JP6023414B2 - 電源装置及び照明器具 - Google Patents

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Description

この発明は、電源装置に関する。
電力効率の高い電源装置として、スイッチング電源が知られている。
スイッチング電源は、スイッチング素子をオンオフするデューティ比を変えることにより、容易に出力を変えることができる。負荷回路を流れる負荷電流を検出して目標電流と比較し、スイッチング素子のオン時間を調整することにより、負荷電流を目標電流に一致させることができるので、定電流電源として機能させることができる。
特開2007−80771号公報 特開2009−134945号公報 特開2009−105016号公報
オン時間を短くすれば、負荷電流が小さくなるが、オン時間が短くなり過ぎると、スイッチング素子の特性やその他の原因により、スイッチング素子がオンしなくなる場合がある。スイッチング素子の動作が不安定になると、負荷電流の変動が大きくなり、例えば、LEDなどの光源を有する負荷回路を接続した場合、光源がちらついて見える場合がある。光源がちらつくのを防ぐためには、目標電流の下限を大きくする必要があるため、光源を暗く点灯することができない。
この発明は、目標電流が小さい場合でも、スイッチング素子が確実にオンできるようにすることを目的とする。
この発明にかかる電源装置は、スイッチング素子と、上記スイッチング素子を駆動する駆動回路とを有し、負荷回路に対して直流を供給する直流変換回路と、上記直流変換回路が供給した直流により上記負荷回路を流れる負荷電流を検出する電流検出回路と、上記電流検出回路が検出した負荷電流と、上記負荷回路に流すべき目標電流とに基づいて、上記スイッチング素子のオン時間を算出するオン時間算出回路とを有し、上記駆動回路は、上記オン時間算出回路が算出したオン時間にしたがって、上記スイッチング素子を駆動し、上記オン時間及び上記負荷電流及び上記目標電流のうち少なくともいずれかを指標値とし、上記指標値が小さいほど、上記スイッチング素子をオフにしている時間を長くすることを特徴とする。
この発明にかかる電源装置によれば、指標値が小さいほど、スイッチング素子をオフにしている時間を長くするので、目標電流が小さい場合でも、スイッチング素子のオン時間が短くなり過ぎるのを防ぐことができ、スイッチング素子を確実にオンすることができる。
実施の形態1における照明器具800の構成を示す構成図。 実施の形態1における電源回路100の構成を示す回路図。 実施の形態1における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図。 実施の形態1における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図。 実施の形態1における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図。 実施の形態1における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図。 実施の形態1における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図。 実施の形態2における電源回路100の構成を示す回路図。 実施の形態3における照明器具800の構成を示す構成図。 実施の形態3における電源回路100の構成を示す回路図。 実施の形態3における遅延生成回路180の特性を示す図。 実施の形態3における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図。 実施の形態3における電源回路100の特性を示す図。 実施の形態4における照明器具800の構成を示す構成図。 実施の形態4における電源回路100の構成を示す回路図。 実施の形態4における電源回路100の特性を示す図。
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図7を用いて説明する。
図1は、この実施の形態における照明器具800の構成を示す構成図である。
照明器具800は、商用電源などの交流電源ACから供給される電力により、光源を点灯する。照明器具800は、光源を点灯する明るさを指示する調光信号を入力し、入力した調光信号による指示にしたがって、光源を点灯する。照明器具800は、例えば、電源回路100と、光源回路810とを有する。
光源回路810(負荷回路)は、例えばLEDなどの光源を有する。光源回路810の光源は、電源回路100から供給された直流電力により点灯する。
電源回路100(電源装置)は、交流電源ACから供給された交流電力を、光源回路810に対して供給する直流電力に変換する。電源回路100は、例えば、全波整流回路110と、直流変換回路120と、電流検出回路140と、調光入力回路150と、オン時間算出回路160とを有する。
全波整流回路110(整流回路)は、交流電源ACから供給された交流を全波整流して、脈流に変換する。
直流変換回路120(直流電源回路)は、全波整流回路110が変換した脈流を、光源回路810に対して供給する直流に変換する。直流変換回路120は、例えばスイッチング電源回路であり、スイッチング素子を有する。
電流検出回路140(LED電流検出部)は、直流変換回路120が光源回路810に対して供給した直流により光源回路810に流れた電流(以下「負荷電流」と呼ぶ。)を検出する。電流検出回路140は、検出した負荷電流の瞬時値を表わす信号(以下「電流検出信号」と呼ぶ。)を生成する。電流検出信号は、例えば基準電位に対する電位差(以下「電流検出電圧」と呼ぶ。)により負荷電流の瞬時値を表わし、電流検出電圧は、負荷電流の瞬時値に比例する。
調光入力回路150(調光指令部)は、調光信号を入力する。調光信号は、例えばリモコンなどからの赤外線信号や、調光器などからの電気信号などである。調光信号は、例えばパルス幅変調(PWM)信号であり、オンデューティにより光源を点灯する明るさ(全点灯時の明るさに対する割合)を表わす。調光入力回路150は、入力した調光信号に基づいて、負荷電流の目標値(以下「目標電流」と呼ぶ。)を算出する。調光入力回路150は、算出した目標電流を表わす信号(以下「目標信号」と呼ぶ。)を生成する。目標信号は、例えば、基準電位に対する電位差(以下「目標電圧」と呼ぶ。)により目標電流を表わし、目標電圧は、目標電流に比例し、負荷電流が目標電流に一致する場合の電流検出電圧に等しい。
