JP2011027893A - 電気光学装置,電子機器,ならびに電気光学装置の駆動方法および駆動回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】画素電極に供給した電位を容量電位に応じて変動させて電気光学素子の印加電圧を設定する構成のもとで、画素電極に供給される電位の振幅を低減する。
【解決手段】容量電位線24には順次に変動する容量電位VCOM[m]が供給される。画素回路PIXは、画素電極52と共通電極54とを含む液晶素子50と、画素電極52と容量電位線24との間の蓄積容量CSと、画素電極52と共通電位線22との間の第1制御スイッチTC1とを含む。共通電極54と共通電位線22とには共通電位LCCOMが供給される。駆動回路30は、書込期間H[m]にて画素電極52に電位を供給し、階調GWが指定されると、書込期間H[m]の経過以後の容量電位VCOM[m]の変動時を含む期間にて第1制御スイッチTC1をオフし、階調GBが指定されると、書込期間H[m]の経過以後の容量電位VCOM[m]の変動時を含む期間にて第1制御スイッチTC1をオンする。
【選択図】図2
【解決手段】容量電位線24には順次に変動する容量電位VCOM[m]が供給される。画素回路PIXは、画素電極52と共通電極54とを含む液晶素子50と、画素電極52と容量電位線24との間の蓄積容量CSと、画素電極52と共通電位線22との間の第1制御スイッチTC1とを含む。共通電極54と共通電位線22とには共通電位LCCOMが供給される。駆動回路30は、書込期間H[m]にて画素電極52に電位を供給し、階調GWが指定されると、書込期間H[m]の経過以後の容量電位VCOM[m]の変動時を含む期間にて第1制御スイッチTC1をオフし、階調GBが指定されると、書込期間H[m]の経過以後の容量電位VCOM[m]の変動時を含む期間にて第1制御スイッチTC1をオンする。
【選択図】図2
Description
本発明は、液晶素子などの電気光学素子を駆動する技術に関する。
指定階調に応じて液晶素子の画素電極に供給された電位(以下「階調電位」という)を、画素電極に接続された蓄積容量を利用して変動させる技術が例えば特許文献1に開示されている。図17に示すように、走査線72と信号線74との交差に対応して配置された画素回路70は、液晶素子80と蓄積容量92と選択スイッチ94とを含んで構成される。液晶素子80は、画素電極82および共通電極(対向電極)84と両電極間の液晶86とで構成される。共通電極84には共通電位LCCOMが供給される。蓄積容量92は、画素電極82と容量電位線76との間に配置される。容量電位線76には容量電位VCOMが供給される。選択スイッチ94は、走査線72の選択時に信号線74と画素電極82とを導通させる。指定階調に応じた電位が信号線74に供給される。
図18は、画素電極82の電位VPおよび容量電位VCOMのタイミングチャートである。液晶素子80がノーマリーブラックモードで動作する場合を想定する。図18には、白色の表示が指示された場合(白表示)の画素電極82の電位VPと黒色の表示が指示された場合(黒表示)の画素電極82の電位VPとが図示されている。
白色に対応する正極性の電圧を液晶素子80に印加する場合、走査線72が選択される水平走査期間Hでは、共通電位LCCOM(5V)を上回る階調電位VWT[+]が信号線74から画素電極82に供給および保持される。そして、水平走査期間Hの経過後に容量電位VCOMを低位側電位VLから高位側電位VHに変動させることで、画素電極82の電位VPを、階調電位VWT[+]から容量電位VCOMの振幅に応じた変化量ΔVだけ上昇させる。また、白色に対応する負極性の電圧を液晶素子80に印加する場合、画素電極82の電位VPは、共通電位LCCOMを下回る階調電位VWT[-]に水平走査期間Hにて設定され、容量電位VCOMの変動(VH→VL)に連動して変化量ΔVだけ低下する。したがって、階調電位(VWT[+],VWT[-])と共通電位LCCOMとの電位差を上回る電圧を液晶素子80に印加することが可能である。
以上のように画素電極82の電位VPを水平走査期間Hの経過後に変化させることで液晶素子80の電圧が設定されるから、黒色の階調に対応する電圧を液晶素子80に印加する場合(黒表示)には、容量電位VCOMの変動後に画素電極82の電位VPが共通電位LCCOMと等しくなるように、水平走査期間H内での画素電極82の電位VPを設定する必要がある。具体的には、図18に示すように、容量電位VCOMが低位側電位VLから高位側電位VHに上昇する直前の水平走査期間Hでは、容量電位VCOMに連動した変動量(増加分)ΔVを共通電位LCCOMから差引いた階調電位VBK[+]を画素電極82に供給する必要がある。同様に、容量電位VCOMが高位側電位VHから低位側電位VLに低下する直前の水平走査期間Hでは、変動量(減少分)ΔVを共通電位LCCOMに上乗せした階調電位VBK[-]を画素電極82に供給する必要がある。
以上の説明から理解されるように、黒色に対応する階調電位VBK[+]と階調電位VBK[-]との電位差ΔVBKは、白色に対応する階調電位VWT[+]と階調電位VWT[-]との電位差ΔVWTを上回る。したがって、階調電位VBK[+]と階調電位VBK[-]との電位差ΔVBKを低減できれば、信号線74の電位の振幅を更に抑制することが可能である。また、走査線72の選択に必要な電位は階調電位VBK[-]に応じて設定されるから、階調電位VBK[-]を低下させれば走査線72の電位を低下させることも可能である。なお、以上の説明ではノーマリーブラックモードを例示したが、液晶素子80をノーマリーホワイトモードで動作させる場合にも同様に、信号線74の電位の振幅の抑制が要求され、信号線74の電位の振幅の抑制で走査線72の電位を低下させることが可能である。以上の事情を考慮して、本発明は、画素電極に供給した電位を容量電位に応じて変動させて電気光学素子の印加電圧を設定する構成のもとで、画素電極に供給される電位の振幅を低減することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置は、高位側電位および低位側電位の一方から他方に順次に変動する容量電位が供給される容量電位線と、画素電極と共通電位が供給される共通電極とを含む電気光学素子と、画素電極と容量電位線との間に介在する蓄積容量と、画素電極と共通電位が供給される共通電位線との接続を制御する第1制御スイッチ(例えば図2の第1制御スイッチTC1)とを具備する。以上の構成においては、共通電位が供給される共通電位線と画素電極との導通/非導通が第1制御スイッチで制御される。第1制御スイッチをオフ状態に制御した場合には画素電極の電位が容量電位線の容量電位に連動して変化し、第1制御スイッチをオン状態に制御した場合には容量電位が変動しても画素電極の電位は共通電位に維持される。したがって、特定の階調が指定された場合に第1制御スイッチをオン状態に制御すれば、書込期間にて画素電極に供給する電位を、容量電位に応じた変動分を加味した電位に設定する必要はない。したがって、書込期間にて画素電極に供給された電位を、階調に関わらず容量電位に応じて変動させる構成と比較して、画素電極に供給される電位の振幅を低減することが可能である。
本発明の好適な態様に係る電気光学装置は、駆動回路を具備し、駆動回路は、書込期間にて画素電極に電位を供給し、第1電圧(例えば図4の電圧VA)に対応する第1階調が指定された場合、書込期間の経過以後に容量電位が変動する時点(例えば図8や図13の時点tAまたは時点tB)を含む期間にて第1制御スイッチをオフ状態に制御し、第1電圧とは異なる第2電圧(例えば図4の電圧VB)に対応する第2階調が指定された場合、書込期間の経過以後に容量電位が変動する時点(例えば図8や図13の時点tAまたは時点tB)を含む期間にて第1制御スイッチをオン状態に制御する。
以上の態様においては、第1階調が指定された場合に第1制御スイッチがオフ状態に制御される(画素電極と共通電位線とが絶縁する)から、書込期間で画素電極に供給された電位は容量電位に連動して変化する。したがって、書込期間にて画素電極に供給する電位と共通電位との差分を上回る電圧を電気光学素子に印加することが可能である。他方、第2階調が指定された場合に第1制御スイッチはオン状態に制御される(画素電極と共通電位線とが導通する)から、画素電極に書込期間で供給された電位は容量電位が変化しても殆ど変化しない。したがって、第2階調が指定された場合に書込期間にて画素電極に供給される電位を、書込期間後の容量電位の変化に連動した変化分を加味した電位に設定する必要はない。以上の構成によれば、書込期間にて画素電極に供給された電位を、階調に関わらず容量電位に応じて変動させる構成と比較して、画素電極に供給される電位の振幅を低減することが可能である。
