JP2011037846A - 医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
Mep = N-メチルピペコリン酸、
Ile = イソロイシン、
Tuv = チューブバリン、
Tut/Tup = チューブチロシン/チューブフェニルアラニン)。
チューブリシンA:R1=OH R2=CH2OC(O)-イソブチル R3=C(O)CH3、
チューブリシンB:R1=OH R2=CH2OC(O)-n-プロピル R3=C(O)CH3、
チューブリシンC:R1=OH R2=CH2OC(O)-エチル R3=C(O)CH3、
チューブリシンD:R1=H R2=CH2OC(O)-イソブチル R3=C(O)CH3、
チューブリシンE:R1=H R2=CH2OC(O)-n-プロピル R3=C(O)CH3、
チューブリシンF:R1=H R2=CH2OC(O)-エチル R3=C(O)CH3、
チューブリシンU:R1=H R2=H R3=C(O)CH3、
チューブリシンV:R1=H R2=H R3=H。
Aは5または6原子を有するヘテロアリール置換基であり、
XはO、SまたはNR13またはCR14R15であり、
YはO、S、またはNR16であり、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、へテロアルキルシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルの意味を有するか:またはR1〜R16の前記の置換基の2つは、シクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環の構成要素である)。
SおよびUはH、ハロゲン、NO2、またはNHR23の意味を有し、
TはHまたはOR24の意味を有し、
RはH、アルキル、アリール、OR21、NR21R22、またはNH-(CH2)2-4の意味を有し、
XはH、アルキル、アルケニル、またはCH2OR29の意味を有し、
VはH、OR27、ハロゲンの意味を有するか、またはWと一緒になって酸素の意味を有し、
WはH、アルキルの意味を有するか、またはVと一緒になって酸素の意味を有し、
Yは、ZがCH3のときは酸素の意味を有するか、またはZがCH3もしくはCOR31のときは自由電子対の意味を有し、
R31はアルキル、CF3、またはアリールの意味を有し、
R21およびR22はH、アルキル、またはアリールの意味を有し、
R23はH、HCO、またはC1-4アルキル-COの意味を有し、
R24はH、アルキル、アリール、COR25、P(O)(OR26)2、またはSO3R26の意味を有し、
R25はアルキル、アルケニル、アリール、またはヘテロアリールの意味を有し、
R26はH、アルキル、または金属イオンの意味を有し、
R27はH、アルキル、またはCOR28の意味を有し、
R28はアルキル、アルケニルまたはアリールの意味を有し、
R29はH、アルキル、アルケニル、アリールまたはCOR30の意味を有し、
R30はR25と同じ意味を有する)。
R32はH、置換または無置換のアルキル、置換または無置換のヘテロアルキルの意味を有し、
R33はR32と同じ意味を有し、アシル基(C(O)R34)の意味も有し、
R34、R35、R36、R37は、該特許出願で言及された意味を有する)。
U'-V'-W'
(式中、U'はチューブリシンまたは前記の式(II)のチューブリシン類似化合物であり、V'は結合基(linker)(例えば、直接結合またはアルキレン)であり、W'はポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)またはバイオ分子(例えば、抗体)である)
を有する、腫瘍の治療のためのチューブリシンを含む共役(conjugated)化合物を記載している。これらの共役化合物は、癌細胞に対して高い選択性を示す。さらに、それらは、ヒトおよび動物において、チューブリシン類それ自体の投与に関連した副作用を減ずることができる。
BはCH2、CH2-CH2またはCH2-CH2-CH2から選択され、
Dはフェニル、または環内に5もしくは6原子を有するヘテロアリールから選択される芳香族結合基であり、
X1はアルキルまたはアルケニルであり、
X2は次の基:
アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、またはヘテロアリールアルキルから選択される、置換または無置換のX2a、
X2b:アルキレン-O-アルキル(ここで、アルキレンはC2-C10である)、
X2c:CH2-O-アルキル
から選択され、
X3はHの意味を有するか、またはX4と一緒になって基:=Oを形成し、
X4はH、ハロゲン、OH、SH、アルキル、アルケニル、(OR5)n-OR6、OC(O)R7、NR6R7から選択されるか、またはX4と一緒になって基:=Oを形成し、
R5はアルキレンであり、
nは0または1〜10の整数であり、
z1:H、アルキル、
アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、へテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキルまたはヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、置換または無置換のz2
を有し、
X5はz2であるか、またはそれはz3がアルキルまたはアルケニルであるz3の意味を有し、
X6はH、NR8R9、OR8、NH-NR8R9、SR8、R10(ここで、R8およびR9は互いに同一または異なって、R6と同じ意味を有し、R10はR6と同じ意味を有するが、Hは除く)の意味を有し、
X7はz3またはHであり、
X8はz3、H、ハロゲン、OH、SHまたはOCH3から選択される)。
さらに、式(A)の化合物の分子中に存在する原子は、対応する同位体の形態になり得る。
X2=X2c、
B=CH2-CH2、
X1=C(CH3)(CH2-CH3)、
X3=Hまたは、X4と一緒になって基:=Oを形成し、
X4はH、ハロゲン、OH、OR90、O-C(O)-R91から選択されるか、またはX3と一緒になって基:=Oを形成し(ここで、R90はC1-C4アルキルまたはC3-C4シクロアルキルの意味を有し、R91はアルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキルから選択される)、
X6はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、OR97、またはNR97R98(ここで、R97およびR98は互いに同一または異なって、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールから選択される)であり、
X7=CH3、
X8=H。
アルキルは、直鎖状、可能なときは分枝鎖状の飽和の置換または無置換のC1-C20炭化水素鎖を意味し、ここで、1以上の水素原子はハロゲンで任意に置換され得る。好ましくは、炭化水素鎖はC1-C12、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルであり、アルキレンは、直鎖状、可能なときは分枝鎖状のそれぞれの端に1つの自由原子価を有し、置換または無置換の2価のC1-C20脂肪族鎖を意味し、ここで、1以上の水素原子はハロゲン原子で任意に置換され得る。好ましくは、2価の脂肪族鎖はC1-C8、例えば、ビニル、アリル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、ブテ-1-エン-1-イル、ブテ-1-エン-2-イル、ブテ-1-エン-3-イル、ブテ-1-エン-4-イル、ブテ-2-エン-1-イル、ブテ-2-エン-2-イル、2-メチル-プロペン-1-イル、2-メチル-プロペン-3-イルであり、
ハロアルキルは、1以上の水素原子がハロゲン原子で置換されている、前記で定義されたアルキルを意味する。ハロアルキルの例は、トリフルオロメチル、1-ブロモ-n-ブチル、ペンタクロロエチル等であり、
アリールアルキルは、上記で定義された1つのアリールに結合した、前記で定義されたアルキル、好ましくはC1-C7を意味する。
例えば、ベンジルが挙げられ、
− 1以上の不飽和を任意に含んでいてもよい脂肪族の単環(但し、該構造は芳香族でなく、該環は3〜10の炭素原子、好ましくは4〜9の炭素原子を有する)か、または
− 7〜19の炭素原子の多環式構造
を意味し、
ヘテロシクロアルキルは、1以上の炭素原子が、互いに同一または異なって、S、O、Nから選択されるヘテロ原子で置換されている、前記で定義されたシクロアルキルを意味する。該環が単環式であるとき、好ましくは、ヘテロ原子の数は2より多くなく、
シクロアルキルアルキルは、前記で定義されたシクロアルキルに結合した、前記で定義されたアルキル、好ましくはC1-C7を意味し、
ヘテロシクロアルキルアルキルは、前記で定義されたヘテロシクロアルキルに結合した、前記で定義されたアルキル、好ましくはC1-C7を意味し、
を有する基を意味し:
RaはC1-C6アルキレン、C2-C6アルケニレンまたはC2-C6アルキニレンから選択される基であり、
Rbは水素原子、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルから選択される基から選択され、
Rcは水素、またはC1-C6アルキル、C2-C6アルケニルもしくはC2-C6アルキニルから選択される基であり、
Yaは共有結合、またはC1-C6アルキレン、C2-C6アルケニレンもしくはC2-C6アルキニレンから選択される基であり、
ここで、それぞれのヘテロアルキル基は、少なくとも1つの炭素原子を含み、1以上の水素原子がフッ素または塩素原子で置換され得、
ヘテロアルキルシクロアルキルは、前記で定義されたヘテロアルキルに結合した、前記で定義されたシクロアルキルを意味し、
アルキレンアリールアルキレンは、直鎖状または可能なときは分枝鎖状の1〜20の炭素原子の2つのアルキレン鎖を有するアリレンを意味する。
本発明の好ましい化合物は、B、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7およびX8が前記で定義されたとおりであり、Dが5または6原子を有するヘテロアリール基である式(A)の化合物である。
BがCH2-CH2であり、
Dが式(V)のヘテロアリールであり、
X1がC1-C6アルキルであり、
− 単環式のアリール、単環式のヘテロアリール、単環式のアリールアルキル、単環式のシクロアルキルアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキル、
