JP2011029022A - 有機el装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機EL素子のフレキシブル性などの特性の低下を抑制しつつ、有機EL素子の面内における輝度のバラツキを抑制することができる有機EL装置を提供すること。
【解決手段】 第1基板2と、アノード電極9、アノード電極9に対向配置されたカソード電極10、およびアノード電極9とカソード電極10との間に介在された有機化合物層11を有し、第1基板2上に設けられた有機EL素子5と、第1基板2上に設けられ、有機EL素子5を覆うことにより有機EL素子5を封止する導電封止層6とを含む有機EL装置1において、導電封止層6を、アノード電極9およびカソード電極10の少なくとも一方に電気的に接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL装置に関する。
有機EL装置は、高輝度、低消費電力などの特性を有するので、たとえば、照明デバイス、ディスプレイ用バックライトなどに使用されている。
有機EL装置は、たとえば、透明なガラス基板と、ガラス基板上に設けられた透明アノード電極と、透明アノード電極に対向配置されたカソード電極と、透明アノード電極とカソード電極との間に介在された有機EL層とを備えている。透明アノード電極、有機EL層およびカソード電極により構成される積層構造は、有機EL装置において光を生成する有機EL素子である。
透明アノード電極−カソード電極間に電圧が印加されると、透明アノード電極から正孔が、カソード電極から電子が、有機化合物層中にそれぞれ注入される。これによって、電子と正孔とが有機EL層の発光層で再結合し、光が生成される。こうして、有機EL素子が発光する。
特開2003−17245号公報
近年、有機EL装置の用途を拡大すべく、有機EL素子の大面積化および高輝度化が要望されている。その対策として、たとえば、透明アノード電極−カソード電極間に、より高い電圧を印加して印加電流を大きくし、有機EL素子の輝度を向上させることが考えられる。
しかし、印加電流が大きくなると、各電極での単位面積当たりの電圧降下が大きくなる。そのため、各電極においては、その給電箇所での電圧と、給電箇所から離れた位置での電圧との差が大きくなる。その結果、有機EL層に対する正孔や電子の供給ムラが生じ、有機EL素子の発光領域における輝度のバラツキが大きくなるという不具合がある。
このような不具合に対して、電極の厚さを大きくすることによって、電極の単位面積当たりの抵抗を下げることが考えられる。ところが、電極の厚さが大きくなると、有機EL素子のフレキシブル性が低下するなど、別の不具合が発生する。また、透明アノード電極の厚さが大きくなると、光の透過率が低下するといった不具合もある。
本発明の目的は、有機EL素子のフレキシブル性などの特性の低下を抑制しつつ、有機EL素子の発光領域内における輝度のバラツキを抑制することができる有機EL装置を提供することにある。
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、第1基板と、第1電極、前記第1電極に対向配置された第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機化合物層を有し、前記第1基板上に設けられた有機EL素子と、前記第1基板上に設けられ、前記有機EL素子を覆うことにより前記有機EL素子を封止する導電封止層とを含み、前記導電封止層は、前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方に電気的に接続されている、有機EL装置である。
この構成によれば、第1電極および第2電極の少なくとも一方に対して電気的なコンタクトを形成するための電極として、有機EL素子を覆うことにより有機EL素子を封止する導電封止層を利用することができる。導電封止層は、有機EL素子を覆うように大きな面積に形成されているので、第1電極および第2電極の少なくとも一方に対して大きな面積で接続することができる。これにより、導電封止層が接続された第1電極および第2電極の少なくとも一方において、等電位部分の面積を大きくすることができる。
その結果、第1電極および第2電極の厚さを大きくしなくても、有機化合物層に対する電子および正孔の供給ムラを低減することができる。そのため、有機EL素子のフレキシブル性などの特性の低下を抑制しつつ、有機EL素子の発光領域における輝度のバラツキを抑制することができる。よって、有機EL素子の大面積化および高輝度化を図ることができる。
また、有機EL素子が導電封止層により封止されているので、酸素や水分などによる有機EL素子の劣化を抑制することができる。
換言すれば、有機EL素子(とくに有機化合物層)への酸素または水分の侵入を抑制する導電封止層が、第1電極および第2電極への給電のために兼用されている。これにより、有機EL素子の特性劣化の抑制と、輝度ムラの低減とが同時に達成される。
第1電極および/または第2電極の発光領域における電位ムラを抑制する方策として、たとえば、第1電極および第2電極の外周に沿って補助配線を設け、当該補助配線を第1電極および第2電極の外周縁に接触させることが考えられるかも知れない。しかし、このような方策では、第1電極および第2電極の外側に補助配線を設置するためのスペースが必要となる。そのため、有機EL素子が複雑化・大型化するという不具合を生じる。また、補助配線の抵抗を維持したまま電極外方への補助配線のはみ出し量をできる限り低減するために、補助配線の厚さを大きくすることが考えられるかも知れない。しかし、そうすると、有機EL素子のフレキシブル性が低下する。
これに対し、請求項1に記載の有機EL装置によれば、有機EL素子を封止するための導電封止層を利用して、第1電極および第2電極の少なくとも一方に対する電気的なコンタクトが形成される。この場合、電気的なコンタクトを形成するためのスペースは、第1電極および第2電極の外周に補助配線を設ける場合よりも、小さくて済む。その結果、有機EL素子の簡素化および薄型化を図ることができる。
