JP2011045800A - 塗工装置および塗工方法、並びに、塗膜付きウェブ状基材の製造方法 - Google Patents

塗工装置および塗工方法、並びに、塗膜付きウェブ状基材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウェブ状の基材に塗工液を塗工する塗工装置において、ウェブ状の基材上に精度良く塗工液を塗工することができる塗工装置を提供する。
【解決手段】塗工装置20は、搬送されているウェブ状の基材1に塗工液7を塗工する。塗工装置は、基材を搬送する搬送手段30と、搬送手段によって搬送される基材の搬送経路沿いに配置された吐出ヘッド40と、搬送手段による基材の搬送方向に沿って移動可能に前記吐出ヘッドを支持する移動支持手段50と、を有する。移動支持手段50は、搬送手段によって搬送される基材と同期して吐出ヘッドを移動させ得る。
【選択図】図2

Description

本発明は、ウェブ状の基材上に塗工液を塗工する塗工装置および塗工方法に係り、とりわけ、ウェブ状基材上に塗工液を間欠塗工することに適した塗工装置および塗工方法に関する。また、本発明は、ウェブ状の基材と、この基材上に精度良く形成された塗膜と、を有する塗膜付きウェブ状基材の製造方法に関する。
シート状の基材上に塗工液を塗工する塗工装置および塗工方法が、種々の技術分野において、広く利用に供されている。例えば特許文献1〜特許文献3に開示されているように、典型的な塗工装置は、線状に延びる吐出開口を有した吐出ヘッド(ダイヘッド、ダイ、ノズルとも呼ばれる)を有している。このような塗工装置においては、吐出開口の長手方向に直交する方向に吐出ヘッドと基材とを相対移動させながら、吐出開口から塗工液を吐出することによって、塗工液を基材上に塗工する。この結果、吐出開口の長手方向に沿った長さと同等の幅を有した塗膜を基材上に形成することができる。
ただし、このような塗工装置を用いて基材への塗工液の塗工を開始する際、吐出ヘッドの吐出開口の長手方向に沿った全領域から一斉に塗工液を吐出することは難しい。実際には、吐出ヘッドの吐出開口の長手方向に沿った各位置からの塗工液の吐出開始タイミングは同一ではなく、吐出開口の長手方向に沿って互いから離間した複数の位置から、塗工液が吐出され始める。その後しばらくして、吐出ヘッドと基材との間の吐出開口に対面する線状の領域が塗工液によって満たされ、塗工液のビードが形成される。すなわち、ビードが形成される前において、塗工液は、基材に対して相対移動する吐出ヘッドの吐出開口から基材上に、筋状に塗工される(図12参照)。そして、基材上における筋の幅が次第に太くなっていき、隣り合う筋がつながった際に、上述のビードが吐出ヘッドと基材との間に形成される。このようにしてビードが形成された後においては、吐出開口から塗工液を膜状に塗工することができ、これにより、所望の幅を有した塗膜を得ることができる。
以上のように、吐出ヘッドと基材とを相対移動させながら吐出ヘッドから基材に塗工液を塗工する場合、吐出ヘッドと基材との間にビードが形成される迄、塗工液は筋状に塗工される。すなわち、塗膜の塗工開始側の縁が直線状ではなく波打ち状となり、基材上の予定された全領域に塗膜を形成することができない。このような不具合を防止するための改善策が、種々研究されている(例えば、特許文献1〜特許文献3)。
特開2005−329305号公報 特開平1−213641号公報 特開昭63−148251号公報
ところで、生産性を考慮すると、いわゆるロールトゥロール方式で、ウェブ状の基材に対して塗膜を形成していくことが好ましい。しかしながら、多くの場合、ロールトゥロール方式で塗膜を形成されるウェブ状基材の厚みは非常に薄く、このため、ウェブ状基材は、安定した搬送および損傷の防止を目的として、概ね一定の速度で搬送され続ける。したがって、ウェブ状基材への塗工液の塗工は、枚葉状基材への塗工液の塗工と比較して、条件設定の自由度が著しく低い。このため、ロールトゥロール方式での塗工においてビードを形成する方法が種々研究されているものの(例えば、特許文献2および特許文献3)、いまだ筋状模様を十分に解消することができていない。
とりわけ、ウェブ状基材の長手方向に離間して多数の塗膜をウェブ状基材上に形成することができるウェブ状基材への間欠塗工を、満足な精度で行うことは実現されていない。現状においては、ウェブ状基材の長手方向に連続して延びる一つの塗膜をウェブ状基材上に形成し、形成された塗膜の不要部分を事後的に除去することにより、ウェブ状基材の長手方向に分離して配置された多数の塗膜をウェブ状基材上に形成するようにしている。結果として、ロールトゥロール方式での塗膜形成による利益を、生産性改善の面で、享受することができていない。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであって、ウェブ状の基材に塗工液を塗工する塗工装置および塗工方法において、ウェブ状の基材上に精度良く塗工液を塗工することができる塗工装置および塗工方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ウェブ状の基材と、この基材上に精度良く形成された塗膜と、を有する塗膜付きウェブ状基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様による塗工装置は、搬送されているウェブ状の基材に塗工液を塗工する塗工装置であって、
ウェブ状の基材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送される基材の搬送経路沿いに配置された吐出ヘッドであって、前記基材に向けて塗工液を吐出する吐出ヘッドと、
前記搬送手段による前記基材の搬送方向に沿って移動可能に前記吐出ヘッドを支持する移動支持手段であって、前記搬送手段によって搬送される前記基材と同期して前記吐出ヘッドを移動させ得るように構成された移動支持手段と、を備える
ことを特徴とする。
本発明の一態様による塗工装置において、前記移動支持手段は、前記搬送手段によって搬送されている基材の搬送速度を検出する検出機構と、前記検出機構による検出によって得られた基材の搬送速度と同一速度で、前記搬送される基材の搬送方向に、前記吐出ヘッドを移動させるアクチュエータと、を有するようにしてもよい。
