JP5968099B2 - ディーゼル燃料製造システムおよびディーゼル燃料製造方法 - Google Patents

ディーゼル燃料製造システムおよびディーゼル燃料製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体触媒を用いて製造するディーゼル燃料の製造システムおよびディーゼル燃料の製造方法に関する。特に、ディーゼル燃料の製造原料として、廃食油、植物系油脂、動物系油脂、各種鉱物油を単体または混合して用いることが可能な、接触分解法によるバイオディーゼル燃料の製造システムおよびバイオディーゼル燃料の製造方法に関するものである。
廃食油などの油脂類を用いた軽油代替燃料として、接触分解法がある(例えば、特許文献1)。接触分解法は、固体触媒の作用により油脂のエステル結合部を開裂する脱炭酸分解反応により、軽油状の炭化水素、二酸化炭素、プロパンなどの軽質ガスに分解するものである。また、常圧下反応で、小規模処理を可能とする軽油製造システムがある(例えば、特許文献2)。
特開2007−177193号公報 特開2011−032408号公報
上記特許文献1、2の接触分解法では、固体触媒を反応温度に加温する必要があり、また、反応器で得られたガス成分から最終製品であるディーゼル燃料を得るために、分留器や冷却器を備える必要がある。そして、最終の製品品質や収率などの性能や安定運転を確保するためには、反応器やその後段の分留器、冷却器等を所定温度に制御する必要がある。これら装置の温度制御のために、加熱媒体および冷却媒体を用いた熱交換器を用いることが提案される。
しかしながら、熱交換器を用いた温度制御では、分留塔の大型化に伴って局所的な温度ムラが生じやすく、また、自然放熱のみでは所望の温度に下げることが難しい。また、固体触媒反応器の負荷変動や炭化水素油蒸気の負荷変動により温度変動が生じた場合に、分留精度が低下することも懸念される。
そこで、本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、局所的な温度ムラを低減して分留精度を向上させ、固体触媒反応器や炭化水素油蒸気の負荷変動に対して、すばやく温度制御を行えるディーゼル燃料製造システムおよびディーゼル燃料製造方法を提供することにある。
本発明のディーゼル燃料製造システムは、
原料油を貯留する原料タンクと、
原料油を予熱する予熱器と、
前記予熱器で予熱された前記原料油を接触させて、炭化水素からなる分解油に変換する固体触媒を有する反応器と、
前記反応器で得られた前記分解油から、重質油(重質留分)を凝縮し、当該凝縮された重質油以外の炭化水素油をガス状態で後段へ送る高温分留塔と、
前記高温分留塔から送られた前記ガス状態の炭化水素油から、軽油質の分解油(軽油留分)を凝縮し、当該凝縮された軽油質の分解油以外のナフサ・ガス成分を後段へ排出する低温分留塔と、
前記低温分留塔で凝縮された軽油質の分解油を回収する第1回収部と、
前記低温分留塔から排出された前記ナフサ・ガス成分を冷却する冷却部を有して、ナフサ留分を回収する第2回収部と、
前記第1回収部で回収された前記軽油質の分解油を前記高温分留塔へ第1供給ラインを介して供給し、高温分留塔内の温度を制御する第1温度制御手段と、
前記第2回収部で回収された前記ナフサ留分を前記低温分留塔へ第2供給ラインを介して供給し、低温分留塔内の温度を制御する第2温度制御手段と、を有する。
以上の構成によれば、第1温度制御手段によって高温分留塔内部を、第2温度制御手段によって低温分留塔内部の温度を所定温度範囲内になるように制御できるため、局所的な温度ムラを低減して各分留塔における分留精度を向上させ、かつ反応器や炭化水素油蒸気の負荷変動に対して、すばやく温度制御を行える(還流液噴霧による冷却制御)。また、反応器から排出される分解油(炭化水素油蒸気)の保有顕熱および蒸発潜熱(保有熱量)を利用して、わずかな冷却エネルギーにてオンラインで分留操作ができる。また、高温分留後または低温分留後に回収された凝縮油を再度分留に用いるため、分離精度が向上する。
