本発明は、短波長の可視光を発するLEDと、その可視光を吸収し、吸収した波長より長波長の蛍光を発する蛍光体とを有する、白色または中間色を発する発光装置の製造方法に関する。
近年、青色の発光ダイオード(LED)にYAG:Ceなどの黄色蛍光体を組合せ、単一のチップで白色光を発する、いわゆる白色LEDに注目が集まっている。従来、LEDは赤色、緑色、青色と単色で発光するものであり、白色または中間色を発するためには、単色の波長を発する複数のLEDを用いてそれぞれ駆動しなければならなかった。しかし、現在では、発光ダイオードと、蛍光体とを組合せることにより、上述の煩わしさを排し、簡便な構造によって白色光を得ることができるようになっている。
また、実装基板にLEDチップを多数個実装するとともに、青色のLEDチップの実装部位に、青色のLEDチップからの青色系の光を吸収して黄色系の光を発する蛍光体を分散保持させた透光性樹脂を用いて形成される凸レンズを設けた構成の発光装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載の発光装置においては、樹脂に対する蛍光体の配合比率が予め決定されているので、LEDチップの発光波長に応じて蛍光体の配合比率を調整することができないため、発光色のばらつきを低減することができない。
発光色のばらつきを低減するために、LEDチップの発光波長に応じて、蛍光体の配合量を変えて分散させた透光性の樹脂を用いてドーム状に成型した色変換部材をレンズの上側から被せるように構成した発光装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この特許文献2に記載の発光装置においては、レンズと色変換部材との間に空気層を設けているため、レンズと蛍光体を含有した色変換部材の界面での全反射などによる光の損失が避けられず、高輝度の光を高い発光効率で出力するのは難しいと考えられる。さらに、空気層が存在すると、樹脂および蛍光体の光による透過率および発光効率の劣化も避けられない。
そこで、空気層を含まずにLEDチップと蛍光体層を実装する構造として、高輝度の光を高い発光効率で出力する発光装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3に記載の発光装置は、半導体発光素子を搭載する平面を有する基板と、上記基板の上記平面に搭載され、紫外光から可視光までの範囲内の光を放出する半導体発光素子と、この半導体発光素子を覆って上記基板上に設けられた第1の光透過性層と、この第1の光透過性層の上に設けられ、上記基板の上記平面に達する端部を有し、蛍光体と基材とを含む蛍光体層と、この蛍光体層の上に設けられ、上記基板の上記平面に達する端部を有する第2の光透過性層をドーム状に多層塗布した構造を有している。しかし、この特許文献3に記載の発光装置は、平面状の実装基板からなっている。このため、照射パターンに、特別な分布をもたせることが難しいという問題があった
特開2001−148514号公報
特許第3941826号公報
特開2007−273562号公報
前述したように、従来の白色光を出力することのできる発光装置は、レンズと色変換部材との間に空気層を設けているため、レンズと蛍光体を含有した色変換部材の界面での全反射などによる光の損失が避けられず、高輝度の光を高い発光効率で出力するのは難しい。さらに、空気層が存在すると、樹脂の透過率および蛍光体の発光効率の劣化も生じる可能性もある。また、LEDの実装基板が平板であるため、照射パターンに特別な分布をもたせることが難しいという問題がある。
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、照射パターンに特別な分布をもたせることが可能で、樹脂の透過率および蛍光体の発光効率の劣化を可及的に抑制し、高輝度の光を可及的に高い発光効率で出力することのできる発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様による発光装置の製造方法は、基板の表面に設けられた複数の凹部内にそれぞれ、青色光もしくは近紫外光を発生する発光素子を樹脂で封止する工程と、前記発光素子から発生される光を透過する複数の第1領域を有しかつ変形可能な樹脂シートの、前記第1領域上にそれぞれ、前記発光素子から発生される光を透過する第1透過層を半球状に形成する工程と、前記発光素子から発生される光を波長の異なる光に変換する蛍光体と、前記発光素子から発生される光を透過する透過材とを有し、かつ端部が前記樹脂シートの上面に達するように前記第1透過層をそれぞれ覆う色変換層を形成する工程と、端部が前記樹脂シートの上面に達するように前記色変換層をそれぞれ覆い、前記発光素子から発生される光を透過する第2透過層を形成し、前記樹脂シートの前記第1領域上にそれぞれ前記第1透過層、前記色変換層、および前記第2透過層が積層された略半球状の積層膜を形成する工程と、略半球状の前記積層膜が形成された前記樹脂シートを前記基板と張り合わせ、略半球状の前記積層膜がそれぞれ前記発光素子上に位置するようにする工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、照射パターンに特別な分布をもたせることが可能で、樹脂の透過率および蛍光体の発光効率の劣化を可及的に抑制し、高輝度の光を可及的に高い発光効率で出力することができる。
本発明の実施形態を以下に、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による発光装置の断面を図1に示す。本実施形態の発光装置は、平面型の基板1に実装された複数の励起光源用青色LEDチップ10を有している。基板1には、複数の凹部3が設けられている。各LEDチップ10は、基板1の凹部3内に配置される。凹部3内のLEDチップ10は、ワイヤー13を介して図示しない配線に接続されている。そして、この配線を介して外部から駆動電流がLEDチップ10に供給されることにより、LEDチップ10が励起用の青色光を発生する。このLEDチップ10は、凹部3内に透明な樹脂15によって封止されている。そして、LEDチップ10の真上の、樹脂15上の領域を覆うように変形可能な透明な樹脂シート17が設けられている。樹脂シート17が設けられた領域以外の基板1上には、Ag微粒子もしくは酸化チタン微粒子などの近紫外から可視域の光を反射する材料が樹脂に分散された反射層19が設けられている。また、樹脂シート17上には、半球形状の透明な樹脂層21が設けられている。この半球形状の樹脂層21の半球の中心が、LEDチップ10の上面に略垂直となる、LEDチップ10の中心線上に略位置するように樹脂層21が形成される。この半球形状の樹脂層21を覆うように、LEDチップ10から発生された青色光を吸収して黄色光に変換する蛍光体が透明な樹脂中に分散された色変換層23が設けられている。また、この色変換層23を覆うように透明な樹脂層25が設けられている。この樹脂層25の外表面は大気(空気)に接しており、この樹脂層25は、LEDチップ10から発生される青色光および色変換層23からの黄色光が、大気との界面となる上記外表面で全反射されることを抑制する機能を有している。樹脂層21、色変換層23、および樹脂層25からなる3層構造の積層膜は、半球の形状を有している。
本実施形態の発光装置においては、LEDチップ10に電流を流すと、樹脂層25から出力される光は、LEDチップ10から発生され、樹脂層21、色変換層23、および樹脂層25を通過した青色光と、色変換層23からの黄色光とが合わさった白色光となる。
このように、構成された本実施形態の発光装置においては、LEDチップ10から発生される青色光を透過する樹脂層21、この青色光を黄色光に変換する蛍光体が透明な樹脂中に分散された色変換層23、および大気との界面となる外表面で上記青色光および黄色光が全反射されるのを抑制する機能を有する樹脂層25からなる積層構造が、樹脂シート17上に半球形状に形成されているので、発光色のばらつきや、見る角度による色合いが異なることを抑制することができるとともにLEDチップ10からの励起光を集光することが可能となり、光取り出し効率を高めることができる。また、各層間に空気層が介在するのを抑制することが可能となり、樹脂の透過率および蛍光体の発光効率の劣化を可及的に抑制することができる。
そして、本実施形態の発光装置においては、樹脂層21、色変換層23、および樹脂層25からなる半球状の積層構造が形成された以外の領域には、近紫外から可視域の光を反射する材料が樹脂に分散された反射層19が設けられていること、および樹脂層25が大気との界面となる外表面で上記青色光および黄色光が全反射されるのを抑制する機能を有していることにより、高輝度の光を可及的に高い発光効率で出力することが可能となる。なお、反射層19に更に放熱フィラーを分散させれば、放熱性を向上させることができる。
更に、後述する第2乃至第4実施形態で説明するように、樹脂層21、色変換層23、および樹脂層25からなる半球状の積層構造が樹脂シート17上に設けた構成を有しているので、基板1の形状は平面に限らず、曲面上にも上記積層構造を形成することが可能となり、照射パターンに特別な分布をもたせることができる。
次に、本実施形態に用いられる青色光を発生するLEDチップ10の具体例を以下に説明する。まず、第1具体例のLEDチップを図2に示す。この第1具体例のLEDチップ10は、サファイア基板100上に、バッファ層102、n型GaN層104、n型AlGaN層106、InGaN系の活性層108、p型AlGaN層110、およびp型GaN層112が、この順序で積層された積層構造を有している。そして、p型GaN層112上にp側電極114が設けられ、p型GaN層112、p型AlGaN層110、InGaN系の活性層108、およびn型AlGaN層106の積層構造の一部をエッチングにより除去するとともに、n型GaN層104の一部をエッチングにより除去することにより、凹部を形成し、この凹部の底に露出したn型GaN層104上にn側電極116が設けられた構成となっている。すなわち、本具体例のLEDチップ10は、電極面が上向きのフェースアップ型であり、電流はp側電極114から、p型GaN層112、p型AlGaN層110、InGaN系の活性層108、n型AlGaN層106、およびn型GaN層104を通ってn側電極116に流れる。
また、第2具体例のLEDチップ10を図3に示す。この第2具体例のLEDチップ10は、サファイア基板100上に形成されるが、電極面が下向きとなっている。すなわち、図2に示す第1具体例のLEDチップ10の上下を逆にし、p側電極114およびn側電極116を例えばAuからなるバンプ120を介して、表面に金属からなる配線層132a、132bが形成されたメタライズ実装基板130上に載置した構成を有している。
また、第3具体例のLEDチップ10を図4に示す。この第3具体例のLEDチップ10は、図2に示す第1具体例のLEDチップ10において、サファイア基板100をシリコン基板101Aに置き換えた構成を有している。すなわち、シリコン基板101A上に、バッファ層102、n型GaN層104、n型AlGaN層106、InGaN系の活性層108、p型AlGaN層110、およびp型GaN層112が、この順序で積層された積層構造を有している。そして、p型GaN層112上にp側電極114が設けられ、p型GaN層112、p型AlGaN層110、InGaN系の活性層108、およびn型AlGaN層106の積層構造の一部をエッチングにより除去するとともに、n型GaN層104の一部をエッチングにより除去することにより、凹部を形成し、この凹部の底に露出したn型GaN層104上にn側電極116が設けられた構成となっている。
また、第4具体例のLEDチップ10を図5に示す。この第4具体例のLEDチップ10は、p型シリコン基板101B上に、バッファ層102A、p型GaN層112、p型AlGaN層110、InGaN系の活性層108、n型AlGaN層106、およびn型GaN層104が、この順序で積層された積層構造を有している。そして、n型GaN層104上にはn側電極116が設けられ、p型シリコン基板に対してバッファ層102Aと反対側にp側電極114が設けられた構成となっている。
