JP2011033811A - レンズ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズ鏡胴本体内のレンズの位置を検出するための抵抗体基板を配設する際に、抵抗体基板の外周端面からゴミが脱落しない構造にする。
【解決手段】レンズの光軸方向における位置を検出するレンズ位置検出手段は、レンズを保持する移動枠の外周に突設された移動接点部と、前記移動接点部が摺動する抵抗体基板110と、抵抗体基板110を保持するとともに、レンズ鏡胴本体の外周に取付けられた抵抗体基板固定枠120とを有し、抵抗体基板固定枠120は、前記移動接点部を光軸方向に移動自在に挿通させて移動接点部を抵抗体基板110の抵抗体に接触させるための長孔121と、抵抗体基板110の外周端面118を囲む側壁部122を含んで構成されている。
【選択図】図5
【解決手段】レンズの光軸方向における位置を検出するレンズ位置検出手段は、レンズを保持する移動枠の外周に突設された移動接点部と、前記移動接点部が摺動する抵抗体基板110と、抵抗体基板110を保持するとともに、レンズ鏡胴本体の外周に取付けられた抵抗体基板固定枠120とを有し、抵抗体基板固定枠120は、前記移動接点部を光軸方向に移動自在に挿通させて移動接点部を抵抗体基板110の抵抗体に接触させるための長孔121と、抵抗体基板110の外周端面118を囲む側壁部122を含んで構成されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、レンズ装置に係り、特に光軸方向の移動可能なレンズの光軸方向における位置を検出するレンズ位置検出構造に関する。
従来、テレビの取材等で使用される持ち運び可能なENG(Electronic News Gathering)カメラに用いられるレンズ装置が知られている(特許文献1)。また、変倍レンズの位置を検出する変倍レンズ位置検出手段を備えたレンズ装置が知られている(特許文献2)。また、プリント基板の表面に設けた抵抗体に接点が摺動する構造を有するポテンショメータ基板が知られている(特許文献3)。
レンズ鏡胴本体内のレンズの位置を検出するための抵抗体基板(いわゆるポテンショメーター基板)をレンズ鏡胴本体の外側に取付ける際に、抵抗体基板の外周端面からゴミが脱落し、脱落したゴミがレンズに付着したりレンズ鏡胴本体内に入り込んでしまうといった問題がある。その一方で、外周端面からゴミが脱落しないような材質の基板は一般に高価である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、レンズ鏡胴本体内のレンズの位置を検出するための抵抗体基板をレンズ鏡胴本体の外側に配設する際に、抵抗体基板の外周端面からゴミが脱落しない構造を有するレンズ装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、レンズ鏡胴本体に対して光軸方向に移動自在に配設されたレンズと、前記レンズの光軸方向における位置を検出するレンズ位置検出手段とを備えたレンズ装置において、前記レンズ位置検出手段は、前記レンズを保持する移動枠の外周に突設された移動接点部と、前記移動接点部が摺動する抵抗体を含む基板と、前記基板を保持するとともに、前記レンズ鏡胴本体の外周に取付けられた枠体と、を有し、前記枠体は、前記移動接点部を前記光軸方向に移動自在に挿通させて前記移動接点部を前記基板の前記抵抗体に接触させるための長孔と、前記基板の外周端面を囲む側壁部とを含むことを特徴とするレンズ装置を提供する。
本発明によれば、移動枠の外周に突設された移動接点部がレンズの移動に伴ってレンズ鏡胴本体の外側の抵抗体に対し摺動することで、光軸方向におけるレンズの絶対位置を容易に検出することができる。しかも、抵抗体を含む基板(抵抗体基板)の外周端面が枠体(抵抗体基板固定枠)の側壁部によって囲まれているので、組立時に基板の外周端面を手等で触れることがなくなり、基板の外周端面からのゴミの脱落を防ぐことができる。
例えば、前記基板は、ガラスエポキシ樹脂を含む。
本発明の一実施態様では、前記基板の全外周端面と前記枠体の前記側壁部との間に隙間が設けられ、該隙間に充填材が充填されていることを特徴とする。即ち、基板の全外周端面と枠体の側壁部との間の隙間に充填材が充填されているので、組立時に基板の外周端面からのゴミの脱落を確実に防ぐことができる。
例えば、前記レンズは、変倍レンズである。即ち、変倍レンズの光軸方向における絶対位置を検出する。他のレンズ(例えばフォーカスレンズ)の光軸方向における絶対位置を検出する構成にしてもよい。
