従来から、図14に示すように、商用電源のような外部の交流電源から入力された交流電力を全波整流する整流部としてのダイオードブリッジDBと、ダイオードブリッジDBの直流出力(脈流出力)を所定電圧の直流電力に変換する直流電源部1と、放電灯とともに共振回路5を構成する共振部(図示せず)と、少なくとも1個のスイッチング素子を有して直流電源部1と共振回路5との間に介在するスイッチング部3とを備える放電灯点灯装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
直流電源部1は、図15に示すように、出力コンデンサC12と、ダイオードブリッジDBから出力コンデンサC12への充電電流をオンオフするスイッチング素子Q11とを有するチョッパ回路からなり、出力コンデンサC12の両端電圧を出力電圧としている。具体的に説明すると、図15の直流電源部1は、ブーストコンバータとも呼ばれる昇圧型のチョッパ回路であって、ダイオードブリッジDBの直流出力端間に接続されたコンデンサC11と、一端がダイオードブリッジDBの直流出力端に接続されたインダクタL11と、インダクタL11の他端にアノードが接続されるとともに出力コンデンサC12の一端にカソードが接続されたダイオードD11とを備え、上記のスイッチング素子Q11はスイッチング素子Q11に流れる電流を検出するための検出抵抗R13との直列回路としてダイオードD11と出力コンデンサC12との直列回路に並列に接続されている。また、ダイオードブリッジDBの低電圧側の出力端と、出力コンデンサC12においてダイオードD11に接続されていない側の一端とは、それぞれグランドに接続されている。すなわち、スイッチング素子Q11がオンされている期間には、インダクタL11からスイッチング素子Q11と検出抵抗R13との経路で通電されることでインダクタL11にエネルギーが蓄積される一方、出力コンデンサC12の充電は停止される。次に、スイッチング素子Q11がオフされると、自己誘導によりインダクタL11に電圧が発生し、この電圧がダイオードブリッジDBの出力電圧に重畳された電圧により、出力コンデンサC12が充電される。
また、本実施形態は、直流電源部1の出力電圧を検出する直流出力検出部として、直流電源部1の出力コンデンサC12とダイオードD11との接続点とグランドとの間に接続された2個の分圧抵抗R14,R15の直列回路で構成された分圧回路を備える。さらに、本実施形態は、上記の分圧回路の出力電圧(すなわち分圧抵抗R14,R15の接続点の電圧。以下、「出力検出電圧」と呼ぶ。)Vxを所定の基準電圧Vxrにするようなフィードバック制御により決定されたオンデューティで直流電源部1のスイッチング素子Q11を周期的にオンオフ駆動する直流用集積回路2を備える。つまり、上記の基準電圧Vxrを分圧抵抗R14,R15の分圧比で除した電圧Vxr×(R14+R15)/R15が請求項における目標電圧である。また、本実施形態は、ダイオードブリッジDBの出力電圧を分圧する整流出力検出部としての分圧抵抗R11,R12も備えており、直流電源部1のインダクタL11には二次巻線が設けられていて、上記の分圧抵抗R11、R12によって分圧された電圧(以下、「入力検出電圧」と呼ぶ)Vyと、上記の二次巻線に誘導された電流(以下、「誘導検出電流」と呼ぶ。)とは、出力検出電圧Vxとともに、直流用集積回路2の動作に用いられる。
直流用集積回路2について図15を参照しながら詳しく説明すると、直流用集積回路2は、反転入力端子に出力検出電圧Vxが入力されるとともに非反転入力端子に基準電圧Vxrが入力された誤差増幅器APと、誤差増幅器APの出力電圧と入力検出電圧と誘導検出電流とに応じた出力を生成する制御ブロックCBと、制御ブロックCBの出力が3入力の論理積回路(アンドゲート)G1を介して入力され入力がHレベルかLレベルかに応じたオンオフ状態に直流電源部1のスイッチング素子Q11を切替制御する直流駆動部DRとを備える。
制御ブロックCBは、誤差増幅器APの出力電圧と入力検出電圧Vyとを乗算した電圧(以下、「乗算電圧」と呼ぶ。)を出力するマルチプライヤMPと、直流電源部1におけるスイッチング素子Q11と抵抗R13との接続点の電圧(すなわちスイッチング素子Q11に流れる電流量に応じた電圧。以下、「電流検出電圧」と呼ぶ。)とマルチプライヤMPから入力された乗算電圧とを比較する比較器CPと、直流電源部1のインダクタL11に設けられた2次巻線に接続され、この2次巻線に流れる電流と比較器CPによる比較結果とに応じた出力を生成するタイミング制御部CTとからなる。タイミング制御部CTは、上記の2次巻線に流れる電流に基いてダイオードブリッジDBの出力のゼロクロスを検出し、ゼロクロスが検出されたタイミングで直流電源部1のスイッチング素子Q11がオン制御され、電流検出電圧が乗算電圧に達したタイミングで直流電源部1のスイッチング素子Q11がオフ制御されるように、論理積回路G1への出力(すなわち制御ブロックCBの出力)のレベルを切り替える。つまり、ダイオードブリッジDBの出力の周波数、すなわち交流電源ACからダイオードブリッジDBへの入力電圧の周波数の2倍の周波数で、スイッチング素子Q11はオンオフ駆動される。また、出力検出電圧Vxが基準電圧Vxrに対して低いほど上記のオンオフ駆動のオンデューティが高くされることにより、出力検出電圧Vxを基準電圧Vxrに近づけるフィードバック制御が達成される。
