JP2022104295A - 物品搬送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】単純な機構を用いてお互いの装置間の高さのばらつきを接合部が吸収できる。【解決手段】物品搬送システムは、工場フロアに設置された少なくとも一つの製造設備と、工場フロアを移動して製造設備で使用する物品を搬送する物品搬送装置を有し、製造設備が有するドッキングベースと物品搬送装置が有するドッキング部とで構成されるドッキング装置によって物品搬送装置を製造設備にドッキングさせて物品搬送装置と製造設備との間で物品の受け渡しを行う。【選択図】図35

Description

本開示は、物品搬送システムに関する。
部品を適切に管理できる部品搬送装置が提案されている(特許文献1参照)。この部品搬送装置は、部品を支持するトレイが搭載される搭載部と、走行面に接触可能な車輪とを有するカートと、連結機構を介してカートと相対移動可能に連結され、走行面を走行する無人搬送車とを備える。カートは、トレイを支持可能な昇降部材を有するエレベータ装置に設けられた通路空間に進入して、昇降部材との間でトレイを搬送する。
特開2019-91770号公報
しかしながら、従来の部品搬送装置を有する部品実装システムでは、無人搬送車を使った物品の受け渡しの自動化が試みられているが、大掛かりなエレベータ装置を設置しなければならず、複雑で高価な設備が必要となった。また、製造設備と無人搬送車との間で物品を受け渡しするための実用的な技術は開示されていない。例えば、製造設備と無人搬送車との間に相互に接続する接合部を設けた場合、お互いの装置間の高さのばらつきが課題となる。
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、単純な機構を用いてお互いの装置間の高さのばらつきを接合部が吸収できる物品搬送システムを提供することを目的とする。
本開示は、工場フロアに設置された少なくとも一つの製造設備と、工場フロアを移動して前記製造設備で使用する物品を搬送する物品搬送装置を有し、前記製造設備が有するドッキングベースと前記物品搬送装置が有するドッキング部とで構成されるドッキング装置によって前記物品搬送装置を前記製造設備にドッキングさせて前記物品搬送装置と前記製造設備との間で物品の受け渡しを行う物品搬送システムであって、前記ドッキング装置は、前記製造設備に対して第1の方向から接近する前記物品搬送装置の前記第1の方向に水平面内で直交する第2の方向における位置を調整しながら誘導する誘導部と、クッション部材の反発力を利用して前記物品搬送装置を前記製造設備から離れる方向に押すことによりドッキング時の衝撃を吸収する緩衝部と、ドッキングした前記物品搬送装置が前記クッション部材の反発力で前記製造設備から離れないようにするドッキング保持部と、前記物品搬送装置の前記製造設備への接近に伴い、前記物品搬送装置が有する他方のコネクタと前記製造設備が有する一方のコネクタとを位置合わせして連結するコネクタ連結部と、を備える、物品搬送システムを提供する。
本開示によれば、単純な機構を用いてお互いの装置間の高さのばらつきを接合部が吸収できる。
実施の形態1に係る部品装着システムを設置した工場フロアの平面図 図1に示した部品装着システムの全体構成図 図2に示した部品装着システムの断面構造を示す概念図 トレイが載置されたパレットの斜視図 図4に示したパレットの分解斜視図 パレットを収納したマガジンの斜視図 マガジンを斜め下方から見た斜視図 図2に示したトレイ部品ストック装置の斜視図 トレイ部品ストック装置の内部を通路側より見た概略の構成図 トレイ部品ストック装置とトレイ部品供給装置のレイアウトを示す平面図 トレイ部品ストック装置のブロック図 パレットストック部からパレットを引き出す直前のパレット搬送部の動作説明図 パレットストック部からパレットを引き出し終えたパレット搬送部の動作説明図 時計回りに引き出し装置が回転したパレット搬送部の動作説明図 トレイ部品供給装置にパレットを挿入したパレット搬送部の動作説明図 スライドテーブルが収納されたスライドテーブル装置の平面図 スライドテーブルの斜視図 スライドテーブルが進出したスライドテーブル装置の平面図 スライドテーブル装置を通路側より見た正面図 進退駆動源にエアシリンダを用いた進退機構の概念図 進退駆動源にモータを用いた進退機構の概念図 進退機構のストローク可変構造を示す概念図 スライドテーブルに位置決めされて載置されたマガジンの斜視図 スライドテーブルにおける主にXアライメントガイドによる位置決め動作の説明図 スライドテーブルにおける主にYアライメントガイドによる位置決め動作の説明図 実施の形態2に係る物品搬送装置を備えた物品搬送システムの全体構成図 物品搬送装置の斜視図 物品搬送装置の側断面図 図28のB-B断面図 ドッキングベースの斜視図 ドッキング部の斜視図 物品搬送装置に設けられるドッキング部の平面図 図32のC-C断面図 ドッキング前の緩衝部およびドッキング保持部の概念図 ドッキングによる水平方向の位置決め動作の説明図 ドッキングによる上下方向の位置決め動作の説明図 ドッキング後におけるドッキング保持部の概念図 マガジン収納ラックの斜視図 第1支持テーブルと第2支持テーブルの支持領域を示す説明図 スライドテーブルがマガジン収納ラックに進出した状態を示す平面図 保持テーブルの斜視図 マガジンに設けられる第2アライメント部と保持テーブルに設けられる第2アライメントガイドとを示す要部拡大斜視図 マガジン収納ラックを透視した斜視図 図43に示したスライドロック部の動作を説明する要部拡大平面図 物品搬送装置の制御系を示すブロック図 ドッキング後に動力用電源パワーがONされるまでの手順を示すフローチャート ドッキング後の物品搬送装置とトレイ部品ストック装置の位置関係を示す説明図 マガジン収納ラックの位置決め高さの説明図 マガジン受渡し動作の説明図 位置決め高さ設定処理を示すフローチャート 基準高さ標識の検出原理の説明図 第1のマガジン保持テーブルへの搬入の手順を示すマガジン受渡し動作のフローチャート 第1搬入部の処理によるトレイ部品ストック装置からの搬出動作の説明図 第1搬入部の処理による第1のマガジン保持テーブルへの搬入動作の説明図 第1搬入部の処理による第1のマガジン保持テーブルへの搬入動作の説明図 第2のマガジン保持テーブルへの搬入の手順を示すマガジン受渡し動作のフローチャート 第2のマガジン保持テーブルからの搬出の手順を示すマガジン受渡し動作のフローチャート 第2搬出部の処理による第2のマガジン保持テーブルからの搬出動作の説明図 第2搬出部の処理による第2のマガジン保持テーブルからの搬出動作の説明図 第2搬出部の処理によるトレイ部品ストック装置への搬入動作の説明図 第1のマガジン保持テーブルからの搬出の手順を示すマガジン受渡し動作のフローチャート
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係るトレイ部品ストック装置、部品装着システム、物品搬送装置および物品搬送システムを具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
先ず、実施の形態1について説明する。
図1は、実施の形態1に係る部品装着システム11を設置した工場フロアの平面図である。以下、方向を示す矢印が記された図において、X軸は部品装着装置13の左右方向、Y軸は部品装着装置13の前後方向、Z軸は部品装着装置13の上下方向を示す。X軸およびY軸は直交して水平面に含まれる。Z軸は水平面に直交する鉛直面に含まれる。
図1に示すように、工場フロアには、複数の部品装着装置13のそれぞれが通路幅W1の通路15に沿うように近接させて並べて設けられる。それぞれの部品装着装置13には、X軸方向を基板17の搬送方向とした複数の平行な基板搬送コンベア19が、複数の部品装着装置13のそれぞれに渡って設けられる。部品装着装置13には、スティックフィーダ21、トレイ部品供給装置23、或いはテープ部品供給装置25等が一体的に接続される。
並設される複数の部品装着装置13は、工場フロアにおける実装ライン27を構成する。特に生産量の大きい工場フロアでは、部品装着装置13の前後を通るX軸に沿う方向の通路15を挟んで複数の実装ライン27が平行に設置される。並設される複数の部品装着装置13のうち、トレイ部品ストック装置29がトレイ部品供給装置23に一体的に接続された部品装着装置13は、部品装着システム11を構成する。
部品装着システム11では、トレイ部品ストック装置29の長手方向が通路15に沿って設置されることから、隣接する実装ライン27との間における有効な通路幅W2の縮小率が最小限に抑制されている。
図2は、図1に示した部品装着システム11の全体構成図である。実施の形態1に係る部品装着システム11は、トレイ31(図4参照)に収納された部品33(図4参照)を部品装着部である装着ヘッド35(図3参照)によって取り出して基板17に搭載する部品装着装置13と、トレイ31を装着ヘッド35によって取り出し可能な位置に供給するトレイ部品供給装置23と、トレイ部品供給装置23にトレイ31を補充するトレイ部品ストック装置29と、を備える。
部品装着装置13は、部品装着装置本体部37を有する。部品装着装置本体部37は、通路側の面に、トレイ部品供給装置23と、テープ部品供給装置25とが接続される。部品装着装置本体部37には、トレイ部品供給装置23を介してトレイ部品ストック装置29が一体的に接続される。
部品ストック装置の一例としてのトレイ部品ストック装置29は、部品33(図4参照)を格納したトレイ31を載置するパレット39(図4参照)を第1の軸(例えばX軸)に沿って抜き差し可能とするマガジン41を備える。トレイ部品ストック装置29は、ストッカとしての役割を有するパレットストック部43を有する。パレットストック部43は、水平面に沿う面内でX軸と交差する第2の軸(例えばY軸)に沿ってマガジン41を出し入れ可能としている。トレイ部品ストック装置29は、パレット搬送部45を有する。パレット搬送部45は、パレットストック部43に収納されたマガジン41からX軸に沿ってパレット39を搬送する。パレットストック部43からパレット搬送部45により搬送されるパレット39は、トレイ部品供給装置23へ供給される。また、パレット搬送部45は、トレイ部品供給装置23から部品33の消費された(つまりパレット39上の全ての部品33が基板17への搭載に使用された)パレット39を回収のためにパレットストック部43にパレット39を搬送する。
図3は、図2に示した部品装着システム11の断面構造を示す概念図である。部品装着装置本体部37には、基台47の上面に、基板17をX軸に沿う方向(基板搬送方向)に搬送するための基板搬送コンベア19を有する基板搬送部49が設けられる。基板搬送部49は、部品の装着対象となる基板17を搬送して部品装着装置本体部37の作業位置に位置決めして保持する。基台47の通路側には、トレイ部品供給装置23が配置される。
トレイ部品供給装置23は、交換用パレット収納部51を有する。交換用パレット収納部51は、複数のマガジン41を上下方向(Z軸に沿う方向)に配置して保持する。トレイ部品供給装置23では、交換用パレット収納部51と基台47との間に、パレットチェンジャ53が設けられる。パレットチェンジャ53は、チェンジャ昇降テーブル55を、パレットチェンジャ昇降部57(図11参照)により昇降する。トレイ部品供給装置23は、パレットチェンジャ53を作動させることにより、交換用パレット収納部51と部品取り出し位置との間でパレット39を移動する。トレイ部品供給装置23は、部品33(図4参照)が格子状配列で格納されたトレイ31を載置しているパレット39を、部品取り出し位置に移動させることにより、部品33を装着ヘッド35に供給する。
装着ヘッド35は、複数の単位移載ヘッドを備えた多連型ヘッドであり、それぞれの単位移載ヘッドの下端部には吸着ノズルが交換自在に装着される。装着ヘッド35は、リニア駆動機構等からなるY軸に沿う方向のXYテーブル59によってXY方向に移動自在に取り付けられている。装着ヘッド35は、XYテーブル59により、部品取り出し位置と基板搬送部49上の部品装着位置との間を移動自在となっている。
トレイ部品ストック装置29は、パレットストック部43と、パレット搬送部45とを有する。パレットストック部43には、上下方向(Z軸に沿う方向)に所定の間隔を空けて複数のマガジン41が収納されている。上下方向(Z軸に沿う方向)に収納されたそれぞれのマガジン41からは、任意のパレット39がパレット搬送部45によりX軸に沿う方向で抜き差しが可能となっている。パレットストック部43からパレット搬送部45により引き出されたパレット39は、パレット搬送部45によりトレイ部品供給装置23へと移動される。また、パレット搬送部45は、その反対方向のパレット39の移動も可能とする。
図4は、トレイ31が載置されたパレット39の斜視図である。図5は、図4に示したパレット39の分解斜視図である。
パレット39について説明する。パレット39は、パレット本体61が、平面視で長方形の板状に形成される。パレット39は、一対の平行な長辺部の一方が第1長辺部63となり他方が第2長辺部65となる。実施の形態1では、第1長辺部63がパレット前部となり、第2長辺部65がパレット後部となる。パレット39は、この第1長辺部63または第2長辺部65のいずれか一方が搬送方向の先端側となって搬送される。
パレット39は、少なくとも上面を含む部分が磁性体材料により構成される。パレット39の上面には、樹脂等の非磁性体材料により構成されたトレイ31が載置される。トレイ31には複数の部品33が整列状態に並べられる。トレイ31は、位置決め装置67によって、パレット39の所定の位置に位置決めされた状態で保持される。トレイ31を載置したパレット39は、部品収納体69を構成する。なお、部品収納体69としては、パレット39に部品を載置して収納するものでも良い。また、トレイ31の外形をパレット39と同様にしてトレイ31そのものを部品収納体69として利用しても良い。
パレット39の上面には、第1長辺部63と第1長辺部63に隣接する一方の短辺部とのそれぞれに平行な2つのトレイ位置決め片71が直交して固定されている。2つのトレイ位置決め片71は、直交方向に配置されることにより入隅部を有する。トレイ31は、一つの角部をパレット39の入隅部に一致させるようにして、2つの側面をトレイ位置決め片71に押し当てて、パレット39に対する相対位置が位置決めされる。
このようにして位置決めされたパレット上のトレイ31は、トレイ位置決め片71に押し当てられた面と反対側の面に、位置決め装置67が押し当てられてパレット39に固定される。位置決め装置67は、例えばマグネットを有する。位置決め装置67は、磁性体材料からなるパレット39の上面に磁力で強力に固定された状態となる。これにより、トレイ31は、パレット39上での移動が規制されて固定される。このとき位置決め装置67は、2つのレバー部73を両端側に有し(図5参照)、それぞれのレバー部73がパレット39の上面よりも上方に位置する。位置決め装置67は、これらのレバー部73をパレット39の上面に向けて押下することにより、てこの原理でパレット39から容易に取り外しが可能となっている。
また、パレット39は、第1長辺部63に第1係合部75が設けられ、第2長辺部65に第2係合部77が設けられる。第1係合部75と第2係合部77は、平面視コ字状に形成された係合爪の開口側が向かいあうようにして配置される。第1係合部75は、第2係合部77よりも係合爪の間隔が大きい。実施の形態1においては、第1係合部75がパレットチェンジャ53のチェンジャ係合ロッド79(図10参照)と係合し、第2係合部77がパレット搬送部45の図10に示す牽引部であるハンドラ係合ロッド81と係合する。
図6は、パレット39を収納したマガジン41の斜視図である。図7は、マガジン41を斜め下方から見た斜視図である。
マガジン41について説明する。マガジン41は、一対の平行な側板83の上端同士が天板85により連結されるとともに、一対の平行な側板83の下端同士が底板87(図7参照)により連結されて内側収納空間が両側に抜き差し開口部89となって開放した角筒形に形成される。このマガジン41は、X軸に沿う方向の両端が開放側となる向きでパレットストック部43に収納される。換言すれば、一対の側板83は、Y軸に沿う方向に離間した向きでパレットストック部43に収納される。
それぞれの側板83の内側面には、両端が抜き差し開口部89に渡って延在するリブ91が設けられている。上下方向(Z軸に沿う方向)で隣接するリブ91同士の間隙は、パレット39の一対の平行な短辺部のそれぞれを挿入する。これにより、マガジン41は、内側収納空間(上述参照)において、複数枚のパレット39を上下方向(Z軸に沿う方向)に多段状に収納し、かつ抜き差し開口部89からの抜き差しを可能としている。
図6に示すように、それぞれの側板83の外側には、下部側に一対のXアライメントローラ93が設けられている。一対のXアライメントローラ93のそれぞれは、側板83に垂直な回転中心周りに回転自在となる。また、一対の側板83の内側には、両端の抜き差し開口部89に近接する下側に、Yアライメント部95が設けられている。Yアライメント部95にはテーパ面97が形成され、テーパ面97は下側に向かって側板83を薄厚に形成した斜面で形成される。
図7に示すように、底板87の下面には、4つのYアライメントローラ99が設けられている。それぞれのYアライメントローラ99は、底板87の下面から側板83に垂直な向きで垂下した載置片101に対し、この載置片101に垂直な回転中心周りで回転自在に支持される。上述のXアライメントローラ93と、Yアライメントローラ99とは、第1アライメントグループ103を構成する。
底板87の両端の抜き差し開口部89における平行な一対の開口下辺部が、Xアライメント部105となる。上述したテーパ面97を有するYアライメント部95と、Xアライメント部105とは、第2アライメントグループ107を構成する。
図8は、図2に示したトレイ部品ストック装置29の斜視図である。パレットストック部43は、マガジン41の収納を可能とした内部空間を形成する筐体(例えばカバー109)を有する。このカバー109は、第2の軸(Y軸)に沿ってマガジン41を出し入れ可能な開口部(例えばマガジン交換用窓111)を備えている。パレットストック部43のマガジン交換用窓111の下部がストックベース部113となる。このストックベース部113には、ドッキングベース115が設けられる。ドッキングベース115は、例えば自走式のマガジン搬送装置(図示略)が使用される場合の接続部分となる。ドッキングベース115は、一方のコネクタ117を備えることにより、トレイ部品ストック装置制御部119(図11参照)と電気的に接続される。また、パレット搬送部45の通路側の外面には、トレイ部品ストック装置制御部119(図11参照)に電気的に接続されたタッチパネル等の操作部121が設けられている。なお、この操作部121は、トレイ部品ストック装置29の構成として省略されてもよい。
トレイ部品ストック装置29には、カバー109の内部空間に、スライドテーブル装置123が配置される。スライドテーブル装置123は、マガジン41を載置し、第2の軸(Y軸)に沿ってマガジン交換用窓111を通過することにより、カバー109の内部空間とカバー109の外側との間でマガジン41を移動(つまり出し入れ)させることができる。
図9は、トレイ部品ストック装置29の内部を通路側より見た概略の構成図である。トレイ部品ストック装置29は、上下方向(Z方向に沿う方向)に離間した複数(例えば4段)の固定棚125を有する。このうち、例えば下から2段目の固定棚125には、スライドテーブル装置123が固定される。すなわち、パレットストック部43では、上下4段に収納されたマガジン41のうち、下から2段目のマガジン41がスライドテーブル装置123に載置される。実施の形態1では、下から2段目にスライドテーブル装置123が設置される例を説明するが、スライドテーブル装置123は、上下方向の任意の段に設置されてもよい。また、実施の形態1では、下から2段目のみにスライドテーブル装置123が設置される例を説明するが、スライドテーブル装置123は、複数段に設置されてもよい。
スライドテーブル装置123は、手動によりマガジン41が載るスライドテーブル127(図17参照)を進退駆動することができる。また、スライドテーブル装置123は、進退駆動部129を備えることにより、マガジン41が載るスライドテーブル127を自動でカバー109の外側に突出させるように構成してもよい。この場合、進退駆動部129は、例えば進退駆動源であるエアシリンダ131(図18参照)と、エアシリンダ131へ動作用エアを供給するバルブ等とを含む。
トレイ部品ストック装置29に設けられるパレット搬送部45は、パレットストック部43とトレイ部品供給装置23との間でパレット39を移動するパレットハンドラ133を備える。パレット搬送部45は、上下方向(Z方向に沿う方向)に昇降するパレットハンドラ昇降部135を備える。パレットハンドラ昇降部135は、ストックベース部113に立設されて、パレットストック部43とほぼ同等の高さを有する。パレットハンドラ昇降部135には、起立するストッカ送りねじ(図示略)が設けられる。このストッカ送りねじは、ハンドラ昇降モータ(図示略)により回転される。ストッカ送りねじには、昇降ベースナット部(図示略)が螺合される。
昇降ベースナット部には、昇降ベース137が固定される。昇降ベース137の上面には、Z軸に沿うハンドラ軸139を介して引き出し装置141が回転自在に支持される。昇降ベース137の起立ベース部143には、出力軸がZ軸に沿うハンドラモータ145が固定される。このハンドラモータ145の出力軸とハンドラ軸139とには、ベルト147が張架される。ハンドラモータ145、ベルト147、ハンドラ軸139は、旋回機構149(図10参照)を構成する。旋回機構149のハンドラモータ145が駆動されることにより、回転力がハンドラ軸139に伝達され、引き出し装置141はハンドラ軸139周りに回転される。引き出し装置141は、ハンドラ係合ロッド81と、一対の平行なパレットガイド151とを有している。
パレットハンドラ133は、例えばパレット搬送制御部153(図11参照)によりハンドラ昇降モータ(図示略)が駆動されることによって、パレットストック部43に沿って昇降する。このとき、パレットハンドラ133は、パレットストック部43のパレット収納部に付された収納アドレスを指定することにより、この収納アドレスに対応したパレット39の高さ位置に引き出し装置141を配置できる。パレット搬送部45の下部には、これらの制御を行うためのトレイ部品ストック装置制御部119が設けられている。