オン時間算出回路160(LED電流制御回路部)は、電流検出回路140が検出した負荷電流と、調光入力回路150が算出した目標電流とに基づいて、直流変換回路120のスイッチング素子をオンすべき時間の長さ(以下「オン時間」と呼ぶ。)を算出する。オン時間算出回路160は、算出したオン時間を表わす信号(以下「オン時間信号」と呼ぶ。)を生成する。オン時間信号は、例えば基準電位に対する電位差(以下「オン時間電圧」と呼ぶ。)によりオン時間を表わし、オン時間電圧は、オン時間に比例する。オン時間算出回路160は、例えば、負荷電流が目標電流より小さい場合に、オン時間を長くし、負荷電流が目標電流より大きい場合に、オン時間を短くする。
直流変換回路120は、オン時間算出回路160が算出したオン時間にしたがって、スイッチング素子を駆動する。オン時間が長くなれば負荷電流が大きくなり、オン時間が短くなれば負荷電流が小さくなる。これにより、電源回路100は、目標電流に一致する一定の電流を光源回路810に流す定電流電源として機能する。
図2は、この実施の形態における電源回路100の構成を示す回路図である。
全波整流回路110は、例えば、ダイオードブリッジ回路DBと、ノイズ除去コンデンサC11とを有する。
ダイオードブリッジ回路DBは、例えば4つの整流素子をブリッジ接続した回路である。入力側の2つの端子は、交流電源ACに電気接続している。また、低電位側の出力端子は、グランド配線GNDに電気接続している。グランド配線GNDの電位は、電源回路100内の基準電位となる。
ノイズ除去コンデンサC11は、高周波ノイズを除去するためのコンデンサであり、静電容量が比較的小さい。ノイズ除去コンデンサC11は、ダイオードブリッジ回路DBの高電位側の出力端子と、グランド配線GNDとの間に電気接続している。ノイズ除去コンデンサC11の静電容量が小さいので、全波整流回路110が出力する脈流の電圧波形は、交流電源ACから供給された交流の電圧波形を全波整流した波形にほぼ一致する。
直流変換回路120は、例えばフライバックコンバータ回路である。直流変換回路120は、トランスT21と、スイッチング素子Q25と、整流素子D26と、平滑コンデンサC27と、点灯制御IC130と、起動抵抗R31と、ゼロクロス検出回路132と、オフ時間調整回路170とを有する。
トランスT21(変成器)は、一次巻線L22と、二次巻線L23と、補助巻線L24とを有する。
スイッチング素子Q25は、例えばMOSFETである。一次巻線L22(一次巻線)と、スイッチング素子Q25とは、互いに直列に電気接続している。一次巻線L22とスイッチング素子Q25との直列回路は、全波整流回路110の出力と、グランド配線GNDとの間に電気接続している。
整流素子D26は、例えば半導体ダイオードである。平滑コンデンサC27は、例えば電解コンデンサである。二次巻線L23と、整流素子D26と、平滑コンデンサC27とは、閉ループ状に電気接続している。
ゼロクロス検出回路132(スイッチング制御検出回路)は、二次巻線L23から整流素子D26を介して平滑コンデンサC27を充電する電流が0か否かを検出する。ゼロクロス検出回路132は、検出した結果を表わす信号(以下「ゼロクロス信号」と呼ぶ。)を生成する。ゼロクロス信号は、例えば基準電位に対する電位差(以下「ゼロクロス検出電圧」と呼ぶ。)により検出結果を表わし、ゼロクロス検出電圧がほぼ0のとき、平滑コンデンサC27を充電する電流が0であることを表わす。ゼロクロス検出回路132は、例えば、トランスT21の補助巻線L24と、制限抵抗R33と、整流素子D34とにより構成されている。補助巻線L24と、制限抵抗R33と、整流素子D34とは、互いに直列に電気接続している。補助巻線L24と制限抵抗R33と整流素子D34との直列回路は、点灯制御IC130のゼロクロス信号入力端子と、グランド配線GNDとの間に電気接続している。
起動抵抗R31は、点灯制御IC130を起動するための電力を点灯制御IC130に対して供給する。起動抵抗R31は、全波整流回路110の出力と、点灯制御IC130の電源端子との間に電気接続している。
点灯制御IC130(駆動回路、制御回路IC)は、スイッチング素子Q25のオンオフを制御する。点灯制御IC130は、電源端子と、駆動信号出力端子と、オン時間信号入力端子と、ゼロクロス信号入力端子とを有する。電源端子は、起動抵抗R31に電気接続し、起動抵抗R31を介して、起動のための電力を入力する。駆動信号出力端子は、スイッチング素子Q25の制御端子(例えばゲート端子)に電気接続し、スイッチング素子Q25を駆動する駆動信号を出力する。オン時間信号入力端子は、オン時間算出回路160の出力に電気接続し、オン時間信号を入力する。ゼロクロス信号入力端子は、ゼロクロス検出回路132の出力に電気接続し、ゼロクロス信号を入力する。点灯制御IC130は、スイッチング素子Q25をオンにし、オン時間信号が表わすオン時間が経過すると、スイッチング素子Q25をオフにする。その後、点灯制御IC130は、ゼロクロス信号に基づいて、平滑コンデンサC27を充電する電流が0になるまで待ってから、スイッチング素子Q25を再びオンにする。
オフ時間調整回路170は、スイッチング素子Q25をオフにしている時間(以下「オフ時間」と呼ぶ。)を調整する。オフ時間調整回路170は、オン時間算出回路160が算出したオン時間(指標値)が所定の閾値(以下「最低オン時間」と呼ぶ。)より小さい場合、スイッチング素子Q25がオンされないようにする。オフ時間調整回路170は、例えば、オン時間が最低オン時間より小さい場合、ゼロクロス検出電圧が0にならないようにすることにより、点灯制御IC130がスイッチング素子Q25をオンしないようにする。オフ時間調整回路170は、例えば、差動増幅器A71と、基準電圧源V72と、コンデンサC73と、整流素子D74とを有する。
差動増幅器A71(比較器、オペアンプ)は、正入力端子と、負入力端子と、出力端子とを有し、正入力端子と負入力端子との電位差を増幅した電圧を出力端子から出力する。差動増幅器A71の負入力端子は、オン時間算出回路160の出力に電気接続して、オン時間算出回路160が生成したオン時間電圧を入力する。
基準電圧源V72は、所定の基準電圧を生成する。基準電圧源V72が生成する基準電圧は、オン時間算出回路160が指示するオン時間が最低オン時間に等しいときに、オン時間算出回路160が生成するオン時間電圧の値に等しい。基準電圧源V72は、差動増幅器A71の正入力端子とグランド配線GNDとの間に電気接続している。
コンデンサC73は、差動増幅器A71の負入力端子と出力端子との間に電気接続している。
整流素子D74は、例えば半導体ダイオードである。整流素子D74のアノード端子は、差動増幅器A71の出力端子に電気接続し、カソード端子は、点灯制御IC130のゼロクロス信号入力端子に電気接続している。
