JP2011042022A - 自動作業システムにおけるロボットの診断方法及び診断プログラム - Google Patents

自動作業システムにおけるロボットの診断方法及び診断プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2011042022A
JP2011042022A JP2009193581A JP2009193581A JP2011042022A JP 2011042022 A JP2011042022 A JP 2011042022A JP 2009193581 A JP2009193581 A JP 2009193581A JP 2009193581 A JP2009193581 A JP 2009193581A JP 2011042022 A JP2011042022 A JP 2011042022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
robot
work
positioning
amount
positional deviation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009193581A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5331614B2 (ja
Inventor
Takashi Moriyama
尚 森山
Takahiro Inada
隆浩 稲田
Motonobu Sasaki
元延 佐々木
Shinji Kajiwara
慎司 梶原
Tetsuya Nakanishi
徹弥 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP2009193581A priority Critical patent/JP5331614B2/ja
Publication of JP2011042022A publication Critical patent/JP2011042022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5331614B2 publication Critical patent/JP5331614B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 位置決めロボットと作業ロボットとの協調作業の際に生じ得る位置ズレ量を検出してこのズレ量に基づいて位置決めロボット又は作業ロボットに異常が生じたか否かを診断する。
【解決手段】位置決めロボット100が保持ツール105により保持したワークを作業ツール205の目標位置に搬送して位置決めするとともに、作業ロボット200がワークに対し所定の作業を行う際、ロボット制御装置300が、第1のロボットアーム110の先端部位又はワークに設けられた慣性センサ106において検出される慣性力に基づいて保持ツール105の位置ズレ量を検出し、検出した位置ズレ量ΔP1を用いて位置決めロボット100に異常が発生したか否かを検出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、位置決めロボットと作業ロボットとが協調動作することによりワークの位置決め及び作業を自動的に行う自動作業システムにおけるロボットの診断方法及び診断プログラムに関する。
産業用ロボットは、ロボットアームの先端部位に各種作業用の保持ツールが取り付けられ、ロボットアームを構成する複数のアーム部材の各回転軸周りの回転を互いに独立して行い得るよう構成される。つまり、産業用ロボットは、複数のアーム部材の各回転軸の回転位置の制御によりロボットアームの先端部位にあるツールを所望の位置に所望の姿勢で停止させ、複数のアーム部材の各回転軸の角速度の制御によりロボットアームの先端部位にあるツールを所望の経路に沿って所望の速度で移動させることができる。
産業用ロボットは、溶接作業、塗装作業、バリとり作業又は磨き作業等の各種作業の自動化のために、幅広く利用されている。例えば、スポット溶接ライン工程では、多関節ロボットとスポット溶接ガンロボットとが協調動作してスポット溶接を自動的に行うスポット溶接システムが提案されている。図11は、多関節ロボット及びスポット溶接ガンロボットそれぞれの構成を示した図である。
図11に示すように、多関節ロボット8にはワーク掴みハンド(保持ツール)9が取り付けられており、ワーク掴みハンド9によってワーク(図示せず)を保持することによりハンドリング作業を行う。そして、多関節ロボット8が保持したワークの各溶接点をスポット溶接ガンロボット12が有するスポット溶接ガン11の溶接電極間に位置決めする。その後、電動サーボ機構によりスポット溶接ガン11が有する一方の溶接電極を加圧させることにより、ワークに対して溶接作業を行うようにしている。従って、スポット溶接ガン11を加圧させ、ワークに対して所望の溶接作業を行う。
特開2004−330206号公報
ワークの溶接点は、多関節ロボット8による位置決め動作によって、スポット溶接ガン11の溶接電極間に位置決めされるが、現実的にはその位置決めされた位置にズレが生じる場合がある。
例えば、ワークと溶接電極との当接前では、多関節ロボット8、スポット溶接ガンロボット12それぞれの位置ズレ量に起因してワークにおける溶接点(作業位置)の位置ズレが生じ得る。尚、このような溶接点の位置ズレは、ティーチングの際の位置ズレ、位置決め制御の際の位置ズレ、各関節部のモータ軸のガタ、ロボット機差(オフラインティーチング時の各種パラメータが実機の値と相違する場合)が主な要因として想定される。
さらに、ワークと溶接電極との当接後では、ワークにかかる荷重及び外力(スポット溶接ガン11の溶接電極の加圧力)に起因して、多関節ロボット8(特に減速機部、アーム部)、ワーク、スポット溶接ガンロボット12、スポット溶接ガン11のアーム部(特に固定電極部)それぞれにたわみが発生し、ワークにおける溶接点(作業位置)に位置ズレが生じ得る。
従来のスポット溶接システム等の自動作業システムでは、上記のような作業の際に生じ得るワークにおける作業位置のズレを検出する仕組みがなかった為、このワークにおける作業位置のズレを作業員が目視確認する必要があり、またこのワークにおける作業位置のズレが目視確認された場合に逐一マニュアル操作で位置補正を行っていた。従って、生産性や品質の低下等の弊害が生じるおそれがあった。
さらに、上記のような作業の際に生じ得る作業位置のズレ量が許容できる範囲を超える場合がある。この場合、多関節ロボット等の位置決めロボット又はスポット溶接ガンロボット等の作業ロボットのいずれか一方若しくは両方に異常が発生しているものと想定されるため、作業を継続すべきではなく、即座に停止する必要がある。
そこで、本発明は、自動作業システムにおいてロボット同士の協調作業の際に生じ得る位置ズレを検出するとともに、この位置ズレ量に基づいてロボットに異常が生じたか否かを診断することを目的としている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、上記の課題を解決するための主たる本発明は、ロボットアームと当該ロボットアームの先端部位に設けられたツールとを具備するロボットと、前記ロボットのツールの変位を検出する慣性センサと、ロボット制御装置と、を備えた自動作業システムにおけるロボットの診断方法であって、前記ロボット制御装置は、前記ロボットの動作を制御し、且つ前記ロボットのツールが変位した際、前記慣性センサにおいて検出される慣性力に基づいて前記ツールの目標位置からの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出工程と、前記検出した位置ズレ量を用いて前記ロボットに異常が発生したか否かを判定する異常判定工程と、を遂行する、自動作業システムにおけるロボットの診断方法である。
上記の構成により、自動作業システムにおいて位置決めロボットと作業ロボットとの協調作業の際にツールが変位する場合、このときの位置ズレ量を検出するとともに、この位置ズレ量に基づいて位置決めロボットに異常が生じたか否かを診断することができる。
前記自動作業システムは、前記ロボットとして位置決めロボットと作業ロボットとを備えており、前記位置決めロボットは、第1のロボットアームと当該第1のロボットアームの先端部位に設けられた保持ツールとを具備しており、前記作業ロボットは、第2のロボットアームと当該第2のロボットアームの先端部位に設けられた作業ツールとを具備しており、前記慣性センサは、前記第1のロボットアームの先端部位、前記第2のロボットアームの先端部位、又は前記位置決めロボットの保持ツールにより保持されるワークに設けられており、前記位置決めロボットが前記保持ツールにより保持したワークを所定の目標位置である位置決め基準位置に搬送して位置決めするとともに、前記作業ロボットが当該作業ロボットの所定の目標位置である作業位置において前記ワークに対し所定の作業を行い、前記ロボット制御装置は、前記位置決めロボットの動作を制御し、且つ前記作業ロボットが前記ワークに対し前記所定の作業を行う際、前記慣性センサにおいて検出される慣性力に基づいて前記保持ツールの位置決め基準位置からの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出工程と、前記検出した位置ズレ量を用いて前記位置決めロボットに異常が発生したか否かを判定する異常判定工程と、を遂行する、こととしてもよい。
