JP2011038329A - 生体特徴認証機能付集合ロッカー - Google Patents
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Abstract
【課題】一時預けロッカーおよび貴重品ボックスの鍵の紛失やピッキング事故あるいは暗証番号の失念や暗証番号の盗難による事故や事件を防止し、これらの事故事件への管理者の係わりをなくし、指紋静脈等生体特徴パターンデータが装置内に残ることの利用者が抱く抵抗感を払拭する。
【解決手段】集合ロッカーの各ロッカーに指静脈認証装置と電気錠を設け、各ロッカーに対応してこれらを制御する専用基板を設けて、ネットワークによりサーバーと接続する。ロッカーの使用に際して指静脈認証装置に指静脈パターンを入力し、利用者のデータとしてサーバーの専用固定メモリに登録する。ロッカーの開錠時はサーバーに登録済のデータを専用基板のメモリに呼び出し、指静脈認証装置に入力された指静脈パターンと照合して、電気錠を開錠する。利用終了後、扉を閉めると専用基板のメモリとサーバーの専用固定メモリ上の登録データをクリアする。
【選択図】図4
【解決手段】集合ロッカーの各ロッカーに指静脈認証装置と電気錠を設け、各ロッカーに対応してこれらを制御する専用基板を設けて、ネットワークによりサーバーと接続する。ロッカーの使用に際して指静脈認証装置に指静脈パターンを入力し、利用者のデータとしてサーバーの専用固定メモリに登録する。ロッカーの開錠時はサーバーに登録済のデータを専用基板のメモリに呼び出し、指静脈認証装置に入力された指静脈パターンと照合して、電気錠を開錠する。利用終了後、扉を閉めると専用基板のメモリとサーバーの専用固定メモリ上の登録データをクリアする。
【選択図】図4
Description
本発明はホテル、ゴルフ場、駅、浴場・健康ランド、イベント会場等の施設に集合的に設置されるロッカー等貴重品収納庫やロッカーを不特定多数の利用者が利用するに際して、鍵を持たずに又暗証番号を記憶することなく自己の指紋あるいは指静脈等の生体特徴データを登録することで一時預けができ、ついで利用終了時に自己の生体特徴データを入力後そのデータを残すことなく貴重品等を安心して且つ安全に保管することが出来る有料または無料の集合ロッカーのシステム構成と一連の動作を行わせる技術に関するものである。
本開発に係わるシステム構成は、複数の収納庫とそれぞれに取り付ける付属デバイス、その制御系とLAN通信系およびこれらとネットワークを組むサーバーパソコンとからなる。集合ロッカーに組み込む付属デバイスは個々の収納庫をロックするソレノイド式電気錠、指静脈認証装置、ロッカーの空き又は使用中を表示したり生体認証データの登録や認証状態を表示したりする表示灯、有料ロッカー等の場合には利用料金表示画面付料金収受口、各荷物センサーおよびこれらデバイスの制御系としての専用基板からなる。専用基板は付属デバイスの各インターフェースとつながるI/Oポートとこれら入出力ポートおよび指静脈認証装置のインターフェースおよびLAN通信チップからの入出力データのコントローラとこれらからの情報を処理する中央処理装置であるマイコンチップとそのプログラムを保管するためのROMと認証用生体特徴データの一時保存メモリを一体的に組んだもので構成される。LAN通信系は1台の外部LANコントローラを介して複数のロッカーの基板内に組み込んだLAN通信チップとサーバーパソコンとネットワークを組む。サーバーパソコンはLAN通信系と各ロッカーからの登録用生体特徴データを保存するための専用固定メモリを別途備える。本発明は収納庫に必要な付属デバイスを組み込む技術と専用基板を設計製作する技術、その制御系用プログラムの構築技術およびネットワークの構築技術、登録用生体特徴データ保存用の専用固定メモリをサーバーパソコンに組み込む技術に関するものである。
本発明に係わるロッカーは、利用開始に際して利用者が空きを示している表示灯のロッカーの指静脈認証装置に指先をあてがい生体特徴を入力すると、LAN通信システムにより使用ロッカー番号に関連付けてサーバーパソコンにデータ伝送され、生体特徴データが固定メモリに登録され、登録完了の合図とともに認証装置を元の位置にしまいこみ、荷物や貴重品を収納後、手で扉を閉めるとオートロックがかかり使用状況表示灯を点灯する。預け入れ品を取り出す際には、指静脈認証装置を起動してロッカー番号をサーバーパソコンに伝送し、登録した生体特徴データを専用基板のメモリに呼び出し、認証のために認証装置に入力した生体特徴データとともにマイコンチップで比較演算し一致すれば有料ロッカーの場合には利用料金を表示画面に表示し、コイン収受口に利用料金が投入されたことを確認後、指静脈認証装置をしまいこむとそのロッカーの電気錠を開放する。同時にサーバーの固定メモリに登録した生体特徴データをクリアする。当発明の技術はこれらの機能をROMメモリに保存したプログラムとサーバーのプログラムでシーケンシャルに実行する技術に関するものである。
本案件に用いるデータ伝送手段はネットワークによるが、各ロッカーとサーバーパソコンは有線で結ばれていても無線で結ばれていても良く、各ロッカーの専用基板内のLAN通信チップがLANコントローラを介してサーバーパソコンとネットワークを構築する技術に関するものである。
本案件で登録した生体特徴データはこれを保存管理するサーバーパソコン本体に備えた専用固定メモリの盗難防止策と同パソコンのログ監視をはじめ、ウエブサイトへの誤公開防止、不正アクセス防止、USBメモリ等からの流出防止対策及び無線LANの場合は交信中のデータ漏洩防止等の対策等セキュリティ対策を講じる技術に関するものである。
本案件は利用者本人の生体認証が行われ電気錠が開状態になった場合や、利用料金収受装置付のロッカーにあっては利用者本人の生体認証が行われると共に表示される利用料金を投入することにより開錠した後、利用者が荷物等を取り出しロッカーの扉を手で閉めるとオートロックが懸かり同時に登録データをクリアし次の利用者が使用できる状態にするための技術に関するものである。
本案件は学校のロッカーのようにある期間を通じて特定の人が専用的に利用する利用料金収受装置無しの収納庫にかぎって一度生体認証登録すれば以後取り出しのためにだけ指静脈認証装置に入力することで繰り返し開閉することが出来る機能を持たせる技術に関するものである。この機能を持つロッカーは利用を終了した時点で収納庫内に設置した終了ボタンを押すことによりリセットされ、生体認証登録したデータをクリアする。終了ボタンを押さない限り登録したデータはクリアされないので次の新しい利用者は指静脈認証装置への二重登録ができないようにしたことが特徴である。ただし、一日単位等短期間内で無料で繰り返し利用できるロッカーは利用者が収納物を取り出した後収納庫の終了ボタンを押さずに扉を閉めて帰った場合、その収納庫は元の利用者の生体認証が無い限り継続使用状態になるので次の利用者が使用できない。この場合の対策の一つとしてこの技術には収納庫内に荷物センサーを取り付けて、空きを検出した場合にリセットし登録していた生体特徴データをクリアするか、もしくは施設の営業終了時間後あるいは営業時間の区切り時刻やロッカー等貴重品収納庫の点検時刻あるいは日付が変わる時間前後の時刻等をチェックアウトタイムとして、すべてのロッカーを自動的にリセットし生体特徴データをクリアすると共に異常終了ロッカー番号を表示して、忘れ物の存在や異常使用ロッカーの存在を管理者に知らせることで管理者のロッカー点検時の労力軽減を図れる技術を含むものである。この場合にロッカー操作方法や運用方法に関する規定を定めロッカーやロッカー室に表示して利用者に周知するものとする。
使用開始に際して生体特徴データのサーバーへの保存方法としてハードディスクを使用せず、サーバーに登録データ保存専用の固定メモリを備え、利用者がロッカーの使用を終了し手で扉を閉めると同時に固定メモリの登録生体データに固定値ゼロを上書きして生体データの格納場所を示すインデックスと生体特徴データ本体のデータのクリアを行った後、アイドルタイムやロッカー使用期間の区切りや日付の変わる時刻や営業時間外等に、時間をかけて固定メモリへの固定値たとえば0や補正値を上書きしていわゆるクリアを行った上に乱数の上書きを繰り返すような2段階処理手順を踏んでオリジナルデータを完全に読み取り困難にする技術に関するものである。