オン時間算出回路160が指示するオン時間が最低オン時間より長い場合、オン時間電圧が基準電圧より高いので、差動増幅器A71の出力端子の電位が低くなる。整流素子D74がオフになるので、ゼロクロス検出回路132が生成したゼロクロス信号がそのまま点灯制御IC130に伝達される。
オン時間算出回路160が指示するオン時間が最低オン時間より短い場合、オン時間電圧が基準電圧より低いので、差動増幅器A71の出力端子の電位が高くなる。整流素子D74がオンになるので、補助巻線L24の両端電圧に関わらず、ゼロクロス検出電圧が高くなる。このため、点灯制御IC130は、平滑コンデンサC27を充電する電流がまだ0になっていないと判断し、スイッチング素子Q25をオンしない。
電流検出回路140は、例えば、電流検出抵抗R41を有する。
電流検出抵抗R41(検出抵抗)は、例えば所定の抵抗値を有する固定抵抗器である。電流検出抵抗R41は、光源回路810に対して直列に電気接続している。光源回路810を流れる負荷電流(LED電流)と同じ電流が電流検出抵抗R41を流れ、負荷電流に比例する電圧が電流検出抵抗R41の両端に発生する。電流検出回路140は、電流検出抵抗R41の両端電圧を、電流検出電圧として出力する。
オン時間算出回路160は、例えば、差動増幅器A61と、コンデンサC62とを有する。
差動増幅器A61(比較器、オペアンプ)は、正入力端子と、負入力端子と、出力端子とを有し、正入力端子と負入力端子との電位差を増幅した電圧を出力端子から出力する。差動増幅器A61の負入力端子は、電流検出回路140の出力に電気接続して、電流検出回路140が生成した電流検出電圧を入力する。差動増幅器A61の正入力端子は、調光入力回路150の出力に電気接続して、調光入力回路150が生成した目標電圧を入力する。
コンデンサC62は、差動増幅器A61の負入力端子と出力端子との間に電気接続している。
図3は、この実施の形態における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電流または電圧を示す。なお、横軸のスケールは、全波整流回路110が出力する脈流の電圧瞬時値がほぼ一定であるとみなせる時間幅であり、例えば、数μs(マイクロ秒)〜数十μsのオーダーである。
実線511は、一次巻線L22を流れる電流を表わす。実線521は、一次巻線L22の両端電圧を表わす。なお、二次巻線L23及び補助巻線L24の両端電圧は、一次巻線L22の両端電圧に比例する逆極性の電圧である。実線512は、二次巻線L23を流れる電流を表わす。実線522は、ゼロクロス検出回路132が出力するゼロクロス検出電圧を表わす。なお、この例において、オン時間は最低オン時間より大きいものとする。
時刻501において、点灯制御IC130は、スイッチング素子Q25をオンにする。
一次巻線L22の両端には、全波整流回路110が出力した脈流の電圧とほぼ等しい電圧が印加される。二次巻線L23及び補助巻線L24の両端には、一次巻線L22の両端電圧に比例する逆極性の電圧が発生する。巻線の両端に発生する電圧の比は、巻数比によって定まる。整流素子D26及び整流素子D34がオフになるので、二次巻線L23及び補助巻線L24には、電流が流れない。このため、ゼロクロス検出電圧は、ほぼ0になる。
一次巻線L22を流れる電流は、一次巻線L22の両端電圧に比例する傾きで増加する。
時刻502において、点灯制御IC130は、時刻501からの経過時間がオン時間に到達したことを検知し、スイッチング素子Q25をオフにする。一次巻線L22を流れる電流が0になり、トランスT21内の磁束を維持するための電流が二次巻線L23を流れる。二次巻線L23を流れる電流の瞬時値は、直前に一次巻線L22を流れていた電流の瞬時値に比例する。
整流素子D26がオンになり、二次巻線L23を流れる電流で平滑コンデンサC27が充電される。二次巻線L23の両端には、平滑コンデンサC27の両端電圧とほぼ等しい電圧が印加される。一次巻線L22の両端には、二次巻線L23の両端電圧に比例する逆極性の電圧が発生する。補助巻線L24の両端には、二次巻線L23の両端電圧に比例する同極性の電圧が発生する。整流素子D34がオンになるので、補助巻線L24に電流が流れる。これにより、ゼロクロス検出電圧が高くなる。なお、補助巻線L24を流れる電流は、制限抵抗R33によって制限される。制限抵抗R33の抵抗値が十分大きければ、補助巻線L24を流れる電流は、二次巻線L23を流れる電流よりも十分小さいので、無視できる。
二次巻線L23を流れる電流は、二次巻線L23の両端電圧に比例する傾きで減少する。
時刻503において、二次巻線L23を流れる電流が0に達すると、整流素子D26がオフになり、二次巻線L23の両端電圧は、ほぼ0になる。これに伴い、一次巻線L22及び補助巻線L24の両端電圧も、ほぼ0になる。整流素子D34がオフになり、補助巻線L24を流れる電流も0になる。このため、ゼロクロス検出電圧がほぼ0になる。
点灯制御IC130は、ゼロクロス検出電圧が0になったので、平滑コンデンサC27を充電する電流が0になったと判定し、時刻504において、スイッチング素子Q25を再びオンにする。
電源回路100は、この動作を繰り返す。
時刻501から時刻502までの間において、一次巻線L22を流れる電流の増加率は、ほぼ一定である。オン時間が短ければ、一次巻線L22を流れる電流の最大値が小さくなり、二次巻線L23を流れる電流の最大値も小さくなる。平滑コンデンサC27を充電する電流が減るので、負荷電流が小さくなる。逆に、オン時間が長ければ、一次巻線L22を流れる電流の最大値が大きくなり、二次巻線L23を流れる電流の最大値も大きくなる。平滑コンデンサC27を充電する電流が増えるので、負荷電流が大きくなる。
図4は、この実施の形態における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電流を示す。横軸のスケールは、図3と同じである。
この例は、オン時間算出回路160が算出したオン時間が図3とほぼ同じであり、全波整流回路110が出力した脈流の電圧瞬時値が図3より小さい場合を示す。
全波整流回路110が出力した脈流の電圧瞬時値が小さいと、時刻501から時刻502までの間において、一次巻線L22を流れる電流の増加率が減るので、オン時間が同じでも、一次巻線L22を流れる電流の最大値が小さくなる。二次巻線L23を流れる電流の最大値も小さくなり、平滑コンデンサC27を充電する電流が減るので、負荷電流が小さくなる。
図5は、この実施の形態における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電圧または電流またはオン時間を示す。横軸のスケールは、図3及び図4より大きく、例えば、数ms(ミリ秒)〜数十msのオーダーである。