次に、本実施形態の複数のLEDチップ10の接続の一具体例を図6に示す。この具体例の接続回路は、それぞれが4個のLEDチップ10が並列に接続された第1乃至第4並列回路を、直列に接続した構成、4直列4並列回路となっている。入力端子35から入力された電流は、例えばCuからなる配線40を通って第1並列回路、第2並列回路、第3並列回路、および第4並列回路の順に流れ、その後、出力端子37を介して外部に流れる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による発光装置を図7に示す。本実施形態の発光装置は、図1に示す第1実施形態の発光装置において、平面型の基板1を凹曲面型の基板1Aに置き換えた構成となっている。この凹曲面型の基板1Aの凹曲面側に複数の凹部3が設けられており、この凹部3内に各LEDチップ10が樹脂封止された構成となっている。そして、LEDチップ10の真上の、樹脂15上の領域を覆うように変形可能な透明な樹脂シート17が設けられている。樹脂シート17が設けられた領域以外の基板1上には、Ag微粒子もしくは酸化チタン微粒子などの近紫外から可視域の光を反射する材料が樹脂に分散された反射層19が設けられている。また、樹脂シート17上には、半球形状の透明な樹脂層21が設けられている。この半球形状の樹脂層21の半球の中心が、LEDチップ10の上面に略垂直となる、LEDチップ10の中心線上に略位置するように樹脂層21が形成される。この半球形状の樹脂層21を覆うように、LEDチップ10から発生された青色光を吸収して黄色光に変換する蛍光体が透明な樹脂中に分散された色変換層23が設けられている。また、この色変換層23を覆うように透明な樹脂層25が設けられている。この樹脂層25の外表面は大気(空気)に接しており、この樹脂層25は、LEDチップ10から青色光および色変換層23からの黄色光が、大気との界面となる上記外表面で全反射されることを抑制する機能を有している。樹脂層21、色変換層23、および樹脂層25からなる3層構造の積層膜は、半球の形状を有している。
この第2実施形態の発光装置も第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による発光装置を図8に示す。本実施形態の発光装置は、図1に示す第1実施形態の発光装置において、平面型の基板1を凸曲面型の基板1Bに置き換えた構成となっている。この凸曲面型の基板1Bの凸曲面側に複数の凹部3が設けられており、この凹部3内に各LEDチップ10が樹脂封止された構成となっている。そして、LEDチップ10の真上の、樹脂15上の領域を覆うように変形可能な透明な樹脂シート17が設けられている。樹脂シート17が設けられた領域以外の基板1上には、Ag微粒子もしくは酸化チタン微粒子などの近紫外から可視域の光を反射する材料が樹脂に分散された反射層19が設けられている。また、樹脂シート17上には、半球形状の透明な樹脂層21が設けられている。この半球形状の樹脂層21の半球の中心が、LEDチップ10の上面に略垂直となる、LEDチップ10の中心線上に略位置するように樹脂層21が形成される。この半球形状の樹脂層21を覆うように、LEDチップ10から発生された青色光を吸収して黄色光に変換する蛍光体が透明な樹脂中に分散された色変換層23が設けられている。また、この色変換層23を覆うように透明な樹脂層25が設けられている。この樹脂層25の外表面は大気(空気)に接しており、この樹脂層25は、LEDチップ10からの青色光および色変換層23から発せられる黄色光が、大気との界面となる上記外表面で全反射されることを抑制する機能を有している。樹脂層21、色変換層23、および樹脂層25からなる3層構造の積層膜は、半球の形状を有している。
この第3実施形態の発光装置も第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による発光装置を図9に示す。本実施形態の発光装置は、図1に示す第1実施形態の発光装置において、平面型の基板1を円筒型の基板1Cに置き換えた構成となっている。この円筒型の基板1Cの外曲面側に複数の凹部3が設けられており、この凹部3内に各LEDチップ10が樹脂封止された構成となっている。そして、LEDチップ10の真上の、樹脂15上の領域を覆うように変形可能な透明な樹脂シート17が設けられている。樹脂シート17が設けられた領域以外の基板1上には、Ag微粒子もしくは酸化チタン微粒子などの近紫外から可視域の光を反射する材料が樹脂に分散された反射層19が設けられている。また、樹脂シート17上には、半球形状の透明な樹脂層21が設けられている。この半球形状の樹脂層21の半球の中心が、LEDチップ10の上面に略垂直となる、LEDチップ10の中心線に略位置するように樹脂層21が形成される。この半球形状の樹脂層21を覆うように、LEDチップ10から発生された青色光を吸収して黄色光に変換する蛍光体が透明な樹脂中に分散された色変換層23が設けられている。また、この色変換層23を覆うように透明な樹脂層25が設けられている。この樹脂層25の外表面は大気(空気)に接しており、この樹脂層25は、色変換層23からの黄色光が、大気との界面となる上記外表面で全反射されることを抑制する機能を有している。樹脂層21、色変換層23、および樹脂層25からなる3層構造の積層膜は、半球の形状を有している。
この第4実施形態の発光装置も第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
第1乃至第4実施形態に用いられる基板は、平面型、凹曲面型、凸曲面型、円筒型であった。平面型以外の形状の基板の場合には、直接、印刷などの手法で、蛍光体塗布をすることは困難である。そこで、上記第1乃至第4実施形態のような変形可能な樹脂シート17を用い、この樹脂シート17上に、樹脂層21、色変換層23、および樹脂層25からなる半球状の3層構造の積層膜を複数個予め形成しておく。そして、基板の凹部にLEDチップ10を樹脂封止しておき、このLEDチップ10が凹部に樹脂封止された基板と、上述した積層膜が予め形成された樹脂シート17を貼り合わせる製造方法を用いれば、平面型、凹曲面型、凸曲面型、円筒型の基板ばかりでなく、それ以外の各種形状の基板にも適用することができる。
上記第1乃至第4実施形態に用いられる、例えば、樹脂層21、色変換層23、および樹脂層25からなる半球状の3層構造の積層膜の製造方法としては、励起用光源側から蛍光波長の長い順に蛍光体が分散された樹脂層を積層させることができるのであれば、どのような方法を用いてもよい。より好適な製造方法を以下に説明する。
第1の方法は、真空印刷などの方法で上記と同様に蛍光体が分散された樹脂を用意し、一層ごとに厚みを制御しながら塗布、乾燥、硬化を順次繰り返して行う方法で、第1乃至第4実施形態の発光装置を製造することができる。
第2の方法は、異なる蛍光体について発光色ごとに例えばシリコーンなどのバインダー樹脂に分散し、この蛍光体含有樹脂を、ディスペンサを用いて、厚み制御しながら、一層ごとに塗布、乾燥を行うことで、第1乃至第4実施形態のような発光装置を製造することができる。
上記第1実施形態の発光装置は、いずれも、青色LEDと、緑色蛍光体および赤色蛍光体が分散された樹脂との組合せを用いた発光装置に適用することができる。また、青色LEDと、複数種類の蛍光体が分散された樹脂との組み合わせを用いた発光装置にも同様に適用することができる。
次に、本発明の実施例1による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたCuメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分にはAgの微粒子が分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。
次に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された樹脂層23を、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚で半球状に2回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。これにより、樹脂層21および樹脂層23の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が2回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、2回目の印刷工程で塗布された樹脂層を均一な層厚で覆うように、3回目の印刷工程により形成する。この印刷工程により、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25が形成される。その後、150℃で30分保持することにより、常圧で乾燥させて、3回目の印刷工程で塗布された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、樹脂層23、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
(比較例1)
比較例1として、図10に示す発光装置を作製した。この比較例1の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板200上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、LEDチップ10を覆うように、シリケート系黄色蛍光体を分散させた樹脂層23を半球状となるように塗布する。すなわち、この比較例1の樹脂層は半球状ではあるが、本実施例と異なり、3層積層構造ではなく、樹脂層23のみからなっている。
(比較例2)
比較例2として、図11に示す発光装置を作製した。この比較例2の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板200上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、透明樹脂層21、黄色蛍光体を含有する樹脂層23、透明樹脂層25の3層構造の樹脂積層膜を基板200の全面に均一な層となるように形成する。この比較例2は、本実施例と同様に3層積層構造の樹脂積層膜を有しているが、形状が本実施例と異なり半球状ではない。
このようにして得られた、実施例1、比較例1、および比較例2による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流でそれぞれの発光装置を駆動した時、発光色の色度座標は、実施例1、比較例1、および比較例2とも白色を示す(0.32,0.32)、(0.32,0.32)と(0.34,0.35)であった。しかし、実施例1においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率は500(lm)および38(lm/W)であった。これに対して、比較例1においては、色がずれた部分が見られ、その光束および発光効率は400(lm)および30(lm/W)であった。さらに、比較例2においては、LEDチップ近傍は白色であるが、各LED間は黄色の発光を示した色ずれ部分が見られ、その光束および発光効率はそれぞれ450(lm)および34(lm/W)であった。
上記実験結果からわかるように、本実施例によれば、色ずれが少なく、高輝度、高効率の平面型の発光装置が得られる。本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例2による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分にはAgの微粒子が分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。
