JP2011037846A - 医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い細胞毒性を有する、天然チューブリシンの式(A)の合成誘導体を提供する。
【解決手段】
Figure 2011037846

(式中、BはCH2、CH2-CH2またはCH2-CH2-CH2から選択され、Dは芳香族結合基であり、X1はアルキルまたはアルケニルであり、X2は、アリール、ヘテロアリールなど、X3はHから選択されるか、またはX4と一緒になって基=Oを形成し、X4はHなど、X5はアルキレンであり、R6およびR7はアリール、ヘテロアリールなど、X8はH、ハロゲンなどから選択される。)
【選択図】なし

Description

本発明は、抗有糸分裂性および/または抗血管新生性と共に、高い細胞毒性を有する合成チューブリシン化合物、それらの対応する溶媒和物および医薬的に許容される塩、腫瘍疾患および/または血管新生に関連する疾患の治療のためのそれらの使用、ならびに高収率でのそれらの製造方法に関する。
知られているように、チューブリシンは醗酵により粘液細菌株の培地から得ることができる天然化合物である。粘液細菌の例は、シストバクター(Cystobacter)、アルカンジウム(Archangium)、ゲフィラ(Gephyra)、現在はピキシコッカス ファラックス(Pyxicoccus fallax)として分類されるアンギオコッカス ディシフォルミス(Angiococcus disciformis)である。チューブリシンは、WO 98/13,375に記載されているようにHofleおよびReichenbachにより、はじめて単離された。
それらの一般式は次のものである:
Figure 2011037846
(式中、
Mep = N-メチルピペコリン酸、
Ile = イソロイシン、
Tuv = チューブバリン、
Tut/Tup = チューブチロシン/チューブフェニルアラニン)。
式(I)中に含まれる天然化合物は、特に次のものである:
チューブリシンA:R1=OH R2=CH2OC(O)-イソブチル R3=C(O)CH3
チューブリシンB:R1=OH R2=CH2OC(O)-n-プロピル R3=C(O)CH3
チューブリシンC:R1=OH R2=CH2OC(O)-エチル R3=C(O)CH3
チューブリシンD:R1=H R2=CH2OC(O)-イソブチル R3=C(O)CH3
チューブリシンE:R1=H R2=CH2OC(O)-n-プロピル R3=C(O)CH3
チューブリシンF:R1=H R2=CH2OC(O)-エチル R3=C(O)CH3
チューブリシンU:R1=H R2=H R3=C(O)CH3
チューブリシンV:R1=H R2=H R3=H。
天然チューブリシンは、幅広いスペクトルの細胞株に対して示される高い細胞毒性のために著しい興味を受けている。チューブリシンは、チューブリン重合を誘導するチューブリンに結合する。特に、これらの化合物は、種々の細胞株の阻害において有効性が認められており、ナノモルのレベル、これよりさらに低いレベルでのGI50値(50%の増殖阻害)を示す。H.M.Peltierらにより、J.Am.Chem.Soc., 128, 2006, 16018-16019に記載されているように、チューブリシンは、細胞増殖の阻害において、ヘポチロネス(hepotylones)、ビンブラスチンおよびタキソールのような公知の抗腫瘍物質より、さらに20〜1,000倍の効果を生じた。
種々のチューブリシン類の中で、チューブリシンDが最も活性を示した。しかしながら、チューブリシンAも、興味ある抗有糸分裂性および有望な抗血管新生効果を示している。例えば、次の研究論文:F.Sasseら, The Journal of Antibiotics, 53, 2000, 879-885; A.Domlingら, Angew.Chem.Ing.Ed., 45, 2006, 7235-7239; G.Kaurら, Biochem J., 396, 2006, 235-242; M.W.Khalilら, ChemBioChem, 7, 2006, 678-683; H.Steinmetzら, Angew.Chem.Int.Ed., 43, 2004, 4888-4892; B.Raghavanら, J.Med.Chem., 51, 2008, 1530-1533を参照されたい。
天然チューブリシン類の単離に導く方法は、醗酵に基づき、収率が低い。一般的に、該方法から得られる最終溶液中のチューブリシンの濃度は、いくつかのクロマトグラフィー精製工程を経てもなお、10 mg/リッターより低い。例えば、A.DomlingおよびB.Raghavanによる引用の公表文献を参照されたい。
それゆえ、今までに天然チューブリシン類の臨床適用は、これらの化合物の非常に乏しい入手可能性のために限定されていた。チューブリシン類を得るための醗酵法の限界は、チューブリシンA、B、C、D、UおよびVならびにそれらの類似化合物に特に関連して、いくつかの研究グループをチューブリシン類の全合成のための方法の研究に指向させている。
チューブリシン類の全合成のために採択される化学合成の種々の戦略が、最近、いくつかの文献で公表されている。例えば、H.M.Peltier(既に言及)、A.W.Pattersonら, Chem.Eur.J., 13, 2007, 9534-9541; M.Saniら, Angew.Chem.Int.Ed., 46, 2007, 3526-3529; A.W.Pattersonら, J.Org.Chem., 73, 2008, 4362-4369; P.Wipfら, Org.Lett., 9, 2007, 1605-1607; G.K.Friestadら, Org.Lett., 6, 2004, 3249-3252; P.Wipfら, Org.Lett., 6, 2004, 4057-4060; B.Raghavanら, J.Med.Chem., 52, 2009, 238-240を参照されたい。
チューブリシン類似化合物およびそれらの獲得のための合成法が、US 2005/0239,713、US 2006/0128,754、WO 2009/012,958に記載されている。
US 2005/0239,713は、次の一般式(II)を有する合成チューブリシン類似化合物を記載している:
Figure 2011037846
(式中、
Aは5または6原子を有するヘテロアリール置換基であり、
XはO、SまたはNR13またはCR14R15であり、
YはO、S、またはNR16であり、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、へテロアルキルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルの意味を有するか:またはR1〜R16の前記の置換基の2つは、シクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環の構成要素である)。
この特許出願において、式(IA)の誘導体(特許出願US 2005/0239,713の式(I))は、式(II)の化合物から除かれている:
Figure 2011037846
(式中、R'はH、アルキル、アルケニル、アリール、またはヘテロアリールの意味を有し、R''はH、OH、アルキル、アリール、またはヘテロアリールの意味を有する)。
US 2006/0128,754は、一般式(III)(特許出願US 2006/0128,754の式I)を有するチューブリシン誘導体の合成を記載している:
Figure 2011037846
(式中、
SおよびUはH、ハロゲン、NO2、またはNHR23の意味を有し、
TはHまたはOR24の意味を有し、
RはH、アルキル、アリール、OR21、NR21R22、またはNH-(CH2)2-4の意味を有し、
XはH、アルキル、アルケニル、またはCH2OR29の意味を有し、
VはH、OR27、ハロゲンの意味を有するか、またはWと一緒になって酸素の意味を有し、
WはH、アルキルの意味を有するか、またはVと一緒になって酸素の意味を有し、
Yは、ZがCH3のときは酸素の意味を有するか、またはZがCH3もしくはCOR31のときは自由電子対の意味を有し、
ZはCH3またはCOR31であり、
R31はアルキル、CF3、またはアリールの意味を有し、
R21およびR22はH、アルキル、またはアリールの意味を有し、
R23はH、HCO、またはC1-4アルキル-COの意味を有し、
R24はH、アルキル、アリール、COR25、P(O)(OR26)2、またはSO3R26の意味を有し、
R25はアルキル、アルケニル、アリール、またはヘテロアリールの意味を有し、
R26はH、アルキル、または金属イオンの意味を有し、
R27はH、アルキル、またはCOR28の意味を有し、
R28はアルキル、アルケニルまたはアリールの意味を有し、
R29はH、アルキル、アルケニル、アリールまたはCOR30の意味を有し、
R30はR25と同じ意味を有する)。
特許出願WO 2009/012,958は、一般式(IV)を有するチューブリシン類似化合物の合成を記載している:
Figure 2011037846
(式中、
R32はH、置換または無置換のアルキル、置換または無置換のヘテロアルキルの意味を有し、
R33はR32と同じ意味を有し、アシル基(C(O)R34)の意味も有し、
R34、R35、R36、R37は、該特許出願で言及された意味を有する)。
US 2005/0249,740は、一般式:
U'-V'-W'
(式中、U'はチューブリシンまたは前記の式(II)のチューブリシン類似化合物であり、V'は結合基(linker)(例えば、直接結合またはアルキレン)であり、W'はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)またはバイオ分子(例えば、抗体)である)
を有する、腫瘍の治療のためのチューブリシンを含む共役(conjugated)化合物を記載している。これらの共役化合物は、癌細胞に対して高い選択性を示す。さらに、それらは、ヒトおよび動物において、チューブリシン類それ自体の投与に関連した副作用を減ずることができる。
WO 98/13,375 US 2005/0239,713 US 2006/0128,754 WO 2009/012,958 US 2005/0249,740
H.M.Peltierら, J.Am.Chem.Soc., 128, 2006, 16018-16019 F.Sasseら, The Journal of Antibiotics, 53, 2000, 879-885 A.Domlingら, Angew.Chem.Ing.Ed., 45, 2006, 7235-7239 G.Kaurら, Biochem J., 396, 2006, 235-242 M.W.Khalilら, ChemBioChem, 7, 2006, 678-683 H.Steinmetzら, Angew.Chem.Int.Ed., 43, 2004, 4888-4892 B.Raghavanら, J.Med.Chem., 51, 2008, 1530-1533 A.W.Pattersonら, Chem.Eur.J., 13, 2007, 9534-9541 M.Saniら, Angew.Chem.Int.Ed., 46, 2007, 3526-3529 A.W.Pattersonら, J.Org.Chem., 73, 2008, 4362-4369 P.Wipfら, Org.Lett., 9, 2007, 1605-1607 G.K.Friestadら, Org.Lett., 6, 2004, 3249-3252 P.Wipfら, Org.Lett., 6, 2004, 4057-4060 B.Raghavanら, J.Med.Chem., 52, 2009, 238-240
高い細胞毒性により特徴付けられ、合成法によって高収率で容易に得ることができるチューブリシン化合物を入手可能とする必要性が感じられていた。特に、腫瘍細胞株に対して、GI50として表したときに10 nM(GI50<10-9M)より低い、好ましくは0.1 nMより低い細胞毒性を有するチューブリシン化合物を入手可能とする必要性が感じられていた。
本出願人は、上記の技術的課題を解決する新規なクラスのチューブリシン化合物を、驚くべきことにかつ予測されなかったことに見出した。
本発明の目的は、式(A)を有するチューブリシン化合物である:
Figure 2011037846
(式中、
BはCH2、CH2-CH2またはCH2-CH2-CH2から選択され、
Dはフェニル、または環内に5もしくは6原子を有するヘテロアリールから選択される芳香族結合基であり、
X1はアルキルまたはアルケニルであり、
X2は次の基:
アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、またはヘテロアリールアルキルから選択される、置換または無置換のX2a
X2b:アルキレン-O-アルキル(ここで、アルキレンはC2-C10である)、
X2c:CH2-O-アルキル
から選択され、
X3はHの意味を有するか、またはX4と一緒になって基:=Oを形成し、
X4はH、ハロゲン、OH、SH、アルキル、アルケニル、(OR5)n-OR6、OC(O)R7、NR6R7から選択されるか、またはX4と一緒になって基:=Oを形成し、
R5はアルキレンであり、
nは0または1〜10の整数であり、
R6およびR7は互いに同一または異なって、次の意味:
z1:H、アルキル、
アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、へテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキルまたはヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、置換または無置換のz2
を有し、
X5はz2であるか、またはそれはz3がアルキルまたはアルケニルであるz3の意味を有し、
X6はH、NR8R9、OR8、NH-NR8R9、SR8、R10(ここで、R8およびR9は互いに同一または異なって、R6と同じ意味を有し、R10はR6と同じ意味を有するが、Hは除く)の意味を有し、
X7はz3またはHであり、
X8はz3、H、ハロゲン、OH、SHまたはOCH3から選択される)。
本発明の化合物は、それらが腫瘍細胞株に対して10 nMより低い、好ましくは0.1 nMより低いGI50値を示すように、予測されずかつ驚くべきことに高い細胞毒性を示す。さらに、それらは高収率を有する合成法によって得ることができ、したがって、工業的観点から非常に価値がある。
式(A)の化合物は、幾何異性体、例えばシス-トランス、および立体異性体の両方ならびにそれらの対応する混合物を含む。それゆえ、本発明の式(A)の化合物は、置換基によりそれらの構造中にキラル中心を含み得る。
さらに、式(A)の化合物の分子中に存在する原子は、対応する同位体の形態になり得る。
X2=X2aのとき、好ましくは、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキル環の1以上の水素原子は、互いに同一または異なって、ハロゲン、OH、O-アリール、SH、OCH2O(この置換基は環の2つの隣接する位置に結合する)、C1-C7アルキル、C1-C7アルキルチオ、C1-C7アルコキシ、C1-C7ハロアルキル、C1-C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、ニトロ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和または不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1-C7アルキル鎖で任意にモノ-またはジ-置換されていてもよいアミノから選択される1以上の基で置換され得る。
X2aのフェニル、シクロアルキル、飽和または不飽和の複素環およびヘテロアリール置換基は、互いに同一または異なって、ハロゲン、OH、O-アリール、SH、OCH2O、C1-C7アルキル、C1-C7アルキルチオ、C1-C7アルコキシ、C1-C7ハロアルキル、C1-C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和または不飽和の複素環、ヘテロアリール、ニトロ、C1-C7アルキル鎖で任意にモノ-またはジ-置換されていてもよいアミノから選択される1以上の基で任意に置換されていてもよい。
R6、R7、X5、R8、R9、R10がz2の意味を有するとき、好ましくは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、へテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキルまたはヘテロシクロアルキルアルキル環の1以上の水素原子は、互いに同一または異なって、X2aの任意の置換基から選択される1以上の基(任意の置換基)で任意に置換され得る。
X5がz2の意味を有するとき、好ましくは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、へテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキルまたはヘテロシクロアルキルアルキル環の1以上の水素原子は、1以上の次の基(任意の置換基):COOH、C(O)R6、OC(O)R94(ここで、R6は上記で定義されたとおりであり、R94はアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリールから選択される置換または無置換のものである)で任意に置換され得る。
R94がシクロアルキル、アルケニル、アリールまたはヘテロアリールの意味を有するとき、1以上の水素原子は、互いに同一または異なって、X2aの置換基から選択される1以上の基で任意に置換され得る。
好ましくは、置換基が以下に示される意味を同時に有する式(A)の化合物は、本発明の化合物から除かれる:
X2=X2c
B=CH2-CH2
X1=C(CH3)(CH2-CH3)、
X3=Hまたは、X4と一緒になって基:=Oを形成し、
X4はH、ハロゲン、OH、OR90、O-C(O)-R91から選択されるか、またはX3と一緒になって基:=Oを形成し(ここで、R90はC1-C4アルキルまたはC3-C4シクロアルキルの意味を有し、R91はアルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキルから選択される)、
X5はベンジル置換基(ここで、芳香環はQ2によりパラ位で、Q1およびQ3置換基によりメタ位で置換され、Q2は水素またはOR92であり、Q1およびQ3は互いに同一または異なって、水素、ハロゲン、NO2またはNH2から選択され、ここで、R92はH、C1-C7アルキル、アリールまたはC(O)R94(R94は前記で定義されたとおりである)から選択される)であり、
X6はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、OR97、またはNR97R98(ここで、R97およびR98は互いに同一または異なって、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールから選択される)であり、
X7=CH3
X8=H。
この特許出願において、別に特定されていない場合、次の定義が維持される:
アルキルは、直鎖状、可能なときは分枝鎖状の飽和の置換または無置換のC1-C20炭化水素鎖を意味し、ここで、1以上の水素原子はハロゲンで任意に置換され得る。好ましくは、炭化水素鎖はC1-C12、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルであり、アルキレンは、直鎖状、可能なときは分枝鎖状のそれぞれの端に1つの自由原子価を有し、置換または無置換の2価のC1-C20脂肪族鎖を意味し、ここで、1以上の水素原子はハロゲン原子で任意に置換され得る。好ましくは、2価の脂肪族鎖はC1-C8、例えば、ビニル、アリル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、ブテ-1-エン-1-イル、ブテ-1-エン-2-イル、ブテ-1-エン-3-イル、ブテ-1-エン-4-イル、ブテ-2-エン-1-イル、ブテ-2-エン-2-イル、2-メチル-プロペン-1-イル、2-メチル-プロペン-3-イルであり、
アルケニルは、モノ-またはポリ-不飽和、好ましくはモノ-不飽和のC2-C20炭化水素鎖を意味し、ここで、不飽和は2重結合であり、該炭素鎖は直鎖状または可能なときは分枝鎖状の置換または無置換であり、ここで、1以上の水素原子がハロゲン原子で任意に置換され得る。好ましくは、炭化水素鎖はC2-C12であり、
アルケニレンは、2価のモノ-またはポリ-不飽和のC2-C20炭化水素鎖を意味し、ここで、不飽和は2重結合であり、それぞれの端に1つの自由原子価を有し、直鎖状または可能なときは分枝鎖状の置換または無置換の炭化水素鎖であり、ここで、1以上の水素原子はハロゲン原子で任意に置換され得、好ましくは、炭化水素鎖はC2-C8であり、
アルキニルは、モノ-またはポリ-不飽和、好ましくはモノ-不飽和のC2-C20炭化水素鎖を意味し、ここで、不飽和は3重結合であり、該炭素鎖は直鎖状または可能なときは分枝鎖状の置換または無置換であり、ここで、1以上の水素原子はハロゲン原子で任意に置換され得、好ましくは、炭化水素鎖はC2-C12であり、
アルキニレンは、2価のモノ-またはポリ-不飽和のC2-C20鎖を意味し、ここで、不飽和は3重結合であり、それぞれの端に1つの自由原子価を有し、直鎖状または可能なときは分枝鎖状の置換または無置換の炭化水素鎖であり、ここで、1以上の水素原子はハロゲン原子で任意に置換され得、好ましくは、2価の炭化水素鎖はC2-C8であり、
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選択される1つの原子を意味し、
ハロアルキルは、1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されている、前記で定義されたアルキルを意味する。ハロアルキルの例は、トリフルオロメチル、1-ブロモ-n-ブチル、ペンタクロロエチル等であり、
アリールは、6〜20の炭素原子を有する、芳香族の単環式基または縮合芳香族多環式基を意味し、
アリールアルキルは、上記で定義された1つのアリールに結合した、前記で定義されたアルキル、好ましくはC1-C7を意味する。
例えば、ベンジルが挙げられ、
シクロアルキルは、
− 1以上の不飽和を任意に含んでいてもよい脂肪族の単環(但し、該構造は芳香族でなく、該環は3〜10の炭素原子、好ましくは4〜9の炭素原子を有する)か、または
− 7〜19の炭素原子の多環式構造
を意味し、
ヘテロシクロアルキルは、1以上の炭素原子が、互いに同一または異なって、S、O、Nから選択されるヘテロ原子で置換されている、前記で定義されたシクロアルキルを意味する。該環が単環式であるとき、好ましくは、ヘテロ原子の数は2より多くなく、
ヘテロアリールは、少なくとも1以上の炭素原子が、互いに同一または異なって、S、O、Nから選択される1以上のヘテロ原子で置換されている、単環式基がC5-C6であることを除いて、前記で定義されたアリールを意味する。該基が単環式であるとき、好ましくは、ヘテロ原子の数は2より多くなく、
ヘテロアリールアルキルは、前記で定義されたヘテロアリールに結合した、前記で定義されたアルキル、好ましくはC1-C7を意味し、
シクロアルキルアルキルは、前記で定義されたシクロアルキルに結合した、前記で定義されたアルキル、好ましくはC1-C7を意味し、
ヘテロシクロアルキルアルキルは、前記で定義されたヘテロシクロアルキルに結合した、前記で定義されたアルキル、好ましくはC1-C7を意味し、
ヘテロアルキレンは、次の意味:-Ra-O-Ya-、-Ra-S-Ya-、-Ra-N(Rb)-Ya-、-Ra-CO-Ya-、-Ra-O-CO-Ya-、-Ra-CO-O-Ya-、-Ra-CO-N(Rb)-Ya-、-Ra-N(Rb)-CO-Ya-、-Ra-O-CO-N(Rb)-Ya-、-Ra-N(Rb)-CO-O-Ya-、-Ra-N(Rb)-CO-N(Rc)-Ya-、-Ra-O-CO-O-Ya-、-Ra-N(Rb)-C(=NRd)-N(Rc)-Ya-、-Ra-CS-Ya-、-Ra-O-CS-Ya-、-Ra-CS-O-Ya-、-Ra-CS-N(Rb)-Ya-、-Ra-N(Rb)-CS-Ya-、-Ra-O-CS-N(Rb)-Ya-、-Ra-N(Rb)-CS-O-Ya-、-Ra-N(Rb)-CS-N(Rc)-Ya-、-RaO-CS-O-Ya-、-Rs-S-CO-Ya-、-Ra-CO-S-Ya-、-Ra-S-CO-N(Rb)-Ya-、-Ra-N(Rb)-CO-S-Ya-、-Ra-S-CO-O-Ya-、-Ra-O-CO-S-Ya-、-Ra-S-CO-S-Ya-、-Ra-S-CS-Ya-、-Ra-CS-S-Ya-、-Ra-S-CS-N(Rb)-Ya-、-Ra-N(R'b)-CS-S-Ya-、-Ra-S-CS-S-Ya-、-Ra-O-CS-S-Ya-