利用者は使用しているロッカー番号を覚えていれば直ちにそのロッカーのところへ行きそのロッカーの指静脈認証装置から入力して開くことが出来るが、自己の利用ロッカー番号を忘れてしまったり記憶違いをしたり、又場所的にも同じ形のロッカーが集合していてどの列の何段目のロッカーを使用していたか見失ったりして別のロッカーを開こうとして認証されない場合が考えられる。本案件はこの様な場合にロッカー番号検索用指静脈認証装置を設置し利用中のロッカーを検索する技術に関するものである。
ゴルフ場、学校、旅館、ホテル、病院、スポーツジム等に設置する集合ロッカー等貴重品収納庫にあっては、鍵や暗証番号を入力して開閉する方式がほとんどである。このような集合ロッカー等にあっては鍵の持ち帰り等による紛失や暗証番号の失念もさることながら、暗証番号の盗み見等による貴重品等の盗難被害は後をたたない。またICチップ埋め込みリストバンドや鍵の保持もうっとうしいものである。本案件は、この問題を利用者の指紋や指静脈パターン等の生体特徴で本人と利用中の収納庫を関連付けて特定することにより解決しようとする技術に関するもので、不特定多数の人が同時に利用する集合ロッカー等貴重品収納庫等を指静脈パターンで管理する技術は見当たらない。
集合ロッカーのタイプには学校などでのロッカーのように学年が変わらない限り同じロッカーを一定期間使用するものから、体育館のロッカーや浴場のロッカーのように不特定多数の人々が1日のうちで繰り返し利用するものまでさまざまな形態や機能を持つものがある。又、旅館やホテルの貴重品ボックスのような分散配置型集合ロッカーもある。このような多様な使われ方をするロッカーは現在殆どが鍵やカードキー、暗証番号等で利用されているが、この様なロッカーに収納した貴重品等が盗まれる被害は後を絶たない、鍵の紛失や暗証番号の失念への対応や盗難事故時の対応や利用者からの事故発生時の損害賠償請求等に対する対応や忘れ物、不正使用、不法占拠の監視のための日常チェック等セキュリティ確保と円滑な利用を図るための運用に対する技術的な支援手段として利用者の指静脈パターンを活用した集合ロッカーは見当たらない。
本案件の集合ロッカーは生体認証を行うことにより盗難事故を防止すると共にその運用での日常管理や事故対策に関してロッカー管理者の係わる部分を出来るだけ少なくして、利用者の責任において自由に利用出来る公共性の高い貴重品収納庫を提供するものである。すなわち、サーバーパソコンで生体特徴データを一元管理すると共に各ロッカーの使用状況等のログを取り、日常点検等の運用面での管理をしやすくしたことに加え使用中のロッカーの検索を容易にしたことを特徴とする集合ロッカーは存在しない。
最近、指紋等生体特徴データを読み取り登録後次回入力データを照合認証する機能を有するモジュールを用い、これにインターフェースと通信端末機能を備えた小型情報端末コントローラを組み込んでシーケンシャルプログラムを組み、生体特徴の読みこみ登録、照合およびインターフェースからの動作信号で電気錠を制御するシステムが開発されている。このシステムは個人住宅の扉や機密文書室の扉の入退出管理用もしくはビルやマンションの出入口を始め特定の扉を出入りする比較的多数ではあるが常時特定の人の入退出用として扉の出入口両側に取り付けられるいわゆるスタンドアロンタイプのものが主流を占めている。この様な入退出管理システムにおける扉を集合ロッカー等に置き換えて個々のロッカーを管理することが考えられるが、スタンドアロンタイプにすると非常に高価なものになり、一方ネットワーク管理するには大規模ネットワーク施設の開発とそのソフト開発とメンテナンスにコストがかかり、本案件に係わる不特定多数者が繰り返し利用する専用基板だけで制御する集合ロッカーとは異質の物である。
ICカードや暗証番号で利用者を特定し集合貴重品ボックスやコインロッカー等の管理を行う事例としてAITロッカーが市販されているが、ICカードの読み取り装置や暗証番号の打ち込み機は複数のロッカーで構成されるユニット毎に一台だけ組み込まれており多数の利用者が同時アクセスすることは出来ない。これに対して本案件のロッカーシステムは個人特定に生体特徴を用い且つ各ロッカーにIPアドレスを割り振りLANコントローラを介して複数ロッカーからの同時アクセスを可能にしたもので既製のコインロッカーとは異質のものである。
指紋及び指静脈パターン等生体特徴を利用した認証システムを使用することで利用者を特定して登録データと一致したときロッカーの電気錠に通電して鍵を開くシステムに関する文献として例えば指紋認証モジュールや指静脈認証システムがある。しかし指紋及び指静脈パターン等生体特徴を不特定多数の利用者用の集合ロッカー管理システムへ適用したものは存在しない。
特開平10−127422号公報 金庫付きベッド
特開2005−185628号公報 生体特徴認識機能金庫付ベッド
日立エンジニアリングカタログ「静脈認証システム静紋」
NECカタログ Secure Finger 指紋認証モジュール
特開平11−229687 暗証番号と指紋、パソコン使用ロッカーシステム
ゴルフ場や学校、旅館、ホテル、病院、スポーツジム等のロッカー室や浴場、個室等に設置される集合ロッカーあるいは貴重品保管庫および駅や催し物会場、遊園地等での荷物の一時預けロッカーの施錠手段は鍵の利用や暗証暗号を入力する方式のものがほとんどである。そして鍵や暗証番号の管理は利用者の責任で行われるが、集合ロッカーは同じ形のロッカーの集合であるため利用中のロッカーの番号や場所が分からなくなったり、利用者がうっかり鍵を紛失したり暗証番号を失念したりあるいは暗証番号の盗み見による盗難事故、番号を刻印した鍵を悪用した盗難事故などがしばしば発生し、その対処のために施設の管理者が係わらざるを得ない。場合により、施設の管理者は盗難事故の損害賠償責任を負わされたり、鍵の紛失事故の場合には鍵全体の交換を行ったりしなければならない。又日常管理においても不正利用のチェック、忘れ物チェック、故障チェック等非常にわずらわしい作業をしなければならない。一方利用者側でも暗証番号の記憶や鍵の保管や鍵をくっつけたリストバンドの携帯等うっとうしいものであり鍵の紛失、暗証番号の失念、盗難事故等の不安がある。また従来のコインロッカーが空きのときは自由に手で扉を開くことができるので、危険物の投入や不要物の遺棄等のいたずらや犯罪の対象となる不安がある。一方、生体特徴データは自己の無二の個人情報であるから利用者によって入力をためらう人もいる。本案件はこのような課題を利用者が鍵や暗証番号を使わずに指の平の静脈パターンを入力登録するだけで集合ロッカー等に貴重品等を安全に一時保管出来、ロッカー設置場所より離れた管理室にてデータ管理をして且つ利用を終了すると共に利用者が自己の登録した生体特徴データを自動的にシステム内に全く残さない手段を備えた集合ロッカーを実現することを課題とする。
鍵や暗証番号を用いず生体特徴で利用者本人を確認することで集合ロッカー等貴重品収納庫の安全性を向上させ且つ設備の管理のわずらわしさやトラブル等への係わりから開放するための手段として用いる装置は、指静脈認証装置とインターフェースおよび使用状況表示灯、電気錠、有料ロッカー等にあっては料金表示画面と料金投入確認センサーと各デバイスの制御系として入出力ポートならびにそれぞれの情報を制御するI/Oコントローラとデータの一時保管用メモリやプログラムを保存するROMを備えたマイコンチップおよびLAN通信チップを組みこんだ専用基板とネットワークを構成するLANコントローラとサーバーパソコンとからなる。特にサーバーパソコンには専用の固定メモリを備えこれに登録用生体特徴データを保存する手段をとったことが最大の狙いである。
別途、利用者の使用中のロッカー番号を検索するための手段として、指静脈認証装置をロッカー室入り口や集合ロッカーの1ユニットごとの集合制御ボックス部等に設置してこの装置とサーバー機をネットワーク交信し利用者のロッカー番号を表示する装置を設置することも出来る。更にこの装置にインターホンを設置し管理者の携帯電話や管理室との通話が可能となりロッカー事故等のトラブルの連絡も出来る手段を持たせることも出来る。
