JP2011026690A - 省合金型高強度熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

省合金型高強度熱延鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自動車部品などに用いられる540MPa以上の強度と優れた加工性を有する熱延鋼板、並びにそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.01〜1.50%、Mn:0.1〜1.5%を含有し、さらに、Ti:0.03〜0.06%を含有し、かつTi/Cが0.375〜1.6であり、P:0.1%以下、S:0.005%以下、Al:0.5%以下、N:0.009%以下に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、TiC析出物の平均直径が0.8〜3nm、平均個数密度が1×1017個/cm3以上であることを特徴とする引張強度540〜650MPa以上の省合金型高強度熱延鋼板。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に、自動車部品などに用いられる540MPa以上の強度と優れた加工性を有する熱延鋼板及びその製造方法に関するものである。
鋼の強度を高めるには、Cや、Si、Mnなどの元素の添加による固溶強化、Ti、Nbなどの析出物を利用した析出強化、金属組織を軟質のフェライトと硬質のマルテンサイトやベイナイトからなる複合組織とする組織強化が有効である。特に、自動車用部材は、軽量化や、安全性及び耐久性の向上が進められており、素材である鉄鋼材料の高強度化が要求されている。
しかし、固溶強化は、析出強化や組織強化に比べて効果が小さく、自動車用部材の素材に求められるような高強度化は困難である。そのため、マルテンサイトなどの硬質相を組み合わせた複合組織鋼が開発されている。この複合組織鋼は、均一伸びにも優れるものの、フェライトと硬質相との硬度差に起因して、局部延性が低く、穴広げ性に劣る。
これに対し、本来のフェライト相の均一組織の優れた変形能を維持したまま高強度化を図ろうとする技術開発が、近年再び検討され始めた。例えば、本発明者らの一部は、Ti、Nb、Moなどの炭化物形成元素を活用し、微細な炭化物を析出させ、フェライトを強化する方法を提案した(例えば、特許文献1〜3、参照)。また。Tiを析出強化に利用した鋼板については、材質のばらつきを低減する方法も提案されている(例えば、特許文献4及び5、参照)。
しかし、これらは比較的、多量の炭化物形成元素を添加するものである。これに対し、炭化物形成元素の添加を抑え、代わりにAlおよびNによる析出強化を利用する方法が提案されている(例えば、特許文献6、参照)。
特開2007−262487号公報 特開2007−247046号公報 特開2007−247049号公報 特開2006−213957号公報 特開2007−231409号公報 特開2007−070647号公報
特許文献6の鋼板は、AlとTi、Nbなどの窒化物を利用するものであるが、省合金化という観点では、炭化物形成能の最も強いTiを主に利用し、他の炭化物形成元素の利用は極力低減することが望ましい。本発明は、Nb、Mo、Vなどの合金元素の添加を抑制し、少量のTiの添加によって効率的に析出強化させた、引張強度540〜650MPaの高強度熱延鋼板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、炭化物形成能が他の元素と比べて非常に高いTiを効率的に析出強化に利用するための、析出物のサイズ、および個数密度を見出し、これによって、最も少量の原子の利用で、多くの原子を利用したときと同じ強度を達成することが可能であることを明らかにした。添加元素の量を抑えることで、合金コストの低減が可能になるだけでなく、合金元素の添加に起因する加工性の低下も抑えることができる。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 質量%で、
