JP2011033073A - ダンパ付プーリ - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数の削減による低コスト化を図ることが可能なダンパ付プーリを提供する。
【解決手段】回転軸のねじり振動を低減するダンパ部30bが設けられたダンパユニット30と、ダンパ部の外周側に同心状に配置されるプーリ部32a、及び、プーリ部から径方向内側に向けて連続し、かつ、ダンパ部の一方側周を覆うように配置されるカバー部32bを有するプーリユニット32と、カバー部の外方側に周方向に配置され、軸方向の一端側がカバー部の外方側面Soutに固定される環状弾性体34と、環状弾性体の軸方向の他端側に固定され、ダンパユニットとの固定位置が軸方向に調整可能なプレッシャーリング36とを備え、プレッシャーリングとカバー部とによって環状弾性体に軸方向の予備圧縮を付与する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのクランクシャフト等の回転軸に装着され、回転軸のトルクを無端ベルトを介して各種の補機に伝達するためのダンパ付プーリに関する。
従来、エンジンのクランクシャフト等の回転軸の駆動力を、無端ベルトを介して発電機やコンプレッサ等の補機に伝達するために、種々のダンパ付プーリが回転軸(クランクシャフト)に取り付けられている。一例として特許文献1に示されたダンパ付プーリは、例えば図7に示すように、クランクシャフト(図示しない)に取り付けられるダンパユニット2と、無端ベルト(図示しない)が掛け渡されるプーリユニット4とを互いに組み付けて構成されている。
ダンパユニット2は、クランクシャフトに取り付けられて、当該クランクシャフトと共に一体的に回転する環状のハブ2aと、回転中におけるクランクシャフトのねじり振動を低減するためのダンパ部2bとを備えており、ダンパ部2bは、ハブ2aの外周側に沿って周方向に連続して構成されている。なお、クランクシャフトの回転中において、ダンパユニット2は、中心軸Ax回りに同心状に回転する。
ここで、ハブ2aは、クランクシャフトが嵌入される嵌入孔6hを有する環状のボス部6と、ボス部6から放射方向に延在する円盤部8と、円盤部8の外周側から中心軸Axに沿って同心状に延在して周方向に連続する外側円筒部10と、円盤部8のボス部6寄りの部位から外側円筒部10と平行に延在して周方向に連続する内側円筒部12とを備えている。この場合、ダンパ部2bは、外側円筒部10の外周側に環状弾性体14を介して慣性質量体16を積層して構成されている。
一方、プーリユニット4は、当該プーリユニット4と上記したダンパユニット2とを互いに組み付けた状態において、ダンパ部2bの外周側に沿って所定の隙間を持たせて同心状に対向配置される円筒状のプーリ部4aと、プーリ部4aから径方向内側に向けて連続し、かつ、ダンパ部2bの一方側周を覆うように配置される円盤状のカバー部4bとを備えており、プーリ部4aには、その外周に、無端ベルト(図示しない)が掛け渡されるプーリ溝4gが複数形成されている。なお、ダンパ部2bとプーリ部4aとの隙間には、ダンパユニット2とプーリユニット4との相対変位(相対回転)を許容するジャーナルベアリング18が介在される。
また、プーリユニット4は、カバー部4bの内方側面Sinに対して軸方向に対向し、かつ、ハブ2aの円盤部8寄りに対向配置される円盤状のアイソレーションリング20と、カバー部4bとアイソレーションリング20との間に配置され、かつ、これら相互に加硫接着された環状弾性体22とを備えており、アイソレーションリング20には、ダンパユニット2(ハブ2a)の内側円筒部12の外周側に沿って対向して同心状に配置される円筒状の嵌合部20aが形成されている。
また、上記したダンパ付プーリには、カバー部4bとアイソレーションリング20とに加硫接着された環状弾性体22に軸方向の予備圧縮を付与するために、プレッシャーリング24が設けられている。この場合、プレッシャーリング24は、ダンパユニット2(ハブ2a)の内側円筒部12の外周並びに上記したアイソレーションリング20の嵌合部20aの内周にそれぞれ嵌合可能な円筒状の嵌合部24aと、嵌合部24aの外方側から放射方向に延在し、かつ、カバー部4bの外方側面Soutに沿って周方向に対向配置される円盤状の押圧部24bとを備えている。
ここで、ダンパユニット2とプーリユニット4との相対変位(相対回転)を許容するスラストベアリング28をカバー部4bの外方側面Soutに位置付けた後、プレッシャーリング24の嵌合部24aをアイソレーションリング20の嵌合部20aの内周に嵌合させることで、プレッシャーリング24の押圧部24bとカバー部4bの外方側面Soutとの間にスラストベアリング28を挟持させたプーリユニット4が構築される。次に、ダンパ部2bとプーリ部4aとの隙間にジャーナルベアリング18を介在させて、プーリユニット4とダンパユニット2とを互いに組み付けた状態において、プレッシャーリング24の嵌合部24aをダンパユニット2(ハブ2a)の内側円筒部12の外周に嵌合させる。
このとき、ダンパユニット2(ハブ2a)の内側円筒部12の外周に対するプレッシャーリング24の嵌合部24aの嵌合量、即ち、プレッシャーリング24の押し込み量を調整することで、カバー部4bとアイソレーションリング20とに加硫接着された環状弾性体22に軸方向の予備圧縮が付与されると共に、ダンパユニット2のボス部6の端面6sに対するプーリユニット4のプーリ部4aの軸方向における組み付け位置、即ち、ボス部6の端面6sと所定のV溝との離間距離L(以下、V溝離間距離Lという。)が調整される。この場合、V溝離間距離Lは、ダンパユニット2(ハブ2a)に備えられたボス部6の端面6sと、プーリユニット4(プーリ部4a)に形成された複数のプーリ溝4gの中の特定のものとの間の軸方向距離として規定される。なお、図面では一例として、右から4番目のプーリ溝4gを特定しているが、ダンパ付プーリの使用目的や使用環境に応じて任意に特定されるため、ここでは特に限定しない。
このようなダンパ付プーリにおいて、エンジン回転時に、クランクシャフトにねじり振動が発生した際、ダンパユニット2のダンパ部2bは、クランクシャフトのねじり振動を低減する機能(ねじり振動低減機能)を有すると共に、エンジン回転時(主にアイドリング状態でのエンジン低回転時)に、エンジンのトルク変動が生じた際、ダンパユニット2とプーリユニット4との間に介在された環状弾性体22は、自身がせん断方向に弾性変形することで、エンジンのトルク変動によって発生するクランクシャフトの速度変動がプーリユニット4に伝達されるのを抑制(例えば、遮断、或いは、低減)する機能(速度変動伝達抑制機能)を有する。