また、請求項2記載の発明は、前記第1電極が、前記第2電極の抵抗よりもシート抵抗が大きい電極膜であり、前記導電封止層は、少なくとも前記第1電極に電気的に接続されている、請求項1に記載の有機EL装置である。
この構成では、導電封止層が、第2電極の抵抗よりもシート抵抗が大きい電極膜(第1電極)に接続されている。そのため、より効果的に、有機化合物層に対する電子または正孔の供給ムラを低減することができる。
また、請求項3記載の発明は、前記導電封止層は、前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方の周縁部に沿って線状に接触する線状接続部を有している、請求項1または2に記載の有機EL装置である。
この構成では、線状接続部が第1電極および第2電極の少なくとも一方の周縁部に沿って線状に接触するため、第1電極および第2電極のそれぞれにおける周縁部に囲まれる中央部に、光を取り出すための面積を十分確保することができる。そのため、有機EL素子の光取出効率の低下を抑制しつつ、第1電極および第2電極に対して導電封止層を大きな面積で接触させることができる。さらには、この線状接続部が有機EL素子の側面から封止することにより、酸素や水分の侵入をより効果的に抑制することができる。
なお、前記線状接続部は、第1電極および第2電極の少なくとも一方の周縁部全周に沿って設けられていてもよい。また、前記線状接続部は、第1電極および第2電極の少なくとも一方の周縁部に沿って、所定の間隔を空けて複数設けられていてもよい。
また、請求項4記載の発明は、前記導電封止層を支持する絶縁性の第2基板をさらに含み、前記導電封止層は、前記第1電極に電気的に接続された第1領域と、前記第1領域と絶縁分離され、前記第2電極に電気的に接続された第2領域とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL装置である。
この構成では、第1領域および第2領域が絶縁性の第2基板に支持されているので、第1電極および第2電極に接続される2つの導電領域を、1つの第2基板に集約することができる。そのため、有機EL素子の構造を簡素化することができる。このような第1領域および第2領域は、たとえば、導電膜付きの絶縁性基板(銅箔付きポリイミド基板など)の導電膜を予めパターニングすることにより、簡単に形成することができる。
また、請求項5記載の発明は、前記導電封止層は、前記有機EL素子を挟んで前記第1基板に対向する導電層と、前記導電層と前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方との間に介在された導電バンプとを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機EL装置である。
この構成では、導電封止層が導電層と導電バンプとを有している。導電封止層を第1電極または第2電極に電気的に接続する際には、まず、第1電極および第2電極における所定位置に導電バンプを形成し、その後、導電バンプに導電層を接触させればよい。すなわち、第1電極または第2電極に対する導電バンプの位置合わせによって、第1電極または第2電極に対する導電封止層のコンタクト位置が決定する。導電バンプは、たとえば、めっき法、転写法など、従来知られているバンプ形成技術により作製することができる。したがって、第1電極または第2電極に対する導電封止層の電気的なコンタクトを簡単に形成することができ、さらには、コンタクト位置を精密に制御することもできる。
また、請求項6記載の発明は、前記導電バンプは、樹脂材料からなるコアと、前記コアを被覆する導電被覆膜とからなる、請求項5に記載の有機EL装置である。
この構成では、導電バンプの全体が導電材料ではなく、そのコアが樹脂材料であるため、導電材料の使用量を低減することができる。その結果、コストを低減することができる。また、樹脂材料が、たとえば、熱硬化性樹脂であれば、有機EL素子が発熱しても軟化し難いので、有機EL素子の曲げ耐性を向上させることができる。
また、請求項7記載の発明は、前記導電封止層および前記有機EL素子の少なくとも一方を被覆するバリア層をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機EL装置である。
この構成では、導電封止層および有機EL素子の少なくとも一方がバリア層により被覆されているので、酸素や水分などによる有機EL素子の劣化を一層抑制することができる。
また、請求項8記載の発明は、前記第1基板がフレキシブル性を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機EL装置である。
この構成では、第1基板がフレキシブル性を有するので、たとえば、フレキシブル性が要求される各種工業製品に好適に使用することができる。なお、有機EL装置が前記第2基板を備える場合には、第1基板および第2基板の両方がフレキシブル性を有することが好適である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る有機EL装置の模式的な平面図である。 図2(a)(b)(c)は、図1の有機EL装置の断面図であり、図2(a)は切断線IIa−IIaでの切断面、図2(b)は切断線IIb−IIbでの切断面、図2(c)は切断線IIc−IIcでの切断面をそれぞれ示す。 図3(a)〜(e)は、図1および図2に示す有機EL装置の製造方法を工程順に示す図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る有機EL装置の模式的な平面図である。 図5(a)(b)(c)は、図4の有機EL装置の断面図であり、図5(a)は切断線Va−Vaでの切断面、図5(b)は切断線Vb−Vbでの切断面、図5(c)は切断線Vc−Vcでの切断面をそれぞれ示す。 