JP2011030792A - 使い捨ておむつ及び使い捨ておむつ包装物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記課題は、排泄物の液分により呈色又は消色するインジケータ80を備えた使い捨ておむつにおいて、インジケータ80の横近傍に夜光部90を設けることにより解決される。
【選択図】図2
Description
しかしながら、従来のインジケータは暗所での視認性が悪く、排泄の有無を確認し難いという問題点があった。この点に関して、従来、暗所でのおむつ交換に関する提案はなされている(特許文献3〜6参照)が、インジケータの視認性に関する提案はなされていないのが現状である。
そこで、本発明の主たる課題は、暗所での視認性に優れるインジケータを備えた使い捨ておむつを提供することにある。
<請求項1記載の発明>
液透過性の表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体と、排泄物の液分と接触する可能な部位に設けられ、排泄物の液分により呈色又は消色するインジケータとを備えた使い捨ておむつにおいて、
前記インジケータの近傍に夜光部が設けられている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
このように、インジケータの近傍に夜光部が設けられていると、夜光部の発光によりインジケータの変化が照らし出される、又は夜光部の発光がインジケータにより遮られる、若しくは当初は遮られていた夜光部の発光が遮られなくなる等により、排泄の有無を確認することができる。しかも、光を利用するため、暗所であっても視認性に優れるようになる。なお、夜光部における「夜光」とは、蓄光、蛍光又はこれら以外の発光等のように、暗闇で自ら光を発するものを意味する。
前記インジケータが、前記吸収体の裏面と前記液不透過性シートの吸収体側面との間に設けられるとともに、
前記夜光部は、前記吸収体の裏面と前記液不透過性シートの吸収体側面との間における、前記インジケータの横近傍に設けられている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
インジケータ及び夜光部の位置は適宜定めれば良いが、インジケータはおむつ外部からの視認性の点で、上述のように吸収体の裏面と液不透過性シートの吸収体側面との間に設けるのが好ましく、また夜光部は蓄光し易さ、発光の透過し易さ、照明効果の点で、吸収体の裏面と記液不透過性シートの吸収体側面との間におけるインジケータの横近傍に設けるのが望ましい。
前記インジケータとして、発色タイプのインジケータが、前記吸収体の裏面と前記液不透過性シートの吸収体側面との間に設けられるとともに、
前記夜光部は、前記インジケータの表面側近傍に設けられている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
発色タイプのインジケータを用いる場合、横近傍に夜光部を設けることもできるが、上述のように夜光部をインジケータの表面側近傍に配置すると、インジケータの発色前(排泄前)には夜光部の発光がインジケータを透過して外部に見えている状態となるのに対して、インジケータの発色後(排泄後)にはインジケータの光透過率の低下により、インジケータの表面側に位置する夜光部の発光が有色のインジケータで隠蔽され、夜光部の発光が弱まる又は消灯する。暗所において排泄確認をする場合は、この変化、つまり夜光部の光が弱まったか否か又は消灯したか否かを視認することにより排泄の有無を認識することができる。また、明るいところではインジケータの発色の有無により、排泄の有無を認識することができる。
なお、発色タイプのインジケータとは、無色(透明)から有色に呈色するインジケータを意味する。
前記インジケータとして、消色タイプのインジケータが、前記吸収体の裏面と前記液不透過性シートの吸収体側面との間に設けられるとともに、
前記夜光部は、前記インジケータの表面側近傍に設けられている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
消色タイプのインジケータを用いる場合、横近傍に夜光部を設けることもできるが、上述のように夜光部をインジケータの表面側近傍に配置すると、インジケータの消色前(排泄前)にはインジケータの光透過率の低下により、インジケータの表面側に位置する夜光部の発光が有色のインジケータで隠蔽され、夜光部の発光が弱まる又は消灯するのに対して、インジケータの消色後(排泄後)には夜光部の発光が透明のインジケータを透過し、外部からは夜光部の発光が強まる又はインジケータ部分が発光するように見えるようになる。暗所において排泄確認をする場合は、この変化、つまり夜光部の光が強まったか否か又は点灯したか否かを視認することにより排泄の有無を認識することができる。また、明るいところではインジケータの消色の有無により、排泄の有無を認識することができる。
前記液不透過性シートの外面が外装シートにより被覆されており、液不透過性シートの吸収体側面から外装シートの外面までの、JIS K 7105に規定される全光線透過率が40%以上である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
近時の使い捨ておむつは、布のような肌触りを得るために、液不透過性シートの外面が外装シートにより被覆されている構造が一般的となっており、その場合、液不透過性シートの吸収体側面から外装シートの外面までの部分の全光線透過率が上記範囲内であると、インジケータの視認性、夜光部の蓄光し易さ、発光の透過し易さ、照明効果の点で好ましい。
請求項1〜5のいずれか1項に記載された使い捨ておむつを、一枚又は複数枚まとめて袋体により包装してなる使い捨ておむつ包装物品において、
前記袋体の一部に、前記使い捨ておむつの夜光部を蓄光するための、JIS K 7105に規定される全光線透過率が60%以上の光透過部が設けられている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ包装物品。
使い捨ておむつは、一枚又は複数枚まとめて袋体により包装した状態で製品として販売され、使用者はこの袋体から一枚ずつ取り出し使用することが一般的となっている。また、包装に使用される袋体は透明な部分が無く、光線透過率が低いものが多い。よって、上述の夜光部を有するおむつをこのような一般的な袋体で包装した場合、使用時までに十分な蓄光がなされないおそれがある。
(外装シート)
外装シート12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
表面シート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