WO 2005/005865 A1
ところで、ダンパ付プーリでは、部品点数の削減による低コスト化が要望されている。さらに、ダンパユニット2のボス部6の端面6sに対するプーリユニット4のプーリ部4aの軸方向における組み付け位置、即ち、V溝離間距離Lを組み付け時に所定長に調整できることが望ましい。
そこで、本発明の目的は、部品点数の削減による低コスト化を図ることが可能なダンパ付プーリを提供することにある。さらに、望ましくは、上記部品点数の削減と併せ、ダンパユニットに対するプーリユニットの軸方向における組み付け位置を所定長に調整できるダンパ付プーリを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明のダンパ付プーリは、回転軸に取り付け可能に構成され、回転軸のねじり振動を低減するダンパ部が設けられたダンパユニットと、ダンパユニットと組み付け可能に構成され、ダンパ部の外周側に同心状に配置されるプーリ部、及び、プーリ部から径方向内側に向けて連続し、かつ、ダンパ部の一方側周を覆うように配置されるカバー部を有するプーリユニットと、ダンパユニットとプーリユニットとの相対変位を許容するスラストベアリングと、カバー部の外方側に周方向に配置され、軸方向の一端側がカバー部の外方側面に固定される弾性体と、弾性体の軸方向の他端側に固定され、ダンパユニットとの固定位置が軸方向に調整可能なプレッシャーリングとを備え、プレッシャーリングとカバー部とによって弾性体に軸方向の予備圧縮を付与する。
本発明において、スラストベアリングは、ダンパユニット及びプーリユニットとの摺動面を有する。また、スラストベアリングは、ダンパユニット又はプーリユニットのいずれか一方との摺動面を有し、非摺動面がダンパユニット又はプーリユニットの他方に当接して一体的に保持されている。また、スラストベアリングは、ダンパユニット又はプーリユニットのいずれか一方との摺動面を有し、非摺動面が軸方向に圧縮可能な弾性保持部材を介してダンパユニット又はプーリユニットの他方に一体的に保持されている。
ここで、スラストベアリングは、ダンパユニットとの摺動面を有し、プーリユニットに一体的に保持されるように構成してもよいし、或いは、スラストベアリングは、プーリユニットとの摺動面を有し、ダンパユニットに一体的に保持されるように構成してもよい。前者の場合、スラストベアリングは、ダンパユニットの慣性質量体の側面と摺動する。また、後者の場合、スラストベアリングは、プーリユニットのカバー部の内方側面と摺動する。
また、カバー部は、その中心寄りの部位をダンパユニットに接近させるためのクランク部を有し、弾性体は、クランク部よりも中心寄りに設けられている。
なお、弾性体の外周面を保護する保護カバーをカバー部の外方側面に設けてもよい。
また、スラストベアリングの摺動面へのダストの侵入を防止するシール部材を設けてもよい。
本発明によれば、部品点数の削減による低コスト化を図ることが可能なダンパ付プーリを実現することができる。さらに、スラストベアリングの非摺動面に軸方向に圧縮可能な弾性保持部材を介して、スラストベアリングをダンパユニット又はプーリユニットに保持させることにより、ダンパユニットに対するプーリユニットの軸方向における組み付け位置を調整することが可能となる。
(a)は、本発明の第1の実施形態に係るダンパ付プーリの構成を示す断面図、(b)は、同図(a)に示すダンパ付プーリの構成を一部拡大して示す分解斜視図、(c)は、スラストベアリングの構成を一部拡大して示す斜視図。 (a)は、本発明の第2の実施形態に係るダンパ付プーリの構成を示す断面図、(b)は、プーリユニットの構成を一部拡大して示す斜視図。 (a)は、本発明の第3の実施形態に係るダンパ付プーリの構成を示す断面図、(b)は、本発明の第4の実施形態に係るダンパ付プーリの構成を示す断面図。 本発明の第5の実施形態に係るダンパ付プーリの構成を一部拡大して示す図であって、(a)は、プーリユニット側から見たダンパ付プーリの斜視図、(b)は、ダンパ付プーリの断面図、(c)は、ダンパユニット側から見たダンパ付プーリの斜視図。 本発明の第6の実施形態に係るダンパ付プーリの構成を一部拡大して示す図であって、(a)は、プーリユニット側から見たダンパ付プーリの斜視図、(b)は、ダンパ付プーリの断面図。 (a)は、本発明の第7の実施形態に係るダンパ付プーリの構成を示す断面図、(b)は、同図(a)に示すダンパ付プーリの変形例に係る構成を一部拡大して示す分解斜視図。 従来のダンパ付プーリの構成を一部拡大して示す断面図。
以下、本発明のダンパ付プーリについて、添付図面を参照して説明する。
図1(a)〜(c)には、本発明の第1の実施形態に係るダンパ付プーリが示されており、ダンパ付プーリは、図示しない回転軸(例えば、クランクシャフト)に取り付け可能に構成され、クランクシャフトのねじり振動を低減するダンパ部30bが設けられたダンパユニット30と、ダンパユニット30と組み付け可能に構成され、ダンパ部30bの外周側に同心状に配置されるプーリ部32a、及び、プーリ部32aから径方向内側に向けて連続し、かつ、ダンパ部30bの一方側周を覆うように配置されるカバー部32bを有するプーリユニット32とを備えている。
また、ダンパ付プーリは、カバー部32bの外方側に周方向に配置され、軸方向の一端側がカバー部32bの外方側面Soutに固定される環状弾性体34と、環状弾性体34の軸方向の他端側に固定され、ダンパユニット30との固定位置が軸方向に調整可能なプレッシャーリング36とを備え、プレッシャーリング36とカバー部32bとによって環状弾性体34に軸方向の予備圧縮を付与することを特徴として構成されている。
ここで、軸方向とは、互いに組み付けられたダンパユニット30とプーリユニット32とが相対変位(相対回転)する際に、クランクシャフトと共に一体的に回転するダンパユニット30の回転中心を中心軸Axとした場合において、その中心軸Axに沿った方向として規定される。