次に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された樹脂層23を、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚で半球状に2回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。これにより、樹脂層21、および樹脂層23の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が2回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、2回目の印刷工程で塗布された樹脂層23を均一な層厚で覆うように、3回目の印刷工程で形成する。この印刷工程によって、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25が形成される。その後、150℃で30分保持することにより、常圧で乾燥させて、3回目の印刷工程で塗布された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、樹脂層23、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
このようにして得られた、実施例2の発光装置を電流800mAで駆動した時の発光色の色度座標は、白色を示す(0.32,0.32)で、その光束および発光効率はそれぞれ500(lm)および38(lm/W)であった。この発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例3による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlNベースのメタライズ基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分にはAgの微粒子が分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂21が塗布された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。
次に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された樹脂層23を、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚で半球状に2回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。これにより、樹脂層21、および樹脂層23の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が2回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、2回目の印刷工程で形成された樹脂層23を半球状に均一な層厚で覆うように、3回目の印刷工程で形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分保持することにより、常圧で乾燥させて、3回目の印刷工程で塗布された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、樹脂層23、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
このようにして得られた、実施例3の発光装置を電流800mAで駆動した時の発光色の色度座標は、白色を示す(0.32,0.32)で、その光束および発光効率はそれぞれ450(lm)および34(lm/W)であった。この発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例4による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlNベースのメタライズ基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をAu−Snペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分にはAgの微粒子が分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。
次に、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚でとなるように形成する。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、上記赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚で形成する2回目の印刷工程を行う。常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。さらに、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、上記黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、シリコーン樹脂に緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚で形成する3回目の印刷工程を行う。各層毎に樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。この工程により、赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層、黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層、および緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層からなる積層構造の蛍光体樹脂膜が形成される。これにより、樹脂層21、および蛍光体樹脂膜の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が3回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、2回目の印刷工程で塗布された樹脂膜を半球状に均一な層厚で覆うように、4回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分保持することにより、常圧で乾燥させて、3回目の印刷工程で形成された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、蛍光体樹脂膜、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
このようにして得られた、実施例4の発光装置を電流800mAで駆動した時の発光色の色度座標は、白色を示す(0.32,0.32)で、その光束および発光効率はそれぞれ450(lm)および34(lm/W)であった。この発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例5による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたCuベースのメタルと絶縁層との積層基板である凹曲面型の実装基板1Aの複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱性のフィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分硬化させる。
次に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にガーネット系黄色蛍光体が分散された樹脂層23を、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚で半球状に2回目の印刷工程を行う。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。これにより、樹脂層21および樹脂層23の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が2回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、2回目の印刷工程で形成された樹脂層を半球状に均一な層厚で覆うように、3回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分保持することにより、常圧で乾燥させて、3回目の印刷工程で塗布された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、樹脂層23、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記凹曲面型の実装基板1Aと張り合わせて、図7に示す発光装置を作製した。
(比較例3)
比較例3として、図10に示す発光装置の平面型基板1を凹曲面型基板1Aに置き換えた発光装置を作製した。すなわち、この比較例3の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuベースのメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1A上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、LEDチップ10を覆うように、ガーネット系黄色蛍光体を分散させた樹脂層23を半球状となるように形成する。すなわち、この比較例3は、樹脂層の形状が半球状であるが、本実施例と異なり、3層積層構造ではなく、樹脂層23のみからなっている。
(比較例4)
比較例4として、図11に示す発光装置の平面型基板1を凹曲面型基板1Aに置き換えた発光装置を作製した。この比較例4の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuベースのメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1A上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、透明樹脂層21、ガーネット系黄色蛍光体を含有する樹脂層23、透明樹脂層25の3層構造の樹脂積層膜を基板200の全面に均一な層となるように形成する。この比較例4は、本実施例と同様に、3層積層構造の樹脂積層膜を有しているが、形状が本実施例と異なり半球状ではない。
このようにして得られた、実施例5、比較例3、および比較例4による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流でそれぞれの発光装置を駆動した時、発光色の色度座標は、実施例5、比較例3、および比較例4とも白色を示す(0.31,0.32)、(0.31,0.32)と(0.33,0.34)であった。しかし、実施例5においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率は480(lm)および36(lm/W)であった。これに対して、比較例3においては、色がずれた部分が見られ、その光束および発光効率は400(lm)および30(lm/W)であった。さらに、比較例4においては、LEDチップ近傍は白色であるが、各LED間は黄色の発光を示した色ずれ部分が見られ、その光束および発光効率はそれぞれ450(lm)および34(lm/W)であった。