原料油は、例えば、廃食油、植物系油脂、動物系油脂、各種鉱物油を単体または混合したものである。廃食油としては、例えば、てんぷら油、から揚げ油等である。植物系油脂としては、菜種油、大豆油、ゴマ油、紅花油、綿実油、米油、落花生油、ひまわり油、とうもろこし油、オリーブ油、パーム油、ココナッツ油、ジャトロファ油、ピーナッツ油等が挙げられる。動物系油脂としては、例えば、牛脂(ヘット)、豚油(ラード)等が挙げられる。鉱物油としては、炭化水素系の各種鉱物油が挙げられる。
原料油は、予熱器で予め加熱される。加熱された原料油の温度は、原料油が変質しない温度範囲であって、効率良く触媒反応が行われる温度にできるだけ近いことが好ましく、例えば、200〜400℃の温度範囲、好ましくは、300〜350℃の温度範囲である。原料油を熱分解による酸化劣化がない状態で触媒反応温度域近くまで予熱しているため、反応器での温度低下による反応率低下や加熱エネルギーロスが少なく好ましい。
接触分解法で用いられる触媒は、固体触媒である。固体触媒としては、例えば、ゼオライト、イオン交換樹脂、石灰、クレー、金属酸化物、金属炭酸塩、SiO−MgOやSiO−CaO等の複合酸化物または担持金属酸化物等が挙げられ、特にSiO−MgOの担持金属酸化物が好ましい。このSiO−MgOの担持金属酸化物を用いた場合、得られるディーゼル燃料(軽油)の収率が60%以上となり好ましい。また、固体触媒を固定する方法は特に制限されず、固定部材に固体触媒を固定して、固定式触媒反応器を構成する。
原料油が固定式触媒反応器で反応することで得られた分解油は、高温分留塔と、低温分留塔による2段階の分留が行われる。高温分留塔の分留温度範囲は、軽油以上の沸点成分を分離させるのに好ましい温度範囲であり、例えば、240〜360℃、好ましくは250〜350℃である。低温分留塔は、高温分留塔の分留温度範囲よりも低い分留温度範囲であって、軽油以下の沸点成分を分離させるのに好ましい温度範囲であり、例えば、120℃〜200℃の温度範囲が好ましく、140℃〜170℃の温度範囲がより好ましい。
上記2段階の分留によって、燃焼性ガス成分、ナフサ・灯油・軽油、残渣(コーク)等の炭化水素油を連続的に分留する。そして、低温分留塔で得られた軽油留分(ガス状)を冷却して液体の製品油(ディーゼル燃料)を得る。本発明によって製造されたディーゼル燃料は、JIS K2204規格に合致した軽油であり、従来のバイオディーゼル燃料(BDF(登録商標))、軽油代替燃料とは区別される。
また、上記発明の一実施形態において、
前記第1温度制御手段は、前記高温分留塔と前記低温分留塔との間のガスライン中のガス温度を測定する第1温度測定部と、前記第1供給ラインに設置され、前記第1温度測定部の測定値に応じて前記軽油質の分解油の供給量を制御する第2供給制御部と、前記軽油質の分解油を前記高温分留塔内へ噴霧する第1噴霧部と、を有し、
前記第2温度制御手段は、前記低温分留塔と前記第2回収部との間のガスライン中のガス温度を測定する第2温度測定部と、前記第2供給ラインに設置され、前記第2温度測定部の測定値に応じて前記ナフサ留分の供給量を制御する第2供給制御部と、前記ナフサ留分を前記低温分留塔内へ噴霧する第2噴霧部と、を有する。
