JP2011033834A - 表示装置の製造方法 - Google Patents

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元隆 越智
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裕史 後藤
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Abstract

【課題】酸化物透明導電膜の上に反射電極用のAl合金膜が直接接続された構造を備えた表示装置において、TMAH水溶液などのアルカリ現像液中での腐食が生じ難く、Al系合金膜の腐食を有効に防止することが可能な表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に酸化物透明導電膜を形成する第1の工程と、酸化物透明導電膜上にAl合金膜を形成する第2の工程と、Al合金膜を加熱する第3の工程と、を包含し、Al合金膜は、Coを0.1〜4原子%、Laを0.1〜2原子%含有するAl−Co−La合金などであり、第2の工程における基板温度と第3の工程における加熱温度の関係について、(1)基板を加熱しないときは、加熱温度の下限を200〜250℃に設定し、(2)基板温度を100℃以上250℃以下に加熱するときは、加熱温度の下限を100〜200℃に設定する。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどに代表される表示装置の製造方法に関するものである。詳細には、本発明は、酸化物透明導電膜と反射電極用のAl合金膜が直接接続されてなる構造を備えた表示装置の製造方法であって、該Al合金膜のパターニング時のアルカリ腐食を有効に防止できる表示装置の製造方法に関するものである。以下では、液晶ディスプレイを代表例として挙げて説明するが、これに限定する趣旨ではない。
液晶ディスプレイは、液晶パネルの背後に設置された照明装置(バックライト)からの光を光源として用いる透過型表示装置と、周囲光を用いる反射型表示装置と、透過型と反射型の両タイプを兼ね備えた半透過型表示装置と、に大別される。
このうち、透過型表示装置は、液晶パネルの後面から照射されたバックライトを液晶パネルやカラーフィルターに通過させて表示を行なうものであり、使用環境に左右されずに高コントラスト比の表示を行なうことができるという利点があり、テレビやパソコンモニタなどのような大型で輝度が必要な電子機器に汎用されている。しかし、バックライトの電力が必要になるため、携帯電話などの小型機器にはやや不向きである。
一方、反射型表示装置は、自然光や人工光などを液晶パネル内で反射させ、その反射光を液晶パネルやカラーフィルターを通して表示を行なうものであり、バックライトを必要としないために消費電力が小さく、電卓や時計などを中心に汎用されている。しかし、反射型表示装置は、使用環境によって表示の明るさやコントラスト比が大きく左右され、特に、暗くなると見え難くなるという欠点がある。
これに対し、半透過型表示装置は、昼間は反射電極を利用して消費電力を節約し、室内や夜間では必要に応じてライトを点灯して使用して表示を行なうなど、使用環境に応じて、透過モードによる表示装置と反射モードによる表示を行なうことができるため、周辺環境に制約されずに消費電力を節約でき、しかも明るい高コントラスト比の表示が得られるという利点がある。半透過型表示装置は、モバイル機器に最適に用いられ、特に、カラー化された携帯電話などに汎用されている。
図1および図2を参照しながら、代表的な半透過型液晶表示装置の構成および動作原理を説明する。なお図1および図2は、後記する特許文献3に開示された図1および図2に対応する。
図1に示すように、半透過型液晶表示装置11は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下「TFT」と呼ぶ。)基板21と、TFT基板21に対向して配置された対向基板15と、TFT基板21と対向基板15との間に配置され、光変調層として機能する液晶層23とを備えている。対向基板15は、ブラックマトリックス16を含むカラーフィルター17を含み、カラーフィルター17上には、透明な共通電極13が形成されている。一方、TFT基板21は、画素電極19、スイッチング素子T、および走査線や信号線を含む配線部を有している。配線部には、複数個のゲート配線5と複数個のデータ配線7とが互いに垂直に配列されており、ゲート配線5とデータ配線7とが交差する部分にはスイッチング素子のTFT(図中、T)がマトリックス状に配置されている。
図2に詳しく示すように、画素電極19の画素領域Pは、透過領域Aと反射領域Cとから構成されており、透過領域Aは透明画素電極19aを、反射領域Cは透明画素電極19aと反射電極19bを備えている。透明画素電極19aと反射電極19bとの間には、Mo、Cr、Ti、Wなどの高融点金属からなるバリアメタル層51が形成されている。例えば、特許文献1〜特許文献3では、Al系合金膜と酸化物透明導電膜との間にMoやCrなどのバリアメタル層51を介在させている。
図1に示す半透過型液晶表示装置11について、図2を参照しながら、透過モードおよび反射モードの動作原理を説明する。
まず、透過モードの動作原理を説明する。
透過モードでは、TFT基板21の下部に配置されたバックライト41の光Fを光源として使用する。バックライト41から出射した光は、透明画素電極19aおよび透過領域Aを介して液晶層23に入射し、透明画素電極19aと共通電極13との間に形成される電界によって液晶層23における液晶分子の配列方向が制御され、液晶層23を通過するバックライト41からの入射光Fが変調される。これにより、対向基板15を透過する光の透過量が制御されて画像が表示される。
一方、反射モードでは、外部の自然光または人工光Bが光源として利用される。対向基板15に入射した光Bは、反射電極19bに反射され、反射電極19bと共通電極13との間に形成される電界によって液晶層23における液晶分子の配列方向が制御され、液晶層23を通過する光Bが変調される。これにより、対向基板15を透過する光の透過量が制御されて画像が表示される。
画素電極19は、透明画素電極19aと反射電極19bとから構成されている。このうち、透明画素電極19aは、代表的には、酸化インジウム(In)中に酸化錫(SnO)を10質量%程度含む酸化インジウム錫(ITO)や、酸化インジウムに酸化亜鉛を10質量%程度含む酸化インジウム亜鉛(IZO)などの酸化物透明導電膜から形成されている。
また、反射電極19bは、反射率の高い金属材料で構成されており、代表的には、純AlやAl−NdなどのAl合金(以下、これらをまとめて「Al系合金」と呼ぶ。)が用いられている。Al系合金は、電気抵抗率も低いため、配線材料として極めて有用である。
ここで、図2や、前述した特許文献1〜3のように、反射電極19bを構成するAl系合金膜と、透明画素電極19aを構成するITOやIZOなどの酸化物透明導電膜との間にMoなどの高融点金属バリアメタル層51を形成する理由は、これらを直接接続して反射領域を形成すると、ガルバニック腐食などによって接触抵抗が上昇し、画面の表示品位が低下するからである。
ガルバニック腐食は、例えば、ITOなどの酸化物透明導電膜とAl系合金膜のように、異種金属間の電極電位差が大きい場合に生じるといわれている。例えば、フォトレジストのアルカリ現像液である水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液中のAg/AgCl標準電極に対する電極電位は、アモルファス−ITOが約―0.17V、ポリ−ITOが約−0.19Vであるのに対し、純Alは約−1.93Vと非常に低い。更に、Al系合金は非常に酸化され易い。そのため、Al系合金膜を酸化物透明導電膜の上に直接形成してパターニングする際、TMAH水溶液での浸漬中にAl系合金膜と酸化物透明導電膜の界面にAl酸化物の絶縁層が生成し、腐食が発生する。TMAH水溶液は、Al系合金膜に生じたピンホールや貫通粒界に沿って酸化物透明導電膜との界面まで侵入し、その界面でガルバニック腐食が発生すると、様々な不具合、例えば酸化物透明導電膜の黒化、それによる画素の黒化、配線細り・断線などのパタン形成不良、Al合金膜と酸化物透明導電膜との接触抵抗の増大、それによる表示(点灯)不良などが生じる。
しかしながら、バリアメタル層を介在させる方法は、製造工程が煩雑になって生産コストの上昇を招くなどの問題がある。
そこで、バリアメタル層の形成を省略でき、Al合金膜を透明画素電極に直接接触させることが可能な「ダイレクトコンタクト技術」が検討されている。ダイレクトコンタクト技術では、高い表示品位の表示装置が得られるように、電極材料であるAl合金膜と透明画素電極との接触抵抗が低く、耐熱性に優れていることが要求される。