本発明によれば、光軸方向におけるレンズの絶対位置を検出できるとともに、レンズ鏡胴本体内のレンズの位置を検出するための抵抗体基板をレンズ鏡胴本体の外側に配設する際に、抵抗体基板の外周端面からのゴミが脱落しないようにすることができる。
以下、添付図面に従って本発明の実施の形態について、説明する。
[レンズ装置の全体構成]
図1は、本発明が適用された例えば民生用のビデオカメラ、テレビ放送用のENGカメラ、監視用カメラ等に適用されるリアフォーカス式で可変焦点距離のレンズ装置を側面から見た断面図であり、光軸Oから上半分に関して示している。
図1は、本発明が適用された例えば民生用のビデオカメラ、テレビ放送用のENGカメラ、監視用カメラ等に適用されるリアフォーカス式で可変焦点距離のレンズ装置を側面から見た断面図であり、光軸Oから上半分に関して示している。
図1において、レンズ装置1は、主として前枠10、前固定環12、第1本体環14、第2本体環16、後固定環18、マウント取付枠20、及び、マウント環22によって、略円筒状に構成されている。
第1本体環14の外周前方側に前固定環12がねじにより固定され、前固定環12の前方に前枠10がねじにより固定されている。また、第1本体環14の外周後方側に第2本体環16が、第2本体環16の後方に後固定環18が、後固定環18の後方にマウント取付枠20が、マウント取付枠20の後方にマウント環22が、それぞれねじにより固定されている。
尚、前枠10には、レンズフード24が装着できるようになっている。また、レンズ装置1は、マウント環22を介してレンズ交換式のカメラ本体に装着される。
このレンズ装置1における光学系は、物体側から順に、固定レンズ(第1群レンズ)30、ズーム(変倍)レンズ(第2群レンズ)32、前マスターレンズ(第3群レンズ)34、フォーカスレンズ(第4群レンズ)36、及び、後マスターレンズ(第5群レンズ)38の5群から構成されている。また、前マスターレンズ34の直前には、虹彩絞り40が設けられている。
ズームレンズ32が取り付けられたレンズ枠42は、押え環44により移動枠46に固定されている。第1本体環14の内周部にはカム筒48が回動可能に保持されており、移動枠46は、カムピン46Aを介してカム筒48の内周部に保持されている。
即ち、第1本体環14の内周面には光軸O方向の直進溝14Aが形成されるとともに、カム筒48にはカム溝(カム形状の孔)48Aが形成されており、移動枠46に固定されたカムピン46Aが、カム筒48のカム溝48Aを挿通して第1本体環14の直進溝14Aに係合されている。これによって移動枠46は、回転が規制された状態で光軸O方向に直進可能に保持されるとともに、カムピン46Aがカム溝48Aに係合する位置に保持される。
従って、カム筒48が回動すると、カム筒48のカム溝48Aと第1本体環14の直進溝14Aとの交差位置がカム形状に応じた位置に変化し、その交差位置へのカムピン46Aの移動によって移動枠46が光軸O方向に進退移動する。
一方、第2本体環16の外周部には、ズームリング50が回動可能に配置されており、そのズームリング50の内周面の径方向内向きに棒状の連結軸52が取り付けられている。この連結軸52は、第1本体環14に形成された周方向の長孔(図示せず)を挿通してカム筒48に連結されている。これにより、ズームリング50を回動操作すると、それに連動してカム筒48が回動する。カム筒48が回動すると、上述のように移動枠46が進退移動し、移動枠46と連動してズームレンズ32が光軸O方向に移動する。従って、ズームリング50の回動操作によりズーム倍率が変更されるようになっている。
虹彩絞り40は、主としてプラスチック製の地板(絞り枠)54と、菊座(カム板)56と、絞り枠54とカム板56との間に配置された複数枚の絞り羽根58とによって構成されている。後固定環18とマウント取付枠20との間には、アイリスリング60が回動可能に配設され、このアイリスリング60には、カム板56から延出する連結軸56Aが連結されている。これにより、アイリスリング60の回動によりカム板56が回動し、絞り羽根58が開閉動作するようになっている。
フォーカスレンズ36は、光学系の焦点位置を変更するもので、前マスターレンズ34等を保持する保持枠62と、この保持枠62の後端に配設される後マスターレンズ38のレンズ枠64との間に保持されているガイド軸及び回り止め(図示せず)により、光軸O方向に移動可能に支持されている。また、保持枠62には、ガイド軸を挟んで一対のボイスコイルモータ(VCM)66が配設されており、フォーカスレンズ36は、このVCM66の動力によって電動で駆動されるようになっている。