− アルキレン-O-アルキル(ここで、アルキレンはC2-C4である)、
から選択され、
X3が前記で定義されたとおりであり、
R5がC1-C2アルキレンであり、
nが0または1〜4の整数であり、
R6およびR7が互いに同一または異なって、HまたはC1-C6アルキルから選択され、
X6がH、NR8R9、OR8、NH-NR8R9、SR8またはR10(ここで、R8、R9およびR10は、互いに同一または異なって、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルから選択されるか、またはR8およびR9は水素である)から選択され、
X7がC1-C6アルキルまたはC2-C6アルケニルから選択され、
X8がHである
化合物である。
X9は、
− X2aの任意の置換基である基で任意に置換されていてもよい、単環式のアリールアルキル、単環式のシクロアルキルアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキル、
− CH2-CH2O-アルキル(ここで、アルキルはC3が直鎖状または分枝鎖状であるC1-C3アルキルである)
から選択され、
R10はC1-C2アルキレンであり、
mは0または1〜3の整数であり、
R11およびR12は互いに同一または異なって、H、CH3から選択され、
X11は、X5=Z2であるときのX5の任意の置換基である基で任意に置換されていてもよい、無置換または置換の単環式のアリールアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキルから選択され、
の化合物である。
A-6) 化合物(H')のカルボン酸官能基とX6基の前駆体との反応により、X6が次の基:NR8R9、OR8、NH-NR8R9またはSR8の1つから選択される、式(A)の化合物を合成する、
工程A-3)は、工程A-1)で示された化合物を、それぞれカップリング反応剤および有機塩基として用いることによって行われる。好ましくは、カップリング反応剤としてHOAt/HATUが用いられ、塩基としてトリエチルアミンが用いられる。
工程A-6)において、化合物(H')は、工程A-1)における前述のものからそれぞれ選択される、カップリング反応剤および有機塩基と反応させられる。用いられる置換基X6の前駆体は、次の化合物:NHR8R9、HOR8、NH2-NR8R9、HSR8である。溶媒として、ジクロロメタンを用ることができ、カップリング反応剤はHOAt/HATU混合物であり、有機塩基は、例えばトリエチルアミンである。
− 化合物(H)または(H'')を用いる以外、工程A-6)を繰り返し、X6がR10であり、X4=OC(O)R7である式(A)の化合物を得る。
s1-a) 式(B0)の酸を式X2-NH2のアミンと反応させて、化合物(B01)を得る、
s1-b) 化合物(B01)を式(B2)のエノンと反応させて、化合物(B1)を得る。
− X4がX3と一緒になって基=Oを形成するとき、工程s1-c) (B1)の末端のエステル基の加水分解が行われる、
s1-d) (B1)のケトン基を基X4の前駆体と反応させて、それにより(B4)を得る、
s1-d') (B4)の末端の(end)エステル基を加水分解して、化合物(B)を得る、
s1-e) (B1)のケトン基を還元して、化合物(B3)を得る、
s1-e') (B3)のターミナルエステル基を加水分解して、化合物(B)を得る、
s1-f) 位置Dの(B3)のヒドロキシを前記X4基の対応する前駆体と反応させて、化合物(B4)を得る、
s1-f') (B4)のターミナルエステル基を加水分解して、化合物(B)を得る。
(B4)が(B1)から得られるとき、X4=アルキル、アルケニル、NR6R7であり;
(B4)が(B3)から得られるとき、X4=ハロゲン、SH、(OR5)n-OR6であり;
(B)が(B1)から得られるとき、X3はX4と一緒になって基=Oを形成する。
工程s1-e)は、最初、不活性溶媒中の触媒溶液に還元剤、s1-b)で得られる化合物(B1)、次いで有機プロトン性溶媒を加えることによって行われる。式(B3)の化合物が得られる。好ましくは、触媒はキラル触媒であり、より好ましくは、(S)-CBS(ここで、CBSはCorey、BakshiおよびShibita(J.Am.Chem.Soc., 109, 1987, 5551-5553; J.Am.Chm.Soc., 109, 1987, 7925-7926)によって開発されたボロハイドライドのキラル誘導体の反応剤CBSである)である。不活性溶媒は、例えばTHFであり、還元剤は、好ましくはジメチルサルファイドと錯体を形成したボランである。有機プロトン性溶媒は、例えばメタノールである。反応生成物は、好ましくはカラムクロマトグラフィーで精製される。反応は-10℃〜40℃の間、好ましくは0℃〜25℃の間に含まれる温度で行われる。反応時間は、一般的に4〜16時間の範囲である。
工程s1-f)は、以下に示されるように、化合物(B)のX4の意味によって、異なる反応を用いて行われる。
X4がフッ素のとき、化合物(B3)は、ビス(2-メトキシエチル)アミノサルファートリフルオライド(デオキソ-フルオル試薬)と-80℃〜-20℃の範囲の温度で、好ましくは-80℃〜-60℃、最も好ましくは-80℃〜-70℃の温度で反応させられる。
X4が基(OR5)nOR6でn=0のとき、化合物(B3)は、R6Brおよび金属ハライド、好ましくはNaHと反応させられ、nが0と異なるとき、化合物(B3)はBrR5(OR5)n-1OR6と反応させられる。
X4がSHのとき、化合物(B3)はDEAD、トリフェニルホスフィンおよびCH3(O)SHと反応させられる。
工程s1-f')は、s1-c)で記載されたようにして行われる。
化合物(D1)の製造、
式(A)においてX7=Hのとき、式(D2)の化合物の製造、式(A)のX7がHと異なるとき、化合物(D3)が製造される、
式(D5)の化合物の製造、
(D2)または(D3)のそれぞれと(D5)との反応によって(D6)の合成、
(D6)の(D7)への変換、
(D)を得るための(D7)の反応。
より詳細にスキーム2が記載される。該方法は、次の工程を順に含む:
s2-a) 式X15-OH(ここで、X15はアルキルまたはシクロアルキルから選択される)のアルコールとブロモアセチルブロマイドとの反応で、化合物(D1)を得る。
− X7=Hのとき、次の工程が順次行われる:
s2-b) (D1)のトリフェニルホスフィンとの反応で化合物(D2)を得る、
s2-c) 式(D4)のアミノアルコールのアミノアルデヒド(D5)への酸化、ここでアミノ基は保護基X17を有する、
s2-d) 化合物(D2)と(D5)との反応で、不飽和アミノエステル(D6)を得る、
s2-e) 化合物(D6)の2重結合C=Cの還元で、化合物(D7)を得る、
s2-f) 強酸を用いることによって、(D7)のアミン基から保護基X17を除去し、次いでカルボキシ基のメチル化反応で、X8=Hの化合物(D)を得る。
工程s2-g):(D2)と式X7a-I(ここで、X7aはアルキルまたはアルケニルである)の脂肪族ヨウ化物との反応で、化合物(D3)を得る、
工程s2-c) アミノアルコール(D4)のアミノアルデヒド(D5)への酸化、
工程s2-d) ここで、(D5)を化合物(D3)と反応させて、(D6)を得る、
次いで、工程s2-e)およびs-2f)で、化合物(D)を得る。
反応のために適した有機溶媒は、例えばジクロロメタンである。反応温度は、一般的に0℃〜40℃の範囲である。反応時間は、一般的に1〜5時間の範囲である。反応の最後に、好ましくは、NaHSO4水溶液が加えられる。最終の抽出のに適した溶媒は、例えばジクロロメタンである。反応生成物はフラッシュクロマトグラフィーで精製される。
s2'-b) 化合物(D5)を式(DX)の化合物と反応させて、化合物(D1')を得る。化合物(DX)において、X7は式(A)で定義されたとおりであり、X19は直鎖状または分枝鎖状のアルキルで任意に置換されていてもよいアルキレンである、
s2'-d) 保護基X17と続くヒドロキシ基のメチル化が行われ、化合物(D)を得る。
s2'-e) 化合物(D1')のヒドロキシ基をハロゲン、SH、OCH3基の対応する前駆体と反応させて、化合物(D1'a)を得る、
(D1'a)を用いる以外、工程s2'-c)およびs2'-d)を繰り返す。
s2'-cA) 化合物(D1')のヒドロキシ基のケトン基への酸化で化合物(D1'')を得る、次いで
s2'-cB) (D1'a)を得る、
次いで、それを上記のように進める。
(D1'a)が(D1'')から得られるとき、X8=アルキル、アルケニルである。
工程s2'-cA)において、適当な酸化剤は、例えばオキサリル クロライド/DMSO/トリエチルアミン混合物、またはピリジニウムクロロクロメートのH2SO4/CrO3混合物である。
工程s2'-c)において、脱アセチル化は、例えばTHFと水の混合物を用いることによって行われ得る。好ましくは、反応は、任意に過酸化水素の存在下、強塩基、好ましくはLi(OH)を用いることによって行われる。
指数p1、p2、qおよびsは互いに同一または異なって、0または1に等しい整数であり、
Tは式(A)の化合物の1価の基であり、
T1は式(A)の化合物の2価の基であり、
G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cは互いに同一または異なって、ポリマーまたは医薬的に許容されるバイオ分子であり、
αおよびβは0または1に等しい整数であり、但し、α=β=0のとき、p1、p2、qおよびsは0に等しく、αおよび/またはβ=1のとき、基Gi(i=1a、1s、1b、2a、2b、2c)に結合するL1および/またはL2の部分は、p1、p2、sおよびqの値により、1価、2価または3価になり得る。
互いに同一または異なった好ましい結合基L1、L2として、次のものが挙げられる:任意にS-S結合および/もしくN-N結合、ならびに/または式(DXI)および/もしくは(DXII)(式は以下に示される)の2価の結合基を含んでいてもよい前で定義されたアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、アリレン、ヘテロアリレン、シクロアルキレン、アルキルシクロアルキレン、ヘテロアルキルシクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アルキレンアリール、アリールアルキレン、アルキレンアリールアルキレン、ヘテロアリールアルキレン、アルキレンへテロアリール、任意にS-S結合および/もしくはN-N結合、ならびに/または式(DXI)および/もしくは(DXII)の2価の結合基を含んでいてもよいペプチド鎖が挙げられる。