また、本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。さらに、基板を凹曲面型にすることにより、配光パターンがより中央部に向かったスポット照明向きの特長をもたせることができた。
次に、本発明の実施例6による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたCuベースのメタルと絶縁層との積層基板である凸曲面型の実装基板1Aの複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱性のフィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。
次に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にガーネット系黄色蛍光体が分散された樹脂層23を、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚で2回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。これにより、樹脂層21および樹脂層23の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が2回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、2回目の印刷工程で形成された樹脂層23を均一な層厚で覆うように、3回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分保持することにより、常圧で乾燥させて、3回目の印刷工程で塗布された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、樹脂層23、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記凸曲面型の実装基板1Bと張り合わせて、図8に示す発光装置を作製した。
(比較例5)
比較例5として、図10に示す発光装置の平面型基板1を凸曲面型基板1Bに置き換えた発光装置を作製した。すなわち、この比較例5の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuベースのメタルと絶縁層との積層基板である凸曲面型の実装基板1B上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、LEDチップ10を覆うように、ガーネット系黄色蛍光体を分散させた樹脂層23を半球状となるように形成する。すなわち、この比較例5の樹脂層は半球状ではあるが、本実施例と異なり、3層積層構造ではなく、樹脂層23のみからなっている。
(比較例6)
比較例6として、図11に示す発光装置の平面型基板1を凸曲面型基板1Bに置き換えた発光装置を作製した。この比較例6の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuベースのメタルと絶縁層との積層基板である凸曲面型の実装基板1B上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、透明樹脂層21、ガーネット系黄色蛍光体を含有する樹脂層23、透明樹脂層25の3層構造の樹脂積層膜を基板1Bの全面に均一な層となるように形成する。この比較例6は、本実施例と同様に3層積層構造の樹脂積層膜を有しているが、形状が本実施例と異なり半球状ではない。
このようにして得られた、実施例6、比較例5、および比較例6による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流でそれぞれの発光装置を駆動した時、発光色の色度座標は、実施例6、比較例5、および比較例6とも白色を示す(0.32,0.32)、(0.32,0.32)と(0.34,0.35)であった。しかし、実施例6においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率は480(lm)および36(lm/W)であった。これに対して、比較例5においては、色がずれた部分が見られ、その光束および発光効率は400(lm)および30(lm/W)であった。さらに、比較例6においては、LEDチップ近傍は白色であるが、各LED間は黄色の発光を示した色ずれ部分が見られ、その光束および発光効率はそれぞれ450(lm)および34(lm/W)であった。
また、本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。さらに、基板を凸曲面型にすることにより、配光性を、より分散させた照明向きの特長をもたせることができた。
次に、本発明の実施例7による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたCuベースのメタルと、絶縁層との積層基板である円筒型の実装基板1Cの複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分にはAgの微粒子が分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を用意する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されているディスペンサを用いて、上記樹脂シート17上に、シリコーン系透明樹脂21を半球状となるように、大気中、常圧の雰囲気中において、150℃で加熱しながら塗布する。このとき、真上方向の厚みと真横方向の厚みとの比が略1:1となる半球形状に塗布する。樹脂層21が塗布された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で10分から90分保持することにより、常圧乾燥させる。
次に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された樹脂層23を、ディスペンサを用いて、半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚で塗布する。この塗布工程は、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で加熱しながら行う。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で10分から90分保持することにより常圧乾燥させる。これにより、樹脂層21および樹脂層23の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、ディスペンサを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、樹脂層23を均一な層厚で覆うように塗布する。なお、この塗布工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように行う。また、この塗布工程は、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で加熱しながら行う。その後、150℃で10分から90分保持することにより、常圧で乾燥させて、樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、樹脂層23、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記円筒型の実装基板1Cと張り合わせて、図9に示す発光装置を作製した。
(比較例7)
比較例7として、図10に示す発光装置の平面型基板1を円筒型基板1Cに置き換えた発光装置を作製した。すなわち、この比較例7の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuベースのメタルと絶縁層との積層基板である円筒型の実装基板1C上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、LEDチップ10を覆うように、ガーネット系黄色蛍光体を分散させた樹脂層23を半球状となるように形成する。すなわち、この比較例7の樹脂層は半球状ではあるが、本実施例と異なり、3層積層構造ではなく、樹脂層23のみからなっている。
(比較例8)
比較例8として、図11に示す発光装置の平面型基板1を円筒型基板1Cに置き換えた発光装置を作製した。この比較例8の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuベースのメタルと絶縁層との積層基板である円筒型の実装基板1C上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、透明樹脂層21、ガーネット系黄色蛍光体を含有する樹脂層23、透明樹脂層25の3層構造の樹脂積層膜を基板1Cの全面に均一な層となるように形成する。この比較例8は、本実施例と同様に3層積層構造の樹脂積層膜を有しているが、形状が本実施例と異なり半球状ではない。
このようにして得られた、実施例7、比較例7、および比較例8による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流でそれぞれの発光装置を駆動した時、発光色の色度座標は、実施例7、比較例7、および比較例8とも白色を示す(0.32,0.32)、(0.32,0.32)と(0.34,0.35)であった。しかし、実施例7においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率は490(lm)および37(lm/W)であった。これに対して、比較例7においては、色がずれた部分が見られ、その光束および発光効率は400(lm)および30(lm/W)であった。さらに、比較例8においては、LEDチップ近傍は白色であるが、各LED間は黄色の発光を示した色ずれ部分が見られ、その光束および発光効率はそれぞれ450(lm)および34(lm/W)であった。
また、本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。さらに、基板を円筒型にすることにより、凸曲面型よりも広範囲を照らす全方位照明を実現することができる。
次に、本発明の実施例8による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分にはAgの微粒子が分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分硬化させる。
次に、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に窒化物系赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚でとなるように2回目の印刷工程により形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、蛍光体樹脂層を硬化させる。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、上記赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、3回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。この工程により、赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層、および黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層からなる積層構造の蛍光体樹脂膜が形成される。これにより、樹脂層21、および蛍光体樹脂膜の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が3回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、3回目の印刷工程で塗布された蛍光体樹脂膜を半球状に均一な層厚で覆うように、4回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分、常圧で乾燥させて、4回目の印刷工程で形成された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、蛍光体樹脂膜、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