実線523は、全波整流回路110が出力した脈流の電圧を表わす。破線513は、光源回路810を流れる負荷電流を表わす。細破線514は、負荷電流の平均値を表わす。実線531は、オン時間算出回路160が指示したオン時間を表わす。細破線532は、オン時間算出回路160が指示するオン時間の最大値を表わす。例えば、差動増幅器A61が出力できる電圧の範囲により、オン時間電圧の範囲が制限されるので、オン時間信号によって指示できるオン時間の範囲も制限される。
平滑コンデンサC27の静電容量は、電源回路100のフィードバックループの応答速度を速くするため、平滑目的のコンデンサとしては比較的小さい値に設定する。このため、全波整流回路110が出力する脈流の電圧の変化によって、平滑コンデンサC27を充電する電流が変化すると、負荷電流も比較的大きく変化する。
全波整流回路110が出力する脈流の電圧瞬時値が大きいタイミングでは、オン時間が短くても、負荷電流を目標電流に一致させることができるので、オン時間算出回路160は、オン時間を短くする。
全波整流回路110が出力する脈流の電圧瞬時値が小さいタイミングでは、オン時間を長くしなければ、負荷電流を目標電流に一致されることができないので、オン時間算出回路160は、オン時間を長くする。
このように、全波整流回路110が出力する脈流の電圧瞬時値の変化に合わせて、オン時間算出回路160は、オン時間を変化させ、負荷電流を目標電流に一致させる。
しかし、全波整流回路110が出力する脈流の電圧瞬時値があまりにも小さいタイミングでは、オン時間を最大より長くしなければ、負荷電流を目標電流に一致させることができない。オン時間算出回路160は、オン時間を最大にするが、負荷電流は目標電流より小さくなる。
このため、負荷電流の平均値は、目標電流よりわずかに小さい値になる。
図6は、この実施の形態における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電圧または電流またはオン時間を示す。横軸のスケールは、図3及び図4と同じである。
細破線515は、目標電流の値を表わす。細破線533は、最低オン時間を表わす。
この例は、目標電流が小さく、オン時間算出回路160が指示するオン時間が最低オン時間より小さくなることがある場合を示す。
時刻501において、点灯制御IC130は、スイッチング素子Q25をオンにする。
時刻502において、点灯制御IC130は、オン時間が経過したので、スイッチング素子Q25をオフにする。
平滑コンデンサC27を充電する電流が流れ、負荷電流が増える。
時刻505において、負荷電流の瞬時値が目標電流を超えると、オン時間算出回路160は、オン時間を少しずつ短くする。
時刻506において、オン時間が最低オン時間より小さくなると、オフ時間調整回路170が動作する。
時刻503において、平滑コンデンサC27を流れる電流が0になるが、オフ時間調整回路170が動作しているので、ゼロクロス検出電圧は0にならない。このため、点灯制御IC130は、スイッチング素子Q25をオフにしたままである。
時刻507において、負荷電流の瞬時値が目標電流を下回ると、オン時間算出回路160は、オン時間を少しずつ長くする。
時刻508において、オン時間が最低オン時間より大きくなると、オフ時間調整回路170が動作しなくなり、ゼロクロス検出電圧がほぼ0になる。
点灯制御IC130は、ゼロクロス検出電圧が0になったので、平滑コンデンサC27を充電する電流が0になったと判定し、時刻504において、スイッチング素子Q25を再びオンにする。
図7は、この実施の形態における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電圧または電流またはオン時間を示す。横軸のスケールは、図5と同じである。
目標電流が小さい場合、全波整流回路110が出力する脈流の電圧瞬時値が高いタイミングにおいて、オン時間算出回路160が指示するオン時間が最低オン時間より短くなる場合がある。
オン時間算出回路160が指示したオン時間が最低オン時間より短いと、スイッチング素子Q25をオンしないので、スイッチング素子Q25のオフ時間が長くなる。これにより、負荷電流が減ると、オン時間算出回路160が指示するオン時間が長くなり、最低オン時間を上回ると、スイッチング素子Q25がオンする。
したがって、スイッチング素子Q25をオンするタイミングでは、オン時間が必ず最低オン時間より長いことが保証されている。
オン時間算出回路160が指示したオン時間が短か過ぎると、点灯制御IC130やスイッチング素子Q25の特性などにより、スイッチング素子Q25がオンしない可能性がある。意図せずしてスイッチング素子Q25がオンしない場合、利用者に光源のちらつきとして認識される可能性がある。
この実施の形態における電源回路100は、スイッチング素子Q25のオン時間が最低オン時間より長いことを保証できる。スイッチング素子Q25が確実にオンするので、光源のちらつきが発生するのを防ぐことができる。
また、オン時間算出回路160が指示したオン時間が最低オン時間より短い間は、スイッチング素子Q25をオンしないので、スイッチング素子Q25のオフ時間が長くなる。これにより、オン時間が最低オン時間より長くても、負荷電流の平均値を小さくすることができる。すなわち、オン時間を最低オン時間より短くしたのと実質的に同様の効果を得られる。このため、目標電流を小さく設定することができ、深い調光(光源を暗く点灯すること)を実現することができる。
なお、オフ時間調整回路170は、オン時間算出回路160の出力を入力するのでオン時間算出回路160より速い応答速度は必要ないが、点灯制御IC130がスイッチング素子Q25をオンオフする周波数に追随する必要がある。点灯制御IC130がスイッチング素子Q25をオンオフする周波数は、例えば数十kHz〜数百kHzであるから、オン時間算出回路160及びオフ時間調整回路170の応答上限周波数は、10kHz以上であることが必要であり、100kHz以上500kHz以下であることが望ましい。
このように、オン時間が最低オン時間を下回る可能性がない場合、電源回路100は、二次巻線L23を流れて平滑コンデンサC27を充電する電流が0になったら、すぐにスイッチング素子Q25をオンにする(いわゆる臨界モードで動作)することにより、電力効率が高くなる。
また、オン時間が最低オン時間を下回った場合、電源回路100は、スイッチング素子Q25をオンしないことにより、負荷電流を減少させる。オン時間算出回路160がオン時間を増加させるので、オン時間が最低オン時間を上回り、スイッチング素子Q25が確実にオンする。光源を暗く点灯するために目標電流を小さくしても、光源がちらつくのを防ぐことができる。
実施の形態2.
