JP2011037074A - 転写用原型及びその製造方法、フィルム成型用型、タッチパネル用光学フィルム、並びにタッチパネル用光学部材 - Google Patents

転写用原型及びその製造方法、フィルム成型用型、タッチパネル用光学フィルム、並びにタッチパネル用光学部材 Download PDF

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桂子 舟生
Ikuo Mukai
郁夫 向
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剛 野尻
Takeshi Yoshida
健 吉田
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尚子 菅原
Masaru Sawabe
賢 沢辺
Yasuo Tsuruoka
恭生 鶴岡
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Abstract

【課題】 主面上に凹凸形状を有するフィルムの製造に用いることができる転写原型及びフィルム成型用型を提供すること、並びに、これらの型を用いて得られるタッチパネル用光学フィルム、並びにタッチパネル用光学部材を提供すること。
【解決手段】 本発明の転写原型1000は、凹凸表面を有し、該凹凸表面から所定の部材表面に凹凸形状を転写するための転写原型であって、基体1010と、該基体の表面にめっきにより固定された複数の粒子1020とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、所定の部材表面に凹凸形状を転写するための凹凸表面を有する転写用原型及びフィルム成型用型、並びに、それらを用いて製造されるタッチパネル用光学フィルム及びタッチパネル用光学部材に関する。
表示装置の多機能化にともない、タッチパネルに代表される入力装置が近年広く用いられている。タッチパネルは、指またはペンなどでタッチした位置を感知することのできる入力装置であり、多くの場合、表示装置としての機能も有している。タッチパネルの用途としては、例えば携帯電話や携帯情報端末機(PDA)などのモバイル機器、銀行の現金自動預入支払機が挙げられる。
タッチパネルがタッチされた位置を検出する方式としては、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、光センサー方式が知られている。
抵抗膜方式タッチパネルは、一般に、表示装置の画面上に配置されたガラス基板表面に透明導電膜が形成され、その上に微小なスペーサーを配置し、さらにその上に透明導電膜が形成されたフィルムを貼り付けた構造を有している。フィルム面がタッチされていないときには透明導電膜同士はスペーサーによって非接触の状態にあるが、フィルム面をタッチすることによってフィルムが圧力でたわんで透明導電膜同士が接触し、導通を生じる。この導通部分における抵抗変化に基づいて、タッチされた位置が検出される。抵抗膜方式は、指でもペンでも入力が可能であり、生産コストを安くすることができるなどの特長を持つ。その反面、透明導電膜が脆いため、タッチしたときの屈曲を繰り返すことによって剥がれなどの劣化が生じ、検出の感度、分解能損失、透過率低下を引き起こすなど耐久性が低く、また一般的に透過率が低いなどの問題を有している(特許文献1及び2)。
静電容量方式タッチパネルは、電気容量を検出する1層の透明導電膜を含む構造を有している。タッチされた部分の容量結合電気信号の変化を感知することによって、タッチされた位置を検出することができる。静電容量方式は、抵抗膜方式に比べて耐久性及び透過率に優れている。しかしながら、指または導電性を有する特殊なペンでのみ操作可能であり、手袋を装着した指や非導電性のペンでは入力ができないなどの問題がある(特許文献1)。
光センサー方式では、光を感知する機能を有する光センサーが表示装置に実装される。タッチの有無を光センサーが受光量の変化として検出する。表示装置が液晶ディスプレイ(LCD)である場合、光センサーは例えば液晶セル内に配置される。タッチパネル上に指を置くと、光センサーに入射する外光が指によって遮光され、光センサーの受光量が変化する。この変化によってタッチした位置が検出される(特許文献3)。光センサー方式では、表示装置の各画素に光センサーを配置することも可能であるため、イメージセンサーとしても利用することができ、イメージスキャナーの機能を付与できる利点がある。また、抵抗膜方式や静電容量方式では困難な多点入力が可能であることから、様々なアプリケーションへの応用が期待できる。光センサー方式に関して、光源を有するライトペンを入力手段として利用する方法も提案されている。
また、液晶ディスプレイなどの表示装置の場合、光センサーが検出する光源としてバックライトの反射光を利用する方法も提案されている。この方法では、画面上に置かれた指とタッチパネル面との界面でバックライト光が反射し、その反射光を光センサーが感知することによりタッチした部分の位置が認識される。
特表2005-530996号公報 特表2007-522586号公報 特開昭61−3232号公報 特開平2-211421号公報 特開平4-222918号公報
上記のように、光センサー方式のタッチパネルは、耐久性、多点入力など多くの有利な点を有している。
しかしながら、光センサー方式のタッチパネルは、外光の受光量が不十分な環境、例えば薄暗い環境においては、タッチパネル上に指を置いても光センサーが受光量の変化を検出することが困難となり、位置認識の誤動作を起こしやすいという問題を有している。ライトペンを利用すればこの問題は解消され得るが、入力のために特殊なライトペンが必要となり、利便性に欠ける。バックライト光の反射光を利用する方法も外光不足の対策としてある程度有効と考えられるが、この方法では液晶表示装置を黒表示したときにタッチパネル上に指を置いてもバックライト光を反射させることができず、タッチした部分の位置の検出ができない。
そこで、本発明者らは、外光が弱い環境下でも誤動作が少なく、特殊なペンを使用せずとも入力が可能であり、さらには液晶表示装置において画像を黒表示した場合でも入力が可能なタッチパネルを得ることを可能にする光学部材の実現を目指して検討を行った。その検討のなかで、本発明者らは、主面上に凹凸形状を有する光学フィルムが上記光学部材の実現に有効であることを見出した。
他方、タッチパネルの更なる需要拡大が期待されるため、光学部材を生産性よく且つ安定に製造できる技術が求められている。これに対しては、上記光学部材の実現に加えて、上記光学フィルムを安定供給できる技術提供も課題となる。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、主面上に凹凸形状を有するフィルムの製造に用いることができる転写原型及びフィルム成型用型を提供することにあり、また、これらの型を用いて得られるタッチパネル用光学フィルム、並びにタッチパネル用光学部材を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、凹凸表面を有し、該凹凸表面から所定の部材表面に凹凸形状を転写するための転写原型であって、基体と、該基体の表面にめっきにより固定された複数の粒子と、を備える転写原型を提供する。本発明の転写原型は、基体の表面に固定された上記複数の粒子によって凹凸形状が設けられている。本発明の転写原型によれば、固定される粒子の粒径や密度(単位面積当たりの個数)などを適宜調節することにより凹凸形状の設計が可能であり、所定の部材表面に所望の凹凸形状を形成することができる。また、本発明の転写原型は、複合めっきによって凹凸表面が形成され得るものであることから、製造が容易であるという利点も有している。
本発明の転写原型は、主面上に凹凸形状を有するフィルムを成型するための、転写原型の凹凸表面から転写された凹凸形状を有する凹凸表面を有するフィルム成型用型、の作成に用いられることが好ましい。上記フィルム成型用型を介してフィルムを成型する場合、本発明の転写原型の凹凸表面と同形状の凹凸形状をフィルム表面に設けることができる。また、本発明の転写原型によって上記フィルム成型用型を量産すれば、主面上に凹凸形状を有するフィルムの生産性を高めることができる。
本発明の転写原型は、上記フィルムがタッチパネル用光学フィルムとして用いられるものである場合の上記フィルム成型用型の作成に用いられるものであることが好ましい。
また、本発明の転写原型は、粗面化されている凹部を有するものであることが好ましい。特に、主面上に凹凸形状を有するタッチパネル用光学フィルムを成型するためのフィルム成型用型の作成に本発明の転写原型が用いられる場合、上記粗面化されている凹部が、タッチパネル用光学フィルムの表面に粗面化されている凹部として転写される。こうして得られるタッチパネル用光学フィルムは、モアレやギラツキが発生しにくいものになり得る。
本発明の転写原型は、上記粒子によって形成され、高さが1〜80μmである凸部を有するものであることが好ましい。本発明において、「転写原型の凸部の高さ」とは、所定の幅内の断面における凸部の頂部と凹部の底部との高低差を意味する。特に、主面上に凹凸形状を有するタッチパネル用光学フィルムを成型するためのフィルム成型用型の作成に本発明の転写原型が用いられる場合、上記凸部が、タッチパネル用光学フィルムの表面に高さが1〜80μmの凸部として転写される。こうして得られるタッチパネル用光学フィルムは、外光が弱い環境下でも誤動作が生じにくいものになり得る。
本発明の転写原型は、上記粒子によって形成され、最大幅が1〜300μmである凸部を有するものであることが好ましい。本発明において、「転写原型の凸部の最大幅」とは、凸部の高さ方向と直交する方向の幅のうちの最大の値を意味する。特に、主面上に凹凸形状を有するタッチパネル用光学フィルムを成型するためのフィルム成型用型の作成に本発明の転写原型が用いられる場合、上記凸部が、タッチパネル用光学フィルムの表面に最大幅が1〜300μmの凸部として転写される。こうして得られるタッチパネル用光学フィルムは、タッチパネルにおける表示品質を十分維持しながら、外光が弱い環境下でも誤動作が生じにくいものになり得る。
本発明の転写原型は、当該転写原型の凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムを製造するために用いることができる。この場合、転写原型の凸部はフィルムの表面に凹部として転写されることになる。このようにして得られるフィルムは、タッチパネル用光学フィルムとして用いることができる。
本発明はまた、上記本発明の転写原型の凹凸表面から転写された凹凸形状を有する凹凸表面を有するフィルム成型用型を提供する。本発明のフィルム成型用型によれば、主面上に凹凸形状を有するフィルムを成型することができ、特には、タッチパネル用光学フィルムとして好適なフィルムを得ることができる。
本発明はまた、上記本発明のフィルム成型用型の凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムからなる第1のタッチパネル用光学フィルムを提供する。
本発明のタッチパネル用光学フィルムは、良好なタッチパネル特性を得る観点から、スペーサーとして機能する凸部と、該凸部間に設けられた平坦部と、を主面上に有するものであることが好ましい。
本発明はまた、上記本発明の転写原型の凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムからなる第2のタッチパネル用光学フィルムを提供する。
本発明はまた、第1の層と、該第1の層に部分的に又は完全に離れるように設けられた第2の層とを備え、第1の層及び第2の層の少なくとも一方の層は、上記本発明の第1のタッチパネル用光学フィルムからなり、他方の層と対向する表面に凹凸形状を有する層であり、且つ、第1の層及び第2の層の少なくとも一方の層は、力学的な圧力を加えることによる変形と力学的な圧力を除くことによる形状の復元とが可逆的に可能であることを特徴とする第1のタッチパネル用光学部材を提供する。
本発明はまた、第1の層と、該第1の層に部分的に又は完全に離れるように設けられた第2の層とを備え、第1の層及び第2の層の少なくとも一方の層は、上記本発明の第2のタッチパネル用光学フィルムからなり、他方の層と対向する表面に凹凸形状を有する層であり、且つ、第1の層及び第2の層の少なくとも一方の層は、力学的な圧力を加えることによる変形と力学的な圧力を除くことによる形状の復元とが可逆的に可能であることを特徴とする第2のタッチパネル用光学部材を提供する。