本出願人も、本願発明のように、酸化物透明導電膜の上に反射電極用のAl合金膜が直接接続された構造を備えた表示装置を対象とするものではないが、関連のダイレクトコンタクト技術として、特許文献4に記載の方法を提案している。特許文献4には、Au、Ag、Zn、Cu、Ni、Sr、Ge、Sm、およびBiよりなる群から選ばれる少なくとも一種の合金元素を0.1〜6原子%含むAl合金膜の配線材料が開示されている。上記のAl合金膜を用いれば、当該Al合金膜と透明画素電極との界面に導電性の合金元素含有析出物が形成され、酸化アルミニウム等の絶縁物質の生成が抑制されるため、接触抵抗を低減することができる。また、合金元素の添加量が上記範囲内であれば、Al合金自体の電気抵抗率も低く抑えられる。また、上記のAl合金膜にNd、Y、Fe、Coの少なくとも一種の合金元素を更に添加すれば、ヒロック(コブ状の突起物)の生成が抑えられ、耐熱性が向上する。上記合金元素の析出物は、基板上にAl合金膜をスパッタリング法などによって成膜した後、150〜400℃(好ましくは200〜350℃)で15分〜1時間程度加熱(アニーリング)処理することによって得られる。
特開2004−144826号公報 特開2005−91477号公報 特開2005−196172号公報 特開2004−214606号公報
本発明の目的は、酸化物透明導電膜の上に反射電極用のAl合金膜が直接接続された構造を備えた表示装置において、TMAH水溶液などのアルカリ現像液中での腐食が生じ難く、Al系合金膜の腐食を有効に防止することが可能な表示装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明に係る表示装置の製造方法は、酸化物透明導電膜の上に反射電極用のAl合金膜が直接接続されてなる構造を備えた表示装置の製造方法であって、基板上に前記酸化物透明導電膜を形成する第1の工程と、前記酸化物透明導電膜上に前記Al合金膜を形成する第2の工程と、前記Al合金膜を加熱する第3の工程と、を包含し、前記Al合金膜は、Coを0.1〜4原子%、Laを0.1〜2原子%含有するAl−Co−La合金;Coを0.1〜4原子%、Laを0.1〜2原子%、Geおよび/またはCuを0.1〜2原子%含有するAl−Co−La−(Ge/Cu)合金;Niおよび/またはCoを0.1〜4原子%、Ndを0.1〜2原子%含有するAl−(Ni/Co)−Nd合金;Niおよび/またはCoを0.1〜4原子%、Ndを0.1〜2原子%、Geおよび/またはCuを0.1〜2原子%含有するAl−(Ni/Co)−Nd−(Ge/Cu)合金のいずれかであり、前記第2の工程における基板温度と前記第3の工程における加熱温度の関係について、(1)基板を加熱しないときは、加熱温度の下限を200〜250℃に設定し、(2)基板を100℃以上250℃以下の温度に加熱するときは、加熱温度の下限を100〜200℃に設定するところに要旨を有するものである。
好ましい実施形態において、(3)基板を150℃以上250℃以下の温度に加熱するときは、加熱温度の下限を100〜150℃に設定する。
好ましい実施形態において、前記第3の工程における加熱温度の上限は350℃である。
本発明の製造方法では、Al合金膜のパターニング時に、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を用いることが好ましい。また本発明の製造方法において好ましい酸化物透明導電膜は、酸化インジウムスズ(ITO)または酸化インジウム亜鉛(IZO)である。
本発明によれば、成膜後の加熱温度を、成膜時の基板温度に応じて定まる下限値以上に適切に制御しているため、パターニングの際にTMAH水溶液などのアルカリ現像液中に浸漬してもAl合金膜の腐食が抑えられ、酸化物透明導電膜とAl合金膜との接触抵抗を低減することができる。
図1は、代表的な半透過型液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。 図2は、代表的な半透過型液晶表示装置の断面を模式的に示す図である。 図3は、スパッタリング時の基板温度を変化させて成膜したAl合金膜(Al−2原子%Ni−0.35原子%Nd)の浸漬電位を示すグラフである。 図4は、純Al膜およびNi量を変化させたAl−Ni−Nd合金膜(反射電極)の反射率を示すグラフである(グラフ中の組成単位は原子%である)。 図5は、実施例1でTMAH水溶液に浸漬した後の試料(Al−2原子%Ni−0.35原子%Nd膜、基板温度=室温、熱処理なし)の光学顕微鏡写真である。 図6は、実施例1でTMAH水溶液に浸漬した後の試料(Al−2原子%Ni−0.35原子%Nd膜、基板温度=室温、熱処理なし)の透過型電子顕微鏡写真である。 図7は、実施例1でTMAH水溶液に浸漬した後の試料(Al−2原子%Ni−0.35原子%Nd膜、基板温度=室温、熱処理温度=250℃)の光学顕微鏡写真である。 図8は、実施例1でTMAH水溶液に浸漬した後の試料(Al−2原子%Ni−0.35原子%Nd膜、基板温度=室温、熱処理温度=250℃)の透過型電子顕微鏡写真である。 図9は、Al合金膜と酸化物透明導電膜(ITO膜)との間の接続抵抗の測定に用いたケルビンパターン(TEGパターン)を示す図である。 図10は、実施例1において、Ge/Cuを含有しないNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を室温で成膜したとき、成膜後の加熱温度およびNi量/Co量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図11は、実施例1において、Ge/Cuを含有しないNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を100℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図12は、実施例1において、Ge/Cuを含有しないNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を150℃および250℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図13は、実施例1において、Cuを更に含有するNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を室温で成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図14は、実施例1において、Cuを更に含有するNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を100℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図15は、実施例1において、Cuを更に含有するNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を150℃および250℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図16は、実施例1において、Geを更に含有するNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を室温で成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図17は、実施例1において、Geを更に含有するNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を100℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図18は、実施例1において、Geを更に含有するNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を150℃および250℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図19は、実施例1において、Geを更に含有する他のNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を室温で成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図20は、実施例1において、Geを更に含有する他のNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を100℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図21は、実施例1において、Geを更に含有する他のNd含有Al合金膜合金膜において、基板温度を150℃および250℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図22は、実施例2において、Ge/Cuを含有しないLa含有Al合金膜合金膜において