実施の形態2について、図8を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図8は、この実施の形態における電源回路100の構成を示す回路図である。
オフ時間調整回路170は、部品の接続が実施の形態1と異なっている。すなわち、差動増幅器A71の正入力端子は、オン時間算出回路160の出力に電気接続して、オン時間電圧を入力する。基準電圧源V72は、差動増幅器A71の負入力端子とグランド配線GNDとの間に電気接続している。整流素子D74のカソード端子は、差動増幅器A71の出力端子に電気接続し、アノード端子は、スイッチング素子Q25の制御端子に電気接続している。
オン時間算出回路160が指示するオン時間が最低オン時間より大きい場合、整流素子D74がオフになる。スイッチング素子Q25は、点灯制御IC130が生成した駆動信号にしたがってオンオフする。
オン時間算出回路160が指示するオン時間が最低オン時間より小さい場合、整流素子D74がオンになる。スイッチング素子Q25は、点灯制御IC130が生成した駆動信号にかかわらず、スイッチング素子Q25がオンしない。
なお、整流素子D74がオンのとき、点灯制御IC130の駆動信号出力端子から整流素子D74へ電流が流れないようにするため、点灯制御IC130の駆動信号出力端子とスイッチング素子Q25の制御端子との間に整流素子を挿入し、カソード端子を点灯制御IC130の駆動信号出力端子に接続し、アノード端子をスイッチング素子Q25の制御端子に接続する構成であってもよい。
オン時間算出回路160が指示するオン時間が最低オン時間より短い場合、実施の形態1では、点灯制御IC130が入力するゼロクロス信号を加工することにより、点灯制御IC130がスイッチング素子Q25をオンしないようにするのに対し、この実施の形態では、点灯制御IC130が出力する駆動信号を加工することにより、スイッチング素子Q25がオンにならないようにする。このように構成しても、実施の形態1と同様の効果を奏する。
すなわち、オン時間算出回路160が指示したオン時間が最低オン時間より短い場合に、スイッチング素子Q25がオンしないようにすることが重要であり、それを実現するための具体的な構成は、これと異なる構成であってもよい。
実施の形態3.
実施の形態3について、図9〜図13を用いて説明する。
なお、実施の形態1または実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図9は、この実施の形態における照明器具800の構成を示す構成図である。
直流変換回路120は、電流検出回路140が検出した負荷電流と、オン時間算出回路160が算出したオン時間とに基づいて、スイッチング素子をオンオフする。直流変換回路120は、電流検出回路140が検出した負荷電流(指標値)が小さいほど、スイッチング素子のオフ時間を長くする。
図10は、この実施の形態における電源回路100の構成を示す回路図である。
実施の形態1と比較すると、オフ時間調整回路170及びゼロクロス検出回路132の構成が異なっている。
オフ時間調整回路170は、差動増幅器A71と、基準電圧源V72と、コンデンサC73と、2つの分圧抵抗R75,R76とを有する。
差動増幅器A71の正入力端子は、電流検出回路140の出力に電気接続して、電流検出回路140が生成した電流検出電圧を入力する。
分圧抵抗R75と、基準電圧源V72とは、互いに直列に電気接続している。分圧抵抗R75と基準電圧源V72との直列回路は、差動増幅器A71の負入力端子とグランド配線GNDとの間に電気接続している。
分圧抵抗R76と、コンデンサC73とは、互いに並列に電気接続している。分圧抵抗R76とコンデンサC73との並列回路は、差動増幅器A71の負入力端子と出力端子との間に電気接続している。
ゼロクロス検出回路132は、補助巻線L24と、制限抵抗R33と、整流素子D34とに加えて、遅延生成回路180を有する。
遅延生成回路180は、補助巻線L24の両端電圧の変化が少し遅れてゼロクロス信号に反映されるよう、遅延を生成する。遅延生成回路180は、例えば、コンデンサC81と、抵抗R82と、整流素子D83と、スイッチング素子Q84とを有する。
コンデンサC81は、制限抵抗R33と整流素子D34との接続点と、グランド配線GNDとの間に電気接続している。
抵抗R82と、整流素子D83と、スイッチング素子Q84とは、互いに並列に電気接続している。抵抗R82と整流素子D83とスイッチング素子Q84との並列回路は、補助巻線L24とグランド配線GNDとの間に電気接続している。
抵抗R82は、コンデンサC81を充放電する電流を制限することにより、遅延を生じさせる。
整流素子D83は、コンデンサC81を充電する向きの電流が流れるときにオンになり、抵抗R82をバイパスする。
スイッチング素子Q84は、例えばMOSFETである。スイッチング素子Q84の制御端子(例えばゲート端子)は、オフ時間調整回路170の出力に電気接続している。
図11は、この実施の形態における遅延生成回路180の特性を示す図である。
横軸は、電圧を示す。縦軸は、時定数を示す。
実線541は、オフ時間調整回路170の出力電圧と、コンデンサC81の放電時定数との関係を表わす。細破線525は、スイッチング素子Q84が完全にオフになる電圧を表わす。細破線526は、スイッチング素子Q84が完全にオンになる電圧を表わす。
スイッチング素子Q84が完全にオフの場合、放電時定数は、大きい値になる。
スイッチング素子Q84が完全にオンの場合、抵抗R82がバイパスされるので、放電時定数は、充電時定数とほぼ同じ、小さい値になる。
スイッチング素子Q84が中間状態の場合、放電時定数は、中間の値になる。
図12は、この実施の形態における電源回路100の動作の一例を示すタイミング図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電圧または電流を示す。横軸のスケールは、図3及び図4及び図6と同じである。
実線511は、一次巻線L22を流れる電流を表わす。実線512は、二次巻線L23を流れる電流を表わす。実線522は、ゼロクロス検出回路132が出力するゼロクロス検出電圧を表わす。破線524は、補助巻線L24の両端電圧を表わす。