C:0.02〜0.08%、
Si:0.01〜1.50%、
Mn: 0.1〜1.5%
Ti:0.03〜0.06%
を含有し、
P:0.1%以下、
S:0.005%以下、
Al:0.5%以下、
N:0.009%以下
に制限し、更に、Nb、Mo、Vの含有量の合計を0.01%以下に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、C量に対するTi量の比が、
Ti/C:0.375〜1.6
であり、結晶粒内のTiC析出物の平均直径が0.8〜3nmであり、平均個数密度が、1×1017[個/cm3]以上であり、引張強度が540〜650MPaであることを特徴とする省合金型高強度熱延鋼板。
(2) 上記(1)に記載の高強度熱延鋼板の製造方法であって、上記(1)に記載の成分からなる鋼片を1200℃以上に加熱し、最終加工温度FT[℃]を900℃超として熱間加工を行い、20℃/s以上で580〜640℃の範囲内の温度MT1[℃]まで1次冷却し、続いて5℃/s以下で、510〜600℃の範囲内であり、前記MT1[℃]よりも低い温度MT2[℃]まで2次冷却し、巻取ることを特徴とする省合金型高強度熱延鋼板の製造方法。
本発明によれば、より少ないかつ安価な合金元素の添加で効率的に強度を確保することができるため、産業上の貢献が極めて顕著である。
Tiの析出量を0.03質量%としたときの、TiC析出物の粒子直径と鋼材の析出強化量との関係を示す図である。 Tiの析出量を0.06質量%としたときの、TiC析出物の粒子直径と鋼材の析出強化量との関係を示す図である。
本発明では低コストで所望の強度と加工性を確保するために極力合金元素は添加せず、析出強化を最大限活用するような鋼板の製造を目指した。そこで炭化物形成能が他の元素と比べて非常に高いTiを効率的に析出強化に利用することを検討した。
本発明者らは、TiC析出物のサイズと析出物1個あたりの強化能について、種々の熱処理条件により、析出物のサイズおよび個数密度を変化させた析出強化鋼を製造して詳細に検討を行った。
まず、得られた析出強化鋼から、 平行部の直径が6mmφ、長さが32mmの丸棒引張試験片を採取し、引張試験をJIS Z 2241に準拠して行い、降伏強度を測定した。各試験片の降伏強度から、析出硬化していない試験片の降伏強度を差し引いて、析出強化量を求めた。
また、TiC析出物サイズ及びTiC析出物密度の測定を、三次元アトムプローブ測定法により、以下のようにして行った。
測定対象の試験片から、切断および電解研磨法により、必要に応じて電解研磨法とあわせて集束イオンビーム加工法を活用し、針状の試料を作製する。三次元アトムプローブ測定では、試料表面を一原子層ずつ蒸発させて積算したデータを、再構築して実空間での実際の原子の分布像として求めることができる。
観察されたTiC析出物の立体分布像の体積とTiC析出物の数からTiC析出物の個
数密度が求まる。また、TiC析出物のサイズは、観察されたTiC析出物の構成原子数とTiCの格子定数から、析出物を球状と仮定し算出した直径とし、任意に30個以上のTiC析出物の直径を測定し、その平均値として求まる。なお、三次元アトムプローブ測定では、サイズが0.5nm未満の粒子を固溶状態と判断した。また、本発明の成分範囲の鋼材においては、サイズが50nmを超える粒子は個数密度が少なく、正確な評価が困難である。そのため、サイズが0.5〜50nmのTiC析出物を対象として、TiCサイズ及びTiC析出物密度を求めた。
このようにして求めたTiC析出物のサイズ、個数密度、析出強化量から、析出物のサイズとその析出物1個あたりの析出強化量(転位をピンニングする抵抗力)との関係を計算で求めた。なお、計算式は、転位が粒子を切断するモデルの理論式に基づいている。
次に、鋼材全体の析出強化量に及ぼすTiC析出物サイズの影響について検討を行った。その際、添加したTiによる鋼の最大の析出強化量を評価するために、鋼中に含まれるTiの全量が析出し、化学量論的なTiCとなると仮定した。また、TiC析出物のサイズが一定、即ち、TiおよびCの全原子数が一定であると仮定した。
