JP2011033081A - リップシール装置およびそれを用いた流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】抜け防止や組み付けの容易性を維持したままで、リップシール装置を傾きにくくし、簡易にガス漏れのリスクを低減できるリップシール装置およびそれを用いた流体機械を提供することを目的とする。
【解決手段】環状保形材29の外周に弾性変形可能な環状のリップシール材31が設けられているリップシール装置25において、リップシール材31の外周面に、少なくとも3条以上の環状突起33,34,35が軸線方向に所定ピッチで設けられ、該環状突起33,34,35の軸線方向の両端側に位置する環状突起33,35が、リップシール装置収容部26の内周面に加圧接触されるシール用環状突起33,35とされるとともに、該シール用環状突起33,35の間に位置する環状突起34が、リップシール装置収容部26の内周面に設けられている環状溝28に係止される係止用環状突起34とされている。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転軸を備えている流体機械の軸封部等に適用されるリップシール装置およびそれを用いた流体機械に関するものである。
ハウジングの内部に流体機構が設けられているポンプ、圧縮機、膨張機等の流体機械であって、流体機構に結合されている回転軸の一端がハウジングを貫通して外部に突出されている、いわゆる開放型の流体機械では、ハウジング内を流動するガスが回転軸の貫通部から外部に漏出しないように回転軸の貫通部を軸封している。この軸封部には、従来からリップシール装置が用いられている。
リップシール装置は、剛性の高い金属製の環状保形材の内外周に、弾性変形可能なゴム材等からなる環状のメインリップシール材、サブリップシール材等を設けた構成とされており、保形材と対応しているメインリップシール材の外周部をハウジング側のリップシール収容部に圧入し、メインリップシール材およびサブリップシール材のリップ部を回転軸の外周に圧接させて組み付けることより、回転軸の貫通部を軸封していた。
かかるリップシール装置において、ハウジング側の収容部からの抜け落ちを防止するとともに、該収容部に対する組み付けの容易性を確保するため、ハウジング側の収容部の内周面に環状溝を設けるとともに、その外部側に内向きに突出形成されたフランジ部を設ける一方、リップシール装置のメインリップシール材の外周部に、収容部の内周面に加圧接触される弾性変形可能な複数条のシール突部と、その前側または後側に位置する弾性変形可能な前記環状溝に係合される係合突部とを設けたシール構造が、特許文献1にて提案されている。
特開平11−248005号公報(図3、図5参照)
特許文献1に提示されたものは、ハウジングの内部側からフランジ部に向けてリップシール装置を圧入し、メインリップシール材の外周部に設けられている係合突部を環状溝に係合することによって、リップシール装置の抜け止めを図ったもので、スナップリング等を用いることなく、リップシール装置を組み付けることができるため、組み付けの容易性を確保できるものである。しかしながら、メインリップシール材の外周部に設けられている複数条のシール突部に対して、それの軸線方向の前側または後側に環状溝に係合される係合突部を設けた構成とされている。
このため、リップシール装置をハウジング側の収容部内周面に保持、固定する機能を担う複数条のシール突部間のピッチ寸法が小さくなってしまい、例えばハウジング内が負圧となってリップシール装置に内向きの力が付加され、メインリップシール材が弾性変形されたり、位置ずれが生じたりしたとき、リップシール装置が傾き易く、ガス漏れのリスクが大きくなるという問題があった。また、リップシール装置を傾き難くするため、保形材を高剛性化することが考えられるが、コスト上昇を招くという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、抜け防止や組み付けの容易性を維持したまま、リップシール装置を傾きにくくし、簡易にガス漏れのリスクを低減できるリップシール装置およびそれを用いた流体機械を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明のリップシール装置およびそれを用いた流体機械は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるリップシール装置は、環状保形材の外周に弾性変形可能な環状のリップシール材が設けられているリップシール装置において、前記リップシール材の外周面に、少なくとも3条以上の環状突起が軸線方向に所定ピッチで設けられ、該環状突起の軸線方向の両端側に位置する環状突起が、リップシール装置収容部の内周面に加圧接触されるシール用環状突起とされるとともに、該シール用環状突起の間に位置する環状突起が、前記リップシール装置収容部の内周面に設けられている環状溝に係止される係止用環状突起とされていることを特徴とする。
