JP2011032408A - 軽油製造システムおよび軽油製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】常圧下反応、小規模処理を可能とし、水やグリセリン等の副生成物を発生しない軽油製造システムおよび軽油製造方法を提供することにある。
【解決手段】軽油製造システムは、軽油の製造原料を予熱して原料液を得る予熱器11と、予熱されて得られた原料液を触媒で反応する、固体触媒が充填された固定式触媒反応塔12と、固定式触媒反応塔12で反応して得られた分解油を分留し第1分留油を得る第1分留塔13と、第1分留塔で得られた第1分留油を、第1分留塔の分留温度範囲よりも低い分留温度範囲で分留し第2分留油を得る第2分留塔14と、第2分留塔14で得られた第2分留油を冷却して軽油を得る冷却塔15とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、軽油製造システムおよび軽油製造方法に関する。特に、軽油製造原料として、廃食油、植物系油脂、動物系油脂、各種鉱物油を単体または混合して用いることが可能である軽油製造システムおよび軽油製造方法に関するものである。
廃食油などの油脂類を用いた軽油代替燃料化技術として、エステル交換法(FAME)が実用化され広く採用されている。しかしエステル交換法は反応速度が遅く、石油由来のメタノールが必要であり、また、副生成物であるグリセリンの処理や水洗工程で発生する排水処理などの問題がある。
また、他の方法として水素化法がある。この水素化法は、反応速度が速く、軽油としての品質は高いものの、水素源や高圧ガス設備を必要とし、さらに副生成物として水が発生することや、合成油がパラフィンであることから低温流動性が劣るなどの問題がある(例えば、特許文献1、2)。
また、他の方法として流動床式接触分解(FCC)法がある。この方法による廃食油の改質は、循環流動床などの大規模設備が必要であり、FCC触媒であるゼオライト(USY型など)を使用する場合、接触分解(クラッキング)が進みすぎ、ガス、ナフサの収率は高いが、軽油分が少なくなる問題がある(例えば、特許文献3、4)
また、他の方法として廃食油を加熱炉で気化させ触媒と接触分解させる方法もあるが、気化させる際に熱分解により油が酸化劣化し品質が低下するとともに、収率も低下してしまう問題がある(例えば、特許文献5、6)。
特開2006−138300号公報 特開2006−138298号公報 特開2007−288952号公報 特開2006−28570号公報 特開2007−5813号公報 特開2007−3297号公報
そこで、本発明は、上記従来技術の有する問題点・状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、常圧下反応、小規模処理を可能とし、水やグリセリン等の副生成物を発生しない軽油製造システムおよび軽油製造方法を提供することにある。
本発明に係る軽油製造システムは、
軽油の製造原料を予熱して原料液を得る予熱器と、
予熱されて得られた原料液を触媒で反応する、固体触媒が充填された固定式触媒反応塔と、
固定式触媒反応塔で反応して得られた分解油を分留し第1分留油を得る第1分留塔と、
第1分留塔で得られた第1分留油を、第1分留塔の分留温度範囲よりも低い分留温度範囲で分留し第2分留油を得る第2分留塔と、
第2分留塔で得られた第2分留油を冷却して軽油を得る冷却塔と、を有する。
この構成によれば、軽油の製造原料を予熱器で予熱して原料液を得る。予熱温度は、原料が気化しない温度範囲であって、効率良く触媒反応が行われる温度範囲が好ましく、例えば、200〜400℃の温度範囲、好ましくは、300〜350℃の温度範囲である。製造原料を予熱して液体のまま触媒反応温度域にしているため、気化による酸化劣化がないので好ましい。予熱器の加熱は、特に制限されず、例えば電気ヒーター、バーナー、または熱風やスチーム等を用いた熱交換器等で実現できる。
