JP2011037372A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で、転がり抵抗が小さく、乗り心地に優れ、かつ耐久性に優れたランフラットタイヤ2の提供。
【解決手段】ランフラットタイヤは、トレッド4、サイドウォール8、クリンチ部、ビード12、カーカス14、支持層16、ベルト18、バンド20及びインナーライナー22を備えている。支持層16は、多数の凹陥部62と多数のリブ64とを備えている。凹陥部62とリブ64とは、周方向に沿って交互に配置されている。サイドウォール8は、多数のディンプル66を備えている。ディンプル66に空気が流入するとき、乱流が生じる。この乱流により、タイヤ2の熱が大気へと放出される。このディンプル66は、円錐台形である。
【選択図】図3

Description

本発明は、ランフラットタイヤに関する。詳細には、本発明は、サイド補強型のランフラットタイヤに関する。
サイドウォールの内側に支持層を備えたランフラットタイヤが開発され、普及しつつある。この支持層には、高硬度な架橋ゴムが用いられている。このランフラットタイヤは、サイド補強型と称されている。このタイプのタイヤでは、パンクによって内圧が低下すると、支持層によって荷重が支えられる。この支持層は、パンク状態でのタイヤの撓みを抑制する。パンク状態で走行が継続されても、高硬度な架橋ゴムが、支持層での発熱を抑制する。このタイヤでは、パンク状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。このタイヤが装着された自動車には、スペアタイヤの常備は不要である。このタイヤの採用により、不便な場所でのタイヤ交換が避けられうる。
支持層は、タイヤの質量の増大を招来する。支持層は、タイヤの転がり抵抗の増大も招来する。質量が大きく、転がり抵抗が大きなランフラットタイヤは、車両の燃費を高める。しかも支持層は、タイヤの乗り心地を阻害する。
パンク状態にあるランフラットタイヤの走行が継続されると、支持層の変形と復元とが繰り返される。この繰り返しにより支持層で熱が生じ、タイヤが高温に達する。この熱は、タイヤを構成するゴム部材の破損及びゴム部材間の剥離を招来する。破損及び剥離が生じたタイヤでは、走行は不可能である。パンク状態での長時間の走行が可能なランフラットタイヤが望まれている。換言すれば、熱に起因する破損及び剥離が生じにくいランフラットタイヤが望まれている。
特開2005−67315公報には、支持層がその内面に多数の溝を備えたランフラットタイヤが開示されている。この溝は、タイヤの軽量と、低い転がり抵抗とに寄与する。さらにこの溝は、乗り心地にも寄与する。
特開2007−50854公報には、サイドウォールの表面に溝を備えたランフラットタイヤが開示されている。この溝を備えたサイドウォールの表面積は、大きい。従って、このタイヤの大気との接触面積は、大きい。大きな接触面積により、タイヤから大気への放熱が促進される。このタイヤは、昇温しにくい。
国際公開WO2007/32405公報には、サイド部に凸部を備えたランフラットタイヤが開示されている。この凸部は、タイヤの周りに乱流を発生させる。この乱流により、タイヤから大気への放熱が促進される。このタイヤは、昇温しにくい。
特開2005−67315公報 特開2007−50854公報 国際公開WO2007/32405公報
特開2007−50854公報に開示されたランフラットタイヤでは、大きな表面積によって放熱が促進されるが、その効果は限定的である。国際公開WO2007/32405公報に開示されたランフラットタイヤでは、凸部の下流において空気が滞留するので、この凸部の下流における放熱は不十分である。不十分な放熱は、タイヤの耐久性を阻害する。従来のランフラットタイヤの、パンク状態での耐久性には、改善の余地がある。通常状態(タイヤに正規内圧が負荷された状態)におけるタイヤの耐久性にも、改善の余地がある。
本発明の目的は、軽量で、転がり抵抗が小さく、乗り心地に優れ、かつ耐久性に優れたランフラットタイヤの提供にある。
本発明に係るランフラットタイヤは、
その外面がトレッド面をなすトレッド、
それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォール、
それぞれが上記サイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビード、
上記トレッド及びサイドウォールに沿っており、両ビードの間に架け渡されたカーカス
並びに
それぞれが上記サイドウォールの軸方向内側に位置する一対の支持層
を備える。それぞれの支持層は、軸方向内側の面に、周方向に沿って並列された多数の凹陥部を有する。このタイヤは、そのサイド面に多数のディンプルを有する。
好ましくは、それぞれの支持層は、20個以上100個以下の凹陥部を有する。好ましくは、凹陥部の最大深さは、3mm以上20mm以下である。好ましくは、凹陥部は、最大深さ位置から、半径方向外側に向かって徐々に深さが減少し、半径方向内側に向かって徐々に深さが減少する形状を有する。
好ましくは、ディンプルの平面形状は、円である。好ましくは、ディンプルは、円錐台形である。好ましくは、ディンプルの直径は、6mm以上18mm以下である。好ましくは、ディンプルの深さは、0.5mm以上3.0mm以下である。
