JP2011029727A - 画像投射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スタック投射やマルチスクリーン投射を行うために複数の画像投射装置により投射された複数の画像の位置合わせを容易に行えるようにする。
【解決手段】画像投射装置は、第1の画像投射装置31として用いられる場合に、第1の色で表示される第1の位置調整用パターン1Gを含む画像を第1の画像として投射し、第2の画像投射装置30として用いられる場合に、第2の色で表示される第2の位置調整用パターン1Rを含む画像を第2の画像として投射する。第2の画像が第1の画像に対して少なくとも一部が重なる特定投射位置とは異なる投射位置に投射されている場合に該特定投射位置に対する該異なる投射位置の方向を第1および第2の位置調整用パターンにおける色の分布によって表示する。第2の画像が特定投射位置に投射されていることを第1および第2の位置調整用パターンの色が合成された第3の色によって表示する。
【選択図】図2A

Description

本発明は、複数の画像投射装置により投射される画像を、互いに重ね合わせたり互いに隣接させたりして明るい画像又は大きな画像を投射する技術に関する。
液晶プロジェクタ等の画像投射装置による投射方式として、複数の画像投射装置によって投射された複数の画像を互いに重ね合わせることで、個々の画像よりも明るい画像を投射する、いわゆるスタック投射がある。また、複数の画像投射装置によって投射された複数の画像を互いに隣接させて又は端部のみ重ね合わせて上下左右に並べることで、個々の画像よりも大きな画像を投射する、いわゆるマルチスクリーン投射もある。
このようなスタック投射やマルチスクリーン投射を行う場合、個々の画像投射装置によって投射される画像同士の高精度な位置合わせが必要となる。特許文献1および特許文献2にはそれぞれ、スタック投射を行う場合の画像の位置合わせ方法およびマルチスクリーン投射を行う場合の画像の位置合わせ方法が開示されている。これらの位置合わせ方法では、カメラを用いて投射画像(複数の画像)を撮像し、該カメラにより得られた画像情報に基づいて各画像投射装置への入力画像に対して幾何学補正を行うことにより、複数の画像の位置合わせを行う。
特開2004−336225号公報 特表2005−500756号公報
しかしながら、特許文献1,2にて開示された位置合わせ方法では、カメラを含む複雑なシステムが必要となる。また、各画像投射装置への入力画像に対して幾何学補正を行うと、画像の劣化が生じ、高画質の画像を投射するための妨げとなる。
本発明は、スタック投射やマルチスクリーン投射を行うために複数の画像投射装置により投射された複数の画像の位置合わせを、複雑なシステムを必要とせずに容易に行うことができるようにした画像投射装置、画像投射システムおよび投射位置調整方法を提供する。
本発明の一側面としての画像投射装置は、第1の画像を投射する第1の画像投射装置および第2の画像を投射する第2の画像投射装置として用いられる。該画像投射装置は、第1の画像投射装置として用いられる場合に、第1の色で表示される第1の位置調整用パターンを含む画像を前記第1の画像として投射し、第2の画像投射装置として用いられる場合に、第1の色とは異なる第2の色で表示される第2の位置調整用パターンを含む画像を第2の画像として投射する。そして、第2の画像が第1の画像に対して少なくとも一部が重なる特定投射位置とは異なる投射位置に投射されている場合に該特定投射位置に対する該異なる投射位置の方向を第1および第2の位置調整用パターンにおける第1および第2の色の分布によって表示し、第2の画像が特定投射位置に投射されていることを第1および第2の位置調整用パターンにおける第1および第2の色が合成された第3の色によって表示することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての画像投射システムは、第1の画像を投射する第1の画像投射装置および第2の画像を投射する第2の画像投射装置を含む。第1の画像投射装置は、第1の色で表示される第1の位置調整用パターンを含む画像を第1の画像として投射し、第2の画像投射装置は、第1の色とは異なる第2の色で表示される第2の位置調整用パターンを含む画像を第2の画像として投射する。第2の画像が第1の画像に対して少なくとも一部が重なる特定投射位置とは異なる投射位置に投射されている場合に該特定投射位置に対する該異なる投射位置の方向を第1および第2の位置調整用パターンにおける第1および第2の色の分布によって表示し、第2の画像が特定投射位置に投射されていることを第1および第2の位置調整用パターンにおける第1および第2の色が合成された第3の色によって表示することを特徴とする。