図10は、トレイ部品ストック装置29とトレイ部品供給装置23のレイアウトを示す平面図である。パレットストック部43とパレット搬送部45とは、通路15(図1参照)に沿って並ぶ。すなわち、トレイ部品ストック装置29は、長辺側が通路15に沿う向きで設置される。そして、トレイ部品ストック装置29のパレット搬送部45は、トレイ部品供給装置23を介して、部品装着装置13とY軸に沿う方向で接続される。その結果、部品装着システム11は、X軸に沿う方向で長辺側のパレットストック部43とパレット搬送部45とが並べられ、パレットストック部43とパレット搬送部45とが、X軸に交差する方向でトレイ部品供給装置23に接続された、平面視でL字形状のスペースで設置される。
したがって、実施の形態1に係る部品装着システム11は、トレイ31に収納された部品33を部品装着部(例えば装着ヘッド35)によって取り出して基板17に搭載する部品装着装置13と、トレイ31を部品装着部(例えば装着ヘッド35)によって取り出し可能な位置に供給するトレイ部品供給装置23と、トレイ部品供給装置23にトレイ31を補充するトレイ部品ストック装置29と、を備える。トレイ部品ストック装置29は、部品33を格納したトレイ31を載置するパレット39を第1の軸(例えばX軸)に沿って抜き差し可能とするマガジン41をカバー109の内部空間に収納可能なパレットストック部43と、パレットストック部43と部品供給装置(例えばトレイ部品供給装置23)との間でパレット39を搬送する部品収納体搬送部(例えばパレット搬送部45)と、マガジン41を載置し、水平面に沿う面内で第1の軸と交差する第2の軸(例えばY軸)に沿ってカバー109の内側と外側との間でマガジン41を移動させ、カバー109の内側から外側に突出可能なスライドテーブル127を有するスライドテーブル装置123と、を有して構成される。
また、トレイ部品ストック装置29において、スライドテーブル装置123は、スライドテーブル127をカバー109の外側に突出させる進退駆動部129をさらに含んでもよい。
次に、実施の形態1に係るトレイ部品ストック装置29の制御系の構成を説明する。
図11は、トレイ部品ストック装置29のブロック図である。トレイ部品ストック装置29は、パレット搬送部45、スライドテーブル装置123、操作部121、一方のコネクタ117、トレイ部品ストック装置制御部119を備える。一方のコネクタ117には、トレイ部品ストック装置29に対して外付けの給電ユニット155が給電ケーブル157により接続される。給電ユニット155には外部電源159が給電ケーブル157により接続される。給電ユニット155は、トレイ部品ストック装置制御部119にも信号線161により直接接続される。
トレイ部品ストック装置制御部119は、パレット搬送制御部153と、スライドテーブル制御部163と、記憶部165とを備える。
パレット搬送制御部153は、部品装着装置13から部品33の要求指示を受け取ると、記憶部165に保存される部品ストック情報を参照し、その部品33を保持したトレイ31のパレット39をパレットストック部43から引き出すための指示をパレット搬送部45に送る。パレット搬送部45は、パレット搬送制御部153からの指示に基づいて、パレットストック部43から該当するパレット39を引き出すとともに、その引き出されたパレット39を、トレイ部品供給装置23における交換用パレット収納部51のマガジン41に挿入して、トレイ部品供給装置23へのパレット39の供給を完了させる。パレット搬送制御部153は、記憶部165に保存される部品ストック情報を参照した結果、要求の部品33が無い場合あるいは残量が少ない場合(例えば規定量よりも少ない場合)、トレイ部品ストック装置29への部品33の要求指示を操作部121に表示し、部品切れもしくは部品切れが近々に生じることを報知する。
スライドテーブル制御部163は、例えば操作部121からの引き出し命令が入力されると、エアシリンダ131(図18参照)に接続されたバルブのポートを引き出し作動側に切り替えるための指示を、スライドテーブル装置123に送る。スライドテーブル装置123は、スライドテーブル制御部163からの指示に基づいて、上述したバルブを切り替える。この切り替えにより、エアシリンダ131(図18参照)の駆動軸が進出し、スライドテーブル127がマガジン交換用窓111を通過して通路側へ進出する。また、スライドテーブル制御部163は、操作部121からの収納命令が入力されると、エアシリンダ131(図18参照)に接続されたバルブのポートを収納作動側に切り替えるための指示を、スライドテーブル装置123に送る。スライドテーブル装置123は、スライドテーブル制御部163からの指示に基づいて、上述したバルブを切り替える。この切り替えにより、エアシリンダ131(図18参照)の駆動軸が後退し、スライドテーブル127がパレットストック部43に収納される。なお、スライドテーブル制御部163は、部品装着装置13あるいはマガジン搬送装置(図示略)からの進退命令により、スライドテーブル127を進退駆動させてもよい。
記憶部165は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)あるいはSSD(Solid State Drive)等のデータ記録装置を用いて構成され、ストック情報を保存する。記憶部165は、部品装着装置13に補給されるべき部品33の数量、収納アドレス(例えば、それぞれの部品33が載置された、マガジン41、パレット39、トレイ31の番号等の組み合わせ)および部品装着装置13への補給の有無を示す部品ストック情報を保存する。
次に、パレット搬送時の具体的な動作の一例を説明する。
図12は、パレットストック部43からパレット39を引き出す直前のパレット搬送部45の動作説明図である。パレットストック部43には、パレット搬送部45に臨む側の面に、第2係合部77が配置されるようにしてパレット39が収容される。パレット39をトレイ部品供給装置23へ供給するには、パレット搬送部45の引き出し装置141が上下方向(Z軸に沿う方向)に移動して、引き出し装置141に設けられたハンドラ係合ロッド81が、所望のパレット39に設けられる第2係合部77に係合される。
図13は、パレットストック部43からパレット39を引き出し終えたパレット搬送部45の動作説明図である。ハンドラ係合ロッド81を第2係合部77に係合した引き出し装置141は、牽引モータ(図示略)が駆動されることにより、ハンドラ係合ロッド81とともに、パレット39をX方向で引き出す。引き出し装置141に引き出されたパレット39は、一対のパレットガイド151により、両側の短辺部が下方より支持される。
図14は、時計回りに引き出し装置141が回転したパレット搬送部45の動作説明図である。次に、パレット39を支持した引き出し装置141が、ハンドラモータ145の駆動により時計回りに90度回転する。時計回りに90度回転したパレット39は、ハンドラ係合ロッド81が係合していない第1係合部75が、交換用パレット収納部51の側に配置される。引き出し装置141は、第2係合部77に係合しているハンドラ係合ロッド81が、Y軸に沿う方向の通路側となって配置される。
図15は、トレイ部品供給装置23にパレット39を挿入したパレット搬送部45の動作説明図である。引き出し装置141は、ハンドラ係合ロッド81をY方向へ移動する。パレット39は、ハンドラ係合ロッド81がY方向へ移動されることにより、パレットガイド151をスライドしながら、トレイ部品供給装置23における交換用パレット収納部51に挿入される。なお、この際、異なる高さでパレット39を挿入するときは、パレットハンドラ昇降部135により昇降ベース137が所望の高さに昇降される。トレイ部品供給装置23へパレット39を挿入した引き出し装置141は、パレットハンドラ昇降部135の駆動により上または下に移動されて、第2係合部77との係合を解除した後、トレイ部品供給装置23から離反する方向へ退避する。パレット搬送部45は、ハンドラ係合ロッド81を退避位置へ戻し、トレイ部品供給装置23へのパレット39の供給を完了する。
なお、トレイ部品供給装置23において、部品33の消費された空のパレット39をパレットストック部43へ回収するには、上記と逆の動作手順により、空のパレット39がパレットストック部43へと移動される。
次に、スライドテーブル装置123についてさらに説明する。
図16は、スライドテーブル127が収納されたスライドテーブル装置123の平面図である。トレイ部品ストック装置29は、パレットストック部43と、スライドテーブル装置123とを有する。パレットストック部43は、部品33を格納したトレイ31を載置するパレット39を、第1の軸(例えばX軸)に沿って抜き差し可能とするマガジン41をカバー109の内部空間に収納可能としている。スライドテーブル装置123は、スライドテーブル127を有する。スライドテーブル127は、マガジン41を載置し、水平面に沿う面内で第1の軸と交差する第2の軸(例えばY軸)に沿ってカバー109の内側と外側との間でマガジン41を移動させる。すなわち、スライドテーブル127は、カバー109の内側から外側に突出可能となっている。
スライドテーブル装置123は、スライドテーブル127を支持し、第2の軸(例えばY軸)に沿って伸縮するスライドレール167を有する。スライドテーブル127は、スライドレール167の伸縮に伴ってカバー109の外側と内側を移動する。スライドレール167は、固定レール169(図18参照)と、連結レール171(図18参照)と、可動レール173(図18参照)と、を有する。
スライドレール167は、固定レール169がパレットストック部43の固定棚125にL金具175により固定される。連結レール171は、固定レール169に平行に連結されかつ固定レール169の延在方向にスライド自在となる。連結レール171は、全長のほぼ半分が固定レール169からY方向に進出可能となる。ほぼ半分が固定レール169から進出した連結レール171は、ストッパ機構(図示略)によりそれ以上の進出が規制される。可動レール173は、連結レール171に平行に連結されかつ連結レール171の延在方向にスライド自在となる。可動レール173は、全長のほぼ半分が連結レール171からY方向に進出可能となる。ほぼ半分が連結レール171から進出した可動レール173は、ストッパ機構(図示略)によりそれ以上の進出が規制される。
したがって、スライドレール167は、可動レール173の進出時、固定レール169と可動レール173から全長のほぼ半分の長さが進出した連結レール171に、可動レール173の全長のほぼ半分の長さが支持される。これにより、可動レール173は、ほぼ全長分の長さで固定レール169から繰り出し可能となる(図18参照)。これにより、スライドレール167は、収納スペースとほぼ同じ繰り出し長が得られるようになっている。
スライドテーブル装置123は、スライドレール167が一本でもよく、複数本でもよい。実施の形態1において、スライドテーブル装置123は、第2の軸(例えばY軸)に沿って延在し、第1の軸(例えばX軸)に沿う方向に間隔を空けて平行に配置された2つのスライドレール167を有する。平行な2つのスライドレール167は、それぞれの可動レール173が、内側となって対向する。それぞれの可動レール173の内側には、可動レール173の長手方向に渡って断面L字形のスライドベース177(図17参照)が固定される。平行となった一対のスライドベース177は、複数の連結板179により相互に連結される。スライドベース177および連結板179は、スライドテーブル127を構成する。スライドテーブル127は、少なくとも一つのマガジン41が載置されるサイズを有している。
図17は、スライドテーブル127の斜視図である。スライドベース177には、マガジン41のスライドテーブル127に対する第1の軸(例えばX軸)方向の位置を規制する第1規制部と、マガジン41のスライドテーブル127に対する第2の軸(例えばY軸)方向の位置を規制する第2規制部と、が設けられる。それぞれのスライドベース177は、水平片が内側となり、起立片が外側で起立する断面L字形となる。
第1規制部は、Xアライメントガイド181となる。Xアライメントガイド181は、それぞれのスライドベース177の延在方向に離間して一対のものが合計4つ固定される。このXアライメントガイド181は、マガジン41の側板83(図6参照)に垂直な起立板であり、2本のスライドベース177の対向する位置に設けられた一対のものが、上側に向かうにしたがって、相互に離反する傾斜面183を有している。つまり、一対のXアライメントガイド181は、Y軸に沿う方向から見るとY字状に上広がりで傾斜する(図19参照)。一対のXアライメントガイド181の間に、マガジン41の側板83に設けられた上述のXアライメントローラ93(図6参照)が傾斜面183を滑りながら案内されることにより嵌る。
第2規制部は、Yアライメントガイド187(図25参照)となる。Yアライメントガイド187は、4つのXアライメントガイド181の内側で、それぞれのスライドベース177の延在方向に離間して一対のものが合計4つ固定される。Yアライメントガイド187は、マガジン41の側板83に垂直な起立板であり、2本のスライドベース177の対向する位置に設けられた一対のものが、Xアライメントガイド181側で四角形の一つの角部を面取りした台形状に形成される。つまり、一対のYアライメントガイド187は、X軸に沿う方向から見るとA字状に末広がりで傾斜する(図25参照)。一対のYアライメントガイド187は、双方の外側に、マガジン41の底板87の下面に設けられた上述のYアライメントローラ99が傾斜面185に案内されることによりスライドテーブル127に対して位置決めされる。
図18は、スライドテーブル127が進出したスライドテーブル装置123の平面図である。トレイ部品ストック装置29は、スライドテーブル装置123に、進退駆動部129が設けられてもよい。進退駆動部129は、スライドテーブル127をカバー109の外側と内部空間との間を自動で進退可能とする。
実施の形態1において、進退駆動部129は、2つのスライドレール167の間に配置されている(図18参照)。
進退駆動部129は、第1ラックギア189と、第2ラックギア191と、ピニオンギア193と、進退駆動源と、を有する。
第1ラックギア189は、第2の軸(例えばY軸)に平行に長手方向を向けた状態でカバー109の内部に固定される。より具体的には、第1ラックギア189は、固定棚125に固定される。第2ラックギア191は、スライドテーブル127に装着され、第1ラックギア189と向かい合って平行に配置される。ピニオンギア193は、第1ラックギア189と第2ラックギア191に噛みあう。進退駆動源は、ピニオンギア193を第2の軸(例えばY軸)に沿って移動させる。
実施の形態1において、進退駆動源は、例えばシリンダから進退駆動軸を進退させるエアシリンダ131となる。エアシリンダ131には、動作用エアを供給するバルブ等が接続される。バルブは、複数のポートを切り替えることにより、エアシリンダ131の進退駆動軸を進出または後退させる方向に駆動が可能となる。
エアシリンダ131は、進退駆動軸の先端に、スライダ195が固定される。スライダ195は、固定棚125に固定されたY軸に沿う方向のスライダレール197に案内されて直線運動する。スライダ195には、Z軸に沿う方向が回転中心となって上記のピニオンギア193が回転自在に支持される。
図19は、スライドテーブル装置123を通路側より見た正面図である。スライドテーブル装置123は、Y軸に沿う方向から見ると、外側にY軸に沿う方向に延在する一対の平行なスライドレール167が固定棚125に固定されて配置される。一対のスライドレール167のそれぞれの内側(すなわち、可動レール側)には、スライドベース177が固定される。一対のスライドベース177は、連結板179により固定されたスライドテーブル127を構成する。進退駆動源であるエアシリンダ131は、一対のスライドベース177と連結板179とに包囲された空間内に収容されて、固定棚125に固定される。そして、エアシリンダ131の進退駆動軸により進退されるピニオンギア193は、固定棚125に固定された第1ラックギア189と、スライドベース177に固定された第2ラックギア191とに挟まれた状態で双方のラックギアに噛みあっている。
図20は、進退駆動源にエアシリンダ131を用いた進退機構の概念図である。進退駆動部129は、スライダ195にピニオンギア193を回転自在に支持させながら、第2の軸(Y軸)に沿って移動する。ピニオンギア193は、スライドベース177がカバー109の内側に収納されているとき、第1ラックギア189の奥側(スライドテーブル進出側と反対側)に位置して噛みあっている。このとき、スライドベース177に固定された第2ラックギア191は、進出方向の先端側がピニオンギア193に噛みあっている。
スライドテーブル装置123では、エアシリンダ131が駆動され、ピニオンギア193が第1ラックギア189に噛みあいながら進出方向にAだけ移動すると、ピニオンギア193に噛みあっている第2ラックギア191が、ピニオンギア193の移動量の2倍(A+A=2A)の移動量で進出方向へ繰り出されることになる。
図21は、進退駆動源にモータを用いた進退機構の概念図である。進退駆動部129は、進退駆動源に進退駆動モータ199を用いた構成としてもよい。この場合、固定棚125には、回転中心がX軸に沿う方向となり、Y軸に沿う方向に離間した一対のスプロケット201を回転自在に支持する。一対のスプロケット201には無端状のチェーン203が掛け渡される。チェーン203は、第1ラックギア189と第2ラックギア191との双方に噛みあうピニオンギア193を回転自在に支持する。一方のスプロケット201を進退駆動モータ199により駆動することにより、チェーン203の移動と共にピニオンギア193を移動させる。これにより、エアシリンダ131による移動の場合と同様にして、ピニオンギア193を双方のラックギアに噛みあわせた状態でY軸に沿う方向で移動させることができる。進退駆動モータ199を進退駆動源に用いた進退駆動部129によれば、空圧設備を使用せずにスライドテーブル127を進退させることができる。
図22は、進退機構のストローク可変構造を示す概念図である。また、進退駆動部129は、大径ピニオンギア205と小径ピニオンギア207とを同軸で固定してもよい。この場合、例えば小径ピニオンギア207(外周長さA)を第1ラックギア189に噛みあわせ、同軸に固定された大径ピニオンギア205(外周長さ2A)に第2ラックギア191を噛みあわせる。この進退駆動部129によれば、小径ピニオンギア207の移動距離をAとすれば、第2ラックギア191の繰り出し距離は、A+2A=3Aとなる。このように、進退駆動部129は、直径(外周長さ)を変えた複数のピニオンギア193を組み合わせることにより、ストロークの拡大率を自由に設定することが可能となる。これにより、進退駆動部129は、異なる引き出し長のスライドテーブル装置123に対応が可能となる汎用性の高い進退機構を実現できる。
次に、スライドテーブル装置123の位置決め動作を説明する。
図23は、スライドテーブル127に位置決めされて載置されたマガジン41の斜視図である。マガジン41は、スライドテーブル127に載置されることにより、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の各方向が位置決めされる。
図24は、スライドテーブル127における主にXアライメントガイド181による位置決め動作の説明図である。スライドテーブル装置123では、マガジン41がZ軸に沿う方向で下方へ移動されることにより、スライドテーブル127に載置される。この載置動作は、手動(つまり作業員に行われる)であっても自動であってもよい。マガジン41は、スライドテーブル127に接近する方向に下降されると、第1規制部(例えばXアライメントガイド181)に、マガジン41のXアライメントローラ93が接触する。マガジン41は、Xアライメントローラ93がXアライメントガイド181に案内されることにより、第1の軸方向(例えばX軸方向)の位置が、スライドテーブル127に対して位置決めされる。
図25は、スライドテーブル127における主にYアライメントガイド187による位置決め動作の説明図である。マガジン41は、Xアライメントガイド181とXアライメントローラ93の接触とほぼ同時に、第2規制部(例えばYアライメントガイド187)にYアライメントローラ99が接触する。マガジン41は、Yアライメントローラ99がYアライメントガイド187の傾斜面185に案内されることにより、第2の軸方向(例えばY軸方向)の位置が、スライドテーブル127に対して位置決めされる。
マガジン41は、最終下降位置まで移動して載置されると、底板87の下面がYアライメントガイド187に接触する。マガジン41は、4つのYアライメントガイド187に底板87の下面が当接することにより、Z軸の位置が、スライドテーブル127に対して位置決めされる。これにより、マガジン41は、スライドテーブル127に載置が完了すると同時に、スライドテーブル127に対するXYZ方向の位置決めがなされることになる。
次に、実施の形態1に係るトレイ部品ストック装置29の作用を説明する。
部品ストック装置(例えばトレイ部品ストック装置29)は、部品33を格納した部品収納体69(例えばトレイ31を載置するパレット39)を第1の軸(例えばX軸)に沿って抜き差し可能とするマガジン41と、水平面に沿う面内で第1の軸と交差する第2の軸(例えばY軸)に沿ってマガジン41を出し入れ可能なストッカ(例えばパレットストック部43)と、ストッカに収納されたマガジン41から第1の軸に沿って部品収納体69(例えばパレット39)を搬送する部品収納体搬送部(例えばパレット搬送部45)と、を備える。ストッカは、マガジン41の収納を可能とした内部空間を形成する筐体(例えばカバー109)を有する。筐体は、第2の軸に沿ってマガジン41を出し入れ可能な開口部(例えばマガジン交換用窓111)を有する。
実施の形態1に係るトレイ部品ストック装置29では、部品33を格納したトレイ31がパレット39に載置される。パレット39は、第1の軸に沿って抜き差し可能となって、マガジン41に収納される。マガジン41には、複数のパレット39が、上下方向に多段状に収納される。マガジン41は、収納した複数枚のパレット39を一度に搬送可能とする。マガジン41は、複数個がストッカ(例えばパレットストック部43)に収納される。パレットストック部43には、複数のマガジン41が、上下方向に多段状に収納される。パレットストック部43には、第1の軸に沿ってパレット搬送部45が一体的に接続される。パレット搬送部45は、パレットストック部43に収納されているマガジン41から第1の軸に沿ってパレット39を抜き差ししながら一枚ずつ搬送する。
トレイ部品ストック装置29では、パレットストック部43とパレット搬送部45とが一体的に接続される。パレットストック部43とパレット搬送部45とは、トレイ部品ストック装置29を構成する。少なくともパレットストック部43は、パレット一枚分の設置スペースが必要となる。また、パレット搬送部45においても、少なくともパレット一枚分の設置スペースが必要となる。したがって、パレットストック部43とパレット搬送部45とで構成されるトレイ部品ストック装置29は、平面視で少なくともパレット二枚分の設置スペースが必要な長方形となる。
