JP2011039779A - タッチパネル用光学部材及び表示装置 - Google Patents

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恵介 井上
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郁夫 向
Masaru Sawabe
賢 沢辺
Keiko Funyu
桂子 舟生
Naoko Sugawara
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Abstract

【課題】 外光が不足した環境下でも簡便な入力手段で認識可能であり、且つ、黒表示を行った場合であってもタッチパネルとしての動作が可能な表示装置を得ることができるタッチパネル用光学部材を提供すること。
【解決手段】 本発明のタッチパネル用光学部材は、画像表示パネルと組み合わせて用いられるタッチパネル用光学部材であって、基板と、基板上に設けられたスペーサーとを少なくとも備えており、スペーサーが、遮光性及び/又は吸光性を有するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タッチパネル用光学部材及びこれを用いた表示装置に関する。
表示装置が多機能化されるのにともない、近年、入力装置としてタッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは、指やペンなどで触れた位置を感知することのできる入力装置である。多くの場合、画像を表示する所定のデバイス(画像表示パネル)と組み合わせて用いられ、表示装置としての機能も有している。タッチパネルの用途としては、例えば、携帯電話、携帯情報端末機(PDA)等のモバイル機器や、銀行の現金自動預入支払機等が挙げられる。
タッチパネルにおいて位置を検出する方式としては、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、光センサー方式等が知られている。
抵抗膜方式のタッチパネルは、一般に、画像表示パネルの画像を表示する面上に配置されたガラス基板の表面に透明導電膜が形成され、その上に微小なスペーサーが配置され、さらにその上に透明導電膜が配置された構造を有している。このタッチパネルでは、対向する透明導電膜同士がスペーサーによって離されているが、指等が触れることにより表面側の透明導電膜が押圧されると、これがたわんでもう一方の透明導電膜と接触し、その結果、対向する透明導電膜同士の間で導通が生じる。そして、この導通部分における抵抗変化に基づいて、指等が触れた位置が検出される(特許文献1、2参照)。
このような抵抗膜方式は、指でもペンでも入力が可能であり、入力手段を選ばないほか、構造が簡素であるため生産コストを小さくすることができるといった特長を有している。その反面、透明導電膜は脆い傾向にあることから、屈曲を繰り返すことによって剥がれなどの劣化を生じ易い。そのため、検出の感度、分解能の損失、透過率の低下などの不都合が生じるなど、耐久性が低いことが少なくない。また、抵抗膜方式のタッチパネルは、一般に透過率が低い傾向にもある。
静電容量方式のタッチパネルは、電気容量を検出する1層の透明導電膜を含む構造を有している。そして、指等で触れた部分の容量結合電気信号の変化を感知することによって、触れた位置を検出することができる(特許文献1参照)。このような静電容量方式は、抵抗膜方式に比べて耐久性に優れるとともに、高い透過率が得られ易い。しかしながら、入力手段が指や導電性を有する特殊なペン等に限られ、例えば手袋を装着した指や、非導電性である通常のペンでは入力ができない。
光センサー方式では、光を感知する機能を有する光センサーが実装される。例えば、画像表示パネルとして液晶ディスプレイ(LCD)を用いる場合、光センサーは液晶セル内に配置される。このような光センサー方式のタッチパネルにおいて、画像表示面に指を置くと、光センサーに入射する外光が指によって遮光され、光センサーの受光量が変化する。そして、この受光量の変化によって、指を置いた位置が検出される(特許文献3参照)。
この光センサー方式では、抵抗膜方式に比べて優れた耐久性が得られる。また、画像表示パネルの各画素に光センサーを配置することが可能であるため、イメージセンサーとしての利用も可能であり、例えばイメージスキャナーの機能も付与できる利点がある。さらに、抵抗膜方式や静電容量方式では困難であった多点入力も可能であることから、より広範な用途に適用することが期待できる。さらにまた、光センサー方式においては、例えば光源を有するライトペンを入力手段として利用することも提案されており(特許文献4参照)、入力手段の多様化を図ることも可能である。
また、例えば画像表示パネルとしてLCDを用いる場合、光センサーが検出する光の光源として、LCDのバックライトを利用する方法も提案されている。この方法では、タッチパネルの画像表示面上に置かれた指等とこの画像表示面との界面でバックライトの光が反射し、その反射光を光センサーが感知することによって、指等が触れた位置が検出される。
特表2005−530996号公報 特表2007−522586号公報 特開昭61−3232号公報 特開平2−211421号公報
上記のように、光センサー方式のタッチパネルは、耐久性に優れ、また多点入力が可能であるなど、多くの利点を有している。しかしながら、光センサー式のタッチパネルは、まず、外光が不足した環境、例えば薄暗い環境においては、タッチパネル上に指を置いても、光センサーが受光量の変化を検出することが困難であり、そのため位置の認識を誤り易いという問題を有していた。
このような問題は、例えば上述のライトペンを使用することで解消できるが、入力のために特殊なライトペンを用いることが必須となると、タッチパネルの適用範囲が狭まるほか、利便性にも欠ける傾向にある。また、バックライト光の反射光を利用する方法も、外光の不足に対してある程度有効であるが、画像表示パネルにおいて黒色の表示(黒表示)を行った場合、画面に指をおいてもバックライト光を反射させることができないので、指が触れた位置を認識することができない。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、外光が不足した環境下でも簡便な入力手段で認識可能であり、且つ、黒表示を行った場合であってもタッチパネルとしての動作が可能な表示装置を得ることができるタッチパネル用光学部材、及びこれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のタッチパネル用光学部材は、画像表示パネルと組み合わせて用いられるタッチパネル用光学部材であって、基板と、基板上に設けられたスペーサーとを少なくとも備えており、前記スペーサーは、遮光性及び/又は吸光性を有していることを特徴とする。
このような本発明のタッチパネル用光学部材は、例えば、画像表示パネル上に、基板との間にスペーサーが介在するようにして配置されることによって、タッチパネルとして適用可能な表示装置を形成することができる。すなわち、本発明の表示装置は、画像表示パネルと、この画像表示パネルにおける画像表示面側に、スペーサーがこの画像表示面と対向するように配置された本発明のタッチパネル用光学部材と、画像表示パネル内、又はタッチパネル用光学部材に対して画像表示パネル側に配置された光センサーとを備えることを特徴とする。
このような構造の表示装置(タッチパネル)において、特に指等が接触していない状態では、例えば画像表示面とタッチパネル用光学部材の基板とがスペーサーによって離されているため、画像表示パネルからの光は、基板の内側表面等にて効率的に反射される。一方、表示装置の表面(画面)に指等を接触させると、この部分でタッチパネル用光学部材の基板が押圧されるため、例えば基板やスペーサーの変形や、基板と画像表示面との接触等によって、画像表示パネルからの光の反射状態が変化する。本発明の表示装置では、この基板の押圧前後の反射光の変化を光センサーで検知することにより、画面上の指等が触れた位置を認識することができる。
この表示装置によれば、まず、画像表示パネルから発せられた光の反射を利用することから外光に影響されないため、外光が弱い環境下であってもライトペン等の特殊な入力手段を用いずに認識を行うことが可能であり、誤動作を生じにくい。また、本発明の表示装置は、従来の光センサー方式において光反射を利用する場合のように、タッチパネルの最表面(画面)での反射光の変化ではなく、タッチパネル用光学部材での反射光の変化を利用する。そのため、画像表示パネルとしてLCDを用いる場合等には、タッチパネル用光学部材をLCD用の偏光板よりも内側に配置し、この部分でLCDからの光(バックライト光等)を反射させることができる。したがって、LCDにより黒表示を行う場合であっても、LCDからの光を遮蔽する偏光板よりも内側での光の反射状態の変化を利用できるため、タッチパネルとしての動作が可能である。
