図6

Description

本発明は、ガス状の有機化合物が存在する対象室の室内空気を触媒酸化装置に導いて無害化処理する排気運転と、希釈用空気を対象室に供給する給気運転とを実施して、それら給排気運転により対象室のガス状有機化合物を除去する室内浄化方法、及び、その方法に用いる室内浄化装置に関し、
特に、室内消毒のために対象室に充満させたホルムアルデヒドガスなどのガス状消毒剤を対象室から除去するのに好適な室内浄化方法及び室内浄化装置に関する。
従来、上記の如き室内浄化方法では、対象室の壁や天井などに吸着していたガス状有機化合物が室内浄化の進行に伴い徐々に壁や天井などから室内空気中へ離脱する分なども含めて、対象室におけるガス状有機化合物を極力短時間で除去するために、上記給排気運転で触媒酸化装置に導く室内空気の風量(排気風量)及び対象室に供給する希釈用空気の風量(給気風量)を大きい風量に保持し、また、ガス状有機化合物濃度の高い室内空気を触媒酸化装置に導くことに対して触媒酸化装置における触媒層の触媒被毒を防止するために、触媒酸化装置における加熱器通過後の空気温度(触媒層入口温度)を高い温度に保持した状態で、上記給排気運転を行なっていた(特許文献1参照)。
なお、特許文献1に示される室内浄化方法では、触媒酸化装置により無害化処理した空気を希釈用空気として対象室に供給する方式を採っている。
特開2004−163055号
しかし、上記した従来の室内浄化方法では、給排気運転の開始から対象室におけるガス状有機化合物の除去を完了するまでの全運転期間を通じて大風量の室内空気を高温の触媒層入口温度に加熱するため、触媒酸化装置の加熱器に大容量のものが必要になるとともに、その加熱器の消費エネルギが嵩み、また、全運転期間を通じて排気風量及び給気風量を大風量に保つため給排気運転に用いる送風機の消費エネルギも嵩む問題があった。
さらに、触媒酸化装置による無害化処理において十分な処理効率η(=100×(1−(装置出口空気の有機化合物濃度/装置入口空気の有機化合物濃度)))を確保するには、触媒酸化装置における触媒層のSV値(=処理風量〔m3N/h〕/触媒量〔m3〕)を小さくする必要があるが、上記従来の室内浄化方法では、大風量の室内空気を触媒酸化装置で無害化処理しながらSV値を小さくして十分な処理効率ηを確保する上で、触媒の必要量が大きくなる問題もあった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な運転形態を採ることで上記の如き問題を解消して、運転コストや装置コストの低減、並びに、装置の小型化を効果的に達成できる室内浄化方法及び室内浄化装置を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は室内浄化方法に係り、その特徴は、
ガス状の有機化合物が存在する対象室の室内空気を触媒酸化装置に導いて無害化処理する排気運転と、希釈用空気を対象室に供給する給気運転とを実施して、それら給排気運転により対象室のガス状有機化合物を除去するのに、
前記給排気運転の開始後、前記排気運転で前記触媒酸化装置に導いて無害化処理する室内空気の風量である排気風量、及び、前記給気運転で対象室に供給する希釈用空気の風量である給気風量を小風量に制限するとともに、前記触媒酸化装置における加熱器通過後の空気温度である触媒層入口温度を高温にした小風量高温処理モードの給排気運転を実施し、
その後、前記排気風量及び前記給気風量を増大させるとともに、前記触媒層入口温度を低下させた大風量低温処理モードの給排気運転を実施する点にある。
つまり、ガス状有機化合物の発生が停止した状態における対象室のガス状有機化合物濃度をd1(初期濃度)とすると、その状態から給排気運転をt時間実施した時点における対象室のガス状有機化合物濃度d′は完全拡散の場合、次の(式1)により表される。
d′=d1×e-nt ……………(式1)
また、ガス状有機化合物の発生(即ち、吸着ガス状有機化合物の室内空気中への離脱など)が始まったときから給排気運転をt時間実施した時点における対象室のガス状有機化合物濃度d″は完全拡散の場合、次の(式2)により表される。
d″=s/Q−s×e-nt/Q ……………(式2)
ここで、n:給排気運転による対象室の換気回数〔1/h〕=Q/V
Q:給排気運転による対象室の換気量〔m3/h〕
V:対象室の室容積〔m3
s:給排気運転の開始後におけるガス状有機化合物の発生量〔m3/h〕
なお、これら(式1),(式2)については「工場換気の理論と実践」(平成7年3月30日 初版第1刷発行 発行所:社団法人 空気調和・衛生工学会) 第5章 5.2希釈換気(第102頁〜第104頁)における第104頁の左欄を参照。
従って、ガス状有機化合物の初期濃度d1がある状態から給排気運転を開始し、その給排気運転の開始時点からガス状有機化合物の発生(吸着ガス状有機化合物の離脱など)が始まったときのt時間経過後における対象室のガス状有機化合物濃度d(残留濃度)は完全拡散の場合、次の(式3)により表される。
d=d′+d″
=(d1−s/Q)×e-nt+s/Q ……………(式3)
即ち、この(式3)から分かるように、給排気運転の開始後におけるガス状有機化合物の発生により生じる濃度分s/Q(定常濃度)よりも初期濃度d1が大きい場合、残留濃度dは図7に示す如く給排気運転の開始後において急速に低下(対象室が一回換気されるごとに1/2.718(=1/e)に低下)し、その後、定常濃度s/Q(≒0)に向って漸近的に低下する。