そして、この原料液を固体触媒で接触分解反応をさせる。原料液は例えば、噴霧、噴射、滴下、液流し、塗布等の各種方法で供給可能である。原料液は固体触媒と接触分解反応し、炭素数9〜20のオレフィン・パラフィンを主成分とする炭化水素混合物(以下、「分解油」という)が得られる。また、固定式触媒反応塔内の温度や固体触媒の温度を、触媒反応温度域にするための加熱手段を備えることが好ましい。加熱手段としては、特に制限されず、例えば、電気ヒーター、バーナー、または熱風やスチーム等を用いた熱交換器等が挙げられる。また、固定式触媒反応塔で発生した分解油のキャリアガスとして、例えば窒素ガス、水蒸気、オフガス等の不活性ガスを用いることが好ましい。このキャリアガスは、運転中連続して供給されてもよく、運転状況に応じて供給されてもよい。
また、固体触媒としては、例えば、ゼオライト、イオン交換樹脂、石灰、クレー、金属酸化物、金属炭酸塩、SiO−MgOやSiO−CaO等の複合酸化物または担持金属酸化物等が挙げられ、特にSiO−MgOの担持金属酸化物が好ましい。また、固体触媒を固定する方法は特に制限されず、固定部材に固体触媒を固定して、固定式触媒反応塔を構成できる。
そして、固定式触媒反応塔で反応して得られた分解油を第1分留塔、第2分留塔による2段階の分留を行う。第1分留塔の分留温度範囲は高く、第2分留塔の分留温度範囲はそれよりも低い分留温度範囲である。第1分留塔の分留温度範囲は、軽油以上の沸点成分を分離させるのに好ましい温度範囲がよく、例えば、340℃〜360℃の温度範囲が好ましく、350℃がより好ましい。また、第2分留塔の分留温度範囲は、軽油以下の沸点成分を分離させるのに好ましい温度範囲がよく、例えば、120℃〜200℃の温度範囲が好ましく、120℃〜150℃の温度範囲がより好ましい。また、分解油の保有熱量によりそのまま分留することが好ましい。例えば、第1分留塔に供給される分解油の温度を第1分留塔での温度低下を考慮した350℃以上とし、第2分留塔に供給される第1分留油の温度を第2分留塔での温度低下を考慮した温度範囲になるように構成する。この2段階の分留によって、可燃性ガス成分・ナフサ・灯油、軽油、残渣(コーク)等の炭化水素油を連続的に分留する。
そして、第2分留塔で得られた第2分留油を冷却して軽油を得る。軽油は、ディーゼル燃料とも称され、本発明によって製造された軽油は、JIS K2204規格に合致した軽油であり、従来のバイオディーゼル燃料(BDF)、軽油代替燃料とは区別される。
よって、固体触媒が充填された固定式触媒反応塔を用いるため、小規模の処理が可能となり、地域分散型システム(地域地消型システム)に適する。また、流動床式触媒のように触媒の磨耗やロスの問題が生じない。また、固定式触媒反応塔に原料液を連続的に供給できるため、エステル交換法のようなバッチ処理よりも、連続処理が可能かつ運転が容易となり、さらに理論エネルギー収率が高くなる。また、常圧下での反応であるため、非常にシンプルな設備構成となっており設備コストが他の従来方法よりも格段に安価である。また、エステル交換法のような反応剤等の薬品を要せず、また、副生成物も生じないため排液処理も不要である。
軽油の製造原料は、例えば、廃食油、植物系油脂、動物系油脂、鉱物油、それらの混合油が挙げられる。廃食油としては、例えば、てんぷら油、から揚げ油等である。植物系油脂としては、菜種油、大豆油、ゴマ油、紅花油、綿実油、米油、落花生油、ひまわり油、とうもろこし油、オリーブ油、パーム油、ココナッツ油、ジャトロファ油、ピーナッツ油等が挙げられる。動物系油脂としては、例えば、牛脂(ヘット)、豚油(ラード)等が挙げられる。鉱物油としては、炭化水素系の各種鉱物油が挙げられる。
上記方法の実施形態として、
固定式触媒反応塔および/または固体触媒に付着した可燃性の付着物に対しガスを供給するガス供給手段と、
ガス供給手段によるガスによって燃焼した付着物の排ガス中のガス成分を測定するガス成分測定手段と、
ガス成分測定手段で測定された結果に基づいて、付着物が燃焼したか否かを判定する判定手段と、
判定手段で判定された結果に基づいて、ガス供給量を制御するガス供給制御手段と、を有する構成がある。
この構成によれば、固定式触媒反応塔および/または固体触媒に付着した可燃性の付着物に対しガスを供給して付着物を燃焼させることができ、固体触媒を再生し再利用することができる。また、付着物を燃焼して固体触媒の温度を好適に制御することができる。さらに、付着物を燃焼させて生じた排ガス中のガス成分を測定して、付着物が燃焼したか否かを判定し、ガス供給量を好適に精度よく制御できる。ガスとしては、例えば、空気、高酸素濃度空気、酸素等が挙げられる。固定式触媒反応塔内にガスを供給する方法として、上述のキャリアガスと一緒に供給してもよく、別の供給手段を用いてもよい。