このトレイ部品ストック装置29は、パレットストック部43とパレット搬送部45とが、通路15に沿って並ぶ。すなわち、トレイ部品ストック装置29は、平面視で長方形の長辺側が通路15に沿う向きで設置される。
トレイ部品ストック装置29は、パレットストック部43の筐体(例えばカバー109)に、開口部(例えばマガジン交換用窓111)が設けられる。パレットストック部43は、このマガジン交換用窓111を介して第2の軸(Y軸)に沿ってマガジン41の出し入れが可能となる。第2の軸とは、通路15に沿う第1の軸に対し交差する方向となる。すなわち、上述のように、通路15に沿って長辺側が設置されたトレイ部品ストック装置29は、通路15に沿って並んだパレットストック部43とパレット搬送部45のうち、パレットストック部43の通路15に面した側面にマガジン交換用窓111が向けられ、通路15から第2の軸(Y軸)に沿う方向(前後方向)でパレットストック部43に対するマガジン41の出し入れが可能となる。
トレイ部品ストック装置29は、通路側からY軸に沿う方向でマガジン41の交換を可能とすることにより、通路上の広い空間を利用してマガジン41の交換作業が容易に可能となる。また、台車搭載のフィーダへのアクセス(スプライシング作業、フィーダ交換あるいは台車交換)の作業の邪魔にならない。また、搬送ロボットでのマガジン自動交換時に、トレイ部品ストック装置29の横(左右)に回り込む必要がなくなる。
また、トレイ部品ストック装置29は、内部空間に配置され、マガジン41を載置し、第2の軸に沿って開口部を通って内部空間と筐体の外側との間でマガジン41を移動させるスライドテーブル装置123を備える。
このトレイ部品ストック装置29では、パレットストック部43が、カバー109に覆われた内部空間に、スライドテーブル装置123を備える。スライドテーブル装置123は、マガジン交換用窓111の位置に対応して設けられる。スライドテーブル装置123は、第2の軸(Y軸)に沿ってマガジン交換用窓111を通ることにより、カバー109の内部空間とカバー109の外側との間でマガジン41を移動可能とする。
パレットストック部43には、複数のマガジン41が、上下方向に多段状に収納される。それぞれのマガジン41に収納されたパレット39は、パレット搬送部45によりX軸に沿う方向で出し入れが可能となる。
スライドテーブル装置123には、上下方向に多段状に収納された複数のマガジン41のうち、その一つが載置される。この一つのマガジン41は、スライドテーブル装置123により、マガジン交換用窓111からカバー109の内外へ移動可能となる。つまり、トレイ部品ストック装置29は、スライドテーブル装置123に載置されたこの一つのマガジン41のみが、交換可能となる。スライドテーブル装置123は、パレットストック部43の外側と内部空間との間でマガジン41を一つずつ交換する受け渡し部(すなわち、交換部)となる。
スライドテーブル装置123に載置されたマガジン41からは、部品33をトレイ31に格納したパレット39が、順次にパレット搬送部45により引き出される。パレット39が引き出されたマガジン41の空きスペースには、部品33が消費されて空となったトレイ31を載置したパレット39がパレット搬送部45により収納される。つまり、スライドテーブル装置123に載置された部品33の補充済みマガジン41は、パレット搬送部45により空のパレット39と順次に入れ替えられて行く。
スライドテーブル装置123に載置されたマガジン41は、収納されたパレット39が、全て空のパレット39に入れ替えられると、スライドテーブル装置123により、カバー109の外側(通路上)へと移動される。スライドテーブル装置123が繰り出されることにより、通路上に移動された部品消費済みのマガジン41は、人手やマガジン搬送装置により、マガジン41ごと部品33の補充済みのマガジン41と交換される。
このトレイ部品ストック装置29では、パレットストック部43の通路側に設けられたマガジン交換用窓111から、さらにスライドテーブル装置123によりマガジン41が通路上に繰り出されるので、例えば20kg程度の重量を有するマガジン41を、容易に交換することが可能となる。
なお、スライドテーブル装置123は、人手により通路側から引き出すものであってもよい。この場合、通路側に引き出されたスライドテーブル装置123は、棚として働き、通路上の広いスペースが作業スペースとなって、人手による交換作業を容易にすることができる。
また、トレイ部品ストック装置29において、スライドテーブル装置123は、マガジン41が載るスライドテーブル127を筐体の外側に突出させる進退駆動部129をさらに備える。
このトレイ部品ストック装置29では、スライドテーブル装置123に、進退駆動部129が設けられる。進退駆動部129は、作動することにより、マガジン交換用窓111を介してスライドテーブル127を自動でカバー109の外側と内部空間との間で進退させる。これにより、トレイ部品ストック装置29は、自走式のマガジン搬送装置を通路上で走行させた際のマガジン41の交換が、大掛かりなエレベータ装置等を必要とせずに、安価な設備コストで自動化しやすくなる。
また、実施の形態1に係る部品装着システム11は、部品収納体69(例えばトレイ31)に収納された部品33を部品装着部(例えば装着ヘッド35)によって取り出して基板17に搭載する部品装着装置13と、部品収納体69(例えばトレイ31)を部品装着部(例えば装着ヘッド35)によって取り出し可能な位置に供給する部品供給装置(例えばトレイ部品供給装置23)と、トレイ部品供給装置23にトレイ31を補充する部品ストック装置(例えばトレイ部品ストック装置29)と、を備える。トレイ部品ストック装置29は、部品33を格納した部品収納体69(例えばトレイ31を載置するパレット39)を第1の軸(例えばX軸)に沿って抜き差し可能とするマガジン41と、水平面に沿う面内で第1の軸と交差する第2の軸(例えばY軸)に沿ってマガジン41を出し入れ可能なストッカ(例えばパレットストック部43)と、ストッカに収納されたマガジン41から第1の軸(例えばX軸)に沿って部品収納体69(例えばパレット39)を搬送する部品収納体搬送部(例えばパレット搬送部45)と、を有する。ストッカ(例えばパレットストック部43)は、マガジン41の収納を可能とした内部空間を形成する筐体(例えばカバー109)を有する。筐体は、第2の軸(例えばY軸)に沿ってマガジン41を出し入れ可能な開口部(例えばマガジン交換用窓111)を備える。
実施の形態1に係る部品装着システム11では、パレット搬送部45は、パレットストック部43と部品装着装置13との間でパレット39を搬送する。パレット39は、パレットストック部43、パレット搬送部45、部品装着装置13の順で供給され、部品装着装置13、パレット搬送部45、パレットストック部43の順で回収される。つまり、パレット39は、パレットストック部43からパレット搬送部45を介して部品装着装置13に供給され、部品33が消費されて空となった後、部品装着装置13からパレット搬送部45を介してパレットストック部43へと回収される。
ところで、工場フロアでは、複数の部品装着装置13が左右方向(X軸に沿う方向)に並んで設置されることにより、直線状の実装ライン27が構成される。さらに、生産量の大きい工場フロアでは、部品装着装置13の前後を通るX軸に沿う通路15を挟んで複数の実装ライン27が平行に設置される場合もある。この場合、実装ライン27と通路15とは、相互に平行となって、かつ交互にレイアウトされる。
ここで、従来より設置される部品装着装置13に対して、新たにパレットストック部43およびパレット搬送部45を、部品装着装置13の後部に直線状に接続した場合、実装ライン27の延在方向(X軸に沿う方向)と交差する方向(Y軸に沿う方向)にパレットストック部43およびパレット搬送部45が延出することになる。
上述のように、実装ライン27の前後には、通路15がレイアウトされるため、部品装着装置13の後部から延出したパレットストック部43およびパレット搬送部45は、通路15に少なからず出っ張ることになる。一方、新設時の工場フロア設計において、通路幅を確保するためにこの出っ張り分の設置スペースを、部品装着装置13に拡張して設ければ、工場フロア面積を肥大化させることになり、面積生産性を低下させる。
部品装着システム11では、パレットストック部43とパレット搬送部45とが一体的に接続され、トレイ部品ストック装置29を構成している。パレットストック部43は、少なくともパレット一枚分の設置スペースが必要となり、パレット搬送部45も、少なくともパレット一枚分の設置スペースが必要となる。したがって、パレットストック部43とパレット搬送部45とで構成されるトレイ部品ストック装置29は、平面視で少なくともパレット二枚分の設置スペースが必要な長方形となる。
そこで、トレイ部品ストック装置29は、パレットストック部43とパレット搬送部45とが、通路15に沿って並ぶ。すなわち、トレイ部品ストック装置29は、長辺側が通路15に沿う向きで設置される。そして、トレイ部品ストック装置29のパレット搬送部45は、トレイ部品供給装置23を介して、部品装着装置13とY軸に沿う方向で接続される。その結果、部品装着システム11は、X軸に沿う方向で長辺側のパレットストック部43とパレット搬送部45とが並べられ、これらが、X軸に交差する方向で部品装着装置側のトレイ部品供給装置23に接続された平面視でL字形状のスペースで設置される。これにより、部品装着システム11は、トレイ部品供給装置23のパレット出し入れ方向を通路15に直交する方向とし、パレットストック部43のパレット出し入れ方向を通路15に平行とすることができる。
部品装着システム11は、ストック位置をこのようなL字形状に配置することにより、パレットストック部43、パレット搬送部45およびトレイ部品供給装置23が、設備のライン間の通路15に交差する直線上で直列に配置される場合に比べ、パレットストック部43の位置を直角に折り曲げて配置できる分、通路15への飛出しを抑えることができる(換言すれば、通路幅の拡大が可能となる)。
このように、部品装着システム11では、パレット39が、パレットストック部43とパレット搬送部45とのX軸に沿う方向(左右方向)と、パレットストック部43とトレイ部品供給装置23とのY軸に沿う方向(前後方向)に方向転換されて移載される。これにより、通路幅の確保と、面積生産性の確保との双方が可能となっている。
また、実施の形態1に係る部品ストック装置(例えばトレイ部品ストック装置29)は、部品33を格納した部品収納体69(例えばトレイ31を載置するパレット39)を第1の軸(例えばX軸)に沿って抜き差し可能とするマガジン41を筐体(例えばカバー109)の内部空間に収納可能なストッカ(例えばパレットストック部43)と、マガジン41を載置し、水平面に沿う面内で第1の軸と交差する第2の軸(例えばY軸)に沿って筐体の内側と外側との間でマガジン41を移動させ、筐体の内側から外側に突出可能なスライドテーブル127を有するスライドテーブル装置123と、を備える。
実施の形態1に係るトレイ部品ストック装置29では、ストッカ(例えばパレットストック部43)が、筐体(例えばカバー109)に覆われた内部空間に、スライドテーブル装置123を備える。スライドテーブル装置123は、第2の軸(例えばY軸)に沿って、カバー109の内部空間とカバー109の外側との間でマガジン41を移動可能とする。
パレットストック部43には、複数のマガジン41が、上下方向に多段状に収納される。それぞれのマガジン41に収納されたパレット39は、X軸に沿う方向で出し入れが可能となる。
スライドテーブル装置123には、上下方向に多段状に収納された複数のマガジン41のうち、その一つが載置される。この一つのマガジン41は、スライドテーブル装置123により、カバー109の内外へ移動可能となる。つまり、トレイ部品ストック装置29は、スライドテーブル装置123に載置されたこの一つのマガジン41のみが、交換可能となる。スライドテーブル装置123は、パレットストック部43の外側と内部空間との間でマガジン41を一つずつ交換する受け渡し部(すなわち、交換部)となる。
パレットストック部43の内部空間においては、スライドテーブル127に載置されたマガジン41から、部品33をトレイ31に格納したパレット39が順次に引き出される。パレット39が引き出されたマガジン41の空きスペースには、部品33が消費されて空となったトレイ31を載置したパレット39が収納される。つまり、パレットストック部43の内部空間において、スライドテーブル127に載置された部品補充済みのマガジン41は、空のパレット39と順次に入れ替えられて行く。
スライドテーブル127に載置されたマガジン41は、収納されたパレット39が、全て空のパレット39に入れ替えられると、スライドテーブル装置123により、カバー109の外側(通路上)へと移動される。スライドテーブル127が繰り出されることにより、通路上に移動されたマガジン41は、人手やマガジン搬送装置により、マガジン41ごと部品33の充填された新たな部品補充済みのマガジン41と交換される。
このトレイ部品ストック装置29では、スライドテーブル装置123によりマガジン41が通路上に繰り出されるので、例えば20kg程度の重量を有するマガジン41を、人手によっても容易に交換することが可能となる。
なお、スライドテーブル装置123は、人手により通路側から引き出すものであってもよい。この場合、通路側に引き出されたスライドテーブル装置123は、棚として働き、通路上の広いスペースが作業スペースとなって、人手による交換作業を容易にすることができる。
また、トレイ部品ストック装置29において、スライドテーブル装置123は、スライドテーブル127を支持し、第2の軸(例えばY軸)に沿って伸縮するスライドレール167を有する。スライドテーブル127は、スライドレール167の伸縮に伴って筐体の外側と内側を移動する。
このトレイ部品ストック装置29では、スライドテーブル127が、スライドレール167により支持される。スライドレール167は、スライドテーブル127を、カバー109の内部空間と、カバー109の外側との間で移動可能とする。スライドレール167は、例えば単一のものがスライドテーブル127を支持してもよい。すなわち、スライドテーブル127は、1つの伸縮自在なスライドレール167により、パレットストック部43の内外の間で進退されてもよい。スライドレール167は、1つのものを用いた場合、スライドテーブル127の支持構造が簡素となる。
また、トレイ部品ストック装置29において、スライドテーブル装置123は、第2の軸(例えばY軸)に沿って延在し、第1の軸(例えばX軸)に沿う方向に間隔を空けて平行に配置された2つのスライドレール167を有する。
このトレイ部品ストック装置29では、スライドレール167が、互いに平行であり、X軸に沿う方向で離間した2つのスライドレール167により構成される。トレイ部品ストック装置29は、2つのスライドレール167でスライドテーブル127が支持されることにより、スライドテーブル127の積載許容重量が大きくなる。また、スライドテーブル127は、進退方向に直交する方向で離間した2つのスライドレール167に支持されるので、1つのスライドレール167による支持に比べ、マガジン41が安定して支持可能となる。
また、トレイ部品ストック装置29において、スライドテーブル127には、マガジン41のスライドテーブル127に対する第1の軸方向(例えばX軸方向)の位置を規制する第1規制部(例えばXアライメントガイド181)と、マガジン41のスライドテーブル127に対する第2の軸方向の位置を規制する第2規制部(例えばYアライメントガイド187)と、を備える。
このトレイ部品ストック装置29では、スライドテーブル127に、第1規制部と第2規制部とが設けられる。第1規制部(例えばXアライメントガイド181)は、マガジン41のスライドテーブル127に対する第1の軸(例えばX軸)方向の位置を規制する。第2規制部(例えばYアライメントガイド187)は、マガジン41のスライドテーブル127に対する第2の軸(例えばY軸)方向の位置を規制する。Yアライメントガイド187は、上方より載置されるマガジン41を受けるマガジン受け187の役割も兼ねる。Yアライメントガイド187は、マガジン受け187としても働くことにより、マガジン41のスライドテーブル127に対するZ軸方向の位置を規制する。これにより、マガジン41は、スライドテーブル127を基準としたXYZ方向の相対位置が位置決めされる。
また、部品ストック装置(例えばトレイ部品ストック装置29)は、部品33を格納した部品収納体69(例えばトレイ31を載置するパレット39)を第1の軸(例えばX軸)に沿って抜き差し可能とするマガジン41を筐体の内部空間に収納可能なストッカ(例えばパレットストック部43)と、マガジン41を載置し、水平面に沿う面内で第1の軸と交差する第2の軸(例えばY軸)に沿って筐体の内側と外側との間でマガジン41を移動させ、筐体の内側から外側に突出可能なスライドテーブル127と、スライドテーブル127を筐体の外側に突出させる進退駆動部129と、を有するスライドテーブル装置123と、を備える。
このトレイ部品ストック装置29では、スライドテーブル127が、進退駆動部129により駆動される。進退駆動部129は、作動することにより、スライドテーブル127を自動でカバー109の外側と内部空間との間で進退させる。これにより、トレイ部品ストック装置29は、自走式のマガジン搬送装置を通路上で走行させた際のマガジン41の交換が、大掛かりなエレベータ装置等を必要とせずに、安価な設備コストで自動化しやすくなる。
また、トレイ部品ストック装置29において、スライドテーブル装置123は、スライドテーブル127を支持し、第2の軸に沿って伸縮するスライドレール167を有する。スライドテーブル127は、スライドレール167の伸縮に伴って筐体(例えばカバー109)の外側と筐体(例えばカバー109)の内側とを移動する。
このトレイ部品ストック装置29では、進退駆動部129を備えたスライドテーブル装置123において、スライドテーブル127が、スライドレール167により支持される。スライドレール167は、スライドテーブル127を、カバー109の内部空間と、カバー109の外側との間で移動可能とする。スライドレール167は、例えば単一のものがスライドテーブル127を支持してもよい。すなわち、スライドテーブル127は、1つの伸縮自在なスライドレール167により、パレットストック部43の内外の間で進退されてもよい。スライドレール167は、1つのものを用いた場合、スライドテーブル127の支持構造が簡素となる。
また、トレイ部品ストック装置29において、スライドテーブル127は、第2の軸に沿って延在し、第1の軸に沿う方向に間隔を空けて平行に配置された2つのスライドレール167を有する。
このトレイ部品ストック装置29では、進退駆動部129を備えたスライドテーブル装置123において、スライドレール167が、互いに平行であり、X軸に沿う方向で離間した2つのスライドレール167により構成される。トレイ部品ストック装置29は、2つのスライドレール167でスライドテーブル127が支持されることにより、スライドテーブル127の積載許容重量が大きくなる。また、スライドテーブル127は、進退方向に直交する方向で離間した2つのスライドレール167に支持されるので、1つのスライドレール167による支持に比べ、マガジン41が安定して支持可能となる。
また、トレイ部品ストック装置29において、進退駆動部129は、2つのスライドレール167の間に配置される。
このトレイ部品ストック装置29では、スライドテーブル装置123が、互いに平行であり、X軸に沿う方向で離間した2つのスライドレール167を備える。スライドテーブル装置123は、この2つのスライドテーブル127の間で空いた空間部分を利用して進退駆動部129が設置される。これにより、スライドテーブル装置123は、進退駆動部129を備えた進退駆動機構をコンパクトに構成できる。
また、トレイ部品ストック装置29において、進退駆動部129は、第2の軸に平行に長手方向を向けた状態で筐体の内部に固定された第1ラックギア189と、スライドテーブル127に装着され、第1ラックギア189と向かい合って平行に配置された第2ラックギア191と、第1ラックギア189と第2ラックギア191に噛みあうピニオンギア193と、ピニオンギア193を第2の軸に沿って移動させる進退駆動源(例えばエアシリンダ131)と、を有する。
このトレイ部品ストック装置29では、スライドテーブル127が、進退駆動部129により進退駆動される。進退駆動部129は、ピニオンギア193を回転自在に支持しながら、第2の軸に沿って移動させる。ピニオンギア193は、カバー109の内部に固定される第1ラックギア189に噛みあう。一方、ピニオンギア193は、スライドレール167によりカバー109に対して進退自在に設けられ、第1ラックギア189と向かい合って平行に配置された第2ラックギア191とも噛みあっている。つまり、ピニオンギア193は、カバー内で固定された第1ラックギア189と、進退自在となったスライドテーブル127に装着された第2ラックギア191とに挟まれて双方に噛みあっている。
ピニオンギア193は、進退駆動源(例えばエアシリンダ131)により、双方のラックギアに挟まれた状態で噛みあいながら、Y軸に沿って移動される。ピニオンギア193は、スライドテーブル127がカバー109の内側に後退しているとき、第1ラックギア189の奥側(スライドテーブル進出側と反対側)に位置して噛みあっている。このとき、スライドテーブル127に装着された第2ラックギア191は、進出方向の先端側がピニオンギア193に噛みあっている。
進退駆動源(例えばエアシリンダ131)が駆動され、ピニオンギア193が第1ラックギア189に噛みあいながら進出方向に転動すると、ピニオンギア193に噛みあっている第2ラックギア191が、ピニオンギア193の移動量の2倍の移動量で進出方向へ繰り出されることになる。
これにより、トレイ部品供給装置23では、スライドテーブル装置123をコンパクトなサイズに収めつつ、スライドテーブル127に必要な移動ストロークを確保することが可能となる。この進退駆動部129では、ピニオンギア193とラックギアとのギア比を変えることにより、進退駆動源によるピニオンギア193の移動ストロークに対するスライドテーブル127の移動ストロークを変えることが可能となる。
また、トレイ部品ストック装置29において、スライドテーブル127には、マガジン41に対する第1の軸方向の位置を規制する第1規制部(例えばXアライメントガイド181)と、マガジン41に対する第2の軸方向の位置を規制する第2規制部(例えばYアライメントガイド187)と、が設けられている。