このことから、上記室内浄化方法において、小風量高温処理モードの給排気運転から大風量低温処理モードの給排気運転への切り換えを、残留濃度の低下傾向が給排気運転の開始後における急速な低下からその後の漸近的な低下に変わる変曲点付近の適当な時点に行なうようにすれば、それら各モードの給排気運転で次のことが可能になる。
つまり、給排気運転の開始後における小風量高温処理モードの給排気運転では、触媒酸化装置で無害化処理する室内空気のガス状有機化合物濃度(初期濃度)が高いことに対し触媒層入口温度を高温にすることで触媒被毒を防止することができる。
また、排気風量及び給気風量を小風量に制限することで、触媒酸化装置における加熱器の必要加熱量を小さくすることができ、さらに、触媒酸化装置における触媒層のSV値を小さくして無害化処理の処理効率ηを高く確保することができ、加えて、給排気運転に用いる送風機の消費エネルギを低減することができる。
そして、これらのことを可能にしながら、対象室におけるガス状有機化合物の濃度(残留濃度)を給気排気運転開始時の高い濃度(初期濃度)から急速に低下させることができる。
一方、その後の大風量低温処理モードの給排気運転では、排気風量及び給気風量を大風量としながらも、触媒層入口温度を低くすることで触媒酸化装置における加熱器の必要加熱量を小さくすることができる。
また、排気風量を大風量とすることで触媒酸化装置における触媒層のSV値が高くなるにしても、触媒酸化装置に送る室内空気のガス状有機化合物濃度(換言すれば、対象室の残留濃度)が先の小風量高温処理モードの給排気運転で既に大きく低下していることから、触媒酸化装置の装置出口における空気の無害化度合は十分に高く確保することができ、さらに同様に理由により、触媒層入口温度を低温にしながらも触媒酸化装置における触媒層の触媒被毒を十分に回避することができる。
そして、これらのことを可能にしながらも、排気風量及び給気風量を大風量にすることで、対象室における吸着ガス状有機化合物の室内空気中への離脱に対しても、能率良く対象室におけるガス状有機化合物濃度を低下させることができる。
以上の結果、第1特徴構成の室内浄化方法によれば、全体として、触媒酸化装置による室内空気の無害化処理は十分なものとしながらも、触媒酸化装置における加熱器の消費エネルギ、及び、給排気運転に用いる送風機の消費エネルギを低減することができて、給排気運転の運転コストを効果的に低減し得るとともに、省エネ面や二酸化炭素排出量の低減面で有利にすることができる。
また、触媒酸化装置における加熱器を小容量化し得るとともに触媒酸化装置における触媒層の触媒量を低減することができて、装置コストを効果的に低減し得るとともに装置の小型化も効果的に達成することができる。
なお、第1特徴構成の室内浄化方法を実施するのに、給排気運転の運転モード切り換えについては、対象室における室内空気のガス状有機化合物濃度が所定濃度(第1閾濃度)まで低下したときに小風量高温処理モードから大風量低温処理モードへ運転モードを切り換える方式、あるいは、小風量高温処理モードの給排気運転を開始した後、対象室における室内空気のガス状有機化合物濃度が所定濃度(第1閾濃度)まで低下するのに要すると見込まれる時間(第1閾時間)を予め設定しておき、小風量高温処理モードの給排気運転を開始した後、その設定時間(第1閾時間)が経過した時点で小風量高温処理モードから大風量低温処理モードへ運転モードを切り換える方式のいずれを採用してもよい。
また、大風量低温処理モードの給排気運転において触媒酸化装置の触媒層入口温度(加熱器通過後の空気温度)を低下させるにあたっては、触媒酸化装置における加熱器の空気加熱量を低下させる方式に限らず、場合によっては、加熱器の運転を停止する方式を採用してもよい。
小風量高温処理モードの給排気運転において排気風量や給気風量を具体的にどの程度の風量にするか、また、触媒層入口温度を具体的にどの程度の温度にするかは、運転条件等に応じて適宜決定すればよく、また、小風量高温処理モードの給排気運転に比べ、大風量低温処理モードの給排気運転において排気風量や給気風量を具体的にどの程度増大させるか、また、触媒層入口温度を具体的にどの程度低下させるかについても運転条件等に応じて適宜決定すればよい。
給気運転で対象室に供給する希釈用空気としては、フィルタや空調機で調整した外気など清浄な空気であれば種々の空気を採用できるが、触媒酸化装置において無害化処理した空気を希釈用空気として対象室に供給するようにしてもよい。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の室内浄化方法の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記大風量低温処理モードの給排気運転を実施するのに、その開始後は、前記加熱器による空気加熱量を低下させて前記触媒層入口温度を低下させた低加熱量状態で大風量低温処理モードの給排気運転を実施し、
その後、前記加熱器による空気加熱を停止した加熱停止状態で大風量低温処理モードの給排気運転を実施する点にある。
つまり、この構成によれば、大風量低温処理モードの給排気運転として先ずは、加熱器による空気加熱量を低下させて触媒層入口温度を低下させた低加熱量状態で大風量低温処理モードの給排気運転を実施するから、小風量高温処理モードの給排気運転から大風量低温処理モードの給排気運転へ運転モードを切り換えたときに、触媒酸化装置に導く室内空気のガス状有機化合物濃度(即ち、対象室におけるガス状有機化合物濃度)が何らかの原因で未だ十分に低下していない状況が生じたとしても、触媒酸化装置における触媒層の触媒被毒を低加熱量とは言え加熱器による空気加熱により防止でき、この点で、室内浄化方法の全体として触媒被毒の防止を一層確実にすることができる。