本発明はまた、上記本発明の第1のタッチパネル用光学部材の製造方法であって、フィルム成型用型の凹凸表面上に、該凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムを形成する工程と、凹凸形状を主面上に有するフィルムをフィルム成型用型から剥離する工程と、剥離した凹凸形状を主面上に有するフィルムを第1の層とし、該第1の層の凹凸形状を有する表面上に第2の層を積層する工程と、を備えるタッチパネル用光学部材の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記本発明の第2のタッチパネル用光学部材の製造方法であって、支持フィルム上に設けられた硬化性樹脂組成物層の表面に転写原型の凹凸表面を押し当てた後、硬化性樹脂組成物層を硬化して、転写原型の凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムを形成する工程と、凹凸形状を主面上に有するフィルムを支持フィルムから剥離する工程と、剥離した凹凸形状を主面上に有するフィルムを第1の層とし、該第1の層の凹凸形状を有する表面上に第2の層を積層する工程と、を備えるタッチパネル用光学部材の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記本発明の転写原型を製造する方法であって、基体として円柱状の導電性基体と、粒子を含む電解めっき液が収容されためっき槽とを用意し、これらを導電性基体の周面の一部が電解めっき液に浸漬するように配置し、導電性基体を軸周りに回転駆動させながら電解めっき処理を行うことにより導電性基体の表面に粒子を固定することを特徴とする転写原型の製造方法を提供する。
上記電解めっき処理は、回転駆動する導電性基体の電解めっき液に浸漬していない周面にブレード状の部材又はフィルム状の部材を当接させて導電性基体の表面に付着する電解めっき液を均しながら行われることが好ましい。これにより、導電性基体に付着した粒子の上にさらに粒子が付着することを防止することができる。
また、上記粒子が、樹脂からなる中核と、該中核を被覆する金属層とからなるものであることが好ましい。このような粒子を用いることにより、粒子の比重がめっき液に近くなるために粒子がめっき液に分散されやすくなり、導電性基体上で均一な粒子分布が得られやすくなる。
更に、上記電解めっき処理が、めっき槽に収容された電解めっき液中に気泡を注入しながら行われることが好ましい。これにより、めっき液が攪拌されて導電性基体上で均一な粒子分布が得られやすくなる。
本発明によれば、外光が弱い環境下でも誤動作が少なく、特殊なペンを使用せずとも入力が可能であり、さらには液晶表示装置において画像を黒表示した場合でも入力が可能なタッチパネルを得ることを可能にするタッチパネル用光学部材を提供することができる。また、本発明によれば、かかるタッチパネル用光学部材に用いられるタッチパネル用光学フィルム並びにその製造に好適な転写原型及びフィルム成型用型を提供することができ、上記のタッチパネル用光学部材を生産性よく安定に製造することが可能となる。
本発明に係るタッチパネルの断面構成を模式的に示す図である。 タッチパネル100における非押圧時及び押圧時の断面構成を模式的に示す図である。 本発明に係る転写原型の一実施形態を模式的に示す図である。 本発明に係る転写原型の他の実施形態を模式的に示す図である。 本発明に係る転写原型を製造する方法を説明するための模式図である。 本発明に係るフィルム成型用型を製造する方法を説明するための模式図である。 本発明に係るフィルム成型用型を製造する方法を説明するための模式図である。 本発明に係るタッチパネル用光学フィルム及びタッチパネル用光学部材を製造する方法を説明するための模式図である。 本発明に係るタッチパネル用光学フィルムを製造する方法を説明するための模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
まず、本発明に係るタッチパネルについて説明する。
図1は、本発明のタッチパネル用光学部材を備えるタッチパネルの一実施形態を示す端面図である。図1に示すタッチパネル100は、液晶セル4と、液晶セル4の一方面側に設けられた光源としてのバックライト60と、液晶セル4の他方面側に設けられた光学部材1と、液晶セル4内に設けられた光センサー52と、液晶セル4及び光学部材1を挟んで対向配置された一対の偏光板20,21とを主として備える。
液晶セル4は、対向配置された2枚のガラス基板23,24と、バックライト60側のガラス基板24上に設けられた薄膜トランジスター51及び光センサー52と、薄膜トランジスター51及び光センサー52を覆う絶縁膜54と、絶縁膜54上に積層された透明電極41、配向膜43、液晶層45、配向膜42及び透明電極40とを含む。ガラス基板24と薄膜トランジスター51及び光センサー52との間には遮光膜50が設けられている。配向膜42と配向膜43との間にはスペーサー47が設けられている。ガラス基板23上には、粘着層31、光学部材1、粘着層30、位相差板22及び偏光板20がこの順で積層されている。
図1に示すタッチパネル100は、液晶表示装置としての機能とともに、画面S100の所定の位置が指等でタッチされたときにその位置を検出する機能も有する入力装置である。
光学部材1は、第1の層11と、第1の層11上に積層された第2の層12とを備える。光学部材1は、第1の層11側の主面S1及び第2の層側の主面S2を有する積層シートである。第1の層11の第2の層12側の表面11aは凸部14と粗面化された凹部15とから形成される凹凸形状を有しており、第2の層12の第1の層11側の表面12aは平坦である。光学部材1は、第1の層11がバックライト60及び光センサー52側に位置する向きで配置されている。
第1の層11の凸部14がスペーサーとして機能し、第1の層の表面11aと第2の層の表面12aとは互いに部分的に離れており、離れた位置において第1の層11と第2の層12の間に空隙2が形成されている。空隙2内の気体は空気であってもよいし、窒素、ヘリウム及びアルゴンのような安定で無害な気体であってもよい。あるいは、空隙2内が真空であってもよい。
本実施形態においては、第1の層11の凸部14と第2の層12とが接着剤13によって接着されている。第1の層11及び第2の層12は接着剤を用いずに積層されていてもよいが、接着されていることにより、後工程で第1の層11と第2の層12のズレが起きにくくなり安定性が向上し、温度や気圧変化に対してもより強力な耐性が得られやすくなる。
図2は、光学部材1の機能を説明するための模式図である。図2の(a)に示すように、タッチパネル100の画面S100が押圧されていないとき、バックライト60から発せられて光学部材1内に進入した光の一部は、第1の層11の粗面化された凹部15の表面において反射して反射光L1となる。粗面化された凹部15の表面は凹凸形状を有していることから光が反射又は散乱し易く、第1の主面S1側に設けられた光センサー52が受光する、散乱光を含む反射光の光量は比較的大きい。
図2の(b)に示すように、タッチパネル100の画面S100の所定の位置が指Fによってタッチされたとき、光学部材1は主面S2側から押圧される。このように力学的圧力が局所的に加えられた第2の層は第1の層側に向けて歪み、第1の層11及び第2の層12が互いに押し付けられる。そうすると表面11aの凹凸形状における凸部が表面12aとの接触により押しつぶされて、表面11aが可逆的に変形する。その結果、第1の層の表面11aが、押圧された位置において表面12aに沿うほぼ平坦な形状に変化する。表面11aが平坦になると、そこで反射又は散乱する光が減少し、光学部材1内に進入した光は主として指Fと画面S100との界面で反射するようになる。指Fと画面S100との界面で反射した反射光L2の光量は、一般に反射光L1の光量よりも小さい。また、光学部材を透過する光の光量又は輝度が大きくなる。この状態で光センサー52が受光する光量は、光学部材1が押圧されていないときと比較すると小さくなる場合が多い。
このように、光学部材1が主面S2側から押圧されたときに、主面S1側から入射した光の反射光の光量等が変化する。この光学的な変化を主面S1側に設けられた光センサーを用いて検知することにより、タッチパネル100がタッチされた所定の位置を認識することが可能である。また、光学部材1が画面S100側の偏光板20とバックライト60との間に設けられていることから、黒表示のときでも白表示等のときと同様にバックライトの光及びその反射光を効率的に利用することができる。
光センサー52としては、光量等の反射光の光学的なパラメータを検知可能なものであれば、特に制限なく用いられる。具体的には、アモルファスシリコン、多結晶シリコンなど、光電効果を発現する半導体素子が挙げられる。
光学部材1の第1の層11は、力学的圧力に対して可逆的な変形が可能なゴム弾性を有する。第1の層11がゴム弾性を有していることにより、光学部材1が押圧されたときにその表面11aが容易に可逆的に変形する。タッチパネルの耐久性の観点からも、第1の層及び第2の層のうち少なくとも一方がゴム弾性を有していることが好ましい。
タッチパネルの耐久性、操作性、誤動作防止等の観点から、第1の層11の圧縮弾性率は好ましくは0.01〜100MPaである。圧縮弾性率が0.01MPa未満であると、力学的圧力を加えない状態でも表面が変形して、光源から入射した光の反射及び散乱が生じにくくなる傾向がある。圧縮弾性率が100MPaを超えると、弱い圧力で押圧されたときに表面11aが変形しにくくなるために、力学的圧力の変化を光学的変化に変換することが困難になる傾向がある。同様の観点から、圧縮弾性率は0.01〜100MPaであることが好ましく、0.05〜90MPaであることがより好ましく、0.1〜80MPaであることがさらに好ましく、0.5〜70MPaであることが特に好ましく、1〜60MPaであることが極めて好ましく、1〜10MPaであることが最も好ましい。
圧縮弾性率は、超微小硬度計を用いて下記条件の圧縮試験により測定される荷重−変位曲線の傾きから求められる。
試料膜厚:100μm(厚さ方向に圧縮)
温度:25℃
最大加圧:0.1mN/μm
測定時間:20秒
圧子:円形平面圧子(直径φ50μm)
第1の層11の表面11a及び第2の層12の表面12aの形状は、入射した光の一部を反射又は散乱させることができる形状であれば、平坦であっても非平坦であってもよく、これに限定されるものではない。タッチパネルとして良好な表示品質を維持できるという観点から、表面11a及び表面12aは平坦であることが好ましいが、バックライト60から入射した光を特に効率的に反射し、光センサー52で有効に検出できるという観点から、表面11a及び表面12aは、図1に示されるようなスペーサーとして機能する凸部と、該凸部間に設けられた粗面化された平坦部とを有していることが好ましい。また、同様の観点から、表面11a及び表面12aは、全面にわたる粗面化された平坦部を有していてもよい。前者の場合、粗面化された平坦部の最大高さ(所定の長さ(例えば10mm)の断面における、凸部の頂点と凹部の底との高低差の最大値)は0.01〜3μmであることが好ましい。また、タッチパネル100をタッチした位置をさらに感度よく認識できる。同様の観点から、粗面化された平坦部の最大高さは0.1〜2.5μmであることがより好ましく、0.3〜2μmであることがさらに好ましく、0.5〜1.5μmであることが特に好ましく、0.7〜1.3μmであることが最も好ましい。また、同様の観点から、凸部の密度は、5〜200個/mmであることが好ましく、10〜150個/mmであることがより好ましく、20〜120個/mmであることが特に好ましい。後者の場合、粗化面の最大高さ(所定の長さ(例えば10mm)の断面における、凸部の頂点と凹部の底との高低差の最大値)は0.01〜3μmであることが好ましい。また、タッチパネル100をタッチした位置をさらに感度よく認識できる。同様の観点から、粗化面の最大高さは0.1〜2.5μmであることが好ましく、0.3〜2μmであることがより好ましく、0.5〜1.5μmであることがさらに好ましく、0.7〜1.3μmであることが特に好ましい。また、同様の観点から、凸部の密度は、5〜200個/mmであることが好ましく、10〜150個/mmであることがより好ましく、20〜120個/mmであることがさらに好ましい。
