JP2011042521A - パティキュレートフィルタとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭化ケイ素質のDPFを少ない工数で製造でき、かつ気孔率や細孔分布の制御も容易とする。
【解決手段】紙製の平板と波板とを交互に積層してハニカム形状とし、炭素源とシリコン粉末を含むスラリーを含浸し、非酸化性雰囲気で焼成することで、炭素質ハニカム体を経て炭化ケイ素質ハニカム体を形成する。平板と波板は多孔質であり形成された炭化ケイ素質ハニカム体のセル隔壁も多孔質となる。そして両端をそれぞれ市松状に目詰めすることで、波板の形状効果によって濾過面積の大きなDPFとすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ディーゼルエンジンなどから排出される排ガス中に含まれる粒子状物質(以下、PMという)を捕集するパティキュレートフィルタと、その製造方法に関し、詳しくは炭化ケイ素質のパティキュレートフィルタとその製造方法に関する。
ディーゼルエンジンから排出されるPMを捕集するために、セラミック製の目封じタイプのハニカム体(ディーゼルPMフィルタ(以下DPFという))が知られている。このDPFは、セラミックハニカム構造体のセルの開口部の両端を例えば交互に市松状に目封じしてなるものであり、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画するセル隔壁とよりなり、セル隔壁の細孔で排ガスを濾過してPMを捕集することでPMの排出を抑制するものである。
DPFの材質としては、従来よりコージェライトが広く用いられている。コージェライトは低熱膨張特性によって耐熱衝撃性に優れ、またセル隔壁の気孔率や細孔分布の制御が比較的容易である。しかしながら下記の非特許文献に記載されているように、コージェライトは耐熱性が低く熱伝導率が小さいために、DPFに堆積したPMが燃焼する際に局部的に高温となり、溶損やクラックが生じ易いという問題があった。
そこで近年では、耐熱性、耐蝕性に優れ、高強度で熱伝導率がコージェライトより大きな炭化ケイ素製のDPFが用いられるようになっている。しかし炭化ケイ素は、コージェライトに比べて熱膨張率が高くヤング率も大きいため、耐熱衝撃性が劣るという不具合がある。そのため例えば特開2006−326381号公報には、所定部分にのみ配設された部分接合材層を介してハニカムセグメントどうしが接合されたハニカム構造体が提案されている。また下記の非特許文献には、炭化ケイ素とシリコンとの複合材料がヤング率に対する欠点を改良するのに有効であることが記載されている。
コージェライトあるいは炭化ケイ素からDPFを製造するには、先ず原料粉末を粘土状のペーストとし、押出成形によってストレートフロー構造のハニカム通路をもつハニカム体を形成する。これを焼成した後、一端面のセル開口を同様の粘土状のペーストなどで市松状などに目封じし、他端面では一端面で目封じされたセルに隣接するセルのセル開口を目封じする。その後焼成などで目封じ材を固定することでハニカム構造のDPFが得られる。また複数のセル通路をもつハニカムセグメントを複数個接合することで、所望の径をもつハニカム構造のDPFを製造する方法も知られている。
特開2006−326381号公報
Earozoru Kenkyu,24(1),18-23(2009)
しかしながら押出成形により製造されるDPFにおいては、セル断面は一般に四角形であり形状の自由度が低い。そのためフィルタとなるセル隔壁の面積を増加させるにも限度があった。また押出成形でハニカム形状のDPFを製造する場合、押出成形と、押出成形後のハニカム体の乾燥及び焼成と、目詰め後の焼成とを行う必要があり、生産工数が大きいという不具合があった。
さらに、PMの捕集効率を改良したり溶損しにくくするためには、セル隔壁の気孔率や細孔分布を部分的に異ならせたり、セルの断面積を部分的に異ならせたりすることが有効な場合がある。しかし押出成形ではそのように成形することが困難であり、ハニカムセグメントを接合する製造方法でも複数種のハニカムセグメントを用意する必要がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、押出成形を用いることなく炭化ケイ素質のDPFを少ない工数で容易に製造でき、かつ気孔率や細孔分布の制御も容易となる製造方法を提供することを目的とする。また本発明のもう一つの目的は、セル隔壁の面積を増大できPMの捕集効率が高いDPFとすることにある。
上記課題を解決するために、本願発明者は目詰め工程が異なる四とおりのパティキュレートフィルタの製造方法を発明した。その第1発明の製造方法の特徴は、有機多孔質体からなる平板と、有機多孔質体からなり山部と谷部が交互に形成された波板と、を交互に積層してなり、又は平板と波板を重ねて該平板が外側になるようにロール状に巻回してなり、平板と波板とで区画された多数のセル通路を有するハニカム体を形成するハニカム形成工程と、
炭素源としての樹脂とシリコン粉末とを含むスラリー又はこのスラリーにさらに炭化ケイ素粉末を含むスラリーをハニカム体に含浸させて平板及び波板にスラリーが含浸した含浸体とする含浸工程と、