そして、この低加熱量状態での大風量低温処理モードの給排気運転に続き、加熱器による空気加熱を停止した加熱停止状態で大風量低温処理モードの給排気運転を実施することにより、室内浄化方法の全体として触媒酸化装置における加熱器の消費エネルギを一層効果的に低減することができる。
なお、第2特徴構成の実施にあたり、大風量低温処理モードの給排気運転における運転状態の切り換えについては、大風量低温処理モードの給排気運転を低加熱量状態で実施している状況において対象室におけるガス状有機化合物濃度が所定濃度(前記第1閾濃度よりも低い第2閾濃度)まで低下したときに大風量低温処理モードの給排気運転における運転状態を低加熱量状態から加熱停止状態へ切り換える方式、あるいは、低加熱量状態での大風量低温処理モードの給排気運転を開始した後、対象室のガス状有機化合物濃度が所定濃度(第2閾濃度)まで低下するのに要すると見込まれる時間(第2閾時間)を予め設定しておき、低加熱量状態での大風量低温処理モードの給排気運転を開始した後、その設定時間(第2閾時間)が経過した時点で大風量低温処理モードの給排気運転における運転状態を低加熱量状態から加熱停止状態へ切り換える方式のいずれを採用してもよい。
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記小風量高温処理モードの給排気運転、又は、前記大風量低温処理モードの給排気運転において、対象室におけるガス状有機化合物の濃度低下に伴い前記触媒層入口温度を連続的又は段階的に低下させる点にある。
つまり、この構成によれば、小風量高温処理モードの給排気運転あるいは大風量低温処理モードの給排気運転のいずれに適用するにしても、触媒酸化装置に導く室内空気のガス状有機化合物濃度が高いほど触媒酸化装置の触媒層入口温度を高温にし、また逆言すれば、触媒酸化装置に導く室内空気のガス状有機化合物濃度が低いほど触媒酸化装置の触媒層入口温度を低温にするから、触媒酸化装置における触媒層の触媒被毒を一層確実に防止しながら、触媒酸化装置における加熱器の消費エネルギを一層効果的に低減することができる。
なお、この第3特徴構成を前記第2特徴構成と併行実施する場合、大風量低温処理モードの給排気運転を低加熱量状態で実施している状況において、対象室のガス状有機化合物濃度の低下に伴い触媒層入口温度を加熱器の空気加熱量調整により連続的又は段階的に低下させるようにしてもよい。
本発明の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記小風量高温処理モードの給排気運転、又は、前記大風量低温処理モードの給排気運転において、対象室におけるガス状有機化合物の濃度低下に伴い前記排気風量及び前記給気風量を連続的又は段階的に増加させる点にある。
つまり、この構成によれば、小風量高温処理モードの給排気運転あるいは大風量低温処理モードの給排気運転のいずれに適用するにしても、触媒酸化装置に導く室内空気のガス状有機化合物濃度が高いほど排気風量及び給気風量を小風量にし、また逆言すれば、触媒酸化装置に導く室内空気のガス状有機化合物濃度が低いほど排気風量及び給気風量を大風量にするから、触媒酸化装置の装置出口における空気の無害化度合を十分高く確保しながら、給排気運転に用いる送風機の消費エネルギの低減を一層効果的に達成することができる。
本発明の第5特徴構成は室内浄化装置に係り、その特徴は
ガス状の有機化合物が存在する対象室の室内空気を触媒酸化装置に導いて無害化処理する排気運転を行なう排気手段と、希釈用空気を対象室に供給する給気運転を行なう給気手段と、それら給排気手段に給排気運転を実行させて対象室のガス状有機化合物を除去する運転制御手段とを備える室内浄化装置を構成するのに、
前記運転制御手段は、前記給排気運転の開始後、前記排気運転で前記触媒酸化装置に導いて無害化処理する室内空気の風量である排気風量、及び、前記給気運転で対象室に供給する希釈用空気の風量である給気風量を小風量に制限するとともに、前記触媒酸化装置における加熱器通過後の空気温度である触媒層入口温度を高温にした小風量高温処理モードの給排気運転を前記給排気手段に実行させ、
その後、前記排気風量及び前記給気風量を増大させるとともに、前記触媒層入口温度を低下させた大風量低温処理モードの給排気運転を前記給排気手段に実行させる構成にしてある点にある。
つまり、この第5特徴構成の室内浄化装置によれば、運転制御手段による給排気手段の運転制御により前述第1特徴構成の室内浄化方法を自動的に実施でき、これにより、第1特徴構成の室内浄化方法を手動操作により行なうのに比べ、管理者の負担を軽減し得るとともに、第1特徴構成の室内浄化方法を一層的確に実施することができて、第1特徴構成の室内浄化方法により得られる前述の如き効果を一層確実に得ることができる。
なお、この第5特徴構成の室内浄化装置を実施するにあたっては、前述第1特徴構成の室内浄化方法と同様、給排気運転の運転モード切り換えについて、対象室におけるガス状有機化合物濃度が所定濃度(第1閾濃度)まで低下したときに小風量高温処理モードから大風量低温処理モードへの運転モード切り換えを運転制御手段に実行させる形式、あるいは、小風量高温処理モードの給排気運転を開始した後、対象室におけるガス状有機化合物濃度が所定濃度(第1閾濃度)まで低下するのに要すると見込まれる時間(第1閾時間)を予め設定しておき、小風量高温処理モードの給排気運転を開始した後、その設定時間(第1閾時間)が経過した時点で小風量高温処理モードから大風量低温処理モードへの運転モード切り換えを運転制御手段に実行させる形式のいずれを採用してもよい。