時刻501において、点灯制御IC130は、スイッチング素子Q25をオンする。
時刻502において、点灯制御IC130は、オン時間が経過したのでスイッチング素子Q25をオフにする。
補助巻線L24の両端に、二次巻線L23の両端電圧に比例する同極性の電圧が発生する。整流素子D83がオンになり、制限抵抗R33を介してコンデンサC81を充電する電流が流れる。コンデンサC81の充電時定数が小さいので、コンデンサC81はすぐに充電される。オフ時間調整回路170が出力するゼロクロス検出電圧は、コンデンサC81の両端電圧にほぼ等しい電圧になる。
時刻503において、平滑コンデンサC27を充電する電流が0になり、補助巻線L24の両端電圧は、ほぼ0になる。
スイッチング素子Q84がオフである場合、整流素子D83がオフになるので、コンデンサC81を放電する電流は、制限抵抗R33及び抵抗R82を介して流れる。コンデンサC81の放電時定数が大きいので、コンデンサC81は、ゆっくり放電する。
時刻508において、コンデンサC81の両端電圧がほぼ0になる。
点灯制御IC130は、ゼロクロス検出電圧が0になったので、平滑コンデンサC27を充電する電流が0になったと判定し、時刻504において、スイッチング素子Q25を再びオンにする。
このように、スイッチング素子Q84をオフにすると、平滑コンデンサC27を充電する電流が実際に0になってから、そのことを点灯制御IC130が検知してスイッチング素子Q25をオンするまでに、遅延を生じさせることができる。
これに対し、スイッチング素子Q84がオンの場合は、コンデンサC81を放電する電流がスイッチング素子Q84を流れ、抵抗R82をバイパスするので、放電時定数が小さくなり、コンデンサC81はすぐに放電する。このため、平滑コンデンサC27を充電する電流が0になると、そのことを点灯制御IC130がすぐに検知してスイッチング素子Q25をオンする。
基準電圧源V72が生成する基準電圧は、負荷電流が所定の基準電流に等しいときに電流検出回路140が生成する電流検出電圧に等しい。
負荷電流の平均値が基準電流より大きい場合、オフ時間調整回路170の出力電圧が高くなり、スイッチング素子Q84がオンになる。このため、点灯制御IC130は、平滑コンデンサC27を充電する電流が0になると、すぐにスイッチング素子Q25をオンにする。
負荷電流の平均値が基準電流より小さい場合、オフ時間調整回路170の出力電圧が低くなり、スイッチング素子Q84がオフになる。このため、点灯制御IC130は、平滑コンデンサC27を充電する電流が0になってから少し遅れて、スイッチング素子Q25をオンにする。スイッチング素子Q25のオフ時間が長くなるので、オン時間が同じなら、負荷電流は小さくなる。このため、オン時間算出回路160は、オン時間を長くする。
図13は、この実施の形態における電源回路100の特性を示す図である。
横軸は、電流を示す。縦軸は、時間を示す。
破線542は、電流検出回路140が検出する負荷電流と、平滑コンデンサC27を充電する電流が0になってから点灯制御IC130がスイッチング素子Q25をオンにするまでの遅延時間との関係を表わす。実線543は、目標電流と、負荷電流が目標電流に一致するオン時間との関係を表わす。細破線516は、スイッチング素子Q84がオフになる電圧に対応する負荷電流を表わす。細破線517は、スイッチング素子Q84がオンになる電圧に対応する負荷電流を表わす。細破線533は、最低オン時間を表わす。細破線518,519は、最小目標電流を表わす。
負荷電流が細破線517で表わした電流より大きい場合、遅延時間がほとんどなく、負荷電流とオン時間との間には、比例関係が成り立つ。
負荷電流が細破線517で表わした電流より小さい場合、遅延によりオフ時間が長くなるので、負荷電流を目標電流に一致させるためには、オン時間を長くする必要がある。
このため、目標電流が細破線518で表わした最小目標電流より大きければ、オン時間が最低オン時間より長くなる。
これに対し、負荷電流が細破線517で表わした電流より小さくてもオフ時間を長くしない場合、オン時間が最低オン時間より長いことを保証するためには、目標電流が細破線519で表わした最小目標電流より大きい必要がある。
オン時間が最低オン時間より短いと、スイッチング素子Q25がオンしなくなり、光源がちらつく可能性がある場合、光源のちらつきを防止するには、オン時間が最低オン時間より長い必要がある。
負荷電流が小さい場合にオフ時間を長くすることにより、オン時間が最低オン時間より長いことが保証される最小目標電流を小さくすることができるので、深い調光を実現することができる。
なお、負荷電流が小さいほどオフ時間を長くすると更に負荷電流が小さくなる(すなわち、正帰還がかかる)から、オフ時間調整回路170の応答速度があまり速いと、負荷電流の微小な変化が増幅されて電源回路100の動作が不安定になる可能性がある。このため、オフ時間調整回路170の応答上限周波数は、10kHz以下であることが必要である。特に、負荷電流は、全波整流回路110が出力した脈流の電圧瞬時値の影響を受けるため、交流電源ACの周波数(例えば50Hz〜60Hz)の2倍の周波数を基本周波数とする変動がある。このため、オフ時間調整回路170の応答上限周波数は、その周波数(例えば100Hz〜120Hz)よりも低いことが望ましい。
また、オン時間算出回路160は、オフ時間調整回路170がオフ時間を変えた場合に、それを補償する形でオン時間を変える必要があるので、オン時間算出回路160の応答上限周波数は、オフ時間調整回路170よりも高い必要がある。
なお、負荷電流が小さい場合にオフ時間を長くすることが重要であり、それを実現するための具体的な回路構成は、他の構成であってもよい。
また、負荷電流が小さくなるにしたがって、オフ時間が連続的に長くなっていく構成であってもよいし、負荷電流が所定の閾値より小さくなった場合に、オフ時間が段階的に長くなる構成であってもよい。
これを実現するための具体的な回路構成は限定しないが、例えば、分圧抵抗R76をなくし、差動増幅器A71の負入力端子と出力端子との間には、コンデンサC73だけを接続する構成とする。これにより、オフ時間調整回路170は、直流に対する増幅率が非常に大きい積分回路として機能する。
