JP2011031919A - 燃料自動注入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両に燃料を自動注入する燃料自動注入装置を低コストで提供する。
【解決手段】搬送機構CVの上を移動している車両100の給油口102に燃料を注入する燃料自動注入装置に、走行部30の上方に搭載される車切替部50と、車切替部50に支持され、且つ給油口102に出し入れ自在に挿入される挿入ガイド64および挿入ガイド64の筒内を通って給油口102に挿入される燃料ホースを有する燃料供給機構60とを設ける。車切替部50は、ベース部に取り付けられるカム溝が形成されたカム板と、下面部の突起部がカム溝に摺動自在に係合され、上面部で燃料供給機構を支持するカムフォロアと、カムフォロアをカム溝に沿って移動させるアクチュエータとを備える。また、アクチュエータによりカムフォロアをカム溝の所定位置に移動させることで、カムフォロアの上面部で支持された挿入ガイドの位置および角度を調節する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料自動注入装置に関し、例えば、自動車に搭載された燃料タンクにガソリンや軽油を自動供給する燃料自動注入装置に関する。
自動車へのフューエル(fuel)注入作業(燃料注入作業)は、一般的に手作業により行われている。
例えば、自動車の製造ラインにおける燃料注入作業では、ベルトコンベア等の搬送機構により車両が所定位置まで搬送されると、作業者が所定の待機位置に配置されている燃料注入ガン(注入ノズル)を手に取り、車両の燃料注入口(給油口)に、燃料注入ガンを差し込む。
その後、作業者が燃料注入装置の起動スイッチを押すと燃料の注入が開始され、所定量の燃料が注入されると自動的に燃料注入が止まり、燃料注入ガン(注入ノズル)が自動的に燃料注入口から外れて、前記待機位置に戻るようになっている。
また、特許文献1には、自動車に燃料を注入する作業を自動的に行う燃料注入システムが提案されている。
ここで、図19を参照しながら、特許文献1に記載された従来技術の燃料注入システムについて説明する。
図示するように、燃料注入システムは、多関節のロボットアームを備える多軸ロボット200と、前記ロボットアームの先端部200aに取り付けられた液体燃料注入装置300とを備え、前記ロボットアームを駆動させることにより液体燃料注入装置300を、車両400の燃料注入口まで移動させ、液体燃料注入装置300が車両に燃料を自動的に注入するように構成されている。
特開2002−332099号公報
しかしながら、上述した従来技術は、以下に示す技術的課題を有している。
具体的には、上述した自動車の製造ラインにおける燃料注入作業は、作業者自身が搬送機構で搬送されてくる車両の燃料注入口に燃料注入ガン(注入ノズル)を差し込まなければならず、作業負担が大きいという技術的課題を有していた。特に、使用する燃料の異なる車両を混合して組み立てる混合ラインでは、車種毎に燃料(ガソリン、軽油)を選択する必要があり、その作業が面倒であった。
また、上述した自動車の製造ラインにおける燃料注入作業は、燃料注入ガン(注入ノズル)が燃料注入口から外れて前記の待機位置に戻る際、燃料注入ガン(注入ノズル)から燃料が垂れて車両のボディに付着することがあり、品質不良の要因になっていた。また、前記燃料注入作業は、燃料注入ガン(注入ノズル)から垂れる燃料が床面へ落ちるため作業環境を悪化させていた。
また、上述した特許文献1の燃料注入システムは、多軸ロボットを用いているため、コストアップを招くという技術的課題を有していた。
具体的には、特許文献1の燃料注入システムは、給油口の位置が異なる車両毎に、多軸ロボットの動作を制御する教示データを作成し、それを多軸ロボットに教示する必要があった。
そして、多軸ロボットは、装置自体が高額であると共に、上記の教示データの作成にコストがかかるため、装置導入の際の費用負担が大きかった。特に、混合ラインでは、作成する教示データの数が多くなるためコストアップの要因になっていた。
また、特許文献1のシステムでは、生産ラインに新型車両が導入される度に、新たな教示データの作成費用が発生するため、ランニングコストも高額になっていた。
また、特許文献1の燃料注入システムは、上述した自動車の製造ラインにおける燃料注入作業と同様、液体燃料注入装置の注入ノズルから燃料が垂れて車両のボディに付着することがあった。また、前記注入ノズルから垂れる燃料が床面に落ちて製造ラインの環境を悪化させていた。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、車両に燃料を自動注入する燃料自動注入装置を低コストで提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明は、搬送機構により移動している車両に対し、該車両と同期して移動しながら該車両の給油口に燃料を注入する燃料自動注入装置に適用される。
そして、前記燃料自動注入装置は、前記搬送機構の搬送方向と平行に移動可能な走行部と、前記走行部の上方に搭載された車切替部と、前記車切替部に支持され、且つ前記給油口に出し入れ自在に挿入される筒状の挿入ガイドおよび前記挿入ガイドの筒内を通って前記給油口に出し入れ自在に挿入される燃料を供給する燃料ホースを有する燃料供給機構とを備え、前記車切替部は、前記走行部の上方に搭載されたベース部と、前記ベース部に着脱自在に取り付けられるカム溝が形成されたカム板と、下面部に突起部が形成され、該突起部が前記カム溝に摺動自在に係合されていると共に、上面部で前記燃料供給機構を支持するカムフォロアと、前記カムフォロアを前記カム溝に沿って往復移動させるアクチュエータとを備え、前記アクチュエータにより前記カムフォロアをカム溝の所定位置に移動させることにより、前記カムフォロアの上面部で支持している前記燃料供給機構の挿入ガイドの位置および角度の調節ができるようになされていることを特徴としている。