目詰め材を用いて含浸体の一端面側及び他端面側でセル通路の開口を交互に目詰めし、ガス流れ方向の下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し上流側で目詰めされた流出側セルとを形成する目詰め工程と、
真空中又は非酸化性雰囲気中にて目詰めされた含浸体を加熱し樹脂を炭素化するとともにハニカム体を熱分解して炭素質ハニカム体とする炭素化工程と、
真空中又は非酸化性雰囲気中にて炭素質ハニカム体を加熱することでシリコンと炭素とを反応させて炭素質ハニカム体から炭化ケイ素質ハニカム体を形成する焼成工程と、を行うことにある。
第2発明の製造方法の特徴は、有機多孔質体からなる平板と、有機多孔質体からなり山部と谷部が交互に形成された波板と、を交互に積層してなり、又は平板と波板を重ねて平板が外側になるようにロール状に巻回してなり、平板と波板とで区画された多数のセル通路を有するハニカム体を形成するハニカム形成工程と、
炭素源としての樹脂とシリコン粉末とを含むスラリー又はこのスラリーにさらに炭化ケイ素粉末を含むスラリーをハニカム体に含浸させて平板及び波板にスラリーが含浸した含浸体とする含浸工程と、
真空中又は非酸化性雰囲気中にて含浸体を加熱し樹脂を炭素化するとともにハニカム体を熱分解して炭素質ハニカム体とする炭素化工程と、
真空中又は非酸化性雰囲気中にて炭素質ハニカム体を加熱することでシリコンと炭素とを反応させて炭素質ハニカム体から炭化ケイ素質ハニカム体を形成する焼成工程と、
目詰め材を用いて炭化ケイ素質ハニカム体の一端面側及び他端面側でセル通路の開口を交互に目詰めし、ガス流れ方向の下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し上流側で目詰めされた流出側セルとを形成する目詰め工程と、
目詰め部を固化する第2の焼成工程と、を行うことにある。
第3発明の製造方法の特徴は、有機多孔質体からなり山部と谷部が交互に形成された波板を用意し、目詰め材を用いて波板の一端部では谷部を充填し他端部では山部を充填する目詰め工程と、
目詰めされた波板と有機多孔質体からなる平板とを交互に積層し、又は波板と該平板を重ねて該平板が外側になるようにロール状に巻回し、平板と波板とで区画された多数のセル通路を有するハニカム体を形成するハニカム形成工程と、
炭素源としての樹脂とシリコン粉末とを含むスラリー又はこのスラリーにさらに炭化ケイ素粉末を含むスラリーをハニカム体に含浸させて平板及び波板にスラリーが含浸した含浸体とする含浸工程と、
真空中又は非酸化性雰囲気中にて含浸体を加熱し樹脂を炭素化するとともにハニカム体を熱分解して炭素質ハニカム体とする炭素化工程と、
真空中又は非酸化性雰囲気中にて炭素質ハニカム体を加熱することでシリコンと炭素とを反応させて炭素質ハニカム体から炭化ケイ素質ハニカム体を形成する焼成工程と、を行うことにある。
第4発明の製造方法の特徴は、山部と谷部が交互に形成された波板と平板とが接合されてなる片面段ボール紙を用意し、目詰め材を用いて波板の一端部では谷部を充填し他端部では山部を充填する目詰め工程と、
目詰めされた片面段ボール紙を巻回し又は複数枚積層して平板と波板とで区画された多数のセル通路を有するハニカム体を形成するハニカム形成工程と、
炭素源としての樹脂とシリコン粉末とを含むスラリー又はスラリーにさらに炭化ケイ素粉末を含むスラリーをハニカム体に含浸させて平板及び波板にスラリーが含浸した含浸体とする含浸工程と、
真空中又は非酸化性雰囲気中にて含浸体を加熱し樹脂を炭素化するとともにハニカム体を熱分解して炭素質ハニカム体とする炭素化工程と、
真空中又は非酸化性雰囲気中にて炭素質ハニカム体を加熱することでシリコンと炭素とを反応させて炭素質ハニカム体から炭化ケイ素質ハニカム体を形成する焼成工程と、を行うことにある。
そして本発明のパティキュレートフィルタの特徴は、本発明の製造方法で製造され、共に断面円弧形状の山部と谷部とが交互に連続してなる炭化ケイ素質の波板と、炭化ケイ素質の平板と、が交互に積層されてなり、
平板と波板の山部又は谷部とで区画されてなり、ガス流れ方向の下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接しガス流れ方向の上流側で目詰めされた流出側セルと、を有し、流入側セルから流入した排ガスが平板及び波板からなる多孔質のセル隔壁を通過して流出側セルから排出されることにある。
本願発明者は、特許第3699992号、特許第4273195号、特許第4110244号などにおいて、スポンジ状の有機多孔質構造体から炭化ケイ素質多孔質構造材を製造する方法を提案している。この製造方法は、例えばウレタンスポンジにフェノール樹脂及びシリコン粉末を含むスラリーを含浸させ、それを不活性雰囲気下で焼成することで、炭素質多孔質構造体を経て反応焼結によって炭化ケイ素質多孔質構造材を製造するものである。
この製造方法によれば、得られた炭化ケイ素質多孔質構造材は、用いたウレタンスポンジなどの骨格を有し、しかもその骨格自体が微細な細孔を含む多孔質構造となる。