なお、負荷電流が0またはそれに近い所定の閾値より小さい場合は、逆に遅延時間を小さくし、あるいは、遅延時間をなくす構成であってもよい。そうすれば、電源投入時の立ち上がりを速くすることができる。電源投入時には、負荷電流が0であることから、遅延時間が大きいと、立ち上がりが遅くなるためである。
これを実現するための具体的な回路構成は限定しないが、例えば、オフ時間調整回路170とは別に、電流検出電圧と閾値電圧とを比較する比較回路を設け、スイッチング素子Q84と並列に、比較回路の比較結果に基づいて、電流検出電圧が閾値電圧より小さい場合にオンするスイッチング素子を設ける。負荷電流がほぼ0である場合、電流検出電圧が閾値電圧より小さくなるから、スイッチング素子がオンになり、コンデンサC81の放電時定数が小さくなるので、遅延時間が小さくなる。
また、電源投入時の立ち上がりを速くするための別の構成として、例えば、基準電圧源V72の電圧が、電源投入時には0であり、その後、ゆっくりと大きくなって基準電圧に達する構成としてもよい。そうすれば、電源投入時には、スイッチング素子Q84がオンになり、遅延時間が小さくなる。
これを実現するための具体的な回路構成は限定しないが、例えば、全波整流回路110の出力により充電されるコンデンサを設け、コンデンサの両端電圧が基準電圧を超えないようにする構成(例えばコンデンサと並列に接続したツェナーダイオードなど)を設けて、基準電圧源V72とする。コンデンサの充電時定数を大きくすれば、基準電圧源V72の出力電圧は、電源投入時には0であり、ゆっくりと上昇して基準電圧に達する。なお、電源切断時には、コンデンサが速やかに放電されるよう構成することが望ましい。
実施の形態4.
実施の形態4について、図14〜図16を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態3と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図14は、この実施の形態における照明器具800の構成を示す構成図である。
直流変換回路120は、調光入力回路150が算出した目標電流と、オン時間算出回路160が算出したオン時間とに基づいて、スイッチング素子をオンオフする。直流変換回路120は、調光入力回路150が算出した目標電流(指標値)が小さいほど、スイッチング素子のオフ時間を長くする。
図15は、この実施の形態における電源回路100の構成を示す回路図である。
ゼロクロス検出回路132は、実施の形態3で説明したものと同様である。
オフ時間調整回路170は、例えば、差動増幅器A71と、基準電圧源V72と、コンデンサC73とを有する。
差動増幅器A71の正入力端子は、調光入力回路150の出力に電気接続して、調光入力回路150が生成した目標電圧を入力する。
基準電圧源V72は、差動増幅器A71の負入力端子とグランド配線GNDとの間に電気接続している。
コンデンサC73は、差動増幅器A71の負入力端子と出力端子との間に電気接続している。
目標電圧が基準電圧源V72の基準電圧より高い場合、オフ時間調整回路170の出力が高くなり、スイッチング素子Q84がオンになる。これにより、コンデンサC81の放電時定数が小さくなり、遅延時間が小さくなる。
目標電圧が基準電圧源V72の基準電圧より低い場合、オフ時間調整回路170の出力が低くなり、スイッチング素子Q84がオフになる。これにより、コンデンサC81の放電時定数が大きくなり、遅延時間が大きくなる。オフ時間が長くなる分、負荷電流が小さくなるので、オン時間算出回路160は、オン時間を長くして、負荷電流を目標電流に一致させる。
図16は、この実施の形態における電源回路100の特性を示す図である。
横軸は、電流を示す。縦軸は、時間を示す。
破線542は、調光入力回路150が算出する目標電流と、平滑コンデンサC27を充電する電流が0になってから点灯制御IC130がスイッチング素子Q25をオンにするまでの遅延時間との関係を表わす。実線543は、目標電流と、負荷電流が目標電流に一致するオン時間との関係を表わす。細破線517は、スイッチング素子Q84のオンオフが切り替わる電圧に対応する目標電流を表わす。細破線533は、最低オン時間を表わす。細破線518は、最小目標電流を表わす。
負荷電流が細破線517で表わした電流より大きい場合、遅延時間がほとんどなく、負荷電流とオン時間との間には、比例関係が成り立つ。
負荷電流が細破線517で表わした電流より小さい場合、遅延によりオフ時間が長くなるので、負荷電流を目標電流に一致させるためには、オン時間を長くする必要がある。
このため、目標電流が細破線518で表わした最小目標電流より大きければ、オン時間が最低オン時間より長くなる。
このように、負荷電流ではなく目標電流に基づいて、目標電流が小さい場合にオフ時間を長くする構成としても、実施の形態3と同様、最小目標電流を小さくすることができ、深い調光を実現することができる。
また、目標電流が小さいとオフ時間を長くするので、オン時間を変えなくても負荷電流が小さくなる(すなわち、フィードフォワード制御である)から、目標電流の変化に対して、電源回路100の応答速度が速くなる。
また、フィードフォワード制御であるから、オフ時間調整回路170の応答上限周波数を制限する必要がなく、オフ時間調整回路170の部品数を削減し、電源回路100の製造コストを抑えることができる。
なお、目標電流が小さい場合にオフ時間を長くすることが重要であり、それを実現するための具体的な回路構成は、他の構成であってもよい。
また、目標電流が閾値より小さくなった場合に、オフ時間を段階的に大きくするのではなく、目標電流が小さくなるにしたがって、オフ時間を連続的に大きくする構成であってもよい。
これを実現するための具体的な回路構成は限定しないが、例えば、差動増幅器A71の負入力端子と基準電圧源V72との間に分圧抵抗を設け、コンデンサC73の代わりに、もう一つの分圧抵抗を設ける。これにより、オフ時間調整回路170は、目標電圧と基準電圧との差を、分圧抵抗の分圧比に基づく増幅率で増幅する増幅器として機能する。
以上、各実施の形態で説明した構成は、一例であり、他の構成であってもよい。例えば、異なる実施の形態で説明した構成を組み合わせた構成であってもよいし、本質的でない部分の構成を、他の構成で置き換えた構成であってもよい。
