JP2011030373A - 発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の構成では、インバーターと系統電源との電路を遮断/連通する解列リレーが非通電時にオフされるので、余剰電力ヒーターに関係する構造物の絶縁耐圧低下を、絶縁耐圧試験にて発見できなかった。
【解決手段】発電機1と、発電機1から出力された直流電力を交流電力に変換する直交変換器3と、直交変換器3の出力側と連系点との間の電路に設けられ、直交変換器3と系統電源5との接続を遮断する解列器4と、解列器4より上流の電路と接続し、発電機1の余剰電力を消費する余剰電力ヒーター8とを備え、解列器4は、発電機1の発電中において系統電源5との連系が遮断された場合、解列するよう構成されているとともに、非通電時には閉じられるよう構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池、ガスエンジン等の直流電力を発生する発電機と、発電機の直流電力を交流電力に変換する直交変換器と、発電機の余剰電力を消費する余剰電力ヒーターとを備える発電システムに関する。
発電システムの一つである燃料電池システムは、例えば、燃料ガスから水素を製造する水素生成装置と、生成した水素を直流電力に変換する燃料電池スタック(発電機)と、作り出した電力を家庭用の交流の電力エネルギーに変換するためのインバータ(直交変換器)からなる。インバータは、燃料電池の作り出した直流電力をDC−DCコンバータ(直流電圧変換装置)によりいったん系統電源の電圧より高い電圧の直流電力に変換し、交流の系統電源に同期して連系するよう変換するが、系統側の様々な異常(停電、サージなど)により連系を維持できなくなる場合があるため、短時間で系統電源と切り離すための解列リレー(解列器)を有している。
また、従来の技術では、解列リレーがオフする場合、あるいは、電力負荷の電力消費が急変し、燃料電池の発電量より電力負荷の電力消費が少なくなってしまう場合に、燃料電池の電力を一時的に消費して、貯湯槽内の水を加熱する余剰電力ヒーターを有していた(例えば、特許文献1参照)。
また、ガスエンジンを用いた発電機においても、同様に余剰電力が発生した場合に、発電機を冷却する冷却水を加熱したり、貯湯タンクに貯えられる温水を加熱する余剰電力ヒーターを有する発電システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−267508号公報(第1−10頁、第1図) 特開2008−228543号公報
上記特許文献1の燃料電池システムや特許文献2記載のガスエンジン発電システムに例示されるような余剰電力ヒーターを搭載した発電システムは、製造段階において、この余剰電力ヒーターを実装する際に、余剰電力ヒーターの端子と接続された電気配線が、他の部品と干渉し傷ついたり、噛み込みを起こすことによって、絶縁性が低下する可能性がある。また、余剰電力ヒーターそのものも通常、絶縁構造を有するが実装時のダメージによりこの絶縁構造が破壊される可能性もある。
一方、発電システムに対して絶縁耐圧試験を実施する場合、通常、発電システムに設けられた電源取入れ口より高電圧を印加し、絶縁性が確保されていることを確認するが、通常、発電システムが発電運転を開始するまでは、解列リレーは開放され、系統電源とインバーターとの間の電路の連通は遮断されているので、解列リレーよりも上流の電路に設けられた余剰電力ヒーターには電圧が印加されない。従って、上記試験を実施しても余剰電力ヒーターに関係する部品(余剰電力ヒーターと接続する電気配線等)について絶縁性の低下が発生してないことを確認することは困難であった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、余剰電力ヒーターを実装した発電システムに対して、絶縁耐圧試験を実施する際に、余剰電力ヒーターに関係する部品について絶縁性の低下が発生していないことを確認することが可能な発電システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の発電システムは、発電機と、前記発電機から出力された直流電力を交流電力に変換する直交変換器と、前記直交変換器の出力側と連系点との間の電路に設けられ、前記直交変換器と前記系統電源との接続を遮断する解列器と、前記解列器より上流の電路と接続し、前記発電機の余剰電力を消費する余剰電力ヒーターとを備え、前記解列器は、前記発電機の発電中において系統電源との連系が遮断された場合、解列するよう構成されているとともに、非通電時には閉じられるよう構成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、発電システムへの系統電源からの通電がオフの状態で解列器がオンとなる、つまり、系統電源と余剰電力との間の電路が連通する状態になるので、絶縁耐圧試験により、余剰電力ヒーターの端子と接続された電気配線の損傷や余剰電力ヒーターの絶縁構造の損傷等に伴う絶縁不良が発生していないか確認することが可能になる。