そこで本願発明者は、上記特許に記載された方法を用いてパティキュレートフィルタを製造することを想起した。この製造方法を用いれば、炭化ケイ素質多孔質構造材を容易に形成することができるので、耐熱性、耐蝕性に優れ、高強度で熱伝導率が大きなパティキュレートフィルタを製造することが可能となる。そしてハニカム構造のパティキュレートフィルタの骨格として、段ボール紙の骨格を利用できることを見出し、目詰めを簡単に行うことができること、また得られた炭化ケイ素質多孔質構造材からなるパティキュレートフィルタはセル隔壁が曲面形状であることから、従来のDPFとセル通路の開口面積を同一としてもセル隔壁の面積を大きくできることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の製造方法によれば、押出成形を用いていないので、パティキュレートフィルタをきわめて容易に製造することができる。また用いる有機多孔質体の気孔率や細孔分布を適宜選択するだけで、セル隔壁の気孔率や細孔分布を制御することができる。さらにセル通路の径を部分的に変化させたり、セル隔壁の途中に貫通孔を設けたり、ということを有機多孔質体の段階や炭素化後に容易に行うことができ、設計の自由度が格段に高まる。そして有機多孔質体からなる波板の両端を充填することで目詰め部を形成できるので、目詰め工程の工数を格段に低減することができ、しかも一度の焼成でもよいので生産性が高い。
図1(a)に示すように、共に断面正方形の流入側セル100と流出側セル200とが隣接している従来のDPFの場合、断面正方形の一辺の長さをnとすると、断面におけるセル隔壁の全長は4nとなる。一方、図1(b)に示すように断面直角二等辺三角形の流入側セル100と断面直角二等辺三角形の流出側セル200とが隣接しているDPFとすれば、流入側セル100の開口面積は図1(a)と同一であるにも関わらず、断面におけるセル隔壁の全長は2n(1+21/2)となり、フィルタとして機能するセル隔壁の面積を図1(a)より大きくすることができる。
しかも本発明のパティキュレートフィルタは、図1(c)に示すように、図1(b)に示す直角二等辺三角形の等しい二辺に対応する部位が曲線であるので直線の場合より長くなり、図1(c)に示すように流入側セル100の開口面積を図1(a)と同一としても、断面におけるセル隔壁の全長は図1(b)のそれを超える値となる。
したがって本発明のパティキュレートフィルタによれば、流入側セル及び流出側セルの断面形状が円弧状であるため、セル通路の開口面積を同一としても、従来のDPFに比べてフィルタとして機能するセル隔壁の面積が格段に大きくなりPMの捕集効率が大きく向上する。
さらに本発明のパティキュレートフィルタの製造方法によれば、有機多孔質体からなる平板と波板を用いているので、加工が容易である。したがって局部的にセル隔壁の細孔分布を異ならせたり、波板の波形状を局部的に異ならせたりすることを容易に行うことができ、パティキュレートフィルタの捕集能を部分的に異ならせることができる。すなわちフィルタ設計の自由度が格段に向上する。
パティキュレートフィルタのセル断面とフィルタ面積との関係を示す説明図である。 本発明の一実施例に係るパティキュレートフィルタの斜視図である。 本発明の一実施例に係るパティキュレートフィルタの断面図である。 本発明の一実施例に係るパティキュレートフィルタの端面の要部拡大正面図である。 本発明の一実施例に係るパティキュレートフィルタの製造方法を示す説明図である。 本発明の第4の実施例に係るパティキュレートフィルタの斜視図である。 本発明の第5の実施例に係るパティキュレートフィルタの斜視図である。
本発明の製造方法では、出発素材として有機多孔質体からなる平板と、同じく有機多孔質体からなる波板とを用いている。平板及び波板の気孔率や細孔分布は、目的に応じて種々選択することができ、同一であってもよいし異なっていてもよい。有機多孔質体としては、紙、不織布、織布、編布、ウレタン発泡体、など種々の有機材料からなる多孔質体を用いることができる。平板と波板とで材質が同一であってもよいし異なっていてもよい。例えば片面段ボール紙は、多孔質な平板とその平板から形成された波板とが互いに接合されたものであり、またコピー紙などに比べて多孔質度が高いので、好適に用いることができる。また例えば布から波板を形成するには、波板形状に賦形した後、樹脂などの有機バインダを含浸させて波形状を固定してもよい。
平板及び波板は、炭素粉末を含むことが好ましい。炭素粉末を50質量%以上含んでいることが好ましく、70質量%以上含むことが望ましい。炭素粉末を含むことで、後述するスラリーの含浸量が少ない場合でも十分な炭化ケイ素骨格を形成することができ、炭素化工程や焼成工程における体積収縮を抑制することができる。
第1発明の製造方法及び第2発明の製造方法では、平板と波板とが交互に積層され、又は平板と波板を重ねて平板が外側になるようにロール状に巻回され、平板と波板とで区画された多数のセル通路を有するハニカム体が形成される。このハニカム体がパティキュレートフィルタの基体となる。DPFのような円柱形状のパティキュレートフィルタを製造する場合は、接着剤を用いて平板と波板とを交互に積層し、後加工により円柱状とすることができる。また片面段ボール紙など平板と波板とを重ねたものをロール状に巻回して積層すれば、平板と波板とが交互に積層された円柱状のハニカム体を容易に形成することができる。