前固定環12の外周部には、第1フォーカスリング70及び第2フォーカスリング72がそれぞれ回動可能に配置されている。第1フォーカスリング70は、回動範囲が規制されておらず、エンドレスに回転させることができるとともに、光軸方向にスライド可能に配設されている。また、第2フォーカスリング72は、ストッパー軸74により約120度の範囲内で回動できるように規制されている。
第1フォーカスリング70と第2フォーカスリング72とが対向する端面には、それぞれ鋸歯状のクラッチ部70A、72Aが形成されており、図1に示す状態では、クラッチ部70A,72Aが連結(噛合)し、第1フォーカスリング70と第2フォーカスリング72とが一体的に回動する。従って、この状態で、第1フォーカスリング70を手動で回動させる場合には、約120度の範囲内でのみ回動させることができる。
一方、第1フォーカスリング70を、クリック用弾性部材76を乗り越えるように前方にスライドさせると、前記クラッチ部70A、72Aの連結が外れる。これにより第1フォーカスリング70は、エンドレスで回転できるようになる。
上記構成のレンズ装置1の側面には、ねじ孔80、82を介してグリップ部を兼ねた駆動部(図示せず)が取り付けられる。
駆動部は、ズームリング50、アイリスリング60を駆動するための駆動手段を有するとともに、内部に制御基板が配設され、シーソー式のズームスイッチにより電動でズームレンズ32等を駆動制御するとともに、フォーカスレンズ36や虹彩絞り40を制御する。
<各種の検出手段>
図2は、第1本体環14(レンズ鏡胴本体)を後方(アイリスリング60側)から観た斜視図である。図2にて、第1本体環14の外周には、光軸方向に沿って、ズームレンズ32の位置を検出するためのリニアポテンショメータ(ズームリニアPOT)としての抵抗体基板110を保持した抵抗体基板固定枠120が取付けられている。尚、抵抗体基板110及び抵抗体基板固定枠120の詳細については、後述する。
図2は、第1本体環14(レンズ鏡胴本体)を後方(アイリスリング60側)から観た斜視図である。図2にて、第1本体環14の外周には、光軸方向に沿って、ズームレンズ32の位置を検出するためのリニアポテンショメータ(ズームリニアPOT)としての抵抗体基板110を保持した抵抗体基板固定枠120が取付けられている。尚、抵抗体基板110及び抵抗体基板固定枠120の詳細については、後述する。
抵抗体基板110は、カム筒48の回転によりズームレンズ32が光軸方向に移動すると、その移動位置に対応した位置信号(絶対位置を示す信号)をリード線を介して駆動部に出力する。
カム筒48の後端面には、N極、S極が着磁された磁気リング84が接着されており、第1本体環14には、磁気リング84に対向して磁気センサ(MRセンサ)が配設されている。カム筒48とともに磁気リング84が回転すると、MRセンサはその回転量に対応するパルス数のパルス信号(相対位置を示す信号)をリード線を介して駆動部に出力する。
尚、ズームリニアPOTの出力は、電源投入時に使用され、その後は、ズーム位置検出用のMRセンサの出力が使用される。
フォーカスレンズ36のガイド軸に対向する保持枠62には、フォーカスレンズ位置検出用のMRセンサが配設されており、このMRセンサは、フォーカスレンズ36の移動量に対応するパルス数のパルス信号(相対位置を示す信号)をリード線を介して駆動部に出力する。また、フォーカスレンズ36の基準位置を検出するためのホームポジションセンサ(フォトインタラプタ)が保持枠62内に配設されており、駆動部は、ホームポジションセンサによって検出されたフォーカスレンズ36の基準位置を基準にしてMRセンサの出力信号をカウントすることによりフォーカスレンズ36の絶対位置を検知している。
第1フォーカスリング70及び第2フォーカスリング72の周囲には、それぞれ歯車70B,72Bが形成されており、これらの歯車70B,72Bは、それぞれ駆動部側に設けられた相対位置検出型センサ(インクリメンタルエンコーダ)、及び絶対位置検出型センサ(アブソリュートエンコーダ)の検出軸の歯車に連結している。
これにより、駆動部は、第1フォーカスリング70の相対的な回転量を検知することができるとともに、第2フォーカスリング72の絶対的な回転位置を検知することができる。