そして、鋼のTi量とTiC析出物のサイズから個数密度を求め、先に求めた析出物1個あたりの析出強化量と個数密度から鋼材の析出強化量を求めてTiC析出物のサイズと鋼材の析出強化量との関係を評価した。なお、鋼材の析出強化量は、析出物1個あたりの析出強化量の評価に用いた計算式を変形し、TiC析出物のサイズから求めた個数密度によって評価した。
図1および図2に、Ti量を0.03質量%および0.06質量%としたときの、TiC析出物のサイズと鋼材の析出強化量との関係を示す。
図1および図2に示すように、平均直径(TiC析出物のサイズ)が0.8〜3nmの範囲で、鋼材の析出強化量が特に高くなることがわかる。また、図1と図2とを比較すると、鋼材のTi量が変化しても、粒子直径と析出強化量との相対的な関係は変化しないことがわかる。
したがって、図1および2の結果から、一定量のTiを添加した場合、TiC析出物の平均直径を0.8〜3nmの範囲とすることで、非常に効率良く析出強化を作用させられることがわかる。すなわち、TiC析出物の平均直径を0.8〜3nmの範囲とすれば、0.8nm未満及び3nm超の場合に比べて、強度を確保するために必要なTi量を削減することができると考えられる。
以下、本発明について詳細に説明する。
Cは、本発明では、微細なTiC析出物を生じて析出強化に寄与する重要な元素であり、0.02%以上の添加が必要である。一方、C量が0.08%を超えると、粗大なセメンタイトが生じ、延性、特に、局部延性が低下する。
Siは、脱酸元素であり、0.01%以上を添加する。また、Siは固溶強化に寄与する元素であるが、含有量が1.50%を超えると加工性が劣化するため、Si量の上限を1.50%以下とする。
Mnは脱酸、脱硫に有効な元素であり、固溶強化にも寄与するため、0.2%以上を添加する。一方、Mn量が1.5%を超えると、偏析が生じやすくなり加工性が低下し、またコストが上昇するため好ましくない。
Tiは、フェライトの粒内に微細なTiC析出物を析出し、析出強化に寄与する極めて重要な元素である。強度を上昇させるため、0.03%以上を添加することが好ましい。一方、0.06%を超えるTiを添加すると、TiC析出物が粗大化しやすくなり、製造を難しくするため、本発明の析出物サイズおよび個数密度を達成するためには0.06%以下とすることが好ましい。
Pは、不純物であり、加工性や溶接性を損なうため、0.1%以下に制限する。特に、Pは粒界に偏析して延性を低下させるため、P量を0.02%以下に制限することが好ましい。
Sは、不純物であり、特に、熱間加工性を損なうため、0.005%以下に制限する。硫化物などの介在物による延性の低下を抑制するためには、S量を0.002%以下に制限することが好ましい。
Nは、TiNを形成し、鋼の加工性を低下させるため、0.009%以下に制限することが好ましい。
Alは、脱酸剤であり、0.5%以下を含有させる。なお、Alを過剰に添加すると窒化物を形成し、延性が低下するため、0.15%以下に制限することが好ましい。
Nb、Mo、VもTiと同様にフェライト結晶粒内に炭化物を析出する元素である。しかし、Nb、Mo、Vともに合金コストが高い割に見合った析出強化能はTiより小さいため、Nb、Mo、Vの合計量を0.01%以下に制限する。
また、CaおよびREMを介在物の形態を制御するために添加してもよく、含有量が合計で0.01%以下とすることが好ましい。
その他の不可避的不純物としては、例えば、スクラップから混入する可能性がある、Ni、Cu、Snが挙げられる。Ni、Cu、Snなどの含有量の許容範囲は、それぞれ0.01%以下である。
また、本発明ではTiとCとの含有量の比Ti/Cを1.6以下とすることが重要である。これは原子数の比率に換算するとTi/Cが約0.4以下に相当する。従来の析出強化鋼では、TiCを析出させるために、Cに対してTiを過剰に含有させていた。しかし、本発明では、添加したTiを鋼中に固溶させず、TiCの析出を促進させ、析出強化に有効に寄与させるために、Ti量がCに対して過剰にならないように添加する。