、基板温度を室温で成膜したとき、成膜後の加熱温度およびNi量/Co量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図23は、実施例2において、Ge/Cuを含有しないLa含有Al合金膜合金膜において、基板温度を100℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図24は、実施例2において、Ge/Cuを含有しないLa含有Al合金膜合金膜において、基板温度を150℃および250℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図25は、実施例2において、Cuを更に含有するLa含有Al合金膜合金膜において、基板温度を室温で成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図26は、実施例2において、Cuを更に含有するLa含有Al合金膜合金膜において、基板温度を100℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図27は、実施例2において、Cuを更に含有するLa含有Al合金膜合金膜において、基板温度を150℃および250℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図28は、実施例2において、Geを更に含有するLa含有Al合金膜合金膜において、基板温度を室温で成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図29は、実施例2において、Geを更に含有するLa含有Al合金膜合金膜において、基板温度を100℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。 図30は、実施例2において、Geを更に含有するLa含有Al合金膜合金膜において、基板温度を150℃および250℃に高めて成膜したとき、成膜後の加熱温度および(Ni/Co)量が耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を示すグラフである。
本発明者らは、酸化物透明導電膜の上に反射電極用のAl合金膜が直接接続されてなる構造を備えた表示装置において、Al合金膜をパターニングする際、TMAH水溶液などに代表されるフォトレジストのアルカリ現像液を用いたときなどに生じるAl合金膜の腐食(ガルバニック腐食)を防止するため、検討を重ねてきた。その結果、(1)ガルバニック腐食に有用なAl合金膜として、所定量のNiおよび/またはCoと、Ndおよび/またはLaと、必要に応じて更にGeおよび/またはCuを含有するAl合金膜(詳細には、後記する4種類のAl合金膜のいずれか)を用い、(2)成膜後の加熱温度を、成膜時の基板温度との関係で制御する方法を採用すれば、所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の製造方法は、酸化物透明導電膜の上に反射電極用のAl合金膜が直接接続されてなる構造を備えた表示装置の製造方法であって、
基板上に前記酸化物透明導電膜を形成する第1の工程と、
前記酸化物透明導電膜上に前記Al合金膜を形成する第2の工程と、
前記Al合金膜を加熱する第3の工程と、を包含し、
前記Al合金膜は、Coを0.1〜4原子%、Laを0.1〜2原子%含有するAl−Co−La合金;Coを0.1〜4原子%、Laを0.1〜2原子%、Geおよび/またはCuを0.1〜2原子%含有するAl−Co−La−(Ge/Cu)合金;Niおよび/またはCoを0.1〜4原子%、Ndを0.1〜2原子%含有するAl−(Ni/Co)−Nd合金;Niおよび/またはCoを0.1〜4原子%、Ndを0.1〜2原子%、Geおよび/またはCuを0.1〜2原子%含有するAl−(Ni/Co)−Nd−(Ge/Cu)合金のいずれかであり、
前記第2の工程における基板温度と前記第3の工程における加熱温度の関係について、
(1)基板を加熱しないときは、加熱温度の下限を200〜250℃に設定し、
(2)基板を100℃以上250℃以下の温度に加熱するときは、加熱温度の下限を100〜200℃に設定するところに特徴がある。好ましくは、(3)基板を150℃以上250℃以下の温度に加熱するときは、加熱温度の下限を100〜150℃に設定する。
本明細書では、上記第2の工程における基板温度を単に「基板温度」と呼び、上記第3の工程における加熱温度を単に「加熱温度」と呼ぶ場合がある。
上記「基板温度」とは、基板全体の温度を意味する。従って、基板温度を200℃に制御したい場合には、基板全体の温度が200℃以上になるよう、成膜工程の間200℃で保持すればよい。
本明細書において、「基板を加熱しない」とは、基板を加熱せずに成膜することを意味し、通常は、室温(約25℃)近傍を意味する。試験環境下などによって雰囲気温度も変化するため、本発明では、室温近傍〜50℃近傍の範囲を、「基板を加熱しない」温度範囲に含む趣旨である。一方、「基板を加熱する」とは、基板を積極的に加熱することを意味する。本発明で「100℃に加熱する」とは、測定誤差なども含め、約50℃以上に加熱することを包含する趣旨である。
また、説明の便宜上、本発明に用いられるAl合金膜について、(ア)所定量のCoとLaを含有するAl合金をAl−Co−La合金、(イ)所定量のCoとLaとGeおよび/またはCuとを含有するAl合金をAl−Co−La−(Ge/Cu)合金、(ウ)所定量のNiおよび/またはCoとNdを含有するAl合金をAl−(Ni/Co)−Nd合金、(エ)所定量のNiおよび/またはCoとNdとGeおよび/またはCuとを含有するAl合金をAl−(Ni/Co)−Nd−(Ge/Cu)合金と呼ぶ場合がある。上記(ア)および(イ)のAl合金膜は希土類元素のLaを含み、上記(ウ)および(エ)のAl合金膜は希土類元素のNdを含んでいる。また、上記(イ)および(エ)のAl合金膜は、Ge/Cuを更に含んでいる。後記する実施例で実証したように、上記(ア)〜(エ)のいずれの合金膜を用いたときにも、本発明の方法を適用すれば、アルカリ現像液に対する耐食性が高められる。
本明細書において、(Ni/Co)とは、Ni単独、Co単独、NiおよびCo(併用)のすべての態様を含む意味である。(Ge/Cu)も同様の意味である。
そして本発明の特徴部分は、上記Al合金膜を備えた表示装置を製造するに当たり、第3の工程における加熱温度を、第2の工程における基板温度に応じて定まる下限値以上に設定したところに特徴がある。すなわち、本発明では、ガルバニック腐食防止(耐アルカリ腐食性)のために最も考慮すべき因子として、上記第2の工程における基板の温度(すなわち、Al合金膜の成膜時における基板温度)、上記第3の工程における加熱温度(すなわち、Al合金成膜後の加熱温度)を挙げている。
そして、本発明の検討結果によれば、
(1)基板を加熱せずに成膜を行なった場合は、Al合金成膜後の加熱温度を高く設定でき(下限を200〜250℃)、一方、
(2)基板を加熱し、約100〜250℃と高く設定して成膜を行なった場合は、成膜後の加熱温度を低く設定でき(下限を約100〜200℃)、
(3)好ましくは、基板温度が約150℃以上250℃以下のときは、加熱温度の下限を約100〜150℃と、更に低く設定することが判明した。要約すれば、基板温度の上昇程度(上げ幅)に応じて成膜後の加熱温度の下降程度(下げ幅)を制御することが判明した。
更に、ガルバニック腐食防止のために考慮すべき好ましい因子として、Al合金膜に含まれるNiやCoの含有量、更には必要に応じて添加されるGeやCuの含有量が挙げられる。本発明者らの詳細な検討結果によれば、基板温度と成膜温度が上記(1)〜(3)の関係を満足する場合において、Al合金膜に含まれる(Ni/Co)の含有量、更には必要に応じて添加される(Ge/Cu)の量を考慮しながら、基板温度の上げ幅と加熱温度の下げ幅を設定(調整)することが有用であることも分かった。この調整幅は、Al合金膜に含まれる元素の種類に応じて変化し得、(Ge/Cu)を含む場合と含まない場合とでは相違し、更に厳密には、GeとCuによっても調整幅が相違している。
ここで、Al合金膜中のNi量及び/又はCo量を挙げたのは、これらの元素はいずれもAlと結合して、ガルバニック腐食の防止に有用な、微細な金属間化合物を形成すると考えられるからである。微細な金属間化合物の生成により、Al合金膜を貫通するピンホールなどが少なくなるため、結果的に、耐アルカリ腐食性が向上する。また、ガルバニック腐食の防止に有用な、微細な金属間化合物が界面に形成されることにより、酸化物透明導電膜とAl合金膜との接触抵抗も低く抑えられる。これら元素の作用は、後でも詳しく説明する。上記と同様の作用を、Geおよび/またはCuも発揮することから、これらの元素を更に含む場合は、これらの含有量も勘案した次第である。