なお、図14など、制御ブロックCBを1個のブロックとして記載している図では、入力検出電圧Vyを生成する分圧抵抗R11,R12の図示、並びに、分圧抵抗R11,R12や直流電源部1と制御ブロックCBとを結ぶ線の図示は、それぞれ省略している。
共振回路5は、例えばそれぞれ熱陰極型の放電灯(図示せず)に直列に接続されるインダクタとコンデンサと(いずれも図示せず)を有するものである。この場合、上記のインダクタとコンデンサとが共振部を構成する。
スイッチング部3は、図16に示すように、直流電源部1の出力端間に互いに直列に接続された2個のスイッチング素子Q1,Q2の直列回路からなり、共振回路5はスイッチング部3のローサイドのスイッチング素子Q2の両端間に接続される。この場合、共振部とスイッチング部3とは全体としてハーフブリッジ形のインバータ回路を構成するのであり、スイッチング部3の上記2個のスイッチング素子Q1,Q2が交互にオンオフ駆動されることで、共振部と放電灯とが構成する共振回路5の共振により直流電源部1の出力が交流電力に変換されて放電灯に出力される。そして、上記2個のスイッチング素子が交互にオンオフされる周波数(以下、「動作周波数」と呼ぶ。)が、すなわち放電灯への出力電圧の周波数となるのであり、この動作周波数が、共振回路5の共振周波数に近いほど、放電灯への出力電圧の振幅は大きくなる。
さらに、本実施形態は、スイッチング部3のスイッチング素子Q1,Q2を交互にオンオフする交流用集積回路4を備える。交流用集積回路4は、発振部40と、発振部40の出力の周波数でスイッチング部3のスイッチング素子を交互にオンオフ駆動する交流駆動部41と、発振部40を制御する発振制御部42とを含んでいる。発振制御部42から発振部40への出力と発振部40の出力の周波数との関係は、交流用集積回路4に外付けされるコンデンサC13のキャパシタンスや抵抗R16の抵抗値を適宜変更することで調整可能となっている。また、交流駆動部41は、スイッチング部3の各スイッチング素子Q1,Q2が発振部40の出力の周波数で周期的に交互にオンオフされ、且つ、一方のスイッチング素子Q1がオンされる期間と他方のスイッチング素子Q2がオンされる期間との間には各スイッチング素子Q1,Q2がともにオフされる期間(デッドタイム)が存在するように、各スイッチング素子Q1,Q2をそれぞれオンオフ駆動するものである。
さらに、発振制御部42は、周知のタイマ回路を含んでおり、電源が投入された直後には、放電灯を始動させるために、電源が投入されてからの経過時間に応じて動作周波数を変化させるように発振部40を制御する。具体的には、発振制御部42は、図17に示すように、放電灯の各フィラメントをそれぞれ予熱するために動作周波数を共振回路5の共振周波数から十分に離れた周波数(以下、「予熱周波数」と呼ぶ。)とすることで放電灯への出力電圧の振幅を比較的に低くするという予熱動作T1を所定時間にわたって行った後、動作周波数を予熱周波数よりも共振回路5の共振周波数に近い所定の周波数(以下、「始動周波数」と呼ぶ。)として始動(つまり放電の開始)のために十分な程度まで放電灯への出力電圧の振幅を大きくする始動動作T2を所定時間にわたって行い、その後、動作周波数を、放電灯の点灯維持が可能な程度に放電灯への出力電圧の振幅が大きくなるような周波数(以下、「定常周波数」と呼ぶ。)とする定常動作T3に移行する。
この種の放電灯点灯装置において、直流電源部1の出力電圧(直流用集積回路2によるフィードバック制御)が追従できないほど急激に出力検出電圧Vxが上昇した場合、直流電源部1の出力電圧が過剰に高くされてしまうという過昇圧が発生することが考えられる。このような過昇圧が発生すると、回路部品に過剰な電気的ストレスがかかってしまい、寿命の短縮や故障の発生の原因となる。
そこで、上記従来例は、過昇圧が発生しているか否かを判定する過昇圧判定部21を直流用集積回路2に備え、過昇圧判定部21によって過昇圧の発生が判定されている期間には直流電源部1のスイッチング素子Q11のオンオフ駆動が停止されるように構成されている。具体的には、過昇圧判定部21は基準電圧Vxrよりも高い上側判定電圧Vxtが非反転入力端子に入力されるとともに反転入力端子に出力検出電圧Vxが入力され出力端子が論理積回路G1の入力端子に接続されたコンパレータCP1からなる。上記の過昇圧判定部21は、図17に示すように、出力検出電圧Vxが上側判定電圧Vxt未満である期間には過昇圧が発生していないと判定して出力(コンパレータCP1の出力)V21をHレベルとする一方、出力検出電圧Vxが上側判定電圧Vxt以上である期間には過昇圧が発生していると判定して出力(コンパレータCP1の出力)V21をLレベルとする。つまり、上記のように過昇圧が発生していると判定されている期間には論理積回路G1の出力VG1が制御ブロックCBの出力に関わらずLレベルに固定されることにより、直流電源部1のスイッチング素子Q11のオンオフ駆動が停止される。すなわち、上記の上側判定電圧Vxtを分圧抵抗R14,R15の分圧比で除した電圧Vxt×(R14+R15)/R15が請求項における上限電圧である。これにより、直流電源部1の出力電圧は低下し始め、回路部品は過昇圧による過剰な電気的ストレスから保護される。そして、直流電源部1のスイッチング素子Q11のオンオフ駆動の停止により出力検出電圧Vxが低下して上側判定電圧Vxtを下回れば、直流電源部1のスイッチング素子Q11のオンオフ駆動が再開される。上側判定電圧Vxtは、基準電圧Vxrの110%以上且つ135%以下の値とされる。