この構成によって、第1温度制御手段は、ガスライン中のガス温度(または配管壁の温度)を直接または間接的に測定し、この測定値が所定温度範囲(例えば、250℃〜300℃、高温分留温度)になるように、軽質油(例えば、150〜200℃の軽油留分)を高温分留塔内へ噴霧できる。また、第2温度制御手段は、ガスライン中のガス温度(または配管壁の温度)を直接または間接的に測定し、この測定値が所定温度範囲(例えば、150℃〜200℃、低温分留温度)になるように、ナフサ留分を低温分留塔内へ噴霧できる。
上記第1、第2温度制御手段は、例えば、各種温度センサー、サーモスタット、サイリスタ、温度指示調節計、情報処理装置(制御プログラムを含む)、専用制御回路、ファームウエア等を単独であるいはそれらを組み合わせた装置を有してもよい。また、第1、第2供給ラインは、例えば、配管であり、第1、第2供給ラインには、液送用のポンプあるいはガス送り用の送風器(ファン)が組み込まれていてもよい。また、第1、第2供給制御部は、第1、第2供給ラインに組み込まれた、例えば、流量制御弁、ON/OFFの電磁弁でもあってもよい。第1、第2噴霧部は、第1、第2供給ラインの端部に取り付けられた、例えば噴霧ノズルでもよい。
また、上記発明の一実施形態において、前記第2回収部で前記ナフサ・ガス成分を冷却することで得られたガス成分を、前記予熱器へ供給して熱源として利用する供給ラインを、さらに有する。
この構成によれば、オフガス(ガス成分)を予熱器の熱源として利用できるため、システム全体の熱エネルギー利用効率が高いものとなり、反応器から排出される分解油(炭化水素油蒸気)の保有顕熱を利用して、加熱エネルギーなしにオンラインで分留操作ができる。
また、上記発明の一実施形態において、前記第1回収部は、冷却部を有し、前記低温分留塔で凝縮された軽油質の分解油を冷却して回収する。
また、上記発明の一実施形態において、前記高温分留塔と前記低温分留塔との間のガスラインに、熱交換部をさらに設けた構成である。この構成では、軽質油が得られていない運転立ち上げ時においても分留を好適に行える。
また、上記発明の一実施形態において、前記高温分留塔で凝縮されて分離された前記重質油を、前記反応器へ還流する還流部を、さらに有する。この構成では、重質油をさらに反応器で触媒反応させることで軽油収率を向上させることができる。
また、他の本発明のディーゼル燃料製造方法は、
原料油を予熱する予熱工程と、
前記予熱工程で予熱された前記原料油を固定触媒に接触させて、炭化水素からなる分解油に変換する触媒反応工程と、
前記触媒反応工程で得られた前記分解油から、重質油を凝縮し、当該凝縮された重質油以外の炭化水素油をガス状態で後段へ送る高温分留工程と、
前記高温分留工程から送られた前記ガス状態の炭化水素油から、軽油質の分解油を凝縮し、当該凝縮された軽油質の分解油以外のナフサ・ガス成分を後段へ排出する低温分留工程と、
前記低温分留工程で凝縮された軽油質の分解油を回収する第1回収工程と、
前記低温分留工程から排出された前記ナフサ・ガス成分を冷却して、ナフサ留分を回収する第2回収工程と、
前記第1回収工程で回収された前記軽油質の分解油を供給して、前記高温分留工程における温度を制御する第1温度制御工程と、
前記第2回収工程で回収された前記ナフサ留分を供給して、前記低温分留工程における温度を制御する第2温度制御工程と、を含む。
また、上記発明の一実施形態において、前記第1温度制御工程は、前記高温分留工程から送られた前記ガス状態の炭化水素油のガス温度を測定する第1温度測定工程と、前記第1温度測定工程の測定値に応じて前記軽油質の分解油の供給量を制御する第2供給制御工程と、を含み、
前記第2温度制御工程は、前記低温分留工程から送られた排出された前記ナフサ・ガス成分のガス温度を測定する第2温度測定工程と、前記第2温度測定工程の測定値に応じて前記ナフサ留分の供給量を制御する第2供給制御工程と、を含む。
また、上記発明の一実施形態において、前記第2回収工程で前記ナフサ・ガス成分を冷却することで得られたガス成分を、前記予熱工程の熱源として利用する工程を、さらに含む。