あるいは、本発明の一態様による塗工装置において、前記搬送手段は、前記搬送されている基材を案内する案内ロールであって前記基材の搬送経路を画成する少なくとも二つの案内ロールを有し、前記移動支持手段は、前記少なくとも二つの案内ロールに掛け渡され前記基材と同期して移動する輪状部材と、前記搬送手段によって搬送される基材の搬送経路および前記輪状部材の移動経路に沿って前記吐出ヘッドを移動可能に支持する支持機構と、前記吐出ヘッドに取り付けられ前記吐出ヘッドとともに前記支持機構に支持された連結機構であって、前記輪状部材と連結可能な連結機構と、を有するようにしてもよい。
あるいは、本発明の一態様による塗工装置において、前記移動支持手段は、前記搬送手段によって搬送される基材の搬送経路に沿って前記吐出ヘッドを移動可能に支持する支持機構と、前記吐出ヘッドに取り付けられ前記吐出ヘッドとともに前記支持機構に支持された連結機構であって、前記搬送手段によって搬送される基材と連結可能な連結機構と、を有するようにしてもよい。
また、本発明の一態様による塗工装置において、前記移動支持手段は、前記搬送手段による基材の搬送経路に沿って、前記搬送手段による基材の搬送の向きとは逆の向きにも、前記吐出ヘッドを移動させ得るように、構成されていてもよい。
さらに、本発明の一態様による塗工装置において、前記移動支持手段は、前記搬送手段によって搬送される基材の搬送経路に向けて接近可能かつ当該搬送経路から離間可能に前記吐出ヘッドを支持していてもよい。
さらに、本発明の一態様による塗工装置において、前記移動支持手段は、前記吐出ヘッドからの前記基材へ向けた塗工液の吐出開始時に、前記吐出ヘッドが前記搬送手段によって搬送される前記基材と同期して移動しているように、前記吐出ヘッドを移動させてもよい。このような本発明の一態様による塗工装置において、前記移動支持手段は、前記搬送手段によって搬送されている前記基材に向けた前記吐出ヘッドからの前記塗工液の吐出が継続されている状態で、前記搬送されている基材と同期した前記吐出ヘッドの移動を停止または減速するように、構成されていてもよい。
本発明の一態様による塗工方法は、搬送されているウェブ状の基材に塗工液を塗工する塗工方法であって、
前記搬送されている基材と同期するようにして前記基材の搬送方向へ吐出ヘッドを移動させながら、前記吐出ヘッドから塗工液を前記基材に向けて吐出する工程と、
その後、前記吐出ヘッドから前記基材に向けた前記塗工液の吐出を継続しながら前記吐出ヘッドの移動を停止または減速し、前記搬送されている基材へ前記吐出ヘッドから前記塗工液を塗工していく工程と、を備える
ことを特徴とする。
本発明の一態様による塗工方法において、前記基材と同期して前記吐出ヘッドを移動させながら前記吐出ヘッドから塗工液を前記基材に向けて吐出する工程は、前記吐出ヘッドの吐出開口から吐出された塗工液によって、前記吐出ヘッドと前記基材との間の前記吐出開口に対面する全領域が満たされるまで、実施されてもよい。
また、本発明の一態様による塗工方法が、前記基材と同期して前記吐出ヘッドを移動させながら前記吐出ヘッドから塗工液を前記基材に向けて吐出する工程の前に実施される工程であって、前記停止した状態にある吐出ヘッドの移動を開始する工程を、さらに備えるようにしてもよい。
さらに、本発明の一態様による塗工方法が、前記搬送されている基材へ前記吐出ヘッドから前記塗工液を塗工していく工程の後に実施される工程であって、前記吐出ヘッドからの前記塗工液の吐出を停止した状態で、前記搬送手段による基材の搬送方向に沿って前記基材の搬送の向きとは逆の向きに前記吐出ヘッドを移動させる工程を、さらに備えるようにしてもよい。このような本発明の一態様による塗工方法の前記基材の搬送の向きとは逆の向きに前記吐出ヘッドを移動させる工程において、前記搬送されている基材と同期するようにして前記基材の搬送方向へ前記吐出ヘッドを移動する前に前記吐出ヘッドが支持されていた位置に、前記吐出ヘッドを戻すようにしてもよい。また、このような本発明の一態様による塗工方法において、前記基材の搬送の向きとは逆の向きに前記吐出ヘッドを移動させる工程の前に、あるいは、当該工程と並行して、前記基材の搬送経路から離間する方向に前記吐出ヘッドを移動させるようにしてもよい。
本発明の一態様による塗膜付きウェブ状基材の製造方法は、ウェブ状の基材と、前記基材上に形成された塗膜と、を有する塗膜付きウェブ状基材を製造する方法であって、
上述したいずれかの本発明の一態様による塗工方法により、搬送されているウェブ状の基材に塗工液を塗工する工程と、
前記基材上に塗工された塗工液を乾燥させて塗膜を形成する工程と、を備える
ことを特徴とする。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、ウェブ状の基材上に塗膜を形成する塗膜形成装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、図1の塗膜形成装置に組み込まれた塗工装置を示す斜視図である。 図3は、図2の塗工装置の吐出ヘッドを当該吐出ヘッドの長手方向に直交する断面において、示す断面図である。 図4は、基材の搬送方向における上流側から図2の塗工装置の吐出ヘッドを示す図である。 図5は、塗工方法の一例を説明するための図であって、吐出ヘッドが待機位置に配置された状態にある塗工装置を側方から示す図である。 図6は、塗工方法の一例を説明するための図であって、塗工液のビードを形成している際の塗工装置を側方から示す図である。 図7は、塗工方法の一例を説明するための図であって、塗工液を塗工している際の塗工装置を側方から示す図である。 図8は、塗工方法の一例を説明するための図であって、吐出ヘッドを待機位置に戻している際の塗工装置を側方から示す図である。 図9は、図4と同様の方向から吐出ヘッドを示す図であって、図6に示された状態における吐出ヘッドを示す図である。 図10は、図2に対応する図であって、塗工装置の一変形例を説明するための図である。 図11は、図2に対応する図であって、塗工装置の他の変形例を説明するための図である。 図12は、ウェブ状の基材を塗工領域とともに示す平面図であって、従来の不具合を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1乃至図9は本発明の一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は塗膜付きウェブ状基材の製造方法を説明するための模式図であり、図2は塗工装置を示す斜視図であり、図3は塗工装置の吐出ヘッドを示す断面図であり、図4は、吐出ヘッドを示す後面図であり、図5〜図9は塗工方法を説明するための図である。