このように、本発明によれば、ベース部に着脱自在に取り付けられるカム溝が形成されたカム板と、下面部に突起部が形成され、その突起部がカム溝に摺動自在に係合されていると共に、上面部で前記燃料供給機構を支持するカムフォロアと、カムフォロアをカム溝に沿って往復移動させるアクチュエータとを備えた車切替部により、挿入ガイドの位置および角度が調節できるようになっている。
そのため、上述した特許文献1にように、コストがかかる多軸ロボットを用いることなく、車切替部により、挿入ガイドを給油口に対応する位置に配置することができる。
したがって、本発明によれば、コストを抑えた燃料自動注入装置を提供することができ、その結果、燃料注入作業の負担を軽減することができる。
また、前記カム板が、前記ベース部に着脱自在に装着できるようになされているため、生産ラインの車種変更により、燃料供給対象の車両の給油口の位置および挿入角度が変更される場合においても、変更後の車両に対応したカム溝が形成されたカム板に取り替えることにより、車種変更に対応することができる。
すなわち、本発明によれば、上述した多軸ロボットのように、車種変更に対応するために、コストのかかる教示データを作成する必要がないため、ランニングコストが抑制される。
また、前記燃料ホースは、少なくとも、第1燃料を供給するための第1燃料ホースと、第2燃料を供給するための第2燃料ホースとにより構成され、前記燃料供給機構は、燃料を供給する車両の種類に応じて、前記第1燃料ホースおよび第2燃料ホースのうちのいずれかを選択し、該選択した燃料ホースを前記挿入ガイドを介して前記給油口に挿入し、前記車両に燃料を注入することが望ましい。
このように構成することにより、燃料種類の異なる車両を混合して組み立てる混合ラインにおいても、燃料を自動注入することができる。
また、前記燃料供給機構には、上面が開放した有底箱状のトレイを出し入れ自在に支持するトレイ部が設けられ、前記トレイ部は、前記給油口から前記挿入ガイド及び前記燃料ホースを引き抜く前に、前記給油口の下方に前記トレイを移動させ、該挿入ガイド及び燃料ホースからの垂れる燃料を受け止めて回収することが望ましい。
上記構成により、燃料ホースおよび挿入ガイドから垂れる燃料をトレイで受けることができるため、車両や床面に燃料が垂れることが防止される。
したがって、本発明によれば、燃料垂れによる不良の発生を防止できると共に、燃料垂れによる作業環境の悪化を防止することができる。
また、前記挿入ガイドは、前記給油口に挿入される際に、自身の軸心と、該給油口の軸心とにズレが発生した場合に該ズレを吸収するフローティング機構を備えていることが望ましい。
本発明は、上記構成により、挿入ガイドを確実に、車両の給油口に挿入することができる。
また、前記ベース部は、断面視L字状に形成され、前記カム板は、前記ベース部の一方面に装着され且つ第1カム溝が形成された第1カム板と、該ベース部の一方面に直交する他方面に装着され且つ第2カム溝が形成された第2カム板とを備え、前記カムフォロアの前記突起部は、第1カム板の第1カム溝に摺動自在に係合する第1突起部と、前記第2カム板の第2カム溝に摺動自在に係合する第2突起部とを備えていることが望ましい。
本発明は、2枚のカム板(第1カム板及び第2カム板)を用いた簡易な構成の車切替部により、挿入ガイドの「3方向」の位置調節と、「角度」の調節とを行うことができる。
本発明によれば、車両に燃料を自動注入する燃料自動注入装置を低コストで提供することができる。
本発明の実施形態の燃料自動注入装置のシステム構成図である。 本発明の実施形態の燃料自動注入装置で用いる車種情報データベースのデータ構造を模擬的に示した図である。 本発明の実施形態の燃料自動注入装置による給油対象となる車種別の給油口を示した模式図である。 本実施形態の燃料注入ユニットの側面を示した模式図である。 本実施形態の燃料自動注入装置の車切替部の平面図である。 本実施形態の燃料自動注入装置の車切替部50の側面図である。 本実施形態の燃料自動注入装置の車切替部50の切り替え動作を説明するための模式図である。 本実施形態の燃料注入ユニットの燃料供給機構の先端部の斜視図であり、車両の給油口に挿入ガイドが挿入されていない状態を示している。 本実施形態の燃料注入ユニットの燃料供給機構の先端部の斜視図であり、車両の給油口に挿入ガイドが挿入された状態を示している。 本実施形態の燃料注入ユニットの車切替部の斜視図である。 本実施形態の燃料注入ユニットの車切替部の斜視図である。 本実施形態の燃料注入ユニットのトレイ部の模式図である。 本実施形態の燃料自動注入装置が行う燃料自動注入処理の手順を示したフローチャートである。 本実施形態の燃料自動注入装置が行う燃料自動注入処理の手順を示したフローチャートである。 本実施形態の燃料自動注入装置の挿入ガイドのフローティング機能を説明するための模式図である。 本実施形態の燃料自動注入装置の燃料選択動作を説明するための模式図である。 本実施形態の燃料自動注入装置の車切替部の変形例を説明するための模式図である。 本実施形態の変形例による給油対象となる車種別の給油口を示した模式図である。 従来技術の燃料注入システムの構成図である。
以下、本発明の実施形態の燃料自動注入装置について図面に基づいて説明する。
先ず、本実施形態の燃料自動注入装置の概略構成について、図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の燃料自動注入装置のシステム構成図である。また、図2は、本発明の実施形態の燃料自動注入装置で用いる車種情報データベースのデータ構造を模擬的に示した図である。また、図3は、本発明の実施形態の給油対象となる車種別の給油口を例示した模式図である。
なお、以下では、本実施形態の燃料自動注入装置が、自動車の生産ラインにおいて、コンベア等の搬送機構CVで搬送されている車両100に燃料(ガソリン、軽油)を自動注入する場合を例に説明する。
図1に示すように、本実施形態の燃料自動注入装置は、車両100を搬送する搬送機構CVの近傍に並列に配置され、且つ搬送機構CVの搬送方向と平行方向に往復移動できるようになされた燃料注入ユニット10と、装置全体の動作を制御するコントローラ20とを備えている。