凸部14の高さは、1〜80μmであることが好ましい。ここで、「凸部の高さ」とは、所定の幅内の断面における凸部の頂部と凹部の底部との高低差を意味する。凸部の高さが1μm未満であると、本発明に係るタッチパネル用光学部材において、力学的圧力を加えない状態でも第1の層の表面11aと第2の層の表面12aが接触しやすくなり、誤動作を生じやすくなる傾向がある。凸部の高さが80μmを越えると、弱い圧力で押圧されたときに第1の層の表面11aと第2の層の表面12aが押圧されたところで互いに接触しにくくなり、押圧した位置を認識しにくくなる傾向がある。同様の観点から、凸部の高さは5〜75μmであることがより好ましく、10〜70μmであることがさらに好ましく、13〜65μmであることが特に好ましく、15〜60μmであることが極めて好ましく、17〜55μmであることがより極めて好ましく、20〜50μmであることが最も好ましい。
また、凸部14の最大幅は、1〜300μmであることが好ましい。ここで、「凸部の最大幅」とは、凸部の高さ方向と直交する方向の幅のうちの最大の値を意味する。凸部の最大幅が1μm未満であると、本発明に係るタッチパネル用光学部材において、力学的圧力を加えない状態でも第1の層の表面11aと第2の層の表面12aが接触しやすくなり、タッチパネルの操作時に誤動作を生じやすくなる傾向がある。凸部の最大幅が300μmを越えると、弱い圧力で押圧されたときに第1の層の表面11aと第2の層の表面12aが押圧されたところで互いに接触しにくくなり、押圧した位置を認識しにくくなる傾向があり、またタッチパネルとして視認した場合に、その表示品質が低下する傾向がある。同様の観点から、凸部の最大幅は5〜250μmであることがより好ましく、7〜200μmであることがさらに好ましく、10〜150μmであることが特に好ましく、15〜100μmであることが極めて好ましく、17〜70μmであることがより極めて好ましく、20〜50μmであることが最も好ましい。
本実施形態において隣り合う凸部14の頂点間の距離は、良好なタッチパネル特性を得る観点から、0.01〜15μmであることがより好ましく、0.1〜10μmであることがさらに好ましく、0.5〜9μmであることが特に好ましく、0.7〜7μmであることが極めて好ましく、1〜5μmであることが最も好ましい。
押圧による力学的圧力変化から変換された光学的変化を効率的に検出でき、かつ良好な表示品質を維持できるという観点から、第1の層11及び第2の層12は透明性の高い材料から構成されることが好ましい。具体的には、第1の層11又は第2の層12を構成する材料により形成された厚さ20μmの両面平坦膜の可視光線透過率が、70〜100%であることが好ましく、75〜98%であることがより好ましく、80〜97%であることがさらに好ましく、83〜96%であることが特に好ましく、85〜95%であることが最も好ましい。この可視光線透過率は、第1の層11又は第2の層を構成する材料を用いて形成した両面平坦膜を用いて、後述する、押圧前後での可視光線透過率の変化の測定方法と同様の方法により測定することができる。
表面11aの変形前後の光量変化を効果的に発現させる観点から、第1の層11と第2の層12の屈折率差の絶対値は、0〜0.1であることが好ましい。同様の観点から、本実施形態のように第1の層と第2の層の間に空隙2が形成されている場合、第1の層11及び第2の層12の屈折率は1.3以上であることが好ましい。これらの屈折率は、プリズムカップリング法、分光エリプソメトリー法など公知の方法で測定される。
ゴム弾性を有する第1の層11を構成する材料は、好ましくは各種のエラストマーである。好適なエラストマーの具体例としては、天然ゴム、合成ポリイソプレン、スチレンとブタジェンのコポリマー、ブタジェンとアクリロニトリルのコポリマー、ブタジェンとアルキルアクリレートのコポリマー、ブチルゴム、ブロモブチルゴム、クロロブチルゴム、ネオブレン(クロロプレン、2−クロロ−1,3−ブタジェン)、オレフィン系ゴム(例えばエチレンプロピレンゴム(EPR)、およびエチレンプロピレンジェノモノマー(EPDM)ゴム)、ニトリルエラストマー、ポリアクリル系エラストマー、ポリスルフィドポリマー、シリコーンエラストマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性コポリエステル、工チレンアクリル系エラストマー、酢酸ビニルエチレンコポリマー、エピクロルヒドリン、塩素化ポリエチレン、化学的に架橋したポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、フルオロカーボンゴム、フルオロシリコーンゴムが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらゴム弾性を有する具体的材料の中で、シリコーンエラストマーは、前述した凹凸形状の成形性に優れるという観点から、特に好ましい。
シリコーンエラストマーとしては、例えば、過酸化物加硫型シリコーンゴム、付加反応型シリコーンゴム、光反応型シリコーンゴム及び光ラジカル重合反応型シリコーンゴムがある。過酸化物加硫型シリコーンゴムは、直鎖状の高重合ポリオルガノシロキサンからなるシリコーン生ゴムに有機過酸化物を配合し、加熱することによりシリコーン生ゴムを架橋してゴム弾性体を形成する方法により得られる。付加反応型シリコーンゴムは、脂肪族不飽和炭化水素基を有するポリオルガノシロキサンとポリオルガノハイドロジェンシロキサンの間の付加反応による架橋を白金触媒の存在下で行ってゴム弾性体を形成する方法により得られる。光反応型シリコーンゴムは、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを光酸発生剤の存在下で光照射することにより架橋してゴム弾性体を形成する方法により得られる。光ラジカル重合反応型シリコーンゴムは、アクリロイル基含有ポリオルガノシロキサンを光重合開始剤存在下で光照射することにより架橋してゴム弾性体を形成する方法により得られる。
付加反応型シリコーンゴムを形成するために用いられるポリオルガノシロキサンは、ケイ素原子に結合した1価の脂肪族不飽和炭化水素基を1分子中に2個以上有する。1価の脂肪族不飽和炭化水素基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基及び1−ヘキセニル基が例示される。合成が容易で、また硬化前の組成物の流動性や、硬化後の組成物の耐熱性が良好であるという観点から、ビニル基が最も好ましい。さらに、1価の脂肪族不飽和炭化水素基は、ポリオルガノシロキサン分子鎖の末端または途中のいずれに存在してもよく、その双方に存在してもよい。ただし、架橋後の組成物に優れた機械的性質を与えるためには、ポリオルガノシロキサンは、少なくとも分子鎖の両末端に1価の脂肪族不飽和炭化水素基を有していることが好ましい。
また、ポリオルガノシロキサンのケイ素原子に結合する他の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル及びドデシルなどのアルキル基、フェニルなどのアリール基、ベンジル、2−フェニルエチル及び2−フェニルプロピルなどのアラルキル基、クロロメチル、クロロフェニル、2−シアノエチル及び3,3,3−トリフルオロプロピルなどの置換炭化水素基が挙げられる。これらのうち、合成が容易であって、架橋前の流動性や形成されるゴム弾性体の圧縮弾性率などの特性のバランスが優れているという観点から、メチル基が最も好ましい。
ポリオルガノシロキサンは、直鎖状でも分岐状であってもよい。また、ポリオルガノシロキサンの重合度はとくに限定されないが、架橋前の組成物が良好な流動性および作業性を有し、架橋後の組成物が適度の圧縮弾性率を有するには、25℃における粘度が500〜500000MPa・sであることが好ましく、1000〜100000MPa・sであることが特に好ましい。
付加反応型シリコーンゴムを形成するために用いられるポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、分子中に含まれるヒドロシリル基がポリオルガノシロキサン中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基に付加することにより、ポリオルガノシロキサンの架橋剤として機能する。網目構造を効率的に形成するために、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有していることが好ましい。シロキサン単位のケイ素原子に結合した有機基としては、上記ポリオルガノシロキサンにおける1価の不飽和脂肪族炭化水素基以外の有機基と同様のものが挙げられ、それらの中でも、合成が容易な点から、メチル基が最も好ましい。また、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンにおけるシロキサン骨格は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよく、またこれらの混合物を用いてもよい。ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの重合度は特に限定されないが、同一のケイ素原子に2個以上の水素原子が結合したポリオルガノハイドロジェンシロキサンは合成が困難であることから、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは3個以上のシロキサン単位を有することが好ましい。
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの配合量は、ポリオルガノシロキサン中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基1個に対して、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5個、好ましくは1〜3個となるような量であることが好ましい。この水素原子の存在比が0.5未満であると、架橋が不完全になる傾向があり、存在比が5を越えるような量の場合は、架橋の際に発泡が起こりやすく、表面状態が低下する傾向がある。
付加反応型シリコーンゴムには、ポリオルガノシロキサン中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基とポリオルガノハイドロジェンシロキサンのヒドロシリル基との間の付加反応を促進させるための触媒として、白金系化合物を用いることが好ましい。白金系化合物としては、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコールの反応生成物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、及び白金−ホスフィン錯体が例示される。ポリオルガノシロキサン及びポリオルガノハイドロジェンシロキサンへの溶解性や、触媒活性が良好な点から、塩化白金酸とアルコールの反応生成物および白金−ビニルシロキサン錯体が好ましい。白金系化合物の配合量は、ポリオルガノシロキサンに対し、白金原子換算で1〜200重量ppmであることが好ましく、1〜100重量ppmであることがさらに好ましく、2〜50重量ppmであることが特に好ましい。1重量ppm未満の場合には、硬化速度が不十分で、光学部材の製造効率が低下する傾向があり、200重量ppmを越えると、架橋速度が過度に早まるために各成分を配合した後の作業性が損なわれる傾向がある。
第2の層12は、第1の層11の凹凸形状を力学的圧力によって効果的に変形させられるという観点から、ゴム弾性を実質的に示さない硬質な材料から構成されることが好ましい。具体的には、第2の層12は、ガラス及びセラミックスから選ばれる無機材料、または、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレンテレフタレート及びポリエーテルナフタレートから選ばれる有機材料から構成されることが好ましい。
