JP2011045616A - ミシン - Google Patents

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雅史 加藤
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Abstract

【課題】ミシン本体を起立位置から傾倒位置に切換えた場合に、ミシン本体がミシンテーブルに接触して破損するのを防ぐことができるミシンを提供すること。
【解決手段】ミシン本体10は、水平軸周りに回動可能な連結部21をベッド部12の一側に設ける。ミシン本体10は、モータ30をアーム部14又は脚柱部13の外部に取り付けるための取付け部材25を、脚柱部13の後部に固定する。取付け部材25は、モータ30の径方向外周部の全周を覆う円筒状に形成した保護部27を有する。保護部27は、その外周部の下側に保護部27の後方から連結部21に向かって傾斜する傾斜部271を有する。傾斜部271は、ミシン受け200を取り付けてある。ミシン本体10を水平軸を中心に後方へ回動して起立位置から傾倒位置に切換えた場合に、ミシン受け200は、モータ30よりも先にミシンテーブル11に当接する。
【選択図】図6

Description

本発明は、ミシンに関するものであり、詳細には、メンテナンス作業等のためにミシン本体を傾倒位置に切換えた場合にミシン本体を支持することができるミシンに関するものである。
従来から、ミシン本体をミシンテーブルに対して水平軸心回りに回動可能に支持するミシンがある。このミシンは、ミシン本体を起立位置と、この起立位置から傾倒させた傾倒位置とを切換え可能に構成してある。作業者はミシン本体を傾倒位置に切換えて、メンテナンス作業を行うことができる。
特許文献1に記載されているミシンのミシン本体は、作業者と反対側に布送り調節用のステッピングモータを設けてある。ミシン本体は、ヒンジを介してミシンテーブルに取り付けてある。ミシン本体はヒンジを中心にして回動可能に構成してある。ステッピングモータはミシンテーブルの表面から離隔して設けてあるため、作業者はミシン本体を作業者と反対側に倒し込むことができる。
特開昭62−254793号公報
しかしながら、特許文献1等のミシンにおいては、作業者がミシン本体を起立位置から傾倒位置に切換えたときに、ステッピングモータがミシンテーブルに接触する可能性があった。ステッピングモータがミシンテーブルに接触した場合、ステッピングモータ又はミシンテーブルは、破損するという問題があった。
本発明の目的は、ミシン本体を起立位置から傾倒位置に切換えた場合に、ミシン本体がミシンテーブルに接触して破損するのを防ぐことができるミシンを提供することである。
請求項1の発明は、水平軸周りに回動可能且つミシンテーブルに着脱可能な連結部を設けたミシン本体を備え、前記ミシン本体を起立位置と該起立位置から前記水平軸を中心に傾倒した傾倒位置とに切換え可能なミシンにおいて、前記ミシン本体を前記傾倒位置に切換えた場合に、前記ミシンテーブルと前記ミシン本体とが当接する当接位置のうち、前記ミシン本体側の当接位置に弾性部材を配置する。
この発明によれば、本願発明のミシンは、作業者がミシン本体を起立位置から水平軸周りに回動して傾倒位置に切換えた場合に、ミシン本体とミシンテーブルとが当接する当接位置のうちミシン本体側に弾性部材を設ける。ミシンは、弾性部材がミシンテーブルに当接することで傾倒位置を維持することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、前記ミシン本体は、前記連結部を一側に設けたベッド部と、該ベッド部から立設した脚柱部と、該脚柱部の上端から前記ベッド部と対向し水平方向に延びるアーム部と、ミシン主軸を回転駆動する駆動モータと、該駆動モータを前記アーム部又は前記脚柱部の外部であって、前記連結部と同じ側に取り付ける取付け部材とを有し、前記ミシン本体を前記傾倒位置に切換えた場合、前記ミシンテーブルと前記取付け部材とが当接関係にあり、前記弾性部材は、前記ミシン本体の前記取付け部材に配置する。
この発明によれば、本願発明のミシンは、駆動モータを取り付ける取付け部材をアーム部又は脚柱部の外部に取り付ける。取付け部材は、作業者がミシン本体を傾倒位置に切換えた場合に、ミシンテーブルと当接する側に取り付けてある。弾性部材を取付け部材に配置することで、弾性部材はミシンテーブルに当接する。