(比較例9)
比較例9として、図10に示す発光装置を作製した。この比較例9の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板200上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、LEDチップ10を覆うように、シリコーン樹脂に窒化物系赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を、半球状となるように形成する。続いて、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、蛍光体樹脂層を硬化させる。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、上記赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。この工程により、赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層、および黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層からなる積層構造の蛍光体樹脂膜が形成される。これにより、蛍光体樹脂膜の積層膜の形状は半球状となっている。すなわち、この比較例9の樹脂層は半球状ではあるが、本実施例と異なり、3層積層構造ではなく、2層構造の蛍光体樹脂膜のみからなっている。
(比較例10)
比較例10として、図11に示す発光装置を作製した。この比較例2の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたAlメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板200上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、透明樹脂層21、赤色蛍光体を含有する蛍光体樹脂層、黄色蛍光体を含有する蛍光体樹脂層、透明樹脂層25の4層構造の樹脂積層膜を基板200の全面に均一な層となるように形成する。この比較例10は、4層積層構造の樹脂積層膜を有しているが、形状が本実施例と異なり半球状ではない。
このようにして得られた、実施例8、比較例9、および比較例10による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流でそれぞれの発光装置を駆動した時、発光色の色度座標は、実施例8、比較例9、および比較例10とも電球色を示す(0.45,0.41)、(0.43,0.41)と(0.44,0.41)であった。しかし、実施例8においては、色ずれのない電球色発光を示し、その光束および発光効率は400(lm)および31(lm/W)であった。これに対して、比較例9においては、色がずれた部分が見られ、その光束および発光効率は300(lm)および23(lm/W)であった。さらに、比較例10においては、LEDチップ近傍は電球色であるが、各LED間は黄色の発光を示した色ずれ部分が見られ、その光束および発光効率はそれぞれ333(lm)および26(lm/W)であった。
本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例9による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱フィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分硬化させる。
次に、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に窒化物系赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚となるように2回目の印刷工程により形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、蛍光体樹脂層を硬化させる。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、上記赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、3回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。この工程により、赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層、および緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層からなる積層構造の蛍光体樹脂膜が形成される。これにより、樹脂層21、および蛍光体樹脂膜の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が4回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、4回目の印刷工程で塗布された蛍光体樹脂膜を半球状に均一な層厚で覆うように、4回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分、常圧で乾燥させて、4回目の印刷工程で形成された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、蛍光体樹脂膜、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
このようにして得られた、実施例9による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流で駆動した時、発光色の色度座標は、白色を示す(0.32,0.32)であった。そして、実施例9においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率はそれぞれ400(lm)および31(lm/W)であった。カラーフィルターを介することで、NTSC比97のLCDバックライト応用可能な発光装置が得られた。
本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例10による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱フィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分硬化させる。
次に、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に窒化物系赤色蛍光体およびシリケート系黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚でとなるように2回目の印刷工程により形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、蛍光体樹脂層を硬化させる。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、上記赤色蛍光体および黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、3回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。この工程により、赤色蛍光体および黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層、および緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層からなる積層構造の蛍光体樹脂膜が形成される。これにより、樹脂層21、および蛍光体樹脂膜の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が3回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、3回目の印刷工程で塗布された蛍光体樹脂膜を半球状に均一な層厚で覆うように、4回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分、常圧で乾燥させて、4回目の印刷工程で形成された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、蛍光体樹脂膜、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
このようにして得られた、実施例10による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流で駆動した時、発光色の色度座標は、電球色を示す(0.45,0.41)であった。そして実施例10においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率はそれぞれ390(lm)および30(lm/W)であった。
本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例11による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたCuメタルと、絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱性フィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を用意する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されているディスペンサを用いて、上記樹脂シート17上に、シリコーン系透明樹脂21を半球状となるように、大気中、常圧の雰囲気中において、150℃で加熱しながら塗布する。このとき、真上方向の厚みと真横方向の厚みとの比が略1:1となる半球形状に塗布する。樹脂層21が塗布された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で10分から90分保持することにより、常圧乾燥させる。
次に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にガーネット系黄色蛍光体および窒化物系赤色蛍光体が分散された樹脂層23を、ディスペンサを用いて、半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚で塗布する。この塗布工程は、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で加熱しながら行う。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で10分から90分保持することにより常圧乾燥させる。これにより、樹脂層21および樹脂層23の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、ディスペンサを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、樹脂層23を均一な層厚で覆うように塗布する。なお、この塗布工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように行う。また、この塗布工程は、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で加熱しながら行う。その後、150℃で10分から90分保持することにより、常圧で乾燥させて、樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、樹脂層23、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