本発明に係るランフラットタイヤでは、凹陥部により、軽量、小さな転がり抵抗及び優れた乗り心地が達成される。このタイヤでは、ディンプルによって放熱が促進される。凹陥部とディンプルとの相乗効果により、このタイヤでは優れた耐久性が達成される。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、図1のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、図1のタイヤのサイドウォールの一部が示された拡大斜視図である。 図6は、図1のタイヤのディンプルが示された拡大平面図である。 図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図である。 図8は、本発明の他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。 図9は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1及び2には、パンク状態で走行しうるランフラットタイヤ2が示されている。図1には、タイヤの赤道を含む平面に沿った断面が示されている。図1において、上下方向が半径方向であり、紙面との垂直方向が軸方向であり、矢印Aで示された方向が周方向である。図2において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図2中の一点鎖線Eqを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線Eqは、タイヤ2の赤道面を表す。この図2において両矢印Hで示されているのは、基準線BL(後に詳説)からのタイヤ2の高さである。
このタイヤ2は、トレッド4、ウイング6、サイドウォール8、クリンチ部10、ビード12、カーカス14、支持層16、ベルト18、バンド20、インナーライナー22及びチェーファー24を備えている。ベルト18及びバンド20は、補強層を構成している。ベルト18のみから、補強層が構成されてもよい。バンド20のみから、補強層が構成されてもよい。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面26を形成する。トレッド面26には、溝28が刻まれている。この溝28により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、キャップ層30とベース層32とを有している。キャップ層30は、架橋ゴムからなる。ベース層32は、他の架橋ゴムからなる。キャップ層30は、ベース層32の半径方向外側に位置している。キャップ層30は、ベース層32に積層されている。
サイドウォール8は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール8は、架橋ゴムからなる。サイドウォール8は、カーカス14の外傷を防止する。サイドウォール8は、リブ34を備えている。リブ34は、軸方向外側に向かって突出している。パンク状態での走行のとき、このリブ34がリムのフランジ36と当接する。この当接により、ビード12の変形が抑制されうる。変形が抑制されたタイヤ2は、パンク状態での耐久性に優れる。
クリンチ部10は、サイドウォール8の半径方向略内側に位置している。クリンチ部10は、軸方向において、ビード12及びカーカス14よりも外側に位置している。クリンチ部10は、リムのフランジ36と当接している。
ビード12は、サイドウォール8の半径方向内側に位置している。ビード12は、コア38と、このコア38から半径方向外向きに延びるエイペックス40とを備えている。コア38はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス40は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス40は、高硬度な架橋ゴムからなる。
図2において矢印Haで示されているのは、基準線BLからのエイペックス40の高さである。この基準線BLは、コア38の、半径方向における最も内側地点を通過する。この基準線BLは、軸方向に延びる。タイヤ2の高さHに対するエイペックス40の高さHaの比(Ha/H)は、0.1以上0.7以下が好ましい。比(Ha/H)が0.1以上であるエイペックス40は、パンク状態において車重を支持しうる。このエイペックス40は、パンク状態でのタイヤ2の耐久性に寄与する。この観点から、比(Ha/H)は0.2以上がより好ましい。比(Ha/H)が0.7以下であるタイヤ2は、乗り心地性に優れる。この観点から、比(Ha/H)は0.6以下がより好ましい。
カーカス14は、カーカスプライ42からなる。カーカスプライ42は、両側のビード12の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール8に沿っている。カーカスプライ42は、コア38の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ42には、主部44と折り返し部46とが形成されている。折り返し部46の端48は、ベルト18の直下にまで至っている。換言すれば、折り返し部46はベルト18とオーバーラップしている。このカーカス14は、いわゆる「超ハイターンアップ構造」を有する。超ハイターンアップ構造を有するカーカス14は、パンク状態におけるタイヤ2の耐久性に寄与する。このカーカス14は、パンク状態での耐久性に寄与する。
カーカスプライ42は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、45°から90°、さらには75°から90°である。換言すれば、このカーカス14はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