このトレイ部品ストック装置29では、マガジン41がZ軸に沿う方向で下方へ移動されることにより、第1規制部(例えばXアライメントガイド181)に、マガジン41のXアライメントローラ93が接触する。マガジン41は、Xアライメントローラ93がXアライメントガイド181に案内されることにより、第1の軸方向(例えばX軸方向)の位置が、スライドテーブル127に対して位置決めされる。
マガジン41は、Xアライメントガイド181とXアライメントローラ93の接触と同時に、第2規制部(例えばYアライメントガイド187)にYアライメントローラ99が接触する。マガジン41は、Yアライメントローラ99がYアライメントガイド187の傾斜面185に案内されることにより、第2の軸方向(例えばY軸方向)の位置が、スライドテーブル127に対して位置決めされる。
マガジン41は、最終下降位置まで移動して載置されると、4つのYアライメントガイド187に底板87の下面が当接する。これにより、マガジン41は、Z軸の位置が、スライドテーブル127に対して位置決めされる。その結果、マガジン41は、スライドテーブル127に載置が完了すると同時に、スライドテーブル127に対するXYZ方向の位置決めがなされることになる。
また、実施の形態1に係る部品装着システム11は、部品収納体69(例えばトレイ31)に収納された部品33を部品装着部(例えば装着ヘッド35)によって取り出して基板17に搭載する部品装着装置13と、部品収納体69(例えばトレイ31)を部品装着部(例えば装着ヘッド35)によって取り出し可能な位置に供給する部品供給装置(例えばトレイ部品供給装置23)と、トレイ部品供給装置23に部品収納体69(例えばトレイ31)を補充する部品ストック装置(例えばトレイ部品ストック装置29)と、を備える。トレイ部品ストック装置29は、部品33を格納した部品収納体69(例えばトレイ31を載置するパレット39)を第1の軸(例えばX軸)に沿って抜き差し可能とするマガジン41を筐体の内部空間に収納可能なストッカ(例えばパレットストック部43)と、ストッカとトレイ部品供給装置23との間で部品収納体69(例えばパレット39)を搬送する部品収納体搬送部(例えばパレット搬送部45)と、マガジン41を載置し、水平面に沿う面内で第1の軸と交差する第2の軸(例えばY軸)に沿って筐体の内側と外側との間でマガジン41を移動させ、筐体の内側から外側に突出可能なスライドテーブル127を有するスライドテーブル装置123と、を有する。
実施の形態1に係る部品装着システム11では、パレットストック部43が、カバー109に覆われた内部空間に、スライドテーブル装置123を備える。スライドテーブル装置123は、第2の軸(Y軸)に沿ってカバー109の内部空間とカバー109の外側との間でマガジン41を移動可能とする。
パレットストック部43には、複数のマガジン41が、上下方向に多段状に収納される。それぞれのマガジン41に収納されたパレット39は、X軸に沿う方向で抜き差しが可能となる。
スライドテーブル装置123には、上下方向に多段状に収納された複数のマガジン41のうち、その一つが載置される。この一つのマガジン41は、スライドテーブル装置123により、カバー109の内外へ移動可能となる。つまり、トレイ部品ストック装置29は、スライドテーブル装置123に載置されたこの一つのマガジン41のみが、交換可能となる。スライドテーブル装置123は、パレットストック部43の外側と内部空間との間でマガジン41を一つずつ交換する受け渡し部(すなわち、交換部)となる。
スライドテーブル装置123に載置されたマガジン41からは、部品33をトレイ31に格納したパレット39が、順次にトレイ部品供給装置23へ移動される。パレット39が引き出されたマガジン41の空きスペースには、部品33が消費されて空となったトレイ31を載置したパレット39がトレイ部品供給装置23から戻されて収納される。つまり、スライドテーブル装置123に載置された部品33の補充済みマガジン41は、空のパレット39と順次に入れ替えられて行く。
スライドテーブル装置123に載置されたマガジン41は、収納されたパレット39が、全て空のパレット39に入れ替えられると、スライドテーブル装置123により、カバー109の外側(通路上)へと移動される。スライドテーブル装置123が繰り出されることにより、通路上に移動された部品消費済みのマガジン41は、人手やマガジン搬送装置により、マガジン41ごと部品33の補充済みのマガジン41と交換される。
この部品装着システム11では、パレットストック部43の通路側から、さらにスライドテーブル装置123によりマガジン41が通路上に繰り出されるので、例えば20kg程度の重量を有するマガジン41を、容易に交換することが可能となる。
なお、スライドテーブル装置123は、人手により通路側から引き出すものであってもよい。この場合、通路側に引き出されたスライドテーブル装置123は、棚として働き、通路上の広いスペースが作業スペースとなって、人手による交換作業を容易にすることができる。
また、部品装着システム11は、部品収納体69(例えばトレイ31)に収納された部品33を部品装着部(例えば装着ヘッド35)によって取り出して基板17に搭載する部品装着装置13と、部品収納体69(例えばトレイ31)を部品装着部(例えば装着ヘッド35)によって取り出し可能な位置に供給する部品供給装置(例えばトレイ部品供給装置23)と、トレイ部品供給装置23に部品収納体69(例えばトレイ31)を補充する部品ストック装置(例えばトレイ部品ストック装置29)と、を備える。トレイ部品ストック装置29は、部品33を格納した部品収納体69(例えばトレイ31を載置するパレット39)を第1の軸(例えばX軸)に沿って抜き差し可能とするマガジン41を筐体(例えばカバー109)の内部空間に収納可能なストッカ(例えばパレットストック部43)と、ストッカとトレイ部品供給装置23との間で部品収納体69(例えばパレット39)を搬送する部品収納体搬送部(例えばパレット搬送部45)と、マガジン41を載置し、水平面に沿う面内で第1の軸と交差する第2の軸(例えばY軸)に沿って筐体(例えばカバー109)の内側と筐体(例えばカバー109)の外側との間でマガジン41を移動させ、筐体(例えばカバー109)の内側から筐体(例えばカバー109)の外側に突出可能なスライドテーブル127を有するスライドテーブル装置123と、を有する。スライドテーブル装置123は、スライドテーブル127を筐体の外側に突出させる進退駆動部129を含む。
この部品装着システム11では、パレットストック部43が、カバー109に覆われた内部空間に、スライドテーブル装置123を備える。スライドテーブル装置123は、第2の軸(Y軸)に沿ってカバー109の内部空間とカバー109の外側との間でマガジン41を移動可能とする。
パレットストック部43には、複数のマガジン41が、上下方向に多段状に収納される。それぞれのマガジン41に収納されたパレット39は、X軸に沿う方向で抜き差しが可能となる。
スライドテーブル装置123には、上下方向に多段状に収納された複数のマガジン41のうち、その一つが載置される。この一つのマガジン41は、スライドテーブル装置123により、カバー109の内外へ移動可能となる。つまり、トレイ部品ストック装置29は、スライドテーブル装置123に載置されたこの一つのマガジン41のみが、交換可能となる。スライドテーブル装置123は、パレットストック部43の外側と内部空間との間でマガジン41を一つずつ交換する受け渡し部(すなわち、交換部)となる。
スライドテーブル装置123に載置されたマガジン41からは、部品33をトレイ31に格納したパレット39が、順次にトレイ部品供給装置23へ移動される。パレット39が引き出されたマガジン41の空きスペースには、部品33が消費されて空となったトレイ31を載置したパレット39がトレイ部品供給装置23から戻されて収納される。つまり、スライドテーブル装置123に載置された部品33の補充済みマガジン41は、空のパレット39と順次に入れ替えられて行く。
スライドテーブル装置123に載置されたマガジン41は、収納されたパレット39が、全て空のパレット39に入れ替えられると、スライドテーブル装置123により、カバー109の外側(通路上)へと移動される。スライドテーブル装置123が繰り出されることにより、通路上に移動された部品消費済みのマガジン41は、人手やマガジン搬送装置により、マガジン41ごと部品33の補充済みのマガジン41と交換される。
この部品装着システム11では、パレットストック部43の通路側から、さらにスライドテーブル装置123によりマガジン41が通路上に繰り出されるので、例えば20kg程度の重量を有するマガジン41を、容易に交換することが可能となる。
なお、スライドテーブル装置123は、人手により通路側から引き出すものであってもよい。この場合、通路側に引き出されたスライドテーブル装置123は、棚として働き、通路上の広いスペースが作業スペースとなって、人手による交換作業を容易にすることができる。
そして、この部品装着システム11では、スライドテーブル127が、進退駆動部129により駆動される。進退駆動部129は、作動することにより、スライドテーブル127を自動でカバー109の外側と内部空間との間で進退させる。これにより、部品装着システム11は、自走式のマガジン搬送装置を通路上で走行させた際のマガジン41の交換が、大掛かりなエレベータ装置等を必要とせずに、安価な設備コストで自動化しやすくなる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
図26は、実施の形態2に係る物品搬送装置209を備えた物品搬送システム211の全体構成図である。なお、実施の形態2において、実施の形態1において図1~図25に示した部材・部位と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
物品搬送装置209は、工場フロアに設置された少なくとも一つの製造設備(後述参照)で使用する物品(例えば、部品収納体69の一例としてのパレット39。以下同様。)を工場フロア上で搬送する。物品搬送装置209は、マガジン搬送装置とも称せられる。
ここで、本明細書において、製造設備とは、組立、加工、処理、検査等を行う装置のみならず、それらの部材で消費される物品の保管や装置へ供給する付帯設備を含める。本明細書では、トレイ部品供給装置23、テープ部品供給装置25、トレイ部品ストック装置29が付帯設備に該当する。
物品搬送装置209は、搬送車213が物品搬送装置209の側部に連結されることにより、工場フロアの通路15を自動走行可能となる。つまり、物品搬送装置209は、牽引型である。物品搬送装置209は、トレイ部品供給装置23に接続されるトレイ部品ストック装置29から離れた作業場所(図示略)で物品(例えばパレット39)を装填したマガジン41を収容し、指定されたトレイ部品ストック装置29に運搬およびドッキングして、マガジン41の回収および補給を可能とする。
図27は、物品搬送装置209の斜視図である。物品搬送装置209は、少なくとも一つの物品を収納する物品収納体を有する。実施の形態2において、物品収納体は、マガジン41である。以下、物品収納体は、マガジン41とも称す。なお、実施の形態1で説明した部品収納体69(図4参照)は、トレイ31でもよいし、パレット39でもよいし、トレイ31とパレット39とにより構成されたものであってよい。物品搬送装置209は、工場フロアを走行するための車輪215を備えたベース部217を有する。物品搬送装置209は、ベース部217よりも上方が上下方向に長い直方体状のカバー219により覆われる。
カバー219の内方には、開口221を有した収納ラックであるマガジン収納ラック223が収容される。マガジン収納ラック223の内壁面には、マガジン41を保持する保持テーブルが少なくとも一つ設けられる。この保持テーブルは、マガジン収納ラック223がベース部217に対して昇降されることにより、マガジン収納ラック223と一体的に昇降する。保持テーブルは、例えば第1のマガジン保持テーブル225と第2のマガジン保持テーブル227とからなる。なお、保持テーブルの数は、2つに限定されない。マガジン収納ラック223は、トレイ部品ストック装置29のスライドテーブル127が開口221から進退することにより、保持テーブルの横方向からマガジン41を出し入れ可能としている。
図28は、物品搬送装置209の側断面図である。物品搬送装置209は、収納ラックを昇降させるラック昇降装置229を備える。ラック昇降装置229は、ラック昇降モータ231と、送りねじ233と、ラック昇降ナット部235と、を有する。ラック昇降モータ231は、駆動軸がZ軸に沿う姿勢で、上下に延在するフレーム237に固定される。送りねじ233は、ラック昇降モータ231の駆動軸に同軸で接続され、複数の軸受板239により回転自在に支持される。ラック昇降ナット部235は、送りねじ233に螺合するとともに、ラック昇降ナット部235の側面がマガジン収納ラック223の背面(つまり開口221と反対側の面)に固定される。
図29は、図28のB-B断面図である。したがって、ラック昇降モータ231が駆動されると、送りねじ233が回転し、ラック昇降ナット部235が上下方向に移動することにより、マガジン収納ラック223の背面に固定されたスライド部241が、ベース部217に立設されたスライドガイド243に案内されて、マガジン収納ラック223が昇降する。図28に示すユニット内空間245に収容されたラック昇降モータ231は、ベース部217に収容されたマガジン搬送装置制御部247により動作が制御される。また、開口221の内方には、マガジン収納ラック223の昇降に干渉しない位置でマガジン搬送装置制御部247に接続される無線通信ユニット249が設けられている。
図27、図28に示すように、マガジン収納ラック223の開口221には、後述する基準高さ検出部である基準高さ検出センサ251が設けられる。基準高さ検出部は、センサ単体に限定されず、例えば画像認識用のカメラユニット等であってもよい。また、図28に示すように、マガジン収納ラック223の内壁面には、第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のそれぞれを上下で挟むスライドテーブル検出センサ253が一対ずつ合計4つ設けられている。
図29に示すように、第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のそれぞれには、Y軸に沿う両端側に、後述するXアライメントローラ255、マガジン受け部257、Yアライメント部材259が設けられる。第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のそれぞれは、マガジン収納ラック223の対向する内壁面に両側が支持される。なお、図29中の破線は、マガジン41を平面視した輪郭を示す。Xアライメントローラ255、マガジン受け部257、Yアライメント部材259は、マガジン41の四隅にそれぞれが配置される。すなわち、Xアライメントローラ255、マガジン受け部257、Yアライメント部材259は、それぞれが4つ配置される。
マガジン収納ラック223の奥壁と第1のマガジン保持テーブル225との間、マガジン収納ラック223の奥壁と第2のマガジン保持テーブル227との間のそれぞれには、ストッパ261が設けられる。それぞれのストッパ261は、第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のそれぞれが所定以上、マガジン収納ラック223に後退するのを規制する。また、マガジン収納ラック223の奥壁と第1のマガジン保持テーブル225との間には、後述する第1マガジン検出センサ263が設けられる。第1マガジン検出センサ263は、第1のマガジン保持テーブル225に載るマガジン41を検出する。マガジン収納ラック223の奥壁と第2のマガジン保持テーブル227との間には、後述する第2マガジン検出センサ265が設けられる。第2マガジン検出センサ265は、第2のマガジン保持テーブル227に載るマガジン41を検出する。
第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のそれぞれには、マガジン41に帯電する静電気を除く除電用接触子267が設けられている。
図27に示すように、ベース部217は、ベース部217が第1の方向(例えばY軸に沿う方向)へ移動して製造設備に接近することによって製造設備が有するドッキングベース115(図8参照)にドッキングするドッキング部269をさらに有する。
図30は、ドッキングベース115の斜視図である。図31は、ドッキング部269の斜視図である。ドッキング部269は、ドッキングベース115に設けた少なくとも一つのアライメント部材に接触しながら第1の方向(Y軸に沿う方向)へ移動して接近することで第1の方向と水平方向に直行する第2の方向(例えばX軸に沿う方向)におけるベース部217(すなわち、物品搬送装置209全体)の位置を調整する少なくとも一つの被アライメント部材を有する。ドッキングベース115に設けたアライメント部材とは、図30に示す案内斜面425を有するXガイド271と、位置決めピンガイド穴273を有する位置決めピンガイド部材275とである。これらアライメント部材は、X軸に沿う方向の位置規制を行う。ドッキング部269の有する被アライメント部材とは、Xガイドローラ277と、位置決めピン279とのことである。
物品搬送装置209では、図31に示すように、これら二つの被アライメント部材が、第2の方向(X軸に沿う方向)に間隔を空けて配置される。これらそれぞれの被アライメント部材は、ドッキングベース115に第2の方向に間隔を空けて設けた二つのアライメント部材に個別に接触する。
ベース部217は、ドッキングベース115に設けたドッキング保持部281に保持される被保持部材をさらに有する。ドッキング保持部281は、第2の方向(X軸に沿う方向)に間隔を空けて配置されるフック挿入口283を有する。ベース部217の有する被保持部材とは、図31に示す第2の方向(X軸に沿う方向)に間隔を空けて配置される一対のフック285である。
ドッキング部269は、ドッキングベース115に設けた一方のコネクタ117に電気的に接続される通信用または給電用の他方のコネクタ287を有する。一方のコネクタ117は、一対のXガイド271の中間位置に配置される。他方のコネクタ287は、一対のXガイドローラ277の中間位置に配置される。一方のコネクタ117は、雌端子を絶縁性樹脂からなる雌ハウジングに収容した雌コネクタである。他方のコネクタ287は、雌端子に電気的に接続する雄端子を絶縁性樹脂からなる雄ハウジングに収容した雄コネクタである。なお、一方のコネクタ117および他方のコネクタ287の雌雄は、これに限定されない。
また、他方のコネクタ287は、通信回路用電線と電源回路用電線の二つの回路を接続可能とする。この場合、他方のコネクタ287は、同一の雄ハウジングに、異なる回路の電線に装着される雄端子がそれぞれ収容される複数の端子収容室を備えて形成することができる。また、他方のコネクタ287は、別体で形成された通信用の雄ハウジングと電源用の雄ハウジングとを一体に接合したものであってもよい。
ドッキング部269は、ドッキングの際の他方のコネクタ287の上下方向の位置を調整するコネクタ位置調整機構289を有する。もしくは、ドッキングベース115は、ドッキングの際の一方のコネクタ117の上下方向の位置を調整するコネクタ位置調整機構289を有する。つまり、コネクタ位置調整機構289は、ドッキング部269またはドッキングベース115のいずれに設けられてもよい。コネクタ位置調整機構289は、ドッキング相手に設けられるアライメント部材により作動する。実施の形態2において、コネクタ位置調整機構289は、例えばドッキング部269に設けられる。したがって、コネクタ位置調整機構289を作動させるアライメント部材は、ドッキングベース115に設けられている。
コネクタ位置調整機構289は、図31に示す昇降部材291と、押し込み部材293と、カムフォロア295とを有する。また、コネクタ位置調整機構289を作動させるアライメント部材は、図30に示す作用面(例えば傾斜面Sc)を有した板状のカム297である。
ドッキング部269では、コネクタ位置調整機構289が、他方のコネクタ287とともに昇降する。コネクタ位置調整機構289では、カムフォロア295が、トレイ部品ストック装置29のドッキングベース115に設けたカム297の傾斜面Scに接触しながら第1の方向(Y軸に沿う方向)へ移動することで、カム297によって昇降部材291の高さ位置が調整される。
物品搬送システム211は、工場フロアに設置された少なくとも一つの製造設備(トレイ部品ストック装置29)と、工場フロアを移動して製造設備で使用する物品を搬送する物品搬送装置209とを有する。物品搬送システム211は、トレイ部品ストック装置29が有する図30に示したドッキングベース115と物品搬送装置209が有する図31に示したドッキング部269とで構成されるドッキング装置299(図35参照)によって、物品搬送装置209をトレイ部品ストック装置29にドッキングさせ、物品搬送装置209とトレイ部品ストック装置29との間で物品の受け渡しを行う。つまり、ドッキング装置299は、物品搬送装置209とトレイ部品ストック装置29とを接合する接合部と言える。
図32は、物品搬送装置209に設けられるドッキング部269の平面図である。図33は、図32のC-C断面図である。ドッキング装置299は、誘導部301と、緩衝部303(図30参照)と、ドッキング保持部281(図30参照)と、コネクタ連結部305(図35参照)とを有する。
誘導部301は、アライメント部材(例えばXガイド271)と、被アライメント部材(例えばXガイドアーム307、Xガイドローラ277)とにより構成される。誘導部301は、トレイ部品ストック装置29に向けて第1の方向(Y軸に沿う方向)から接近する物品搬送装置209の第1の方向に水平面内で直交する第2の方向(X軸に沿う方向)における位置を調整しながら誘導する。この誘導部301は、ドッキングベース115に設けた少なくとも一つのアライメント部材(例えばXガイド271)と、ドッキング部269に設けた少なくとも一つの被アライメント部(例えばXガイドアーム307、Xガイドローラ277)を有する。誘導部301は、Xガイドローラ277をXガイド271の案内斜面425に接触させながら第1の方向(Y軸に沿う方向)へ移動することにより、Xガイドローラ277の軌道がXガイド271によって修正され、これにより物品搬送装置209の第2の方向(X軸に沿う方向)における位置が調整される。
すなわち、被アライメント部は、アライメント部材(例えばXガイド271)に接触するローラ(例えばXガイドローラ277)を含んで構成されている。