上記の構成により、自動作業システムにおいて位置決めロボットと作業ロボットとの協調作業の際に生じ得るワークにおける作業位置の位置ズレ量を、第1のロボットアームの先端部位、第2のロボットアームの先端部位、又は位置決めロボットの保持ツールにより保持されるワークに設けられる慣性センサの検出量に基づいて位置決めロボットの保持ツールの位置決め基準位置からの位置ズレ量として検出するとともに、この位置ズレ量に基づいて位置決めロボットに異常が生じたか否かを診断することができる。
前記ロボット制御装置は、さらに、前記位置ズレ量検出工程において検出した位置ズレ量を記憶装置に記憶する記憶工程を遂行し、且つ前記異常判定工程として、前記検出した位置ズレ量と前記記憶装置に記憶された過去の位置ズレ量とを比較して前記位置決めロボットに異常が発生したか否かを判定する、こととしてもよい。
上記の構成により、検出した位置ズレ量の履歴を記憶装置に記憶しておくことが可能となり、位置ズレ量を検出したときにこの履歴と比較することで、位置決めロボットに異常が生じたか否かを容易に診断することができる。
前記自動作業システムは、複数の前記位置決めロボットを備えており、前記ロボット制御装置は、前記複数の位置決めロボットを制御するものであり、前記自動作業システムは、前記複数の位置決めロボットが前記保持ツールにより保持したワークを各々の所定の目標位置である位置決め基準位置に協調して搬送して位置決めするとともに、前記作業ロボットが前記ワークに対し所定の作業を行い、前記位置ズレ検出工程として、前記ロボット制御装置が、前記位置決めロボット毎に、前記作業ロボットが前記所定の作業を行う際、前記慣性センサにおいて検出される慣性力に基づいて、前記保持ツールの位置決め基準位置からの位置ズレ量を検出し、前記異常判定工程として、前記ロボット制御装置が、前記位置決めロボット毎に検出した位置ズレ量を相互比較して、前記複数の位置決めロボットのうち少なくともいずれかに異常が発生したか否かを判定する、こととしてもよい。
上記の構成により、自動作業システムにおいて複数の位置決めロボットと作業ロボットとの協調作業の際に生じ得る作業位置の位置ズレ量を検出するとともに、この位置ズレ量に基づいて複数の位置決めロボットの少なくともいずれかに異常が生じたか否かを診断することができる。また、各位置決めロボット毎の位置ズレ量が検出されるたびに、これらの各位置決めロボット毎の位置ズレ量を用いて異常判定を行うために、過去の位置ズレ量を記憶しておく記憶装置を設ける必要がなくなり、ロボット制御装置の構成を簡素化することができる。
前記自動作業システムは複数の前記ロボットを備え、且つ各ロボットのロボットアームの先端部位に前記慣性センサが設けられており、前記ロボット制御装置は、前記複数のロボットより選定した主ロボットと従ロボットとを互いの前記ツールが突き合わさるよう動作させ、前記主ロボットの前記ツールを初期位置から指定位置に移動させたとき、前記主ロボットの前記慣性センサの検出量に基づいて前記主ロボットの前記ツールの移動量を検出するとともに、前記従ロボットの前記慣性センサの検出量に基づいて前記従ロボットの前記ツールの移動量を検出する工程と、検出した前記主ロボットのツールの移動量及び前記従ロボットのツールの移動量に基づいて、前記主ロボットの前記慣性センサ及び前記従ロボットの前記慣性センサに異常が発生したか否かを判定するセンサ異常判定工程と、を遂行する、こととしてもよい。
上記の構成により、複数の位置決めロボットが協調してワークを搬送する自動作業システムの場合、各位置決めロボット毎に異常が生じたか否かの診断を行うことができる。また、位置決めロボット(主ロボット及び従ロボット)自体が正常であると仮定できる場合、所定の作業の際における作業位置のズレの検出を目的として各保持ツールに備えられた慣性センサに関し、当該慣性センサに異常が生じたか否かの診断を行うことができる。
前記ロボットは、前記ロボットアームの各関節部に位置検出器を備え、前記ロボット制御装置は、前記各関節部の位置検出器の検出量に基づいて前記各関節部の動作を制御することにより前記ロボットアームの動作をフィードバック制御し、前記各関節部を単独で動作させて、前記位置検出器の検出量に応じた前記ロボットアームの各関節部毎の第1の角度と、前記慣性センサの検出量に応じた前記ロボットアームの各関節部毎の第2の角度と、を算定する角度算定工程と、算定した前記第1の角度と前記第2の角度との間の角度差に基づいて前記ロボットアームの各関節部毎のバックラッシュ量を検出するバックラッシュ量検出工程と、 検出した前記ロボットアームの各関節部毎のバックラッシュ量とそれぞれの参照量とを比較して、検出した前記ロボットアームの各関節部毎のバックラッシュ量が正常か否かを判定するバックラッシュ量判定工程と、を遂行する、こととしてもよい。
上記の構成により、所定の作業の際における作業位置の位置ズレ量の検出を目的として設けられた慣性センサにおいて検出される慣性力を用いて、ロボットの各関節部毎のバックラッシュ量が正常か否かを診断することができる。
第1のロボットアームと当該第1のロボットアームの先端部位に設けられた保持ツールとを具備する位置決めロボットと、第2のロボットアームと当該第2のロボットアームの先端部位に設けられた作業ツールとを具備する作業ロボットと、前記第1のロボットアームの先端部位、前記第2のロボットアームの先端部位、又は前記位置決めロボットの保持ツールにより保持されるワークに設けられた慣性センサと、ロボット制御装置と、を有し、前記位置決めロボットが前記保持ツールにより保持したワークを所定の目標位置である位置決め基準位置に搬送して位置決めするとともに、前記作業ロボットが前記作業ロボットの所定の目標位置である作業位置において前記ワークに対し所定の作業を行う自動作業システムにおける作業ロボットの診断方法であって、前記ロボット制御装置は、前記作業ロボットの動作を制御し、且つ前記作業ロボットが前記ワークに対し前記所定の作業を行う際、前記慣性センサにおいて検出される慣性力に基づいて前記作業位置からの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出工程と、前記検出した位置ズレ量を用いて前記作業ロボットに異常が発生したか否かを判定する異常判定工程と、を遂行する、こととしてもよい。
上記の構成により、自動作業システムにおいて位置決めロボットと作業ロボットとの協調作業の際に生じ得る作業位置の位置ズレ量を検出するとともに、第1のロボットアームの先端部位、第2のロボットアームの先端部位、又は位置決めロボットの保持ツールにより保持されるワークに設けられる慣性センサの検出量に基づいて作業ロボットの作業位置からの位置ズレ量として検出するとともに、この位置ズレ量に基づいて作業ロボットに異常が生じたか否かを診断することができる。
本発明によれば、自動作業システムにおいてロボット同士の協調作業の際に生じ得る位置ズレを検出するとともに、このズレ量に基づいて位置決めロボット又は作業ロボットに異常が生じたか否かを診断することを目的としている。
本発明の実施の形態1に係る自動作業システムの全体構成を示した図である。 本発明の実施の形態1に係るロボット制御装置のブロック構成を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る作業位置の補正方法の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係るロボット制御装置のブロック構成を示した図である。 本発明の実施の形態3に係る自動作業システムの全体的な構成を示した図である。 本発明の実施の形態3に係るロボット制御装置のブロック構成を示した図である。 本発明の実施の形態4に係る位置決めロボットの配置を説明するための図である。 本発明の実施の形態5に係るロボット制御装置のブロック構成を示した図である。 本発明の実施の形態5に係るバックラッシュ量の検出方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態5に係るバックラッシュ量の検出方法を説明するための図である。 スポット溶接システムにおける多関節ロボット及びスポット溶接ガンロボットそれぞれの構成を示した図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、特に言及しない場合にはその重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る自動作業システムにおけるロボットの診断方法を実施するための自動作業システムの全体構成を示した図である。図1に示す自動作業システムは、位置決めロボット(ロボット)100と、作業ロボット(ロボット)200と、ロボット制御装置300と、により構成される。自動作業システムは、位置決めロボット100が所定のワークを作業ロボット200の所定の目標位置に応じた位置決め基準位置に搬送して位置決めするとともに、作業ロボット200がワークに対し所定の作業を行うという一連の作業工程を自動化するシステムである。本自動作業システムの対象とする作業工程には、例えば、スポット溶接工程、塗装工程、バリとり工程、研磨工程等が含まれる。
位置決めロボット100は、その基台101が作業スペース下側の床面に設置される所謂床置き型の垂直多関節ロボットである。基台101にはアーム(以下、便宜上、アーム部材と呼ぶ)102a、102b、102c、102dが連設されており、また、基台101及びアーム部材102a〜102dは関節103a、103b、103c等を介して相対回転可能となるように連結されている。例えば、基台101とアーム部材102aとの連結部にあるアクチュエータ104eにより、基台101及びアーム部材102aはそれらの軸心に直交する軸の回りに相対的に回動(旋回)させる。また、関節103aは、アーム部材102aとアーム部材102bとをそれらの軸心の回りに相対的に回動させ、関節103bは、アーム部材102bとアーム部材102cとをそれらの軸心の回りに相対的に回動させ、関節103cは、アーム部材102cとアーム部材102dとをそれらの軸心の回りに相対的に回動させる。以下、このように関節103a〜103cによって互いに連接されたアーム部材群102a〜102dを、ロボットアーム110と定義する。ここでは、関節103a〜103cによって互いに連接されたアーム部材群102a〜102dがロボットアーム110(第1のロボットアーム)を構成している。