第3発明の製造方法では、有機多孔質体からなり山部と谷部が交互に形成された波板を用意し、目詰め材を用いて波板の一端部では谷部を充填し他端部では山部を充填する目詰め工程を行う。目詰めされた波板は、上記と同様に平板と交互に積層され、又は波板と平板を重ねて平板が外側になるようにロール状に巻回され、ハニカム体が形成される。目詰め材で他端部が充填された山部の一端部の開口からガスが流入するように配置するならば、その山部と平板とで区画されたセルが流入側セルとなり、目詰め材で一端部が充填された谷部と平板とで区画されたセルが流出側セルとなる。すなわちこの製造方法によれば、山部又は谷部の略U字状空間に目詰めするため、従来のセル通路の開口から目詰めする方法に比べて目詰めを極めて容易に行うことができる。
さらに第4発明の製造方法では、山部と谷部が交互に形成された波板と平板とが接合されてなる片面段ボール紙を用い、目詰め材を用いて波板の一端部では谷部を充填し他端部では山部を充填する目詰め工程を行う。目詰め材で他端部が充填された山部の一端部の開口からガスが流入するように配置するならば、その山部が流入側セルとなり、目詰め材で一端部が充填された谷部が流出側セルとなる。目詰めされた片面段ボール紙は、巻回されることで又は複数枚積層されることで、平板と波板とで区画された多数のセル通路を有するハニカム体が形成される。この方法では、一列の直線状に並ぶ山部又は谷部の開口を目詰めすればよいので、従来の目詰め工程に比べて容易に行うことができる。
第1〜4発明の製造方法で用いられる目詰め材は、耐熱性を有する各種セラミック粉末を主成分としフェノール樹脂などの有機バインダを含む粘土状のペーストを用いることができる。炭化ケイ素質ハニカム体と強固に接合する炭化ケイ素粉末を主成分とするペーストを用いることが好ましい。またシリコン粉末を含むペーストを用いれば、後述の焼成工程で目詰め材が炭化ケイ素となるため、目詰め材と炭化ケイ素質ハニカム体との接合強度がさらに向上する。なお紙粘土などや樹脂粉末など、有機質のものを目詰め材として用いることもできる。この場合、目詰め材は後述の炭素化工程で炭素化し、焼成工程で炭化ケイ素となる。
第1発明の製造方法では、目詰め材を用いてハニカム体の一端面側及び他端面側でセル通路の開口を交互に目詰めし、ガス流れ方向の下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し上流側で目詰めされた流出側セルとを形成する。この目詰め工程は、従来のDPFの目詰め工程と同様に行うことができる。
第2発明の製造方法では、炭化ケイ素質ハニカム体を形成した後に目詰めが行われる。すなわち従来の目詰め工程と同様に行うことができるので、目詰め材は上記したものばかりでなく、従来と同様のコージェライト質のものなどを用いることもできる。
第1〜4発明の製造方法において、含浸工程では、炭素源としての樹脂とシリコン粉末とを含むスラリー、又はこのスラリーにさらに炭化ケイ素粉末を含むスラリーをハニカム体に含浸させて、平板及び波板にスラリーが含浸した含浸体とする。炭素源である樹脂としては、溶媒に溶解して溶液となるものを用いることができ、フェノール樹脂、フラン樹脂、あるいはポリカルボシラン等の有機金属ポリマーなどが例示される。これらから選ばれる一種でもよいし、複数種を混合して用いてもよい。また添加剤として、炭素粉末、黒鉛粉末、カーボンブラックを添加してもよく、骨材や酸化防止剤として窒化ケイ素、ジルコニア、ジルコン、アルミナ、シリカ、ムライト、二ケイ化モリブデン、炭化ホウ素、ホウ素粉末などを添加することもできる。スラリーをハニカム体に含浸するには、単に浸漬して引き上げるだけでもよいし、減圧下で含浸させることも好ましい。
シリコン粉末は、平均粒径が30μm以下の微粉末が好適である。粒径が大きなものは、ボールミルなどによって粉砕して用いることが好ましい。シリコン粉末は、純シリコン粉末であってもよいし、Mg、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Wなどの金属を含むシリコン合金粉末、あるいは純シリコン粉末とこれらの金属粉末との混合粉末を用いることもできる。
スラリーにおける樹脂とシリコン粉末との混合比は、原子比でSi/C=0.05〜5.00の範囲とするのが好ましい。この原子比が0.05未満では、焼成工程で生じる炭化ケイ素量が少なくなり、得られるパティキュレートフィルタの強度が低く実用的でない。またこの原子比が5.00を超えると、スラリー中のシリコン粉末量が多くなって沈殿し易くなる。
また樹脂とシリコン粉末とを含むスラリーにさらに炭化ケイ素粉末を混合したスラリーを用いることもできる。この場合、炭化ケイ素粉末はシリコン粉末重量の3倍以内の範囲とするのが好ましい。炭化ケイ素粉末がシリコン粉末重量の3倍を超えると、混合が不十分となる場合がある。
スラリー中の固形分濃度は、ハニカム体の平板と波板にスラリーを含浸可能な粘度であれば特に制限されない。またスラリーに用いられる溶媒は特に制限されないが、樹脂を溶解可能なものが用いられる。スラリーをハニカム体に含浸するには、単に浸漬して引き上げるだけでもよいし、減圧下で含浸させることも好ましい。
含浸工程後に、ハニカム体に付着した余剰のスラリーを除去する除去工程を行うことが望ましい。ハニカム体から余剰のスラリーを除去するのは、セル通路や連続気孔部に充填された余剰のスラリーを除去してセル通路及び連続気孔の閉塞を防止するためであり、遠心分離や吸引などで行うことができる。また次の炭素化工程前に、ハニカム体に付着したスラリー中の溶媒を乾燥させる乾燥工程を行うことが望ましい。乾燥工程は大気中で行うことができ、70℃で3時間程度保持すれば十分である。
