JP2014024974A - ディーゼル燃料製造システムおよびこれを用いたディーゼル燃料製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 予熱された原料油を接触させて炭化水素からなる分解油に変換する反応器2,高温分留塔3および低温分留塔4を備えた分留・精製器5,高温分留塔3で回収された重質油を燃料として利用する重質油消費設備9と低温分留塔4回収されたナフサ等を燃料として利用するナフサ等消費設備10を有する消費設備と,低温分留塔4で回収された軽質油を冷却して製品油として供出する製品処理部13を備え、消費設備において発生する動力の少なくとも一部を本システムの動力源として利用するとともに、消費設備において発生する温熱の少なくとも一部を少なくとも予熱器1または/および反応器2の熱源として利用する
【選択図】 図1
Description
(i)廃食油等の接触分解処理において、各処理プロセスでの処理設備の動力源は、処理システム外部から供給を受けるのが通常であり、自立型のシステムではなかった。中小規模の連続式のディーゼル燃料製造システムにおいては、こうした自立的に動力源を確保することができるシステムの形成が、大きな課題となっている。
(ii)一方、廃食油等から分留・回収された可燃性成分は、上記のように、接触分解処理プロセスとは切り離された消費設備において消費され、消費設備において発生した温熱が接触分解処理プロセスの熱源として還流されるに止まっていた。また、廃食油等を原料とするディーゼル燃料製造システムにおいては、接触分解処理の最適な反応条件を確保するために、廃食油等の処理量に見合った適切な熱量が供給されることが必要である一方、廃食油等の処理量の変動に伴い、反応熱の変動および還流される温熱が過剰量あるいは過小量となることがあった。過小量の場合には、別途の熱源を確保することが必要となり、製造システムの熱源の効率的な利用方法が、課題となっている。
(iii)また、廃食油等から分留・回収された重質油成分は、処理プロセスの歩留まりを高めるために、原料供給系統に戻され、再度反応させていた。このとき、混合された原料油の接触分解処理には還流量に見合った熱源が必要となり、回収率の向上とエネルギーの効率化のバランスを図ることが、課題となっている。
前記動力源供給手段から供給される動力の少なくとも一部を、本システムの動力源として利用するとともに、前記熱源供給手段から供給される温熱の少なくとも一部を、少なくとも前記予熱器または/および前記反応器の熱源として利用することを特徴とする。
廃食油等の供給量および組成は、常に変動することから、得られる動力や温熱も変動する可能性がある。一方、製造プロセスの安定操業において、使用される動力や温熱の安定は不可欠であり、特に動力や温熱の不足は、回収される軽質油の品質にも影響を及ぼす可能性がある。本発明は、回収される軽質油の一部を動力源や熱源として用い、副生物の発生量の減少分を補填することができる製造システムとすることによって、こうした動力や温熱の不足を未然に防止することを可能とした。
廃食油等の接触分解反応は、後述するように200〜400℃といった高温領域で行なわれ、反応器を加熱する必要がある。本システムにおいては、熱源供給手段から供給される温熱(主と燃焼排ガス)の少なくとも一部が反応器の熱源として利用されるとともに、反応器を加熱した後であっても、当該温熱には多くのエネルギーが保有される。こうした温熱を、そのまま放出するのは、エネルギーの損失となるとともに、システム周辺に対する影響から別途の放熱処理が必要とされる。本発明は、反応器を加熱した後の温熱を、製造システムにおいて温熱を必要とする消費設備に供給することによって、システム全体としてのエネルギー効率を、さらに向上させることを可能とした。ここでいう「消費設備」は、後述するように、発電設備等のような重質油を主として消費する「重質油消費設備」と、ガス燃焼処理器等のようなナフサ等を主として消費する「ナフサ等消費設備」に分けることがある。