なお、クランクシャフトとは、特に図示しないが、エンジンの駆動力を取り出すための回転軸であって、1気筒毎にコンロッドとクランクが接続されており、コンロッドで伝えられるピストンの往復運動を回転運動に変換する働きをする。そして、当該クランクを気筒数分接続したものをクランクシャフトといい、このクランクシャフトの1回転がエンジンの1回転になる。また、ダンパとは、回転軸のねじり振動を低減する機能を有するものを意味しているが、本実施形態のダンパ付プーリは、かかる機能の他に、回転軸の速度変動がプーリ側に伝わるのを抑制する速度変動伝達抑制機能も備えている。
以下、上記した特徴を有するダンパ付プーリについて具体的に説明する。
ダンパユニット30は、クランクシャフトに取り付けられて、当該クランクシャフトと共に一体的に回転する環状のハブ30aと、回転中におけるクランクシャフトのねじり振動を低減するためのダンパ部30bとを備えており、ダンパ部30bは、ハブ30aの外周側に沿って周方向に連続して構成されている。なお、クランクシャフトの回転中において、ダンパユニット30は、中心軸Ax回りに同心状に回転する。
ここで、ハブ30aは、クランクシャフトが嵌入される嵌入孔38hを有する環状のボス部38と、ボス部38から放射方向に延在する円盤部40と、円盤部40の外周側から中心軸Axに沿って同心状に延在して周方向に連続する外側円筒部とを備えており、外側円筒部は、円盤部40を境にして互いに反対方向へ延在する第1の外側円筒部42aと第2の外側円筒部42bとから構成されている。
更に、ハブ30aは、円盤部40のボス部38寄りの部位から第1の外側円筒部42aと平行に延在して周方向に連続する内側円筒部44とを備えており、これにより、第1の外側円筒部42aと、内側円筒部44と、これら相互間に介在する円盤部40とで囲まれた領域には、所定量だけ窪んだ凹部が構成されている。なお、凹部の広さについては、例えば第1の外側円筒部42aと内側円筒部44との径方向相互間距離に応じて、また、凹部の窪み量については、円盤部40から延在させる第1の外側円筒部42a及び内側円筒部44の延在量(長さ寸法)に応じて任意に設定できるため、ここでは特に数値限定はしない。また、ハブ30aは、例えば鋳造や板金等に転造加工を施すことによって、ボス部38及び円盤部40並びに外側円筒部42a,42b及び内側円筒部44を含めて一体成形されている。
また、ダンパ部30bは、外側円筒部42a,42bの外周側に環状弾性体46を介して慣性質量体48を備えて構成されている。なお、環状弾性体46は、例えばゴム等の弾性材料で形成されており、ハブ30aの外側円筒部42a,42bと慣性質量体48との間に圧入して位置決め固定されている。また、慣性質量体48は、例えば鋳鉄や鋳鋼等の金属材料で形成されている。
一方、プーリユニット32は、当該プーリユニット32と上記したダンパユニット30とを互いに組み付けた状態において、ダンパ部30bの外周側に沿って所定の隙間を持たせて同心状に対向配置される円筒状のプーリ部32aと、プーリ部32aから径方向内側に向けて連続し、かつ、ダンパ部30bの一方側周を覆うように配置される円盤状のカバー部32bとを備えている。なお、プーリユニット32は、所定の金属材料によって、プーリ部32a及びカバー部32bを含めて一体成形されている。
ここで、プーリ部32aは、その外周に、無端ベルト(図示しない)が掛け渡されるプーリ溝32gが複数形成されている。なお、ダンパユニット30とプーリユニット32とを互いに組み付けた状態において、ダンパ部30bとプーリ部32aとの隙間には、ダンパユニット30とプーリユニット32との相対変位(相対回転)を許容するジャーナルベアリング50が介在されるようになっている。この場合、ジャーナルベアリング50は、ダンパ部30bの外周(慣性質量体48の外周)に予め装着させてもよいし、或いは、プーリ部32aの内周に予め装着させてもよいが、ここでは一例として、プーリ部32aの内周にジャーナルベアリング50を予め装着する場合を想定する(図1(b)参照)。
また、カバー部32bは、その中心寄りの部位をダンパユニット30に接近させるためのクランク部32cを有している。この場合、ダンパユニット30とプーリユニット32とを互いに組み付けた状態において、カバー部32bは、その中心寄りの部位がクランク部32cを介して上記した凹部内(第1の外側円筒部42aと、内側円筒部44と、これら相互間に介在する円盤部40とで囲まれた領域内)に向けて入り込み、かつ、その内方側(内方側面Sin)が円盤部40に対して所定の隙間を持った位置関係を維持しつつ、当該円盤部40に沿って対向配置される。
更に、プーリユニット32は、カバー部32bの外方側に周方向に配置され、軸方向の一端側がカバー部32bの外方側面Soutに固定(加硫接着)される環状弾性体34と、環状弾性体34の軸方向の他端側に固定(加硫接着)され、ダンパユニット30との固定位置が軸方向に調整可能なプレッシャーリング36とを備えている。また、プレッシャーリング36は、ダンパユニット30(ハブ30a)の内側円筒部44の外周に嵌合可能な円筒状の嵌合部36aと、嵌合部36aの外方側から放射方向に延在し、かつ、環状弾性体34の軸方向の他端側に対向配置される円盤状の押圧部36bとを備えている。
この場合、環状弾性体34は、軸方向の一端側が上記したクランク部32cよりも中心寄りにおけるカバー部32bの外方側面Soutに固定(加硫接着)されると共に、軸方向の他端側がプレッシャーリング36の押圧部36bに固定(加硫接着)されている。これにより、上記したプーリ部32a及びカバー部32b、環状弾性体34、プレッシャーリング36の各構成が一体化されたプーリユニット32が構築される。そして、かかるプーリユニット32において、環状弾性体34は、上記したクランク部32cよりも中心寄りに設けられる。なお、環状弾性体34は、例えばゴム等の弾性材料で形成されている。
また、ダンパ付プーリは、ダンパユニット30とプーリユニット32との相対変位(相対回転)を許容するスラストベアリング52を備えており、スラストベアリング52は、ダンパユニット30との摺動面52aを有し、非摺動面52bが軸方向に圧縮可能な弾性保持部材54を介してプーリユニット32に一体的に保持される。この場合、弾性保持部材54は、上記した環状弾性体34と共に一体的に加硫成形することができ、これにより、カバー部32bの内方側面Sinに沿って周方向に連続して構成されている。なお、弾性保持部材54は、例えばゴム等の弾性材料で形成されている。