関節103aには、それを駆動するためのサーボモータ(図示せず)及びそのサーボモータの主軸に連結したエンコーダ(位置検出器)を具備したアクチュエータ104aが設置される。アクチュエータ104aのサーボモータが動作することで、関節103aにおいて許容される回転軸周りの回転が行われる。また、アクチュエータ104aのエンコーダは、自身と連結したアクチュエータ104aのサーボモータの基準位置(基準角)からの回転角(以下、エンコーダ値θaという。)を検出している。このエンコーダ値θaは、関節部104aの制御上の現在位置に対応している。関節103aと同様に、関節103bにはサーボモータ及びエンコーダを具備したアクチュエータ104bが設置され、関節103cにはサーボモータ及びエンコーダを具備したアクチュエータ104cが設置される。
アーム部材102dの先端部位(ロボットアーム110の先端部位)には、各種作業用の保持ツール105が着脱可能に取り付けられる。保持ツール105には、例えば、搬送作業用の保持部材又は吸着部材が含まれる。尚、保持ツール105は、アーム部材102dの先端部位に取り付けられた場合、アーム部材102dに対して相対変位しないものとする。また、アーム102dの先端部位には慣性センサ106が取り付けられる。尚、アーム102dの先端部位に保持ツール105が常時取り付けられる場合、慣性センサ106を保持ツール105に取り付けてもよい。若しくは、慣性センサ106は、位置決めロボット100の保持ツール105により保持されるワークに設けるようにしてもよい。
慣性センサ106は、物体(この場合、保持ツール105)の動きから生じる慣性力を電気信号として検出するセンサである。慣性センサ106には、加速度センサ、角速度センサ等が含まれる。加速度センサは、例えば、セラミックケース内部で中空状態に保持されるマスによって圧電素子に慣性力が印加されたとき、この圧電素子に発生する電荷を電気信号として取り出すというメカニズムを用いている。尚、保持ツール105の並進方向又は回転方向の加速度のみを検出する場合には1軸型の加速度センサを用い、保持ツール105の3軸(直交三次元座標系のX軸、Y軸、Z軸)方向それぞれの加速度を検出する場合には3軸型の加速度センサを用いることとする。角速度センサは、例えば、圧電素子に電圧を印加して振動させた状態でさらに回転運動に伴う角速度を加えたとき、所謂コリオリの力によって発生する圧電素子の歪みを電気信号として取り出すというメカニズムを用いている。
また、慣性センサ106に指向性があるのであれば、慣性センサ106において最も感度の良い方向を、位置決めロボット100と作業ロボット200とによる実際の協調作業に際して良くたわむ方向に設定する。
作業ロボット200は、位置決めロボット100と同様に、その基台201が作業スペース下側の床面に設置される所謂床置き型の垂直多関節ロボットである。基台201にはアーム(以下、便宜上、アーム部材と呼ぶ)202a、202b、202c、202dが連設されており、また、基台201及びアーム部材202a〜202dは関節203a、203b、203c等を介して相対回転可能となるよう連結している。例えば、基台201とアーム部材202aとの連結部にあるアクチュエータ204eにより、基台201及びアーム部材202aはそれらの軸心に直交する軸の回りに相対的に回動(旋回)させる。また、関節203aは、アーム部材202aとアーム部材202bとをそれらの軸心の回りに相対的に回動させ、関節203bは、アーム部材202bとアーム部材202cとをそれらの軸心の回りに相対的に回動させ、関節203cは、アーム部材202cとアーム部材202dとをそれらの軸心の回りに相対的に回動させる。このように関節203a〜203cによって互いに連接されたアーム部材群202a〜202dによってロボットアーム210(第2のロボットアーム)が構成されている。
関節203aには、それを駆動するためのサーボモータ(図示せず)及びそのサーボモータの主軸に連結したエンコーダ(位置検出器)を具備したアクチュエータ204aが設置される。アクチュエータ204aのサーボモータが動作することで、関節203aにおいて許容される回転軸周りの回転が行われる。また、アクチュエータ204aのエンコーダは、自身と連結したアクチュエータ204aのサーボモータの基準位置(基準角)からの回転角(以下、エンコーダ値θbという。)を検出している。このエンコーダ値θbは、関節部203aの制御上の現在位置に対応している。関節203aと同様に、関節203bにはサーボモータ及びエンコーダを具備したアクチュエータ204bが設置され、関節203cにはサーボモータ及びエンコーダを具備したアクチュエータ204cが設置される。
アーム部材202dの先端部位(ロボットアーム210の先端部位)には、各種作業用の作業ツール205が着脱可能に取り付けられる。作業ツール205には、例えば、溶接作業用のスポット溶接ガンや溶接トーチ、バリ取り・研磨作業用のバレル研磨機、ブラシ研磨機、エアーブラスト研磨機等が含まれる。尚、作業ツール205は、アーム部材202dの先端部位に取り付けられた場合、アーム部材202dに対して相対変位しないものとする。
ロボット制御装置300は、本自動作業システムが対象とする作業工程に応じて位置決めロボット100及び作業ロボット200双方の動作を制御する制御装置である。具体的には、ロボット制御装置300は、位置決めロボット100の各アクチュエータ104a〜104cが具備するサーボモータのサーボ制御及び作業ロボット200の各アクチュエータ204a〜204dが具備するサーボモータのサーボ制御により、位置決めロボット100の保持ツール105及び作業ロボット200の作業ツール205を任意の位置及び姿勢に任意の経路に沿って移動させる。さらに、ロボット制御装置300は、位置決めロボット100の保持ツール105におけるワークの保持動作、作業ロボット200の作業ツール205によるワークに対する加工動作を制御する。尚、ロボット制御装置300は、位置決めロボット100のみを制御対象とするロボット制御装置と、作業ロボット200のみを制御対象とするロボット制御装置と、により構成してもよい。
ロボット制御装置300は、位置決めロボット100の基台101又は作業ロボット200の基台201の一方に配置されるが、位置決めロボット100及び作業ロボット200と遠隔に配置されていてもよい。また、位置決めロボット100及び作業ロボット200と物理的に着脱可能な形態で接続されてもよい。さらに、ロボット制御装置300は、ティーチペンダント等の外部装置(図示せず)と接続可能である。オペレータは、この外部装置を利用することで、例えばティーチモード(ロボットの移動終了位置(目標位置)を教示するモード)及びチェックモード(ティーチモードに基づくロボットの移動をチェックするモード)の実行開始指令の入力、ティーチモードの実行中における位置決めロボット100又は作業ロボット200のマニュアル操作、ティーチモードの実行中における移動開始位置(初期位置)及び移動終了位置(目標終了位置)の入力等を行うことができる。
図2は、図1に示した自動作業システムにおいて特にロボット制御装置300の機能上の構成を示した機能ブロック図である。図2に示すように、ロボット制御装置300は、位置ズレ量検出部301と、目標位置補正部302と、位置・速度サーボ制御部303と、アンプ304と、位置・速度サーボ制御部305と、アンプ306と、位置ズレ量記憶部307と、位置ズレ量異常検出部308と、を有する。尚、位置ズレ量検出部301、目標位置補正部302、位置・速度サーボ制御部303、位置ズレ量異常検出部308は、図示しないロボット制御装置300のCPUが実行するプログラム(ソフトウェア)によって機能ブロックとして実現される。もちろん、これらの機能ブロックを電気回路等のハードウェアによって実現してもよい。
位置ズレ量検出部301は、第1のロボットアーム110の制御により保持ツール105を作業ロボット200における所定の位置決め基準位置Pnに搬送して位置決めした後、慣性センサ106の慣性力Q(加速度又は角速度を示す)に基づいて、外力による保持ツール105の位置決め基準位置Pnからの位置ズレ量ΔP1を検出する。この位置ズレ量ΔP1は、位置決めした状態における保持ツール105の制御上の現在位置(位置決め基準位置Pn)と実際の位置(実位置)P1とのズレを表す。位置ズレ量検出部301には、保持ツール105が位置決め基準位置Pnに位置決めされたことを示す停止信号Sが入力されていて、位置ズレ量検出部301は、この停止信号Sが入力されたタイミングで位置ズレ量の検出を開始する。慣性力Qに基づく保持ツール105の位置ズレ量ΔP1は、慣性力Qが加速度を示す場合、慣性力Qを2階積分して保持ツール105の移動量を得ることにより検出する。また、慣性力Qが角速度を示す場合、慣性力Qを1階積分することで検出する。この場合の位置ズレ量ΔP1は、位置決めした状態における保持ツール105の制御上の現在角度と実際の角度(以下、実角度という)とのズレ(角度変化量)を表す。なお、位置ズレ量検出部301は、停止信号Sが入力されない場合には、位置ズレ量ΔP1として0を出力する。
この位置ズレ量ΔP1は、主として、保持ツール105が所定の位置決め基準位置Pnに位置決めされた後、作業ロボット200によって保持ツール105が保持する所定のワークに対し所定の作業が行われる際に、保持ツール105又は保持ツール105が保持するワークに対し荷重及び外力がかかって生じた位置ズレの度合いを表している。保持ツール105にかかる荷重及び外力としては、例えば、図5に示すようなスポット溶接システムの場合、スポット溶接ガンの一方の溶接電極の加圧力が相当する。