また、上記本発明のタッチパネル用光学部材は、基板と画像表示面とを隔てるスペーサーが、遮光性及び/又は吸光性を有している。本発明者らが検討を行ったところ、本発明のような構造を有するタッチパネル用光学部材をタッチパネルとして機能する表示部材に適用する場合、基板と画像表示面との間に配置されるスペーサーが大きすぎたり多すぎたりすると、画像表示パネルの画素と干渉して、表示される画像にギラツキ感を与え易くなることが判明した。しかしながら、スペーサーを小さく又は少なくしすぎると、基板と画像表示面との間隔が適切に維持されず、タッチパネルの応答性が悪くなったり、残像感が悪くなったりすることも確認された。
これに対し、本発明のタッチパネル用光学部材は、上記のようにスペーサーが遮光性及び/又は吸光性を有していることから、スペーサーと画像表示パネルの画素との干渉を緩和することができる。その結果、このタッチパネル用光学部材を用いた本発明の表示装置によれば、基板と画像表示面との間隔を適切に維持するためにスペーサーを多めに設けたとしても、表示される画像のギラツキ感が大幅に少なくなり、高い表示品質が得られるようになる。
本発明のタッチパネル用光学部材において、スペーサーは、黒色顔料を含むものであると好ましい。また、スペーサーとしては、遮光性又は吸光性を有する金属を含むものも好適である。これらにより、遮光性及び/又は吸光性を有するスペーサーが良好に得られ、ギラツキ感の少ない表示を行うことが一層容易となる。
本発明によれば、外光が不足した環境下でも簡便な入力手段で認識可能であり、黒表示を行った場合であってもタッチパネルとしての動作が可能であり、しかも、ギラツキ感の少ない高い表示品質を有する表示装置を得ることができるタッチパネル用光学部材、及びこれを用いた表示装置を提供することが可能となる。
好適な実施形態に係るタッチパネルの断面構成を模式的に示す図である。 タッチパネル100における非押圧時の断面構成を模式的に示す図である。 タッチパネル100における押圧時の断面構成を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明については省略する。
[タッチパネル]
図1は、本発明の好適な実施形態に係るタッチパネルの断面構成を模式的に示す図である。図1に示すタッチパネル100は、タッチパネル用光学部材1(以下、「光学部材1」という)と、内部に光センサー52が設けられた液晶セル4とが積層された構成を有している。このタッチパネル100は、画像表示パネルである液晶セル4に、光学部材1が組み合わされることによって、画面を指等で触れた場合にその位置を検出するタッチパネルの機能が付与された表示装置である。
タッチパネル100において、光学部材1と液晶セル4とは、粘着層31を介して互いに接着されており、光学部材1の液晶セル4に対して反対側の面には、粘着層30を介して位相差板22が更に設けられている。また、これらの積層構造を上下方向から挟むように、一対の偏光板20、21が設けられている。さらに、偏光板21の液晶セル4に対して反対側の面には、バックライト60が設けられている。以下、このようなタッチパネル100の各構成要素について具体的に説明する。
(光学部材)
光学部材1は、第1の層11と第2の層12とが対向配置され、これらがスペーサー13によって離間された構造を有している。光学部材1は、タッチパネル100において、第1の層11が液晶セル4側に位置するように配置されている。
まず、第1の層11及び第2の層12について説明する。
第1の層11と第2の層12とは、スペーサーによって互いに離されており、それらの間は空隙となっている。この空隙内には、空気が満たされていてもよく、窒素、ヘリウム、アルゴンのような安定で無害な気体が満たされていてもよく、真空であってもよい。
第2の層12は、可逆的な変形が可能な基板である。なお、「可逆的な変形」とは、力学的圧力の負荷による変形と力学的圧力の除荷による復元とが可逆的に生じる変形、すなわち弾性変形を意味する。そのため、第2の層12は、タッチパネル100の画面(本実施形態においては、偏光板20の表面)に指等が触れることにより押圧されるとたわむことができ、また押圧状態が解除されるともとの形状に戻ることができる。
第1の層11は、力学的圧力に対して可逆的な変形が可能なゴム弾性を有していると好ましい。第1の層11がゴム弾性を有していると、押圧された第2の層12が接触した際に、容易に可逆的に変形することができる。そのため、指等の画面への接触による力学的な変化を、光学的な変化へと容易に変換することが可能となる。また、同様の観点から、第2の層12がゴム弾性を有していてもよい。光学部材1の耐久性を向上する観点からも、第1の層11及び第2の層12のうちの少なくとも一方がゴム弾性を有していると好ましい。
第1の層11及び/又は第2の層12の圧縮弾性率は、0.01〜100MPaであると好ましい。このような圧縮弾性率を有することで、光学部材1の耐久性が向上するほか、タッチパネル100の操作性が向上し、また誤動作が良好に防止される。これらの圧縮弾性率が0.01MPa未満であると、力学的な圧力を加えない状態でも変形が生じ、光源であるバックライト60からの光の反射や散乱を生じさせるのが困難となる傾向にある。一方、100MPaを超えると、弱い圧力で押圧された場合、第1の層11や第2の層12の形状変形が生じ難く、力学的変化を光学的変化に変換することが困難となる場合がある。
このような観点から、第1の層11及び/又は第2の層12の圧縮弾性率は、0.05〜90MPaであるとより好ましく、0.1〜80MPaであると更に好ましく、0.5〜70MPaであると一層好ましく、1〜60MPaであるとなおさら好ましく、1〜10MPaであると特に好ましい。
なお、圧縮弾性率の値としては、超微小硬度計を用いて下記条件の圧縮試験により測定される荷重−変位曲線の傾きから求められる値を適用することができる。
試料膜厚:100μm(厚さ方向に圧縮)
温度:25℃
最大加圧:0.1mN/μm
測定時間:20秒
圧子:円形平面圧子(直径φ50μm)
第1の層11及び第2の層12におけるこれらが対向している側の表面11a及び表面12aは、図1では平坦な形状を有しているが、入射した光の一部を反射又は散乱できる限りその形状は特に制限されず、凹凸を有する非平坦形状であってもよい。例えば、良好な表示品質を得る観点からは、表面11a及び表面12aは平坦であることが好ましい。一方、バックライト60からの光を効率的に反射し、光センサー52で良好に検出する観点からは、表面11a及び表面12aは非平坦形状であってもよい。
表面11a及び表面12aが非平坦形状である場合、非平坦形状の最大高さは、0.01〜3μmであると好ましい。なお、この最大高さとしては、例えば、所定の幅(例えば10mm)内の断面における凸部の頂部と凹部の底部との高低差の最大値を適用できる。こうすれば、光の反射又は散乱を効率よく生じさせることができ、タッチパネル100における画面上の指等が触れた位置をより感度よく認識できるようになる。
このような観点からは、非平坦形状の最大高さは、0.1〜2.5μmであるとより好ましく、0.3〜2μmであると更に好ましく、0.5〜1.5μmであると一層好ましく、0.7〜1.3μmであると特に好ましい。また、同様の観点から、非平坦形状における隣り合う凸部間の間隔は、0.01〜15μmであると好ましく、0.1〜10μmであるとより好ましく、0.5〜9μmであると更に好ましく、0.7〜7μmであると一層好ましく、1〜5μmであると特に好ましい。
第1の層11及び第2の層12は、透明性の高い層であると好ましい。これらの層の透明性が高いほど、押圧による力学的変化から変換された光学的変化を効率よく検出することができ、且つ表示装置として優れた表示品質が得られるようになる。具体的には、第1の層11及び第2の層12は、これらを構成する材料により形成された厚さ20μmの両面平坦膜の可視光線透過率が、好ましくは70〜100%、より好ましくは75〜98%、更に好ましくは80〜97%、一層好ましくは83〜96%、特に好ましくは85〜95%となるものであると好適である。このような可視光線透過率は、第1の層11や第2の層12の構成材料を用いて形成した両面平坦膜を用い、後述するような押圧前後での可視光線透過率の変化を測定する方法と同様の手法を適用することにより測定することができる。