そして、燃料注入ユニット10は、搬送機構CVの上を移動する車両100と同期して移動しながら、当該車両100に燃料(ガソリン或いは軽油)を自動注入する。
また、コントローラ20は、生産ラインの上位コンピュータ1に接続されており、上位コンピュータ1との間で各種データの授受ができるようになっている。
また、本実施形態の燃料自動注入装置は、車両100の種類に応じて燃料の挿入ガイド64(図4参照)の姿勢位置(位置および角度)を切り替えて(調節して)、車両100の給油口102に挿入ガイド64を挿入して燃料を注入する。
なお、以下では、説明の便宜上、図3(a)に示す挿入角度の給油口102a(「Aタイプの給油口」という)を備える車両100aと、図3(b)に示す挿入角度の給油口102b(「Bタイプの給油口」という)を備える車両100bとに燃料を注入する場合を例にするが、あくまでもこれは一例である。
具体的には、図1に示すように、燃料注入ユニット10は、台車部を備えた走行部30と、走行部30の上端部に搭載された昇降装置40と、昇降装置40の上端部に取り付けられた車切替部50と、車両100の給油口102に燃料を注入するための挿入ガイド64を備えた燃料供給機構60と、挿入ガイド64からの燃料垂れを防止するトレイ部70とを有している。
また、燃料供給機構60には、車切替部50の上端部に支持され、ガソリンタンク(図示せず)に接続されたガソリン配管85と、軽油タンク(図示せず)に接続された軽油配管86とが接続されている。
また、走行部30には、車両の生産ラインの搬送機構CV上を移動する車両100のタイヤに掛止されるタイヤクランプ91が取り付けられている。
このタイヤクランプ91を搬送機構CVの上を移動する車両100のタイヤの前方に配置してタイヤにクランプさせることにより、搬送機構CV上を移動する車両100に、燃料注入ユニット10を同期させて移動させることができる。
また、燃料注入ユニット10は、車両100の給油口カバー(蓋)101が半開き状態の場合に、強制的に給油口カバー101を開く蓋開き部92を備えている。
また、燃料注入ユニット10は、各種センサ(高さセンサ93、開き確認センサ94、1組の車種検出センサ95)と、コントローラ20との間で行われるデータの送受信を制御する通信ユニット96とを備えている。
また、走行部30は、前記台車部を駆動させる駆動機構(走行モータ等により構成されている駆動機構)を備えている。
また、昇降装置40は、コントローラ20からの制御信号にしたがい、上端部に取り付けられた車切替部50を上昇させたり、下降させたりできるようになっている。
また、通信ユニット96は、コントローラ20の通信処理部23と無線或いは有線で通信できるように構成されている。
なお、走行部30、昇降装置40及び通信ユニット96は、いずれも、公知技術により実現されるものが用いられるため、以下では詳細な説明を省略する。
また、車切替部50は、コントローラ20からの制御信号にしたがい、支持している挿入ガイド64の姿勢位置(位置および角度)を切り替える。また、トレイ部70は、給油口102から挿入ガイド64を引き抜く場合に、挿入ガイド64からの燃料漏れを防止する。
なお、車切替部50、燃料供給機構60及びトレイ部70の構成は、後段で詳細に説明する。
また、燃料供給機構60は、ガソリン配管85を介して、地下等に設置されているガソリンタンク(図示せず)から供給されるガソリンを所定量貯蔵するガソリン収容部(図示せず)と、軽油配管86を介して、地下等に設置されている軽油タンク(図示せず)からの供給される軽油を所定量貯蔵する軽油収容部(図示せず)とを備えている。
また、前記ガソリン収容部(図示せず)にはガソリンホース81(図4参照)が接続されている。そして、燃料供給機構60は、ガソリンホース81を介して、前記ガソリン収容部に貯蔵されたガソリンを車両100に供給できるように構成されている。
また、前記軽油収容部(図示せず)には軽油ホース82(図4参照)が接続されている。そして、燃料供給機構60は、軽油ホース82を介して、前記軽収容部に貯蔵された軽油を車両100に供給できるように構成されている。
また、各種センサ(高さセンサ93、開き確認センサ94、1組の車種検出センサ95(図中では1つだけ示す))は、例えば、レーザセンサにより構成されている。
具体的には、高さセンサ93は、燃料注入対象の車両100のホイルハウスの頂点を検出し、コントローラ20に検出結果を出力する。
また、開き確認センサ94は、燃料注入対象の車両100の給油口カバー101の開き状態を検出し、コントローラ20に検出結果を出力する。
また、1組の車種検出センサ95は、燃料注入対象の車両100の形状を検出し、コントローラ20に検出結果を出力する。
また、蓋開き部92は、コントローラ20からの制御信号にしたがい、給油口カバー101が半開き状態のときに強制的に給油口カバー101を開くように動作する。
なお、蓋開き部92は、半開き状態(所定以上開いていない状態)の給油口カバー101を、所定以上開いた状態にできるものであれば、どのような構成のものでもかまわない。
また、コントローラ20は、装置全体の動作を制御するための制御部21と、上位コンピュータ1からの生産支持を受信する生産指示受信部22と、通信ユニット96との間で行われるデータの送受信を制御する通信処理部23と、車種情報データベース(車種情報DB)24とを備えている。
また、図2に示すように、車種情報DB24は、車種を識別する「車種情報」を登録するフィールド24aと、「給油口の位置」を示す情報を登録するフィールド24bと、「燃料種別」を登録するフィールド24cと、燃料の「注入量」を登録するフィールド24dとを備えたレコードが複数登録されて構成されている。
この構成により、コントローラ20に、車種毎に「給油口の位置(Aタイプの給油口、Bタイプの給油口)」、「燃料種類(ガソリン、軽油)」及び「燃料の注入量」を対応付けたデータを保持させておくことができる。