結合基の式の末端、好ましくは右側に存在する自由原子価は、G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cに結合し、
mxは0〜20、好ましくは0〜6の整数であり、
m1およびm2は互いに同一または異なって、0または1であり、
m3およびm4は互いに同一または異なって、0〜200、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜10の整数であり、
RxyzはHまたはアルキル(ここで、アルキルは好ましくは直鎖状または可能なときは分枝鎖状のC1-C5鎖である)から選択され、
ポリエチレングリコール(PEG)鎖を有する化合物での官能化により任意にペグヒレートされた(pegphilated)、アルブミン、糖タンパク質、リポタンパク質、上皮細胞増殖因子(EGF)、レクチン、トランスフェリンのようなタンパク質、
ホルモン、
例えば、Expert Opin. Drug Deliv. 2009, 6(3) 285-304に報告されたもの、例えばMUC-1、PSMAアプタマー(A9,A10)、A30、AS-1411、CTLA-4-アプタマー、クローン5、TTA1、PDGF-rプタマート(Aptamert)、III.1、ペガプタニブ(PEGAPTANIB)のようなアプタマー、
Expert Opin. Drug Deliv. 2009, 6(3) 285-304;News Physiol. Sci., 2001, 16, 191-194;British Journal of Cancer, 2007, 96, 1862-1870に報告されたもののような抗体またはそれらのフラグメント;好ましくは、抗体は、例えば、インテグリンαvβ3およびαvβ5に特に関連して、インテグリンに結合するもののような新生血管マーカーに選択的に結合することができるようなもののような血管新生マーカーに結合する能力がある、
血管内皮成長因子(VEFG)、
VEFG受容体、
前立腺癌で発現される抗原(PSMA:前立腺特異的膜抗原、例えばKularatneら, Molecular Pharmaceutics vol. 6, n. 3, 780-789, 2009を参照)、
細胞接着CD44受容体、
フィブロネクチン(FN)のエキストラドミニオン(extradominion)B、
テネイシンC、
より好ましくは、L19-SIPのようなL19として知られているフィブロネクチンのED-Bドミニオンに対する選択的な抗体、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、アレムツズマブ(キャンパス(登録商標))、ゲムツズマブ オゾガマイシン(マイクロターグ(登録商標))、イブリツモマブ チウキセタン(ゼヴァリン(登録商標))、トシツモマブ(ベキサール(登録商標))、ゲフィニチブ(イレッサ(登録商標))、セチキシマブ(アービタックス(登録商標))、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、パニツムマブ(ベクチビックス(登録商標))のようなモノクローナル抗体。
CNGRCVSGCAGRC、NGRAHA、GNGRG、CVLNGRMEC、CNGRC、CNGRCG、LNGRE、YNGRT、
LQCICTGNGRGEWKCE、LQCISTGNGRGEWKCE、CICTGNGRGEWKC、CISTGNGRGEWKC、MRCTCVGNGRGEWTCY、MRCTSVGNGRGEWTCY、CTCVGNGRGEWTC、CTSVGNGRGEWTC、
CNGRCGVRY、
シクロCVLNGRMEC、直鎖CNGRC、シクロCNGRC、直鎖CNGRCG、シクロCNGRCG、
NGRがDGRで置換された上記の配列(Seq)、
NGRがisoDGRで置換された上記の配列(Seq)、
NGRがLisoDGRで置換された上記の配列(Seq)、
NGRがDDGRで置換された上記の配列(Seq)。
ビオチン、葉酸(folate)、ビタミンB12、チアミンのようなビタミン、
アビジン、ストレプトアビジン、
ポリエチレングリコール(PEG)、好ましくは200〜100,000 Da、より好ましくは10,000〜50,000の平均分子量を有するもの、
天然ポリマー、
Woo-Dong Jangらによって、In Progress in Polymer Science 4, 2009, 1-23に記載されたもののようなデンドリマー、
カーボンナノチューブ、
シクロデキストリン、例えばα、β、γシクロデキストリン、
任意にPEG鎖に結合させられたβ-シクロデキストリンポリマーのようなポリマー化されたシクロデキストリン、例えばT. Schluepらによる、Clin. Cancer Res. 15, 2009, 181-189の論文を参照、
ポリオルガノホスファゼン、ポリアンハイドライド、ポリアミド、ポリオルトエステル、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリ乳酸(PLA)およびポリ乳酸/ポリグリコラートポリマー(PLA/PLGA)のようなポリエステル、ポリヒドロキシ酸、ポリラクトン、ポリエスルアミド、ポリアミノ酸、ポリアンハイドライド、ポリカーボネート、ポリホスファジン、ポリホスホエステル、ポリチオエーテルのような合成ポリマー。
Pol-Aは、任意に改質され得る。Pol-Aの改質は、1つ以上の表面改質剤の物理化学的吸着(例えばファン デル ワールス力)および1つ以上の特定の改質剤を用いてのPol-Aの化学的官能化の両方によって行われ得る。後者の場合、改質剤は、共有結合、例えばグラフト化によってPol-Aに結合される。例えば、E. Garciaら, "Colloidal carriers and blood-brain barrier (BBB) tarnslocation: A way to deliver drugs to the brain", Int. J. of Pharmaceutics 298 (2005), 274-292を参照されたい。
トウィーン80のような、ポリオキシエチレンまたはペグヒレートされた鎖を含む化合物、例えば、J. Kreuter, "Nanoparticulate systems for brain delivery of drugs", Advanced Drug Delivery Reviews, 47, 2001, 65-81, M. T. Peracchiaら, "Synthesis of a Novel Poly(MePEG cyanoacrylate- co-alkl cyanoacrylate) amphiphilic copolymer for nanoparticle
technology", Macromolecules, 30, 1997, 846-851を参照されたい、
前記で定義されたもののような抗体、
前記で定義されたもののようなペプチド、
ペプチド化合物、タンパク質、ペプチドと異なる構造を有する合成化合物もしくは天然化合物のような、生理学的障壁に発現された特定の受容体により認識されるペプチド、例えば、L. Costantinoら, "Peptide-derivatized
biodegradable nanoparticles able to cross the blood-brain barrier",
Journal of Controlled Release, 108, 2005, 84-96, B. Stellaら,
"Design of folic acid-conjugated nanoparticles for drug targeting",
J. of Pharmaceutical Sciences 89 11, Nov. 200 1452-1464を参照されたい。
846-851に記載されたPoly(MePEGcyanoacrylate-co-alkl cyanoacrylate)粒子のPEG鎖の場合のように、Pol-Aの主鎖に直接結合され得る。
αおよびβが0と異なって、(C1)および(C2)であるとき:
Con-1) 不活性有機溶媒中で、結合基L1および/またはL2の1または2の前駆体と式(A)の化合物とを反応させて、それぞれ、次の式を有する化合物(C1a)および(C2a)を得る:
水素、
OH(G1およびG2が結合する結合基の原子価が酸素原子上にないとき)、
p1、p2、qおよびsは式(C1)および(C2)で定義されたとおりである)
指数αまたはβの1つが0に等しいとき、0と異なる指数を有する化合物またはその分子中の基を得るために、Con-1)およびCon-2)を行う、
0に等しい指数を有する化合物またはその分子中の基を得るために、化合物(C1a)または(C2a)に代わりに化合物(A)を用いる以外、Con-2)を行う。
反応は、-80℃〜150℃の間、好ましくは-78℃〜80℃の間、さらに好ましくは0℃〜70℃の間に含まれる温度で行われる。適当な不活性有機溶媒として、例えばDMF、THFが用いられ得る。
(C1)または(C2)、化合物(C1a)または(C2a)は、例えばヘキサフルオロプロパノールでの処理によって、化合物T-L1-樹脂または樹脂-L2-T1-L1-樹脂から得られる。
ポリマーまたはバイオ分子の反応性官能基は、例えばOH、SH、アルケニル、エステル、アミノ、アミド、アジド、COOHである。
結合基L1およびL2の反応性官能基は、工程Con-1)において前で挙げられたものと同じである。
ポリマーまたはバイオ分子の反応性基がCOOH基であるとき、それは、工程Con-1)で示した基COOHの反応性群の1つに変換することによって、前もって活性化される。
Con-3) Con-2)で記載された方法および反応条件により、ポリマーまたはバイオ分子G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cと結合基L1およびL2の前駆体とを反応させて、式(C1b)または(C2b)の化合物を得る:
任意に、工程Con-1)、Con-2)、Con-3)、Con-4)のそれぞれで得られた化合物は、例えば分取クロマトグラフィー、または分取HPLC、または液体/液体もしくは固体/液体抽出、または結晶化によって精製され得る。
好ましくは、これらの化合物は、前記の式(C1a)および(C2a)を有する。
医薬組成物により、製剤は、本願発明の化合物および/または共役化合物および/または式(A)の化合物を少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体と反応させることによって得られる化合物が、賦形剤、担体、染料、保存剤、芳香剤および医薬の分野でその使用が知られているその他の添加剤と混合されている場合を意味する。