請求項3の発明は、請求項2の発明に加えて、前記取付け部材は、前記駆動モータの外周を覆う保護部を有し、前記保護部は、下方に前記水平軸に向かって傾斜する傾斜部を有し、前記弾性部材は、前記傾斜部に配置する。
この発明によれば、本願発明のミシンは、駆動モータの外周を覆う保護部の下方に、水平軸に向かって傾斜する傾斜部を形成する。弾性部材は、傾斜部に配置してある。
請求項4の発明は、請求項2又は3の発明に加えて、前記ミシン本体は、前記駆動モータ及び前記取付け部材を覆うカバーを更に備え、前記カバーは、前記弾性部材が前記カバーの外部へ突出可能な突出穴を形成する。
この発明によれば、本願発明のミシンは、駆動モータ及び取付け部材を覆うカバーを備える。カバーは突出穴を形成し、カバー内部の取付け部材に取り付けた弾性部材は突出穴からカバー外部へ突出する。
請求項5の発明は、請求項4の発明に加えて、前記弾性部材は、前記ミシン本体を前記傾倒位置に切換えたときに前記ミシンテーブルに当接する凸部と、前記凸部と一体的に形成し前記カバーの前記突出穴を塞ぐ被覆部とを有する。
この発明によれば、本願発明のミシンは、弾性部材は、作業者がミシン本体を傾倒位置に切換えた場合にミシンテーブルに当接する凸部と、凸部と一体的に形成した被覆部とからなる。凸部は、カバーに設けた突出穴から突出する。被覆部は、カバーに設けた突出穴における、凸部との隙間を塞ぐ。
請求項1の発明によれば、ミシン本体は、作業者がミシン本体を起立位置から傾倒位置に切換えた場合に、ミシンテーブルと当接する当接位置に弾性部材を配置する。従って、ミシンは、ミシン本体を起立位置から傾倒位置に切換える場合に、ミシン本体とミシンテーブルとが当接する際に発生するミシン本体及びミシンテーブルへの衝撃を緩和することができる。
弾性部材をミシン本体に設けることにより、ミシンテーブルはミシン本体と当接する部材を必要としない。従って、ミシンは、作業者が縫製作業時にミシンテーブル上でミシン本体と当接する部材に加工布を引っ掛けてしまうことを防ぎ、縫製作業の効率の低下を防ぐことができる。
請求項2の発明によれば、取付け部材は、駆動モータをアーム部又は脚柱部の外部であって、連結部と同じ側に取り付ける。取付け部材は、作業者がミシン本体を起立位置から傾倒位置に切換えた場合にミシンテーブルと当接関係にある。取付け部材は、弾性部材を配置してある。取付け部材に配置した弾性部材は、ミシン本体を起立位置から傾倒位置に切換える際、アーム部又は脚柱部の外部に取り付けた駆動モータよりも先にミシンテーブルに当接する。従って、ミシンは、傾倒位置で駆動モータがミシンテーブルに当接して駆動モータ及びミシンテーブルが破損するのを防ぐことができる。
請求項3の発明によれば、取付け部材の保護部は、下方に水平軸に向かって傾斜する傾斜部を有する。保護部の下方が水平軸に向かって傾斜していることにより、ミシン本体は、作業者がミシン本体を傾倒位置に切換える場合に、傾斜部を設けない場合と比較して、より傾けた位置を傾倒位置とすることができる。従って、作業者はベッド部等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
請求項4の発明によれば、駆動モータ及び取付け部材を覆うカバーは、取付け部材に取り付けた弾性部材がカバーの外部へ突出可能な突出穴を形成している。ミシンは、カバーを設けることにより、作業者が縫製作業中に駆動モータ等に触れるのを防ぐことができる。弾性部材はカバー内の取付け部材に取り付けてあるため、カバーに突出穴を形成しない場合、カバーは傾倒位置でミシンテーブルに当接する。ミシンテーブルに当接することでカバーが傷つくため、カバーを交換しなくてはならず、コストは増大する。カバーに突出穴を形成することで、カバー内の取付け部材に取り付けた弾性部材はカバーの外部へ突出する。弾性部材が突出穴から突出することで、ミシン本体を傾倒位置に切換える場合に、弾性部材はミシンテーブルに当接することができる。
請求項5の発明によれば、弾性部材は、ミシン本体を傾倒位置に切換えた場合にミシンテーブルに当接する凸部と、凸部と一体的に形成した被覆部とを有している。凸部は突出穴から突出する。ミシン本体を傾倒位置に切換える場合に、凸部がミシンテーブルに当接することでミシンは傾倒位置を維持することができる。被覆部は、カバーに設けた突出穴にと凸部との隙間を、カバーの内側で塞ぐ。従って、ミシンは、カバーの内部に埃等が入り込むのを防ぐことができる。