を有する基を意味し:
ここで、
RaはC1-C6アルキレン、C2-C6アルケニレンまたはC2-C6アルキニレンから選択される基であり、
Rbは水素原子、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルから選択される基から選択され、
Rcは水素、またはC1-C6アルキル、C2-C6アルケニルもしくはC2-C6アルキニルから選択される基であり、
Rdは水素、またはC1-C6アルキル、C2-C6アルケニルもしくはC2-C6アルキニルから選択される基であり、
Yaは共有結合、またはC1-C6アルキレン、C2-C6アルケニレンもしくはC2-C6アルキニレンから選択される基であり、
ここで、それぞれのヘテロアルキル基は、少なくとも1つの炭素原子を含み、1以上の水素原子がフッ素または塩素原子で置換され得、
アルキルシクロアルキルは、前記で定義された1つのアルキルに結合した、前記で定義されたシクロアルキルを意味し、
ヘテロアルキルシクロアルキルは、前記で定義されたヘテロアルキルに結合した、前記で定義されたシクロアルキルを意味し、
(ヘテロ)アリレン、(ヘテロ)シクロアルキレン、アリールアルキレン、(ヘテロアリール)アルキレンおよび(ヘテロアルキル)シクロアルキレンは、それぞれ、1つの水素原子が単結合で置換されている、前記で定義されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、へテロシクロアルキル、アルールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルキルシクロアルキル、へテロアルキルシクロアルキルを意味し、
アルキレンアリールアルキレンは、直鎖状または可能なときは分枝鎖状の1〜20の炭素原子の2つのアルキレン鎖を有するアリレンを意味する。
本発明の化合物の基、または式(A)の化合物の基は、1以上の水素原子または基X6の除去から誘導され、後者の場合-C(O)-基が形成する、1以上の自由原子価を有する式(A)の化合物を意味する。好ましくは、式(A)の化合物の基は、1価または2価であり、より好ましくは、それらは1価である。
本願中に別の方法で示されていなければ、X2、X5、R6、R7、R8、R9およびR10は前記の意味を有し、前記の置換基で任意に置換されていてもよい。
本発明の好ましい化合物は、B、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7およびX8が前記で定義されたとおりであり、Dが5または6原子を有するヘテロアリール基である式(A)の化合物である。
最も好ましい化合物は、B、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7およびX8が前記で定義されたとおりであり、Dが式(V):
Figure 2011037846
の意味を有する式(A)の化合物である。
さらにより好ましい式(A)の化合物は:
BがCH2-CH2であり、
Dが式(V)のヘテロアリールであり、
X1がC1-C6アルキルであり、
X2が次の基:
− 単環式のアリール、単環式のヘテロアリール、単環式のアリールアルキル、単環式のシクロアルキルアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキル、
− アルキレン-O-アルキル(ここで、アルキレンはC2-C4である)、
から選択され、
X3が前記で定義されたとおりであり、
X4がC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、(OR5)n-OR6、OC(O)R7から選択されるか、またはX3と一緒になって、基:=Oを形成し、
R5がC1-C2アルキレンであり、
nが0または1〜4の整数であり、
R6およびR7が互いに同一または異なって、HまたはC1-C6アルキルから選択され、
X5が単環式のアリールアルキル、単環式のヘテロアリールアルキル、単環式のシクロアルキルアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルまたはアルケニルから選択され、
X6がH、NR8R9、OR8、NH-NR8R9、SR8またはR10(ここで、R8、R9およびR10は、互いに同一または異なって、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルから選択されるか、またはR8およびR9は水素である)から選択され、
X7がC1-C6アルキルまたはC2-C6アルケニルから選択され、
X8がHである
化合物である。
式(A)の化合物の好ましい例は、式(A1):
Figure 2011037846
[式中、
X9は、
− X2aの任意の置換基である基で任意に置換されていてもよい、単環式のアリールアルキル、単環式のシクロアルキルアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキル、
− CH2-CH2O-アルキル(ここで、アルキルはC3が直鎖状または分枝鎖状であるC1-C3アルキルである)
から選択され、
X10は(OR10)m-OR11またはOC(O)R12から選択され、
R10はC1-C2アルキレンであり、
mは0または1〜3の整数であり、
R11およびR12は互いに同一または異なって、H、CH3から選択され、
X11は、X5=Z2であるときのX5の任意の置換基である基で任意に置換されていてもよい、無置換または置換の単環式のアリールアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキルから選択され、
X12はH、NR8aR9a、OR8aまたはNH-NR8aR9a[ここで、R8aおよびR9aは互いに同一または異なって、H、アルキル、単環式のアリール、単環式のヘテロアリール、単環式のシクロアルキル、単環式のヘテロシクロアルキル(ここで、単環式のアリール、単環式のヘテロアリール、単環式のシクロアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルは、無置換であるかまたはR8およびR9の任意の置換基であるそれらの基で任意に置換されていてもよい)から選択される]から選択される]
の化合物である。
本発明のより好ましい化合物は、次に示される:
Figure 2011037846
Figure 2011037846
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種々の異性体、立体異性体およびそれらの混合物を含む、本発明の化合物の水和物、溶媒和物および医薬的に許容される塩は、本発明のさらなる目的である。
水和物および溶媒和物の用語の意味は、当業者によく知られている。特に、水和物とは、1以上の水和水分子、一般的に1〜10の水和水分子を含む化合物を意味する。溶媒和物とは、化合物が水とは異なる1以上の溶媒の分子を含むことを意味する。
医薬的に許容される塩とは、本発明の化合物を有機もしくは無機の酸、または有機もしくは無機の塩基と処理することにより得られる、医薬の観点から許容される塩全てを意味する。例えば、塩酸塩、硫酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、硫酸水素塩、コハク酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩が挙げられる。分冊:「Remington, The Science and Practice of Pharmacy」, II巻, 1995, 1457頁を参照されたい。
本発明のさらなる目的は、X4がハロゲン、NR6R7、SH、(OR5)n-OR6、アルキルまたはアルケニルである、一般式(A)の化合物の製造方法であり、次の工程を含む:
A-1) 式(B)の酸を式(D)のアミノエステルと反応させて、式(E)の化合物を得る、
Figure 2011037846
アミノエステル(D)は、任意に、有機または無機酸との対応する塩の形態(化合物(Da))であってもよい(アニオンH、ここでアニオンは酸アニオンである)、
Figure 2011037846
A-2) 式(E)の化合物を水素化して、式(E')のアミノエステルを得る(ここで、末端のアジド基(N3)は1級アミンの基に変換される)、
A-3) アミノエステル(E')をヘテロ環式の酸(F1)と反応させて、エステル(F)を得ること、
Figure 2011037846
A-4) 化合物(F)の鎖の1方の末端にあるエステル基を加水分解し、次いで有機または無機酸 アニオンHで処理して、X6=OHである式(A)の塩化された化合物に相当する化合物(G)を得る、
Figure 2011037846
A-5) 化合物(G)を有機塩基で中和して、X6=OHである式(A)の化合物に相当する化合物(H')を得る、
Figure 2011037846
X6の意味により、次の工程A-6)、A-7)、A-8)を行う:
A-6) 化合物(H')のカルボン酸官能基とX6基の前駆体との反応により、X6が次の基:NR8R9、OR8、NH-NR8R9またはSR8の1つから選択される、式(A)の化合物を合成する、
A-7) A-6)の代わりに、有機塩基の存在下、不活性溶媒中で化合物(H')とCH3-O-NH-CH3およびCH3S(O)2Clとの反応により、化合物(HA1):
Figure 2011037846
を得、次いで(HA1)とグリニャール試薬 R10MgBrとの反応により、X6がR10である、式(A)の化合物を合成する、
A-8) 化合物(H')のカルボン酸基をアルデヒド基に還元して、X6がHである、式(A)の化合物を製造する。
工程A-1)は、前もって不活性溶媒に溶解され、カップリング反応剤と有機塩基が加えられた式(B)の酸溶液に、アミン(D)またはアニオンH酸との対応する塩を加えることにより行われる。反応の終了時に水が加えられ、有機溶媒で最終抽出が行われる。有機溶液を回収し、最初に酸性水溶液、次いで塩基性水溶液、最後に食塩水溶液で洗浄する。有機相を回収し、乾燥する。減圧下に溶媒を除去して、化合物(E)を得る。
アミノエステル(D)を塩化することができるアニオンH酸は、基X5、X7およびX8ならびに化合物(D)のエステル官能基-COOCH3に影響を及ぼさないものから選択される、有機または無機の弱酸もしくは強酸である。例えば、次のもの:HCl、CF3COOH、COOHが挙げられる。
反応に用いることができる溶媒は、例えばジメチルホルムアミド(DMF)である。カップリング反応剤は、例えばDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボ-ジイミド)/HOBt(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)混合物、HOAt(1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール)/HATU(2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチル ウロニウムヘキサフルオロホスフェート-メタナミニウム)混合物から選択され、好ましくは、HOAt/HATUが用いられる。用いられる有機塩基は、例えばジフェニルエチルアミン(DIPEA)、トリエチルアミン、ピリジン、好ましくはトリエチルアミンである。
反応時間は、一般的に1〜5時間の範囲に含まれる。好ましくは、反応混合物の抽出に用いられ得る有機溶媒は、例えば酢酸エチルである。有機相の洗浄は、例えば、1N HCl水溶液、NaHCO3飽和水溶液およびNaCl飽和水溶液の順で行われる。
工程A-2)は、水素雰囲気下、触媒、好ましくはPd/Cを用いて行われる。溶媒としてアルコール、例えばメタノールが用いられ得る。反応時間は一般的に8〜20時間の範囲である。
工程A-3)は、工程A-1)で示された化合物を、それぞれカップリング反応剤および有機塩基として用いることによって行われる。好ましくは、カップリング反応剤としてHOAt/HATUが用いられ、塩基としてトリエチルアミンが用いられる。
工程A-4)は、不活性有機溶媒中のメチルエステル(F)の溶液に、無機塩基の水溶液を添加することにより行われる。反応の終わりに、混合物は無機または有機のアニオンH酸を用いて3より低いpH値に酸性化され、反応生成物は不活性有機溶媒で抽出され、分離され、次いで減圧下に濃縮され、化合物(G)を得る。工程A-4)の溶媒としてTHFが、無機塩基としてLiOHが用いられ得る。反応の終わりに、混合物は、例えばトリフルオロ酢酸を用いて、3より低いpH、好ましくは2以下のpHに酸性化される。抽出溶媒として、酢酸エチルが用いられ得る。
中和工程A-5)は、有機塩基、例えばトリエチルアミンまたはピリジンを用いて行われる。
工程A-6)において、化合物(H')は、工程A-1)における前述のものからそれぞれ選択される、カップリング反応剤および有機塩基と反応させられる。用いられる置換基X6の前駆体は、次の化合物:NHR8R9、HOR8、NH2-NR8R9、HSR8である。溶媒として、ジクロロメタンを用ることができ、カップリング反応剤はHOAt/HATU混合物であり、有機塩基は、例えばトリエチルアミンである。
工程A-8)は、水素雰囲気下、例えばジイソブチルアルミニウム ハイドライド、NaAlH4、リチウムトリ-t-ブトキシアルミニウム ハイドライド、Pd/BaSO4を用いることによって、化合物(H')のカルボキシ官能基のアルデヒドへの直接還元により行われ得る。あるいは、第1工程で、酸を、例えばLiAlH4、ジボラン、BH3.THF錯体を用いることにより1級アルコールに還元する。さらなる工程で、1級アルコールを、例えばオキサリルクロライド/ジメチルスルホキシド(DMSO)/トリエチルアミン混合物またはデスマーチンペルヨージナン(Dess-Martin periodinane)(DMPER)を用いることによってアルデヒドに酸化する。
Figure 2011037846
好ましくは、酸からアルコールへの直接還元において、酸は、例えばエステル、好ましくはメチルもしくはエチルエステル、または酸クロライドのような活性形態で用いられる。X4がOHまたはOC(O)R7の中から選択されるとき、式(A)の化合物を得る方法は、次の工程を連続して含む:
A-1') X4=OHである(B)を用いる以外、A-1)と同様にして、式(EI)の化合物を得る、
Figure 2011037846
A-2') (EI)を用いる以外、A-2)と同様にして、式(EII)のアミノエステルを得る、
Figure 2011037846
A-3') (EII)を用いる以外、A-3)と同様にして、エステル式(FI)を得る、
Figure 2011037846
A-4') 化合物(FI)を用いる以外、A-4)と同様にして、化合物(G')を得る、
Figure 2011037846
A-5') 化合物(G')を用いる以外、A-5)と同様にして、化合物(GA)を得る、
Figure 2011037846
上記の酸(GA)は、X4およびX6がOHの意味を有する式(A)の化合物に相当する、
− 工程A-7') 出発化合物として(GA)を用いる以外、工程A-8)を繰り返し、X4=OHおよびX6=Hである化合物(A)に相当するする(G'')を得る、
Figure 2011037846
− 工程A-8') 化合物(G')のヒドロキシ、または化合物(GA)中の対応するヒドロキシ基を式R7C(O)OHの酸でアシル化して、X4=OC(O)R7であり、X6がOHである式(A)の化合物に相当する化合物(H)を得る、
Figure 2011037846
A-8'') 出発化合物として(G'')を用いる以外、工程A-8')を繰り返して、X4=OC(O)R7であり、X6がHである式(A)の化合物に相当する化合物(H'')を得る、
Figure 2011037846
− 化合物(H)または(H'')を用いる以外、工程A-6)を繰り返して、X6が工程A-6)におけるとおりの意味を有し、X4=OC(O)R7である式(A)の化合物を得る、
− 化合物(H)または(H'')を用いる以外、工程A-6)を繰り返し、X6がR10であり、X4=OC(O)R7である式(A)の化合物を得る。
工程A-8')およびA-8'')において、アシル化は、次の群:アシルクロライド、無水物、混合無水物、イミダゾリド、エステル-アミド付加物、直鎖状または可能なときは分枝鎖状のC1-C4アルキルエステルから選択される、式R7C(O)OHの酸の活性誘導体を用いることによって行われる。反応は、一般的に、例えば工程A-1)で用いられるものから選択される有機塩基の存在下で行われる。最後に、反応生成物は不活性な有機溶媒を用いることにより反応混合物から抽出され、その後、該有機溶媒は減圧下に除去され、それぞれ式(H)または(H'')の化合物を得る。好ましくは、酸の活性誘導体は、対応する無水物[R7C(O)]2Oであり、塩基はピリジンである。一般的に、反応時間は8〜24時間の範囲である。生成物はフラッシュクロマトグラフィーで精製される。
工程A-1)で用いられる式(B)の酸は、次の工程を含む合成法によって製造される(スキーム1を参照されたい):
s1-a) 式(B0)の酸を式X2-NH2のアミンと反応させて、化合物(B01)を得る、
s1-b) 化合物(B01)を式(B2)のエノンと反応させて、化合物(B1)を得る。
次いで、式(A)の化合物中のX4の種々の意味により、次に記載される工程が行われる:
− X4がX3と一緒になって基=Oを形成するとき、工程s1-c) (B1)の末端のエステル基の加水分解が行われる、
− X3=Hであり、X4がアルキル、アルケニルまたはNR6R7の意味を有するとき、次の工程が順次行われる:
s1-d) (B1)のケトン基を基X4の前駆体と反応させて、それにより(B4)を得る、
s1-d') (B4)の末端の(end)エステル基を加水分解して、化合物(B)を得る、
− X3=Hで、X4=OHであるとき、次の工程が順次行われる:
s1-e) (B1)のケトン基を還元して、化合物(B3)を得る、
s1-e') (B3)のターミナルエステル基を加水分解して、化合物(B)を得る、
− X3=Hであり、X4が、ハロゲン、SH、(OR5)n-OR6から選択されるとき、次の工程が順次行われる:
s1-f) 位置Dの(B3)のヒドロキシを前記X4基の対応する前駆体と反応させて、化合物(B4)を得る、
s1-f') (B4)のターミナルエステル基を加水分解して、化合物(B)を得る。
スキーム1
Figure 2011037846
スキーム1において:
(B4)が(B1)から得られるとき、X4=アルキル、アルケニル、NR6R7であり;
(B4)が(B3)から得られるとき、X4=ハロゲン、SH、(OR5)n-OR6であり;
(B)が(B1)から得られるとき、X3はX4と一緒になって基=Oを形成する。
工程s1-a)は、好ましくは、反応条件下で不活性な溶媒中、アミン体を酸(B0)の活性誘導体と反応させることによって行われる。酸(B0)の活性誘導体として用いられ得る化合物は、工程A-8')の酸R7C(O)OHの活性誘導体に対して示した同じ群に属する。酸(B0)は公知の手順により製造され得る、例えばJ.Am.Chem.Soc., 128, 2006, 16018-16019を参照されたい。反応は有機塩基の存在下で行なわれる。反応生成物は、例えば無機塩の酸性水溶液を加え、続いて有機溶媒、例えばジクロロメタンで抽出することによって、反応混合物から回収される。
有機塩基は、工程A-1)で用いられるものの中から選択されることができ、好ましくはDIPEAである。加えられる無機塩の酸性水溶液は、例えば塩化アンモニウムの酸性溶液である。反応時間は、一般的に、20分〜4時間の範囲である。反応温度は、好ましくは、0℃〜10℃の間に含まれる。
工程s1-b)は、不活性溶媒中に化合物(B01)を溶解し、次いで有機非求核塩基、例えばLiHMDS(リチオ ヘキサメチルジシラジド)またはNaHMDSまたはKHMDSを加えることにより行われる。次いで、式(B2)のエノンを含む溶液を加える。該エノンは、Angew.Chem.Int.Ed., 16, 2007, 3526-3529に記載されたようにして合成され得る。反応の最後に、無機塩の酸性水溶液を加え、有機溶媒、例えば無水テトラヒドロフラン(THF)で抽出することによって、化合物(B1)を回収する。非求核有機塩基は、好ましくはKHMDSであり、酸性水溶液中の無機塩は、例えば塩化アンモニウムであり得る。
該反応は、0℃より低い温度、好ましくは-80℃〜-20℃の間、より好ましくは-80℃〜-60℃の間に含まれる温度で行われる。反応時間は、一般的に30分〜5時間の範囲である。反応生成物はカラムクロマトグラフィーで精製される。
工程s1-c)は、水と有機溶媒との混液中に化合物(B1)を分散し、次いで無機塩基を加えることによって行われる。反応生成物は、反応混合物に有機溶媒を加え、次いで回収し、水相を酸性化することによって単離される。(B1)の出発の分散に用いられる有機溶媒は、例えばジオキサン、メタノール、THFから選択され、より好ましくはTHFである。無機塩基はNa(OH)、K(OH)、Li(OH)、より好ましくはLi(OH)から選択される。反応の最後で加えられる有機溶媒は、例えば酢酸エチルであり、水相を酸性化するために用いられる酸は、例えば塩酸であり得る。最終pHは3より低く、好ましくは2以下である。
工程s1-d)は、化合物(B1)を式Ph3P=C(R50)HまたはPh3P=C(R50)R51(ここでPhはフェニルであり、R50およびR51は互いに同一または異なって、H、C1-C19アルキル、C1-C19アルケニルから選択される)のリンイリド(phosphorus hylides)と反応させることによって行われる。次いで、形成された2重結合の選択的還元が、例えばPd/Cの存在下、水素を用いることによって行われる。
工程s1-d')はs1-c)で記載されたようにして行われる。
工程s1-e)は、最初、不活性溶媒中の触媒溶液に還元剤、s1-b)で得られる化合物(B1)、次いで有機プロトン性溶媒を加えることによって行われる。式(B3)の化合物が得られる。好ましくは、触媒はキラル触媒であり、より好ましくは、(S)-CBS(ここで、CBSはCorey、BakshiおよびShibita(J.Am.Chem.Soc., 109, 1987, 5551-5553; J.Am.Chm.Soc., 109, 1987, 7925-7926)によって開発されたボロハイドライドのキラル誘導体の反応剤CBSである)である。不活性溶媒は、例えばTHFであり、還元剤は、好ましくはジメチルサルファイドと錯体を形成したボランである。有機プロトン性溶媒は、例えばメタノールである。反応生成物は、好ましくはカラムクロマトグラフィーで精製される。反応は-10℃〜40℃の間、好ましくは0℃〜25℃の間に含まれる温度で行われる。反応時間は、一般的に4〜16時間の範囲である。
工程s1-e')は、s1-c)で記載されたようにして行われる。
工程s1-f)は、以下に示されるように、化合物(B)のX4の意味によって、異なる反応を用いて行われる。
X4が臭素または塩素のとき、化合物(B3)はトリフェニルホスフィンと一緒に、四臭化炭素または四塩化炭素のそれぞれと反応させられる。
X4がフッ素のとき、化合物(B3)は、ビス(2-メトキシエチル)アミノサルファートリフルオライド(デオキソ-フルオル試薬)と-80℃〜-20℃の範囲の温度で、好ましくは-80℃〜-60℃、最も好ましくは-80℃〜-70℃の温度で反応させられる。
X4がヨウ素のとき、化合物(B3)は、ジエチルアミノアゾジカルボキシレート(DEAD)、トリフェニルホスフィンおよびヨウ化メチルと反応させられる。
X4が基(OR5)nOR6でn=0のとき、化合物(B3)は、R6Brおよび金属ハライド、好ましくはNaHと反応させられ、nが0と異なるとき、化合物(B3)はBrR5(OR5)n-1OR6と反応させられる。
X4がSHのとき、化合物(B3)はDEAD、トリフェニルホスフィンおよびCH3(O)SHと反応させられる。
工程s1-f')は、s1-c)で記載されたようにして行われる。
工程A-1)で用いられる化合物(D)の合成は、式(A)のX8の意味によって、異なる方法を用いて行われる。
X8=Hのとき、該方法は次の工程を含む(スキーム2を参照):
化合物(D1)の製造、
式(A)においてX7=Hのとき、式(D2)の化合物の製造、式(A)のX7がHと異なるとき、化合物(D3)が製造される、
式(D5)の化合物の製造、
(D2)または(D3)のそれぞれと(D5)との反応によって(D6)の合成、
(D6)の(D7)への変換、
(D)を得るための(D7)の反応。
X8がHと異なり、ハロゲン、OH、SH、アルキル、アルケニル、OCH3から選択されるとき、化合物(D)は、後記の方法(スキーム3)によって、化合物(D5)から出発して製造される。