さらに、本発明の他の一側面としての投射位置調整方法は、第1の画像投射装置により投射される第1の画像に対する第2の画像投射装置により投射される第2の画像の投射位置を調整するために用いられる。該投射位置調整方法は、第1の画像投射装置に、第1の色で表示される第1の位置調整用パターンを含む画像を第1の画像として投射させるステップと、第2の画像投射装置に、第1の色とは異なる第2の色で表示される第2の位置調整用パターンを含む画像を第2の画像として投射させるステップとを有する。そして、第2の画像が第1の画像に対して少なくとも一部が重なる特定投射位置とは異なる投射位置に投射されている場合に該特定投射位置に対する該異なる投射位置の方向を第1および第2の位置調整用パターンにおける第1および第2の色の分布によって表示し、第2の画像が特定投射位置に投射されていることを第1および第2の位置調整用パターンにおける第1および第2の色が合成された第3の色によって表示するステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、位置調整用パターンに第1の色と第2の色の分布が表示されることで、第2の画像が第1の画像に対する特定投射位置とは異なる投射位置に投射されていること、およびその投射位置の方向をユーザが明確に確認することができる。また、位置調整用パターンが第3の色で表示されることにより、第2の画像が第1の画像に対して特定投射位置に投射されていることをユーザが明確に認識することができる。したがって、第1の画像に対する第2の画像の投射位置を、カメラを含む複雑なシステムを用いることなく、ユーザが容易に調整することができる。
本発明の実施例1であるプロジェクタの構成を示す図。 実施例1において2つのプロジェクタが投射するテストパターンを示す図。 実施例1において各プロジェクタが投射するテストパターンを示す図。 実施例1における投射位置合わせ手順を示すフローチャート。 実施例1における投射位置合わせ手順を示すフローチャート。 本発明の実施例2であるプロジェクタの構成を示す図。 実施例2において2つのプロジェクタが投射するテストパターンを示す図。 実施例2において各プロジェクタが投射するテストパターンを示す図。 実施例2における投射位置合わせ手順を示すフローチャート。 実施例2における投射位置合わせ手順を示すフローチャート。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である画像投射装置(第1の画像投射装置および第2の画像投射装置)としてのプロジェクタの構成を示している。本実施例では、第2の画像投射装置であるプロジェクタ30により投射される画像(第2の画像)と第1の画像投射装置であるプロジェクタ31により投射される画像(第1の画像)とを互いに完全に重ね合わせて投射するスタック投射を行う場合について説明する。プロジェクタ30,31は同一構成および同一機能を有するので、ここではプロジェクタ30の構成および機能についてのみ説明する。
また、ここでは2つのプロジェクタ30,31を含む画像投射システムについて説明するが、3つ以上のプロジェクタを含む画像投射システムを構成してもよい。
外部からプロジェクタ30に入力された映像信号は、映像信号処理回路1に入力される。映像信号処理回路1は、映像信号に対して、所定の信号処理を行う。所定の信号処理には、入力映像信号のフォーマット検出や、解像度変換等の幾何学変換や、フレームレート変換や、色変換処理等が含まれる。
映像信号処理回路1から出力された映像信号は、テストパターン切替部2に入力される。テストパターン切替部2は、セレクタ10によって映像信号20とテストパターン21のうち一方を選択して出力する。セレクタ10により選択されるテストパターン(位置調整用パターン)21は、複数のテストパターンによって構成されるテストパターン群22の中からテストパターン選択回路7によって選択される。テストパターン群22については後述する。
テストパターン切替部2からの出力は、表示素子駆動回路3に入力される。表示素子駆動回路3は、テストパターン切替部2からの出力信号(映像信号20又はテストパターン21)を表示素子4を駆動するのに適した信号形態に変換し、これを表示素子4に所定のタイミングで供給する。これにより、表示素子4には、映像信号20に対応した通常画像又はテストパターン21を含む調整用画像を原画として表示させる。