上記のように、製造プロセスの安定操業において、使用される動力や温熱の安定は不可欠であり、廃食油等の供給量および組成の変動に伴う消費設備において発生する動力や温熱の変動を十分にカバーすることが要求される。一方、発生した動力や温熱の全てが、そのときに利用されることはなく、操業時間帯でみると、所定時間の平均的な動力や温熱を基準とすると、過剰量あるいは過少量が発生する時間帯がある。また、廃食油等の供給量は、時間単位や日間単位あるいは週間単位で計画的に設定することが可能であり、こうした場合に、発生する動力や温熱とともに、製造プロセスにおいてその消費量を推定することが可能である。本発明は、動力または/および温熱の貯留設備を設け、消費設備において発生した動力や温熱を一旦蓄積し、その蓄積量と軽質油の製造量を製造プロセスの需要に応じた動力や温熱の供給量およびシステムの負荷の調整を行うことによって、より安定した動力源や熱源を確保し、製造プロセスの安定操業を維持することができる。
供給された原料油を予熱する予熱工程と、前記予熱工程で予熱された原料油を固定触媒に接触させて、炭化水素からなる分解油に変換する触媒反応工程と、前記触媒反応工程で得られた分解油から、重質留分を凝縮し、該重質留分以外の炭化水素油を後段へ送る高温分留工程と、前記高温分留工程から送られた炭化水素油から、軽油留分を凝縮し、該軽油留分以外のナフサ・オフガス成分を後段へ排出する低温分留工程と、前記高温分留工程で凝縮された重質留分を重質油として回収する第1回収工程と、前記低温分留工程から排出されたナフサ・オフガス成分を回収する第2回収工程と、前記低温分留工程で凝縮された軽油留分を軽質油として回収する第3回収工程と、前記第1回収工程で回収された重質油または/および前記第2回収工程で回収されたナフサ・オフガス成分を、消費設備に供給して動力および温熱を発生させる工程と、該消費設備において発生する動力の少なくとも一部を、前記ディーゼル燃料製造システムの動力源の一部として利用する工程と、前記消費設備において発生する温熱の少なくとも一部を、少なくとも前記予熱工程または/および触媒反応工程の熱源として利用する工程と、を有することを特徴とする。
こうした製造プロセスによって、効率的に有価物を回収し、廃棄物の量を削減するとともに、エネルギー使用量の削減と設備の簡略化を図ることによって、エネルギー効率の高い自立型のディーゼル燃料製造システムを用いたディーゼル燃料製造方法を提供することができる。
こうした製造プロセスによって、動力や温熱の供給源である消費設備の燃料を確保し、製造プロセスの安定操業において不可欠な動力や温熱の不足を未然に防止することが可能となった。
こうした製造プロセスによって、廃食油等の供給量および組成の変動に伴う消費設備において発生する動力や温熱の不足を、未然に防止することを可能とした。
本システムの実施態様として、基本的な概略全体構成を、図1に示す(構成例1)。本システムは、供給された原料油を予熱する予熱器1,予熱された原料油を接触させて炭化水素からなる分解油に変換する反応器2,高温分留塔3および低温分留塔4を備えた分留・精製器5,高温分留塔3で分留された重質留分を重質油として回収する第1回収部6,低温分留塔4から排出されたナフサ等を回収する第2回収部7,低温分留塔4で分留された軽質留分を軽質油として回収する第3回収部8,回収された重質油を燃料として利用する重質油消費設備9と回収されたナフサ等を燃料として利用するナフサ等消費設備10を有する消費設備と,消費設備において発生する動力の少なくとも一部を供給する動力源供給手段11,消費設備において重質油または/およびナフサ等が消費される時に発生する温熱の少なくとも一部を供給する熱源供給手段12,および回収された軽質油を冷却して製品油として供出する製品処理部13を備える。高温分留塔3では、反応器2で得られた分解油から重質留分が分留され、重質留分以外の炭化水素油が後段へ送られ、低温分留塔4では、高温分留塔3から送られた炭化水素油から軽質留分が分留され、軽質留分以外のナフサ等が後段へ排出される。