また、大風量低温処理モードの給排気運転において触媒酸化装置の触媒層入口温度(加熱器通過後の空気温度)を低下させるにあたっては、触媒酸化装置における加熱器の空気加熱量を低下させる方式に限らず、場合によっては、加熱器の運転を停止する方式を採用してもよい。
小風量高温処理モードの給排気運転において排気風量や給気風量を具体的にどの程度の風量にするか、また、触媒層入口温度を具体的にどの程度の温度にするかは、運転条件等に応じて適宜決定すればよく、また、小風量高温処理モードの給排気運転に比べ、大風量低温処理モードの給排気運転において排気風量や給気風量を具体的にどの程度増大させるか、また、触媒層入口温度を具体的にどの程度低下させるかについても運転条件等に応じて適宜決定すればよい。
給気運転で対象室に供給する希釈用空気としては、フィルタや空調機で調整した外気など清浄な空気であれば種々の空気を採用できるが、触媒酸化装置において無害化処理した空気を希釈用空気として対象室に供給するようにしてもよい。
本発明の第6特徴構成は、第5特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記運転制御手段は、前記大風量低温処理モードの給排気運転を前記給排気手段に実行させるのに、その開始後は、前記加熱器による空気加熱量を低下させて前記触媒層入口温度を低下させた低加熱量状態で大風量低温処理モードの給排気運転を前記給排気手段に実行させ、
その後、前記加熱器による空気加熱を停止した加熱停止状態で大風量低温処理モードの給排気運転を前記給排気手段に実行させる構成にしてある点にある。
つまり、この構成によれば、運転制御手段による給排気手段の運転制御により前述第2特徴構成の室内浄化方法を自動的に実施でき、これにより、第2特徴構成の室内浄化方法を手動操作により行なうのに比べ、管理者の負担を軽減し得るとともに、第2特徴構成の室内浄化方法を一層的確に実施することができて、第2特徴構成の室内浄化方法により得られる前述の如き効果を一層確実に得ることができる。
なお、この第6特徴構成を実施するにあたっては、前述第2特徴構成と同様、大風量低温処理モードの給排気運転における運転状態の切り換えについて、大風量低温処理モードの給排気運転を低加熱量状態で実施している状況おいて対象室におけるガス状有機化合物濃度が所定濃度(前記第1閾濃度よりも低い第2閾濃度)まで低下したときに低加熱量状態から加熱停止状態への運転状態切り換えを運転制御手段に実行させる形式、あるいは、低加熱量状態での大風量低温処理モードの給排気運転を開始した後、対象室におけるガス状有機化合物濃度が所定濃度(第2閾濃度)まで低下するのに要すると見込まれる時間(第2閾時間)を予め設定しておき、低加熱量状態での大風量低温処理モードの給排気運転を開始した後、その設定時間(第2閾時間)が経過した時点で加熱停止状態への運転状態切り換えを運転制御手段に実行させる形式のいずれを採用してもよい。
また、第5又は第6特徴構成の室内浄化装置を実施するにあたっては、前述第3又は第4特徴構成の室内浄化方法を運転制御手段に実行させるようにしてもよい。
つまり、小風量高温処理モードの給排気運転、又は、大風量低温処理モードの給排気運転において、対象室におけるガス状有機化合物の濃度低下に伴い触媒層入口温度を運転制御手段により連続的又は段階的に低下させるようにしてもよい。
また、小風量高温処理モードの給排気運転、又は、大風量低温処理モードの給排気運転において、対象室におけるガス状有機化合物の濃度低下に伴い排気風量及び給気風量を運転制御手段により連続的又は段階的に増加させるようにしてもよい。
通常空調運転時の製造室を示す図 燻蒸処理時の製造室を示す図 室内浄化処理時の製造室を示す図 燻蒸装置の装置構成を示す図 触媒酸化装置の装置構成を示す図 室内浄化処理の手順を示す図 残留濃度の低下傾向を示すグラフ
図1において、1は薬品や食品などの製造室であり、通常時には、この製造室1を空調対象空間として、製造室1の室内を製造作業に適した温度に保つための通常空調用温度t1の空気SAを空調機2から給気ファンFsにより給気ダクト3及び高性能フィルタ4を通じ製造室1に供給する通常空調運転を実施する。また、この通常空調運転では、空調機2からの供給風量に相当する風量の空気EAを製造室1内から排気ファンFeにより排気ダクト5を通じて排出する。
製造室1では定期的にガス状消毒剤(燻蒸ガス)を室内に充満させる燻蒸処理を実施して室内を消毒するが、この燻蒸処理では図2に示す如く、製造室1内に可搬式の燻蒸装置6を搬入設置するとともに、通常空調運転を停止して給気ダクト3のダンパDs、及び、排気ダクト5のダンパDeを閉じ、これらダンパDs,Deの閉塞により製造室1内からのガス状消毒剤の漏出を阻止した状態で、燻蒸装置6からホルムアルデヒドガスHgをガス状消毒剤として製造室1内へ送出させる。なお、後述するダンパDrは常閉ダンパである。
燻蒸装置6は図4に示す如く、キャスター7を備える密閉状の装置ケース8に、ホットプレート型の加熱容器9、空気加熱ヒータ10、HEPAフィルタ11、送風機12をその順にケース底部からケース上部側へ並べて内装したユニット構造にしてあり、装置ケース8の上部にはホルムアルデヒドガスHgの送出口13を形成し、装置ケース8の下部には燻蒸対象室である製造室1の室内空気RAを吸入する吸入口14を形成してある。