この装置による本案件の機能的手段を説明する。利用者は自己の生体特徴パターンを登録するため、利用しようとするロッカー等貴重品収納庫の指静脈認証装置を起動して自己の生体特徴を入力することから始めるわけであるが、指静脈認証装置の起動は各ロッカーへの指静脈認証装置格納部位横のプッシュボタンもしくはプッシュラッチを押して、指の平をあてがいやすい位置にサーボモーターで引き出したり、自重で引き倒したりすると同時に起動する。次いで、生体特徴を入力するとインターフェースを介してデータ化されロッカー番号と共に管理用サーバーパソコンにネットワーク伝送される。サーバーは利用ロッカーの番号と関連付けて専用固定メモリに生体特徴データを保存すると同時にハードディスクに利用ロッカー番号をインデックスとしたリストを作成しロッカー利用のログを記録するとともに保存完了信号がロッカーの専用基板に返信され、表示灯の点滅あるいは表示画面に登録された旨のサインが表示される。利用者は指静脈認証装置を元の位置に仕舞い込むと指静脈認証装置の電源が切れるとともに、表示灯が点灯する。利用者は表示灯の点灯の確認後、収納庫の扉を開いて荷物、貴重品等を収納して、扉を手で閉めるとオ−トロックがかかる。次いで荷物、貴重品を取り出す際にはロッカーの指静脈認証装置を起動して指先をあてがい指の平の静脈パターンを入力するとまず生体特徴データが専用基板のメモリに一時的に保存されるとともにロッカー番号だけをサーバーパソコンへ伝送しロッカー番号に関連付けられて専用固定メモリに登録済みの生体特徴データを専用基板のメモリに呼び出し、両者を比較照合する。一致すれば認証できたとして、専用基盤側のI/Oポートから料金表示装置に伝達し、利用者は表示された料金を投入する。センサーがコインを検出すると表示灯を点滅させて電気錠の開準備ができたことを利用者に知らせ、利用者は認証装置を元の位置に仕舞い込むとマイコンチップが電気錠の開指令を出し表示灯を消灯する。利用者は扉を開いて荷物を取り出し使用を終了する。最終的に利用者が扉を閉めることにより、ロッカーはオートロックされ次の利用者に向けてスタンバイ状態となった後、サーバーパソコンの専用固定メモリ内の当該ロッカー番号に関連付けられた生体特徴データとインデックスの保存場所に固定値ゼロを上書きすると同時にサーバーパソコンのハードディスクに保存した当該ロッカー番号の利用状況リストにログを記録する。更に、ロッカーの営業休止時間帯や空きロッカーのアイドルタイムなどにそのロッカーに関連付けられた登録データの保存場所に前のデータの補数や乱数を繰り返し上書きすることで前のデータの復元をより困難にするようプログラムしたことを最大の特徴とする。
本案件の集合ロッカー等貴重品収納庫はプログラミング技術および生体特徴データの伝送中の漏洩防止技術による個人情報保護、更に集合ロッカー等貴重品収納庫のデザイン開発技術並びに製造、組み込み技術と制御系のデバイスの設計、製造技術により所期の機能を発揮することが出来るものである。それぞれの専門分野の技術はいずれも高度に発達しており生体特徴データで本人を識別して扉を開閉する金庫を始めとする扉の開閉システムはすでに存在しており公知の技術である。しかしこれらは生体特徴データをそれぞれの指静脈認証装置または制御装置に保存しておき次の生体特徴データを入力すると逐次比較照合して合致すれば金庫の扉や入退出扉を開にするいわゆるスタンドアロンタイプの金庫や入退出管理用の扉であり金庫または扉と制御装置に生体特徴データが常に残っている、いわば複数特定の人を管理するための技術である。これに対し、本案件の集合ロッカーの特徴は個々のロッカーをサーバーパソコンとネットワークを組み、一時的に不特定多数の利用者が自己の生体特徴データを利用ロッカー番号に関連付けてサーバーパソコンの専用固定メモリに登録しておき、ロッカー等の使用終了後、認証演算を行った専用基板内のメモリとサーバーの専用固定メモリに保存した利用終了ロッカー番号の生体特徴データの上に固定値ゼロを上書きすることで自己の生体特徴データを一連の装置内に残すこと無く安心して貴重品を一時収納できることを最大の特徴とする手段とした集合ロッカー等貴重品収納庫に関するもので、これまで存在しないものである。本案件の発明者は種々のデバイスの試作と動作実験を繰り返しユニークな集合ロッカー等貴重品収納庫の形態とその管理システムを発明するに至った。
施設の管理者の盗難事故等へのかかわりを無くす手段として指静脈認証装置を採用したことが特徴で、暗証番号の盗み見による盗難事故の問題や鍵の紛失事故の問題は基本的に解決できる。一方、端末機である個々のロッカーの指静脈認証装置からの生体特徴データをネットワークでサーバーパソコンへデータ伝送して各ロッカーの使用状況リストでログを録ることで集中管理して、すべてのロッカーの使用状況を別途管理室に設置するモニターやロッカー一覧表示パネルに表示したりして、営業終了時間を越えたり、あるいは数日にわたり異常に長時間使用中ロッカー等を表示灯の色を変えたり点灯の仕方を変えたりして管理者に知らせることが出来るので、管理者は異常ロッカーを重点的にチェックするだけで済み、集合ロッカーの不正使用や忘れ物チェック等の日常点検のわずらわしさから軽減されることになる。
本案件の基本的な操作手段は、ロッカーに組み込んだ指静脈認証装置への生体特徴データの入力とネットワークによる入力データのサーバーパソコンへの伝送とサーバーパソコンでの専用固定メモリに限定した生体データの登録に始まり、貴重品の取り出しに際してロッカー側指静脈認証装置から生体特徴データを入力しサーバーの登録データを呼び出して各ロッカーの専用基板で認証し開錠後、最終的に専用基板のメモリとサーバーパソコン内の専用固定メモリの該当ロッカー番号の登録データの上に固定値ゼロを上書きする方法でデータをクリアし利用者の生体特徴情報を一切残さないことを特徴とするものである。この間に、登録完了時にロッカーの電気錠は扉を閉めるとオートロックがかかり、取り出し時の認証操作で認証後I/Oポートに通電し開状態になる。有料のロッカーにあっては料金表示ディスプレーと料金収受口を備え料金投入後電気錠が開となる機能を追加する。ただし、認証装置を扉正面に折りたたむように取り付けた場合、使用時に指の平を入力しやすいように扉から飛び出ているので、そのまま扉を開くと隣のロッカーの扉に当たる恐れがあるため必ず元の位置に仕舞い込み電源が切れてから電気錠が開となり扉を手で開くことが出来るようにしておく。
従来のコインロッカーはリターン式コインロッカーを除いて、使用されていない空きのロッカーの扉は常に開いているので、危険物や不要物の遺棄等のいたずらや犯罪の対象になりやすいものであったが、当発明ロッカーは利用終了後もオートロックが懸かり扉は常時閉である。即ち、生体認証データが登録されていないスタンバイ状態にあるロッカーは、任意の利用者が生体認証データを登録すれば誰でも扉を開くことが出来るが、この時点でいたずらや犯罪行為をすれば、犯人の生体特徴データがロッカー設置場所とは離れた管理室のサーバーパソコンに残されており、犯罪防止の抑止力となる。利用者の生体特徴データが登録されている使用中のロッカーは、その使用終了時に生体認証を行い認証装置を仕舞い込むと開錠するので利用者本人しか扉を空けることが不可能である。また荷物の取り出し忘れがあった場合は荷物センサーが探知してオートロックを懸けずにブザー音で知らせるようにする。最終的に扉を閉めることにより利用者本人の生体特徴データがシステムからクリアされ、ガイダンススピーカーにてその旨を知らせオートロックが懸かりスタンバイ状態となる。正常に使用して生体特徴データがクリアされ、ロッカーから荷物、貴重品等を取り出しロッカーが空であることを検出してオートロックが懸かるので管理者と利用者双方にとって安心して使用できる。
利用料金徴収装置の付いてないロッカーにおいて、一定期間内で利用者が自由に繰り返し独占的に使用できるようにする機能を追加することができる。このときの手順は以下の様である。使用状況表示灯が空き状態を示すロッカーを選択し生体特徴データを登録して荷物、貴重品等を収納後、扉を閉めるとオートロックがかかり使用状態となり、以後生体特徴を入力すると開錠して必要品を出し入れした後扉を閉めればオートロックがかかり継続使用状態となるようにプログラムを組むことで繰り返し利用できる。利用終了した時点でロッカー内部に取り付けた終了ボタンを押し、専用基板内のデータとサーバーに登録した当利用者の生体特徴データが各メモリに固定値ゼロを上書きする方式でクリアされることを特徴とする。ただしこの場合、終了ボタンを押さない限り当利用者の登録生体特徴データがクリアされないので、利用終了したにも拘らず終了ボタンを押さずに扉を閉めて帰った場合、次の新しい利用者は指静脈認証装置に登録できなくなる。この対策として、ロッカー内部に荷物センサーを設置して空であるのに一定時間以上使用中になっているロッカーをリセットしたり、一日に一回営業の区切りとなる時間帯にチェックアウト時間を決めて自動的にリセットしたりして、その時間以上に使用中のロッカーを異常終了ロッカーとしてその番号を管理室の管理パネルやモニターに表示させる。この方法により管理者は不正使用、忘れ物等のあるロッカーや異常終了ロッカーだけを重点的に点検することができる。荷物センサーは別途有料ロッカーの利用の終了後に誤って一部の荷物を残したまま手で扉を閉めてもオートロックがかからないようにして、音声で利用者に忘れ物のあることを知らせるために利用される。