実施形態1のディーゼル燃料製造システムの一例を説明するための図である。 実施形態2のディーゼル燃料製造システムの一例を説明するための図である。 実施形態3のディーゼル燃料製造システムの一例を説明するための図である。
(実施形態1)
実施形態1に係わるディーゼル燃料製造システムの一例を図1を用いて説明する。ディーゼル燃料製造システムは、原料油を貯留する原料タンク1と、原料油を予熱する予熱器2と、予熱器2で予熱された原料油を接触させて、炭化水素からなる分解油に変換する固体触媒51を有する反応器5と、反応器5で得られた分解油から、重質油(重質留分)を凝縮し、当該凝縮された重質油以外の炭化水素油をガス状態で後段へ送る高温分留塔6と、高温分留塔6から送られたガス状態の炭化水素油から、軽油質の分解油(軽油留分)を凝縮し、当該凝縮された軽油質の分解油(軽油留分)以外のナフサ・ガス成分を後段へ排出する低温分留塔7と、低温分留塔7で凝縮された軽油質の分解油(軽油留分)を回収する第1回収部7と、低温分留塔7から排出されたナフサ・ガス成分を冷却する冷却部9を有して、ナフサ留分を回収する第2回収部10と、第1回収部8で回収された軽油質の分解油(軽油留分)を高温分留塔6へ第1供給ラインL3を介して供給し、高温分留塔6内の温度(内部流体温度、内部雰囲気温度)を制御する第1温度制御手段(P2、13、14、15)と、第2回収部10で回収されたナフサ留分を低温分留塔7へ第2供給ラインL4を介して供給し、低温分留塔7内の温度(内部流体温度、内部雰囲気温度)を制御する第2温度制御手段(P3、16,17,18)と、を有する。
原料タンク1から予熱器2へ原料油を液送するポンプP1をさらに備える。原料油は、予熱器2で200℃〜400℃の温度範囲に加熱され、原料油は、反応器5の上部から下部の固体触媒51へ噴霧ノズルによって噴霧供給される。噴霧された原料油が固体触媒51に接触し、炭素9〜20のオレフィン・パラフィンを主成分とする炭化水素混合物である分解油に連続的に変換される。分解油は、ガス状態で後段の高温分留塔6へ導入される。このとき、反応器5から出るガス状態の分解油の温度は、例えば380℃〜400℃である。
高温分留塔6では、分解油から重質油(重質留分)が凝縮し、それ以外のガス成分、ナフサ、灯油、軽油等の炭化水素油は、ガス状態で出され、第1ガスラインL1を介して低温分留塔7へ導入される。高温分留塔6から出た炭化水素油のガス温度は、例えば250℃〜300℃でる。
低温分留塔7では、炭化水素油から軽油質の分解油(軽油留分)が凝縮し、第1回収部8で回収される。回収された軽油留分の温度は、例えば150℃〜200℃である。
また、低温分留塔7で分離されたナフサ・ガス成分は、ガス状態で出され、第2ガスラインL2に導入され、冷却部9で冷却されて、ナフサ質の分解油(ナフサ留分)が第2回収部10で回収され、一方それ以外のガス成分はオフガス11として、オフガス供給ラインL5を介して予熱器2へ供給され熱源として利用される。低温分留塔7から出たナフサ・ガス成分のガス温度は、例えば150℃〜200℃である。なお、このオフガスを反応器5の熱交換器の熱源に利用してもよい。
本実施形態において、高温分留塔6と低温分留塔7の内部温度を適正範囲に維持するために、それよりも低温であって、各分留塔の内部流体を構成する成分を噴霧して、内部流体の冷却を行う。各分留塔は、その構造がラシヒリングなどを充填した充填塔であり、内部流体は上向きに流れ、軽油留分(あるいはナフサ留分)を塔上部から噴霧し、噴霧量を調整することにより、各分留塔の内部流体温度を制御できる(還流液噴霧による冷却制御)。