図6(a)〜(e)は、図3および図4に示す有機EL装置の製造方法を工程順に示す図である。 図7は、第1実施形態の有機EL装置の第1変形例を示す図であって、図2(a)に対応する断面図である。 図8は、第1実施形態の有機EL装置の第2変形例を示す図であって、図2(a)に対応する断面図である。 図9は、第1実施形態の有機EL装置の第3変形例を示す図であって、図2(a)に対応する断面図である。 図10は、第1実施形態の有機EL装置の第4変形例を示す図であって、図2(a)に対応する断面図である。 図11は、第2実施形態の有機EL装置の第1変形例を示す図であって、図5(a)に対応する断面図である。 図12は、第2実施形態の有機EL装置の第2変形例を示す図であって、図5(a)に対応する断面図である。 図13は、第2実施形態の有機EL装置の第3変形例(トップ・エミッション型)を示す図であって、図5(a)に対応する断面図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る有機EL装置の模式的な平面図である。図2(a)(b)(c)は、図1の有機EL装置の断面図であり、図2(a)は切断線IIa−IIaでの切断面、図2(b)は切断線IIb−IIbでの切断面、図2(c)は切断線IIc−IIcでの切断面をそれぞれ示す。
有機EL装置1は、たとえば、照明デバイス、ディスプレイ用バックライトなどに用いられる。この有機EL装置1は、第1基板2を備えている。第1基板2は、この実施形態では平面視長方形状に形成されており、1対の短辺および1対の長辺を有している。
以下では、便宜的に、第1基板2の短辺に平行な方向(幅方向)をX方向とし、第1基板2の長辺に平行な方向(長さ方向)をY方向とし、第1基板2の厚さ方向に平行な方向をZ方向として本実施形態を説明する。また、Z方向については、第1基板2が下側に配置される有機EL装置1の基本姿勢を基準として、上下方向ということがある。
第1基板2としては、たとえば、ガラス基板、プラスチック基板、SUS基板を適用できる。第1基板2としてガラス基板やプラスチック基板などの透明基板が適用される場合、有機EL装置1は、第1基板2の側(下側)へ光を取り出すボトム・エミッション型として構成される。一方、第1基板2としてSUS基板などの不透明基板が適用される場合、有機EL装置1は、第1基板2とは反対側(上側)へ光を取り出すトップ・エミッション型として構成される。また、第1基板2の厚さは、たとえば、第1基板2がフレキシブル性を有する程度の値であり、具体的には、0.01〜1mmである。以下では、有機EL装置1がボトム・エミッション型であるとして、本実施形態を説明する。
第1基板2上には、第1基板2の一短辺に沿ってアノード端子3およびカソード端子4が設けられている。また、第1基板2上には、Y方向において端子が配置される側(端子側)とは反対側に有機EL素子5が設けられている。
そして、有機EL装置1は、各端子3,4および有機EL素子5を封止するための導電封止層6と、導電封止層6を支持するための第2基板7とを有している。なお、図1は、第2基板7を取り外した状態の有機EL装置1を示している。
有機EL素子5は、第1基板2の上面8(一方面)に形成された第1電極としてのアノード電極9と、アノード電極9に対向配置された第2電極としてのカソード電極10と、アノード電極9とカソード電極10との間に介在された有機化合物層11とを有している。
アノード電極9としては、たとえば、ITO(酸化インジウムと酸化錫との固溶体)、IZO(酸化インジウム亜鉛)、ZnO(酸化亜鉛)などの透明電極材料からなる電極膜を適用できる。アノード電極9の膜厚は、たとえば、0.1〜1μmである。そのような透明電極膜の抵抗は、たとえば、シート抵抗が3Ω/□程度である。また、アノード電極9は、この実施形態では平面視長方形状に形成されている。
有機化合物層11は、アノード電極9の上面に沿ってY方向端子側に延び、アノード電極9の長さ方向一側面に回りこむ断面視L字状に形成されている。また、有機化合物層11の平面形状は、この実施形態ではアノード電極9よりも長さおよび幅のいずれも小さい長方形である。有機化合物層11の外周とアノード電極9の外周との間には、Y方向端子側が開放された平面視コ字状の第1ギャップ12が設けられている。この第1ギャップ12には、アノード電極9の周縁部13が平面視コ字状に露出している。
また、有機化合物層11は、たとえば、Z方向においてアノード電極9の側から順に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層が積層された構造を有している。
正孔注入層の材料としては、たとえば、アリールアミン類、フタロシアニン類(たとえば、銅フタロシアニンなど)など、正孔注入層の材料として通常用いられるものが挙げられる。
正孔輸送層の材料としては、たとえば、アリールアミン類など、正孔輸送層の材料として通常用いられるものが挙げられる。
発光層は、たとえば、Alqなどの蛍光を示す金属錯体系材料に蛍光色素をドープして構成されている。たとえば、赤色発光層の材料としては、AlqにDCMがドープされたもの、たとえば、緑色発光層の材料としては、AlqにCoumaline(クマリン)がドープされたもの、たとえば、青色発光層の材料としては、AlqにPerylene(ペリレン)がドープされたものなどが挙げられる。
電子輸送層の材料としては、たとえば、アルミ錯体、オキサジアゾール類、トリアゾール類、フェナントロリン類など、電子輸送層の材料として通常用いられるものが挙げられる。
電子注入層の材料としては、たとえば、リチウムなどのアルカリ金属、フッ化リチウム、酸化リチウム、リチウム錯体など、電子注入層の材料として通常用いられるものが挙げられる。
なお、正孔注入層および電子注入層は、省略されてもよい。