目標位置補正部302は、上記の外部装置より指示された保持ツール105の搬送先となる目標位置P0(ここでは、位置決め基準位置Pn)を、位置ズレ量検出部301において検出された保持ツール105の位置ズレ量ΔP1を見込んだ補正目標位置P0’に補正する。具体的には、「目標位置P0(位置決め基準位置Pn)+位置ズレ量ΔP1」を演算して、これを補正目標位置P0’として出力する。なお、位置ズレ量検出部301に停止信号Sが入力されない場合には、位置ズレ量ΔP1は0であるので、目標位置補正部302は、外部装置から指示された目標位置P0を補正せずにそのまま補正目標位置P0’として出力する。
位置・速度サーボ制御部303は、目標位置補正部302から出力される補正目標位置P0’と、位置決めロボット100の各アクチュエータ104a〜104cが具備するエンコーダにおいて検出されたエンコーダ値θ1と、が入力され、位置決めロボット100の各アクチュエータ104a〜104cが具備するサーボモータの操作量の指令値を出力する。具体的には、位置・速度サーボ制御部303は、次式に示すように、補正目標位置P0’とエンコーダ値θ1との差e1、つまり保持ツール105の位置決め基準位置Pnからの位置ズレ量ΔP1を考慮に入れた保持ツール105の位置偏差e1を算定するとともに、この位置偏差e1を所定のゲインで増幅した信号を出力する。この動作は所謂比例動作と呼ばれる。
e1=P0’−θ1=(P0+ΔP1)−θ1・・・(式1)
さらに、位置・速度サーボ制御部303は、次式に示すように、位置ズレ量ΔP1の一次微分とエンコーダ値θ1の一次微分との差v1、つまり保持ツール105の位置ズレ量を考慮に入れた保持ツール105の速度偏差v1を算定するとともに、この速度偏差v1に所定のゲインで増幅した信号を出力する。この動作は所謂微分動作と呼ばれる。
v1=dP0’/dt−dθ1/dt=(dP0/dt−dΔP1/dt)−dθ1/dt・・・(式2)
尚、位置・速度サーボ制御部303は、上記の比例動作及び微分動作の他に、所謂積分動作を同時に行うようにしてもよい。
さらに、位置・速度サーボ制御部303は、位置ズレ量異常検出部308から出力される異常信号E1が入力されたとき、位置決めロボット100の動作を停止させる制御を行う。
アンプ304は、位置・速度サーボ制御部303から出力される信号を増幅し、これを位置決めロボット100の各アクチュエータ104a〜104cが具備するサーボモータに対し、当該サーボモータの操作量に応じた駆動電流指令として出力する。この駆動電流指令に応じて当該サーボモータが回転し、保持ツール105が補正目標位置P0’となるようにフィードバック制御される。
位置・速度サーボ制御部305は、外部装置から指示された目標位置P2と、作業ロボット200の各アクチュエータ204a〜204cが具備するエンコーダにおいて検出されたエンコーダ値θ2と、が入力され、作業ロボット200の各アクチュエータ204a〜204cが具備するサーボモータの操作量の指令値を出力する。具体的には、位置・速度サーボ制御部305は、作業ツール205の目標位置P2とエンコーダ値θ2との差である位置偏差e2を算定するとともに、この位置偏差e2に所定のゲインで増幅した信号を出力する。この動作は所謂比例動作と呼ばれる。
e2=P2−θ2・・・(式3)
さらに、位置・速度サーボ制御部305は、作業ツール205の目標位置P2の一次微分とエンコーダ値θ2の一次微分との差である速度偏差v2を算定するとともに、この速度偏差v2に所定のゲインで増幅した信号を出力する。この動作は所謂微分動作と呼ばれる。
v2=dP2/dt−dθ2/dt・・・(式4)
尚、位置・速度サーボ制御部305は、上記の比例動作及び微分動作の他に、所謂積分動作を同時に行うようにしてもよい。
さらに、位置・速度サーボ制御部305は、位置ズレ量異常検出部308より出力される異常信号E1が入力されたとき、作業ロボット200の動作を停止させる制御を行う。
アンプ306は、位置・速度サーボ制御部305から出力される信号を増幅し、これを作業ロボット200の各アクチュエータ204a〜204cが具備するサーボモータに対し、当該サーボモータの操作量に応じた駆動電流指令として出力する。この駆動電流指令に応じて当該サーボモータが回転し、作業ツール205が目標位置P2となるようにフィードバック制御される。
位置ズレ量記憶部307は、位置ズレ量検出部301において検出された位置ズレ量ΔP1を時系列に記憶する。位置ズレ量ΔP1を順次記憶するため、過去に検出された位置ズレ量ΔP1の履歴が得られる。例えば、位置ズレ量記憶部307は、メモリやハードディスク等の記憶装置として実施される。
位置ズレ量異常検出部308は、位置ズレ量検出部301において今回検出された位置ズレ量ΔP1と、位置ズレ量記憶部307に記憶される過去の位置ズレ量ΔP1とを相互比較して、位置決めロボット100に異常が発生しているか否かを判定し、位置決めロボット100に異常が発生したと判定した場合には異常信号E1を出力する。例えば、位置ズレ量記憶部307に記憶される過去の位置ズレ量ΔP1に関する統計分布を求め、この統計分布に対して今回検出された位置ズレ量ΔP1が適合するか否かを検定する。また、このような適合の判定は、例えば、今回検出された位置ズレ量ΔP1が、過去の位置ズレ量ΔP1の平均値以下であるか否かを、所定の有意水準に基づく仮説検定により行うことができる。
図3は、ロボット制御装置300による位置ズレ量ΔP1に基づく位置決めロボット100の診断方法(実施の形態1に係る自動作業システムにおけるロボットの診断方法)の流れを説明するためのフローチャートである。
ロボット制御装置300は、初期位置に設定された位置決めロボット100が停止中の間(S300:YES)、慣性センサ106のオフセット調整を行う(S301)。後述の移動量を検出する場合、慣性センサ106のオフセット量を取り除くことで検出精度の向上、ひいては補正精度の向上を図るためである。
つぎに、ロボット制御装置300は、慣性センサ106のオフセット調整後、位置決めロボット100の保持ツール105により保持したワークを、外部装置より指示された作業ロボット200における目標位置P0である所定の位置決め基準位置Pn(位置決めロボット100側が認識する位置)に搬送して位置決めする(S300:NO、S302:NO)。そして、ロボット制御装置300は、ワークを保持した保持ツール105が位置決め基準位置Pnに到達したとき(S302:YES)、位置ズレ量検出部301において慣性センサ106で検出される慣性力Qに基づいたワークの位置決め基準位置Pnからの移動量の検出処理を開始する(S303)。なお、正確には、ロボット制御装置300は、ワークが位置決め基準位置Pnに到達し、且つ停止信号Sが入力されたとき、保持ツール105の移動量の検出処理を開始する。
つぎに、ロボット制御装置300は、位置決めロボット100と作業ロボット200とによる協調した作業(例えば、ワークに対するスポット溶接)の動作を制御する(S304)。なお、協調作業の際に、上記のとおりワークに対し荷重及び外力がかかり、目標位置P0に応じた位置決め基準位置Pnに位置決めされたワークが動く場合がある。そこで、ロボット制御装置300は、位置ズレ量検出部301において、ワークが位置決め基準位置Pnから移動した移動量を検出するとともに(S305)、この検出した移動量に基づいて位置ズレ量ΔP1を検出する(S306)。そして、ロボット制御装置300は、今回検出した位置ズレ量ΔP1が所定の基準値(過去の位置ズレ量ΔP1の平均値等)以下であるか否かを判定し(S307)、基準値を上回る場合には(S307:NO)、位置決めロボット100の異常を検出する(S308)。
上記のとおり、実施の形態1では、自動作業システムにおいて位置決めロボット100と作業ロボット200との協調作業の際に生じ得る作業位置のズレを検出するとともに、このズレ量に基づいて位置決めロボット100に異常が生じたか否かを判定することで、位置決めロボット100の診断を行うことができる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、自動作業システムにおいて位置決めロボット100と作業ロボット200との間の所定の作業の際に位置決めロボット100側に異常が発生したか否かを診断している。一方、実施の形態2では、自動作業システムにおける所定の作業の際に作業ロボット200側に異常が発生したか否かを診断する。
図4は、実施の形態2における自動作業システムの全体構成として特にロボット制御装置300のブロック構成を示した図である。図1、図2に示した実施の形態1の構成と相違する点は、主として、位置決めロボット100のロボットアーム110の先端部位又はワークに取り付けた慣性センサ106を省略し、作業ロボット200のロボットアーム210の先端部位に慣性センサ206を取り付けた点、ロボット制御装置300において位置決めロボット100を制御対象とするサーボ制御系から位置ズレ量検出部301、目標位置補正部302、位置ズレ量記憶部307、位置ズレ量異常検出部308を省略し、作業ロボット200を制御対象とするサーボ制御系側に位置ズレ量検出部309、目標位置補正部310、位置ズレ量記憶部311、位置ズレ量異常検出部312を追加した点である。
慣性センサ206は、慣性センサ106と同様に、加速度センサ又は角速度センサ等を用いることができ、作業ツール205の加速度、角速度等を検出する。また、慣性センサ206に指向性がある場合、慣性センサ206において最も感度の良い方向を、位置決めロボット100と作業ロボット200とによる実際の協調作業において良く変位する方向に設定する。