より詳細にスキーム2が記載される。該方法は、次の工程を順に含む:
s2-a) 式X15-OH(ここで、X15はアルキルまたはシクロアルキルから選択される)のアルコールとブロモアセチルブロマイドとの反応で、化合物(D1)を得る。
式(A)の化合物のX7によって、次の工程が行われる。
− X7=Hのとき、次の工程が順次行われる:
s2-b) (D1)のトリフェニルホスフィンとの反応で化合物(D2)を得る、
s2-c) 式(D4)のアミノアルコールのアミノアルデヒド(D5)への酸化、ここでアミノ基は保護基X17を有する、
s2-d) 化合物(D2)と(D5)との反応で、不飽和アミノエステル(D6)を得る、
s2-e) 化合物(D6)の2重結合C=Cの還元で、化合物(D7)を得る、
s2-f) 強酸を用いることによって、(D7)のアミン基から保護基X17を除去し、次いでカルボキシ基のメチル化反応で、X8=Hの化合物(D)を得る。
− (D)のX7がアルキルまたはアルケニルから選択されるとき、(D1)とトリフェニルホスフィンとの反応で(D2)を得る工程s2-b)を行い、次いで、順に次の工程を行うことにより化合物(D)が得られる:
工程s2-g):(D2)と式X7a-I(ここで、X7aはアルキルまたはアルケニルである)の脂肪族ヨウ化物との反応で、化合物(D3)を得る、
工程s2-c) アミノアルコール(D4)のアミノアルデヒド(D5)への酸化、
工程s2-d) ここで、(D5)を化合物(D3)と反応させて、(D6)を得る、
次いで、工程s2-e)およびs-2f)で、化合物(D)を得る。
スキーム2
Figure 2011037846
Figure 2011037846
より詳細には、工程s2-a)は、式X15-OHのアルコールの不活性溶媒中の溶液に、アミン塩基、次いでブロモアセチルブロマイドを加えることによって行われる。化合物(D1)は、無機強酸の水溶液で酸性化し、次いで有機溶媒で有機相を抽出し、有機相を回収し、飽和食塩水溶液で洗浄し、次いで乾燥することによって、反応混合物から単離される。次いで、溶媒を除去し、化合物(D1)を得る。反応に用いられるアミン塩基は、工程A-1)で用いられるものから選択されることができ、好ましくは、トリエチルアミンが用いられる。式X15-OHのアルコールは、例えば(-)メントールである。
適当な不活性溶媒として、THFが用いられ得る。反応の最後に加えられる無機酸の水溶液として、希HCl溶液が用いられ得る。反応混合物は、例えば酢酸エチルで抽出され得る。抽出された有機相は、NaClの飽和水溶液で洗浄される。溶媒の除去後に得られる粗生成物はフラッシュクロマトグラフィーで精製される。反応温度は-10℃〜40℃、好ましくは0℃〜30℃の範囲である。反応時間は、一般的に1〜5時間の範囲である。
工程s2-b)において、(D1)は、反応の最後に除去される不活性有機溶媒中でトリフェニルホスフィン(PPh3)と反応させられる。得られる固体を有機溶媒に溶解し、次いで、それに無機の強塩基の水溶液を加える。反応の最後に、有機相を回収する。乾燥および溶媒の蒸発後、化合物(D2)が得られる。適当な不活性有機溶媒は、例えばTHFである。反応は、一般的に1〜5時間の間に含まれる時間、溶媒の還流温度で行われる。固体残渣を溶解するのに適した溶媒は、例えばトルエンである。無機の強塩基として、例えばNa(OH)が用いられ得る。化合物は、一般的に30分〜3時間の間に含まれる時間、塩基の存在下で反応させられる。反応温度は、15℃〜35℃の範囲である。
工程s2-c)において、(D4)の保護基X17は、還元条件下で安定なものから選択される。反応は、アミノアルコール化合物(D4)から出発し、それを、アルデヒドの安定性に影響を及ぼさない酸化剤を用いることにより、不活性有機溶媒中でアルデヒド(D5)に酸化することよって行われる。例えば適当な酸化剤は、オキサリルクロライド/ジメチルスルホキシド(DMSO)/トリエチル-アミン混合物、デスマーチンペルヨージナン(DMPER)から選択される。
反応の最後に、反応混合物に塩水溶液を加え、それを不活性有機溶媒で抽出する。得られた有機相を乾燥し、続いて溶媒を除去し、アルデヒド(D5)を得る。工程s2-c)において、好ましくは、反応化合物(D4)は対応する異性体の形態(D4a)で用いられ、(D5)の異性体化合物(D5a)を得る:
Figure 2011037846
化合物(D4)および(D4a)は市場で入手可能であるか、または当業者によく知られた方法により合成され得る。例えば、実施例に示した合成方法を参照されたい。
好ましくは、X17はBOC(Ter-ブトキシカルボニル誘導体)である。好ましくは、酸化剤はデス-マーチンペルヨージナン(DMPER)である。適当な反応溶媒はジクロロメタンである。反応は室温で行われる。反応混合物にNaHCO3が加えられる。反応時間は、一般的に1〜5時間の範囲である。反応の最後に加えられる塩水溶液は、例えばNaHCO3/Na2S2O3の飽和溶液であり得る。最終の抽出に適した溶媒は、ジクロロメタンである。
工程s2-d)において、(D3)または(D2)は、不活性溶媒中で化合物(D5)と反応させられる。反応の最後に、塩水溶液が加えられ、有機相が回収され、塩水溶液で洗浄され、乾燥され、蒸発されて化合物(D6)が得られる。
反応のために適した有機溶媒は、例えばジクロロメタンである。反応温度は、一般的に0℃〜40℃の範囲である。反応時間は、一般的に1〜5時間の範囲である。反応の最後に、好ましくは、NaHSO4水溶液が加えられる。最終の抽出のに適した溶媒は、例えばジクロロメタンである。反応生成物はフラッシュクロマトグラフィーで精製される。
工程s2-e)において、化合物(D6)は不活性有機溶媒に溶解され、2重結合C=Cが還元剤で還元される。最後に、反応混合物は濾過され、有機相が回収され、溶媒が蒸発されて、式(D7)の化合物が得られる。適当な不活性有機溶媒は、例えば酢酸エチルである。還元反応は、好ましくは、水素雰囲気下、Pd/Cを用いることによって行われる。反応時間は、一般的に1〜4時間の間に含まれる。
この工程で得られる化合物(D7)は、ジアステレオ異性体の混合物である。好ましくは、立体異性体の混合物(D7)から、ジアステレオ異性体(D7a)および(D7b)がフラッシュクロマトグラフィーにより分離される。好ましくは、該方法の続く工程に対して、(D7a)が用いられる。フラッシュクロマトグラフィーは、例えばn-ヘキサン/酢酸エチル混液を、例えば4:1 v/v比で用いることによって行われる。
Figure 2011037846
より好ましくは、s2-c)において異性体(D4a)が用いられるとき、フラッシュクロマトグラフィーによって異性体(D7a)から(D7aa)が単離される。
Figure 2011037846
より好ましくは、化合物(D)を得るための方法の続く工程に対して、(D7aa)が用いられる。
工程s2-f)において、保護基X17は、強酸の水溶液中に化合物(D7)またはその対応する異性体を懸濁することによって除去される。酸は濃縮されたものも用いられ得る。反応の最後に、有機溶媒、例えば酢酸エチルが加えられ、水相が回収され、減圧下に濃縮される。残渣を有機溶媒に溶解し、メチル化反応に付す。反応の最後に、溶媒が減圧下に除去され、X8=Hである式(D)の化合物が得られる。
適当な酸は、例えばHCl、例えば6N HClである。適当な有機溶媒は、例えば酢酸エチルである。反応は溶媒の還流温度で行われる。反応時間は1〜14時間の範囲であり得る。保護基の除去後に残渣を溶解するために適した溶媒は、例えばメタノールである。メチル化は、例えば2,2-ジメトキシプロパンおよび濃HCl(37% w/w)を用いて行われ得る。反応は40℃〜70℃の間に含まれる温度で行われる。メチル化反応の時間は、一般的に8〜20時間の間に含まれる。
工程s2-f)において、好ましくは、異性体(Daa1)が反応混合物のフラッシュクロマトグラフィーによって得られ、特に、異性体(Daa2)が好ましくは単離される。
Figure 2011037846
任意に、工程s2-f)の最後に、化合物(D)または対応する異性体がアニオンHで塩化された形態で得られる。
工程s2-g)において、(D2)は不活性有機溶媒、例えばジクロロメタンに溶解され、式X7a-Iの脂肪族ヨウ化物と反応させられる。反応温度は-10℃〜40℃の間に含まれる。一般的に、反応時間は10〜20時間の範囲である。最後に溶媒が蒸発され、残渣が不活性有機溶媒、例えばトルエンに溶解され、それが無機の強塩基、例えばNaOHの水溶液で処理される。次いで有機相が分離され、乾燥され、蒸発されて、化合物(D3)が得られる。
X8がHと異なり、(A)で示された意味を有するとき、化合物(D)の合成は、化合物(D5)を得るために工程s2-s)が行われ、次いで、X8の意味により次の工程を行うことよって化合物(D)が得られる(スキーム3を参照)。
X8=OHであるとき、次の工程が行われる:
s2'-b) 化合物(D5)を式(DX)の化合物と反応させて、化合物(D1')を得る。化合物(DX)において、X7は式(A)で定義されたとおりであり、X19は直鎖状または分枝鎖状のアルキルで任意に置換されていてもよいアルキレンである、
s2'-c) 化合物(D1')を脱アセチル化して、式(D'2)のアミノ酸を得る、
s2'-d) 保護基X17と続くヒドロキシ基のメチル化が行われ、化合物(D)を得る。
X8がハロゲン、SH、OCH3の意味を有するとき、工程s2'-b)が行われ、順次次の工程が行われる:
s2'-e) 化合物(D1')のヒドロキシ基をハロゲン、SH、OCH3基の対応する前駆体と反応させて、化合物(D1'a)を得る、
(D1'a)を用いる以外、工程s2'-c)およびs2'-d)を繰り返す。
X8がアルキル、アルケニルの意味を有するとき、工程s2'-b)の後に、次の工程が順次行われる:
s2'-cA) 化合物(D1')のヒドロキシ基のケトン基への酸化で化合物(D1'')を得る、次いで
s2'-cB) (D1'a)を得る、
次いで、それを上記のように進める。
スキーム3
Figure 2011037846
Figure 2011037846
(D1'a)が(D1')から得られるとき、X8=ハロゲン、SHおよびOCH3であり;
(D1'a)が(D1'')から得られるとき、X8=アルキル、アルケニルである。
工程s2'-b)において、用いられ得る適当な溶媒は、例えば無水THFであり、好ましくはリチウム ジイソプロピルアミド(LDA)の存在下の無水THFである。反応は-80℃〜-20℃の範囲、好ましくは-80℃〜-60℃、より好ましくは-80℃〜-70℃の間の温度で行われる。好ましくは、式(DX)の化合物は次の式(DX')を有する:
Figure 2011037846
工程s2'-e)において、ヒドロキシ基のハロゲン、SHまたは0CH3でのそれぞれの置換は、工程s1-f)で記載されたのと同じ反応条件を用いることによって行われる。
工程s2'-cA)において、適当な酸化剤は、例えばオキサリル クロライド/DMSO/トリエチルアミン混合物、またはピリジニウムクロロクロメートのH2SO4/CrO3混合物である。
工程s2'-cB)において、化合物(D1'')のケトン基は、工程s1-d)で記載された反応を用いることによって、アルキルまたはアルケニルに変換される。
工程s2'-c)において、脱アセチル化は、例えばTHFと水の混合物を用いることによって行われ得る。好ましくは、反応は、任意に過酸化水素の存在下、強塩基、好ましくはLi(OH)を用いることによって行われる。
工程s2'-d)は、化合物(D'2)の基X17-NH-を、例えばHCl水性濃縮溶液を用いるか、またはジクロロメタン中のCF3COOHを用いることによって酸加水分解に付し、次いでメチル化剤、例えばメタノールと濃HCl中の2,2-ジメトキシプロパンによる基-C(O)OHのメチル化により行われる。
化合物(D)は、化合物(D1')または(D1'a)から、濃縮された強酸水溶液、例えば酸としてHClを用い、還流温度で処理し、次いでメチル化剤、例えばメタノールと濃HCl中の2,2-ジメトキシプロパンによるカルボキシ基のメチル化によって得られる。
好ましくは、化合物(D)の合成において、X8がHと異なるとき、化合物(D5)を得るために、化合物(D4)の異性体(D4a)が用いられる(スキーム2の工程s2-c))。工程s2'-c)において、(D'2)の異性体(D'2a)が、好ましくは、フラッシュクロマトグラフィーにより得られ、より好ましくは、(D'2)のさらなる異性体(D'2aa)がフラッシュクロマトグラフィーにより得られる(実施例を参照)。これらの異性体は、好ましくは、化合物(D)を得るために、工程s2'-d)で反応させられる。
Figure 2011037846
述べたように、本発明の方法は、驚くべきことにかつ予測されなかったことに、式(A)の化合物を高収率で得ることを可能にする。
式(A)の化合物、ならびにポリマーおよび/または医薬的に許容されるバイオ分子を含む共役化合物が、本発明のさらなる目的である。好ましくは、共役化合物は、次の式を有する:
Figure 2011037846
(式中、
指数p1、p2、qおよびsは互いに同一または異なって、0または1に等しい整数であり、
Tは式(A)の化合物の1価の基であり、
T1は式(A)の化合物の2価の基であり、
G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cは互いに同一または異なって、ポリマーまたは医薬的に許容されるバイオ分子であり、
L1およびL2は互いに同一または異なって、式(A)の化合物の基Tまたは基T1を、G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cにそれぞれ結合させる結合基である。
αおよびβは0または1に等しい整数であり、但し、α=β=0のとき、p1、p2、qおよびsは0に等しく、αおよび/またはβ=1のとき、基Gi(i=1a、1s、1b、2a、2b、2c)に結合するL1および/またはL2の部分は、p1、p2、sおよびqの値により、1価、2価または3価になり得る。
本発明により用いられ得る結合基は、血漿のような生体液で安定なものであり、かつ医薬的に許容されるものである。好ましくは、該結合基は代謝的に開裂可能である。
互いに同一または異なった好ましい結合基L1、L2として、次のものが挙げられる:任意にS-S結合および/もしくN-N結合、ならびに/または式(DXI)および/もしくは(DXII)(式は以下に示される)の2価の結合基を含んでいてもよい前で定義されたアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、アリレン、ヘテロアリレン、シクロアルキレン、アルキルシクロアルキレン、ヘテロアルキルシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アルキレンアリール、アリールアルキレン、アルキレンアリールアルキレン、ヘテロアリールアルキレン、アルキレンへテロアリール、任意にS-S結合および/もしくはN-N結合、ならびに/または式(DXI)および/もしくは(DXII)の2価の結合基を含んでいてもよいペプチド鎖が挙げられる。
Figure 2011037846
好ましい結合基の例は、以下に示されるもの((XYZ1)〜(XYZ22)の式)である:
Figure 2011037846
Figure 2011037846
Figure 2011037846
Figure 2011037846
Figure 2011037846
(式中、
結合基の式の末端、好ましくは右側に存在する自由原子価は、G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cに結合し、
mxは0〜20、好ましくは0〜6の整数であり、
m1およびm2は互いに同一または異なって、0または1であり、
m3およびm4は互いに同一または異なって、0〜200、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜10の整数であり、
RxyzはHまたはアルキル(ここで、アルキルは好ましくは直鎖状または可能なときは分枝鎖状のC1-C5鎖である)から選択され、
Rzxyはアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、アリレン、ヘテロアリレン、シクロアルキレン、アルキルシクロアルキレン、ヘテロアルキルシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アルールアルキレンまたはヘテロアリールアルキレンから選択される)。
本発明の共役化合物に用いられ得るポリマーおよび医薬的に許容されるバイオ分子は、好ましくは次のものから選択される:
ポリエチレングリコール(PEG)鎖を有する化合物での官能化により任意にペグヒレートされた(pegphilated)、アルブミン、糖タンパク質、リポタンパク質、上皮細胞増殖因子(EGF)、レクチン、トランスフェリンのようなタンパク質、
ホルモン、
例えば、Expert Opin. Drug Deliv. 2009, 6(3) 285-304に報告されたもの、例えばMUC-1、PSMAアプタマー(A9,A10)、A30、AS-1411、CTLA-4-アプタマー、クローン5、TTA1、PDGF-rプタマート(Aptamert)、III.1、ペガプタニブ(PEGAPTANIB)のようなアプタマー、
例えば、キトサン、デキストラン、アミドおよび例えばヒドロキシエチル澱粉(HES)のような誘導体のようなポリサッカライド、
Expert Opin. Drug Deliv. 2009, 6(3) 285-304;News Physiol. Sci., 2001, 16, 191-194;British Journal of Cancer, 2007, 96, 1862-1870に報告されたもののような抗体またはそれらのフラグメント;好ましくは、抗体は、例えば、インテグリンαvβ3およびαvβ5に特に関連して、インテグリンに結合するもののような新生血管マーカーに選択的に結合することができるようなもののような血管新生マーカーに結合する能力がある、
エンドグリン、
血管内皮成長因子(VEFG)、
VEFG受容体、
前立腺癌で発現される抗原(PSMA:前立腺特異的膜抗原、例えばKularatneら, Molecular Pharmaceutics vol. 6, n. 3, 780-789, 2009を参照)、
細胞接着CD44受容体、
フィブロネクチン(FN)のエキストラドミニオン(extradominion)B、
テネイシンC、
より好ましくは、L19-SIPのようなL19として知られているフィブロネクチンのED-Bドミニオンに対する選択的な抗体、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、アレムツズマブ(キャンパス(登録商標))、ゲムツズマブ オゾガマイシン(マイクロターグ(登録商標))、イブリツモマブ チウキセタン(ゼヴァリン(登録商標))、トシツモマブ(ベキサール(登録商標))、ゲフィニチブ(イレッサ(登録商標))、セチキシマブ(アービタックス(登録商標))、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、パニツムマブ(ベクチビックス(登録商標))のようなモノクローナル抗体。
2009年のExpert Opinion Drug Deliveryの上記の文献に記載されたもの、特許出願WO 2006/067,633に記載されたもののようなペプチド鎖またはペプチドは、Gi(ここで、iは1a、1b、1c、2a、2b、2cである)としても用いられ得る。例えば、VEGFペプチド、血管作動性腸管ペプチド(VIP:vasoactive intestinal peptide)、ソマトスタチンペプチド、アスパラギン-グリシン-アルギニン配列(NGR)(NGRモチーフ(motif))またはDAsp(DD)および/もしくはLisoAsp(LisoD)もしくはそれらの混合物を、そしてさらにLAsp(LD)およびDisoAsp(DisoD)を含み得るDGR配列(DGRモチーフ)を含むペプチドの脱アミノ化生成物を含むペプチド。isoAspおよびAspの用語は、それぞれイソアスパラギン酸およびアスパラギン酸である。脱アミノ化ペプチドの中に、例えばフィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲンまたはラミニンのような細胞外マトリックスのタンパク質の脱アミノ化生成物が挙げられ得る。該ペプチドは、GVRY末端基で任意に修飾される。好ましくは、任意に修飾された脱アミノ化生成物は次の配列(Seq)を含む:
XANGRXB(ここで、XAは1以上の次のアミノ酸:L、V、A、C、G、Y、P、H、K、Q、Iを含む基であり、XBは1以上の次のアミノ酸:C、G、H、L、E、T、Q、R、S、P、V、Yである)、
CNGRCVSGCAGRC、NGRAHA、GNGRG、CVLNGRMEC、CNGRC、CNGRCG、LNGRE、YNGRT、
LQCICTGNGRGEWKCE、LQCISTGNGRGEWKCE、CICTGNGRGEWKC、CISTGNGRGEWKC、MRCTCVGNGRGEWTCY、MRCTSVGNGRGEWTCY、CTCVGNGRGEWTC、CTSVGNGRGEWTC、
CNGRCGVRY、
シクロCVLNGRMEC、直鎖CNGRC、シクロCNGRC、直鎖CNGRCG、シクロCNGRCG、
NGRがDGRで置換された上記の配列(Seq)、
NGRがisoDGRで置換された上記の配列(Seq)、
NGRがLisoDGRで置換された上記の配列(Seq)、
NGRがDDGRで置換された上記の配列(Seq)。
式(C1)および(C2)の共役化合物中の医薬的に許容されるバイオ分子として、次のものも用いられ得る:
ビオチン、葉酸(folate)、ビタミンB12、チアミンのようなビタミン、
アビジン、ストレプトアビジン、
ポリエチレングリコール(PEG)、好ましくは200〜100,000 Da、より好ましくは10,000〜50,000の平均分子量を有するもの、
天然ポリマー、
Woo-Dong Jangらによって、In Progress in Polymer Science 4, 2009, 1-23に記載されたもののようなデンドリマー、
カーボンナノチューブ、
シクロデキストリン、例えばα、β、γシクロデキストリン、
例えばアルキル鎖またはポリオキシエチレン基を含む鎖によって修飾されたシクロデキストリン、該鎖は、官能基から作られる結合、例えばアミド、エステル、エーテル、チオエーテル結合によってシクロデキストリンに結合される、
任意にPEG鎖に結合させられたβ-シクロデキストリンポリマーのようなポリマー化されたシクロデキストリン、例えばT. Schluepらによる、Clin. Cancer Res. 15, 2009, 181-189の論文を参照、
ポリオルガノホスファゼン、ポリアンハイドライド、ポリアミド、ポリオルトエステル、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリ乳酸(PLA)およびポリ乳酸/ポリグリコラートポリマー(PLA/PLGA)のようなポリエステル、ポリヒドロキシ酸、ポリラクトン、ポリエスルアミド、ポリアミノ酸、ポリアンハイドライド、ポリカーボネート、ポリホスファジン、ポリホスホエステル、ポリチオエーテルのような合成ポリマー。
以下、Pol-Aの用語は、式(C1)および(C2)の本発明の共役化合物中に含まれる、次のクラスのポリマーおよび医薬的に許容されるバイオ分子:前記のタンパク質、ポリサッカライド、天然ポリマー、ポリマー化されたシクロデキストリンおよび合成ポリマーのそれぞれを言及するのに用いられる。
Pol-Aは、任意にミクロまたはナノ粒子の形態で用いられ得る。
Pol-Aは、任意に改質され得る。Pol-Aの改質は、1つ以上の表面改質剤の物理化学的吸着(例えばファン デル ワールス力)および1つ以上の特定の改質剤を用いてのPol-Aの化学的官能化の両方によって行われ得る。後者の場合、改質剤は、共有結合、例えばグラフト化によってPol-Aに結合される。例えば、E. Garciaら, "Colloidal carriers and blood-brain barrier (BBB) tarnslocation: A way to deliver drugs to the brain", Int. J. of Pharmaceutics 298 (2005), 274-292を参照されたい。
Pol-A改質剤の中に、例えば次のものが挙げられ得る:
トウィーン80のような、ポリオキシエチレンまたはペグヒレートされた鎖を含む化合物、例えば、J. Kreuter, "Nanoparticulate systems for brain delivery of drugs", Advanced Drug Delivery Reviews, 47, 2001, 65-81, M. T. Peracchiaら, "Synthesis of a Novel Poly(MePEG cyanoacrylate- co-alkl cyanoacrylate) amphiphilic copolymer for nanoparticle