上記方法の実施形態として、第1、第2分留塔から回収される可燃性成分を熱源燃料として、予熱器、固定式触媒反応塔、および/または第1、第2分留塔に熱供給可能に構成したものがある。
この構成によれば、可燃性成分を熱源燃料に用いて、予熱器、固定式触媒反応塔、および/または第1、第2分留塔の加熱を行うことができる。可燃性成分のガス成分、ナフサ、灯油、残液、コーク等は、バーナー等の燃料や熱交換器の熱源として用いられ、その熱が予熱器、固定式触媒反応塔、第1、第2分留塔の加熱源として好適に用いることができる。よって、別途、加熱手段を備える必要がなくまたは加熱手段の補助熱源として機能させることができるため、エネルギー効率の点で優れ、エネルギー自立型のシステムを構築できるため好ましい。
上記方法の実施形態として、複数の固定式触媒反応塔を並列に配置する構成がある。この構成によれば、任意の固定式触媒反応塔で固体触媒による接触分解反応をさせて分解油の生成を行い、他の固定式触媒反応塔で固体触媒に付着した可燃性付着物を燃焼して固体触媒を再生させることができるので、再生時に発生する廃熱を予熱器や他方の固定式触媒反応塔の熱源として利用可能に構成できるため好ましい。また、接触分解反応の反応効率が低下した場合や、メンテナンス等の際においても連続反応を実現できるため好ましい。ここで「複数」は、2以上であるが、例えば、固定式触媒反応塔が2基並列に配置される。
上記方法の実施形態として、軽油の製造原料中の異物を除去する除去手段をさらに有する構成がある。この構成によれば、製造原料中の異物を除去することができるため、異物が固体触媒に付着することによる接触分解反応の効率低下を防止できるため好ましい。除去手段としては、ろ過器が好ましい。ろ過性能としては、0.5μm〜5μm程度のフィルターで構成することができ、1μ程度が好ましい。異物としては、てんぷら油中の天カス等が挙げられる。製造原料を予めろ過器でろ過し、これを予熱器に供給するように構成することができ、また、予熱器の供給部にろ過器が設置され、このろ過器を通して製造原料が予熱器内に供給されるように構成することもできる。
また、他の本発明は、
軽油の製造原料を予熱器で予熱し原料液を得る予熱工程と、
予熱されて得られた原料液を、固体触媒が充填された固定式触媒反応塔で反応させて分解油を得る固定式触媒反応工程と、
固定式触媒反応工程で得られた分解油を分留し第1分留油を得る第1分留工程と、
第1分留工程後の第1分留油を、第1分留工程の分留温度範囲よりも低い分留温度範囲で分留し第2分留油を得る第2分留工程と、
第2分留工程後の第2分留油を冷却塔で冷却して軽油を得る冷却工程と、を有する軽油製造方法である。
また、上記の軽油製造方法の実施形態として、
固定式触媒反応塔および/または固体触媒に付着した可燃性の付着物に対しガスを供給し、このガスによって燃焼した付着物の排ガス中のガス成分を測定し、この測定された結果に基づいて、付着物が燃焼したか否かを判定し、この判定された結果に基づいて、ガス供給量を制御して、固体触媒を再生する燃焼再生工程、をさらに有する構成がある。
また、上記の軽油製造方法の実施形態として、複数の固定式触媒反応塔を並列に配置し、固定式触媒反応工程を連続的に稼動可能に構成したものがある。
また、上記の軽油製造方法の実施形態として、軽油の製造原料中の異物を除去する除去工程をさらに有する構成がある。
以上の軽油製造方法の作用効果は、上記の軽油製造システムの作用効果と同様である。
本発明の一実施形態に係る軽油製造システムを説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る軽油製造方法の工程フロー図である。 本発明の別実施形態に係る軽油製造システムを説明するための図である。 反応式を示す図である。 分解油、分留油、市販の軽油のGC−MS分析結果を示す図である。