支持層16は、サイドウォール8の軸方向内側に位置している。支持層16は、カーカス14とインナーライナー22とに挟まれてる。図2に示されるように、支持層16は、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。この支持層16は、三日月に類似の形状である。支持層16は、高硬度な架橋ゴムからなる。タイヤ2がパンクしたとき、この支持層16が荷重を支える。この支持層16により、パンク状態であっても、タイヤ2はある程度の距離を走行しうる。このランフラットタイヤ2は、サイド補強型である。タイヤ2が、図2に示された支持層16の形状とは異なる形状を有する支持層を備えてもよい。
カーカス14のうち、支持層16とオーバーラップしている部分は、インナーライナー22と離れている。換言すれば、支持層16の存在により、カーカス14は湾曲されられている。パンク状態のとき、支持層16には圧縮荷重がかかり、カーカス14のうち支持層16と近接している領域には引張り荷重がかかる。支持層16はゴム塊なので、圧縮荷重に十分に耐えうる。カーカス14のコードは、引張り荷重に十分に耐えうる。支持層16とカーカスコードとにより、パンク状態でのタイヤ2の縦撓みが抑制される。縦撓みが抑制されたタイヤ2は、パンク状態での操縦安定性に優れる。
パンク状態での縦歪みの抑制の観点から、支持層16の硬度は60以上が好ましく、65以上がより好ましい。通常状態(タイヤ2に正規内圧が負荷された状態)の乗り心地性の観点から、硬度は90以下が好ましく、80以下がより好ましい。硬度は、「JIS K6253」の規定に準じ、タイプAのデュロメータによって測定される。図2に示された断面にこのデュロメータが押し付けられ、硬度が測定される。測定は、23℃の温度下でなされる。
支持層16の下端50は、エイペックス40の上端52よりも、半径方向において内側に位置している。換言すれば、支持層16はエイペックス40とオーバーラップしている。図2において矢印L1で示されているのは、支持層16の下端50とエイペックス40の上端52との半径方向距離である。距離L1は、5mm以上50mm以下が好ましい。距離L1がこの範囲であるタイヤ2では、均一な剛性分布が得られる。距離L1は10mm以上がより好ましい。距離L1は40mm以下がより好ましい。
支持層16の上端54は、ベルト18の端56よりも軸方向において内側に位置している。換言すれば、支持層16はベルト18とオーバーラップしている。図2において矢印L2で示されているのは、支持層16の上端54とベルト18の端56との軸方向距離である。距離L2は、2mm以上50mm以下が好ましい。距離L2がこの範囲であるタイヤ2では、均一な剛性分布が得られる。距離L2は5mm以上がより好ましい。距離L1は40mm以下がより好ましい。
パンク状態での縦歪みの抑制の観点から、支持層16の最大厚みは3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、7mm以上が特に好ましい。タイヤ2の軽量の観点から、最大厚みは、25mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。
ベルト18は、カーカス14の半径方向外側に位置している。ベルト18は、カーカス14と積層されている。ベルト18は、カーカス14を補強する。ベルト18は、内側層58及び外側層60からなる。図2から明らかなように、内側層58の幅は、外側層60の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層58及び外側層60のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層58のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層60のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト18の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.85倍以上1.0倍以下が好ましい。ベルト18が、3以上の層を備えてもよい。
バンド20は、ベルト18を覆っている。図示されていないが、このバンド20は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド20は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト18が拘束されるので、ベルト18のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
タイヤ2が、バンド20に代えて、ベルト18の端の近傍のみを覆うエッジバンドを備えてもよい。タイヤ2が、バンド20と共に、エッジバンドを備えてもよい。
インナーライナー22は、架橋ゴムからなる。インナーライナー22には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー22は、タイヤ2の内圧を保持する。インナーライナー22は、軸方向において、支持層16の内側に位置している。インナーライナー22が、カーカス14と支持層16とに挟まれてもよい。
図3には、図1のIII−III線に沿った断面が示されている。図4には、図3のIV−IV線に沿った断面が示されている。図3及び4に示されるように、支持層16は多数の凹陥部62を有している。これら凹陥部62は、周方向に沿って並んでいる。それぞれの凹陥部62は、支持層16の、軸方向内側の面に存在している。凹陥部62と、この凹陥部62に隣接する他の凹陥部62との間は、リブ64である。図4に示されるように、多数の凹陥部62と多数のリブ64とが、周方向に沿って交互に配置されている。凹陥部62に沿って、インナーライナー22も凹陥している。図3において符号P1で示されているのは、凹陥部62の最深部である。凹陥部62は、最深部P1から半径方向外側に向かって徐々に深さが減少し、最深部P1から半径方向内側に向かって徐々に深さが減少する形状を有している。