また、前固定環12の先端部には、フォトインタラプタ86が配設されており、一方、第1フォーカスリング70の先端には、遮光板70Cが設けられている。このフォトインタラプタ86は、遮光板70Cの有無を示す検出信号を駆動部に出力する。これにより駆動部は、フォトインタラプタ86からの検出信号により第1フォーカスリング70が第2フォーカスリング72に連結しているか否かを検知することができる。
[レンズ制御]
マウント取付枠20の側面には、スライド式のマクロON/OFFスイッチと、AF/MF切替えスイッチと、ノンロック式のAFプッシュスイッチとが配設されており、これらのスイッチの操作に伴う出力信号は、リード線を介して駆動部に加えられるようになっている。
マウント取付枠20の側面には、スライド式のマクロON/OFFスイッチと、AF/MF切替えスイッチと、ノンロック式のAFプッシュスイッチとが配設されており、これらのスイッチの操作に伴う出力信号は、リード線を介して駆動部に加えられるようになっている。
ここで、マクロON/OFFスイッチは、マクロ撮影モードをON/OFFさせるスイッチである。AF/MF切替えスイッチは、被写体像のコントラストが最大になるように自動的にフォーカスレンズ36を移動させて焦点調節を行うオートフォーカス(AF)モードと、第1フォーカスリングを手動で回動操作することによりフォーカスレンズ36を移動させて焦点調節を行うマニュアルフォーカス(MF)モードとを切り替えるスイッチである。AFプッシュスイッチは、AF/MF切替えスイッチによりMFモードに切り替えられている場合に、キートップが押下(プッシュ)されている期間だけAFモードに切り替えるスイッチである。
<フォーカス制御>
AF/MF切替えスイッチによりAFモードに切り替えられている場合には、駆動部は、第1フォーカスリング70、第2フォーカスリング72の操作にかかわらず、自動的にフォーカスレンズ36を合焦位置に移動させるAF制御を行う。
AF/MF切替えスイッチによりAFモードに切り替えられている場合には、駆動部は、第1フォーカスリング70、第2フォーカスリング72の操作にかかわらず、自動的にフォーカスレンズ36を合焦位置に移動させるAF制御を行う。
一方、AF/MF切替えスイッチによりMFモードに切り替えられている場合には、第1フォーカスリング70のスライド位置に応じて、フルMFモード(端付き)とAF/MFモード(エンドレス)とが切り替えられるようになっている。
即ち、駆動部は、前述したフォトインタラプタ86からの検出信号により第1フォーカスリング70のスライド位置(第1フォーカスリング70が第2フォーカスリング72に連結しているか否か)を検知することができ、第1フォーカスリング70が第2フォーカスリング72に連結している場合にはフルMFモードに切り替え、第1フォーカスリング70が第2フォーカスリング72に連結していない場合にはAF/MFモードに切り替える。
駆動部は、第1フォーカスリング70が第2フォーカスリング72に連結しているフルMFモード時には、第2フォーカスリング72の歯車72Bに連結している絶対位置検出型センサからの絶対位置信号(至近から無限遠の範囲内の撮影距離を指令する信号)と、電源投入時のズームリニアPOTの出力及びその後のズーム位置検出用のMRセンサの出力から得られるズーム位置の絶対位置を示す信号(ズーム倍率を示す信号)とに基づいてフォーカスレンズ36を駆動制御する。即ち、撮影距離に対応するフォーカスレンズ36の移動すべき位置は、ズームレンズ32の現在のズーム位置(ズーム倍率)に応じて予め設定されており、駆動部は、第1フォーカスリング70の手動操作に連動して第2フォーカスリング72が回動すると、その回動位置を示す信号(撮影距離を指令する信号)と現在のズーム倍率とに基づいてフォーカスレンズ36を対応する位置に移動させる。
このようにフルMFモードに切り替えられると、第1フォーカスリング70を手動で操作することにより、フォーカスレンズ36を所望の撮影距離に対応する位置に移動させることができる。尚、第1フォーカスリング70は、ストッパー軸74によって回動範囲が規制されている端付きの第2フォーカスリング72に連結しているため、その回動範囲が第2フォーカスリング72と同様に規制され、至近端から無限遠端に対応する回動範囲内で回動できるようになっている。
上記フルMFモードは、第1フォーカスリング70が第2フォーカスリング72を介して回動範囲が制限されており、操作者は、第1フォーカスリング70が端に到達したときの操作感によってフォーカスレンズ36が至近端又は無限遠端に到達したことを認識することができる。このような第1フォーカスリング70のみによるフォーカス操作は、本職のカメラマン等が使い慣れた方式である。