例えばノーマリーブラックモードの液晶素子を電気光学素子として採用した電気光学装置では、例えば白色(第1階調)に対応する電圧が第1電圧に相当し、黒色(第2階調)に対応する電圧が第2電圧に相当する。また、例えばノーマリーホワイトモードの液晶素子を電気光学素子として採用した電気光学装置では、例えば黒色(第1階調)に対応する電圧が第1電圧に相当し、白色(第2階調)に対応する電圧が第2電圧に相当する。
書込期間にて画素電極に供給される電位は、例えば、階調に応じて可変に設定される。具体的には、駆動回路は、第1階調が指定された場合に、共通電位を上回る正側階調電位(例えば図3の正側階調電位VWT[+])と共通電位を下回る負側階調電位(例えば図3の負側階調電位VWT[-])とを選択的に書込期間にて画素電極に供給し、第2階調が指定された場合に、書込期間にて共通電位を画素電極に供給する。以上の態様においては、第1階調が指定された場合に正側階調電位および負側階調電位が選択的に画素電極に供給されるから、容量電位に連動して変化させるべき画素電極の電位の変化量を低減することが可能である。したがって、容量電位の振幅を低減できるという利点がある。以上の態様の具体例は例えば第1実施形態として後述される。
もっとも、第1階調の指定時と第2階調の指定時とでは第1制御スイッチの状態(画素電極の電位が容量電位に応じて変動するか否か)が相違するから、書込期間にて画素電極に供給する電位を第1階調の指定時と第2階調の指定時とで相違させる必要は必ずしもない。すなわち、第1階調が指定された場合および第2階調が指定された場合の何れにおいても駆動回路が共通電位を書込期間にて画素電極に供給する構成も採用され得る。以上の構成によれば、書込期間にて画素電極に供給される電位を階調に応じて変化させる必要がないから、駆動回路の構成や動作が簡素化されるという利点がある。なお、以上の態様の具体例は例えば第2実施形態として後述される。
本発明の好適な態様に係る電気光学装置は、電位が供給される信号線と、第1制御スイッチを制御する制御信号が供給される制御線と、書込期間にて信号線を画素電極に接続する選択スイッチと、第1制御スイッチのゲートと制御線との接続を制御する第2制御スイッチ(例えば図2の第2制御スイッチTC2)とを具備し、選択スイッチと第2制御スイッチとは共通の信号(例えば走査信号Y[m])で制御される。以上の態様においては、選択スイッチと第2制御スイッチとが共通の信号で制御されるから、両者が別個の信号で制御される構成と比較して電気光学装置の構成の簡素化(配線数の削減)が実現される。
本発明の具体的な態様に係る電気光学装置は、相交差する複数の走査線および複数の信号線と、高位側電位および低位側電位の一方から他方に順次に変動する容量電位が供給される容量電位線と、複数の走査線と複数の信号線との各交差に対応して配置された複数の画素回路と、各画素回路を駆動する駆動回路とを具備し、複数の画素回路の各々は、画素電極と共通電位が供給される共通電極とを含む電気光学素子と、画素電極と容量電位線との間に介在する蓄積容量と、画素電極と共通電位が供給される共通電位線との接続を制御する第1制御スイッチと、走査線の選択時に信号線と画素電極とを接続する選択スイッチとを含み、駆動回路は、複数の走査線の各々を書込期間毎に順次に選択するとともに書込期間にて信号線の各々に電位を供給し、第1電圧に対応する第1階調が指定された場合、書込期間の経過以後に容量電位が変動する時点を含む期間にて第1制御スイッチをオフ状態に制御し、第1電圧とは異なる第2電圧に対応する第2階調が指定された場合、書込期間の経過以後に容量電位が変動する時点を含む期間にて第1制御スイッチをオン状態に制御する。以上の構成においても、画素電極に供給される電位の振幅が低減されるという所期の効果が実現される。
以上の各態様に係る電気光学装置は各種の電子機器に利用される。電子機器の典型例は、電気光学装置を表示装置として利用した機器である。具体的には携帯電話機や携帯情報端末が本発明の電子機器として例示される。また、光源からの出射光を変調する光変調体として以上の各態様の電気光学装置を利用した投写型表示装置も本発明の電子機器の概念に包含される。投写型表示装置は、光線を出射する光源と、光源からの出射光を変調する以上の各態様の電気光学装置と、電気光学装置による変調光を投射面に投射する光学系とを具備する。
本発明は、以上の各態様に係る電気光学装置の駆動方法としても特定される。本発明に係る駆動方法は、書込期間にて画素電極に電位を供給し、第1電圧に対応する第1階調が指定された場合、書込期間の経過以後に容量電位が変動する時点を含む期間にて第1制御スイッチをオフ状態に制御し、第1電圧とは異なる第2電圧に対応する第2階調が指定された場合、書込期間の経過以後に容量電位が変動する時点を含む期間にて第1制御スイッチをオン状態に制御する。以上の駆動方法によれば本発明の電気光学装置と同様の効果が実現される。
また、本発明に係る電気光学装置の駆動回路は、書込期間にて画素電極に電位を供給し、第1電圧に対応する第1階調が指定された場合、書込期間の経過以後に容量電位が変動する時点を含む期間にて第1制御スイッチをオフ状態に制御し、第1電圧とは異なる第2電圧に対応する第2階調が指定された場合、書込期間の経過以後に容量電位が変動する時点を含む期間にて第1制御スイッチをオン状態に制御する。以上の駆動回路によれば、本発明の電気光学装置と同様の効果が実現される。
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置100のブロック図である。電気光学装置100は、画像を表示する表示体として様々な電子機器に採用される液晶装置である。図1に示すように、電気光学装置100は、複数の画素回路PIXが平面状に配列された素子部(表示領域)10と、各画素回路PIXを駆動する駆動回路30と、各画素回路PIXの駆動用の電位を生成する電位生成回路42と、駆動回路30や電位生成回路42を制御する制御回路44とを具備する。駆動回路30は、走査線駆動回路32と信号線駆動回路34と容量線駆動回路36とを含んで構成される。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置100のブロック図である。電気光学装置100は、画像を表示する表示体として様々な電子機器に採用される液晶装置である。図1に示すように、電気光学装置100は、複数の画素回路PIXが平面状に配列された素子部(表示領域)10と、各画素回路PIXを駆動する駆動回路30と、各画素回路PIXの駆動用の電位を生成する電位生成回路42と、駆動回路30や電位生成回路42を制御する制御回路44とを具備する。駆動回路30は、走査線駆動回路32と信号線駆動回路34と容量線駆動回路36とを含んで構成される。
素子部10には、X方向に延在するM本の走査線12と、X方向に交差するY方向に延在するN本の信号線14とが形成される(MおよびNは自然数)。複数の画素回路PIXは、各走査線12と各信号線14との交差に対応して配置されて縦M行×横N列の行列状に配列する。また、素子部10には、各信号線14に対応してY方向に延在するN本の制御線16と、各走査線12に対応してX方向に延在するM本の共通電位線22およびM本の容量電位線24とが形成される。
図2は、各画素回路PIXの回路図である。図2においては、第m行(m=1〜M)の第n列(n〜1〜N)に位置する1個の画素回路PIXが代表的に図示されている。図2に示すように、画素回路PIXは、液晶素子50と3個のスイッチ(選択スイッチTSL,第1制御スイッチTC1,第2制御スイッチTC2)と2個の容量素子(蓄積容量CS,制御用容量C1)とを含んで構成される。各スイッチ(TSL,TC1,TC2)は、例えば素子基板の面上に形成された任意の導電型(本形態ではNチャネル型)の薄膜トランジスタで構成される。ただし、相補型のトランジスタ(例えばトランスファーゲート)を各スイッチ(TSL,TC1,TC2)として採用すれば、各々の駆動に必要な電圧を低減することが可能である。
液晶素子50は、画素電極52と共通電極(対向電極)54と両電極間の液晶56とで構成される電気光学素子である。画素電極52は、素子基板(図示略)の面上に画素回路PIX毎に独立に形成され、共通電極54は、素子基板に対向する対向基板(図示略)の面上に複数の画素回路PIXにわたって共通に形成される(図1参照)。画素電極52と共通電極54との間の液晶56は、両電極間の電圧に応じて階調(透過率や反射率)が変化する。第1実施形態の液晶56は、垂直配向型(VA(Vertical Alignment))に設定され、画素電極52と共通電極54との間の電圧がゼロである場合に階調が最低(黒色)となるノーマリーブラックモードで動作する。
