JP2011028114A - 電気泳動表示装置及びその製造方法、電子機器 - Google Patents

電気泳動表示装置及びその製造方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電気泳動層の剥離に起因する表示劣化を阻止することのできる電気泳動表示装置及びその製造方法、電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の電気泳動表示装置1は、電気泳動層31及び接着層33を有する電気泳動シート3と、接着剤により電気泳動シート3が貼り合わされる素子基板2と、電気泳動シート3の素子基板2とは反対側に配置される表面保護基板4と、電気泳動層31の周りを囲うようにして素子基板2及び表面保護基板4との間に配置されるとともにこれら基板2,4同士の間で電気泳動シート3を封止する封止材6と、を備え、素子基板2と電気泳動シート3との間に、封止材6の近傍における接着層33の厚みを他の部位よりも小さくする画素電極25Aが設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気泳動表示装置及びその製造方法、電子機器に関するものである。
電気泳動表示装置は、TFT素子など電気回路を形成した基板(以下、素子基板)と、透明性導電膜(共通電極)を有する透明シート、複数のマイクロカプセルからなる電気泳動層および接着層を有する電気泳動シートと、を貼り合わせることで構成される電気泳動表示パネルを備えている(例えば、特許文献1)。
このような電気泳動表示パネルは、その表面側に貼り合わされた表面保護基板と素子基板との間が樹脂封止されることによって、電気泳動層に対する防湿性を確保した構造となっている。
特開2005−114822号公報
しかしながら上記構造の場合、封止に用いる樹脂材料を冷却硬化させる際や、電気泳動表示装置に対する耐環境試験、衝撃試験において、樹脂材料の硬化収縮、熱収縮等によって、素子基板上に貼り合わされた電気泳動シートの接着層と素子基板の境界面で剥離が生じることがある。つまり、樹脂材料が硬化収縮や熱収縮することによって、樹脂材料が接触している両基板の周縁部同士が引き寄せられる一方、基板の中央部分では基板同士が離れる方向に力が作用する。このため、柔軟性のある電気泳動層と接着層との間で面剥離が生じてしまう。このような剥離に起因する表示劣化が問題となっている。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、製造時や品質試験時における電気泳動層と接着層との間の剥離を防止して、このような剥離に起因する表示劣化を阻止することのできる電気泳動表示装置及びその製造方法、電子機器を提供することを目的の一つとしている。
本発明の電気泳動表示装置は、上記課題を解決するために、電気泳動層及び接着層を有する電気泳動シートと、前記接着層により前記電気泳動シートが貼り合わされる第1基板と、前記電気泳動シートの前記第1基板とは反対側に配置される第2基板と、前記電気泳動層の周りを囲うようにして前記第1基板及び前記第2基板との間に配置されるとともにこれら基板同士の間で前記電気泳動シートを封止する封止材と、を備え、前記第1基板と前記電気泳動シートとの間に、少なくとも前記封止材の近傍における前記接着層の厚みを他の部位よりも小さくする層厚変化部材が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、層厚変化部材により、少なくとも封止部材近傍の接着層の厚みを小さくすることとしたので、接着層の変位量を部分的に大きくすることができる。これにより、例えば、電気泳動表示装置の使用環境や品質試験において封止材の硬化収縮や熱収縮等が生じて基板同士が広がるように変形した場合でも、層厚変化部材によって厚みが小さくされていた接着層が膨張することによって、封止材近傍における各部材同士の界面剥離を防止することができる。本発明においては、特に、電気泳動シートの電気泳動層と接着層との界面剥離を防止することが可能である。したがって、このような剥離に起因する表示劣化を防ぐことができ、良好な表示画像が得られる。
また、前記第1基板上に複数の前記画素電極が配列されており、前記層厚変化部材が、他の画素電極よりも厚く形成された画素電極からなることが好ましい。
本発明によれば、層厚変化部材が、第1基板上に配列された複数の画素電極のうち、他の画素電極よりも厚く形成された画素電極からなることから、別部材を追加することなく、従来の構成部材を用いて上記剥離を防止することが可能である。これにより、部材の追加に伴うコスト増加を防止することができる。
また、前記層厚変化部材が、前記第1基板上に配列された複数の前記画素電極よりも厚く形成されたダミー電極からなることが好ましい。
本発明によれば、層厚変化部材が、第1基板上に配列された複数の画素電極よりも厚く形成されたダミー電極からなることから、表示に寄与しない部分おいて上記剥離を防止することができるため、透明性を有する材料以外の材料で層厚変化部材を形成することが可能である。
また、前記層厚変化部材が導電性を有する粒子からなり、前記第1基板上に設けられた複数の画素電極のうち、少なくとも前記封止材の近傍に配置された画素電極上に前記粒子が配置されていることが好ましい。
本発明によれば、第1基板上に設けられた複数の画素電極のうち封止材の近傍に配置された画素電極上に、層厚変化部材である導電性を有する粒子が配置されていることとしたので、必要な箇所に必要な数の粒子を装置の構成に応じて配置することができる。このため、設計変更が不要であることから、設計変更に伴うコスト増加を防止することができる。また、粒子は別途製造が可能なため、様々な装置構成に対応することができる。