加熱容器9は、ホルムアルデヒド重合体として適量の顆粒状パラホルムアルデヒドHsを容器内に置いた状態で、その顆粒状パラホルムアルデヒドHsを電熱により加熱分解することにより、顆粒状パラホルムアルデヒドHsからホルムアルデヒドガスHgを直接的に発生させるものであり、この加熱容器9でのホルムアルデヒドガスHgの発生は、送風機12の吸気機能により製造室1内の室内空気RAを吸入口14から装置ケース8内における加熱容器9の収容部に吸入して、その吸入空気RA′の供給雰囲気下で行う構造にしてある。
加熱容器9において吸入空気RA′の供給雰囲気下で発生させたホルムアルデヒドガスHgは、送風機12の吸気機能により吸入空気RA′との混合状態でHEPAフィルタ11に通過させ、この通過過程において、加熱容器9での発生ホルムアルデヒドガスHgに含まれる粒子状ホルムアルデヒドをHEPAフィルタ11で捕捉し、HEPAフィルタ11を通過したホルムアルデヒドガスHgをガス状消毒剤として吸入空気RA′との混合状態で送風機12の送気機能により送出口13から製造室1内へ送出する。
また、発生ホルムアルデヒドガスHgと吸入空気RA′との混合気は、HEPAフィルタ11に通過させるのに先立ち空気加熱ヒータ10により加熱し、この加熱混合気をHEPAフィルタ11に通過させることで、HEPAフィルタ11において先に捕捉した状態にある粒子状ホルムアルデヒドを捕捉状態下で加熱してガス化し、このガス化したホルムアルデヒドを加熱容器9での発生ホルムアルデヒドガスHgと同様にHEPAフィルタ11を通過させて送出口13から製造室1内へ送出する。
つまり、加熱容器9での発生ホルムアルデヒドガスHgに含まれる粒子状ホルムアルデヒドは、加熱容器9での加熱において十分に分解されなかった未分解のホルムアルデヒドや分解直後に再重合したホルムアルデヒドであるが、これら粒子状ホルムアルデヒドをHEPAフィルタ11で捕捉して、その捕捉ホルムアルデヒドを捕捉状態下での加熱によりガス化した上で製造室1内へ送出することにより、それら粒子状のホルムアルデヒドが粒子状のままで製造室1内へ送出されるのを防止する。
送出口13及び吸入口14には、それらを開閉する弁装置15,16を装備してあり、また、燻蒸装置6には、製造室1内に設置するユニット構造の装置本体とは別に製造室1の室外に設置した制御盤17を備えさせてあり、この制御盤17は、運転開始指令を受けると次の(A)〜(C)の制御を実行するものにしてある。
(A)加熱容器9に適量のパラホルムアルデヒドHsを置いた状態で運転開始指令が運転者から付与されると、送出口13及び吸入口14夫々の弁装置15,16を開くとともに、加熱容器9、空気加熱ヒータ10、送風機12夫々の運転を開始し、ホルムアルデヒドガスHgを燻蒸装置6から送出させる。
(B)製造室1に設置した濃度センサ18の検出濃度dに基づき、加熱容器9を発停制御して、製造室1内のホルムアルデヒドガス濃度dを設定保持濃度d1に調整維持する。
(C)運転開始時点(あるいは、濃度センサ18の検出濃度dが最初に設定保持濃度d1に達した時点)から設定燻蒸時間Tが経過すると、検出濃度dに基づく加熱容器9の発停制御を停止して、加熱容器9を運転停止状態にするとともに、空気加熱ヒータ10及び送風機12も運転停止状態にし、また、送出口13及び吸入口14夫々の弁装置15,16を閉じ状態にして、運転者に対し燻蒸処理の完了を報知する。
なお、設定燻蒸時間Tが経過するまでは、加熱容器9の発停制御にかかわらず、空気加熱ヒータ10及び送風機12の運転を継続し、これにより、ホルムアルデヒドガスHgを含む製造室1の室内空気RAを循環させる形態で空気加熱ヒータ10により加熱し、この加熱により製造室1内を極力高温に保って、燻蒸過程にある製造室1内でのホルムアルデヒドガスHgの再重合を防止する。
運転者は、燻蒸処理の完了が制御盤17により報知されると、製造室1に充満するホルムアルデヒドガスHgを製造室1から除去する室内浄化処理の開始指令を制御盤17に付与する(あるいは、燻蒸処理が完了すると制御盤17は自動的に室内浄化処理を開始する)が、この室内浄化処理ではホルムアルデヒドガスHgを含む製造室1の室内空気RAを触媒酸化装置20により無害化処理して外部に排気する。
触媒酸化装置20は図5に示す如く、導入ダクト21を通じて導入ファン22により導入される室内空気RAを予熱する予熱器23と、この予熱器23により予熱した室内空気RAをさらに加熱する蒸気熱源の加熱器24と、この加熱器24で加熱した室内空気RAを通過させる触媒層25とを備えており、予熱器23は触媒層25を通過した処理済の高温空気RA″と導入室内空気RAとを熱交換させて導入室内空気RAを予熱するものである。
また、加熱器24は、それに対する熱源蒸気Sの供給流量を調整する流量調整弁24aを備えており、この流量調整弁24aによる蒸気供給流量の調整により加熱器24の空気加熱量を調整することで、加熱器通過後の空気温度である触媒層入口温度trを調整する。
つまり、この触媒酸化装置20では、予熱器23及び加熱器24により所定の触媒層入口温度trに加熱した室内空気RAを触媒層25に通過させることで、その空気に含まれるホルムアルデヒドガスHgを触媒存在下で酸化分解させ、これにより、導入ダクト21を通じて導入される室内空気RAを無害化する。そして、予熱器23で導入室内空気RAと熱交換して低温化した処理済の清浄空気RA″を外部に排出する。
一方、制御盤17は室内浄化処理の開始指令を受けると(あるいは、燻蒸処理が完了すると自動的に)、次の(D)〜(I)の制御を実行して室内浄化処理を実施するものにしてある(図6参照)。