例えば、直流変換回路120は、フライバックコンバータ回路ではなく、フォワードコンバータ回路やバックコンバータ回路やブーストコンバータ回路やその他のスイッチング電源回路であってもよい。
あるいは、直流変換回路120は、複数段のスイッチング電源回路を組み合わせた構成であってもよい。ただし、直流変換回路120は、1段のスイッチング電源回路(いわゆる1コンバータ方式)で構成するほうが、部品数を減らすことができるので、電源回路100を小型化し、製造コストを抑え、電力損失を抑えることができる。
あるいは、実施の形態3で説明した構成において、オフ時間調整回路170が、負荷電流ではなく、オン時間算出回路160が算出したオン時間を入力する構成であってもよい。そうすれば、オン時間が最低オン時間より長いことを確実に保証することができる。オフ時間調整回路170が負荷電流や目標電流を入力する構成の場合、負荷電流や目標電流とオン時間との関係があらかじめわかっている必要がある。これに対し、オフ時間調整回路170がオン時間を入力する構成であれば、負荷電流や目標電流とオン時間との関係があらかじめわかる必要がなく、電源回路100の設計が容易になる。また、負荷電流や目標電流とオン時間との関係は、交流電源ACから入力する交流の電圧実効値によって変化する。電源回路100が、海外など、交流電源ACの電圧実効値が異なる地域でも正常に動作することを保証する、いわゆる電源電圧フリーの設計である場合、交流電源ACの電圧実効値は、例えば、100V〜254Vの範囲の値をとる可能性がある。オフ時間調整回路170が負荷電流や目標電流を入力する構成の場合、オン時間がもっとも短くなる場合(すなわち、交流電源ACから入力する交流の電圧実効値がもっとも高い場合)に、オン時間が最低オン時間より長くなるように、基準電圧を設定する必要がある。このため、交流電源ACから入力する交流の電圧実効値が低く、オン時間が比較的長い場合でも、遅延時間が生じるので、電源回路100の電力効率が下がる場合がある。オフ時間調整回路170がオン時間を入力する構成であれば、オン時間が比較的長い場合には、遅延時間が生じないので、電源回路100の電力効率を高めることができる。
あるいは、オフ時間調整回路170が、オン時間ではなく、負荷電流や目標電流を入力する構成の場合、基準電圧源V72が出力する基準電圧を、交流電源ACの電圧実効値に応じて変化させる構成であってもよい。例えば、基準電圧源V72は、交流電源ACの電圧実効値に比例する基準電圧を生成する。そうすれば、交流電源ACの電圧実効値が低い場合には、それに応じて、基準電圧が低くなる。負荷電流や目標電流が同じであっても、交流電源ACの電圧実効値が高い場合には、遅延時間が生じて、オン時間が短くなり過ぎるのを防ぎ、交流電源ACの電圧実効値が低い場合には、遅延時間が生じず、電源回路100の電力効率を高くすることができる。
なお、電源回路100は、スイッチング素子Q25のオン時間が短くなり過ぎるのを防ぐため、スイッチング素子Q25のオフ時間を長くする代わりに、例えば、スイッチング素子Q25の駆動周波数を低くする構成であってもよい。上述した実施の形態においても、スイッチング素子Q25のオフ時間を長くすると、それを補うために、オン時間算出回路160がスイッチング素子Q25のオン時間を長くするので、スイッチング素子Q25の駆動周波数が低くなる。
あるいは、電源回路100は、スイッチング素子Q25のオン時間が短くなり過ぎるのを防ぐため、一次巻線L22に印加される電圧の実効値を小さくする構成であってもよい。上述した実施の形態においても、スイッチング素子Q25のオフ時間を長くすると、全波整流回路110が出力した脈流が一次巻線L22に印加される期間の割合(デューティ比)が減るので、一次巻線L22に印加される電圧の実効値が小さくなる。
100 電源回路、110 全波整流回路、120 直流変換回路、130 点灯制御IC、132 ゼロクロス検出回路、140 電流検出回路、150 調光入力回路、160 オン時間算出回路、170 オフ時間調整回路、180 遅延生成回路、501〜508 時刻、511,512,521〜523,531,541,543 実線、513,524,542 破線、514〜519,525,526,532,533 細破線、800 照明器具、810 光源回路、A61,A71 差動増幅器、AC 交流電源、C11 ノイズ除去コンデンサ、C27 平滑コンデンサ、C62,C73,C81 コンデンサ、D26,D34,D74,D83 整流素子、DB ダイオードブリッジ回路、GND グランド配線、L22 一次巻線、L23 二次巻線、L24 補助巻線、Q25,Q84 スイッチング素子、R31 起動抵抗、R33 制限抵抗、R41 電流検出抵抗、R75,R76 分圧抵抗、R82 抵抗、T21 トランス、V72 基準電圧源。

Claims (3)

  1. スイッチング素子と、上記スイッチング素子を駆動する駆動回路とを有し、負荷回路に対して直流を供給する直流変換回路あって、上記負荷回路を流れる電流を平滑化する平滑コンデンサを有する直流変換回路と、
    上記直流変換回路が供給した直流により上記負荷回路を流れる負荷電流を検出する電流検出回路と、
    上記電流検出回路が検出した負荷電流が、上記負荷回路に流すべき目標電流に近づくように、上記スイッチング素子のオン時間を算出するとともに、上記スイッチング素子のオフ時間を調整する時間算出回路と、を有し、
    上記駆動回路は、上記オン時間が最低オン時間よりも短い場合、又は、上記平滑コンデンサを充電する電流が零でない場合、上記時間算出回路によって調整されたオフ時間にしたがって、上記スイッチング素子をオフにし、他の場合に、上記時間算出回路が算出したオン時間にしたがって、上記スイッチング素子をオンにする電源装置。
  2. 記時算出回路は前記駆動回路の入力側または出力側に接続された整流素子を有し、
    記整流素子は上記オン時間が上記最低オン時間よりも短い場合にオンになり、上記スイッチング素子をオフにすることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電源装置と、
    上記電源装置から供給された直流によって点灯する光源を有する負荷回路とを有する照明器具。
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