図1に示すように、長手方向を有したウェブ状の基材1上に塗膜を形成して塗膜付きウェブ状基材5を製造する塗膜形成装置10は、ウェブ状基材1上に塗工液7を塗工(塗布)する塗工装置20を有している。塗工装置20は、ウェブ状の基材1を搬送する搬送手段30と、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1の搬送経路沿いに配置された吐出ヘッド40と、吐出ヘッド40を移動可能に支持する移動支持手段50と、を有している。また、塗膜形成装置10は、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1の搬送経路沿いに配置された乾燥装置15を、さらに有している。以下、各構成要素について詳述していく。
まず、塗工装置20の全体構成について説明する。塗工装置20は、ロールトゥロール方式でウェブ状基材1上に塗工液7を塗工する装置であり、上述したように、ウェブ状基材1を搬送する搬送手段30と、ウェブ状基材1の搬送経路沿いに配置された吐出ヘッド40と、吐出ヘッド40を移動可能に支持する移動支持手段50と、を有している。
搬送手段30は、ウェブ状基材1を繰り出す供給ロール31と、ウェブ状基材1上に塗膜を形成してなる塗膜付きウェブ状基材5を巻き取る回収ロール32と、供給ロール31から回収ロール32まで搬送されるウェブ状基材1(塗膜付きウェブ状基材5)を案内する多数の案内ロール33と、を有している。多数の案内ロール33は、ウェブ状基材1(塗膜付きウェブ状基材5)に接触してウェブ状基材1(塗膜付きウェブ状基材5)を誘導し、ウェブ状基材1(塗膜付きウェブ状基材5)の搬送経路を画成する。本実施の形態における搬送手段30では、回収ロール32が図示しない駆動機構によって回転させられることにより、供給ロール31から回収ロール32に向けたウェブ状基材1(塗膜付きウェブ状基材5)の搬送を実現するようになっている。
搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1は、例えば樹脂製フィルム、一具体例として、厚さが50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)からなるフィルムとすることができる。なお、本明細書中における「ウェブ状の基材(ウェブ状基材)」との用語は、「枚葉状の基材(枚葉状基材、枚葉基材)」との対比で用いられており、塗工技術の分野で用いられる際の意味と同様の意味を有するものとする。したがって、ウェブ状の基材とは、例えば数十m以上の長さを有し、巻き取られることに適した基材を含む概念である。
なお、本実施の形態における搬送手段30は、このようなウェブ状基材1の取り扱いに適するよう、ダンサロール機構35を含んで構成されている。このダンサロール機構35によって、搬送中におけるウェブ状基材1(塗膜付きウェブ状基材5)に概ね一定の圧力が働くようになる。これにより、厚さが薄く損傷を受けやすいウェブ状基材1(塗膜付きウェブ状基材5)への損傷を抑制しながら、ウェブ状基材1(塗膜付きウェブ状基材5)を搬送することができる。
次に、ウェブ状基材1の搬送経路沿いに配置された吐出ヘッド40について説明する。図3に示すように、吐出ヘッド40は、ウェブ状基材1に対面する位置に配置された吐出開口41を有しており、この吐出開口41からウェブ状基材1に向けて塗工液7を吐出することができるように構成されている。このような吐出ヘッド40は、ダイヘッド、ダイまたはノズルとも呼ばれる。
具体的には、図3に示すように、吐出開口41は、吐出ヘッド40のウェブ状基材1に対面するリップ面44に形成されている。吐出ヘッド40内には、吐出開口41へ向けて延びるスリット42と、スリット42に接続したマニホールド43と、が形成されている。また、吐出ヘッド40は、塗工液供給路45を介して、塗工液源48に接続されている。塗工液供給路45は、吐出ヘッド40内のマニホールド43に連通しており、マニホールド43へ塗工液7を供給する。塗工液源48に貯留され塗工液源48から吐出ヘッド40へ送り込まれる塗工液7の一例として、アクリル系樹脂等の樹脂材料を、水またはメチルエチルケトン等の有機溶剤からなる溶媒によって、希釈してなるものが、採用され得る。
図1〜図3に示すように、リップ面44および吐出開口41は、長手方向を有し、線状(本実施の形態では直線状)に延びている。このような吐出開口41に通じるスリット42は、吐出開口41の長手方向に延びる互いに平行な二つの平面間に画成された細長い隙間としてとして形成されている。また、マニホールド43も、吐出開口41の長手方向に延びる空間として形成されている。
ただし、スリット42や吐出開口41と比較して、マニホールド43は十分に大きな幅と内部容積を有している。したがって、塗工液供給路45を介して吐出ヘッド40内に供給された塗工液7は、マニホールド43からすぐさまスリット42に流れ込むよりも、マニホールド43内をマニホールド43の長手方向(吐出開口41の長手方向と平行な方向)に流れやすくなっている。理想的には、マニホールド43内が塗工液7によって満たされることによって、マニホールド44内の圧力が上昇した後に、当該高圧力によってマニホールド44からスリット42へ塗工液7が流れ込む。この場合、塗工液供給路45を介して吐出ヘッド40内に供給された塗工液7は、吐出開口41の長手方向の全領域に供給されるようになる。
なお、図3に示すように、塗工液供給路45上には、塗工液7を塗工液源48から吐出ヘッド40へ圧送するポンプ47と、塗工液供給路45を開閉する開閉弁46と、が設けられている。ポンプ47と開閉弁46とによって、吐出ヘッド40への塗工液7の供給および供給停止、さらには塗工液7の供給量が調節され得る。
次に、吐出ヘッド40を移動可能に支持する移動支持手段50について説明する。移動支持手段50は、搬送手段30によるウェブ状基材1の搬送経路に沿って吐出ヘッド40を移動可能に支持している。また、移動支持手段50は、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1と同期して吐出ヘッド40を移動させ得るように構成されている。