表示素子4に表示された原画からの光は、投射光学系5を介して被投射面であるスクリーン9に投射される。これにより、原画の拡大像である投射画像がスクリーン9に表示される。
投射光学系5は、ズーム機能およびフォーカス機能を有する。また、プロジェクタ30には、投射光学系5を上下左右にシフトさせるシフト機構を備えており、プロジェクタ30の向きや傾きを変えることなく画像の投射位置をシフトさせることができる。レンズ駆動回路6は、ユーザによるスイッチ操作や自動制御に応じたレンズ制御回路8からの命令に基づいて、ズーム機能、フォーカス機能およびシフト機構を動作させる。なお、ズーム機能、フォーカス機能およびシフト機構は、ユーザによるマニュアル操作によって動作するものであってもよい。
次に、スタック投射される画像の位置合わせ(位置調整)に際して用いられるテストパターンについて説明する。複数のテストパターンを含むテストパターン群22は、テストパターン切替部2内のメモリに格納されている。なお、以下に説明するテストパターンの形状、色および数は例に過ぎず、他の形状、色および数のテストパターンを用いてもよい。
図2Aの(a−1)〜(a−3)には、テストパターン群22に含まれる3つのテストパターン(基本となるテストパターン)を示す。各テストパターンは、表示素子4の1画素に相当する画素が縦方向に7個配列された縦線と、該画素が横方向に7個配列された横線とが十字状に交わった形状に形成されている。(a−1)に示すテストパターン1Rは赤色により表示され、(a−2)に示すテストパターン1Gは緑色により表示される。(a−3)に示すテストパターン1Bは青色により表示される。このように、各プロジェクタには、互いに異なる色で表示される3つのテストパターンが用意されている。そして、これら3つのテストパターンは、後述するように1画素単位で色の分布を表示することができる。
投射画像の位置合わせを行う際には、各プロジェクタは、これらのテストパターン1R,1G,1Bの中から他のプロジェクタと重複しない1つのテストパターンを選択する。ここでは、例として、プロジェクタ30が赤色(第2の色)のテストパターン(第2の位置調整用パターン)1Rを選択し、プロジェクタ31が緑色(第1の色)のテストパターン(第1の位置調整用パターン)1Gを選択した場合について説明する。プロジェクタ30はテストパターン1Rを含む調整用画像(第2の画像)をスクリーン9に投射し、プロジェクタ31はテストパターン1Gを含む調整用画像(第1の画像)をスクリーン9に投射する。
プロジェクタ30により投射された調整用画像がプロジェクタ31によって投射された調整用画像に対して完全に重なっている場合、つまりは特定投射位置に投射されている場合は、(b−1)に示すテストパターンが表示される。具体的には、テストパターン1Rとテストパターン1Gとが合成された、十字のすべてが黄色(第3の色)のテストパターンが表示される。この黄色のテストパターンは、黄色の1本の縦線と黄色の1本の横線とにより構成される。
プロジェクタ30により投射された調整用画像がプロジェクタ31により投射された調整用画像に対して1画素だけ下方向に位置する場合は、(b−2)に示すように、上側の緑色の横線と下側の赤色の横線とを有するテストパターンが表示される。このテストパターンでは、プロジェクタ30による画像投射位置のプロジェクタ31による画像投射位置に対する方向(ここでは下方向)に応じた緑色と赤色の分布が発生する。なお、この場合、縦線における上端1画素は緑色で表示され、下端1画素は赤色で表示され、それらの間の6画素は黄色で表示される。
プロジェクタ30により投射された調整用画像がプロジェクタ31により投射された調整用画像に対して1画素だけ右方向に位置する場合は、(b−3)に示すように、左側の緑色の縦線と右側の赤色の縦線とを有するテストパターンが表示される。このテストパターンでは、プロジェクタ30による画像投射位置のプロジェクタ31による画像投射位置に対する方向(ここでは右方向)に応じた緑色と赤色の分布が発生する。なお、この場合、横線における左端1画素は緑色で表示され、右端1画素は赤色で表示され、それらの間の6画素は黄色で表示される。