そして、制御部21は、生産指示受信部22を介して、上位コンピュータ1から搬送機構CVにより搬送されている、燃料注入対象の車両100の車種を示す車種情報を含む車両情報(詳細は後述する)を受信し、その受信した車両情報および車種情報DB24により、給油対象の車両100の給油口の位置と、注入する燃料の種類と、燃料の注入量とを特定する。
また、制御部21は、前記特定した給油対象の車両100の給油口の位置と、注入する燃料の種類と、注入量とを用いて、燃料注入ユニット10を制御して、給油対象の車両100に燃料を自動注入する。
また、前記コントローラ20のハードウェア構成は、特に限定されるものではないが、例えば、コントローラ20に、CPU、メモリ、ネットワークI/F、入出力I/Fを備えるコンピュータを用いることができる。
この場合、前記メモリには、上述した各部(制御部21、生産指示受信部22、通信処理部23)の機能を実現するためのプログラムが格納されている。また、前記メモリには、車種情報DB24が格納されている。
そして、上述した各部(制御部21、生産指示受信部22、通信処理部23)の機能は、前記CPUが前記メモリに格納された前記プログラムを実行することにより実現される。
次に、本実施形態の燃料注入ユニット10の主要構成について、図4〜図13に基づいて詳細に説明する。
図4は、本実施形態の燃料自動注入装置の燃料注入ユニットの側面を示した模式図である。また、図5は、本実施形態の燃料自動注入装置の車切替部の平面図である。また、図6は、本実施形態の燃料自動注入装置の車切替部50の側面図である。また、図7は、本実施形態の燃料自動注入装置の車切替部50の切り替え動作を説明するための模式図である。
また、図8は、本実施形態の燃料注入ユニットの燃料供給機構の先端部の斜視図であり、車両の給油口に挿入ガイドが挿入されていない状態を示している。また、図9は、本実施形態の燃料注入ユニットの燃料供給機構の先端部の斜視図であり、車両の給油口に挿入ガイドが挿入された状態を示している。
また、図10及び図11は、本実施形態の燃料注入ユニットの車切替部の斜視図である。
また、図12は、本実施形態の燃料注入ユニットのトレイ部の模式図である。
具体的には、図4に示すように、燃料注入ユニット10の走行部30は、台車部31と、台車部31を駆動する走行モータ等により構成された駆動機構(図示せず)とを備えている。
また、走行部30は、上端部に昇降装置40が搭載され、その側面部にタイヤクランプ91が設けられている。
また、タイヤクランプ91は、棒状のクランプ部91aと、該クランプ部91aを駆動させる駆動機構91bとを備えている。
そして、駆動機構91bは、コントローラ20からの制御信号に応じて、クランプ部91aをタイヤに掛止(クランプ)させる位置(図示する位置)に配置させたり、掛止を解除させる位置に配置させたりできるようになっている。
次に、車切替部50の構成について説明する。
車切替部50は、図5、図6、図10、図11に示すように、昇降装置40(図4参照)の上端部に取り付けられた板状のベース部51と、ベース部51の上面に形成された一対のガイドレール51aと、ベース部51の上面に着脱自在に取り付けられたカム板52と、ガイドレール51a上に摺動自在に支持されている板状の摺動部材53と、摺動部材53をガイドレール51に沿って往復移動させるためのアクチュエータ(例えば、シリンダ)55とを備えている。
また、カム板52は、一対のガイドレール51aの間に配置され、ボルト等により着脱自在にベース部51に取り付けられている。
また、アクチュエータ55は、1軸方向に往復移動する駆動部55aを備え、その駆動部55aが摺動部材53に連結されている。そして、アクチュエータ55は、コントローラ20からの制御信号に応じて駆動部55aを駆動させ、摺動部材53をガイドレール51a上の任意に位置に移動させることができるようになっている。
また、板状の摺動部材53には、貫通孔53a(図6参照)が形成されており、その貫通孔53aに、カムフォロア54が回転自在に取り付けられている。
具体的には、図6に示すように、カムフォロア54は、下面部に凸状の突起部54aが形成されており、摺動部材53の貫通孔53aに、突起部54aが挿通されている。また、カムフォロア54の突起部54aは、カム板52のカム溝52aに摺動自在に係合されている。また、カムフォロア54の上面部には、ベース部51を基準に所定の傾斜角θを有する支持部54bが形成されており、この支持部54bに燃料供給機構60(図10、図11参照)が支持されている。
上記構成により、アクチュエータ55により、ガイドレール51aに沿って摺動部材53を移動させると、摺動部材53と共にカムフォロア54が移動する。また、カムフォロア54は、下面部の突起部54aがカム溝52aに沿って移動するため、カム溝52aを所定形状に形成することにより、カム溝52aの位置に応じてカムフォロア54の位置及び角度を調節することが可能になる。
すなわち、アクチュエータ55により摺動部材53およびカムフォロア54を移動させることにより、カムフォロア54の上面部に支持されている燃料供給機構60の挿入ガイド部64の配置角度を調節することができる(2方向に調節することができる)。
なお、本実施形態では、図7に示すように、カムフォロア54の突起部54aがカム溝52aの一端側(図7の実線で示す位置)に配置された場合に、カムフォロア54の上端部に支持された燃料供給機構60の挿入ガイド64が、Aタイプの車両100の給油口92a(図3(a)参照)に対する挿入角度に対応して配置されるようになっている。
また、カムフォロア54の突起部54bがカム溝52bの他端側(図7の破線で示す位置)に配置された場合に、カムフォロア54の上端部に支持された燃料供給機構60の挿入ガイド64が、Bタイプの車両100の給油口92b(図3(b)参照)に対する挿入角度に対応して配置されるようになっている。
次に、燃料供給機構60の構成について説明する。