具体的な構成として、本実施の形態における移動支持手段50は、ウェブ状基材1の搬送方向に吐出ヘッド40を移動させるアクチュエータ51と、搬送手段30によって搬送されている基材30の搬送速度を検出する検出機構53と、を有している。図2に示す例において、検出機構53は、案内ロール33の近傍に配置されたロータリエンコーダから構成されている。この検出機構53によれば、案内ロール33の回転速度を検出することにより、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1の搬送速度を算出することができる。
一方、アクチュエータ51は、検出機構53による検出結果に基づいて得られたウェブ状基材1の搬送速度と同一速度で、ウェブ状基材1の搬送方向に、吐出ヘッド40を移動させることができるように構成されている。具体的には、アクチュエータ51は、搬送経路と平行に延びるスライダ支持機構と、スライド支持機構を駆動する駆動機構と、を含んで構成されている。このようなアクチュエータ51は、例えば、エアスライダをスライダ支持機構として有したエアスライダ機構、ボールねじをスライダ支持機構として有したボールねじ機構、あるいは、リニアモータ機構から構成され得る。
なお、このようなアクチュエータ51を有した移動支持手段50によれば、搬送手段30によるウェブ状基材1の搬送方向に沿って、搬送手段30によるウェブ状基材の搬送の向きと同一の向きだけでなく、搬送手段30によるウェブ状基材1の搬送の向きとは逆の向きにも、吐出ヘッド40を移動させることができる。
ところで、本実施の形態による移動支持手段40は、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1の搬送経路に向けて接近可能、かつ、当該ウェブ状基材1の搬送経路から離間可能に、吐出ヘッド40を支持している。すなわち、移動支持手段50は、搬送手段30によって搬送されているウェブ状基材1に対して吐出ヘッド40を接近させること、および、搬送手段30によって搬送されているウェブ状基材1から吐出ヘッド40を離間させることができる。
具体的な構成として、移動支持手段40は、アクチュエータ51によって支持された昇降機構55を、さらに有している。すなわち、吐出ヘッド40は、アクチュエータ51によって直接支持されているのではなく、アクチュエータ51上に設けられた昇降機構55によって支持されている。この構成において、吐出ヘッド40は、ウェブ状基材1の搬送方向に沿って昇降機構55とともにアクチュエータ51によって駆動され得り、且つ、昇降機構55によって、ウェブ状基材1の搬送方向に直交する方向に沿って駆動され得る。昇降機構55は、アクチュエータ51と同様に、対象物(本実施の形態では、吐出ヘッド40)を線状に移動させることができる種々の機構から構成され得り、一具体例として、エアシリンダ機構から構成され得る。
次に、乾燥装置15について説明する。乾燥装置15は、ウェブ状基材1上に塗工された塗工液7を乾燥させて、例えば、塗工液7中の溶媒を乾燥気化させて、塗工液7を固化(硬化)してなる塗膜を形成する装置である。図示する例において、乾燥装置15は、塗工液7を塗工されたウェブ状基材1が通過する風洞16と、風洞16内に送風する送風機17と、を有している。送風機17は、乾燥した気体、加熱した気体、あるいは、乾燥および加熱した気体を、風洞16内に送り込むように構成されている。
次に、以上のような構成からなる塗膜形成装置10を用いて、ウェブ状基材1上に塗膜を形成して、塗膜付きウェブ状基材5を製造する方法の一例について説明する。以下においては、まず、塗膜形成装置10を用いて塗膜付きウェブ状基材5を製造する方法の概略について説明し、その後、塗膜形成装置10の塗工装置20を用いてウェブ状基材1に塗工液7を塗工する方法について詳述する。
図1に示すように、塗膜形成装置10には、予め、塗膜を形成されるべきウェブ状の基材1が、その長手方向における一端側から、供給ロール31に巻き取られている。ウェブ状の基材1は、案内ロール33によって画成される搬送経路にそって回収ロール32まで延び、その長手方向における他端側において、回収ロール32に巻き取られている。
この状態において、回収ロール32が図示しない駆動機構によって回転させられる。回収ロール32の回収によって、供給ロール31と回収ロール32との間に掛け渡されたウェブ状基材31が駆動され、これにともなって、供給ロール31に巻き取られていたウェブ状基材1が繰り出され、案内ロール33によって案内されながら、回収ロール32まで搬送されるようになる。
なお、上述したように、ウェブ状基材1は、典型的には厚さが薄く、このため、非常に損傷を受けやすい傾向を有している。そして、ウェブ状基材1の損傷を防止するため、搬送手段30は、停止させることなく概ね一定の速度でウェブ状基材1を搬送し続ける。また、搬送手段30にはダンサロール機構35が設けられており、搬送されているウェブ状基材1に働く生じる張力が概ね一定となるように維持される。これらの結果、厚さが薄く損傷を受けやすい傾向にあるウェブ状基材1が、搬送中における張力変動に起因して、損傷されてしまうことを効果的に抑制されるようになっている。
供給ロール31から供給されたウェブ状基材1は、塗工装置20の吐出ヘッド40に対面する位置を通過する際に、吐出ヘッド40から塗工液7を塗工される。本実施の形態においては、図2に示すように、ウェブ状基材1の長手方向に間隔をあけて設けられたウェブ状基材1の塗工領域(塗工液7を塗工されるべき領域、塗膜を形成されるべき領域)3に、塗工液7が間欠塗工される。この塗工方法の詳細については後述する。
その後、塗工液7を塗工されたウェブ状基材1は、乾燥装置15の風洞16内を通過する。風洞16内には送風機17によって気体が送り込まれ、気流が形成されている。この気流に曝されることによって、ウェブ状基材1上に塗工された塗工液7は、乾燥して塗膜を形成するようになる。
このようにして塗膜を形成されたウェブ状基材1、すなわち、塗膜付きウェブ状基材5は回収ロール32に巻き取られていく。以上が、塗膜形成装置10により、塗膜付きウェブ状基材5を製造する方法の一例である。