図34は、ドッキング前の緩衝部303およびドッキング保持部281の概念図である。緩衝部303は、軸受309と、スライド軸311と、大径部313と、受け部315と、クッション部材(例えば緩衝ばね317)とにより構成される。緩衝部303は、緩衝ばね317の反発力を利用して物品搬送装置209を製造設備から離れる方向に押すことによりドッキング時の衝撃を吸収する。この緩衝部303は、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に配置される。ドッキングベース115またはドッキング部269の他方には、第1の方向(Y軸に沿う方向)から緩衝部303に当接して緩衝ばね317を変形させる突起部319が配置される。実施の形態2においては、緩衝ばね317がドッキングベース115に配置され、突起部319がドッキング部269に配置される。
ドッキング保持部281は、フック保持部321と、緩衝部303とにより構成される。ドッキング保持部281は、トレイ部品ストック装置29とドッキングした物品搬送装置209が緩衝ばね317の反発力で製造設備(例えばトレイ部品ストック装置29)から離れないようにする。このドッキング保持部281は、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に配置される。ドッキングベース115またはドッキング部269の他方には、ドッキング保持部281に保持される少なくとも一つの被保持部材(例えばフック285)が設けられる。実施の形態2においては、ドッキング保持部281がドッキングベース115に配置され、被保持部材(例えばフック285)がドッキング部269に配置される。
ドッキング保持部281は、レバー323と、保持力発生部325(例えば保持用ばね327、レバー軸329、ドッキング用ローラ331)とを有する。レバー323は、第1の方向(例えばY軸に沿う方向)に対して交差する第3の方向(例えばX軸に沿う方向)から被保持部材(例えばフック285)に当接するドッキング用ローラ331を有する。保持力発生部325は、レバー323を旋回させてドッキング用ローラ331をフック285に押し付ける。フック285は、ドッキングベース115に向かって突出する先端に、肉太部333が形成される。肉太部333は、先端側の前テーパ335と、前テーパ335より基端側の後テーパ337とにより楔状に形成される。フック285は、物品搬送装置209が第1の方向(例えばY軸に沿う方向)に移動してトレイ部品ストック装置29への接近に伴ってドッキング用ローラ331を第3の方向とは反対向きの方向に変位させた後、第3の方向へ変位させるローラ操作面(すなわち、後テーパ337)を有する。
コネクタ連結部305(図35参照)は、図31、図32に示したコネクタ位置調整機構289(例えば昇降部材291、押し込み部材293)と、アライメント部材(例えばカムフォロア295)とにより構成される。コネクタ連結部305は、物品搬送装置209の製造設備(例えばトレイ部品ストック装置29)への接近に伴い、物品搬送装置209が有する他方のコネクタ287と製造設備が有する一方のコネクタ117との位置を調整する。
このコネクタ連結部305は、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に配置されたコネクタ位置調整機構289と、ドッキングベース115またはドッキング部269の他方に配置されたアライメント部材(例えばカム297)を含む。コネクタ位置調整機構289は、他方のコネクタ287とともに昇降する。コネクタ位置調整機構289は、アライメント部材に接触しながら第1の方向(Y軸に沿う方向)へ移動することでアライメント部材によって高さ位置が調整される昇降部材291を有する。実施の形態2においては、コネクタ位置調整機構289がドッキング部269に配置され、アライメント部材がドッキングベース115に配置される。
コネクタ連結部305は、図32、図33に示すコネクタ押し付け部339を含む。コネクタ押し付け部339は、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に配置され、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に配置された一方のコネクタ117を他方のコネクタ287に押し付ける。実施の形態2においては、コネクタ押し付け部339がドッキング部269に配置される。したがって、ドッキング部269に設けられたコネクタ押し付け部339は、ドッキング部269に設けられる他方のコネクタ287を、ドッキングベース115に設けられる一方のコネクタ117(図35参照)に押し付ける。
コネクタ押し付け部339は、図32、図33に示す昇降部材291に設けられる。昇降部材291は、昇降ガイド341により昇降自在となってベース部217に支持される。昇降部材291は、引張りばね343によりZ軸に沿う下方向に付勢される。昇降部材291は、下降ストッパ345に当接することによりそれ以上の下降が規制される。昇降部材291のドッキングベース115に対向する面には、X軸に沿う方向に離間した一対のガイドロッド347が突出される。それぞれのガイドロッド347は、矩形板状に形成された押し込み部材293の長手方向両側を貫通する。
ガイドロッド347が貫通した押し込み部材293は、ガイドロッド347に沿って昇降部材291に接近離反方向に移動自在となる。ガイドロッド347には、昇降部材291と押し込み部材293との間で、コネクタ押付けばね349が外挿されている。コネクタ押付けばね349は、押し込み部材293を、昇降部材291から離反する方向に付勢する。押し込み部材293は、ガイドロッド347の突出先端に形成された離脱規制部によりガイドロッド347からの離脱が規制されている。つまり、押し込み部材293は、コネクタ押付けばね349の付勢力に抗して昇降部材291に接近する方向に押し込み可能となって支持されている。
上述したように、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方は、第1の方向(Y軸に沿う方向)に突出した少なくとも一つの位置決めピン279を有する。ドッキングベース115またはドッキング部269の他方は、位置決めピンガイド部材275を有する。位置決めピンガイド部材275は、第1の方向から位置決めピン279が挿入される少なくとも一つの位置決めピンガイド穴273を有する。実施の形態2においては、位置決めピン279がドッキング部269に配置され、位置決めピンガイド部材275がドッキングベース115に配置される。なお、図28に示すように、位置決めピン279を有するドッキング部269の形成されたベース部217には、位置決めピン279と反対側の側面に、物品搬送装置209を牽引する搬送車213が連結される爪部351が設けられている。
次に、ドッキング動作について説明する。
図35は、ドッキングによる水平方向の位置決め動作の説明図である。図36は、ドッキングによる上下方向の位置決め動作の説明図である。ドッキングベース115に対するドッキング部269のドッキングは、トレイ部品ストック装置29と物品搬送装置209とのX軸に沿う方向の予備的位置合わせが完了した後に開始される。ドッキング動作は、先ず、物品搬送装置209がトレイ部品ストック装置29に接近することにより、Xガイド271に倣ってXガイドローラ277がX軸に沿う方向に変位する。これにより、物品搬送装置209のX方向の位置が修正され、トレイ部品ストック装置29に位置合わせされる。
この状態で、位置決めピン279は、位置決めピンガイド穴273に挿入可能な位置へ移動し、カムフォロア295もカム297に接触可能な位置へ移動する。
このまま物品搬送装置209をトレイ部品ストック装置29へ移動させると、位置決めピン279が位置決めピンガイド穴273へ挿入される。このとき、物品搬送装置209は、Xガイドローラ277がXガイド271に当接しながら、トレイ部品ストック装置29へ接近する方向に移動する。
物品搬送装置209は、位置決めピン279が位置決めピンガイド穴273に挿入されることにより、X軸に沿う方向の位置合わせが完了する。また、コネクタ位置調整機構289は、カムフォロア295がカム297の傾斜面Scを乗り上がってカム297の平坦面に移動することでZ軸に沿う方向の位置合わせが完了する。この状態で、一方のコネクタ117と他方のコネクタ287とが互いに連結可能な位置で向き合う。さらに物品搬送装置209をトレイ部品ストック装置29に接近する方向に移動させると、一方のコネクタ117と他方のコネクタ287との結合が開始される。さらに移動を継続すると、コネクタ押付けばね349が圧縮され、このばねの反発力でコネクタ同士がしっかり結合する。これにより、物品搬送装置209は、トレイ部品ストック装置29に対してのXZ方向の位置合わせが完了する。
物品搬送装置209は、XZ方向の位置合わせが完了した後、突起部319(図34参照)が緩衝部303(図34参照)の受け部315(図34参照)を押圧するように、搬送車213によりトレイ部品ストック装置29を押す。緩衝部303は、緩衝ばね317(図34参照)の付勢力に抗して受け部315が所定位置まで後退すると、それ以上の後退が規制される。
図37は、ドッキング後におけるドッキング保持部281の概念図である。ドッキング後において、物品搬送装置209は、緩衝ばね317の反発力により突起部319が押圧される。突起部319が押圧された物品搬送装置209は、トレイ部品ストック装置29から離反する方向に戻されようとする。その際、物品搬送装置209は、ドッキング保持部281のフック285に形成された後テーパ337が保持力発生部325のドッキング用ローラ331に係止する。なお、ドッキング用ローラ331は、レバー323の変位角が、変位角規制ストッパ353(図34、図37参照)により規制されている。保持用ばね327は、反発力によって物品搬送装置209とトレイ部品ストック装置29のドッキング状態が解除されるのを防止しうるばね力を発生する。つまり、ドッキング保持部281は、物品搬送装置209とトレイ部品ストック装置29とを一定の距離だけ離間させてドッキング状態に保持する。これにより、物品搬送装置209は、トレイ部品ストック装置29に対する第1の方向(Y軸に沿う方向)の位置合わせが完了し、ドッキング動作を終了する。
物品搬送システム211は、図26に示すように、工場フロアに設置された少なくとも一つの製造設備(トレイ部品ストック装置29)と、工場フロアを移動する少なくとも一つの物品搬送装置209を含み、トレイ部品ストック装置29と物品搬送装置209との間で、物品を搬送する。
図38は、マガジン収納ラック223の斜視図である。物品搬送システム211は、マガジン41と、第1支持テーブルと、第2支持テーブルと、第1支持テーブル移動装置と、第2支持テーブル昇降装置とを有する。
物品搬送システム211において、物品は図4に示す部品33を収納するトレイ31を保持したパレット39である。マガジン41は、図6に示すように、複数のパレット39を収納する。
図39は、第1支持テーブルと第2支持テーブルの支持領域を示す説明図である。第1支持テーブルは、トレイ部品ストック装置29に設けられる。第1支持テーブルは、スライドテーブル装置123のスライドテーブル127である。以下、第1支持テーブルは、スライドテーブル127とも称す。
スライドテーブル127は、マガジン41を平面投影した領域の一部である第1領域F1内に位置するマガジン41の複数の部分を下から支持する。
第2支持テーブルは、物品搬送装置209に設けられる。第2支持テーブルは、マガジン収納ラック223に設けられる第1のマガジン保持テーブル225、第2のマガジン保持テーブル227である。以下、第2支持テーブルは、第1のマガジン保持テーブル225または第2のマガジン保持テーブル227とも称す。
第1のマガジン保持テーブル225と第2のマガジン保持テーブル227は、マガジン41を平面投影した領域の他の一部であって第1領域F1とは重ならない第2領域F2内に位置するマガジン41の他の複数の部分を下から支持する。
図40は、スライドテーブル127がマガジン収納ラック223に進出した状態を示す平面図である。第1支持テーブル移動装置は、トレイ部品ストック装置29(図26参照)に設けられる。第1支持テーブル移動装置は、進退駆動部129を主要部に有して構成される。進退駆動部129は、上述のようにエアシリンダ131、ピニオンギア193、スライダ195、第1ラックギア189、第2ラックギア191よりなる。以下、第1支持テーブル移動装置は、進退駆動部129とも称す。
ここで、スライドテーブル127は、図40に示すように、マガジン収納ラック223の内部にスライドして進入した状態であっても、第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227に干渉しないように配置される。
図41は、保持テーブルの斜視図である。第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のそれぞれは、Y軸に沿う方向に長尺の一対の平行なテーブル可動板355の基端同士がテーブル連結板357により連結された平面視でコ字状に形成される。第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のそれぞれは、ラック昇降装置229により昇降するマガジン収納ラック223と共に上下に移動する。第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のコ字状の内側には、図40に示すように、マガジン収納ラック223の内側に進出したスライドテーブル127が配置される。
第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のそれぞれは、コ字状の内側に配置されたスライドテーブル127に干渉することなく、上下に移動が可能となっている。そのため、第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のそれぞれは、コ字状の内側がスライドテーブル通過空間359となる。スライドテーブル127は、水平方向に進出するのみで停止している。したがって、マガジン収納ラック223が昇降することにより、上下に移動する第1のマガジン保持テーブル225および第1のマガジン保持テーブル225のそれぞれに対して、停止しているスライドテーブル127が相対的に通過することになる。すなわち、スライドテーブル127と、第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のそれぞれとは、干渉することなくマガジン41を支持可能となるように上下方向に行き違い可能となっている。
進退駆動部129(図40参照)は、図39に示すように、マガジン41を支持したスライドテーブル127を、マガジン41の載置されていない空きの第1のマガジン保持テーブル225または第2のマガジン保持テーブル227に向って移動させることにより、マガジン41の第2領域F2を第1のマガジン保持テーブル225または第2のマガジン保持テーブル227の「上方」に位置させる。あるいは、進退駆動部129は、空きのスライドテーブル127を第1のマガジン保持テーブル225または第2のマガジン保持テーブル227に向って移動させることによりスライドテーブル127を第1のマガジン保持テーブル225または第2のマガジン保持テーブル227に支持されたマガジン41の第2領域F2の「下方」に位置させる。
第2支持テーブル昇降装置は、物品搬送装置209に設けられる。以下、第2支持テーブル昇降装置は、ラック昇降装置229(図28参照)とも称す。ラック昇降装置229は、図39に示すように、第1のマガジン保持テーブル225または第2のマガジン保持テーブル227をスライドテーブル127よりも低い位置から高い位置に移動させることにより、スライドテーブル127に支持されたマガジン41を第1のマガジン保持テーブル225または第2のマガジン保持テーブル227に受け渡す。
あるいは、第1のマガジン保持テーブル225または第2のマガジン保持テーブル227をスライドテーブル127よりも高い位置から低い位置に移動させることにより第1のマガジン保持テーブル225または第2のマガジン保持テーブル227に支持されたマガジン41をスライドテーブル127に受け渡す。
マガジン41は、第1領域F1内に複数の第1アライメント部を有する。第1アライメント部は、図39に示す上述した第1アライメントグループ103である。第1アライメントグループ103は、図7に示すように、4つのXアライメントローラ93と、4つのYアライメントローラ99とを有する。
図42は、マガジン41に設けられる第2アライメント部と、第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227とに設けられる第2アライメントガイド361を示す要部拡大斜視図である。
また、マガジン41は、第2領域F2内に複数の第2アライメント部を有する。第2アライメント部は、上述した第2アライメントグループ107である。第2アライメントグループ107は、図7、図42に示すように、4つのYアライメント部95と、2つのXアライメント部105とを有する。
スライドテーブル127は、複数の第1アライメントグループ103に接触してマガジン41のスライドテーブル127に対する位置を調整する図39に示す複数の第1アライメントガイド363を有する。第1アライメントガイド363は、図17に示す上述した4つのXアライメントガイド181と、4つのYアライメントガイド187とを有する。
第1のマガジン保持テーブル225または第2のマガジン保持テーブル227は、複数の第2アライメントグループ107に接触してマガジン41の第1のマガジン保持テーブル225または第2のマガジン保持テーブル227に対する位置を調整する図41に示す複数の第2アライメントガイド361を有する。第2アライメントガイド361は、図42に示すように、Xアライメントローラ255と、Yアライメント部材259とを有する。
図39に示す複数の第1アライメントガイド363のうち少なくとも一つは、水平な第1方向(X軸に沿う方向)についてマガジン41の位置を、スライドテーブル127に対して調整し、少なくとも他の一つは第1方向に水平面内で直交する第2方向(Y軸に沿う方向)についてマガジン41の位置を、スライドテーブル127に対して調整する。
複数の第2アライメントガイド361のうち少なくとも一つは、水平な第3方向(例えばX軸に沿う方向)についてマガジン41の位置を、第1のマガジン保持テーブル225、第2のマガジン保持テーブル227に対して調整し、少なくとも他の一つは第3方向に水平面内で直交する第4方向(例えばY軸に沿う方向)についてマガジン41の位置を、第1のマガジン保持テーブル225、第2のマガジン保持テーブル227に対して調整する。
図43は、マガジン収納ラック223を透視した斜視図である。物品搬送システム211に用いられる物品搬送装置209は、保持テーブル(例えば第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227)が収納ラックに対して横方向(例えばY軸に沿う方向)へスライド自在に装着されている。第1のマガジン保持テーブル225および第2のマガジン保持テーブル227のそれぞれは、マガジン収納ラック223の対向する内壁に固定される一対のテーブルスライドレール365により、マガジン収納ラック223からそれぞれが引き出し可能となっている。収納ラック(例えばマガジン収納ラック223)には、保持テーブルのスライドを阻止するためのスライドロック部367が設けられている。
図44は、図43に示したスライドロック部367の動作を説明する要部拡大平面図である。マガジン収納ラック223における開口221の近傍の内壁には、それぞれの保持テーブルに対応してレバー支柱369が内壁から垂直に突出する。レバー支柱369は、テーブルロックレバー371の中央部が回転自在に支持されて揺動自在となる。テーブルロックレバー371は、開口221に臨む側の揺動端がロック操作部373となる。テーブルロックレバー371は、ロック操作部373の反対側の揺動端に、Z軸に沿う方向の回転中心軸で回転自在となるロック用ローラ375が回転自在に支持されている。
テーブルロックレバー371は、マガジン収納ラック223との間に挟み入れられたレバー付勢ばね377により、ロック用ローラ375が保持テーブルに接近する回転方向(図44の反時計回り)に付勢されている。レバー付勢ばね377により反時計回りに付勢されたテーブルロックレバー371は、レバー支柱369に設けられた規制ピン379に当接することにより、それ以上の反時計回りの回転が規制される。
テーブルロックレバー371は、規制ピン379に当接した回転位置で、ロック用ローラ375がテーブル可動板355の引き出し方向先端381に当接する。引き出し方向先端381にロック用ローラ375が当接した保持テーブルは、引き出しが規制されたロック状態となる。テーブルロックレバー371は、ロック操作部373がマガジン収納ラック223の内壁から離反する回転方向(例えば図44の時計回り方向)に回転されると、ロック用ローラ375がテーブル可動板355の引き出し方向先端381から外れる。これにより、スライドロック部367は、ロック用ローラ375がテーブル可動板355の外面を転動し、テーブル可動板355(すなわち、保持テーブル)の引き出しを可能とする。
このようにして、物品搬送装置209は、スライドロック部367を手動でロック解除することができる。保持テーブルは、スライドロック部367が解除されることにより、スライド自在となる。これにより、収納ラックは、回収・補給場所において、保持テーブルを引き出して、作業者の手作業によるマガジン41の回収・補充作業が容易に行えるようになっている。勿論、物品搬送装置209は、回収・補給場所等に設置される回収・補充装置により、自動でマガジン41が回収・補充されるものであってもよい。
次に、物品搬送装置209の制御系を説明する。
図45は、物品搬送装置209の制御系を示すブロック図である。物品搬送装置209は、マガジン搬送装置制御部247を備える。マガジン搬送装置制御部247には、基準高さ検出部(例えば基準高さ検出センサ251)と、4つのスライドテーブル検出センサ253と、第1マガジン検出センサ263と、第2マガジン検出センサ265と、無線通信ユニット249と、他方のコネクタ287と、動力電源ユニット383と、ラック昇降装置229のモータドライバ385と、モータドライバ385に接続されるラック昇降モータ231およびエンコーダ387とが接続される。
他方のコネクタ287の通信線389を介してマガジン搬送装置制御部247に接続される。動力電源ユニット383は、給電ケーブル391を介して他方のコネクタ287とモータドライバ385とに接続される。
マガジン搬送装置制御部247には、バッテリ393が接続される。バッテリ393は、マガジン搬送装置制御部247や無線通信ユニット249に電力を供給する。バッテリ393は、コネクタ接続時は、充電される。