それらは、製薬技術の公知の方法により得られ、例えば、それらは、エマルジョンおよびマイクロエマルジョンから出発して得ることができ、ここで、本発明の化合物または共役化合物は、水相と一緒に混合され、任意に界面活性剤およびその他の添加剤の存在下、オイル相と混合される。
S) 次のクラス:
− 任意にフッ素原子を含んでいてもよい、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両イオン性の界面活性剤から選択される界面活性剤、
− それらが溶解される液体中で、凝集体、ミセル、液晶、小胞のような組織構造を形成するポリマー(Pol)
から選択される1以上の医薬的に許容される成分を0.01〜95%、
− 任意に1以上のエチレンタイプの不飽和を含んでいてもよいC4-C32カルボン酸エステル、
− 最終組成物が3〜5の間に含まれるpHを有するときに使用可能な、任意に1以上のエチレンタイプの不飽和を含んでいてもよいC4-C32カルボン酸
から選択される1以上のオイルを0〜95%、
AD) 次のクラス:
− 水および/またはオイルの極性の調節剤、
− 成分S)の膜の曲率の調節剤、
− 共-界面活性剤
から選択される1以上の化合物を0〜60重量%、
WA) 任意に緩衝されていてもよい、水または生理食塩水溶液を0.001〜99.9%、
成分の合計は100%である。
粘度が非常に高いとき、本発明のマイクロエマルジョンは、任意に液晶の形状を呈する、ゲルの形態にある。
成分S)において、フッ素原子を含む界面活性剤は、(パー)フッ素化鎖、例えば(パー)フルオロポリエチレン鎖を有し得る。
マイクロエマルジョンにより、系は互いに不混和の2以上の相を形成すること意味し、それは、透明で、等方性であり、少なくとも1つの水相と少なくとも1つのオイル相を含み、ここで、種々の相は、任意に1以上の化合物AD)、例えば共-界面活性剤の存在下、成分S)によって安定化される。例えば、R. K. Mitra, Physicochemical investigations of microemulsification of eucalyptus oil and water using mixed surfactants (AOT+ Brij-35) and butanol, J. Colloid and Interface Science, 283 (2005) 565-577を参照されたい。活性成分が脂溶性で、それゆえ水中または水相中に不溶であるとき、製剤の使用のためのマイクロエマルジョン中のオイル相が、時々、活性成分によってだけで形成される。
本発明のマイクロエマルジョンまたは本発明のエマルジョンを製造する方法が以下に記載される。
− 前記で定義された成分S)を0.01〜90%、
− 成分O)の1以上のオイルを0〜90%、
− 化合物成分PA)を0.001〜50%、
− 成分AD)を0〜30%、
− 成分WA)を0.1〜99.9%、
成分の合計は100%である。
− 成分S)を0.01〜80%、
− 成分O)の1以上のオイルを0〜70%、
− 化合物成分PA)を0.05〜40%、
− 成分AD)を0〜20%、
− 成分WA)を10〜99.9%、
成分の合計は100%である。
− 成分S)を0.01〜70%、
− 成分O)の1以上のオイルを0〜50%、
− 化合物成分PA)を0.05〜30%、
− 成分AD)を0〜15%、
− 成分WA)を20〜99.9%、
成分の合計は100%である。
好ましくは、マイクロエマルジョン/エマルジョン中のオイルは、0.001%より低くない。
例えば商標クレモホール(Cremophor)(登録商標)EL(BASF)で知られている、ヒマシ油のエトキシル化によって製造される、ポリオキシル35ヒマシ油、
例えば商標ソルトール(Solutol)(登録商標)HS15(BASF)で知られている、15 molのエチレンオキサイドと1 molの12-ヒドロキシステアリン酸との反応によって製造される、ポリエチレングリコール15ヒドロキシステアレート、
トウィーン(Tween)(登録商標)80、トウィーン(登録商標)20、トウィーン(登録商標)60、トウィーン(登録商標)85のような、ポリオキシエチレンポリソルベート、
ビタミンE/TPGS:トコフェリル プロピレングリコール 1000 スクシネート、
例えば、ブリジ(Brij)(登録商標)35、ブリジ(登録商標)76、ブリジ(登録商標)98のようなブリジ(登録商標)シリーズのもののような、脂肪酸のポリオキシエチレンエーテル、
micelles and liquid critalline phases", Langmuir, 2005, 21, 8146-8154を参照されたい。これらの中で、例えば、次のものが挙げられ得る:
− PEG 1500 モノ-12-カプリルオイルオキシ ステアレート(PEG 1500-C18C8)
− PEG 1500 モノ-12-カプロイルオキシ ステアレート(PEG 1500-C18C10)
− PEG 1500 モノ-12-ラウロイルオキシ ステアレート(PEG 1500-C18C12)
− PEG 1500 モノ-12-ミリストイルオキシ ステアレート(PEG 1500-C18C14)
− PEG 1500 モノ-12-パルミトイルオキシ ステアレート(PEG 1500-C18C16)。
カチオン性界面活性剤の中で、例えば、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム ブロマイド(CTAB)およびジドデシルアンモニウム ブロマイド(DDAB)が挙げられ得る。
例えば、商標ラブラフィル(Labrafil)(登録商標)1944 CS(Gattefosse)で市販されている、オレオイル マクロゴール 6 グリセライド(不飽和のポリグリコシル化されたグリセライド)、
例えば、商標ラブラファク(Labrafac)(登録商標)PG(Gattefosse)で知られている、プロピレングリコール カプリレート カプレート、
グリセロール オレエート(例えば、パセオール(Paceol)(登録商標)(Gattefosse))、
中鎖のモノ-およびジグリセライド、例えばカプリン酸およびカプリル酸のグリセライド(例えば、カプムル(登録商標)MCM(Abitec)、イムウィトール(Imwitor)(登録商標)308(Sasol))、
カプリン酸/カプリル酸のトリグリセライド(例えば、ミグリオール(Miglyol)(登録商標)812およびミグリオール(登録商標)810(Sasol)、ラブラファック(登録商標)CC CS(Gattefosse))、
エチル ブチレート、エチル カプリレート、エチル オレエート、
例えば、Sasolによる商標ダイナサン(DYNASAN)(登録商標)116で市販されている、トリパルミチン。
酸成分O)の中で、脂肪族カルボン酸が好ましく、例えばステアリン酸、ω-3およびω-6酸が挙げられ得る。
成分AD)において、共-界面活性剤は、例えば前で定義された界面活性剤化合物、または脂肪族アルコール、好ましくは少なくとも6炭素原子の鎖を有するアルコールであり得る。例えば、次の化合物が挙げられ得る:例えば商標カプムル(登録商標)PG12(Gattefosse)またはラウログリコール(Lauroglycol)(商標)90(Gattefosse)で知られている、プロピレン グリコール モノラウレート、
例えば、商標トランスカトール(Transcutol)(商標)(Gattefosse)で知られている、ジエチレングリコール モノエチル エーテル。
本発明のマイクロエマルジョンは、次の工程を含む方法で製造され得る:
(IP) オイル中で化合物成分PA)を任意に安定化する、
(IIP) 成分PA)または(IP)で得られたオイル中のその溶液に、成分S)を加える、
(IVP) 撹拌下に、(IIP)または任意に(IIIP)で得られた相に、水または生理食塩水溶液を加え、澄んだ溶液を得る。
上記の工程の遂行の順番を変えること、または例えば次のように行うことによって、澄んだ溶液の形態のマイクロエマルジョンを得ることが可能である:
(IP') オイル中で化合物成分PA)を任意に安定化する、
(IIP') 水または生理食塩水溶液に成分S)を加える、
(IVP') 撹拌下、成分PA)または工程(IP')のオイル状溶液と工程(IIP')の水相または任意に工程(IIIP')と混合する。
この方法の温度範囲は、前記の工程で示されたものと同じである。
(IP'') オイル中、任意に成分AD)の存在下、化合物成分PA)を任意に安定化する、
(IIP'') 成分PA)または(IP'')で得られたオイル状溶液を35℃〜80℃、より好ましくは45℃〜70℃の範囲の温度で加熱する、
(IIIP'') 成分S)を、任意に成分AD)を含む水または生理食塩水溶液に加える、
(VP'') 撹拌下、工程(IVP'')で得られた水相に、工程(IIP'')で得られた相を加え、そのようにしてエマルジョンを形成する、
(VIP'') エマルジョンを0℃〜30℃の間に含まれる温度に冷却する。
工程(VP'')および(IVP'')で得られるエマルジョンは、任意に高圧でのさらなる均質化工程に付され得る。
医薬組成物は、特許US 2003/0003145に示された方法および添加剤を用いても製造され得る。これらの製剤において、アルキル硫酸ナトリウム、または製薬の分野で一般的に用いられるその他の界面活性剤が用いられ得る。例えば、本発明の化合物または共役化合物の経口投与に対して使用可能な医薬組成物は(重量%で):
本発明の化合物および/または共役化合物、および/または式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体とを反応させて得られる化合物を0.5〜20%、
分離剤、例えばセルロース、カルボキシルメチル セルロース ナトリウムまたはその他のセルロール誘導体を2.5〜10%、
100%までの差は経口の剤形に通常用いられる賦形剤のその他のビヒクルである
を含む。
特に、それらは(重量%で):
式(A)の化合物および/または本発明の共役化合物、および/または式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体とを反応させて得られる化合物を0.1〜20%、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を0.5〜10%、
100%までの差は経口の剤形に通常用いられる賦形剤、その他のビヒクルである
を含む。