第1温度制御手段は、高温分留塔6と低温分留塔7との間の第1ガスラインL1中のガス温度を測定する第1温度測定部(温度指示調節計)13と、第1供給ラインL3に設置され、第1温度測定部13の測定値に応じて軽質油の供給量(噴霧量)を制御する第1流量制御弁14と、軽質油を高温分留塔6内へ噴霧する第1噴霧部15とを有する。第1回収部8の軽油留分は送込装置P2で第1噴霧部15へ送り込まれる。噴霧される軽油留分の温度は、高温分留塔6の内部流体温度よりも低温であり、例えば150〜200℃である。
第2温度制御手段は、低温分留塔7と第2回収部10との間の第2ガスラインL2中のガス温度を測定する第2温度測定部16と、第2供給ラインL4に設置され、第2温度測定部(温度指示調節計)16の測定値に応じてナフサ留分の供給量(噴霧量)を制御する第2流量制御弁17と、ナフサ留分を低温分留塔7内へ噴霧する第2噴霧部18とを有する。第2回収部10のナフサ留分は送込装置P3で第2噴霧部18へ送り込まれる。噴霧されるナフサ留分の温度は、低温分留塔7の内部流体温度よりも低温であり、例えば20〜50℃である。
(実施形態2)
図2に示す実施形態2は、実施形態1の構成に追加して、高温分留塔6で凝縮されて分離された重質油(重質留分)を回収する第3回収部21と、この重質油を、反応器5へ還流する還流ライン部L6をさらに有する構成である。この構成によって、重質油をさらに反応器で触媒反応させることで軽油収率を向上させることができる。
(実施形態3)
図3に示す実施形態3は、実施形態2の構成に追加して、第1回収部8が冷却部31を有し、低温分留塔7で凝縮された軽油質の分解油(軽油留分)を冷却して回収する構成である。
(別実施形態)
さらに別の実施形態として、高温分留塔6と低温分留塔7との間の第1ガスラインL1に、熱交換部をさらに設けた構成である。この構成では、軽質油が得られていない運転立ち上げ時においても分留を好適に行える。
(その他の構成要素)
また、予熱器2の加熱源は、例えば電気ヒーター、バーナー、または熱風、スチーム、廃ガス廃熱等を用いた熱交換器等で実現してもよい。
また、反応器5は、その内部温度や固体触媒51の温度を、触媒反応温度域(例えば、400〜450℃)にするための加熱手段を備えることが好ましい。加熱手段としては、特に制限されず、例えば、電気ヒーター、バーナー、または熱風、スチーム、廃ガス廃熱等を用いた熱交換器等が挙げられる。また、反応器5で発生した分解油を後段に搬送するためのキャリアガスとして、例えば窒素ガス、水蒸気、オフガス等の不活性ガスを用いることが好ましい。このキャリアガスは、運転中連続して供給されてもよく、運転状況に応じて供給されてもよい。
また、原料油中の異物を除去する除去手段をさらに有してもいてもよい。原料油中の異物を除去することで、異物が固体触媒51に付着することによる接触分解反応の効率低下を防止できるため好ましい。除去手段としては、ろ過器が好ましい。ろ過性能としては、0.5μm〜5μm程度のフィルターで構成することができ、1μm程度が好ましい。異物としては、てんぷら油中の天カス等が挙げられる。原料油を予めろ過器でろ過してから原料油タンク1に貯蔵しておいてもよい。
また、固定触媒51の再生を行うことができる。固体触媒の再生に、ナフサ、可燃性ガス等を燃焼器で燃焼した燃焼排ガスの一部を利用してもよい。固体触媒の耐熱温度を超える局所的な過大燃焼を抑制し、固体触媒51を全体的に効果的に再生できる。また、燃焼排ガスは、その酸素濃度が1〜10%、好ましくは5〜10%の範囲になるように燃焼器において燃焼制御されることが望ましい。また、燃焼排ガスの温度は、触媒に付着しているコークの燃焼を維持できるように、また触媒が過熱しないように、200〜500℃、好ましくは200〜300℃の範囲で反応器5に供給することが望ましい。
(製造方法)