本発明によれば、リップシール材の外周面に少なくとも3条以上の環状突起を設け、該環状突起の軸線方向の両端側に位置する環状突起をリップシール装置収容部の内周面に加圧接触されるシール用環状突起とするとともに、このシール用環状突起の間に位置する環状突起をリップシール装置収容部の内周面に設けられている環状溝に係止される係止用環状突起としているため、少なくとも3条以上の環状突起の内の1つである中央の環状突起を環状溝に係止される係止用環状突起としてリップシール装置の抜けを防止できるとともに、軸線方向の両端側に位置する複数条の環状突起をシール用環状突起として収容部の内周面との間をシールでき、しかも、複数条のシール用環状突起間のピッチを可及的に大きくしてリップシール装置の姿勢保持機能を向上し、その傾きを防止することができる。従って、リップシール装置が傾くことによるガス漏れのリスクを確実に低減し、シール機能を向上することができるとともに、リップシール材を支持する環状保形材の構成を簡素化し、コスト低減を図ることができる。
また、本発明のリップシール装置は、上記のリップシール装置において、前記シール用環状突起および前記係止用環状突起は、少なくとも前記リップシール装置収容部に対する圧入方向側の突出面が軸線方向に漸次拡径するテーパ面とされていることを特徴とする。
本発明によれば、シール用環状突起および係止用環状突起のリップシール装置収容部に対する圧入方向側の突出面が軸線方向に漸次拡径するテーパ面とされているため、リップシール装置をその収容部に対して圧入しやすくすることができる。従って、リップシール装置の組み付けを容易化することができる。
さらに、本発明のリップシール装置は、上述のいずれかのリップシール装置において、前記係止用環状突起は、前記リップシール装置収容部に対する反圧入方向側の面が前記環状溝の抜け止め用鉛直面と同じ鉛直面とされていることを特徴とする。
本発明によれば、係止用環状突起のリップシール装置収容部に対する反圧入方向側の面が環状溝の抜け止め用鉛直面と同じ鉛直面とされているため、係止用環状突起をその鉛直面を介して環状溝の抜け止め用鉛直面に係止することができる。従って、リップシール装置をその収容部に対してより確実に抜け止めすることができる。
さらに、本発明のリップシール装置は、上述のいずれかのリップシール装置において、前記シール用環状突起および前記係止用環状突起は、すべて同一断面形状とされていることを特徴とする。
本発明によれば、シール用環状突起および係止用環状突起がすべて同一断面形状とされているため、少なくとも3条以上の環状突起の断面形状を同一化することにより各々の突起の機能および品質を均一化、安定化することができる。これによって、リップシール装置の品質向上、シール機能の向上を図ることができる。
さらに、本発明のリップシール装置は、上述のいずれかのリップシール装置において、前記係止用環状突起は、その突起の高さが前記シール用環状突起の高さよりも高くされていることを特徴とする。
本発明によれば、係止用環状突起の高さがシール用環状突起の高さよりも高くされているため、係止用環状突起の高さが高くされている分だけ、リップシール装置の抜け止め機能を向上することができる。従って、リップシール装置をより確実に抜け止めすることができる。
さらに、本発明にかかる流体機械は、ハウジング内に流体機構が内蔵されているとともに、該流体機構の回転軸の一端が前記ハウジングを貫通して外部に突出され、該回転軸が前記ハウジングを貫通する部位に該ハウジングの内外を軸封するリップシール装置が設けられている流体機械において、前記リップシール装置が上述のいずれかに記載されたリップシール装置とされていることを特徴とする。
本発明によれば、流体機構の回転軸の一端がハウジングを貫通する部位に設けられ、ハウジングの内外を軸封するリップシール装置が上述のいずれかに記載されたリップシール装置とされているため、例えばハウジング内が負圧になった場合でも、環状溝に係止される係止用環状突起によりリップシール装置のハウジング内部側への抜け、位置ずれ等を防止できるとともに、軸線方向の両端側に位置する複数条のシール用環状突起によりリップシール装置収容部の内周面との間をシールすることができ、しかも複数条のシール用環状突起間のピッチを最大長としてリップシール装置の姿勢保持機能を向上し、その傾きを防止することができる。従って、リップシール装置が傾くことによるハウジング内からのガス漏れのリスクを確実に低減し、回転軸がハウジングを貫通する部位の軸封効果を向上することができる。