化合物Pol-Aは、本発明の共役化合物に関する部分において、前に記載されている。
本発明の医薬製剤は、ヒアルロン酸および/またはα、βもしくはγシクロデキストリンまたは例えばアルキル鎖および/またはPEGを含む、修飾されたシクロデキストリンのようなシクロデキストリンを含み得る。
式(A)の化合物、本発明の共役化合物および式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体とを反応させて得ることができる化合物、ならびにそれらの医薬組成物は、腫瘍細胞株に対して高い細胞毒性を示す。
本発明は、哺乳類およびヒトにおける腫瘍疾患および/または血管新生に関連する疾患の治療用医薬を製造するための、式(A)の化合物および/または本発明の共役化合物および/または式(A)の化合物と少なくとも1つの結合基L1またはL2の前駆体とを反応させて得ることができる化合物、および/またはそれらの医薬組成物の使用にも関する。
シスプラチン(Cisplatin)、カルボプラチン(Carboplatin)、プロクルバジン(Procrbazine)、アスパルギナーゼ(Asparginase)、アルトレタミン(Altretamine)、ヒドロキシカルバミド(Hydroxycarbamide)、ロニダミン(Lonidamine)、ペントスタチン(Pentostatin)、ミルテフォシン(Miltefosine)、マソプロコール(Masoprocol)、エストラムスチン(Estramustine)、ダカルバジン(Dacarbazine)、トレチノイン(Tretinoin)、ポルフィメル ナトリウム(Porfimer sodium)、ミトグアゾン(Mitoguazone)、チアゾフリン(Tiazofurine)、タモキシフェン(Tamoxifen)のようなその他の抗腫瘍剤。
Rf=0.36 (n-ヘキサン/酢酸エチル 8/2 体積/体積);
Rf=0.39 (n-ヘキサン/酢酸エチル 8/2 体積/体積);
Rf=0.42 (n-ヘキサン/酢酸エチル 7/3 体積/体積);
Rf=0.42 (ジクロロメタン/MeOH 9/1 体積/体積);
Mass (ESI) m/z: 459.2 (M++H+)、スペクトルはTetrahedron, 1992, 6929-6952に示されたものと一致する。
Rf=0.47 (n-ヘキサン/酢酸エチル 97/3 体積/体積);
(2S,4R)-((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル) 4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
酢酸エチル(6 ml)中の実施例1.9で得られた化合物(0.32 mmol)の溶液に、触媒量のPd/Cを加える。反応混合物を、水素雰囲気下、撹拌下に2時間保つ。最後に、有機溶液をセライトで濾過し、溶媒を減圧下に蒸発する。化合物(DD2)を得る。それは、2つのジアステレオ異性体(DD2A)および(DD2B):
Rf=0.3 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-ベンジル-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニル ペンタノエートの合成
Rf=0.44 (n-ヘキサン/酢酸エチル 1/1 体積/体積);
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-N-ベンジル-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニル ペンタノエートの合成
Rf=0.30 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-N-ベンジル-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の2,2,2-トリフルオロ酢酸塩の合成
Rf=0.15 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3R)-N-ベンジル-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の合成
Rf=0.23 (n-ヘキサン/酢酸エチル 6/4 体積/体積);
式(A)の化合物の合成
実施例1.8での化合物 Boc-フェニルアラニノールの代わりに、実施例2.1で得られた化合物を用いる以外、1.1〜1.15の実施例を繰り返した。
合成の最後に、化合物(DD3):
実施例1.8での化合物 Boc-フェニルアラニノールの代わりに、化合物 Boc-4-フルオロ-フェニルアラニンを用いる以外、1.1〜1.15の実施例を繰り返した。
該方法の最後に、化合物(DD4):
実施例1.8での化合物 Boc-フェニルアラニノールの代わりに、化合物 Boc-4-メトキシ-フェニルアラニンを用いる以外、1.1〜1.15の実施例を繰り返した。
該方法の最後に、化合物(DD5):
実施例1.8での化合物 Boc-フェニルアラニノールの代わりに、化合物 Boc-4-トリフルオロメチル-フェニルアラニンを用いる以外、1.1〜1.15の実施例を繰り返した。
該方法の最後に、化合物(DD6):
Rf=0.27 (n-ヘキサン/酢酸エチル 7/3 体積/体積);
Rf=0.45 (n-ヘキサン/酢酸エチル 7/3 体積/体積);
エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Rf=0.42 (n-ヘキサン/酢酸エチル 7/3 体積/体積);
Rf=0.35 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
(2S,4R)-メチル-4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
Rf=0.31 (n-ヘキサン/酢酸エチル 1:1 体積/体積);
(2S,4R)-メチル-4-(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-3-((2S,3R)-N-(2-メトキシエチル)-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
Rf=0.32 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-3-((2S,3R)-N-(2-メトキシ-エチル)-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタン-アミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸のトリフルオロ酢酸塩の合成
収率 87%;Rf=0.17 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-((2S,3R)-N-(2-メトキシエチル)-3-メチル-2-(1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチルペンチル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の合成
収率 78%;Rf=0.28 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
共役化合物 (化合物実施例1.15)-(Ala-Leu-Ala-Leu-βAla-βAla-Cys-Asn-Gly-Arg-Cys-Gly-Val-Arg-TyrCOOH)の合成
7a:樹脂上のバイオ分子 NH2βAla-βAla-Cys-Asn-Gly-Arg-Cys-Gly-Val-Arg-TyrCOO-樹脂の合成
樹脂上でのペプチド合成を、結合基 Cl-トリチル-クロライドで官能化され、あらかじめ300マイクロ等量のチロシンが組み込まれた、樹脂1g当たり0.5 meqの活性部位を有するポリスチレン樹脂を用いることにより、自動装置(Abi-433 Applied Biosystems)を用いて行なった。合成は300マイクロモルのペプチドを得るように行なわれた。
「カップリング」×4のために過剰の反応剤;
アミノ酸/活性剤/DIPEAのモル比 1/1/2;
DeFmoc反応剤:ジメチルホルムアミド(DMF)中のピペリジン 20%
であった。
樹脂上でのペプチド合成を、Cl-トリチル-クロライド 結合基で官能化され、あらかじめロイシンが組み込まれた、樹脂1g当たり0.5 meqの活性部位を有するポリスチレン樹脂を用いることにより、自動装置(Abi-433)を用いて行なった。合成は300マイクロモルのペプチドを得るように行なわれた。
合成はFastMocタイプ(Fmoc-tBu)であり、実施例7aで採用された同じ条件下で行なわれた。
実施例1.15で得られた化合物(35 mg, 0.043 mmol)のDMF(200μl)の溶液に、TBTU(14 mg, 0.043 mmol)およびDIPEA(15μl)を加える。得られた溶液を、DMF(200μl)中に懸濁させた実施例7bで得られた化合物 NH2-Ala-Leu-Ala-Leu-COO-樹脂(43 mg, 0.0215 mmol)に加える。撹拌を18時間続けた。
次いで、ヘキサフルオロプロパノールを加えることにより、共役化合物を樹脂から取り外し、TBME(tert-ブチルメチルエーテル)中に沈殿し、遠心分離によって固体を回収し、TBMEで10回洗浄した。
実施例7cで得られた、共役化合物 (化合物実施例1.15)-(Ala-Leu-Ala-Leu-COOH)(0.0215 mmol)のDMF(200μl)中の溶液に、TBTU(7 mg)およびDIPEA(7.5μl)を加える。得られた溶液を、実施例7aで得られた化合物 NH2βAla-βAla-Cys-Asn-Gly-Arg-Cys-Gly-Val-Arg-TyrCOO-樹脂(25 mg, 0.0107 mmol)のDMF(200μl)中の懸濁液に加え、18時間撹拌する。
セミ分取カラムPhenomenex, Jupiter 10ミクロン Proteo 90 A モデル, 20×250 mm サイズ;溶離液A:97%水、3%アセトニトリル+1/1000トリフルオロ酢酸;溶離液B:30%水、70%アセトニトリル+1/1000トリフルオロ酢酸;カラムは、50分間でのAの80体積%での初期混液〜Aの20体積%を含む最終混液の直線溶出勾配による2つの溶媒の混液で溶出された。
MASS (ESI) m/z: 1167,9 (M+2H+), 778,6 (M+3H+).