本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る一実施形態に係る軽油製造システムについて説明する図である。軽油製造システムは、軽油の製造原料中の異物をろ過するろ過器10と、ろ過した後の製造原料を予熱して原料液を得る予熱器11と、予熱されて得られた原料液を触媒で接触分解反応を行う、固体触媒が充填された固定式触媒反応塔12と、固定式触媒反応塔12で反応して得られた分解油を分留して第1分留油を得る第1分留塔13と、第1分留塔13で得られた第1分留油を、第1分留塔13の分留温度範囲よりも低い分留温度範囲で分留して第2分留油を得る第2分留塔14と、第2分留塔14で得られた第2分留油(軽油質)を冷却して軽油を得る冷却塔15とを有している。
固定式触媒反応塔の、固体触媒としては、例えば、ゼオライト、イオン交換樹脂、石灰、クレー、金属酸化物、金属炭酸塩、SiO−MgOやSiO−CaO等の複合酸化物または担持金属酸化物等が挙げられ、特にSiO−MgOの担持金属酸化物が好ましい。このSiO−MgOの担持金属酸化物を用いた場合、得られる軽油質の収率が60%以上となり好ましい。
固定式触媒反応塔内に固体触媒が設置されるが、噴射手段、噴霧手段等で供給された原料液と固体触媒との接触面積、接触時間が大きくなるように、固定式触媒反応塔内に固体触媒が設置されることが好ましい。
また、固定式触媒反応塔12および/または固体触媒に付着した可燃性の付着物に対しガス(空気)を供給するガス供給手段(不図示)と、ガス供給手段によるガス(空気)によって燃焼した付着物の排ガス中のガス成分(二酸化炭素)を測定するガス成分測定手段16と、ガス成分測定手段16で測定された結果に基づいて、付着物が燃焼したか否かを判定する判定手段17と、判定手段17で判定された結果に基づいて、ガス供給量を制御するガス供給制御手段18とをさらに有している。
ガス(空気)を固定式触媒反応塔12内に供給するためのガス供給手段(不図示)は、例えば、コンプレッサー、流量制御弁、配管等で構成される。この実施形態では、ガス(空気)は上述のキャリアガスと一緒に供給される構成である。可燃性の付着物に対しガス(空気)が吹きつけられて効果的に付着物が燃焼されるように、配管先端のノズル部を配置することが好ましい。
ガス成分測定手段16は、二酸化炭素濃度を測定する公知のレーザー測定器、ガス測定器等で構成される。判定手段17およびガス供給制御手段18を情報処理装置、専用回路、ファームウエア、それらの組み合わせ構成で実現してもよい。情報処理装置の場合、制御手順を記述したプログラムとそれを格納するメモリと演算部であるCPU、メインメモリ等のハードウエア資源との協働作用によって実現される。ガス供給制御手段18による指令によってガス供給手段の、例えば弁の開閉制御、オリフィス開口径の絞り制御、キャリアガスまたはガスの流速(または流量)制御等を行う構成でもよい。
また、第1、第2分留塔13、14から回収される可燃性成分を熱源として、予熱器11、固定式触媒反応塔12、および/または第1、第2分留塔13、14に提供可能に構成されている。第1、第2分留塔13、14から可燃性成分を回収する手段としては、例えば、ガス成分の場合は分留塔に接続された配管から回収できる。また、ナフサ、灯油、残液、コーク等は、分留塔下部に接続された排出管や受皿等で回収できる。ガス成分、ナフサ、灯油、残液、コーク等は、バーナー等の燃料や熱交換器の熱源として用いられ、その熱が予熱器11、固定式触媒反応塔12、第1、第2分留塔13、14の熱源として好適に用いられる。また、第1分留塔から排出される残液は、固定式触媒反応塔に返送して、再度反応原料として用いることも可能である。
(別実施形態)
また、別実施形態として、図3に示すように、2基の固定式触媒反応塔12a、12bを並列に配置する構成がある。一方の固定式触媒反応塔12aで固体触媒による接触分解反応をさせて分解油の生成を行い、他方の固定式触媒反応塔12bで固体触媒に付着した可燃性付着物を燃焼して固体触媒を再生させることができるので、再生時に発生する廃熱を予熱器や他方の固定式触媒反応塔の熱源として利用可能に構成できるため好ましい。また、接触分解反応の反応効率が低下した場合や、メンテナンス等の際においても連続反応を実現できるため好ましい。切換制御装置(不図示)を備え、原料液供給の切換制御や、ガス供給の切換制御等を行うように構成できる。