technology", Macromolecules, 30, 1997, 846-851を参照されたい、
血漿タンパク質、アポリポタンパク質のようなタンパク質、US 2004/0131692を参照されたい、タンパク質は任意にペグヒレートされ得る、
前記で定義されたもののような抗体、
前記で定義されたもののようなペプチド、
ペプチド化合物、タンパク質、ペプチドと異なる構造を有する合成化合物もしくは天然化合物のような、生理学的障壁に発現された特定の受容体により認識されるペプチド、例えば、L. Costantinoら, "Peptide-derivatized
biodegradable nanoparticles able to cross the blood-brain barrier",
Journal of Controlled Release, 108, 2005, 84-96, B. Stellaら,
"Design of folic acid-conjugated nanoparticles for drug targeting",
J. of Pharmaceutical Sciences 89 11, Nov. 200 1452-1464を参照されたい。
Pol-A改質剤は、例えば、M. T. Peracchiaら, "Synthesis of a Novel Poly(MePEG cyanoacrylate-co-alkl cyanoacrylate) amphiphilic copolymer for nanoparticle technology", Macromolecules, 30, 1997,
846-851に記載されたPoly(MePEGcyanoacrylate-co-alkl cyanoacrylate)粒子のPEG鎖の場合のように、Pol-Aの主鎖に直接結合され得る。
Pol-A改質剤は、結合基によって共有的にPol-Aに結合もされ得る。Pol-Aおよび表面改質剤に結合される結合基は、前のL1およびL2に対して前で挙げられたものと同じである。ポリマーおよび/または医薬的に許容されるバイオ分子G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cは、本発明の共役化合物が、血液脳障壁のような生理学的障壁を容易に通過することを可能にするもの、および/または本発明の共役化合物の血液系での滞留時間を増加するもの、および/または本発明の共役化合物による細胞または腫瘍組織の選択的な標的を改善するものである。
本発明の好ましい共役化合物は、式(C1)の化合物である;より好ましくは、結合基へ結合するT原子価が、化合物(A)から基X6の除去または基X6の1つの水素原子の除去に由来する式(C1)の共役化合物である。さらに好ましくは、p1=p2=0であり、結合基に結合するT原子価が、式(A)の化合物において、基X6または基X6の1つの水素原子のいずれかの除去に由来する式(C1)の共役化合物である。
次の工程を含む、式(C1)または(C2)の共役化合物を得る方法が、本発明のさらなる目的である:
αおよびβが0と異なって、(C1)および(C2)であるとき:
Con-1) 不活性有機溶媒中で、結合基L1および/またはL2の1または2の前駆体と式(A)の化合物とを反応させて、それぞれ、次の式を有する化合物(C1a)および(C2a)を得る:
Figure 2011037846
(式中、G1およびG2は互いに同一または異なって、次の意味を有する:
水素、
OH(G1およびG2が結合する結合基の原子価が酸素原子上にないとき)、
p1、p2、qおよびsは式(C1)および(C2)で定義されたとおりである)
Con-2) ポリマーまたはバイオ分子G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cと式(C1a)または(C2a)の化合物とを反応させて、それぞれ式(C1)または(C2)の共役化合物を得る。
α=β=0のとき、Con-1)はなく、化合物(C1a)または(C2a)の代わりに化合物(A)を用いる以外、Con-2を行う;
指数αまたはβの1つが0に等しいとき、0と異なる指数を有する化合物またはその分子中の基を得るために、Con-1)およびCon-2)を行う、
0に等しい指数を有する化合物またはその分子中の基を得るために、化合物(C1a)または(C2a)に代わりに化合物(A)を用いる以外、Con-2)を行う。
工程Con-1)において、適当な結合基前駆体は、それらの官能基の1つ、例えばOH、SH、COOH、エステル、アミド、アミノと式(A)の化合物の1または2の官能基、例えばOH、SH、アルケニル、OC(O)R7、NR6R7、X6との反応によって、エステル、チオエステル、アミド基等の形成で結合基L1およびL2に変換される化合物である。(A)の反応性官能基がアルケニル置換基の2重結合であるとき、該2重結合は結合基前駆体に存在する2重結合と、例えば転位反応またはディールス アルダー付加環化によって反応し得る。(A)の反応性2重結合が、例えば基C=Oのαの炭素原子上の2重結合のような、共役2重結合であるとき、該2重結合は、例えば結合基前駆体のSHまたはNH基と例えばマイケル反応により反応し得る。
一般的に、結合基前駆体は、分子中に2つの官能基を有する。
反応は、-80℃〜150℃の間、好ましくは-78℃〜80℃の間、さらに好ましくは0℃〜70℃の間に含まれる温度で行われる。適当な不活性有機溶媒として、例えばDMF、THFが用いられ得る。
式(A)の化合物または結合基L1またはL2の前駆体において、反応性基が官能性COOH基であるとき、この反応性基は、それを次の1つの反応性群:アシルクロライド、無水物、混合無水物、イミダゾライド、エステル-アミド付加物、直鎖状または可能なときは分枝鎖状の、直鎖状または分枝鎖状のC1-C4アルキルエステルに変換することによって、前もって活性化される。
結合基L1またはL2の前駆体が、例えば官能化されたポリスチレン樹脂のような、樹脂上での固相合成によって製造されたペプチドあるとき、本発明の方法において、該結合基前駆体は2つの反応性基の1つによって樹脂に付いたままで用いられ得る。該ペプチドの第2の官能基が、式(A)の化合物と反応させられる。反応は、活性剤、例えばO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)および有機塩基、例えばジフェニルエチルアミン(DIPEA)の存在下に行われる。
(C1)または(C2)、化合物(C1a)または(C2a)は、例えばヘキサフルオロプロパノールでの処理によって、化合物T-L1-樹脂または樹脂-L2-T1-L1-樹脂から得られる。
工程Con-2)において、結合基の官能基とポリマーまたはバイオ分子の反応性官能との反応は、工程Con-1)に対して示した同じ条件下で行われる。
ポリマーまたはバイオ分子の反応性官能基は、例えばOH、SH、アルケニル、エステル、アミノ、アミド、アジド、COOHである。
結合基L1およびL2の反応性官能基は、工程Con-1)において前で挙げられたものと同じである。
ポリマーまたはバイオ分子の反応性基がCOOH基であるとき、それは、工程Con-1)で示した基COOHの反応性群の1つに変換することによって、前もって活性化される。
G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cが樹脂上の固相中で合成されたペプチドであるとき、それゆえ、鎖末端基が樹脂に結合しているとき、工程Con-2)は、樹脂に結合していないペプチドの末端基を式(C1a)または(C2a)の化合物と反応させ、式(C1)または(C2)の化合物の前駆体を得ることによって行われる。化合物(C1)または(C2)はヘキサフルオロプロパノールでの処理によって得られる。
代替法は次の工程を含む以下のものである:
Con-3) Con-2)で記載された方法および反応条件により、ポリマーまたはバイオ分子G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cと結合基L1およびL2の前駆体とを反応させて、式(C1b)または(C2b)の化合物を得る:
Figure 2011037846
(式中、G1、G2、G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2c、p1、p2、q、s、L1およびL2は前記で定義されたとおりである)、
Con-4) Con-1)で示した方法および反応条件を用いることによって、式(A)の化合物と式(C1b)および/または(C2b)の化合物とを反応させて、式(C1)または(C2)を有する化合物を得る。
任意に、工程Con-1)、Con-2)、Con-3)、Con-4)のそれぞれで得られた化合物は、例えば分取クロマトグラフィー、または分取HPLC、または液体/液体もしくは固体/液体抽出、または結晶化によって精製され得る。
本発明の式(A)の化合物を少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体と反応させることによって得られる化合物が、本発明のさらなる目的である。これらの化合物は、本発明の式(A)の化合物の同じ使用に用いられ得る。
好ましくは、これらの化合物は、前記の式(C1a)および(C2a)を有する。
本発明のさらなる目的は、本発明の化合物および/または共役化合物、および/または式(A)の化合物を少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体と反応させることによって得られる化合物を含む医薬組成物によって表される。
医薬組成物により、製剤は、本願発明の化合物および/または共役化合物および/または式(A)の化合物を少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体と反応させることによって得られる化合物が、賦形剤、担体、染料、保存剤、芳香剤および医薬の分野でその使用が知られているその他の添加剤と混合されている場合を意味する。
医薬組成物は、経口、皮下、舌下、筋肉内、静脈内、局所、経皮、直腸、眼、鼻腔内の経路によって投与され得る。該医薬組成物は、例えば分散剤、溶液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、粉末、マイクロ粒子、ナノ粒子、リポソーム、カプセル、エアゾール、坐剤、錠剤、シロップ、エリキシル、クリーム、ゲル、軟膏、硬膏を含む。
それらは、製薬技術の公知の方法により得られ、例えば、それらは、エマルジョンおよびマイクロエマルジョンから出発して得ることができ、ここで、本発明の化合物または共役化合物は、水相と一緒に混合され、任意に界面活性剤およびその他の添加剤の存在下、オイル相と混合される。
次の成分を(重量%で)含む、マイクロエマルジョンもしくはエマルジョンから形成されるか、またはマイクロエマルジョンもしくはエマルジョンを含む医薬製剤が、本発明のさらなる目的である:
S) 次のクラス:
− 任意にフッ素原子を含んでいてもよい、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両イオン性の界面活性剤から選択される界面活性剤、
− それらが溶解される液体中で、凝集体、ミセル、液晶、小胞のような組織構造を形成するポリマー(Pol)
から選択される1以上の医薬的に許容される成分を0.01〜95%、
O) 次のクラスの医薬的に許容される化合物:
− 任意に1以上のエチレンタイプの不飽和を含んでいてもよいC4-C32カルボン酸エステル、
− 最終組成物が3〜5の間に含まれるpHを有するときに使用可能な、任意に1以上のエチレンタイプの不飽和を含んでいてもよいC4-C32カルボン酸
から選択される1以上のオイルを0〜95%、
PA) 本発明の式(A)の化合物および/または共役化合物、および/または式(A)の化合物を少なくとも1つの結合基L1またはL2と反応させて得られる化合物を0.001〜90%、
AD) 次のクラス:
− 水および/またはオイルの極性の調節剤、
− 成分S)の膜の曲率の調節剤、
− 共-界面活性剤
から選択される1以上の化合物を0〜60重量%、
WA) 任意に緩衝されていてもよい、水または生理食塩水溶液を0.001〜99.9%、
成分の合計は100%である。
マイクロエマルジョンの形態の本発明の組成物は、澄んで透明であり、好ましくは液体である。
粘度が非常に高いとき、本発明のマイクロエマルジョンは、任意に液晶の形状を呈する、ゲルの形態にある。
成分S)において、フッ素原子を含む界面活性剤は、(パー)フッ素化鎖、例えば(パー)フルオロポリエチレン鎖を有し得る。
成分S)のポリマーが組織構造を形成するために可溶化または溶解される液体は、水および/またはオイルである。使用可能なオイルは、本明細書の以下にさらに挙げられ、天然および合成の両方の起源であり得る。
マイクロエマルジョンにより、系は互いに不混和の2以上の相を形成すること意味し、それは、透明で、等方性であり、少なくとも1つの水相と少なくとも1つのオイル相を含み、ここで、種々の相は、任意に1以上の化合物AD)、例えば共-界面活性剤の存在下、成分S)によって安定化される。例えば、R. K. Mitra, Physicochemical investigations of microemulsification of eucalyptus oil and water using mixed surfactants (AOT+ Brij-35) and butanol, J. Colloid and Interface Science, 283 (2005) 565-577を参照されたい。活性成分が脂溶性で、それゆえ水中または水相中に不溶であるとき、製剤の使用のためのマイクロエマルジョン中のオイル相が、時々、活性成分によってだけで形成される。
エマルジョンにより、それはマイクロエマルジョンの同じ成分から形成されるが、オパール色か乳白色の外観の系を意味し、それはクリームの形態にある。
本発明のマイクロエマルジョンまたは本発明のエマルジョンを製造する方法が以下に記載される。
本発明による好ましいマイクロエマルジョンまたはエマルジョンは、次の成分を有する(重量%で):
− 前記で定義された成分S)を0.01〜90%、
− 成分O)の1以上のオイルを0〜90%、
− 化合物成分PA)を0.001〜50%、
− 成分AD)を0〜30%、
− 成分WA)を0.1〜99.9%、
成分の合計は100%である。
より好ましいマイクロエマルジョンまたはエマルジョンは、次の成分を有する(重量%で):
− 成分S)を0.01〜80%、
− 成分O)の1以上のオイルを0〜70%、
− 化合物成分PA)を0.05〜40%、
− 成分AD)を0〜20%、
− 成分WA)を10〜99.9%、
成分の合計は100%である。
さらに好ましいマイクロエマルジョンまたはエマルジョンは、次の成分を有する(重量%で):
− 成分S)を0.01〜70%、
− 成分O)の1以上のオイルを0〜50%、
− 化合物成分PA)を0.05〜30%、
− 成分AD)を0〜15%、
− 成分WA)を20〜99.9%、
成分の合計は100%である。
好ましくは、マイクロエマルジョン/エマルジョン中のオイルは、0.001%より低くない。
好ましい界面活性剤成分S)は、非イオン性およびアニオン性のものである。非イオン性界面活性剤のうち、最も好ましいのは、ポリオキシアルキレン鎖、好ましくはポリオキシエチレン鎖を含むものである。例えば、次のものが挙げられ得る:
例えば商標クレモホール(Cremophor)(登録商標)EL(BASF)で知られている、ヒマシ油のエトキシル化によって製造される、ポリオキシル35ヒマシ油、
例えば商標クレモホール(登録商標)RH40(BASF)で知られている、水素化されたヒマシ油のエトキシル化によって製造される、ポリオキシル40水素化ヒマシ油、
例えば商標ソルトール(Solutol)(登録商標)HS15(BASF)で知られている、15 molのエチレンオキサイドと1 molの12-ヒドロキシステアリン酸との反応によって製造される、ポリエチレングリコール15ヒドロキシステアレート、
トウィーン(Tween)(登録商標)80、トウィーン(登録商標)20、トウィーン(登録商標)60、トウィーン(登録商標)85のような、ポリオキシエチレンポリソルベート、
例えば、ソルビタンモノラウレートおよびソルビタンモノステアレートのような、例えばそれぞれスパン(Span)(登録商標)20およびスパン(登録商標)60の名前で市販されている、脂肪酸のソルビタンエステル、
ビタミンE/TPGS:トコフェリル プロピレングリコール 1000 スクシネート、
例えば、ブリジ(Brij)(登録商標)35、ブリジ(登録商標)76、ブリジ(登録商標)98のようなブリジ(登録商標)シリーズのもののような、脂肪酸のポリオキシエチレンエーテル、
PEG-12-アシルオキシ-ステアレート、例えばC. E. McMameeら, "Physicochemical Characterization of PEG 1500-12-acyloxy-stearate
micelles and liquid critalline phases", Langmuir, 2005, 21, 8146-8154を参照されたい。これらの中で、例えば、次のものが挙げられ得る:
− PEG 1500 モノ-12-カプリルオイルオキシ ステアレート(PEG 1500-C18C8)
− PEG 1500 モノ-12-カプロイルオキシ ステアレート(PEG 1500-C18C10)
− PEG 1500 モノ-12-ラウロイルオキシ ステアレート(PEG 1500-C18C12)
− PEG 1500 モノ-12-ミリストイルオキシ ステアレート(PEG 1500-C18C14)
− PEG 1500 モノ-12-パルミトイルオキシ ステアレート(PEG 1500-C18C16)。
アニオン性界面活性剤の中で、例えば次のものが挙げられる:例えば商標エピクロン(Epikuron)(登録商標)200で知られている大豆レシチン、ビス-2-エチルヘキシルスルホスクシネート(AOT)、タウロコール酸ナトリウム。
カチオン性界面活性剤の中で、例えば、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム ブロマイド(CTAB)およびジドデシルアンモニウム ブロマイド(DDAB)が挙げられ得る。
成分S)として用いることができる、以下Polとも呼ばれる、ポリマーは、水相および/またはオイル相に溶解性でなければならない。溶解性とは、それが溶解する相中で、凝集体、ミセル、液晶、小胞のような組織構造の形成を可能にする濃度に少なくとも等しい濃度に達しなければならないことを意味する。前記の組織構造の存在は、例えばレーザー光散乱(LLS)、中性子散乱、顕微鏡のような分散された系の物理化学の特定の方法により検出できる。
述べられたように、ポリマー成分S)は、挙げられた界面活性剤との組合せでも用いることができる。この場合にも、用いられる液相に溶解したポリマーの濃度は、前記の組織構造の形成に導くようなものでなければならない。
ポリマー成分S)は、例えば、コリドン(Kollidon)(登録商標)12PFおよびコリドン(登録商標)17PF(BASF)として商標コリドン(登録商標)で市販されている、例えばポリビニルピロリドンおよびビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ならびに、例えばBasfより市販されている、商標プルロニック(Pluronic)(登録商標)またはポロキサマー(Poloxamer)(登録商標)またはルトロール(Lurorol)(登録商標)F68およびルトロール(登録商標)F127のようなルトロール(登録商標)で商業的に入手可能な、PEO-PPO-PEO構造で特徴付けられる、ポリオキシプロピレン鎖とのブロックコポリマーPEOのようなポリオキシアルキレン鎖、より好ましくはポリオキシエチレン鎖(PEO)を含むブロックコポリマーである。
成分O)において、酸エステルは、好ましくは、対応する酸、好ましくは脂肪族カルボン酸と脂肪族鎖、好ましくはC1-C5を有するアルコールもしくはポリオキシエチレン鎖を有するアルコール、またはグリセリンとのエステル化によって得られる。この場合、モノ-、ジ-またはトリグリセライドが得られる。
例えば、次のものが挙げられ得る:
例えば、商標ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)1944 CS(Gattefosse)で市販されている、オレオイル マクロゴール 6 グリセライド(不飽和のポリグリコシル化されたグリセライド)、
例えば、商標ラブラファク(Labrafac)(登録商標)PG(Gattefosse)で知られている、プロピレングリコール カプリレート カプレート、
例えば、商標カプムル(Capmul)(登録商標)PG-8(Abitec)で市販されている、カプリル酸のプロピレングリコールモノエステル、
グリセロール オレエート(例えば、パセオール(Paceol)(登録商標)(Gattefosse))、
中鎖のモノ-およびジグリセライド、例えばカプリン酸およびカプリル酸のグリセライド(例えば、カプムル(登録商標)MCM(Abitec)、イムウィトール(Imwitor)(登録商標)308(Sasol))、
ポリグリセロール オレエート(例えば、プルロ(Pluro)(登録商標)オレイック(Gattefosse))、
カプリン酸/カプリル酸のトリグリセライド(例えば、ミグリオール(Miglyol)(登録商標)812およびミグリオール(登録商標)810(Sasol)、ラブラファック(登録商標)CC CS(Gattefosse))、
エチル ブチレート、エチル カプリレート、エチル オレエート、
例えば、Sasolによる商標ダイナサン(DYNASAN)(登録商標)116で市販されている、トリパルミチン。
上記のエステルを1つ以上含み、医薬的な純度を有する植物油も使用され得る。例えば大豆油が挙げられる。
酸成分O)の中で、脂肪族カルボン酸が好ましく、例えばステアリン酸、ω-3およびω-6酸が挙げられ得る。
成分AD)において、水および/またはオイルの極性の調節剤は、例えばポリエチレングリコールが挙げられ得る。ルトロール(商標)E300およびルトロール(商標)E400(BASF)が挙げられ得る。脂肪族アルコール、例えばエタノールも用いられ得る。
成分AD)において、成分S)の膜の曲率の調節剤は、例えば脂肪族アルコール、好ましくはC2-C5のアルコールである。
成分AD)において、共-界面活性剤は、例えば前で定義された界面活性剤化合物、または脂肪族アルコール、好ましくは少なくとも6炭素原子の鎖を有するアルコールであり得る。例えば、次の化合物が挙げられ得る:例えば商標カプムル(登録商標)PG12(Gattefosse)またはラウログリコール(Lauroglycol)(商標)90(Gattefosse)で知られている、プロピレン グリコール モノラウレート、
例えば、商標ラブラソル(Labrasol)(登録商標)、ゲルシレ(Gelucire)44-14(Gattefosse)で市販されている、カプリロカプロイル マクロゴール 8 グリセリド(飽和のエチルジグリコシル化されたグリセリド)、
例えば、商標トランスカトール(Transcutol)(商標)(Gattefosse)で知られている、ジエチレングリコール モノエチル エーテル。
ミクロエマルジョンの形状を成す組成物は、広い範囲の温度、一般的に0℃〜80℃、好ましくは4℃〜45℃で安定である。
本発明のマイクロエマルジョンは、次の工程を含む方法で製造され得る:
(IP) オイル中で化合物成分PA)を任意に安定化する、
(IIP) 成分PA)または(IP)で得られたオイル中のその溶液に、成分S)を加える、
(IIIP) (IIP)で得られた相に成分AD)を任意に加える、
(IVP) 撹拌下に、(IIP)または任意に(IIIP)で得られた相に、水または生理食塩水溶液を加え、澄んだ溶液を得る。
該方法の工程は、0℃〜80℃の範囲の温度で行われ得る。
上記の工程の遂行の順番を変えること、または例えば次のように行うことによって、澄んだ溶液の形態のマイクロエマルジョンを得ることが可能である:
(IP') オイル中で化合物成分PA)を任意に安定化する、
(IIP') 水または生理食塩水溶液に成分S)を加える、
(IIIP') 水相に成分AD)を任意に加える、
(IVP') 撹拌下、成分PA)または工程(IP')のオイル状溶液と工程(IIP')の水相または任意に工程(IIIP')と混合する。
この方法の温度範囲は、前記の工程で示されたものと同じである。
本発明のエマルジョンは、次の工程を含む方法によって製造され得る:
(IP'') オイル中、任意に成分AD)の存在下、化合物成分PA)を任意に安定化する、