また、本発明の発電システムは、前記直交変換器は、前記発電機の発電出力を制御するパワー回路と、前記パワー回路を制御するとともにパルス出力を行う制御器と、前記制御器のパルス出力の異常を検知する異常検知回路と、前記解列器に通電して前記解列器を解列させる駆動回路とを備え、前記駆動回路は、(i)前記制御器から解列信号を受けた場合、及び(ii)前記異常検知回路で、前記制御器からのパルス出力の異常を検知した場合、の少なくともいずれか一方において、前記解列器に通電することを特徴とする。
かかる構成によれば、直交変換器のマイコンが暴走したとき、パルス信号の停止を受けて解列器がオフし系統電源と切り離されるので、マイコン暴走時に直交変換器より異常な電圧が発電システム外の電力負荷へ供給され、外部の電力負荷を破壊するような拡大事故に至らない、従来よりも安全性の高いシステムを構成することができる。
本発明の発電システムによれば、非通電時に解列リレーがオンとなるようにしたので、解列リレーがオン状態で絶縁耐圧試験が実施され、余剰電力ヒーターの絶縁破壊や余剰電力ヒーターの端子と接続された電気配線の噛み込みなどによる損傷等に伴い絶縁不良が発生していないかを確認することが可能になる。
本発明の実施の形態1における発電システムのブロック図 本発明の実施の形態2における発電システムのブロック図
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における発電システムのブロック図である。図1に示すように、本実施の形態の発電システムは、直流の電力を発生する発電機1と、発電機1の直流電力を昇圧する第1の直流電圧変換器であるDC−DCコンバータ2と、DC−DCコンバータ2より出力された直流電力を交流電力に変換する直交変換器であるインバーター3と、系統電源5との連系点16よりも上流の電路に設けられ、インバーター3と系統電源5との間の電路を遮断するための解列器である解列リレー4と、DC−DCコンバータ2の下流より電力を取り出し余剰電力ヒーター8への給電を行う第2の直流電圧変換器であるDC−DCコンバータ6と、DC−DCコンバータ6の出力側と余剰電力ヒーター8の端子とを電気的に接続する電気配線7と、電気配線7と接続された余剰電力ヒーター8と、DC−DCコンバータ2、インバーター3、解列リレー4、及びDC−DCコンバータ6の制御を行う制御器10と、系統電源5の電圧を検知するAC検知回路13と、発電システムを構成する機器を内部に収納する筐体17とを備える。なお、発電機1としては、直流電力を発生する発電機であれば、いずれの発電機でもよく、例えば、燃料電池、ガスエンジン発電機等が挙げられる。
ここで、インバーター本体9は、上記DC−DCコンバータ2、インバーター3、解列リレー4、DC−DCコンバータ6、制御器10、及びAC検知回路13で構成される。また、制御器10は、DC−DCコンバータ2を制御して、燃料電池1からの直流電力を系統電源のピーク電圧以上に昇圧させ、さらに、DC−DCコンバータ2で昇圧された直流電力をAC検知回路13で検知された系統電源の電圧にPWM制御により同期するよう、DC−AC変換させる。そして、インバーター3により変換された交流電力は、発電システム外部の電力負荷15に供給される。
また、制御器10は発電システムの異常を検知した場合、解列リレー4を解列し、インバーター3と系統電源5との連系を遮断するよう制御する。具体的には、本実施の発電システムにおける、解列リレー4は通常オン端子、通常オフ端子、コモン端子、及びコイル端子(図示せず)を有し、コイル端子へ通電により通常オン端子がオフ、通常オフ端子がオンに切り替わるよう構成されているが、ここで、仮に系統電源5が停電などの異常となり、インバーター3と系統電源5とを切り離す必要が生じた時は、制御器10より解列リレー4のコイル端子へ通電信号を出力して通常オン端子をオフさせ、通常オフ端子をオンさせることとなる。また、上記解列リレー4は、2極に対してそれぞれ設けられ、インバーター3と系統電源5とを接続させる場合は、両リレー共にオン状態となり、インバーター3と系統電源5とを接続を遮断する場合には、両リレー共にオフ状態(所謂、両切り状態)となるよう構成されている。