しかしながら、直流電源部1の出力電圧を検出する直流出力検出部を構成する分圧抵抗R14,R15に異常が発生した場合、上記構成だけでは過昇圧を防げない可能性がある。例えば、低電圧側の分圧抵抗R15の両端間に短絡が発生したときや、高電圧側の分圧抵抗R14に開放が発生したときには、直流電源部1の実際の出力電圧に関わらず、直流出力検出部による検出結果としての出力検出電圧Vxが常に0Vとなってしまう。このように実際の直流電源部1の出力電圧よりも検出結果としての出力電圧が低くなる場合、実際の出力電圧よりも低い検出結果を目標電圧まで引き上げようとするフィードバック制御で過昇圧が発生してしまう。
そこで、上記従来例においては、出力検出電圧Vxの低下に基いて分圧抵抗R14,R15に故障が発生したと判定して直流電源部1を停止させる故障判定部22が設けられている。具体的には、故障判定部22は、基準電圧Vxrよりも低い下側判定電圧Vxbが非反転入力端子に入力されるとともに反転入力端子に出力検出電圧Vxが入力されたコンパレータCP2と、コンパレータCP2の出力端子がリセット端子Rに接続され出力端子Qが論理積回路G1の入力端子に接続されたフリップフロップ回路FFとを備える。上記の故障判定部22は、出力検出電圧Vxが下側判定電圧Vxb以上である期間には故障が発生していないと判定して出力V22をHレベルとする一方、出力検出電圧Vxが下側判定電圧Vxb未満である期間には故障が発生していると判定して出力V22をLレベルとする。つまり、上記のように故障が発生していると判定されている期間には論理積回路G1の出力VG1が制御ブロックCBの出力に関わらずLレベルに固定されることにより、直流電源部1のスイッチング素子Q11のオンオフ駆動が停止される。下側判定電圧Vxbは基準電圧Vxrの90%以下とされるが、直流電源部1の出力コンデンサC11の容量値が経年劣化で低下してリップルが発生するような場合にも故障判定部22の出力V22による停止を可能とするためには、下側判定電圧Vxbは低くし過ぎないことが望ましい。また、故障判定部22の出力V22は交流用集積回路4にも入力されており、発振部40は故障判定部22の出力がLレベルである期間にはスイッチング部3の各スイッチング素子をそれぞれオフ状態に維持する。例えば、発振制御部42と発振部40とが2個の端子で接続され、発振制御部42が、一方の端子の電圧(以下、「予熱信号」と呼ぶ。)をHレベルとすることで予熱動作用の動作周波数を指示し、他方の端子の電圧(以下、「始動信号」と呼ぶ。)をHレベルとすることで始動動作用の動作周波数を指示し、両方の端子の電圧をそれぞれLレベルとすることで発振部40の停止を指示するような場合においては、図14のように、上記の各端子についてそれぞれ発振制御部42と発振部40との間に論理積回路を介在させ、これらの各論理積回路の一方の入力端子を発振制御部42に接続する一方で他方の入力端子に故障判定部22を接続すれば、上記動作を実現することができる。
また、電源投入直後において直流電源部1の出力電圧が安定しない状態で故障判定部22の動作による停止が発生しないように、上記の故障判定部22は、電源投入直後に直流電源部1の出力電圧が安定するのに十分な所定時間(以下、「保留時間」と呼ぶ。)が経過するまでは出力V22をHレベルに維持するように構成されている。具体的には、交流用集積回路4の発振制御部42は電源投入後に上記の保留時間が経過するまではLレベルとされ上記の保留時間の経過後はHレベルとされる出力を生成するものであって、故障判定部22には発振制御部42の上記出力がインバータIVを介してフリップフロップ回路FFのセット端子Sに入力されている。すなわち、電源投入後に上記の保留時間が経過するまではコンパレータCP2の出力によらず故障判定部22の出力V22がHレベルに固定されることで、直流電源部1の動作が確保される。同様の動作は、適宜の論理回路を用いても実現することができる。
ところで、検出結果としての出力電圧の低下は、上記の分圧抵抗R14,R15のような直流出力検出部に故障が発生した場合だけではなく、外部の交流電源ACから直流電源部1への電力の供給がごく短時間だけ停止されるいわゆる瞬時停電により直流電源部1の出力電圧が実際に低下した場合にも発生する。瞬時停電の場合には放電灯の点灯の維持が可能なことが多いが、上記のように出力検出電圧Vxが下側判定電圧Vxbを下回ってすぐに(つまり出力電圧が目標電圧よりも低い所定の下限電圧を下回ってすぐに)直流電源部1の出力が停止されると、放電灯が消灯されてしまうことになる。上記のように放電灯の点灯の維持が可能であるにもかかわらず放電灯が無駄に消灯されてしまうと、使用者に対して無用な不快感を与えることになる。
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、放電灯の無駄な消灯が発生しにくい放電灯点灯装置及び照明器具を提供することにある。