凹陥部62を有する支持層16は、凹陥部62を有さない支持層に比べて軽量である。この支持層16により、タイヤ2の軽量が達成されうる。この支持層16を備えたタイヤ2の、通常状態での転がり抵抗は、凹陥部62を有さない支持層を備えたタイヤのそれよりも小さい。軽量で、かつ転がり抵抗の小さなタイヤ2により、車両の低燃費が達成される。
凹陥部62を有する支持層16は、撓みやすい。この支持層16を備えたタイヤ2の縦バネ定数は、凹陥部62を有さない支持層を備えたタイヤのそれよりも小さい。このタイヤ2は、乗り心地に優れる。一方、パンク状態では、リブ64によって荷重が支えられる。リブ64は、タイヤ2の縦歪みを十分に抑制する。縦歪みの抑制により、支持層16での発熱が抑制される。
図3において、矢印L3で示されているのは、半径方向における凹陥部62の長さである。低燃費及び乗り心地の観点から、長さL3は20mm以上が好ましく、25mm以上がより好ましく、30mm以上が特に好ましい。パンク状態での縦撓みの抑制の観点から、長さL3は70mm以下が好ましく、60mm以下が特に好ましい。
凹陥部62の長さL3の、支持層16の半径方向長さに対する比率は、20%以上90%以下が好ましい。この比率が20%以上であるタイヤ2は、低燃費でありかつ乗り心地に優れる。この観点から、この比率は35%以上が好ましく、50%以上が特に好ましい。この比率が90%以下である支持層16は、パンク時の縦歪みが抑制されうる。この観点から、この比率は85%以下がより好ましく、80%以下が特に好ましい。
図4において、矢印Dcで示されているのは、凹陥部62の深さである。低燃費及び乗り心地の観点から、深さDcの最大値は3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上が特に好ましい。パンク状態での縦撓みの抑制の観点から、深さDcの最大値は20mm以下が好ましく、10mm以下が特に好ましい。
凹陥部62の深さDcの最大値の、支持層16の最大厚みに対する比率は、20%以上90%以下が好ましい。この比率が20%以上であるタイヤ2は、低燃費でありかつ乗り心地に優れる。この観点から、この比率は35%以上が好ましく、50%以上が特に好ましい。この比率が90%以下である支持層16は、パンク時の縦歪みが抑制されうる。この観点から、この比率は85%以下がより好ましく、80%以下が特に好ましい。
図4において矢印Wで示されているのは、凹陥部62の幅である。低燃費及び乗り心地の観点から、幅Wは5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上がとくに好ましい。パンク時の縦歪みの抑制の観点から、幅Wは50mm以下が好ましく、40mm以下がより好ましく、35mm以下が特に好ましい。
図3において、符号P2で示されているのは、タイヤ2の最大幅点である。最大幅点P2は、サイド面に凹凸がないと仮定されて決定される。凹陥部62は、半径方向において、最大幅点P2の位置を跨いで延在している。この凹陥部62は、低燃費と乗り心地とに寄与しうる。低燃費と乗り心地との観点から、凹陥部62の外端63と最大幅点P2との半径方向距離は5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上が特に好ましい。低燃費と乗り心地との観点から、凹陥部62の内端65と最大幅点P2との半径方向距離は5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上が特に好ましい。
図1から明らかなように、凹陥部62の長手方向は半径方向に一致している。従って、リブ64(図4参照)は半径方向に延在している。このリブ64は、荷重を十分に支えうる。凹陥部62が、半径方向に対して傾斜してもよい。リブ64が荷重を支えうるとの観点から、凹陥部62の長手方向の、半径方向に対する角度は、60°(degree)以下が好ましく、30°以下がより好ましく、15°以下が特に好ましい。
低燃費、乗り心地及び耐久性の観点から、1つの支持層16における凹陥部62の数は20個以上100個以下が好ましく、30以上80個以下が特に好ましい。低燃費、乗り心地及び耐久性の観点から、支持層16の内面における面積比(陸/海)は20/80以上80/20以下が好ましく、30/70以上70/30以下が特に好ましい。
図5には、図2のタイヤ2のサイドウォール8の一部が示されている。図5には、多数のディンプル66が示されている。それぞれのディンプル66の表面形状は、円である。本発明において表面形状とは、ディンプル66が無限遠から見られたときのディンプル66の輪郭の形状を意味する。クリンチ部10にディンプル66が形成されてもよい。サイドウォール8及びクリンチ部10の両方に、ディンプル66が形成されてもよい。
図6は、図2のタイヤ2のディンプル66が示された拡大平面図である。図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図である。図7では、ディンプル66の中心を通過し、タイヤ2の半径方向に対して垂直な平面に沿った断面が示されている。図7に示されるように、ディンプル66は凹陥している。サイド面のうちディンプル66以外の領域は、ランド68である。
ディンプル66を有するサイド面の表面積は、ディンプル66がないと仮定されたときのサイド面の表面積よりも大きい。このタイヤ2の大気との接触面積は、大きい。大きな接触面積により、タイヤ2から大気への放熱が促進される。
ディンプル66は、スロープ面70と底面72とを備えている。スロープ面70は、リング状である。底面72は、スロープ面70と連続している。底面72は、円形である。