また、押圧による変形前後の光量の変化を効果的に発現させる観点からは、第1の層11と第2の層12との屈折率差の絶対値は、0〜0.1であることが好ましい。同様の観点から、本実施形態のように第1の層11と第2の層12との間に空隙が形成されている場合は、第1の層11及び第2の層12の屈折率は、1.3以上であることが好ましい。これらの屈折率は、プリズムカップリング法や分光エリプソメトリー法等の公知の方法によって測定することができる。
ゴム弾性を有する第1の層11や第2の層12の構成材料としては、次のようなものが挙げられる。まず、各種のエラストマーが好適である。好適なエラストマーの具体例としては、天然ゴム、合成ポリイソプレン、スチレンとブタジェンのコポリマー、ブタジェンとアクリロニトリルのコポリマー、ブタジェンとアルキルアクリレートのコポリマー、ブチルゴム、ブロモブチルゴム、クロロブチルゴム、ネオブレン(クロロプレン、2−クロロ−1,3−ブタジェン)、オレフィン系ゴム(例えばエチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジェノモノマー(EPDM)ゴム等)、ニトリルエラストマー、ポリアクリル系エラストマー、ポリスルフィドポリマー、シリコーンエラストマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性コポリエステル、工チレンアクリル系エラストマー、酢酸ビニルエチレンコポリマー、エピクロルヒドリン、塩素化ポリエチレン、化学的に架橋したポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、フルオロカーボンゴム、フルオロシリコーンゴム等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらのゴム弾性を有する材料の中で、シリコーンエラストマーは、光学部材1を押圧したときの表面形状の変形性及び形状の可逆性に優れるという観点から、特に好ましい。
シリコーンエラストマーとしては、例えば、過酸化物加硫型シリコーンゴム、付加反応型シリコーンゴム、光反応型シリコーンゴム、光ラジカル重合反応型シリコーンゴム等が挙げられる。
過酸化物加硫型シリコーンゴムは、直鎖状の高重合ポリオルガノシロキサンからなるシリコーン生ゴムに有機過酸化物を配合し、加熱することによりシリコーン生ゴムを架橋してゴム弾性体を形成する方法により得ることができる。付加反応型シリコーンゴムは、脂肪族不飽和炭化水素基を有するポリオルガノシロキサンとポリオルガノハイドロジェンシロキサンとの間の付加反応を白金触媒の存在下で行い、架橋を生じさせてゴム弾性体を形成する方法により得ることができる。
光反応型シリコーンゴムは、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを、光酸発生剤の存在下で光照射することにより架橋させてゴム弾性体を形成する方法により得ることができる。また、光ラジカル重合反応型シリコーンゴムは、アクリロイル基含有ポリオルガノシロキサンを光重合開始剤存在下で光照射することにより、架橋を生じさせてゴム弾性体を形成する方法により得ることができる。
上述したなかでも、シリコーンエラストマーとしては、付加反応型シリコーンゴムが、硬化前の流動性や、硬化後の耐熱性及び機械特性が良好に得られる観点から好ましい。付加反応型シリコーンゴムを形成するために用いられる脂肪族不飽和炭化水素基を有するポリオルガノシロキサンは、ケイ素原子に結合した1価の脂肪族不飽和炭化水素基を1分子中に2個以上有する化合物である。1価の脂肪族不飽和炭化水素基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基等が例示される。なかでも、ポリオルガノシロキサンの合成が容易であり、また硬化前の組成物の流動性や、硬化後の組成物の耐熱性を良好にできるという観点から、ビニル基が最も好ましい。さらに、1価の脂肪族不飽和炭化水素基は、ポリオルガノシロキサン分子鎖の末端又は途中のいずれに存在してもよく、その双方に存在してもよい。ただし、ポリオルガノシロキサンは、架橋後の組成物に優れた機械的性質を与える観点から、少なくとも分子鎖の両末端に1価の脂肪族不飽和炭化水素基を有していることが好ましい。
また、ポリオルガノシロキサンのケイ素原子には、脂肪族不飽和炭化水素基以外の有機機が結合していてもよい。このような有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等のアルキル基、フェニル等のアリール基、ベンジル、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル等のアラルキル基、クロロメチル、クロロフェニル、2−シアノエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル等の置換炭化水素基が挙げられる。これらのうち、ポリオルガノシロキサンの合成が容易であり、架橋前の流動性や形成されるゴム弾性体の圧縮弾性率などの特性のバランスが優れるという観点から、メチル基が最も好ましい。
ポリオルガノシロキサンは、直鎖状でも分岐状であってもよい。また、ポリオルガノシロキサンの重合度はとくに限定されないが、架橋前の組成物が良好な流動性および作業性を有し、且つ、架橋後の組成物が適度の圧縮弾性率を有するようにする観点から、25℃における粘度が500〜500000MPa・sであることが好ましく、1000〜100000MPa・sであることがより好ましい。
一方、付加反応型シリコーンゴムを形成するために用いられるもう一方の成分であるポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、その分子中に含まれるヒドロシリル基が、ポリオルガノシロキサン中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基に付加することによって、ポリオルガノシロキサンの架橋剤として機能するものである。架橋による網目構造を効率的に形成するためには、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有していることが好ましい。
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンにおけるシロキサン単位のケイ素原子に結合した有機基としては、上記のポリオルガノシロキサンにおける1価の不飽和脂肪族炭化水素基以外の有機基と同様のものが挙げられる。なかでも、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの合成が容易であることから、メチル基が最も好ましい。ポリオルガノハイドロジェンシロキサンにおけるシロキサン骨格は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよい。また、異なるシロキサン骨格を有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンの混合物を用いてもよい。
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの重合度は特に限定されないが、同一のケイ素原子に2個以上の水素原子が結合したポリオルガノハイドロジェンシロキサンを合成することは困難であることから、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、少なくとも3個以上のシロキサン単位を有するものであることが好ましい。
付加反応型シリコーンゴムの合成において、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの配合量は、ポリオルガノシロキサン中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基1個に対して、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子が好ましくは0.5〜5個、より好ましくは1〜3個となるような量であると好ましい。この水素原子の存在比が0.5未満となる場合、架橋が不完全になる傾向がある。一方、水素原子の存在比が5を超えるような量の場合、架橋の際に発泡が起こりやすく、表面状態が低下する傾向がある。