光学部材1が押圧されていないときの可視光線透過率と、光学部材1が押圧されたときの可視光線透過率との差(押圧前後での可視光線透過率の変化)は0.1〜50%であることが好ましい。この差が0.1%未満では、力学的圧力が加えられたときの光学的変化を光センサーで検出することが困難になる傾向があり、50%を超えると、力学的圧力を加えない状態での第1の層11又は第2の層12における反射または散乱を強くする必要がある。そうすると凹凸形状を設計しにくくなるとともに、表示装置としての表示品質が低下する傾向がある。同様の観点から、押圧前後での可視光線透過率の変化は0.5〜45%であることが好ましく、1〜40%であることがより好ましく、2〜35%であることがさらに好ましく、3〜30%であることが特に好ましい。
押圧前後での可視光線透過率の変化は、以下の1)〜7)の手順で測定することができる。なお、可視光線とは一般的に視認可能な波長領域380〜780nmの光線を意味する。
1)光学部材をガラス基板上に載置し、その上に直径φ10mm、厚さ0.7mmの円盤状ガラス板を載置した試料を準備する。
2)試料に対して可視領域の光線を試料に対して法線方向に照射し、色彩輝度計を使用して、測定視野角1°の範囲で試料を透過した光線の輝度aを測定し、その状態から光学部材を取り除いて同様に輝度bを測定する。
3)押圧されていないときの可視光線透過率T1を式:T1=(a/b)×100(%)により算出する。
4)上記と同様の試料を準備し、ガラス基板と円盤状ガラス板間に5×10Paの荷重を加える。
5)試料に荷重を加えながら、可視領域の光線を試料に対して法線方向に照射し、色彩輝度計を使用して、測定視野角1°の範囲で試料を透過した光線の輝度cを測定する。この状態から光学部材を取り除き、同様の方法で輝度dを測定する。
6)押圧されたときの可視光線透過率T2を式:T2=(c/d)×100(%)により算出する。
7)可視光線透過率T1とT2の差の絶対値(ΔT)を、押圧前後での可視光線透過率の変化として求める。
光学部材1が押圧されていないときの可視光線反射率と、光学部材1が押圧されたときの可視光線反射率との差(押圧前後での可視光線反射率の変化)は0.1〜50%であることが好ましい。この差が0.1%未満では、力学的圧力が加えられたときの光学的変化を光センサーで検出することが困難になる傾向があり、50%を超えると、力学的圧力を加えない状態での第1の層11又は第2の層12における反射または散乱を強くする必要がある。そうすると凹凸形状を設計しにくくなるとともに、表示装置としての表示品質が低下する傾向がある。同様の観点から、押圧前後での可視光線反射率の変化は、0.5〜48%であることが好ましく、1〜45%であることがより好ましく、2〜43%であることがさらに好ましく、3〜40%であることが特に好ましい。
押圧前後での可視光線反射率の変化は、以下の手順で測定することができる。
1)酸化マグネシウムなどの白色板上に厚さ0.7mmのガラス基板及び直径φ10mm、厚さ0.7mmの円盤状ガラス板を載置し、可視領域の光線を白色板に対して法線方向に照射して、分光測色計などを使用して、白色板の法線方向に対して角度25°に反射した光線の明度a’を測定する。次いで、ガラス基板と円盤状ガラス板との間に光学部材を載置して同様の方法で反射光線の明度b’を測定する。
2)光学部材が押圧されていないときの可視光線反射率R1を式:R1=(b’/a’)×100(%)により算出する。
3)ガラス基板と円盤状ガラス板との間に5×10Paの荷重を加えながら1)と同様の方法で反射光線の明度をc’を測定する。
4)光学部材が押圧されたときの可視光線反射率R2を式:R2=(c’/a’)×100(%)により算出する。
5)押圧前後での可視光線反射率R1とR2の差の絶対値(ΔR)を、押圧前後での可視光線反射率の変化として求める。
第1の層11の膜厚(第1の層11のうち、厚さ方向において凹凸形状を除いた部分の厚さ)は、1〜500μmであることが好ましい。第1の層11の膜厚が1μm未満では、凹凸形状を有する第1の層11を作製することが困難となる傾向があり、500μmを超えると、光学部材に圧力を加えた場合の圧力伝達が弱くなるために、第1の層11の表面形状が変化しにくくなる傾向がある。同様の観点から、第1の層11の膜厚は5〜400μmがより好ましく、10〜300μmがさらに好ましい。
光学部材1は、タッチパネル100の表示品質の観点から、一方の面に入射した可視光線と反対面に入射した可視光線の透過率差の絶対値が、1〜20%であることが好ましい。この透過率差の絶対値が1%未満の場合にはタッチパネルが外光を反射しやすくなり、表示品質を低下させる傾向があり、20%を超えるとこれを実現させる凹凸形状の光学設計が困難になる傾向がある。同様の観点から、透過率差の絶対値は1.5〜17%であることがより好ましく、2〜15%であることがさらに好ましく、2.5〜12%であることが特に好ましく、3〜10%であることが極めて好ましい。
可視光線の透過率は、上述の「押圧前後での可視光線透過率の変化」の測定と同様の方法により、光学部材1の両面からの可視光線透過率をそれぞれ測定し、それらの差の絶対値を算出することによって求めることができる。
第1の層11と第2の層12との間に、第1の層11とは屈折率が異なり、中間層が設けられていてもよい。中間層を設けることにより、空隙2が形成される場合と比較して、使用環境の変化に対する耐久性が更に優れるタッチパネルを得ることができる。
凹凸形状を有する表面11aを有する第1の層11の屈折率と、中間層の屈折率との差の絶対値(Δn)は、0.01〜1.0であることが好ましい。この屈折率差の絶対値が、0.01未満では、光学部材が押圧されていないときの光学部材1からの反射光を光センサーが効率的に検知できなくなるために、タッチした位置を正常に認識することが困難になる傾向がある。また、また屈折率差の絶対値が1.0を超えると、これを達成するために必要な屈折率を有する材料の選択が困難になる傾向がある。同様の観点から、屈折率差の絶対値は0.03〜0.7であることがより好ましく、0.05〜0.5であることがさらに好ましく、0.07〜0.3であることが特に好ましく、0.1〜0.2であることが最も好ましい。屈折率は、プリズムカップリング法、分光エリプソメトリー法など公知の方法で測定される。
中間層は粘着性を有することが好ましい。粘着性を有する中間層を形成するために用いられる樹脂としては、第1の層または第2の層に対して粘着性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、架橋型アクリル樹脂、アクリル系単量体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
アクリル樹脂としては、低いガラス転移温度を示す不飽和単量体を含む共重合体が好ましい。低いガラス転移温度を示す不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。また、低いガラス転移温度を示す不飽和単量体を含む共重合体に用いられるその他の不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、スチレン、α−メチルスチレン、シクロヘキシルマレイミド、アクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、及びクロロプレンが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
架橋型アクリル樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、アクリロニトリルなどの、官能基を有する不飽和単量体を共重合成分として含む共重合体を架橋剤により架橋したものである。
上記架橋剤としては、イソシアネート系、メラミン系、エポキシ系等の公知の架橋剤を用いることができる。また、架橋剤としては、架橋型アクリル樹脂中に緩やかに広がった網目状構造を形成するために、3官能、4官能といった多官能架橋剤がより好ましく使用される。
アクリル樹脂、及び、架橋型アクリル樹脂を得るために使用される共重合体の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン換算した値)は、第1の層11または第2の層12に対する粘着性の観点から、1000〜300000であることが好ましく、5000〜150000であることがより好ましい。
粘着性を有する樹脂は、高い流動性を発現させ、第1の層または第2の層の表面形状を効果的に変形させるという観点から、単量体を使用することもできる。単量体としては、例えば、ポリエチレングリコールジアセテート、ポリプロピレングリコールジアセテート、ウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレンアクリレート、ノニルフェニルジオキシレンメタクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルメタクリレート、あるいはアクリル樹脂に使用される不飽和単量体を使用することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
中間層のガラス転移温度(Tg)は、−20℃以下であることが好ましい。中間層のガラス転移温度が−20℃よりも高いと粘着性が低下し、第1の層11及び第2の層12に対する適度な粘着力が得られなくなる傾向がある。
中間層の厚さ(凹凸形状の凹部に充填された部分を除いた部分の厚さ)は、1〜50μmであることが好ましい。中間層の厚さが1μm未満であると、第1の層または第2の層を積層する際に、気泡を巻き込む傾向があり、50μmを超えると、タッチパネルがタッチされたときに圧力が伝達されにくくなるために、第1の層11の表面形状が変形しにくくなる傾向がある。同様の観点から、中間層の厚さは2〜40μmであることがより好ましく、3〜30μmであることが更に好ましい。
支持体フィルムと、該支持体フィルム上に設けられた光学部材1とを具備する積層体の状態で光学部材1を用いてもよい。支持体フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、トリアセチルセルロースからなる厚さ5〜100μm程度のフィルムが挙げられる。
支持体フィルムと第1の層11または第2の層12との間に、粘着性又は接着性を有する樹脂層が設けられていてもよい。
第1の層11または第2の層12の上に、さらにカバーフィルムが積層されていてもよい。カバーフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース等からなる厚さ5〜100μm程度のフィルムが挙げられる。カバーフィルムと第1の層11または第2の層12との間に、粘着性または接着性を有する樹脂層が設けられていてもよい。
次に、上述した光学部材における第1の層11として好適な光学フィルムを作成するための、本発明に係る転写原型について説明する。
図3は、本発明に係る転写原型の一実施形態を模式的に示す図である。図3の(a)は、転写原型を斜め上方から見た模式図であり、(b)は(a)のI−I線に沿った断面図である。図3に示す転写原型1000は、基体1010と、該基体の表面にめっきにより固定された複数の粒子1020とから構成されている。転写原型1000においては、めっき層1030が基体1010の表面及び粒子1030を被覆することにより粒子1030を固定している。転写原型1000は、固定された粒子による凸部1040と粒子が固定されていないことによる凹部1050とから形成された凹凸表面を有し、該凹凸表面から所定の部材表面に凹凸形状を転写することができる。なお、本実施形態に係る転写原型は円筒状であるが、本発明の転写原型はこの形状に限られず、例えば、平板状とすることもできる。
基体の材質は、金属、樹脂等が挙げられ、特に制限されないが、寸法安定性に優れ、後述する電解めっきによる転写原型の製造を考慮した導電性に優れるステンレス等の鉄合金、さらに加工裕度のある銅が積層されたものが好ましい。
基体の形状は、板状、シート状、ロール状等が挙げられ、特に制限されないが、ロール状であると回転しながら加工が可能となるので好ましい。