炭素化工程では、真空中又は非酸化性雰囲気中にて含浸体を加熱し、樹脂を炭素化するとともにハニカム体を熱分解して炭素質ハニカム体とする。非酸化性雰囲気としては、アルゴンガスなど不活性ガス雰囲気が好ましい。樹脂の熱分解による炭素化過程では、タール状のものや気化物質が生成するので、真空中で行うのはあまり好ましくない。また窒素ガス雰囲気では、窒化ケイ素が生成する場合があるのであまり好ましくない。炭素化工程における焼成温度は、900〜1350℃の範囲とすることができる。900〜1350℃の範囲で加熱することで、ハニカム体の表面に付着している樹脂が炭素化するとともに、ハニカム体の有機成分が熱分解しその立体骨格を維持しつつ炭素化される。したがってハニカム体の骨格を維持した炭素質ハニカム体が形成される。
炭素化工程後に焼成工程が行われる。この焼成工程では、真空中又は非酸化性雰囲気中にて炭素質ハニカム体を加熱することで、シリコンと炭素とを反応させ、炭素質ハニカム体から炭化ケイ素質ハニカム体を形成する。焼成雰囲気は、炭素化工程と同様とすることができる。
焼成工程における焼成温度は、1350℃以上とすることができる。1350℃以上に加熱されることで炭素とシリコンとが反応し、炭化ケイ素を主成分とする炭化ケイ素質ハニカム体が形成される。この反応は、シリコンと炭素が系内にあるので体積が減少する反応であり、炭素が拡散してシリコンと反応することで炭化ケイ素の生成と同時に内部に微細な細孔が形成される。また第1発明、第3発明、第4発明の製造方法のように既に目詰めされている場合には、目詰め材も焼成されて炭化ケイ素質ハニカム体と一体に固定される。
炭素化工程と焼成工程とは、別々に行ってもよいが、炭素化工程に連続して焼成工程を行うことが望ましい。このようにすることで、熱エネルギーの無駄を防止することができる。
焼成工程における反応では、シリコンと炭素の組成が原子比でSi/C<1であれば炭化ケイ素と未反応の炭素が残留し、Si/C>1であれば炭化ケイ素と未反応の金属シリコンが残留する。炭化ケイ素質ハニカム体がシリコンを含む場合には、含まれるシリコンの少なくとも一部を酸化してSiOを形成する酸化工程を行うことも好ましい。SiOにはシラノール基が容易に生成し親水性が向上する。したがって触媒金属化合物の水溶液を多量に吸水することが可能であり、それを焼成することで白金などの触媒金属を高分散担持した触媒フィルタを形成することができる。この触媒フィルタは排ガス浄化用触媒などに用いることが可能であり、しかも通電によって発熱可能であるため、始動時における低温の排ガスからも有害成分を浄化することができる。
この酸化工程は、シリコンを含む炭化ケイ素質ハニカム体を大気中などの酸化性雰囲気中で加熱すればよい。加熱温度が高いほど、シリコンの総量に対して生成するSiO量が多くなることが明らかとなっており、400℃以上で加熱することが望ましい。なお加熱時間は10分間程度保持すれば十分である。また形成されるSiOの量は、加熱温度によって調整することが可能であり、加熱温度が高いほどSiOを多く形成することができる。したがってPtなどの触媒金属を高分散状態かつ十分な担持量で担持できる厚さとすることができる加熱温度を選択すればよい。
第2発明の製造方法では、上記焼成工程後に、目詰め材を用いて炭化ケイ素質ハニカム体の一端面側及び他端面側でセル通路の開口を交互に目詰めし、ガス流れ方向の下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し上流側で目詰めされた流出側セルとを形成する。この工程は、従来のDPFの目詰め工程と同様に行うことができ、その後、目詰め材を固定する第2の焼成工程が行われる。第2の焼成工程における焼成条件は、目詰め材が炭化ケイ素質ハニカム体に固定化されれば特に制限されず、目詰め材の種類などに応じて設定される。
第1〜4発明の製造方法において、目詰めの形態は特に制限されず、一つの流入側セルに少なくとも一つの流出側セルが隣接されていればよい。最も好ましいのは、一つの流入側セルに四つの流出側セルが隣接した形態、すなわち正面から見て目詰め部とセル開口とが市松模様状に配列された形態である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
図2及び図3に本実施例のDPFを示す。このDPFは、ハニカム体1と、ハニカム体1の外周を覆う金属製の外筒2と、から構成されている。ハニカム体1は、ガス流れ方向の下流側端部で目詰めされた流入側セル10と、流入側セル10に隣接しガス流れ方向の上流側端部で目詰めされた流出側セル11と、を有している。
このハニカム体1は、図4に拡大して示すように、共に断面円弧形状の山部と谷部とが交互に連続してなる炭化ケイ素質の波板12と、炭化ケイ素質の平板13と、が交互に積層されてなり、流入側セル10及び流出側セル11は波板12と平板13とで区画形成されている。そして流入側セル10と流出側セル11とは、図3に示すように波板12又は平板13で構成されたセル隔壁14で区画されている。セル隔壁14は、多数の連通細孔を有し、水銀ポロシメーターで測定されたその気孔率は70%、平均細孔径は7μmである。以下、このDPFの製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。この製造方法は、第3発明に係る製造方法を具体化するものである。