燃料供給機構60は、図4、図8、図9に示すように、カムフォロア54の上端の支持部54bの上に支持されている板状のベース部61と、ベース部61に取り付けられたアクチュエータ(例えば、シリンダのより構成される)62と、アクチュエータ62に支持されたアーム部63と、アーム部63の先端に取り付けられた筒状(両端が貫通する筒状)になされた挿入ガイド64とを備えている。
そして、燃料供給機構60は、アクチュエータ62を駆動させ、アーム部63の先端に取り付けられた挿入ガイド64を往復移動させることにより、車両100の給油口102に挿入ガイド64を挿入したり、或いは、給油口102から挿入ガイド64を引き抜いて戻したりできるようになっている。
また、燃料供給機構60は、前記ガソリン収容部(図示せず)に接続されたガソリンホース81および前記軽油収容部(図示せず)に接続された軽油ホース82を支持すると共に、ガソリンホース81および軽油ホース82のうちのいずれかを選択して、挿入ガイド64の筒内を挿通させて給油口102に出し入れするホース駆動機構65を備えている。
なお、ホース駆動機構65は、コントローラ20からの制御信号に応じて動作するようになっている。
次にトレイ部70の構成について説明する。
トレイ部70は、図4、図8、図9、図12に示すように、上面が開放した有底箱状のトレイ70aと、トレイ70aを出し入れ自在に支持する支持機構70bとを備えている。また、支持機構70bは、燃料供給機構60のアーム部63に取り付けられている。
そして、支持機構70bは、コントローラ20からの制御信号に応じて、給油口102から挿入ガイド64を引き抜く前に、挿入ガイド64の下方にトレイ70aを移動させて、挿入ガイド64から垂れる燃料を受け止めて回収する。
なお、図12に示すように、トレイ70aの底面部に配水管71を接続し、トレイ70aに垂れた燃料を配水管71を介して、廃油缶72に回収するように構成されていることが望ましい。
次に、本実施形態の燃料自動注入装置が行う燃料自動注入処理について、上述した図1及び図2と、図13〜図16とを用いて説明する。
図13及び図14は、本実施形態の燃料自動注入装置が行う燃料自動注入処理の手順を示したフローチャートである。
また、図15は、本実施形態の燃料自動注入装置の挿入ガイドのフローティング機能を説明するための模式図である。
また、図16は、本実施形態の燃料自動注入装置の燃料選択動作を説明するための模式図である。
なお、燃料自動注入装置の燃料注入ユニット10は、車両100を搬送する搬送機構CVの近傍の所定位置(ホームポジション)に配置されているものとする。
また、開き確認センサ94及び車種検出センサ95は、いずれも、車両100を搬送する搬送機構CV近傍に配置されており、コントローラ20からの指示に応じて駆動し、コントローラ20に検出結果を出力するように構成されている。
具体的には、先ず、コントローラ20の生産指示受信部22が、上位コンピュータ1から燃料を注入する対象となる車両の「車両情報」を取得する(S1)。
なお、「車両情報」には、図2のフィールド24aの登録されている車種情報と、当該車両の形状を示す車両形状情報とが含まれている。
また、コントローラ20の制御部21は、車種確認センサ95を駆動させ、車種確認センサ95に、搬送機構CVにより搬送されている所定位置を通過する車両100(燃料を注入する対象となる車両100)の形状を検出させる。また、制御部21は、車種確認センサ95から前記の検出結果(車両形状情報)を取得する(S2)。
次に、コントローラ20の制御部21は、S1及びS2により取得した情報を用いて、車両情報と、実際に、搬送機構CVにより搬送されている車両100の車種との照合(マッチング)を行う(S3)。
具体的には、制御部21は、S1で取得した「車両情報」に含まれる「車両形状情報」と、S2で取得した車種確認センサ95が検出した車両100の「車両形状情報」とを照合して、両者が一致すればS4の処理に進む(例えば、両者の差異が所定値以下なら一致したと判定する)。また、前記両者が一致しなければ(例えば、両者の差異が所定値より大きければ一致しないと判定する)、S30に進み、上位コンピュータ1が生産ラインを停止させる(搬送機構CVも停止する)。
なお、生産ラインが停止すると、作業者が復旧作業を行い(上位コンピュータ1のデータと、生産ライン上の車両とを一致させ)、その後、上述したS1及びS2の処理に戻る。
また、S4では、コントローラ20の制御部21が車種切替部50を駆動させ、車種切替処理を行い、S5に進む。
具体的には、制御部21は、車両情報DB24にアクセスして、S1で取得した「車両情報」に含まれる「車種情報」が登録されているレコードを読み出す。また、制御部21は、読み出したレコードのフィールド24bから「給油口の位置」を特定し、フィールド24cから「燃料種類」を特定し、フィールド24dから「注入量」を特定する。
また、制御部21は、前記特定した給油口の位置に対応させる制御信号(コマンド)を作成し、通信ユニット96を介して、車切替部50に前記制御信号を送信する。
また、車切替部50は、前記制御信号を受信すると、アクチュエータ55を駆動させて、ガイドレール51aの所定位置に摺動部材53およびカムフォロア54を移動させる。
例えば、「給油口の位置」が「Aタイプ」であれば、カムフォロア54をカム溝52aの一端側(図7の実線で示す位置)に移動させ、カムフォロア54の上端部に支持された燃料供給機構60の挿入ガイド64を、Aタイプの車両100の給油口92a(図3(a)参照)の挿入角度に対応させた位置に配置する。
また、例えば、「給油口の位置」が「Bタイプ」であれば、カムフォロア54をカム溝52aの他端側(図7の破線で示す位置)に移動させ、カムフォロア54の上面部に支持された挿入ガイド64を、Bタイプの車両100の給油口92b(図3(b)参照)の挿入角度に対応させた位置に配置する。
また、S5では、コントローラ20の制御部21は、生産指示受信部22を介して、上位コンピュータ1から搬送機構CVの速度データを取得すると共に、燃料注入対象の車両100との同期ポイントを確認する(例えば、予め定められている複数個の同期ポイントのなかから、前記速度データを考慮して、一の同期ポイントを選択する)。