第n列の各画素回路PIXの選択スイッチTSLは、画素電極52と第n列の信号線14との間に介在して両者の電気的な接続(導通/非導通)を制御する。第m行の各画素回路PIXの蓄積容量CSは、画素電極52と第m行の容量電位線24の間に介在する容量素子である。具体的には、蓄積容量CSは、画素電極52に接続された電極EA1と容量電位線24に接続された電極EA2と両電極間の誘電体とで構成される。蓄積容量CSは、画素電極52の電位(液晶素子50の印加電圧)を保持する機能と、容量電位線24の電位(以下「容量電位」という)VCOM[m]に応じて画素電極52の電位を変動させる結合容量の機能とを兼備する。
第m行の各画素回路PIXの第1制御スイッチTC1は、画素電極52と第m行の共通電位線22との間に介在して両者の電気的な接続を制御する。第m行の各画素回路PIXの制御用容量C1は、第1制御スイッチTC1のゲートと第m行の共通電位線22との間(第1制御スイッチTC1のゲート−ソース間)に介在する容量素子である。具体的には、制御用容量C1は、第1制御スイッチTC1のゲートに接続された電極EB1と共通電位線22に接続された電極EB2と両電極間の誘電体とで構成される。制御用容量C1は、第1制御スイッチTC1のゲートの電位を保持する。
第n列の各画素回路PIXの第2制御スイッチTC2は、第1制御スイッチTC1のゲートと第n列の制御線16との間に介在して両者の電気的な接続を制御する。第m行の各画素回路PIXにおける選択スイッチTSLおよび第2制御スイッチTC2の各々のゲートは第m行の走査線12に共通に接続される。選択スイッチTSLと第2制御スイッチTC2とは導電型が共通するから、選択スイッチTSLと第2制御スイッチTC2とは同じ状態(オン状態/オフ状態)に制御される。
図1の駆動回路30は、複数の画素回路PIXの各々を駆動することで各液晶素子50の階調(透過率または反射率)を制御する。駆動回路30による各画素回路PIXの駆動にはサブフィールド駆動が採用される。すなわち、駆動回路30は、図3に示すように、画像表示の単位となるフィールドFを区分した複数のサブフィールドSF(SF1,SF2,SF3,……)の各々にて各画素回路PIXの液晶素子50に2種類の電圧(VA,VB)の何れかを印加する。1個のフィールドF内の各サブフィールドSFの時間長は2進加重の関係(SF1:SF2:SF3:……=1:2:4:……)に設定される。もっとも、フィールドF内のサブフィールドSFの個数や時間長は任意に変更される。
図4は、液晶素子50の両電極間の電圧(絶対値)と液晶素子50の階調(透過率または反射率)との関係を示すグラフである。図4の電圧VAは、液晶素子50の階調を変化させる電圧であり、電圧VBは、電圧VAとは異なる電圧(本実施形態では電圧VAを下回る電圧)である。電圧VBは典型的には0Vに設定される。液晶素子50は、電圧VAの印加で階調GWに制御され、電圧VBの印加で階調GBに制御される。液晶素子50がノーマリーブラックモードで動作する本形態では、階調GWは最高の階調(白色)に相当し、階調GBは最低の階調(黒色)に相当する。フィールドFのうち液晶素子50に電圧VAを印加する時間と電圧VBを印加する時間との比率(サブフィールドSFの個数)が、各画素回路PIXの指定階調に応じて可変に制御される。
図1の制御回路44は、電気光学装置100の動作を規定する各種の信号を生成して駆動回路30および電位生成回路42に供給する。例えば、制御回路44は、各画素回路PIX(各液晶素子50)の階調を指定する画像信号VIDを生成して駆動回路30の信号線駆動回路34に供給する。また、制御回路44は、液晶素子50の印加電圧の極性(正極性/負極性)を指定する極性信号POLを駆動回路30や電位生成回路42に出力する。図3に示すように、極性信号POLが指定する極性は、サブフィールドSF毎に正極性(+)および負極性(−)の一方から他方に順次に変化する。すなわち、液晶素子50の印加電圧の極性はサブフィールドSF毎に順次に反転する。
図1の電位生成回路42は、第1階調電位VWTおよび第2階調電位VBKと、オン電位VONおよびオフ電位VOFFと、共通電位LCCOMとを生成する。第1階調電位VWTおよび第2階調電位VBKとオン電位VONおよびオフ電位VOFFとは信号線駆動回路34に供給される。共通電位LCCOMは、M本の共通電位線22と対向基板上の共通電極54とに対して共通に供給される。共通電位LCCOMは、液晶素子50の両電極間に印加される電圧の極性の基準となる所定の電位(典型的には固定の電位)である。
第1階調電位VWTは、液晶素子50に図4の電圧VAを印加する(液晶素子50を階調GWに制御する)ために利用され、第2階調電位VBKは、液晶素子50に図4の電圧VBを印加する(液晶素子50を階調GBに制御する)ために利用される。図3に示すように、第1階調電位VWTは、サブフィールドSF毎に正側階調電位VWT[+]および負側階調電位VWT[-]の一方から他方に順次に変動する。正側階調電位VWT[+]は共通電位LCCOMを上回る電位であり、負側階調電位VWT[-]は共通電位LCCOMを下回る電位である。電位生成回路42は、極性信号POLが正極性(図3の正号(+))を指示するサブフィールドSFでは第1階調電位VWTを正側階調電位VWT[+]に設定し、極性信号POLが負極性(図3の負号(-))を指示するサブフィールドSFでは第1階調電位VWTを負側階調電位VWT[-]に設定する。
正側階調電位VWT[+]と負側階調電位VWT[-]との中央値が共通電位LCCOMに相当する。第2階調電位VBKは、共通電位LCCOMと同じ電位に設定される。
正側階調電位VWT[+]と負側階調電位VWT[-]との中央値が共通電位LCCOMに相当する。第2階調電位VBKは、共通電位LCCOMと同じ電位に設定される。
オン電位VONおよびオフ電位VOFFは、第1制御スイッチTC1の制御に利用される電位である。第1制御スイッチTC1は、ゲートに対するオン電位VONの供給でオン状態に遷移し、ゲートに対するオフ電位VOFFの供給でオフ状態に遷移する。
図1の走査線駆動回路32は、M本の走査線12の各々を所定の期間(以下「書込期間」という)毎に順次に選択する。具体的には、走査線駆動回路32は、各走査線12に走査信号Y[1]〜Y[M]を出力することで、各フィールドFのサブフィールドSF内にてM本の走査線12の各々を順次に選択する。第m行の走査線12に供給される走査信号Y[m]は、第m行の選択/非選択を指示する電圧信号である。すなわち、走査信号Y[m]は、図3に示すように、各サブフィールドSF内の第m番目の書込期間(水平走査期間)H[m]にて選択電位VSEL_ON(走査線12の選択を意味する電位)に設定され、他の期間にて非選択電位VSEL_OFF(走査線12の非選択を意味する電位)に設定される。
図1の容量線駆動回路36は、各容量電位線24に容量電位VCOM[1]〜VCOM[M]を供給する。容量線駆動回路36は、画素回路PIXの行数に相当するM個の単位回路R[1]〜R[M]を含んで構成される。単位回路R[m]は、容量電位VCOM[m]を生成して第m行の容量電位線24に供給する。図3に示すように、容量電位VCOM[m]は、同行の走査信号Y[m]が選択電位VSEL_ONに設定される書込期間H[m]が経過するたびに(すなわち、サブフィールドSF毎に)高位側電位VHおよび低位側電位VLの一方から他方に順次に変化する。高位側電位VHは低位側電位VLを上回る。なお、容量電位VCOM[m]の変動の周期は適宜に変更される。
図5は、各単位回路R[m]のブロック図である。図5に示すように、単位回路R[m]は、信号取得部37と信号保持部38と電位選択部39とを含んで構成される。第m行の単位回路R[m]の信号取得部37は、次段の走査信号Y[m+1]が選択電位VSEL_ONに設定される書込期間H[m]にて極性信号POLを取込んで制御信号CTRLとして出力する。具体的には、信号取得部37は、走査信号Y[m+1]と走査信号Y[m+1]の反転信号(反転回路371からの出力信号)とに応じて極性信号POLの出力の可否を制御するスイッチ(トランスファーゲート)372を含んで構成される。
信号保持部38は、信号取得部37が出力した制御信号CTRLを、次回の書込期間H[m]の経過後に制御信号CTRLが更新されるまで保持する。図5に示すように、信号保持部38は、否定論理積回路381と反転回路382とを含んで構成される。信号取得部37が生成した制御信号CTRLと制御回路44が生成した初期化信号RSとが否定論理積回路381に供給される。電気光学装置100の起動の直後に初期化信号RSがローレベルに設定されることで否定論理積回路381の出力は強制的にハイレベルに初期化され、電気光学装置100の動作中には、初期化信号RSがハイレベルに維持されることで制御信号CTRLの反転信号が否定論理積回路381から出力される。
電位選択部39は、電位生成回路42が生成した高位側電位VHおよび低位側電位VLの一方を制御信号CTRLに応じて選択して容量電位VCOM[m]として容量電位線24に出力する。電位選択部39は、高位側電位VHの出力の可否を制御するスイッチ391と、低位側電位VLの出力の可否を制御するスイッチ392とを含んで構成される。スイッチ391およびスイッチ392は、制御信号CTRLと制御信号CTRLの反転信号(否定論理積回路381の出力)とに応じて相補的に動作する。具体的には、制御信号CTRLがハイレベルであればスイッチ391がオン状態となって高位側電位VHが容量電位線24に出力され、制御信号CTRLがローレベルであればスイッチ392がオン状態となって低位側電位VLが容量電位線24に出力される。
したがって、図3に例示したように、極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF内では書込期間H[m]の経過後(書込期間H[m+1]の開始時)に容量電位VCOM[m]が低位側電位VLから高位側電位VHに変化し、極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF内では書込期間H[m]の経過後に容量電位VCOM[m]が高位側電位VHから低位側電位VLに変化する。なお、電気光学装置100の起動の直後に初期化信号RSがローレベルに設定されることで、容量電位VCOM[1]〜VCOM[M]は一斉に低位側電位VLに初期化される。
図1の信号線駆動回路34は、走査線駆動回路32による各走査線12の選択に同期して、階調信号X[1]〜X[N]を各信号線14に出力するとともに制御信号Z[1]〜Z[N]を各制御線16に出力する。書込期間H[m]にて第n列の信号線14に供給される階調信号X[n]は、第m行の第n列の画素回路PIXにおける液晶素子50について階調GW(白表示)および階調GB(黒表示)の何れかを指定する電圧信号であり、第1階調電位VWTおよび第2階調電位VBKの何れかに設定される。書込期間H[m]にて第n列の制御線16に供給される制御信号Z[n]は、第m行の第n列の画素回路PIXにおける第1制御スイッチTC1の状態(オン状態/オフ状態)を指定する電圧信号であり、オン電位VONおよびオフ電位VOFFの何れかに設定される。なお、階調信号X[1]〜X[N]を生成する回路と制御信号Z[1]〜Z[N]を生成する回路とを別個に実装した構成も採用される。
図6は、信号線駆動回路34のブロック図である。図6に示すように、信号線駆動回路34は、分配回路62と出力回路64とを含んで構成される。分配回路62は、第m行のN個の画素回路PIXに対応する階調データD[1]〜D[N]を画像信号VIDから生成して書込期間H[m]にて並列に出力する回路である。書込期間H[m]にて分配回路62から出力される階調データD[n]は、第m行の第n列に位置する画素回路PIXの液晶素子50について階調GW(電圧VA)または階調GB(電圧VB)の何れかを指定するデータである。
図6に示すように、分配回路62は、選択回路621と第1ラッチ回路623と第2ラッチ回路625とを含んで構成される。選択回路621は、各書込期間H[m]内にN系統の選択信号SEL[1]〜SEL[N]を順次にアクティブに設定する。例えば、開始パルスを順次に転送するN段のシフトレジスタが選択回路621として採用される。第1ラッチ回路623は、選択信号SEL[1]〜SEL[N]の各々(SEL[n])がアクティブに設定された時点で制御回路44から供給されている画像信号VIDを階調データD[n]として出力および保持する。すなわち、階調データD[1]〜D[N]が点順次で第1ラッチ回路623から並列に出力される。第2ラッチ回路625は、第1ラッチ回路623が出力する階調データD[1]〜D[N]を各書込期間H[m]の始点にて一斉に出力(線順次出力)および保持する。
出力回路64は、階調信号X[1]〜X[N]と制御信号Z[1]〜Z[N]とを階調データD[1]〜D[N]に応じて生成して出力する。図6に示すように、出力回路64は、画素回路PIXの列数に相当するN個の単位回路U[1]〜U[N]を含んで構成される。単位回路U[n]は、分配回路62が出力する階調データD[n]に応じて階調信号X[n]および制御信号Z[n]を生成して出力する。図6に示すように、単位回路U[n]は、階調信号X[n]を生成する電位選択回路641と制御信号Z[n]を生成する電位選択回路643とを含んで構成される。図7は、電位選択回路641および電位選択回路643の動作(階調信号X[n]および制御信号Z[n]の電位の設定)を説明するための図表である。
図6の電位選択回路641は、電位生成回路42が生成した第1階調電位VWTおよび第2階調電位VBKの何れかを階調データD[n]に応じて選択して階調信号X[n]として信号線14に出力する。具体的には、電位選択回路641は、図7に示すように、階調データD[n]が階調GWを指示する場合には第1階調電位VWTを選択する。したがって、階調信号X[n]は、極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF内では正側階調電位VWT[+]に設定され、極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF内では負側階調電位VWT[-]に設定される。他方、階調データD[n]が階調GBを指示する場合、電位選択回路641は第2階調電位VBK(共通電位LCCOM)を選択する。
電位選択回路643は、電位生成回路42が生成したオン電位VONおよびオフ電位VOFFの何れかを階調データD[n]に応じて選択して制御信号Z[n]として制御線16に出力する。具体的には、電位選択回路643は、図7に示すように、階調データD[n]が階調GW(電圧VA)を指示する場合にはオフ電位VOFFを選択し、階調データD[n]が階調GB(電圧VB)を指示する場合にはオン電位VONを選択する。
次に、図8から図13を参照して電気光学装置100の動作を説明する。階調GW(白色)が指示された場合(図9,図10)の動作と階調GB(黒色)が指示された場合(図11,図12)の動作とを、極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF(図8のサブフィールドSF[+])と極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF(図8のサブフィールドSF[-])とに区分して説明する。なお、以下では第m行の第n列の画素回路PIXに着目して動作を説明する。素子部10内の各画素回路PIXについて同様の動作が実行される。
また、以下では、図8に示すように、非選択電位VSEL_OFFとオフ電位VOFFとを基準(0V)として、低位側電位VLを3V(ボルト)に設定し、共通電位LCCOMを5Vに設定し、高位側電位VHおよびオン電位VONを7Vに設定し、選択電位VSEL_ONを9Vに設定した場合を例示する。第1階調電位VWTの正側階調電位VWT[+]は6Vに設定され、負側階調電位VWT[-]は4Vに設定される。また、画素回路PIXの各スイッチ(TSL,TC1,TC2)の閾値電圧は2V以下と仮定する。なお、階調GB(黒表示)に対応する電圧VBは0Vであるが、極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF[+]で液晶素子50に印加される電圧+VBと、極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF[-]で液晶素子50に印加される電圧−VBとを便宜的に区別する。
[A]階調データD[n]が階調GW(白表示)を指示する場合(図8の部分(B))
[A1]極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF[+](図9)
極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF[+]では、図8の部分(A)に示すように、第1階調電位VWTが正側階調電位VWT[+](6V)に設定される。階調データD[n]は階調GWを指示するから、書込期間H[m]では、図9の部分(A)に示すように、信号線14の階調信号X[n]が正側階調電位VWT[+]に設定され、制御線16の制御信号Z[n]がオフ電位VOFFに設定される。
[A1]極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF[+](図9)
極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF[+]では、図8の部分(A)に示すように、第1階調電位VWTが正側階調電位VWT[+](6V)に設定される。階調データD[n]は階調GWを指示するから、書込期間H[m]では、図9の部分(A)に示すように、信号線14の階調信号X[n]が正側階調電位VWT[+]に設定され、制御線16の制御信号Z[n]がオフ電位VOFFに設定される。
図8の部分(A)に示すように、書込期間H[m]では、走査信号Y[m]が選択電位VSEL_ONに設定されることで選択スイッチTSLおよび第2制御スイッチTC2がオン状態に遷移する。したがって、画素電極52の電位VPは、図8の部分(B)および図9の部分(A)に示すように、選択スイッチTSLを介して信号線14から供給される正側階調電位VWT[+]に設定される。すなわち、液晶素子50の両電極間には、正側階調電位VWT[+]と共通電位LCCOMとの差分に相当する正極性の電圧+VA0が印加される。他方、図9の部分(A)に示すように、第1制御スイッチTC1のゲートには第2制御スイッチTC2を介して制御線16からオフ電位VOFFが供給される。したがって、第1制御スイッチTC1はオフ状態に制御される。すなわち、画素電極52と共通電位線22とは電気的に絶縁される。
書込期間H[m]が経過して走査信号Y[m]が非選択電位VSEL_OFFに変化すると、選択スイッチTSLおよび第2制御スイッチTC2がオフ状態に制御される。したがって、画素電極52と第1制御スイッチTC1のゲートとが電気的なフローティング状態となる。画素電極52の電位VPは蓄積容量CSで保持され、制御線16から供給されたオフ電位VOFFは制御用容量C1で保持されるから、選択スイッチTSLおよび第2制御スイッチTC2がオフ状態に遷移した時点では、液晶素子50の両電極間に電圧+VA0が印加されるとともに第1制御スイッチTC1がオフ状態に制御された状態が維持される。
図8の部分(A)に示すように、極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF[+]では、書込期間H[m]の経過後の時点tA(書込期間H[m+1]の始点)において、容量電位VCOM[m]が低位側電位VLから高位側電位VHに上昇する。画素電極52は蓄積容量CSを介して容量電位線24に容量結合する。したがって、画素電極52の電位VPは、図8の部分(B)に示すように、書込期間H[m]にて設定された正側階調電位VWT[+]から、容量電位線24の容量電位VCOM[m]に連動して高位側に変化量ΔVだけ変化(上昇)する。電位VPの変化量ΔVは、以下の数式(1)で表現されるように、容量電位VCOM[m]の変化量(VH−VL)を蓄積容量CS(容量値cS)と液晶素子50(容量値cLC)の容量比に応じて分割した電圧に相当する。数式(1)から理解されるように、蓄積容量CSの容量値cSが液晶素子50の容量値cLCを充分に上回る場合、変化量ΔVは、容量電位VCOM[m]の変化量(VH−VL)に近似される。
ΔV=(VH−VL)・{cS/(cS+cLC)} ……(1)
ΔV=(VH−VL)・{cS/(cS+cLC)} ……(1)
以上の動作の結果、液晶素子50の両電極間の電圧は、図8の部分(B)および図10の部分(B)に示すように、書込期間H[m]にて設定された電圧+VA0から、容量電位VCOM[m]の変化量(VH−VL)に応じた変化量ΔVだけ高い正極性の電圧+VAに拡大する。容量電位VCOM[m]に応じた変化後の液晶素子50の印加電圧の絶対値が図4の電圧VA(所望の階調GWに対応する電圧)となるように、容量電位VCOM[m]の変化量(VH−VL)や正側階調電位VWT[+]が設定される。したがって、液晶素子50は階調GW(白表示)に制御される。
[A2]極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF[-](図10)
極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF[-]では、図8の部分(A)に示すように、第1階調電位VWTが負側階調電位VWT[-](4V)に設定される。したがって、階調データD[n]が階調GWを指示する場合、書込期間H[m]では、図10の部分(A)に示すように、信号線14の階調信号X[n]が負側階調電位VWT[-]に設定され、制御線16の制御信号Z[n]がオフ電位VOFFに設定される。すなわち、走査信号Y[m]が選択電位VSEL_ONに設定される書込期間H[m]では、図8の部分(B)および図10の部分(A)に示すように、画素電極52の電位VPが負側階調電位VWT[-]に設定されることで液晶素子50の両電極間に負極性の電圧−VA0が印加され、第1制御スイッチTC1がオフ状態に制御されることで画素電極52と共通電位線22とは電気的に絶縁される。
極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF[-]では、図8の部分(A)に示すように、第1階調電位VWTが負側階調電位VWT[-](4V)に設定される。したがって、階調データD[n]が階調GWを指示する場合、書込期間H[m]では、図10の部分(A)に示すように、信号線14の階調信号X[n]が負側階調電位VWT[-]に設定され、制御線16の制御信号Z[n]がオフ電位VOFFに設定される。すなわち、走査信号Y[m]が選択電位VSEL_ONに設定される書込期間H[m]では、図8の部分(B)および図10の部分(A)に示すように、画素電極52の電位VPが負側階調電位VWT[-]に設定されることで液晶素子50の両電極間に負極性の電圧−VA0が印加され、第1制御スイッチTC1がオフ状態に制御されることで画素電極52と共通電位線22とは電気的に絶縁される。
極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF[-]では、図8の部分(A)に示すように、書込期間H[m]の経過後の時点tB(書込期間H[m+1]の始点)にて、容量電位VCOM[m]が高位側電位VHから低位側電位VLに低下する。したがって、画素電極52の電位VPは、書込期間H[m]にて設定された負側階調電位VWT[-]から、容量電位VCOM[m]に連動して数式(1)の変化量ΔVだけ低位側に変化(低下)する。すなわち、図8の部分(B)および図10の部分(B)に示すように、液晶素子50の両電極間の電圧は、書込期間H[m]にて設定された電圧−VA0から、容量電位VCOM[m]の変化量(VH−VL)に応じた変化量ΔVだけ高い負極性の電圧−VAに拡大する。したがって、液晶素子50は階調GW(白表示)に制御される。
以上のように、階調GWが指示された場合には、画素電極52の電位VPが書込期間H[m]の経過後に容量電位VCOM[m]に応じて変化するから、階調信号X[n]の電位(VWT[+],VWT[-])と共通電位LCCOMとの差分(±VA0)を上回る電圧(±VA)が液晶素子50に印加される。したがって、画素電極52の電位VPを容量電位VCOM[m]に応じて変化させない構成と比較して、階調信号X[n]の振幅を低減することが可能である。
[B]階調データD[n]が階調GB(黒表示)を指示する場合(図8の部分(C))
[B1]極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF[+](図11)
階調データD[n]が階調GBを指示する場合、階調信号X[n]は、図7に示すように、極性信号POLが指示する極性に関わらず、共通電位LCCOMと同電位の第2階調電位VBKに設定され、制御信号Z[n]はオン電位VONに設定される。したがって、走査信号Y[m]が選択電位VSEL_ONに設定される書込期間H[m]では、図11の部分(A)に示すように、第2階調電位VBK(共通電位LCCOM)が信号線14から選択スイッチTSLを介して画素電極52に供給される。他方、第1制御スイッチTC1のゲートには第2制御スイッチTC2を介して制御線16からオン電位VON(7V)が供給される。
[B1]極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF[+](図11)
階調データD[n]が階調GBを指示する場合、階調信号X[n]は、図7に示すように、極性信号POLが指示する極性に関わらず、共通電位LCCOMと同電位の第2階調電位VBKに設定され、制御信号Z[n]はオン電位VONに設定される。したがって、走査信号Y[m]が選択電位VSEL_ONに設定される書込期間H[m]では、図11の部分(A)に示すように、第2階調電位VBK(共通電位LCCOM)が信号線14から選択スイッチTSLを介して画素電極52に供給される。他方、第1制御スイッチTC1のゲートには第2制御スイッチTC2を介して制御線16からオン電位VON(7V)が供給される。
第1制御スイッチTC1のゲートの電位(オン電位VON)とソースの電位(共通電位線22の共通電位LCCOM)との電位差は第1制御スイッチTC1の閾値電圧(2V以下)を上回るから、第1制御スイッチTC1はオン状態に遷移して画素電極52と共通電位線22とが電気的に接続される。すなわち、第2階調電位VBKの信号線14と共通電位LCCOMの共通電位線22との双方が画素電極52に接続される。第2階調電位VBKと共通電位LCCOMとは同電位であるから、画素電極52の電位VPは、図8の部分(C)や図11の部分(A)に示すように、共通電極54と同じ共通電位LCCOM(第2階調電位VBK)に設定される。したがって、図11の部分(A)に示すように、液晶素子50の印加電圧は、正極性の電圧+VB(0V)に設定される。すなわち、液晶素子50は階調GB(黒表示)に制御される。第1制御スイッチTC1のゲートのオン電位VONは制御用容量C1で保持されるから、共通電位LCCOMが共通電位線22から第1制御スイッチTC1を介して画素電極52に供給される状態は、書込期間H[m]の経過後も維持される。
図8の部分(A)に示すように、書込期間H[m]の経過後の時点tAでは容量電位VCOM[m]が低位側電位VLから高位側電位VHに変化する。しかし、画素電極52は時点tAにて共通電位線22に接続されている(共通電位LCCOMが供給されている)。すなわち、階調GWが指示された場合には時点tAにて画素電極52が電気的なフローティング状態に設定されるのに対し、階調GBが指示された場合には時点tAにて画素電極52は電気的なフローティング状態に設定されない。したがって、画素電極52と容量電位線24(蓄積容量CSの電極EA2)との容量結合に起因した電位VPの変動は発生しない。あるいは、図8の部分(C)のように容量電位VCOM[m]に連動して僅かに変動した場合でも画素電極52の電位VPは直ちに共通電位LCCOMに復帰する。したがって、液晶素子50の両電極間の電圧は、容量電位VCOM[m]の変動後(時点tAの経過後)も、書込期間H[m]にて設定された電圧+VBに維持される。
[B2]極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF[-](図12)
階調データD[n]が階調GBを指示する場合、極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF[-]での動作は、正極性が指示されるサブフィールドSF[+]での動作と同様である。すなわち、図12の部分(A)に示すように、階調信号X[n]が共通電位LCCOMと同電位の第2階調電位VBKに設定され、かつ、第1制御スイッチTC1がオン電位VONの供給でオン状態に制御される。したがって、画素電極52には共通電位LCCOM(第2階調電位VBK)が供給され、負極性の電圧−VB(0v)の印加で液晶素子50は階調GB(黒色)に制御される。
階調データD[n]が階調GBを指示する場合、極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF[-]での動作は、正極性が指示されるサブフィールドSF[+]での動作と同様である。すなわち、図12の部分(A)に示すように、階調信号X[n]が共通電位LCCOMと同電位の第2階調電位VBKに設定され、かつ、第1制御スイッチTC1がオン電位VONの供給でオン状態に制御される。したがって、画素電極52には共通電位LCCOM(第2階調電位VBK)が供給され、負極性の電圧−VB(0v)の印加で液晶素子50は階調GB(黒色)に制御される。
書込期間H[m]の経過後も画素電極52と共通電位線22との接続は維持されるから、時点tBにて容量電位VCOM[m]が高位側電位VHから低位側電位VLに変化しても、画素電極52の電位VPは共通電位LCCOMに維持される。したがって、液晶素子50の両電極間の電圧は、図12の部分(B)に示すように、容量電位VCOM[m]の変動後(時点tBの経過後)も、書込期間H[m]にて設定された電圧−VBに維持される。
以上に説明したように、階調GBが指示された場合には、容量電位VCOM[m]が変化する時点(tA,tB)にて画素電極52と共通電位線22とが電気的に接続されるから、画素電極52の電位VPは、容量電位VCOM[m]の変化に連動せずに共通電位線22の共通電位LCCOMに維持される。以上の構成のもとでは、書込期間H[m]内における画素電極52の電位VPを、図18の電位VBK[+]や電位VBK[-](すなわち、容量電位VCOMに連動した変化後の電位VPを共通電位LCCOMと同電位に設定するための電位)の間で変化させる必要はない。したがって、階調GBの指定時にも画素電極52の電位VPが容量電位VCOM[m]に連動して変化する図18の技術と比較して、階調信号X[n]の振幅を低減することが可能である。具体的には、図18の技術のもとでは電位VBK[+]と電位VBK[ー]との電位差ΔVBKに相当する振幅を階調信号X[n]に確保する必要があるのに対し、第1実施形態においては、正側階調電位VWT[+]と負側階調電位VWT[-]との間で階調信号X[n]を変化させれば足りる。したがって、信号線駆動回路34に必要となる耐圧性能が低減されるとともに消費電力が削減されるという利点がある。
また、階調信号X[n]の振幅が低減されるから、選択スイッチTSLの制御に必要となる選択電位VSEL_ONも低減される。したがって、耐圧性能の低減や消費電力の削減を走査線駆動回路32についても実現することが可能である。さらに、第2階調電位VBKを極性信号POLに応じて変動させる必要がないから、電位VBK[+]および電位VBK[-]の一方から他方に順次に変動する交流電源が必要となる図18の技術と比較して、電位生成回路42の構成や動作が簡素化される(交流電源の種類数が削減される)という利点もある。
なお、図18の技術のもとで黒色を表示する場合、書込期間H[m]の始点から容量電位VCOMが変動する時点までの間に、電位±VBK[+]と共通電位LCCOMとの差分に相当する電圧δが液晶素子80に印加される。したがって、液晶素子80の階調が理想的な黒色よりも明るい階調となる黒浮きが発生して画像のコントラストが低下するという問題がある。他方、第1実施形態においては、容量電位VCOM[m]に連動した電位VPの変化を書込期間H[m]内での画素電極52の電位VPの設定に加味する必要がないから、以上の例示のように、書込期間H[m]の当初から画素電極52の電位VPを共通電位LCCOM(第2階調電位VBK)に設定することが可能である。したがって、図18の技術のもとでコントラストの低下の原因となる黒浮きを有効に防止できるという利点がある。
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各例示において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については以上と共通の符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各例示において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については以上と共通の符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第1実施形態においては、第1階調電位VWTおよび第2階調電位VBKの何れかを選択的に各信号線14に供給した。第2実施形態においては、階調GWおよび階調GBの何れが指定された場合にも(すなわち、階調データD[n]の内容に関わらず)、N本の信号線14に共通電位LCCOMが供給される。例えば、図6のN個の電位選択回路641を省略するとともにN本の信号線14を共通電位LCCOMの供給線に接続した構成が採用される。あるいは、第m行の各画素回路PIXにおける選択スイッチTSLのソース(画素電極52とは反対側の端子)を第m行の共通電位線22(共通電位LCCOM)に接続した構成も採用され得る。
図13は、階調データD[n]が階調GW(白表示)を指示する場合の電気光学装置100の動作のタイミングチャートである。極性信号POLが正極性を指示するサブフィールドSF[+]内の書込期間H[m]では、画素電極52の電位VPが、信号線14から選択スイッチTSLを介して供給される共通電位LCCOMに設定される。第1制御スイッチTC1はオフ状態に制御されるから、書込期間H[m]が経過すると、画素電極52は電気的なフローティング状態に設定される。したがって、書込期間H[m]の経過後の時点tAにて容量電位VCOM[m]が低位側電位VLから高位側電位VHに上昇すると、画素電極52の電位VPは、書込期間H[m]で設定された共通電位LCCOMから容量電位VCOM[m]の変動(VH−VL)に応じた変化量ΔVだけ上昇する。以上の電位VPの変化で液晶素子50の両電極間には正極性の電圧+VAが印加される。したがって、液晶素子50は階調GWに制御される。
極性信号POLが負極性を指示するサブフィールドSF[-]内の書込期間H[m]でも同様に、画素電極52に共通電位LCCOMが供給されるとともに第1制御スイッチTC1がオフ状態に制御される。書込期間H[m]の経過後の時点tBでは容量電位VCOM[m]が高位側電位VHから低位側電位VLに低下するから、画素電極52の電位VPは、共通電位LCCOMから変化量ΔVだけ低下する。したがって、液晶素子50は、負極性の電圧−VAの印加で階調GWに制御される。
以上のように、第2実施形態のもとで階調GWが指示された場合には、液晶素子50の印加電圧が変化量ΔVに設定される。したがって、変化量ΔVが図4の電圧VAとなるように、容量電位VCOM[m]の変化量(VH−VL)が設定される。具体的には、第2実施形態では、第1実施形態での変化量ΔVよりも大きい変化量ΔVを確保する必要があるから、図13に示すように、容量電位VCOM[m]の振幅が、第1実施形態での振幅(3V−7V)よりも広い範囲(2.5V−7.5V)に設定される。
他方、階調GB(黒色)が指示された場合、第1制御スイッチTC1がオン状態に制御されるから、書込期間H[m]にて画素電極52に供給された共通電位LCCOMが、容量電位VCOM[m]の変動の時点(tA,tB)でも維持される。したがって、第1実施形態と同様に、液晶素子50は電圧VBの印加で階調GBに制御される。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、信号線14の電位が共通電位LCCOMに固定されるから、信号線駆動回路34の構成や動作が第1実施形態と比較して簡素化されるという利点もある。また、極性信号POLに応じて変動する電位(例えば第1実施形態の第1階調電位VWT)が不要であるから、電位生成回路42の構成や動作を簡素化することも可能である。
<C:変形例>
以上の各形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は併合され得る。
以上の各形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は併合され得る。
(1)変形例1
画素回路PIXの構成は適宜に変更される。例えば、以上の各形態では、選択スイッチTSLと第2制御スイッチTC2とを共通の走査線12に接続したが、選択スイッチTSLと第2制御スイッチTC2とを別個の配線に接続したうえで相異なる信号で制御する構成も採用される。もっとも、選択スイッチTSLと第2制御スイッチTC2とを共通の走査線12に接続した構成によれば、両者を別個の配線に接続した構成と比較して素子部10の簡素化(配線数の削減)が実現されるという利点がある。
画素回路PIXの構成は適宜に変更される。例えば、以上の各形態では、選択スイッチTSLと第2制御スイッチTC2とを共通の走査線12に接続したが、選択スイッチTSLと第2制御スイッチTC2とを別個の配線に接続したうえで相異なる信号で制御する構成も採用される。もっとも、選択スイッチTSLと第2制御スイッチTC2とを共通の走査線12に接続した構成によれば、両者を別個の配線に接続した構成と比較して素子部10の簡素化(配線数の削減)が実現されるという利点がある。
以上の各形態では共通電位線22を行毎に形成したが、複数行(2行〜M行)を単位として1本の共通電位線22を形成したうえで複数行の各画素回路PIXの駆動に共用する構成も採用される。また、例えば第1制御スイッチTC1のゲートに付随する容量(例えば第1制御スイッチTC1のゲート容量や寄生容量)が充分に確保されるならば制御用容量C1は省略され得る。
(2)変形例2
画素電極52と共通電極54との間の電圧がゼロである場合に階調が最高(白色)となるノーマリーホワイトモードの液晶素子50を採用した電気光学装置100にも以上の各形態が同様に適用される。すなわち、階調データD[n]が階調GW(白色)を指示する場合(液晶素子50に電圧±VBを印加する場合)には画素電極52が共通電位線22に接続され、階調データD[n]が階調GB(黒色)を指示する場合(液晶素子50に電圧±VAを印加する場合)には画素電極52が電気的なフローティング状態に設定される。すなわち、以上の各形態における駆動方法は、電圧±VAを液晶素子50に印加する場合(例えばノーマリーブラックモードで階調GWが指示された場合およびノーマリーホワイトモードで階調GBが指示された場合)に第1制御スイッチTC1をオフ状態に制御して画素電極52と共通電位線22とを電気的に絶縁し(すなわち、画素電極52を電気的なフローティング状態に設定し)、電圧±VAを下回る電圧±VBを液晶素子50に印加する場合(例えばノーマリーブラックモードで階調GBが指示された場合およびノーマリーホワイトモードで階調GWが指示された場合)に第1制御スイッチTC1をオン状態に制御して画素電極52を共通電位線22に接続する方法として包括される。
画素電極52と共通電極54との間の電圧がゼロである場合に階調が最高(白色)となるノーマリーホワイトモードの液晶素子50を採用した電気光学装置100にも以上の各形態が同様に適用される。すなわち、階調データD[n]が階調GW(白色)を指示する場合(液晶素子50に電圧±VBを印加する場合)には画素電極52が共通電位線22に接続され、階調データD[n]が階調GB(黒色)を指示する場合(液晶素子50に電圧±VAを印加する場合)には画素電極52が電気的なフローティング状態に設定される。すなわち、以上の各形態における駆動方法は、電圧±VAを液晶素子50に印加する場合(例えばノーマリーブラックモードで階調GWが指示された場合およびノーマリーホワイトモードで階調GBが指示された場合)に第1制御スイッチTC1をオフ状態に制御して画素電極52と共通電位線22とを電気的に絶縁し(すなわち、画素電極52を電気的なフローティング状態に設定し)、電圧±VAを下回る電圧±VBを液晶素子50に印加する場合(例えばノーマリーブラックモードで階調GBが指示された場合およびノーマリーホワイトモードで階調GWが指示された場合)に第1制御スイッチTC1をオン状態に制御して画素電極52を共通電位線22に接続する方法として包括される。
(3)変形例3
以上の各形態では、階調GBが指示された場合(電圧±VBの印加が指示された場合)に、書込期間H[m]の始点から次回の書込期間H[m]の始点まで第1制御スイッチTC1をオン状態に維持した。しかし、以上の説明から理解されるように、容量電位VCOM[m]に連動した電位VPの変動が特定の階調(例えば第1実施形態や第2実施形態での階調GB)の指定時に回避されるならば、本発明の所期の効果は実現される。したがって、容量電位VCOM[m]が変動する時点(例えば時点tAや時点tB)を少なくとも含む期間にて画素電極52が共通電位線22に接続される構成であれば、他の期間における画素電極52と共通電位線22との導通/非導通に関わらず、本発明の所期の効果は実現される。すなわち、第1実施形態や第2実施形態において書込期間H[m]の始点から第1制御スイッチTC1をオン状態に制御しているのは、選択スイッチTSLと第2制御スイッチTC2とを共通の走査信号Y[m]で制御する構成にとって好適だからであり、例えば第2制御スイッチTC2が選択スイッチTSLとは独立に制御される構成であれば、書込期間H[m]とは無関係に第1制御スイッチTC1をオン状態に制御することが可能である。
以上の各形態では、階調GBが指示された場合(電圧±VBの印加が指示された場合)に、書込期間H[m]の始点から次回の書込期間H[m]の始点まで第1制御スイッチTC1をオン状態に維持した。しかし、以上の説明から理解されるように、容量電位VCOM[m]に連動した電位VPの変動が特定の階調(例えば第1実施形態や第2実施形態での階調GB)の指定時に回避されるならば、本発明の所期の効果は実現される。したがって、容量電位VCOM[m]が変動する時点(例えば時点tAや時点tB)を少なくとも含む期間にて画素電極52が共通電位線22に接続される構成であれば、他の期間における画素電極52と共通電位線22との導通/非導通に関わらず、本発明の所期の効果は実現される。すなわち、第1実施形態や第2実施形態において書込期間H[m]の始点から第1制御スイッチTC1をオン状態に制御しているのは、選択スイッチTSLと第2制御スイッチTC2とを共通の走査信号Y[m]で制御する構成にとって好適だからであり、例えば第2制御スイッチTC2が選択スイッチTSLとは独立に制御される構成であれば、書込期間H[m]とは無関係に第1制御スイッチTC1をオン状態に制御することが可能である。
(4)変形例4
液晶素子50は電気光学素子の例示である。例えば、電気泳動素子や発光素子(例えば有機EL素子)を以上の各形態の液晶素子50に置換した構成も採用される。すなわち、電気光学素子は、電圧(電界)の印加や電流の供給などの電気的な作用に応じて階調(透過率や輝度などの光学的な特性)が変化する被駆動素子として包括される。
液晶素子50は電気光学素子の例示である。例えば、電気泳動素子や発光素子(例えば有機EL素子)を以上の各形態の液晶素子50に置換した構成も採用される。すなわち、電気光学素子は、電圧(電界)の印加や電流の供給などの電気的な作用に応じて階調(透過率や輝度などの光学的な特性)が変化する被駆動素子として包括される。
<D:応用例>
次に、以上の各態様に係る電気光学装置100を利用した電子機器について説明する。図14ないし図16には、電気光学装置100を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
次に、以上の各態様に係る電気光学装置100を利用した電子機器について説明する。図14ないし図16には、電気光学装置100を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
図14は、電気光学装置100を採用した可搬型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、各種の画像を表示する電気光学装置100と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。
図15は、電気光学装置100を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する電気光学装置100とを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置100に表示される画面がスクロールされる。
図16は、電気光学装置100を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す斜視図である。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002と、各種の画像を表示する電気光学装置100とを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった様々な情報が電気光学装置100に表示される。
なお、本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器としては、図14から図16に例示した機器のほか、プロジェクタ、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
100……電気光学装置、10……素子部、PIX……画素回路、12……走査線、14……信号線、16……制御線、22……共通電位線、24……容量電位線、30……駆動回路、32……走査線駆動回路、34……信号線駆動回路、36……容量線駆動回路、R[1]〜R[M]……単位回路、42……電位生成回路、44……制御回路、52……画素電極、54……共通電極、56……液晶、TSL……選択スイッチ、TC1……第1制御スイッチ、TC2……第2制御スイッチ、CS……蓄積容量、C1……制御用容量、62……分配回路、621……選択回路、623……第1ラッチ回路、625……第2ラッチ回路、64……出力回路、U[1]〜U[N]……単位回路、641,643……電位選択回路。
Claims (9)
- 高位側電位および低位側電位の一方から他方に順次に変動する容量電位が供給される容量電位線と、
画素電極と共通電位が供給される共通電極とを含む電気光学素子と、
前記画素電極と前記容量電位線との間に介在する蓄積容量と、
前記画素電極と前記共通電位が供給される共通電位線との接続を制御する第1制御スイッチと
を具備する電気光学装置の駆動方法であって、
書込期間にて前記画素電極に電位を供給し、
第1電圧に対応する第1階調が指定された場合、前記書込期間の経過以後に前記容量電位が変動する時点を含む期間にて前記第1制御スイッチをオフ状態に制御し、
前記第1電圧とは異なる第2電圧に対応する第2階調が指定された場合、前記書込期間の経過以後に前記容量電位が変動する時点を含む期間にて前記第1制御スイッチをオン状態に制御する
電気光学装置の駆動方法。 - 高位側電位および低位側電位の一方から他方に順次に変動する容量電位が供給される容量電位線と、
画素電極と共通電位が供給される共通電極とを含む電気光学素子と、
前記画素電極と前記容量電位線との間に介在する蓄積容量と、
前記画素電極と前記共通電位が供給される共通電位線との接続を制御する第1制御スイッチと
を具備する電気光学装置。 - 駆動回路を具備し、
前記駆動回路は、
書込期間にて前記画素電極に電位を供給し、
第1電圧に対応する第1階調が指定された場合、前記書込期間の経過以後に前記容量電位が変動する時点を含む期間にて前記第1制御スイッチをオフ状態に制御し、
前記第1電圧とは異なる第2電圧に対応する第2階調が指定された場合、前記書込期間の経過以後に前記容量電位が変動する時点を含む期間にて前記第1制御スイッチをオン状態に制御する
請求項2の電気光学装置。 - 前記駆動回路は、前記第1階調が指定された場合に、前記共通電位を上回る正側階調電位と前記共通電位を下回る負側階調電位とを選択的に前記書込期間にて前記画素電極に供給し、前記第2階調が指定された場合に、前記書込期間にて前記共通電位を前記画素電極に供給する
請求項3の電気光学装置。 - 前記駆動回路は、前記第1階調が指定された場合および前記第2階調が指定された場合の何れにおいても前記共通電位を前記書込期間にて前記画素電極に供給する
請求項3の電気光学装置。 - 電位が供給される信号線と、
前記第1制御スイッチを制御する制御信号が供給される制御線と、
前記書込期間にて前記信号線を前記画素電極に接続する選択スイッチと、
前記第1制御スイッチのゲートと前記制御線との接続を制御する第2制御スイッチと
を具備し、
前記選択スイッチと前記第2制御スイッチとは共通の信号で制御される
請求項2から請求項5の何れかの電気光学装置。 - 相交差する複数の走査線および複数の信号線と、
高位側電位および低位側電位の一方から他方に順次に変動する容量電位が供給される容量電位線と、
前記複数の走査線と前記複数の信号線との各交差に対応して配置された複数の画素回路と、
前記各画素回路を駆動する駆動回路とを具備し、
前記複数の画素回路の各々は、
画素電極と共通電位が供給される共通電極とを含む電気光学素子と、
前記画素電極と前記容量電位線との間に介在する蓄積容量と、
前記画素電極と前記共通電位が供給される共通電位線との接続を制御する第1制御スイッチと、
前記走査線の選択時に前記信号線と前記画素電極とを接続する選択スイッチとを含み、
前記駆動回路は、
前記複数の走査線の各々を書込期間毎に順次に選択するとともに前記書込期間にて前記信号線の各々に電位を供給し、
第1電圧に対応する第1階調が指定された場合、前記書込期間の経過以後に前記容量電位が変動する時点を含む期間にて前記第1制御スイッチをオフ状態に制御し、
前記第1電圧とは異なる第2電圧に対応する第2階調が指定された場合、前記書込期間の経過以後に前記容量電位が変動する時点を含む期間にて前記第1制御スイッチをオン状態に制御する
電気光学装置。 - 請求項2から請求項7の何れかの電気光学装置を具備する電子機器。
- 高位側電位および低位側電位の一方から他方に順次に変動する容量電位が供給される容量電位線と、
画素電極と共通電位が供給される共通電極とを含む電気光学素子と、
前記画素電極と前記容量電位線との間に介在する蓄積容量と、
前記画素電極と前記共通電位が供給される共通電位線との接続を制御する第1制御スイッチと
を具備する電気光学装置の駆動回路であって、
書込期間にて前記画素電極に電位を供給し、
第1電圧に対応する第1階調が指定された場合、前記書込期間の経過以後に前記容量電位が変動する時点を含む期間にて前記第1制御スイッチをオフ状態に制御し、
前記第1電圧とは異なる第2電圧に対応する第2階調が指定された場合、前記書込期間の経過以後に前記容量電位が変動する時点を含む期間にて前記第1制御スイッチをオン状態に制御する
電気光学装置の駆動回路。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009171938A JP2011027893A (ja) | 2009-07-23 | 2009-07-23 | 電気光学装置,電子機器,ならびに電気光学装置の駆動方法および駆動回路 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012111475A1 (ja) * | 2011-02-14 | 2012-08-23 | シャープ株式会社 | 表示装置およびその駆動方法 |
US10450403B2 (en) | 2015-01-22 | 2019-10-22 | Wanhua Chemical (Ningbo) Rongwei Polyurethane Co., Ltd. | Composition for polyurethane foaming, polyurethane foam and use thereof |
-
2009
- 2009-07-23 JP JP2009171938A patent/JP2011027893A/ja active Pending
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