また、前記粒子が、弾性を有するコア部と、該コア部の表面に設けられた導電膜とを有する粒子であることが好ましい。
本発明によれば、弾性を有するコア部と、該コア部の表面に設けられた導電膜とを有する粒子は、弾性及び導電性を兼ね備えていることから、電気泳動シートと素子基板との間でリークを生じさせることなく、部材同士の剥離を防止することが可能である。
また、前記層厚変化部材が樹脂粒子からなり、前記樹脂粒子が、前記第1基板上に設けられたダミー電極上に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、粒子が第1基板上に設けられたダミー電極上に配置されていることから、透光性を有する材料以外の材料により粒子を形成することができる。
また、前記層厚変化部材が、前記接着層を厚さ方向に圧縮させる応力を与えることが好ましい。
本発明によれば、剥離が生じやすい部分の接着層の厚さを他の部分よりも小さくしておくことにより、接着層の変位量を部分的に大きくすることができる。これにより、第1基板及び第2基板同士が離れる方向に変形した場合であってもその変形を許容することができるので、電気泳動シートの層間剥離を防止することができる。
本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、上記課題を解決するために、また、第1基板上に層厚変化部材を設ける工程と、電気泳動層及び接着層を有した電気泳動シートを前記第1基板上に貼り合わせる工程と、前記電気泳動シートの前記第1基板とは反対側に第2基板を配置する工程と、前記電気泳動層の周りを囲うようにして前記第1基板及び前記第2基板との間に封止材を形成する工程と、を有し、前記電気泳動シートを前記第1基板に貼り合わせる際、前記層厚変化部材により少なくとも前記封止材近傍となる前記接着層の厚さを部分的に圧縮することを特徴とする。
本発明によれば、電気泳動シートを第1基板に貼り合わせる際、層厚変化部材により少なくとも封止材近傍となる接着層の厚みを圧縮することとしたので、接着層の変位量を部分的に大きくすることができる。これにより、電気泳動表示装置の使用環境や品質試験において封止材の硬化収縮や熱収縮等が生じて基板同士が広がるように変形した場合でも、層厚変化部材によって厚みが小さくされていた接着層が膨張することにより、封止材近傍における各部材同士の界面剥離を防止することができる。本発明においては、特に、電気泳動シートの電気泳動層と接着層との界面剥離を防止することが可能である。したがって、このような剥離に起因する表示劣化を防ぐことができ、良好な表示特性が得られる。
また、第1基板上に層厚変化部材を設ける工程において、前記第1基板上に設ける複数の画素電極のうち、少なくとも前記封止材近傍の画素電極を他の画素電極の厚さよりも厚く形成することが好ましい。
本発明によれば、層厚変化部材が、第1基板上に配列された複数の画素電極のうち、封止材の近傍であるとともに他の画素電極よりも厚く形成された画素電極からなることから、別部材を追加することなく、従来の構成部材を用いて上記剥離を防止することが可能である。これにより、部材追加によるコスト増加を防止することができる。
また、第1基板上に層厚変化部材を設ける工程において、前記封止材の近傍の前記第1基板上に、画素電極よりも厚さを有するダミー電極を形成することが好ましい。
本発明によれば、表示に寄与しない部分おいて上記剥離を防止することができることから、透明性を有する材料以外の材料で層厚変化部材を形成することが可能である。
また、第1基板上に層厚変化部材を設ける工程において、前記第1基板上に設ける複数の画素電極のうち、少なくとも前記封止材の近傍の画素電極上に導電性を有する粒子を配置することが好ましい。
本発明によれば、第1基板上に設けられた複数の画素電極のうち封止材の近傍に配置された画素電極上に、層厚変化部材である導電性を有する粒子を配置することとしたので、必要な箇所に必要な数の粒子を装置の構成に応じて配置することができる。このため、設計変更が不要であることから、設計変更に伴うコスト増加を防止することができる。また、粒子は別途用意しておくことが可能なため、様々な装置構成に対応することができる。
また、第1基板上に層厚変化部材を設ける工程において、前記封止材の近傍の前記第1基板上に形成されたダミー電極上に、導電性を有する粒子を配置することが好ましい。
本発明によれば、透光性を有する材料以外の材料で粒子を形成することができる。
本発明の電子機器は、上記電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、電気泳動シートの層間剥離を防ぐことにより表示劣化を防止した電気泳動表示装置を備えたことから、高品位な電子機器が得られる。
第1実施形態の電気泳動表示装置の全体構成を示す平面図。 図1のA−A断面に沿った構成を示す断面図。 電気泳動表示装置の部分断面拡大図。 第1実施形態の電気泳動表示装置の製造工程について示すフローチャート。 電気泳動表示装置の製造工程について示す断面模式図。 電気泳動表示装置の製造工程について示す断面模式図。 電気泳動表示装置の製造工程について示す断面模式図。 第2実施形態の電気泳動表示装置の全体構成を示す断面図。 第3実施形態の電気泳動表示装置の全体構成を示す断面図。 第4実施形態の電気泳動表示装置の全体構成を示す断面図。 電子機器の一例である時計を示す図。 電子機器の一例である電子ペーパーを示す図。 電子機器の一例である電子ノートを示す図。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である電気泳動表示装置の全体構成を示す平面図である。図2は、第1実施形態の電気泳動表示装置におけるA−A断面に沿った構成を示す断面図である。