基体の表面は、機械研磨、エッチング、めっき、洗浄する等して滑らかな状態に加工されていてもよく、粗面化されていてもよい。基体の表面を粗面化する方法としては、例えば、めっき、切削、レーザー描画、圧痕、エッチング等の方法が挙げられる。なお、めっきによる方法は、後述する粒子を含んだめっき液を用いて基体上に凹凸表面を形成する際に、凹凸表面の凸部を形成する粒子よりも粒径が小さい粒子を用いることにより、凸部間に粗面化された凹部を形成する方法である。
粒子の材質としては、金属、金属複合物、樹脂、又はそれらの複合物等が挙げられるが、特に制限されない。これらの中でも、寸法安定性に優れ、後述する電解めっきによる転写原型の製造を考慮した導電性に優れる金属、金属複合物、またはそれらが積層された樹脂粒子を用いるのが好ましい。金属としては、例えば、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、亜鉛、シリカ、ジルコニア、チタンや、それらの複合物が挙げられる。
また、粒子の比重をめっき液に近くして、粒子をめっき液中に分散させやすくする観点から、上記粒子が、上記の金属や金属複合物が積層された樹脂粒子などの、樹脂からなる中核と、該中核を被覆する金属層とからなるものであることが好ましい。樹脂粒子としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。金属層は、上記の金属や金属複合物の層が少なくとも1層積層されることで基体への付着性が良くなる。
粒子の形状は、球、楕円、円柱状、角柱などが挙げられるが、特に制限されない。転写原型の凸部の高さ及び最大幅をより均一にする観点から、粒子の形状は球であることが好ましい。粒子が球状である場合、その粒径は約0.1〜100μmであることが好ましい。粒子が球以外の形状である場合、最大径が100μm以下であることが好ましく、最小径が0.1μm以上であることが好ましい。
粒子を基体表面に固定するめっき層としては、銅、ニッケル、亜鉛、すず、クロム、金、銀、白金等からなる層が挙げられる。このようなめっき層は、例えば、粒子を含むめっき液を用いて電解めっき又は無電解めっきにより形成することができる。
めっき層の厚みは、粒子の形状を大きく変化させずに粒子を固定できる点で、0.01〜5μmであることが好ましい。
本実施形態の転写原型は、後述するフィルム成型用型を介してタッチパネル用光学フィルムを作成するために用いることできる。本実施形態の転写原型の凹凸表面について、前述の本発明に係るタッチパネル用光学部材を作成する場合の好適な条件を説明する。
基体の表面に形成された凸部の高さは、1〜80μmであることが好ましい。ここで、「凸部の高さ」とは、所定の幅内の断面における凸部の頂部と凹部の底部との高低差を意味する。なお、粒子の大きさに比べてめっき層の厚みが非常に小さい場合には、基体の表面から粒子頂部までの距離を代用することができる。かかる凸部を有することにより、後述するフィルム成型用型を介してタッチパネル用光学フィルムを作成した場合、上記凸部が、タッチパネル用光学フィルムの表面に高さが1〜80μmの凸部として転写される。こうして得られるタッチパネル用光学フィルムは、外光が弱い環境下でも誤動作が生じにくいものになり得る。すなわち、本発明に係る光学部材が一方の主面側から押圧されたときに、そこで反射する反射光の状態が効率的に変化し、より高い感度及び精度で位置の認識が可能になる。凸部の高さが1μm未満であると、本発明に係るタッチパネル用光学部材において、力学的圧力を加えない状態でも第1の層の表面と第2の層の表面が接触しやすくなり、誤動作を生じやすくなる傾向がある。凸部の高さが80μmを越えると、弱い圧力で押圧されたときに第1の層の表面と第2の層の表面が押圧されたところで互いに接触しにくくなり、押圧した位置を認識しにくくなる傾向がある。同様の観点から、凸部の高さは5〜75μmであることがより好ましく、10〜70μmであることがさらに好ましく、13〜65μmであることが特に好ましく、15〜60μmであることが極めて好ましく、17〜55μmであることがさらに極めて好ましく、20〜50μmであることが最も好ましい。
また、凸部の最大幅は、1〜300μmであることが好ましい。ここで、「凸部の最大幅」とは、凸部の高さ方向と直交する方向の幅のうちの最大の値を意味する。なお、粒子の大きさに比べてめっき層の厚みが非常に小さく、粒子が球形である場合には、粒子径を代用することができる。かかる凸部を有することにより、後述するフィルム成型用型を介してタッチパネル用光学フィルムを作成した場合、上記凸部が、タッチパネル用光学フィルムの表面に最大幅が1〜300μmの凸部として転写される。こうして得られるタッチパネル用光学フィルムは、タッチパネルにおける表示品質を十分維持しながら、外光が弱い環境下でも誤動作が生じにくいものになり得る。凸部の最大幅が1μm未満であると、本発明に係るタッチパネル用光学部材において、力学的圧力を加えない状態でも第1の層の表面と第2の層の表面が接触しやすくなり、タッチパネルの操作時に誤動作を生じやすくなる傾向がある。凸部の最大幅が300μmを越えると、弱い圧力で押圧されたときに第1の層の表面と第2の層の表面が押圧されたところで互いに接触しにくくなり、押圧した位置を認識しにくくなる傾向があり、またタッチパネルとして視認した場合に、その表示品質が低下する傾向がある。同様の観点から、凸部の最大幅は5〜250μmであることがより好ましく、7〜200μmであることがさらに好ましく、10〜150μmであることが特に好ましく、15〜100μmであることが極めて好ましく、17〜70μmであることがさらにきわめて好ましく、20〜50μmであることが最も好ましい。
本実施形態において、凸部の密度は、良好なタッチパネル特性を得るという観点から、5〜200個/mmであることが好ましく、10〜150個/mmであることがより好ましく、20〜120個/mmであることが特に好ましい。
転写原型の凹部は、粗面化されていることが好ましい。かかる凹部を有することにより、後述するフィルム成型用型を介してタッチパネル用光学フィルムを作成した場合、上記粗面化されている凹部が、タッチパネル用光学フィルムの表面に粗面化されている凹部として転写される。こうして得られるタッチパネル用光学フィルムは、モアレやギラツキが発生しにくいものになり得る。粗面化された凹部における粗さとしては、最大高さが0.1〜5μmであることが好ましく、0.3〜3μmであることがより好ましく、0.5〜1.5μmであることが特に好ましく、0.7〜1.3μmであることが最も好ましい。
このような粗面化された凹部は、上述したように、基体の表面を切削、レーザー描画、圧痕、エッチング等の方法により粗面化する方法や、凹凸表面の凸部を形成する粒子よりも粒径が小さい粒子を用いてめっきを行うことにより、凸部間に粗面化された凹部を形成する方法などが挙げられる。図4の(a)は、前者の方法により作成された転写原型の実施形態を示す図であり、図4の(b)は、後者の方法により作成された転写原型の実施形態を示す図である。図4(a)の転写原型1100は、粗面化された基体1012上に、めっき層1030によって固定された粒子1020を有しており、粒子によって形成された凸部1040の間に粗面化された凹部1052が設けられている。また、図4(b)の転写原型1200は、基体1010上に、第1の粒子1021と第1の粒子よりも粒径が小さい第2の粒子1022とがめっき層1030によって固定されており、第1の粒子によって形成された凸部1040の間に第2の粒子によって形成された粗面化された凹部1054が設けられている。
また、転写原型の凹凸表面は、ランダムな形状であることが好ましい。凹凸表面が規則的な形状の場合、パネルの規則性と重なってモアレ等が発生しやすくなり、表示品位が低下する傾向にある。
転写原型の凹凸表面における凸部の密度は、1〜300個/mmが好ましい。凸部がかかる密度で設けられていると、本発明に係るタッチパネル用光学部材において、フィルムの凸部がスペーサーとして機能し、第1の層の表面と第2の層の表面とをフィルムの凸部を介して、互いに部分的に又は完全に、より安定して乖離させることができ、タッチパネルの操作時に、さらに誤動作を生じにくくすることができる。
次に、本発明に係る転写原型の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態に係る転写原型の製造方法を説明するための模式図である。図5に示される本実施形態の転写原型の製造方法は、基体として円柱状の導電性基体1010と、粒子を含む電解めっき液2010が収容されためっき槽2000とを用意し、これらを導電性基体の周面の一部が電解めっき液に浸漬するように配置し、導電性基体を軸周りに回転駆動させながら電解めっき処理を行うことにより導電性基体の表面に粒子を固定することを特徴とする。図5に示すめっき槽2000の内側にはNi電極2020が設けられており、このNi電極と導電性基体には電源が接続されている。また、めっき槽内にはエアー管2030が導入され、電解めっき液2010中に気泡2032を発生させることができるようになっている。
導電性基体としては、例えば、円筒形のSUS製基体、鉄製基体、銅製基体などを用いることができる。これらの基体表面は、滑らかな状態に加工し、粒子が均一に付くようにするため、銅めっきによって銅層が設けられていることが好ましい。この場合の銅層の厚みは、0.1〜1500μmとすることができる。
電解めっき液に含有させる粒子としては、粒子の比重をめっき液に近くして、粒子をめっき液中に分散させやすくする観点から、樹脂からなる中核と、該中核を被覆する金属層とからなるものが好ましい。具体的には、金めっき、銀めっき、銅めっき、白金めっき、Niめっき、クロムめっきなどが施された樹脂粒子を好適に用いることができる。樹脂粒子としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などが挙げられる。粒子の粒径については、上述した好ましい高さ及び最大幅の凸部が形成されるように選択することが好ましい。
電解めっき液としては、電解銅めっき液の場合、硫酸銅、硫酸、サッカリンナトリウム、界面活性剤などを含むものが挙げられる。電解ニッケルめっき液の場合、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、硼酸、サッカリンナトリウムなどを含むものが挙げられる。電解銅めっき液や電解ニッケルめっき液において、サッカリンナトリウムは光沢剤として用いられるが、これを除いてめっきしてもよい。この場合、めっき液に分散された粒子が効率的に基体に付くため、分散する粒子の量を低減することができる。その他の電解めっき液としては、例えば、亜鉛めっきの場合、無水クロム酸、スルファミン酸、硼酸を含むものが挙げられる。
電解めっき液中に含有させる粒子は、電解めっき液100体積部に対して0.01〜30体積部とすることが好ましい。
図5に示すように、本実施形態においては、回転駆動する導電性基体の電解めっき液に浸漬していない周面にブレード状の部材又はフィルム状の部材2040を当接させて導電性基体の表面に付着する電解めっき液を均しながら電解めっき処理を行うことが好ましい。これにより、基体に付いた粒子の上にさらに粒子が重なって付くことを防ぐことができる。ブレード状の部材又はフィルム状の部材2040としては、例えば、PETフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどが挙げられる。フィルム状の部材の厚さは、1〜100μmとすることが好ましい。
また、上記電解めっき処理が、めっき槽に収容された電解めっき液中に気泡を注入しながら行われることが好ましい。これにより、めっき液中の粒子が攪拌されるため、均一にムラなく基体に粒子をつけることが容易となる。
電解めっき処理における電流密度(めっき面積10平方センチメートル当たりの電流値)は、0.1〜100A/dmとすることが好ましい。めっきの時間は、0.1〜60分とすることが好ましい。また、基体を3〜30rpmで回転させながら、めっき処理を行うことが好ましい。
本実施形態においては、上記の電解めっき処理によって基体上に粒子を固定した後、さらに平坦化若しくは粗化のためのめっきを施してもよい。このめっきによって、所望の特性を発現するように粒子と基体との接点付近における粒子接線及び基体のなす角θなど、転写原型の凹凸表面の形状を調整することができる。