(D)排気ダクト5のダンパDeは閉じたままで、排気ダクト5から分岐した導入ダクト21の常閉ダンパDrを開くとともに、導入ファン22及び触媒酸化装置20の運転を開始し、これにより、ホルムアルデヒドガスHgを含む製造室1の室内空気RAを導入ダクト21を通じ触媒酸化装置20に導いて無害化処理する排気運転を開始する。
また、排気ダクト5のダンパDeとともに燻蒸処理の開始に先立ち閉じてあった給気ダクト3のダンパDsを開くとともに、給気ファンFsの運転を再開し、これにより、希釈用空気HAを製造室1に供給する給気運転を開始する。
なお、この室内浄化処理における給気運転では、製造室1の室内を製造作業に適した温度に保つための通常空調用温度t1の空気SAを空調機2から製造室1に供給する通常空調運転に代え、その通常空調用温度t1よりも高温t2の空気HAを希釈用空気として空調機2から給気ファンFsにより給気ダクト3を通じて製造室1に供給し、これにより、燻蒸処理の完了時点で製造室1内に未分解や再重合のホルムアルデヒドが存在していたとしても、高温希釈用空気HAの供給による製造室1内の高温化で、それら製造室1内における未分解ホルムアルデヒドや再重合ホルムアルデヒドのガス化を促進して、室内浄化処理による室内ホルムアルデヒドガスHgの除去を能率良く行えるようにする。
(E)室内浄化処理における上記給排気運転は、その開始後、先ずは上記排気運転で触媒酸化装置20に導いて無害化処理する室内空気RAの風量である排気風量Qr、及び、上記給気運転で製造室1に供給する希釈用空気HAの風量である給気風量Qsを小風量(設定第1風量Qra,Qsa)に制限するとともに、触媒酸化装置20における加熱器通過後の空気温度である触媒層入口温度trを高温(設定第1温度tra)にした小風量高温処理モードで実施する。なお、本例では排気風量Qr≒給気風量Qrとしている。
(F)室内浄化処理の給排気運転を上記小風量高温処理モードで開始した後、第1閾時間Taが経過すると、又は、濃度センサ18により検出される製造室1のホルムアルデヒドガス濃度dが第1閾濃度da(d1>da>d2)まで低下すると、室内浄化処理における給排気運転の運転モードを小風量高温処理モードから、排気風量Qr及び給気風量Qsを大風量(設定第2風量Qrb,Qsb)に増大させるとともに、触媒層入口温度trを低下させた大風量低温処理モードに切り換える。
なお、製造室1における室内空気RAのホルムアルデヒドガス濃度d(残留濃度)は図7に示す如く、給排気運転の開始後において急速に低下し、その後、定常濃度に向って漸近的に低下する傾向があることに対し、上記運転モードの切り換えを給排気運転の開始後、第1閾時間Taの経過時点で行なうようにする場合、その第1閾時間Taとしては、給排気運転の開始後、製造室1のホルムアルデヒドガス濃度d(残留濃度)が給排気運転の開始後における急速な低下からその後の漸近的な低下に変わる変曲点付近の濃度まで低下するのに要すると見込まれる時間を設定する。
また、上記運転モードの切り換えを製造室1のホルムアルデヒドガス濃度d(残留濃度)が第1閾濃度daまで低下したときに行なうようにする場合、その第1閾濃度daとしては、製造室1のホルムアルデヒドガス濃度d(残留濃度)が給排気運転の開始後における急速な低下からその後の漸近的な低下に変わる変曲点付近の濃度を設定する。
つまり、このように第1閾時間Ta又は第1閾濃度daを設定した状態で、室内浄化処理の給排気運転を、その開始後、小風量高温処理モードで実施し、その後、第1閾時間Taが経過した時点で、又は、製造室1のホルムアルデヒドガス濃度d(残留濃度)が第1閾濃度daまで低下した時点で、室内浄化処理における給排気運転の運転モードを小風量高温処理モードから大風量低温処理モードに切り換えることにより、室内浄化処理の全体として、触媒酸化装置20による室内空気RAの無害化処理は十分なものとしながらも、触媒酸化装置20における加熱器24の消費エネルギ及び室内浄化処理の給排気運転に用いるファン22,Fsの消費エネルギを低減し、また、触媒酸化装置20における加熱器24の小容量化を可能にするとともに、触媒酸化装置20における触媒量の低減も可能にする。
(G)小風量高温処理モードの給排気運転に続いて大風量低温処理モードの給排気運転を実施するのに、その開始後、先ずは触媒酸化装置20における加熱器24の空気加熱量を流量調整弁24aの調整により低下させて触媒層入口温度trを低温(設定第2温度trb)に低下させた低加熱量状態で大風量低温処理モードの給排気運転を実施する。
(H)低加熱量状態で大風量低温処理モードの給排気運転を開始した後、第2閾時間Tbが経過すると、又は、濃度センサ18により検出される製造室1のホルムホルムアルデヒドガス濃度d(残留濃度)が第2閾濃度db(da>db>d2)まで低下すると、低加熱量状態での大風量低温処理モードの給排気運転から、触媒酸化装置20における加熱器24の空気加熱を停止(即ち、加熱器24に対する蒸気供給を停止)した加熱停止状態で大風量低温処理モードの給排気運転を実施する。
つまり、このように大風量低温処理モードの給排気運転を、その開始後、低加熱量状態で実施し、その後、大風量低温処理モードの給排気運転における運転状態を低加熱量状態から加熱停止状態へ切り換えることにより、室内浄化処理の全体として、触媒酸化装置20における触媒層25の触媒被毒を一層確実に防止しながら、触媒酸化装置20における加熱器24の消費エネルギを一層効果的に低減する。