共役化合物 (化合物実施例1.15)-(Gly-Phe-Leu-Gly-βAla-βAla-Cys-Asn-Gly-Arg-Cys-Gly-Val-Arg-TyrCOOH)の合成
8a:樹脂上のペプチド(結合基) NH2-Gly-Phe-Leu-Gly-COO-樹脂の合成
樹脂上でのペプチド合成を、Cl-トリチル-クロライド 結合基で官能化され、あらかじめグリシンが組み込まれた樹脂を用いることにより、自動装置(Abi-433)を用いて行なった。樹脂は、1g当たり0.5 meqの活性部位によって特徴付けられる。合成は300マイクロモルのペプチドを得るように行なわれた。
合成はFastMocタイプ(Fmoc-tBu)であり、実施例7aで用いられた同じ条件下で行なわれた。
実施例7bで製造された化合物 NH2-Ala-Leu-Ala-Leu-COO-樹脂の代わりに、実施例8aで得られた樹脂を用いる以外、実施例7cを繰り返した。
実施例7cで得られた化合物の代わりに、実施例8bで製造された共役化合物を用いる以外、実施例7dを繰り返した。NH2-Gly-Phe-Leu-Gly-COO-樹脂とのカップリングに基づいて計算し収率38%。
MASS (ESI) m/z: 1170,9 (M+2H+), 780,6 (M+3H+).
実施例1.15の化合物を含むポリラクテート-ポリグリコレートのナノ粒子の製造
実施例1.15で得られた化合物の10 mgおよびSigma Aldrich(登録商標)により市販されている平均分子量40,000〜75,000を有するコポリマーPLA-PLGA 50:50の100 mgをジクロロメタンの4 ml中に溶解した。得られた有機溶液を、Solutol(登録商標)HS15(Basf(登録商標))の5重量%の水溶液の8 ml中で、ウルトラツラックス(ultraturrax)Politron(登録商標)乳化機(7 mmプローブで10,000 rpm)を用いる30分間の処理により乳化した。
得られた粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)および光子相関分光法(PCS)の両方で特徴付けられた。ナノ粒子の平均直径は、次の:120±25 nm (TEM)、146±10 nm (PCS)であった。
実施例6.8の化合物を含むポリラクテート-ポリグリコレートのナノ粒子の製造
次の:
− 実施例1.15で製造された化合物の代わりに、実施例6.8で得られた式(A)の化合物、
− Solutol(商標)SH15の代わりに、ポリビニルアルコール
を用いる以外、実施例9に示した方法を繰り返した。
製造工程は、前の実施例に示したものと同じであった。特徴付けは次の結果であった:粒子の平均直径は135±20 nm (TEM)、157±17 nm (PCS)であり、粒子中に含まれる実施例6.8の化合物の量は、最初にジクロロメタンに溶解されたものの60%に等しかった。
実施例1.15で得られた化合物を含む脂質ナノ粒子 (トリパルミチン)の製造
実施例1.15で得られた化合物の50 mgを、70℃の温度で、トリパルミチン(DYNASAN(登録商標)116、Sasol)の1 gと混合する。次いで、そのオイル相を、8,000 rpmで、20分間のウルトラツラックスPolitronターボ乳化機による撹拌下、蒸留水の60 ml中、Solutol(登録商標)HS15の4 gの水溶液と一緒に同温で乳化した。得られたエマルジョンを室温に冷却した。界面活性剤Solutol(登録商標)HS15によって安定化された、実施例1.15の化合物を含む脂質(トリパルミチン)水性塩基を有する分散体が形成された。次いで、分散体は、Microfluidics 110S装置(高圧ホモジナイザー)中、120 psiの圧力で4処理サイクルに付された。
水性分散体を100,000MWCOカットオフの膜を有する、遠心分離機AMICON(商標)の試験管を用いる遠心分離によって3回の洗浄サイクルに付した。各洗浄サイクルは、ナノ粒子を含む試験管の上部区画に各回蒸留水の15 mlを加えることによって、4,000 rpmで20分間行なわれた。
ナノ粒子中に貪食された実施例1.15の化合物の量は、実施例9に記載されたようにして測定された。ナノ粒子の凍結乾燥された試料中に含まれる化合物の量は、トリパルミチン中に最初に溶解されたものの40%に等しかった。
実施例1.15の化合物を含む(MePEGシアノアクリレート-コ-アルキルシアノアクリレート)の粒子の製造
a. MePEG (ポリエチレングリコール メチルエーテル)シアノアセテートの製造
MePEGエステル化反応は、不活性雰囲気(アルゴン)下、無水ジクロロメタンの25 ml中のシアノ酢酸(0.9357 g)およびMePEG(11 g)の溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の2.2696 gと4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の50 mgを含む無水ジクロロメタンの5 mlを加えることによって行なわれた。反応混合物を室温で6時間撹拌した。固体残渣を真空下での濾過により分離し、ジクロロメタン(3×20 ml)で洗浄した。濾液を減圧下に濃縮し、粘稠な、淡黄色の生成物を得、続いて、それをイソプロパノールから結晶化することによって精製した。再結晶化後、ベージュ色の固体の11 gを得た。
ヘキサデカノールのエステル化反応は、不活性雰囲気(アルゴン)下、行なわれた。無水ジクロロメタンの50 mlと酢酸エチルの5 ml中のシアノ酢酸(7.4853 g)およびヘキサデカノール(10.6674 g)の溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の9.9864 gと4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)の50 mgを含む無水ジクロロメタンの50 mlを加えた。反応混合物を室温で24時間撹拌した。次いで、無水ヘキサンの50 mlを加えた。形成された固体残渣を真空下での濾過によって分離し、n-ヘキサン(70 ml)で洗浄した。非晶質の黄色固体が得られるまで、濾液を減圧下に濃縮し、続いて、フラッシュクロマトグラフィー(リグロイン/酢酸エチル 9/1 v/v)によって精製し、白色の固体の14 gを得た。
2つのエステルの縮合反応を、不活性雰囲気(アルゴン)下で行なった。無水エタノールの10 mlと無水ジクロロメタンの20 ml中のヘキサデシル シアノアセテート(1.238 g)とMePEG シアノアセテート(2.067 g)の溶液に、ホルマリン 37% w/vの2 mlとジメチルアミン 40% w/vの1 mlを加えた。反応を磁気撹拌下、室温で25時間行ない、得られた混合物を、黄色の蝋状の固体が得られるまで、減圧下に濃縮した。該化合物を水中に分散し、ジクロロメタンで抽出した。有機溶媒を回収し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に乾燥した。ポリ(MePEG シアノアクリレート-コ-アルキルシアノアクリレート)の3.4 gを、蝋状の淡黄色の固体として得た。
ポリ(MePEG シアノアクリレート-コ-アルキルシアノアクリレート)の30 mgと実施例1.15の化合物の5 mgをアセトンの6 ml中に溶解した。該有機溶液を、磁気撹拌下、蒸留水の12 mlに滴下した。次いで、有機溶媒を蒸発によって除去し、ナノ粒子の水性分散体を得、それを次の条件下:温度 -40℃、圧力 5×10-2 mbar、時間 24時間で凍結乾燥した。
粒子中に貪食された活性成分の量は、最終試料の既知の量をアセトン中に溶解し、UV/可視分光光度計により、有機溶液を分析することによって決定された。ナノ粒子の凍結乾燥された試料中の測定された実施例1.15の化合物の量は、最初にアセトンに溶解されたものに対して55%に等しい。
実施例6.8の化合物を含む、液体コアを有するレシチンの脂質ナノ粒子の製造
3重量%のNaCl水溶液の2.65 g、Miglyol(登録商標)812Sの1.1 g、5:1 w/wの比でSolutol(登録商標)HS15および大豆レシチン(Epikuron 200)から形成された界面活性剤の混合物の1.25 g、実施例6.8の化合物の0.005 gを70℃の温度で混合した。ウルトラツラックスPolitron(登録商標)による7,000 rpmの速度での連続撹拌下、同温で得られた液体のオイル相を、4℃に維持された蒸留水の50 mlに滴下(1滴/秒)した。添加の最後に、ナノ粒子を含む分散体を、4℃でさらに15分間撹拌下に置いた。続いて、分散体を5分間超音波処理し、次いで0.45ミクロンPTFEフィルターで濾過した。
ナノ粒子を、光子相関分光法(PCS)で特徴付けた。平均粒子直径は、65±10 nmであった。
粒子中に貪食された活性成分の量は、最終試料の既知の量をジクロロメタン中に溶解し、UV/可視分光光度計により、有機溶液を分析することによって決定された。ナノ粒子の凍結乾燥された試料で測定された式(A)の化合物の量は、最初のオイル相に加えられたものに対して45%に等しい。
式(A)の化合物の細胞毒性を評価するためのインビトロでの試験
式(A)の化合物の細胞毒性の効果が、スクリーニング下の化合物の異なる濃度で3つの細胞株を処理することによって、評価された。次の細胞株:A2780(ヒト卵巣癌)、HL60(ヒト白血病)、C6(ラット神経膠腫)およびHT29(ヒト大腸の腺癌)が用いられた。細胞株は、ECACC(European Collection of Cell Culture)により得られた。
各試料溶液に対して、4回の記録が取られた。実施例1.15および6.8で得られた式(A)の化合物の細胞毒性に対する結果(平均値)は、それぞれ表1および2に示される。細胞の生存能力の値によって決定されたGI50値は、2 nMより低いことが分かる。このことは、式(A)の化合物の高い細胞毒性を支持する。
上記の高い細胞毒性は、この実施例のチューブリシンは抗有糸分裂および/または抗血管新生の性質があることのしるしである。
実施例15.1
2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-N-メチルチアゾール-カルボキシアミドの合成
Rf=0.35(石油エーテル/酢酸エチル 1/1 体積/体積)
(1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アジド-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-4-メチル-1-(4-(メチルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ペンチル アセテート
Rf=0.32(石油エーテル/酢酸エチル 1/1 体積/体積)
(1R,3R)-3-((2S,3S)-2-アミノ-N-(2-メトキシエチル)-3-メチルペンタンアミド)-4-メチル-1-(4-(メチルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ペンチル アセテートの合成
Rf=0.30 (クロロホルム/メタノール 97:3 体積/体積)