さらに、本発明の流体機械は、上記の流体機械において、前記ハウジングの前記回転軸が貫通する部位に、前記リップシール装置の収容部が設けられ、該収容部の内周面には、前記リップシール装置の前記係止用環状突起が係止される環状溝と、該環状溝の軸線方向外部側に形成され、前記ハウジングの内部側から圧入される前記リップシール装置が当接される段部とが設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ハウジングの回転軸が貫通する部位に、リップシール装置の収容部が設けられ、その収容部の内周面にリップシール装置の係止用環状突起が係止される環状溝と、該環状溝の軸線方向外部側に形成され、ハウジングの内部側から圧入されるリップシール装置が当接される段部とが設けられているため、リップシール装置を収容部に対してハウジングの内部側から圧入し、段部に当接させるとともに、係止用環状突起を環状溝に係止させることにより、リップシール装置をハウジングの内部側または外部側のいずれの方向に対してもスナップリング等を用いることなく、抜け止めをして組み付けることができる。従って、リップシール装置の抜け防止や組み付けの容易性を維持したままで、回転軸の貫通部位を軸封でき、軸封部の構造を簡素化してコスト低減を図ることができるとともに、軸封効果を高めることができる。
本発明のリップシール装置によると、3条以上の環状突起の内の1つである中央の環状突起を環状溝に係止される係止用環状突起としてリップシール装置の抜けを防止できるとともに、軸線方向の両端側に位置する複数条の環状突起をシール用環状突起として収容部の内周面との間をシールでき、しかも、複数条のシール用環状突起間のピッチを可及的に大きくしてリップシール装置の姿勢保持機能を向上し、その傾きを防止することができるため、リップシール装置が傾くことによるガス漏れのリスクを確実に低減して、シール機能を向上することができるとともに、リップシール材を支持する環状保形材の構成を簡素化して、コスト低減を図ることができる。
本発明の流体機械によると、例えばハウジング内が負圧になった場合でも、環状溝に係止される係止用環状突起によりリップシール装置のハウジング内部側への抜け、位置ずれ等を防止できるとともに、軸線方向の両端側に位置する複数条のシール用環状突起によりリップシール装置収容部の内周面との間をシールすることができ、しかも複数条のシール用環状突起間のピッチを最大長としてリップシール装置の姿勢保持機能を向上し、その傾きを防止することができるため、リップシール装置が傾くことによるハウジング内からのガス漏れのリスクを確実に低減して、回転軸がハウジングを貫通する部位の軸封効果を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係るリップシール装置を用いたスクロール圧縮機の縦断面図である。 図1に示すリップシール装置の要部の縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係るリップシール装置の要部の縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係るリップシール装置の要部の縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係るリップシール装置の要部の縦断面図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1および図2を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係るリップシール装置を用いたスクロール圧縮機の縦断面図が示され、図2には、リップシール装置の要部の縦断面図が示されている。
スクロール圧縮機(流体機械)1は、外殻を構成するハウジング2を備えている。該ハウジング2は、円筒形状をなす圧縮機構収容部3Aと複数の軸受が設けられる軸受部3Bとを有するフロントハウジング3と、圧縮機構収容部3Aの開口端を閉塞するリアハウジング4とを複数本のボルト5を介して一体に結合した構成とされている。
ハウジング2内には、一対の固定スクロール7および旋回スクロール8から構成されるスクロール圧縮機構(流体機構)6が内蔵されている。スクロール圧縮機構6は、公知の如く、端板の一面に渦巻き状ラップが立設された一対の固定スクロール7と旋回スクロール8を、その中心を旋回半径分だけ離すとともに、渦巻き状ラップの位相を180度ずらした状態で噛合わせることによって、スクロール中心を点対称とする一対の圧縮室9を形成したものである。固定スクロール7は、リアハウジング4の内面側に複数本のボルト10を介して固定されている。一方、旋回スクロール8は、フロントハウジング3内面のスラスト軸受部3Cに端板背面が支持され、後述する駆動機構および自転防止機構を介して固定スクロール7の周りに公転旋回駆動されるようになっている。
ハウジング2の内部は、スクロール圧縮機構6を介して旋回スクロール8の周囲を取り囲む低圧チャンバー11側と、固定スクロール7の端板背面側に形成される高圧チャンバー12側とに区画されている。低圧チャンバー11側には、ハウジング2に設けられている吸入ポート13が開口され、高圧チャンバー12側には図示省略する吐出ポートが開口されており、スクロール圧縮機構6を介して冷媒ガスが流動されるようになっている。
フロントハウジング3の軸受部3Bには、メイン軸受14およびサブ軸受15が組み込まれ、該軸受14,15を介してクランク軸(回転軸)16がその軸線L周りに回転自在に支持されている。クランク軸(回転軸)16の一端は、フロントハウジング3を貫通して外部に突出されており、その突出端には、電磁クラッチ付きプーリ(図示省略)が結合され、外部から動力が入力されるように構成されている。また、クランク軸16の他端側には、クランクピン17が設けられている。