原料油は、例えば、廃食油、植物系油脂、動物系油脂、各種鉱物油を単体または混合したもの、あるいは畜産廃棄物、下水汚泥などの有機性廃棄物である(廃食油等)。廃食油としては、例えば、てんぷら油、から揚げ油等である。植物系油脂としては、菜種油、大豆油、ゴマ油、紅花油、綿実油、米油、落花生油、ひまわり油、とうもろこし油、オリーブ油、パーム油、ココナッツ油、ジャトロファ油、ピーナッツ油等が挙げられる。動物系油脂としては、例えば、牛脂(ヘット)、豚油(ラード)等が挙げられる。鉱物油としては、炭化水素系の各種鉱物油が挙げられる。
本システムの処理開始において、厨芥類等の有機物質を含む原料油が、予熱器1に供給される。原料油は、例えば原料タンク(図示せず)に所定量貯留され、液送用のポンプ等(図示せず)を用いて、連続的あるいはバッチ的に所定量が予熱器1に供給される。このときの液送用のポンプ等の動力源として、動力源供給手段11から供給される動力を用いることができる。また、予熱器1の熱源として、熱源供給手段12から供給される温熱を用いることができる。予熱器1は、液状の原料油に対して十分な熱交換が可能な構造であれば、構造は特に限定されないが、例えば、内部に温熱が流通する複数の加熱菅が配設された空間部を所定の流量で通過させる構造を用いることができる。
予熱器1において所定温度に加温された原料油が、反応器2に導入される。導入された原料油は、反応器2内に配設された固体触媒と気液接触し、分解反応によって、炭素9〜17のオレフィン・パラフィンを主成分とする炭化水素からなる分解油に変換される。このとき、反応器2内部の反応温度は、例えば400〜500℃に維持されることが好ましい。反応器2の熱源として、熱源供給手段12から供給される温熱を用いることができる。また、反応器2内の撹拌手段等の動力源として、動力源供給手段11から供給される動力を用いることができる。
反応器2で作製された分解油は、高温分留塔3へ導入される。高温分留塔3では、分解油から重質留分が凝縮し、それ以外の軽質成分やガス成分等の炭化水素油(以下「1次分留成分」という)が、低温分留塔4へ導入される。高温分留塔3の分留温度範囲は、軽質油以上の沸点成分を分離させるのに好ましい温度範囲であり、例えば250〜350℃、好ましくは280〜300℃である。通常、反応器2から供出された分解油自体が有する温熱(顕熱)を、高温分留塔3内部の所定容積の空間部で、自然放熱あるいは空気による強制空冷によって冷却し、重質留分を分留することができる。従って、外部からの加温は不要である。高温分留塔3は、その構造がラシヒリングなどを充填した充填塔であり、分解油は上向きに流れる。また、液送用のポンプあるいはガス送り用のファン等高温分留塔3への給送手段が必要な場合の動力源として、動力源供給手段11から供給される動力を用いることができる。
高温分留塔3で分離された1次分留成分は、低温分留塔4へ導入される。低温分留塔4では、1次分留成分から軽質留分が凝縮し、それ以外のナフサやオフガス成分(ナフサ等)の炭化水素油は、低温分留塔4へ導入される。低温分留塔4の分留温度範囲は、軽質油以下の沸点成分を分離させるのに好ましい温度範囲であり、例えば120〜200℃、好ましくは140〜170℃である。低温分留塔4内部の所定容積の空間部で、自然放熱あるいは空気による強制空冷によって冷却し、軽質留分を凝縮させて分留することができる。従って、外部からの加温は不要である。また、ファン等低温分留塔4への送気手段が必要な場合の動力源として、動力源供給手段11から供給される動力を用いることができる。