(1R,3R)-3-((2S,3S)-N-(2-メトキシエチル)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-4-メチル-1-(4-(メチルカルバモイル)チアゾール-2-イル)ペンチル アセテートの合成
Rf=0.37 (クロロホルム/メタノール 97:3 体積/体積)
実施例15.4比較で得られた化合物を、細胞株HL60を用い、実施例14で記載されたインビトロでの同じ試験で評価し、10-10モル/リットルまでの細胞の生存能力を測定した。
10-11モル/リットルおよび10-10モル/リットルの濃度で、それぞれ細胞の生存率99.8および96%の値を得た。
表1および2は、上記の濃度で本発明の化合物を用いることにより、細胞生存率は、それぞれ99.8および96%より著しく低いことを示している。それゆえ、本発明の化合物は、比較実施例の化合物より著しく細胞毒性である。
tert-ブチル-(4-メトキシフェニル)-(フェニルスルホニル)-メチル カルバメートの3.09 g(収率64%)を得る。
Rf=0.35 (n-ヘキサン/酢酸エチル 65/35 体積/体積);
Rf=0.29 (n-ヘキサン/酢酸エチル 7/3 体積/体積);
エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Rf=0.22 (n-ヘキサン/酢酸エチル 1/1 体積/体積);
2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボン酸の合成
Rf=0.40 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシ-フェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシ-フェニル)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの392 mg(収率97%)を得る。
Rf=0.41 (n-ヘキサン/酢酸エチル 4/6 体積/体積);
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
Rf=0.40 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-ヒドロキシ-3-(4-(メトキシフェニル)-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の2,2,2-トリフルオロ酢酸塩の合成
Rf=0.35 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-(4-(メトキシフェニル)-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシ-アミド)ペンタンアミド)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の合成
Rf=0.37 (ジクロロメタン/メタノール 95/5 体積/体積);
実施例16.9で得られた化合物を、細胞株でのインビトロの細胞毒性試験で評価した。用いられた細胞株は、次の:HL60、A2780、C6であった。
細胞株HL60よびC6を用いることにより、10-5モル/リットルより高いGI50値が得られた。
細胞株A2780を用いることにより、10-4モル/リットルより高いGI50値が得られた。
これらの値は、インビトロでの実施例16.9の化合物は、用いられる細胞株に依存し、本発明の化合物より約10,000倍〜約100,000倍の低い毒性であることを示している。
Rf=0.35 (n-ヘキサン/酢酸エチル 4/6 体積/体積);
Rf=0.41 (n-ヘキサン/酢酸エチル 3/7 体積/体積);
Rf=0.34 (n-ヘキサン/酢酸エチル 55/45 体積/体積);
エチル 2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシプロピル)-チアゾール-4-カルボキシレートの合成
Rf=0.52 (n-ヘキサン/酢酸エチル 1/1 体積/体積);
2-((1R,3R)-3-((2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシプロピル)-チアゾール-4-カルボン酸
Rf=0.40 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシプロピル)-チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
Rf=0.47 (n-ヘキサン/酢酸エチル 35/65 体積/体積);
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタノエートの合成
Rf=0.47 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
(2S,4R)-メチル 4-(2-((1R,3R)-3-シクロヘキシル-ヒドロキシ-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の2,2,2-トリフルオロ酢酸塩の合成
Rf=0.35 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
(2S,4R)-4-(2-((1R,3R)-1-アセトキシ-3-シクロヘキシル-3-((2S,3S)-3-メチル-2-((R)-1-メチルピペリジン-2-カルボキシアミド)ペンタンアミド)-プロピル)チアゾール-4-カルボキシアミド)-2-メチル-5-フェニルペンタン酸の合成
Rf=0.38 (ジクロロメタン/メタノール 9/1 体積/体積);
実施例17.9比較の化合物の細胞毒性が、化合物16.9に対しての実施例16.10比較で記載されたようにして評価された。
10-5モル/リットルのGI50値が得られた。この値は、本発明の化合物のGI50より10,000倍高い。実施例16.10比較に記載された同じコメントが繰り返され得る。
Claims (24)
- 高い細胞毒性を有する、天然チューブリシンの式(A)の合成誘導体:
BはCH2、CH2-CH2またはCH2-CH2-CH2から選択され、
Dはフェニル、または環内に5もしくは6原子を有するヘテロアリールから選択される芳香族結合基であり、
X1はアルキルまたはアルケニルであり、
X2は次の基:
アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、またはヘテロアリールアルキルから選択される、置換または無置換のX2a、
X2b:アルキレン-O-アルキル(ここで、アルキレンはC2-C10である)、
X2c:CH2-O-アルキル
から選択され、
X3はHから選択されるか、またはX4と一緒になって基=Oを形成し、
X4はH、ハロゲン、OH、SH、アルキル、アルケニル、(OR5)n-OR6、OC(O)R7、NR6R7から選択されるか、またはX4と一緒になって基=Oを形成し、
R5はアルキレンであり、
nは0または1〜10の整数であり、
R6およびR7は互いに同一または異なって、次の意味:
z1:H、アルキル、
z2:置換または無置換のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、へテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル
を有し、
X5はz2であるか、またはz3=アルキル、アルケニルの意味を有し、
X6はNR8R9、OR8、NH-NR8R9、SR8、R10(ここで、R8およびR9は互いに同一または異なって、R6と同じ意味を有し、R10はR6と同じ意味を有するが、Hは除く)から選択され、
X7はz3またはHであり、
X8はz3、H、ハロゲン、OH、SHまたはOCH3から選択される)
ならびにそれらの水和物、溶媒和物および医薬的に許容される塩。 - 幾何異性体および立体異性体またはそれらの混合物の形態にある請求項1に記載の化合物。
- 原子がそれらの同位体の形態にある、請求項1または2に記載の化合物。
- X2がX2aであるとき、好ましくは、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキル環の1以上の水素原子が、互いに同一または異なって、ハロゲン、OH、O-アリール、SH、OCH2O、C1-C7アルキル、C1-C7アルキルチオ、C1-C7アルコキシ、C1-C7ハロアルキル、C1-C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、ニトロ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和または不飽和の複素環、ヘテロアリール、C1-C7アルキル鎖で任意にモノ-またはジ-置換されていてもよいアミノから選択される1以上の基で置換され、前記のフェニル、シクロアルキル、飽和または不飽和の複素環およびヘテロアリールの置換基は、互いに同一または異なって、ハロゲン、OH、O-アリール、SH、OCH2O、C1-C7アルキル、C1-C7アルキルチオ、C1-C7アルコキシ、C1-C7ハロアルキル、C1-C7ハロアルコキシ、SO2NH2、シアノ、イソチオシアネート、フェニル、シクロアルキル、飽和または不飽和の複素環、ヘテロアリール、ニトロ、C1-C7アルキル鎖で任意にモノ-またはジ-置換されていてもよいアミノから選択される1以上の基で任意に置換されていてもよい、請求項1〜3のいずれか1つに記載の化合物。
- R6、R7、X5、R8およびR9がz2の意味を有し、好ましくは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、へテロシクロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキルまたはヘテロシクロアルキルアルキル環の1以上の水素原子が、互いに同一または異なって、X2aの任意の置換基から選択される1以上の基で置換され、X5が1以上の次の基:COOH、C(O)R6またはOC(O)R94(ここで、R6は上記で定義されたとおりであり、R94は次の基:アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリールの1つから選択される)で任意に置換されていてもよい、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
- Dが5または6原子を有するヘテロアリールである、請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物。
- BがCH2-CH2であり、
Dが式(V)のヘテロアリールであり、
X1がC1-C6アルキルであり、
X2が次の基:
− 単環式のアリール、単環式のヘテロアリール、単環式のアリールアルキル、単環式のシクロアルキルアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキル、
− アルキレン-O-アルキル(ここで、アルキレンはC2-C4である)、
から選択され、
X3が前記で定義されたとおりであり、