<目詰め工程>
先ず、活性炭を70質量%含有する厚さ約0.3mm、秤量約110g/m2の平板3(片面段ボール紙の平板相当品)と、この平板3をコルゲート加工することにより形成された波板4(片面段ボール紙の波板相当品)とをそれぞれ複数枚用意した。
次に、フェノール樹脂の炭素化による炭素とシリコンとの原子比がSi/C=1.5になる割合でフェノール樹脂と平均粒径約20μmのシリコン粉末との混合量を設定し、さらに平均粒径約3μmの炭化ケイ素粉末をシリコン粉末と同量添加し、シリコン粉末重量の約0.6倍の重量のエチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してペーストを調製した。このペーストを用い、図5に示すように、波板4の一端部では谷部40にペースト(P)を充填し、他端部では山部41にペースト(P)を充填した。谷部40及び山部41は略U字形状をなし大きく開口しているので、ヘラなどを用いてペースト(P)を容易にかつ均一に充填することができる。
<ハニカム形成工程>
ペースト(P)が充填された波板4と平板3とを、紙用接着剤を用いながら交互に積層した。この時、谷部40にペースト(P)が充填された一端部どうしと、山部41にペースト(P)が充填された他端部どうしがそれぞれ同じ向きとなるように積層し、平板3を介して互いに隣接する波板4においては、山部41には谷部40が、谷部40には山部41が対向するように位相をずらしながら積層して積層体とした。積層体の両端面には、ペースト(P)による目詰め部が市松模様状にそれぞれ表出している。また最表面の波板4には平板3を積層し、積層体の両表面に平板3が表出するようにした。
<含浸工程>
次に、フェノール樹脂の炭素化による炭素とシリコンとの原子比がSi/C=3になる割合でフェノール樹脂と平均粒径約20μmのシリコン粉末との混合量を設定し、シリコン粉末重量の約0.9倍の重量のエチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してスラリーを調製し、シリコン粉末の粒径を小さくするために1日間ボールミル混合して、更に平均粒径約3μmの炭化ケイ素粉末をシリコン粉末の0.33倍の重量添加し、分散スラリーを調製した。そして上記積層体にこの分散スラリーを含浸させ、余分なスラリーを吹き払った後、70℃で3時間乾燥した。得られた含浸積層体の外周を切削加工して、円柱形状とした。
<炭素化工程>
その後、アルゴンガス雰囲気下にて1000℃に加熱して炭素化した。この時、平板3及び波板4が熱分解して炭素化されるとともにフェノール樹脂が炭素化し、積層体と同等の形状をなし平板3及び波板4と同等の多孔質構造を有する炭素質ハニカム体が形成された。
<焼成工程>
次いで、この炭素質ハニカム体を真空中にて1450℃で1時間焼成した。この焼成では、シリコンの融点(約1410℃)以下の温度で、炭素がシリコンと反応して、炭化ケイ素からなり炭素質ハニカム体と同等の立体骨格を有する炭化ケイ素質ハニカム体が形成された。この炭化ケイ素質ハニカム体は、炭素化前の含浸ハニカム体と同一の円柱形状をなし、図2、図3のハニカム体1に対応している。
得られたハニカム体1を金属製の外筒2に挿入して本実施例のDPFを得た。本実施例のDPFによれば、流入側セル10へ流入した排ガスは多孔質のセル隔壁14を通過して流出側セル11から排出されるが、セル隔壁14を通過する際にPMが濾過され、流入側セル10のセル隔壁14表面あるいはセル隔壁14内部の細孔にPMが捕集される。
PMの堆積量が多くなると排気圧損が上昇するため、DPFを加熱して堆積したPMを酸化燃焼させる再生処理が行われる。本実施例のDPFは、炭化ケイ素からなるので耐熱性、耐蝕性に優れ、高強度で熱伝導率が高い。したがって再生処理が容易となる。
本実施例は、第1発明に係る製造方法を具体化するものである。図面は図2〜図4を共用する。
<ハニカム形成工程>
先ず、活性炭を70質量%含有する厚さ約0.3mm、秤量約110g/m2の片面段ボール紙を複数枚用意した。この片面段ボール紙は、平板と波板とが積層されて接合されている。この片面段ボール紙を複数枚用意し、紙用接着剤を用いて積層して積層体を形成した。なお平板を介して隣接する次の片面段ボール紙の波板においては、山部には谷部が、谷部には山部が対向するように位相をずらしながら積層して積層体とした。また最表面の波板には片面段ボール紙の平板のみを積層し、積層体の両表面に平板が表出するようにした。
<含浸工程>
この積層体に対し、実施例1と同様の分散スラリーを含浸させ、余分なスラリーを吹き払った後、70℃で3時間乾燥した。
<目詰め工程>
実施例1と同様のペーストを用い、積層体の一端面のセル開口を市松模様状に目詰めし、積層体の他端面では一端面で目詰めされなかったセル開口のみを目詰めした。
<炭素化工程・焼成工程>
そして実施例1と同様にして炭素化工程・焼成工程を行って実施例1と同様のハニカム体1を形成し、外筒2に挿入して本実施例のDPFを得た。