上記のような構成を有する発電システムの製造段階において、余剰電力ヒーター8を実装し、筐体17で発電システムの構成機器を収納した後、絶縁耐圧試験が通常実施される。ここで、上記絶縁耐圧試験前は、発電システムの電源取入れ口(図示せず)を介して系統電源からの電力を内部に導入していない状態であるので、制御器10からのコイル端子への通電は行われず、必ず解列リレーはオン状態となっている。具体的には、コモン端子と通常オン端子がリレー接続されている状態になっている。この状態において、筐体17を接地(アース)して、系統電源の電圧より高い試験電圧(例えば、1500V)を、電源取入れ口に印加することで、絶縁耐圧試験が実施される。このとき、解列リレー4を経由して余剰電力コンバータ6および電力配線7に高電圧が印加されるので、余剰ヒーター8の実装時において余剰電力ヒーター8の端子と接続された電気配線7が挟み込みによる被覆破れ等の損傷や、余剰電力ヒーター8の絶縁構造の損傷等に伴う絶縁不良が発生していないか確認することが可能になる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における発電システムのブロック図である。図2において、実施の形態1の発電システムと同様に構成については、同様の符号を付している。本実施の形態1の発電システムは、インバータ3が、制御器(マイコン)10と、制御器10の制御によりDC−DCコンバータ2より入力された直流電力をPWMスイッチングにより交流に変換するパワー回路12と、制御器10から入力されたパルス信号の異常を検知する異常検知回路であるFV変換回路11と、系統電源5からの電圧を検知するAC検知回路13と、制御器10からの入力信号とFV変換回路11からの入力信号の反転信号とに基づき信号を出力するOR回路14とを備えることを特徴とする。
上記構成を有する発電システムにおいて、制御器10はAC検知回路13により検知された系統電源の電圧に基づき、系統電源5の交流電圧に同期するようパワー回路12を制御して、DC−DCコンバータ2よりパワー回路12に入力された直流電力を交流電力に変換する。また、制御器10は、停電などの系統異常が生じた場合、解列信号(Hi信号)をOR回路14に出力する。また、一方で、制御器10はパルス信号をFV変換回路11に出力する。FV変換回路11はパルス信号の周波数が所定の閾値以上のときにHi信号をOR回路14に伝えるが、OR回路14は反転回路を介して入力される。
従って、OR回路14は、マイコン10から解列信号(Hi信号)を受け取るか、制御器10のパルス信号が所定の閾値未満になった場合に解列リレー4をオフさせることとなる。ここで、制御器10から出力されるパルス信号が、所定の閾値未満である場合とは、制御器10から出力されるパルス信号が異常である場合として定義され、例えば、制御器10が暴走すると、パルス信号の周波数低下として異常が現れる。また、制御器10が暴走した場合、パワー回路12に対し異常な制御を行い、例えば、系統電源5につながる発電システム外の電力負荷15に非常に高い電圧の電力を供給して、電力負荷15を破壊してしまう可能性があるが、上記のように構成される発電システムにおいては、制御器10の異常(例えば、暴走)をFV変換回路11により検知し、解列リレー4がオフされるよう構成されているため、インバータ3内の制御器10の異常から発電システム外の電力負荷を保護することが可能となる。
本発明の発電システムは、絶縁耐圧試験により、余剰電力ヒーターの絶縁破壊や余剰電力ヒーターの端子と接続された電気配線の噛み込みなどによる損傷等に伴い絶縁不良が発生していないかを確認することが可能になるので、業務用、家庭用の発電システム等として有用である。
1 発電機
2 DC−DCコンバータ
3 インバータ
4 解列リレー
5 系統電源
6 DC−DCコンバータ
7 電気配線
8 余剰電力ヒーター
9 インバーター本体
10 制御器
11 FV変換回路
12 パワー回路
13 AC検知回路
14 OR回路
15 電力負荷
16 連系点
17 筐体

Claims (2)

  1. 発電機と、前記発電機から出力された直流電力を交流電力に変換する直交変換器と、前記直交変換器の出力側と連系点との間の電路に設けられ、前記直交変換器と前記系統電源との接続を遮断する解列器と、前記解列器より上流の電路と接続し、前記発電機の余剰電力を消費する余剰電力ヒーターとを備え、前記解列器は、前記発電機の発電中において系統電源との連系が遮断された場合、解列するよう構成されているとともに、非通電時には閉じられるよう構成されていることを特徴とする発電システム。
  2. 前記直交変換器は、前記発電機の発電出力を制御するパワー回路と、前記パワー回路を制御するとともにパルス出力を行う制御器と、前記制御器のパルス出力の異常を検知する異常検知回路と、前記解列器に通電して前記解列器を解列させる駆動回路とを備え、前記駆動回路は、
    (i)前記制御器から解列信号を受けた場合、及び
    (ii)前記異常検知回路で、前記制御器からのパルス出力の異常を検知した場合、
    の少なくともいずれか一方において、前記解列器に通電することを特徴とする、請求項1記載の発電システム。
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