位置ズレ量検出部309は、外部装置により指示された目標位置P2に応じた位置決め基準位置Pmに作業ツール205が位置決めされた後、慣性センサ206の慣性力Q(加速度又は角速度を示す)に基づいて、作業ツール205の目標位置P2に応じた位置決め基準位置Pmからの位置ズレ量ΔP3を検出する。この位置ズレ量ΔP3は、位置決め基準位置Pmに位置決めした状態における作業ツール205の制御上の現在位置(位置決め基準位置Pm)と実際の位置(実位置)P3とのズレを表す。また、位置ズレ量ΔP3は、慣性力Qが加速度を示す場合、慣性力Qを2階積分して得られる。また、慣性力Qが角速度を示す場合、慣性力Qを1階積分することで得られる。
目標位置補正部310は、上記の外部装置より指示されたワークの作業位置に応じた作業ツール205における目標位置P2(ここでは位置決め基準位置Pm)を、位置ズレ量検出部309において検出された作業ツール205の位置ズレ量ΔP3を見込んだ補正目標位置P2’に補正する。具体的には、「目標位置P2(位置決め基準位置Pm)+位置ズレ量ΔP3」を演算して、これを補正目標位置P2’として出力する。なお、位置ズレ量検出部307に停止信号Sが入力されない場合には、位置ズレ量ΔP3は0であるので、目標位置補正部308は、目標位置P2を補正せずにそのまま補正目標位置P0’として出力する。
位置ズレ量記憶部311は、位置ズレ量検出部309において検出された位置ズレ量ΔP3を時系列に記憶する。位置ズレ量ΔP3を時系列で記憶するため、過去に検出された位置ズレ量ΔP3の履歴が得られる。例えば、位置ズレ量記憶部311は、メモリやハードディスク等の記憶装置として実施される。
位置ズレ量異常検出部312は、位置ズレ量検出部309において今回検出された位置ズレ量ΔP3と、位置ズレ量記憶部311に記憶される過去の位置ズレ量ΔP3とを相互比較して、作業ロボット200に異常が発生しているか否かを判定し、作業ロボット200に異常が発生したと判定した場合には異常信号E2を出力する。例えば、位置ズレ量記憶部311に記憶される過去の位置ズレ量ΔP3に関する統計分布を求め、この統計分布に対して今回検出された位置ズレ量ΔP3が適合するか否かを検定する。また、このような適合の判定は、例えば、今回検出された位置ズレ量ΔP3が、過去の位置ズレ量ΔP3の平均値以下であるか否かを、所定の有意水準に基づく仮説検定により行うことができる。
上記のとおり、実施の形態2では、作業ロボット200の先端部位に慣性センサ206を取り付け、この慣性センサ206において検出された検出量に基づいて、自動作業システムにおいて位置決めロボット100と作業ロボット200との協調作業の際に生じ得る作業位置のズレを検出するとともに、このズレ量に基づいて作業ロボット200に異常が生じたか否かを判定することで、作業ロボット200の診断を行うことができる。
<実施の形態3>
実施の形態2では、1台の位置決めロボット100でワークを作業ロボット200の所定の目標位置に搬送する自動作業システムを想定している。一方、実施の形態3では、図5に示すように、複数の位置決めロボット100が協調してワークを作業ロボット200の所定の目標位置に搬送するような自動作業システムを想定している。尚、図5に示す自動作業システムは、位置決めロボット100が2台(100a、100b)の場合であるが、位置決めロボット100が3台以上の場合であってもよい。
図6は、図5に示した自動作業システムの全体構成として特にロボット制御装置300のブロック構成を示した図である。
図2に示したロボット制御装置300のブロック構成と相違する点は、位置ズレ量検出部301、目標位置補正部302、位置・速度サーボ制御部303、アンプ304が2台の位置決めロボット100a、100bに対応した点と、位置ズレ量記憶部307を省略した上で位置ズレ量異常検出部308の異常検出処理を異ならせた点と、である。以下では、実施の形態1と大きく相違する位置ズレ量異常検出部308とその入力部にあたる位置ズレ量検出部301、目標位置補正部302についてのみ説明する。
位置ズレ量検出部301は、保持ツール105a、105bが外部装置により指示された各々の目標位置P0a、P0bに位置決めされた後、慣性センサ106a、106bの慣性力Qa、Qb(加速度又は角速度を示す)に基づいて、搬送ツール105a、105bの目標位置P0a、P0bに応じた位置決め基準位置Pma、Pmbからの位置ズレ量ΔP1a、ΔP1bを検出する。この位置ズレ量ΔP1a、ΔP1bは、目標位置P0a、P0bに位置決めした状態における搬送ツール105a、105bの制御上の現在位置(位置決め基準位置Pma、Pmb)と実際の位置(実位置)P1a、P1bとのズレを表す。また、慣性力Qa、Qbに応じた搬送ツール105a、105bの位置ズレ量ΔP1a、ΔP1bは、慣性力Qa、Qbが加速度を示す場合、慣性力Qa、Qbを2階積分して得られる。また、慣性力Qa、Qbが角速度を示す場合、慣性力Qa、Qbを1階積分することで得られる。
目標位置補正部302は、上記の外部装置より指示されたワークの作業位置に応じた搬送ツール105a、105bにおける目標位置P0a、P0b(ここでは位置決め基準位置Pma、Pmb)を、位置ズレ量検出部301において検出された搬送ツール105a、105bの位置ズレ量ΔP1a、ΔP1bを見込んだ補正目標位置P0a’、P0b’に補正する。具体的には、「目標位置P0a、P0b(位置決め基準位置Pma、Pmb)+位置ズレ量ΔP1a、ΔP1b」を演算して、これを補正目標位置P0a’、P0b’として出力する。なお、位置ズレ量検出部301に停止信号Sが入力されない場合には、位置ズレ量ΔP1a、ΔP1bは0であるので、目標位置補正部302は、目標位置P0a、P0bを補正せずにそのまま補正目標位置P0a’、P0b’として出力する。
位置ズレ量異常検出部308は、位置ズレ量検出部301において検出される位置ズレ量ΔP1a、ΔP1bを相互比較することで、位置決めロボット100a、100bのいずれか一方又は双方に異常が発生したか否かを判定し、異常が発生したことを判定した場合に異常信号E3を出力する。例えば、位置ズレ量ΔP1a、ΔP1bの差(=ΔP1a−ΔP1b)が所定の基準値以下であるか否かを判定し、所定の基準値を上回る場合には位置決めロボット100a、100bのいずれか一方又は双方に異常が発生したことを判定する。尚、位置決めロボット100が3台以上ある場合には、各位置決めロボット100の位置ズレ量を相互比較して、大きく乖離した位置ズレ量が含まれるか否かの判定を行う。
上記のとおり、実施の形態3では、自動作業システムにおいて複数の位置決めロボット100と作業ロボット200との協調作業の際に生じ得る作業位置のズレを検出するとともに、このズレ量に基づいて複数の位置決めロボット100の少なくともいずれかに異常が生じたか否かを判定することで、複数の位置決めロボット100の診断を効率的に行うことができる。また、実施の形態1とは異なり、位置ズレ量ΔP1を逐次記憶する位置ズレ量記憶部311を設ける必要がないため、ロボット制御装置300の構成を簡略化することができる。特に、複数の位置決めロボット100を用いる自動作業システムの場合、実施の形態1の診断手法では、位置決めロボット100毎に検出される位置ズレ量ΔP1を位置ズレ量記憶部311に時系列に記憶するので、大容量の位置ズレ量記憶部311が必要となる。このため、位置ズレ量記憶部311を設けなくて済む実施の形態3の診断手法の方がロボット制御装置300の構成を簡略化することができる。
<実施の形態4>
実施の形態3では、複数の位置決めロボット100を用いる自動作業システムにおいて、複数の位置決めロボット100それぞれの位置ズレ量を相互比較することで複数の位置決めロボット100のうち少なくともいずれかに異常が発生するか否かの診断を行うようにした。一方、実施の形態4では、複数の位置決めロボット100を用いる自動作業システムにおいて、複数の位置決めロボット100個々に異常が発生したか否かの診断、特に複数の位置決めロボット100それぞれに取り付けられる慣性センサ106に異常が発生したか否かの診断を行う。
具体的には、図7に示すように、複数の位置決めロボット100の中で主ロボット100aと従ロボット100bとを順次選定するとともに、主ロボット100aと従ロボット100bとを、互いの保持ツール105a、105bの先頭が突き合わさるように動作させる。そして、主ロボット100aの動作に対して、従ロボット100bが追従して動作可能となるようにこれらを制御する。
上記の状態で、ロボット制御装置300が、主ロボット100aの保持ツール105aを初期位置から指定位置に移動させたとき、主ロボット100aの慣性センサ106aの検出量に基づいて主ロボット100aの保持ツール105aの移動量を検出するとともに、従ロボット100bの慣性センサ106bの検出量に基づいて従ロボット100bの保持ツール105bの移動量を検出する。尚、保持ツール105aの移動は、直交三次元座標系におけるX軸、Y軸、Z軸それぞれの並進方向への移動、X軸、Y軸、Z軸それぞれの回転方向への移動を対象とする。
そして、ロボット制御装置300は、検出した主ロボット100aの保持ツール105aの移動量及び従ロボット100bの保持ツール105bの移動量に応じた、主ロボット100aの慣性センサ106a及び従ロボット100bの慣性センサ106bに異常が発生したか否かを判定する。例えば、主ロボット100aの保持ツール105aをX軸の正方向(紙面右方向)に10cm移動させた場合、主ロボット100aの慣性センサ106aの検出量に基づいて保持ツール105aがX軸の正方向に10cm移動したか否かを判定する。また、従ロボット100bの慣性センサ106bの検出量に基づいて保持ツール105bがX軸の負方向(紙面左方向)に10cm移動したか否かを判定する。