次に、コントローラ20の制御部21は、車両100の給油口カバー(蓋)101が開いているか否かを確認し、開いていればS7の処理に進み、開いていなければ、上述したS30に進む(S6)。
なお、S30によりラインが停止した場合、作業者が給油口カバー101を開く作業を行い、その後、燃料注入処理を再開する。
具体的には、S6では、制御部21は、開き確認センサ94を駆動させて、燃料注入対象の車両100の給油口カバー(蓋)101の状態を検出させ、その検出結果を取得する。
また、制御部21は、前記検出結果に基づいて、給油口カバー(蓋)101の状態が、「給油口カバー101が開いていない」、「給油口カバー101が十分に開いている(所定以上開いている)」、及び「給油口カバー101が所定以上開いていない(半開き状態)」のうちのいずれの状態であるかを判定する。
そして、制御部21は、「給油口カバー101が開いていない」と判定するとS30に進み、「給油口カバー101が十分に開いている」及び「給油口カバー101が半開き状態」と判定するとS7に進む。
S7では、コントローラ20の制御部21は、S5で確認した同期ポイントに移動し、タイヤクランプ91を駆動させて、クランプ部91a(図4参照)を車両のタイヤに掛止(クランプ)させる。
なお、S6において「給油口カバー101が十分に開いている」と判定した場合には、S7の処理を終えるとS9〜S10の処理に進む。
また、S6において「給油口カバー101が半開き状態」と判定した場合には、S7の処理を終えるとS8の処理を行い、その後、S9〜S10に進む。
具体的には、S8では、コントローラ20の制御部21は、蓋開き部92を駆動させて、半開き状態の給油口カバー101を強制的に開く(所定以上開いた状態にする)。
S9〜S10では、コントローラ20の制御部21は、所定時間を経過するまで、昇降装置40を上昇させると共に、高さセンサ93に車両100のホイルハウスの頂点を検出させる。
そして、制御部20は、高さセンサ93がホイルハウスの頂点を検出できた場合には昇降装置40の上昇を停止させてS11の処理に進み、所定時間を経過してもホイルハウスの頂点を検出できなかった場合には、昇降装置40の上昇を停止させて上述したS30に進む。
このように、ホイルハウスの頂点を検出するまで昇降装置40を上昇させているのは、ホイルハウスの頂点の位置で、車両の給油口102の高さを検出しているためである。すなわち、本実施形態では、ホイルハウスの頂点を検出するまで昇降装置40を上昇させることにより、挿入ガイド65の高さが、S4の処理において特定した「給油口の位置」の高さに対応するようになっている。
S11では、コントローラ20の制御部21は、燃料供給機構60のアクチュエータ62を駆動させ、車両100の給油口102に、アーム部63の先端に取り付けられた挿入ガイド64を挿入する(S11)。
なお、本実施形態の挿入ガイド64は、フローティング機構を備えている。
具体的には、図15に示すように、挿入ガイド64を軸心s1と、車両100の給油口102の軸心s2とにズレが生じた場合であっても、前記フローティング機構により、挿入ガイド64がズレを吸収し、挿入ガイド64が給油口102に挿入されるようになっている。
上記の構成により、本実施形態によれば、挿入ガイド64を確実に給油口102に挿入することができる。
また、本実施形態によれば、上記フローティング機構により、従来技術の燃料注入ガンのように、車両のボディと、燃料注入ガンのガン先とが干渉することがない。
次に、S11の処理の後に行われるS12以降の処理について図14に基づいて説明する。
S12では、コントローラ20の制御部21は、燃料供給機構60を制御して、給油口102に挿入した挿入ガイド64に、S4で特定した車種に対応する燃料ホース(ガソリンホース81、軽油ホース82のいずれか)を挿入する。
具体的には、図16に示すように、燃料供給機構60のホース駆動機構65(図4参照)は、ガソリンホース81および軽油ホース82のうちのいずれかを選択し、挿入ガイド64の筒内に選択した燃料ホース(ガソリンホース81、軽油ホース82のいずれか)を挿通させて、該燃料ホースを給油口102に差し込む。
次に、コントローラ20の制御部21は、燃料供給機構60を制御して、前記挿入した燃料ホース(ガソリンホース81、軽油ホース82のいずれか)を介して、車両100の給油口102に、S4で特定した車種に対応する「注入量」の燃料(ガソリン又は軽油)を注入し(S13)、S14に進む。
S14では、コントローラ20の制御部21は、燃料供給機構60のアーム部63に取り付けられているトレイ部70の支持機構70bを駆動させて、挿入ガイド64及び燃料ホース(ガソリンホース81、軽油ホース82のいずれか)が挿入されている車両100の給油口102の下方にトレイ70bを移動させる(図9参照)。
次に、コントローラ20の制御部21は、燃料供給機構60を制御して、車両100の給油口102から燃料ホース(ガソリンホース81、軽油ホース82のいずれか)を引き抜く(S15)。
次に、コントローラ20の制御部21は、燃料供給機構60を制御して、車両100の給油口102から挿入ガイド64を引き戻す(S16)。
その後、コントローラ20の制御部21は、昇降装置40を下降させて(S17)、トレイ部70の支持機構70bを制御し、トレイ70bを引き戻す(S18)。
また、制御部21は、タイヤクランプ90の駆動機構91bを制御して、クランプ部91aによる車両100のクランプを解除し(S19)、走行部30の走行モータを駆動させて、燃料供給ユニット10を所定位置(ホームポジション)まで自走させる(S20)。
以上、説明したように、本実施形態の燃料自動注入装置によれば、生産ラインの搬送機構CV上を移動している車両100に対して、車両100と同期して移動しながら、車両100に燃料を自動注入することができる。そのため、作業者自身が燃料注入作業を行う必要がないため、作業者の手間が軽減される。
また、本実施形態の燃料自動注入装置は、多軸ロボットと比べて、簡易な構成の車切替部50により、車両100の給油口102に挿入する挿入ガイド64の位置および角度を調節している。