請求項1の発明は、入力された交流電力を整流する整流部と、出力コンデンサと整流部から出力コンデンサへの充電電流をオンオフするスイッチング素子とを少なくとも有して出力コンデンサの両端電圧を出力電圧とするチョッパ回路からなる直流電源部と、直流電源部の出力電圧を検出する直流出力検出部と、直流出力検出部によって検出された出力電圧を所定の目標電圧とするように直流電源部のスイッチング素子をオンオフ駆動する直流駆動部と、直流出力検出部によって検出された出力電圧が目標電圧よりも高い所定の上限電圧に達したときに直流駆動部を停止させる過昇圧判定部と、放電灯に接続されて共振回路を構成する共振部と、直流電源部と共振部との接続を切り替えるスイッチング部と、共振部と直流電源部との接続を周期的に切り替えるようにスイッチング部を制御することにより共振部から放電灯に交流電力を出力させる交流駆動部と、検出用コンデンサと、直流出力検出部によって検出された出力電圧が目標電圧よりも低い所定の下限電圧未満である期間には検出用コンデンサを充電し、直流出力検出部によって検出された出力電圧が下限電圧以上である期間には検出用コンデンサを放電させる充放電部とを備え、検出用コンデンサの両端電圧が所定の第1低下判定電圧を上回ったときに共振部から放電灯への出力電力を減少させるように交流駆動部を制御する第1低下判定部と、検出用コンデンサの両端電圧が第1低下判定電圧よりも高い所定の第2低下判定電圧を上回ったときに直流駆動部と交流駆動部とをそれぞれ停止させる第2低下判定部とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、充放電部による充電の速さと第1低下判定電圧とに対して瞬時停電の継続時間が短く検出用コンデンサの両端電圧が第1低下判定電圧に達しなければ放電灯への出力電力が低下されないから、直流電源部の出力電圧が低下したときに即座に放電灯への出力電力を低下又は停止させる場合に比べ、整流部への交流電力の入力が一時的に停止される瞬時停電による無駄な消灯が発生しにくい。また、検出用コンデンサの両端電圧が第1低下判定電圧に達しても第2低下判定電圧に達しなければ、放電灯への出力電力が減少されるだけに止められ直流電源部は停止されないから、直流電源部が停止される場合に比べて瞬時停電からの復帰後の放電灯の再点灯を速くすることができる。さらに、検出結果を実際の直流電源部の出力電圧よりも低くしてしまうような異常が直流出力検出部に発生した場合には検出用コンデンサの両端電圧が第2低下判定電圧に達することで、誤った検出結果に基いたフィードバック制御による過昇圧が防止される。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、整流部の出力電圧を検出する整流出力検出部を備え、充放電部は、整流出力検出部によって検出された出力電圧が所定の切替電圧未満である期間にも検出用コンデンサを充電し、直流出力検出部によって検出された出力電圧が下限電圧以上であって且つ整流出力検出部によって検出された出力電圧が切替電圧以上である期間に検出用コンデンサを放電させることを特徴とする。
この発明によれば、整流部への入力電圧が低下した場合であっても放電灯への出力電力の低下や停止を行うことができる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、充放電部は、直流駆動部が動作を開始してから所定の保留時間が経過するまでは、検出用コンデンサを放電させることを特徴とする。
この発明によれば、第1低下判定電圧や第2低下判定電圧を比較的に低くして異常の発生に対する応答の速さを確保した場合であっても、直流電源部の出力電圧が安定するまでの期間に検出用コンデンサの両端電圧に応じた停止等が行われてしまうことを避けることができる。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、充放電部は、直流駆動部と交流駆動部とが停止している期間には検出用コンデンサを放電させることを特徴とする。
この発明によれば、停止後に次の始動時まで検出用コンデンサの両端電圧が維持されてしまうことによる誤動作の発生を抑えることができる。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置と、共振部に接続される放電灯と放電灯点灯装置とをそれぞれ保持する器具本体とを備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、検出用コンデンサと、直流出力検出部によって検出された出力電圧が目標電圧よりも低い所定の下限電圧未満である期間には検出用コンデンサを充電し、直流出力検出部によって検出された出力電圧が下限電圧以上である期間には検出用コンデンサを放電させる充放電部とを備え、検出用コンデンサの両端電圧が所定の第1低下判定電圧を上回ったときに共振部から放電灯への出力電力を減少させるように交流駆動部を制御する第1低下判定部と、検出用コンデンサの両端電圧が第1低下判定電圧よりも高い所定の第2低下判定電圧を上回ったときに直流駆動部と交流駆動部とをそれぞれ停止させる第2低下判定部とを備えるので、充放電部による充電の速さと第1低下判定電圧とに対して瞬時停電の継続時間が短く検出用コンデンサの両端電圧が第1低下判定電圧に達しなければ放電灯への出力電力が低下されないから、直流電源部の出力電圧が低下したときに即座に放電灯への出力電力を低下又は停止させる場合に比べ、整流部への交流電力の入力が一時的に停止される瞬時停電による無駄な消灯が発生しにくい。また、検出用コンデンサの両端電圧が第1低下判定電圧に達しても第2低下判定電圧に達しなければ、放電灯への出力電力が減少されるだけに止められ直流電源部は停止されないから、直流電源部が停止される場合に比べて瞬時停電からの復帰後の放電灯の再点灯を速くすることができる。さらに、検出結果を実際の直流電源部の出力電圧よりも低くしてしまうような異常が直流出力検出部に発生した場合には検出用コンデンサの両端電圧が第2低下判定電圧に達することで、誤った検出結果に基いたフィードバック制御による過昇圧が防止される。