なお、本第1の実施形態においては、スラストベアリング52がダンパユニット30との摺動面52aを有し、プーリユニット32に一体的に保持されるものを例示したが、スラストベアリング52は、プーリユニット32との摺動面を有し、ダンパユニット30に一体的に保持される構成であってもよい。
ここで、ダンパユニット30とプーリユニット32とを互いに組み付けて、ダンパ付プーリを組み立てる工程について説明する。
なお、ここでは一例として、スラストベアリング52は、ダンパユニット30との摺動面52aを有し、プーリユニット32に一体的に保持されている場合を想定する。
まず、スラストベアリング52をプーリユニット32に一体的に設けられた弾性保持部材54に対して位置決めする。この場合、位置決め方法例としては、弾性保持部材54の周表面に沿って所定間隔(例えば、等間隔)で複数のボス穴54h(図1(b)参照)を形成すると共に、スラストベアリング52の非摺動面52bには、上記した各ボス穴54hに嵌入可能な複数のボス52cを突設する。なお、複数のボス52cは、スラストベアリング52と共に一体成形すればよい。
次に、各ボス52cを各ボス穴54hに嵌入して、スラストベアリング52を弾性保持部材54に位置決めした後、プーリ部32aの内周面にジャーナルベアリング50を配置し、その後、プーリ部32a及びカバー部32b、環状弾性体34、プレッシャーリング36の各構成が一体化されたプーリユニット32をダンパユニット30に組み付ける際、プレッシャーリング36の嵌合部36aをダンパユニット30(ハブ30a)の内側円筒部44の外周に嵌合させる。
この際に、プレッシャーリング36をダンパユニット30側へ押し込んで、内側円筒部44の外周に対する嵌合部36aの嵌合量(押し込み量)を増加させていくと、カバー部32bの中心寄りの部位が、クランク部32cを介して上記した凹部内(第1の外側円筒部42aと、内側円筒部44と、これら相互間に介在する円盤部40とで囲まれた領域内)に入り込むことで、スラストベアリング52の摺動面52aがダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40に当接する。
この状態から、更にプレッシャーリング36を押し込むと、その押し込み量に応じて、カバー部32bの外方側面Soutとプレッシャーリング36の押圧部36bとに加硫接着された環状弾性体34が軸方向へ圧縮されると共に、その圧縮力がカバー部32bの内方側面Sinに加硫接着された弾性保持部材54に作用することで、当該弾性保持部材54に位置決めされたスラストベアリング52の摺動面52aがダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40に圧接する。
そして、更にプレッシャーリング36を所定量押し込んで、ダンパユニット30(ハブ30a)の内側円筒部44の外周に対するプレッシャーリング36の嵌合部36aの嵌合量(固定位置)を調整することにより、カバー部32bの外方側面Soutとプレッシャーリング36の押圧部36bとに加硫接着された環状弾性体34に軸方向への圧縮量を調整する。これにより、プレッシャーリング36とカバー部32bとによって環状弾性体34に軸方向の予備圧縮が付与される。なお、環状弾性体34に付与する予備圧縮力は、ダンパ付プーリの例えば使用目的や使用環境に応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
このとき、環状弾性体34に付与された予備圧縮力により、弾性保持部材54が軸方向に圧縮されることで、スラストベアリング52は、当該弾性保持部材54とダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40との間に挟持された状態となり、その状態において、スラストベアリング52は、その摺動面52aが円盤部40に対して摺動自在に、かつ、その非摺動面52bが弾性保持部材54を介してプーリユニット32に一体的に保持される。
また同時に、プレッシャーリング36の押し込み量に応じて、ダンパユニット30(ハブ30a)のボス部38の端面38sに対するプーリユニット32のプーリ部32aの軸方向における組み付け位置、即ち、V溝離間距離Lが所定長となるように調整される。この場合、V溝離間距離Lは、ダンパユニット30(ハブ30a)に備えられたボス部38の端面38sと、プーリユニット32(プーリ部32a)に形成された複数のプーリ溝32gの中の特定のものとの間の軸方向距離として規定される。なお、図面では一例として、右から4番目のプーリ溝32gを特定しているが、ダンパ付プーリの例えば使用目的や使用環境に応じて任意に特定されるため、ここでは特に限定しない。
ここで、上記したダンパ付プーリを回転軸(クランクシャフト)に取り付けた状態で、エンジン回転時(クランクシャフトの回転に伴ってダンパ付プーリが回転したとき)に、クランクシャフトにねじり振動が発生した際、ダンパユニット30のダンパ部30bは、クランクシャフトのねじり振動を低減する。また、エンジン回転時(主にアイドリング状態でのエンジン低回転時)に、エンジンのトルク変動が生じた際、プレッシャーリング36とカバー部32bとの間に介在された環状弾性体34は、自身がせん断方向に弾性変形することで、エンジンのトルク変動によって発生するクランクシャフトの速度変動がプーリユニット32に伝達されるのを抑制(例えば、遮断、或いは、低減)する。
これにより、ダンパユニット30のダンパ部30bによるねじり振動低減機能と共に、プレッシャーリング36とカバー部32bとの間に介在された環状弾性体34による速度変動抑制機能を保持したダンパ付プーリが実現される。よって、エンジンのクランクシャフト等の回転軸の駆動力を、当該ダンパ付プーリから無端ベルトを介して発電機やコンプレッサ等の補機に安定して伝達させることができる。