(IIP'') 成分PA)または(IP'')で得られたオイル状溶液を35℃〜80℃、より好ましくは45℃〜70℃の範囲の温度で加熱する、
(IIIP'') 成分S)を、任意に成分AD)を含む水または生理食塩水溶液に加える、
(IVP'') 得れらた水相を35℃〜80℃、より好ましくは45℃〜70℃の範囲の温度で加熱する、
(VP'') 撹拌下、工程(IVP'')で得られた水相に、工程(IIP'')で得られた相を加え、そのようにしてエマルジョンを形成する、
(VIP'') エマルジョンを0℃〜30℃の間に含まれる温度に冷却する。
工程(VP'')は、好ましくは、ターボエマルジョン機(turboemulsifiers)を用いて行われる。
工程(VP'')および(IVP'')で得られるエマルジョンは、任意に高圧でのさらなる均質化工程に付され得る。
エマルジョンは、水または水溶液、または成分O)でマイクロエマルジョンを希釈することによっても得られる。任意に、用いられる水、水溶液および成分O)は成分AD)を含むことができる。
さらなる医薬組成物は、本明細書に参照として組み込まれるUSP 6,028,084に記載された方法によって得られる。
医薬組成物は、特許US 2003/0003145に示された方法および添加剤を用いても製造され得る。これらの製剤において、アルキル硫酸ナトリウム、または製薬の分野で一般的に用いられるその他の界面活性剤が用いられ得る。例えば、本発明の化合物または共役化合物の経口投与に対して使用可能な医薬組成物は(重量%で):
本発明の化合物および/または共役化合物、および/または式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体とを反応させて得られる化合物を0.5〜20%、
界面活性剤、好ましくはアルキル硫酸ナトリウムを0.05〜0.5%、
分離剤、例えばセルロース、カルボキシルメチル セルロース ナトリウムまたはその他のセルロール誘導体を2.5〜10%、
100%までの差は経口の剤形に通常用いられる賦形剤のその他のビヒクルである
を含む。
経口投与に対して使用可能な医薬組成物は、本発明の化合物または共役化合物、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
特に、それらは(重量%で):
式(A)の化合物および/または本発明の共役化合物、および/または式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体とを反応させて得られる化合物を0.1〜20%、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を0.5〜10%、
100%までの差は経口の剤形に通常用いられる賦形剤、その他のビヒクルである
を含む。
カプセルまたは錠剤の形態の経口投与のための特定の医薬製剤は、本発明の化合物または共役化合物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖一水和物、ステアリン酸マグネシウム、微結晶性セルロース、酸化チタンのようなその他の賦形剤を含む。これらの製剤において、HPMCは、カプセル中または錠剤コア中、および/またはコーティングが存在するときは錠剤シェル中に存在し得る。
式(A)の化合物および/または本発明の共役化合物を含むその他の医薬製剤は、医薬的に許容される、前記で定義されたシリカまたは脂質もしくはPol-A化合物のミクロ-および/もしくナノ-粒子を含むことによって形成されるものであり、ここで、シリカ、脂質および/または化合物Pol-Aに対して0.1〜60重量%の間に含まれる濃度で存在する本発明の化合物または共役化合物は、粒子の内部および/または表面に取り込まれる。
化合物Pol-Aは、本発明の共役化合物に関する部分において、前に記載されている。
脂質粒子として、脂肪酸またはそれらのエステルに基づき、40℃より高い、より好ましくは50℃より高い融点を有するものが挙げられ得る。例えば、適当な例は、トリパルミチンおよびラノリンのような脂肪酸のトリグリセライドである。該粒子は、40℃より高い融点を有する脂肪酸または脂肪酸エステルと、植物油、Sasolによって市販されているミグリオール(登録商標)812およびミグリオール(登録商標)810のような中鎖トリグリセライドから選択される室温(20〜25℃)で液状のオイルとの混合物からも形成され得る。
あるいは、これらの粒子は、例えば、植物油、ミグリオール(登録商標)812およびミグリオール(登録商標)810のような中鎖トリグリセリドによって構成される、液体の脂質コア中に貪食される(englobing)大豆レシチンの表面層から形成され得る。ポリマー粒子として、例えば、本発明の共役化合物の記載において前記で挙げられたポリマーから形成されるものが挙げられ得る。
シリカ粒子は、好ましくは、親水性シリカから形成される。それらは、任意に、エマルジョンおよびマイクロエマルジョンに対して記載された1以上の化合物成分O)、および/または前記の脂質粒子の製造に用いられる脂質を含む。例えば、Simovicらによって, Mol. Pharmaceutics, 6, 2009, 861-872に記載されたリポセラミック(LipoCeramic)(商標)の粒子が用いられ得る。
式(A)の化合物または本発明の共役化合物を含む粒子は、例えば、血液悩障壁のような生理学的障壁の通過を容易にするように、および/または式(A)の化合物または本発明の共役化合物の血液循環系においての滞留時間を増加するように、および/または腫瘍細胞もしくは組織を選択的に標的とするように、任意に表面改質され得る。
該粒子の表面改質は、1以上の表面改質剤の物理化学的吸着および1以上の特定の改質剤でのポリマーの化学的官能化の両方によって行われ得る。後者の場合、改質剤は粒子に共有結合で結合される。粒子の改質に対して、本発明の共役化合物のポリマーPol-A成分の改質において前で述べられたことが参照される。
改質剤の中で、例えば、本発明の共役化合物もとで前に記載された、ポリマーPol-Aの改質に対して前で示されたものが挙げられ得る。
本発明の医薬製剤は、ヒアルロン酸および/またはα、βもしくはγシクロデキストリンまたは例えばアルキル鎖および/またはPEGを含む、修飾されたシクロデキストリンのようなシクロデキストリンを含み得る。
本発明の医薬組成物は、任意に、酸化鉄のような磁性化合物を含み得る。
式(A)の化合物、本発明の共役化合物および式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体とを反応させて得ることができる化合物、ならびにそれらの医薬組成物は、腫瘍細胞株に対して高い細胞毒性を示す。
医薬として使用するための、式(A)の化合物および/または本発明の共役化合物および/または式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体とを反応させて得ることができる化合物、および/またはそれらの医薬組成物が、本発明のさらなる目的である。
本発明は、哺乳類およびヒトにおける腫瘍疾患および/または血管新生に関連する疾患の治療用医薬を製造するための、式(A)の化合物および/または本発明の共役化合物および/または式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体とを反応させて得ることができる化合物、および/またはそれらの医薬組成物の使用にも関する。
本発明の化合物は、チューブリン結合剤として用いられ、チューブリン重合を阻害し得る。これは、エポチロンおよびタキソールのような慣用の抗癌剤とは正反対である。
式(A)の化合物および/または本発明の共役化合物および/または式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体とを反応させて得ることができる化合物、および/または関連する医薬組成物の使用は、該病状の治療に採用される公知方法を用いることによって実行され得る。
任意に、治療は、その他の薬剤またはその他の治療、特に、その他の薬剤または腫瘍治療、例えば放射線治療と共に行われ得る。本発明のものと組み合わせて用いることができる抗腫瘍薬剤の例は、次に記載されるクラスに属するものである:
アルキル化剤、例えばナイトロジェンマスタード(例えば、シクロホスホアミド、クロロラムブシル(Chlorambucil)、メルファラン(Melphalan)、クロルメチン(Chlormethine)、イホスホアミド(Iphosphamide)、トロホスホアミド(Trophosphamide)、プレドニムスチン(Prednimustine))、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン(Busulfan)、トレオスルファン(Treosulfan)、マンノスルファン(Mannosulfan))、エチレンイミン(例えば、チオテパ(Thiotepa)、トリアジキノン(Triaziquinone)、カルボクオン(Carboquone))、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(Carmustine)、ロムスチン(Lomustine)、セムスチン(Semustine)、ストレプトゾシン(Streptozocin)、フォテムスチン(Fotemustine)、ニムスチン(Nimustine)、ラニムスチン(Ranimusutine))、エポキシド(例えば、エトグルシド(Etoglucid))、ミトブロニトール(Mitobronitol)、ピポブロマン(Pipobroman)、
代謝拮抗剤、例えば葉酸の類似化合物(例えば、メトトレキセート(Methotrexate)、パルチトレキシド(Paltitrexid)、ラルチトレキセド(Raltitrexed))、プリンの類似化合物(例えば、メルカプトプリン(Mercaptopurine)、チオグアニン(Thioguanine)、クラドリビン(Cladribine)、フルダラビン(Fludarabine))、ピリミジンの類似化合物(シトラビン(Cytrabine)、フルオロウラシル(Fluorouracil)、テガフール(Tegafur)、カルモフール(Carmofur)、ゲムシタビン(Gemcitabine))、
天然アルカロイドおよびその他の天然化合物、例えばビンカのアルカロイド(例えば、ビンブラスチン(Vinblastine)、ビンクリスチン(Vincristine)、ビンデシン(Vindesine)、ビノレルビン(Vinorelbine)およびそれらの混合物)、ポドフィロトキシン(Podophyllotoxin)の誘導体(例えば、エトポシド(Etoposide)およびテニポシド(Teniposide))、コルシシネス(Colchicines)の誘導体(例えば、デモコルシン(Democolcine))、タキサニ(Taxani)(例えば、パクリタキセル(Paclitaxel)およびデセタキセル(Docetaxel))、
細胞毒性抗生物質および相関物質、例えば、アクチノマイシン(Actinomycines)(例えばダクチノマイシン(Dactinomycin))、アントラサイクリン(Anthracyclines)および関連物質(例えば、ドキソルビシン(Doxorubicin)、ダウノルビシン(Daunorubicin)、エピルブシン(Epirubicin)、アクラルビシン(Aclarubicin)、ゾルビシン(Zorubicin)、イドラウビシン(Idraubicin)、ミトキサントロン(Mitoxantrone)、ピラウビシン(Piraubicin))、ブレオマイシン(Bleomycin)、プリカイシン(Plicaycin)、ミトマイシン(Mitomycin)、
カンプトテシン(例えば、イリノテカン(Irinotecan)およびトポテカン(Topotecan))のようなトポイソメラーゼ阻害剤、タイプIIのトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、アムサクリン(Amsacrine)、エトポシド(Etoposide) ホスフェート(Phosphate)およびポドフィリウム ペルタチュウムのその他の天然アルカロイド誘導体)、
シスプラチン(Cisplatin)、カルボプラチン(Carboplatin)、プロクルバジン(Procrbazine)、アスパルギナーゼ(Asparginase)、アルトレタミン(Altretamine)、ヒドロキシカルバミド(Hydroxycarbamide)、ロニダミン(Lonidamine)、ペントスタチン(Pentostatin)、ミルテフォシン(Miltefosine)、マソプロコール(Masoprocol)、エストラムスチン(Estramustine)、ダカルバジン(Dacarbazine)、トレチノイン(Tretinoin)、ポルフィメル ナトリウム(Porfimer sodium)、ミトグアゾン(Mitoguazone)、チアゾフリン(Tiazofurine)、タモキシフェン(Tamoxifen)のようなその他の抗腫瘍剤。
特に、式(A)の化合物および/または本発明の共役化合物および/または式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体との反応によって得ることができる化合物の投与は、特定の治療のために十分に有効な量で行われなければならない。同様に、投与量、投与経路および薬量学は、疾患のレベル、病状の重篤度、体の状態および患者の特徴(例えば、年齢、体重、活性成分への応答)、特定の治療のために選択される、本発明の化合物または共役化合物の薬物動態や毒物学によって決定されるであろう。
好ましい1日の投与量は、治療される哺乳類の体重Kg当たり、式(A)の化合物または本発明の共役化合物または式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体との反応によって得ることができる化合物の0.01〜1,000 mgである。ヒトにおいて、好ましい1日の投与量の範囲は、体重Kg当たり、0.01〜1,000 mg、より好ましくは1〜800 mgである。
次の実施例は、本発明のよりよい理解のために示され、本発明の範囲の限定を意味しない。
実施例
実施例1.1
(2S,3R)-2-アジド-N-ベンジル-3-メチルペタンアミドの合成
Figure 2011037846
0℃の温度に維持した、ジクロロメタン(20 ml)のベンジルアミン(19.0 mmol, 2.0 ml)の溶液に、ジフェニルエチルアミン(15.9 mmol, 2.7 ml)および(J. Am. Chem. Soc., 128, 2006, 16018-16019に記載された方法によって製造された)式(DD)
Figure 2011037846
の酸のアシルクロライド(6.35 mmol)を加える。反応混合物を30分間撹拌する。最後に、飽和NH4Cl水溶液(30 ml)を加え、有機相をジクロロメタン(3×10 ml)で抽出する。抽出物をNa2SO4で乾燥し、混合物を濾過し、溶媒を減圧下に蒸発する。(2S,3R)-2-アジド-N-ベンジル-3-メチルペタンアミドの1.26 g(収率80%)を回収する。
Rf=0.36 (n-ヘキサン/酢酸エチル 8/2 体積/体積);
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例1.2
エチル 2-(3-((2S,3R)-2-アジド-N-ベンジル-3-メチルペンタンアミド)-4-メチルペンタノイル)チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Figure 2011037846
-78℃に保った、無水THF(40 ml)中の実施例1.1で得られた化合物(4.9 mmol)の溶液に、トルエン中のKHMDS 0.5 N溶液(4.9 mmol, 9,8 ml)を加える。反応混合物を15分間撹拌する。次いで、次の式(DD1)のエノン化合物の無水THFの溶液(THFの10 ml中3.3 mmol)を加える。
Figure 2011037846
化合物(DD1)は、Angew. Chem. Int. Ed., 46, 2007, 3526-3529に記載されたようにして製造された。反応混合物を-78℃で1時間撹拌する。次いで、飽和NH4Cl水溶液(100 ml)を加え、有機相を酢酸エチル(3×30 ml)で抽出する。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、混合物を濾過し、溶媒を減圧下に蒸発する。粗生成物を、n-ヘキサン/酢酸エチル 85/15 体積/体積でのフラッシュクロマトグラフィーで精製する。エチル 2-(3-((2S,3R)-2-アジド-N-ベンジル-3-メチルペンタンアミド)-4-メチルペンタノイル)チアゾール-4-カルボキシレートの999 mg(収率60%)を回収する。
Rf=0.39 (n-ヘキサン/酢酸エチル 8/2 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例1.3
エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-ベンジル-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Figure 2011037846
無水THF(10 ml)中のキラル触媒(S)-CBS(0.38 mmol, 105 mg)の溶液に、BH3・Me2Sの10 M溶液(2.3 mmol, 230 μl)を加える。温度を0℃に下げた後、無水THF(5 ml)中の実施例1.2で得られた化合物(1.9 mmol)の溶液を加える。反応混合物を0℃で1時間、次いで室温で4時間撹拌する。最後に、メタノール(1 ml)を加え、溶媒を減圧下に蒸発し、粗生成物を、n-ヘキサン/酢酸エチル 75/25 体積/体積でのフラッシュクロマトグラフィーで精製する。エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-ベンジル-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレートの569 mg(収率60%)を回収する。
Rf=0.42 (n-ヘキサン/酢酸エチル 7/3 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例1.4
2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-ベンジル-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボン酸の合成
Figure 2011037846
実施例1.3で得られた化合物(1.09 mmol)をTHF/水 4/1 体積/体積(10 ml)混液中に分散する。次いでLi(OH)(1.64 mmol)を加える。反応混合物を12時間撹拌する。次いで、水(5 ml)を加え、有機相を酢酸エチル(1×10 ml)で抽出する。水相を回収し、HCl 1N溶液で2のpHに酸性化する。次いで、水相を酢酸エチル(3×10 ml)で抽出し、有機抽出物を溜め、Na2SO4で乾燥する。次いで濾過によりNa2SO4を除去し、溶媒を減圧下に蒸発し、2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-ベンジル-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボン酸の338 mg(収率60%)を回収する。
Rf=0.42 (ジクロロメタン/MeOH 9/1 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例1.5
ブロモ酢酸 2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシルエステルの合成
Figure 2011037846
撹拌下に、無水THF(5 ml)中の(-)メントール(2.75 mmol)の溶液に、Et3N(2.75 ml)を加える。溶液温度を0℃に下げ、ブロモ-アセチルブロマイド(2.5 mmol)を加える。次いで、溶液温度を室温まで上げ、反応混合物を2時間撹拌する。HCl 1N水溶液(2 ml)を加え、有機相を酢酸エチル(3×5 ml)で抽出する。溜めた有機相を飽和NaCl水溶液(1×15 ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過する。溶媒を減圧下に蒸発し、粗生成物を、n-ヘキサン/酢酸エチル 97/3 体積/体積でのフラッシュクロマトグラフィーで精製する。ブロモ酢酸の2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシルエステルの388 mg(収率51%)を回収する。
Figure 2011037846
実施例1.6
(トリフェニル-λ5-ホスファニリデン)-酢酸 2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシルエステルの合成
Figure 2011037846
無水THF(3 ml)中の実施例1.5で製造された化合物(0.36 mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン PPh3(0.37 mmol)を加える。反応混合物を還流で2時間加熱する。溶媒を減圧下に蒸発し、得られた固体をヘキサン(10 ml)で洗浄し、濾別する。次いで、固体をトルエン(3.5 ml)に溶解し、Na(OH)の0.38 N水溶液(1.26 mmol, 3.3 ml)を加える。反応混合物を1時間撹拌する。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過する。溶媒を減圧下に蒸発する。(トリフェニル-λ5-ホスファニリデン)-酢酸 2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシルエステルの185 mgを回収する。収率は定量的である。
Mass (ESI) m/z: 459.2 (M++H+)、スペクトルはTetrahedron, 1992, 6929-6952に示されたものと一致する。
実施例1.7
2-(トリフェニル-λ5-ホスファニリデン)-プロピオン酸 2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシルエステルの合成
Figure 2011037846
実施例1.6で得られた化合物の0.36 mmolを、撹拌下にジクロロメタンの2 ml中に溶解する。次いで、溶液を0℃に冷却し、ヨウ化メチル(0.54 mmol)を加える。次いで、反応混合物の温度を室温まで上げ、撹拌をさらに12時間続ける。溶媒を減圧下に蒸発し、粗生成物をトルエン(5 ml)に溶解する。0.38 N Na(OH)水溶液(1.26 mmol)を加え、撹拌をさらに2時間続ける。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過する。溶媒を減圧下に蒸発する。2-(トリフェニル-λ5-ホスファニリデン)-プロピオン酸の2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシルエステルの160 mg(収率94%)を回収する。
Figure 2011037846
実施例1.8
ジ(S)terブチル-1-オキソ-3-フェニル プロパン-2-イル-カルバメートの合成
Figure 2011037846
ジクロロメタン(6 ml)中のBoc-フェニルアラニノール(0.6 mmol)の溶液に、NaHCO3(12.0 mmol)およびデス-マーチンペルヨージナン(0.9 mmol)を加える。反応混合物を2時間撹拌する。Et2O(10 ml)を加え、撹拌を15分間続ける。反応混合物を飽和NaHCO3/Na2S2O3の水溶液(20 ml)に注ぐ。ジクロロメタン(20 ml)を加え、有機相を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過する。溶媒を減圧下に蒸発する。(S)terブチル-1-オキソ-3-フェニル プロパン-2-イル-カルバメートの163 mg(収率98%)を回収する。
Figure 2011037846
実施例1.9
(S,E)-((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル) 4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-5-フェニルペンテ-2-エノエートの合成
Figure 2011037846