本実施例は、第2発明に係る製造方法を具体化するものである。図面は図2〜図4を共用する。
<ハニカム形成工程>
実施例2と同様に行った。
<含浸工程・炭素化工程・焼成工程>
実施例1と同様に行った。
<目詰め工程>
実施例1と同様のペーストを用いて、一端面のセル開口を市松模様状に目詰めし、他端面では一端面で目詰めされなかったセル開口のみを目詰めした。これをアルゴンガス雰囲気下にて1000℃に加熱し、目詰め部を炭素化した。その後真空中にて1450℃で再び焼成して目詰め部を炭化ケイ素とし、実施例1と同様のハニカム体1を形成した後、外筒2に挿入して本実施例のDPFを得た。
本実施例は、第4発明に係る製造方法を具体化するものである。図6に本実施例に係るDPFを示す。このDPFは、多数のセル通路をもつハニカム基材5と、その互いに平行な外壁面に一体に固着された電極体6と、電極体6及びハニカム基材5の表面を覆う導電性の被覆部材7と、からなる。ハニカム基材5は、実施例1と同様の炭化ケイ素質ハニカム体からなる。このDPFは、一対の電極体6を介してハニカム基材5に通電することで、ハニカム基材5が発熱する。この発熱によって補集されたPMを燃焼することができ、フィルタ能力を容易に再生することができる。以下、この多孔質発熱装置の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。
<目詰め工程>
先ず、活性炭を70質量%含有する厚さ約0.3mm、秤量約110g/m2の片面段ボール紙を用意した。この片面段ボール紙は、平板と波板とが積層されて接合されている。次に実施例1と同様のペーストを用い、片面段ボールの一端面では波板の山部を目詰めし、他端面では波板の谷部を目詰めした。
<ハニカム形成工程>
上記のように目詰めされ所定の長方形状に裁断された片面段ボール紙を複数枚用意し、紙用接着剤を用いて積層して積層体を形成した。なお互いに隣接する片面段ボール紙においては、山部には谷部が、谷部には山部が対向するように位相をずらしながら積層して、直方体形状の積層体とした。積層体の最表面の波板と二つの側面には片面段ボール紙の平板のみを貼着し、積層体の両端面を除く4つの表面を平板で覆った。
<含浸工程>
そして上記積層体に実施例1と同様の分散スラリーを含浸させ、余分なスラリーを吹き払った。次いで実施例1と同様のペーストを用い、互いに積層体の両表面に黒鉛製の電極体6をそれぞれ貼着した。一方、炭素含有率70%の板紙を用意し、それに分散スラリーを含浸させた後、電極体6の表面及び電極体6が貼着された積層体の表面に貼着した。これを70℃で3時間乾燥させ、電極体6と板紙を積層体に仮固定した。
<炭素化工程・焼成工程>
実施例1と同様に行った。炭素化工程では、積層体及び板紙が熱分解するとともにフェノール樹脂が炭素化し、炭素化した板紙と電極体6とが仮固定された炭素質ハニカム体が形成された。
焼成工程では、炭素質ハニカム体から炭化ケイ素質のハニカム基材5と、貼着された板紙形状で炭化ケイ素質の被覆部材7とが形成される。また電極体6、被覆部材7及びハニカム基材5のそれぞれの界面では、それぞれに含まれる炭素とシリコンとが反応して図示しない炭化ケイ素層が形成され、これにより電極体6及び被覆部材7は炭化ケイ素層を介してハニカム基材5に一体に固着された。
得られたDPFは、一対の電極体6がハニカム基材5と一体に固着し、かつ被覆部材7によって被覆されている。被覆部材7の部分はハニカム基材5との二枚構造になって緻密であるので導電性が高い。したがって電流は電極体6から被覆部材7を通じてハニカム基材5に流れるので、図示しない炭化ケイ素層を介しての電極体6とハニカム基材5との接触面積が小さくても、ハニカム基材5は通電時に均一に発熱する。
上記した各実施例では、平板と波板を交互に積層することで積層体を形成したが、片面段ボール紙をロール状に巻回することで平板と波板を交互に積層した構造とすることもできる。すなわち、実施例4と同様の片面段ボール紙を用意し、実施例4と同様に目詰めした後、平板が外側となるように紙用接着剤を塗布しながらロール状に巻回し、最外周を平板で巻いて紙用接着剤で固定することで、円柱状の積層体を形成することができる。
そして実施例1などと同様に含浸工程・炭素化工程・焼成工程を行うことで、図7に概略斜視図を示すDPFを製造することができる。なお図7では、目詰め部及び波板の一部を省略している。
本発明のパティキュレートフィルタは、自動車用ばかりでなく、産業車両、船舶、ボイラーなどの排ガス中に含まれる粒子状物質を捕集するのに用いることができる。
1:ハニカム体
2:外筒
3:平板(紙製)
4:波板(紙製)

Claims (9)

  1. 有機多孔質体からなる平板と、有機多孔質体からなり山部と谷部が交互に形成された波板と、を交互に積層してなり、又は該平板と該波板を重ねて該平板が外側になるようにロール状に巻回してなり、該平板と該波板とで区画された多数のセル通路を有するハニカム体を形成するハニカム形成工程と、
    炭素源としての樹脂とシリコン粉末とを含むスラリー又は該スラリーにさらに炭化ケイ素粉末を含むスラリーを該ハニカム体に含浸させて該平板及び該波板に該スラリーが含浸した含浸体とする含浸工程と、
    目詰め材を用いて該含浸体の一端面側及び他端面側でセル通路の開口を交互に目詰めし、ガス流れ方向の下流側で目詰めされた流入側セルと、該流入側セルに隣接し上流側で目詰めされた流出側セルとを形成する目詰め工程と、