本発明のディーゼル燃料の製造方法について以下に説明する。本製造方法は、上記実施形態1〜3の製造システムで好適に実行される。本製造方法は、原料油を予熱する予熱工程と、前記予熱工程で予熱された前記原料油を固定触媒に接触させて、炭化水素からなる分解油に変換する触媒反応工程と、前記触媒反応工程で得られた前記分解油から、重質油を凝縮し、当該凝縮された重質油以外の炭化水素油をガス状態で後段へ送る高温分留工程と、前記高温分留工程から送られた前記ガス状態の炭化水素油から、軽油質の分解油を凝縮し、当該凝縮された軽油質の分解油以外のナフサ・ガス成分を後段へ排出する低温分留工程と、前記低温分留工程で凝縮された軽油質の分解油を回収する第1回収工程と、前記低温分留工程から排出された前記ナフサ・ガス成分を冷却して、ナフサ留分を回収する第2回収工程と、前記第1回収工程で回収された前記軽油質の分解油を供給して、前記高温分留工程における温度を制御する第1温度制御工程と、前記第2回収工程で回収された前記ナフサ留分を供給して、前記低温分留工程における温度を制御する第2温度制御工程とを含む。
また、前記第1温度制御工程は、前記高温分留工程から送られた前記ガス状態の炭化水素油のガス温度を測定する第1温度測定工程と、前記第1温度測定工程の測定値に応じて前記軽油質の分解油の供給量を制御する第2供給制御工程と、を含み、前記第2温度制御工程は、前記低温分留工程から送られた排出された前記ナフサ・ガス成分のガス温度を測定する第2温度測定工程と、前記第2温度測定工程の測定値に応じて前記ナフサ留分の供給量を制御する第2供給制御工程とを含む。
また、前記第2回収工程で前記ナフサ・ガス成分を冷却することで得られたガス成分を、前記予熱工程の熱源として利用する工程をさらに含む。
<実施例>
図1の実施形態の製造システムを実施例とし、第1温度制御手段と第2温度制御手段の代わりにヒーターによって各分留塔の温度制御を行ったものを比較例とした。軽油留分の組成分布を表1に示す。分留条件として、高温分留塔の出口流体温度を260℃、低温分留塔の出口流体温度を130℃とした。
Figure 0005968099
実施例と比較例の結果から、高温分留塔での重質油の除去性能、低温分留塔でのナフサ留分の除去性能および軽油留分中の灯軽油比率がいずれも高まり、かつ分留性能も向上したことを確認できた。
1 原料油タンク
2 予熱器
5 反応器
6 高温分留器
7 低温分留器
8 第1回収部
9 冷却器
10 第2回収部
51 固体触媒

Claims (8)

  1. 原料油を貯留する原料タンクと、
    原料油を予熱する予熱器と、
    前記予熱器で予熱された前記原料油を接触させて、炭化水素からなる分解油に変換する固体触媒を有する反応器と、
    前記反応器で得られた前記分解油から、重質油(重質留分)を凝縮し、当該凝縮された重質油以外の炭化水素油をガス状態で後段へ送る高温分留塔と、
    前記高温分留塔から送られた前記ガス状態の炭化水素油から、軽油質の分解油(軽油留分)を凝縮し、当該凝縮された軽油質の分解油以外のナフサ・ガス成分を後段へ排出する低温分留塔と、
    前記低温分留塔で凝縮された軽油質の分解油を回収する第1回収部と、
    前記低温分留塔から排出された前記ナフサ・ガス成分を冷却する冷却部を有して、ナフサ留分を回収する第2回収部と、
    前記第1回収部で回収された前記軽油質の分解油を前記高温分留塔へ第1供給ラインを介して供給し、高温分留塔内の温度を制御する第1温度制御手段と、
    前記第2回収部で回収された前記ナフサ留分を前記低温分留塔へ第2供給ラインを介して供給し、低温分留塔内の温度を制御する第2温度制御手段と、
    前記高温分留塔と前記低温分留塔との間のガスラインに設けられる熱交換部とを有するディーゼル燃料製造システム。