カソード電極10としては、たとえば、Al(アルミニウム)、Ca(カルシウム)、Mg−Al(マグネシウム−アルミニウム合金)、Al−Li(アルミニウム−リチウム)合金などの金属材料からなる電極膜を適用できる。カソード電極10の膜厚は、たとえば、0.01〜0.5μmである。そのような金属電極膜の抵抗は、一般に、前述の透明電極膜よりも低く、たとえば、シート抵抗が1Ω/□程度である。
カソード電極10は、有機化合物層11の上面に沿ってY方向端子側に延び、有機化合物層11の長さ方向一側面に回りこむ断面視L字状に形成されている。また、カソード電極10の平面形状は、この実施形態では有機化合物層11よりも幅の小さい長方形である。そして、このカソード電極10における有機化合物層11に回りこむ部分には、カソード端子4が一体的に接続されている。
また、カソード電極10の外周と有機化合物層11の外周との間には、Y方向端子側が開放された平面視コ字状の第2ギャップ14が設けられている。この第2ギャップ14には、有機化合物層11の周縁部15が平面視コ字状に露出している。
アノード端子3は、たとえば、カソード電極10と同一の材料からなる。このアノード端子3は、この実施形態では、アノード電極9とは分離して、平面視正方形状に形成されている。アノード端子3は、Y方向端子側が開放された平面視コ字状の周縁部13の1対の延長線上のそれぞれに配置されている。したがって、第1基板2の上面8には、1対のアノード端子3およびカソード端子4が、互いに間隔を空けてX方向に直線上に配列されている。
このような構造の有機EL素子5では、平面視においてアノード電極9、有機化合物層11およびカソード電極10が重なる一点鎖線で囲まれる領域が、電子と正孔との再結合により発光する領域(発光領域16)とされる。
第2基板7としては、たとえば、ポリイミド基板、ガラス基板、プラスチック基板などの絶縁性基板を適用できる。また、第2基板7の厚さは、たとえば、第2基板7がフレキシブル性を有する程度の値であり、具体的には、0.01〜1mmである。
導電封止層6は、Z方向に間隔を空けて有機EL素子5に対向配置されたキャップ部17と、キャップ部17と第1基板2との間に有機EL素子5を封じるためのシール部18とを一体的に有している。導電封止層6は、たとえば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)などの金属材料からなる。
キャップ部17は、第2基板7の内側面19(第1基板2との対向面)のほぼ全域に薄膜状に形成されており、アノード端子3およびカソード端子4の端部を露出させるように、有機EL素子5の全域、アノード端子3およびカソード端子4に対向している。また、キャップ部17の厚さは、たとえば、0.1〜50μmである。
シール部18は、有機EL素子5の周囲を取り囲む平面視略四角環状に形成されており、第1ギャップ12から露出するコ字状の周縁部13に対して線状に接触するとともに、第1ギャップ12の延長線上に配置された1対のアノード端子3および1対のアノード端子3間に配置されたカソード端子4に接触している。シール部18の厚さは、たとえば、1〜200μmである。
上記のような導電封止層6には、カソード端子4の近傍に、その一部が除去された除去領域27が形成されている。これにより、導電封止層6は、アノード電極9の周縁部13およびアノード端子3に電気的に接続された第1領域としてのアノード領域20と、カソード端子4に電気的に接続された第2領域としてのカソード領域21とに絶縁分離されている。キャップ部17およびシール部18のそれぞれは、アノード領域20側の第1キャップ部22および線状接続部としての第1シール部23、カソード領域21側の第2キャップ部24および第2シール部25とに分離される。
カソード領域21は、この実施形態では平面視矩形状である。このカソード領域21を取り囲む除去領域27は、平面視コ字状に形成されており、Y方向端子側に開放されている。
そして、有機EL素子5は、第1基板2および導電封止層6により形成される中空部分26に収容されており、その全周囲がシール部18で囲まれている。中空部分26は、除去領域27のみを介して外部と流通可能とされている。
この中空部分26には、絶縁体が充填されることにより絶縁層28が形成されている。絶縁層28の材料としては、たとえば、エポキシ樹脂など封止用の樹脂として通常用いられるものが挙げられる。
図3(a)〜(e)は、図1および図2に示す有機EL装置の製造方法を工程順に示す図である。
上記有機EL装置1を製造するには、たとえば、図3(a)に示すように、蒸着法、スパッタ法などにより、第1基板2上に、アノード電極9、有機化合物層11、カソード電極10およびカソード端子4が、上記した形状となるように順に形成される。カソード端子4およびアノード端子3は、カソード電極10を形成する工程において、同時にパターニングすることにより形成される。
一方、図3(b)に示すように、導電薄膜(たとえば、厚さがシール部18と同程度のもの)が形成された第2基板7が用意され、導電薄膜がパターニングされることにより、アノード領域20およびカソード領域21に分離される。導電薄膜のパターニング後、各領域の導電薄膜が所定パターンにエッチバックされることにより、シール部18(第1シール部23および第2シール部25)が形成される。
そして、図3(c)に示すように、第1基板2と第2基板7とが位置合わせされ、第1ギャップ12から露出するアノード電極9の周縁部13、アノード端子3およびカソード端子4に対して、シール部18が接合される。これにより、図3(d)に示すように、有機EL素子5が第1基板2および導電封止層6により形成される中空部分26に封止される。
その後、図3(e)に示すように、中空部分26およびシール部18の外周に封止用の樹脂が注入される。具体的には、第1シール部23と第2シール部25との間(隙間)から中空部分26に樹脂が注入され、有機EL装置1の端面からシール部18の外周に樹脂が注入される。これにより、絶縁層28が形成される。