以上、本実施形態によれば、プーリユニット32のカバー部32bの外方側に環状弾性体34を配置し、当該環状弾性体34の軸方向の一端側をカバー部32bの外方側面Soutに固定(加硫接着)すると共に、当該環状弾性体34の軸方向の他端側をプレッシャーリング36に固定(加硫接着)したことで、従来のダンパ付プーリ(例えば、図7に示した特許文献1参照)には必須の構成であったアイソレーションリング20を省略することができる。これにより、部品点数の削減による低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、上記のようにアイソレーションリング20(図7参照)を省略した場合でも、プレッシャーリング36を押し込んだ際、当該プレッシャーリング36の嵌合部36aと、ダンパユニット30(ハブ30a)の内側円筒部44の外周との間の機械的な嵌合力により、プレッシャーリング36の嵌合部36aを、押し込まれた位置(固定位置)で内側円筒部44の外周に正確に固定することができる。
また、本実施形態によれば、スラストベアリング52の片側(摺動面52a)のみをダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40に摺動させて、その反対側(非摺動面52b)は、弾性保持部材54を介してプーリユニット32に一体的に保持されるように構成したことにより、当該スラストベアリング52の摩耗に伴うV溝離間距離Lの変化を従来に比べて抑制することが可能となる。
具体的に説明すると、従来のダンパ付プーリに設けられたスラストベアリングは、その両側が相手部材に摺動するタイプが一般的であるが(例えば、図7に示した特許文献1参照)、この場合、環状弾性体22の弾性復元力により、スラストベアリング28が磨耗した分、プーリユニット4とプレッシャーリング24とが近接するため、V溝離間距離Lは、スラストベアリング28が磨耗した分大きくなることになる。
これに対して、本実施形態に適用したスラストベアリング52は、片側(摺動面52a)のみを摺動させるタイプとし、さらに、非摺動面52bを弾性保持部材54を介して保持する構成としたため、スラストベアリング52が使用により磨耗しても、その磨耗量に応じて弾性保持部材54が軸方向に弾性復元するため、スラストベアリング52の摩耗に伴うV溝離間距離Lの変化を従来に比べて抑制することが可能となる。
即ち、従来のダンパ付プーリ(例えば、図7に示した特許文献1参照)では、環状弾性体22がダンパユニット2とプーリユニット4との間に配置されており、当該環状弾性体22に付与された圧縮力は、常に、ダンパユニット2とプーリユニット4とを互いに離間させる方向に働いた状態に維持されている。このため、スラストベアリング28の摩耗量に応じて、ダンパユニット2に対するプーリユニット4の組み付け位置が軸方向に大きく離間(変化)することになる。
これに対して、本実施形態によれば、プーリユニット32のカバー部32bの外方側に環状弾性体34を配置し、プレッシャーリング36により当該環状弾性体34に軸方向の圧縮力を付与するようにしたことで、当該環状弾性体34に付与された圧縮力は、常に、ダンパユニット30とプーリユニット32とを互いに接近させる方向に働いた状態に維持されている。この場合、スラストベアリング52が摩耗しても、その摩耗量に応じて、弾性保持部材54の圧縮状態が復元することになり、V溝離間距離Lの変化を従来のダンパ付プーリに比べて抑制することが可能となる。
また、従来のダンパ付プーリ(例えば、図7に示した特許文献1参照)では、スラストベアリング28の片側がカバー部4bの外方側面Soutに摺動するようになっており、当該カバー部4bの内方側面Sinには、環状弾性体22が加硫接着されている。この場合、環状弾性体22をカバー部4bの内方側面Sinに加硫接着すると、その外方側面Soutには、ゴムバリが残存することがある。このため、当該外方側面Soutに残存したゴムバリの除去処理やその部分の平滑処理といった表面仕上げ加工を施す必要がある。そうなると、ダンパ付プーリの製造工程には、かかる表面仕上げ加工が別途かかることになり、その結果、製造工程が煩雑化し、製造コストが上昇してしまう。
これに対して、本実施形態によれば、ダンパユニット30(ハブ30a)は、上記したように、ボス部38及び円盤部40並びに外側円筒部42a,42b及び内側円筒部44を含めて一体成形され、その際、スラストベアリング52の片側(摺動面52a)が摺動する円盤部40には、これに加硫接着させる部材は存在しない。このため、スラストベアリング52の摺動面となる円盤部40に、ゴムバリが残存することはない。また、加硫接着によるゴムバリが残存する可能性のあるカバー部32の内方側面Sinには、環状弾性体34と共に弾性保持部材54を一体的に加硫成形し、さらに、スラストベアリング52の弾性保持部材54側を非摺動面52bとしたため、加硫接着によるゴムバリの除去処理やその部分の平滑処理といった表面仕上げ加工が不要となる。
このため、従来のダンパ付プーリ(例えば、図7に示した特許文献1参照)では必須となるゴムバリの除去処理やその部分の平滑処理といった表面仕上げ加工を施す必要はない。この結果、ダンパ付プーリの製造工程の簡略化を図ることができると共に、製造コストの低減を図ることができる。
更に、ダンパ付プーリの製造工程の簡略化及び低コスト化については、本実施形態によれば、従来のダンパ付プーリ(例えば、図7に示した特許文献1参照)には必須の構成であったアイソレーションリング20を省略し、当該アイソレーションリング20の組立工程を無くすることができる。この結果、従来に比べて、更に、ダンパ付プーリの製造工程の簡略化を図ることができると共に、製造コストの低減を図ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るダンパ付プーリについて、図2(a),(b)を参照して説明する。
上記した第1の実施形態では、スラストベアリング52を、ダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40と摺動するように構成したが、これに代えて、図2(a),(b)に示された本実施形態のダンパ付プーリにおいて、スラストベアリング52は、ダンパユニット30(ダンパ部30b)の慣性質量体48の側面48sと摺動するように構成されている。
この場合、上記した弾性保持部材54は、ダンパ部30b寄りの位置において、カバー部32bの内方側面Sinに沿って周方向に連続して構成されており、その周表面に沿って所定間隔(例えば、等間隔)で複数のボス穴(図示しない)を形成すると共に、スラストベアリング52の非摺動面52bには、上記した各ボス穴に嵌入可能な複数のボス(図示しない)を突設する。なお、かかる弾性保持部材54は、上記した環状弾性体34と共に一体的に加硫成形することができる。