ミシン1の右後方からの外観斜視図である。 ミシン1の背面図(カバー150を省略)である。 取付け部材25の拡大斜視図である。 ミシン受け200の拡大斜視図である。 ミシン本体10が起立位置の状態のミシン1の右側面図である。 図5に示すミシン本体10を傾倒位置に切換えた状態のミシン1の右側面図である。 変更形態に係るミシン100の右後方からの外観斜視図である。
以下、本発明の一実施形態であるミシン1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1における左斜め上方を作業者に対向するミシン1の前方、右斜め下方をミシン1の後方、右斜め上方をミシン1の左方、左斜め下方をミシン1の右方とする。
図1及び図2を参照して、本実施形態に係るミシン1の全体構造について説明する。ミシン1は、ミシンテーブル11と、水平軸を中心に後方へ回動可能であるミシン本体10とからなる。ミシン本体10は、連結部21(図5参照)と、ベッド部12と、脚柱部13と、アーム部14と、取付け部材25と、モータ30(駆動モータに相当)と、カバー150とを備えている。連結部21は、ヒンジ機構で構成してあり、水平軸周りに回動可能且つミシンテーブル11に着脱可能である。ベッド部12は、連結部21を一側に有する。脚柱部13は、ベッド部12の上面の右端側に立設している。アーム部14は、脚柱部13の上端から左側(水平方向)に延び、且つベッド部12の上面と対向している。アーム部14は、その左端の下部にモータ30の駆動によって上下に往復移動する針棒16を備えている。針棒16は、下端に縫針17を備えている。アーム部14は、針棒16の近傍に昇降可能な押え棒19を備えている。押え棒19は、加工布を保持する押え足20を下端に備えている。
脚柱部13及びアーム部14は、アーム部14の長手方向(ミシン1の左右方向)に沿って延びるミシン主軸18を備えている。ミシン主軸18は、アーム部14及び脚柱部13の内部を挿通し、脚柱部13の右端部から右方へ突出している。ミシン主軸18は、針棒16を上下動する駆動機構(図示省略)にアーム部14の内部で連結している。それ故、針棒16は、ミシン主軸18が回転すると、駆動機構を介して上下動する。ミシン主軸18は、右端部に円筒状の手動輪65を固定している。
カバー150は、樹脂製であり、脚柱部13の右側面と、アーム部14の背面とにわたって着脱可能に設けてある。カバー150は、取付け部材25、モータ30等の周囲を覆うことで、作業者が縫製作業中にモータ30等に触れないようにするものである。カバー150は、穴部151,152,153を備えている。穴部151,152,153の詳細については後述する。
モータ30は、脚柱部13の後部に固定した取付け部材25に取り付けてある。取付け部材25の詳細については後述する。モータ30は、ミシン主軸18を回転して縫製を行う動力源である。モータ30の一端面の中心には、モータ出力軸35が右方へ突出している。モータ出力軸35は、ミシン主軸18に対して平行に位置する。
モータ出力軸35は、右端部に冷却ファン40を同軸上に固定している。冷却ファン40は、同心円上に複数の羽根を備えている。冷却ファン40は、モータ出力軸35の回転に伴って回転することで、モータ30に向けて送風する。冷却ファン40は、モータ30に向けて送風することで、発熱するモータ30を冷却する。冷却ファン40は、モータ30側の側面が円盤状に形成してあり、下糸をボビンに巻くための糸巻き装置70の糸巻きプーリ74に接触する。糸巻きプーリ74は、モータ30の動力を糸巻き装置70に伝達する。
モータ30の動力伝達機構について説明する。図5に示すように、モータ出力軸35の位置とミシン主軸18の位置とは互いに同じ高さである。図2に示すように、モータ出力軸35は、モータ30と冷却ファン40との間に円柱状のモータプーリ60を同軸上に固定している。図5では冷却ファン40は省略してある。モータプーリ60は、モータ出力軸35の回転に伴って回転する。モータプーリ60は、外周面に凹凸状の歯部61を備えている。ミシン主軸18は、円柱状のミシンプーリ50を同軸上に固定している。ミシンプーリ50は、モータプーリ60と同形状の歯部51を備えている。モータプーリ60の径とミシンプーリ50の径とは同径である。