同様に、プロジェクタ30による画像投射位置がプロジェクタ31による画像投射位置に対して1画素だけ上方向および左方向に位置する場合はそれぞれ、(b−4)および(b−5)に示すような色の分布を有するテストパターンが表示される。また、プロジェクタ30による画像投射位置がプロジェクタ31による画像投射位置に対して2画素ずつ上方向と右方向に位置する場合には、(b−6)に示すような色の分布を有するテストパターンが表示される。さらに、プロジェクタ30による画像投射位置がプロジェクタ31による画像投射位置に対して2画素ずつ下方向と左方向に位置する場合には、(b−7)に示すような色の分布を有するテストパターンが表示される。
このように、プロジェクタ30による投射画像がプロジェクタ31による投射画像に対して完全に重なる特定投射位置にあれば、1本の縦線と1本の横線がすべて黄色のテストパターンが表示される。このテストパターンを見たユーザは、プロジェクタ30,31による投射画像が完全に重なり合っていることを確認することができる。
また、プロジェクタ30による投射画像がプロジェクタ31による投射画像に対して特定投射位置とは異なる(ずれた)投射位置にあれば、特定投射位置に対する該異なる投射位置の方向と差に応じた赤色と緑色の分布を持ったテストパターンが表示される。このテストパターンを見たユーザは、プロジェクタ30による画像投射位置のプロジェクタ31による画像投射位置のずれの方向と量を容易に認識することができる。したがって、ユーザは、すべてが黄色のテストパターンが表示されるようにプロジェクタ30による画像投射位置を簡単に調整することができる。
図2Bには、図2Aに示した基本となるテストパターンを、調整用画像の中央、右上、右下、左上および左下の5箇所に配置した例を示している。このような調整用画像を用いることで、プロジェクタ30による投射画像のプロジェクタ31による投射画像の上下方向と左右方向のずれに加えて、回転方向や拡大縮小方向のずれも色の分布によって表示することができる。
次に、図2Bに示した調整用画像を用いた画像投射位置合わせの手順(投射位置調整方法)について、図3Aおよび図3Bのフローチャートを用いて説明する。ここでは、プロジェクタ31をマスタープロジェクタとし、プロジェクタ30をスレーブプロジェクタとする。そして、マスタープロジェクタの画像投射位置を固定し、スレーブプロジェクタの画像投射位置を移動させて両プロジェクタ30,31による投射画像の位置合わせを行う。なお、図中の「PHASE」は、「ステップ」と同義である。
PHASE1では、プロジェクタ30にテストパターン1Rを含む調整用画像を投射させ、プロジェクタ31にテストパターン1Gを含む調整用画像を投射させる。
PHASE2では、ユーザは、画像中央に表示されたテストパターンの縦線と横線がすべて同一色(黄色)か以下かを判定する。同一色であれば、プロジェクタ30の投射画像が、プロジェクタ31の投射画像に対して、中央においては重なり合っているものとして、PHASE4に移行する。同一色でなければ、すなわち赤色と緑色の分布があれば、PHASE3に移行する。
PHASE3では、ユーザは、スレーブプロジェクタであるプロジェクタ30による画像投射位置を、中央のテストパターンの色の分布に基づいて上下方向又は左右方向に移動させる。画像投射位置の移動は、前述した投射光学系5のシフト機構を用いて行ってもよいし、プロジェクタ30の全体の向きを変える等して行ってもよい。
具体的には、図2Aの(b−2)のテストパターンが表示された場合はプロジェクタ30による画像投射位置を上方向に移動させる。(b−3)のテストパターンが表示された場合はプロジェクタ30による画像投射位置を左方向に移動させる。(b−4)のテストパターンが表示された場合はプロジェクタ30による画像投射位置を下方向に移動させる。(b−5)のテストパターンが表示された場合はプロジェクタ30による画像投射位置を右方向に移動させる。こうして画像投射位置を移動させた後は、PHASE2に戻り、再度、中央のテストパターンが同一色で表示されているか否かを確認する。
PHASE4では、ユーザは、四隅に表示されたテストパターンの縦線と横線がすべて同一色(黄色)か以下かを判定する。四隅に表示されたテストパターンのすべてが同一色で表示されていれば、プロジェクタ30の投射画像が、プロジェクタ31の投射画像に対して完全に重なり合っているものとして、PHASE6に移行する。四隅に表示されたテストパターンに赤色と緑色の分布があれば、PHASE5に移行する。中央のテストパターンは、PHASE3において両プロジェクタ30,31の投射画像が互いに重なり合っていることを示しているので、四隅に表示されたテストパターンに色の分布がある場合は、ズーム倍率(投射倍率)が一致していない場合である。