具体的には、車切替部50は、ベース部51と、そのベース部51に着脱自在に取り付けられるカム溝52aが形成されたカム板52と、下面部の突起部54aが前記カム溝52aに係合されているカムフォロア54と、カムフォロア54を1軸方向に往復移動させるアクチュエータ55とを備えた構成により、挿入ガイド64を2方向に調節できるようになっている。
すなわち、本実施形態によれば、特許文献1のように、コストがかかる多軸ロボット100を用いる必要がないため、コストを抑えた燃料自動注入装置を実現することができる。
また、車切替部50の構成によれば、新車導入等により対象の車両100の給油口102の挿入角度や位置に変更がある場合においても、新たに導入される車両100に対応するカム溝52aを備えたカム板52に交換することにより、生産ラインの車種変更に対応させることができる。
このように、本実施形態によれば、コストをかけずに、生産ラインの車種変更に対応させることができる(特許文献1のように多軸ロボットを利用するシステムの場合、車両毎に、コストがかかる教示データの作成を行う必要があり、そのコストは膨大なものとなる)。
また、本実施形態によれば、車両100の給油口102から燃料ホース(ガソリンホース81、軽油ホース82)及び挿入ガイド63を引き抜く前に、給油口102の下方にトレイ70aを配置している。これにより、給油口102から燃料ホース(ガソリンホース81、軽油ホース82)及び挿入ガイド63を引き抜いた際に、燃料ホースおよび挿入ガイド63から垂れる燃料をトレイ70aで受けることができ、車両100や床面に燃料が垂れることが防止される。
したがって、本実施形態によれば、燃料垂れによる不良の発生を防止できると共に、燃料垂れによる作業環境の悪化を防止することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上述した車切替部50は、1枚のカム板52と、1軸方向に往復移動するアクチュエータ55とにより、挿入ガイド62の2軸方向の位置および角度を調節していたが、特にこれに限定されるものではない。
例えば、図17に示すように、2枚のカム板を用いることにより、挿入ガイド64の「3方向」の位置調節と、「角度」の調節とを行うようにしてもよい。
以下、図17及び図18基づいて、本実施形態の燃料自動注入装置の車切替部の変形例について説明する。
図17は、本実施形態の燃料自動注入装置の車切替部の変形例を説明するための模式図である。
また、図18は、本実施形態の変形例による給油対象となる車種別の給油口を示した模式図である。
なお、以下の変形例の説明では、説明の便宜上、上述した実施形態と同様の構成および同様の機能を備えた構成には、上述した実施形態と同じ符号を付ける。
また、本変形例では、図18に示す3つの異なる位置に配置された給油口(Cタイプの給油口、Dタイプの給油口、Eタイプの給油口)に対応する場合を例にする。
図17に示すように、本実施形態の車切替部50の変形例では、昇降装置40の上端部に取り付けられたベース部111が断面視L字の板状に形成されており、そのL字状のベース部111の一方面111aに第1カム板112が着脱自在に装着されている。
また、ベース部111の一方面111aに直交する他方面111bに第2カム板113が着脱自在に装着されている。
また、第1カム板112には、正面視略V字のカム溝112aが形成されている。また、第2カム板113には、正面視略V字のカム溝113bが形成されている。
また、本変形例では、挿入ガイド64(図4参照)を支持しているベース部61(図4参照)を搭載したカムフォロア(図示せず)は、例えば、断面視L字状に形成されている。
そして、前記カムフォロアは、そのL字状の一方の外周底面に第1カム板112のカム溝112aに摺動自在に係合する第1突起部(図示せず)が設けられ、前記一方の外周底面と直交する他方の外周底面に、第2カム板113のカム溝113aに摺動自在に係合する第2突起部(図示せず)が設けられている。
上記構成により、本変形例によれば、前記カムフォロア(図示せず)を、第1板カム112のカム溝112aに沿って移動させることにより、当該カムフォロアに支持されている挿入ガイド64を2方向(x方向およびz方向の2方向)に移動させることができる。
また、前記カムフォロア(図示せず)が、第1板カム112のカム溝112aに沿って移動する際に生じる旋回(図示するP)により、当該カムフォロアに支持されている挿入ガイド64の角度を調節することができる。
また、前記カムフォロア(図示せず)を、第2板カム113のカム溝113aに沿って移動させることにより、当該カムフォロアに支持されている挿入ガイド64をy方向に移動させることができる。
そして、本変形例では、前記カムフォロアの第1突起部(図示せず)が第1カム板112のカム溝112aの一端部112a1に配置され、且つ前記第2突起部(図示せず)が第2カム板113のカム溝113の一端部113a1に配置された場合、当該カムフォロアに支持された挿入ガイド64が、Cタイプの車両100の給油口92c(図18参照)に対する挿入角度に対応して配置されるようになっている。
また、前記カムフォロアの第1突起部(図示せず)が第1カム板112のカム溝112aの中央部112a2に配置され、且つ前記第2突起部(図示せず)が第2カム板113のカム溝113の中央部113a2に配置された場合、当該カムフォロアに支持された挿入ガイド64が、Dタイプの車両100の給油口92d(図18参照)に対する挿入角度に対応して配置されるようになっている。
また、前記カムフォロアの第1突起部(図示せず)が第1カム板112のカム溝112aの他端部112a3に配置され、且つ前記第2突起部(図示せず)が第2カム板113のカム溝113の他端部113a3に配置された場合、当該カムフォロアに支持された挿入ガイド64が、Eタイプの車両100の給油口92e(図18参照)に対する挿入角度に対応して配置されるようになっている。