ミシン本体10は、モータプーリ60とミシンプーリ50との間に、無端状のタイミングベルト55を架け渡している。タイミングベルト55は樹脂製である。タイミングベルト55は、内側の面に凹凸状の歯部56を備えている。タイミングベルト55の歯部56は、モータプーリ60の歯部61、及びミシンプーリ50の歯部51と同一形状である。タイミングベルト55の歯部56は、モータプーリ60の歯部61と、ミシンプーリ50の歯部51とに対して噛合する。
上記構成からなる動力伝達機構は、モータ出力軸35が回転すると、モータプーリ60が回転し、タイミングベルト55を介してミシンプーリ50が回転する。ミシンプーリ50が回転することでミシン主軸18は回転する。ミシン主軸18が回転することにより、針棒16及び縫針17は駆動機構を介して上下動する。モータプーリ60とミシンプーリ50は同径であるので、モータ出力軸35の回転速度とミシン主軸18の回転速度との比率は1:1である。
モータ30は、モータ出力軸35の回転位相を検出するエンコーダ(図示省略)を左側端部に備えている。エンコーダは、複数のスリットを有する回転円板(図示省略)と、複数のスリットを有する扇形の板(図示省略)と、発光素子(図示省略)と、受光素子(図示省略)とを備える一般的なものである。受光素子は、回転円板の片側から当てた発光素子の光のうち、回転円板のスリットと扇形の板のスリットとを透過した光を検出する。エンコーダは、受光素子における受光量に基づいて、モータ出力軸35の回転角度(回転位相)を検出する。エンコーダは、検出した回転位相に関する情報を、ミシン1の動作を統括する制御部(図示省略)に送信する。制御部は、モータ出力軸35の回転位相に基づき、ミシン主軸18、駆動機構を介して上下動する針棒16及び縫針17の位置を検出し、縫製動作を制御する。前述したように、モータ出力軸35の回転速度とミシン主軸18の回転速度との比率は1:1であるので、制御部はエンコーダの検出結果に基づいて容易に針棒16及び縫針17の位置を検出することができる。
図2及び図3を参照して、モータ30を取り付ける取付け部材25の構造について説明する。取付け部材25は、台部26と、保護部27と、支持板28と、固定部29とからなる。台部26は板状であり、脚柱部13の後部に複数のネジで固定している。保護部27は、モータ30の径方向外周部の全周を覆う円筒状に形成してある。保護部27は、その内側に円形の開口51を有している。保護部27は、開口51の軸心の方向がミシン主軸18と平行になるように、台部26の中央よりもやや上側に配置してある。保護部27は、円柱状のモータ30を保護部27の開口51に同軸上に取り付ける。保護部27は、その外周部の下側に保護部27の後方から連結部21に向かって傾斜する傾斜部271を有している。支持板28は、保護部27の右端部と台部26とを接続する。固定部29は、保護部27の上端部と台部26とを接続し、糸巻き装置70を上部に固定する。
傾斜部271は、その右側が支持板28に接続する。傾斜部271は、下方に弾性部材としてのミシン受け200が取り付けてある。ミシン受け200は、傾斜部271に設けたネジ穴(図示省略)に締結する取付けネジ(図示省略)に取り付けてある。
図4を参照して、ミシン受け200について説明する。ミシン受け200は、平面視で半円頂部と半円頂部の両下端から下方に延びる胴部からなる釣鐘形状を呈し、ゴムで一体成形している。ミシン受け200は、釣鐘形状の中央部に略楕円状に突出した被覆部201と、被覆部201の上側に該被覆部201から突出した凸部202とを有する。凸部202は、突出した側とは反対の面が窪んでいる。当該窪みは、取付けネジの頭部と係合可能に形成してある。ミシン受け200は、取付けネジの頭部と係合することで、傾斜部271に取り付けることができる。
図1を参照して、カバー150に設けた穴部151,152,153について説明する。穴部151は、カバー150の右側面に設けてあり、手動輪65が突出して露出している。穴部152は、カバー150の上面に設けてあり、糸巻き装置70が上方に突出している。穴部153は、カバー150の背面に設けてあり、ミシン受け200の凸部202が突出して露出している。穴部153は、ミシン受け200の凸部202よりも大きく、且つ被覆部201よりも小さい長円状に形成してある。従って、被覆部201は、カバー150の穴部153と凸部202との隙間を、カバー150の内側で塞ぐことができる。穴部153は長円状に形成しているので、作業者はカバー150をミシン本体10に取り付ける場合に、ミシン受け200の凸部202がカバー150に引っ掛かることなく容易に取り付けることができる。本実施形態において、穴部153が突出穴に相当する。