図6において二点鎖線で示されているのは、タイヤ2の周りの空気の流れである。タイヤ2は、走行時に回転する。タイヤ2が装着された車両は、進行する。タイヤ2の回転と車両の進行とにより、ディンプル66を横切って空気が流れる。空気は、ランド68に沿って流れ、スロープ面70に沿ってディンプル66に流入する。この空気はディンプル66の中を流れ、下流のスロープ面70に沿って流れ、ディンプル66から流出する。空気はさらに、下流のランド68に沿って流れる。
図6に示されるように、ディンプル66に流入するとき、空気の流れに渦が生じる。換言すれば、ディンプル66の入口において乱流が生じる。パンク状態においてタイヤ2の走行が継続されると、支持層16の変形と復元とが繰り返される。この繰り返しにより、支持層16で熱が生じる。乱流は、この熱の大気への放出を促進する。このタイヤ2では、熱によるゴム部材の破損及びゴム部材間の剥離が抑制される。このタイヤ2は、パンク状態での長時間の走行が可能である。乱流は、通常状態(タイヤ2に正規内圧が負荷された状態)での放熱にも寄与する。ディンプル66は、通常状態でのタイヤ2の耐久性にも寄与する。運転者の不注意により、内圧が正規値よりも小さい状態で走行がなされることがある。この場合の耐久性にも、ディンプル66は寄与しうる。
渦を形成した空気は、ディンプル66の内部において、スロープ面70及び底面72に沿って流れる。この空気は、円滑にディンプル66から流出する。このタイヤ2では、凸部を有する従来のタイヤ及び溝を有する従来のタイヤに見られる滞留が生じにくい。従って、滞留によって放熱が阻害されることがない。本発明に係るタイヤ2は、耐久性に極めて優れる。
このタイヤ2では、ディンプル66によって昇温が抑制されるので、支持層16が凹陥部62を備えていても、パンク状態での長時間の走行が可能である。凹陥部62は、前述の通り、低燃費と乗り心地とに寄与する。このタイヤ2では、凹陥部62とディンプル66との相乗効果が得られる。このタイヤ2は、燃費、乗り心地及び耐久性の全てに優れる。
図7における二点鎖線Sgは、ディンプル66の一方のエッジEdから他方のエッジEdまで引かれた線分である。図7において矢印Diで示されているのは、線分Sgの長さであり、ディンプル66の直径である。直径Diは、2mm以上70mm以下が好ましい。直径Diが2mm以上であるディンプル66には十分に空気が流入するので、十分に乱流が発生する。このディンプル66により、タイヤ2の昇温が抑制される。この観点から、直径Diは4mm以上がより好ましく、6mm以上が特に好ましい。直径Diが70mm以下であるディンプル66を有するタイヤ2では、多数の箇所で乱流が発生しうる。さらに、直径Diが70mm以下であるディンプル66を有するタイヤ2では、サイド面の表面積が大きい。大きな表面積により、タイヤ2からの放熱が促進される。このディンプル66により、タイヤ2の昇温が抑制される。この観点から、直径Diは50mm以下がより好ましく、18mm以下がより好ましい。非円形ディンプルの直径Diが決定される場合、この非円形ディンプルの面積と同一の面積を有する円形ディンプル66が想定される。この円形ディンプル66の直径が、非円形ディンプルの直径Diと定義される。
タイヤ2が、互いに直径Diの異なる2種以上のディンプル66を有してもよい。2種以上のディンプル66を有するタイヤ2では、ディンプル66の平均直径は2mmが好ましく、4mm以上がより好ましく、8mm以上が特に好ましい。平均直径は、70mm以下が好ましく、50mm以下がより好ましく、30mm以下が特に好ましい。その直径Diが上記範囲内であるディンプル66の数の、ディンプル66の総数に対する比率は50%以上が好ましく、70%以上が好ましい。理想的には、この比率は100%である。
図7において矢印Deで示されているのは、ディンプル66の深さである。深さDeは、ディンプル66の最深部と線分Sgとの距離である。深さDeは、0.1mm以上7mm以下が好ましい。深さDeが0.1mm以上であるディンプル66では、十分な乱流が生じる。この観点から、深さDeは0.5mm以上がより好ましく、1.0mm以上が特に好ましい。深さDeが7mm以下であるディンプル66では、底において空気が滞留しにくい。さらに、ディンプル66の深さDeが7mm以下であるタイヤ2では、サイドウォール8、クリンチ部10等が十分な厚みを有する。この観点から、深さDeは4mm以下がより好ましく、3.0mm以下が特に好ましい。
タイヤ2が、互いに深さDeの異なる2種以上のディンプル66を有してもよい。2種以上のディンプル66を有するタイヤ2では、ディンプル66の平均深さは0.1mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、1.0mm以上が特に好ましい。平均深さは7mm以下が好ましく、4mm以下がより好ましく、3mm以下が特に好ましい。その深さDeが上記範囲内であるディンプル66の数の、ディンプル66の総数に対する比率は50%以上が好ましく、70%以上が好ましい。理想的には、この比率は100%である。
深さDeと直径Diとの比(De/Di)は、0.01以上0.5以下が好ましい。比(De/Di)が0.01以上であるディンプル66では、十分な乱流が生じる。この観点から、比(De/Di)は0.03以上がより好ましく、0.05以上が特に好ましい。比(De/Di)が0.5以下であるディンプル66では、底において空気が滞留しにくい。この観点から、比(De/Di)は0.4以下がより好ましく、0.3以下が特に好ましい。