以上の工程を経て、図1および図2に示す有機EL装置1が得られる。
この有機EL装置1では、アノード端子3−カソード端子4間に電圧が印加されることにより、アノード電極9およびカソード電極10のそれぞれに、導電封止層6のアノード領域20およびカソード領域21のそれぞれを介して電圧が印加される。具体的には、アノード電極9には、コ字状の周縁部13に接合されたアノード領域20の第1シール部23により電圧が印加される。
電圧の印加により、アノード電極9から正孔が、カソード電極10から電子が、有機化合物層11中にそれぞれ注入されることによって、電子と正孔とが有機化合物層11の発光層で再結合し、光が生成される。生成された光は、第1基板2の側へ取り出される。
この有機EL装置1によれば、アノード電極9に対して電気的なコンタクトを形成するための電極として、有機EL素子5の全域に対向するキャップ部17および有機EL素子5の周囲を取り囲むシール部18を利用することができる。そして、第1シール部23は、平面視コ字状に露出するアノード電極9の周縁部13に線状に接触している。そのため、導電封止層6を、アノード電極9に対して大きな面積で接続することができる。これにより、導電封止層6が接続されたアノード電極9において等電位部分の面積を大きくすることができ、しかも、有機EL素子5の発光領域16を、平面視コ字状の等電位面で取り囲むことができる。
その結果、電圧の印加時にアノード電極9の周縁部13全体が等電位となるため、アノード電極9の発光領域16内における電位ムラを抑制することができる。したがって、アノード電極9の厚さを大きくしなくても、有機化合物層11に対する正孔の供給ムラを低減することができる。しかも、第1シール部23が、カソード電極10の抵抗よりもシート抵抗が大きいアノード電極9に接続されているため、より効果的に、有機化合物層11に対する正孔の供給ムラを低減することができる。
そのため、有機EL素子5のフレキシブル性などの特性の低下を抑制しつつ、有機EL素子5の面内における輝度のバラツキを抑制することができる。よって、有機EL素子5の大面積化および高輝度化を図ることができる。
また、第1シール部23がアノード電極9の周縁部13に沿って線状に接触するため、アノード電極9の周縁部13に囲まれる中央部(すなわち、発光領域16)の面積を十分確保することができる。そのため、有機EL素子5の光取出効率の低下を抑制することもできる。
また、有機EL素子5が、第1基板2および導電封止層6により形成される中空部分26に収容されており、その全周囲がシール部18で囲まれているため、酸素や水分などの中空部分26への侵入を遮断することができる。その結果、有機EL素子5の劣化を抑制することができる。換言すれば、有機EL素子5(とくに有機化合物層11)への酸素または水分の侵入を抑制する導電封止層6が、アノード電極9への給電のために兼用されている。これにより、有機EL素子5の特性劣化の抑制と、輝度ムラの低減とが同時に達成される。
一方、上記のような構成の有機EL装置1において、アノード電極9の発光領域16内における電位ムラを抑制する方策として、たとえば、アノード電極9の外周に沿って補助配線を設け、当該補助配線をアノード電極9の外周縁に接触させることが考えられる。しかし、このような方策では、アノード電極9の外側に補助配線を設置するためのスペースが必要となる。そのため、有機EL素子5が複雑化・大型化するという不具合を生じる。また、補助配線の抵抗を維持したままアノード電極9の外方への補助配線のはみ出し量をできる限り低減するために、補助配線の厚さを大きくすることが考えられるかも知れない。しかし、そうすると、有機EL素子5のフレキシブル性が低下する。
これに対し、上記の有機EL装置1によれば、有機EL素子5を封止するための導電封止層6を利用して、アノード電極9に対する電気的なコンタクトが形成される。この場合、電気的なコンタクトを形成するためのスペースは、アノード電極9の外周に補助配線を設ける場合よりも、小さくて済む。その結果、有機EL素子5の簡素化および薄型化を図ることができる。
また、導電封止層6のアノード領域20およびカソード領域21が、絶縁性の第2基板7に支持されているので、アノード電極9およびカソード電極10に接続される2つの導電領域を、1つの第2基板7に集約することができる。そのため、有機EL素子5の構造を簡素化することができる。さらに、アノード領域20およびカソード領域21は、図3(b)に示すように、導電薄膜が形成された第2基板7を用意し、導電薄膜をパターニングすることにより、簡単に形成することができる。
さらに、この有機EL装置1では、第1基板2および第2基板7のいずれもがフレキシブル性を有するので、たとえば、フレキシブル性が要求される各種工業製品に好適に使用することができる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る有機EL装置の模式的な平面図である。図5(a)(b)(c)は、図4の有機EL装置の断面図であり、図5(a)は切断線Va−Vaでの切断面、図5(b)は切断線Vb−Vbでの切断面、図5(c)は切断線Vc−Vcでの切断面をそれぞれ示す。図4および図5において、図1および図2に示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付している。また、以下では、同一の参照符号を付した部分についての詳細な説明を省略する。なお、図4は、導電基板を取り外した状態の有機EL装置を示している。
第1実施形態では、導電封止層6は、キャップ部17とシール部18とを一体的に有しているが、この第2実施形態の有機EL装置31では、導電封止層32は、第1基板2の厚さ方向に間隔を空けて有機EL素子5に対向配置された導電層としての導電基板33と、導電基板33と第1基板2との間に有機EL素子5を封じるための導電バンプ34とを別体的に有している。なお、図4は、導電基板33を取り外した状態の有機EL装置31を示している。