(比較例11)
比較例11として、図10に示す発光装置を作製した。すなわち、この比較例11の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、LEDチップ10を覆うように、ガーネット系黄色蛍光体および窒化物系赤色蛍光体を分散させた樹脂層23を半球状となるように形成する。すなわち、この比較例11の樹脂層は半球状ではあるが、本実施例と異なり、3層積層構造ではなく、樹脂層23のみからなっている。
(比較例12)
比較例12として、図11に示す発光装置を作製した。この比較例12の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuベースのメタルと絶縁層との積層基板である円筒型の実装基板1C上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、透明樹脂層21、ガーネット系黄色蛍光体および窒化物系赤色蛍光体を含有する樹脂層23、透明樹脂層25の3層構造の樹脂積層膜を基板1Cの全面に均一な層となるように形成する。この比較例12は、本実施例と同様に3層積層構造の樹脂積層膜を有しているが、形状が本実施例と異なり半球状ではない。
このようにして得られた、実施例11、比較例11、および比較例12による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流でそれぞれの発光装置を駆動した時、発光色の色度座標は、実施例11、比較例11、および比較例12とも電球色を示す(0.45,0.41)、(0.43,0.41)と(0.44,0.41)であった。しかし、実施例11においては、色ずれのない電球色発光を示し、その光束および発光効率は393(lm)および30(lm/W)であった。これに対して、比較例11においては、色がずれた部分が見られ、その光束および発光効率は333(lm)および26(lm/W)であった。さらに、比較例12においては、LEDチップ近傍は電球色であるが、各LED間は黄色の発光を示した色ずれ部分が見られ、その光束および発光効率はそれぞれ300(lm)および23(lm/W)であった。
また、本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例11による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたCuメタルと、絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱性フィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を用意する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されているディスペンサを用いて、上記樹脂シート17上に、シリコーン系透明樹脂21を半球状となるように、大気中、常圧の雰囲気中において、150℃で加熱しながら塗布する。このとき、真上方向の厚みと真横方向の厚みとの比が略1:1となる半球形状に塗布する。樹脂層21が塗布された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で10分から90分保持することにより、常圧乾燥させる。
次に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に緑色蛍光体、ガーネット系黄色蛍光体および窒化物系赤色蛍光体が分散された樹脂層23を、ディスペンサを用いて、半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚で塗布する。この塗布工程は、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で加熱しながら行う。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で10分から90分保持することにより常圧乾燥させる。これにより、樹脂層21および樹脂層23の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、ディスペンサを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、樹脂層23を均一な層厚で覆うように塗布する。なお、この塗布工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように行う。また、この塗布工程は、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で加熱しながら行う。その後、150℃で10分から90分保持することにより、常圧で乾燥させて、樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、樹脂層23、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
(比較例13)
比較例13として、図10に示す発光装置を作製した。すなわち、この比較例13の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、LEDチップ10を覆うように、緑色蛍光体、ガーネット系黄色蛍光体および窒化物系赤色蛍光体を分散させた樹脂層23を半球状となるように形成する。すなわち、この比較例13の樹脂層は半球状ではあるが、本実施例と異なり、3層積層構造ではなく、樹脂層23のみからなっている。
(比較例14)
比較例14として、図11に示す発光装置を作製した。この比較例14の発光装置は、引き出し電極となるパターニングされたCuベースのメタルと絶縁層との積層基板である円筒型の実装基板1C上に複数の青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。その後、透明樹脂層21、緑色蛍光体、ガーネット系黄色蛍光体および窒化物系赤色蛍光体を含有する樹脂層23、透明樹脂層25の3層構造の樹脂積層膜を基板1の全面に均一な層となるように形成する。この比較例14は、本実施例と同様に3層積層構造の樹脂積層膜を有しているが、形状が本実施例と異なり半球状ではない。
このようにして得られた、実施例12、比較例13、および比較例14による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流でそれぞれの発光装置を駆動した時、発光色の色度座標は、実施例12、比較例13、および比較例14とも白色を示す(0.32,0.32)、(0.32,0.32)と(0.34,0.35)であった。しかし、実施例12においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率は500(lm)および38(lm/W)であった。これに対して、比較例13においては、色がずれた部分が見られ、その光束および発光効率は400(lm)および30(lm/W)であった。さらに、比較例14においては、LEDチップ近傍は白色であるが、各LED間は黄色の発光を示した色ずれ部分が見られ、その光束および発光効率はそれぞれ450(lm)および34(lm/W)であった。
また、本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例13による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱フィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分硬化させる。
次に、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に窒化物系赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚となるように2回目の印刷工程により形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、蛍光体樹脂層を硬化させる。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、上記赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂系透明樹脂のみを赤色蛍光体による蛍光体発光の再吸収を抑制するため、赤色蛍光体樹脂層の全てを覆うように均一な層厚となるように3回目の印刷工程により形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、透明樹脂層を硬化させる。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、上記透明樹脂層上に、緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、4回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。この工程により、赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層、透明樹脂層および緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層からなる積層構造の蛍光体樹脂膜が形成される。これにより、樹脂層21、および蛍光体樹脂膜の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が4回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、4回目の印刷工程で塗布された蛍光体樹脂膜を半球状に均一な層厚で覆うように、5回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分、常圧で乾燥させて、5回目の印刷工程で形成された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、蛍光体樹脂膜、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
このようにして得られた、実施例13による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流で駆動した時、発光色の色度座標は、白色を示す(0.32,0.32)であった。そして、実施例13においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率はそれぞれ420(lm)および32(lm/W)であった。カラーフィルターを介することで、NTSC比97のLCDバックライト応用可能な発光装置が得られた。
本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例14による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱フィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分硬化させる。