0℃に冷却した、実施例1.7で得られた化合物のジクロロメタン中の溶液(5 ml中0.48 mmol)に、実施例1.8で得られたアルデヒドの0.32 mmolを加える。次いで、有機溶液の温度を室温まで上げ、撹拌をさらに2時間続ける。1N NaHSO4の水溶液(10 ml)を加え、有機相を分離し、水溶液をジクロロメタン(2×10 ml)でさらに抽出する。溜めた有機相をNaCl飽和水溶液(1×10 ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過する。溶媒を減圧下に蒸発し、粗生成物を、n-ヘキサン/酢酸エチル 85/15 体積/体積でのフラッシュクロマトグラフィーで精製する。(S,E)-((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル) 4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-5-フェニルペンテ-2-エノエートの150 mgを回収する。収率は定量的である。
Rf=0.47 (n-ヘキサン/酢酸エチル 97/3 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例1.10
(2S,4R)-((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル) 4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
酢酸エチル(6 ml)中の実施例1.9で得られた化合物(0.32 mmol)の溶液に、触媒量のPd/Cを加える。反応混合物を、水素雰囲気下、撹拌下に2時間保つ。最後に、有機溶液をセライトで濾過し、溶媒を減圧下に蒸発する。化合物(DD2)を得る。それは、2つのジアステレオ異性体(DD2A)および(DD2B):
Figure 2011037846
の混合物を形成する。
2つのジアステレオ異性体は(DD2A)および(DD2B)は、n-ヘキサン/酢酸エチル 8/2 体積/体積でのフラッシュクロマトグラフィーで分離される。化合物(DD2A)の89 mgおよび化合物(DD2B)の37 mg(収率88%)を回収する。
Figure 2011037846
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例1.11
(2S,4R)-メチル 4-アミノ-2-メチル-5-フェニル-ペンタノエート塩酸塩の合成
Figure 2011037846
実施例1.10で得られた化合物(DD2A)の2.28 mmolをHCl 6N水溶液(25 ml)中に分散し、該分散液を還流で1時間加熱する。室温に冷却後、酢酸エチル(30 ml)を加え、水相を分離し、減圧下に濃縮する。固体残渣をメタノール(10 ml)中に溶解する。2,2-ジメトキシプロパン(4.56 mmol)および濃HCl(37%, 0.024 mmol, 2μl)を加え、反応混合物を50℃で12時間加熱する。(2S,4R)-メチル 4-アミノ-2-メチル-5-フェニル-ペンタノエートの塩酸塩の580 mg(99%)を回収する。
Rf=0.3 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例1.12
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-ベンジル-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニル ペンタノエートの合成
Figure 2011037846
DMF(5 ml)中の実施例1.11(0.65 mmol)で得られた化合物の溶液に、HOAt(0.715 mmol)、HATU(0.715 mmol)、トリエチルアミン(1.36 mmol)および実施例1.4で得られた化合物(0.65 mmol)を順に加える。反応体を2時間撹拌する。水(10 ml)を加え、有機相を酢酸エチル(3×10 ml)で抽出する。次いで、抽出され、溜められた有機相を、HCl 1N水溶液(1×10 ml)、NaHCO3飽和水溶液(1×10 ml)およびNaCl飽和水溶液(1×10 ml)で順に洗浄する。有機相を分離し、Na2SO4で乾燥する。次いで、Na2SO4を濾過によって除去し、溶媒を減圧下に蒸発する。(2S,4R)-メチル-4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-ベンジル-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニル ペンタノエートの326 mg(収率74%)を回収する。
Rf=0.44 (n-ヘキサン/酢酸エチル 1/1 体積/体積);
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例1.13
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-N-ベンジル-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニル ペンタノエートの合成
Figure 2011037846
実施例1.12で得られた化合物の0.44 mmolをメタノール(10 ml)中に溶解し、その溶液に触媒量のPd/C 10%を加える。反応体を水素雰囲気下で12時間撹拌する。最後に、懸濁液をセライトで濾過し、溶媒を減圧下に蒸発する。撹拌下に、得られた生成物の0.46 mmolを、HOAt(0.73 mmol)、HATU(0.73 mmol)およびトリエチルアミン(0.73 mmol)を含む、ジクロロメタン(10 ml)中のN-メチル ピペコリン酸(0.69 mmol)の懸濁液に加える。反応体を4時間撹拌する。水(10 ml)を加え、有機相をジクロロメタン(3×10 ml)で抽出する。有機抽出物を分離し、溜めて、硫酸ナトリウムで乾燥する。濾過後、溶媒を減圧下に蒸発する。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積でのフラッシュクロマトグラフィーで精製する。(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-N-ベンジル-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニル ペンタノエートの270 mg(2工程での全集率:79%)を回収する。
Rf=0.30 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例1.14
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-N-ベンジル-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の2,2,2-トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2011037846
実施例1.13で得られた化合物の0.26 mmolをTHF(5 ml)中に溶解する。得られた溶液に、1N Li(OH)水溶液(0.773 mmol)を加える。溶液を48時間撹拌する。水(2 ml)および次いでトリフルオロ酢酸を2のpHを与える量で加える。有機相を酢酸エチル(3×5 ml)で抽出し、溜めた有機抽出物をNa2SO4で乾燥する。濾過後、溶媒を減圧下に蒸発する。(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-N-ベンジル-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の2,2,2-トリフルオロ酢酸塩の250 mg(収率90%)を回収する。
Rf=0.15 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例1.15
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3R)-N-ベンジル-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の合成
Figure 2011037846
ピリジン(4 ml)中の実施例1.14で得られた化合物(0.27 mmol)の溶液に、無水酢酸(2 ml)を加える。反応混合物を12時間撹拌する。溶媒を減圧下に蒸発し、粗生成物を、ジクロロメタン/メタノール 98/2 体積/体積での最初の実施、およびジクロロメタン/メタノール 9:1 体積/体積での2番目の実施でのフラッシュクロマトグラフィーで精製する。(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3R)-N-ベンジル-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の159 mg(収率74%)を回収する。
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例2.1
Boc-4-フェニル-フェニルアラニノール
Figure 2011037846
THF(4 ml)中の市販品のBoc-4-フェニル-フェニルアラニン(0.43 mmol)の溶液に、撹拌下にEt3N(0.51 mmol)を加える。温度を0℃に下げ、EtO2Cl(0.51 mmol)を加える。反応混合物を30分間撹拌し、次いでセライトで濾過する。0℃に冷却した、H2O(1 ml)中のNaBH4(0.64 mmol)の溶液に濾液を加える。温度を室温まで上げ、反応混合物を撹拌下にさらに10分間保つ。最後に、1N HCl水溶液(1 ml)を加え、有機相を酢酸エチル(3×5 ml)で抽出する。溶媒を減圧下に蒸発し、粗生成物を、n-ヘキサン/酢酸エチル 6/4 体積/体積でのフラッシュクロマトグラフィーで精製する。Boc-4-フェニル-フェニルアラニノールの123 mg(87%)を回収する。
Rf=0.23 (n-ヘキサン/酢酸エチル 6/4 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例2.2
式(A)の化合物の合成
実施例1.8での化合物 Boc-フェニルアラニノールの代わりに、実施例2.1で得られた化合物を用いる以外、1.1〜1.15の実施例を繰り返した。
合成の最後に、化合物(DD3):
Figure 2011037846
を単離した。
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例3
実施例1.8での化合物 Boc-フェニルアラニノールの代わりに、化合物 Boc-4-フルオロ-フェニルアラニンを用いる以外、1.1〜1.15の実施例を繰り返した。
該方法の最後に、化合物(DD4):
Figure 2011037846
を単離した。
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例4
実施例1.8での化合物 Boc-フェニルアラニノールの代わりに、化合物 Boc-4-メトキシ-フェニルアラニンを用いる以外、1.1〜1.15の実施例を繰り返した。
該方法の最後に、化合物(DD5):
Figure 2011037846
を単離した。
Figure 2011037846
実施例5
実施例1.8での化合物 Boc-フェニルアラニノールの代わりに、化合物 Boc-4-トリフルオロメチル-フェニルアラニンを用いる以外、1.1〜1.15の実施例を繰り返した。
該方法の最後に、化合物(DD6):
Figure 2011037846
を単離した。
Figure 2011037846
実施例6.1
(2S,3R)2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ペンタンアミドの合成
Figure 2011037846
ベンジルアミンの代わりに、式NH2CH2CH2OCH3のアミンを用いる以外、実施例1.1を繰り返した。合成の最後に、化合物 (2S,3R)2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ペンタンアミドを単離した(収率74%)。
Rf=0.27 (n-ヘキサン/酢酸エチル 7/3 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例6.2
エチル 2-(3-((2S,3R)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド-4-メチルペンタノイル)チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Figure 2011037846
実施例1.1で得られた化合物の代わりに、実施例6.1で得られた化合物を用いる以外、実施例1.2を繰り返した。エチル 2-(3-((2S,3R)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド-4-メチルペンタノイル)チアゾール-4-カルボキシレートを単離した(収率41%)。
Rf=0.45 (n-ヘキサン/酢酸エチル 7/3 体積/体積);
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例6.3
エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Figure 2011037846
実施例1.2で得られた化合物の代わりに、実施例6.2で得られた化合物を用いる以外、実施例1.3を繰り返した。エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレートを単離した(収率77%)。
Rf=0.42 (n-ヘキサン/酢酸エチル 7/3 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例6.4
2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボン酸の合成
Figure 2011037846
実施例1.3で得られた化合物の代わりに、実施例6.3で得られた化合物を用いる以外、実施例1.4を繰り返した。2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボン酸を単離した(75%)。
Rf=0.35 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例6.5
(2S,4R)-メチル-4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
Figure 2011037846
実施例1.4で得られた化合物の代わりに、実施例6.4で得られた化合物を用いる以外、実施例1.12を繰り返した。(2S,4R)-メチル-4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートを単離した(収率72%)。
Rf=0.31 (n-ヘキサン/酢酸エチル 1:1 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例6.6
(2S,4R)-メチル-4-(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-3-((2S,3R)-N-(2-メトキシエチル)-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
Figure 2011037846
実施例1.12で得られた化合物の代わりに、実施例6.5で得られた化合物を用いる以外、実施例1.13を繰り返した。(2S,4R)-メチル-4-(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-3-((2S,3R)-N-(2-メトキシエチル)-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートを単離した(収率77%)。
Rf=0.32 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例6.7
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-3-((2S,3R)-N-(2-メトキシ-エチル)-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタン-アミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸のトリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2011037846
実施例1.13で得られた化合物の代わりに、実施例6.6で得られた化合物を用いる以外、実施例1.14を繰り返した。
収率 87%;Rf=0.17 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例6.8
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3R)-N-(2-メトキシエチル)-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の合成
Figure 2011037846
実施例1.14で得られた化合物の代わりに、実施例6.7で得られた化合物を用いる以外、実施例1.15を繰り返した。
収率 78%;Rf=0.28 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例7
共役化合物 (化合物実施例1.15)-(Ala-Leu-Ala-Leu-βAla-βAla-Cys-Asn-Gly-Arg-Cys-Gly-Val-Arg-TyrCOOH)の合成
7a:樹脂上のバイオ分子 NH2βAla-βAla-Cys-Asn-Gly-Arg-Cys-Gly-Val-Arg-TyrCOO-樹脂の合成
樹脂上でのペプチド合成を、結合基 Cl-トリチル-クロライドで官能化され、あらかじめ300マイクロ等量のチロシンが組み込まれた、樹脂1g当たり0.5 meqの活性部位を有するポリスチレン樹脂を用いることにより、自動装置(Abi-433 Applied Biosystems)を用いて行なった。合成は300マイクロモルのペプチドを得るように行なわれた。
合成はFastMocタイプ(Fmoc-tBu)であり、Udenfriend SおよびMeienhofer J (des) The Peptides, vol. 9: 1-39, Academic Press, San Diego, CAのAtherton EおよびSheppard R.C. (1987)にしたがって、およびInt. J. Peptide Protein Res., 35: 161-214のFields G.B. e Noble R.L. (1990)によって行なわれた。活性剤として、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)が用いられた。採用されたその他の反応条件は:
「カップリング」×4のために過剰の反応剤;
アミノ酸/活性剤/DIPEAのモル比 1/1/2;
DeFmoc反応剤:ジメチルホルムアミド(DMF)中のピペリジン 20%
であった。
7b:樹脂上のペプチド(結合基) NH2-Ala-Leu-Ala-Leu-COO-樹脂の合成
樹脂上でのペプチド合成を、Cl-トリチル-クロライド 結合基で官能化され、あらかじめロイシンが組み込まれた、樹脂1g当たり0.5 meqの活性部位を有するポリスチレン樹脂を用いることにより、自動装置(Abi-433)を用いて行なった。合成は300マイクロモルのペプチドを得るように行なわれた。
合成はFastMocタイプ(Fmoc-tBu)であり、実施例7aで採用された同じ条件下で行なわれた。
7c:共役化合物 T-L1 (化合物実施例1.15)-(Ala-Leu-Ala-Leu-COOH)の合成
実施例1.15で得られた化合物(35 mg, 0.043 mmol)のDMF(200μl)の溶液に、TBTU(14 mg, 0.043 mmol)およびDIPEA(15μl)を加える。得られた溶液を、DMF(200μl)中に懸濁させた実施例7bで得られた化合物 NH2-Ala-Leu-Ala-Leu-COO-樹脂(43 mg, 0.0215 mmol)に加える。撹拌を18時間続けた。
次いで、ヘキサフルオロプロパノールを加えることにより、共役化合物を樹脂から取り外し、TBME(tert-ブチルメチルエーテル)中に沈殿し、遠心分離によって固体を回収し、TBMEで10回洗浄した。
7d:共役化合物 T-L1-G1c (化合物実施例1.15)-(Ala-Leu-Ala-Leu-βAla-βAla-Cys-Asn-Gly-Arg-Cys-Gly-Val-Arg-TyrCOOH)の合成
実施例7cで得られた、共役化合物 (化合物実施例1.15)-(Ala-Leu-Ala-Leu-COOH)(0.0215 mmol)のDMF(200μl)中の溶液に、TBTU(7 mg)およびDIPEA(7.5μl)を加える。得られた溶液を、実施例7aで得られた化合物 NH2βAla-βAla-Cys-Asn-Gly-Arg-Cys-Gly-Val-Arg-TyrCOO-樹脂(25 mg, 0.0107 mmol)のDMF(200μl)中の懸濁液に加え、18時間撹拌する。
次いで、ペプチドを樹脂から取り外し、フェノール(捕捉剤)の添加されたトリフルオロ酢酸の混合物を用いることにより、側鎖で脱保護した。取り外しは、フェノールの代わりに、水、チオアニソールまたはエタンジチオール、トリイソプロピルシランのようなその他の捕捉剤を用いても行なわれた。次いで、ペプチドをtert-ブチルメチルエーテル中に沈殿し、遠心分離により固体を回収し、TBMEで10回洗浄した。
次いで、生成物を、次の条件下、逆相セミ分取HPLC(RP-HPLC)で精製した:
セミ分取カラムPhenomenex, Jupiter 10ミクロン Proteo 90 A モデル, 20×250 mm サイズ;溶離液A:97%水、3%アセトニトリル+1/1000トリフルオロ酢酸;溶離液B:30%水、70%アセトニトリル+1/1000トリフルオロ酢酸;カラムは、50分間でのAの80体積%での初期混液〜Aの20体積%を含む最終混液の直線溶出勾配による2つの溶媒の混液で溶出された。
酸化的折り畳み(oxidative folding)(S-Sの架橋形成)は、次の条件下で行なわれた:ペプチド溶液:緩衝液TRIS 20 mM pH 7.5中0.2 mM、酸化剤:H2O2, 反応化学量論:ペプチド1μM当たり2μMのH2O2。「酸化的折り畳み」は、用いられた直線溶出勾配が14分間でのAの80体積%(初期)〜Aの20体積%(最終)であった以外は、前記と同じクロマトグラフィーの条件を用いることによる分析のRP-HPLCによって制御された。化合物の保持時間は12.439分であった。
得られる折り畳みは60分後に完了した。続いて、反応は、DTNB(5,5'-ジチオ-ビス(2-ニトロ安息香酸)で残留SH-基の滴定が行なわれた。ペプチドは、前記と同じ条件下でセミ分取RP-HPLCに付され、次いで凍結乾燥され、18 mgの生成物を得た(NH2-Ala-Leu-Ala-Leu-COO-樹脂とのカップリングに基づいて計算し収率37%)。
MASS (ESI) m/z: 1167,9 (M+2H+), 778,6 (M+3H+).
実施例8
共役化合物 (化合物実施例1.15)-(Gly-Phe-Leu-Gly-βAla-βAla-Cys-Asn-Gly-Arg-Cys-Gly-Val-Arg-TyrCOOH)の合成
8a:樹脂上のペプチド(結合基) NH2-Gly-Phe-Leu-Gly-COO-樹脂の合成
樹脂上でのペプチド合成を、Cl-トリチル-クロライド 結合基で官能化され、あらかじめグリシンが組み込まれた樹脂を用いることにより、自動装置(Abi-433)を用いて行なった。樹脂は、1g当たり0.5 meqの活性部位によって特徴付けられる。合成は300マイクロモルのペプチドを得るように行なわれた。
合成はFastMocタイプ(Fmoc-tBu)であり、実施例7aで用いられた同じ条件下で行なわれた。
8b:共役化合物 T-L1 (実施例1.15の式(A)の化合物)-(Gly-Phe-Leu-Gly-COOH)の合成
実施例7bで製造された化合物 NH2-Ala-Leu-Ala-Leu-COO-樹脂の代わりに、実施例8aで得られた樹脂を用いる以外、実施例7cを繰り返した。
8c:共役化合物 T-L1-G1c (実施例1.15の式(A)の化合物)-(Gly-Phe-Leu-Gly-βAla-βAla-Cys-Asn-Gly-Arg-Cys-Gly-Val-Arg-TyrCOOH)の合成
実施例7cで得られた化合物の代わりに、実施例8bで製造された共役化合物を用いる以外、実施例7dを繰り返した。NH2-Gly-Phe-Leu-Gly-COO-樹脂とのカップリングに基づいて計算し収率38%。
MASS (ESI) m/z: 1170,9 (M+2H+), 780,6 (M+3H+).