低温分留塔4で分離された軽質留分は、第3回収部8によって軽質油として回収される。第3回収部8では、凝縮された軽質油が所定容積の空間部に貯留され、所定流量で、製品処理部13に液送される。加温のための熱源として、熱源供給手段12から供給される温熱を用いることができる。また、液送用のポンプ等が必要な場合の動力源として、動力源供給手段11から供給される動力を用いることができる。製品処理部13では、軽質油を冷却あるいはろ過等の清浄化処理をして製品油として供出される。製造油は、JIS K2204規格に合致した軽油であり、ディーゼル燃料として、従来のバイオディーゼル燃料(BDF)、軽油代替燃料とは区別される。
消費設備は、回収された重質油を燃料として利用する重質油消費設備9と回収されたナフサ等を燃料として利用するナフサ等消費設備10を有する。重質油消費設備9として、例えば発電用ボイラやディーゼルエンジン等を用いることができ、ナフサ等消費設備10として、例えばガスエンジンや燃焼式のガス処理装置等を用いることができる。いずれの消費設備も、電力や圧縮ガス等の動力、および高温の排ガスや蒸気等の熱源を作製することができ、本システムの動力源や熱源として利用することができる。また、排ガス等のように腐食等から直接熱源として利用することができない場合には、水管式等の熱交換器を用い加熱された熱媒体を介して熱源として利用することが好ましい。
次に、本システムを用いたディーゼル燃料製造方法(以下「本製造方法」という)を詳述する。本製造方法は、以下の各工程を有する。各工程は、その役割から、大きく4つの工程(第1〜4次工程)に分けられ、細分化された各工程について詳述する。
(1)第1次工程:分解油の作製工程
供給された原料油を予熱する予熱工程と、
原料油を分解油に変換する触媒反応工程と、
(2)第2次工程:分解油の分留(軽質油の作製)工程
分解油から重質留分を凝縮して-炭化水素油を後段へ送る高温分留工程と、
高温分留工程から送られた炭化水素油から、軽油留分を凝縮し、凝縮された軽油留分以外のナフサ等を後段へ排出する低温分留工程と、
高温分留工程で凝縮された重質留分を重質油として回収する第1回収工程と、
低温分留工程から排出されたナフサ等を回収する第2回収工程と、
低温分留工程で凝縮された軽油留分を軽質油として回収する第3回収工程と、
(3)第3次工程:副生物の消費(動力・温熱の発生)工程
第1回収工程で回収された重質油を重質油消費設備に供給して、動力および温熱を発生させて消費する工程と、
第2回収工程で回収されたナフサ留分をナフサ等消費設備に供給して、動力および温熱を発生させて消費する工程と、
(4)第4次工程:動力・温熱の利用工程
消費設備において発生する動力の少なくとも一部を、ディーゼル燃料製造システムの動力源の一部として利用する工程と、
消費設備において発生する温熱の少なくとも一部を、少なくとも予熱工程または/および触媒反応工程の熱源として利用する工程
供給された原料油を予熱し、所定の温度条件下の触媒反応によって、原料油を分解油に変換する。原料油は、予め、原料タンクに貯留し、供給に際しては、ろ過工程を設けることが好ましい。具体的には、1μm程度のフィルタにより原料油中の不純物を取り除き、後段での流路内壁への不純物の蓄積による流動性や熱伝導性の低下等を回避することができる。触媒反応工程は、400〜500℃に維持された固体触媒を充填した固定床触媒層に、予熱した原料油を噴霧・接触させることによって、炭素数9〜17の分解油を連続的に得る。分解油はガス状態で、分留工程に導入される。
分解油は、高温分留工程(250〜350℃)と低温分留工程(120〜200℃)の2つの分留工程によって、重質油,軽質油およびナフサ・オフガス成分に分留される。高温分留工程では、重質留分が凝縮し、軽質成分やガス成分等の炭化水素油は、ガス状態で低温分留工程に導入される。低温分留工程では、軽質留分が凝縮し、これを回収して軽質油を得ることができる。軽質油は、冷却工程に導入され製品油として供出される。