次に、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に窒化物系赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚でとなるように2回目の印刷工程により形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、蛍光体樹脂層を硬化させる。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン樹脂のみからなる透明樹脂層を、赤色蛍光体による蛍光体発光の再吸収を抑制するため、上記赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、均一な層厚となるように3回目の印刷工程で形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、透明樹脂層を硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、4回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。この工程により、透明樹脂層、赤色蛍光体層、透明樹脂層、およびシリケート系黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層からなる積層構造の蛍光体樹脂膜が形成される。これにより、樹脂層21、および蛍光体樹脂膜の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が4回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、4回目の印刷工程で塗布された蛍光体樹脂膜を半球状に均一な層厚で覆うように、5回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分、常圧で乾燥させて、5回目の印刷工程で形成された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、蛍光体樹脂膜、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
このようにして得られた、実施例14による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流で駆動した時、発光色の色度座標は、電球色を示す(0.45,0.41)であった。そして実施例14においては、色ずれのない電球色発光を示し、その光束および発光効率はそれぞれ440(lm)および34(lm/W)であった。
本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例15による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の青色LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す青色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに青色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と青色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、青色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱フィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分硬化させる。
次に、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に窒化物系赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚でとなるように2回目の印刷工程により形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、蛍光体樹脂層を硬化させる。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン樹脂のみからなる透明層樹脂層を、赤色蛍光体による蛍光体発光の再吸収を抑制するため、上記赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、均一な層厚となるように3回目の印刷工程で形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、透明樹脂層を硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、4回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、5回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。この工程により、透明樹脂層、赤色蛍光体層、透明樹脂層、黄色蛍光体、および緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層からなる積層構造の蛍光体樹脂膜が形成される。これにより、樹脂層21、および蛍光体樹脂膜の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が5回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、5回目の印刷工程で塗布された蛍光体樹脂膜を半球状に均一な層厚で覆うように、6回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分、常圧で乾燥させて、5回目の印刷工程で形成された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、蛍光体樹脂膜、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
このようにして得られた、実施例15による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流で駆動した時、発光色の色度座標は、白色を示す(0.32,0.32)であった。そして実施例15においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率はそれぞれ430(lm)および33(lm/W)であった。
本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例16による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の近紫外LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す近紫外色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlメタルと絶縁層との積層基板である平面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに近紫外色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と近紫外色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、近紫外色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱フィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分硬化させる。
次に、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に窒化物系赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚でとなるように2回目の印刷工程により形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、蛍光体樹脂層を硬化させる。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン樹脂のみからなる透明層樹脂層を、赤色蛍光体による蛍光体発光の再吸収を抑制するため、上記赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、均一な層厚となるように3回目の印刷工程で形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、透明樹脂層を硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、4回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に燐酸系青緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、5回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に酸化物系青色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、6回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。この工程により、透明樹脂層、赤色蛍光体層、透明樹脂層、黄色蛍光体、青緑色蛍光体および青色蛍光体層が分散された蛍光体樹脂層からなる積層構造の蛍光体樹脂膜が形成される。これにより、樹脂層21、および蛍光体樹脂膜の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が6回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、6回目の印刷工程で塗布された蛍光体樹脂膜を半球状に均一な層厚で覆うように、7回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分、常圧で乾燥させて、5回目の印刷工程で形成された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、蛍光体樹脂膜、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記平面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
このようにして得られた、実施例16による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流で駆動した時、発光色の色度座標は、白色を示す(0.33,0.33)であった。そして実施例16においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率はそれぞれ350(lm)および27(lm/W)であった。
本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例17による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の近紫外LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す近紫外色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlメタルと絶縁層との積層基板である凹曲面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに近紫外色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と近紫外色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、近紫外色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱フィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分硬化させる。