図1及び図2に示すように、電気泳動表示装置1は、電気泳動表示パネル10、表面保護基板(第2基板)4、接続基板5および封止材6を備えている。電気泳動表示装置1は、素子基板(第1基板)2上に電気泳動シート3が貼り付けられた構成になっている。また、電気泳動シート3の透明シート30上には表面保護基板4が配置されており、素子基板2のうち電気泳動シート3と反対側には接続基板5が配置されている。そして、素子基板2および表面保護基板4の間に電気泳動層31の回りを囲むようにして封止材6が配置されている。
電気泳動表示装置1は、平面視で画素電極25の配列された領域が表示領域7となっている。表示領域7では、平面視における各画素電極25の形成領域が画素領域となっており、画素領域毎に静止画や動画等の画像が表示されるようになっている。表示領域7の周囲は、画像が表示されない非表示領域8となっている。
素子基板2は、基材20、駆動層21、駆動回路素子22,23及び端子27を有している。基材20は、例えば30μm〜100μm程度の厚さを有する板状部材である。基材20の構成材料としては、例えばガラス基板、石英基板、シリコン基板、ガリウム砒素基板などの無機基板や、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等で構成されるプラスチック基板(樹脂基板)などが挙げられる。
駆動層21は、基材20の内面20aのうち平面視で電気泳動シート3と重なる領域に設けられた層である。平面的な駆動層21の形成領域は、表示領域7と略一致しており、駆動回路素子22及び23はこの駆動層21の周縁部(非表示領域8)に設けられている。これら駆動回路素子22及び23はデータ線や走査線に電気的に接続されており、駆動層21に信号を供給するようになっている。
駆動層21は、絶縁層24、複数の画素電極25及び複数のスイッチング素子26を有している。画素電極25は、平面視で例えばマトリクス状に配列された電極である。スイッチング素子26は、画素電極25毎に設けられた素子である。スイッチング素子26には、不図示のデータ線及び走査線などが接続されている。絶縁層24は、これら各部を覆うように基材20上に形成されている。
本実施形態では、素子基板2と電気泳動シート3との間に、封止材6の近傍における接着層33の厚みを他の部位よりも小さくする層厚変化部材が設けられている。
図3に示すように、素子基板2上に設けられた複数の画素電極25のうち表示領域7の周縁部に配置された画素電極25Aは、その厚さt1が他の画素電極25Bの厚さt2よりも厚くなるように形成されている。画素電極25Aは、画素電極25Bとともにパターン形成された下地電極上に、スパッタ法、CVD法、めっき等により導電材料を積層させることで厚膜化したものである。この画素電極25Aが、上述した層厚変化部材として機能する。
端子27は、基材20の内面20a上のうち平面視で電気泳動シート3から外れた領域に設けられている。端子27は、素子基板2の一辺に沿って複数配列されている。端子27には不図示の配線群が接続されている。当該配線群は、例えば上記走査線やデータ線などに接続されている。
電気泳動シート3は、透明シート30、共通電極35、電気泳動層31及び接着層33を有している。
透明シート30は電気泳動層31を保持する、光透過性を有するシートであり、25μm〜200μm程度の厚さを有している。透明シート30の構成材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネイト(PC)など光透過性の高い材料などが挙げられる。例えば透明シート30の表面30aには、不図示の防湿シートなどが配置されていても構わない。
共通電極35は例えばITOなどの光透過性の高い導電材料で構成された電極である。
共通電極35は透明シート30の内面30bのほぼ全面に亘って形成されている。共通電極35には上下導通材9が接続されている。上下導通材9は素子基板2に電気的に接続されている。共通電極35は、上下導通材9を介して素子基板2に電気的に接続された状態になっている。
電気泳動層31は、複数のマイクロカプセル32を有している。
マイクロカプセル32は電気泳動分散液が封入された略球状のカプセルであり、各カプセルの直径はほぼ同一(30μm〜100μm)になっている。マイクロカプセル32のカプセル壁膜を構成する材料としては、アラビアガム・ゼラチンの複合膜、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、尿素樹脂などの化合物が挙げられる。マイクロカプセル32に封入された電気泳動分散液は、複数の電気泳動粒子と、当該電気泳動粒子を分散させるための液相分散媒とからなる。
液相分散媒としては、水やアルコール系溶媒、各種エステル類、ケトン類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩又はその他の種々の油類等の単独、又はこれらの混合物に界面活性剤等を配合したものを用いることができる。