付加反応型シリコーンゴムの合成時には、ポリオルガノシロキサン中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基とポリオルガノハイドロジェンシロキサンのヒドロシリル基との間の付加反応を促進させるために、触媒として白金系化合物を用いることが好ましい。白金系化合物としては、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコールとの反応生成物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体等が例示される。なかでも、ポリオルガノシロキサン及びポリオルガノハイドロジェンシロキサンに対する溶解性や、触媒活性が良好である点から、塩化白金酸とアルコールとの反応生成物及び白金−ビニルシロキサン錯体が好ましい。
白金系化合物の配合量は、ポリオルガノシロキサンに対し、白金原子換算で1〜200ppm(重量基準、以下同様)であることが好ましく、1〜100ppmであることがより好ましく、2〜50ppmであることがさらに好ましい。白金系化合物の配合量が1ppm未満の場合には、硬化速度が不十分となり、第1及び第2の層11,12、ひいては光学部材1の製造効率が低下する傾向がある。一方、200ppmを越えると、架橋速度が過度に早まるため、各成分を配合した後の作業性が損なわれる傾向がある。
第1の層11及び第2の層12の厚さは、1〜500μmであることが好ましい。なお、後述するように第1の層11又は第2の層12がスペーサー13と一体化している場合は、これらの層の厚さには、スペーサー13が形成されていない部分の厚さが該当する。第1の層11及び第2の層12の厚さが1μm未満であると、押圧時における反射光の状態の変化の程度が小さくなり、高い感度及び精度で位置認識を行うことが困難となる傾向にある。一方、500μmを超えると、押圧時の圧力伝達が弱くなって、第1の層11や第2の層12の変形が生じ難くなり、反射光の状態の変化を十分に生じさせることが困難となる。これらの不都合をより良好に低減する観点から、第1の層11及び第2の層12の厚さは、5〜400μmであるとより好ましく、10〜300μmであると更に好ましい。
光学部材1が押圧された際に効果的に変形を生じさせる観点からは、第1の層11及び第2の層12のいずれか一方を、ゴム弾性を有しない硬質な材料から構成してもよい。これにより、光学部材1が押圧された場合、硬質な層がゴム弾性を有する層と接した場合に、ゴム弾性を有する層に変形が生じ易くなり、反射光の状態の変化を良好に生じさせることができる。ただし、第2の層12を硬質な材料から構成する場合は、押圧により可逆的にたわむことができる程度の弾性は有するようにする必要がある。
硬質な材料としては、具体的には、ガラス及びセラミックスから選ばれる無機材料、或いは、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルナフタレート、硬質シリコーン樹脂、アクリル樹脂等から選ばれる有機材料が好適である。
次に、スペーサー13について説明する。
スペーサー13は、第1の層11と第2の層12との間に複数設けられ、これらを所定の間隔で離間させる部材である。このスペーサー13は、第1の層11及び第2の層12とは別に形成されていてもよく、第1の層11及び/又は第2の層12と一体的に形成されていてもよい。
スペーサー13は、遮光性及び/又は吸光性を有している。ここで、「遮光性」とは、可視光線を遮蔽できる特性のことをいい、「吸光性」とは、可視光線を吸収できる特性のことをいう。なお、スペーサー13は、全ての部位で遮光性及び/又は吸光性を有している必要はなく、少なくとも一部に、厚み方向(第1の層11と第2の層12との対向方向)の光を遮蔽できる遮光又は吸光可能な部分を有していればよい。スペーサー13における多少の光の漏れは、タッチパネル100の表示品質に大きく影響しない傾向にある。
スペーサー13の遮光性又は吸光性は、例えば、可視光線透過率で表すことができる。具体的には、スペーサー13の可視光線(550nmの波長の光)の透過率は、0〜30%であると好ましく、0〜20%であるとより好ましく、0〜10%であると更に好ましい。このような可視光線の透過率が得られる遮光性又は吸光性を有するスペーサー13によれば、タッチパネル100により表示される画像のぎらつきを良好に低減することができる。
スペーサー13は、遮光性又は吸光性を有する材料を含むものであり、遮光性又は吸光性を有する材料のみから構成されるものであっても、遮光性又は吸光性を有する材料と他の材料とを組み合わせた材料からなるものであってもよい。遮光性又は吸光性を有する材料としては、黒鉛、カーボンブラック、アニリンブラック、アントラキノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、アンバー、チタンブラック、チタンカーボン、合成鉄黒、黒ニッケル、二酸化マンガンや遮光性又は吸光性を有する金属等が挙げられる。より具体的には、C.I.Pigment Black1、6、7、12、20、31等の黒色顔料や、金、銀、クロム、アルミニウム、ニッケル等の金属が例示される。
遮光性又は吸光性を有する材料と他の材料とを組み合わせた材料からなるスペーサー13としては、例えば、所定の材料中に上述したような遮光性又は吸光性を有する材料が分散されたものや、所定の材料の表面を遮光性又は吸光性を有する材料によって覆ったもの等が挙げられる。遮光性又は吸光性を有する材料と組み合わされる所定の材料としては、上述した第1の層11や第2の層12の構成材料として例示したエラストマーが好適に適用できる。
スペーサー13は、力学的圧力に対して可逆的な変形が可能なゴム弾性を有していると好ましい。スペーサー13がゴム弾性を有していることにより、光学部材1が押圧されたときに、スペーサー13が容易に変形することができ、反射光の状態の変化を良好に生じさせることができる。これにより、高い感度で位置を認識することが可能になるほか、光学部材1の耐久性も向上する傾向にある。
スペーサー13の圧縮弾性率は、0.01〜100MPaであると好ましい。この圧縮弾性率が0.01MPa未満であると、力学的な圧力を加えない状態でも変形が生じ、光源であるバックライト60からの光の反射や散乱を生じさせるのが困難となる傾向にある。一方、100MPaを超えると、弱い圧力で押圧された場合に形状変形を生じ難く、力学的変化を光学的変化に変換することが困難となる場合がある。
このような観点から、スペーサー13の圧縮弾性率は、0.05〜90MPaであるとより好ましく、0.1〜80MPaであると更に好ましく、0.5〜70MPaであると一層好ましく、1〜60MPaであるとなおさら好ましく、1〜10MPaであると特に好ましい。
また、スペーサー13の高さは、1〜80μmであると好ましい。ここで、「スペーサー13の高さ」とは、光学部材1の厚さ方向(第1の層11と第2の層12との対向方向)に沿うスペーサー13の幅を意味し、光学部材1における第1の層11と第2の層12との間の距離と同じである。スペーサー13の高さがこのような範囲であると、光学部材1が押圧されたときに、反射する反射光の状態が効率的に変化することができ、より高い感度及び精度で位置の認識を行うことが可能になる。
このスペーサー13の高さが1μm未満であると、力学的圧力を加えない状態でも第1の層11の表面11aと第2の層12の表面12aとが接触してしまい、誤動作を生じ易くなる傾向がある。一方、スペーサー13の高さが80μmを超えると、弱い圧力で押圧されたときに、この押圧部分にて表面11aと表面12aとが接触しにくくなり、その結果、押圧した位置を認識しにくくなる傾向がある。このような観点から、スペーサー13の高さは5〜75μmであるとより好ましく、10〜70μmであると更に好ましく、13〜65μmであると更に好ましく、15〜60μmであると更に好ましく、17〜55μmであると一層好ましく、20〜50μmであると特に好ましい。
また、スペーサー13の最大幅は、1〜300μmであると好ましい。この「スペーサーの最大幅」とは、スペーサー13における上述した高さ方向と直交する方向の幅のうちの最大の値である。スペーサー13の最大幅がこのような範囲であると、第1の層11の表面11aと第2の層12の表面12aとを、スペーサー13を介して互いに安定して離間させることができるとともに、タッチパネル100において高い表示品質が維持できるようになる。