図5及び図6を参照して、ミシン本体10を起立位置から傾倒位置に切換えた場合について説明する。図5は、ミシン本体10が起立位置である状態を示す。図6は、図5のミシン本体10が起立位置である状態から水平軸を中心に回動して後方へ傾倒した傾倒位置である状態を示す。図5及び図6は説明のために、カバー150を断面図で示し、手動輪65及び冷却ファン40を省略している。
図5に示すように、ミシン本体10が起立位置のとき、ミシン1はベッド部12の上面とミシンテーブル11の上面とが同一の高さとなる。前述したように、取付け部材25に設けたミシン受け200の凸部202は、カバー150の穴部153から突出している。図6に示すように、ミシン本体10が傾倒位置に切換わったとき、凸部202はカバー150内のモータ30及びカバー150より先にミシンテーブル11に当接する。ミシン受け200の凸部202がミシンテーブル11に当接することで、ミシン1は、傾倒位置を維持することができる。それ故、作業者はベッド部12等のメンテナンス作業を行うことができる。
以上説明した本実施形態のミシン1は、モータ30を脚柱部13の後部に固定した取付け部材25の保護部27に取り付ける。保護部27は、モータ30の径方向外周部の全周を覆う円筒状であり、外周部の下側には後方から連結部21に向かって傾斜する傾斜部271を有している。傾斜部271は、下方にミシン受け200を取り付けてある。起立位置にあるミシン本体10を、水平軸を中心に後方へ傾倒して傾倒位置に切換えた場合、ミシン本体10は、取付け部材25の保護部27に設けたミシン受け200がミシンテーブル11に当接する。従って、ミシン1は、ミシン本体10とミシンテーブル11とが当接する際に発生するミシン本体10及びミシンテーブル11への衝撃を緩和することができる。
ミシン受け200を取付け部材25の保護部27に取り付けることで、ミシンテーブル11は、ミシン本体10と当接する部材が不要になる。従って、ミシン1は、作業者が縫製作業時にミシンテーブル11上でミシン本体10と当接する部材に加工布を引っ掛けてしまうという問題が発生しない。
保護部27は、モータ30の径方向外周部の全周を覆う円筒状であるので、モータ30よりも先に保護部27に設けたミシン受け200がミシンテーブル11に当接する。従って、ミシン1は、傾倒位置でモータ30がミシンテーブル11に当接してモータ30及びミシンテーブル11が破損するのを防ぐことができる。モータ30を円筒状の保護部27の内側に取り付けることで、ミシン本体10とミシンテーブル11とが当接する際に発生する衝撃は、モータ30へ伝わりにくくなる。従って、ミシン1は、モータ30への悪影響を防ぐことができる。
保護部27の外周部の下側には後方から連結部21に向かって傾斜する傾斜部271を有しているので、ミシン本体10は、作業者がミシン本体10を起立位置から傾倒位置に切換える場合に、傾斜部271を設けない場合と比較して、より傾けた位置を傾倒位置とすることができる。従って、作業者はベッド部12等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
ミシン受け200は、薄板状に形成した略楕円状の被覆部201、及び被覆部201と一体的に形成し、且つ被覆部201の中央部に突出して形成した凸部202を有する。モータ30及び取付け部材25を覆うカバー150は、樹脂製である。それ故、ミシン受け200をカバー150に取り付けると、カバー150は、ミシン本体10を傾倒位置に切換えたときに衝撃により破損する可能性がある。カバー150は、ミシン受け200をカバー150内の取付け部材25に取り付けているため、穴部153を形成している。ミシン受け200の凸部202は穴部153から突出する。ミシン本体10を起立位置から傾倒位置に切換える場合に、凸部202がミシンテーブル11に当接することでミシン1は傾倒位置を維持することができる。被覆部201は、穴部153と凸部202との隙間を、カバー150の内側で塞ぐ。従って、ミシン1は、カバー150の内部に埃等が入り込むのを防ぐことができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