尚、上記の慣性センサ106の異常診断は、ロボット制御装置300が行うようにしたが、慣性センサ106の異常診断を行うために準備した専用の外部装置(ロボット制御装置300と同等の機能を具備するコンピュータ)が行うようにしてもよい。
上記のとおり、実施の形態4では、複数の位置決めロボット100を用いる自動作業システムにおいて、位置決めロボット100毎に異常診断を行うことができ、異常が発生した位置決めロボット100の特定が容易になる。また、実施の形態3における作業の際の位置ズレ量に基づく異常診断を行う前の準備段階として、位置決めロボット100自体の動作は正常であるという前提条件の下で、位置決めロボット100毎に取り付けられる慣性センサ106の異常を容易に検出することができる。
<実施の形態5>
実施の形態5では、位置決めロボット100の各アクチュエータ104a〜104dのバックラッシュ量(サーボモータとアーム部材との間のガタ)が正常か否かの診断を行う。
図8は、実施の形態5に係るロボット制御装置300のブロック構成を示した図である。ロボット制御装置300は、実施の形態5の固有の構成として、バックラッシュ量検出部313と、バックラッシュ量判定部314と、を備えている。
バックラッシュ量検出部313は、位置決めロボット100の各アクチュエータ104a〜104dのエンコーダより検出されるエンコーダ値θ1と、位置決めロボット100の保持ツール105に取り付けられた慣性センサ106より検出される慣性力Qと、が入力される。エンコーダ値θ1より位置決めロボット100の各関節103a〜103cの角度θx(第1の角度)が得られ、慣性力Qより保持ツール105の角度θyが得られる。尚、保持ツール105の位置及び位置決めロボット100の各関節103a〜103cの角度の関係(逆運動学問題)を定式化した所定の非線形連立方程式を解くことで、保持ツール105の角度θyより位置決めロボット100の各関節103a〜103cの角度θz(第2の角度)が得られる。バックラッシュ量検出部313は、エンコーダ値θ1に応じた位置決めロボット100の各関節103a〜103cの角度θx(第1の角度)と、保持ツール105の角度θyに応じた位置決めロボット100の各関節103a〜103cの角度θz(第2の角度)との間の角度差(=θx−θz)に基づいて、位置決めロボット100の各アクチュエータ104a〜104dのバックラッシュ量を検出する。
尚、バックラッシュ量の検出は、位置決めロボット100を単軸動作、すなわち、各アクチュエータ104a〜104dを単独で動作させて行う。この場合、基端のアーム部材102aを回動させるアクチュエータ104eを動作させる場合は、当該関節に重力がかからない。一方、各アクチュエータ104a〜104dを動作させる場合には、関節103a〜103cに重力がかかる。バックラッシュ量は、このアームを動作させる際に関節103a〜103cに重力がかからない場合と、アームを動作させる際に関節103a〜103cに重力がかかる場合とに分けて、その検出方法が異なっている。
図9は、重力がかからない場合におけるバックラッシュ量の検出方法を説明するための図である。この場合、アクチュエータ104a〜104dの回転方向が変わるとき、エンコーダから求めた角度θxの単位時間あたりの変化量の傾きは正から負又は負から正に切り替わるが、慣性センサ106から求めた角度θzは傾き0の期間を介して正から負又は負から正に切り替わる。そこで、バックラッシュ量は、次式のとおり、アクチュエータ104a〜104dの回転方向が変わる傾き0の期間前後における角度差(=θx−θz)から求められる。
バックラッシュ量 = Δθm(回転方向の変化前)−Δθp(回転方向の変化後) ・・・ (式5)
但し、
Δθmは、上記の角度差(=θx−θz)がマイナス(負)のときの角度差
Δθpは、上記の角度差(=θx−θz)がプラス(正)のときの角度差
尚、慣性センサ106から求められた角度θzにセンサ固有の誤差が含まれる場合であっても、その誤差が一定と仮定した場合には相殺されるため、バックラッシュ量を正しく算出することが可能であることが分かる。
図10は、重力がかかる場合におけるバックラッシュ量の検出方法を説明するための図である。この場合、アクチュエータ104a〜104dの重力方向が反転するとき、エンコーダから求めた角度θxの単位時間あたりの変化量の傾きは一定に推移するが、慣性センサ106から求めた角度θzは傾きが急激に変化した後、元の傾きに戻る。そこで、バックラッシュ量は、つぎの式のとおり、アクチュエータ104a〜104dの重力方向が変わる前後における角度差(=θx−θz)から求められる。
バックラッシュ量 = Δθm(重力方向の変化前)−Δθp(重力方向の変化後) ・・・ (式6)
但し、
Δθmは、上記の角度差(=θx−θz)がマイナス(負)のときの角度差
Δθpは、上記の角度差(=θx−θz)がプラス(正)のときの角度差
バックラッシュ量判定部314は、バックラッシュ量検出部313により検出したバックラッシュ量とそれぞれの参照量とを比較して、検出したバックラッシュ量が正常か否かを判定する。尚、検出したバックラッシュ量がそれに対応する参照量以下であれば正常と判定し、当該参照量を上回れば異常と判定する。バックラッシュ量判定部314は、異常と判定した場合、その旨を表す異常信号E4を位置・速度サーボ制御部303に向けて出力する。これにより、位置・速度サーボ制御部303は異常信号E4に基づいて位置決めロボット100の動作を停止することができる。
<実施の形態6>
実施の形態5では、位置決めロボット100の各アクチュエータ104a〜104dのバックラッシュ量(サーボモータのガタ)が正常か否かの診断を行う。一方、実施の形態6では、作業ロボット200側の各アクチュエータ204a〜204dのバックラッシュ量が正常か否かの診断を行う。
具体的には、位置決めロボット100と作業ロボット200とが協調して所定の作業を行う際、ロボット制御装置300は、作業ロボット200の各アクチュエータ204a〜204dのエンコーダより検出されるエンコーダ値θ2に基づいて作業ロボット200の各関節203a〜203cの角度θx’(第1の角度)を求めるとともに、作業ロボット200の作業ツール205に取り付けられた慣性センサ206より検出される慣性力Qに基づいて作業ツール205の角度θy’(第2の角度)を求める。そして、ロボット制御装置300は、エンコーダ値θ2に応じた作業ロボット200の各関節203a〜203cの角度θx’(第1の角度)と、作業ツール205の角度θy’に応じた作業ロボット200の各関節203a〜203cの角度θz’(第2の角度)との間の角度差(=θx’−θz’)に基づいて、作業ロボット200の各アクチュエータ204a〜204dのバックラッシュ量を検出する。
尚、位置決めロボット100の場合と同様に、アームを動作させる際に関節203a〜203cに重力がかからない場合と、アームを動作させる際に関節203a〜203cに重力がかかる場合と、において、バックラッシュ量の検出方法が異なっている。従って、それぞれのバックラッシュ量の検出方法を実施するため、作業ロボット200を単軸動作、すなわち、各アクチュエータ204a〜204dを単独で動作させて行う。
ロボット制御装置300は、検出したバックラッシュ量がそれに対応する参照量以下であれば正常と判定し、当該参照量を上回れば異常と判定する。異常と判定した場合、その旨を表す異常信号E4’を位置・速度サーボ制御部305に向けて出力する。これにより、位置・速度サーボ制御部305は異常信号E4’に基づいて作業ロボット200の動作を停止することができる。
本発明は、位置決めロボットと作業ロボットとの協調作業の際に生じ得る作業位置のズレ量を簡素な仕組みで検出してこのズレ量に基づいて位置決めロボット又は作業ロボットに異常が発生したか否かの診断を行うという優れた作用効果を奏し、作業の際に位置決めロボットの保持ツールや作業ロボットの作業ツールに荷重及び外力がかかる自動作業システムに利用すると有益である。
100 位置決めロボット
101 基台
102a〜102d アーム部材
103a〜103c 関節
104a〜104c アクチュエータ
105 保持ツール
106 慣性センサ
200 作業ロボット
201 基台
202a〜202d アーム部材
203a〜203c 関節
204a〜204c アクチュエータ
205 保持ツール
206 慣性センサ
300 ロボット制御装置
301、309 位置ズレ量検出部
302、310 目標位置補正部
303、305 位置・速度サーボ制御部
304、306 アンプ
307、311 位置ズレ量記憶部
308、312 位置ズレ量異常検出部
313 バックラッシュ量検出部
314 バックラッシュ量判定部

Claims (8)

  1. ロボットアームと当該ロボットアームの先端部位に設けられたツールとを具備するロボットと、前記ロボットのツールの変位を検出する慣性センサと、ロボット制御装置と、を備えた自動作業システムにおけるロボットの診断方法であって、
    前記ロボット制御装置は、
    前記ロボットの動作を制御し、
    且つ前記ロボットのツールが変位した際、前記慣性センサにおいて検出される慣性力に基づいて前記ツールの目標位置からの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出工程と、前記検出した位置ズレ量を用いて前記ロボットに異常が発生したか否かを判定する異常判定工程と、を遂行する、
    自動作業システムにおけるロボットの診断方法。
  2. 前記自動作業システムは、前記ロボットとして位置決めロボットと作業ロボットとを備えており、
    前記位置決めロボットは、第1のロボットアームと当該第1のロボットアームの先端部位に設けられた保持ツールとを具備しており、