スペーサー13の最大幅が1μm未満であると、力学的圧力を加えない状態でも第1の層の表面11aと第2の層の表面12aとが接触しやすくなり、タッチパネル100を操作する際に誤動作が生じ易くなる傾向がある。スペーサー13の最大幅が300μmを超えると、弱い圧力で押圧された場合に、表面11aと表面12aとが押圧された位置で互いに接触できず、その位置を認識しにくくなる傾向があるほか、タッチパネル100による表示品質が低下する傾向がある。このような観点から、スペーサー13の最大幅は、5〜250μmであるとより好ましく、7〜200μmであると更に好ましく、10〜150μmであると更に好ましく、15〜100μmであると更に好ましく、17〜70μmであると更に好ましく、20〜50μmであると特に好ましい。
さらに、光学部材1におけるスペーサー13の数は、次のような条件を満たしていると好ましい。すなわち、第1の層11の表面11a又は第2の層12の表面12aの単位面積あたりのスペーサー13の数が、1〜300個/mmであると好ましい。
このスペーサー13の数が1個/mm未満であると、力学的圧力を加えない状態でも第1の層の表面11aと第2の層の表面12aとが接触しやすくなり、タッチパネル100を操作する際に誤動作が生じ易くなる傾向がある。一方、スペーサー13の数が300個/mmを超えると、弱い圧力で押圧された場合に、表面11aと表面12aとが押圧された位置で互いに接触できず、その位置を認識しにくくなる傾向があるほか、タッチパネル100による表示品質が低下する傾向がある。このような観点から、単位面積あたりのスペーサー13の数は、5〜250個/mmであるとより好ましく、7〜200個/mmであると更に好ましく、10〜150個/mmであると更に好ましく、15〜130個/mmであると更に好ましく、17〜100個/mmであると更に好ましく、20〜90個/mmであると特に好ましい。
以上のように、光学部材1は、互いに対向する第1の層11及び第2の層12と、これらの間に両層に接するように設けられた複数のスペーサー13とを備えた構成を有している。この光学部材1は全体として、その厚さ方向の可視光線(550nmの波長の光)に対する透過率が、30〜90%であることが好ましく、50〜90%であることがより好ましく、60〜90%であることが更に好ましい。
光学部材1がこのような可視光線の透過率を有していることで、遮光性及び/又は吸光性を有するスペーサー13を備えるにもかかわらず、タッチパネル100としたときの表示品質を十分に高く得ることが可能となる。光学部材1においては、このような可視光線の透過率が得られるように、スペーサー13の種類、最大幅や単位面積当たりの数といった条件を調整することが好ましい。
上記構成を有する光学部材1においては、後述するように、タッチパネル100の画面に指等が触れると光学部材1が押圧され、主にその押圧部分において第2の層12がたわみ、第1の層11と接触する。このように動作する光学部材1は、非押圧時における可視光線の透過率と、押圧時における可視光線の透過率との差(押圧前後での可視光線の透過率の変化)が、0.1〜50%の範囲であることが好ましい。
押圧前後での可視光線の透過率の変化が0.1%未満であると、力学的圧力が加えられたときの光学的変化を光センサーで検出することが困難になる傾向がある。一方、この値が50%を超えるようにするには、力学的圧力を加えない状態での第1の層11又は第2の層12における反射又は散乱を極めて強くする必要があり、そうすると、タッチパネル100のような表示装置としたときの表示品質が低下する傾向がある。このような観点から、押圧前後での可視光線の透過率の変化は、0.5〜45%であることがより好ましく、1〜40%であることが更に好ましく、2〜35であることが一層好ましく、3〜30%であることが特に好ましい。
光学部材1における押圧前後での可視光線の透過率の変化は、例えば、光学部材1を単独で用い、以下の(1)〜(7)の手順を行うことにより測定することができる。なお、可視光線とは一般的に視認可能な波長領域380〜780nmの光線を意味することとする。
(1)光学部材をガラス基板上に載置し、その上に直径φ10mm、厚さ0.7mmの円盤状ガラス板を更に載置した試料を準備する。
(2)可視領域の光線を試料に対して法線方向に照射し、色彩輝度計を使用して、測定視野角1°の範囲で試料を透過した光線の輝度aを測定する。また、その状態から光学部材のみを取り除いて同様に輝度bを測定する。
(3)(2)の結果から、光学部材が押圧されていないときの可視光線の透過率T1を、式:T1=(a/b)×100(%)により算出する。
(4)(1)と同様の試料を準備し、ガラス基板と円盤状ガラス板との間に、5×10Paの荷重を加える。
(5)試料に荷重を加えながら、可視領域の光線を試料に対して法線方向に照射し、色彩輝度計を使用して、測定視野角1°の範囲で試料を透過した光線の輝度cを測定する。また、この状態から光学部材を取り除き、同様の方法で輝度dを測定する。
(6)(5)の結果から、光学部材が押圧されたときの可視光線の透過率T2を、式:T2=(c/d)×100(%)により算出する。
(7)可視光線透過率T1とT2の差の絶対値(ΔT)を求め、これを押圧前後での可視光線の透過率の変化とする。
また、光学部材1は、非押圧時における可視光線の反射率と、押圧時における可視光線の反射率との差(押圧前後での可視光線の反射率の変化)が、0.1〜50%の範囲であることが好ましい。この値が0.1%未満であると、力学的圧力が加えられたときの光学的変化を光センサーで検出することが困難になる傾向がある。一方、50%を超えるようにするには、力学的圧力を加えない状態での第1の層11又は第2の層12における反射又は散乱を極めて強くする必要があり、そうすると、タッチパネル100のような表示装置としたときの表示品質が低下する傾向がある。このような観点から、押圧前後での可視光線の反射率の変化は、0.5〜48%であるとより好ましく、1〜45%であると更に好ましく、2〜43%であると一層好ましく、3〜40%であることが特に好ましい。
この押圧前後での可視光線の反射率の変化は、例えば、光学部材1を単独で用い、以下の(1)〜(5)の手順を行うことにより測定することができる。
(1)酸化マグネシウムなどの白色板上に、厚さ0.7mmのガラス基板及び直径φ10mm、厚さ0.7mmの円盤状ガラス板を載置して、可視領域の光線を白色板に対して法線方向に照射し、分光測色計などを使用して、白色板の法線方向に対して角度25°に反射した光線の明度a’を測定する。次いで、ガラス基板と円盤状ガラス板との間に光学部材を載置し、同様の方法を行うことにより反射光線の明度b’を測定する。
(2)(1)の結果から、光学部材が押圧されていないときの可視光線の反射率R1を、式:R1=(b’/a’)×100(%)により算出する。
(3)ガラス基板と円盤状ガラス板との間に、5×10Paの荷重を加えながら(1)と同様の方法で反射光線の明度をc’を測定する。
(4)(3)の結果から、光学部材が押圧されたときの可視光線の反射率R2を、式:R2=(c’/a’)×100(%)により算出する。
(5)可視光線の反射率R1とR2の差の絶対値(ΔR)を求め、これを押圧前後での可視光線の反射率の変化とする。
光学部材1は、フィルム等の所定の支持体上に設けられ、積層体の形態とされていてもよい。すなわち、このような積層体は、支持体と、この支持体上に設けられた光学部材1とを備えるものである。また、支持体と光学部材1との間には、粘着性又は接着性を有する樹脂層が更に形成されていてもよい。かかる積層体によれば、支持体によって光学部材1が支持されるため、良好な作業性が得られ、タッチパネル100の製造に係るコストの低減に有効である。
支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、トリアセチルセルロースからなる厚さ5〜100μm程度のフィルムが挙げられる。なお、支持体は、光学部材1のどちらの面上に形成されていてもよい。
さらに、例えば、タッチパネル100における上記の支持体の形成面とは反対側の表面には、支持体とは別に、カバーフィルムが積層されていてもよい。また、カバーフィルムと光学部材1との間にも、粘着性又は接着性を有する樹脂層が形成されていてもよい。このようにカバーフィルムを形成することで、光学部材1の劣化等を効果的に防止することができる。カバーフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース等からなる厚さ5〜100μm程度のフィルムが挙げられる。カバーフィルムは、支持体と同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