クランクピン17には、バランスウェイト19が一体成形されているドライブブッシュ18がクランクピン17周りに揺動可能に嵌合されており、更に、このドライブブッシュ18の外周にフローティングブッシュ20、旋回軸受21を介して旋回スクロール8の端板背面に設けられている旋回ボスが嵌合されている。これによって、旋回スクロール8が旋回半径を可変として旋回駆動されるようになっている。
また、旋回スクロール8の端板背面と、フロントハウジング3のスラスト軸受部3Cとの間には、旋回スクロール8の端板背面側に設けられたリング23と、スラスト軸受部3C側に設けられたピン24とからなるピンリング式の自転阻止機構22が設けられ、旋回スクロール8は、自転が阻止されるようになっている。なお、このピンリング式の自転阻止機構22は、円周上の数箇所(例えば、4箇所)に設けられている。
さらに、フロントハウジング3の軸受部3Bには、メイン軸受14とサブ軸受15との間に、ハウジング2の内部側と外部側(大気側)とを軸封するためのリップシール装置25が設けられている。このリップシール装置25は、軸受部3Bの内周面に設けられているリップシール装置収容部(単に収容部と称する場合もある)26に対してフロントハウジング3の内部側から圧入され、収容部26の外部側(大気側)設けられている段部27に当接されるようになっている。
リップシール装置25は、図2に示されるように、金属製の高剛性を有する環状保形材29と、該保形材29の内周に設けられている金属製のバックアップリング材30と、保形材29の外周に設けられている弾性変形可能なゴム製の環状をなすメインリップシール材31と、環状保形材29およびメインリップシール材31の内周側に設けられている環状の樹脂製サブリップシール材32とから構成されている。
メインリップシール材31は、環状の保形材29に外周面に固着されるリング部31Aと、このリング部31Aから側方内向きに斜めに張り出されたリップ部31Bとを備えた構成とされており、このリップ部31Bおよびサブリップシール材32は、クランク軸16の外周面に圧接されるようになっている。また、リング部31Aの外周面には、少なくとも3条以上(本実施形態では、3条)の環状突起33,34,35が軸線方向に所定ピッチで突設されている。
この3条の環状突起33,34,35は、すべてが台形形状とされた同一断面形状の環状突起とされており、その内の軸線方向の両端側に位置する環状突起33,35が、リップシール装置収容部26の内周面に弾性変形によって加圧接触されるシール用環状突起33,35とされ、中央部に位置する環状突起34が、リップシール装置収容部26の内周面に設けられている環状溝28に係止され、リップシール装置25のケーシング内部側への抜け止めを担う係止用突起34とされている。
なお、環状溝28の反圧入方向側の面は、係止用突起34と係止し、リップシール装置25の抜け止めを行うため、抜け止め用鉛直面28Aとされている。また、3条の環状突起33,34,35は、すべて台形形状とされることによって、リップシール装置収容部26に対する圧入方向側の突出面が軸線方向に漸次拡径するテーパ面36とされるとともに、頂面に一定幅の円筒面37が形成されている。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
スクロール圧縮機1は、外部の駆動源から動力の供給を受け、クランク軸16が回転されることによって作動される。クランク軸16が回転されると、スクロール圧縮機構6の旋回スクロール8が固定スクロール7の周りに公転旋回駆動され、一対の圧縮室9が外周側から中心側に向って容積を減少しつつ移動される。これによって、低圧チャンバー11から圧縮室9内に取り込まれた低圧冷媒ガスが圧縮され、高温高圧ガスとなって高圧チャンバー12内に吐出された後、吐出ポートを介して圧縮機外部へと送り出される。
この間にハウジング2内を流動される冷媒ガスは、リップシール装置25によって大気側への漏洩が阻止される。つまり、クランク軸16がハウジング2(フロントハウジング3)を貫通する部位に組み込まれているリップシール装置25は、メインリップシール材31のリップ31Bおよびサブリップシール材32がクランク軸16の外周に圧接されることによりクランク軸16周りを軸封し、メインリップシール材31のリング部31Aの外周面に設けられている複数条のシール用環状突起33,35がリップシール装置収容部26の内周面に加圧接触されることによりハウジング側内周面との間を軸封する。これによって、ハウジング2側におけるクランク軸16の貫通部位が大気から完全に軸封されるようになる。