導電基板33は、たとえば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)などの金属材料からなる。導電基板33は、アノード端子3およびカソード端子4の端部を露出させるように、有機EL素子5の全域、アノード端子3およびカソード端子4に対向している。また、導電基板33の厚さは、たとえば、0.01〜1mmである。
導電バンプ34は、たとえば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、はんだなどの金属材料からなる。また、導電バンプ34は、有機EL素子5の周囲を取り囲む平面視略四角環状に形成されており、第1ギャップ12から露出するコ字状の周縁部13に対して線状に接触するとともに、第1ギャップ12の延長線上に配置された1対のアノード端子3に接触している。導電バンプ34は、導電基板33およびアノード電極9の周縁部13に対して共晶接合されており、これにより、アノード電極9とアノード端子3とを導電基板33を介して電気的に接続している。
一方、導電バンプ34は、カソード端子4を挟む1対のアノード端子3間が一部開放されている。これにより、導電バンプ34は、カソード端子4に対して接触しておらず、導電基板33とカソード端子4とを電気的に絶縁している。また、導電バンプ34の高さは、たとえば、1〜200μmである。
そして、有機EL素子5は、第1基板2および導電基板33により形成される中空部分35に収容されており、その全周囲が導電バンプ34で囲まれている。中空部分35は、導電バンプ34が一部開放されることにより形成された開孔部36のみを介して外部と流通可能とされている。
その他の構成は、前述の第1実施形態の場合と同様であり、動作もまた、同様である。
図6(a)〜(e)は、図4および図5に示す有機EL装置の製造方法を工程順に示す図である。
上記有機EL装置31を製造するには、たとえば、図6(a)に示すように、蒸着法、スパッタ法などにより、第1基板2上に、アノード電極9が、上記した形状となるように形成される。
次いで、図6(b)に示すように、たとえば、めっき法、転写法などにより、導電バンプ34が、上記した形状となるように形成される。
次いで、図6(c)に示すように、蒸着法、スパッタ法などにより、アノード電極9上に、有機化合物層11、カソード電極10およびカソード端子4が、上記した形状となるように順に形成される。カソード端子4およびアノード端子3は、カソード電極10を形成する工程において、カソード電極10のパターニングと同時にパターニングすることにより形成される。
次いで、図6(d)に示すように、第1基板2と導電基板33とが位置合わせされ、熱および圧力が加えられることにより、導電バンプ34に導電基板33が共晶接合される。これにより、有機EL素子5が第1基板2および導電基板33により形成される中空部分35に封止される。
その後、図6(e)に示すように、開孔部36(図6では図示せず)から封止用の樹脂を注入して絶縁層28が形成される。
以上の工程を経て、図4および図5に示す有機EL装置31が得られる。
この有機EL装置31によれば、導電封止層32が導電基板33と導電バンプ34とを有している。そして、導電封止層6をアノード電極9に電気的に接続する際には、図6(b)に示すように導電バンプ34を形成し、その後、図6(d)に示すように、第1基板2と導電基板33とを位置合わせし、熱および圧力を加えることにより、導電バンプ34に導電基板33を共晶接合すればよい。
すなわち、アノード電極9に対する導電バンプ34の形成によって、アノード電極9に対する導電封止層32のコンタクト位置が決定する。そして、導電バンプ34は、たとえば、めっき法、転写法など、従来知られているバンプ形成技術により作製することができる。したがって、アノード電極9に対する導電封止層32の電気的なコンタクトを簡単に形成することができ、さらには、コンタクト位置を精密に制御することもできる。
その他、前述の第1実施形態と同様の作用効果については、記載を省略する。
図7は、第1実施形態の有機EL装置の第1変形例を示す図であって、図2(a)に対応する断面図である。
第1実施形態の第1変形例に係る有機EL装置41では、導電封止層6は、第2基板7に支持されておらず、Z方向に間隔を空けて有機EL素子5に対向配置され、有機EL素子5に対向する内側面43とは反対の外側面42が露出したキャップ部17と、キャップ部17と第1基板2との間に有機EL素子5を封じるためのシール部18とを一体的に有している。
また、絶縁層28の材料としては、たとえば、窒化シリコン、酸化シリコンなど絶縁膜として通常用いられるものが挙げられる。
そして、第1変形例に係る有機EL装置41を製造するには、たとえば、図3(a)に示した方法と同様の方法により、アノード電極9、有機化合物層11、カソード電極10、カソード端子4およびアノード端子3が形成され、その後、導電封止層6の形成に先立って、たとえば、蒸着法、スパッタ法などにより、絶縁層28が形成される。絶縁層28の形成後、たとえば、フォトリソグラフィ技術により、絶縁層28がシール部18の形状に対応するパターンにパターニングされる。そして、たとえば、蒸着法、スパッタ法などにより、導電封止層6の材料が堆積される。これにより、シール部18とキャップ部17とが同時に形成されて導電封止層6が形成される。
第1実施形態の第1変形例に係る有機EL装置41によれば、導電封止層6が第2基板7に支持されることなく、キャップ部17の外側面42が露出しているので、有機EL素子5が発熱しても、その熱をキャップ部17の外側面42から効率よく放散することができる。その結果、有機EL装置41の放熱性を向上させることができる。
図8は、第1実施形態の有機EL装置の第2変形例を示す図であって、図2(a)に対応する断面図である。