次に、主に図5〜図8を参照しながら、塗膜形成装置10の塗工装置20により、ウェブ状基材1に塗工液7を塗工する塗工方法について、さらに詳細に説明する。上述したように、搬送手段30は、ウェブ状基材1を停止させることなく搬送し続ける。以下の塗工方法においては、このように搬送されているウェブ状の基材1に対して塗工液7を塗工する方法である。
図5に示すように、吐出ヘッド40からの塗工液7の吐出が開始される前、吐出ヘッド40は移動支持手段50によって待機位置P1に支持されている。待機位置P1は、搬送手段30によるウェブ状基材1の搬送経路に実質的に平行に延びる吐出ヘッド40の移動可能範囲内のうちの、ウェブ状基材1の搬送経路の上流側に対応する側に位置している。
そして、ウェブ状基材1の塗工領域3への接近にあわせて、吐出ヘッド40を支持する移動支持手段50は、ウェブ状基材1の搬送方向への吐出ヘッド40の移動を開始する。この際、移動支持手段50は、検出機構53による検出によって得られたウェブ状基材1の搬送速度と同一の速度で、吐出ヘッド40を移動させる。
このようにして、図6に示すように、吐出ヘッド40は、その吐出開口41がウェブ状基材1の塗工領域3の塗工開始側の縁(ウェブ状基材1の長手方向における塗工領域3の先端縁)3aに対面するようにして、搬送手段30によって搬送されているウェブ状基材1と同期して移動する。
また、図6に示すように、吐出ヘッド40が、移動支持手段50による駆動によって、搬送されているウェブ状基材1と同期して移動している間、塗工液供給管45の開閉弁46が開いた状態でポンプ46が作動し、塗工液源48から吐出ヘッド40に塗工液が供給される。これにより、吐出ヘッド40がウェブ状基材1と同期して移動しながら、吐出ヘッド40の吐出開口41からウェブ状基材1に向けて塗工液7が吐出される。
上述したように、吐出開口41は、長手方向を有し、線状に細長く延びている。同様に、吐出開口41に隣接するスリット42およびスリット42に隣接するマニホールド43も、吐出開口41の長手方向に延びている。このため、マニホールド43の厚さおよび容量をスリット42と比較して大きく設計することにより、洗浄液供給管45から供給された塗工液が、吐出ヘッド40のマニホールド43内において、吐出ヘッド40の長手方向に沿って延び広がることを促進している。
しかしながら、マニホールド43やスリット42の形状は同一であるのに対し、塗工液7の粘度は、形成される塗膜の厚さ等の規格によって、変更される。また、塗工を行う際の環境条件、例えば温度や湿度等によっても、吐出ヘッド40内における塗工液7の流れ方は変化し得る。このため、現実的には、吐出ヘッド40の吐出開口41の長手方向に沿った全領域から一斉に塗工液7が吐出され始めるようにすることは困難である。実際には、図9に示すように、吐出ヘッド40の吐出開口41の長手方向に沿った各位置からの塗工液7の吐出開始タイミングは同一ではなく、吐出開口41の長手方向に沿って互いから離間した複数の位置から、塗工液7が吐出され始める。このような状態で吐出ヘッド40と基材1とを相対移動させると、基材1上に塗工液7が筋状に塗工される。この結果、図12に示すように、塗膜形成を予定した領域3の塗工開始側の縁3aが直線状ではなく筋状(波打ち状)となり、基材1上の予定された全領域に塗膜を形成することができないといった不具合が生じる。
一方、本実施の形態によれば、吐出ヘッド40が搬送されているウェブ状基材1と同期して移動しながら、吐出ヘッド40の吐出開口41から塗工液7がウェブ状基材1に向けて吐出される。この際、吐出ヘッド40の吐出開口41は、ウェブ状基材1の塗工領域3の塗工開始側の縁3aに対面している。この結果、吐出開口41から吐出された塗工液7は、ウェブ状基材1の塗膜形成領域3の塗工開始側の縁3a上の一部の領域に塗工され始める。その後、吐出ヘッド40の吐出開口41から吐出された塗工液7は、吐出ヘッド40のウェブ状基材1に対面するリップ面44をつたい、吐出ヘッド40とウェブ状基材1との間を吐出ヘッド40の長手方向(吐出開口41の長手方向)に沿って延び広がるようになる。すなわち、ウェブ状基材1の長手方向に沿ってウェブ状基材1上に塗工液7を塗工していく前に、吐出ヘッド40とウェブ状基材1との間に吐出ヘッド40の長手方向に沿って線状に延びる塗工液のビード9が形成されるようになる。
なお、吐出ヘッド40からの塗工液7の吐出開始タイミングは、吐出ヘッド40の待機位置P1からの移動開始タイミングと同時でもよい。ただし、吐出ヘッド40の移動開始直後に搬送されているウェブ状基材1に対して吐出ヘッド40を同期させることが困難な場合には、吐出ヘッド40からの塗工液7の吐出開始タイミングを、吐出ヘッド40の待機位置P1からの移動開始タイミングより遅らせることが好ましい。
このようにして塗工液のビード9が形成された後、すなわち、吐出ヘッド40とウェブ状基材1との間の吐出開口41に対面する全領域が塗工液7で満たされた後、吐出ヘッド40からウェブ状基材1に向けた塗工液7の吐出を継続しながら吐出ヘッド40の移動を停止または減速し、ウェブ状基材1と吐出ヘッド1相対移動を開始させる。このようにして、ウェブ状基材1の長手方向に沿った塗工液7の塗工が開始される。この際、上述したように、吐出ヘッド40とウェブ状基材1との間の吐出開口41に塗工液のビード9が形成されている。したがって、ウェブ状基材1の長手方向に沿ってウェブ状基材1に膜状に塗工液を塗工することができる。この結果、ウェブ状基材1上に形成された塗工液7からなる塗膜は、塗工を予定された領域3の塗工開始側の縁3aにおいて吐出開口41の形状に対応した線状となる。すなわち、従来問題となっていた塗工開始側の縁3aが筋状なることを防止することができ、ウェブ状基材1の所望の領域に塗膜を精度良く形成することができる。
なお、図7に示す例において、吐出ヘッド40は、ウェブ状基材1への塗工を行っている際、塗工位置P2に停止している。塗工位置P2は、搬送手段30によるウェブ状基材1の搬送経路に実質的に平行に延びる吐出ヘッド40の移動可能範囲内のうちの、ウェブ状基材1の搬送経路の下流側に対応する側に位置している。とりわけ、図示する例では、塗工位置P2に支持された吐出ヘッド40の吐出開口41は、ウェブ状基材1を間に挟んで、案内ロール33のうちの一つと対面する。このような塗工位置P2によれば、ウェブ状基材1は案内ロール33によって安定して支持された状態で塗工液7を塗工されることとなり、塗工液7を精度良く塗工することができる。