請求項2の発明によれば、整流部の出力電圧を検出する整流出力検出部を備え、充放電部は、整流出力検出部によって検出された出力電圧が所定の切替電圧未満である期間にも検出用コンデンサを充電し、直流出力検出部によって検出された出力電圧が下限電圧以上であって且つ整流出力検出部によって検出された出力電圧が切替電圧以上である期間に検出用コンデンサを放電させるので、整流部への入力電圧が低下した場合であっても放電灯への出力電力の低下や停止を行うことができる。
請求項3の発明によれば、充放電部は、直流駆動部が動作を開始してから所定の保留時間が経過するまでは、検出用コンデンサを放電させるので、第1低下判定電圧や第2低下判定電圧を比較的に低くして異常の発生に対する応答の速さを確保した場合であっても、直流電源部の出力電圧が安定するまでの期間に検出用コンデンサの両端電圧に応じた停止等が行われてしまうことを避けることができる。
請求項4の発明によれば、充放電部は、直流駆動部と交流駆動部とが停止している期間には検出用コンデンサを放電させるので、停止後に次の始動時まで検出用コンデンサの両端電圧が維持されてしまうことによる誤動作の発生を抑えることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
本実施形態の基本構成は図14〜図17で説明した従来例と共通であるので、共通する部分については同じ符号を付して詳細な図示並びに説明を省略する。
本実施形態の直流用集積回路2において、故障判定部22には、反転入力端子に下側判定電圧Vxbが入力されるとともに非反転入力端子に出力検出電圧Vxが入力されたコンパレータ(以下、「入力コンパレータ」と呼ぶ。)CP2に加えて、検出用コンデンサCxと、入力コンパレータCP2の出力VCP2がLレベルである期間(すなわち出力検出電圧Vxが下側判定電圧Vxb未満である期間)には検出用コンデンサCxを充電し、入力コンパレータCP2の出力VCP2がHレベルである期間(すなわち出力検出電圧Vxが下側判定電圧Vxb以上である期間)には検出用コンデンサCxを放電させる充放電部22aとを備える。つまり、下側判定電圧Vxbを分圧抵抗R14,R15の分圧比で除した電圧Vxb×(R14+R15)/R15が請求項における下限電圧である。
充放電部22aは、入力コンパレータCP2の出力VCP2がHレベルである期間には検出用コンデンサCxが一定の充電電流i1で充電され、入力コンパレータCP2の出力がLレベルである期間には検出用コンデンサCxが一定の放電電流i2で放電されるように構成されている。上記のような充放電部22aは、周知の定電流源などを用いて実現可能である。
また、故障判定部22には、それぞれ反転入力端子に検出用コンデンサCxが接続された2個のコンパレータCP3,CP4とが設けられている。
上記2個のコンパレータCP3,CP4のうち一方のコンパレータ(以下、「第1コンパレータ」と呼ぶ。)CP3は非反転入力端子に第1低下判定電圧Vcx1が入力されて出力端子が交流用集積回路4の発振制御部42に接続されている。発振制御部42は、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第1低下判定電圧Vcx1以上となって第1コンパレータCP3の出力VCP3がLレベルとなったとき、電源が投入された直後と同様に予熱動作T1から始動動作T2を経て定常動作T3に移行する一連の動作を開始する。つまり、予熱動作T1の開始に伴って放電灯への出力電力が低下されるのであり、第1コンパレータCP3は請求項における第1低下判定部を構成する。
また、他方のコンパレータ(以下、「第2コンパレータ」と呼ぶ。)CP4は、非反転入力端子に第1低下判定電圧Vcx1よりも高い第2低下判定電圧Vcx2が入力され、出力端子が論理積回路G1の入力端子と交流用集積回路4の発振制御部42とにそれぞれ接続されている。そして、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第2低下判定電圧Vcx2以上となって第2コンパレータCP4の出力VCP4がLレベルとなると、論理積回路G1の出力VG1がLレベルに固定されることで直流電源部1のスイッチング素子Q11のオンオフ駆動が停止されて昇圧が停止され、また、発振制御部42がスイッチング部3のスイッチング素子のオンオフ駆動を停止させるように発振部40を制御することで共振回路5への電力の出力が停止される。これにより、直流電源部1の出力電圧が低下されるとともに共振回路5への電力の出力が停止される。すなわち、第2コンパレータCP4が請求項における第2低下判定部を構成する。