以下、本発明の製造方法を詳しく説明する。以下では、説明の便宜上、本発明に用いられるAl合金膜として、(i)Ge/Cuの元素を含有しないAl合金膜、すなわち、Al−Co−La、またはAl−(Ni/Co)−Ndを用いる場合と、(ii)Ge/Cuを更に含有するAl合金膜、すなわち、Al−Co−La−(Ge/Cu)、またはAl−(Ni/Co)−Nd−(Ge/Cu)を用いる場合とに分けて説明する。
(i)Ge/Cuの元素を含有しないAl合金膜である、Al−Co−La、またはAl−(Ni/Co)−Ndを用いる場合
図10〜図12を参照しながら、上記Al合金膜を用いたときの製造方法をより詳しく説明する。ここでは、Al−x原子%(Ni/Co)−0.35原子%Nd合金膜(x=0〜4原子%)を用いた。
(図10〜図12について)
図10〜図12は、後記する実施例の結果[Al−(Ni/Co)−0.35原子%Nd合金]を用い、上記(1)〜(3)で規定する基板温度ごとに(Ni/Co)の含有量と加熱温度との関係を整理し、これらが耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を調べたものである。本発明者らの実験結果によれば、Ni単独、Co単独、NiとCoの併用のいずれの場合においても、実験結果は変わらなかったため、上記図の横軸には、「(Ni/Co)の量」と記載した。これは、後記する図13〜21についても同様である。
図10は、基板温度を室温にして成膜したときの結果[上記(1)に相当]であり、図11は、基板温度を100℃に高めて成膜したときの結果[上記(2)に相当]であり、図12は、基板温度を更に150℃および250℃まで高めて成膜したときの結果[上記(3)に相当]を示している。図中、○は耐アルカリ腐食性に優れることを意味し、▲は耐アルカリ腐食性に劣ることを意味する。後記する図13〜21においても同様である。なお、耐アルカリ腐食性の評価方法の詳細は後述する。
図10〜図12を対比すると、基板温度が低い場合には、加熱温度は総じて高くしないとアルカリ腐食を有効に防止することができないが、基板温度が高い場合には、加熱温度は低くしてもアルカリ腐食を抑えられることが分かる。しかも、基板温度と加熱温度の調整幅(例えば、基板温度を上げた場合には加熱温度を下げられるという、基板温度の上げ幅および加熱温度の下げ幅)は、Al合金膜中の(Ni/Co)量に応じて決定されることも分かる。
例えば、Al−(Ni/Co)−Nd合金膜中のNi量が2原子%の場合について考察すると、基板温度を室温としたときは、加熱温度を、おおむね、250℃以上に制御することが好ましい(図10を参照)が、基板温度を100℃に制御したときは、加熱温度の好ましい下限を下げることができ、おおむね、150℃以上に加熱するだけで耐アルカリ腐食性が向上する(図11を参照)。更に、基板温度を150〜250℃に制御したときは、加熱温度の好ましい下限をより下げることができ、おおむね、100℃以上に加熱するだけで良好な耐アルカリ腐食性が得られる(図12を参照)。
上記の実験結果より、良好な耐アルカリ腐食性を確保するためには、前述した特許文献4のように成膜後の加熱温度を一律に制御するのではなく、成膜時の基板温度との関係で当該加熱温度の下限を適切に制御することが有用であり、厳密には、Al合金膜中の(Ni/Co)量を考慮しながら、上記範囲のなかで、当該加熱温度の下限を具体的に設定することが有用であることが確認される。
前述した特許文献4は、本願発明と表示装置の構成は相違しているが、Al合金膜を成膜した後に加熱を行なうダイレクトコンタクト技術である点で、本発明と共通している。しかしながら、特許文献4では、成膜時の基板温度について何ら考慮しておらず、基板温度との関係で成膜後の加熱温度の下限を制御するという思想はない点で、本発明と相違している。
上記の図は、Al−(Ni/Co)−Nd合金の結果を示しているが、これと同じ実験結果は、Ndの代わりにLaを用いた場合(本発明では、Al−Co−La合金)を用いたときも同じであったので、図の添付を省略する。本発明者らの検討結果によれば、上記Al合金膜において上記の調整幅に大きく影響するのは、NiとCoであるが、これらはいずれも同等の効果を有しており、LaやNdの希土類元素の添加によって上記調整幅は殆ど変化しないことを確認している。
なお、加熱温度の上限は、耐アルカリ腐食性の観点からは特に限定されないが、高すぎるとAl合金膜にヒロックなどが発生するため、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下である。
具体的には、上記の加熱処理は、真空雰囲気または不活性雰囲気下(例えば窒素雰囲気下)で所定時間行うことが好ましい。各基板温度における、それぞれの好ましい加熱条件は、下記(ア)〜(ウ)のとおりである。厳密には、Al合金膜中の(Ni及び/又はCo)量(0.1〜4原子%)を考慮しつつ、加熱温度の下限を適切に調整すれば良い。
(ア)基板温度が室温の場合、好ましい加熱温度は約200〜250℃であり、好ましい加熱時間は約30〜60分である。
(イ)基板温度が100℃以上150℃未満の場合、好ましい加熱温度は約100〜200℃であり、好ましい加熱時間は約30〜60分である。
(ウ)基板温度が150℃以上250℃以下の場合、好ましい加熱温度は約100〜200℃であり、好ましい加熱時間は約30〜60分である。
本発明の方法によってAl合金膜のアルカリ腐食を防止できるメカニズムは詳細には不明であるが、上述したように、加熱によってAlと、Ni及び/又はCoとの微細な金属間化合物が、ITO膜などの酸化物透明導電膜とAl合金膜との界面に集まり、界面でイオン化傾向の小さいニッケルの濃度が高まるため、Al合金膜の電極電位が正側にシフトし、ITO膜などの酸化物透明導電膜との接触電位差が小さくなることが考えられる。その結果、リソグラフィ法の際に用いる現像液やエッチング液に起因するガルバニック腐食が生じにくくなる。特に、本発明者の実験によれば、ガルバニック腐食の防止に有用な上記「Alと、Ni及び/又はCoとの微細な金属間化合物」の生成は、成膜後の加熱温度だけでなく成膜時の基板温度によっても影響を受けると推察される。
本発明の製造方法によれば、Al合金膜と酸化物透明導電膜との電極電位差を、おおむね、1.55V以下、好ましくは1.5V以下に低く抑えることができる。
参考のため、図3に、TMAH水溶液中に浸漬したときの浸漬時間と浸漬電位との関係を示す。ここでは、Al−2原子%Ni−0.35原子%NdのAl合金膜を用い、成膜時の基板温度を室温→加熱なしの試料と、成膜時の基板温度を室温→200℃で加熱をした試料の2種類を用いた。
図3より、成膜後の加熱を行なった試料では、成膜後の加熱を行なわない試料に比べ、浸漬直後(約0.1分)の浸漬電位は約100mV(0.1V)高くなっており、しかも、この状態は、浸漬後約0.7分まで維持されていることが分かる。この結果は、加熱を行った方が、ITO膜の浸漬電位との差を長い間小さく抑えられることを意味し、ガルバニック腐食を有効に抑えられることを示唆している。なお、図3の結果は、Ndの代わりにLaを添加したAl−2原子%Ni−0.35原子%LaのAl合金膜を用いたときも同じであった。
次に、上記Al合金膜の成分限定理由を説明する。以下では、作用効果が同じである元素群(「Ni、Co」と「La、Nd」)ごとに、分けて説明する。「Ge、Cu」については、後記する(ii)で説明する。
(NiとCoについて)
NiおよびCoは同効元素であり、酸化物透明導電膜との接触抵抗の低減作用を有するほか、耐アルカリ腐食性の向上作用も有している(後記する実施例を参照)。Al合金膜にNi及び/又はCoを添加することによって、酸化物透明導電膜との接触抵抗が低下する理由は、詳細には不明であるが、Al合金膜と酸化物透明導電膜との界面(接触界面)に、Alの拡散を防止し得るNi及び/又はCo含有析出物若しくはNi及び/又はCo濃化層が形成されるためであると考えられる。Al合金膜がNdを含むときは、NiおよびCoのいずれか一方を含んでいても良いし、両方を含んでいてもよい。
上記Al合金膜中の(Ni/Co)の含有量(単独で含有する場合は単独の量であり、両方を含有する場合は合計量である。)は、上述した接触抵抗の低減作用および耐アルカリ腐食性向上作用を有効に発揮させるため、0.1原子%以上であることが必要である。一方、後記する図4に示すように、Ni及び/又はCoの含有量が4原子%を超えると、Al合金膜の反射率が高くなり、実用に供し得なくなる。そこでAl合金膜中のNi及び/又はCoの含有量を、0.1原子%以上(好ましくは0.5原子%以上、より好ましくは1原子%以上、更に好ましくは2原子%以上)、4原子%以下(好ましくは3原子%以下)と定めた。
(LaとNdについて)
LaおよびNdは、Al合金膜の耐熱性向上に寄与する元素(耐熱性向上元素)である。詳しくは、上記元素を含有させることによって、加熱時に、Al合金膜表面のヒロック(コブ状の突起物)の形成を有効に防止することができる。これらの元素は、単独で添加しても良く、2種以上を併用してもよい。2種以上の元素を含有させるときは、各元素の総量が下記範囲を満足するように制御すればよい。