分留された重質留分は、重質油として、例えば発電設備等の消費設備に導入される。重質油の消費工程において、ディーゼルエンジン等の発電設備において重質油を燃焼させ、発電によって、電力を動力源として得ることができる。また、同時に発生する排ガスによって温熱を得ることができる。一方、分留されたナフサ等は、例えばガス処理器等の消費設備に導入される。ナフサ等の消費工程において、ナフサ等の燃焼処理を行い、無害化処理をする。このとき、高温の圧縮ガス(高圧ガス)を動力源として、同時に発生する排ガスによって温熱を得ることができる。
発電設備あるいはガス処理器等消費設備において製造された電力あるいは圧縮ガスは、本システムにおける設備の動力に用いられる。また、これらの消費設備からの排ガスについては、合わせて触媒反応工程の原料油の予熱や触媒反応の熱源として利用される。
図2は、本システムの他の構成例(第2構成例)を示す。基本構成は、第1構成例と同じであるが、第3回収部8によって回収された軽質油の一部を、第1回収部6によって回収された重質油または/および第2回収部7によってナフサ等に混合し、消費設備の燃料として供給することを特徴とする。原料油の供給量の変動あるいは組成変動に伴う、生成される副生物の発生量の変動分(減少分)を補填し、回収される軽質油の一部を動力源や熱源として用いることによって、本システムにおける動力や温熱の供給の安定化を図り、製造プロセスの安定操業を確保することができる。
(i)動力や温熱の消費量の少ない時間帯において、軽質油の製造量を増やすとともに、動力や温熱の蓄積量を多くし、あるいは軽質油の製造量を維持した状態で、軽質油の消費設備への供給量を少なくして動力や温熱の発生量を少なくし、
(ii)動力や温熱の消費量の多い時間帯において、軽質油の製造量を減らすとともに、蓄積量を少なくし、あるいは軽質油の製造量を維持した状態で、軽質油の消費設備への供給量を多くして動力や温熱の発生量を多くし、
需要に応じた動力や温熱の供給量およびシステムの負荷の調整を行うことが好ましい。
本システムにおける優れたエネルギー効率を実証した結果示す。具体的には、原料油の有するエネルギーを100とし、回収された重質留分,軽質留分,ナフサ・オフガス成分をエネルギー換算で表わし、以下の場合におけるエネルギー収支について検証した。
(i)第1構成例に基づくエネルギー収支
上記原料油を用い、重質油から得られた動力、重質油から得られた温熱、ナフサ等から得られた温熱、移送および加熱等におけるロスを検証した。
(ii)第2構成例に基づくエネルギー収支
上記(i)を基本とし、回収された軽質油の一部を重質油に混合し、消費設備の燃料として供給し、動力源の増量を図ったときの各動力,温熱、ロスを検証した。
(iii)第2構成例を応用した場合のエネルギー収支
上記(ii)を基本とし、熱源の増量を図り(例えば本システム以外の他の設備の動力源や熱源として供給する場合)、各動力,温熱、ロスを検証した。
表1のような検証結果を得た。(i)のように温熱の利用を基本とし、(ii)のように軽質油の一部を動力源として利用した場合、比較的ロスが少なく、効率的なエネルギー収支を形成することができるとの結果を得ることができた。(iii)のように、(ii)における動力源として利用に加え、軽質油の一部を熱源として利用した場合、温熱の移送に伴ういくらかのエネルギーロスの増加が見られたが、回収プロセスの煩雑な操作をすることなく、温熱の確保を行うことができた。
2 反応器
3 高温分留塔
4 低温分留塔
5 分留・精製器
6 第1回収部
7 第2回収部
8 第3回収部
9 重質油消費設備
10 ナフサ等消費設備
11 動力源供給手段
12 熱源供給手段
13 製品処理部
Claims (7)