    真空中又は非酸化性雰囲気中にて目詰めされた該含浸体を加熱し該樹脂を炭素化するとともに該ハニカム体を熱分解して炭素質ハニカム体とする炭素化工程と、
    真空中又は非酸化性雰囲気中にて該炭素質ハニカム体を加熱することでシリコンと炭素とを反応させて該炭素質ハニカム体から炭化ケイ素質ハニカム体を形成する焼成工程と、を行うことを特徴とするパティキュレートフィルタの製造方法。
  2. 有機多孔質体からなる平板と、有機多孔質体からなり山部と谷部が交互に形成された波板と、を交互に積層してなり、又は該平板と該波板を重ねて該平板が外側になるようにロール状に巻回してなり、該平板と該波板とで区画された多数のセル通路を有するハニカム体を形成するハニカム形成工程と、
    炭素源としての樹脂とシリコン粉末とを含むスラリー又は該スラリーにさらに炭化ケイ素粉末を含むスラリーを該ハニカム体に含浸させて該平板及び該波板に該スラリーが含浸した含浸体とする含浸工程と、
    真空中又は非酸化性雰囲気中にて該含浸体を加熱し該樹脂を炭素化するとともに該ハニカム体を熱分解して炭素質ハニカム体とする炭素化工程と、
    真空中又は非酸化性雰囲気中にて該炭素質ハニカム体を加熱することでシリコンと炭素とを反応させて該炭素質ハニカム体から炭化ケイ素質ハニカム体を形成する焼成工程と、
    目詰め材を用いて該炭化ケイ素質ハニカム体の一端面側及び他端面側でセル通路の開口を交互に目詰めし、ガス流れ方向の下流側で目詰めされた流入側セルと、該流入側セルに隣接し上流側で目詰めされた流出側セルとを形成する目詰め工程と、
    目詰め部を固化する第2の焼成工程と、を行うことを特徴とするパティキュレートフィルタの製造方法。
  3. 有機多孔質体からなり山部と谷部が交互に形成された波板を用意し、目詰め材を用いて該波板の一端部では該谷部を充填し他端部では該山部を充填する目詰め工程と、
    目詰めされた該波板と有機多孔質体からなる平板とを交互に積層し、又は該波板と該波平を重ねて該平板が外側になるようにロール状に巻回し、該平板と該波板とで区画された多数のセル通路を有するハニカム体を形成するハニカム形成工程と、
    炭素源としての樹脂とシリコン粉末とを含むスラリー又は該スラリーにさらに炭化ケイ素粉末を含むスラリーを該ハニカム体に含浸させて該平板及び該波板に該スラリーが含浸した含浸体とする含浸工程と、
    真空中又は非酸化性雰囲気中にて該含浸体を加熱し該樹脂を炭素化するとともに該ハニカム体を熱分解して炭素質ハニカム体とする炭素化工程と、
    真空中又は非酸化性雰囲気中にて該炭素質ハニカム体を加熱することでシリコンと炭素とを反応させて該炭素質ハニカム体から炭化ケイ素質ハニカム体を形成する焼成工程と、を行うことを特徴とするパティキュレートフィルタの製造方法。
  4. 山部と谷部が交互に形成された波板と平板とが接合されてなる片面段ボール紙を用意し、目詰め材を用いて該波板の一端部では該谷部を充填し他端部では該山部を充填する目詰め工程と、
    目詰めされた該片面段ボール紙を巻回し又は複数枚積層して該平板と該波板とで区画された多数のセル通路を有するハニカム体を形成するハニカム形成工程と、
    炭素源としての樹脂とシリコン粉末とを含むスラリー又は該スラリーにさらに炭化ケイ素粉末を含むスラリーを該ハニカム体に含浸させて該平板及び該波板に該スラリーが含浸した含浸体とする含浸工程と、
    真空中又は非酸化性雰囲気中にて該含浸体を加熱し該樹脂を炭素化するとともに該ハニカム体を熱分解して炭素質ハニカム体とする炭素化工程と、
    真空中又は非酸化性雰囲気中にて該炭素質ハニカム体を加熱することでシリコンと炭素とを反応させて該炭素質ハニカム体から炭化ケイ素質ハニカム体を形成する焼成工程と、を行うことを特徴とするパティキュレートフィルタの製造方法。
  5. 前記平板及び前記波板には炭素粉末が50質量%以上含まれている請求項1〜4のいずれかに記載のパティキュレートフィルタの製造方法。
  6. 前記目詰め材は炭化ケイ素粉末、シリコン粉末、フェノール樹脂を含むペーストである請求項1〜4のいずれかに記載のパティキュレートフィルタの製造方法。
  7. 前記平板及び波板は片面ダンボール紙である請求項1又は請求項2に記載のパティキュレートフィルタの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法で製造され、共に断面円弧形状の山部と谷部とが交互に連続してなる炭化ケイ素質の波板と、炭化ケイ素質の平板と、が交互に積層されてなり、
    該平板と該波板の該山部又は該谷部とで区画されてなり、ガス流れ方向の下流側で目詰めされた流入側セルと、該流入側セルに隣接しガス流れ方向の上流側で目詰めされた流出側セルと、を有し、
    該流入側セルから流入した排ガスが該平板及び該波板からなる多孔質のセル隔壁を通過して該流出側セルから排出されることを特徴とするパティキュレートフィルタ。
  9. 前記流入側セル及び前記流出側セルは市松模様状に目詰めされている請求項8に記載のパティキュレートフィルタ。
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