マガジン搬送装置制御部247は、受電制御部395と、基準高さ設定部397と、位置決め高さ算出部399と、第1搬入部401と、第1搬出部403と、第2搬入部405と、第2搬出部407と、搬送装置記憶部409とを有する。搬送装置記憶部409は、高低差記憶部411と、Z0記憶部413と、位置決め高さ記憶部415とを有する。
受電制御部395は、トレイ部品ストック装置29と部品装着装置13とがドッキングした後の電力投入処理や、ドッキング解除前のシャットダウンを行う。
基準高さ設定部397は、後述の図48に示す基準高さLv0を検出して、その位置決め高さ(例えばZ座標)を設定する処理を実行する。
位置決め高さ算出部399は、後述の図48に示す第1レベルLv1、第2レベルLv2、第3レベルLv3、第4レベルLv4の位置決め高さ(例えばZ座標)を計算する。
第1搬入部401は、第1のマガジン保持テーブル225にマガジン41を搬入する処理を実行する。第1搬出部403は、第1のマガジン保持テーブル225からマガジン41を搬出する処理を実行する。第2搬入部405は、第2のマガジン保持テーブル227にマガジン41を搬入する処理を実行する。第2搬出部407は、第2のマガジン保持テーブル227からマガジン41を搬出する処理を実行する。
高低差記憶部411は、基準高さLv0に対する第1レベルLv1~第4レベルLv4の高低差(例えば設計値)を記憶する。
Z0記憶部413は、基準高さLv0のラック昇降装置229における位置決め高さ(例えばZ座標)を基準高さ設定部397によって取得する。
位置決め高さ記憶部415は、位置決め高さ算出部399で求めた第1レベルLv1~第4レベルLv4の位置決め高さ(例えばZ座標)を記憶する。
図46は、ドッキング後に動力用電源パワーがONされるまでの手順を示すフローチャートである。物品搬送装置209は、ドッキング部269がドッキングベース115にドッキングされると、動力用電源パワーがONされる。すなわち、ドッキングベース115とドッキング部269とがドッキングされると、マガジン搬送装置制御部247がドッキングの有無を判断する(Ast1)。マガジン搬送装置制御部247は、ドッキングが検出されると、自己診断機能により、ドッキング状態を確認する(Ast2)。
マガジン搬送装置制御部247は、ドッキング状態の正常または異常を判断する(Ast3)。マガジン搬送装置制御部247は、ドッキング状態が異常のとき、異常を報知し(Ast4)、動力用電源パワーをONせずに処理を終了する。マガジン搬送装置制御部247は、ドッキング状態が正常のとき、動力用電力要求のコマンドをトレイ部品ストック装置29へ送信する(Ast5)。マガジン搬送装置制御部247は、トレイ部品ストック装置29からの受電の有無を判断する(Ast6)。マガジン搬送装置制御部247は、受電が確認されると、動力用電源パワーをONして(Ast7)処理を終了する。
図47は、ドッキング後の物品搬送装置209とトレイ部品ストック装置29の位置関係を示す説明図である。物品搬送装置209は、位置検出部(例えばエンコーダ387)と、基準高さ検出部(例えば基準高さ検出センサ251)と、制御部(例えばマガジン搬送装置制御部247)とを備える。
エンコーダ387は、マガジン収納ラック223の高さ方向の位置を検出する。基準高さ検出センサ251は、マガジン収納ラック223とともに昇降してトレイ部品ストック装置29に設けた基準点(例えば基準高さ標識417の穴419)を検出する。マガジン搬送装置制御部247は、ドッキング部269によってベース部217がトレイ部品ストック装置29のドッキングベース115にドッキングした状態でラック昇降装置229を作動させて基準点(例えば穴419)を基準高さ検出部(例えば基準高さ検出センサ251)で検出する。マガジン搬送装置制御部247は、基準高さ検出センサ251が穴419を検出したときに、エンコーダ387で得られた位置を基準高さに設定し、基準高さに基づいてラック昇降装置229を作動させて保持テーブルと製造設備との間でマガジン41の受け渡し作業を実行する。
物品搬送装置209とトレイ部品ストック装置29とにおける受け渡し作業は、保持テーブルとマガジン収納ラック223の内部空間に突出したスライドテーブル127との間でマガジン41を受け渡す作業である。
マガジン搬送装置制御部247は、保持テーブルをスライドテーブル127よりも低い第1レベルLv1とスライドテーブル127よりも高い第2レベルLv2に位置させる位置決め高さを基準高さに基づいて求める。
マガジン搬送装置制御部247は、マガジン41をスライドテーブル127から保持テーブルへ受け渡す場合、ラック昇降装置229によってマガジン収納ラック223を第1レベルLv1から第2レベルLv2へ移動させる。
マガジン搬送装置制御部247は、保持テーブルからスライドテーブル127へ受け渡す場合、ラック昇降装置229によってマガジン収納ラック223を第2レベルLv2から第1レベルLv1へ移動させる。
マガジン搬送装置制御部247は、基準高さ設定部397と、位置決め高さ算出部399と、受渡作業実行部(例えば第1搬入部401、第1搬出部403)とを有する。基準高さ設定部397は、ドッキング部269によってベース部217が製造設備にドッキングした状態でラック昇降装置229を作動させて基準点を基準高さ検出センサ251で検出する。基準高さ設定部397は、基準高さ検出センサ251が基準点を検出したときにエンコーダ387で得られた位置を基準高さに設定する。
位置決め高さ算出部399は、基準高さに基づいてトレイ部品ストック装置29との間でマガジン41の受け渡し作業を行うためのマガジン収納ラック223の複数の位置決め高さを算出する。
受渡作業実行部(例えば第1搬入部401、第1搬出部403)は、複数の位置決め高さに基づいてラック昇降装置229を制御して受け渡し作業を実行する。
位置決め高さ算出部399は、少なくとも保持テーブルをスライドテーブル127よりも低い第1レベルLv1とスライドテーブル127よりも高い第2レベルLv2に位置させる位置決め高さを求める。
受渡作業実行部は、第1搬入部401と第1搬出部403とを含む。第1搬入部401は、ラック昇降装置229によってマガジン収納ラック223を第1レベルLv1から第2レベルLv2へ移動させてマガジン41をスライドテーブル127から保持テーブルへ受け渡す。第1搬出部403は、ラック昇降装置229によって収納ラックを第2レベルから第1レベルへ移動させてマガジン41を保持テーブルからスライドテーブル127へ受け渡す。
図48は、マガジン収納ラック223の位置決め高さの説明図である。基準高さ検出センサ251は、トレイ部品ストック装置29の基準高さ標識417(例えば穴419)を検出したときのラック昇降装置229から得られた位置を基準高さLv0とし、その時のラック昇降装置229における位置決め高さ(例えばZ座標)Zoを記憶する。
位置決め高さ(例えばZ座標)Zoと、第1レベルLv1~第4レベルLv4のそれぞれとの高低差は、設定データ(例えばh1~h4)として搬送装置記憶部409において予め記憶されている。このため、位置決め高さ算出部399は、基準高さLv0に対応する位置決め高さZ0と設定データ(例えばh1~h4)とにより、第1レベルLv1~第4レベルLv4のそれぞれの位置決め高さ(例えばZ座標)を計算し、Z1~Z4のそれぞれ(図48参照)を記憶する。
図49は、マガジン受渡し動作の説明図である。基準高さ設定部397による基準高さ設定の処理は、ドッキング完了後、ラック昇降装置229によりマガジン収納ラック223を昇降させて、基準高さ検出センサ251でトレイ部品ストック装置29の基準高さ標識417(穴419)を検出する。
図50は、位置決め高さ設定処理を示すフローチャートである。位置決め高さ設定処理は、先ず、マガジン収納ラック223が、サーチ動作開始高さへ移動する(Bst1)。基準高さのサーチを開始する(Bst2)。
図51は、基準高さ標識417の検出原理の説明図である。マガジン収納ラック223に設けられた基準高さ検出センサ251は、発光部421と受光部423とを有する。一方、基準高さ検出センサ251がマガジン収納ラック223の昇降に伴って移動する軌跡に対向したパレットストック部43には、基準高さ標識417が設けられている。基準高さ標識417は、基準高さ位置に配置された穴419を有している。マガジン収納ラック223の下降に伴って基準高さ検出センサ251は、発光部421からの光をパレットストック部43に照射する。基準高さ検出センサ251は、発光部421から出射した光をパレットストック部43に反射させて受光部423により受光する。この動作がマガジン収納ラック223の昇降に伴って連続して行われることにより、基準高さ標識417のサーチが行われる。
基準高さ検出センサ251は、発光部421からの光が基準高さ標識417の穴419に照射されると、パレットストック部43からの反射光が受光部423により検出されなくなる。基準高さ検出センサ251は、これをもって基準高さLv0を検出する。
図50に示すように、基準高さLv0が検出されたなら(Bst3)、基準高さ設定部397が位置決め高さ(例えばZ座標)Z0を搬送装置記憶部409に記憶させる(Bst4)。位置決め高さ算出部399は、設定データ(例えばh1~h4)とこの位置決め高さ(例えばZ座標)Z0に基づき位置決め高さ(例えばZ座標)第1レベルLv1~第4レベルLv4のそれぞれを計算し(Bst5)、位置決め高さ算出部399による処理を終了する。
次に、製造設備から物品搬送装置209へのマガジン搬入動作と、物品搬送装置209から製造設備へのマガジン搬出動作を説明する。
製造設備から物品搬送装置209へのマガジン搬入動作は、物品を消費して空となったマガジン41の回収動作である。物品搬送装置209から製造設備へのマガジン搬出動作は、物品を収容したマガジン41の供給動作である。
(第1のマガジン保持テーブルへの搬入)
図52は、第1のマガジン保持テーブル225への搬入の手順を示すマガジン受渡し動作のフローチャートである。トレイ部品ストック装置29からのマガジン搬出動作(例えば第1搬入部401の処理)は、先ず、ラック昇降装置229によりマガジン収納ラック223を第1レベルLv1へ移動させる(Cst1)。Lv0=Lv1の場合はこの動作は不要となる。
第1マガジン検出センサ263で第1のマガジン保持テーブル225にマガジン41がないことを確認し(Cst2)、無しならばトレイ部品ストック装置29にスライドテーブル127の進出許可を送信する(Cst3)。有りならば作業者へ報知して処理を終了する(Cst4)。
図53は、第1搬入部401の処理によるトレイ部品ストック装置29からの搬出動作の説明図である。スライドテーブル装置123を駆動してマガジン41を保持したスライドテーブル127を第1のマガジン保持テーブル225の上方へ進出させる(図53の状態)。
図54は、第1搬入部401の処理による第1のマガジン保持テーブル225への搬入動作の説明図である。スライドレール167の進出完了の通知が有ったなら(Cst5)、ラック昇降装置229によりマガジン収納ラック223を第2レベルLv2へ移動させ、第1のマガジン保持テーブル225をスライドテーブル127よりも高い位置へ移動させる(Cst6)。第1のマガジン保持テーブル225とスライドテーブル127が上下にすれ違うことでマガジン41はスライドテーブル127から第1のマガジン保持テーブル225に載り移る(図54の状態)。
ここで、第1レベルLv1とは、スライドテーブル127が位置する高さ位置よりも低い高さ位置であって、スライドテーブル127に保持されて移動するマガジン41と保持テーブルとが干渉しない高さである。第2レベルLv2とは、スライドテーブル127が位置する高さ位置よりも高い高さ位置であって、スライドテーブル127が保持テーブルに保持されたマガジン41に干渉することなくスライドできる高さである。スライドテーブル127から保持テーブルへマガジン41を受け渡す動作は、保持テーブルが第1レベルLv1から第2レベルLv2へ上昇する。保持テーブルからスライドテーブル127にマガジン41を受け渡す動作はこの逆の動きになる。
図55は、第1搬入部401の処理による第1のマガジン保持テーブル225への搬入動作の説明図である。マガジン搬送装置制御部247からトレイ部品ストック装置29へスライドテーブル127の収納許可送信が行われる(Cst7)。マガジン搬送装置制御部247は、トレイ部品ストック装置29からスライドテーブル127の収納完了通知の有無を判断する(Cst8)。マガジン搬送装置制御部247は、スライドテーブル127の収納完了通知が有ったなら、スライドテーブル127の有無をスライドテーブル検出センサ253で検出する(Cst9)。マガジン搬送装置制御部247は、マガジン収納ラック223にスライドテーブル127が無ければ、処理を終了する。マガジン搬送装置制御部247は、マガジン収納ラック223にスライドテーブル127が有れば、作業者へ報知して作業を終了する。これでトレイ部品ストック装置29から第1のマガジン保持テーブル225へのマガジン搬出動作が完了する。
(第2のマガジン保持テーブルへの搬入)
図56は、第2のマガジン保持テーブル227への搬入の手順を示すマガジン受渡し動作のフローチャートである。トレイ部品ストック装置29からのマガジン搬出動作(第2搬入部405の処理)は、先ず、ラック昇降装置229によりマガジン収納ラック223を第3レベルLv3へ移動させる(Dst1)。
第2マガジン検出センサ265で第2のマガジン保持テーブル227にマガジン41がないことを確認し(Dst2)、無しならばトレイ部品ストック装置29にスライドテーブル127の進出許可を送信する(Dst3)。有りならば作業者へ報知して処理を終了する(Dst4)。
スライドテーブル装置123を駆動してマガジン41を保持したスライドテーブル127を第2のマガジン保持テーブル227の上方へ進出させる。
スライドレール167の進出完了の通知が有ったなら(Dst5)、ラック昇降装置229によりマガジン収納ラック223を第4レベルLv4へ移動させ、第2のマガジン保持テーブル227をスライドテーブル127よりも高い位置へ移動させる(Dst6)。第2のマガジン保持テーブル227とスライドテーブル127が上下にすれ違うことでマガジン41はスライドテーブル127から第2のマガジン保持テーブル227に載り移る。
ここで、第3レベルLv3とは、スライドテーブル127が位置する高さ位置よりも低い高さ位置であって、スライドテーブル127に保持されて移動するマガジン41と保持テーブルとが干渉しない高さである。第4レベルLv4とは、スライドテーブル127が位置する高さ位置よりも高い高さ位置であって、スライドテーブル127が保持テーブルに保持されたマガジン41に干渉することなくスライドできる高さである。スライドテーブル127から保持テーブルへマガジン41を受け渡す動作は、保持テーブルが第3レベルLv3から第4レベルLv4へ上昇する。保持テーブルからスライドテーブル127にマガジン41を受け渡す動作はこの逆の動きになる。
マガジン搬送装置制御部247からトレイ部品ストック装置29へスライドテーブル127の収納許可送信が行われる(Dst7)。マガジン搬送装置制御部247は、トレイ部品ストック装置29からスライドテーブル127の収納完了通知の有無を判断する(Dst8)。マガジン搬送装置制御部247は、スライドテーブル127の収納完了通知が有ったなら、スライドテーブル127の有無をスライドテーブル検出センサ253で検出する(Dst9)。マガジン搬送装置制御部247は、マガジン収納ラック223にスライドテーブル127が無ければ、処理を終了する。マガジン搬送装置制御部247は、マガジン収納ラック223にスライドテーブル127が有れば、作業者へ報知して作業を終了する。これでトレイ部品ストック装置29から第2のマガジン保持テーブル227へのマガジン搬出動作が完了する。
(第2のマガジン保持テーブルからの搬出)
図57は、第2のマガジン保持テーブル227からの搬出の手順を示すマガジン受渡し動作のフローチャートである。第2のマガジン保持テーブル227からの搬出動作(第2搬出部407の処理)は、先ず、ラック昇降装置229によりマガジン収納ラック223を第4レベルLv4へ移動させる。(Est1)。
第2マガジン検出センサ265で第2のマガジン保持テーブル227にマガジン41があることを確認し(Est2)、有りならばトレイ部品ストック装置29にスライドテーブル進出許可を送信する(Est3)。無ければ作業者へ報知して処理を終了する(Est4)。
図58は、第2搬出部407の処理による第2のマガジン保持テーブル227からの搬出動作の説明図である。スライドテーブル装置123を駆動してスライドテーブル127をマガジン41を保持した第2のマガジン保持テーブル227の下方へ進出させる(図58の状態)。
図59は、第2搬出部407の処理によるトレイ部品ストック装置29への搬出動作の説明図である。スライドレール167の進出完了の通知が有ったなら(Cst5)、ラック昇降装置229によりマガジン収納ラック223を第3レベルLv3へ移動させ、第2のマガジン保持テーブル227をスライドテーブル127よりも低い位置へ移動させる(Est6)。第2のマガジン保持テーブル227とスライドテーブル127が上下にすれ違うことでマガジン41は第2のマガジン保持テーブル227からスライドテーブル127に載り移る(図59の状態)。
ここで、第4レベルLv4とは、スライドテーブル127が位置する高さ位置よりも高い高さ位置であって、スライドテーブル127に保持されて移動するマガジン41と保持テーブルとが干渉しない高さである。第3レベルLv3とは、スライドテーブル127が位置する高さ位置よりも低い高さ位置であって、スライドテーブル127が保持テーブルに保持されたマガジン41に干渉することなくスライドできる高さである。保持テーブルからスライドテーブル127へマガジン41を受け渡す動作は、保持テーブルが第4レベルLv4から第3レベルLv3へ下降する。スライドテーブル127から保持テーブルにマガジン41を受け渡す動作はこの逆の動きになる。
図60は、第2搬出部407の処理によるトレイ部品ストック装置29への搬入動作の説明図である。マガジン搬送装置制御部247からトレイ部品ストック装置29へスライドテーブル127の収納許可送信が行われる(Est7)。マガジン搬送装置制御部247は、トレイ部品ストック装置29からスライドテーブル127の収納完了通知の有無を判断する(Est8)。マガジン搬送装置制御部247は、スライドテーブル127の収納完了通知が有ったなら、スライドテーブル127の有無をスライドテーブル検出センサ253で検出する(Est9)。マガジン搬送装置制御部247は、マガジン収納ラック223にスライドテーブル127が無ければ、処理を終了する。マガジン搬送装置制御部247は、マガジン収納ラック223にスライドテーブル127が有れば、作業者へ報知して作業を終了する。これで第2のマガジン保持テーブル227からトレイ部品ストック装置29へのマガジン搬出動作が完了する。
(第1のマガジン保持テーブルからの搬出)
図61は、第1のマガジン保持テーブル225からの搬出の手順を示すマガジン受渡し動作のフローチャートである。第1のマガジン保持テーブル225からの搬出動作(例えば第1搬出部403の処理)は、先ず、ラック昇降装置229によりマガジン収納ラック223を第2レベルLv2へ移動させる(Fst1)。
第1マガジン検出センサ263で第1のマガジン保持テーブル225にマガジン41があることを確認し(Fst2)、有りならばトレイ部品ストック装置29にスライドテーブル進出許可を送信する(Fst3)。無ければ作業者へ報知して処理を終了する(Fst4)。
スライドテーブル装置123を駆動してスライドテーブル127をマガジン41を保持した第1のマガジン保持テーブル225の下方へ進出させる。
スライドレール167の進出完了の通知が有ったなら(Fst5)、ラック昇降装置229によりマガジン収納ラック223を第1レベルLv1へ移動させ、第1のマガジン保持テーブル225をスライドテーブル127よりも低い位置へ移動させる(Fst6)。第1のマガジン保持テーブル225とスライドテーブル127が上下にすれ違うことでマガジン41は第1のマガジン保持テーブル225からスライドテーブル127に載り移る。
ここで、第2レベルLv2とは、スライドテーブル127が位置する高さ位置よりも高い高さ位置であって、スライドテーブル127に保持されて移動するマガジン41と保持テーブルとが干渉しない高さである。第1レベルLv1とは、スライドテーブル127が位置する高さ位置よりも低い高さ位置であって、スライドテーブル127が保持テーブルに保持されたマガジン41に干渉することなくスライドできる高さである。保持テーブルからスライドテーブル127へマガジン41を受け渡す動作は、保持テーブルが第2レベルLv2から第1レベルLv1へ下降する。スライドテーブル127から保持テーブルにマガジン41を受け渡す動作はこの逆の動きになる。
マガジン搬送装置制御部247からトレイ部品ストック装置29へスライドテーブル127の収納許可送信が行われる(Fst7)。マガジン搬送装置制御部247は、トレイ部品ストック装置29からスライドテーブル127の収納完了通知の有無を判断する(Fst8)。マガジン搬送装置制御部247は、スライドテーブル127の収納完了通知が有ったなら、スライドテーブル127の有無をスライドテーブル検出センサ253で検出する(Fst9)。マガジン搬送装置制御部247は、マガジン収納ラック223にスライドテーブル127が無ければ、処理を終了する。マガジン搬送装置制御部247は、マガジン収納ラック223にスライドテーブル127が有れば、作業者へ報知して作業を終了する。これで第1のマガジン保持テーブル225からトレイ部品ストック装置29へのマガジン搬出動作が完了する。
次に、実施の形態2に係る物品搬送装置209と物品搬送システム211の作用を説明する。
物品搬送装置209は、工場フロアに設置された少なくとも一つの製造設備で使用する物品を工場フロア上で搬送する物品搬送装置209であって、少なくとも一つの物品を収納する物品収納体(マガジン41)と、工場フロアを走行するための車輪215を有するベース部217と、ベース部217に対して昇降可能であり、物品収納体を保持する保持テーブル(第1のマガジン保持テーブル225、第2のマガジン保持テーブル227)を少なくとも一つ有し、保持テーブルの横方向から物品収納体を出し入れ可能な開口221を有する収納ラック(マガジン収納ラック223)と、収納ラックを昇降させるラック昇降装置229と、を備える。
この物品搬送装置209によれば、物品搬送装置209が、ベース部217に設けた車輪215により、工場フロアの通路15を走行する。物品搬送装置209は、収納ラックを備える。収納ラックは、マガジン41を保持する保持テーブルを有する。この収納ラックは、開口221を有する。収納ラックは、保持テーブルに保持しているマガジン41が、開口221から出し入れ可能となる。