上記のめっきとしては、特に限定されないが、金、銀、銅、ニッケル、亜鉛、ロジウム、錫、クロム、チタン、プラチナ、パラジウム、各種合金等によるめっきが挙げられる。これらの中でも、汎用性があり、簡便に粗化若しくは平坦化ができる銅、ニッケル等のめっきが好ましい。めっき方法としては、湿式めっきとして、電解めっき、無電解めっき、銀鏡反応等を用いることができる。平坦化をするためのめっきとしては、湿式めっきの他に、乾式めっきとして熔融めっきイオンプレーティング、真空蒸着、スパッタ等を用いることができる。
次に、本発明に係るフィルム成型用型について説明する。本発明に係るフィルム成型用型は、上記本発明に係る転写原型の凹凸表面から転写された凹凸形状を有する凹凸表面を有するものである。このフィルム成型用型によれば、主面上に凹凸形状を有するフィルムを成型することができ、特には、タッチパネル用光学フィルムとして好適なフィルムを得ることができる。
図6は、フィルム成型用型を製造する方法の一実施形態を示す模式断面図である。本実施形態では、凹凸表面を有する転写原型を、変形可能な被転写フィルムに押し当て、その状態で固体状に変化させた後、転写原型から剥離してフィルム成型用型を作製している。
本実施形態においては、被転写フィルムとして、支持フィルム5と、支持フィルム5上に設けられた硬化性樹脂組成物層6とを有する積層体が用いられる(図6(a))。この積層体の硬化性樹脂組成物層6に転写原型1100の凹凸表面1100aを押し当てた状態で硬化が行われ、硬化した樹脂層を備える積層体は転写原型から剥離される(図6(b))。こうして、転写原型1100の凹凸表面1100aから転写された凹凸形状(凸部7a及び凹部7b)を有する凹凸表面を有するフィルム成型用型7が得られる(図6(c))。なお、本実施形態において感光性樹脂組成物の硬化は、転写原型1100に対向して配置された活性光線照射装置L1から照射された活性光線L2によって行われる。
支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、トリアセチルセルロースからなる厚さ5〜100μm程度のフィルムが挙げられる。
硬化性樹脂組成物層6は、例えば、光によって硬化が可能な感光性樹脂組成物を支持フィルム上に塗布することにより形成することができる。感光性樹脂組成物としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体のようなエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体のようなスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体のようなビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチル・酢酸ビニル共重合体のような(メタ)アクリル酸エステル共重合体、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セロハン等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステル、合成ゴム、セルロース誘導体等の樹脂成分と、モノマーとしてアクリル酸、メタクリル酸、ブチルアセテート、ビニルアセテート、アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン又はその誘導体、ブタジエン、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、ペンタエリスリトールメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能性(メタ)アクリレートなどと、光重合開始剤としてベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、N,N’−テトラエチル−4,4’-ジアミノベンゾフェノン、メチルベンゾイン、ベンゾフェノン、アクリジン誘導体などと、を含むものが挙げられるが、特に制限はされない。また、市販の各種感光性樹脂組成物(日立化成工業株式会社製、アクリル系共重合体を含むヒタロイドシリーズなど)を使用しても良いし、並びに、前述した第1の層11及び/又は第2の層12を構成する材料と同様のものを使用しても良い。
感光性樹脂組成物を塗布する方法としては、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、ドクターブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ロールコーティング法、スクリーンコーティング法、スピナーコーティング法、インクジェットコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、グラビアコーティング法、カーテンコーティング法、ダイコーティング法が挙げられる。
感光性樹脂組成物の硬化は、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプなどの活性光線照射装置による活性光線の照射によって行うことができ、必要に応じて加熱してもよい。
フィルム成型用型を製造する別の方法として、例えば、図7(a)に示されるような、平坦な支持フィルム5上に形成された硬化性樹脂組成物層6に、転写原型1100の凹凸表面1100aを押し当て、その後、硬化性樹脂組成物層を硬化させる方法が挙げられる。この方法によっても、転写原型1100の凹凸表面1100aから転写された凹凸形状(凸部7a及び凹部7b)を有する凹凸表面を有するフィルム成型用型7が得られる(図7(b))。
この方法の場合、支持フィルム5に代えて、例えば、ガラス及びセラミックスから選ばれる無機材料、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレンテレフタレート及びポリエーテルナフタレート、硬質シリコーン樹脂、並びにアクリル樹脂から選ばれる有機材料から構成される、厚さ5μm〜10mm程度の支持基板を用いることができる。
この方法においても、転写原型を押し当てながら熱や光等を与えて、硬化性樹脂組成物層を硬化されることができる。
次に、本発明に係るフィルム成型用型を用いて本発明に係るタッチパネル用光学フィルム及び本発明に係るタッチパネル用光学部材を製造する方法について説明する。
図8は、本発明に係るタッチパネル用光学フィルム及びタッチパネル用光学部材の製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。本実施形態の方法は、フィルム成型用型7の凹凸表面7a上に、該凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムを形成する工程(図8(a)及び(b))と、凹凸形状を主面上に有するフィルムをフィルム成型用型から剥離する工程(図8(c))と、剥離した凹凸形状を主面上に有するフィルムを第1の層11とし、該第1の層の凹凸形状を有する表面上に第2の層12を積層する工程(図8(d))とを備える。これらの工程を経て、本発明に係るタッチパネル用光学部材1が得られる。
上記フィルムは、上述した第1の層11を構成する成分を含む液状物を、ロール8を用いてフィルム成型用型7の凹凸表面7a上に塗布し、塗布された液状物を熱又は光などにより固体状に変化させることにより形成できる。
本実施形態においては、フィルム成型用型7上に塗布された液状物上に、凹凸表面を有する別の型を積層し、その状態で液状物を固体状に変化させる方法により、両面が凹凸形状を有するフィルムを形成し、これを第1の層とすることもできる。
本発明においては、本発明に係る転写原型からタッチパネル用光学フィルムを作製することができる。この場合のタッチパネル用光学部材の製造方法としては、転写原型の凹凸表面上に、該凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムを形成する工程と、凹凸形状を主面上に有するフィルムを転写原型から剥離する工程と、剥離した凹凸形状を主面上に有するフィルムを第1の層とし、該第1の層の凹凸形状を有する表面上に第2の層を積層する工程とを備える方法が挙げられる。また、別の方法として、支持フィルム上に設けられた硬化性樹脂組成物層の表面に転写原型の凹凸表面を押し当てた後、硬化性樹脂組成物層を硬化して、凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムを形成する工程(図9を参照)と、凹凸形状を主面上に有するフィルムを支持フィルムから剥離する工程と、剥離した凹凸形状を主面上に有するフィルムを第1の層とし、該第1の層の凹凸形状を有する表面上に第2の層を積層する工程とを備えるタッチパネル用光学部材の製造方法が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<転写原型の作製>
直径130mmの円筒形のSUS製基材を回転させながら、銅めっきを行って、SUS製基材上に銅が200μm積層された原型基材を得た。そして、これを研磨して表面が鏡面となるように加工した。次に、これを回転させながら以下に示す銅光沢めっき液に浸漬し、電流密度(めっき面積10平方センチメートルあたりの電流値)が8.3A/dmとなるように電流を調節し、4分30秒間光沢めっきを行い、基体とした。
(銅光沢めっき液):
硫酸銅(和光純薬製) 150g/リットル
硫酸(和光純薬製) 40g/リットル
光沢剤H−1(大和特殊(株)製) 4g/リットル
光沢維持剤H−2(大和特殊(株)製) 4g/リットル
メイクアップ剤H−MU(大和特殊(株)製) 10g/リットル
次に、上記基体を回転させながら以下に示す銅めっき液に浸漬し、電流密度が1A/dmとなるように電流を調節し、5分間めっきを行った。その後、めっき液を除去する目的で、純水による洗浄を行った。
(銅めっき液):
金めっきアクリル樹脂粒子(30μmΦ) 10g/リットル
硫酸銅(和光純薬製) 150g/リットル
硫酸(和光純薬製) 40g/リットル
光沢剤H−1(大和特殊(株)製) 4g/リットル
光沢維持剤H−2(大和特殊(株)製) 4g/リットル
メイクアップ剤H−MU(大和特殊(株)製) 10g/リットル
次に、基体上に固定された金めっきアクリル樹脂粒子による凹凸形状を整えるために、以下に示すニッケルめっき液に浸漬し、電流密度2.1A/dmとなるように電流を調整し、光沢ニッケルめっきを20分間行った。その後、めっき液を除去する目的で、純水による洗浄を行い、転写原型を得た。
(光沢ニッケルめっき液):
硫酸ニッケル六水和物(和光純薬製) 200g/リットル
塩化ニッケル六水和物(和光純薬製) 40g/リットル
硼酸(和光純薬製) 20g/リットル
サッカリンナトリウム(和光純薬製) 3g/リットル
<第1の層(L−1)の作製>
支持フィルムとして厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、この支持フィルム上に、下記に示す光硬化性樹脂溶液をコンマコーターで塗布し乾燥して、50μmの膜厚の光硬化性樹脂層を形成し、積層体を得た。次いで、この積層体の光硬化性樹脂層に上記で作製した転写原型を押しあて、この状態で紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化した。その後、積層体を転写原型から分離し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、凹凸表面を有する硬化樹脂層が設けられたフィルム成型用型を得た。
(光硬化性樹脂溶液)
アクリル酸−ブチルアクリレート−ビニルアセテート共重合体 31.5質量%
ブチルアセテート(モノマー) 50.0質量%
ビニルアセテート(モノマー) 13.0質量%
アクリル酸(モノマー) 1.8質量%
ヘキサンジオールアクリレート(モノマー) 1.2質量%
ベンゾインイソブチルエーテル(開始剤) 2.5質量%
上記フィルム成型用型の凹凸表面上に、付加反応型シリコーン樹脂溶液(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名「TSE−3450」)を、コンマコーターを用いて均一に塗布した。その後、75℃の熱風対流式乾燥機を用いた10分間の加熱により、片面が平坦でその反対側の表面が凹凸形状を有する、第1の層(L−1)としての固体状のシリコーンゴム層を形成させた。