このような耐熱性向上作用を充分に発揮させるために、上記元素の含有量は0.1原子%以上であり、好ましくは0.2原子%以上である。しかし、上記元素の含有量が過剰になると、Al合金膜自体の電気抵抗率が上昇する。そこで、これら元素の含有量は2原子%以下、好ましくは0.8原子%以下である。
本発明において、Al−(Ni/Co)−(Nd/La)合金膜の残部は、実質的にAlおよび不可避不純物からなる。
(ii)Ge/Cuを更に含有するAl合金膜である、Al−Co−La−(Ge/Cu)、またはAl−(Ni/Co)−Nd−(Ge/Cu)を用いる場合
次に、Ge/Cuを更に含有するAl合金膜を用いたときの製造方法を詳しく説明する。このAl合金膜は、前述した(i)のAl合金膜に、更にGe/Cuを0.1〜2原子%含有するものであり、これにより、接触抵抗の低減、および耐熱性が一層向上するようになる。GeおよびCuの添加によって耐アルカリ性が向上することは、後記する図13〜図15(Cu添加例)および図16〜図21(Ge添加例)において示している。また、これらの図において、○(耐アルカリ腐食性が良好)の例は、いずれも、接触抵抗が1500Ω/cm2以下と、低く抑えられていた(図には示さず)。
上記元素の含有量が0.1原子%未満の場合、上記作用を有効に発揮することができない。一方、上記元素の含有量が2原子%を超えると、上記作用は向上する反面、反射率の低下や電気抵抗率の増大を招く。上記元素の含有量は、0.2原子%以上0.8原子%以下であることが好ましい。GeおよびCuは、単独で添加しても良く、両方を用いても良い。GeおよびCuを両方添加するときは、合計の含有量が上記範囲を満足するように制御すればよい。
上記Al合金膜を用いたときの製造方法の設計指針(基本的な考え方)は、前述した(i)のAl合金膜を用いたときと同じであり、基板の温度に応じてその後の加熱温度を適切に制御すれば良く、厳密には、Al合金膜中のNi量及び/又はCo量、並びにGe量および/またはCu量を考慮しつつ、基板の温度およびその後の加熱温度を適切に制御すれば良い。具体的には、基板を加熱せずに成膜した場合はAl合金成膜後の加熱温度を高く設定できるし、一方、基板を加熱して約100〜250℃に設定して成膜を行なった場合は成膜後の加熱温度を低く設定できること、しかも、これら基板温度と加熱温度の設定(調整)は、Al合金膜に含まれる(Ni/Co)の量および(Ge/Cu)の量を考慮しながら設定することが好ましい、というものである。
上記Al合金膜を用いる場合、ガルバニック腐食防止(耐アルカリ腐食性)のために考慮すべき因子として、前述したNiおよびCoの含有量のほかに、CuおよびGeの元素も挙げたのは、これらの元素も上記Ni、Coと同様、Alと結合して、ガルバニック腐食の防止に有用な、微細な金属間化合物を形成すると考えられるからである。微細な金属間化合物の生成により、Al合金膜を貫通するピンホールなどが少なくなるため、結果的に、耐アルカリ腐食性が向上する。また、ガルバニック腐食の防止に有用な、微細な金属間化合物が界面に形成されることにより、酸化物透明導電膜とAl合金膜との接触抵抗も低く抑えられる。
以下、図13〜図15(Cuを更に含有)および図16〜図21(Geを更に含有)を用いて、詳しく説明する。
(図13〜図15について)
まず、図13〜図15を参照する。ここでは、Al−x原子%(Ni/Co)−0.35原子%Nd−0.5原子%Cu合金膜(x=0〜4原子%)を用い、基板温度ごとに(Ni/Co)の含有量と加熱温度との関係を整理し、これらが耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を調べたものである。図13は、基板温度を室温にして成膜したときの結果[上記(1)に相当]であり、図14は、基板温度を100℃に高めて成膜したときの結果[上記(2)に相当]であり、図15は、基板温度を更に150℃および250℃まで高めて成膜したときの結果[上記(3)に相当]を示している。
図13〜図15より、Al合金膜として、Cuを更に含むAl−(Ni/Co)−Nd−Cu合金膜を用いたときも、前述したAl−(Ni/Co)−Nd合金膜を用いたときと同様の傾向が見られることが分かった。すなわち、基板温度が低い場合には、加熱温度は総じて高くしないとアルカリ腐食を有効に防止することができないが、基板温度が高い場合には、加熱温度は低くしてもアルカリ腐食を抑えられることが分かる。しかも、基板温度と加熱温度の調整幅(例えば、基板温度を上げた場合には加熱温度を下げられるという、基板温度の上げ幅および加熱温度の下げ幅)は、Al合金膜中の(Ni/Co)量やCu量に応じて決定されることも分かった。
また、Cu添加ありとCu添加なしの結果を対比すると明らかなように、Cu添加によって耐アルカリ腐食性が更に向上するため、(Ni/Co)量および基板温度が同じ場合には、加熱温度の好ましい下限を更に下げることができることも分かった。
詳細には、まず、図13(基板温度=室温)において、Al合金膜中のNi量が2原子%の場合について考察する。基板温度を室温としたとき、Cuを含まないAl−2原子%(Ni/Co)−0.35原子%Nd合金膜を用いたときは、加熱温度を、おおむね、250℃以上に制御することが好ましい(前述した図10を参照)が、Cuを含むAl−2原子%(Ni/Co)−0.35原子%Nd−0.5原子%Cu合金膜を用いたときは、加熱温度の好ましい下限を下げることができ、おおむね、150℃以上に加熱するだけで耐アルカリ腐食性が向上する。これと同じ傾向は、(Ni/Co)量が3原子%の場合、および(Ni/Co)量が1原子%のすべての場合に見られた。よって、基板温度を室温としたとき、Cu含有Al合金膜を用いると、Cuを含有しないAl合金膜を用いた場合に比べ、加熱温度の好ましい下限を下げられることが実証された。
図13には、基板温度を室温としたときの結果が示されているが、これと同様の傾向は、基板温度を変えた図14(基板温度=100℃)および図15(基板温度=150℃および250℃)においても見られた。
以上の結果より、基板温度と加熱温度の調整幅は、Al合金膜中の(Ni/Co)量だけでなくCu量も寄与していることが推察される。
(図16〜図18について)
次に、図16〜図18(Geを更に含有)について考察する。
ここでは、Al−x原子%(Ni/Co)−0.2原子%Nd−0.5原子%Ge合金膜(x=0.1〜4原子%)を用い、基板温度ごとに(Ni/Co)量と加熱温度との関係を整理し、これらが耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を調べた。図16は、基板温度を室温にして成膜したときの結果[上記(1)に相当]であり、図17は、基板温度を100℃に高めて成膜したときの結果[上記(2)に相当]であり、図18は、基板温度を更に150℃および250℃まで高めて成膜したときの結果[上記(3)に相当]を示している。
図16〜図18より、Al合金膜として、Geを更に含むAl−(Ni/Co)−Nd−Ge合金膜を用いたときも、前述したAl−(Ni/Co)−Nd合金膜(Geなし)を用いたとき(前述した図10〜13を参照)とほぼ同様の傾向が見られることが分かった。すなわち、基板温度が低い場合には、加熱温度は総じて高くしないとアルカリ腐食を有効に防止することができないが、基板温度が高い場合には、加熱温度は低くしてもアルカリ腐食を抑えられることが分かる。しかも、基板温度と加熱温度の調整幅は、Al合金膜中の(Ni/Co)量やGe量に応じて決定されることも分かった。
また、Ge添加ありとGe添加なしの結果について考察すると、Ge添加によって耐アルカリ腐食性が更に向上するため、(Ni/Co)量および基板温度が同じ場合には、加熱温度の好ましい下限を更に下げることができることも分かった。特にGeの添加効果は、一律には整理できないものの、概ね、Ni量が約1原子%以下の低濃度のときに顕著に発揮される傾向があることも分かった。
詳細には、まず、図16(基板温度=室温)において、Al合金膜中のNi量が2原子%の場合について考察する。基板温度を室温としたとき、Geを含まないAl−2原子%(Ni/Co)−0.2原子%Nd合金膜を用いたときは、加熱温度を250℃に設定しないと良好な耐アルカリ腐食性が得られなかった(前述した図10を参照)のに対し、Geを含むAl−2原子%(Ni/Co)−0.2原子%Nd−0.5原子%Ge合金膜を用いたときは、200℃以上に加熱するだけで耐アルカリ腐食性が向上することが分かった。同様の傾向はAl合金膜中の(Ni/Co)量が1原子%の場合にも見られ、Geを含まないAl−1原子%(Ni/Co)−0.2原子%Nd合金膜を用いたときは、加熱温度を250℃に設定したときに良好な耐アルカリ腐食性が得られたのに対し、Geを含むAl−1原子%(Ni/Co)−0.2原子%Nd−0.5原子%Ge合金膜を用いたときは、200℃に加熱するだけで耐アルカリ腐食性が向上した。同様に、Geを含まないAl−0.5原子%(Ni/Co)−0.2原子%Nd合金膜を用いたときは、加熱温度を250℃に設定しても良好な耐アルカリ腐食性は得られなかったのに対し、Geを含むAl−0.5原子%(Ni/Co)−0.2原子%Nd−0.5原子%Ge合金膜を用いたときは、250℃に加熱すると耐アルカリ腐食性が向上した。