第1実施形態の第2変形例に係る有機EL装置51は、有機EL素子5を被覆する第1バリア層52をさらに含んでいる。
第1バリア層52は、たとえば、窒化シリコンなどの無機材料膜からなる。第1バリア層52は、アノード電極9の周縁部13から有機化合物層11の周縁部15を経由してカソード電極10の全表面を覆っている。これにより、アノード電極9と有機化合物層11との界面53およびカソード電極10と有機化合物層11との界面54が、第1バリア層52によりシールされることとなる。
第1バリア層52は、アノード電極9、有機化合物層11、カソード電極10、カソード端子4およびアノード端子3が図3(a)に示す方法により形成された後、たとえば、蒸着法、スパッタ法などにより無機材料を堆積させ、パターニングすることにより形成することができる。
第1実施形態の第2変形例に係る有機EL装置51によれば、アノード電極9と有機化合物層11との界面53およびカソード電極10と有機化合物層11との界面54が、第1バリア層52によりシールされるので、たとえ中空部分26内に残留水分や酸素などが存在しても、その残留水分および酸素と有機化合物層11との接触を効果的に抑制することができる。その結果、酸素や水分などによる有機EL素子5の劣化を一層抑制することができる。
図9は、第1実施形態の有機EL装置の第3変形例を示す図であって、図2(a)に対応する断面図である。
第1実施形態の第3変形例に係る有機EL装置61は、導電封止層6を被覆する第2バリア層62をさらに含んでいる。
第2バリア層62は、たとえば、窒化シリコンなどの無機材料膜からなる。第2バリア層62は、キャップ部17の内側面43の全域を覆い、除去領域27を隙間なく埋め尽くしている。
第2バリア層62は、導電薄膜(図示せず)が図3(b)に示すようにエッチバックされてシール部18が形成された後、たとえば、蒸着法、スパッタ法などにより無機材料を導電封止層6上に堆積させ、パターニングすることにより形成することができる。
第1実施形態の第3変形例に係る有機EL装置61によれば、キャップ部17の内側面43および除去領域27が第2バリア層62によりシールされるので、特に、除去領域27から中空部分26への水分や酸素などの侵入を効果的に抑制することができる。その結果、酸素や水分などによる有機EL素子5の劣化を一層抑制することができる。
図10は、第1実施形態の有機EL装置の第4変形例を示す図であって、図2(a)に対応する断面図である。
第1実施形態の第4変形例に係る有機EL装置71は、導電封止層6を被覆する第3バリア層72をさらに含んでいる。
第3バリア層72は、たとえば、窒化シリコンなどの無機材料膜からなる。第3バリア層72は、第2基板7とキャップ部17との間の全域に介在されている。
第3バリア層72は、たとえば、蒸着法、スパッタ法などにより、第2基板7の表面に積層し、その後、第3バリア層72上に導電薄膜(図示せず)を形成することにより、第2基板7とキャップ部17(導電薄膜)との間に介在させることができる。
第1実施形態の第4変形例に係る有機EL装置71によれば、キャップ部17および除去領域27が、第2基板7だけでなく第3バリア層72によってもシールされているので、特に、除去領域27から中空部分26への水分や酸素などの侵入を効果的に抑制することができる。その結果、酸素や水分などによる有機EL素子5の劣化を一層抑制することができる。
図11は、第2実施形態の有機EL装置の第1変形例を示す図であって、図5(a)に対応する断面図である。
第2実施形態の第1変形例に係る有機EL装置81では、導電バンプ34は、樹脂製コア82と、樹脂製コア82を被覆する導電被覆膜83とからなる。
樹脂製コア82の材料としては、たとえば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。また、樹脂製コア82の高さは、たとえば、1〜200μmである。
導電被覆膜83の材料としては、たとえば、金(Au)などの金属が挙げられる。また、導電被覆膜83の厚さは、たとえば、0.01〜1μmである。
このような導電バンプ34は、アノード電極9が図6(a)に示すように第1基板2上に形成された後、たとえば、樹脂ペーストが導電バンプ34のパターン状に形成され、その後、蒸着法、スパッタ法などにより金属材料が堆積され、パターニングされることによって形成することができる。
第2実施形態の第1変形例に係る有機EL装置81によれば、導電バンプ34の全体が金属材料ではなく、そのコアが樹脂材料であるため、金属材料の使用量を低減することができる。その結果、コストを低減することができる。また、樹脂材料が、たとえば、熱硬化性樹脂であれば、有機EL素子5が発熱しても軟化し難いので、有機EL素子5の曲げ耐性を向上させることができる。
さらには、樹脂製コア82の材料としてヤング率の低い樹脂を使用することにより、有機EL素子5を曲げたときに生じる応力を、効率よく分散させることができる。
図12は、第2実施形態の有機EL装置の第2変形例を示す図であって、図5(a)に対応する断面図である。
第2実施形態の第2変形例に係る有機EL装置91は、導電バンプ34とアノード電極9との間に介在された密着層92をさらに含んでいる。
密着層92は、たとえば、金(Au)などの金属材料からなる。密着層92は、たとえば、アノード電極9の周縁部13の表面からその外方へ延び、アノード電極9の全側面に回りこむ断面視L字状に形成されており、アノード電極9の外周端の全域を被覆している。
そして、導電バンプ34は、密着層92におけるアノード電極9の周縁部13上の部分に接合されている。
このような密着層92は、アノード電極9が図6(a)に示すように第1基板2上に形成された後、たとえば、蒸着法、スパッタ法などにより金属材料が堆積され、パターニングされることにより、形成することができる。そして、導電バンプ34は、図6(b)に示した方法と同様の方法により、密着層92上に所定の形状となるように形成すればよい。