以下、本実施形態の動作を説明する。図2に示すように、出力検出電圧Vxが下側判定電圧Vxbを下回って検出用コンデンサCxが充電される時間t1〜t2がごく短時間であって検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第1低下判定電圧Vcx1に達しなければ、第1コンパレータCP3と第2コンパレータCP4とのいずれの出力VCP3,VCP4もLレベルとならないから、放電灯への出力電力の低下や停止は行われない。
次に、図3に示すように、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第1低下判定電圧Vcx1以上となって第1コンパレータCP3の出力VCP3がLレベルとなったタイミングt3で、発振制御部42は、電源が投入された直後と同様に予熱動作T1から始動動作T2を経て定常動作T3に移行する一連の動作を開始する。上記の動作は、予熱動作T1中や始動動作T2中に第1コンパレータCP3の出力VCP3がHレベルに復帰しても中断されない。
また、図4に示すように、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第2低下判定電圧Vcx2以上となって第2コンパレータCP4の出力VCP4がLレベルとなったタイミングt4で、論理積回路G1の出力VG1がLレベルに固定されることで直流電源部1のスイッチング素子Q11のオンオフ駆動が停止されて昇圧が停止されるとともに、発振制御部42がスイッチング部3のスイッチング素子のオンオフ駆動を停止させるように発振部40を制御することで共振回路5への電力の出力が停止されるという動作停止T4が実行されている。なお、図4の例でも、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第1低下判定電圧Vcx1以上となったタイミングt3から予熱動作T1が開始されていはいるが、この予熱動作T1も検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第2低下判定電圧Vcx2以上となったタイミングt4で停止されている。
ここで、故障判定部22は、検出用コンデンサCxに並列に接続されたツェナーダイオードZD1を有しており、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが上記のツェナーダイオードZD1のツェナー電圧Vzd以上となることは防止されている。当然のことながら、上記のツェナー電圧Vzdは、第2低下判定電圧Vcx2よりもさらに高くされている。
上記構成によれば、図2のように充放電部22aによる充電の速さと第1低下判定電圧Vcx1とに対して瞬時停電の継続時間が短く検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第1低下判定電圧Vcx1に達しなければ放電灯への出力電力が低下されないから、直流電源部1の出力電圧が低下したときに即座に放電灯への出力電力を低下又は停止させる場合に比べ、ダイオードブリッジDBへの交流電力の入力が一時的に停止される瞬時停電による無駄な消灯が発生しにくい。また、図3のように検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第1低下判定電圧Vcx1に達しても第2低下判定電圧Vcx2に達しなければ、放電灯への出力電力が減少されるだけに止められ直流電源部1は停止されないから、直流電源部1が停止される場合に比べて瞬時停電からの復帰後の放電灯の再点灯を速くすることができる。さらに、検出結果を実際の直流電源部1の出力電圧よりも低くしてしまうような異常が分圧抵抗R14、R15に発生した場合には、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第2低下判定電圧Vcx2に達することで、誤った検出結果に基いたフィードバック制御による過昇圧が防止される。
なお、図5に示すように出力検出電圧Vxが増減を繰り返すことで入力コンパレータCP2の出力VCP2が間欠的にLレベルとなる場合には、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxは増減を繰り返すことになるが、検出用コンデンサCxの充電のオンデューティ(すなわち入力コンパレータCP2のオフデューティ)と充電電流i1とに対して放電電流i2が十分に少なければ図5の3段目のように検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが徐々に上昇していずれ第1低下判定電圧Vcx1に達するのに対し、逆に上記の充電のオンデューティと充電電流i1とに対して放電電流i2が十分に多ければ図5の4段目のように検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxは第1低下判定電圧Vcx1に達することはない。このように、充電電流i1と放電電流i2との関係でも動作が変化するので、充電電流i1と放電電流i2とは、どのような場合に放電灯への出力電力の低下や停止を行わせたいかに応じて適宜決定すればよい。
また、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第1低下判定電圧Vcx1に達したときの動作は上記に限られず、放電灯への出力電力を低下させるものであればよい。