収納ラックは、物品搬送装置209のベース部217に対して、ラック昇降装置229により昇降が可能となる。物品搬送装置209は、開口221から表出する保持テーブルに保持されたマガジン41が、ラック昇降装置229が駆動されることにより、上下に移動される。物品搬送装置209は、この収納ラックごとのマガジン41の上下移動を行うことにより、開口221を介して収納ラック内に進入させた製造設備からのスライドテーブル127に対し、マガジン41の容易な受け渡しを可能としている。
すなわち、製造設備は、物品搬送装置209の収納ラックに水平方向に進退のみするスライドテーブル127を有する。物品搬送装置209は、収納ラックを上下のみに昇降する。これにより、製造設備および物品搬送装置209は、それぞれが必要最小限の極めて簡素な機構を備えるのみで、マガジン41の回収および供給を実現させている。その結果、物品搬送装置209は、単純な機構を用いて製造設備との間でマガジン41を自動で補給および回収することができる。
また、物品搬送装置209において、ベース部217は、ベース部217が第1の方向(Y軸に沿う方向)へ移動して製造設備に接近することによって製造設備が有するドッキングベース115にドッキングするドッキング部269をさらに有する。
この物品搬送装置209によれば、物品搬送装置209が、ドッキング部269を有する。一方、製造設備には、ドッキングベース115が設けられている。物品搬送装置209は、製造設備とのドッキングに際し、Y軸に沿う方向で製造設備に接近する。製造設備に接近した物品搬送装置209は、ドッキング部269が製造設備のドッキングベース115に一致すると、ドッキング部269がドッキングベース115にドッキングし、製造設備と相互に連結される。物品搬送装置209は、それ以降、ドッキング部269がドッキング解除されない限り、製造設備と連結した状態が維持される。
また、物品搬送装置209において、ドッキング部269は、ドッキングベース115に設けた少なくとも一つのアライメント部材(Xガイド271、位置決めピンガイド穴273)に接触しながら第1の方向(Y軸に沿う方向)へ移動して接近することで第1の方向と水平方向に直行する第2の方向(X軸に沿う方向)におけるベース部217の位置を調整する少なくとも一つの被アライメント部材(Xガイドローラ277、位置決めピン279)を有する。
この物品搬送装置209によれば、ドッキング部269が、Y軸に沿う方向からドッキングベース115に接近すると、ドッキング部269の有する被アライメント部材が、ドッキングベース115に設けられたアライメント部材に当接する。ドッキング部269がさらにドッキングベース115に接近すると、被アライメント部材がアライメント部材に沿って変位し、ドッキング部269がドッキングベース115に位置あわせ(アライメント)されて、ドッキングする。その結果、物品搬送装置209は、ドッキングベース115にアライメントされたドッキング部269を介して製造設備に対する位置が調整される。
また、物品搬送装置209では、二つの被アライメント部材(Xガイドローラ277、位置決めピン279)が第2の方向(X軸に沿う方向)に間隔を空けて配置されており、各々の被アライメント部材はドッキングベース115に第2の方向に間隔を空けて設けた二つのアライメント部材(Xガイド271、位置決めピンガイド穴273)に個別に接触する。
この物品搬送装置209によれば、物品搬送装置209のベース部217が、Xガイドローラ277と、位置決めピン279とからなる二つの被アライメント部材を備える。二つのXガイドローラ277と、二つの位置決めピン279は、製造設備のドッキングベース115にX軸に沿う方向で離間した二つのXガイド271と、X軸に沿う方向で離間した二つの位置決めピンガイド穴273のそれぞれに位置決めされる。これにより、被アライメント部材とアライメント部材とが一つの場合に比べ、ドッキング部269がドッキングベース115に対してより確実に(高精度に)位置調整可能となる。
また、物品搬送装置209において、ベース部217は、ドッキングベース115に設けたドッキング保持部281に保持される被保持部材をさらに有する。
この物品搬送装置209によれば、製造設備のドッキングベース115に、ドッキング保持部281が設けられる。ドッキング保持部281は、フック挿入口283、フック保持部321、緩衝部303とを有する。物品搬送装置209のドッキング部269に設けられる被保持部材は、フック285と、突起部319とを有する。物品搬送装置209は、ドッキング部269がドッキングベース115に、Y軸に沿う方向からドッキングすると、フック285が、フック保持部321に係合して保持される。一方、突起部319は、緩衝部303を押圧することにより、緩衝部303からの反力を受ける。反力は、ドッキング部269をドッキングベース115から離反する方向に押圧するが、フック285がフック保持部321に保持されたドッキング部269はドッキングベース115からのドッキング解除が規制される。これにより、物品搬送装置209は、製造設備に対してがたつきが生じることなく、Y軸に沿う方向で位置が調整される。
また、物品搬送装置209において、ドッキング部269は、ドッキングベース115に設けられた一方のコネクタ117に電気的に接続される通信用または給電用の他方のコネクタ287を有する。
この物品搬送装置209によれば、ドッキング部269が他方のコネクタ287を備える。一方、ドッキングベース115には、一方のコネクタ117が備えられる。ドッキング部269に設けられた他方のコネクタ287は、ドッキング部269がドッキングベース115に対し、X軸に沿う方向、Y軸に沿う方向で位置が調整されることにより、ドッキングベース115に設けられた一方のコネクタ117に対して結合可能に位置が調整される。
また、物品搬送装置209において、ドッキング部269は、ドッキングの際の他方のコネクタ287の上下方向の位置を調整するコネクタ位置調整機構289、もしくは、ドッキングベース115に設けられたコネクタ位置調整機構289を作動させるアライメント部材(カムフォロア295)を有する。
この物品搬送装置209によれば、ドッキング部269またはドッキングベース115が、コネクタ位置調整機構289を有する。コネクタ位置調整機構289は、ドッキング部269に設けられている他方のコネクタ287の上下方向の位置を調整する。実施の形態2では、コネクタ位置調整機構289は、ドッキング部269に設けられている。また、ドッキング部269は、アライメント部材(カムフォロア295)を備える。これにより、他方のコネクタ287は、ドッキングベース115の一方のコネクタ117に対して上下方向の位置が自動的に調整されることになる。
また、物品搬送装置209において、ドッキング部269はコネクタ位置調整機構289を有し、コネクタ位置調整機構289は、他方のコネクタ287とともに昇降し、製造設備に設けたアライメント部材(カム297)に接触しながら第1の方向(Y軸に沿う方向)へ移動することでアライメント部材によって高さ位置が調整される昇降部材291を有する。
この物品搬送装置209によれば、コネクタ位置調整機構289が、昇降部材291を有する。昇降部材291は、製造設備に設けたカム297にカムフォロア295が接触しながらY軸に沿う方向へ移動することにより、高さ位置が調整される。つまり、他方のコネクタ287は、昇降部材291に設けられていることにより、ドッキング部269がドッキングベース115にドッキングされるに際し、カム297に従動するカムフォロア295によって、Z軸に沿う方向(すなわち、高さ位置)が調整される。
また、物品搬送装置209において、保持テーブル(第1のマガジン保持テーブル225、第2のマガジン保持テーブル227)は収納ラック(マガジン収納ラック223)に対して横方向(Y軸に沿う方向)へスライド自在に装着されており、収納ラックに保持テーブルのスライドを阻止するスライドロック部367を設ける。
この物品搬送装置209によれば、収納ラックが、保持テーブルをスライド自在に備えている。保持テーブルは、収納ラックに設けられているスライドロック部367により、スライドが規制される。スライドロック部367は、手動でロック解除することができる。保持テーブルは、スライドロック部367が解除されることにより、スライド自在となる。これにより、収納ラックは、回収・補給場所において、保持テーブルを引き出して、作業者の手作業によるマガジン41の回収・補充作業が容易に行えるようになっている。
また、物品搬送システム211は、工場フロアに設置された少なくとも一つの製造設備(トレイ部品ストック装置29)と、工場フロアを移動して製造設備で使用する物品(パレット39)を搬送する物品搬送装置209を有し、製造設備が有するドッキングベース115と物品搬送装置209が有するドッキング部269とで構成されるドッキング装置299によって物品搬送装置209を製造設備にドッキングさせて物品搬送装置209と製造設備との間で物品の受け渡しを行う物品搬送システム211であって、ドッキング装置299は、製造設備に対して第1の方向(Y軸に沿う方向)から接近する物品搬送装置209の第1の方向に水平面内で直交する第2の方向(X軸に沿う方向)における位置を調整しながら誘導する誘導部301と、クッション部材(緩衝ばね317)の反発力を利用して物品搬送装置209を製造設備から離れる方向に押すことによりドッキング時の衝撃を吸収する緩衝部303と、ドッキングした物品搬送装置209がクッション部材の反発力で製造設備から離れないようにするドッキング保持部281と、物品搬送装置209の製造設備への接近に伴い、物品搬送装置209が有する他方のコネクタ287と製造設備が有する一方のコネクタ117とを位置合わせして連結するコネクタ連結部305と、を備える。
この物品搬送システム211によれば、製造設備が、ドッキングベース115を備える。物品搬送装置209が、ドッキング部269を備える。ドッキングベース115とドッキング部269とは、製造設備に対し、物品搬送装置209を接合するドッキング装置299を構成する。したがって、ドッキング装置299は、製造設備と物品搬送装置209との接合部とも言える。
ドッキング部269は、誘導部301を有する。誘導部301は、製造設備に対してY軸に沿う方向から接近する物品搬送装置209のX軸に沿う方向における位置を調整しながらドッキングを誘導する。また、ドッキング装置299は、Y軸に沿う方向でドッキングした物品搬送装置209が、クッション部材の反発力で製造設備から離れないようにするドッキング保持部281を備える。つまり、ドッキングベース115とドッキング部269とは、ドッキングの後に、誘導部301とドッキング保持部281とにより水平面内で位置が調整されることになる。
これに加え、ドッキング装置299は、コネクタ連結部305を備える。コネクタ連結部305は、物品搬送装置209の製造設備への接近に伴い、物品搬送装置209が有する他方のコネクタ287と製造設備が有する一方のコネクタ117とを相対的に位置調整して連結する。すなわち、ドッキング装置299は、水平面内での位置調整を行うとともに、水平面内での位置調整が完了した後の、一方のコネクタ117と他方のコネクタ287とを、コネクタ連結部305が水平面に交差する方向(Z軸に沿う方向)で位置調整して連結する。これにより、物品搬送システム211は、単純な機構を用いて製造設備と物品搬送装置209との間の高さのばらつきをドッキング装置299(接合部)が吸収できる。
また、物品搬送システム211において、誘導部301は、ドッキングベース115に設けた少なくとも一つのアライメント部材(例えばXガイド271、位置決めピンガイド穴273)とドッキング部269に設けた少なくとも一つの被アライメント部(例えばXガイドローラ277、位置決めピン279)を有する。誘導部301は、被アライメント部をアライメント部材に接触させながら第1の方向(Y軸に沿う方向)へ移動することにより被アライメント部の軌道をアライメント部材により修正する。これにより、物品搬送装置209の第2の方向(X軸に沿う方向)における位置が調整される。
この物品搬送システム211によれば、誘導部301が、アライメント部材と被アライメント部材とを備える。誘導部301は、ドッキング部269が、Y軸に沿う方向からドッキングベース115に接近すると、ドッキング部269の有する被アライメント部材が、ドッキングベース115に設けられたアライメント部材に当接する。ドッキング部269がさらにドッキングベース115に接近すると、被アライメント部材がアライメント部材に沿って変位し、ドッキング部269がドッキングベース115に位置あわせ(アライメント)されて、ドッキングする。その結果、物品搬送装置209は、ドッキングベース115にアライメントされたドッキング部269を介して製造設備に位置あわせされて、連結される。
また、物品搬送システム211において、被アライメント部(例えばXガイドローラ277、位置決めピン279)は、アライメント部材(例えばXガイド271、位置決めピンガイド穴273)に接触するローラ(例えばXガイドローラ277)を含む。
この物品搬送システム211によれば、ドッキング部269の被アライメント部材が、Xガイドローラ277を有する。Xガイドローラ277は、ドッキングベース115に設けられるXガイド271に接して転動する。Xガイド271には、案内斜面425(図30参照)が形成される。Xガイドローラ277は、ドッキング部269がドッキングベース115に接近するにしたがってXガイド271に接し、その後、案内斜面425を転動することにより案内斜面425からの反力によりドッキング部269を変位させる。これにより、Xガイドローラ277の軌道がXガイド271によって修正され、これにより物品搬送装置209の第2の方向(X軸に沿う方向)における位置が調整される。
また、物品搬送システム211において、緩衝部303は、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に配置され、他方には第1の方向から緩衝部303に当接してクッション部材を変形させる突起部319を有する。
この物品搬送システム211によれば、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に緩衝部303が配置され、他方に突起部319が配置される。実施の形態2において、緩衝部303はドッキングベース115に配置され、突起部319はドッキング部269に配置される。緩衝部303は、ドッキング部269が接近することにより、突起部319が衝接する。緩衝部303は、突起部319の接近方向(Y軸に沿う方向)と反対方向(-Y方向)に変位し、突起部319が衝接する際の衝撃を吸収する。また、緩衝部303は、突起部319の接近方向と反対方向に変位した後に、突起部319を弾性反発力により押し戻す。
また、物品搬送システム211において、ドッキング保持部281は、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に配置され、他方にはドッキング保持部281に保持される少なくとも一つの被保持部材(フック285)が配置される。
この物品搬送システム211によれば、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方にドッキング保持部281が配置され、他方に被保持部材が配置される。実施の形態2において、ドッキング保持部281はドッキングベース115に配置され、被保持部材はドッキング部269に配置される。物品搬送装置209は、ドッキング部269がドッキングベース115に、Y軸に沿う方向からドッキングすると、被保持部材が、ドッキング部269に保持される。上記の突起部319は、緩衝部303を押圧することにより、緩衝部303からの反力を受ける。反力は、ドッキング部269をドッキングベース115から離反する方向に押圧するが、被保持部材がドッキング保持部281に保持されたドッキング部269はドッキングベース115からのドッキング解除が規制される。これにより、物品搬送装置209は、製造設備に対してがたつきが生じることなく、Y軸に沿う方向で、位置が調整される。
また、物品搬送システム211において、ドッキング保持部281は、第1の方向(Y軸に沿う方向)に対して交差する第3の方向から被保持部材(例えばフック285)に当接するドッキング用ローラ331を有するレバー323と、レバー323を旋回させてドッキング用ローラ331を被保持部材に押し付ける保持力発生部325を含み、被保持部材は、物品搬送装置209が第1の方向に移動して製造設備へ接近に伴ってドッキング用ローラ331を第3の方向とは反対の方向に変位させた後第3の方向へ変位させるローラ操作面(例えば後テーパ337)を有する。
この物品搬送システム211によれば、物品搬送装置209が製造設備に接近すると、製造設備に設けられているドッキング用ローラ331が、物品搬送装置209のフック285に第3の方向から当接する。ドッキング用ローラ331は、レバー323に支持される。レバー323は、保持力発生部325によりドッキング用ローラ331をレバー323に押し付ける。フック285は、ドッキング用ローラ331に当接すると、ドッキング用ローラ331を第3の方向とは反対の方向に変位させる。第3の方向とは反対の方向に変位したドッキング用ローラ331は、さらにフック285が製造設備に接近すると、フック285の有するローラ操作面(例えば後テーパ337)に到達し、保持力発生部325の付勢力により再び第3の方向へ変位する。
また、物品搬送システム211において、コネクタ連結部305は、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に配置されたコネクタ位置調整機構289と、他方に配置されたアライメント部材を含み、コネクタ位置調整機構289は、他方のコネクタ287とともに昇降し、アライメント部材(カムフォロア295)に接触しながら第1の方向(Y軸に沿う方向)へ移動することでアライメント部材によって高さ位置が調整される昇降部材291を有する。
この物品搬送システム211によれば、コネクタ位置調整機構289が、昇降部材291を有する。昇降部材291は、コネクタ位置調整機構289がY軸に沿う方向へ移動しながらアライメント部材に接触することで上下方向に移動する。つまり、昇降部材291に設けられた他方のコネクタ287も上下方向に移動する。実施の形態2では、コネクタ位置調整機構289とアライメント部材がドッキング部269に設けられている。これにより、他方のコネクタ287は、ドッキング部269がドッキングベース115に向かって接近することにより、昇降部材291と共に上下方向に移動し、ドッキングベース115の一方のコネクタ117に対して上下方向の位置が自動的に調整されることになる。
また、物品搬送システム211において、コネクタ連結部305は、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に配置され、一方に配置された一方のコネクタ117を他方のコネクタ287に押し付けるコネクタ押し付け部339を含む。
この物品搬送システム211によれば、コネクタ連結部305が、コネクタ押し付け部339を有する。コネクタ押し付け部339は、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に配置され、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に配置された一方のコネクタ117を他方のコネクタ287に押し付ける。実施の形態2においては、コネクタ押し付け部339がドッキング部269に配置される。したがって、ドッキング部269に設けられたコネクタ押し付け部339は、ドッキング部269に設けられる他方のコネクタ287を、ドッキングベース115に設けられる一方のコネクタ117(図35参照)に押し付ける。一方のコネクタ117と他方のコネクタ287は、結合方向に付勢されることにより、端子同士が安定した接触状態に保たれる。
また、物品搬送システム211において、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に第1の方向(Y軸に沿う方向)に突出した少なくとも一つの位置決めピン279を設け、他方に第1の方向から位置決めピン279が挿入される少なくとも一つの位置決めピンガイド穴273を有する位置決めピンガイド部材275を設ける。
この物品搬送システム211によれば、ドッキングベース115またはドッキング部269の一方に位置決めピン279を有し、ドッキングベース115またはドッキング部269の他方に位置決めピンガイド部材275を有する。実施の形態2においては、位置決めピン279がドッキング部269に配置され、位置決めピンガイド部材275がドッキングベース115に配置される。位置決めピンガイド部材275は、第1の方向から位置決めピン279が挿入される少なくとも一つの位置決めピンガイド穴273を有する。ドッキング部269は、位置決めピン279が位置決めピンガイド穴273に挿入されることにより、ドッキングベース115に対してX軸に沿う方向に位置調整される。
また、物品搬送システム211は、工場フロアに設置された少なくとも一つの製造設備と工場フロアを移動する少なくとも一つの物品搬送装置209を含み、製造設備(例えばトレイ部品ストック装置29)と物品搬送装置209との間で物品(例えばパレット39)を搬送する。物品搬送システム211は、少なくとも一つの物品を収納可能な物品収納体(例えばマガジン41)と、製造設備に設けられ、物品収納体を平面投影した領域の一部である第1領域内に位置する物品収納体の複数の部分を下から支持する第1支持テーブル(例えばスライドテーブル127)と、物品搬送装置209に設けられ、平面投影領域の他の一部であって第1領域とは重ならない第2領域内に位置する物品収納体の他の複数の部分を下から支持する第2支持テーブル(例えば第1のマガジン保持テーブル225、第2のマガジン保持テーブル227)と、物品収納体を支持した第1支持テーブルを空きの第2支持テーブルに向って移動させることにより物品収納体の第2領域を第2支持テーブルの上方に位置させる、あるいは、空きの第1支持テーブルを第2支持テーブルに向って移動させることにより第1支持テーブルを第2支持テーブルに支持された物品収納体の第2領域の下方に位置させる第1支持テーブル移動装置(進退駆動部129)と、第2支持テーブルを第1支持テーブルよりも低い位置から高い位置に移動させることにより第1支持テーブルに支持された物品収納体を第2支持テーブルに受け渡す、あるいは、第2支持テーブルを第1支持テーブルよりも高い位置から低い位置に移動させることにより第2支持テーブルに支持された物品収納体を第1支持テーブルに受け渡すラック昇降装置229と、を備える。