また、Ti/Cが1.6を超えると高温でTiCが析出し易くなり、本発明の製造方法では、TiC析出物の平均直径が3nmを超え、平均個数密度が、1×1017[個/cm3]未満になる。より好ましいTi/Cの上限は1.0以下である。Ti/Cの下限値は、Ti量の下限値が0.03%であり、C量の上限値が0.08%であることから、0.375以上とする。
次に、本発明の高強度鋼の金属組織について説明する。
本発明の鋼板の金属組織は特に指定しないが、加工性の観点から実質的にフェライトとベイナイトとからなることが好ましい。
析出強化量は、析出物1個あたりの強化量(転位をピンニングする力)と、析出物の個数密度で決まると考えることができる。結晶粒内に析出したTiC析出物の平均直径は、0.8nm未満では、析出物1個当たりのピンニング力が弱く、析出強化への寄与が小さい。一方、TiC析出物の平均直径が3nmを超えると、析出物1個あたりの強化量の増加は飽和し、個数密度が減少するため、析出強化量が低下する。析出強化のためには、1.5〜3.0nmのTiC析出物を利用することが更に好ましい。
結晶粒内に析出したTiC析出物の個数密度は、効率的に析出強化を活用するために、高いほうが好ましい。強度540MPa以上を達成するためには1×1017個/cm3以上が必要である。好ましくは2×1017個/cm3以上、さらに好ましくは4×1017個/cm3以上である。
析出物の平均直径と平均個数密度の測定には、前述したように、三次元アトムプローブ測定法を用いる。三次元アトムプローブ法による測定では、針状の試料を用い、1つの結晶粒内の析出状態を観察する。測定に用いる試料数は3以上とし、平均直径は、30個以上の析出物の直径を測定して求める。また、測定する析出物のサイズは、現状の三次元アトムプローブ測定では、サイズが0.5nm未満の粒子を固溶状態と判断し、正確に個数密度を算出できる上限が、本発明の成分範囲では、50nmであるので、0.5〜50nmのものを測定して、平均直径と平均個数密度を求める。
また、本発明において上記TiC析出物とは、炭化物だけでなく、炭化物中に窒素が若干混入した炭窒化物も含むものとする。また、TiC析出物の中にNb、Mo、Vが固溶したものも含むものとする。
次に、本発明の高強度鋼の製造方法について説明する。
鋼を常法によって溶製、鋳造し、得られた鋼片を熱間圧延する。鋼片は、生産性の観点から、連続鋳造設備で製造することが好ましい。熱間圧延の加熱温度は、炭化物形成元素と炭素を十分に鋼材中に分解溶解させるため、1200℃以上とする。鋳造後、鋼片を冷却して、1200℃以上の温度で圧延を開始しても良い。1200℃以下に冷却された鋼片を加熱する場合は、1時間以上の保持を行うことが好ましい。
熱間加工の終了温度は、900℃超とする。これは、高温でのTiC析出物の粗大化を抑制するためであり、熱間加工後は速やかに冷却を開始することが必要である。熱間加工の終了温度は、高温でのTiCの析出を抑制するため、好ましくは920℃以上とする。熱間加工後は、1次冷却後、更に2次冷却を行う。
1次冷却の冷却速度は、20℃/s以上とする。これは、高温でのTiC析出物の析出、成長や、冷却中のフェライト変態を抑制するためである。高温でのTiCの析出を抑制するためには、1次冷却の冷却速度を50℃/s以上とすることが好ましい。1次冷却の冷却速度の上限は規定しないが、100℃/s超にすると、1次冷却の停止温度の制御が困難になる。
1次冷却の停止温度MT1[℃]は、高温でのTiC析出物の生成を抑制するため、580〜640℃の範囲内とすることが必要である。MT1が640℃を超えるとTiC析出物が粗大化し、効率的な析出強化が困難になる。一方、MT1が580℃未満になると、2次冷却でのTiC析出物の析出が不十分になる。
更に、2次冷却を行う。2次冷却の冷却速度は、TiC析出物の形成を促進するため、5℃/s以下とする。2次冷却の冷却速度の下限は特に規定しないが、製造コストの観点から、空冷が好ましい。