次に図17(基板温度=100℃)において、Al合金膜中の(Ni/Co)量が1原子%の場合について考察する。基板温度を100℃としたとき、Geを含まないAl−1原子%(Ni/Co)−0.2原子%Nd合金膜を用いたときは、加熱温度を200℃に設定しないと良好な耐アルカリ腐食性が得られなかった(前述した図11を参照)のに対し、Geを含むAl−1原子%(Ni/Co)−0.2原子%Nd−0.5原子%Ge合金膜を用いたときは、150℃以上に加熱するとだけで、耐アルカリ腐食性が向上することが分かった。
なお、図18(基板温度=150℃および250℃)については、(Ni/Co)量が4原子%のときにGeの添加効果が見られた。詳細には、Geを含まないAl−4原子%(Ni/Co)−0.35原子%Nd合金膜を用いたときは、加熱温度を100℃に設定しないと良好な耐アルカリ腐食性が得られなかった(前述した図12を参照)のに対し、Geを含むAl−4原子%(Ni/Co)−0.35原子%Nd−0.5原子%Ge合金膜を用いたときは、基板を加熱しなくても、耐アルカリ腐食性が向上することが分かった。
上記図16〜図18の結果を勘案すると、(ア)基板温度と加熱温度の調整幅は、Al合金膜中の(Ni/Co)量だけでなくGe量も寄与していると思われること、(イ)Geの添加効果は、(Ni/Co)量や基板温度によっても若干相違するが、概ね、Ni量が約2原子%以下の低濃度の場合に、概して、顕著に認められる傾向にあることも分かった。
また、上記と同様の傾向は、Nd量を変えた場合にも見られた。図19〜22に、Nd量を0.5原子%に高めた、Al−x原子%(Ni/Co)−0.5原子%Nd−0.5原子%Ge合金膜の結果を示す。Nd量を高めると、耐アルカリ腐食性が若干向上し、基板温度と(Ni/Co)量によっては、加熱温度の好ましい下限を更に下げられることが分かる。
なお、上記の図は、Al−(Ni/Co)−Nd−Ge合金の結果を示しているが、これと同じ実験結果は、Ndの代わりにLa合金(本発明では、Al−Co−La−Ge合金)を用いたときも同じであったので、図の添付を省略する。
以上、本発明を特徴付ける工程について説明した。
本発明は、上記のAl合金膜を用い、基板温度と加熱温度を適切に制御したところに最大の特徴があり、上記以外の成膜工程は特に限定されず、通常、用いられる手段を採用することができる。従って、基板上に酸化物透明導電膜を形成する第1の工程や、酸化物透明導電膜上にAl合金膜を形成する第2の工程(基板温度を除く)は、公知の方法を適切に選択して用いれば良い。
Al合金膜の成膜方法としては、代表的には、スパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法が挙げられる。スパッタリング法とは、基板と、形成しようとする薄膜と同種の材料から構成されるスパッタリングターゲット(ターゲット材)との間でプラズマ放電を形成し、プラズマ放電によってイオン化した気体をターゲット材に衝突させることによってターゲット材の原子をたたき出し、基板上に積層させて薄膜を作製する方法である。スパッタリング法は、真空蒸着法やアークイオンプレーティング(AIP:Arc Ion Plating)法と異なり、ターゲット材と同じ組成の薄膜を形成できるというメリットを有している。特に、スパッタリング法で成膜されたAl合金膜は、平衡状態で固溶し得ないNdなどの合金元素を固溶でき、薄膜として優れた性能を発揮するなどの利点を有している。ただし、本発明は上記に限定する主旨ではなく、Al合金膜の成膜方法に通常用いられる方法を適宜採用することができる。
本発明において、パターニングの順序は特に限定されない。例えば、基板上に酸化物透明導電膜およびAl合金膜を順次、スパッタリング法などを用いて成膜した後、リソグラフィ法とエッチングによって上記の酸化物透明導電膜およびAl合金膜をパターニングしても良い。あるいは、基板上に酸化物透明導電膜を成膜し、パターンニングした後に、Al合金膜を成膜し、パターニングをしてもよい。
また、酸化物透明導電膜を構成するITO膜は、加熱を加える前はアモルファスの状態であり、りん酸を主成分とするアルミニウム用のエッチング液に溶解するが、200℃の熱を加えると結晶化するので、アルミニウム用のエッチング液に対して選択性がある。そのため、酸化物透明導電膜をパターニングした後にAl合金膜を成膜し、エッチングする際、既に形成された酸化物透明導電膜を不必要にエッチングしてしまうことを防止することができる。
ただし、Alとのエッチング選択性を求めない場合は、酸化物透明導電膜としてIZO膜を使用してもよい。また、ITO膜以外にAlエッチャントとの選択性のある酸化物透明導電膜も問題なく使用できる。本発明は、酸化物透明導電膜の種類を限定するものではない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
ここでは、Ndを含むAl合金について、以下の実験を行なった。
(図10〜21について)
まず、基板(無アルカリ硝子板、板厚0.7mm、4インチサイズ)上に、酸化物透明導電膜(透明画素電極)として、SnOを約10質量%含むITO膜(膜厚:約50nm)をスパッタリング法によって形成し、フォトリソグラフィーによってパターニングした。このときのスパッタリング条件は、アルゴン雰囲気下、圧力:約3mTorrである。
上記のようにしてパターニングを行なったITO膜の上に、反射電極として、前述した図10〜21に示す種々のAl合金膜(膜厚:100nm)をスパッタリング法によって形成した。スパッタリング時の基板温度は、前述した図10〜21に示すとおりであり、スパッタリング条件は、アルゴン雰囲気下、圧力:約2mTorrである。
次いで、窒素雰囲気下で、前述した図10〜21に示す加熱温度で30分間、熱処理を施した。その後、上記のAl合金膜にレジストを塗布し露光した後、2.38質量%のTMAH水溶液(20℃)に1分間浸漬することで現像した。なお、本実施例では、上記の加熱処理を窒素雰囲気下で行なったが、これに限定されず、公知の雰囲気条件(例えば、真空度≦3×10-4Pa程度の真空雰囲気下)で行なってもよい。
(耐アルカリ腐食性)
各Al合金膜のアルカリ腐食性は、上記のTMAH水溶液中で、測定対象となるAl系合金膜の電極と銀−塩化銀参照電極を短絡させて、電圧計で電位差を測定して評価した。比較のため、poly−ITO膜の電極電位も測定した。本実施例では、後記する図7〜図8に示すようにTHAH水溶液浸漬後の光学顕微鏡観察および透過電子顕微鏡観察を行なったときに腐食が見られず、且つ、アモルファス−ITOとの電極電位差が1.55V以下を満足するものを○(耐アルカリ腐食性に優れる)と評価し、上記のいずれかの要件を満足しないものを×(耐アルカリ腐食性に劣る)と評価した。
(接触抵抗)
図9に示すケルビンパターン(コンタクトホールサイズ、20、40および80μm角)を用いた4端子法にて、Al合金膜とITO膜を直接接続させた場合の接触抵抗を測定した。接触抵抗は、Al合金膜とITO膜との間に電流を流し、別の端子でITO−Al合金間の電圧降下を計測することにより調べた。具体的には、図9のI1−I2間に電流Iを流し、V1−V2間の電圧Vをモニターすることにより、コンタクト部Cの接触抵抗Rを[R=(V1−V2)/I2]として求めた。本実施例では、接触抵抗が1500Ω/cm以下のものを接触抵抗が低い(合格)と評価した。
また、Al合金膜の合金元素の含有量は、ICP発光分析(誘導結合プラズマ発光分析)法によって求めた。
これらの結果は、前述した図10〜21に示すとおりであり、本発明の方法によって製造したAl合金膜は、いずれも、耐アルカリ腐食性に優れている。また、これらAl合金膜とITO膜との接触抵抗値も低かった(接触抵抗値は、いずれも1500Ω/cm以下である)。
参考のため、Al−2原子%Ni−0.35原子%Nd合金を用い、基板温度を室温→加熱を行なわなかった比較例と;同じ合金を用い、基板温度を室温→250℃で加熱を行なった本発明例の腐食状況を図5〜図8に示す。詳細には、図5および図6は、上記比較例における、TMAH水溶液浸漬後の光学顕微鏡写真および透過型電子顕微鏡断面写真(FE−TEM、日立製作所製の型名:「HF2000」を使用)である。また、図7および図8は、上記本発明例における、TMAH水溶液浸漬後の光学顕微鏡写真および透過型電子顕微鏡断面写真である。なお、透過型電子顕微鏡による観察では、電子励起型X線分析によって膜組成を同定した。