利用者個人を特定する指のひらの静脈パターンや指紋等生体特徴パターンのデータの認証でロッカーを管理するため利用者は暗証番号を忘れたり鍵を紛失したりする不安が払拭され第3者の介入によるロッカーの暗証番号や、鍵の盗用に伴うロッカー盗難事故や鍵の交換が皆無となるので安心して貴重品の保管が出来るようになる。一方ロッカーの管理者はロッカー事故との係わりや盗難時の損害賠償等のわずらわしさから開放される。
利用中のみならずスタンバイ中のロッカーもオートロックにて扉が常に閉まっているので、危険物や不要物の遺棄等のいたずらや犯罪の対象になりにくい。生体特徴データを登録すれば誰でも扉を開くことが出来るが、この時点でいたずらや犯罪行為をすれば、犯人の生体認証データがロッカー設置場所とは離れた管理室のサーバーパソコンに残されており、犯罪防止の抑止力となる。
個々のロッカーに認証装置を取り付け且つ各ロッカーにIPアドレスを持たせサーバーパソコンとネットワークを構成させサーバーパソコンのハードディスクを用いず専用固定メモリを用いてロッカー番号に関連付けた保存場所にデータの保存登録、クリアを行う方法を採用したことで処理速度が著しく向上して、複数のロッカーからの同時アクセスの処理時間が短縮され心理的待ち時間を感じることなく利用出来る。
サーバーは外部接続インターフェースやインターネットから遮断し、有線または小規模特定無線局ネットワークでLANを構成することを特徴としているので、個人の生体特徴データが外部に漏れる心配がない。
ロッカー管理者にとって避けられない負荷は管理と点検保守である。本案件のロッカーはその利用状況のログをサーバーに残すためロッカーの稼動状況等の管理が容易となる。特に、無料で繰り返し使用できるタイプのロッカーにあっては施設の営業時間の区切りにチェックアウトタイムを設けて、所定時間以上占有しているロッカーや空いているのに次の利用者が利用できないようになったロッカー等を管理室の使用状況一覧パネルあるいはモニターに表示させ、管理者の日常点検の負荷を軽減することが出来る。また荷物センサーを付けて空いているのに使用中になっているロッカーを検出し表示することも出来る。
生体特徴データは唯一無二の個人特定情報であるために、自己の生体特徴を入力することに抵抗感を持ったり一旦入力したデータがいつまでも残されているという不安を抱く利用者が居るものである。本案件は生体特徴データとして指紋の様に本人とは別に一人歩き出来ない性格の本人の血流にだけ反応する指静脈パターンを採用したことに加えて、生体特徴データの登録は専用の固定メモリに限定保存しクリアの方法としてインデックスのクリアだけでなくデータ本体の保存場所に繰り返し固定値ゼロや補数や乱数を上書きする方法で、以前のデータの復元を困難にした上で利用終了時に「生体特徴データがクリアされました」とのメッセージをアナウンスすることで利用者の不安を払拭する効果が大きい。
ロッカー利用者にとって利用終了時に自己の利用していたロッカーの場所を見失う場合がよくある。本案件のロッカーシステムではアセンブリボックスやロッカー室入り口付近にロッカー検索装置を設置し指静脈認証装置に入力することで表示画面に使用中のロッカー番号を知ることが出来る。
各ロッカーは貴重品収納庫の前面にロッカー番号と使用状況表示灯ならびに指のひら静脈パターンを入力できる指静脈認証装置と電気錠および有料ロッカーにあっては料金表示画面と料金収受口およびロッカー内部に荷物等の存在を検出する荷物センサーを備えたものが最良の形態である。
駅や催し物会場、ゴルフ場、遊園地、健康ランド、浴場等で不特定多数の利用者が利用する一時預け集合ロッカーにあって、ロッカー本体の材質は木製またはスチール製が好ましく、構成ユニットの規模とサイズは1ユニットごとに運搬搬入しやすい程度とし、おおむね4台から20台のロッカー群からなるもので、各施設の規模に応じて設置ユニット数を決めることが出来るものが望ましい。具体的には個々のロッカー寸法と1ユニットの集合規模及び寸法としては、個々の内寸法は幅240から360、奥行き350から640、高さ350から1700mm、集合ロッカーの規模としては幅方向1から4個、高さ方向1から5段、一個分の収納庫の外寸法は幅310から430、奥行き360から650、高さ450から1800mm程度の寸法とするのが最良の形態である。ロッカー室の規模や来客数にあわせて各種タイプのロッカーを組み合わせ連結で構成するロッカーユニット大きさ、ユニットの数量を任意に選択できるものが最良の形態である。
利用者にとって自己の生体特徴を入力する時の抵抗感を払拭する目的で、個人の生体特徴データとして指紋のように犯罪捜査に使用されるような不安がない血流にだけに反応する指静脈パターンデータを採用し且つサーバーパソコンに比較的メモリ容量の小さい専用固定メモリを別途内蔵してロッカー番号に関連付けて保存登録して、利用者がロッカーの使用を終了し扉を閉めてオートロックが懸かると登録した生体特徴データのインデックスと、データ本体の保存場所に固定値ゼロを上書きして次の利用者の登録場所として利用できるようにしたうえに、更にアイドルタイムやロッカー営業時間外に別途スタンバイ中の空きスペースとなった保存場所に補数や乱数を上書きするようプログラムしておき以前の利用者の生体特徴データの復元解読をし難くする方法を講じることが最良の形態であり、ハードディスクのように広大な保存場所を用いないためにデータの登録、消去の処理速度の向上にもつながり利用者の心理的抵抗感を払拭することが出来る。
各ロッカーは指静脈認証装置のインターフェースと電気錠、使用料金表示画面、使用料金投入口兼入金確認センサー、使用状況表示灯、荷物センサー等のI/Oポートとこれらを制御するI/Oコントローラと電源、およびマイコンチップとデータの一時保管用メモリおよび制御プログラムを格納するROMメモリおよびサーバーパソコンとネットワークを構成するLAN通信チップで構成される専用基板を1対1に備え、複数のロッカーのLAN通信チップがLANコントローラを介してサーバーパソコンとネットワークを構成した集合ロッカーを最良の形態とする。
更に、荷物センサーを設置し制御用基板のI/Oポートに接続することで、荷物の取り出し完了を検出すると「扉を閉めてください」とのガイドを行ったり、忘れ物をして扉を閉めた場合に利用者にその旨音声で知らせる機能を持たせたり、一回登録で無料ロッカーを繰り返し使用できる機能を付与した集合ロッカーが空であるにも拘らず占有されている状態になっている場合に次の利用者に向けてリセットすることも出来る。荷物センサーを取り付けて扉を閉めずに放置されているロッカーや忘れ物の残っているロッカーあるいは空であるにも拘わらず占有されているロッカーをいわゆる異常使用ロッカーとして管理室の使用状況表示パネルやモニター画面にその番号を表示し、管理者に点検やリセットを行うよう促したり管理者の日常点検業務の軽減を図ったりする機能を有するロッカーを最良の形態とする。
電気錠と指静脈認証装置および使用状況表示灯とロッカー番号は扉に一体的に組み込みこまれていることが望ましい。特に指の平をあてがう指静脈パターンセンサー部の取り付け位置の範囲は膝から目線の高さの間すなわち床面から300から1800mmが望ましく450から1350mmが最適である。入力部が常時外面にむき出しにならないよう必要なときに引き出し又は引き起こせるように扉前面にくぼみをつけて折りたためるように取り付け、使用時に指のひらをあてがい易い様に水平位置まで引き倒し入力が終われば折りたたんで扉の面に平行に収納する方式が最良の形態である。多段ロッカーの場合上下間のフレーム部に小間を設けこの中に取り付けても良い。
一方、各ロッカーと1対1に対応する専用制御基板やネットワーク用LANケーブルおよび電源コード類あるいは無線LANの場合の無線機からなる制御系は各扉に取り付けても良いが各ロッカーの収納スペースが狭くなったり使用中のメンテナンスが困難であったりするので、アセンブリボックスを備えたタイプのロッカーを準備して、この中に各ロッカーの制御基板の取り付け用ラックを備え必要なだけの専用基板を取り付け、それぞれのLAN通信チップの情報を制御する1台のLANコントローラや電源と共に収納した形態がより望ましく、横方向3個並びのロッカーの右または左の端にアセンブリボックスを取り付けたロッカーを準備しアセンブリボックスを持たない3個並びや4個並びのロッカーと組み合わせて任意のロッカー数のユニットロッカーを構成し制御系をまとめてアセンブリボックスに集中収納させたものが最良の形態である。