また、製造原料の投入量とそれに対し得られた軽油収量とを比較判断し、軽油収率の低下が閾値以下になった際に、固定式触媒反応塔内の固体触媒を燃焼再生するように制御する制御装置を備えることが好ましい。この制御装置は、情報処理装置、ファームウエアあるいは専用回路等で構成され、情報処理装置の場合、制御手順を記述したプログラムとそれを格納するメモリと演算部であるCPU、メインメモリ等のハードウエア資源との協働作用によって実現される。閾値は、予め設定され、例えば、収率の10%低下値を用いることができる。
図2は、製造フロー工程を示す図である。先ず、軽油の製造原料中の異物をろ過器10でろ過する(除去工程、ステップS1)。この工程は、製造原料中に異物がなければ省略できる。次いで、軽油の製造原料を予熱器11で予熱し原料液を得る(予熱工程、ステップS2)。次いで、予熱されて得られた原料液を、固体触媒が充填された固定式触媒反応塔12で接触分解反応させて分解油を得る(固定式触媒反応工程、ステップS3−1)。次いで、固定式触媒反応工程で得られた分解油を第1分留塔13で高温分留し、第1分留油を得る(第1分留工程、ステップS4)。その後、第1分留工程後の第1分留油を、第1分留工程の分留温度範囲よりも低い分留温度範囲の第2分留塔14で低温分留し、第2分留油を得る(第2分留工程、ステップS5)。次いで、第2分留工程後の第2分留油(軽油質)を冷却塔16で冷却して軽油を得る(冷却工程、ステップS6)。
2基の固定式触媒反応塔12a、12bが並列に配置されている場合には、以下の工程が含まれる。固定式触媒反応塔(12aまたは12b)および/または固体触媒に付着した可燃性の付着物に対しガス(空気)を供給し、このガス(空気)によって燃焼した付着物の排ガス中のガス成分をガス成分測定手段16で測定し、この測定された結果に基づいて、付着物が燃焼したか否かを判定手段17で判定し、この判定された結果に基づいて、ガス供給量をガス供給量制御手段18で制御して、固体触媒を再生する(燃焼再生工程、ステップS3−2)。よって、固定式触媒反応工程と燃焼再生工程を交互に行うことができ、軽油製造を連続的に稼動できる。
(実施例1)
上述の図1のシステムで、廃食油を製造原料として軽油を製造した。廃食油として1週間使用後のサラダ油を用いた。この実施例では、廃食油100Lに対し、12.5L/hの処理速度で軽油を製造した。固体触媒として、SiO−MgOの担持触媒(SiO−MgOの担持金属酸化物を有して構成されている)を用いた。
まず、廃食油を1μフィルターでろ過し異物を除去した。次いで、予熱器で400℃程度まで加熱し原料液を得た(気化していない状態である)。次いで、固定式触媒反応塔に、予熱した原料液を噴霧し、固体触媒に接触させて、炭素数9〜20の分解油を得た。分解油の他に、分解ガスと残渣、コーク等が発生する。分解ガスの組成分析およびその質量分析を行う。固定式触媒反応塔内での接触分解反応を図4に示す。また、得られた分解油の組成分析結果を図5(a)に示す。組成分析よびその質量分析は、ガスクロマトグラフィ質量分析計(株式会社島津製作所 GCMS−QP2010)を用いた。
次いで、分解油は、キャリアガス(N)により、第1分留塔に供給する。この分解油を第1分留塔で350℃の高温分留を行ない、第2分留塔で120〜150℃の低温分留を連続して行った。つまり、ガス成分、ナフサ質(液体)、灯油質(液体)、軽油質(液体)、分留残液、コーク等の炭化水素油を連続的に分留した。この実施例では分留ロスも5%程度生じた(表1参照)。低温分留後に得られた分留油(軽油質)の組成を上述と同様にGCMS−QP2010を用いて組成分析よびその質量分析を行った。その組成分析結果を図5(b)に示す。また比較として、市販の軽油の組成分析結果を図5(c)に示す。
図5(a)から(c)のピークは、合成された炭化水素油の炭素数を示している。軽油分の炭素数は14〜18、ナフサや灯油分の炭素数は5〜14である。よって、得られた分留油は、軽油質の炭化水素油を主成分とし、市販の軽油と同程度の組成であることを確認できた。
また、各段階で生じた成分の組成、質量を分析し、重量収支、エネルギー収支を算出した結果を表1に示す。表1の結果から、得られた軽油質の重量収支が70%、エネルギー収支が79%と極めて高い数値であることが確かめられた。