ここで、ハウジング2側のクランク軸(回転軸)16が貫通する部位には、リップシール装置収容部26が設けられ、該収容部26の内周面に、リップシール装置25側の係止用環状突起34が係止される環状溝28と、該環状溝34の軸線方向外部側(大気側)に形成され、ハウジング2(フロントハウジング3)の内部側から圧入されるリップシール装置25が当接される段部27とが設けられており、リップシール装置25を収容部26に対してハウジング2の内部側から圧入し、段部27に当接させるとともに、係止用環状突起34を環状溝28に係止させることにより、フロントハウジング3内にリップシール装置25を組み込んでいる。
このため、リップシール装置25をハウジング2の内部側または外部側のいずれの方向に対してもスナップリング等の抜け止め具を用いることなく、抜け止めをして組み付けることができる。従って、リップシール装置25の抜け防止や組み付けの容易性を維持したままで、クランク軸16が貫通する部位を軸封することができ、軸封部の構造を簡素化してコスト低減を図ることができるとともに、軸封効果を高めることができる。
また、リップシール装置25は、メインリップシール材31のリング部31Aの外周面に少なくとも3条以上の環状突起33,34,35が設けられ、この複数条の環状突起33,34,35の内の軸線方向の両端側に位置する環状突起33,35が、リップシール装置収容部26の内周面に加圧接触されるシール用環状突起33,35とされ、該シール用環状突起33,35の中間に位置する環状突起34が、リップシール装置収容部26の内周面に設けられている環状溝28に係止される係止用環状突起34とされた構成とされている。
このため、3条以上の環状突起33,34,35の内の1つである中央の環状突起34を環状溝28に係止される係止用環状突起34としてリップシール装置25の抜けを防止することができるとともに、軸線方向の両端側に位置する複数条の環状突起33,35をシール用環状突起33,35として収容部26の内周面との間を密封状態にシールすることができる。しかも、複数条のシール用環状突起33,35間のピッチを可及的に大きくしてリップシール装置25の姿勢保持機能を向上し、メインリップシール材31が弾性変形したり、位置ずれしたりしたとき、リップシール装置25が傾くのを防止することができる。これによって、リップシール装置25が傾くことによるガス漏れのリスクを確実に低減し、シール機能を向上することができるとともに、メインリップシール材31を支持する環状保形材29の構成を簡素化し、コスト低減を図ることができる。
また、シール用環状突起33,35の頂面を一定の幅を有する円筒面37としているため、リップシール装置25の姿勢保持機能を更に高めることができる。
さらに、本実施形態においては、シール用環状突起33,35および係止用環状突起34のリップシール装置収容部26に対する圧入方向側の突出面が軸線方向に漸次拡径するテーパ面36とされている。このため、リップシール装置25をその収容部26に対して圧入しやすくすることができ、従って、リップシール装置25の組み付けを容易化することができる。
また、シール用環状突起33,35および係止用環状突起34がすべて台形状の同一断面形状とされているため、少なくとも3条以上の環状突起33,34,35の断面形状を同一化することにより各々の突起33,34,35の機能および品質を均一化、安定化することができる。これによって、リップシール装置25の品質向上、シール機能の向上を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図3を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、3条の環状突起の内の係止用環状突起34Aを別形状としている点が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、3条の環状突起33,34A,35の内の中央に位置する係止用環状突起34Aを略三角形状断面とし、その突起高さをシール用環状突起33,35の高さよりも若干高くした構成としている。
このように、係止用環状突起34Aの高さをシール用環状突起33,35の高さよりも高くすることにより、係止用環状突起34Aの高さを高くした分だけ、リップシール装置25のハウジング内部側への抜け止め機能を向上することができる。従って、リップシール装置25をより確実に抜け止めすることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1および第2実施形態に対して、係止用環状突起34Bを更に別の形状としている点が異なる。その他の点については、第1および第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、3条の環状突起33,34B,35の内の中央に位置する係止用環状突起34Bのリップシール装置収容部26に対する反圧入方向側の面を環状溝28の抜け止め用鉛直面28Aと対向する鉛直面38とした構成としている。