(実施形態2)
本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるので、共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態においては、図6に示すように、故障検出部22の入力コンパレータCP2への2個の入力が入れ替えられ、反転入力端子に出力検出電圧Vxが入力され、非反転入力端子に下側判定電圧Vxbが入力されている。すなわち、本実施形態では、実施形態1とは逆に、出力検出電圧Vxが下側判定電圧Vxbを下回っている期間に入力コンパレータCP2の出力VCP2がHレベルとなる。
また、本実施形態の充放電部22aは、一端に定電圧Vccが入力されて他端が検出用コンデンサCxに接続された抵抗R21とスイッチSWとの直列回路と、検出用コンデンサCxに並列に接続された抵抗R22とからなる。上記のスイッチSWは、入力コンパレータCP2の出力がHレベルである期間にオンされ、入力コンパレータCP2の出力VCP2がLレベルである期間にオフされる。すなわち、出力検出電圧Vxが下側判定電圧Vxbを下回っている期間にはスイッチSWがオンされることで検出用コンデンサCxが充電され、出力検出電圧Vxが下側判定電圧Vxbを上回っている期間にはスイッチSWがオフされることで検出用コンデンサCxは並列に接続された抵抗R22を介して放電される。本実施形態の場合、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが高いほど充電電流が減少することにより両端電圧Vcxの上昇速度は遅くなるから、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxの変化は図7に示すように二次曲線状となる。また、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxは、上記の定電圧Vccが充放電部22aの抵抗R21,R22によって分圧された電圧Vcxt=Vcc×R21/(R21+R22)までしか上昇しないから、実施形態1のツェナーダイオードZD1のように検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxを制限するための部品が不要となっている。
(実施形態3)
本実施形態の基本構成は実施形態2と共通であるので、共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態では、図15で示したように制御ブロックCBにも入力されている入力検出電圧Vyが図8に示すように非反転入力端子に接続されるとともに非反転入力端子に所定の切替判定電圧Vycが入力されたコンパレータ(以下、「第3コンパレータ」と呼ぶ。)CP5と、この第3コンパレータCP5の出力端子が一方の入力端子に接続されるとともに他方の入力端子には入力コンパレータCP2の出力端子が接続された論理和回路(オアゲート)G2を備え、充放電部22aのスイッチSWは入力コンパレータCP2の出力ではなく上記の論理和回路G2の出力によってオンオフされる。
つまり、本実施形態の充放電部22aは、出力検出電圧Vxが下側判定電圧Vxb未満である期間だけではなく、入力検出電圧Vyが切替判定電圧Vyc未満である期間にも検出用コンデンサCxを充電し、出力検出電圧Vxが下限判定電圧Vxb以上であって且つ入力検出電圧Vyが切替判定電圧Vyc以上である期間にのみ検出用コンデンサCxを放電させる。すなわち、入力検出電圧Vyを生成する分圧抵抗R11,R12が請求項における整流出力検出部を構成し、切替判定電圧Vycを上記の分圧抵抗R11,R12の分圧比で除した電圧Vyc×(R11+R12)/R12が請求項における切替電圧である。
出力検出電圧Vxが上側判定電圧Vxtを上回ることも下側判定電圧Vxbを下回ることもない場合における本実施形態の動作を図9に示す。
正常な状態であっても入力検出電圧Vyは切替判定電圧Vycを間欠的に下回ることにより、本実施形態では、論理和回路G2の出力VG2(すなわち第3コンパレータCP5の出力)のオンデューティで検出用コンデンサCxが充放電を繰り返されることで、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxは増減を繰り返す。ただし、正常な状態であれば検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxに増加傾向が生じない程度に十分に検出用コンデンサCxの充電のオンデューティが低くなるように、切替判定電圧Vycは十分に高くされている。
図9の右半分のように交流電源ACからダイオードブリッジDBへの入力電圧の実効値が低下して入力検出電圧Vyの実効値が低下すると、論理和回路G2の出力VG2(すなわち第3コンパレータCP5の出力)のオンデューティが増加することにより、検出用コンデンサCxの充電のオンデューティも増加し、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxには増加傾向が生じ、やがて検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第1低下判定電圧Vcx1や第2低下判定電圧Vcx2を上回ることにより、放電灯への出力電力の低下や停止が行われる。