これらの図を比較すると明らかなように、加熱を行なわなかった比較例では、TMAH浸漬による腐食が見られた(図5および図6を参照)のに対し、所定の加熱を行なった本発明例では腐食は観察されなかった(図7および図8を参照)。
なお、上記図5〜図8と同様の実験結果は、Ndの代わりにLaを用いたときにも、同様に見られた。
更に、Al合金膜中のNi含有量が反射率に及ぼす影響を調べた。
具体的には、Al−x原子%Ni−0.35原子%Nd(xは1〜5.5原子%)のAl合金を用い、成膜時の基板温度を室温とし、成膜後の加熱温度を約250℃、加熱時間を約30分に制御して成膜した試料の反射率を測定した。反射率は、日本分光株式会社製の可視・紫外分光光度計「V−570」を用い、測定波長:1000〜250nmの範囲における分光反射率を測定した。具体的には、基準ミラーの反射光強度に対して、試料の反射光高度を測定した値を「分光反射率」とした。
図4は、各試料の反射率の推移(波長:850〜250nm)を示すグラフである。550nmでの反射率を基準としてみると、Ni量が本発明の範囲を満足する試料では、約88%超〜92%程度の高い反射率が得られたのに対し、Ni量が5.5原子%と本発明の範囲を超える試料では、反射率は概ね84%に低下した。
なお、上記図4と同様の実験結果は、Ndの代わりにLaを用いたときにも、同様に見られた。
(実施例2)
以下では、Ndの代わりにLaを用いたときの実験結果を示す。
(図22〜図24について)
図22〜図24は、後記する実施例の結果を用い、上記(1)〜(3)で規定する基板温度ごとにNi量と加熱温度との関係を整理し、これらが耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を調べたものである。ここでは、Al−x原子%Ni−0.35原子%La合金膜を用い、Niの含有量(x)は図22〜図24に示すように0〜3原子%の範囲内である。図22は、基板温度を室温にして成膜したときの結果[上記(1)に相当]であり、図23は、基板温度を100℃に高めて成膜したときの結果[上記(2)に相当]であり、図24は、基板温度を更に150℃および250℃まで高めて成膜したときの結果[上記(3)に相当]を示している。図中、○は耐アルカリ腐食性に優れることを意味し、▲は耐アルカリ腐食性に劣ることを意味する。後記する図25〜30においても同様である。
図22〜図24を対比すると、基板温度が低い場合には、加熱温度は総じて高くしないとアルカリ腐食を有効に防止することができないが、基板温度が高い場合には、加熱温度は低くしてもアルカリ腐食を抑えられることが分かる。しかも、基板温度と加熱温度の調整幅(例えば、基板温度を上げた場合には加熱温度を下げられるという、基板温度の上げ幅および加熱温度の下げ幅)は、Al合金膜中のNi量に応じて決定されることも分かる。
例えば、Al合金膜中のNi量が2原子%の場合について考察すると、基板温度を室温としたときは、加熱温度を、おおむね、250℃以上に制御することが好ましいが、基板温度を100℃に制御したときは、加熱温度の好ましい下限を下げることができ、おおむね、150℃以上に加熱するだけで耐アルカリ腐食性が向上する。更に、基板温度を150〜250℃に制御したときは、加熱温度の好ましい下限をより下げることができ、おおむね、100℃以上に加熱するだけで良好な耐アルカリ腐食性が得られる。
なお、図22〜図24は、Al合金膜としてAl−Ni−La合金膜を用いた結果を示しているが、Niの代わりにCoを用いたとき、すなわち、Al−Co−La合金膜を用いたときも、上記と同様の傾向が見られることを実験により確認している。また、Niの代わりに、NiおよびCoの両方を用いたとき、すなわち、Al−(Ni+Co)−La合金膜を用いたときも、上記と同様の結果が得られることを実験により確認している。
なお、加熱温度の上限は、耐アルカリ腐食性の観点からは特に限定されないが、高すぎるとAl合金膜にヒロックなどが発生するため、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下である。
具体的には、上記の加熱処理は、真空雰囲気または不活性雰囲気下(例えば窒素雰囲気下)で所定時間行うことが好ましい。上記(1)〜(3)の各基板温度における、それぞれの好ましい加熱条件は、以下のとおりである。実際には、Al合金膜中のNi量及び/又はCo量(0.1〜4原子%)に応じて、加熱温度を適切に調整すれば良い。
・上記(1)のように基板温度が室温の場合、好ましい加熱温度は約200〜250℃であり、好ましい加熱時間は約30〜60分である。
・上記(2)のように基板温度が100℃以上150℃未満の場合、好ましい加熱温度は約100〜200℃であり、好ましい加熱時間は約30〜60分である。
・上記(3)のように基板温度が150℃以上250℃以下の場合、好ましい加熱温度は約100〜200℃であり、好ましい加熱時間は約30〜60分である。
(図25〜図27について)
図25〜図27は、Al−x原子%Ni−0.35原子%La−0.5原子%Cu合金膜[Niの含有量(x)は0〜3原子%の範囲内である。]を用い、上記(1)〜(3)で規定する基板温度ごとにNi量と加熱温度との関係を整理し、これらが耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を調べたものである。図25は、基板温度を室温にして成膜したときの結果[上記(1)に相当]であり、図26は、基板温度を100℃に高めて成膜したときの結果[上記(2)に相当]であり、図27は、基板温度を更に150℃および250℃まで高めて成膜したときの結果[上記(3)に相当]を示している。
Cuの添加効果を示すため、これらの図25、図26、図27には、上記Al合金膜を用いたときの結果(▲、○)と共に、前述した図22、図23、図24(いずれもCuなし)の結果(▲、○)も並べて記載している。図25〜図27では、両者が重ならないように、横にずらして記載しており、同一のNi量において、右側の▲、○はCu添加例であり、左側の▲、○はCu無添加例である。更に両者の違いが一層分かるように、プロットのサイズも変えており、▲、○のサイズが大きいものはCu添加例であり、▲、○のサイズが小さいものはCu無添加例である。なお、図26および図27には、Cu無添加の例として、Ni量が1原子%の結果も追加している。
図25〜図27より、Al合金膜として、Cuを更に含むAl−Ni−La−Cu合金膜を用いたときも、前述したAl−(Ni/Co)−La合金膜を用いたときと同様の傾向が見られることが分かった。すなわち、基板温度が低い場合には、加熱温度は総じて高くしないとアルカリ腐食を有効に防止することができないが、基板温度が高い場合には、加熱温度は低くしてもアルカリ腐食を抑えられることが分かる。しかも、基板温度と加熱温度の調整幅(例えば、基板温度を上げた場合には加熱温度を下げられるという、基板温度の上げ幅および加熱温度の下げ幅)は、Al合金膜中のNi量やCu量に応じて決定されることも分かった。
また、Cu添加ありとCu添加なしの結果を対比すると明らかなように、Cu添加によって耐アルカリ腐食性が更に向上するため、Ni量および基板温度が同じ場合には、加熱温度の好ましい下限を更に下げることができることも分かった。
詳細には、まず、図25(基板温度=室温)において、Al合金膜中のNi量が2原子%の場合について考察する。基板温度を室温としたとき、Cuを含まないAl−2原子%Ni−0.35原子%La合金膜を用いたときは、加熱温度を、おおむね、250℃以上に制御することが好ましいが、Cuを含むAl−2原子%Ni−0.35原子%La−0.5原子%Cu合金膜を用いたときは、加熱温度の好ましい下限を下げることができ、おおむね、150℃以上に加熱するだけで耐アルカリ腐食性が向上する。これと同じ傾向は、Ni量が3原子%の場合、およびNi量が1原子%のすべての場合に見られた。よって、基板温度を室温としたとき、Cu含有Al合金膜を用いると、Cuを含有しないAl合金膜を用いた場合に比べ、加熱温度の好ましい下限を下げられることが実証された。
図25には、基板温度を室温としたときの結果が示されているが、これと同様の傾向は、基板温度を変えた図26(基板温度=100℃)および図27(基板温度=150℃および250℃)においても見られた。
以上の結果より、基板温度と加熱温度の調整幅は、Al合金膜中のNi量だけでなくCu量も寄与していることが推察される。
なお、図25〜図27は、Al合金膜としてAl−Ni−La−Cu合金膜を用いた結果を示しているが、Niの代わりにCoを用いたとき、すなわち、Al−Co−La−Cu合金膜を用いたときも、上記と同様の傾向が見られることを実験により確認している。また、Niの代わりに、NiおよびCoの両方を用いたとき、すなわち、Al−(Ni+Co)−La−Cu合金膜を用いたときも、上記と同様の結果が得られることを実験により確認している。
(図28〜図30について)