表面シート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、表面シート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、表面シート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する側部バリヤーカフス60、60を設けるのは好ましい。
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
図1及び図2に示されるように、ファスニングテープ13は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材からなるシート基材13Cの基部がおむつに取り付けられており、おむつから突出する先端側部分に腹側に対する係止部として、メカニカルファスナーのフック材13Aが設けられている。フック材13Aはシート基材13Cに接着剤により剥離不能に接合されている。
腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート74を設けるのが好ましい。ターゲットシート74は、係止部がフック材13Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。 また、腹側Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の係止部がフック材13Aの場合には、ターゲットシート74を省略し、フック材13Aを外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート74を外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部FEであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部BEである。
図示形態では、両ファスニングテープ13間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ13の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ13の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の寸法差はあってもよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部BEと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性部材を用いることもできるが、図5に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸張した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸張率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
本発明に係る使い捨ておむつにおいては、排泄物の液分と接触する可能な部位には、排泄物の液分により呈色又は消色するインジケータ80が設けられている。インジケータ80は、体液などの水分との接触により呈色反応を示すような着色剤及び/又は水分中のpHを検知して呈色反応を示すような着色剤、或いは体液との反応により着色が消失する反応、着色剤が尿により溶解(分散)して滲んだり消失したりする反応、その他の視覚的変化を示す薬剤が含有されたインク又は接着剤、或いは水分又は体液との接触により視覚的変化を示す薬剤(インジケータ反応手段)を含有するシート状部材により構成されている。例えば、体液などの水分との接触により呈色反応を示すような着色剤として、水溶性、水分解性染料又はロイコ染料と該ロイコ染料を発色させるフェノール性化合物、酸性物質、電子受容性物質等の顕色剤とからなる着色剤を使用することが可能である。
そして特徴的には、インジケータ80の近傍(厚み方向及び厚み方向と直交する方向のいずれでもよい)には、蓄光、蛍光又はこれら以外の発光等により自ら光を発する夜光部が設けられている。夜光部90は、おむつ内蔵部材に夜光成分を塗布等により含有させる他、別途専用の夜光部材を製造し、これをおむつのインジケータ80近傍に内蔵させても良い。具体的には、公知の夜光塗料をインジケータ80近傍のおむつ内蔵部材に塗布する、夜光塗料を塗布したシートやケミカルライトをおむつのインジケータ80近傍に内蔵するといったことが考えられる。
Claims (6)
- 液透過性の表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体と、排泄物の液分と接触する可能な部位に設けられ、排泄物の液分により呈色又は消色するインジケータとを備えた使い捨ておむつにおいて、
前記インジケータの近傍に夜光部が設けられている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。 - 前記インジケータが、前記吸収体の裏面と前記液不透過性シートの吸収体側面との間に設けられるとともに、
前記夜光部は、前記吸収体の裏面と前記液不透過性シートの吸収体側面との間における、前記インジケータの横近傍に設けられている、請求項1記載の使い捨ておむつ。 - 前記インジケータとして、発色タイプのインジケータが、前記吸収体の裏面と前記液不透過性シートの吸収体側面との間に設けられるとともに、
前記夜光部は、前記インジケータの表面側近傍に設けられている、請求項1記載の使い捨ておむつ。 - 前記インジケータとして、消色タイプのインジケータが、前記吸収体の裏面と前記液不透過性シートの吸収体側面との間に設けられるとともに、
前記夜光部は、前記インジケータの表面側近傍に設けられている、請求項1記載の使い捨ておむつ。 - 前記液不透過性シートの外面が外装シートにより被覆されており、液不透過性シートの吸収体側面から外装シートの外面までの、JIS K 7105に規定される全光線透過率が40%以上である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載された使い捨ておむつを、一枚又は複数枚まとめて袋体により包装してなる使い捨ておむつ包装物品において、
前記袋体の一部に、前記使い捨ておむつの夜光部を蓄光するための、JIS K 7105に規定される全光線透過率が60%以上の光透過部が設けられている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ包装物品。
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