電源コード及び有線LANの場合のLANケーブルと電源コードは各ロッカーの扉のヒンジ部から本体フレームの内側に沿わせて下部から外に出し、本体右または左側等に設置するアセンブリボックス内の配電盤へ接続するものが最良の形態である。無線LANを採用する場合は各ロッカーの無線機をまとめてアセンブリボックスに組み込み込んだものが最良の形態である。
有料のロッカーにあっては、利用料金積算機能をマイコンに持たせて利用料金表示画面とコイン投入を別途個々の扉周囲の本体側フレームに取り付け、投入コインの検出やつり銭返却口を持たせたものが最良の形態である。
ロッカー利用者が荷物、貴重品等を一時預けするロッカーの最良の機能について、コントロール基板が実行するシーケンシャル処理を説明する。まず利用者がロッカーを使用するに際して空きロッカーを探すときの一助として扉上部に取り付けた使用状況表示灯の消灯で空きロッカーの存在を知らせる。ついで利用者が指のひら静脈パターンの登録を行うため指静脈認証装置の引き出しボタンを押して入力位置に引き出しまたは引き倒すと指静脈認証装置が起動する。利用者は指のひらをあてがい入力すると、インターフェースから専用基板に組み込んだライブラリプログラムに従ってマイコンチップによりデータ化されロッカー番号と共にネットワークを介してサーバーパソコンに伝送され専用固定メモリに保存される。このときの登録データの保存場所はハードディスクではなく、サーバーに備えた専用の固定メモリに限定するようプログラムしたことが最良の形態である。登録されるとサーバーのハードディスクに作成してある使用状況表にロッカー番号を表側として使用開始終了時刻、利用料金等のロッカーだけの利用状況を記録する。登録完了すると使用状況表示灯をゆっくり数回点滅させ登録完了、使用可能であることを知らせる。利用者は認証装置を仕舞い込んでから扉を開いて、ロッカーに貴重品等を収納して扉を閉めるとオートロックがかかる。電気錠の開閉は入出力制御部即ちI/Oコントローラで制御されるので登録完了、認証装置仕舞い込み完了、荷物センサーが荷物検出後の扉の閉操作でオートロックがかかるようシーケンスを組む。表示灯は1灯だけとし使用時時点灯、スタンバイ時消灯あるいはその逆でも可とする、また登録完了や認証成功、認証失敗など操作の結果の表示も点滅サイクルを変え例えば、登録完了および認証成功時にはゆっくり5から7回点滅させたり、一方間違ったロッカーの認証装置に入力した場合等の認証失敗時にはフラッシュ点滅させて知らせたりすることが望ましい形態である。登録完了後に収納物を取り出す目的で認証装置を水平位置に引き出すと起動すると共に指静脈認証装置の番号がマイコンチップからLAN通信チップを介してサーバーに登録データの呼び出し信号として送信され、サーバーは指定ロッカー番号に関連するデータを返信する。返信されたデータを制御基板内のメモリ部に置数して次いで認証のために入力した指静脈パターンのデータと比較演算を行い認証されれば表示灯をゆっくり数回点滅させ認証されたことを知らせると同時に、I/Oコントローラからソレノイドに通電指令が出され電気錠を開錠する。即ち利用者は荷物や貴重品等を取り出し、荷物センサーが荷物を検出しなければ「扉を閉めてください」との音声ガイドを行い、忘れ物がないことを確認し、扉を閉めるとオートロックが懸かり次の利用者へ向けてスタンバイ状態になる。サーバーはロッカーのオートロック情報を受けて、そのロッカー番号に関連付けて固定メモリに保存した登録生体特徴データのインデックスとデータ本体部分に固定値ゼロを上書きすることで生体特徴データをクリアし、ハードディスク内の利用状況リストのロッカー番号欄に使用時刻や料金等のログを記録する。その際にうっかり荷物等の忘れ物が残っているにも拘らず手で扉を閉めた場合は荷物センサーが検知してブザーを鳴らし「忘れ物があります」のメッセージを繰り返し2回スピーカーから知らせてオートロックは懸からないようにする。利用者は忘れ物を取り出すと「扉を閉めてください」との音声ガイドが流れ、再び扉を閉めると最終的に空の状態でオートロックが懸かりスタンバイになるようにすることで一時預かりロッカーの一連の機能を終了するものを最良の形態とする。
操作方法説明板をアセンブリボックスに掲示するととともに音声による手順のガイダンスを行うため各ロッカーのコイン投入口上部に他のロッカーからの音声と間違えずに聞こえるようにそれぞれ小型スピーカーを設ける。ロッカー番号に関連付けられた利用者の登録データがクリアされた折には音声でクリアされた旨をしっかり伝えるようにするものを最良の形態とする。
従来のコインロッカーはリターン式コインロッカーを除いて、使用されていない空きのロッカーの扉は常に開いているので、いたずらや犯罪の対象になりやすいものであったが、当発明のロッカーは、生体特徴データが登録されていないスタンバイ状態の時もオートロックが懸っていることが最良の形態である。即ち、任意の利用者の生体特徴データを登録することで誰でも利用できるが、いたずらや犯罪行為を行おうとした場合には、ロッカー設置場所とは離れた管理室のサーバーパソコンに犯人の生体認証データが残されることとなり、犯罪捜査の重要な手がかりとなるため犯罪の抑止効果が大きいことを最大の特徴とする。
利用者の生体特徴データが登録されている使用中のオートロックは、その終了後に利用者本人でしか扉を空けることが不可能であるが、その使用終了時に生体認証操作を行った後、利用者自らの生体特徴データがどう処理されているかは不安なものである。したがって生体認証装置を仕舞い込むと開錠され、荷物や貴重品を取り出して最終的に扉を閉めることによりオートロックが懸かりスタンバイ状態になると同時に利用者本人の生体特徴データがクリアされ、ガイダンススピーカーでその旨「生体特徴データはクリアされました」のメッセージで知らせるものを最良の形態とする。
全面的停電時の対策として別途自家発電機を備えること、および局部的停電や回路点検の場合として携帯バッテリー用端子を個々のロッカーの電源に持たせ復旧できることが最良の形態である。
電気系統の故障等で特定のロッカーを開くことが出来なくなった場合の対策としてそのロッカーの電源を切断して強制開錠を行えるようマスターキーを準備しておくことが望ましい。ただしこの場合には故障の状況によりその取り扱いを定めておくことが必要である。すなわち停電以外の理由で利用者から開錠出来ない旨の申告があった場合に管理者は補助バッテリーで点検したり復旧操作を行ったりするが、尚開錠しない場合は、利用者の運転免許証等の身元を確認できる証拠書類を確認後、アセンブリボックスのテンキーからロッカー番号を指定してリセットボタンを押すことによりサーバーに登録した利用者の生体特徴データをクリアすると同時に異常終了ログを残す。その後、ロッカーの電気錠の電源を切断しソレノイドロックピンをフリーでロックが懸かった状態にしてマスターキーで機械的に開錠できるようにしたことが最良の形態であり、ロッカー提供者はこのような事故時の取り扱い規定を説明板7に記入して利用者に周知することとする。
本案件のもう一つの特徴は利用者が自己の使用中のロッカーを生体特徴で検索する手段を持たせたことである。大きな施設でロッカー室が大きい場合、利用者が自己の使用中のロッカーを見失うことが考えられる。その対策としてロッカー室入り口周辺やユニットロッカーの一部例えばアセンブリボックス前面等に、指静脈認証装置と専用制御基板とディスプレーで構成されるロッカー番号検索機とロッカー故障や事故を管理者に連絡するインターホンを設置することにより、指静脈認証装置に入力した生体特徴データと一致する登録済データに対応する利用者の使用中のロッカー番号を表示する機能を持たせたものが最良の形態である。検索装置の専用基板は各ロッカーの制御基板と同じ構成で、ROMメモリに検索やロッカー番号表示を行うためのプログラムを組み込んだものである。