また、吐出ヘッド40とウェブ状基材1とを相対移動させてウェブ状基材1の長手方向への塗工液7の塗工が開始される直前に、吐出ヘッド40とウェブ状基材1との間に塗工液7のビード形成が完了することが好ましい。塗工領域3の塗工開始側の縁3aにおける塗膜の厚さが厚くなり過ぎないようにするためである。この点から、ビード9を形成するための吐出ヘッド3からの塗工液7の吐出開始タイミングを、塗工位置P2を基準として、調節するようにしてもよい。あるいは、待機位置P1の位置が、塗工位置P2を基準として、吐出ヘッド40の移動可能範囲内で調節されてもよい。
以上のようにして、搬送されているウェブ状基材1上に塗工液7が塗工されていく。そして、吐出ヘッド40に対面する位置を塗工領域3が完全に通り過ぎる際に、吐出ヘッド40からの塗工液7の吐出が停止する。
ウェブ状基材1上の所望の領域3への塗工液の塗工が終了すると、図8に示すように、吐出ヘッド40からの塗工液7の吐出を停止した状態で、吐出ヘッド40を待機位置P1へ戻す。具体的には、移動支持手段30によって、吐出ヘッド40をウェブ状基材1の搬送方向に沿ってウェブ状基材1の搬送の向きとは逆の向きに移動させ、待機位置P1まで戻す。これにより、ウェブ状基材1の次に塗工されるべき領域3が吐出ヘッド40に接近してきた場合に、再び、ウェブ状基材1の搬送に同期させて吐出ヘッド40を移動させながら、ウェブ状基材1に向けて吐出ヘッド40から塗工液7を吐出することが可能となる。これにより、吐出ヘッド40とウェブ状基材1との間の吐出開口41に対面する線状の領域に、吐出開口41の形状に対応した線状のビード9を再び形成することができる。この結果、二回目以降の塗工液の塗工においても、塗工領域3の塗工開始側の縁3aが筋状なることを防止して、ウェブ状基材1の所望の領域に塗工液7を塗工することができる。
ところで、図8に示すように、本実施の形態においては、塗工液7の吐出を停止した状態で吐出ヘッド40を待機位置まで戻す際、移動支持手段40の昇降機構55によって、吐出ヘッド40が、搬送されているウェブ状基材1の搬送経路から離間する方向に移動させられている。これにより、ウェブ状基材1の搬送方向に沿ってウェブ状基材1の搬送の向きとは逆向きに吐出ヘッド40を移動させる際、厚みが非常に薄くて損傷を受けやすい傾向にあるウェブ状基材1に吐出ヘッド40が意図せず接触してしまうことを防止することができる。
なお、昇降機構55による、ウェブ状基材1の搬送経路からの吐出ヘッド40の後退は、吐出ヘッド40を待機位置P1に戻し始める前、あるいは、吐出ヘッド40を待機位置P1に戻し始めた後にウェブ状基材1の搬送方向に沿った移動と並行して、行われるようにしてもよい。
また、ウェブ状基材1の搬送経路から離間させられた吐出ヘッド40は、吐出開口41からの塗工液7の次の吐出が開始される前に、例えば、待機位置P1に到着する直前に、或いは、待機位置P1に到着した直後に、或いは、吐出開口41からの塗工液7の次の吐出が開始される直前に、再びウェブ状基材1の搬送経路に接近するように昇降機構55によって駆動される。
以上のような本実施の形態によれば、吐出ヘッド40が、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1の搬送経路沿いに移動支持手段50によって支持されており、移動支持手段50は、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1と同期してウェブ状基材1の搬送方向に吐出ヘッド40を移動させることができる。したがって、搬送されているウェブ状基材1と同期するようにしてウェブ状基材1の搬送方向へ吐出ヘッド40を移動させながら、この吐出ヘッド40から塗工液7をウェブ状基材1に向けて吐出することができる。この場合、吐出ヘッド40の吐出開口41から吐出された塗工液7は、吐出ヘッド41のウェブ状基材1に対面するリップ面44をつたい、吐出ヘッド40とウェブ状基材1との間を吐出ヘッド4の長手方向に沿って延び広がるようになる。すなわち、ウェブ状基材1の長手方向に沿ってウェブ状基材1上に塗工液7を塗工(塗布)していく前に、吐出ヘッド40とウェブ状基材1との間に吐出ヘッド40の長手方向に沿って線状に延びる塗工液7のビード9を形成することができる。そして、この塗工液7のビード9が形成された後に、吐出開口41からウェブ状基材1に向けて塗工液7を吐出しながら吐出ヘッド40とウェブ状基材1とを相対移動させることにより、ウェブ状基材1の長手方向に沿ってウェブ状基材1上に塗工液7を膜状に塗工することができる。この結果、ウェブ状基材1上に形成された塗工液7からなる塗膜は、塗工領域3の塗工開始側の縁3aにおいて吐出開口41の形状に対応した線状となる。すなわち、従来問題となっていた塗工領域3の塗工開始側の縁3aが筋状なることを防止することができ、ウェブ状基材1の所望の領域に精度良く塗膜を形成することができる。
また、所定の領域への塗工液の塗工が終了すると、移動支持手段50によって、吐出ヘッド40をウェブ状基材1の搬送方向に沿ってウェブ状基材1の搬送の向きとは逆の向きに、移動させることができる。すなわち、吐出ヘッド40からの塗工液7の吐出が停止している間に、ウェブ状基材1の搬送に同期させて移動させる前の位置(待機位置P1)へ吐出ヘッド40を戻すことができる。これにより、ウェブ状基材1上に再び塗工液7を塗工する際には、塗工液7の塗工前に、ウェブ状基材1の搬送に同期させて吐出ヘッド40を移動させながらウェブ状基材1に向けて塗工液を吐出することによって、吐出ヘッド40とウェブ状基材1との間の吐出開口41に対面する線状の領域に、吐出開口41の形状に対応した線状のビード9を再び形成することができる。この結果、二回目以降の塗工液の吐出においても、塗工領域3の塗工開始側の縁3aが筋状なることを防止して、ウェブ状基材1の所望の領域に塗膜を精度良く形成することができる。
さらに、本実施の形態によれば、吐出ヘッド40が塗工液を吐出していない間、ウェブ状基材1の搬送経路から吐出ヘッド40を離間させることができる。これにより、吐出ヘッド40を移動させる際、とりわけ、ウェブ状基材1の搬送方向に沿ってウェブ状基材1の搬送の向きとは逆向きに吐出ヘッド40を移動させる際、厚みが非常に薄くて損傷を受けやすい傾向にあるウェブ状基材1に吐出ヘッド40が接触してしまうことを防止することができる。また同時に、吐出ヘッド40の吐出開口41とウェブ状基材1との間に適度な離間距離を確保して、ウェブ状基材1への塗工液7の塗工を精度良く実施することも可能となる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