このように、係止用環状突起34Bのリップシール装置収容部26に対する反圧入方向側の面を環状溝28の抜け止め用鉛直面28Aと同じ鉛直面38とすることにより、係止用環状突起34Bをその鉛直面38を介して環状溝28の抜け止め用鉛直面28Aに係止することができる。このため、リップシール装置25をその収容部26に対してより確実に抜け止めすることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、上記第3実施形態に対して、他のシール用環状突起33B,35Bも係止用環状突起34Bと同一形状としている点が異なる。その他の点については、第1ないし第3実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、3条の環状突起の両端側に位置する33B,35Bについても、中央に位置する係止用環状突起34Bと同じく、リップシール装置収容部26に対する反圧入方向側の面を鉛直面38とした突起とし、3条の環状突起33B,34B,35Bを同一断面形状の環状突起とした構成としている。
上記のように、3条の環状突起33B,34B,35Bのリップシール装置収容部26に対する反圧入方向側の面を鉛直面38とした同一断面形状を持つ環状突起33B,34B,35Bとすることによって、図2に示された形状の3条の環状突起33,34,35が有する機能と、図4に示された形状の環状突起38が有する機能とを併せ持つ環状突起とすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、流体機械について、スクロール圧縮機1を1例に説明したが、圧縮機構については他の形式であってもよい。また、本発明は、圧縮機に限らず、ポンプ、膨張機等の他の流体機械にも広く適用できることは云うまでもない。
さらに、リップシール装置25については、メインリップシール材31のリング部31Aの外周面に、3条の環状突起32,33,34を設けた例について説明したが、4条以上の環状突起を設けてもよく、この場合、少なくとも軸線方向の両端側に設けられている環状突起をシール用環状突起とし、その内側に設けられている少なくとも1以上の環状突起を係止用環状突起とすればよい。また、各環状突起の形状、大きさ、高さ等々については、上記実施形態のものに限らず、種々変形することができる。
1 スクロール圧縮機(流体機械)
2 ハウジング
3 フロントハウジング
6 スクロール圧縮機構(流体機構)
16 クランク軸(回転軸)
25 リップシール装置
26 リップシール装置収容部(収容部)
27 段部
28 環状溝
28A 抜け止め用鉛直面
29 環状保形材
31 メインリップシール材
33,33B,35,35B シール用環状突起(環状突起)
34,34A,34B 係止用環状突起(環状突起)
36 テーパ面
37 円筒面
38 鉛直面

Claims (7)

  1. 環状保形材の外周に弾性変形可能な環状のリップシール材が設けられているリップシール装置において、
    前記リップシール材の外周面に、少なくとも3条以上の環状突起が軸線方向に所定ピッチで設けられ、
    該環状突起の軸線方向の両端側に位置する環状突起が、リップシール装置収容部の内周面に加圧接触されるシール用環状突起とされるとともに、該シール用環状突起の間に位置する環状突起が、前記リップシール装置収容部の内周面に設けられている環状溝に係止される係止用環状突起とされていることを特徴とするリップシール装置。
  2. 前記シール用環状突起および前記係止用環状突起は、少なくとも前記リップシール装置収容部に対する圧入方向側の突出面が軸線方向に漸次拡径するテーパ面とされていることを特徴とする請求項1に記載のリップシール装置。
  3. 前記係止用環状突起は、前記リップシール装置収容部に対する反圧入方向側の面が前記環状溝の抜け止め用鉛直面と同じ鉛直面とされていることを特徴とする請求項1または2に記載のリップシール装置。
  4. 前記シール用環状突起および前記係止用環状突起は、すべて同一断面形状とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のリップシール装置。
  5. 前記係止用環状突起は、その突起の高さが前記シール用環状突起の高さよりも高くされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のリップシール装置。
  6. ハウジング内に流体機構が内蔵されているとともに、該流体機構の回転軸の一端が前記ハウジングを貫通して外部に突出され、該回転軸が前記ハウジングを貫通する部位に該ハウジングの内外を軸封するリップシール装置が設けられている流体機械において、
    前記リップシール装置が請求項1ないし5のいずれかに記載されたリップシール装置とされていることを特徴とする流体機械。
  7. 前記ハウジングの前記回転軸が貫通する部位に、前記リップシール装置の収容部が設けられ、該収容部の内周面には、前記リップシール装置の前記係止用環状突起が係止される環状溝と、該環状溝の軸線方向外部側に形成され、前記ハウジングの内部側から圧入される前記リップシール装置が当接される段部とが設けられていることを特徴とする請求項6に記載の流体機械。
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