図28〜図30は、Al−x原子%Ni−0.2原子%La−0.5原子%Ge合金膜[Niの含有量(x)は0〜1原子%の範囲内であり、Ni=0.2原子%、0.5原子%、1原子%である。]を用い、基板温度ごとにNi量と加熱温度との関係を整理し、これらが耐アルカリ腐食性に及ぼす影響を調べた。図28は、基板温度を室温にして成膜したときの結果[上記(1)に相当]であり、図29は、基板温度を100℃に高めて成膜したときの結果[上記(2)に相当]であり、図30は、基板温度を更に150℃および250℃まで高めて成膜したときの結果[上記(3)に相当]を示している。
Geの添加効果を示すため、これらの図28、図29、図30(いずれもGeあり)には、それぞれ、前述した図22、図23、図24(いずれもGeなし、ただし、La量は0.35原子%)の結果(▲、○)も並べて記載している。図28〜図30では、両者が重ならないように、プロットを横にずらして記載しており、同一のNi量において、右側の▲、○はGe添加例であり、左側の▲、○はGe無添加例である。更に両者の違いが一層分かるように、プロットのサイズも変えており、▲、○のサイズが大きいものはGe添加例であり、▲、○のサイズが小さいものはGe無添加例である。
図28〜図30より、Al合金膜として、Geを更に含むAl−Ni−La−Ge合金膜を用いたときも、前述したAl−Ni−La合金膜(Geなし)を用いたときとほぼ同様の傾向が見られることが分かった。すなわち、基板温度が低い場合には、加熱温度は総じて高くしないとアルカリ腐食を有効に防止することができないが、基板温度が高い場合には、加熱温度は低くしてもアルカリ腐食を抑えられることが分かる。しかも、基板温度と加熱温度の調整幅は、Al合金膜中のNi量やGe量に応じて決定されることも分かった。
また、Ge添加ありとGe添加なしの結果を対比すると明らかなように、Ge添加によって耐アルカリ腐食性が更に向上するため、Ni量および基板温度が同じ場合には、加熱温度の好ましい下限を更に下げることができることも分かった。特にGeの添加効果は、一律には整理できないものの、概ね、Ni量が約1原子%以下の低濃度のときに顕著に発揮される傾向があることも分かった。
詳細には、まず、図28(基板温度=室温)において、Al合金膜中のNi量が1原子%の場合について考察する。基板温度を室温としたとき、Geを含まないAl−1原子%Ni−0.2原子%La合金膜を用いたときは、加熱温度を250℃に設定しないと良好な耐アルカリ腐食性が得られなかったのに対し、Geを含むAl−1原子%Ni−0.2原子%La−0.5原子%Ge合金膜を用いたときは、200℃以上に加熱するだけで耐アルカリ腐食性が向上することが分かった。同様の傾向はAl合金膜中のNi量が0.5原子%の場合にも見られ、Geを含まないAl−0.5原子%Ni−0.2原子%La合金膜を用いたときは、加熱温度を250℃に設定しても良好な耐アルカリ腐食性は得られなかったのに対し、Geを含むAl−0.5原子%Ni−0.2原子%La−0.5原子%Ge合金膜を用いたときは、250℃に加熱すると耐アルカリ腐食性が向上した。
次に図29(基板温度=100℃)において、Al合金膜中のNi量が1原子%の場合について考察する。基板温度を100℃としたとき、Geを含まないAl−1原子%Ni−0.2原子%La合金膜を用いたときは、加熱温度を200℃に設定しないと良好な耐アルカリ腐食性が得られなかったのに対し、Geを含むAl−1原子%Ni−0.2原子%La−0.5原子%Ge合金膜を用いたときは、150℃以上に加熱するだけで、耐アルカリ腐食性が向上することが分かった。これと同様の傾向は、Ni量が0.5原子%および0.2原子%のときにも見られ、Ge含有Al合金膜を用いると、Geを含有しないAl合金膜を用いた場合に比べ、加熱温度の好ましい下限を下げられることが分かった。
更に、図30(基板温度=150℃および250℃)においても、上記と同様、Ni量が1原子%および0.2原子%のときにGeの添加効果が見られ、Ge含有Al合金膜を用いると、Geを含有しないAl合金膜を用いた場合に比べ、加熱温度の好ましい下限を下げられることが分かった。
上記図28〜図30の結果を勘案すると、(ア)基板温度と加熱温度の調整幅は、Al合金膜中のNi量だけでなくGe量も寄与していると思われること、(イ)Geの添加効果は、Ni量や基板温度によっても若干相違するが、概ね、Ni量が約1原子%以下の低濃度の場合に、概して、顕著に認められる傾向にあることも分かった。
なお、図28〜図30は、Al合金膜としてAl−Ni−La−Ge合金膜を用いた結果を示しているが、Niの代わりにCoを用いたとき、すなわち、Al−Co−La−Ge合金膜を用いたときも、上記と同様の傾向が見られることを実験により確認している。また、Niの代わりに、NiおよびCoの両方を用いたとき、すなわち、Al−(Ni+Co)−La−Ge合金膜を用いたときも、上記と同様の結果が得られることを実験により確認している。
(表1〜3)
前述した実施例1において、反射電極として、純Al膜およびAl−Ni−La合金膜(膜厚:100nm)をスパッタリング法によって形成したこと以外は、実施例1と同様にして熱処理を施した。なお、比較のために、熱処理を施さなかったものも用意した。その後、実施例1と同様にして、耐アルカリ腐食性、および接触抵抗を調べた。
これらの結果を表1および表2に示す。また、表1のNo.1(純Al膜)およびNo.19(Al−2原子%Ni−0.35原子%La)について、上記のようにして測定した電極電位の結果を表3に示す。表3には、比較のため、poly−ITO膜の電極電位の結果も併記した。
表1および表2の結果から明らかなように、本発明の方法によって製造したAl合金膜(表1のNo.5、6、8〜10、12〜14、16〜18、23、26、27、29〜31、33〜35、表2のNo.40、45、48、49、52、53)は、いずれも、耐アルカリ腐食性に優れ、且つ、Al系合金膜とITO膜との接触抵抗値も低い。
また、表3より、本発明に用いられるAl−Ni−La合金膜を使用すれば、純Al(No.1)に比べ、ITO膜との電極電位差を小さく抑えられることも分かった。
なお、上記の表1〜表3は、Al合金膜としてAl−Ni−La合金膜を用いた結果を示しているが、Niの代わりにCoを用いたとき、すなわち、Al−Co−La合金膜を用いたときも、上記と同様の傾向が見られることを実験により確認している。
5 ゲート配線
7 データ配線
11 半透過型液晶表示装置
13 共通電極
15 対向基板
16 ブラックマトリックス
17 カラーフィルター
19 画素電極
19a 透明画素電極
19b 反射電極
21 TFT基板
23 液晶層
41 バックライト
51 バリアメタル層
T スイッチング素子(TFT)
P 画素領域
A 透過領域
B 周囲光(人工光源)
C 反射領域
F バックライトからの光

Claims (4)

  1. 酸化物透明導電膜の上に反射電極用のAl合金膜が直接接続されてなる構造を備えた表示装置の製造方法であって、
    基板上に前記酸化物透明導電膜を形成する第1の工程と、
    前記酸化物透明導電膜上に前記Al合金膜を形成する第2の工程と、
    前記Al合金膜を加熱する第3の工程と、を包含し、
    前記Al合金膜は、Coを0.1〜4原子%、Laを0.1〜2原子%含有するAl−Co−La合金;Coを0.1〜4原子%、Laを0.1〜2原子%、Geおよび/またはCuを0.1〜2原子%含有するAl−Co−La−(Ge/Cu)合金;Niおよび/またはCoを0.1〜4原子%、Ndを0.1〜2原子%含有するAl−(Ni/Co)−Nd合金;Niおよび/またはCoを0.1〜4原子%、Ndを0.1〜2原子%、Geおよび/またはCuを0.1〜2原子%含有するAl−(Ni/Co)−Nd−(Ge/Cu)合金のいずれかであり、
    前記第2の工程における基板温度と前記第3の工程における加熱温度の関係について、
    (1)基板を加熱しないときは、加熱温度の下限を200〜250℃に設定し、
    (2)基板を100℃以上250℃以下の温度に加熱するときは、加熱温度の下限を100〜200℃に設定する
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 更に、(3)基板を150℃以上250℃以下の温度に加熱するときは、加熱温度の下限を100〜150℃に設定するものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第3の工程における加熱温度の上限は350℃である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記酸化物透明導電膜が、酸化インジウムスズ(ITO)または酸化インジウム亜鉛(IZO)である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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