上記構成を有する光学部材1において、第1の層11と第2の層12との間の領域は空隙となっているが、この領域は必ずしも空隙である必要はなく、例えば、少なくとも第1の層11や第2の層12とは屈折率が異なる材料からなる中間層が形成されていてもよい。このような中間層を設けることで、空隙とした場合に比べて、使用環境の変化に対する耐久性に優れる光学部材1やタッチパネル100が得られる場合がある。
この場合、第1の層11又は第2の層12の屈折率と中間層の屈折率との差の絶対値(Δn)は、0.01〜1.0であると好ましい。この屈折率差の絶対値が0.01未満であると、光学部材1が押圧されていないときの反射光を、光センサーが効率的に検知できなくなり、それにより押圧した位置を正常に認識することが困難となる傾向がある。一方、1.0を超えると、このような屈折率差を達成するために必要な屈折率を有する材料の選択が困難となる傾向がある。このような観点から、上述した屈折率の差の絶対値は、0.03〜0.7であるとより好ましく、0.05〜0.5であると更に好ましく、0.07〜0.3であると一層好ましく、0.1〜0.2であると特に好ましい。なお、各層の屈折率は、例えば、プリズムカップリング法や分光エリプソメトリー法等の公知の方法で測定することができる。
中間層を形成する場合、中間層は、粘着性を有していると好ましい。粘着性を有する中間層を形成するために用いられる材料としては、第1の層11や第2の層12に対して粘着性を示すものであれば特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、架橋型アクリル樹脂、アクリル系単量体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
アクリル樹脂としては、低いガラス転移温度を有する不飽和単量体を含む共重合体が好ましい。この共重合体を構成する低いガラス転移温度を有する不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
また、共重合体を構成するその他の不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、スチレン、α−メチルスチレン、シクロヘキシルマレイミド、アクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
架橋型アクリル樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリルアミド、アクリロニトリル等の官能基を有する不飽和単量体を共重合成分として含む共重合体を、架橋剤により架橋したものである。
架橋剤としては、イソシアネート系、メラミン系、エポキシ系等の公知の架橋剤を用いることができる。また、架橋剤としては、架橋型アクリル樹脂中に緩やかに広がった網目状構造を形成するために、3官能、4官能といった多官能架橋剤がより好ましい。
アクリル樹脂や架橋型アクリル樹脂を構成する共重合体の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン換算した値)は、第1の層11又は第2の層12に対する粘着性を良好に得る観点から、1000〜300000であることが好ましく、5000〜150000であることがより好ましい。
また、中間層を構成する粘着性を有する樹脂としては、高い流動性を発現させ、第1の層11又は第2の層12の表面形状を効果的に変形させる観点から、単量体を使用することもできる。
単量体としては、例えば、ポリエチレングリコールジアセテート、ポリプロピレングリコールジアセテート、ウレタンモノマー、ノニルフェニルジオキシレンアクリレート、ノニルフェニルジオキシレンメタクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルアクリレート、o−フェニルフェノールグリシジルエーテルメタクリレートや、その他アクリル樹脂に使用される不飽和単量体を使用することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
中間層は、そのガラス転移温度(Tg)が、−20℃以下であることが好ましい。中間層のガラス転移温度が−20℃よりも高いと、粘着性が低下し、第1の層11及び第2の層12に対する適度な粘着力が得られなくなる傾向がある。
また、中間層の厚さは、1〜50μmであることが好ましい。なお、第1の層11の表面11aや第2の層12の表面12aが凹凸形状を有している場合、この凹凸形状の凹部に充填された部分を除いた部分の厚さが中間層の厚さに該当する。中間層の厚さが1μm未満であると、第1の層11又は第2の層12を積層する際に気泡が巻き込まれ易くなり、視認性等が低下するという不都合が生じる場合がある。一方、50μmを超えると、押圧されたときに圧力が伝達されにくくなり、第1の層11の表面形状等が変形しにくくなる傾向がある。このような観点から、中間層の厚さは、2〜40μmであることがより好ましく、3〜30μmであることが更に好ましい。
上述した構成を有する光学部材1は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、スペーサー13として、表面が遮光性又は吸光性を有する材料で覆われた粒子を備える光学部材1を製造する場合、まず、第1の層11を構成する材料からなる第1のシートを準備し、この上に、上記の粒子を所定量散布する。ここで、第1のシートとしては、あらかじめシート状に形成されたものと用いてもよく、所定の基板上に形成されたものを用いてもよい。次いで、粒子が散布されたシートを、適宜加熱等することによって、シート上に粒子を定着させる。
それから、別途準備しておいた第2の層12を形成するための第2のシートを、粒子を挟むようにして第1のシートと対向するように載せる。この第2のシートとしても、あらかじめシート状に形成されたものと用いてもよく、所定の基板上に形成されたものを用いてもよい。そして、このようにして粒子を挟んで互いに対向した第1のシート及び第2のシートを加熱等することにより、光学部材1が得られる。基板上に形成した第1又は第2のシートを用いる場合、基板は、製造工程の適切な段階で取り除いてもよく、光学部材1の完成後に取り除いてもよい。
このような光学部材1の製造方法では、先に第2のシートにスペーサー13となるべき粒子を付着させてもよい。また、スペーサー13として、樹脂等の所定の材料中に遮光性又は吸光性を有する材料(粒子等)が分散されたものを用いる場合は、そのような材料をスペーサー13の形状に成形した後、これを上述した粒子に代えて用い、上記と同様の手法を行うことにより、光学部材1を製造することができる。
また、スペーサー13が第1の層11と一体的に形成された光学部材1を製造する場合、まず、スペーサー13を形成させるべき部分に対応する位置に凹部を有する型を準備する。この型は、例えば、次のようにして形成することができる。まず、スペーサー13に対応する位置に凸部を備える金型を準備し、この凸部の形成面に所定の硬化性樹脂を塗布する。この硬化性樹脂上にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の基材を更に載せた後、硬化性樹脂を硬化し、その後、基材及び硬化性樹脂からなる積層体を金型から剥離する。これにより、金型の凹凸が転写された硬化性樹脂の層を備える型が得られる。
次に、このような型の凹部が形成された面上に、第1の層11を形成するための材料を含む塗布液等を滴下する等して塗布する。この塗布液は、例えば、第1の層11を形成するための材料そのものであっても、材料を所定の溶媒に溶解したものであっても、また材料が硬化する前のものであってもよい。それから、適宜、溶媒の除去や硬化を行うことにより、塗布液が固化した層を形成した後、これを型から剥離することで、スペーサー13に対応する位置に凸部が形成された第1のシートが得られる。
その後、例えば、遮光性又は吸光性を有する材料をガラス基板等の所定の基板上に塗布したものを準備し、これに上述した第1のシートを、凸部が遮光性又は吸光性を有する材料の層に接するように押し当てる。これによって、第1のシートの凸部に、選択的に遮光性又は吸光性を有する材料を付着させることができる。こうして、遮光性又は吸光性を有する材料を含む複数のスペーサー13が一体的に形成された第1の層11が得られる。