(I)その後、濃度センサ18により検出される製造室1のホルムアルデヒドガス濃度d(残留濃度)が設定終了濃度d2まで低下すると、導入ファン22及び触媒酸化装置20の運転を停止して導入ダクト21の常閉ダンパDrを閉じ状態に復帰し、室内浄化処理の排気運転を終了する。
また、給気ファンFs及び空調機2の運転を停止して給気ダクト3のダンパDsを閉じ、室内浄化処理の給気運転を停止し、室内浄化処理の完了を運転者に対し報知する。
一方、運転者は、室内浄化処理の完了が制御盤17により報知されると、その後、随時、図1に示す通常空調運転を再開して、製造室1を製造作業が可能な状態に復帰させる。
以上、本実施形態において、ダンパDr、導入ダクト21、導入ファン22は、ホルムアルデヒドガスHg(ガス状有機化合物)が存在する製造室1(対象室)の室内空気RAを触媒酸化装置20に導いて無害化処理する排気運転を行なう排気手段を構成する。
ダンパDs、給気ダクト3、給気ファンFs、空調機2は、室内浄化処理に関して、希釈用空気Haを製造室1(対象室)に供給する給気運転を行なう給気手段を構成する。
制御盤17は、室内浄化処理に関して、上記給排気手段に給排気運転を実行させて製造室1(対象室)のホルムアルデヒドガスHg(ガス状有機化合物)を除去する運転制御手段を構成する。
そして、この制御盤17(運転制御手段)は、室内浄化処理に関して、上記給排気運転の開始後、排気運転で触媒酸化装置20に導いて無害化処理する室内空気RAの風量である排気風量Qr、及び、給気運転で製造室1(対象室)に供給する希釈用空気HAの風量である給気風量Qsを小風量(Qra,Qsa)に制限するとともに、触媒酸化装置20における加熱器通過後の空気温度である触媒層入口温度trを高温(tra)にした小風量高温処理モードの給排気運転を給排気手段に実行させ、その後、排気風量Qr及び給気風量Qsを増大(Qrb,Qsb)させるとともに、触媒層入口温度trを低下させた大風量低温処理モードの給排気運転を給排気手段に実行させる構成にしてある。
また、この制御盤17(運転制御手段)は、室内浄化処理に関して、大風量低温処理モードの給排気運転を給排気手段に実行させるのに、その開始後は、加熱器24による空気加熱量を低下させて触媒層入口温度trを低下(trb)させた低加熱量状態で大風量低温処理モードの給排気運転を給排気手段に実行させ、その後、加熱器24による空気加熱を停止した加熱停止状態で大風量低温処理モードの給排気運転を給排気手段に実行させる構成にしてある。
次に本実施形態の室内浄化処理と従来の室内浄化処理との対比例を示すが、ここで示す本実施形態の室内浄化処理及び従来の室内浄化処理は給排気運転を次の諸元で実施したものである。
〔本実施形態の室内浄化処理〕
・小風量高温処理モードの給排気運転
排気風量Qr,給気風量Qs(設定第1風量Qra,Qsa)=12,585m3/h
触媒層25のSV値=20,000
触媒層入口温度tr(設定第1温度tra)=140℃
触媒量=630L
加熱器24の空気加熱量=255kW
加熱器24の蒸気消費量=230kg(0.8MPa)
運転時間=0.5h
触媒酸化装置20の処理効率η=99.85%(濃度d=2000ppmのとき)
・低加熱量状態での大風量低温処理モードの給排気運転
排気風量Qr,給気風量Qs(設定第2風量Qrb,Qsb)=25,170m3/h
触媒層25のSV値=40,000
触媒層入口温度tr(設定第2温度trb)=75℃
触媒量=630L
加熱器24の空気加熱量=233kW
加熱器24の蒸気消費量=210kg(0.8MPa)
運転時間=0.5h
触媒酸化装置20の処理効率η=99.2%(濃度d=50ppmのとき)
・加熱停止状態での大風量低温処理モードの給排気運転
排気風量Qr,給気風量Qs(設定第2風量Qrb,Qsb)=25,170m3/h
触媒層25のSV値=40,000
触媒層入口温度tr=常温(加熱器停止)
触媒量=630L
加熱器24の空気加熱量=0kW
加熱器24の蒸気消費量=0kg
運転時間=47h
触媒酸化装置20の処理効率η=99.0%(濃度d=50ppmのとき)
〔従来の室内浄化処理〕
排気風量Qr,給気風量Qs=25,170m3/h(固定)
触媒層25のSV値=20,000(固定)
触媒層入口温度tr=140℃(固定)
触媒量=1,260L
加熱器24の空気加熱量=510kW
加熱器24の蒸気消費量=44,000kg(0.8MPa)
運転時間=48h
触媒酸化装置20の処理効率η=99.85%(濃度d=2000ppmのとき)
この対比例から分かるように、本実施形態の室内浄化処理と従来の室内浄化処理とは全体としてほぼ同じ運転時間(48h)で室内ホルムアルデヒド濃度dを設定終了濃度d2まで低下させることができるが、触媒酸化装置20における触媒層25の触媒量について、従来の室内浄化処理では1,260Lの触媒量が必要であるのに対し、本実施形態の室内浄化処理では630Lの触媒量で済み、従来の室内浄化処理に比べ半減できる。
また、触媒酸化装置20における加熱器25の加熱容量について、従来の室内浄化処理では510kwの加熱容量が必要であるのに対し、本実施形態の室内浄化処理では255kwの加熱容量で済み、従来の室内浄化処理に比べ半減できる。
さらに、触媒酸化装置20における加熱器25の蒸気消費量(消費エネルギ)について、従来の室内浄化処理では44,000kgの蒸気を消費するのに対し、本実施形態の室内浄化処理では440kgの蒸気消費で済み、従来の室内浄化処理に比べ激減できる。