電気泳動粒子としては、液相分散媒中で電位差による電気泳動により移動する性質を有する有機あるいは無機の粒子(高分子あるいはコロイド)を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、アニリンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン等の白色顔料、モノアゾのアゾ系顔料、イソインドリノン等の黄色顔料、モノアゾのアゾ系顔料、キナクリドンレッド等の赤色顔料、フタロシアニンブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等の1種又は2種以上を用いることができる。これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
マイクロカプセル32には、例えば白色顔料である二酸化チタンと黒色顔料であるカーボンブラックとの二種類の電気泳動粒子が封入されており、一方が負に、他方が正に帯電されている。勿論他の電気泳動粒子を用いても構わないし、電気泳動粒子を一種類のみ用い、これを共通電極側、あるいは画素電極側に泳動させることで表示可能となるように構成しても構わない。
接着層33は、バインダを兼ねた接着剤である。接着層33としては、例えばマイクロカプセル32のカプセル壁膜に対する親和性が良好で、画素電極25に対する接着性に優れた接着剤を用いることが好ましい。
上記構成の電気泳動シート3が、接着層33を介して素子基板2の内面20a上に貼り合わされることで電気泳動表示パネル10が構成されることになる。本実施形態では、図3に示すように、接着層33の周縁部が画素電極25Aによって圧縮された状態となっており、その厚みt3が中央部の厚みt4よりも薄くなっている。なお、接着層33の厚さが部分的に薄くなってはいるものの各部材を接着させておくために十分な接着力を有している。
表面保護基板4は、透明シート30の表面30a上に接着層36を介して配置された基板である。表面保護基板4の構成材料としては、光透過性が高く、平坦度が優れ、キズつきにくい材料、例えばアクリル樹脂などが挙げられる。アクリル樹脂の他には、例えばガラスなどが適している。具体的には、無機ガラスや、クリスタルガラス、サファイヤガラスや、アクリルガラスなどを用いることができる。表面保護基板4は、素子基板2及び透明シート30とともに電気泳動層31を覆う構成になっており、当該構成によって電気泳動層31に水分の浸入がより確実に防止されるようになっている。
接続基板5は、基材50及び端子51を有している。接続基板5は、素子基板2の基材20の外面20b上に配置された矩形状の板状部材であり、平面視で表面保護基板4に重なる位置に設けられている。図1および図2に示すように、接続基板5は、電気泳動表示パネル10の外周側に貼り出すとともに、表面保護基板4の外周側に部分的に貼り出す大きさで形成されている。端子51は、電気泳動表示パネル10の外側に部分的に張り出した領域に設けられており、電気泳動表示パネル10側の端子27とワイヤー111を介して電気的に接続されている。また、接続基板5は、電気泳動表示パネル10を支持する支持基板としての機能も有する。
封止材6は、電気泳動層31を封止する部分であって、電気泳動表示パネル10の素子基板2と表面保護基板の周縁部同士の間に配置され、電気泳動層31の周方向を囲うようにして形成されている。封止材6の材料としては、例えばエポキシ樹脂などの樹脂材料が挙げられる。
(電気泳動表示装置の動作)
次に、上記のように構成された電気泳動表示装置1の動作を簡単に説明する。
画素電極25と共通電極35との間に共通電極35の電圧が相対的に高くなるように電圧を印加すると、正に帯電された黒色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内のうち画素電極25側に引き寄せられる。一方、負に帯電された白色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内の共通電極35側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル32内の透明シート30側には白色の電気泳動粒子が集まることになり、電気泳動表示装置1の表示領域7にはこの白色の電気泳動粒子の色(白色)が表示されることとなる。
逆に、画素電極25と共通電極35との間に画素電極25の電位が相対的に高くなるように電圧を印加すると、負に帯電された白色の電気泳動粒子はクーロン力によって画素電極25側に引き寄せられる。一方、正に帯電された黒色の電気泳動粒子はクーロン力によって共通電極35側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル32内の透明シート30側には黒色の電気泳動粒子が集まることになり、電気泳動表示装置1の表示領域7には黒色の電気泳動粒子の色(黒色)が表示されることとなる。
(製造方法)
次に、上記構成の電気泳動表示装置1の製造方法について述べる。
電気泳動表示装置1を製造する際には、大型の基板を用いてまず複数の電気泳動表示パネルの集合体を形成し、当該集合体を切断することによって複数の電気泳動表示装置1に個片化する、所謂多面取りと呼ばれる手法が用いられる。
図4は、電気泳動表示装置の製造工程について示すフローチャート、図5〜図7は、電気泳動表示装置の製造工程について示す断面模式図である。なお、図5〜図7においては、特定のパネル領域Pに着目しているが、その他のパネル領域Pにおいても同様のプロセスが同時に行われている。