次に、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に窒化物系赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚でとなるように2回目の印刷工程により形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、蛍光体樹脂層を硬化させる。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン樹脂のみからなる透明層樹脂層を、赤色蛍光体による蛍光体発光の再吸収を抑制するため、上記赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、均一な層厚となるように3回目の印刷工程で形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、透明樹脂層を硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、4回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に燐酸系青緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、5回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に酸化物系青色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、6回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。この工程により、透明樹脂層、赤色蛍光体層、透明樹脂層、黄色蛍光体、青緑色蛍光体および青色蛍光体層が分散された蛍光体樹脂層からなる積層構造の蛍光体樹脂膜が形成される。これにより、樹脂層21、および蛍光体樹脂膜の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が6回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、6回目の印刷工程で塗布された蛍光体樹脂膜を半球状に均一な層厚で覆うように、7回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分、常圧で乾燥させて、5回目の印刷工程で形成された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、蛍光体樹脂膜、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記凹曲面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
このようにして得られた、実施例17による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流で駆動した時、発光色の色度座標は、白色を示す(0.33,0.33)であった。そして実施例17においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率はそれぞれ345(lm)および27(lm/W)であった。
本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
次に、本発明の実施例18による発光装置の製造方法を説明する。
まず、InGaN系化合物半導体を活性層として用い、p側/n側電極が形成された複数(例えば16個)の近紫外LEDチップ、例えば、図2乃至図5にいずれかに示す近紫外色LEDチップ10を用意する。引き出し電極となるパターニングされたAlメタルと絶縁層との積層基板である凸曲面型の実装基板1の複数の凹部3のそれぞれに近紫外色LEDチップ10をSn−Ag−Cuペーストを用いて固定する。そして、固定された複数のLEDチップ10を図6に示す4直列4並列となるように接続する。このとき、アノード側の引き出し電極と近紫外色LEDチップ10のp側電極とはAuワイヤー13を用いて電気的接続を行い、カソード側の引き出し電極と、近紫外色LEDチップ10のn側電極とはSn−Ag−Cuペーストを介して電気的接続を確保した。その後、これらのLEDチップ10は、シリコーン樹脂を塗布して封止し、Auワイヤー13を保護する。
一方、これらのLEDチップ10が位置することになる領域部分は透明で、それ以外の部分には放熱フィラーが分散されているシリコーン系薄膜樹脂シート17を真空印刷装置に装填する。この樹脂シート17は、厚さが0.1mmであって、片側のみ接着剤が塗布されている。マスクの開口径がφ1mm〜φ3mmであるメタルマスクを用いて、上記樹脂シート17上にシリコーン系透明樹脂層21を半球状となるように、低圧下で、シリコーン系透明樹脂中の気泡を脱砲しながら、1回目の印刷工程により形成する。その後、樹脂層21が形成された樹脂シート17を、大気中、常圧で、150℃で30分硬化させる。
次に、マスク開口径を1回目印刷時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に窒化物系赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を、1回目の印刷工程で形成した半球状の樹脂層21の全てを覆うように均一な層厚でとなるように2回目の印刷工程により形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、蛍光体樹脂層を硬化させる。続いて、マスク開口径をやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン樹脂のみからなる透明層樹脂層を、赤色蛍光体による蛍光体発光の再吸収を抑制するため、上記赤色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層上に、均一な層厚となるように3回目の印刷工程で形成する。その後、大気中、常圧の雰囲気中で、150℃で30分間保つことにより、透明樹脂層を硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂にシリケート系黄色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、4回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に燐酸系青緑色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、5回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。続いて、バインダー樹脂であるシリコーン樹脂に酸化物系青色蛍光体が分散された蛍光体樹脂層を均一な層厚となるように、6回目の印刷工程で形成する。その後、樹脂シート17を大気中、常圧で、150℃で30分保持することにより硬化させる。この工程により、透明樹脂層、赤色蛍光体層、透明樹脂層、黄色蛍光体、青緑色蛍光体および青色蛍光体層が分散された蛍光体樹脂層からなる積層構造の蛍光体樹脂膜が形成される。これにより、樹脂層21、および蛍光体樹脂膜の積層膜の形状は半球状となっている。
次に、マスクの開口径が6回目の印刷工程時よりもやや大きくしたメタルマスクを用いて、シリコーン系透明樹脂層25を、6回目の印刷工程で塗布された蛍光体樹脂膜を半球状に均一な層厚で覆うように、7回目の印刷工程により形成する。この印刷工程は、LEDチップの真上方向の層厚aと真横方向の層厚bとの比(=a/b)が1.0になるように、樹脂層25を形成する。その後、150℃で30分、常圧で乾燥させて、5回目の印刷工程で形成された樹脂層25を硬化させ、多層構造の蛍光体塗布シートを作製した。これにより、樹脂層21、蛍光体樹脂膜、および樹脂層25の積層膜の形状は半球状となっている。この蛍光体塗布シートを、減圧チャンバー内で、残留大気を除去した後、上記凸曲面型の実装基板1と張り合わせて、図1に示す発光装置を作製した。
このようにして得られた、実施例18による発光装置の発光色を測定した。800mAの電流で駆動した時、発光色の色度座標は、白色を示す(0.33,0.33)であった。そして実施例18においては、色ずれのない白色発光を示し、その光束および発光効率はそれぞれ343(lm)および26(lm/W)であった。
本実施例の発光装置をヒートシンクに接合させて、連続点灯試験を行ったところ、蓄熱からくる光束の低下も抑えることができた。したがって、本実施例の発光装置は、色ずれが少なく、高輝度、高効率で放熱性の優れたものとなる。
また、本発明の発光装置に使用する励起光を発生する発光素子は、紫外領域または青色の発光をする半導体発光素子であれば足りる。窒化ガリウム系化合物半導体を用いたLEDについて、実施形態および実施例で説明したが、これに限られるものではない。
また、蛍光体は、発光素子として青色LEDが用いられた場合は、黄色発光蛍光体、黄色蛍光体と赤色蛍光体との組み合わせ、赤色蛍光体と緑色蛍光体との組み合わせ、赤色蛍光体と黄色蛍光体と緑色蛍光体との組み合わせに限られず、橙色蛍光体と緑色蛍光体との組み合わせ、赤色蛍光体と青緑色蛍光体との組み合わせ、橙色蛍光体と青緑色蛍光体との組み合わせも考えられる、さらに、発光素子として近紫外LEDが用いられた場合は、赤色蛍光体と緑色蛍光体と青色蛍光体との組み合わせ、赤色蛍光体と黄色蛍光体と緑色蛍光体と青色蛍光体との組み合わせなどが考えられる。2種類以上の蛍光体を用いる場合には、蛍光体間の再吸収を防ぐため、より長波長発光する蛍光体を内側に、短波長発光する蛍光体を外側に塗布した多層構造塗布が好ましい。加えて、長波長発光蛍光体と短波長発光の蛍光体の間に透明樹脂層を挟む構造の多層塗布とすることがより好ましい。
さらに、封止樹脂の基材となるバインダー樹脂は、発光素子(励起素子)のピーク波長近傍およびこれよりも長波長領域で実質的に透明であれば、その種類を問わず用いることができる。一般的なものとしては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、またはエポキシ基を有するポリジメチルシロキサン誘導体、またはオキセタン樹脂、またはアクリル樹脂、またはシクロオレフィン樹脂、またはユリア樹脂、またはフッ素樹脂、またはポリイミド樹脂などが考えられる。
本発明の第1実施形態による発光装置を示す断面図。
本発明に係るLEDの第1具体例を示す断面図。
本発明に係るLEDの第2具体例を示す断面図。
本発明に係るLEDの第3具体例を示す断面図。
本発明に係るLEDの第4具体例を示す断面図。
本発明の係るLEDの接続を示す回路図。
本発明の第2実施形態による発光装置を示す断面図。
本発明の第3実施形態による発光装置を示す断面図。
本発明の第4実施形態による発光装置を示す断面図。
比較例1による発光装置を示す断面図。
比較例2による発光装置を示す断面図。
1 実装基板(平面型)
1A 実装基板(凹曲面型)
1B 実装基板(凸曲面型)
1C 実装基板(円筒型)
3 凹部
10 半導体発光素子(励起素子)
13 ワイヤー
15 封止樹脂
17 樹脂シート
19 反射層
21 透明樹脂層
23 蛍光体を含む色変換層
25 透明樹脂層