〔別の実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
前述の実施形態では、大風量低温処理モードの給排気運転を先ず加熱器24の空気加熱量を低下させた低加熱量状態で実施し、その後、加熱器24による空気加熱を停止した加熱停止状態で実施する例を示したが、場合によっては、加熱停止状態での大風量低温処理モードの給排気運転を省略して、大風量低温処理モードの給排気運転を低加熱量状態でのみ実施する、あるいは逆に、低加熱量状態での大風量低温処理モードの給排気運転を省略して、大風量低温処理モードの給排気運転を加熱停止状態でのみ実施するようにしてもよい。
また、小風量高温処理モードの給排気運転あるいは大風量低温処理モードの給排気運転において、対象室(製造室1)におけるホルムアルデヒドガス濃度d(残留濃度)の低下に伴い、触媒層入口温度trを連続的又は段階的に低下させたり、排気風量Qr及び給気風量Qsを連続的又は段階的に増大させるようにしてもよい。
前述の実施形態では、室内浄化処理における給排気運転を運転制御手段(制御盤17)に実行させる例を示したが、室内浄化処理における給排気運転の一部又は全部を手動操作で行なうようにしてもよい。
室内浄化処理により対象室から除去する除去対象物質はホルムアルデヒドガスHgなどのガス状消毒剤に限られるものではなく、触媒酸化装置20により酸化分解が可能なガス状有機化合物であれば、どのようなガス状有機化合物であってもよい。
また、室内浄化処理により消毒剤などのガス有機化合物を除去する対象室1は、薬品や食品などの製造室に限られるものではなく、実験室や一般居室あるいは人間が入ることのない種々の用途の閉空間などであってもよい。
本発明の室内浄化方法及び室内浄化装置は、各種用途の対象室に存在する種々のガス状有機化合物を対象室から除去するのに用いることができる。
Hg ガス状有機化合物
1 対象室
RA 室内空気
20 触媒酸化装置
HA 希釈用空気
Qr 排気風量
Qs 給気風量
tr 触媒層入口温度
24 加熱器
Dr,21,22 排気手段
Ds,3,Fs,2 給気手段
17 運転制御手段

Claims (6)

  1. ガス状の有機化合物が存在する対象室の室内空気を触媒酸化装置に導いて無害化処理する排気運転と、希釈用空気を対象室に供給する給気運転とを実施して、それら給排気運転により対象室のガス状有機化合物を除去する室内浄化方法であって、
    前記給排気運転の開始後、前記排気運転で前記触媒酸化装置に導いて無害化処理する室内空気の風量である排気風量、及び、前記給気運転で対象室に供給する希釈用空気の風量である給気風量を小風量に制限するとともに、前記触媒酸化装置における加熱器通過後の空気温度である触媒層入口温度を高温にした小風量高温処理モードの給排気運転を実施し、
    その後、前記排気風量及び前記給気風量を増大させるとともに、前記触媒層入口温度を低下させた大風量低温処理モードの給排気運転を実施する室内浄化方法。
  2. 前記大風量低温処理モードの給排気運転を実施するのに、その開始後は、前記加熱器による空気加熱量を低下させて前記触媒層入口温度を低下させた低加熱量状態で大風量低温処理モードの給排気運転を実施し、
    その後、前記加熱器による空気加熱を停止した加熱停止状態で大風量低温処理モードの給排気運転を実施する請求項1記載の室内浄化方法。
  3. 前記小風量高温処理モードの給排気運転、又は、前記大風量低温処理モードの給排気運転において、対象室におけるガス状有機化合物の濃度低下に伴い前記触媒層入口温度を連続的又は段階的に低下させる請求項1又は2記載の室内浄化方法。
  4. 前記小風量高温処理モードの給排気運転、又は、前記大風量低温処理モードの給排気運転において、対象室におけるガス状有機化合物の濃度低下に伴い前記排気風量及び前記給気風量を連続的又は段階的に増加させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の室内浄化方法。
  5. ガス状の有機化合物が存在する対象室の室内空気を触媒酸化装置に導いて無害化処理する排気運転を行なう排気手段と、希釈用空気を対象室に供給する給気運転を行なう給気手段と、それら給排気手段に給排気運転を実行させて対象室のガス状有機化合物を除去する運転制御手段とを備える室内浄化装置であって、
    前記運転制御手段は、前記給排気運転の開始後、前記排気運転で前記触媒酸化装置に導いて無害化処理する室内空気の風量である排気風量、及び、前記給気運転で対象室に供給する希釈用空気の風量である給気風量を小風量に制限するとともに、前記触媒酸化装置における加熱器通過後の空気温度である触媒層入口温度を高温にした小風量高温処理モードの給排気運転を前記給排気手段に実行させ、
    その後、前記排気風量及び前記給気風量を増大させるとともに、前記触媒層入口温度を低下させた大風量低温処理モードの給排気運転を前記給排気手段に実行させる構成にしてある室内浄化装置。
  6. 前記運転制御手段は、前記大風量低温処理モードの給排気運転を前記給排気手段に実行させるのに、その開始後は、前記加熱器による空気加熱量を低下させて前記触媒層入口温度を低下させた低加熱量状態で大風量低温処理モードの給排気運転を前記給排気手段に実行させ、
    その後、前記加熱器による空気加熱を停止した加熱停止状態で大風量低温処理モードの給排気運転を前記給排気手段に実行させる構成にしてある請求項5記載の室内浄化装置。
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