PHASE5では、ユーザは、四隅に表示されたテストパターンの赤色と緑色の分布に応じてプロジェクタ30のズーム倍率を変化させる。具体的には、例えば左下のテストパターンが図2Aの(b−6)に示すように表示されている場合は、プロジェクタ30のズーム倍率を拡大方向(広角方向)に変化させる。また、(b−7)に示すように表示されている場合は、プロジェクタ30のズーム倍率を縮小方向(望遠方向)に変化させる。
こうしてズーム倍率を変化させた後は、PHASE2に戻る。その後、ユーザは、PHASE4からPHASE6に移行するまでズーム倍率の調整を繰り返す。
PHASE6では、ユーザは、両プロジェクタ30,31による調整用画像の投射(テストパターンの表示)を解除する。
図4には、本発明の実施例2である画像投射装置(第1の画像投射装置および第2の画像投射装置)としてのプロジェクタの構成を示している。本実施例では、第2の画像投射装置であるプロジェクタ32により投射される画像(第2の画像)と第1の画像投射装置であるプロジェクタ33により投射される画像(第1の画像)とを互いに隣接するように並べて投射するマルチスクリーン投射を行う。
プロジェクタ32,33は同一構成および同一機能を有し、さらにプロジェクタ32において実施例1と共通する構成要素には実施例1と同じ符号を付して説明に代える。
上述した実施例1では、画像投射位置を移動させる方法として、投射光学系5をシフトさせるシフト機構を使用する例を説明したが、本実施例では、別の方法で画像投射位置を移動させる。すなわち、表示素子4に表示する原画のサイズを表示素子4の有効サイズより小さくし、該有効サイズの範囲内で原画の表示位置をシフトさせることで、画像投射位置を移動させる。この方法は、表示位置シフト制御回路11によって表示素子駆動回路3による表示素子4への原画の表示タイミングをずらすことによって実現される。
また、本実施例でも、2つのプロジェクタ32,32を含む画像投射システムについて説明するが、3つ以上のプロジェクタを含む画像投射システムを構成してもよい。
次に、マルチスクリーン投射される画像の位置合わせ(位置調整)に際して用いられるテストパターンについて説明する。実施例1と同様に、複数のテストパターンを含むテストパターン群22は、テストパターン切替部2内のメモリに格納されている。なお、以下に説明するテストパターンの形状、色および数は例に過ぎず、他の形状、色および数のテストパターンを用いてもよい。
図5Aの(a−1)〜(a−3)には、テストパターン群22に含まれる3つのテストパターン(基本となるテストパターン)を示す。各テストパターンは、表示素子4の1画素に相当する画素が縦方向に4個配列された縦線と、該画素が横方向に4個配列された横線とがL字状に交わった形状に形成されている。(a−1)に示すテストパターン2Rは赤色により表示され、(a−2)に示すテストパターン2Gは緑色により表示される。(a−3)に示すテストパターン2Bは青色により表示される。このように、各プロジェクタには、互いに異なる色で表示される3つのテストパターンが用意されている。そして、これら3つのテストパターンは、後述するように1画素単位で色の分布を表示することができる。
投射画像の位置合わせを行う際には、各プロジェクタは、これらのテストパターン2R,2G,2Bの中から他のプロジェクタと重複しない1つのテストパターンを選択する。ここでは、例として、プロジェクタ32が赤色(第2の色)のテストパターン(第2の位置調整用パターン)2Rを選択し、プロジェクタ33が緑色(第1の色)のテストパターン(第1の位置調整用パターン)2Gを選択した場合について説明する。プロジェクタ32はテストパターン2Rを含む調整用画像(第2の画像)をスクリーン9に投射し、プロジェクタ33はテストパターン2Gを含む調整用画像(第1の画像)をスクリーン9に投射する。
プロジェクタ32による投射画像(調整用画像)がプロジェクタ33による投射画像(調整用画像)に対して左右方向において隣接している場合は、図5Bの(b−1)に示すようなテストパターンが表示される。具体的には、テストパターン2Rの赤色の縦線とテストパターン2Gの緑色の縦線とが左右方向に並んだ赤色と緑色の分布が表示される。なお、テストパターン2Rの赤色の横線とテストパターン2Gの横線は、左右方向において直線状に延びる。
また、プロジェクタ32による投射画像がプロジェクタ33による投射画像に対して左右方向の端部の1画素のみで重なっている(一部が重なっている)場合、つまりは特定投射位置にある場合は、図5Bの(b−4)に示すようなテストパターンが表示される。具体的には、テストパターン2Rの縦線の赤色とテストパターン2Gの縦線の緑色とが合成された1本の黄色(第3の色)の縦線が表示される。なお、テストパターン2Rの赤色の横線とテストパターン2Gの横線は、間に黄色の1画素を挟んで左右方向に延びる。