上述した実施の形態において、移動支持手段50が、ウェブ状基材1の搬送速度を検出する検出機構55と、ウェブ状基材1の搬送方向に吐出ヘッド40を移動させるアクチュエータ51と、を有する例を示したが、これに限られない。例えば、図10に示す一変形例のように、移動支持手段60が、少なくとも二つの案内ロール34に掛け渡されウェブ状基材1と同期して移動するベルトやチェーン等からなる輪状部材61と、搬送手段20によって搬送されるウェブ状基材1の搬送経路および輪状部材61の移動経路の両方に平行な方向に沿って吐出ヘッド40を移動可能に支持する支持機構63と、吐出ヘッド40に取り付けられ吐出ヘッド40とともに支持機構63に支持された連結機構65であって、輪状部材61と連結可能な連結機構65と、を有するように構成されてもよい。
図10に示す一変形例において、移動支持手段60は、ウェブ状基材1の幅方向(ウェブ状基材の長手方向に直交する方向)における両外方にそれぞれ配置された一対の輪状部材61を有している。各輪状部材61は、貫通孔61aを形成されたベルトとして構成されている。輪状部材61は、塗工位置P2(図7参照)に支持された吐出ヘッド40が対面するようになる案内ロール33aと、当該案内ロール33aに隣り合い、ウェブ状基材1の搬送経路に沿って一つ上流側に位置する案内ロール33bと、の二つの案内ロール33に掛け渡されている。
支持機構63は、エアスライダ、LMガイド、ボールねじ等から構成され得り、ウェブ状基材1の搬送経路に沿って吐出ヘッド40を直線状に移動させることができるようになっている。移動支持手段50は、一対の輪状部材61にそれぞれ対応して設けられた一対の連結機構65を有している。各連結機構65は、吐出ヘッド40に固定された本体部66と、本体部66から突出可能な突出片67と、を有している。連結機構65の突出片67は、本体部66から突出した際に、輪状部材61の貫通孔61a内に入り込み得る。
このような構成において、連結機構65の突出片67と輪状部材61の貫通孔61aとが係合することにより、連結機構65と輪状部材61とが互いに係止されるようになる。これにより、ウェブ状基材1の搬送に同期して移動する輪状部材61に同期して、吐出ヘッド40がウェブ状基材1の搬送方向に移動することができる。なお、突出片67を本体部66に後退させることにより、連結機構65と輪状部材61との係合が解除され、吐出ヘッド40の移動は停止する。
図10に示す変形例において、移動支持手段60は、上述した実施の形態と同様に昇降機構55を有しており、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1の搬送経路に向けて接近可能かつ当該搬送経路から離間可能に吐出ヘッド40を支持している。また、図10に示す変形例における移動支持手段60は、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1の搬送経路に沿ったウェブ状基材1の搬送の向きとは逆向きに吐出ヘッド40を移動させる駆動機構69を、さらに有している。
以上のように構成された移動支持手段60によれば、上述した実施の形態の移動支持手段50を用いた場合と同様の作用効果を得ることができる。なお、図10に示す変形例は、移動支持手段の構成が上述した実施の形態と異なるだけであって、その他は、上述した実施の形態と同一に構成することができる。
さらに、図11には、移動支持手段の別の変形例が示されている。図11に示された変形例における移動支持手段70は、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1の搬送経路に沿って吐出ヘッド40を移動可能に支持する支持機構63と、吐出ヘッド40に取り付けられ吐出ヘッド40とともに支持機構63に支持された連結機構71であって、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材1と連結可能な連結機構71と、を有している。図11に示す移動支持手段70には、上述した図10に示す移動支持手段60と異なり、輪状部材61が設けられていない。その代わりに、図11に示す移動支持手段70の連結機構70は、搬送手段30によって搬送されるウェブ状基材71の幅方向における端部を把持可能(クランプ可能)に構成されている。その他の点は、上述した図10に示す移動支持手段60と同様に構成されている。例えば、図11に示す移動支持手段70の支持機構63は、上述した図10に示す移動支持手段60の支持機構63と同様に構成され得る。図11に示す移動支持手段70は、上述した図10に示す移動支持手段60と同様に、昇降機構55および駆動機構69を有している。
図11に示す変形例においては、移動支持手段70の連結機構71が搬送されているウェブ状基材1を直接チャックして、連結機構71を介して吐出ヘッド40とウェブ状基材1とが連結されることにより、ウェブ状基材1の搬送に同期して、吐出ヘッド40がウェブ状基材1の搬送方向に移動することができる。なお、連結機構71による把持を解除することにより、連結機構71とウェブ状基材1との係合が解除され、吐出ヘッド40の移動が停止する。
このような図11に示す変形例における移動支持手段70によっても、上述した実施の形態の移動支持手段50を用いた場合と同様の作用効果を得ることができる。なお、図11に示す変形例は、移動支持手段の構成が上述した実施の形態や図10に示す変形例と異なるだけであって、その他は、上述した実施の形態や図10に示す変形例と同一に構成することができる。
1 ウェブ状基材
5 塗膜付きウェブ状基材
7 塗工液
9 ビード
20 塗工装置
30 搬送手段
33,33a,33b 案内ロール
40 吐出ヘッド
41 吐出開口
50,60,70 移動支持手段
51 アクチュエータ
53 検出機構
55 昇降機構
61 輪状部材
61a 吐出開口
63 支持機構
65,71 連結機構
69 駆動機構

Claims (15)

  1. 搬送されているウェブ状の基材に塗工液を塗工する塗工装置であって、