一方、第1フォーカスリング70が第2フォーカスリング72に連結していないAF/MFモード時には、第1フォーカスリング70を回動させることによりフォーカスレンズ36を移動させるMFモードと、前述したAFプッシュスイッチの押下によるAFモードとを適宜使い分けてフォーカス制御を行うことができる。
即ち、駆動部は、AF/MFモード時に第1フォーカスリング70が操作され、第1フォーカスリング70の歯車70Bに連結している相対位置検出型センサからの相対位置信号を入力すると、その相対位置信号に基づいてフォーカスレンズ36を駆動制御し、第1フォーカスリング70の回動量に対応した移動量だけフォーカスレンズ36を移動させる。
尚、AF/MFモード時には第1フォーカスリング70は、第2フォーカスリング72に連結していないため、その回動範囲が規制されずエンドレスで回転できるが、駆動部は、フォーカスレンズ36が無限遠端又は至近端の位置まで移動すると、その端を超える移動指令は出力しないようにしている。
また、AF/MFモード時にAFプッシュスイッチの押下によりAFモードに一時的に切り替え、その後、AFプッシュスイッチから手を離してMFモードに切り替えると、AFモードによって自動的に合焦したフォーカスレンズ36の位置を引き継いで、第1フォーカスリング70を操作した分だけフォーカスレンズ36を変位させることができ、使い勝手がよくなる。
<ズーム制御>
駆動部に設けられているシーソー式のズームスイッチを操作すると、駆動部内の電動モータからズームリング50の周囲に形成されている歯車50Aに回転駆動力が伝達され、これによりズームリング50を回動させることができるようになっている。また、ズームリング50(ズームリング50に植設された図示しないズームレバー)を手動で操作することにより、ズームリング50を回動させることができるようになっている。
駆動部に設けられているシーソー式のズームスイッチを操作すると、駆動部内の電動モータからズームリング50の周囲に形成されている歯車50Aに回転駆動力が伝達され、これによりズームリング50を回動させることができるようになっている。また、ズームリング50(ズームリング50に植設された図示しないズームレバー)を手動で操作することにより、ズームリング50を回動させることができるようになっている。
ズームリング50が回動すると、連結軸52を介して連結されているカム筒48が回動し、カム筒48が回動すると、第1本体環14に形成されている直進溝14A及びカム筒48のカム溝48Aに係合しているカムピン46Aを介して移動枠46が光軸O方向に進退移動する。このようにズームリング50を回動させると、ズームレンズ32を光軸O方向に移動させることができ、ズーム倍率を変更させることができる。
上記のようにしてズームレンズ32の移動によりズーム倍率が変化すると、焦点面が移動するが、駆動部は、ズーム倍率の変化に伴う焦点面の移動を補正する補正光学系としてフォーカスレンズ36を兼用し、ズーム倍率にかかわらず焦点面が移動しないようにフォーカスレンズ36の位置を制御している。
即ち、駆動部は、ズーム操作前の現在のズームレンズ32のズーム位置を、電源投入時の抵抗体基板110(ズームリニアPOT)の出力及びその後のズーム位置検出用のMRセンサの出力から取得するとともに、現在のフォーカスレンズ36の位置をフォーカスレンズ位置検出用のMRセンサから取得し、予め撮影距離毎に準備されている焦点面を移動させないズーム位置とフォーカスレンズ位置との関係を示す補正曲線から、前記取得したズーム位置及びフォーカスレンズ位置に基づいて対応する補正曲線を選択し、その後、ズームレンズ32の移動量が、ズームレンズ位置検出用のMRセンサの出力信号に基づいて検出されると、この検出されたズーム位置に対応するフォーカスレンズ位置(焦点面を移動させないフォーカスレンズ位置)を前記選択した補正曲線から読み出し、読み出したフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ36を移動させる。
これにより、フォーカス制御により焦点面が、レンズ装置1が装着されたカメラ本体の撮像素子上に位置するようにピント調整した後、ズーム倍率を変更しても焦点面が移動しないようにする(ピントがずれないようにする)ことができる。
以上のように、ズーム倍率を変更しても焦点面が移動しないようにすることができる。従って、一旦、フォーカス制御により焦点面がレンズ装置1が装着されたカメラ本体の撮像素子上に位置するようにピント調整すると、その後、ズーム操作してもピントがずれないようにすることができる。