本実施例では、図5Bの(b−1)に示す投射状態および(b−4)に示す投射状態のいずれを適正なマルチスクリーン投射の状態としてもよい。
プロジェクタ32による投射画像がプロジェクタ33による投射画像に対して左右方向において2画素以上離間していたり2画素以上の重なりを有していたりする場合はそれぞれ、図5Bの(b−2)および(b−3)に示すようなテストパターンが表示される。いずれの場合でも、離間方向およびその量や重なり方向およびその量に応じて2本の縦線による赤色と緑色の分布が表示される。
このように、本実施例では、プロジェクタ32による投射画像がプロジェクタ33による投射画像に対して左右方向において1画素のみで重なった特定投射位置にあれば、図5Bの(b−4)に示すように1本の縦線が黄色のテストパターンが表示される。このテストパターンを見たユーザは、プロジェクタ32,33による投射画像が左右方向において1画素のみで重なり合っていることを確認することができる。そして、この投射状態が適正なマルチスクリーン投射の状態であれば、左右方向の投射位置調整を終了することができる。
また、プロジェクタ32による投射画像がプロジェクタ33による投射画像に対して隣接していたり2画素以上離間又は重なりを有していたりすれば、つまりは特定投射位置とは異なる投射位置にあれば、赤色と緑色の分布を持ったテストパターンが表示される。この分布は、特定投射位置に対する該異なる投射位置の方向と差に応じた分布である。このテストパターンを見たユーザは、プロジェクタ32による画像投射位置のプロジェクタ33による画像投射位置に対する方向と差を容易に認識することができる。
次に、図5Aおよび図5Bに示したテストパターンを含む調整用画像を用いた画像投射位置合わせの手順(投射位置調整方法)方法について、図6Aおよび図6Bのフローチャートを用いて説明する。ここでは、プロジェクタ33をマスタープロジェクタとし、プロジェクタ32をスレーブプロジェクタとする。そして、マスタープロジェクタの画像投射位置を固定し、スレーブプロジェクタの画像投射位置を移動させて両プロジェクタ32,33による投射画像の位置合わせを行う。なお、図中の「PHASE」は、「ステップ」と同義である。また、ここでは、図5Bの(b−1)に示したように、両プロジェクタ32,33による投射画像が互いに隣接した状態を適正なマルチスクリーン投射の状態とする。
PHASE1では、プロジェクタ32にテストパターン2Rを含む調整用画像を投射させ、プロジェクタ33にテストパターン2Gを含む調整用画像を投射させる。
PHASE2では、ユーザは、両調整用画像の隣接部分において、テストパターン2R,2Gの横線が、図5Aの(b−0)に示すように一直線状に並んでいるか否かを判定する。一直線状に並んでいる場合は上下方向の投射サイズと投射位置は適正であるとしてPHASE4に移行する。一直線状に並んでいない場合は、PHASE3に移行する。
PHASE3では、ユーザは、投射光学系5のズーム倍率(投射倍率)と表示素子4における原画の表示位置の上下方向のシフトによって、テストパターン2R,2Gの横線が一直線状に並ぶまで調整を行う。
PHASE4では、ユーザは、両調整用画像の隣接部分において、図5Bの(b−1)に示すように、テストパターン2R,2Gの赤色と緑色の縦線がそれぞれ右側と左側に隣接した状態で並んでいるか否かを判定する。(b−1)に示すように並んでいれば、投射位置が適正であるとしてPHASE6に移行する。(b−1)に示すように並んでいなければ、PHASE5に移行する。
PHASE5では、ユーザは、スレーブプロジェクタであるプロジェクタ32の画像投射位置を、表示素子4における原画の表示位置の左右方向のシフトによって同方向に移動させる。移動させる方向は、隣接部分のテストパターンの表示(縦線の赤色と緑色の分布)によって決める。具体的には、図5Bの(b−2)に示すテストパターンが表示されているときは画像投射位置を1画素分、左方向に移動させ、(b−3)に示すテストパターンが表示されているときは画像投射位置を2画素分、右方向に移動させる。また、(b−4)に示すテストパターンが表示されているときは画像投射位置を1画素分、右方向に移動させる。こうしてプロジェクタ32による画像投射位置を調整した後、ユーザは、再度PHASE4に移行し、隣接部分のテストパターンを確認する。