実施例9
実施例1.15の化合物を含むポリラクテート-ポリグリコレートのナノ粒子の製造
実施例1.15で得られた化合物の10 mgおよびSigma Aldrich(登録商標)により市販されている平均分子量40,000〜75,000を有するコポリマーPLA-PLGA 50:50の100 mgをジクロロメタンの4 ml中に溶解した。得られた有機溶液を、Solutol(登録商標)HS15(Basf(登録商標))の5重量%の水溶液の8 ml中で、ウルトラツラックス(ultraturrax)Politron(登録商標)乳化機(7 mmプローブで10,000 rpm)を用いる30分間の処理により乳化した。
次いで、有機溶媒(ジクロロメタン)を、回転エバポレータ中、50℃への加熱によって、エマルジョンから除去する。実施例1.15の化合物を含むPLA-PLGA粒子の水性分散体が得られた。水性分散体を100,000MWCOカットオフの膜を有する、遠心分離機AMICON(商標)の試験管を用いる遠心分離によって3回の洗浄サイクルに付した。各洗浄サイクルは、ナノ粒子を含む試験管の上部区画に各回蒸留水の15 mlを加えることによって、4,000 rpmで20分間行なわれた。
洗浄の最後に、粒子の水性分散体を次の条件下:温度:-40℃、圧力:5×10-2 mbar、時間:24時間で凍結乾燥した。
得られた粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)および光子相関分光法(PCS)の両方で特徴付けられた。ナノ粒子の平均直径は、次の:120±25 nm (TEM)、146±10 nm (PCS)であった。
粒子中に貪食された(englobed)活性成分の量は、最終試料の既知の量をジクロロメタン中に溶解し、次いでUV/可視分光光度計により、有機溶液を分析することによって決定された。凍結乾燥されたナノ粒子の試料中の測定された実施例1.15の化合物の量は、最初にジクロメタンに溶解されたものの58%に等しかった。
実施例10
実施例6.8の化合物を含むポリラクテート-ポリグリコレートのナノ粒子の製造
次の:
− 実施例1.15で製造された化合物の代わりに、実施例6.8で得られた式(A)の化合物、
− Solutol(商標)SH15の代わりに、ポリビニルアルコール
を用いる以外、実施例9に示した方法を繰り返した。
製造工程は、前の実施例に示したものと同じであった。特徴付けは次の結果であった:粒子の平均直径は135±20 nm (TEM)、157±17 nm (PCS)であり、粒子中に含まれる実施例6.8の化合物の量は、最初にジクロロメタンに溶解されたものの60%に等しかった。
実施例11
実施例1.15で得られた化合物を含む脂質ナノ粒子 (トリパルミチン)の製造
実施例1.15で得られた化合物の50 mgを、70℃の温度で、トリパルミチン(DYNASAN(登録商標)116、Sasol)の1 gと混合する。次いで、そのオイル相を、8,000 rpmで、20分間のウルトラツラックスPolitronターボ乳化機による撹拌下、蒸留水の60 ml中、Solutol(登録商標)HS15の4 gの水溶液と一緒に同温で乳化した。得られたエマルジョンを室温に冷却した。界面活性剤Solutol(登録商標)HS15によって安定化された、実施例1.15の化合物を含む脂質(トリパルミチン)水性塩基を有する分散体が形成された。次いで、分散体は、Microfluidics 110S装置(高圧ホモジナイザー)中、120 psiの圧力で4処理サイクルに付された。
得られた分散体は、光子相関分光法(PCS)で特徴付けられた。脂質粒子に対して測定された平均直径は160±15 nmであった。
水性分散体を100,000MWCOカットオフの膜を有する、遠心分離機AMICON(商標)の試験管を用いる遠心分離によって3回の洗浄サイクルに付した。各洗浄サイクルは、ナノ粒子を含む試験管の上部区画に各回蒸留水の15 mlを加えることによって、4,000 rpmで20分間行なわれた。
洗浄工程の最後に、水性分散体を次の条件下:温度 -40℃、圧力 5×10-2 mbar、時間 24時間で凍結乾燥した。
ナノ粒子中に貪食された実施例1.15の化合物の量は、実施例9に記載されたようにして測定された。ナノ粒子の凍結乾燥された試料中に含まれる化合物の量は、トリパルミチン中に最初に溶解されたものの40%に等しかった。
実施例12
実施例1.15の化合物を含む(MePEGシアノアクリレート-コ-アルキルシアノアクリレート)の粒子の製造
a. MePEG (ポリエチレングリコール メチルエーテル)シアノアセテートの製造
MePEGエステル化反応は、不活性雰囲気(アルゴン)下、無水ジクロロメタンの25 ml中のシアノ酢酸(0.9357 g)およびMePEG(11 g)の溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の2.2696 gと4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の50 mgを含む無水ジクロロメタンの5 mlを加えることによって行なわれた。反応混合物を室温で6時間撹拌した。固体残渣を真空下での濾過により分離し、ジクロロメタン(3×20 ml)で洗浄した。濾液を減圧下に濃縮し、粘稠な、淡黄色の生成物を得、続いて、それをイソプロパノールから結晶化することによって精製した。再結晶化後、ベージュ色の固体の11 gを得た。
b. ヘキサデシル シアノアセテートの製造
ヘキサデカノールのエステル化反応は、不活性雰囲気(アルゴン)下、行なわれた。無水ジクロロメタンの50 mlと酢酸エチルの5 ml中のシアノ酢酸(7.4853 g)およびヘキサデカノール(10.6674 g)の溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の9.9864 gと4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の50 mgを含む無水ジクロロメタンの50 mlを加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。次いで、無水ヘキサンの50 mlを加えた。形成された固体残渣を真空下での濾過によって分離し、n-ヘキサン(70 ml)で洗浄した。非晶質の黄色固体が得られるまで、濾液を減圧下に濃縮し、続いて、フラッシュクロマトグラフィー(リグロイン/酢酸エチル 9/1 v/v)によって精製し、白色の固体の14 gを得た。
c. 共重合
2つのエステルの縮合反応を、不活性雰囲気(アルゴン)下で行なった。無水エタノールの10 mlと無水ジクロロメタンの20 ml中のヘキサデシル シアノアセテート(1.238 g)とMePEG シアノアセテート(2.067 g)の溶液に、ホルマリン 37% w/vの2 mlとジメチルアミン 40% w/vの1 mlを加えた。反応を磁気撹拌下、室温で25時間行ない、得られた混合物を、黄色の蝋状の固体が得られるまで、減圧下に濃縮した。該化合物を水中に分散し、ジクロロメタンで抽出した。有機溶媒を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に乾燥した。ポリ(MePEG シアノアクリレート-コ-アルキルシアノアクリレート)の3.4 gを、蝋状の淡黄色の固体として得た。
d. 粒子製造
ポリ(MePEG シアノアクリレート-コ-アルキルシアノアクリレート)の30 mgと実施例1.15の化合物の5 mgをアセトンの6 ml中に溶解した。該有機溶液を、磁気撹拌下、蒸留水の12 mlに滴下した。次いで、有機溶媒を蒸発によって除去し、ナノ粒子の水性分散体を得、それを次の条件下:温度 -40℃、圧力 5×10-2 mbar、時間 24時間で凍結乾燥した。
得られたナノ粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)および光子相関分光法(PCS)の両方で特徴付けた。平均直径は、175±20 nm (TEM)および193±10 nm (PCS)であった。
粒子中に貪食された活性成分の量は、最終試料の既知の量をアセトン中に溶解し、UV/可視分光光度計により、有機溶液を分析することによって決定された。ナノ粒子の凍結乾燥された試料中の測定された実施例1.15の化合物の量は、最初にアセトンに溶解されたものに対して55%に等しい。
実施例13
実施例6.8の化合物を含む、液体コアを有するレシチンの脂質ナノ粒子の製造
3重量%のNaCl水溶液の2.65 g、Miglyol(登録商標)812Sの1.1 g、5:1 w/wの比でSolutol(登録商標)HS15および大豆レシチン(Epikuron 200)から形成された界面活性剤の混合物の1.25 g、実施例6.8の化合物の0.005 gを70℃の温度で混合した。ウルトラツラックスPolitron(登録商標)による7,000 rpmの速度での連続撹拌下、同温で得られた液体のオイル相を、4℃に維持された蒸留水の50 mlに滴下(1滴/秒)した。添加の最後に、ナノ粒子を含む分散体を、4℃でさらに15分間撹拌下に置いた。続いて、分散体を5分間超音波処理し、次いで0.45ミクロンPTFEフィルターで濾過した。
ナノ粒子を、4洗浄サイクル(30分、4,000 rpm、4℃)を用いることによる、遠心分離機「Amicon(商標) Ultra」フィルター(100,000 MWCOカットオフ)中での遠心分離によって水性媒体から分離した。洗浄サイクルの最後に、ナノ粒子を水中に分散し、10分間超音波処理した。ナノ粒子水性分散体を、次の条件下:温度 -40℃、圧力 5×10-2 mbar、時間 24時間で凍結乾燥した。
ナノ粒子を、光子相関分光法(PCS)で特徴付けた。平均粒子直径は、65±10 nmであった。
粒子中に貪食された活性成分の量は、最終試料の既知の量をジクロロメタン中に溶解し、UV/可視分光光度計により、有機溶液を分析することによって決定された。ナノ粒子の凍結乾燥された試料で測定された式(A)の化合物の量は、最初のオイル相に加えられたものに対して45%に等しい。
実施例14
式(A)の化合物の細胞毒性を評価するためのインビトロでの試験
式(A)の化合物の細胞毒性の効果が、スクリーニング下の化合物の異なる濃度で3つの細胞株を処理することによって、評価された。次の細胞株:A2780(ヒト卵巣癌)、HL60(ヒト白血病)、C6(ラット神経膠腫)およびHT29(ヒト大腸の腺癌)が用いられた。細胞株は、ECACC(European Collection of Cell Culture)により得られた。
細胞株は、培地DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地、Sigma Aldrich(登録商標))および次の添加剤(Sigma Aldrich(登録商標)):L-グルタミン 2mM、10%ウシ胎仔血清、ペニシリン/ストレプトマイシン、ファンギゾン、ゲンタマイシンで、75 cm2フラスコ中で培養された。インキュベーションを改良大気インキュベータ(modified atmosphere incubators)(37℃、5% CO2)中で行なった。細胞のコンフルエンス(confluence)が得られたら、細胞をトリプシン-EDTA 1X溶液を用いて、1:3/1:5の比に希釈して増殖させ、次いで96ウエルプレート中適当な培地に移した。次いで、試験下の化合物の異なる濃度(10-13÷10-4)で72時間、細胞を処理した。インビトロの試験に対して、実施例1.15および6.8で得られた化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解された。全ての試験は、0.1重量%に等しい一定のDMSO濃度で行なわれた。
細胞の生存能力を管理するために、ATPlite試験(Perkin Elmer)を用いた。ATPlite試験は、ATP産生を評価する。ATPは代謝的に活性な細胞全て中に存在するので、ATPは細胞の生存能力のマーカーである。試験は、ルシフェラーゼおよびD-ルシフェリンとATPの反応による化学発光に基づく。放出される光は、ATPの濃度に比例する。記録のために、Perkin ElmerによるVictor 3 装置が用いられた。
各試料溶液に対して、4回の記録が取られた。実施例1.15および6.8で得られた式(A)の化合物の細胞毒性に対する結果(平均値)は、それぞれ表1および2に示される。細胞の生存能力の値によって決定されたGI50値は、2 nMより低いことが分かる。このことは、式(A)の化合物の高い細胞毒性を支持する。
上記の高い細胞毒性は、この実施例のチューブリシンは抗有糸分裂および/または抗血管新生の性質があることのしるしである。
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例15比較
実施例15.1
2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-N-メチルチアゾール-カルボキシアミドの合成
Figure 2011037846
DMF(5 mL)中の実施例6.4で得られた化合物(0.2 mmol, 88 mg)の溶液に、順に、HOAt(0.22 mmol, 30 mg)、HATU(0.22 mmol, 84 mg)およびEt3N(0.42 mmol, 58μL)を加えた。5分間の撹拌後、メチルアミン塩酸塩(0.22 mmol, 15 mg)を加えた。反応混合物をさらに4時間撹拌した。最後に、反応混合物をH2O(10 mL)で希釈し、Et2O(3×5 mL)で抽出した。有機相を溜め、順に、1N HCl水溶液(1×10 mL)、NaHCO3飽和水溶液(1×10 mL)および食塩水(1×10 mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮して、純粋な2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチル-ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-N-メチルチアゾール-4-カルボキシアミドの90 mg(収率99%)を得た。
Rf=0.35(石油エーテル/酢酸エチル 1/1 体積/体積)
実施例15.2
(1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-4-メチル-1-(4-(メチルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ペンチル アセテート
Figure 2011037846
撹拌を保った、ジクロロメタン(8 mL)中の実施例15.1で得られた化合物(0.2 mmol, 90 mg)の溶液に、無水酢酸(1 mmol, 94μL)、ピリジン(0.5 mmol, 40μL)および触媒量のDMAPを加えた。撹拌を3時間続けた。最後に、反応混合物をH2O(10 mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×5 mL)で抽出した。有機相を溜め、順に、NaHCO3飽和水溶液(1×10 mL)、HClの1N水溶液(1×10 mL)および食塩水(1×10 mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮して、(1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-4-メチル-1-(4-(メチルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ペンチル アセテートの92 mg(93%)を得た。
Rf=0.32(石油エーテル/酢酸エチル 1/1 体積/体積)
実施例15.3
(1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アミノ-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-4-メチル-1-(4-(メチルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ペンチル アセテートの合成
Figure 2011037846
撹拌下、メタノール(10 mL)中の実施例15.2で得られた化合物(0.18 mmol, 92 mg)の溶液に、連続して、触媒量の10%パラジウム炭素および葉酸(3.7 mmol, 0.14 mL)を加えた。不活性雰囲気下、撹拌を1時間続けた。反応混合物をセライトにより濾過し、溶媒を真空下に除去した。粗生成物をジクロロメタン(10 mL)中に溶解し、NaHCO3飽和水溶液(1×10 mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮した。(1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アミノ-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-4-メチル-1-(4-(メチルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ペンチル アセテートの46 mg(収率52%)を回収した。
Rf=0.30 (クロロホルム/メタノール 97:3 体積/体積)
実施例15.4
(1R,3R)-3-((2S,3S)-N-(2-メトキシエチル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチル-1-(4-(メチルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ペンチル アセテートの合成
Figure 2011037846
ジクロロメタン(5 mL)中のN-メチル ピペコリン酸(0.15 mmol, 21 mg)の懸濁液に、連続して順に、HOAt(0.11 mmol, 15 mg)、HATU(0.11 mmol, 42 mg)およびEt3N(0.21 mmol, 29μL)を加えた。5分間撹拌後、実施例15.3で得られた化合物(0.1 mmol, 46 mg)のジクロロメタン(1 mL)中の溶液を加えた。反応混合物を4時間撹拌し、最後に、ジクロロメタンを真空下に除去した。粗生成物を酢酸エチル(10 mL)中に溶解し、順に、NaHCO3飽和水溶液(1×10 mL)および食塩水(1×10 mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下に濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液 クロロホルム:メタノール 97:3 体積/体積)で精製した。純粋な2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-N-メチルチアゾール-4-カルボキシアミドの58 mg(収率99%)を単離した。
Rf=0.37 (クロロホルム/メタノール 97:3 体積/体積)
Figure 2011037846
実施例15.5比較
実施例15.4比較で得られた化合物を、細胞株HL60を用い、実施例14で記載されたインビトロでの同じ試験で評価し、10-10モル/リットルまでの細胞の生存能力を測定した。
10-11モル/リットルおよび10-10モル/リットルの濃度で、それぞれ細胞の生存率99.8および96%の値を得た。
表1および2は、上記の濃度で本発明の化合物を用いることにより、細胞生存率は、それぞれ99.8および96%より著しく低いことを示している。それゆえ、本発明の化合物は、比較実施例の化合物より著しく細胞毒性である。
GI50で表される細胞毒性は、1×10-8モル/リットルであった。本発明の化合物の同じ細胞株での細胞毒性は、少なくとも1.08×1011モル/リットルであったことが注目される。表2の記載を参照されたい。それゆえ、実施例15.4比較の化合物は、本発明の化合物より103倍低い毒性である。
実施例16比較
実施例16.1
tert-ブチル-(4-メトキシフェニル)-(フェニルスルホニル)-メチル カルバメート
Figure 2011037846
MeOH/水の混合物 2/1 体積/体積(30 ml)中のtert-ブチル カルバメート(12.7 mmol, 1.5 g)の溶液に、順に、p-アニスアルデヒド(25.5 mmol, 3.1 ml)、ナトリウム ベンゼンスルフィネート(25.5 mmol, 4.2 g)および葉酸(25.5 mmol, 0.96 ml)を加える。反応混合物を撹拌下に12時間保つ。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥する。
tert-ブチル-(4-メトキシフェニル)-(フェニルスルホニル)-メチル カルバメートの3.09 g(収率64%)を得る。
Figure 2011037846
実施例16.2
エチル 2-(3-(tertブトキシカルボニルアミノ)-3-(4-(メトキシフェニル)プロパノイル)チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Figure 2011037846
無水THF(20 ml)中の鉱油中の60%(w/w)の水素化ナトリウム(8.3 mmol, 332 mg)の懸濁液に、次の式のアセチルチアゾール化合物(エチル-2-アセチル-チアゾール-4-カルボキシレート):
Figure 2011037846
の無水THF中の溶液(THFの10 ml中5.0 mmol)を加える。
該化合物は、Angew. Chem. Int. Ed., 46, 2007, 3526-3529に記載された方法によって製造された。反応混合物を撹拌下に15分間保ち、次いで、無水THF中の実施例16.1で得られた化合物の溶液(THFの10 ml中3.3 mmol)を30分間で滴下する。反応混合物を2時間撹拌する。次いで、NH4Cl飽和水溶液(50 ml)を加え、有機相を酢酸エチル(3×30 ml)で抽出する。有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、混合物を濾過し、溶媒を減圧下に蒸留する。粗生成物を、n-ヘキサン/酢酸エチル 70/30 体積/体積でのフラッシュクロマトグラフィーで精製する。エチル-2-(3-(tertブトキシカルボニルアミノ)-3-(4-(メトキシフェニル)プロパノイル)-チアゾール-4-カルボキシレートの740 mg(収率52%)を得る。
Rf=0.35 (n-ヘキサン/酢酸エチル 65/35 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例16.3
エチル 2-((1R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Figure 2011037846
無水THF(10 ml)中のキラル触媒 (S)-CBS(0.24 mmol, 68 mg)の溶液に、10 MのBH3・Me2S(2.2 mmol, 221μl)の溶液を加える。液相の温度を0℃に下げ、無水THF(5 ml)中の実施例16.2で得られた化合物(2.2 mmol)の溶液を加える。反応混合物を0℃で1時間、次いで室温で4時間撹拌する。最後にメタノール(1 ml)を加え、溶媒を減圧下に蒸留し、粗生成物を、n-ヘキサン/酢酸エチル 7/3 体積/体積でのフラッシュクロマトグラフィーで精製する。エチル 2-((1R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボキシレートの495 mg(収率51%)を得る。
Rf=0.29 (n-ヘキサン/酢酸エチル 7/3 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例16.4
エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Figure 2011037846
DMF(5 ml)中のtert-ブトキシカルボニル-イソロイシン(0.97 mmol, 225 mg)の溶液に、HOBt(1.07 mmol)、EDC塩酸塩(1.07 mmol)、シン-コリジン(2.14 mmol)および実施例16.3で得られた化合物(0.97 mmol)を順番に加える。反応混合物を2時間撹拌する。水(10 ml)を加え、有機相を酢酸エチル(3×10 ml)で抽出する。次いで、抽出された有機相を、順に、HCl 1N水溶液(1×10 ml)、NaHCO3飽和水溶液(1×10 ml)およびNaCl飽和水溶液(1×10 ml)で洗浄する。有機相を回収し、Na2SO4で乾燥し、混合物を濾過し、溶媒を減圧下に蒸留する。エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシ-フェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボキシレートの338 mg(63%)を得る。
Rf=0.22 (n-ヘキサン/酢酸エチル 1/1 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例16.5
2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボン酸の合成
Figure 2011037846
実施例16.4で得られた化合物(0.59 mmol)を、THF/水の混合物 4/1 体積/体積(10 ml)中に分散する。次いでLi(OH)(0.87 mmol)を加える。反応混合物を5時間撹拌する。水(5 ml)を加え、有機相を酢酸エチル(1×10 ml)で抽出する。水相を回収し、HCl 1N溶液でpH=2に酸性化する。次いで、それを酢酸エチル(3×10 ml)で抽出し、有機抽出物を溜め、Na2SO4で乾燥し、その混合物を濾過し、溶媒を減圧下に蒸留し、2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボン酸の307 mg(定量的な収率)を得る。
Rf=0.40 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例16.6
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシ-フェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
Figure 2011037846
DMF(5 ml)中の実施例16.5で得られた化合物(0.56 mmol)の溶液に、HOAt(0.61 mmol)、HATU(0.61 mmol)、トリエチルアミン(1.11 mmol)および実施例1.11で得られた化合物(0.56 mmol)を、順番に加える。反応体を2時間撹拌する。水(10 ml)を加え、有機相を酢酸エチル(3×10 ml)で抽出する。次いで、抽出された有機相を、順に、HCl 1N水溶液(1×10 ml)、NaHCO3飽和水溶液(1×10 ml)およびNaCl飽和水溶液(1×10 ml)で洗浄する。有機相を回収し、Na2SO4で乾燥し、混合物を濾過し、溶媒を減圧下に蒸留する。
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシ-フェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの392 mg(収率97%)を得る。
Rf=0.41 (n-ヘキサン/酢酸エチル 4/6 体積/体積);
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例16.7
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
Figure 2011037846
実施例16.6で得られた化合物の0.53 mmolをDCM(10 ml)中に溶解し、この溶液にTFA(1 ml)を加える。反応体を2時間撹拌する。溶媒を減圧下に蒸留する。得られた生成物の0.51 mmolを、HOAt(0.56 mmol)、HATU(0.56 mmol)およびトリエチルアミン(1.02 mmol)を含む、ジクロロメタン(10 ml)中のN-メチル ピペコリン酸(0.56 mmol)の懸濁液に、撹拌下に加える。反応体を4時間撹拌する。水(10 ml)を加え、有機相をジクロロメタン(3×10 ml)で抽出する。溜めた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで、その混合物を濾過し、溶媒を減圧下に蒸留する。粗生成物を、ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積でのフラッシュクロマトグラフィーで精製する。(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの289 mg(収率75%)を得る。
Rf=0.40 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例16.8
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の2,2,2-トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2011037846
実施例16.7で得られた化合物の0.36 mmolをTHF(5 ml)中に溶解し、この溶液に、Li(OH)(0.72 mmol)の1N水溶液を加える。反応体を48時間撹拌する。水(2 ml)、次いでトリフルオロ酢酸をpH=2まで加える。有機相を酢酸エチル(3×5 ml)で抽出し、溜めた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、次いで濾過する。溶媒を減圧下に蒸留する。(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)-3-((2S,3S)-メチル-2-((R)-1-メチル-ピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の2,2,2-トリフルオロ酢酸塩の261 mg(収率99%)を得る。
Rf=0.35 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例16.9
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-(4-(メトキシフェニル)-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシ-アミド)ペンタンアミド)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の合成
Figure 2011037846