上記実施形態は、モータ30を取り付けるための取付け部材25にミシン受け200を取り付けている。図7に示す変更形態のミシン100は、上記実施形態のモータ30に相当する駆動モータをミシン本体110のアーム部14内に設けたものである。尚、上記実施形態と同一部材については、同一符号を付し、その説明を省略する。ミシン本体110は、ミシン受け210を脚柱部13に取り付けている。この場合、ミシン本体110は、モータ30を取り付けるための取付け部材25を設ける必要がない。ミシン受け210は、ミシン本体110を傾倒位置に切換えた場合おいてミシン本体110とミシンテーブル11とが当接する当接位置(脚柱部13)に配置してある。従って、ミシン本体110を傾倒位置に切換えた場合に、ミシン受け210がミシンテーブル11と当接することで、ミシン100は傾倒位置を維持することができる。
上記実施形態は、取付け部材25について、モータ30の径方向外周部の全周を覆う円筒状に形成した保護部27を有していた。取付け部材25は、保護部27を省略して、支持板28にモータ30を取り付けるようにしてもよい。この場合、ミシン受け200は、支持板28の後端部に取り付ける。ミシン本体を傾倒位置に切換えた場合、支持板28に取り付けたミシン受け200は、ミシンテーブル11と当接する。
上記実施形態は、ミシン受け200について、取付け部材25の保護部27に取り付けていた。ミシン受け200は、モータ30に取り付けしてもよいし、カバー150に取り付けてもよい。モータ30に取り付ける場合、ミシン受け200は、ミシン本体を傾倒位置に切換えたときにミシンテーブル11とモータ30とが当接する当接位置のうち、モータ30側に取り付ける。カバー150に取り付ける場合、ミシン受け200は、ミシン本体を傾倒位置に切換えたときにミシンテーブル11とカバー150とが当接する当接位置のうち、カバー150側に取り付ける。カバー150は、穴部153を省略することができる。
1,100 ミシン
10,110 ミシン本体
11 ミシンテーブル
12 ベッド部
13 脚柱部
14 アーム部
21 連結部
25 取付け部材
27 保護部
30 モータ(駆動モータ)
150 カバー
151 穴部
152 穴部
153 穴部(突出穴)
200,210 ミシン受け(弾性部材)
201 被覆部
202 凸部
271 傾斜部

Claims (5)

  1. 水平軸周りに回動可能且つミシンテーブルに着脱可能な連結部を設けたミシン本体を備え、
    前記ミシン本体を起立位置と該起立位置から前記水平軸を中心に傾倒した傾倒位置とに切換え可能なミシンにおいて、
    前記ミシン本体を前記傾倒位置に切換えた場合に、前記ミシンテーブルと前記ミシン本体とが当接する当接位置のうち、前記ミシン本体側の当接位置に弾性部材を配置したことを特徴とするミシン。
  2. 前記ミシン本体は、
    前記連結部を一側に設けたベッド部と、
    該ベッド部から立設した脚柱部と、
    該脚柱部の上端から前記ベッド部と対向し水平方向に延びるアーム部と、
    ミシン主軸を回転駆動する駆動モータと、
    該駆動モータを前記アーム部又は前記脚柱部の外部であって、前記連結部と同じ側に取り付ける取付け部材とを有し、
    前記ミシン本体を前記傾倒位置に切換えた場合、前記ミシンテーブルと前記取付け部材とが当接関係にあり、
    前記弾性部材は、前記ミシン本体の前記取付け部材に配置したことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記取付け部材は、前記駆動モータの外周を覆う保護部を有し、
    前記保護部は、下方に前記水平軸に向かって傾斜する傾斜部を有し、
    前記弾性部材は、前記傾斜部に配置したことを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 前記ミシン本体は、前記駆動モータ及び前記取付け部材を覆うカバーを更に備え、
    前記カバーは、前記弾性部材が前記カバーの外部へ突出可能な突出穴を形成したことを特徴とする請求項2又は3に記載のミシン。
  5. 前記弾性部材は、前記ミシン本体を前記傾倒位置に切換えたときに前記ミシンテーブルに当接する凸部と、前記凸部と一体的に形成し前記カバーの前記突出穴を塞ぐ被覆部とを有することを特徴とする請求項4に記載のミシン。
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