第2実施形態の第2変形例に係る有機EL装置91によれば、導電バンプ34とアノード電極9との間に密着層92が介在されている。そのため、アノード電極9および密着層92が、接合性の良好な組み合わせ(たとえば、アノード電極9がITOであり、密着層92がAuである組み合わせ)であれば、導電バンプ34とアノード電極9との接合性を向上させることができる。そのため、導電バンプ34によるシール性を向上させることができる。
また、アノード電極9の外周端の全域が密着層92により被覆されているため、アノード電極9の側面と水分との接触を抑制することができる。したがって、水分を比較的透過させやすい材料をアノード電極9の材料として適用しても、アノード電極9と水分との接触が抑制されるので、アノード電極9に侵入する水分を低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、第1実施形態では、導電封止層6は、アノード電極9およびカソード電極10の両方に電気的に接続されているが、いずれか一方のみに接続されていてもよい。一方、第2実施形態では、導電封止層6,32は、アノード電極9のみに電気的に接続されているが、アノード電極9およびカソード電極10の両方に接続されていてもよい。
また、本発明は、トップ・エミッション型、ボトム・エミッション型の有機EL装置のいずれにも適用することができる。
たとえば、図13に示す有機EL装置101が、トップ・エミッション型である。有機EL装置101は、SUS基板などの不透明な第1基板2と、第1基板2の上面8全域に形成された絶縁層102と、絶縁層102上に順に積層された、アノード電極9、有機化合物層11およびカソード電極10とを備えている。アノード電極9の材料は特に制限されず、透明電極材料、不透明電極材料のいずれであってもよい。カソード電極10の材料は、ITOなどの透明電極材料が適用される。また、絶縁層28(エポキシ樹脂など)、導電封止層6(ITOなど)、第3バリア層72(SiNなど)および第2基板2についても、透明な材料が用いられる。したがって、有機化合物層11で生成された光は、透明なカソード電極10、絶縁層28、導電封止層32、第3バリア層72を透過し、第2基板7から取り出される。
また、アノード電極9に対する導電封止層6,32のコンタクトは、アノード電極9の周縁部13の全周に沿って1つ形成される必要はなく、たとえば、アノード電極9の周縁部13に沿って線状に接触する線状接続部が、アノード電極9の周方向に沿って所定の間隔を空けて複数形成されていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 有機EL装置
2 第1基板
5 有機EL素子
6 導電封止層
7 第2基板
9 アノード電極
10 カソード電極
11 有機化合物層
13 (アノード電極の)周縁部
20 アノード領域
21 カソード領域
23 第1シール部
31 有機EL装置
32 導電封止層
33 導電基板
34 導電バンプ
41 有機EL装置
51 有機EL装置
52 第1バリア層
61 有機EL装置
62 第2バリア層
71 有機EL装置
72 第3バリア層
81 有機EL装置
82 樹脂製コア
83 導電被覆膜
91 有機EL装置

Claims (8)

  1. 第1基板と、
    第1電極、前記第1電極に対向配置された第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機化合物層を有し、前記第1基板上に設けられた有機EL素子と、
    前記第1基板上に設けられ、前記有機EL素子を覆うことにより前記有機EL素子を封止する導電封止層とを含み、
    前記導電封止層は、前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方に電気的に接続されている、有機EL装置。
  2. 前記第1電極が、前記第2電極の抵抗よりもシート抵抗が大きい電極膜であり、
    前記導電封止層は、少なくとも前記第1電極に電気的に接続されている、請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 前記導電封止層は、前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方の周縁部に沿って線状に接触する線状接続部を有している、請求項1または2に記載の有機EL装置。
  4. 前記導電封止層を支持する絶縁性の第2基板をさらに含み、
    前記導電封止層は、前記第1電極に電気的に接続された第1領域と、前記第1領域と絶縁分離され、前記第2電極に電気的に接続された第2領域とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL装置。
  5. 前記導電封止層は、前記有機EL素子を挟んで前記第1基板に対向する導電層と、前記導電層と前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方との間に介在された導電バンプとを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機EL装置。
  6. 前記導電バンプは、樹脂材料からなるコアと、前記コアを被覆する導電被覆膜とからなる、請求項5に記載の有機EL装置。
  7. 前記導電封止層および前記有機EL素子の少なくとも一方を被覆するバリア層をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機EL装置。
  8. 前記第1基板がフレキシブル性を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機EL装置。
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