Figure 2011032408
次いで、第1、第2分留塔を経て得られた第2分留油(軽油質)を冷却塔で冷却して軽油(液)を得た。この軽油を用いて、ディーゼルエンジンを駆動させたが、問題は生じなかった。
次いで、燃焼再生の実施例について説明する。固定式触媒反応塔および固体触媒に残存した残渣、コーク等に空気を供給して燃焼させた。排ガス中の二酸化炭素濃度を測定して、完全に燃焼されたか否かを確認した。
また、第1、第2分留塔からガス成分、ナフサ、灯油、残液、コーク等を回収し、これらを予熱器、反応塔、各分留塔の熱源として利用できたことを確認した。
(実施例2)
固体触媒として、ゼオライトを用いたこと以外、実施例1と同様の条件とした。第1、第2分留塔を経て得られた第2分留油(軽油質)の重量収支が60%、エネルギー収支が67%であった。
(実施例3)
固体触媒として、金属酸化物系触媒を用いたこと以外、実施例1と同様の条件とした。第1、第2分留塔を経て得られた第2分留油(軽油質)の重量収支が40%、エネルギー収支が45%であった。
10 ろ過器
11 予熱器
12 固定式触媒反応塔
13 第1分留塔
14 第2分留塔
15 冷却器
16 ガス成分測定手段
17 判定手段
18 ガス供給制御手段

Claims (9)

  1. 軽油の製造原料を予熱して原料液を得る予熱器と、
    予熱されて得られた原料液を触媒で反応する、固体触媒が充填された固定式触媒反応塔と、
    固定式触媒反応塔で反応して得られた分解油を分留し第1分留油を得る第1分留塔と、
    第1分留塔で得られた第1分留油を、第1分留塔の分留温度範囲よりも低い分留温度範囲で分留し第2分留油を得る第2分留塔と、
    第2分留塔で得られた第2分留油を冷却して軽油を得る冷却塔と、を有する軽油製造システム。
  2. 固定式触媒反応塔および/または固体触媒に付着した可燃性の付着物に対しガスを供給するガス供給手段と、
    ガス供給手段によるガスによって燃焼した付着物の排ガス中のガス成分を測定するガス成分測定手段と、
    ガス成分測定手段で測定された結果に基づいて、付着物が燃焼したか否かを判定する判定手段と、
    判定手段で判定された結果に基づいて、ガス供給量を制御するガス供給制御手段と、を有する請求項1記載の軽油製造システム。
  3. 第1、第2分留塔から回収される可燃性成分を熱源燃料として、予熱器、固定式触媒反応塔、および/または第1、第2分留塔に熱供給可能に構成した請求項1または2記載の軽油製造システム。
  4. 複数の固定式触媒反応塔を並列に配置する請求項1から3のいずれか1項に記載の軽油製造システム。
  5. 軽油の製造原料中の異物を除去する除去手段をさらに有する請求項1から4のいずれか1項に記載の軽油製造システム。
  6. 軽油の製造原料を予熱器で予熱し原料液を得る予熱工程と、
    予熱されて得られた原料液を、固体触媒が充填された固定式触媒反応塔で反応させて分解油を得る固定式触媒反応工程と、
    固定式触媒反応工程で得られた分解油を分留し第1分留油を得る第1分留工程と、
    第1分留工程後の第1分留油を、第1分留工程の分留温度範囲よりも低い分留温度範囲で分留し第2分留油を得る第2分留工程と、
    第2分留工程後の第2分留油を冷却塔で冷却して軽油を得る冷却工程と、を有する軽油製造方法。
  7. 固定式触媒反応塔および/または固体触媒に付着した可燃性の付着物に対しガスを供給し、このガスによって燃焼した付着物の排ガス中のガス成分を測定し、この測定された結果に基づいて、付着物が燃焼したか否かを判定し、この判定された結果に基づいて、ガス供給量を制御して、固体触媒を再生する燃焼再生工程、をさらに有する請求項6記載の軽油製造方法。
  8. 複数の固定式触媒反応塔を並列に配置し、固定式触媒反応工程を連続的に稼動可能に構成した請求項6または7記載の軽油製造方法。
  9. 軽油の製造原料中の異物を除去する除去工程をさらに有する請求項6から8のいずれか1項に記載の軽油製造方法。
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