PHASE6では、ユーザは、両プロジェクタ32,33による調整用画像の投射(テストパターンの表示)を解除する。
なお、以上と同様な画像投射位置調整は、上下方向にて隣接する投射画像に対して行うこともできる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
スタック投射やマルチスクリーン投射を行うために複数の画像投射装置により投射された複数の画像の位置合わせを容易に行える画像投射装置を提供できる。
1 映像信号処理回路
2 テストパターン切替部
3 表示素子駆動回路
4 表示素子
5 投射光学系(投射レンズ)
7 テストパターン選択回路
8 レンズ制御回路
9 スクリーン
10 セレクタ
11 表示位置シフト制御回路

Claims (6)

  1. 第1の画像を投射する第1の画像投射装置および第2の画像を投射する第2の画像投射装置として用いられる画像投射装置であって、
    前記第1の画像投射装置として用いられる場合に、第1の色で表示される第1の位置調整用パターンを含む画像を前記第1の画像として投射し、
    前記第2の画像投射装置として用いられる場合に、前記第1の色とは異なる第2の色で表示される第2の位置調整用パターンを含む画像を前記第2の画像として投射し、
    前記第2の画像が前記第1の画像に対して少なくとも一部が重なる特定投射位置とは異なる投射位置に投射されている場合に前記特定投射位置に対する前記異なる投射位置の方向を前記第1および第2の位置調整用パターンにおける前記第1および第2の色の分布によって表示し、前記第2の画像が前記特定投射位置に投射されていることを前記第1および第2の位置調整用パターンにおける前記第1および第2の色が合成された第3の色によって表示することを特徴とする画像投射装置。
  2. 前記第1および第2の位置調整用パターンは、1画素単位で前記第1および第2の色の分布を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像投射装置。
  3. 第1の画像を投射する第1の画像投射装置および第2の画像を投射する第2の画像投射装置を含む画像投射システムであって、
    前記第1の画像投射装置は、第1の色で表示される第1の位置調整用パターンを含む画像を前記第1の画像として投射し、
    前記第2の画像投射装置は、前記第1の色とは異なる第2の色で表示される第2の位置調整用パターンを含む画像を前記第2の画像として投射し、
    前記第2の画像が前記第1の画像に対して少なくとも一部が重なる特定投射位置とは異なる投射位置に投射されている場合に前記特定投射位置に対する前記異なる投射位置の方向を前記第1および第2の位置調整用パターンにおける前記第1および第2の色の分布によって表示し、前記第2の画像が前記特定投射位置に投射されていることを前記第1および第2の位置調整用パターンにおける前記第1および第2の色が合成された第3の色によって表示することを特徴とする画像投射システム。
  4. 前記第1および第2の位置調整用パターンは、1画素単位で前記第1および第2の色の分布を表示することを特徴とする請求項3に記載の画像投射システム。
  5. 第1の画像投射装置により投射される第1の画像に対する第2の画像投射装置により投射される第2の画像の投射位置を調整するための投射位置調整方法であって、
    前記第1の画像投射装置に、第1の色で表示される第1の位置調整用パターンを含む画像を前記第1の画像として投射させるステップと、
    前記第2の画像投射装置に、前記第1の色とは異なる第2の色で表示される第2の位置調整用パターンを含む画像を前記第2の画像として投射させるステップと、
    前記第2の画像が前記第1の画像に対して少なくとも一部が重なる特定投射位置とは異なる投射位置に投射されている場合に前記特定投射位置に対する前記異なる投射位置の方向を前記第1および第2の位置調整用パターンにおける前記第1および第2の色の分布によって表示し、前記第2の画像が前記特定投射位置に投射されていることを前記第1および第2の位置調整用パターンにおける前記第1および第2の色が合成された第3の色によって表示するステップとを有することを特徴とする投射位置調整方法。
  6. 前記第1および第2の位置調整用パターンは、1画素単位で前記第1および第2の色の分布を表示することを特徴とする請求項5に記載の投射位置調整方法。
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