そして、上記と同様に別途準備しておいた第2の層12を形成するための第2のシートを、スペーサー13を挟むようにして第1の層11と対向するように載せ、適宜加熱等を行ってスペーサー13と接着することにより、光学部材1が得られる。なお、このような製造工程は、第1の層11と第2の層12とを入れ替えて行うこともでき、その場合、第2の層12とスペーサー13とが一体的に形成された光学部材1が得られる。
第1の層11と第2の層12の間に、上述したような中間層を形成する場合は、例えば、第1の層11又は第2の層12を形成するためのシート上に、中間層を構成する成分を含む塗布液を公知の方法で塗布し、必要に応じて乾燥、硬化等を行い、中間層となる層を形成しておく。そして、このようにして形成された中間層を挟むように、第1の層11と第2の層12とを貼り合わせることで、これらの間に中間層を形成することができる。なお、第1の層11又は第2の層12を形成するためのシート上にスペーサー13が既に形成されている場合は、塗布液は、スペーサー13以外の領域に塗布することが好ましい。
上記のようにして得られた光学部材1は、そのまま、又はロール状に巻いて保管し、またその状態で使用することができる。
(液晶セル)
液晶セル4は、ガラス基板24上に、遮光膜50、遮光膜50上に載置された薄膜トランジスター51及び光センサー52、これらの薄膜トランジスター51及び光センサー52を覆うように設けられた絶縁膜54、透明電極41、配向膜43、液晶層45、配向膜42、透明電極40、カラーフィルター25、並びにガラス基板23がこの順に積層された構成を有するものである。この液晶セル4において、透明電極40と透明電極41との間の一部領域には、これらの間隔を維持するための液晶スペーサー47が設けられている。
このように、本実施形態における液晶セル4は、その内部に光センサー52が配置されている。この光センサー52は、上述した光学部材1での反射光の状態の変化を検出する。光センサーとしては、反射光の光量等の光学的なパラメーターを検知可能なものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、アモルファスシリコン、多結晶シリコン等の光電効果を発現する半導体素子等を適用することができる。
液晶セル4におけるその他の構成、すなわちガラス基板23,24、薄膜トランジスター、透明電極40,41、配向膜42,43、液晶層45、遮光膜50、及びカラーフィルター25等としては、公知の液晶ディスプレイ(LCD)に用いられるものを適宜採用することができる。また、液晶セル4は、上述した構造に限られず、LCDとして知られている構造に適宜変更してもよい。
(位相差板、偏光板及びバックライト)
タッチパネル100において、光学部材1の液晶セル4に対して反対側の面上には、粘着層30を介して位相差板22が設けられている。また、上述した光学部材1、液晶セル4及び位相差板22によって構成される積層構造を上下から挟むように、一対の偏光板20,21が設けられている。さらに、偏光板21の液晶セル4に対して反対側の面には、バックライト60が設けられている。これらの構成としても、LCDにおいて用いられる公知のものを特に制限なく適用することができる。例えば、バックライト60としては、発光ダイオード、導光板、反射板及び拡散板を有する構成のものが例示できる。
[タッチパネルの製造方法]
次に、上述した構成を有するタッチパネル100の製造方法の好適な実施形態について説明する。
タッチパネル100の製造においては、まず、上述した方法により光学部材1を製造するとともに、公知のLCDの製造工程により液晶セル4を製造する。次いで、例えば、液晶セル4の一方の面(ガラス基板23の外側表面)に、粘着層31を介して光学部材1を接着させ、これらを積層する工程、光学部材1上に、粘着層30、異相差板22及び偏光板20を順次積層する工程、並びに、液晶セル4の光学部材1と反対の面側に、偏光板21を積層した後、バックライト60を形成する工程を行うことによって、タッチパネル100を得ることができる。
光学部材1と液晶セル4との積層においては、例えば、光学部材1の表面にカバーフィルムが設けられている場合はそれを剥離した後、光学部材1を、第1の層11が液晶セル4側に向くように粘着層31を介して液晶セル4上に載せる。次いで、この状態で圧着ロールを用いて積層方向に圧着することにより、液晶セル4上に光学部材1を積層させることができる。
この場合、圧着ロールは、加熱圧着できるように加熱手段を備えたものであってもよい。加熱圧着する場合の加熱温度は、10〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましく、30〜60℃が更に好ましい。この加熱温度が10℃未満であると、光学部材1と液晶セル4との密着性が低下する傾向がある。一方、100℃を超えると、液晶セル4が劣化するおそれがある。
また、加熱圧着時の圧着圧力は、線圧で50〜1×10N/mとすることが好ましく、2.5×10〜5×10N/mとすることがより好ましく、5×10〜4×10N/mとすることが更に好ましい。この圧着圧力が50N/m未満であると、光学部材1と液晶セル4との密着性が低下する傾向がある。一方、1×10N/mを超えると、高い圧力により液晶セル4が破壊されてしまう場合がある。
また、光学部材1上への位相差板22及び偏光板20の積層や、液晶セル4側への偏光板21の積層も、上記と同様の圧着による方法により行うことができる。
さらに、バックライト60を実装する方法としては、特に制限はなく、LCD等の製造方法において用いられる公知の方法を適用できる。例えば、バックライト60及び液晶セル4をモジュールとして構成するための筐体に組み込んだり、あるいはシール材によりバックライト60を熱圧着したりする方法が挙げられる。
なお、タッチパネル100の製造において、各構成を積層する順序は任意であり、適宜変更が可能である。すなわち、例えば、先に光学部材1に、粘着層30、異相差板22及び偏光板20を積層した後、これを液晶セル4と積層してもよいし、液晶セル4に偏光板21及びバックライト60を形成した後、これを光学部材1と積層してもよい。
[タッチパネルの動作]
次に、上述した構造を有するタッチパネルの動作方法について説明する。図2は、タッチパネル100における非押圧時の断面構成を模式的に示す図であり、図3は、タッチパネル100における押圧時の断面構成を模式的に示す図である。なお、これらの図では、説明の明確化のため、光学部材1よりも下層の構造は省略して示してある。
まず、図2に示すように、タッチパネル100の画面S100(偏光板20の外側表面)に指等が触れておらず、光学部材1が押圧されていない(非押圧)状態のとき、図2中の矢印に示すように、バックライト60により液晶セル4側から光学部材1に進入した光の一部は、例えば第2の層12の表面12aで反射して反射光L1となる。この反射光L1は、液晶セル4内に設けられた光センサー52によって受光される。第2の層12と空隙内の気体(空気等)は屈折率が異なっていることから、反射光L1は表面12aにおいて反射又は散乱され易く、大きな光量を有している。
一方、図3に示すように、タッチパネル100の画面100Sに指Fが接触し、光学部材1が押圧された状態(押圧状態)となると、光学部材1における第2の層12がたわんで第1の層11に押し付けられる。こうなると、押圧された位置では、第1の層11と第2の層12とが接するため、第2の層12の表面12aで反射又は散乱される光の割合が減少し、液晶セル4からの光が更に上の層、例えば指Fと画面S100との界面等で反射されるようになる。この状態の反射光L2は、非押圧時の反射光L1よりも小さいため、光センサー52で受光される光も、非押圧時と比較して小さいものとなる。
このように、タッチパネル100の画面S100に指等を接触させると、光学部材1が押圧され、これによって非押圧時に比べて液晶セル4側から進入した光の反射光の光量等が変化する。このような光学的な変化を液晶セル4内に設けられた光センサー52により検知することで、タッチパネル100の画面S100における指等が接触した位置を認識することができる。このような光学的な変化は、偏光板20よりも光源であるバックライト60に近い側に設けられた光学部材1での反射を基準としている。そのため、例えば偏光板20により画面S100を黒表示とした場合であっても、かかる光学的な変化を生じさせることができる。したがって、タッチパネル100によれば、黒表示においても位置の認識を行うことが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態のものに限定されず、必要に応じて適宜変更を行うことが可能である。