そして、各ボスを各ボス穴に嵌入して、スラストベアリング52を弾性保持部材54に位置決めした状態で、プーリユニット32をダンパユニット30に組み付ける際、プレッシャーリング36の嵌合部36aをダンパユニット30(ハブ30a)の内側円筒部44の外周に嵌合させ、所定の固定位置まで押し込む。
このとき、環状弾性体34に付与された予備圧縮力により、弾性保持部材54が軸方向に圧縮されることで、スラストベアリング52は、弾性保持部材54とダンパユニット30(ダンパ部30b)の慣性質量体48の側面48sとの間に挟持された状態となり、その状態において、スラストベアリング52は、その摺動面52aが慣性質量体48の側面48sに対して摺動自在に、かつ、その非摺動面52bが弾性保持部材54を介してプーリユニット32に一体的に保持される。
なお、本実施の形態において、上記した構成以外の他の構成、並びに、作用効果については、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第3の実施形態に係るダンパ付プーリについて、図3(a)を参照して説明する。
本実施形態は、上記した第2の実施形態の改良に係り、ジャーナルベアリング50とスラストベアリング52とを断面略L字状に一体化して構成されている。かかる構成によれば、部品点数を更に削減することができると共に、プーリユニット32をダンパユニット30に組み付ける際、ジャーナルベアリング50とスラストベアリング52とを同時に装着させることができるため、ダンパ付プーリの製造工程の簡略化並びに低コスト化を更に向上させることができる。なお、本実施の形態において、上記した改良以外の他の構成、並びに、作用効果については、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第4の実施形態に係るダンパ付プーリについて、図3(b)を参照して説明する。
上記した第1及び第2の実施形態において、スラストベアリング52は、ダンパユニット30との摺動面52aを有し、プーリユニット32に一体的に保持されている場合を例示したが、これに代えて、図3(b)に示された本実施形態のダンパ付プーリにおいて、スラストベアリング52は、プーリユニット32との摺動面52aを有し、ダンパユニット30に一体的に保持されている。
この場合、上記した弾性保持部材54は、ダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40の側面40s(即ち、プーリユニット32のカバー部32bの内方側面Sinに対向する側面)に沿って周方向に連続して構成(例えば、加硫接着)されており、その周表面に沿って所定間隔(例えば、等間隔)で複数のボス穴(図示しない)を形成すると共に、スラストベアリング52の非摺動面52bには、上記した各ボス穴に嵌入可能な複数のボス(図示しない)を突設する。なお、円盤部40に1つ又は複数の貫通孔40hを形成し、そこに弾性保持部材54の一部を入り込ませるようにすれば、当該弾性保持部材54を回り止めした状態で、当該円盤部40に堅牢に加硫接着することができる。
そして、各ボスを各ボス穴に嵌入して、スラストベアリング52を弾性保持部材54に位置決めした状態で、プーリユニット32をダンパユニット30に組み付ける際、プレッシャーリング36の嵌合部36aをダンパユニット30(ハブ30a)の内側円筒部44の外周に嵌合させ、所定の固定位置まで押し込む。
このとき、環状弾性体34に付与された予備圧縮力がスラストベアリング52を介して弾性保持部材54に作用し、これにより、当該弾性保持部材54が軸方向に圧縮されることで、スラストベアリング52は、弾性保持部材54とプーリユニット32のカバー部32bの内方側面Sinとの間に挟持された状態となり、その状態において、スラストベアリング52は、その摺動面52aがカバー部32bの内方側面Sinに対して摺動自在に、かつ、その非摺動面52bが弾性保持部材54を介してダンパユニット30に一体的に保持される。
なお、本実施の形態において、上記した構成以外の他の構成、並びに、作用効果については、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第5の実施形態に係るダンパ付プーリについて、図4(a)〜(c)を参照して説明する。
図4(a)〜(c)に示すように、本実施形態のダンパ付プーリは、ダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40及びプーリユニット32のカバー部32bに、それぞれ、開口部30h,32hが貫通形成されている。図面では一例として、ダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40には、同心状に所定間隔(等間隔)で複数の開口部30hが貫通形成されており、一方、プーリユニット32のカバー部32bには、同心状に所定間隔(等間隔)で複数の開口部32hが貫通形成されている。なお、各開口部30h,32hの形状や大きさ、個数や形成位置については、ダンパ付プーリの例えば使用目的や使用環境に応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
この場合、各開口部30h,32hからスラストベアリング52の摺動面52aへのダスト(例えば、塵埃、水等)の侵入を防止するシール部材56を設けることが好ましい。図面では一例として、第2の実施形態に係るダンパ付プーリ(図2)の構成にシール部材56を設けた場合を例示する。ここで、シール部材56は、弾性保持部材54の一部をスラストベアリング52の摺動面52aを覆うように軸方向へ突出させて構成されている。この場合、シール部材56は、弾性保持部材54と一体的に形成してもよいし、或いは、別体として構成し、弾性保持部材54に後付け(例えば、接着、溶着等)してもよい。
なお、シール部材56を軸方向へ突出させた分だけ、ダンパ部30bの例えば第1の外側円筒部42a及び環状弾性体46の側面(シール部材56に対向する側面)を慣性質量体48よりも窪ませることで、シール部材56とダンパ部30bの慣性質量体48と第1の外側円筒部42a及び環状弾性体46との間に形成される隙間を、ダイレクトにスラストベアリング52の摺動面52aに繋がらないラビリンス構造にすることができる。