[実施の形態]
次に、上記構成のレンズ装置1に適用されたレンズ位置検出構造について詳述する。尚、以下では絶対位置検出用のズームリニアPOT(抵抗体基板110)に関する構造について説明し、MRセンサに関する構造についての説明を省略する。
次に、上記構成のレンズ装置1に適用されたレンズ位置検出構造について詳述する。尚、以下では絶対位置検出用のズームリニアPOT(抵抗体基板110)に関する構造について説明し、MRセンサに関する構造についての説明を省略する。
図3は、抵抗体基板110及び移動接点部130及びその周辺部を示す側面図である。図4は、図3の移動接点部130及びその周辺部を拡大して示す拡大図である。尚、図1及び図2に示した要素には同じ番号を付してあり、既に説明した内容の説明を省略する。
図4に示すように、抵抗体基板110は、ガラスエポキシ樹脂を基材111とし、基材111の一方の面に抵抗体112が形成されている。移動接点部130は、移動枠46の外周に突設された突設体132と、抵抗体基板110の抵抗体112に対し摺動自在に接触するブラシ134(摺動接点)と、ブラシ134を突設体132に対し固定する固定部材136とを含んで構成されている。移動接点部130は、図3に示すように、レンズ枠42を介してズームレンズ32を保持した移動枠46の外周に突設され、移動枠46及びレンズ枠42及びズームレンズ32とともに光軸0方向に沿って移動し、抵抗体基板110の抵抗体112に対し摺動する。
図5は、抵抗体基板110及び抵抗体基板固定枠120を示す分解斜視図である。
図5に示すように、抵抗体基板固定枠120は、図3の移動接点部130をズームレンズ32の光軸0方向に移動自在に挿通させて移動接点部130のブラシ134を抵抗体基板110の抵抗体112に接触させるための長孔121と、抵抗体基板110の外周端面を囲む側壁部122と、側壁部122から側壁部122の内側に向けて張り出して抵抗体基板110の全外周縁を支持する内フランジ123とを含んで構成されている。言い換えると、抵抗体基板固定枠120に凹部160が形成され、凹部160の底面に長孔121が形成され、その凹部160に抵抗体基板110を落とし込む構造になっている。
また、抵抗体基板固定枠120には、抵抗体基板110を抵抗体基板固定枠120に対し位置決めするためのボス124と、抵抗体基板110を抵抗体基板固定枠120にネジ止めするためのネジ孔125と、抵抗体基板固定枠120を本体環14にネジ止めするためのネジ孔126とが形成されている。抵抗体基板110には、抵抗体基板固定枠120のボス124に対応するボス孔114と、抵抗体基板110を抵抗体基板固定枠120にネジ止めするためのネジ孔115と、抵抗体基板固定枠120の符号126のネジ孔に対応するネジ孔116とが形成されている。また、抵抗体基板固定枠120の本体環14に対する配置面127には、図2の本体環14の外周面のリブ142に対応する形状の溝部128が形成されている。
抵抗体基板固定枠120の凹部160の長手方向幅は抵抗体基板110の長手方向幅よりも大きく、且つ、抵抗体基板固定枠120の凹部160の短手方向幅は抵抗体基板110の短手方向幅よりも大きい。
抵抗体基板110には、ズームレンズ32の光軸0方向における絶対位置を信号値として取り出すための電極端子119が配設されている。この電極端子119には図2のコネクタ94が接続される。
移動接点部130がズームレンズ32とともに光軸0方向において移動すると、移動接点部130のブラシ134が抵抗体112に対し摺動し、電極端子119間の抵抗値がブラシ134の光軸0方向における位置に応じて(即ちズームレンズ32の光軸0方向における位置に応じて)、変化する。
本実施形態では、抵抗体基板110及び抵抗体基板固定枠120及び移動接点部130を含んで、ズームレンズ32の光軸方向における絶対位置を検出するレンズ位置検出部11が構成されている。
以下では、レンズ位置検出部11及びその周辺部の組み立て方法について説明する。
まず、図5の抵抗体基板固定枠120の凹部160に抵抗体基板110を落とし込み、図6に示すように、抵抗体基板固定枠120のボス124に抵抗体基板110のボス孔114を嵌合させることで、抵抗体基板110を抵抗体基板固定枠120に対し位置決めする。