電気泳動表示装置1の集合体を形成する際、素子基板2の集合体であるマザーガラス基板110の各パネル領域Pに電気泳動シート3を貼り付けるようにする。電気泳動シート3を有した個々のパネル領域Pがそれぞれ電気泳動表示装置1となる。
ここでは、電気泳動表示装置1に設けられる寸法に切断された状態の電気泳動シート3を用いる。よって、電気泳動シート3については予め形成しておく必要がある。電気泳動シート3は、大判の透明シート上の略全面に電気泳動層及び接着層が形成されたマザーシートを所望の大きさに切断することによって形成される。
本実施形態の電気泳動表示装置の製造方法は、図4に示すように、駆動層形成工程S1と、接続基板接合工程S2と、電気泳動シート貼付工程S3と、表面保護基板接合工程S4と、封止材形成工程S5と、を備えている。なお、ここで示した製造工程順は一例であって適宜順番を変更しても構わない。
駆動層形成工程S1では、まず、図5(a)に示すように、マザーガラス基板110の表面110aに複数のパネル領域Pを設定し、各パネル領域Pのうち表示領域7内に、絶縁層24、スイッチング素子26などを形成し、非表示領域8には上記の駆動回路素子や端子27、配線などを形成する。
次に、画素電極25を形成する。
まず、表示領域7の絶縁層24上にAlやCuなどの金属膜60を所定の膜厚で成膜した後、金属膜60上に電極形状に沿ったマスクパターン58を形成する(図5(a))。そして、このマスクパターン58を介して金属膜60をパターニングすることによって、表示領域7内に、図5(b)に示すような複数の画素電極25Bおよび下地電極25aを形成する。
次に、図5(c)に示すように、これら複数の電極のうち表示領域7の周縁部に形成された下地電極25aを露出させるようにしてマスクパターン59を形成する。
その後、図5(d)に示すように、露出している下地電極25aの表面に、スパッタ法、CVD法、めっき等によってAlやCuなどの導電材料を積層させることによって厚膜化し、画素電極25Bよりも厚みのある画素電極25Aを形成する。このようにして、図6(a)に示すように、各表示領域7内に膜厚の異なる複数の画素電極25(25A,25B)を形成する。
次に、接続基板接合工程S2において、図6(b)に示すように、不図示の粘着テープなどを介してマザー接続基板120をマザーガラス基板110の裏面110bに貼り付ける。マザー接続基板120の端子51がマザーガラス基板110の外側に露出するように位置合わせをして貼り付けるようにする。マザー接続基板120を貼り付けた後、しかるべき時に、マザーガラス基板110の端子27とマザー接続基板120の端子51との間をワイヤー111によって接続する。
次に、電気泳動シート貼付工程S3において、まず図6(b)に示すように、予め用意しておいた電気泳動シート3を接着層33側と駆動層21に対向させるようにしてマザーガラス基板110上に配置する。このとき、電気泳動シート3の接着層33の厚みは均一になっている。
そして、図6(c)に示すように、各パネル領域Pの表示領域7に電気泳動シート3をそれぞれ貼り付ける。画素電極25A,25Bの上方側からこれら画素電極25A,25Bに電気泳動シート3の接着層33を接触させるようにして、素子基板2上に電気泳動シート3を貼り合わせる。電気泳動シート3を貼り付けた後、プレス加工によって各部材同士を加圧接着させる。
このとき、画素電極25Aに接触している電気泳動シート3の周縁部の接着層33を厚さ方向に圧縮させるように加圧されるので、貼り合わせ後は、図7(a)に示すように、接着層33の周縁部の厚さが他の部位よりも小さく(薄く)なる。
上述したように、表示領域7の周縁部には中央部の画素電極25Bよりも厚さを有した画素電極25Aが設けられている。このため、表面保護基板4側からの押圧によって、画素電極25Aに接触する電気泳動シート3の接着層33の周縁部が圧縮された状態となり、中央部よりも薄くなる。
なお、電気泳動シート3の視認側すなわち透明シート30の表面30aは平坦面となる。
次に、表面保護基板接合工程S4において、図7(b)に示すように、電気泳動シート3上に接着層33を介してマザー保護基板140を貼り合わせる。
次に、封止材形成工程S5において、図7(c)に示すように、マザーガラス基板110とマザー保護基板140との間に封止材61を形成する。ここでは、エポキシ樹脂などを溶解させ、この溶解させたエポキシ樹脂をマザーガラス基板110とマザー保護基板140との間の毛細管力によって行き渡らせることで樹脂を注入する。
次に、溶解されている樹脂を乾燥させて固化させる。樹脂を固化することによって樹脂に接触しているマザーガラス基板110とマザー保護基板140とが貼り合わされた状態で固定されることになる。このようにして封止材61が形成される。
次に、例えばダイシングブレード(不図示)などの切削部材によってマザー保護基板140、マザーガラス基板110、マザー接続基板120、封止材61を切断する。これらの切断後、個々の電気泳動表示装置1を得る。
以上述べた製造方法では、マザーガラス基板110上に画素電極25を形成する際、表示領域7の周縁部に対向する画素電極25(25A)が、他の部位の画素電極25(25B)の厚さよりも厚く形成されている。このため、表示領域7に電気泳動シート3を貼り合わせる際に、画素電極25Aによって封止材6近傍の接着層33の厚さが部分的に圧縮された状態になる。つまり、画素電極25Aによって接着層33の厚さ方向に圧縮させる応力を与えることとしたので、接着層33の変位量を部分的に大きくすることが可能である。