以上、本実施の形態によれば、ダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40及びプーリユニット32のカバー部32bに開口部30h,32hを貫通形成したことにより、ダンパ付プーリ全体の軽量化を図ることができるとともに、エンジン騒音の低減を図ることができる。そして、シール部材56を設けたことにより、各開口部30h,32hからスラストベアリング52の摺動面52aへのダストの侵入を防止することができるため、当該スラストベアリング52の耐用年数の向上(即ち、寿命の向上)を図ることができる。なお、その他の構成は、上記した第2の実施形態と同様であり、また、作用効果については、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第6の実施形態に係るダンパ付プーリについて、図5(a),(b)を参照して説明する。
図5(a),(b)に示すように、本実施形態のダンパ付プーリは、プーリユニット32のカバー部32bの外方側面Soutに、環状弾性体34の外周面を保護する保護カバー58を設けて構成されている。図面では一例として、保護カバー58は、環状弾性体34の外側縁からクランク部32cに沿って延出し、その延出端側から環状弾性体34の外周面を覆うように突出して構成されている。この場合、保護カバー58は、上記した環状弾性体34と共に一体的に加硫成形することができる。
なお、保護カバー58の突出量(突出長さ)や突出形状、及び、突出した部分の厚さについては、ダンパ付プーリの例えば使用目的や使用環境に応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。要するに、環状弾性体34の外周面を保護できるような構成であればよい。また、本実施形態では、一例として、第2の実施形態に係るダンパ付プーリ(図2)の構成に保護カバー58を適用した場合を想定したが、これに限定されることはなく、他の実施形態に係るダンパ付プーリにも同様にして、上記した保護カバー58を適用することができることは言うまでもない。
以上、本実施の形態によれば、環状弾性体34の外周面を保護する保護カバー58を設けることにより、外的要因(例えば、異物の衝突等)による環状弾性体34へのダメージを防止することができるため、当該環状弾性体34の耐用年数の向上(即ち、寿命の向上)を図ることができる。なお、その他の構成は、上記した第2の実施形態と同様であり、また、作用効果については、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第7の実施形態に係るダンパ付プーリについて、図6(a)を参照して説明する。
上記した第1〜第6の実施形態では、スラストベアリング52を弾性保持部材54によって保持する場合を想定して説明したが、弾性保持部材54は、アイソレーションリング20(図7参照)を省略するうえで、必ずしも必要となる構成ではなく省略することが可能である。
そこで、本実施の形態では、スラストベアリング52をダンパユニット30とプーリユニット32との間に挟み込むだけで、ダンパユニット30とプーリユニット32との相対変位(相対回転)を許容するダンパ付プーリについて説明する。
一例として図6(a)には、ダンパユニット30とプーリユニット32とを互いに組み付けた状態において、ダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40と、プーリユニット32(カバー部32b)の内方側面Sinとの間に摺動自在に挟持されるスラストベアリング52を備えたダンパ付プーリが例示されている。
ここで、スラストベアリング52は、その両側に摺動面52aを有しており、一方の摺動面52aは、ダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40に対して摺動自在に構成され、他方の摺動面52aは、プーリユニット32(カバー部32b)の内方側面Sinに対して摺動自在に構成されている。
また、スラストベアリング52は、ハブ30aの円盤部40とカバー部32bの内方側面Sinとの間に挟持された状態において、その外周が、ダンパ部30bの第1の外側円筒部42aとハブ30aの円盤部40との境界部分(具体的には、第1の外側円筒部42aの内周)に当接した状態に位置決めされるようになっている。
この場合、ダンパユニット30とプーリユニット32とを互いに組み付けた状態において、スラストベアリング52の両側(摺動面52a)は、ハブ30aの円盤部40とカバー部32bの内方側面Sinとの間に挟持されると共に、ハブ30aの円盤部40とカバー部32bの内方側面Sinとに対して摺動自在に位置決めされる。これにより、ダンパユニット30とプーリユニット32との相対変位(相対回転)を常に安定して許容することが可能なダンパ付プーリが実現される。
以上、本実施の形態によれば、弾性保持部材54を省略したことで、上記した第1〜第6の実施形態に比べて、部品点数を削減することができるため、ダンパ付プーリの製造コストの低減を図ることができる。なお、上記した構成(即ち、弾性保持部材54を省略した点)以外の他の構成については、上記した第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
また、本実施の形態では、一例として、スラストベアリング52を、ダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40と、プーリユニット32(カバー部32b)の内方側面Sinとの間に摺動自在に挟持する場合を例示したが、これに代えて、例えばスラストベアリング52を、ダンパユニット30(ダンパ部30b)と、プーリユニット32(カバー部32b)の内方側面Sinとの間に挟持するようにしてもよい。
また、上記した第7の実施形態では、その両側に摺動面52aを有するスラストベアリング52について説明したが、これに代わる変形例として、片側を非摺動面52bとしたスラストベアリング52を適用してもよい。
この場合、本変形例に係るスラストベアリング52は、ダンパユニット30又はプーリユニット32のいずれか一方との摺動面52aを有し、非摺動面52bがダンパユニット30又はプーリユニット32の他方に当接して一体的に保持されるようになっている。