- 供給された原料油を予熱する予熱器と、予熱された原料油を接触させて炭化水素からなる分解油に変換する固体触媒を有する反応器と、前記反応器で得られた分解油から重質留分を分留して該重質留分以外の炭化水素油を後段へ送る高温分留塔と、前記高温分留塔から送られた炭化水素油から軽質留分を分留して該軽質留分以外のナフサ・オフガス成分を後段へ排出する低温分留塔と、前記高温分留塔で分留された重質留分を重質油として回収する第1回収部と、前記低温分留塔から排出されたナフサ・オフガス成分を回収する第2回収部と、前記低温分留塔で分留された軽質留分を軽質油として回収する第3回収部と、回収された重質油または/およびナフサ・オフガス成分を消費する消費設備と、前記消費設備において発生する動力の少なくとも一部を供給する動力源供給手段と、前記消費設備において発生する温熱の少なくとも一部を供給する熱源供給手段と、を備え、
前記動力源供給手段から供給される動力の少なくとも一部を、本システムの動力源として利用するとともに、前記熱源供給手段から供給される温熱の少なくとも一部を、少なくとも前記予熱器または/および前記反応器の熱源として利用することを特徴とするディーゼル燃料製造システム。 - 回収された前記軽質油の一部を、回収された前記重質油または/およびナフサ・オフガス成分に混合し、前記消費設備の燃料として供給することを特徴とする請求項1記載のディーゼル燃料製造システム。
- 前記反応器の熱源として利用された後の温熱を、前記消費設備に還流し、その熱源の一部として利用することを特徴とする請求項1または2記載のディーゼル燃料製造システム。
- 前記消費設備において発生した動力または/および温熱を、蓄積および放出させる動力貯留設備または/および温熱貯留設備を備え、前記消費設備において発生した動力や温熱を一旦蓄積し、該動力や温熱の蓄積量と軽質油の回収量を、本システムの需要および負荷に応じた動力や温熱の供給量に基づき調整を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディーゼル燃料製造システム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のディーゼル燃料製造システムを用いたディーゼル燃料製造方法であって、
供給された原料油を予熱する予熱工程と、
前記予熱工程で予熱された原料油を固定触媒に接触させて、炭化水素からなる分解油に変換する触媒反応工程と、
前記触媒反応工程で得られた分解油から、重質留分を凝縮し、該重質留分以外の炭化水素油を後段へ送る高温分留工程と、
前記高温分留工程から送られた炭化水素油から、軽油留分を凝縮し、該軽油留分以外のナフサ・オフガス成分を後段へ排出する低温分留工程と、
前記高温分留工程で凝縮された重質留分を重質油として回収する第1回収工程と、
前記低温分留工程から排出されたナフサ・オフガス成分を回収する第2回収工程と、
前記低温分留工程で凝縮された軽油留分を軽質油として回収する第3回収工程と、
前記第1回収工程で回収された重質油または/および前記第2回収工程で回収されたナフサ・オフガス成分を、消費設備に供給して動力および温熱を発生させる工程と、
該消費設備において発生する動力の少なくとも一部を、前記ディーゼル燃料製造システムの動力源の一部として利用する工程と、
前記消費設備において発生する温熱の少なくとも一部を、少なくとも前記予熱工程または/および触媒反応工程の熱源として利用する工程と、
を有することを特徴とするディーゼル燃料製造方法。 - 回収された前記軽質油の一部を、回収された前記重質油または/およびナフサ・オフガス成分に混合し、前記消費設備の燃料として供給する工程と、を有することを特徴とする請求項5記載のディーゼル燃料製造方法。
- 前記消費設備において発生した動力または/および温熱の一部を、一時的に蓄積させる工程、および一時的に放出させる工程を有し、
動力や温熱の消費量の少ない時間帯において、前記軽質油の製造量を増やすとともに、動力や温熱の蓄積量を多くし、動力や温熱の消費量の多い時間帯において、軽質油の製造量を減らすとともに、前記蓄積量を少なくし、本システムの需要および負荷に応じた動力や温熱の供給量の調整を行うことを特徴とする請求項5または6記載のディーゼル燃料製造方法。
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