ディンプル66の容積は、1.0mm以上400mm以下が好ましい。容積が1.0mm以上であるディンプル66では、十分な乱流が生じる。この観点から、容積は1.5mm以上がより好ましく、2.0mm以上が特に好ましい。容積が400mm以下であるディンプル66では、底において空気が滞留しにくい。さらに、ディンプル66の容積が400mm以下であるタイヤ2では、サイドウォール8、クリンチ部10等が十分な剛性を有する。この観点から、容積は300mm以下がより好ましく、250mm以下が特に好ましい。
全てのディンプル66の容積の合計値は、300mm以上5000000mm以下が好ましい。合計値が300mm以上であるタイヤ2では、十分な放熱がなされる。この観点から、合計値は600mm以上がより好ましく、800mm以上が特に好ましい。合計値が5000000mm以下であるタイヤ2では、サイドウォール8、クリンチ部10等が十分な剛性を有する。この観点から、容積は1000000mm以下がより好ましく、500000mm以下が特に好ましい。
ディンプル66の面積は、3mm以上4000mm以下が好ましい。面積が3mm以上であるディンプル66では、十分な乱流が生じる。この観点から、面積は12mm以上がより好ましく、20mm以上が特に好ましい。ディンプル66の容積が4000mm以下であるタイヤ2では、サイドウォール8、クリンチ部10等が十分な強度を有する。この観点から、面積は2000mm以下がより好ましく、1300mm以下が特に好ましい。本発明においてディンプル66の面積は、ディンプル66の輪郭に囲まれた領域の面積を意味する。円形ディンプル66の場合は、下記数式によって面積Sが算出される。
S = (Di / 2) * π
本発明においてディンプル66の占有率Yは、下記数式によって算出される。
Y = (S1 / S2) * 100
この数式において、S1は基準領域に含まれるディンプル66の面積であり、S2はディンプル66がないと仮定されたときの基準領域の表面積である。基準領域は、サイド面のうち、基準線BLからの高さがタイヤ2高さHの20%以上80%以下である領域である。占有率Yは、10%以上85%以下が好ましい。占有率Yが10%以上であるタイヤ2では、十分な放熱がなされる。この観点から、占有率Yは30%以上がより好ましく、40%以上が特に好ましい。占有率Yが85%以下であるタイヤ2では、ランド68が十分な耐摩耗性を有する。この観点から、占有率Yは80%以下がより好ましく、75%以下が特に好ましい。
隣接するディンプル66同士の間隔は、0.05mm以上20mm以下が好ましい。間隔が0.05mm以上であるタイヤ2では、ランド68が十分な耐摩耗性を有する。この観点から、間隔は0.10mm以上がより好ましく、0.2mm以上が特に好ましい。間隔が20mm以下であるタイヤ2では、多数の箇所で乱流が発生しうる。この観点から、間隔は15mm以下がより好ましく、10mm以下が特に好ましい。
いつのサイド面におけるディンプル66の総数は、50個以上5000個以下が好ましい。総数が50個以上であるタイヤ2では、多数の箇所で乱流が発生しうる。この観点から、総数は100個以上がより好ましく、150個以上が特に好ましい。総数が5000個以下であるタイヤ2では、個々のディンプル66が十分なサイズを有しうる。この観点から、総数は2000個以下がより好ましく、1000個以下が特に好ましい。総数及びディンプル66のパターンは、タイヤ2のサイズ及びサイド部の面積に応じて適宜決定されうる。
タイヤ2が、円形ディンプル66に代えて、又は円形ディンプル66と共に、非円形ディンプルを有してもよい。典型的な非円形ディンプルの平面形状は、多角形である。タイヤ2が、その平面形状が楕円又は長円であるディンプルを有してもよい。タイヤ2が、その平面形状が涙形(ティアドロップタイプ)であるディンプルを有してもよい。タイヤ2が、ディンプルと共に凸部を有してもよい。
タイヤ2は回転するので、ディンプル66に対する空気の流れ方向は、一定ではない。従って、このタイヤ2には、方向性を有さないディンプル66、すなわちその平面形状が円であるディンプル66が最も好ましい。タイヤ2の回転方向が考慮され、方向性を有するディンプル66が配置されてもよい。
本発明において、「ディンプル」は、従来のタイヤにみられる溝とは明確に区別されうる。溝は、幅に対する長さが大きい。溝を有するタイヤでは、空気の滞留が生じやすい。一方ディンプル66は、短径に対する長径の比が小さい。従って、ディンプル66を有するタイヤ2では、空気の滞留が生じにくい。短径に対する長径の比は3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましく、1.5以下が特に好ましい。円形ディンプル66では、この比は1.0である。長径とは、ディンプル66が無限遠から見られたときの輪郭内に画かれうる最長線分の長さである。短径は、この最長線分と直交する方向におけるディンプル66のサイズである。
図5に示されるように、このタイヤ2では、多数のディンプル66が千鳥状に配置されている。従って、1個のディンプル66に6個のディンプル66が隣接している。この配置がなされたタイヤ2では、乱流の発生箇所が均一に分布する。このタイヤ2では、サイド面から均一に熱が放出される。この配置は、冷却効果に優れる。多数のディンプル66がランダムに配置されてもよい。
図7に示されるように、ディンプル66の断面形状は台形である。換言すれば、ディンプル66の形状は円錐台形である。このディンプル66では、深さDeの割には容積が大きい。従って、十分な容積と小さな深さDeとが両立されうる。小さな深さDeが設定されることにより、サイドウォール8、クリンチ部10等が、ディンプル66の直下において十分な厚みを有しうる。このディンプル66は、サイド面の剛性に寄与しうる。