次に、抵抗体基板110を抵抗体基板固定枠120にネジ止めする。即ち、図6の符号115のネジ孔から図示を省略したネジを挿入して、抵抗体基板110を抵抗体基板固定枠120にネジ止めする。この状態にて、抵抗体基板110の全外周端面118と抵抗体基板固定枠120の側壁部122との間には、抵抗体基板110の全外周端面118にわたって均一な隙間150が形成される。
次に、隙間150に、充填材を充填する。例えば、隙間150に合成樹脂接着材を流し込む。これにより、抵抗体基板110の全外周端面118が完全に封止される。尚、充填材として、感光性硬化樹脂を用い、光を照射した時点で硬化させるようにしてもよい。
次に、抵抗体基板110が取り付けられた抵抗体基板固定枠120を、図7に示す本体環14の外周面に配置する。ここで、抵抗体基板固定枠120の配置面127を本体環14の外周の枠配置部146に係合させる。抵抗体基板固定枠120の溝部128が本体環14のリブ142の一部に嵌合することで、抵抗体基板固定枠120がズームレンズ32の光軸0方向において位置決めされる。図7に示すように、本体環14に移動接点部130用の長孔144が形成されており、リブ142のうち本体環14の長孔144に隣接する部分に、枠配置部146としての切り欠き146が形成されている。
次に、抵抗体基板固定枠120を本体環14に対しネジ止めする。即ち、図6の抵抗体基板110の符号116のネジ孔116からネジ(図2の146)を挿入し、抵抗体基板固定枠120のネジ孔126を貫通させて、本体環14に対しネジ止めする。
次に、図7のリード線92を図6の抵抗体基板固定枠120のリード線係止部129に係止させ、リード線92の端部に設けたコネクタ94を、図6の抵抗体基板110の電極端子119に接続する。そうすると、図2に示した状態となる。
図8は、本体環14の外周に抵抗体基板110及び抵抗体基板固定枠120を取付けた状態で、本体環14及び抵抗体基板110及び抵抗体基板固定枠120を図2の8−8線にて切断した様子を示す。
なお、本例ではズームリニアPOTにて電源投入時のズームレンズ32の位置を検出するが、本発明はこのような場合に特に限定されず、電源投入後のどのような期間にて検出するようにしてもよい。
また、ズームレンズ32(変倍レンズ)の位置を検出する場合を例に説明したが、本発明は他のレンズ(例えばフォーカスレンズ)の位置を検出場合にも適用できる。
本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいのはもちろんである。
1…レンズ装置、14…本体環、32…ズームレンズ(変倍レンズ)、46…移動枠、110…抵抗体基板、114…抵抗体、120…抵抗体基板固定枠、121…抵抗体基板固定枠の長孔、122…抵抗体基板固定枠の側壁部、127…抵抗体基板固定枠の配置面、130…移動接点部、150…隙間、160…抵抗体基板固定枠の凹部
Claims (4)
- レンズ鏡胴本体に対して光軸方向に移動自在に配設されたレンズと、前記レンズの光軸方向における位置を検出するレンズ位置検出手段とを備えたレンズ装置において、
前記レンズ位置検出手段は、
前記レンズを保持する移動枠の外周に突設された移動接点部と、
前記移動接点部が摺動する抵抗体を含む基板と、
前記基板を保持するとともに、前記レンズ鏡胴本体の外周に取付けられた枠体と、
を有し、
前記枠体は、前記移動接点部を前記光軸方向に移動自在に挿通させて前記移動接点部を前記基板の前記抵抗体に接触させるための長孔と、前記基板の外周端面を囲む側壁部とを含むことを特徴とするレンズ装置。 - 前記基板は、ガラスエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
- 前記基板の全外周端面と前記枠体の前記側壁部との間に隙間が設けられ、該隙間に充填材が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ装置。
- 前記レンズは、変倍レンズであることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載のレンズ装置。
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Cited By (1)
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-
2009
- 2009-07-31 JP JP2009179714A patent/JP2011033811A/ja active Pending
Cited By (2)
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