次いで、この第1の層(L−1)となる固体状のシリコーンゴム層と、膜厚50μmのトリアセチルセルロースにシリコーン粘着材が積層されたフィルムとを、シリコーンゴム層とシリコーン粘着材が接するようにラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネータは、日立化成工業(株)製の商品名「HLM−3000型を使用し、ラミネート条件は、ロール温度25℃、送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paであった。
その後、第1の層(L−1)となる固体状のシリコーンゴム層、シリコーン粘着材層及びトリアセチルセルロースの積層体を、フィルム成型用型から剥離し、片面に凹凸形状を有し、その反対側の表面が平坦である第1の層(L−1)を、トリアセチルセルロースに積層されたシリコーン粘着材層上に形成した。
こうして得られた第1の層(L−1)の膜厚(転写原型の粒子によって形成された凸部を除いた部分の厚さ)を(株)小坂研究所製の表面形状測定装置(サーフコーダー SE-30D型)を用いて測定した結果、膜厚は60μmであった。また、形成された凸部の高さと最大幅を、Philips製、操作型電子顕微鏡(XL30)を使用して測定した結果、高さは25μmであり、最大幅は33μmであった。また、凸部以外の場所は、最大高さが0.01〜1μmのランダムな凹凸形状を有する粗面化された平坦部が形成されていた。さらに、第1の層上における単位面積あたり凸部の数を光学顕微鏡で観察して測定した結果、凸部の密度は70個/mmであった。
<第2の層(L−2)の作製>
支持体フィルムとして表面が平滑なトリアセチルセルロースフィルムを準備し、その平滑な表面上に付加反応型シリコーン樹脂溶液(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名TSE-3450)を、コンマコーターを用いて均一に塗布した。その後、75℃の熱風対流式乾燥機を用いた10分間の加熱により、両面が平坦な固体状のシリコーンゴム層(第2の層(L−2))を形成させた。
得られた第2の層(L−2)である固体状シリコーンゴム層の厚さを(株)小坂研究所製表面形状測定装置(サーフコーダー SE-30D型)を用いて測定したところ、60μmであった。
<光学部材(i)の作製>
上記で得た第1の層(L−1)の凸部を有する面上に、上記で得た第2の層(L−2)を積層し、圧着圧力3×10Paで均一に加圧しながら、75℃の熱風対流式乾燥機を用いた60分間の加熱により、支持体フィルムに挟まれた光学部材(i)を形成させた。
[凸部(スペーサー)を有する第1の層(L−1)及び第2の層(L−2)の圧縮弾性率]
光学部材(i)を構成する、凸部(スペーサー)を有する第1の層(L−1)及び第2の層(L−2)を形成するために使用した付加反応型シリコーン樹脂溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの平滑面上にコンマコーターを用いて均一に塗布し、75℃の熱風対流式乾燥機で60分間加熱して、固体状のシリコーンゴム層を形成させた。
次いで、得られたシリコーンゴム層をポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離して、両面が平坦なシリコーンゴム層単体を得た。得られたシリコーンゴム層単体の厚さは、60μmであった。得られたシリコーンゴム層単体を、厚さ0.7mmのガラス基板上に積層して、圧縮弾性率評価用の試料を得た。
(株)島津製作所製超微小硬度計(DUH−201型)を使用して、試料の厚さ方向に、温度25℃において、最大加圧0.1mN/μm、時間20秒で、直径φ50μmの円形平面圧子により加圧し、そのときの荷重−変位を連続的に測定した。得られた荷重−変位の傾きから圧縮弾性率を算出したところ、3MPaであった。この結果から、光学部材(i)を構成する、凸部(スペーサー)を有する第1の層(L−1)及び第2の層(L−2)は、表面形状の可逆的な変形及び復元が可能なゴム弾性を有することが確認できた。
[光学部材(i)の可視光線透過率変化]
光学部材(i)に積層されている第2の層側の支持体フィルム(トリアセチルセルロース)を剥離し、光学部材(i)を含む積層体を、厚さ0.7mmのガラス基板上にラミネータ(日立化成工業(株)製、商品名HLM−3000型)を用いて積層した。積層条件は、ロール温度25℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paであった。以下の実施例及び比較例では、光学部材のガラス基板上への積層等は原則として同様の条件で行った。このとき、第2の層(L−2)がガラス基板に接する向きで光学部材を積層して、可視光線透過率変化評価用の試料を得た。
得られた試料の第1の層(L−1)側のトリアセチルセルロース(支持体フィルム)上に直径φ10mm、厚さ0.7mmの円盤状ガラス板を載置した。そして、液晶表示装置に用いられるLEDバックライトを光源とする可視領域の光線を試料に対して法線方向に照射し、(株)トプコン製色彩輝度計(BM−5A)を使用して、測定視野角1°の範囲で試料を透過した光線の輝度aを測定した。また、試料から光学部材(i)を含む積層体のみを取り除き、その状態でガラス基板及び円盤状のガラス板を透過した光線の輝度bを同様に測定した。測定した輝度a及び輝度bから、光学部材(i)に対して力学的圧力を加えていない状態の可視光線透過率T1(=a/b×100(%))を求めた。
さらに、上記と同様に試料の第1の層(L−1)側のトリアセチルセルロース(支持体フィルム)上に円盤状ガラス板を載置し、ガラス基板と円盤状ガラス板間に5×10Paの圧縮荷重を加えた。その状態で、上記と同様に、測定視野角1°の範囲で試料を透過した光線の輝度cを測定した。また、試料から光学部材(i)を含む積層体のみを取り除き、その状態でガラス基板及びガラス板を透過した光線の輝度dを測定した。測定した輝度c及び輝度dから、光学部材に力学的圧力を加えたときの可視光線透過率T2(=(c/d)×100(%))を求めた。求めた可視光線透過率T1とT2の差の絶対値(ΔT)は15%であった。この結果から、得られた光学部材(i)の可視光線透過率は、力学的圧力を加えることによって十分に変化することを確認できた。
[光学部材(i)の可視光線反射率変化]
酸化マグネシウム製の白色板に厚さ0.7mmのガラス基板及び直径φ10mm、厚さ0.7mmの円盤状ガラス板を載置した。そして、コニカミノルタホールディングス(株)製cm512m3型分光測色計を使用して、白色板に対して法線方向に可視光線を照射し、白色板の法線方向に対して角度25°の方向に反射した反射光の明度a’を測定した。
次いで、光学部材(i)に積層されている第2の層側の支持体フィルム(トリアセチルセルロース)を剥離し、光学部材(i)を含む積層体を、厚さ0.7mmのガラス基板上に積層した。このとき、第2の層(L−2)がガラス基板に接する向きで光学部材(i)を積層した。さらに、第1の層(L−1)側のトリアセチルセルロース(支持体フィルム)上に直径φ10mm、厚さ0.7mmの円盤状ガラス板を載置した。その状態で、前記と同様の方法により、試料に対して法線方向に可視光線を照射して、試料の法線方向に対して角度25°の方向に反射した反射光の明度b’を測定した。
測定した明度a’及び明度b’から、光学部材(i)に力学的圧力を加えていない状態での光学部材の可視光線反射率R1(=b’/a’×100(%))を求めた。
さらに、ガラス基板と円盤状ガラス板との間に5×10Paの荷重を加えながら、上記と同様の方法により、試料に対して法線方向に可視光線を照射して、試料の法線方向に対して角度25°の方向に反射した反射光の明度c’を測定した。測定した明度c’及び明度a’から、光学部材(i)に力学的圧力を加えた状態での光学部材(i)の可視光線反射率R2(=(c’/a’)×100(%))を求めた。求めた可視光線反射率R1とR2の差の絶対値(ΔR)は30%であった。この結果から、得られた光学部材(i)の可視光線反射率は、力学的圧力を加えることによって十分に変化することを確認できた。
[凸部(スペーサー)を有する第1の層(L−1)及び第2の層(L−2)を構成する材料から構成された両面平坦膜の可視光線透過率]
光学部材(i)を構成する、凸部(スペーサー)を有する第1の層(L−1)及び第2の層(L−2)を形成するために使用した付加反応型シリコーン樹脂溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの平坦面上にコンマコーターを用いて均一に塗布し、75℃の熱風対流式乾燥機で60分間加熱して、固体状のシリコーンゴム層を形成させた。
得られたシリコーンゴム層をポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離して、両面が平坦な可視光線透過率評価用のシリコーンゴム層単体(厚さ20μm)を得た。このシリコーンゴム層単体を、厚さ0.7mmのガラス基板上に積層して、可視光線透過率評価用の試料を作製した。LEDバックライトを光源とする可視領域の光線を試料に対して法線方向に照射し、(株)トプコン製色彩輝度計(BM−5A)を使用して、測定視野角1°の範囲で試料を透過した光線の輝度Aを測定した。この状態から、シリコーンゴム層単体のみを取り除いて、同様に輝度Bを測定した。測定した輝度A及び輝度Bから、凸部(スペーサー)を有する第1の層(L−1)及び第2の層(L−2)を構成する材料から形成された両面平坦膜の可視光線透過率T(=A/B×100(%))を求めところ、T=99%であり、高透明であることを確認できた。
(実施例2)
<転写原型の作製>
直径130mmの円筒形のSUS製基材を回転させながら、銅めっきを行って、SUS製基材上に銅が200μm積層された原型基材を得た。そして、これを研磨して表面が鏡面となるように加工した。次に、これを回転させながら以下に示す銅光沢めっき液に浸漬し、電流密度(めっき面積10平方センチメートルあたりの電流値)が8.3A/dmとなるように電流を調節し、4分30秒間光沢めっきを行った。その後、めっき液を除去する目的で、純水による洗浄を行い、基体とした。
(銅光沢めっき液):
硫酸銅(和光純薬製) 150g/リットル
硫酸(和光純薬製) 40g/リットル
光沢剤H−1(大和特殊(株)製) 4g/リットル
光沢維持剤H−2(大和特殊(株)製) 4g/リットル
メイクアップ剤H−MU(大和特殊(株)製) 10g/リットル
次に、上記基体を回転させながら以下に示すニッケルめっき液に浸漬し、電流密度が20Aとなるように電流を調節し、5分間めっきを行った。
(ニッケルめっき液):
金めっきアクリル樹脂粒子(30μmΦ)
200g/リットル
硫酸ニッケル六水和物(和光純薬製) 200g/リットル
塩化ニッケル六水和物(和光純薬製) 40g/リットル
硼酸(和光純薬製) 20g/リットル
サッカリンナトリウム(和光純薬製) 3g/リットル
次に、基体上に固定された金めっき粒子による凹凸形状を整えるために、以下に示すニッケルめっき液に浸漬し、電流密度2.1A/dmとなるように電流を調整し、光沢ニッケルめっきを20分間行った。その後、めっき液を除去する目的で、純水による洗浄を行い、転写原型を得た。
(光沢ニッケルめっき液):
硫酸ニッケル六水和物(和光純薬製) 200g/リットル
塩化ニッケル六水和物(和光純薬製) 40g/リットル
硼酸(和光純薬製) 20g/リットル
サッカリンナトリウム(和光純薬製) 3g/リットル
<第1の層(L−1)の作製>
支持フィルムとして厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、この支持フィルム上に、光硬化性樹脂(日立化成工業性(株)製ヒタロイドHA−7981F47;アクリル系共重合体、アクリレートモノマ及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物)をコンマコーターで塗布し乾燥して、50μmの膜厚の光硬化性樹脂層を形成し、積層体を得た。次いで、この積層体の光硬化性樹脂層に上記で作製した転写原型を押しあて、この状態で紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化した。その後、積層体を転写原型から分離し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、凹凸表面を有する硬化樹脂層が設けられたフィルム成型用型を得た。