このように、本変形例によれば、特許文献1のように、コストのかかる多軸ロボットを用いることなく、比較的簡単な構成の車切替部50により、挿入ガイド64の「3方向」の位置調節と、「角度」の調節とを行うことができる。
また、上述した実施形態では、車種に応じてガソリンと軽油とを注入する場合を示したが、燃料の種類はあくまでも一例である。
CV 搬送機構
1 上位コンピュータ
10 燃料注入ユニット
30 走行部(燃料注入ユニット)
31 台車部(走行部(燃料注入ユニット))
40 昇降装置(燃料注入ユニット)
50 車切替部(燃料注入ユニット)
51 ベース部(車切替部(燃料注入ユニット))
51a ガイドレール(車切替部(燃料注入ユニット))
52 カム板(車切替部(燃料注入ユニット))
52a カム溝(車切替部(燃料注入ユニット))
53 摺動部材(車切替部(燃料注入ユニット))
53a 貫通孔(車切替部(燃料注入ユニット))
54 カムフォロア(車切替部(燃料注入ユニット))
54a 突起部(車切替部(燃料注入ユニット))
54b 支持部(車切替部(燃料注入ユニット))
55 アクチュエータ(車切替部(燃料注入ユニット))
60 燃料供給機構(燃料注入ユニット)
61 ベース部(燃料供給機構(燃料注入ユニット))
62 アクチュエータ(燃料供給機構(燃料注入ユニット))
63 アーム部(燃料供給機構(燃料注入ユニット))
64 挿入ガイド(燃料供給機構(燃料注入ユニット))
65 ホース駆動機構(燃料供給機構(燃料注入ユニット))
70 トレイ部(燃料注入ユニット)
70a トレイ(トレイ部(燃料注入ユニット))
70b 支持機構(トレイ部(燃料注入ユニット))
71 配水管(トレイ部(燃料注入ユニット))
72 廃油缶(トレイ部(燃料注入ユニット))
81 ガソリンホース(燃料注入ユニット)
82 軽油ホース(燃料注入ユニット)
85 ガソリン配管(燃料注入ユニット)
86 軽油配管(燃料注入ユニット)
91 タイヤクランプ(燃料注入ユニット)
91a クランプ部(タイヤクランプ(燃料注入ユニット))
91b 駆動機構(燃料注入ユニット)
92 蓋開き部(燃料注入ユニット)
93 高さセンサ(燃料注入ユニット)
94 開き確認センサ(燃料注入ユニット)
95 車種検出センサ(燃料注入ユニット)
96 通信ユニット(燃料注入ユニット)
111 ベース部(カム機構(燃料注入ユニット))
112 第1カム板(カム機構(燃料注入ユニット))
112a カム溝(カム機構(燃料注入ユニット))
113 第2カム板(カム機構(燃料注入ユニット))
113a カム溝(カム機構(燃料注入ユニット))
20 コントローラ
21 制御部(コントローラ)
22 生産指示受信部(コントローラ)
23 通信処理部(コントローラ)
24 車種情報データベース(コントローラ)
100 車両
102 給油口(車両)

Claims (5)

  1. 搬送機構により移動している車両に対し、該車両と同期して移動しながら該車両の給油口に燃料を注入する燃料自動注入装置において、
    前記搬送機構の搬送方向と平行に移動可能な走行部と、
    前記走行部の上方に搭載された車切替部と、
    前記車切替部に支持され、且つ前記給油口に出し入れ自在に挿入される筒状の挿入ガイドおよび前記挿入ガイドの筒内を通って前記給油口に出し入れ自在に挿入される燃料を供給する燃料ホースを有する燃料供給機構とを備え、
    前記車切替部は、
    前記走行部の上方に搭載されたベース部と、
    前記ベース部に着脱自在に取り付けられるカム溝が形成されたカム板と、
    下面部に突起部が形成され、該突起部が前記カム溝に摺動自在に係合されていると共に、上面部で前記燃料供給機構を支持するカムフォロアと、
    前記カムフォロアを前記カム溝に沿って往復移動させるアクチュエータとを備え、
    前記アクチュエータにより前記カムフォロアをカム溝の所定位置に移動させることにより、前記カムフォロアの上面部で支持している前記燃料供給機構の挿入ガイドの位置および角度の調節ができるようになされていることを特徴とする燃料自動注入装置。
  2. 前記燃料ホースは、少なくとも、第1燃料を供給するための第1燃料ホースと、第2燃料を供給するための第2燃料ホースとにより構成され、
    前記燃料供給機構は、燃料を供給する車両の種類に応じて、前記第1燃料ホースおよび第2燃料ホースのうちのいずれかを選択し、該選択した燃料ホースを前記挿入ガイドを介して前記給油口に挿入し、前記車両に燃料を注入することを特徴とする請求項1に記載の燃料自動注入装置。
  3. 前記燃料供給機構には、上面が開放した有底箱状のトレイを出し入れ自在に支持するトレイ部が設けられ、
    前記トレイ部は、前記給油口から前記挿入ガイド及び前記燃料ホースを引き抜く前に、前記給油口の下方に前記トレイを移動させ、該挿入ガイド及び燃料ホースからの垂れる燃料を受け止めて回収することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料自動注入装置。
  4. 前記挿入ガイドは、前記給油口に挿入される際に、自身の軸心と、該給油口の軸心とにズレが発生した場合に該ズレを吸収するフローティング機構を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の燃料自動注入装置。
  5. 前記ベース部は、断面視L字状に形成され、
    前記カム板は、前記ベース部の一方面に装着され且つ第1カム溝が形成された第1カム板と、該ベース部の一方面に直交する他方面に装着され且つ第2カム溝が形成された第2カム板とを備え、
    前記カムフォロアの前記突起部は、第1カム板の第1カム溝に摺動自在に係合する第1突起部と、前記第2カム板の第2カム溝に摺動自在に係合する第2突起部とを備えていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の燃料自動注入装置。
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