本案件ロッカーの通常のサイクルは利用者が生体特徴を登録し扉を開いて荷物、貴重品等を預け入れ扉を閉めるとオートロックがかかりそのロッカーは使用状態となり使用状況表示灯は使用中を表示する。ついで生体特徴を入力して扉を開き、荷物、貴重品等を取り出して最終的に扉を閉めることによりオートロックが懸かりスタンバイ状態となり、登録した生体データがクリアされワンサイクル終了である。続けて使用したい場合には再び生体特徴を入力して登録することから始めればよい。有料のロッカーにあってはこのプロセスだけである。これに対して、会社の従業員の更衣ロッカーや学校の各児童の学用品や下駄箱等の専用ロッカーの様に通年単位で長時間占有使用するロッカー等有料でない場合の追加機能について記述する。一つのロッカーを終日あるいは通年にわたり独占的に使用する場合、一度荷物、貴重品等の出し入れを行った後、荷物、貴重品等を取り出すたびに自己の生体特徴データを再登録することはわずらわしいものである。そこで第1行程として荷物、貴重品等収納後生体認証操作を行って収納物の一部の取り出しや新たに追加収納を行うために扉を開いても登録した生体特徴データは消去されずに使用状況表示灯も使用中を表示させ、収納物の出し入れを行った後、再び扉を閉めればオートロックがかかる様にシ−ケンサープログラムを追加する。そして、第2行程のプログラムとしてこれで使用終了と言うときに、例えばロッカー内部等に終了ボタンを設け利用者が押すことですべてのデータがクリアされロッカーはスタンバイ状態となる機能を持たせたものが最良の形態である。これに対して、健康ランド等の脱衣ロッカーのように不特定多数の利用者にサービスの一環として一日単位のうちに一回登録すれば何回でも認証用の入力だけで繰り返し利用出来るロッカーにあっては荷物センサを取り付けてロッカーの空きを検出して扉が閉められている場合には自動的にリセットして次の利用者のためにスタンバイ状態にするものを最良の形態とする。
管理者にとって有料ロッカーの料金回収やメンテナンス、ロッカー内の忘れ物や不正使用のチェックは必要であるので日常のロッカーの総点検は避けられない作業でありわずらわしいものである。そこで有料ロッカーの利用状況と利用料金の記録を取ったり、ロッカー内に荷物センサーを取り付け異常ロッカーを検出すると共にその施設の営業終了時間とか正午や午後5時とかの利用者総入れ替え等の時刻後にすべてのロッカーをリセットしたり、異常状態をリセットにより終了したロッカー番号をサーバーパソコンへ記録したり表示したりする機能を持たせたものが最良の形態である。この様な機能により管理者は重点的に異常終了ロッカーの点検をすれば済むことになるので、省力効果は大きい。尚、運用面での都合によりリセットの時刻や異常の記録等を任意に設定出来る様にしたものが最良の形態である。
おおむね1人の生体特徴パターンの入力、登録時間および貴重品取り出し時の認証およびロッカーの検索に要する時間はそれぞれ3から10秒以内に完了するのが望ましく、各ロッカーとサーバーはネットワークで結ばれており、それぞれのロッカーにIPアドレスを割り振り混線することなく各ロッカーとサーバーパソコンは1対1に対応し多数のロッカーから同時アクセスの場合も通常のインターネットの交信と同じくロッカー相互の影響を受けることなく、それぞれのロッカーからのアクセスに対して同時に安全に登録し、且つロッカーからの呼び出し信号に対してそのロッカー番号に対応する登録生体データをロッカーの専用基盤へ返送する。ただし、1台のサーバーパソコン内で同時アクセスしてきたロッカーごとに登録、検索、返送するがこの所要時間をそれぞれ1から5秒以内に設定できるよう固定メモリを備えて処理時間の高速化を図ったサーバーパソコンであることを最良の形態とする。
図1―Aは駅、催し物会場、遊園地等で不特定多数の人が一日単位で着替えや荷物の一時預け等の目的で使用する2段式タイプの有料集合ロッカーで、個々のロッカーの寸法が幅320mm、奥行き460mm、高さ780mmのものが2段10列組合わせて1ユニットとした図である。この例は横幅方向に2段4個連なったタイプのものを1台と2段3個連なったタイプのものを1台と横幅方向2段3個にアセンブリボックスを備えたタイプのものを1台、合計3台並べて1ユニットとした集合ロッカーの例である。アセンブリボックス付きのタイプはユニットごとに一つは必須であり、ロッカー室の規模や来客数にあわせてユニットの組み合わせ構成やロッカー室内の設置ユニット数を任意に選択できる。以下にロッカーの各部の構成と使用手順を説明する。
荷物等の預け入れ手順を人の動作の流れ、指静脈認証装置を含むロッカーの機能の流れおよび管理サーバーの機能の流れをそれぞれ並行して図2のフロー図に示す。
ロッカー扉のヒンジはバネ式を使用して、ある程度の角度を開けば、そのまま手などで支えなくても開状態を保持するタイプのものを使用する。すなわち閉めるときは使用者の意志である程度閉めればそのままバネの力で閉まる方式とする。通常扉のヒンジは左側に取り付ける。
実施例1のシステムは指静脈認証装置と電気錠、表示灯、料金表示画面、料金投入口、料金センサー音声ガイダンス用スピーカーのスリット等の付属部品を一体的に備えた収納ロッカー部分と各収納庫と1対1に対応する専用基板と個別の電源を収納したコントロールボックスと各専用基板に組み込んだLAN通信チップを一括制御するLANコントローラとこれに接続するサーバーおよび主電源ボックスで構成される。専用基板とそれぞれの電源を収納した複数のコントロールボックスと1台のLANコントローラおよび主電源ボックスはアセンブリボックスにまとめて収納する。これらの装置の関係を図3の装置構成図で示す。
各ロッカーの付属部品とそれらを制御するデバイス群を組み込んだ専用基板と個別電源を収納するコントロールボックスおよびLANコントローラを介して接続するサーバーの関係を図4のシステム構成図で示す。
各ロッカ−のわかりやすい位置すなわち扉2の前面にロッカー番号と表示灯5と、扉のヒンジと反対側に扉の開閉用取手3を取り付ける。更に利用料金表示画面11とコイン投入口6およびスピーカーのスリット18を取り付ける。取手部には緊急時手動開閉用鍵穴を取り付け停電等緊急時や異常ロッカー等の点検時等に管理者が緊急開錠用ボックスを開いてそのロッカーの番号を入力しリセットボタンを長押しして電源を切断してマスターキーで電気錠を開くことが出来る。ロッカーをリセットすると登録データがクリアされマスターキーを抜いて扉を手で閉めると電気錠はオートロックが懸りスタンバイ状態になる。表示灯は白色LEDでロッカー使用中は点灯し、登録完了時や取り出し時の認証OK時には5から7回ゆっくり点滅させ、一方認証失敗時等にはフラッシュ点滅サインを出す。
図6−Aはアセンブリボックスを備えた2段3個タイプのロッカーの外観詳細図であって、折りたたみ格納式指静脈認証装置4を扉前面に取り付けた図である。扉への取り付け状況を図5に示す。図5の上段は扉を開いた状態であり扉の収納部内側にスペースを設けて取り付けてある、下段は引き倒した状態の断面図である。取り付け高さは膝から目線の高さの間すなわち450から1350mmの間で実施例の2段ロッカーの上段側では上段ロッカーの下端から上に300mmの位置、下段側では下段ロッカーの下端から上に550mmの位置とする。図7―Aは取り付け方法の詳細を示す図である。認証装置下面前方の幅方向に回転軸を取り付け、これを扉前面に設けた指静脈認証装置収納スペースの下方奥の軸受け穴に通して取り付ける。指静脈認証装置4は常時折りたたんで扉前面の指静脈認証装置収納スペース部に収納しておき、使用に際して利用者はプッシュラッチ10−1を押すことでこれを手前に90度回転させ指静脈認証装置4を水平になるよう引き倒すと電源が入り指先をあてがい指静脈パターンの入力を行う。
図6−Aに示すアセンブリボックスには主電源と各ロッカーの専用基板と個別の電源をまとめたコントロールボックスと専用基板に組み込んだ各LAN通信チップを制御するLANコントローラを格納する。LANコントローラはサーバーとネットワーク接続されており実施例1の場合は無線機を備えサーバーとデータ伝送を行う。各ロッカーの専用基板に組み込んだI/Oポートはロッカーごとに備えてある使用状況表示灯5、電気錠、料金表示画面11、料金投入口6等の各装置の入出力端子と1対1に対応しており専用基板と有線で接続する。指静脈認証装置4はインターフェースを介してI/Oポートと共にI/Oコントローラにつながる。更に、アセンブリボックスを持たないタイプのロッカーの各専用基板を格納するラックを備え必要に応じて追加できる。
アセンブリボックスのもう一つの機能として初めての利用者に使用手順を示すための使用方法や故障時の処置方法の説明書7と利用者が必要なときに自己の使用中のロッカー番号を検索するためのロッカー番号検索用引き出し格納式指静脈認証装置9とこれをサーボモーターで引き出すためのスイッチであるプッシュラッチ10−3と検索結果を示す表示画面8および故障時等でロッカーを開くことが出来ないときの連絡手段としてのインターホン12、ならびに緊急開錠用ボックス14を前面に取り付ける。引き出し格納式指静脈認証装置の詳細を図7−Bに示す。