    前記作業ロボットは、第2のロボットアームと当該第2のロボットアームの先端部位に設けられた作業ツールとを具備しており、
    前記慣性センサは、前記第1のロボットアームの先端部位、前記第2のロボットアームの先端部位、又は前記位置決めロボットの保持ツールにより保持されるワークに設けられており、
    前記位置決めロボットが前記保持ツールにより保持したワークを所定の目標位置である位置決め基準位置に搬送して位置決めするとともに、前記作業ロボットが当該作業ロボットの所定の目標位置である作業位置において前記ワークに対し所定の作業を行い、
    前記ロボット制御装置は、
    前記位置決めロボットの動作を制御し、
    且つ前記作業ロボットが前記ワークに対し前記所定の作業を行う際、前記慣性センサにおいて検出される慣性力に基づいて前記保持ツールの位置決め基準位置からの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出工程と、前記検出した位置ズレ量を用いて前記位置決めロボットに異常が発生したか否かを判定する異常判定工程と、を遂行する、
    請求項1に記載の自動作業システムにおけるロボットの診断方法。
  3. 前記ロボット制御装置は、さらに、前記位置ズレ量検出工程において検出した位置ズレ量を記憶装置に記憶する記憶工程を遂行し、且つ前記異常判定工程として、前記検出した位置ズレ量と前記記憶装置に記憶された過去の位置ズレ量とを比較して前記位置決めロボットに異常が発生したか否かを判定する、
    請求項2に記載の自動作業システムにおけるロボットの診断方法。
  4. 前記自動作業システムは、複数の前記位置決めロボットを備えており、
    前記ロボット制御装置は、前記複数の位置決めロボットを制御するものであり、
    前記自動作業システムは、前記複数の位置決めロボットが前記保持ツールにより保持したワークを各々の所定の目標位置である位置決め基準位置に協調して搬送して位置決めするとともに、前記作業ロボットが前記ワークに対し所定の作業を行い、
    前記位置ズレ検出工程として、前記ロボット制御装置が、前記位置決めロボット毎に、前記作業ロボットが前記所定の作業を行う際、前記慣性センサにおいて検出される慣性力に基づいて、前記保持ツールの位置決め基準位置からの位置ズレ量を検出し、
    前記異常判定工程として、前記ロボット制御装置が、前記位置決めロボット毎に検出した位置ズレ量を相互比較して、前記複数の位置決めロボットのうち少なくともいずれかに異常が発生したか否かを判定する、
    請求項2に記載の自動作業システムにおけるロボットの診断方法。
  5. 前記自動作業システムは複数の前記ロボットを備え、且つ各ロボットのロボットアームの先端部位に前記慣性センサが設けられており、
    前記ロボット制御装置は、
    前記複数のロボットより選定した主ロボットと従ロボットとを互いの前記ツールが突き合わさるよう動作させ、
    前記主ロボットの前記ツールを初期位置から指定位置に移動させたとき、前記主ロボットの前記慣性センサの検出量に基づいて前記主ロボットの前記ツールの移動量を検出するとともに、前記従ロボットの前記慣性センサの検出量に基づいて前記従ロボットの前記ツールの移動量を検出する工程と、
    検出した前記主ロボットのツールの移動量及び前記従ロボットのツールの移動量に基づいて、前記主ロボットの前記慣性センサ及び前記従ロボットの前記慣性センサに異常が発生したか否かを判定するセンサ異常判定工程と、を遂行する、
    請求項1に記載の自動作業システムにおけるロボットの診断方法。
  6. 前記ロボットは、前記ロボットアームの各関節部に位置検出器を備え、
    前記ロボット制御装置は、前記各関節部の位置検出器の検出量に基づいて前記各関節部の動作を制御することにより前記ロボットアームの動作をフィードバック制御し、
    前記各関節部を単独で動作させて、前記位置検出器の検出量に応じた前記ロボットアームの各関節部毎の第1の角度と、前記慣性センサの検出量に応じた前記ロボットアームの各関節部毎の第2の角度と、を算定する角度算定工程と、
    算定した前記第1の角度と前記第2の角度との間の角度差に基づいて前記ロボットアームの各関節部毎のバックラッシュ量を検出するバックラッシュ量検出工程と、
    検出した前記ロボットアームの各関節部毎のバックラッシュ量とそれぞれの参照量とを比較して、検出した前記ロボットアームの各関節部毎のバックラッシュ量が正常か否かを判定するバックラッシュ量判定工程と、を遂行する、
    請求項1に記載の自動作業システムにおけるロボットの診断方法。
  7. 前記自動作業システムは、前記ロボットとして位置決めロボットと作業ロボットとを備えており、
    前記位置決めロボットは、第1のロボットアームと当該第1のロボットアームの先端部位に設けられた保持ツールとを具備しており、
    前記作業ロボットは、第2のロボットアームと当該第2のロボットアームの先端部位に設けられた作業ツールとを具備しており、
    前記慣性センサは、前記第1のロボットアームの先端部位、前記第2のロボットアームの先端部位、又は前記位置決めロボットの保持ツールにより保持されるワークに設けられており、
    前記位置決めロボットが前記保持ツールにより保持したワークを所定の目標位置である位置決め基準位置に搬送して位置決めするとともに、前記作業ロボットが当該作業ロボットの所定の目標位置である作業位置において前記ワークに対し所定の作業を行い、
    前記ロボット制御装置は、
    前記作業ロボットの動作を制御し、
    且つ前記作業ロボットが前記ワークに対し前記所定の作業を行う際、前記慣性センサにおいて検出される慣性力に基づいて前記作業位置からの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出工程と、前記検出した位置ズレ量を用いて前記作業ロボットに異常が発生したか否かを判定する異常判定工程と、を遂行する、
    請求項1に記載の自動作業システムにおけるロボットの診断方法。
  8. ロボットアームと当該ロボットアームの先端部位に設けられたツールとを具備するロボットと、前記ロボットのツールの変位を検出する慣性センサと、コンピュータと、を備えた自動作業システムにおけるロボットの診断プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記ロボットの動作を制御させ、
    且つ前記ロボットのツールが変位した際、前記慣性センサにおいて検出される慣性力に基づいて前記ツールの目標位置からの位置ズレ量を検出する位置ズレ量検出工程と、前記検出した位置ズレ量を用いて前記ロボットに異常が発生したか否かを判定する異常判定工程と、を遂行させる、
    自動作業システムにおけるロボットの診断プログラム。
JP2009193581A 2009-08-24 2009-08-24 自動作業システムにおけるロボットの診断方法及び診断プログラム Expired - Fee Related JP5331614B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009193581A JP5331614B2 (ja) 2009-08-24 2009-08-24 自動作業システムにおけるロボットの診断方法及び診断プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009193581A JP5331614B2 (ja) 2009-08-24 2009-08-24 自動作業システムにおけるロボットの診断方法及び診断プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011042022A true JP2011042022A (ja) 2011-03-03
JP5331614B2 JP5331614B2 (ja) 2013-10-30

Family

ID=43829841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009193581A Expired - Fee Related JP5331614B2 (ja) 2009-08-24 2009-08-24 自動作業システムにおけるロボットの診断方法及び診断プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5331614B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012223851A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Toyota Motor Corp ロボット制御装置、その制御方法及び制御プログラム
US9037293B2 (en) 2012-08-31 2015-05-19 Seiko Epson Corporation Robot
US9044861B2 (en) 2012-08-31 2015-06-02 Seiko Epson Corporation Robot
US9242377B2 (en) 2012-08-31 2016-01-26 Seiko Epson Corporation Robot
US9302388B2 (en) 2012-08-31 2016-04-05 Seiko Epson Corporation Robot
US9868209B2 (en) 2013-12-02 2018-01-16 Seiko Epson Corporation Robot