この物品搬送システム211によれば、製造設備が、水平面内で進退移動する第1支持テーブルを有する。物品搬送装置209は、水平面に直交する方向に昇降する第2支持テーブルを有する。これら第1支持テーブルと第2支持テーブルとは、第1支持テーブルが物品搬送装置内に進出した状態で、一つの平面投影領域内に配置される。一つの平面投影領域内に配置された第1支持テーブルは、第1領域内に位置する。一つの平面投影領域内に配置された第2支持テーブルは、第1領域とは重ならない第2領域内に位置する。
つまり、第2支持テーブルは、物品搬送装置内に第1支持テーブルが進入している状態において、ラック昇降装置229が駆動されることにより第1支持テーブルに対して上下方向へ相対移動が可能となる。より具体的には、第2支持テーブルは、スライドテーブル通過空間359を有したコ字状に形成されている。第2支持テーブルは、このスライドテーブル通過空間359に第1支持テーブルを上下方向から通過(すれ違い)させる。
物品搬送システム211は、ラック昇降装置229により第2支持テーブルを昇降させることにより、第2支持テーブルのスライドテーブル通過空間359に第1支持テーブルを通過させることにより、第1支持テーブルに載置されたマガジン41を第2支持テーブルに受け渡しが可能となる。また、第2支持テーブルに載置されたマガジン41を第1支持テーブルに受け渡しが可能となる。
これにより、製造設備は、スライドテーブル127を水平面内で進退させる必要最小限の進退駆動部129のみを備えればよいことになる。また、物品搬送装置209も、第1支持テーブルを昇降させる必要最小限のラック昇降装置229のみを備えればよいことになる。また、物品搬送システム211は、物品搬送装置209にラック昇降装置229を設けたので、積載物(例えばマガジン41)の荷重が水平面内で移動しない。これにより、物品搬送装置209は、水平面内で積載物を移動させるロボットアームやクレーンを採用するのに比べ、小面積のベース部217で転倒を抑制して走行させることができる。すなわち、物品搬送装置209のコンパクト化を実現できる。
その結果、物品搬送システム211によれば、単純な機構を用いて製造設備と無人搬送車(例えば物品搬送装置209)との間におけるマガジン41の受け渡しが行える。また、物品搬送システム211は、物品搬送システム211が受け渡しの機構としてラック昇降装置229のみを備えければよいので、ロボットアームやクレーンなどの高価で複雑な装置を使用するシステムに比べ、大幅な小型化が可能となる。
また、物品搬送システム211において、物品収納体(例えばマガジン41)は、第1領域F1内に複数の第1アライメント部(例えば第1アライメントグループ103)を有するとともに第2領域F2内に複数の第2アライメント部(例えば第2アライメントグループ107)を有し、第1支持テーブル(例えばスライドテーブル127)は、複数の第1アライメント部に接触して物品収納体の第1支持テーブルに対する位置を調整する複数の第1アライメントガイド363を有し、第2支持テーブル(例えば第1のマガジン保持テーブル225、第2のマガジン保持テーブル227)は、複数の第2アライメント部に接触して物品収納体の第2支持テーブルに対する位置を調整する複数の第2アライメントガイド361を有する。
この物品搬送システム211によれば、スライドテーブル127が、複数の第1アライメントガイド363を有する。複数の第1アライメントガイド363は、複数の第1アライメント部に接触してマガジン41のスライドテーブル127に対する位置を調整する。第2支持テーブルは、複数の第2アライメントガイド361を有する。第2アライメントガイド361は、複数の第2アライメント部に接触してマガジン41の第2支持テーブルに対する位置を調整する。これにより、マガジン41は、スライドテーブル127にも位置が自動的に調整されて載置され、第2支持テーブルにも位置が自動的に調整されて載置される。
また、物品搬送システム211は、複数の第1アライメントガイド363のうち少なくとも一つは、水平な第1方向(X軸に沿う方向)について物品収納体の位置を調整し、少なくとも他の一つは第1方向に水平面内で直交する第2方向(Y軸に沿う方向)について物品収納体の位置を調整し、複数の第2アライメントガイド361のうち少なくとも一つは、水平な第3方向について物品収納体の位置を調整し、少なくとも他の一つは第3方向に水平面内で直交する第4方向について物品収納体の位置を調整する。
この物品搬送システム211によれば、第1アライメントガイド363が、図17に示す4つのXアライメントガイド181と、4つのYアライメントガイド187とを有する。第1アライメントガイド363のうち少なくとも一つ(Xアライメントガイド181)は、水平な第1方向(X軸に沿う方向)についてマガジン41の位置を、スライドテーブル127に対して調整する。第1アライメントガイド363のうち、少なくとも他の一つ(Yアライメントガイド187)は第1方向に水平面内で直交する第2方向(Y軸に沿う方向)についてマガジン41の位置を、スライドテーブル127に対して調整する。
また、第2アライメントガイド361は、図42に示すように、Xアライメントローラ255と、Yアライメント部材259とを有する。複数の第2アライメントガイド361のうち少なくとも一つ(Xアライメントローラ93)は、水平な第3方向(例えばX軸に沿う方向)についてマガジン41の位置を、第1のマガジン保持テーブル225、第2のマガジン保持テーブル227に対して調整する。複数の第2アライメントガイド361のうち少なくとも他の一つ(Yアライメント部材259)は第3方向に水平面内で直交する第4方向(例えばY軸に沿う方向)についてマガジン41の位置を、第1のマガジン保持テーブル225、第2のマガジン保持テーブル227に対して調整する。
また、物品搬送システム211において、物品は部品33を収納したトレイ31を保持したパレット39であり、物品収納体は複数のパレット39を収納するマガジン41である。
この物品搬送システム211によれば、物品が、複数の部品33(例えば基板実装部品等)を収納したトレイ31を保持したパレット39となる。物品収納体は、複数のパレット39を収納したマガジン41となる。したがって、マガジン41には、多数の部品33が収容される。物品搬送システム211は、この多数の物品を、マガジン単位で受け渡しする。すなわち、物品搬送システム211は、マガジン単位での物品の供給を可能にしつつ、マガジン41の回収も可能にしている。
また、物品搬送システム211において、物品搬送装置209が、工場フロアを走行するための車輪215を有するベース部217を備え、ベース部217は、ベース部217が第1の方向へ移動して製造設備に接近することによって製造設備が有するドッキングベース115にドッキングするドッキング部269をさらに有する。
この物品搬送システム211によれば、物品搬送装置209がドッキング部269を備える。ドッキング部269は、製造設備が有するドッキングベース115にドッキングが可能となる。これにより、物品搬送システム211は、ラック昇降装置229を備える物品搬送装置209と、スライドテーブル127を備える製造設備とが、ドッキング装置299により高精度に位置調整された状態となるので、単純な機構を用いて製造設備と無人搬送車(物品搬送装置209)との間におけるマガジン41の受け渡しが行える。
また、物品搬送装置209は、工場フロアに設置された少なくとも一つの製造設備(トレイ部品ストック装置29)で使用する物品(パレット39)を工場フロア上で搬送する物品搬送装置209であって、工場フロアを走行するための車輪215を有するベース部217と、ベース部217を製造設備にドッキングさせるドッキング部269と、ベース部217に対して昇降可能であり、物品収納体(マガジン41)を保持する保持テーブル(第1のマガジン保持テーブル225、第2のマガジン保持テーブル227)を少なくとも一つ有する収納ラック(マガジン収納ラック223)と、収納ラックを昇降させるラック昇降装置229と、収納ラックの高さ方向の位置を検出する位置検出部(エンコーダ387)と、収納ラックとともに昇降して製造設備に設けた基準点(基準高さ標識417の穴419)を検出する基準高さ検出部(基準高さ検出センサ251)と、ドッキング部269によってベース部217が製造設備にドッキングした状態でラック昇降装置229を作動させて基準点を基準高さ検出部で検出し、基準高さ検出部が基準点を検出したときに位置検出部で得られた位置を基準高さに設定し、基準高さに基づいてラック昇降装置229を作動させて保持テーブルと製造設備との間で物品収納体の受け渡し作業を実行する制御部(マガジン搬送装置制御部247)と、を備える。
この物品搬送装置209によれば、製造設備に対してベース部217が、ドッキング部269によりドッキングされる。物品搬送装置209は、ベース部217に設けた車輪215により、工場フロアの通路15を自在に走行が可能となる。工場フロアを走行して製造設備に到着した物品搬送装置209は、ドッキング部269によりドッキングすることにより、製造設備と一体に連結される。
物品搬送装置209は、マガジン41を保持テーブルに保持する収納ラックを備える。収納ラックは、保持テーブルにマガジン41を保持した状態で、ラック昇降装置229の駆動により昇降が可能となる。物品搬送装置209は、昇降する収納ラックの高さ方向の位置を検出する位置検出部を有する。また、物品搬送装置209は、製造設備に設けた基準点を検出する基準高さ設定部397を備える。
物品搬送装置209は、ドッキング部269によってベース部217が製造設備にドッキングした状態で、ラック昇降装置229を作動させて基準点を基準高さ検出部で検出する制御部を備える。制御部は、基準高さ検出部が基準点を検出したときに、位置検出部で得られた位置を基準高さに設定する。制御部は、基準高さに基づいてラック昇降装置229を所定の高さ(第1レベルLv1~第4レベルLv4)に作動させて、保持テーブルと製造設備との間で物品収納体の受け渡し作業を実行する。
これにより、物品搬送装置209は、必ずしも同一平面上で位置していない製造設備と物品搬送装置209とを先ずドッキング部269により水平面内で位置あわせした後、製造設備との高さ方向の相対位置を基準高さとして求めることができる。その結果、単純な機構を用いて製造設備と無人搬送車(物品搬送装置209)との間におけるマガジン41の受け渡し高さを調整することができる。
また、物品搬送装置209において、製造設備は物品収納体を保持するとともに水平方向へ移動するスライドテーブル127を有しており、受け渡し作業は、保持テーブルと収納ラックの内部空間に突出したスライドテーブル127との間で物品収納体を受け渡す作業であり、制御部(マガジン搬送装置制御部247)は、保持テーブルをスライドテーブル127よりも低い第1レベルLv1とスライドテーブル127よりも高い第2レベルLv2に位置させる位置決め高さを基準高さに基づいて求め、物品収納体をスライドテーブル127から保持テーブルへ受け渡す場合はラック昇降装置229によって収納ラックを第1レベルから第2レベルへ移動させ、保持テーブルからスライドテーブル127へ受け渡す場合はラック昇降装置229によって収納ラックを第2レベルから第1レベルへ移動させる。
この物品搬送装置209によれば、製造設備が、マガジン41を保持するスライドテーブル127を備える。スライドテーブル127は、物品搬送装置209に設けられる収納ラックの内部空間に進退可能となる。マガジン41の受け渡しは、この内部空間に突出したスライドテーブル127と、収納ラックの保持テーブルとの間で行われる。スライドテーブル127から保持テーブルへの受け渡しは、収納ラックを第1レベルから第2レベルへ移動させることにより行うことができる。保持テーブルからスライドテーブル127への受け渡しは、収納ラックを第2レベルから第1レベルへ移動させることにより行うことができる。これら受け渡しの際に設定される保持テーブルの高さ(例えば第1レベルLv1、第2レベルLv2)は、制御部により求められる。
また、物品搬送装置209は、工場フロアに設置された少なくとも一つの製造設備(例えばトレイ部品ストック装置29)で使用する物品(例えばパレット39)を工場フロア上で搬送する物品搬送装置209であって、少なくとも一つの物品を収納する物品収納体(例えばマガジン41)と、工場フロアを走行するための車輪215を有するベース部217と、ベース部217を製造設備にドッキングさせるドッキング部269と、ベース部217に対して昇降可能であり、物品収納体を保持する保持テーブル(例えば第1のマガジン保持テーブル225、第2のマガジン保持テーブル227)を少なくとも一つ有する収納ラック(例えばマガジン収納ラック223)と、収納ラックを昇降させるラック昇降装置229と、収納ラックの高さ方向の位置を検出する位置検出部(例えばエンコーダ387)と、収納ラックとともに昇降して製造設備に設けた基準点を検出する基準高さ検出部(例えば基準高さ検出センサ251)と、位置検出部と基準高さ検出部に接続されるとともにラック昇降装置229を制御する制御部(例えばマガジン搬送装置制御部247)を備え、制御部は、ドッキング部269によってベース部217が製造設備にドッキングした状態でラック昇降装置229を作動させて基準点を基準高さ検出部で検出し、基準高さ検出部が基準点を検出したときに位置検出部で得られた位置を基準高さに設定する基準高さ設定部397と、基準高さに基づいて製造設備との間で物品収納体の受け渡し作業を行うための収納ラックの複数の位置決め高さを算出する位置決め高さ算出部399と、複数の位置決め高さに基づいてラック昇降装置229を制御して受け渡し作業を実行する受渡作業実行部(例えば第1搬入部401、第1搬出部403)と、を有する。
この物品搬送装置209によれば、製造設備に対してベース部217が、ドッキング部269によりドッキングされる。物品搬送装置209は、ベース部217に設けた車輪215により、工場フロアの通路15を自在に走行が可能となる。工場フロアを走行して製造設備に到着した物品搬送装置209は、ドッキング部269によりドッキングすることにより、製造設備と一体に連結される。
物品搬送装置209は、マガジン41を保持テーブルに保持する収納ラックを備える。収納ラックは、保持テーブルにマガジン41を保持した状態で、ラック昇降装置229の駆動により昇降が可能となる。物品搬送装置209は、昇降する収納ラックの高さ方向の位置を検出する位置検出部を有する。また、物品搬送装置209は、製造設備に設けた基準点を検出する基準高さ設定部397を備える。物品搬送装置209は、基準高さ設定部397が設定した基準高さに基づいて、製造設備との間で物品収納体の受け渡し作業を行うための収納ラックの複数の位置決め高さ(例えば第1レベルLv1~第4レベルLv4)が、位置決め高さ算出部399により算出される。物品搬送装置209では、ラック昇降装置229が受渡作業実行部により制御され、複数の位置決め高さでマガジン41の受け渡し作業が実行される。
これにより、物品搬送装置209は、必ずしも同一平面上で位置していない製造設備と物品搬送装置209とを先ずドッキング部269により水平面内で位置合わせした後、製造設備との高さ方向の相対位置を基準高さとして求めることができる。その結果、単純な機構を用いて製造設備と無人搬送車(例えば物品搬送装置209)との間におけるマガジン41の受け渡し高さを調整することができる。
また、物品搬送装置209において、製造設備は物品収納体を保持するとともに水平方向へ移動するスライドテーブル127を有しており、受け渡し作業は、保持テーブルと収納ラックの内部空間に突出したスライドテーブル127との間で物品収納体を受け渡す作業であり、位置決め高さ算出部399は、少なくとも保持テーブルをスライドテーブル127よりも低い第1レベル(例えば第1レベルLv1)とスライドテーブル127よりも高い第2レベル(例えば第2レベルLv2)に位置させる位置決め高さを求め、受渡作業実行部は、ラック昇降装置229によって収納ラックを第1レベルから第2レベルへ移動させて物品収納体をスライドテーブル127から保持テーブルへ受け渡す搬入部(例えば第1搬入部401)と、ラック昇降装置229によって収納ラックを第2レベルから第1レベルへ移動させて物品収納体を保持テーブルからスライドテーブル127へ受け渡す搬出部(例えば第1搬出部403)とを含む。
この物品搬送装置209によれば、製造設備が、マガジン41を保持するスライドテーブル127を備える。スライドテーブル127は、物品搬送装置209に設けられる収納ラックの内部空間に進退可能となる。マガジン41の受け渡しは、この内部空間に突出したスライドテーブル127と、収納ラックの保持テーブルとの間で行われる。スライドテーブル127から保持テーブルへの受け渡しは、収納ラックを第1レベルから第2レベルへ移動させることにより行うことができる。保持テーブルからスライドテーブル127への受け渡しは、収納ラックを第2レベルから第1レベルへ移動させることにより行うことができる。これら受け渡しの際に設定される保持テーブルの高さ(例えば第1レベルLv1、第2レベルLv2)は、制御部により求められる。この設定される保持テーブルの高さにより、搬入部が、保持テーブルにマガジン41を搬入する処理を実行し、搬出部が保持テーブルからマガジン41を搬出する処理を実行する。
これにより、物品搬送装置209は、マガジン収納ラック223の内部空間に進入させたスライドテーブル127に対し、マガジン収納ラック223の保持テーブルを上下方向から通過(すれ違い)させ、スライドテーブル127と保持テーブルとの間でのマガジン41の受け渡しを単純な機構を用いて実現させている。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示は、単純な機構を用いて製造設備との間で部品収納体を自動で補給および回収できる物品搬送装置として有用である。
29 トレイ部品ストック装置(製造設備)
39 パレット(物品)
41 マガジン(物品収納体)
115 ドッキングベース
117 一方のコネクタ
209 物品搬送装置
215 車輪
217 ベース部
223 マガジン収納ラック(収納ラック)
225 第1のマガジン保持テーブル(保持テーブル)
227 第2のマガジン保持テーブル(保持テーブル)
229 ラック昇降装置
269 ドッキング部
271 Xガイド(アライメント部材)
273 位置決めピンガイド穴(アライメント部材)
277 Xガイドローラ(被アライメント部材)
279 位置決めピン(被アライメント部材)
281 ドッキング保持部
285 フック(被保持部材)
287 他方のコネクタ
289 コネクタ位置調整機構
291 昇降部材
295 カムフォロア(アライメント部材)
307 Xガイドアーム(被アライメント部材)
367 スライドロック部

Claims (9)

  1. 工場フロアに設置された少なくとも一つの製造設備と、前記工場フロアを移動して前記製造設備で使用する物品を搬送する物品搬送装置を有し、前記製造設備が有するドッキングベースと前記物品搬送装置が有するドッキング部とで構成されるドッキング装置によって前記物品搬送装置を前記製造設備にドッキングさせて前記物品搬送装置と前記製造設備との間で物品の受け渡しを行う物品搬送システムであって、
    前記ドッキング装置は、
    前記製造設備に対して第1の方向から接近する前記物品搬送装置の前記第1の方向に水平面内で直交する第2の方向における位置を調整しながら誘導する誘導部と、
    クッション部材の反発力を利用して前記物品搬送装置を前記製造設備から離れる方向に押すことによりドッキング時の衝撃を吸収する緩衝部と、
    ドッキングした前記物品搬送装置が前記クッション部材の反発力で前記製造設備から離れないようにするドッキング保持部と、
    前記物品搬送装置の前記製造設備への接近に伴い、前記物品搬送装置が有する他方のコネクタと前記製造設備が有する一方のコネクタとを位置合わせして連結するコネクタ連結部と、を備える、
    物品搬送システム。
  2. 前記誘導部は、前記ドッキングベースに設けた少なくとも一つのアライメント部材と前記ドッキング部に設けた少なくとも一つの被アライメント部を有し、
    前記誘導部は、前記被アライメント部を前記アライメント部材に接触させながら前記第1の方向へ移動することにより前記被アライメント部の軌道を前記アライメント部材により修正し、前記物品搬送装置の前記第2の方向における位置を調整する、
    請求項1に記載の物品搬送システム。
  3. 前記被アライメント部は、前記アライメント部材に接触するローラを含む、
    請求項2に記載の物品搬送システム。
  4. 前記緩衝部は、前記ドッキングベースまたは前記ドッキング部の一方に配置され、他方には前記第1の方向から前記緩衝部に当接して前記クッション部材を変形させる突起部を有する、
    請求項1に記載の物品搬送システム。
  5. 前記ドッキング保持部は、前記ドッキングベースまたは前記ドッキング部の一方に配置され、他方には前記ドッキング保持部に保持される少なくとも一つの被保持部材が配置される、
    請求項1に記載の物品搬送システム。
  6. 前記ドッキング保持部は、前記第1の方向に対して交差する第3の方向から前記被保持部材に当接するドッキング用ローラを有するレバーと、前記レバーを旋回させて前記ドッキング用ローラを前記被保持部材に押し付ける保持力発生部を含み、
    前記被保持部材は、前記物品搬送装置が前記第1の方向に移動して前記製造設備へ接近に伴って前記ドッキング用ローラを前記第3の方向とは反対の方向に変位させた後前記第3の方向へ変位させるローラ操作面を有する、
    請求項5に記載の物品搬送システム。
  7. 前記コネクタ連結部は、前記ドッキングベースまたは前記ドッキング部の一方に配置されたコネクタ位置調整機構と、他方に配置されたアライメント部材を含み、
    前記コネクタ位置調整機構は、前記他方のコネクタとともに昇降し、前記アライメント部材に接触しながら前記第1の方向へ移動することで前記アライメント部材によって高さ位置が調整される昇降部材を有する、
    請求項1に記載の物品搬送システム。
  8. 前記コネクタ連結部は、前記ドッキングベースまたは前記ドッキング部の一方に配置され、前記一方に配置された一方のコネクタを他方のコネクタに押し付けるコネクタ押し付け部を含む、
    請求項1に記載の物品搬送システム。
  9. 前記ドッキングベースまたは前記ドッキング部の一方に前記第1の方向に突出した少なくとも一つの位置決めピンが設けられ、他方に前記第1の方向から前記位置決めピンが挿入される少なくとも一つの位置決めピンガイド穴を有する位置決めピンガイド部材が設けられる、
    請求項1に記載の物品搬送システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP4346346A1 (en) * 2022-09-09 2024-04-03 ASMPT GmbH & Co. KG Transfer system

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