使用に際して利用者は使用状況表示灯5が消灯し空きを示しているロッカーのところへ行き、プッシュラッチ10−1を押して指静脈認証装置4を手前に倒して指のひらをあてがい指静脈パターンを入力する。指静脈パターンはマイコンチップでデータ処理され利用者のデータがサ−バーパソコンへネットワークデータ伝送されロッカー番号と関連付けて専用固定メモリに保存登録される。登録されると表示灯5は5から7回ゆっくり点滅をして利用者に登録できたことを知らせた後点灯する。音声も同時に登録されたことを知らせる。利用者は指静脈認証装置4を収納部に手で折りたたみプッシュラッチがかかって格納されるとリミットスイッチが作動し認証装置の電源が切れ、電機錠が開錠する。利用者は手で扉を開いて荷物や貴重品を収納し扉を閉めるとオートロックが懸かる。
利用者が荷物等を取り出すとき、使用中のロッカーのプッシュラッチ10−1を押して指静脈認証装置を引き倒すと電源が入り、ロッカー番号がサーバーパソコンへデータ伝送され登録済み指静脈パターンデータを専用基板のメモリに呼び出す。次いで指のひらをあてがい指静脈認証装置に入力すると照合が行われ一致した場合にロッカーの白色のLED表示灯5がゆっくり5から7回点滅して利用料金表示画面11に料金が表示されコイン投入口6にコインを投入すると利用状況表示灯5は消灯する。利用者は指静脈認証装置4を収納部に手で折りたたみ収納してプッシュラッチ10−1をかけるとリミットスイッチが作動して認証装置の電源が切れ、電気錠が開になる。利用者は荷物等を取り出し、空になったことを荷物センサーが検出すると「ロッカー扉をしめてください」と音声ガイドをおこなう。ロッカーの扉を手で閉めるとオートロックが懸り、スタンバイ状態となると同時に制御基板のメモリのデータとサーバーパソコンの専用固定メモリ上の生体認証登録データはそのアドレス等を記録するインデックスとデータ本体保存場所に固定値ゼロを上書きすることでクリアして一連の動作を終了する。ロッカーを手で閉めた時に忘れ物がロッカーに残っている場合は荷物センサーが探知し、オートロックを懸けずに音声とブザー音で知らせて注意を促し、荷物が空になって初めてオートロックが懸かる。
システムの故障で指静脈を認証できなかったり停電等で電気系統が故障してロッカーを開くことができなくなったりした場合の緊急連絡用のインターホン12と緊急開錠用ボックス14を備える。利用者が利用終了時に荷物、貴重品等を取り出すために扉を開けることが出来ないような故障等の緊急を要する場合はまず利用者はインターホン12から管理人に連絡を入れる。図8−Aならびに図8−Bに緊急開錠用ボックス14の内部の様子を示す。通常、緊急開錠用ボックス14は管理者が保管する専用の鍵で開くことのできる扉で閉ざされている。緊急開錠を行うケースは2通りある。管理人は利用者立会いの下で料金表示窓を見て、料金表示が出ていないか、あるいは料金を投入して指静脈認証装置が仕舞い込まれているにも拘らず扉を開けることが出来ないのかを判断する。ケースAは利用者がロッカーを開こうとして指静脈認証装置に指をあてがっても認証が出来なかったために料金を投入することが出来ず、インターホンから緊急に開くことを要求されたロッカーが発生した場合である。この場合の緊急開錠操作と表示画面の状態を図8−Aに示す。料金表示が出ていない場合は認証装置への入力から料金表示までの電気系統の故障であるので、管理者は利用者の確認を行う必要があり、運転免許証等で利用者本人を確認した上で、当該ロッカーの番号をテンキー15から入力し表示画面16に表示し、次いで料金表示ボタン18を押してロッカー番号と共に料金を表示させると、通常通りロッカーの白色のLED表示灯5がゆっくり5から7回点滅して同時に利用料金表示画面11に料金が表示され、料金投入口に料金を投入すると利用状況表示灯5は消灯すると共に開錠する。利用者は指静脈認証装置4が折りたたまれていることを確認後、扉を開け荷物、貴重品等取り出す。しかし電気系統の故障のため扉がまだ施錠されたままである場合もあるので、この場合はリセットボタン17を押して強制的に登録データのクリアと開錠を行いスタンバイ状態にする。更に、あらゆる事態を想定してリセットボタンを5秒以上長が押しすることによりサーバーに登録した利用者の生体特徴データをクリアすると同時に、ロッカーの電気錠の電源を切断し電気錠のピンが重力によりフリーでロックが懸っている状態にしてマスターキーで機械的に開錠することも出来る。電源を強制切断したロッカーは故障ロッカーであるので使用中止札をかけ点検修理を行う。次に、故障のケースBは認証が出来て使用料金を投入したにもかかわらず扉が開かないことを連絡してきた場合である。この場合は料金投入センサーから電気錠開閉までの電気系列の故障であるので、本人確認の必要がなく管理人が緊急開錠ボックスを開けて緊急開錠操作を行う。このときの表示画面の状態を図8−Bに示す。利用者が申告した当該ロッカー番号をテンキー15から入力して当該ロッカーの料金投入口に実際料金が投入されていることを表示画面で確認したうえで、リセットボタン17を押す。リセットを行うことでサーバーに登録した生体特徴データはクリアされ開錠されスタンバイ状態になる。リセットボタンの付加的機能として、あらゆる事態を想定して5秒以上長が押しすることで電気錠の電源を切断してマスターキーで機械的に開錠することも可能である。このときは故障であるので使用中止札をかけ点検修理を行う。尚、緊急開錠を行った場合にサーバーパソコンのリストに故障例Aもしくは故障例Bに従って異常終了チェックマークAまたはBを自動書き入れし、機械的な修理等必要な場合の参考資料とする。
一方、間違って他人の使用中のロッカーの指静脈認証装置4に指静脈パターンを入力し登録や認証に失敗した場合は表示灯5がフラッシュ点滅して使用中のロッカーであることを知らせ、登録の場合には別途空きロッカーを探して登録することを促したり、あるいは荷物を取り出そうとした場合には検索装置9で自己の利用中のロッカー番号を確認するよう促したりする機能をもたせている。
停電等のトラブル時には電気錠のソレノイドが働かず、荷物の取り出しができなくなるので、局部の停電や故障および点検時の対策用も兼ねて各ロッカーの専用基板の電源に携帯バッテリー用端子を取り付ける。通常の停電の場合は通電開始すれば現状復帰またはスタンバイ状態に復帰する。
停電時トラブルの別の開錠手段として電気錠の電源を切断したときソレノイドはフリーとなりロックピンが重力で落ち込みロックかかった状態になる構造にしてマスターキーで扉を開くことが出来る機能をもたせた。更に、この構造を利用して緊急開錠用ボックス内のリセットボタン17を5秒以上押すことで電気錠の電源を切断してマスターキーで扉を開くことが出来る。強制切断の場合も通電再開でスタンバイ状態に復帰するが故障が原因であるので使用中止札をかけ点検修理等運用基準の設定を必要とする。
図1―Bは温泉場や健康ランドの浴場の脱衣室等のロッカー等のように一日のうちで異なる利用者が交代で使用する2段式タイプの有料集合ロッカーで、個々のロッカーの寸法が幅320mm、奥行き460mm、高さ780mmのものを2段10列に組み合わせて1ユニット構成とした集合ロッカーの図である。この例は横幅方向に2段4個連なったタイプのものを1台と2段3個連なったタイプのものを1台と横幅方向2段3個にアセンブリボックスを備えたタイプのものを1台、合計3台並べて1ユニットとした集合ロッカーの例である。アセンブリボックス付きのタイプはユニットごとに一つは必須であり、ロッカー室の規模や来客数にあわせてのユニットの組み合わせ数やロッカー室内の設置ユニット数を任意に選択できる。以下にロッカーの各部の構成と使用手順を説明する。
引き出し式指静脈認証装置4を上段ロッカーの扉下部および下段ロッカーの扉上部に取り付けてある。格納部の高さはロッカーユニットの高さのほぼ中央部、ロッカー下端から85〜105cmである。取り付け方法は図7―Bに示すように指静脈認証装置を水平引き出し式の台座の上に固定し、常時押し込んだ位置に格納する。実施例1の図6−Aの折りたたみ式比べて設置スペースだけ収納庫高さ寸法が小さくなるが扉開閉時に干渉することがないので、指静脈認証装置の動作手順がスムースになるメリットがある。尚、引き出し操作は図7―Bのプッシュラッチを押すとサーボモーターが作動して前面に出てくると同時に指静脈認証装置が起動する。格納は手で少し押し込むとサーボモーターが働き自動格納し認証装置の電源が切れる。