WO2020240096A1 (en) * 2019-05-31 2020-12-03 Ponsse Oyj Method and arrangement in the condition monitoring of gaps and leaks in the operating devices of a point-controlled set of booms in a work machine
US10907722B2 (en) 2015-09-14 2021-02-02 Tolomatic, Inc. Actuator diagnostics and prognostics
WO2023073716A1 (en) * 2021-11-01 2023-05-04 Mazor Robotics Ltd. Arm movement safety layer
DE112021005054T5 (de) 2020-10-28 2023-09-21 Fanuc Corporation Servosteuervorrichtung

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0355189A (ja) * 1989-07-20 1991-03-08 Mitsubishi Electric Corp ロボットの力制御方法及び装置
JP2005144615A (ja) * 2003-11-18 2005-06-09 Yaskawa Electric Corp 自動機械の制御装置
WO2006022201A1 (ja) * 2004-08-25 2006-03-02 Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki ロボットの評価システム及び評価方法
JP2010274396A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Kawasaki Heavy Ind Ltd 自動作業システムにおける位置ズレ補正方法及び位置ズレ補正プログラム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0355189A (ja) * 1989-07-20 1991-03-08 Mitsubishi Electric Corp ロボットの力制御方法及び装置
JP2005144615A (ja) * 2003-11-18 2005-06-09 Yaskawa Electric Corp 自動機械の制御装置
WO2006022201A1 (ja) * 2004-08-25 2006-03-02 Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki ロボットの評価システム及び評価方法
JP2010274396A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Kawasaki Heavy Ind Ltd 自動作業システムにおける位置ズレ補正方法及び位置ズレ補正プログラム

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012223851A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Toyota Motor Corp ロボット制御装置、その制御方法及び制御プログラム
US10688659B2 (en) 2012-08-31 2020-06-23 Seiko Epson Corporation Robot
US9037293B2 (en) 2012-08-31 2015-05-19 Seiko Epson Corporation Robot
US9044861B2 (en) 2012-08-31 2015-06-02 Seiko Epson Corporation Robot
US9242377B2 (en) 2012-08-31 2016-01-26 Seiko Epson Corporation Robot
US9302388B2 (en) 2012-08-31 2016-04-05 Seiko Epson Corporation Robot
US9409293B2 (en) 2012-08-31 2016-08-09 Seiko Epson Corporation Robot
US9844875B2 (en) 2012-08-31 2017-12-19 Seiko Epson Corporation Robot
US11090805B2 (en) 2012-08-31 2021-08-17 Seiko Epson Corporation Robot
US10399222B2 (en) 2012-08-31 2019-09-03 Seiko Epson Corporation Robot
US9999974B2 (en) 2013-12-02 2018-06-19 Seiko Epson Corporation Robot
US9868209B2 (en) 2013-12-02 2018-01-16 Seiko Epson Corporation Robot
US10907722B2 (en) 2015-09-14 2021-02-02 Tolomatic, Inc. Actuator diagnostics and prognostics
WO2020240096A1 (en) * 2019-05-31 2020-12-03 Ponsse Oyj Method and arrangement in the condition monitoring of gaps and leaks in the operating devices of a point-controlled set of booms in a work machine
EP3977087A4 (en) * 2019-05-31 2023-02-22 Ponsse OYJ METHOD AND ARRANGEMENT IN MONITORING GAP AND LEAK CONDITIONS IN THE OPERATING DEVICES OF A COMMAND POINT SET OF BOOMS IN A CONSTRUCTION MACHINE
DE112021005054T5 (de) 2020-10-28 2023-09-21 Fanuc Corporation Servosteuervorrichtung
WO2023073716A1 (en) * 2021-11-01 2023-05-04 Mazor Robotics Ltd. Arm movement safety layer

Also Published As

Publication number Publication date
JP5331614B2 (ja) 2013-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5331614B2 (ja) 自動作業システムにおけるロボットの診断方法及び診断プログラム
JP2010274396A (ja) 自動作業システムにおける位置ズレ補正方法及び位置ズレ補正プログラム
WO2017033391A1 (ja) ロボットシステム及びその運転方法
EP2547490B1 (en) Calibration of a base coordinate system for an industrial robot
JP2009090406A (ja) ロボットのターゲット位置検出装置
WO2018092243A1 (ja) 作業位置補正方法および作業ロボット
JP2010058256A (ja) アーム位置調整方法及び装置並びにロボットシステム
WO2018066602A1 (ja) ロボットシステム及びその運転方法
JP6906404B2 (ja) ロボットシステム、ロボット制御装置および被加工物の製造方法
JP2010231575A (ja) ロボットのオフライン教示装置、ロボットのオフライン教示方法、及びロボットシステム
WO2018066601A1 (ja) ロボットシステム及びその運転方法
JP2007066001A (ja) ロボットの制御装置
WO2015162757A1 (ja) ロボット制御装置およびロボット制御方法
JP2012051043A (ja) ロボットシステムまたはロボット制御装置
JP5529920B2 (ja) ロボットのターゲット位置検出装置、半導体装置およびターゲット位置検出方法
JP6647308B2 (ja) 多関節ロボットのティーチングシステム
US20160375580A1 (en) Robot system and robot control method
JP5433304B2 (ja) ロボット制御装置及び方法
JP2020097101A (ja) ロボット装置、ロボットシステム、ロボット装置の制御方法、ロボット装置を用いた物品の製造方法、制御プログラム及び記録媒体
US11453120B2 (en) Robot system
JP2006321046A (ja) 多関節型ロボットの制御方法
JP7182952B2 (ja) 制御方法、制御プログラム、記録媒体、制御装置、ロボットシステム、および物品の製造方法
JP2019010700A (ja) ロボット、ロボットシステム、及びそれらの制御方法
KR20230046333A (ko) 강성 모델과 절삭력 모델을 이용한 로봇 제어 방법 및 장치
JP2001282359A (ja) パラレル機構と、その制御方法及び制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5331614

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees