JP2011028100A - 両側テレセントリックリレーレンズ及び撮影装置 - Google Patents

両側テレセントリックリレーレンズ及び撮影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011028100A
JP2011028100A JP2009175478A JP2009175478A JP2011028100A JP 2011028100 A JP2011028100 A JP 2011028100A JP 2009175478 A JP2009175478 A JP 2009175478A JP 2009175478 A JP2009175478 A JP 2009175478A JP 2011028100 A JP2011028100 A JP 2011028100A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
refractive index
lens group
glass material
relay lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009175478A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Kanda
秀雄 神田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2009175478A priority Critical patent/JP2011028100A/ja
Publication of JP2011028100A publication Critical patent/JP2011028100A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lenses (AREA)

Abstract

【課題】コンパクトかつ明るい両側テレセントリックリレーレンズを提供する。
【解決手段】リレーレンズ14は、被写体側と像側の両側でテレセントリックに構成される。リレーレンズ14は、共役長TCLの約15%を占める厚D1のガラスブロック21と、複数の凸レンズからなり、正のパワーを有する第1レンズ群G1と、凹レンズを含む第2レンズ群G2と、複数の凸レンズからなり、正のパワーを有する第3レンズ群G3とを備え、第1レンズ群G1の焦点距離をf1,第2レンズ群G2の焦点距離をf2,第3レンズ群G3の焦点距離をf3とするときに、
0.20<f1/TCL<0.25
0.65<|f2/TCL|
0.12<f3/TCL<0.18
を満たし、平面状の被写体を撮像素子13の撮像面17に等倍に結像させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、微弱な像光を増幅するイメージインテンシファイアとともに用いられ、イメージインテンシファイアの後端に出力される平面状の像を撮像素子に結像させるリレーレンズに関するものであり、さらに詳しくは、イメージインテンシファイア側(被写体側)と撮像素子側(像側)とがともにテレセントリックに構成されたリレーレンズに関する。
照明することができなかったり、十分な照明を当てられない場合や、高コントラストの鮮明な画像を必要とする場合に用いる撮影装置として、高感度撮影装置が知られている。高感度撮影装置は、例えば、暗視カメラや、天体や分光スペクトル、蛍光染色した生体等の発光体の撮影、画像処理によって形状や大きさ,位置,個数等を計測するための撮影に利用される。高感度撮影装置には、撮像素子を冷却することでノイズを抑えるようにしたものや、イメージインテンシファイアを用いるようにしたものが知られている。
イメージインテンシファイアは、微弱な像の光量を増倍し、コントラストを増大させた像を出力する装置として知られている。イメージインテンシファイアは、まず、所定の入力窓に結像された像を光電変換によって信号電荷に変換する。そして、信号電荷をマイクロチャンネルプレートによって増倍した後、蛍光板に入射させて像を表示する。このとき、マイクロチャンネルプレートは、非常細いガラス管(チャンネル)が束ねられた構造となっており、各チャンネルで増倍される信号電荷の量は、もとの信号電荷の量に応じて定まる。このため、イメージインテンシファイアが出力する像は、入力されたもとの像と比較して高コントラストの像となっている。
こうしてイメージインテンシファイアによってコントラストを増大させた像は、極細の光ファイバを束ねたファイバオプティクプレート等によって伝達,表示される。高感度撮影装置では、イメージインテンシファイアから出力される像を、ファイバオプティクプレートが一体に設けられた撮像素子をイメージインテンシファイアにカップリングしたり、リレーレンズによって撮像素子に結像させたりして撮影する。
前述のように、高感度撮影装置には、照明することができない微弱な光量による撮影や、画像処理による計測のための高コントラストの鮮明な画像を取得することが求められので、イメージインテンシファイアの出力像をリレーレンズによって撮像素子に結像させる場合には、リレーレンズには撮影倍率の正確性や像面内での明るさの均一性が求められる。また、イメージインテンシファイアの出力特性は、完全拡散面光源と略同等であり、法線方向への射出強度が最も大きく、法線方向と角度θをなす方向への射出強度はcosθ倍に低下する。同様に、撮像素子の受光感度は、垂直入射が最も高い。こうしたことから、イメージインテンシファイアとともに用いられるリレーレンズとしては、イメージインテンシファイアからの光束を無駄無くリレーするために、被写体側と像側の両側でテレセントリックなものが用いられている。
両側テレセントリックリレーレンズは、様々な光学機器に用いられており、例えば、投影表示装置に搭載されるもの(特許文献1)やリソグラフィ装置の投影光学系に搭載されるもの(特許文献2)等が知られており、イメージインテンシファイアに対してもこれらと同様に構成されたものが流用されている。また、こうした両側テレセントリックリレーレンズの中でも、画面内での照度差を低減し、かつ良好な結像性能を有するようにしたものも知られている(特許文献3)。
特開2001−208968号公報 特開2007−79015号公報 特開平9−80306号公報
イメージインテンシファイアが出力する像は、入力されるもともとの光量が極めて小さいために、イメージインテンシファイアによって光量を増幅してもなお、撮像素子の感度に対して十分な光量となっていないことがある。このため、リレーレンズは、イメージインテンシファイアが出力する像の光量をできるだけ損なわずに撮影するために、できるだけ明るいレンズであることが求められる。
また、イメージインテンシファイアを搭載した撮影装置は、全体の小型化のために、イメージインテンシファイアと撮像素子を略一体に形成される等、イメージインテンシファイアと撮像素子の間隔は狭い。このため、イメージインテンシファイアと撮像素子の間に配置されるリレーレンズは、レンズの全長と共役長が短いことが求められる。
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているような従来のリレーレンズは、撮影する面積こそ大きいものの、イメージインテンシファイアが出力する像をリレーするには暗く、また、レンズ全長に対して共役長が長い。このため、従来のリレーレンズをイメージインテンシファイアとともに用いることは難しい。
さらに、イメージインテンシファイアは、出力する像の表示面がパッケージに対して凹んだ位置にあるため、単に外径を大きくしてリレーレンズを明るくしようとすると、表示面からの光はパッケージの外周によってけられてしまうという問題がある。また、表示面のサイズに対してリレーレンズの外径が大きい場合には周縁部分での各種収差の補正が難しくなる。一方、外径が大きなリレーレンズで周縁部分での各種収差を良好に補正するには、全長を長くする必要があり、前述と同様、イメージインテンシファイアに用いるリレーレンズには適さなくなってしまう。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、イメージインテンシファイアが表示する像を等倍で撮像素子に結像させる両側テレセントリックリレーレンズであって、コンパクトで明るい両側テレセントリックリレーレンズを提供することを目的とする。
本発明の両側テレセントリックリレーレンズは、共役長の10%以上を占める厚さのガラスブロックと、前記ガラスブロック側から順に、複数の凸レンズからなり、正のパワーを有する第1レンズ群と、凹レンズを複数含む第2レンズ群と、複数の凸レンズからなり、正のパワーを有する第3レンズ群と、を備え、前記共役長をTCL,前記第1レンズ群の焦点距離をf1,前記第2レンズ群の焦点距離をf2,前記第3レンズ群の焦点距離をf3とするときに、
0.20<f1/TCL<0.25
0.65<|f2/TCL|
0.12<f3/TCL<0.18
を満たし、平面状の被写体を等倍に結像させることを特徴とする。なお、共役長は、ガラスブロックの物体側の面から結像面までの距離であり、空気換算を行わない値とする。
また、相対的に低屈折率低分散の硝材と高屈折率高分散の硝材の2種類の硝材のいずれかから形成されたレンズで構成され、d線に対する屈折率をNd、アッベ数をνdとするときに、前記低屈折率低分散の硝材は、1.5<Nd<1.55かつ60<νd<70を満たし、前記高屈折率高分散の硝材は、Nd>1.75かつνd<30を満たすことを特徴とする。
また、前記第1レンズ群は、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズのみで構成されることを特徴とする。
また、前記第2レンズ群は、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズと、高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズから構成されることを特徴とする。
また、前記第2レンズ群は、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズと、前記高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズとを接合した接合レンズを含むことが好ましい。
また、前記第3レンズ群は、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズと、高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズをともに含むことが好ましい。
また、前端の入力窓に入射された像を、後端の凹部に設けられた平面状の出力窓にコントラストを増倍して出力するイメージインテンシファイアとともに用いられ、前記ガラスブロックは、前記凹部に勘合されることを特徴とする。
また、前記ガラスブロックは、前記イメージインテンシファイア側の表面が平面に形成され、前記出力窓に密着して配置されることを特徴とする。
また、前記ガラスブロックは、被写体側と像側がともに平面に形成されることを特徴とする。
また、本発明の撮影装置は、上述の両側テレセントリックリレーレンズを備えることを特徴とする。
本発明によれば、コンパクトで明るい、イメージインテンシファイア用の両側テレセントリックリレーレンズ及びこれを備える撮影装置を提供することができる。
リレーレンズの構成を示す説明図である。 実施例1のリレーレンズの構成を示す断面図である。 実施例1の球面収差,非点収差,ディストーションを示す収差図である。 実施例1のコマ収差を示す収差図である。 実施例1のMTFを示すグラフである。 実施例2のリレーレンズの構成を示す断面図である。 実施例2の球面収差,非点収差,ディストーションを示す収差図である。 実施例2のコマ収差を示す収差図である。 実施例2のMTFを示すグラフである。 実施例3のリレーレンズの構成を示す断面図である。 実施例3の球面収差,非点収差,ディストーションを示す収差図である。 実施例3の球面収差,非点収差,ディストーションを示す収差図である。 実施例3のMTFを示すグラフである。
図1に示すように、高感度撮影装置11は、微弱な光によって被写体を撮影する撮影装置であり、イメージインテンシファイア12、撮像素子13、リレーレンズ14(両側テレセントリックリレーレンズ)を備えている。
イメージインテンシファイア12は、前端の入力窓(図示しない)に結像された像を、光量を所定の倍率で増倍させることによりコントラストを増大させて、後端(撮像素子13側の端)に設けられた平面状の出力窓16に表示する。また、イメージインテンシファイア12の後端部分は、出力窓16に対して周囲のパッケージ部分が突出した凹状に形成されている。
撮像素子13は、撮像面17に結像された像を光電変換して撮像する素子であり、例えば、CCD型のイメージセンサからなる。この撮像素子13の撮像面17には、イメージインテンシファイア12が出力する像が、リレーレンズ14によって等倍に結像される。また、撮像面17は、撮像素子13の最前面から凹んだ位置に設けられており、その前面はカバーガラス18が配置されている。
リレーレンズ14は、イメージインテンシファイア12が出力する像を撮像面17に等倍に結像させるレンズであり、イメージインテンシファイア12側から順に、ガラスブロック21、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3の4つの要素から構成される。また、リレーレンズ14は、イメージインテンシファイア12側と撮像素子13側の両側がテレセントリックに構成されるとともに、有効Fナンバーは0.7と明るく構成されている。さらに、リレーレンズ14を構成するレンズ等は、d線(波長587.6nm)に対する屈折率Nd,アッベ数νdがNd≒1.52かつνd≒63の硝材と、Nd≒1.81かつνd≒25の硝材の2種類の硝材のいずれかからなる。
ガラスブロック21は、前述の2種類の硝材のうち低屈折率低分散の硝材(Nd≒1.52,νd≒63)の硝材からなり、前後の表面S1,S2がいずれも平面に形成され、外形はイメージインテンシファイア12後端の凹部に勘合する形状に形成されている。リレーレンズ14を高感度撮影装置11に組み込むときには、ガラスブロック21は、前面S1が出力窓16に密着されるように、イメージインテンシファイア12後端の凹部に嵌合される。
こうして、ガラスブロック21がイメージインテンシファイア12に嵌合されると、出力窓16に表示される像からの光の発散角は、空気中への発散角と比較して、ガラスブロック21の屈折率の逆数倍程度に低減される。これにより、出力窓16に表示される像からの光が空気中に発散する場合には出力窓16の周囲に突出した部分にけられてしまう光が、撮像素子13に導かれるようになるので、ガラスブロック21はリレーレンズ14を明るくする。
また、ガラスブロック21の厚さは、リレーレンズ14の共役長TCLの約15%となっている。ガラスブロック21の実際的な厚さは、ガラスブロック21の屈折率、出力窓16の深さ等に応じて定める必要があるが、リレーレンズ14の共役長TCLの約10%以上の厚さとなっていれば上述のようにリレーレンズ14を顕著に明るく、かつ外径をコンパクトに構成することができる。特に、リレーレンズ14を、有効Fナンバーが0.7程度の明るいものとし、かつ外形をコンパクトに構成する場合には、ガラスブロック21の厚さを共役長TCLの15%以上の厚さとすることが好ましい。
一方、リレーレンズ14は、ガラスブロック21を備えることによって、大きな球面収差や色分散が発生する。このように、ガラスブロック21によって発生する球面収差や色分散は、リレーレンズ14ではガラスブロック21に続く、第1〜第3レンズ群G1〜G3によって補正される。
第1レンズ群G1は、ガラスブロック21の像側に隣接して配置され、複数の凸レンズから構成される。このため、第1レンズ群G1は、全体として正のパワーを有する。また、第1レンズ群G1を構成する凸レンズは、全て低屈折率低分散の硝材(Nd≒1.52,νd≒63)からなる。このように構成される第1レンズ群G1は、出力窓16からガラスブロック21を通って入射する光束の径を、色収差の増大を抑えながら小さくする。
第1レンズ群G1内に凹レンズを配置すると、第1レンズ群G1内でさらに光束を発散させることになるので、リレーレンズ14の径が大きくなり、狭いスペース内に配置することが難しくなる。また、第1レンズ群G1内に高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズを配置しても良い。しかし、高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズの枚数が低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズの枚数よりも多い場合や高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズのパワーが低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズのパワーよりも極端に大きい場合には、ガラスブロック21で生じる色収差が第1レンズ群G1内でさらに増大することになり、後続の第2レンズ群G2で色収差を補正することが難しくなる。
また、第1レンズ群G1の焦点距離をf1とすると、第1レンズ群G1は、焦点距離f1がリレーレンズ14の共役長TCLに対して、0.20<f1/TCL<0.25の条件を満たすように構成される。この条件は、イメージインテンシファイア12と撮像素子13と間の予め定められたスペース内に収まるように、リレーレンズ14の全長及び径を小さく抑えるための条件である。
f1/TCLの値が0.20以下の値になると、第1レンズ群G1の各々の凸レンズのパワーが強くなりすぎて瞳周辺部の球面収差が増大し、これを補正することが難しくなる。このとき、第1レンズ群G1の凸レンズの枚数を増やして、各々の凸レンズのパワーを弱くすると、リレーレンズ14の全長が長くなり、イメージインテンシファイア12と撮像素子13の間に配置することが難しくなる。
一方、f1/TCLの値が0.25以上の値になると、第1レンズ群G1のパワーが弱く、第1レンズ群G1から射出される光束が大きくなってしまう。このため、f1/TCLの値が0.25以上の値になると、リレーレンズ14全体としても外径が大きくなり、共役長TCLも長くなり、リレーレンズ14をイメージインテンシファイア12と撮像素子13の間に配置することが難しくなる。
第2レンズ群G2は、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3の間に配置され、凸レンズだけでなく、凹レンズを含む構成となっている。また、第2レンズ群G2の凸レンズは全て低屈折率低分散の硝材からなり、第2レンズ群G2の凹レンズは全て高屈折率高分散の硝材からなる。これにより、リレーレンズ14の各種収差はこの第2レンズ群G2によって補正される。また、第2レンズ群G2は、2以上の凹レンズを含むように構成されることで、リレーレンズ14をF/0.7という明るさを維持したまま、リレーレンズ14の各種収差を良好に補正する。
また、第2レンズ群G2の焦点距離をf2とすると、第2レンズ群G2は、焦点距離f2がリレーレンズ14の共役長TCLに対して、0.65<|f2/TCL|の条件を満たすように構成される。この条件は、共役長TCLが、予め定められた出力窓16と撮像面17との距離に一致するように、リレーレンズ14の共役長TCLを短く保つための条件である。
|f2/TCL|が0.65以下の値になると、リレーレンズ14の画角を大きくすることができるが、同時に共役長TCLが長くなり、共役長TCLを予め定められた出力窓16と撮像面17との距離に一致させることが難しくなる。また、|f2/TCL|が0.65以下の値になる場合に、共役長TCLを出力窓16と撮像面17との距離に一致させようとすれば、第1,第3レンズ群G1,G3のパワーを増大させる必要があり、リレーレンズ14を構成するレンズの枚数が多くなる。したがって、|f2/TCL|が0.65以下の値になると、リレーレンズ14の全長も増して、イメージインテンシファイア12と撮像素子13の間にリレーレンズ14を配置することが難しくなり、コストや重量も増加する。
また、第2レンズ群G2は、上述のように高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズを備えることによってリレーレンズ14の各種収差を抑えるが、この凹レンズによって光束が発散してしまう。このため、第2レンズ群G2には、凹レンズとともに、光束の発散を抑える凸レンズが複数設けられる。特に、第2レンズ群G2は、短い距離で光束の発散を抑えるために、両凸レンズを備える。
一方、第2レンズ群G2に両凸レンズを配置すると、この両凸レンズの像側の面における光線の屈曲が大きいために、球面収差が増大する。また、第2レンズ群G2に単に両凸レンズを配置すると、両凸レンズの周縁部分に入射する光が全反射され、ここでリレーレンズ14の明るさを制限されてしまうことがある。このため、第2レンズ群G2に配置する両凸レンズは、凹レンズに隣接して配置することが好ましい。特に、第2レンズ群G2に配置する両凸レンズは、凹レンズと接合した接合レンズ31として配置することが好ましい。
こうして、第2レンズ群G2に配置する両凸レンズを、凹レンズに接合(隣接)して配置すると、両凸レンズによる球面収差の増大を抑えられる。また、第2レンズ群G2に配置する両凸レンズを、低屈折率低分散の硝材から形成するとともに、高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズと接合し、接合レンズ31として配置することで、両凸レンズの周縁部分においても全反射されずに光が通過するようになり、リレーレンズ14をより容易に明るく構成することができる。同時に、接合レンズ31を配置する場合には、両凸レンズと凹レンズを接合しない場合と比較して、両凸レンズと凹レンズとの間でより大きくパワーを変動させることができるようになり、リレーレンズ14全体として、色収差と像面湾曲がバランス良く補正される。
第3レンズ群G3は、最も撮像素子13側に配置され、複数の凸レンズから構成される。このため、第3レンズ群G3は、全体として正のパワーを有する。さらに、第3レンズ群G3は、像側で有効FナンバーがF/0.7となるように構成される。
さらに、第3レンズ群G3の焦点距離をf3とすると、第3レンズ群G3は、焦点距離f3がリレーレンズ14の共役長TCLに対して、0.12<f3/TCL<0.18の条件を満たすように構成される。この条件は、イメージインテンシファイア12と撮像素子13と間の予め定められたスペース内に収まるように、リレーレンズ14の全長及び径を小さく抑えるための条件である。
f3/TCLの値が0.12以下の値になると、第3レンズ群G3の各々の凸レンズのパワーが強くなりすぎるため、球面収差が増大し、第2レンズ群G2においてこれを補正することが難しくなる。このとき、第3レンズ群G3の凸レンズの枚数を増やして、各々の凸レンズのパワーを弱くすると、リレーレンズ14の全長が長くなり、イメージインテンシファイア12と撮像素子13の間に配置することが難しくなる。
一方、f3/TCLの値が0.18以上の値になると、第3レンズ群G3のパワーが弱く、第3レンズ群G3から射出される光束が大きくなってしまう。このため、f3/TCLの値が0.18以上の値になると、リレーレンズ14全体としても外径が大きくなり、共役長TCLも長くなり、リレーレンズ14をイメージインテンシファイア12と撮像素子13の間に配置することが難しくなる。
なお、第3レンズ群G3と撮像素子13の間には、イメージインテンシファイア12後端の凹部のように、リレーレンズ14と撮像面17を近づけて配置することを妨げる要因はない。このため、第3レンズ群G3は、第1レンズ群G1と同様に凸レンズだけから構成されるが、第3レンズ群G3には、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズと、高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズを任意に組み合わせて用いて良く、第3レンズ群G3には、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズと、高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズのいずれか一方だけを用いるようにしても良い。
また、第3レンズ群G3には、高分散の硝材からなる凸レンズを少なくとも1以上用いることが好ましい。こうして第3レンズ群G3が高分散の硝材からなる凸レンズを備えるようにすると、倍率色収差が低減される。一方、第3レンズ群G3の凸レンズを、全て、高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズとすると、分散が過剰となって倍率色収差が増大すると同時に、ペッツバール和が増大して像面湾曲が増大する。このため、第3レンズ群G3は、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズと、高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズを、双方とも備えることが特に好ましい。
上述のように構成されるリレーレンズ14は、全長及び共役長が短くコンパクトに、かつ、明るく、各種収差が良好に補正されたレンズとなる。また、リレーレンズ14の外形が大きい場合には、レンズの周縁部分を通る光によって結像性能が悪化するが、上述のように構成されるリレーレンズ14は、明るくかつ外形もコンパクトに構成されるので、結像性能が良好なレンズとなる。さらに、リレーレンズ14を用いることで、高感度撮影装置11はコンパクトに形成されるとともに、高コントラストの撮影を行うことができる。
以下では、リレーレンズ14の具体的な例を、実施例1〜3としてレンズデータ等を挙げて説明する。なお、実施例1〜3では、イメージインテンシファイア12の出力窓16に表示される像サイズはφ0.85mmであり、イメージインテンシファイア12と撮像素子13の配置からリレーレンズの共役長TCLは90.0mmに予め定められている。また、実施例1〜3では、カバーガラス18を含めて、レンズ等の各面を物体側から順に、面番号iを用いて面Siで表し、面Siと像側に隣接する面Si+1との光軸上の間隔を面間隔Diで表す。また、面Siと、面Siの像側に隣接する面Si+1との光軸上の間隔をDiで表す。また、各実施例のレンズデータとしては、各面Siの曲率半径R(mm)、面間隔Di(mm)、d線に対する屈折率Nd,アッベ数νdを表で示すとともに、その下段に、リレーレンズの焦点距離(mm)、有効Fナンバー、結像倍率、リレーレンズの共役長TCL(mm)、リレーレンズの全長(mm)、第1レンズ群の焦点距離f1(mm)、第2レンズ群の焦点距離f2(mm)、第3レンズ群の焦点距離f3(mm)、共役長TCLに対する焦点距離f1〜f3の比をそれぞれ示す。
[実施例1]
図2に示すように、実施例1のリレーレンズ51は、ガラスブロック52と、レンズG11〜G13,G21〜G25,G31〜G32の10枚のレンズから構成される。このリレーレンズ51のレンズデータを表1に示す。
また、リレーレンズ51の球面収差,非点収差,ディストーションを図3に示し、像高0.42mm,0.30mm,0.15mm,0.00mmのサジタル方向のコマ収差を図4(A)〜(D)に、像高0.42mm,0.30mm,0.15mmについてのタンジェンシャル方向のコマ収差を図4(E)〜(G)にそれぞれ示す。さらに、空間周波数Fqが16.7(LP/mm)の場合のMTF(%)を図5(A)に、空間周波数Fqが33.4(LP/mm)の場合のMTF(%)を図5(B)にそれぞれ示す。
なお、球面収差及びコマ収差は、波長530nmに対するものを実線で、波長480nmに対するものを破線で、波長680nmに対するものを二点鎖線で示す。また、非点収差は、サジタル(S)方向のものを実線で、タンジェンシャル(T)方向のものを破線で示す。MTF(入力光の波長:530nm50.0%,480.0nm6.4%,680nm1.0%,580nm33.6%,630nm9.1%)は、像高0.000mm,0.0150mm,0.300mm,0.424mmのそれぞれの点について、サジタル方向のものを実線で、タンジェンシャル方向のものを破線でそれぞれ示す。これらの収差図等の表し方は、後述する実施例2及び実施例3についても共通である。
Figure 2011028100
図2及び表1に示すように、リレーレンズ51を構成する10枚のレンズのうち、レンズG22,G25は凹レンズであり、レンズG11〜G13,G21,G23〜G24,G31〜G32は凸レンズである。また、凸レンズG21と凹レンズG22は面S10で接合されており、凸レンズG24と凹レンズG25は面S15で接合されている。
また、ガラスブロック52及びレンズG11〜G13,G21〜G25,G31〜G32は、屈折率Nd≒1.52,アッベ数νd≒63の低屈折率低分散の硝材、または屈折率Nd≒1.81,アッベ数νd≒25の高屈折率高分散の硝材のいずれかから形成される。具体的には、ガラスブロック52と凸レンズG11〜G13,G21,G23〜G24,G31は低屈折率低分散の硝材からなり、凸レンズG32と凹レンズG22,G25は高屈折率高分散の硝材からなる。
ガラスブロック52は、被写体側の面S1と像側の面S2がともに平面に形成され、その中心厚D1は14.5mmとなっている。また、リレーレンズ51の共役長TCLは90.0mmとなっている。このため、ガラスブロック52の中心厚D1は、リレーレンズ51の共役長TCLに対して約16.1%を占める。
第1レンズ群G1は、ガラスブロック52と、最も被写体側に配置された凹レンズG22との間に配置された凸レンズG11〜G13,G21のうち、凹レンズG22と接合された凸レンズG21を除く、凸レンズG11〜G13から構成される。したがって、第1レンズ群G1は、全て低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズだけで構成されている。また、第1レンズ群G1の焦点距離f1は18.917mmであり、第1レンズ群G1は全体として正のパワー有する。さらに、第1レンズ群G1は、リレーレンズ51の共役長TCL(90.0mm)に対する焦点距離f1比(f1/TCL)の値が約0.21となっており、0.20<f1/TCL<0.25の条件を満たす。
また、第2レンズ群G2は、最も被写体側に配置された凹レンズG22から最も像側に配置された凹レンズG25の4枚のレンズと、凹レンズG22の被写体側に接合された凸レンズG21を合わせて、合計で5枚のレンズG21〜G25から構成される。したがって、第2レンズ群G2には、低屈折率低分散の硝材からなる3枚の凸レンズG21,G23,G24と、高屈折率高分散の硝材からなる2枚の凹レンズG22,G25からなる。また、前述のように、凹レンズG22,G25は凸レンズG21,G24とそれぞれ接合されているので、第2レンズ群G2の2枚の凹レンズG22,G25は、全て接合レンズとして配置されている。
また、第2レンズ群G2の焦点距離f2は−1719.815mmであり、第2レンズ群G2は全体として負のパワーを有する。さらに、第2レンズ群G2は、リレーレンズ51の共役長TCLに対する焦点距離f2の比(f2/TCL)の値が約−19.109となっており、0.65<|f2/TCL|の条件を満たす。
第3レンズ群G3は、最も像側の凹レンズG25とカバーガラス18との間に配置された2枚の凸レンズG31,32から構成される。また、前述のように凸レンズG31は低屈折率低分散の硝材からなり、凸レンズG32は高屈折率高分散の硝材からなる。したがって、第3レンズ群G3には、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズと、高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズが1枚ずつ配置されている。また、第3レンズ群G3の焦点距離f3は11.272mmであり、第3レンズ群G3は全体として正のパワーを有する。さらに、第3レンズ群G3は、リレーレンズ51の共役長TCLに対する焦点距離f3の比(f3/TCL)の値が0.13となっており、0.12<f3/TCL<0.18の条件を満たす。
リレーレンズ51は、上述のように構成されることによって、全長65.922mm,共役長90.0mm,F/0.7という、コンパクトかつ明るいリレーレンズとなっている。同時に、リレーレンズ51の各種収差は、図3及び図4に示すように良好に補正されている。また、図5に示すMTFからわかるように、リレーレンズ51は、画面(撮像面17)の中央から離れた位置においても画面中央と略同程度に高いコントラストで像をリレーすることができる。
特に、リレーレンズ51では、中心厚D1がリレーレンズ51の共役長TCLに対して15%を上回る厚さのガラスブロック52を備えているので、F/0.7という極めて明るいレンズとなっており、イメージインテンシファイア12が表示する像からの光を無駄無く利用することができる。また、第1レンズ群G1が低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズG11〜G13だけで構成されていることによって、第2レンズ群G2における収差補正が容易になり、リレーレンズ51の各種収差が特に良好に補正される。
また、第2レンズ群G2の2枚の凹レンズG22,G25が、どちらも高屈折率高分散の硝材からなるので、全長及び共役長が短く構成され、かつ各種収差が良好に補正される。さらに、第2レンズ群G2の2つの接合レンズは、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズG21(G24)と高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズG22(G25)とが接合されているので、リレーレンズ51を容易に明るく構成できると同時に、色収差と像面湾曲を特にバランス良く補正することができる。また、第3レンズ群G3には、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズG31と、高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズG32とが組み合わせて用いられているので、リレーレンズ51の像面湾曲及び倍率色収差が抑えられる。
[実施例2]
図6に示すように、実施例2のリレーレンズ61は、ガラスブロック62と、レンズG11〜G13,G21〜G25,G31〜G32の10枚のレンズから構成される。このリレーレンズ61のレンズデータを表2に示す。また、リレーレンズ61の球面収差,非点収差,ディストーションを図3に、コマ収差を図4に、MTFを図5にそれぞれ示す。これらの収差図等の表し方は、前述の実施例1と同様である。
Figure 2011028100
図6及び表2に示すように、リレーレンズ61を構成する10枚のレンズのうち、レンズG21,G25は凹レンズであり、レンズG11〜G13,G22〜G24,G31〜G32は凸レンズである。また、凸レンズG24と凹レンズG25は面S16で接合されている。
また、ガラスブロック62及びレンズG11〜G13,G21〜G25,G31〜G32は、屈折率Nd≒1.52,アッベ数νd≒63の低屈折率低分散の硝材、または屈折率Nd≒1.81,アッベ数νd≒25の高屈折率高分散の硝材のいずれかから形成される。具体的には、ガラスブロック62とレンズG11〜G13,G22〜G24,G32は低屈折率低分散の硝材からなり、レンズG21,G25,G31は高屈折率高分散の硝材からなる。
ガラスブロック62は、被写体側の面S1と像側の面S2がともに平面に形成され、その中心厚D1は14.5mmとなっている。また、リレーレンズ61の共役長TCLは90.0mmとなっている。このため、ガラスブロック62の中心厚D1は、リレーレンズ61の共役長TCLに対して約16.1%を占める。
第1レンズ群G1は、ガラスブロック62と、最も被写体側に配置された凹レンズG21との間に配置された凸レンズG11〜G13の3枚のレンズから構成される。このため、第1レンズ群G1は、低屈折率低分散の硝材からなる3枚の凸レンズG11〜G13からなる。また、第1レンズ群G1の焦点距離f1は19.727mmであり、第1レンズ群G1は全体として正のパワーを有する。さらに、第1レンズ群G1は、リレーレンズ61の共役長TCL(90.0mm)に対する焦点距離f1の比(f1/TCL)の値が約0.219となっており、0.20<f1/TCL<0.25の条件を満たす。
また、第2レンズ群G2は、最も被写体側に配置された凹レンズG21から最も像側に配置された凹レンズG25の5枚のレンズから構成される。したがって、第2レンズ群G2は、高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズG21,G25と、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズG22〜G24からなる。また、高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズG25は、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズG24と接合されている。
また、第2レンズ群G2の焦点距離f2は230.583mmであり、第2レンズ群G2全体としては正のパワーを有する。さらに、第2レンズ群G2は、リレーレンズ61の共役長TCLに対する焦点距離f2の比(f2/TCL)の値が約2.562となっており、0.65<|f2/TCL|の条件を満たす。
第3レンズ群G3は、最も像側の凹レンズG25とカバーガラス18との間に配置された2枚の凸レンズG31,G32から構成される。また、前述のように、凸レンズG31は高屈折率高分散の硝材からなり、凸レンズG32は低屈折率低分散の硝材からなる。したがって、第3レンズ群G3には、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズと、高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズが1枚ずつ配置されている。また、第3レンズ群G3の焦点距離f3は12.163mmであり、第3レンズ群G3は全体として正のパワーを有する。さらに、第3レンズ群G3は、リレーレンズ61の共役長TCLに対する焦点距離f3の比(f3/TCL)の値が約0.135となっており、0.12<f3/TCL<0.18の条件を満たす。
リレーレンズ61は、上述のように構成されることによって、全長65.707mm,共役長90.0mm,F/0.7という、コンパクトかつ明るいリレーレンズとなっている。同時に、リレーレンズ61の各種収差は、図7及び図8に示すように良好に補正されている。また、図9に示すMTFからわかるように、リレーレンズ61は、画面中央から離れた位置においても画面中央と同程度に高いコントラストで像をリレーすることができる。
特に、リレーレンズ61では、中心厚D1がリレーレンズ61の共役長TCLに対して15%を上回る厚さのガラスブロック62を備えているので、F/0.7という極めて明るいレンズとなっており、イメージインテンシファイア12に表示される像からの光を無駄無く利用することができる。また、第1レンズ群G1が低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズから構成されているので、第2レンズ群G2における収差補正が容易になり、リレーレンズ61の各種収差が良好に補正される。
また、第2レンズ群G2には、高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズG21,G25が設けられているので、全長及び共役長が短く構成され、かつ各種収差が良好に補正される。さらに、高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズG25は低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズG24と接合されているので、リレーレンズ61を容易に明るく構成できると同時に、色収差と像面湾曲を特にバランス良く補正することができる。また、第3レンズ群G3には、高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズG31と、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズG32とが組み合わせて用いられるので、リレーレンズ61の像面湾曲及び倍率色収差が抑えられる。
[実施例3]
図10に示すように、実施例3のリレーレンズ71は、ガラスブロック72と、レンズG11〜G12,G21〜G26,G31〜G32の10枚のレンズから構成される。このリレーレンズ71のレンズデータを表3に示す。また、リレーレンズ71の球面収差,非点収差,ディストーションを図11に、コマ収差を図12に、MTFを図13にそれぞれ示す。これらの収差図等の表し方は前述の実施例1と同様である。
Figure 2011028100
図10及び表3に示すように、リレーレンズ71を構成する10枚のレンズのうち、レンズG21,G24,G26は凹レンズであり、レンズG11〜G12,G22〜G23,G25,G31〜G32は凸レンズである。
また、ガラスブロック72及びレンズG11〜G13,G21〜G25,G31〜G32は、屈折率Nd≒1.52,アッベ数νd≒63の低屈折率低分散の硝材、または屈折率Nd≒1.18,アッベ数νd≒25の高屈折率高分散の硝材のいずれかから形成される。具体的には、ガラスブロック72と凸レンズG11〜G12,G22〜G23,G25,G31〜G32は低屈折率低分散の硝材からなり、凹レンズG21,G24,G26は高屈折率高分散の硝材からなる。
ガラスブロック72は、被写体側の面S1と像側の面S2がともに平面に形成され、その中心厚D1は14.5mmとなっている。また、リレーレンズ71の共役長TCLは90.501mmとなっている。このため、ガラスブロック72の中心厚D1は、リレーレンズ71の共役長TCLに対して約16.0%を占める。
第1レンズ群G1は、ガラスブロック72と、最も被写体側に配置された凹レンズG21との間に配置された2枚の凸レンズG11〜G12から構成される。したがって、第1レンズ群G1は、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズだけで構成されている。また、第1レンズ群G1の焦点距離f1は21.959mmであり、第1レンズ群G1は全体として正のパワーを有する。さらに、第1レンズ群G1は、リレーレンズ71の共役長TCL(90.501mm)に対する焦点距離f1の比(f1/TCL)の値が約0.243となっており、0.20<f1/TCL<0.25の条件を満たす。
また、第2レンズ群G2は、最も被写体側に配置された凹レンズG21から最も像側に配置された凹レンズG26の6枚のレンズで構成される。したがって、第2レンズ群G2には、高屈折率高分散の硝材からなる3枚の凹レンズG21,24,26と、低屈折率低分散の硝材からなる3枚の凸レンズG22,G23,G25からなる。
また、第2レンズ群G2の焦点距離f2は、61.872mmであり、第2レンズ群G2は全体として正のパワーを有する。さらに、第2レンズ群G2は、リレーレンズ71の共役長TCLに対する焦点距離f2の比(f2/TCL)の値が約0.684となっており、0.65<|f2/TCL|の条件を満たす。
第3レンズ群G3は、最も像側の凹レンズG26とカバーガラス18との間に配置された2枚の凸レンズG31,G32から構成される。また、第3レンズ群G3の焦点距離f3は16.140mmであり、第3レンズ群G3は全体として正のパワーを有する。さらに、第3レンズ群G3は、リレーレンズ71の共役長TCLに対する焦点距離f3の比(f3/TCL)の値が約0.178となっており、0.12<f3/TCL<0.18の条件を満たす。
リレーレンズ71は、上述のように構成されることによって、全長60.548mm,共役長90.0mm,F/0.7という、コンパクトかつ明るいリレーレンズとなっている。同時に、リレーレンズ71の各種収差は、図11及び図12に示すように良好に補正されている。また、図13に示すMTFからわかるように、リレーレンズ71は、画面中央(撮像面17の中央)から離れた位置においても画面中央と同程度に高いコントラストで像をリレーすることができる。
特に、リレーレンズ71では、中心厚D1がリレーレンズ71の共役長TCLに対して15%を上回る厚さのガラスブロック72が備えられているので、F/0.7という極めて明るいレンズとなっており、イメージインテンシファイア12が表示する像からの光を無駄無く利用することができる。また、第1レンズ群G1が低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズG11,G12だけで構成されていることによって、第2レンズ群G2における収差補正が容易になり、リレーレンズ71の各種収差が特に良好に補正される。
また、第2レンズ群G2の3枚の凹レンズG21,G24,G26がいずれも高屈折率高分散の硝材からなるので、全長及び共役長が短く構成され、かつ、各種収差が良好に補正される。さらに、リレーレンズ71では、高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズG21,G24,G26と、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズとが隣接して配置されているので、リレーレンズ71は、明るいレンズとなり、かつ、色収差及び像面湾曲がバランス良く補正される。
なお、上述の実施形態及び実施例では、リレーレンズに低屈折率低分散の硝材と高屈折率高分散の硝材の2種類の硝材を用いる例を説明したが、リレーレンズを構成するレンズ等に用いる具体的な硝材は、リレーレンズが使用される環境等に応じた材料を用いることが好ましい。例えば、人工衛星や惑星探査機等の放射線に曝される環境で使用される高感度撮影装置に上述の実施形態等で説明したリレーレンズを用いるときには、リレーレンズを構成するレンズ等を上述の実施形態等で説明した条件を満たす耐放射線硝材から形成することが好ましい。
なお、上述の実施形態及び実施例では、低屈折率低分散の硝材として屈折率Nd≒1.52,アッベ数νd≒63の硝材を、高屈折率高分散の硝材として屈折率Nd≒1.18,アッベ数νd≒25の硝材を例に挙げて説明したが、これらの硝材は、相対的に低屈折率低分散,高屈折率高分散の硝材であれば良い。また、具体的な硝材はこの例に限らない。特に、低屈折率低分散の硝材としては、1.5<Nd<1.55かつ60<νd<70を満たすものが好適であり、高屈折率高分散の硝材としては、Nd>1.75かつ60<νd<70を満たすものが好適である。
また、上述の実施形態及び実施例では、低屈折率低分散の硝材と高屈折率高分散の硝材の2種類の硝材のいずれかから、リレーレンズを構成するレンズ等を形成する例を説明したが、これに限らず、リレーレンズを構成するレンズ等には3種類以上の硝材が用いられるようにしても良い。こうして、3種類以上の硝材を用いる場合にも、上述の実施形態及び実施例で説明した条件を満たすようにすることで、リレーレンズをコンパクトかつ明るく構成することができる。こうしてリレーレンズを構成するレンズ等の硝材が3種類以上ある場合にも、上述の実施形態及び実施例と同様に、第1レンズ群G1を構成する凸レンズを、これらの硝材の中でもできるだけ低屈折率かつ低分散の硝材から形成することが好ましい。また、リレーレンズを構成するレンズ等の硝材が3種類以上ある場合には、第2レンズ群G2を構成する凹レンズを、できるだけ高屈折率かつ高分散の硝材から形成することが好ましく、これらの凹レンズは相対的に低屈折率かつ低分散の硝材からなる凸レンズと接合されていることが好ましい。さらに、リレーレンズを構成するレンズ等の硝材が3種類以上ある場合に、第3レンズ群G3には、これらの硝材のうち互いに異なる硝材からなる凸レンズを組み合わせて用いることが好ましい。
なお、上述の実施形態及び実施例では、リレーレンズを1つのガラスブロックと10枚のレンズから構成する例を説明したが、イメージインテンシファイア12と撮像素子13の間に配置することができれば、リレーレンズを構成するレンズの枚数は上述の例に限らない。例えば、リレーレンズを9枚以下のレンズで構成しても良く、11枚以上のレンズを用いてリレーレンズを構成するようにしても良い。
なお、上述の実施形態及び実施例では、被写体側にガラスブロックを配置する例を説明したが、ガラスブロックの配置はこれに限らない。上述の実施形態及び実施例で説明したリレーレンズは、像を等倍に結像させる両側テレセントリックリレーレンズなので、イメージインテンシファイア12及び撮像素子13に対して前後を反転させ、撮像素子13側から、ガラスブロック21,第1レンズ群G1,第2レンズ群G2,第3レンズ群G3の順になるようにリレーレンズを配置しても良い。このため、例えば、撮像素子13の前に色分解プリズム光学系を配置する場合に、撮像素子13側にガラスブロックが位置するようにリレーレンズを配置し、ガラスブロックを色分解プリズム光学系としても良い。
なお、上述の実施形態及び実施例では、イメージインテンシファイア12が出力する像を撮像素子13に結像させるリレーレンズの例を説明したが、上述の実施形態及び実施例で説明したリレーレンズを、イメージインテンシファイア12の前面に配置して、撮影する被写体からの光を結像する撮影レンズと組み合わせて、イメージインテンシファイア12に入力させるレンズとして用いても良い。
なお、上述の実施形態及び実施例では、ガラスブロックの被写体側,像側の表面がいずれも平面に形成される例を説明したが、これに限らず、ガラスブロックの被写体側表面や像側表面を曲面に形成し、ガラスブロックをいわゆるレンズとして機能するようにしても良い。また、上述の実施形態及び実施例では、ガラスブロックが単一の硝材から形成される例を説明したが、レンズやガラス板等を接合したものをガラスブロックとして用いても良い。さらに、上述の実施形態及び実施例では、ガラスブロック21の被写体側表面が平面に形成され、ガラスブロック21は、イメージインテンシファイア12の出力窓16に密着して配置される例を説明したが、ガラスブロック21と出力窓16は密着していなくても良い。前述のようにガラスブロック21の被写体側表面が曲面に形成されるときにも同様である。
なお、上述の実施形態及び実施例では、イメージインテンシファイア12が出力する像を等倍で撮像素子13に結像させるように構成したリレーレンズの例を説明したが、これに限らず、イメージインテンシファイア12が出力する像を拡大または縮小して撮像素子13に結像させるようにリレーレンズを構成しても良い。この場合にも、上述の実施形態及び実施例で説明した条件等を満たすように構成することで、コンパクトかつ明るいリレーレンズとすることができる。
なお、上述の実施形態及び実施例ではリレーレンズをイメージインテンシファイア12とともに用いる例を説明したが、これに限らず、イメージインテンシファイア12のかわりに、被写体からの像を平面に結像させる撮影レンズ等とともに用いても良い。
11 高感度撮影装置
12 イメージインテンシファイア
13 撮像素子
14,51,61,71 リレーレンズ(両側テレセントリックリレーレンズ)
16 出力窓
17 撮像面
18 カバーガラス
21,52,62,72 ガラスブロック
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
TCL 共役長
31 接合レンズ

Claims (10)

  1. 共役長の10%以上を占める厚さのガラスブロックと、
    前記ガラスブロック側から順に、複数の凸レンズからなり、正のパワーを有する第1レンズ群と、凹レンズを複数含む第2レンズ群と、複数の凸レンズからなり、正のパワーを有する第3レンズ群と、を備え、
    前記共役長をTCL,前記第1レンズ群の焦点距離をf1,前記第2レンズ群の焦点距離をf2,前記第3レンズ群の焦点距離をf3とするときに、
    0.20<f1/TCL<0.25
    0.65<|f2/TCL|
    0.12<f3/TCL<0.18
    を満たし、平面状の被写体を等倍に結像させることを特徴とする両側テレセントリックリレーレンズ。
  2. 相対的に低屈折率低分散の硝材と高屈折率高分散の硝材の2種類の硝材のいずれかから形成されたレンズで構成され、
    d線に対する屈折率をNd、アッベ数をνdとするときに、前記低屈折率低分散の硝材は、1.5<Nd<1.55かつ60<νd<70を満たし、前記高屈折率高分散の硝材は、Nd>1.75かつνd<30を満たすことを特徴とする請求項1記載の両側テレセントリックリレーレンズ。
  3. 前記第1レンズ群は、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズのみで構成されることを特徴とする請求項2記載の両側テレセントリックリレーレンズ。
  4. 前記第2レンズ群は、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズと、高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズから構成されることを特徴とする請求項2または3に記載の両側テレセントリックリレーレンズ。
  5. 前記第2レンズ群は、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズと、前記高屈折率高分散の硝材からなる凹レンズとを接合した接合レンズを含むことを特徴とする請求項2ないし4いずれかに記載の両側テレセントリックリレーレンズ。
  6. 前記第3レンズ群は、低屈折率低分散の硝材からなる凸レンズと、高屈折率高分散の硝材からなる凸レンズをともに含むことを特徴とする請求項2ないし5いずれかに記載の両側テレセントリックリレーレンズ。
  7. 前端の入力窓に入射された像を、後端の凹部に設けられた平面状の出力窓にコントラストを増倍して出力するイメージインテンシファイアとともに用いられ、
    前記ガラスブロックは、前記凹部に勘合されることを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載の両側テレセントリックリレーレンズ。
  8. 前記ガラスブロックは、前記イメージインテンシファイア側の表面が平面に形成され、前記出力窓に密着して配置されることを特徴とする請求項7記載のテレセントリックリレーレンズ。
  9. 前記ガラスブロックは、被写体側と像側がともに平面に形成されることを特徴とする請求項1ないし8いずれかに記載の両側テレセントリックリレーレンズ。
  10. 請求項1ないし9いずれかに記載の両側テレセントリックリレーレンズを備えることを特徴とする撮影装置。
JP2009175478A 2009-07-28 2009-07-28 両側テレセントリックリレーレンズ及び撮影装置 Pending JP2011028100A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009175478A JP2011028100A (ja) 2009-07-28 2009-07-28 両側テレセントリックリレーレンズ及び撮影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009175478A JP2011028100A (ja) 2009-07-28 2009-07-28 両側テレセントリックリレーレンズ及び撮影装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011028100A true JP2011028100A (ja) 2011-02-10

Family

ID=43636891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009175478A Pending JP2011028100A (ja) 2009-07-28 2009-07-28 両側テレセントリックリレーレンズ及び撮影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011028100A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113219629A (zh) * 2021-04-28 2021-08-06 长光卫星技术有限公司 一种航天夜光遥感光学镜头

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113219629A (zh) * 2021-04-28 2021-08-06 长光卫星技术有限公司 一种航天夜光遥感光学镜头
CN113219629B (zh) * 2021-04-28 2023-06-13 长光卫星技术股份有限公司 一种航天夜光遥感光学镜头

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7623305B2 (en) Image capturing lens and imaging apparatus
US8638507B2 (en) Fisheye lens system and photographing apparatus
JP2004226487A (ja) 撮像レンズ
JPH0980305A (ja) 内視鏡対物レンズ
CN107430260B (zh) 斜视物镜光学系统和具备该斜视物镜光学系统的斜视用内窥镜
JP6555342B2 (ja) 撮像レンズおよび撮像装置
JP2011118076A (ja) 撮像レンズおよび撮像装置
JP2008158413A (ja) 撮影レンズ及びそれを有する撮像装置
JP2010039243A (ja) 赤外線用レンズおよび撮像装置
CN109073865A (zh) 物镜光学系统
JP2004312239A (ja) 撮像装置
JP2007193195A (ja) 撮影レンズ及びそれを有する撮像装置
JP2008083316A (ja) 内視鏡対物光学系
JP2582144B2 (ja) 撮影レンズ
JPH10268188A (ja) 低照度撮影用大口径レンズ
JP2008026594A (ja) 近赤外用撮像レンズ
JP2011028100A (ja) 両側テレセントリックリレーレンズ及び撮影装置
JP2020170139A (ja) 短波長赤外線用撮像レンズ及び撮像装置
CN111868600A (zh) 成像光学系统及成像设备
JP2010008496A (ja) 広角レンズ、照明光学系、面発光装置
JP3603877B2 (ja) 撮像レンズ及びカメラモジュール
WO2020235145A1 (ja) 紫外線用光学系及び配光測定装置
CN115826222A (zh) 一种光学成像镜头组合及光学内视镜装置
JP5006627B2 (ja) 光学系及びそれを有する光学機器
JP2004070093A (ja) 暗視用対物レンズおよび暗視システム