ピリジン(4 ml)中の実施例16.8で得られた化合物(0.35 mmol)の溶液に、無水酢酸(2 ml)を加える。反応混合物を12時間撹拌する。溶媒を減圧下に蒸留し、粗生成物を、ジクロロメタン/メタノール 94/6 体積/体積を用い、2番目の実施で、ジクロロメタン/メタノール 9:1 体積/体積を用い、フラッシュクロマトグラフィーで精製する。(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-(4-(メトキシフェニル)-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)プロピル)-チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の264 mg(収率96%)を得る。
Rf=0.37 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例16.10比較
実施例16.9で得られた化合物を、細胞株でのインビトロの細胞毒性試験で評価した。用いられた細胞株は、次の:HL60、A2780、C6であった。
細胞株HL60よびC6を用いることにより、10-5モル/リットルより高いGI50値が得られた。
細胞株A2780を用いることにより、10-4モル/リットルより高いGI50値が得られた。
これらの値は、インビトロでの実施例16.9の化合物は、用いられる細胞株に依存し、本発明の化合物より約10,000倍〜約100,000倍の低い毒性であることを示している。
実施例17比較
実施例17.1
tertブチル シクロヘキシル(フェニルスルホニル)-メチルカルバメートの合成
Figure 2011037846
p-アニスアルデヒドの代わりに、シクロヘキサンカルボキシアルデヒドを用いる以外、実施例16.1を繰り返した。方法の最後に、化合物 tertブチル シクロヘキシル(フェニルスルホニル)メチルカルバメートを収率96%で得た。
Rf=0.35 (n-ヘキサン/酢酸エチル 4/6 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例17.2
エチル 2-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-シクロヘキシルプロパノイル)チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Figure 2011037846
実施例16.1で得られた化合物の代わりに、実施例17.1で得られた化合物を用いる以外、実施例16.2を繰り返した。方法の最後に、化合物 エチル 2-(3-tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-シクロヘキシルプロパノイル)チアゾール-4-カルボキシレートが収率62%で得られた。
Rf=0.41 (n-ヘキサン/酢酸エチル 3/7 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例17.3
エチル 2-((1R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシプロピル)チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Figure 2011037846
実施例16.2で得られた化合物の代わりに、実施例17.2で得られた化合物を用いる以外、実施例16.3を繰り返した。方法の最後に、化合物 エチル 2-((1R,3R)-3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-プロピル)チアゾール-4-カルボキシレートが収率51%で得られた。
Rf=0.34 (n-ヘキサン/酢酸エチル 55/45 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例17.4
エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシプロピル)-チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Figure 2011037846
実施例16.3で得られた化合物の代わりに、実施例17.3で得られた化合物を用いる以外、実施例16.4を繰り返した。方法の最後に、化合物 エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ペンタンアミド)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシプロピル)チアゾール-4-カルボキシレートが収率97%で得られた。
Rf=0.52 (n-ヘキサン/酢酸エチル 1/1 体積/体積);
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例17.5
2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシプロピル)-チアゾール-4-カルボン酸
Figure 2011037846
実施例16.4で得られた化合物の代わりに、実施例17.4で得られた化合物を用いる以外、実施例16.5を繰り返した。方法の最後に、化合物 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシプロピル)-チアゾール-4-カルボン酸が収率98%で得られた。
Rf=0.40 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
Figure 2011037846
Figure 2011037846
実施例17.6
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシプロピル)-チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
Figure 2011037846
実施例16.5で得られた化合物の代わりに、実施例17.5で得られた化合物を用いる以外、実施例16.6を繰り返した。方法の最後に、化合物 (2S,4R)-メチル-4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシプロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートが収率75%で得られた。
Rf=0.47 (n-ヘキサン/酢酸エチル 35/65 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例17.7
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
Figure 2011037846
実施例16.6で得られた化合物の代わりに、実施例17.6で得られた化合物を用いる以外、実施例16.7を繰り返した。方法の最後に、化合物 (2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートが収率97%で得られた。
Rf=0.47 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例17.8
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-シクロヘキシル-ヒドロキシ-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の2,2,2-トリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2011037846
実施例16.7で得られた化合物の代わりに、実施例17.7で得られた化合物を用いる以外、実施例16.8を繰り返した。方法の最後に、化合物 (2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチル-ピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の2,2,2-トリフルオロ酢酸塩が収率82%で得られた。
Rf=0.35 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例17.9
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-シクロヘキシル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の合成
Figure 2011037846
実施例16.8で得られた化合物の代わりに、実施例17.8で得られた化合物を用いる以外、実施例16.9を繰り返した。方法の最後に、化合物 (2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-シクロヘキシル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸が収率91%で得られた。
Rf=0.38 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
Figure 2011037846
実施例17.10比較
実施例17.9比較の化合物の細胞毒性が、化合物16.9に対しての実施例16.10比較で記載されたようにして評価された。
10-5モル/リットルのGI50値が得られた。この値は、本発明の化合物のGI50より10,000倍高い。実施例16.10比較に記載された同じコメントが繰り返され得る。

Claims (24)

  1. 高い細胞毒性を有する、天然チューブリシンの式(A)の合成誘導体:
    Figure 2011037846
    (式中、
    BはCH2、CH2-CH2またはCH2-CH2-CH2から選択され、
    Dはフェニル、または環内に5もしくは6原子を有するヘテロアリールから選択される芳香族結合基であり、
    X1はアルキルまたはアルケニルであり、
    X2は次の基:
    アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、またはヘテロアリールアルキルから選択される、置換または無置換のX2a
    X2b:アルキレン-O-アルキル(ここで、アルキレンはC2-C10である)、
    X2c:CH2-O-アルキル
    から選択され、
    X3はHから選択されるか、またはX4と一緒になって基=Oを形成し、
    X4はH、ハロゲン、OH、SH、アルキル、アルケニル、(OR5)n-OR6、OC(O)R7、NR6R7から選択されるか、またはX4と一緒になって基=Oを形成し、
    R5はアルキレンであり、
    nは0または1〜10の整数であり、
    R6およびR7は互いに同一または異なって、次の意味:
    z1:H、アルキル、
    z2:置換または無置換のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、へテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル
    を有し、
    X5はz2であるか、またはz3=アルキル、アルケニルの意味を有し、
    X6はNR8R9、OR8、NH-NR8R9、SR8、R10(ここで、R8およびR9は互いに同一または異なって、R6と同じ意味を有し、R10はR6と同じ意味を有するが、Hは除く)から選択され、
    X7はz3またはHであり、
    X8はz3、H、ハロゲン、OH、SHまたはOCH3から選択される)
    ならびにそれらの水和物、溶媒和物および医薬的に許容される塩。
  2. 幾何異性体および立体異性体またはそれらの混合物の形態にある請求項1に記載の化合物。
  3. 原子がそれらの同位体の形態にある、請求項1または2に記載の化合物。
  4. X2がX2aであるとき、好ましくは、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキル環の1以上の水素原子が、互いに同一または異なって、ハロゲン、OH、O-アリール、SH、OCH2O、C1-C7アルキル、C1-C7アルキルチオ、C1-C7アルコキシ、C1-C7ハロアルキル、C1-C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、ニトロ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和または不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1-C7アルキル鎖で任意にモノ-またはジ-置換されていてもよいアミノから選択される1以上の基で置換され、前記のフェニル、シクロアルキル、飽和または不飽和の複素環およびヘテロアリールの置換基は、互いに同一または異なって、ハロゲン、OH、O-アリール、SH、OCH2O、C1-C7アルキル、C1-C7アルキルチオ、C1-C7アルコキシ、C1-C7ハロアルキル、C1-C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和または不飽和の複素環、ヘテロアリール、ニトロ、C1-C7アルキル鎖で任意にモノ-またはジ-置換されていてもよいアミノから選択される1以上の基で任意に置換されていてもよい、請求項1〜3のいずれか1つに記載の化合物。
  5. R6、R7、X5、R8およびR9がz2の意味を有し、好ましくは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、へテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキルまたはヘテロシクロアルキルアルキル環の1以上の水素原子が、互いに同一または異なって、X2aの任意の置換基から選択される1以上の基で置換され、X5が1以上の次の基:COOH、C(O)R6またはOC(O)R94(ここで、R6は上記で定義されたとおりであり、R94は次の基:アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリールの1つから選択される)で任意に置換されていてもよい、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
  6. Dが5または6原子を有するヘテロアリールである、請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物。
  7. Dが式(V):
    Figure 2011037846
    の意味を有する、請求項6に記載の化合物。
  8. BがCH2-CH2であり、
    Dが式(V)のヘテロアリールであり、
    X1がC1-C6アルキルであり、
    X2が次の基:
    − 単環式のアリール、単環式のヘテロアリール、単環式のアリールアルキル、単環式のシクロアルキルアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキル、
    − アルキレン-O-アルキル(ここで、アルキレンはC2-C4である)、
    から選択され、
    X3が前記で定義されたとおりであり、
    X4がC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、(OR5)n-OR6、OC(O)R7から選択されるか、またはX3と一緒になって、基=Oを形成し、
    R5がC1-C2アルキレンであり、
    nが0または1〜4の整数であり、
    R6およびR7が互いに同一または異なって、HまたはC1-C6アルキルから選択され、
    X5が単環式のアリールアルキル、単環式のヘテロアリールアルキル、単環式のシクロアルキルアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルまたはアルケニルから選択され、
    X6がH、NR8R9、OR8、NH-NR8R9、SR8またはR10(ここで、R8、R9およびR10は、互いに同一または異なって、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルから選択されるか、またはR8およびR9は互いに独立して水素の意味を有する)から選択され、
    X7がC1-C6アルキルまたはC2-C6アルケニルから選択され、
    X8がHの意味を有する、請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物。
  9. 式(A1):
    Figure 2011037846
    [式中、
    X9は、
    − 無置換またはX2aの置換基である基で置換された、単環式のアリールアルキル、単環式のシクロアルキルアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキル、
    − CH2-CH2O-アルキル(ここで、アルキルはC3が直鎖状または分枝鎖状であるC1-C3アルキルである)
    から選択され、
    X10は(OR10)m-OR11またはOC(O)R12であり、
    R10はC1-C2アルキレンであり、
    mは0または1〜3の整数であり、
    R11およびR12は互いに同一または異なって、HまたはCH3から選択され、
    X11は、無置換またはX5=X2であるときのX5の任意の置換基である基で置換された、単環式のアリールアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキルから選択され、
    X12はH、NR8aR9a、OR8aまたはNH-NR8aR9a[ここで、R8aおよびR9aは互いに同一または異なって、H、アルキル、単環式のアリール、単環式のヘテロアリール、単環式のシクロアルキル、単環式のヘテロシクロアルキル(ここで、単環式のアリール、単環式のヘテロアリール、単環式のシクロアルキルまたは単環式のヘテロシクロアルキルは、無置換であるかまたはR8およびR9の任意の置換基である基で任意に置換されていてもよい)から選択される]から選択される]
    を有する、請求項1〜8のいずれか1つに記載の化合物。
  10. 次の式:
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    Figure 2011037846
    を有する、請求項1〜9のいずれか1つに記載の化合物。
  11. X1、X2、X3、D、X5、X6、X7、X8が前記で定義されたとおりであり、X4がハロゲン、NR6R7、SH、(OR5)n-OR6、アルキル、アルケニルから選択されるとき、次の工程:
    A-1) 式(B)の酸を式(D)のアミノエステルと反応させて、式(E)の化合物を得る、
    Figure 2011037846
    (ここで、(D)は、有機または無機酸 アニオンHとの対応する塩(Da)の形態でも用いられる)
    Figure 2011037846
    A-2) 式(E)の化合物を水素化して、式(E')のアミノエステルを得る(ここで、末端のアジド基は1級アミンの基に変換される)、
    A-3) アミノエステル(E')をヘテロ環式の酸と反応させて、エステル(F)を得る、
    Figure 2011037846
    A-4) 化合物(F)の鎖の1方の末端にあるエステル基を加水分解し、次いで有機または無機酸 アニオンHで処理して、化合物(G)を得る、
    Figure 2011037846
    A-5) 化合物(G)を有機塩基で中和して、化合物(H')を得る、
    Figure 2011037846
    X6の意味により、次の工程A-6)、A-7)、A-8)を行う:
    A-6) 化合物(H')のカルボン酸官能基とX6基の前駆体との反応により、X6が次の基:NR8R9、OR8、NH-NR8R9またはSR8の1つから選択される、式(A)の化合物を合成する、
    A-7) あるいは、化合物(H')とCH3-O-NH-CH3およびCH3S(O)2Clとの反応により、化合物(HA1):
    Figure 2011037846
    を得、次いで(HA1)とグリニャール試薬 R10MgBrとの反応により、X6がR10である、式(A)の化合物を合成する、
    A-8) 化合物(H')のカルボン酸基をアルデヒド基に還元して、X6=Hである、式(A)の化合物を製造する、
    X4がOHまたはOC(O)R7から選択されるとき、この方法は、次の工程を連続して含む:
    A-1') X4=OHである(B)を用いる以外、A-1)と同様にして、式(EI)の化合物を得る、
    Figure 2011037846
    A-2') (EI)を用いる以外、A-2)と同様にして、式(EII)のアミノエステルを得る、
    Figure 2011037846
    A-3') (EII)を用いる以外、A-3)と同様にして、エステル(FI)を得る、
    Figure 2011037846
    A-4') 化合物(FI)を用いる以外、A-4)と同様にして、化合物(G')を得る、
    Figure 2011037846
    A-5') 化合物(G')を用いる以外、A-5)と同様にして、化合物(GA)を得る、
    Figure 2011037846
    − 工程A-7') 化合物(GA)を用いる以外、工程A-8)を繰り返し、(G'')を得る、
    Figure 2011037846
    − 工程A-8') X4=OC(O)R7であり、X6=OHである式(A)の化合物を製造するため、化合物(G')のヒドロキシ基または化合物(GA)のヒドロキシ基を、式R7C(O)OHの酸でアシル化して、化合物(H)を得る、
    Figure 2011037846
    A-8'') X4=OC(O)R7であり、X6=Hである式(A)の化合物を製造するため、化合物(G'')を用いる以外、工程A-8')を繰り返して、化合物(H'')を得る、
    Figure 2011037846
    − 化合物(H)または(H'')を用いる以外、工程A-6)を繰り返し、X6が工程A-6)におけるのと同じ意味を有し、X4=OC(O)R7である式(A)の化合物を得る、
    − 化合物(H)または(H'')を用いる以外、工程A-7)を繰り返し、X6がR10であり、X4=OC(O)R7である式(A)の化合物を得る
    を含む、請求項1〜10のいずれか1つに記載の式(A)の化合物の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物、ならびに医薬的に許容されるポリマーおよび/またはバイオ分子を含む共役化合物。
  13. 次の式:
    Figure 2011037846
    (式中、
    指数p1、p2、qおよびsは互いに同一または異なって、0または1に等しい整数であり、
    Tは式(A)の化合物から誘導される1価の基であり、
    T1は式(A)の化合物から誘導される2価の基であり、
    G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cは互いに同一または異なって、医薬的に許容されるポリマーまたはバイオ分子であり、
    L1およびL2は互いに同一または異なって、式(A)の化合物の基TまたはT1を、G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cにそれぞれ結合させる結合基であり、
    αおよびβは0または1に等しい整数であり、但し、α=β=0のとき、p1、p2、qおよびsは0に等しく、αおよび/またはβ=1のとき、基Gi(i=1a、1s、1b、2a、2b、2c)に結合するL1および/またはL2の部分は、p1、p2、sおよびqの値により、1価、2価または3価である)
    を有する、請求項12に記載の共役化合物。
  14. p1=p2=0である式(C1)の、請求項13に記載の共役化合物。
  15. 次の化合物:タンパク質、ホルモン、アプタマー、ポリサッカライド、抗体またはそれらのフラグメント、ペプチド鎖またはペプチド、ビタミン、アビジン、ストレプトアビジン、ポリエチレングリコール、天然ポリマー、デンドリマー、カーボンナノチューブ、シクロデキストリン、修飾されたシクロデキストリン、合成ポリマーから選択される、1以上の医薬的に許容されるポリマーおよび/またはバイオ分子を含む、請求項12〜14のいずれか1つに記載の共役化合物。
  16. 次の工程:
    − 式(C1)および(C2)において、αおよびβの両方が0と異なるとき:
    Con-1) 不活性有機溶媒中で、結合基L1およびL2の1または2の前駆体と式(A)の化合物とを反応させて、式(C1a)および(C2a)の化合物を得る:
    Figure 2011037846
    (式中、G1およびG2は互いに同一または異なって、次の意味を有する:
    水素、
    OH(G1およびG2が結合する結合基の原子価が酸素原子上にないとき)、
    p1、p2、qおよびsは式(C1)および(C2)で定義されたとおりである)
    Con-2) ポリマーまたはバイオ分子G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cと式(C1a)または(C2a)の化合物とを反応させて、それぞれ式(C1)または(C2)の共役化合物を得る;
    − α=β=0のとき、Con-1)はなく、化合物(C1a)または(C2a)の代わりに化合物(A)を用いる以外、Con-2を行う;
    − 指数αまたはβの1つが0に等しいとき、0と異なる指数を有する化合物またはその分子中の基を得るために、Con-1)およびCon-2)を行う、
    0に等しい指数を有する化合物またはその分子中の基を得るために、化合物(C1a)または(C2a)に代わりに化合物(A)を用いる以外、Con-2)を行う、
    を含む、請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物の合成方法。
  17. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物を、結合基L1またはL2の少なくとも1つの前駆体と反応させて得ることができる化合物。
  18. 式(C1a)または(C2a)を有する、請求項17に記載の化合物。
  19. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物および/または請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物、および/または請求項17〜18のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。
  20. 重量%で、次の成分:
    S) 次のクラス:
    − 任意にフッ素原子を含んでいてもよい、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両イオン性の界面活性剤から選択される界面活性剤、
    − それらが溶解される液体中で、凝集体、ミセル、液晶、小胞のような組織構造を形成するポリマー
    から選択される1以上の医薬的に許容される化合物を0.01〜95%、
    O) 次のクラスの医薬的に許容される化合物:
    − 任意に1以上のエチレン不飽和を含んでいてもよいC4-C32の酸のエステル、
    − 酸が対応する塩に変換されないようなpHを最終の組成物が有するとき、任意に1以上のエチレンタイプの不飽和を含んでいてもよいC4-C32の酸
    から選択される1以上のオイルを0〜95%、
    PA) 請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物および/または請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物、およびに/または請求項17〜18のいずれか1つに記載の化合物を0.001〜90%、
    AD) 次のクラス:
    − 水およびまたはオイルの極性の調節剤、
    − 成分S)の膜の曲率の調節剤、
    − 共-界面活性剤
    から選択される1以上の化合物を0〜60重量%、
    WA) 任意に緩衝されていてもよい、水または生理食塩水を0.001〜99.9%、
    成分の合計は100%である
    を含む、マイクロエマルジョンもしくはエマルジョンの形態にあるか、またはマイクロエマルジョンもしくはエマルジョンを含む、請求項19に記載の医薬組成物。
  21. ミクロ-および/またはナノ-粒子の形態にあるか、あるいはシリカまたは脂質および/または医薬的に許容されるポリマーおよび/またはバイオ分子のミクロ-および/もしくはナノ-粒子を含み、さらに請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物および/または請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物、および/または請求項17〜18のいずれか1つに記載の化合物を含む、請求項19に記載の医薬組成物。
  22. 医薬として使用するための、請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物および/または請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物、および/または請求項17〜18のいずれか1つに記載の化合物、あるいはそれらの医薬組成物。
  23. 哺乳類およびヒトにおける腫瘍疾患および/または血管新生に関連する疾患の治療用医薬を製造するための、請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物および/または請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物、および/または請求項17〜18のいすれか1つに記載の化合物、あるいはそれらの医薬組成物の使用。
  24. 請求項1〜10のいずれか1つ、および/または請求項12〜15のいずれか1つおよび/または請求項17〜18のいずれか1つに記載の化合物が、抗腫瘍活性を有する医薬および/または放射線治療と組み合わされる、請求項23に記載の使用。
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