これにより、耐環境試験、衝撃試験を実施した際に、接着層33の硬化収縮や熱収縮等により封止材6に接触する素子基板2および表面保護基板4の周縁部が引き寄せられる一方、中央部分が広がるように作用した場合でも、圧縮された接着層33の一部が基板2,4同士の変形に応じて膨張することによって基板同士の変形を許容することが可能となる。
よって、電気泳動シート3の電気泳動層31と接着層33との界面剥離を防止することができ、このような剥離に起因する表示劣化を防ぐことができる。これにより、温度変化の激しい使用環境においても良好な表示画像が得られる。
また、本実施形態では、素子基板2上に配列された複数の画素電極25のうち、封止材6近傍の画素電極25A、すなわち、電気泳動シート3の周縁部に対向する画素電極25Aを他の画素電極25B厚く形成することで、接着層33を部分的に圧縮させてその部分の厚さを小さく(薄く)する層厚変化部材として機能させていることから、別部材を追加することなく、従来の構成部材を用いて上記剥離を防止することが可能である。これにより、部材追加にともなうコストの増加を防止することができる。
以下に示す各実施形態の電気泳動表示装置の基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、電気泳動パネルの構成において異なる。よって、以下の説明では、電気泳動パネルについて詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図7と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図8を用いて説明する。図8は、第2実施形態の電気泳動表示装置の全体構成を示す断面図である。
本実施形態では、図8に示すように、画素電極25よりも厚く形成されたダミー電極71が非表示領域8に形成されている。電気泳動シート3は、表示領域7だけでなく非表示領域8の一部を覆う大きさを有しており、電気泳動シート3に設けられた接着層33の周縁部が、上記ダミー電極71によって圧縮された状態となっている。すなわち、封止材6近傍における接着層33の厚みが他の部位よりも小さく(薄く)なっている。
本実施形態の電気泳動表示装置を製造する場合には、表示領域7に画素電極25、非表示領域8に下地電極を同時にパターン形成した後、下地電極に対して厚膜化処理を施すことによって、本実施形態のダミー電極71を形成する。その後、ダミー電極71の上方側からこのダミー電極71に接着層33を接触させるようにして素子基板2上に電気泳動シート3を貼り合わせる。このとき、素子基板2上に形成されたダミー電極71によって電気泳動シート3の周縁部にあたる接着層33を厚さ方向に圧縮させるように加圧接着を行う。なお、本実施形態における電気泳動シート3は、その周縁部が非表示領域8にまで及ぶ大きさとされている。
本実施形態によれば、層厚変化部材が、素子基板2上に配列された複数の画素電極25よりも厚く形成されたダミー電極71からなることから、表示に寄与しない部分おいて、上記電気泳動シート3の電気泳動層31と接着層33との界面において剥離が生じるのを防止することができる。このため、透明性を有する材料以外の材料で層厚変化部材を形成することが可能となる。
なお、図8においては、電気泳動表示パネル10の各辺に一列ずつダミー電極71を設けたが、複数列設けても良い。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図9を用いて説明する。図9は、第3実施形態の電気泳動表示装置の全体構成を示す断面図である。
本実施形態では、図9(a)に示すように、電気泳動表示パネル10の素子基板2と電気泳動シート3との間に導電性を有する粒子72が設けられている。粒子72は、表示領域7の周縁部に位置する画素電極25上に複数設けられており、封止材6近傍の接着層33の厚みを他の部位よりも小さく(薄く)している。
図9(b)に示すように、粒子72は、弾性を有するコア部72aと、コア部72aの表面に設けられた導電膜72bとからなる樹脂コア構造の粒子である。このような粒子72は、表示領域7内に配置されることから透光性を有する構成となっていることが好ましい。例えば、コア部72aをエポキシ樹脂などの透明性樹脂材料を用いて形成し、導電膜72bをITOなどの透明性金属材料を用いて形成する。これにより、素子基板2上に分散された粒子72によって表示精度が低下することもなくなる。
粒子72は、図9(b)に示すように装置内に配置される前の状態では略球状を呈しているが、装置完成後は、図9(a)に示すように粒子72自体も圧縮された状態となっている。
本実施形態の電気泳動表示装置1を製造する場合には、素子基板2上に電気泳動シート3を貼り合わせる前に、表示領域7の周縁部の画素電極25上に複数の粒子72を分散させておく。その後、粒子72の上方側からこれら粒子72に接着層33を接触させるようにして素子基板2上に電気泳動シート3を貼り合わせる。このとき、素子基板2上に分散された粒子72によって電気泳動シート3の周縁部にあたる接着層33を厚さ方向に圧縮させるように加圧接着を行う。
本実施形態によれば、素子基板2と電気泳動シート3との界面に樹脂コア構造の粒子72を配置することによって、封止材6近傍の接着層33の周縁部が部分的に圧縮された状態で装置が完成する。このようにして接着層33の変位量を部分的に大きくしておくことにより、熱衝撃試験下において、粒子72によって圧縮されていた接着層33が膨張することで電気泳動シート3の層間剥離を防止することが可能となる。したがって、上記剥離に起因する表示劣化を阻止することができる。