  2. 前記第1温度制御手段は、
    前記高温分留塔と前記低温分留塔との間のガスライン中のガス温度を測定する第1温度測定部と、
    前記第1供給ラインに設置され、前記第1温度測定部の測定値に応じて前記軽油質の分解油の供給量を制御する第2供給制御部と、
    前記軽油質の分解油を前記高温分留塔内へ噴霧する第1噴霧部と、を有し、
    前記第2温度制御手段は、
    前記低温分留塔と前記第2回収部との間のガスライン中のガス温度を測定する第2温度測定部と、
    前記第2供給ラインに設置され、前記第2温度測定部の測定値に応じて前記ナフサ留分の供給量を制御する第2供給制御部と、
    前記ナフサ留分を前記低温分留塔内へ噴霧する第2噴霧部と、を有する、請求項1に記載のディーゼル燃料製造システム。
  3. 前記第2回収部で前記ナフサ・ガス成分を冷却することで得られたガス成分を、前記予熱器へ供給して熱源として利用する供給ラインを、さらに有する請求項1または2に記載のディーゼル燃料製造システム。
  4. 前記第1回収部は、冷却部を有し、前記低温分留塔で凝縮された軽油質の分解油を冷却して回収する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のディーゼル燃料製造システム。
  5. 前記高温分留塔で凝縮されて分離された前記重質油を、前記反応器へ還流する還流部を、さらに有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のディーゼル燃料製造システム。
  6. 原料油を予熱する予熱工程と、
    前記予熱工程で予熱された前記原料油を固定触媒に接触させて、炭化水素からなる分解油に変換する触媒反応工程と、
    前記触媒反応工程で得られた前記分解油から、重質油を凝縮し、当該凝縮された重質油以外の炭化水素油をガス状態で後段へ送る高温分留工程と、
    前記高温分留工程から送られた前記ガス状態の炭化水素油から、軽油質の分解油を凝縮し、当該凝縮された軽油質の分解油以外のナフサ・ガス成分を後段へ排出する低温分留工程と、 前記高温分留工程における高温分留塔と前記低温分留工程における低温分留塔との間のガスラインに設けられた熱交換部による熱交換工程と、
    前記低温分留工程で凝縮された軽油質の分解油を回収する第1回収工程と、
    前記低温分留工程から排出された前記ナフサ・ガス成分を冷却して、ナフサ留分を回収する第2回収工程と、
    前記第1回収工程で回収された前記軽油質の分解油を供給して、前記高温分留工程における温度を制御する第1温度制御工程と、
    前記第2回収工程で回収された前記ナフサ留分を供給して、前記低温分留工程における温度を制御する第2温度制御工程と、を含むディーゼル燃料製造方法。
  7. 前記第1温度制御工程は、
    前記高温分留工程から送られた前記ガス状態の炭化水素油のガス温度を測定する第1温度測定工程と、
    前記第1温度測定工程の測定値に応じて前記軽油質の分解油の供給量を制御する第2供給制御工程と、を含み、
    前記第2温度制御工程は、
    前記低温分留工程から送られた排出された前記ナフサ・ガス成分のガス温度を測定する第2温度測定工程と、
    前記第2温度測定工程の測定値に応じて前記ナフサ留分の供給量を制御する第2供給制御工程と、を含む、請求項6に記載のディーゼル燃料製造方法。
  8. 前記第2回収工程で前記ナフサ・ガス成分を冷却することで得られたガス成分を、前記予熱工程の熱源として利用する工程を、さらに含む請求項6または7に記載のディーゼル燃料製造方法。
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