2次冷却の停止温度MT2[℃]は、TiC析出物の粗大化を防止し、微細なTiC析出物を増加させるため、510〜600℃とすることが必要である。なお、2次冷却を施すため、MT2[℃]は、MT1[℃]よりも低くなる。TiC析出物の粗大化を防ぎ十分な析出密度を得るためには10℃以上低くするのが好ましい。MT2[℃]が600℃を超えるとTiC析出物が粗大化し、効率的な析出強化が困難になる。一方、MT2[℃]が510℃未満になると、TiC析出物の析出が不十分になる。
表1に示した成分組成を有する鋼を溶解し、鋳造して鋼片を作製した。表1の成分値は化学分析値で質量%である。次に、表2に示した製造条件で鋼片に熱間圧延を施し、熱延鋼板を製造した。
これらの熱延鋼板から、JIS Z 2201に準拠して5号試験片を採取した。引張試験は、JIS Z 2241に準拠して行い、引張特性を評価した。
TiC析出物のサイズ及び密度の測定は、三次元アトムプローブ測定法によって行った。電解研磨法により針状の試料を作製し、観察されたTiC析出物の構成原子数とTiCの格子定数から、析出物を球状と仮定し算出した直径をサイズとした。更に、30個以上のTiC析出物の直径を測定し、その平均値を求めた。また測定に用いた試料の体積とTiC炭化物の数からTiC炭化物の個数密度を求めた。
結果を表2に示す。成分および製造条件が本発明の範囲内であれば、TiC析出物のサイズが0.8〜3nm、個数密度が1×1017以上となり、引張強度が540MPa以上になることがわかる。
一方、製造No.15はTi量が少なく、製造No.16はC量が少なく、Ti/Cの比率も高いため、TiC析出物の生成が不十分になり、TiCの個数密度および強度が低下した例である。製造No.17はC量が多く、延性が低下した例である。製造No.18は、多量のMoが添加されており、TiC析出物のサイズおよび個数密度および強度は満たしているものの、合金コストが高くなり、また延性が低下した例である。
製造No.2は一次冷却の冷却速度が遅く、製造No.6および製造No.14は一次冷却の停止温度が高いため、TiC析出物が大きくなり、TiCの個数密度および強度が低下した例である。
製造No.4は一次冷却の停止温度が低く、製造No.8は二次冷却の冷却速度が速いため、TiC析出物の生成が不十分になり、TiCの個数密度および強度が低下した例である。
製造No.9は二次冷却の停止温度が高く、TiC析出物が大きくなり、TiCの個数密度および強度が低下した例である。製造No.10は熱間加工の終了温度が低く、高温でのTiC析出物の粗大化が起きたと考えられ、TiCの個数密度および強度が低下した例である。
Figure 2011026690
Figure 2011026690

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.02〜0.08%、
    Si:0.01〜1.50%、
    Mn: 0.1〜1.5%
    Ti:0.03〜0.06%
    を含有し、
    P:0.1%以下、
    S:0.005%以下、
    Al:0.5%以下、
    N:0.009%以下
    に制限し、更に、Nb、Mo、Vの含有量の合計を0.01%以下に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、C量に対するTi量の比が、
    Ti/C:0.375〜1.6
    であり、結晶粒内のTiC析出物の平均直径が0.8〜3nmであり、平均個数密度が、1×1017[個/cm3]以上であり、引張強度が540〜650MPaであることを特徴とする省合金型高強度熱延鋼板。
  2. 請求項1に記載の高強度熱延鋼板の製造方法であって、請求項1に記載の成分からなる鋼片を1200℃以上に加熱し、最終加工温度FT[℃]を900℃超として熱間加工を行い、20℃/s以上で580〜640℃の範囲内の温度MT1[℃]まで1次冷却し、続いて5℃/s以下で、510〜600℃の範囲内であり、前記MT1[℃]よりも低い温度MT2[℃]まで2次冷却し、巻取ることを特徴とする省合金型高強度熱延鋼板の製造方法。
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