また、粒子72を別途製造しておくことができ、パネル形成時においては必要な箇所に必要な数の粒子72を配置すればよいだけなので、製造が容易で製造時間を短縮することができる。また、電気的に異方性のある粒子72であることから、素子基板2と電気泳動シート3との間で電気的なリークが生じることもない。
このように、弾性及び導電性を兼ね備えた粒子72によって、表示を劣化させることなく接着層33を部分的に圧縮させることができ、性能試験時において素子基板2と電気泳動シート3との剥離を防止することが可能となる。
なお、本実施形態では、素子基板2と電気泳動シート3との間において表示領域7の周縁部に粒子72を配置することとしたが、電気泳動シート3が貼り付けられる表示領域7全体に複数の粒子72を分散させてもよい。また、表示領域7だけでなく、非表示領域8にまで粒子72を配置してもよい。これにより、電気泳動シート3の封止材6近傍だけでなく、電気泳動シート3全体において電気泳動層31と接着層33との層間剥離をより完全に防止することが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図10を用いて説明する。図10は、第4実施形態の電気泳動表示装置の全体構成を示す断面図である。
本実施形態では、図10に示すように、非表示領域に設けられたダミー電極73上に複数の樹脂粒子74が設けられている。ダミー電極73は、画素電極25とともにパターン形成される。樹脂粒子74は、エポキシ樹脂などから構成されたもので弾性を有することから、電気泳動シート3の接着層33の周縁部を厚さ方向に圧縮させる応力を与えることが可能である。
本実施形態の電気泳動表示装置を製造する場合には、素子基板2上に電気泳動シート3を貼り合わせる前に、非表示領域8に形成したダミー電極73上に複数の樹脂粒子74を分散させておく。その後、樹脂粒子74の上方側からこれら樹脂粒子74に接着層33を接触させるようにして素子基板2上に電気泳動シート3を貼り合わせる。このとき、素子基板2上に分散された樹脂粒子74によって電気泳動シート3の周縁部にあたる接着層33を厚さ方向に圧縮させるように加圧接着を行う。なお、本実施形態における電気泳動シート3は、その周縁部が非表示領域8にまで及ぶ大きさとされている。
本実施形態では、非表示領域8にダミー電極73および樹脂粒子74を配置するため、これらが表示に寄与することはないことから、導電性を有している必要はない。よって、ダミー電極73の代替として、画素電極25をパターン形成する際に用いるレジスト材料を残しておいても良い。
本実施形態では、樹脂のみからなる粒子74であることから簡単且つ安価に製造することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、電気泳動シート3の接着層33内に樹脂粒子や樹脂コア粒子を混入させておいてもよい。あるいは、接着層33の表面の所定領域に樹脂粒子や樹脂コア粒子を貼り付けた状態で、電気泳動シート3を素子基板2上に貼り合わせるようにしてよい。
なお、上記実施形態では、電気泳動表示装置1を備える電気光学装置を例に挙げて説明したが、電気光学層を備える電気光学装置であれば本発明を適用することが可能である。例えば、TN(Twisted Nematic)液晶ディスプレイ、STN(Super TN)液晶ディスプレイ、強誘電性液晶ディスプレイ、コレステリック液晶ディスプレイ、トナーディスプレイ、ツイストボールディスプレイ等の表示装置を備える電気光学装置にも本発明を適用することができる。
更に、本発明の電気光学装置は、上記の電気泳動表示装置及び液晶装置に限られるものではなく、他の電気光学装置にも適用することができる。ここで、他の電気光学装置としては、例えば有機EL装置、無機EL装置、プラズマディスプレイ装置、フィールド・エミッション・ディスプレイ装置、LED等が挙げられる。
[電子機器]
次に、上記実施形態の電気泳動表示装置1を、電子機器に適用した場合について説明する。
図11は、腕時計1000の正面図である。腕時計1000は、時計ケース1002と、時計ケース1002に連結された一対のバンド1003とを備えている。
時計ケース1002の正面には、上記実施形態の電気泳動表示装置1からなる表示部1005と、秒針1021と、分針1022と、時針1023とが設けられている。時計ケース1002の側面には、操作子としての竜頭1010と操作ボタン1011とが設けられている。竜頭1010は、ケース内部に設けられる巻真(図示は省略)に連結されており、巻真と一体となって多段階(例えば2段階)で押し引き自在、かつ、回転自在に設けられている。表示部1005では、背景となる画像、日付や時間などの文字列、あるいは秒針、分針、時針などを表示することができる。
図12は電子ペーパー1100の構成を示す斜視図である。電子ペーパー1100は、上記実施形態の電気泳動表示装置1を表示領域1101に備えている。電子ペーパー1100は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1102を備えて構成されている。
図13は、電子ノート1200の構成を示す斜視図である。電子ノート1200は、上記の電子ペーパー1100が複数枚束ねられ、カバー1201に挟まれているものである。カバー1201は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する図示は省略の表示データ入力手段を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