    ウェブ状の基材を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送される基材の搬送経路沿いに配置された吐出ヘッドであって、前記基材に向けて塗工液を吐出する吐出ヘッドと、
    前記搬送手段による前記基材の搬送方向に沿って移動可能に前記吐出ヘッドを支持する移動支持手段であって、前記搬送手段によって搬送される前記基材と同期して前記吐出ヘッドを移動させ得るように構成された移動支持手段と、を備える
    ことを特徴とする塗工装置。
  2. 前記移動支持手段は、
    前記搬送手段によって搬送されている基材の搬送速度を検出する検出機構と、
    前記検出機構による検出によって得られた基材の搬送速度と同一速度で、前記搬送される基材の搬送方向に、前記吐出ヘッドを移動させるアクチュエータと、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
  3. 前記搬送手段は、前記搬送されている基材を案内する案内ロールであって前記基材の搬送経路を画成する少なくとも二つの案内ロールを有し、
    前記移動支持手段は、
    前記少なくとも二つの案内ロールに掛け渡され前記基材と同期して移動する輪状部材と、
    前記搬送手段によって搬送される基材の搬送経路および前記輪状部材の移動経路に沿って前記吐出ヘッドを移動可能に支持する支持機構と、
    前記吐出ヘッドに取り付けられ前記吐出ヘッドとともに前記支持機構に支持された連結機構であって、前記輪状部材と連結可能な連結機構と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
  4. 前記移動支持手段は、
    前記搬送手段によって搬送される基材の搬送経路に沿って前記吐出ヘッドを移動可能に支持する支持機構と、
    前記吐出ヘッドに取り付けられ前記吐出ヘッドとともに前記支持機構に支持された連結機構であって、前記搬送手段によって搬送される基材と連結可能な連結機構と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
  5. 前記移動支持手段は、前記搬送手段による基材の搬送経路に沿って、前記搬送手段による基材の搬送の向きとは逆の向きにも、前記吐出ヘッドを移動させ得るように、構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗工装置。
  6. 前記移動支持手段は、前記搬送手段によって搬送される基材の搬送経路に向けて接近可能かつ当該搬送経路から離間可能に前記吐出ヘッドを支持している
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗工装置。
  7. 前記移動支持手段は、前記吐出ヘッドからの前記基材へ向けた塗工液の吐出開始時に、前記吐出ヘッドが前記搬送手段によって搬送される前記基材と同期して移動しているように、前記吐出ヘッドを移動させる
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗工装置。
  8. 前記移動支持手段は、前記搬送手段によって搬送されている前記基材に向けた前記吐出ヘッドからの前記塗工液の吐出が継続されている状態で、前記搬送されている基材と同期した前記吐出ヘッドの移動を停止または減速するように、構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の塗工装置。
  9. 搬送されているウェブ状の基材に塗工液を塗工する塗工方法であって、
    前記搬送されている基材と同期するようにして前記基材の搬送方向へ吐出ヘッドを移動させながら、前記吐出ヘッドから塗工液を前記基材に向けて吐出する工程と、
    その後、前記吐出ヘッドから前記基材に向けた前記塗工液の吐出を継続しながら前記吐出ヘッドの移動を停止または減速し、前記搬送されている基材へ前記吐出ヘッドから前記塗工液を塗工していく工程と、を備える
    ことを特徴とする塗工方法。
  10. 前記基材と同期して前記吐出ヘッドを移動させながら前記吐出ヘッドから塗工液を前記基材に向けて吐出する工程は、前記吐出ヘッドの吐出開口から吐出された塗工液によって、前記吐出ヘッドと前記基材との間の前記吐出開口に対面する全領域が満たされるまで、実施される
    ことを特徴とする請求項9に記載の塗工方法。
  11. 前記基材と同期して前記吐出ヘッドを移動させながら前記吐出ヘッドから塗工液を前記基材に向けて吐出する工程の前に実施される工程であって、前記停止した状態にある吐出ヘッドの移動を開始する工程を、さらに備える
    ことを特徴とする請求項9または10に記載の塗工方法。
  12. 前記搬送されている基材へ前記吐出ヘッドから前記塗工液を塗工していく工程の後に実施される工程であって、前記吐出ヘッドからの前記塗工液の吐出を停止した状態で、前記搬送手段による基材の搬送方向に沿って前記基材の搬送の向きとは逆の向きに前記吐出ヘッドを移動させる工程を、さらに備える
    ことを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の塗工方法。
  13. 前記基材の搬送の向きとは逆の向きに前記吐出ヘッドを移動させる工程において、前記搬送されている基材と同期するようにして前記基材の搬送方向へ前記吐出ヘッドを移動する前に前記吐出ヘッドが支持されていた位置に、前記吐出ヘッドを戻す
    ことを特徴とする請求項12に記載の塗工方法。
  14. 前記基材の搬送の向きとは逆の向きに前記吐出ヘッドを移動させる工程の前に、あるいは、当該工程と並行して、前記基材の搬送経路から離間する方向に前記吐出ヘッドを移動させる
    ことを特徴とする請求項12または13に記載の塗工方法。
  15. ウェブ状の基材と、前記基材上に形成された塗膜と、を有する塗膜付きウェブ状基材を製造する方法であって、
    請求項9〜14のいずれか一項に記載された塗工方法により、搬送されているウェブ状の基材に塗工液を塗工する工程と、
    前記基材上に塗工された塗工液を乾燥させて塗膜を形成する工程と、を備える
    ことを特徴とする塗膜付きウェブ状基材の製造方法。
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