上記構成によれば、ダイオードブリッジDBへの入力電圧の低下に対しても、放電灯への出力電力の低下や停止による回路部品の保護が可能となる。
また、本実施形態では、入力検出電圧Vyを生成する構成(請求項における整流出力検出部)として、制御ブロックCBの動作に使用されていた分圧抵抗R11,R12を流用することにより、部品点数の増加が抑えられている。
(実施形態4)
本実施形態の基本構成は実施形態2と共通であるので、共通する部分については説明を省略する。
本実施形態の直流用集積回路2には、図10に示すように、第2コンパレータCP4の出力VCP4に応じて直流用集積回路2の直流駆動部DR及び充放電部22aと交流用集積回路4とをそれぞれ制御するリセット部RCが設けられている。
具体的に説明すると、リセット部RCは、図11に示すように、第2コンパレータCP4の出力VCP4がLレベルとなったとき(つまり、検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが第2低下判定電圧Vcx2に達したとき)から所定の停止時間にわたって動作停止T4を行わせるように直流用集積回路2の直流駆動部DRと交流用集積回路4の発振制御部42とをそれぞれ制御するという停止動作を行い、上記の停止動作の終了後には、直流用集積回路2の直流駆動部DRの動作を再開させるとともに、交流用集積回路4の発振制御部42には予熱動作T1から始動動作T2を経て定常動作T3に移行するまでの一連の動作を開始させるという再始動動作を行う。
さらに、リセット部RCは、動作停止T4中と、直流用集積回路2の直流駆動部DRが動作を開始した後(つまり予熱動作T1が開始された後)に所定の保留時間T5が経過するまでの期間とには、それぞれ検出用コンデンサCxが放電されるように充放電部22aのスイッチSWをオフ制御する。上記動作は例えば上記期間に故障判定部22の入力コンデンサCP2の反転入力端子の電位を下側判定電圧Vxbよりも高く維持することで実現することができる。上記の保留時間T5は、直流電源部1の出力電圧及び出力検出電圧Vxがそれぞれ安定するのに十分な程度に長い時間とされている。一般的な昇圧チョッパ回路においては、出力電圧の安定までにかかる時間は最長で150ミリ秒ほどになることがあるので、保留時間T5は150ミリ秒以上とすることが望ましい。
上記構成によれば、動作停止T4の間に検出用コンデンサCxが放電されるから、動作停止T4の後の再始動動作の開始時に検出用コンデンサCxの両端電圧Vcxが維持されていた場合に発生しうる、放電灯への出力電力の低下や停止といった誤動作を防止することができる。
また、直流用集積回路2の直流駆動部DRが動作を開始した後に所定の保留時間T5が経過するまでの期間には検出用コンデンサCxが充電されないので、直流電源部1の動作開始直後の出力検出電圧Vxが安定しない期間に出力検出電圧Vxの一時的な上昇による誤動作を防止することができる。なお、上記のような直流電源部1の動作開始直後の出力検出電圧Vxが安定しない期間の誤動作については、第1低下判定電圧Vcx1や第2低下判定電圧Vcx2を十分に高くすることでも防止することは可能であるが、第1低下判定電圧Vcx1や第2低下判定電圧Vcx2を高くすることはすなわち異常の発生に対して応答が遅くなることを意味する。本実施形態では、第1低下判定電圧Vcx1や第2低下判定電圧Vcx2を比較的に低くして異常の発生に対する応答の速さを確保した場合であっても、直流電源部1の動作開始直後の出力検出電圧Vxが安定しない期間の誤動作を避けることができるといったように、設計の自由度が向上している。
なお、上記の再始動動作が行われる回数に上限を設けてもよい。具体的には、リセット部RCが、再始動動作を行った回数を計数するとともに、再始動動作の回数が所定回数に達した後で第2コンパレータCP4の出力VCP4がLレベルとなったときには再始動動作は行わずに停止動作を継続する。この構成を採用すれば、再始動動作が際限無く繰り返されることを避けることができる。
また、本実施形態の構成は、図12に示すように実施形態3の構成と組み合わせることができる。
上記の各実施形態で説明した各種の放電灯点灯装置は、図13に示すような照明器具6に使用することができる。上下方向は図13を基準として説明すると、図13の照明器具6は、それぞれ直管型の放電灯の一方ずつの口金が接続されることで共振回路5の共振部と放電灯とを電気的に接続する1組2個のソケット61と、放電灯点灯装置すなわちダイオードブリッジDBと直流電源部1と直流用集積回路2とスイッチング部3と交流用集積回路4と共振部とをそれぞれ収納及び保持するとともにソケット61を下側に突出させる形で保持した器具本体62とを備える。器具本体62は全体として三角柱形状であって側面のうち1個を天井面や壁面などの取付面(図示せず)に向けて取付面に対して固定されるものである。また、器具本体62の側面のうち2個は斜め下方に向けられるものであって、これらの側面は、例えば白色とされることにより、ソケット61に取り付けられた放電灯(図示せず)の光を下方に配光(反射)する。このような照明器具6は周知技術で実現可能であるので、詳細な説明は省略する。