上記フィルム成型用型の凹凸表面上に、付加反応型シリコーン樹脂溶液(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名「TSE−3450」)を、コンマコーターを用いて均一に塗布した。その後、75℃の熱風対流式乾燥機を用いた10分間の加熱により、片面が平坦でその反対側の表面が凹凸形状を有する、第1の層(L−1)としての固体状のシリコーンゴム層を形成させた。
次いで、この第1の層(L−1)となる固体状のシリコーンゴム層と、膜厚50μmのトリアセチルセルロースにシリコーン粘着材が積層されたフィルムとを、シリコーンゴム層とシリコーン粘着材が接するようにラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネータは、日立化成工業(株)製の商品名「HLM−3000型を使用し、ラミネート条件は、ロール温度25℃、送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paであった。
その後、第1の層(L−1)となる固体状のシリコーンゴム層、シリコーン粘着材層及びトリアセチルセルロースの積層体を、フィルム成型用型から剥離し、片面に凹凸形状を有し、その反対側の表面が平坦である第1の層(L−1)を、トリアセチルセルロースに積層されたシリコーン粘着材層上に形成した。
こうして得られた第1の層(L−1)の膜厚(転写原型の粒子によって形成された凸部を除いた部分の厚さ)を(株)小坂研究所製の表面形状測定装置(サーフコーダー SE-30D型)を用いて測定した結果、膜厚は60μmであった。また、形成された凸部の高さと最大幅を、Philips製、操作型電子顕微鏡(XL30)を使用して測定した結果、高さは25μmであり、最大幅は33μmであった。さらに、第1の層上における単位面積あたり凸部の数を光学顕微鏡で観察して測定した結果、凸部の密度は70個/mmであった。
<第2の層(L−2)の作製>
支持体フィルムとして表面が平滑なトリアセチルセルロースフィルムを準備し、その平滑な表面上に付加反応型シリコーン樹脂溶液(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名TSE−3450)を、コンマコーターを用いて均一に塗布した。その後、75℃の熱風対流式乾燥機を用いた10分間の加熱により、両面が平坦な固体状のシリコーンゴム層(第2の層(L−2))を形成させた。
得られた第2の層(L−2)である固体状シリコーンゴム層の厚さを(株)小坂研究所製表面形状測定装置(サーフコーダー SE-30D型)を用いて測定したところ、60μmであった。
<光学部材(ii)の作製>
上記で得た第1の層(L−1)の凸部を有する面上に、上記で得た第2の層(L−2)を積層し、圧着圧力3×10Paで均一に加圧しながら、75℃の熱風対流式乾燥機を用いた60分間の加熱により、支持体フィルムに挟まれた光学部材(ii)を形成させた。
第1の層(L−1)及び第2の層(L−2)の圧縮弾性率について実施例1と同様にして評価した。圧縮弾性率を算出したところ、3MPaであり、光学部材(ii)を構成する、第1の層(L−1)及び第2の層(L−2)は、表面形状の可逆的な変形及び復元が可能なゴム弾性を有することが確認できた。
光学部材(ii)の可視光線透過率変化及び可視光線反射率変化について、実施例1と同様にして評価した。可視光線透過率T1とT2の差の絶対値(ΔT)は15%であった。この結果から、得られた光学部材(ii)の可視光線透過率は、力学的圧力を加えることによって十分に変化することを確認できた。求めた可視光線反射率R1とR2の差の絶対値(ΔR)は30%であった。この結果から、得られた光学部材(ii)の可視光線反射率は、力学的圧力を加えることによって十分に変化することを確認できた。
第1の層(L−1)及び第2の層(L−2)を構成する材料から構成された両面平坦膜の可視光線透過率を、実施例1と同様にして求めた。第1の層(L−1)及び第2の層(L−2)を構成する材料から形成された両面平坦膜の可視光線透過率T(=A/B×100(%))を求めところ、T=99%であり、高透明であることを確認できた。
(比較例1)
実施例1における金めっき粒子を含む銅めっき液に代えて、金めっき粒子を含まない銅めっき液を用いたこと以外は実施例1と同様にして転写原型を作製した。この転写原型を用いて、実施例1と同様にして光学部材(C−i)を作製した。光学部材(C−i)の第1の層(L−1)及び第2の層(L−2)の間には空隙ができなかった。
光学部材(C−i)の可視光線反射率変化について、実施例1と同様にして評価したところ、可視光線反射率R1とR2に差は見られず、得られた光学部材(C−i)の可視光線反射率は、力学的圧力を加えても変化しないことが確認された。
1…光学部材、2…空隙、4…液晶セル、7…フィルム成型用型、10…タッチパネル用光学フィルム、11…第1の層(タッチパネル用光学フィルム)、12…第2の層、13…接着剤、14…凸部、15…凹部、20,21…偏光板、22…位相差板、23…ガラス基板、24…ガラス基板、25…カラーフィルター、30,31…粘着層、40,41…透明電極、42,43…配向膜、45…液晶層、47…スペーサー、50…遮光膜、51…薄膜トランジスター、52…光センサー、54…絶縁膜、60…バックライト、100…タッチパネル、S1,S2…光学部材の主面、S100…画面、1000…転写原型、1010…基体、1020…粒子、1030…めっき層、1040…凸部、1050…凹部。

Claims (21)

  1. 凹凸表面を有し、該凹凸表面から所定の部材表面に凹凸形状を転写するための転写原型であって、
    基体と、該基体の表面にめっきにより固定された複数の粒子と、を備える、転写原型。
  2. 前記転写原型は、主面上に凹凸形状を有するフィルムを成型するための、前記転写原型の凹凸表面から転写された凹凸形状を有する凹凸表面を有するフィルム成型用型、の作成に用いられるものである、請求項1に記載の転写原型。
  3. 前記フィルムが、タッチパネル用光学フィルムとして用いられるものである、請求項2に記載の転写原型。
  4. 粗面化されている凹部を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写原型。
  5. 前記粒子によって形成され、高さが1〜80μmである凸部を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写原型。
  6. 前記粒子によって形成され、最大幅が1〜300μmである凸部を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の転写原型。
  7. 前記転写原型が、前記転写原型の凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムを製造するために用いられるものである、請求項1に記載の転写原型。
  8. 前記フィルムが、タッチパネル用光学フィルムとして用いられるものである、請求項7に記載の転写原型。
  9. 請求項2〜6のいずれか一項に記載の転写原型の凹凸表面から転写された凹凸形状を有する凹凸表面を有する、フィルム成型用型。
  10. 請求項9に記載のフィルム成型用型の凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムからなる、タッチパネル用光学フィルム。
  11. スペーサーとして機能する凸部と、該凸部間に設けられた平坦部と、を主面上に有する、請求項10に記載のタッチパネル用光学フィルム。
  12. 請求項8に記載の転写原型の凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムからなる、タッチパネル用光学フィルム。
  13. 第1の層と、該第1の層に部分的に又は完全に離れるように設けられた第2の層と、を備え、
    前記第1の層及び前記第2の層の少なくとも一方の層は、請求項10又は11のいずれか一項に記載のタッチパネル用光学フィルムからなり、他方の層と対向する表面に凹凸形状を有する層であり、且つ、前記第1の層及び前記第2の層の少なくとも一方の層は、力学的な圧力を加えることによる変形と前記力学的な圧力を除くことによる形状の復元とが可逆的に可能である、
    ことを特徴とするタッチパネル用光学部材。
  14. 第1の層と、該第1の層に部分的に又は完全に離れるように設けられた第2の層と、を備え、
    前記第1の層及び前記第2の層の少なくとも一方の層は、請求項12のいずれか一項に記載のタッチパネル用光学フィルムからなり、他方の層と対向する表面に凹凸形状を有する層であり、且つ、前記第1の層及び前記第2の層の少なくとも一方の層は、力学的な圧力を加えることによる変形と前記力学的な圧力を除くことによる形状の復元とが可逆的に可能である、
    ことを特徴とするタッチパネル用光学部材。
  15. 請求項13に記載のタッチパネル用光学部材の製造方法であって、
    前記フィルム成型用型の凹凸表面上に、該凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムを形成する工程と、
    凹凸形状を主面上に有する前記フィルムを前記フィルム成型用型から剥離する工程と、
    剥離した凹凸形状を主面上に有する前記フィルムを第1の層とし、該第1の層の凹凸形状を有する表面上に第2の層を積層する工程と、
    を備える、タッチパネル用光学部材の製造方法。
  16. 請求項14に記載のタッチパネル用光学部材の製造方法であって、
    前記転写原型の凹凸表面上に、該凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムを形成する工程と、
    凹凸形状を主面上に有する前記フィルムを前記転写原型から剥離する工程と、
    剥離した凹凸形状を主面上に有する前記フィルムを第1の層とし、該第1の層の凹凸形状を有する表面上に第2の層を積層する工程と、
    を備える、タッチパネル用光学部材の製造方法。
  17. 請求項14に記載のタッチパネル用光学部材の製造方法であって、
    支持フィルム上に設けられた硬化性樹脂組成物層の表面に前記転写原型の凹凸表面を押し当てた後、前記硬化性樹脂組成物層を硬化して、前記凹凸表面から転写された凹凸形状を主面上に有するフィルムを形成する工程と、
    凹凸形状を主面上に有する前記フィルムを前記支持フィルムから剥離する工程と、
    剥離した凹凸形状を主面上に有する前記フィルムを第1の層とし、該第1の層の凹凸形状を有する表面上に第2の層を積層する工程と、
    を備える、タッチパネル用光学部材の製造方法。
  18. 請求項1又は2に記載の転写原型を製造する方法であって、
    前記基体として円柱状の導電性基体と、前記粒子を含む電解めっき液が収容されためっき槽とを用意し、これらを前記導電性基体の周面の一部が前記電解めっき液に浸漬するように配置し、前記導電性基体を軸周りに回転駆動させながら電解めっき処理を行うことにより前記導電性基体の表面に前記粒子を固定することを特徴とする、転写原型の製造方法。
  19. 前記電解めっき処理が、回転駆動する前記導電性基体の前記電解めっき液に浸漬していない周面にブレード状の部材又はフィルム状の部材を当接させて前記導電性基体の表面に付着する前記電解めっき液を均しながら行われる、請求項18に記載の転写原型の製造方法。
  20. 前記粒子が、樹脂からなる中核と、該中核を被覆する金属層とからなるものである、請求項18又は19に記載の転写原型の製造方法。
  21. 電解めっき処理が、前記めっき槽に収容された前記電解めっき液中に気泡を注入しながら行われる、請求項18〜20のいずれか一項に記載の転写原型の製造方法。
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