以上の腕時計1000、電子ペーパー1100、及び電子ノート1200によれば、表示劣化を生じさせることなく、電気泳動表示装置の信頼性を高めることが可能な電気泳動表示装置1を搭載したので、優れた表示特性を有する電子機器1000、1100、1200を得ることができる。
なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部にも、本発明に係る電気泳動表示装置は好適に用いることができる。
1…電気泳動表示装置、2…素子基板(第1基板)、3…電気泳動シート、4…表面保護基板(第2基板)、6…封止材、25…画素電極、25A…画素電極(層厚変化部材)、25B…他の画素電極、31…電気泳動層、36…接着層、71,73…ダミー電極、72…粒子、74…樹脂粒子、72a…コア部、72b…導電膜、1000…腕時計(電子機器)、1100…電子ペーパー(電子機器)、1200…電子ノート(電子機器)

Claims (13)

  1. 電気泳動層及び接着層を有する電気泳動シートと、
    前記接着層により前記電気泳動シートが貼り合わされる第1基板と、
    前記電気泳動シートの前記第1基板とは反対側に配置される第2基板と、
    前記電気泳動層の周りを囲うようにして前記第1基板及び前記第2基板との間に配置されるとともにこれら基板同士の間で前記電気泳動シートを封止する封止材と、を備え、
    前記第1基板と前記電気泳動シートとの間に、少なくとも前記封止材の近傍における前記接着層の厚みを他の部位よりも小さくする層厚変化部材が設けられていることを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 前記第1基板上に複数の前記画素電極が配列されており、
    前記層厚変化部材が、他の画素電極よりも厚く形成された画素電極からなること
    を特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  3. 前記層厚変化部材が、前記第1基板上に配列された複数の前記画素電極よりも厚く形成されたダミー電極からなること
    を特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  4. 前記層厚変化部材が導電性を有する粒子からなり、
    前記第1基板上に設けられた複数の画素電極のうち、少なくとも前記封止材の近傍に配置された画素電極上に前記粒子が配置されていること
    を特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  5. 前記粒子が、弾性を有するコア部と、該コア部の表面に設けられた導電膜とを有する粒子であることを特徴とする請求項4記載の電気泳動表示装置。
  6. 前記層厚変化部材が樹脂粒子からなり、
    前記樹脂粒子が、前記第1基板上に設けられたダミー電極上に配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。
  7. 前記層厚変化部材が、前記接着層を厚さ方向に圧縮させる応力を与えること
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。
  8. 第1基板上に層厚変化部材を設ける工程と、
    電気泳動層及び接着層を有した電気泳動シートを前記第1基板上に貼り合わせる工程と、
    前記電気泳動シートの前記第1基板とは反対側に第2基板を配置する工程と、
    前記電気泳動層の周りを囲うようにして前記第1基板及び前記第2基板との間に封止材を形成する工程と、を有し、
    前記電気泳動シートを前記第1基板に貼り合わせる際、前記層厚変化部材により少なくとも前記封止材近傍となる前記接着層の厚さを部分的に圧縮すること
    を特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
  9. 第1基板上に層厚変化部材を設ける工程において、
    前記第1基板上に設ける複数の画素電極のうち、少なくとも前記封止材近傍の画素電極を他の画素電極の厚さよりも厚く形成することを特徴とする請求項8記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  10. 第1基板上に層厚変化部材を設ける工程において、
    前記封止材の近傍の前記第1基板上に、画素電極よりも厚さを有するダミー電極を形成することを特徴とする請求項8記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  11. 第1基板上に層厚変化部材を設ける工程において、
    前記第1基板上に設ける複数の画素電極のうち、少なくとも前記封止材の近傍の画素電極上に導電性を有する粒子を配置することを特徴とする請求項8記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  12. 第1基板上に層厚変化部材を設ける工程において、
    前記封止材の近傍の前記第1基板上に形成されたダミー電極上に、導電性を有する粒子を配置することを特徴とする請求項8記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  13. 請求項1から7記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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