X4がC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、(OR5)n-OR6、OC(O)R7から選択されるか、またはX3と一緒になって、基=Oを形成し、
R5がC1-C2アルキレンであり、
nが0または1〜4の整数であり、
R6およびR7が互いに同一または異なって、HまたはC1-C6アルキルから選択され、
X5が単環式のアリールアルキル、単環式のヘテロアリールアルキル、単環式のシクロアルキルアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルまたはアルケニルから選択され、
X6がH、NR8R9、OR8、NH-NR8R9、SR8またはR10(ここで、R8、R9およびR10は、互いに同一または異なって、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルから選択されるか、またはR8およびR9は互いに独立して水素の意味を有する)から選択され、
X7がC1-C6アルキルまたはC2-C6アルケニルから選択され、
X8がHの意味を有する、請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物。 - 式(A1):
X9は、
− 無置換またはX2aの置換基である基で置換された、単環式のアリールアルキル、単環式のシクロアルキルアルキル、単環式のヘテロシクロアルキルアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキル、
− CH2-CH2O-アルキル(ここで、アルキルはC3が直鎖状または分枝鎖状であるC1-C3アルキルである)
から選択され、
X10は(OR10)m-OR11またはOC(O)R12であり、
R10はC1-C2アルキレンであり、
mは0または1〜3の整数であり、
R11およびR12は互いに同一または異なって、HまたはCH3から選択され、
X11は、無置換またはX5=X2であるときのX5の任意の置換基である基で置換された、単環式のアリールアルキルまたは単環式のヘテロアリールアルキルから選択され、
X12はH、NR8aR9a、OR8aまたはNH-NR8aR9a[ここで、R8aおよびR9aは互いに同一または異なって、H、アルキル、単環式のアリール、単環式のヘテロアリール、単環式のシクロアルキル、単環式のヘテロシクロアルキル(ここで、単環式のアリール、単環式のヘテロアリール、単環式のシクロアルキルまたは単環式のヘテロシクロアルキルは、無置換であるかまたはR8およびR9の任意の置換基である基で任意に置換されていてもよい)から選択される]から選択される]
を有する、請求項1〜8のいずれか1つに記載の化合物。 - X1、X2、X3、D、X5、X6、X7、X8が前記で定義されたとおりであり、X4がハロゲン、NR6R7、SH、(OR5)n-OR6、アルキル、アルケニルから選択されるとき、次の工程:
A-1) 式(B)の酸を式(D)のアミノエステルと反応させて、式(E)の化合物を得る、
A-3) アミノエステル(E')をヘテロ環式の酸と反応させて、エステル(F)を得る、
A-6) 化合物(H')のカルボン酸官能基とX6基の前駆体との反応により、X6が次の基:NR8R9、OR8、NH-NR8R9またはSR8の1つから選択される、式(A)の化合物を合成する、
A-7) あるいは、化合物(H')とCH3-O-NH-CH3およびCH3S(O)2Clとの反応により、化合物(HA1):
A-8) 化合物(H')のカルボン酸基をアルデヒド基に還元して、X6=Hである、式(A)の化合物を製造する、
X4がOHまたはOC(O)R7から選択されるとき、この方法は、次の工程を連続して含む:
A-1') X4=OHである(B)を用いる以外、A-1)と同様にして、式(EI)の化合物を得る、
− 化合物(H)または(H'')を用いる以外、工程A-7)を繰り返し、X6がR10であり、X4=OC(O)R7である式(A)の化合物を得る
を含む、請求項1〜10のいずれか1つに記載の式(A)の化合物の製造方法。 - 請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物、ならびに医薬的に許容されるポリマーおよび/またはバイオ分子を含む共役化合物。
- 次の式:
指数p1、p2、qおよびsは互いに同一または異なって、0または1に等しい整数であり、
Tは式(A)の化合物から誘導される1価の基であり、
T1は式(A)の化合物から誘導される2価の基であり、
G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cは互いに同一または異なって、医薬的に許容されるポリマーまたはバイオ分子であり、
L1およびL2は互いに同一または異なって、式(A)の化合物の基TまたはT1を、G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cにそれぞれ結合させる結合基であり、
αおよびβは0または1に等しい整数であり、但し、α=β=0のとき、p1、p2、qおよびsは0に等しく、αおよび/またはβ=1のとき、基Gi(i=1a、1s、1b、2a、2b、2c)に結合するL1および/またはL2の部分は、p1、p2、sおよびqの値により、1価、2価または3価である)
を有する、請求項12に記載の共役化合物。 - p1=p2=0である式(C1)の、請求項13に記載の共役化合物。
- 次の化合物:タンパク質、ホルモン、アプタマー、ポリサッカライド、抗体またはそれらのフラグメント、ペプチド鎖またはペプチド、ビタミン、アビジン、ストレプトアビジン、ポリエチレングリコール、天然ポリマー、デンドリマー、カーボンナノチューブ、シクロデキストリン、修飾されたシクロデキストリン、合成ポリマーから選択される、1以上の医薬的に許容されるポリマーおよび/またはバイオ分子を含む、請求項12〜14のいずれか1つに記載の共役化合物。
- 次の工程:
− 式(C1)および(C2)において、αおよびβの両方が0と異なるとき:
Con-1) 不活性有機溶媒中で、結合基L1およびL2の1または2の前駆体と式(A)の化合物とを反応させて、式(C1a)および(C2a)の化合物を得る:
水素、
OH(G1およびG2が結合する結合基の原子価が酸素原子上にないとき)、
p1、p2、qおよびsは式(C1)および(C2)で定義されたとおりである)
Con-2) ポリマーまたはバイオ分子G1a、G1b、G1c、G2a、G2b、G2cと式(C1a)または(C2a)の化合物とを反応させて、それぞれ式(C1)または(C2)の共役化合物を得る;
− α=β=0のとき、Con-1)はなく、化合物(C1a)または(C2a)の代わりに化合物(A)を用いる以外、Con-2を行う;
− 指数αまたはβの1つが0に等しいとき、0と異なる指数を有する化合物またはその分子中の基を得るために、Con-1)およびCon-2)を行う、
0に等しい指数を有する化合物またはその分子中の基を得るために、化合物(C1a)または(C2a)に代わりに化合物(A)を用いる以外、Con-2)を行う、
を含む、請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物の合成方法。 - 請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物を、結合基L1またはL2の少なくとも1つの前駆体と反応させて得ることができる化合物。
- 式(C1a)または(C2a)を有する、請求項17に記載の化合物。
- 請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物および/または請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物、および/または請求項17〜18のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。
- 重量%で、次の成分:
S) 次のクラス:
− 任意にフッ素原子を含んでいてもよい、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両イオン性の界面活性剤から選択される界面活性剤、
− それらが溶解される液体中で、凝集体、ミセル、液晶、小胞のような組織構造を形成するポリマー
から選択される1以上の医薬的に許容される化合物を0.01〜95%、
O) 次のクラスの医薬的に許容される化合物:
− 任意に1以上のエチレン不飽和を含んでいてもよいC4-C32の酸のエステル、
− 酸が対応する塩に変換されないようなpHを最終の組成物が有するとき、任意に1以上のエチレンタイプの不飽和を含んでいてもよいC4-C32の酸
から選択される1以上のオイルを0〜95%、
PA) 請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物および/または請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物、およびに/または請求項17〜18のいずれか1つに記載の化合物を0.001〜90%、
AD) 次のクラス:
− 水およびまたはオイルの極性の調節剤、
− 成分S)の膜の曲率の調節剤、
− 共-界面活性剤
から選択される1以上の化合物を0〜60重量%、
WA) 任意に緩衝されていてもよい、水または生理食塩水を0.001〜99.9%、
成分の合計は100%である
を含む、マイクロエマルジョンもしくはエマルジョンの形態にあるか、またはマイクロエマルジョンもしくはエマルジョンを含む、請求項19に記載の医薬組成物。 - ミクロ-および/またはナノ-粒子の形態にあるか、あるいはシリカまたは脂質および/または医薬的に許容されるポリマーおよび/またはバイオ分子のミクロ-および/もしくはナノ-粒子を含み、さらに請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物および/または請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物、および/または請求項17〜18のいずれか1つに記載の化合物を含む、請求項19に記載の医薬組成物。
- 医薬として使用するための、請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物および/または請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物、および/または請求項17〜18のいずれか1つに記載の化合物、あるいはそれらの医薬組成物。
- 哺乳類およびヒトにおける腫瘍疾患および/または血管新生に関連する疾患の治療用医薬を製造するための、請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物および/または請求項12〜15のいずれか1つに記載の共役化合物、および/または請求項17〜18のいすれか1つに記載の化合物、あるいはそれらの医薬組成物の使用。
- 請求項1〜10のいずれか1つ、および/または請求項12〜15のいずれか1つおよび/または請求項17〜18のいずれか1つに記載の化合物が、抗腫瘍活性を有する医薬および/または放射線治療と組み合わされる、請求項23に記載の使用。
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