図7において符号αで示されているのは、スロープ面70の角度である。角度αは、10°以上70°以下が好ましい。角度αが10°以上であるディンプル66では、十分な容積と小さな深さDeとが両立されうる。この観点から、角度αは20°以上がより好ましく、25°以上が特に好ましい。角度αが70°以下であるディンプル66では、空気が円滑に流れる。この観点から、角度は60°以下がより好ましく、55°以下が特に好ましい。
図7において矢印Dbで示されているのは、底面72の直径である。直径Dbと直径Diとの比(Db/Di)は0.40以上0.95以下が好ましい。比(Db/Di)が0.40以上であるディンプル66では、十分な容積と小さな深さDeとが両立されうる。この観点から、比(Db/Di)は0.55以上がより好ましく、0.65以上が特に好ましい。比(Db/Di)が0.95以下であるディンプル66では、空気が円滑に流れる。この観点から、比(Db/Di)は0.85以下がより好ましく、0.80以下が特に好ましい。
上記サイズ、形状及び総数を有するディンプル66は、種々のサイズのタイヤ2においてその効果を発揮する。乗用車タイヤ2の場合、幅が100mm以上350mm以下であり、偏平率が30%以上100%以下であり、リム径が10インチ以上25インチ以下である場合において、上記ディンプル66は効果を発揮する。
このタイヤ2の製造では、複数のゴム部材がアッセンブリーされて、ローカバー(未加硫タイヤ)が得られる。このローカバーが、モールドに投入される。ローカバーの外面は、モールドのキャビティ面と当接する。ローカバーの内面は、ブラダー又は中子に当接する。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤ2が得られる。その外面に多数の凸条を備えたブラダー又は中子が用いられることにより、支持層16に凹陥部62が形成されうる。凹陥部62は、凸条の形状が反転した形状を有する。そのキャビティ面にピンプルを有するモールドが用いられることにより、タイヤ2にディンプル66が形成される。ディンプル66は、ピンプルの形状が反転した形状を有する。
タイヤ2の各部位の寸法及び角度は、特に言及のない限り、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。但し、乗用車タイヤ2の場合、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
図8は、本発明の他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。図8には、ディンプル76の近傍が示されている。このタイヤの、ディンプル76以外の構成は、図2に示されたタイヤの構成と同等である。このタイヤの支持層16は、凹陥部62(図3及び4参照)を備えている。
このディンプル76の平面形状は、円である。このディンプル76の断面形状は、円弧状である。換言すれば、このディンプル76は、球の一部である。このタイヤでは、ディンプル76からの空気の流出が円滑である。このディンプル76では、空気の滞留が抑制される。このタイヤでは、十分な放熱がなされる。
図8において矢印Rで示されているのは、ディンプル76の曲率半径である。曲率半径Rは、3mm以上200mm以下が好ましい。曲率半径Rが3mm以上であるディンプル76では、空気が円滑に流れる。この観点から、曲率半径Rは5mm以上がより好ましく、7mm以上が特に好ましい。曲率半径Rが200mm以下であるディンプル76では、十分な容積が達成されうる。この観点から、曲率半径Rは100mm以下がより好ましく、50mm以下が特に好ましい。このディンプル76の、直径Di、深さDe、容積、面積等の仕様は、図7に示されたディンプル76のそれらと同等である。
このタイヤでも、凹陥部62とディンプル76との相乗効果により、優れた性能が発揮される。
図9は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。図9には、ディンプル78の近傍が示されている。このタイヤの、ディンプル78以外の構成は、図2に示されたタイヤの構成と同等である。
このディンプル78の平面形状は、円である。このディンプル78は、第一曲面80と第二曲面82とを備えている。第一曲面80は、リング状である。第二曲面82は、碗状である。図9において符号Pbで示されているのは、第一曲面80と第二曲面82との境界点である。第二曲面82は、境界点Pbにおいて、第一曲面80と接している。このディンプル78は、いわゆるダブルラジアスタイプである。このディンプル78の、直径Di、深さDe、容積、面積等の仕様は、図7に示されたディンプル78のそれらと同等である。
図9において、矢印R1で示されているのは第一曲面80の曲率半径であり、矢印R2で示されているのは第二曲面82の曲率半径である。曲率半径R1は、曲率半径R2よりも小さい。曲率半径R1と曲率半径R2との比(R1/R2)は、0.1以上0.8以下が好ましい。比(R1/R2)が0.1以上であるディンプル78では、空気が円滑に流れる。この観点から、比(R1/R2)は0.2以上がより好ましく、0.3以上が特に好ましい。比(R1/R2)が0.8以下であるディンプル78では、十分な容積と小さな深さDeとが両立されうる。この観点から、比(R1/R2)は0.7以下がより好ましく、0.6以下が特に好ましい。
図9において矢印D2で示されているのは、第二曲面82の直径である。直径D2と直径Diとの比(D2/Di)は0.40以上0.95以下が好ましい。比(D2/Di)が0.40以上であるディンプル78では、十分な容積と小さな深さDeとが両立されうる。この観点から、比(D2/Di)は0.55以上がより好ましく、0.65以上が特に好ましい。比(D2/Di)が0.95以下であるディンプル78では、空気が円滑に流れる。この観点から、比(D2/Di)は0.85以下がより好ましく、0.80以下が特に好ましい。