ここで、スラストベアリング52の非摺動面52bを相手方部材(ダンパユニット30又はプーリユニット32)に当接させて一体的に保持させる方法として、例えば、非摺動面52bには、少なくとも1つの凸部を突設すると共に、相手方部材には、凸部が嵌合可能な少なくとも1つの凹部を形成する。そして、凸部を凹部に嵌合させることで、スラストベアリング52の非摺動面52bを相手方部材に当接させて一体的に保持させることができる。なお、上記の凸部と凹部は、スラストベアリング52を装着する際の位置決め機能及び装着後の位置ずれ防止機能を有している。
一例として図6(b)には、スラストベアリング52の非摺動面52bを相手方部材であるダンパユニット30に当接させて一体的に保持させる構成が例示されている。
この場合、非摺動面52bには、複数の凸部60が周方向に沿って所定間隔(例えば、等間隔)で突設されており、ダンパユニット30には、そのハブ30aの円盤部40に、各凸部60がそれぞれ嵌合可能な複数の凹部62が形成されている。なお、凸部60の大きさ、形状、数については、スラストベアリング52(非摺動面52b)の大きさや形状に応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。また、凹部62については、凸部60の大きさ、形状、数に応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。
以上、本変形例のスラストベアリング52によれば、各凸部60を各凹部62に嵌合させることで、その非摺動面52bがダンパユニット30(ハブ30a)の円盤部40に当接して一体的に保持され、その状態で、摺動面52aがプーリユニット32(カバー部32b)の内方側面Sinに対して摺動自在に位置決めされる。これにより、ダンパユニット30とプーリユニット32との相対変位(相対回転)を常に安定して許容することが可能なダンパ付プーリが実現される。なお、本変形例において、上記した構成以外の他の構成、並びに、作用効果については、上記した第7の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
なお、第1乃至第7の実施形態では、いずれもエンジン側にダンパユニット30が配置されるものを例示したが、ダンパユニット30とプーリユニット32の組み付け位置を反転させ、エンジン側にプーリユニット32を配置するように構成することもできる。また、第1乃至第7の実施形態では、いずれもジャーナルベアリング50を、プーリ部32aの内周面と慣性質量体48の外周面との間に設けるものを例示したが、ダンパユニット30とプーリユニット32との相対変位(相対回転)を許容する位置であれば、ジャーナルベアリング50を他の位置に設けることも可能である。
30 ダンパユニット
30a ハブ
30b ダンパ部
32 プーリユニット
32a プーリ部
32b カバー部
34 環状弾性体
36 プレッシャーリング
Sout カバー部の外方側面
Sin カバー部の内方側面

Claims (11)

  1. 回転軸に取り付け可能に構成され、前記回転軸のねじり振動を低減するダンパ部が設けられたダンパユニットと、
    前記ダンパユニットと組み付け可能に構成され、前記ダンパ部の外周側に同心状に配置されるプーリ部、及び、前記プーリ部から径方向内側に向けて連続し、かつ、前記ダンパ部の一方側周を覆うように配置されるカバー部を有するプーリユニットと、
    前記ダンパユニットと前記プーリユニットとの相対変位を許容するスラストベアリングと、
    前記カバー部の外方側に周方向に配置され、軸方向の一端側が前記カバー部の外方側面に固定される弾性体と、
    前記弾性体の軸方向の他端側に固定され、前記ダンパユニットとの固定位置が軸方向に調整可能なプレッシャーリングとを備え、
    前記プレッシャーリングと前記カバー部とによって前記弾性体に軸方向の予備圧縮を付与することを特徴とするダンパ付プーリ。
  2. 前記スラストベアリングは、前記ダンパユニット及び前記プーリユニットとの摺動面を有することを特徴とする請求項1に記載のダンパ付プーリ。
  3. 前記スラストベアリングは、前記ダンパユニット又は前記プーリユニットのいずれか一方との摺動面を有し、非摺動面が前記ダンパユニット又は前記プーリユニットの他方に当接して一体的に保持されていることを特徴とする請求項1に記載のダンパ付プーリ。
  4. 前記スラストベアリングは、前記ダンパユニット又は前記プーリユニットのいずれか一方との摺動面を有し、非摺動面が軸方向に圧縮可能な弾性保持部材を介して前記ダンパユニット又は前記プーリユニットの他方に一体的に保持されていることを特徴とする請求項1に記載のダンパ付プーリ。
  5. 前記スラストベアリングは、前記ダンパユニットとの摺動面を有し、前記プーリユニットに一体的に保持されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のダンパ付プーリ。
  6. 前記スラストベアリングは、前記プーリユニットとの摺動面を有し、前記ダンパユニットに一体的に保持されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のダンパ付プーリ。
  7. 前記スラストベアリングは、前記ダンパユニットの慣性質量体の側面と摺動することを特徴とする請求項5に記載のダンパ付プーリ。
  8. 前記スラストベアリングは、前記プーリユニットの前記カバー部の内方側面と摺動することを特徴とする請求項6に記載のダンパ付プーリ。
  9. 前記カバー部は、その中心寄りの部位を前記ダンパユニットに接近させるためのクランク部を有し、前記弾性体は、前記クランク部よりも中心寄りに設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載のダンパ付プーリ。
  10. 前記弾性体の外周面を保護する保護カバーを前記カバー部の外方側面に設けたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載のダンパ付プーリ。
  11. 前記スラストベアリングの摺動面へのダストの侵入を防止するシール部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載のダンパ付プーリ。
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