例えば、光学部材1は、上述したような第1の層11と第2の層12との2層が対向した構造に限られず、例えば、いずれか一方の層からなる基板とスペーサー13のみを備えるものであってもよい。この場合、基板としては、上述した第2の層12と同様の特性を有するものが好適である。このような光学部材1によってタッチパネルの機能を発現させるためには、液晶セル4側にスペーサー13が向くように配置することで、光学部材1における基板と液晶セル4との間に必ずスペーサー13が介在するようにすることが必要となる。
また、タッチパネル100における画像表示パネルとしては、上述した液晶セル4に限られず、種々の画像表示パネルを適用することができる。このような画像表示パネルとしては、例えば、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、電子ペーパーが挙げられる。これらのいずれを用いる場合であっても、タッチパネルとしての機能を発現させるため、光センサー52は、光学部材1よりも画像表示パネル側、すなわち、光学部材1と画像表示パネルとの間、画像表示パネル内、或いは画像表示パネルにおける光学部材に対して反対側に配置するようにする。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(第1の層の原材料の調製)
シリコーンゴムであるTSE3466(A)(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製、商品名)10g、同TSE3466(B)1g、及び希釈溶剤としてキシレン10gを用意した。次に、これらを混合して、十分に攪拌した。その後、真空脱泡を行い、第1の層の原材料であるシリコーンゴム原材料を得た。
(第1のシートの作製)
トリアセチルセルロースフィルムをガラス板の上で水平に維持し、その上に上記のシリコーンゴム原材料を滴下することで、トリアセチルセルロースフィルム上にシリコーンゴム原材料を塗り広げた。そのまま20分間室温で放置し、次いで、70℃のホットプレートにガラス板ごと乗せ、30分加熱した。これを室温に戻した後、ガラス基板上のシリコーンゴムシートに25μm径の金粒子(金皮膜付き粒子)を散布し、ふたたび70℃のホットプレートで60分加熱した。
これにより、基材であるトリアセチルセルロースフィルム上に、スペーサーとなる金粒子が表面に付着したシリコーンゴムシートを備える、第1のシートを得た。金粒子の存在密度を光学顕微鏡で計測した結果、40個/mmであった。
(第2のシートの作製)
トリアセチルセルロースフィルムをガラス板の上で水平に維持し、その上に上記のシリコーンゴム原材料を滴下することで、トリアセチルセルロースフィルム上にシリコーンゴム原材料を塗り広げた。そのまま20分間室温で放置し、次いで、70℃のホットプレートにガラス板ごと乗せ、90分加熱した。これにより、基材であるトリアセチルセルロースフィルム上に、シリコーンゴムシートが形成された第2のシートを得た。
(PTf試験)
トリアセチルセルロースフィルムが互いに外側に向くようにして、金粒子が乗った第1のシート上に第2のシートをのせ、これにより光学部材を得た。この光学部材において、トリアセチルセルロースフィルムを押し込むと、シリコーンゴムシート同士が部分的に接し、変色することが、第2のシートの表面側から確認された。
そして、得られた光学部材をLCDパネル上に実装してタッチパネルを形成し、画面に指等を接触させることによりタッチパネルとして動作させた結果、表示された画像にギラツキを感じることがなく、良好な表示品質が得られることが確認された。
[実施例2]
(第1のシートの作製>
約30μm径の凸形状を表面に200個/mmの密度で備える金型を用意し、この凸形成面上に、光硬化性樹脂であるヒタロイド(日立化成工業株式会社製)を塗布した後、更にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをのせ、紫外線を500mJ/cm照射して、ヒタロイドを光硬化させた。その後、光硬化したヒタロイドと一体化したPETフィルムを、金型から剥離し、これを反転レプリカとした。
この反転レプリカをガラス板の上で水平に維持し、反転レプリカ面に、実施例1と同じシリコーンゴム原材料を滴下することで、反転レプリカ上にシリコーンゴム原材料を塗り広げた。そのまま20分間室温で放置した後、トリアセチルセルロースフィルムを、気泡を咬まないように貼り付けた。次いで、これを70℃のホットプレートにガラス板ごと乗せ、90分加熱した。
その後、反転レプリカから、反転レプリカ面に塗られて固化した状態のシリコーンゴムシートを、リアセチルセルロースフィルムごと剥がしとり、リアセチルセルロースフィルム上に、約30μm径の凸形状を表面に200個/mmの密度で備えるシリコーンゴムシートが形成されたシートを得た。
また、別途用意したガラス基板に、ME60−B(黒色顔料を含む材料、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)をアプリケータで2μmの厚みに塗布した。それから、上記のシートを水平に維持し、その凸形成表面に、ME60−Bの層側からこのガラス基板を押し当て、すぐに離した。これにより、基材であるトリアセチルセルロースフィルム上に、選択的にME60−Bが塗布された200個/mmの凸部を備えるシリコーンゴムシートが形成された、第1のシートを得た。このME−60Bが塗布された凸部が、スペーサーとなる。
(第2のシートの作製)
トリアセチルセルロースフィルムをガラス板の上で水平に維持し、その上に上記のシリコーンゴム原材料を滴下することで、トリアセチルセルロースフィルム上にシリコーンゴム原材料を塗り広げた。そのまま20分間室温で放置し、次いで、70℃のホットプレートにガラス板ごと乗せ、90分加熱した。これにより、基材であるトリアセチルセルロースフィルム上にシリコーンゴムシートを備える、第2のシートを得た。
(PTf試験)
トリアセチルセルロースフィルムが互いに外側に向くようにして、ME60−Bが付着した凸部を有する第1のシート上に第2のシートをのせ、200℃の加熱を1時間施して、光学部材を得た。この光学部材において、トリアセチルセルロースフィルムを押し込むと、シリコーンゴムシート同士が部分的に接し、変色することが、第2のシートの表面側から確認された。
そして、得られた光学部材をLCDパネル上に実装してタッチパネルを形成し、画面に指等を接触させることによりタッチパネルとして動作させた結果、表示された画像にギラツキを感じることがなく、良好な表示品質が得られることが確認された。
1…光学部材、4…液晶セル、11…第1の層、11a…第1の層の表面、12…第2の層、12a…第2の層の表面、13…スペーサー、20,21…偏光板、22…位相差板、23,24…ガラス基板、25…カラーフィルター、30,31…粘着層、40,41…透明電極、42,43…配向膜、45…液晶層、50…遮光膜、51…薄膜トランジスタ、52…光センサー、54…絶縁膜、60…バックライト、100…タッチパネル、S100…画面。

Claims (4)

  1. 画像表示パネルと組み合わせて用いられるタッチパネル用光学部材であって、
    基板と、前記基板上に設けられたスペーサーと、を少なくとも備えており、
    前記スペーサーは、遮光性及び/又は吸光性を有している
    ことを特徴とするタッチパネル用光学部材。
  2. 前記スペーサーは、黒色顔料を含むものであることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル用光学部材。
  3. 前記スペーサーは、遮光性又は吸光性を有する金属を含むものであることを特徴とする請求項1記載のタッチパネル用光学部材。
  4. 画像表示パネルと、
    前記画像表示パネルにおける画像が表示される面側に、前記スペーサーが前記面と向き合うように配置された請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル用光学部材と、
    前記画像表示パネル内、又は、前記タッチパネル用光学部材に対して前記画像表示パネル側に配置された光センサーと、
    を備えることを特徴とする表示装置。
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