このタイヤでも、凹陥部62とディンプル78との相乗効果により、優れた性能が発揮される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1から4に示される支持層と、図6から7に示されたディンプルとを備えたタイヤを得た。支持層及びディンプルの仕様は、以下の通りである。
支持層の仕様
最大厚み:7mm
凹陥部の長さL3:30mm
凹陥部の最大深さ:6mm
凹陥部の幅W:10mm
凹陥部の数:32
ディンプルの仕様
表面形状:円
直径Di:8mm
深さDe:2.0mm
角度α:45°
ディンプルの総数:200
このタイヤのサイズは、「245/40R18」である。
[実施例2から6]
ディンプルの深さDeを下記表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2から6のタイヤを得た。
[比較例1から3]
凹陥部及びディンプルを形成しなかった他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。凹陥部を形成しなかった他は実施例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。ディンプルを形成しなかった他は実施例1と同様にして、比較例3のタイヤを得た。
[走行試験]
タイヤを「18×8.5J」のリムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が4300ccであり、フロントエンジン−リアドライブの乗用車の左後のホイールに装着した。このタイヤのバルブコアを抜き取り、タイヤの内部を大気と連通させた。この乗用車の、左前、右前及び右後のホイールには、内圧が230kPaであるタイヤを装着した。ドライバーに、この乗用車を、テストコースで80km/hの速度で運転させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。この結果が、指数として、下記の表1に示されている。数値が大きいほど好ましい。
[転がり抵抗]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を200kPaとした。このタイヤを、転がり抵抗試験機に装着し、4.6kN(正規荷重の80%)の荷重をタイヤに負荷した。このタイヤを、80km/hの速度で走行させ、転がり抵抗を測定した。この結果が指数として、下記の表1に示されている。数値が小さいほど好ましい。
[縦バネ定数]
下記の条件にて、タイヤの縦バネ定数を測定した。
使用リム:18×8.5J
内圧:200kPa
荷重:4.6kN
この結果が指数として、下記の表1に示されている。
[タイヤの質量]
タイヤの質量を測定した。この結果が指数として、下記の表1に示されている。数値が小さいほど好ましい。
Figure 2011037372
表1に示されるように、各実施例のタイヤは諸性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るタイヤは、種々の車両に装着されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
8・・・サイドウォール
10・・・クリンチ部
12・・・ビード
14・・・カーカス
16・・・支持層
18・・・ベルト
20・・・バンド
22・・・インナーライナー
62・・・凹陥部
64・・・リブ
66、76、78・・・ディンプル
68・・・ランド
70・・・スロープ面
72・・・底面
80・・・第一曲面
82・・・第二曲面

Claims (8)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッド、
    それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォール、
    それぞれが上記サイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビード、
    上記トレッド及びサイドウォールに沿っており、両ビードの間に架け渡されたカーカス
    並びに
    それぞれが上記サイドウォールの軸方向内側に位置する一対の支持層
    を備えており、
    それぞれの支持層が、軸方向内側の面に、周方向に沿って並列された多数の凹陥部を有しており、
    そのサイド面に多数のディンプルを有するランフラットタイヤ。
  2. それぞれの支持層が、20個以上100個以下の凹陥部を有する請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記凹陥部の最大深さが3mm以上20mm以下である請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記凹陥部が、最大深さ位置から、半径方向外側に向かって徐々に深さが減少し、半径方向内側に向かって徐々に深さが減少する形状を有する請求項3に記載のタイヤ。
  5. 上記ディンプルの平面形状が円である請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ。
  6. 上記ディンプルが円錐台形である請求項5に記載のタイヤ。
  7. 上記ディンプルの直径が6mm以上18mm以下である請求項1から6のいずれかに記載のタイヤ。
  8. 上記ディンプルの深さが0.5mm以上3.0mm以下である請求項1から7のいずれかに記載のタイヤ。
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