実施例2の図1−Bには有料ロッカーとして利用できるように料金表示画面およびコイン投入口を示したが、利用者へのサービスとしてロッカーを無料提供するときには料金表示およびコイン投入行程を省略して指静脈パターンの一回登録後一回だけ認証を行うとそこで利用終了となり生体特徴データクリアしてスタンバイ状態になり次に再びデータを入力、登録すれば繰り返し利用できる方式と、一回登録後、認証を繰り返すだけで開閉利用でき利用終了時に自己の登録データクリアボタンを押して次の利用者が利用出来る方式にすることも出来る。ただし後者の場合の荷物センサーは荷物の検出中には継続利用のため忘れ物を知らせる機能を持たせないようにプログラムして、利用者が自己のクリアボタンを押さないで扉を閉めた場合次の利用者が利用出来なくなるので荷物センサーが空きを検出した時に「クリアボタンを押して扉を閉めてください」との音声ガイドを行い、扉を手で閉めるとオートロックが懸かりサーバーに登録した生体特徴データをクリアしてスタンバイ状態にする。逆に扉は閉まっているのに、営業時間の区切りや日をまたがって荷物が存在することを検出したときには管理者に異常終了ロッカーであることを管理室内の使用状況パネルに表示し、管理者は緊急開錠用ボックスを操作して内部を確認して忘れ物等の放置物があれば取り出し別途事務室預かりとし、手動リセットし前の利用者の登録データをクリアしてスタンバイ状態にする事が出来る。後者のような異常終了の場合にはサーバーのハードディスクの使用状況リストにその旨のログを残す。
利用者は図8の開ボタン10−2を押すと指静脈認証装置はサーボモーターで引き出され指静脈認証装置が起動し、指静脈の入力を行うとマイコンチップで処理された利用者の指静脈パターンのデータがネットワークデータ伝送でサーバーパソコンの専用固定メモリへロッカー番号と関連付けて登録される。登録されると表示灯5を5〜7回ゆっくり点滅をして利用者に登録できたことを知らせた後点灯する。利用者は指静脈認証装置は手で軽く押し込むと直結したサーボモーターが回転して指静脈認証装置を引きこみ電源が切れる。認証装置の仕舞いこみ且つ電源オフの情報を受けてシーケンシャルに電気錠を開にすることで、手で扉を開いて荷物や貴重品を収納することが出来、収納した後扉を手で閉めるとオートロックが懸かる。次いで、荷物の取出し時に指静脈認証装置に入力して認証されると表示灯5を5〜7回ゆっくり点滅をして利用者に認証できたことを知らせる。利用者は指静脈認証装置を手で押し込み格納すると電源が切れる。電源オフ情報により電気錠が開いて荷物を取り出すことが出来る。もし、荷物をすべて取り出さずに一部忘れ物をして扉を閉めた場合にセンサーが荷物の存在を検出してオートロックを懸けないで「忘れ物があります」との音声で知らせる。すべての荷物を取り出し荷物センサーが空になったことを検出すると「扉を閉めてください」との音声ガイドに従って扉を手で閉めるとオートロックが懸かりロックの情報をうけて登録データがクリアされ次の利用者のためにスタンバイ状態となる。
故障等で扉を開くことが出来なくなった旨の利用者からの連絡が入ったときの緊急開錠操作や復帰操作は、管理者が緊急開錠用ボックス14内のリセットボタンを操作したり、マスターキーを用いたりして行う。異常状態の解除操作を行った記録をサーバーの使用状況リストに記録を残し管理者が後日重点的に内部点検や修理を行いやすくしている。
営業終了後の通常点検による内部の忘れ物や放置荷物の撤去あるいは定期メンテナンスや修理を行なう場合にサーバー側の指令ですべてのロッカーをオープンできる機能を持たせている。
昨今ゴルフ場、学校、旅館、ホテル、病院、スポーツジム等でおおむね一日単位で着替えや荷物預け等の目的で使用するロッカーにあって鍵式のものや暗証番号打ち込みの物はロッカー荒らしや暗証番号の盗み見によるクレッジットカードの二次盗難事故が後を絶たない、特に貴重品、暗証番号と共にクレッジットカードの盗難は深刻である。すなわち、鍵は紛失やピッキングの危険が大きく、暗証番号を新しく設定すると忘れる恐れがありメモにして持ち歩くと更に危険であるので、そこでつい使い慣れた番号や、身近な番号として誕生日や電話番号を使い、同時に身分証明書等と一緒に保管していて盗まれてしまうケースが多い。そこで、各個人固有の指紋や指にひらの静脈等の生体特徴パターンデータを用いて開操作を行えるロッカーシステムは利用者の利便性にくわえて、設置管理者の日常点検業務の労力軽減と事故を確実に防止することが出来るので事故への係わりからの開放や賠償責任の回避が期待出来るので今後導入する施設が増加することが見込まれる。またこのようなロッカーを来訪者に提供するサービスを図ることにより来訪するお客様の人数が増加する事が考えられ、このシステムを採用した事業所の業務成績の向上につながることになる。
1 ロッカーユニット
2 扉
2b 扉裏面
3 取手(マスターキー付)
4 指静脈認証装置
4b 指静脈認証装置収納ボックス
5 表示灯5
6 料金投入口
7 操作法説明表示板
8 液晶表示画面
9 検索用指静脈認証装置
10−1 指静脈認証装置引倒し用プッシュラッチ
10−2 指静脈認証装置引出し用ボタン
10−3 検索用指静脈認証装置引出し用ボタン
11 利用料金表示画面
12 インターホン
13 コード配線スペース
14 緊急解除用ボックス
15 リセットボタン
16 ロッカー番号表示画面
17 緊急解除ロッカー指定用テンキー
18 ガイダンス用スピーカースリツト
2 扉
2b 扉裏面
3 取手(マスターキー付)
4 指静脈認証装置
4b 指静脈認証装置収納ボックス
5 表示灯5
6 料金投入口
7 操作法説明表示板
8 液晶表示画面
9 検索用指静脈認証装置
10−1 指静脈認証装置引倒し用プッシュラッチ
10−2 指静脈認証装置引出し用ボタン
10−3 検索用指静脈認証装置引出し用ボタン
11 利用料金表示画面
12 インターホン
13 コード配線スペース
14 緊急解除用ボックス
15 リセットボタン
16 ロッカー番号表示画面
17 緊急解除ロッカー指定用テンキー
18 ガイダンス用スピーカースリツト
Claims (1)
- 不特定多数の人が自己の貴重品等を一時預けするために使用する集合ロッカーにあって、鍵やカードの携帯の煩わしさや紛失の不安の解消、および暗証番号の失念の不安の解消と利用の前に常に開いている一般の集合ロッカーがいたずらや犯罪の対象となる危険からの回避を目的として、ホテル、ゴルフ場、駅、浴場、健康ランド、イベント会場等の施設の集合ロッカー、キャビネット、貴重品収納庫個々に使用状況表示灯と指静脈認証装置と電気錠およびこれらの制御手段としての専用基板を備え、各専用基板に組み込んだソフトウェアによりLAN通信チップからの複数の集合ロッカーのデータを一括制御するLANコントローラを介してサーバーパソコンとネットワークで送受信するシステムにおいて、不特定の利用者が任意の空きロッカーの指静脈認証装置から登録のために入力したデータをサーバーパソコンに備えた専用固定メモリに保存登録することで使用可となるロッカーに衣服や貴重品等の荷物を入れて扉を閉じて保管した後、次いで利用が終了して荷物等を取り出すときに利用中のロッカーの指静脈認証装置に入力することで入力データと登録データをロッカー側の専用基板内で照合を行い一致した場合に電気錠が自動的に開錠し、利用者は荷物等を取り出し利用を終了すると同時にその利用者の生体特徴データをシステムからクリアする機能を有する不特定多数の利用者が自己の生体特徴データを残さず安心して利用できる集合ロッカー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009186988A JP2011038329A (ja) | 2009-08-12 | 2009-08-12 | 生体特徴認証機能付集合ロッカー |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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2009
- 2009-08-12 JP JP2009186988A patent/JP2011038329A/ja active Pending
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