JP2011026557A - ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】色相に優れたポリカーボネート樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表されるジオールと炭酸ジエステルを溶融法により重合してポリカーボネートを製造する方法において、原料の仕込みモル比(前記炭酸ジエステル/ジオール)が0.93以上0.97以下であることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
【化1】
Figure 2011026557

(式中、R及びRはそれぞれ独立に水素またはメチル基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、色相に優れたポリカーボネート樹脂の製造方法に関するものである。
ポリカーボネートは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、BPAと記す)等の芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを酸結合剤の存在下、界面重合させる方法、或いはBPAと芳香族炭酸ジエステルをエステル交換触媒存在下、溶融重合する方法によって製造され、その耐衝撃性等の優れた機械的特性と、優れた耐熱性、透明性を併せ持つことから様々な分野で用いられており、光学材料としては、各種レンズ、プリズム、光ディスク基板などに利用されている。
しかしながら、芳香族ジヒドロキシ化合物としてBPAだけを用いてなるポリカーボネートは、光弾性定数が大きく、溶融流動性が比較的悪いために成形品の複屈折が大きくなるため、広く光記録材料や光学レンズ等の用途に用いられるには十分な性能を有していないという欠点がある。
そのため複屈折の小さい成形物を与える側鎖方向に分極率の大きいフルオレン構造を有し直鎖方向にフェノール骨格を有するエーテルジオール類のホモポリカーボネート樹脂、あるいはそれらとトリシクロデカン[5.2.1.02,6]ジメタノールとの共重合体が開示されている(特許文献1、2参照)。
これらのポリカーボネートは、溶融法とも呼ばれるエステル交換法により製造される。溶融法で製造されるポリカーボネートは、製造過程で使用された原料モノマー、末端封止剤、溶剤、重合で副生した物質および低重合度のオリゴマー等の揮発性物質を含み、このまま使用すると成形の際に金型を汚したり、ポリマーの耐熱性を低下させたり、成形物に形成した金属膜を腐食させる等の問題がある。
この為、重合で得られたポリカーボネートを脱揮処理して含まれる揮発性物質を低減する事が行われており、通常、噛み合い型2軸ルーダーを用いた処理が一般的に実施されている(特許文献3参照)。しかし、ポリカーボネートを溶融状態で、噛み合い型2軸ルーダーで処理する場合、この処理の過程でポリカーボネートの着色、架橋、ゲル発生等が生じるとともに、該ポリカーボネート中の異物含有量も増加し、製品品質に多大な影響を生じさせていた。
したがって、重合過程において真空脱気して低揮発性成分を除去することができれば、品質が良いポリカーボネート樹脂が得られるうえプロセス上好ましい。しかしながら、通常の溶融法ポリカーボネート製造においては、真空脱気によりカーボネート前駆体より生じるモノヒドロキシ化合物が系外に排出されるため、分子量が増加してしまい所定の分子量が得られない。そのため優れた色相と分子量を維持したポリカーボネートの製造方法が求められていた。
特開平10−101787公報 特開2005−146140公報 特開2003−183381公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、重合工程において重合後期に真空脱気することを可能にし、その結果色相に優れるポリカーボネートを得ることを可能にするものである。
本発明者は上記課題を解決する方策について鋭意検討した結果、カーボネート前駆体とジヒドロキシ化合物の仕込みモル比を0.93以上0.97以下となるように原料を仕込むことにより、重合後期の真空脱気による低揮発性成分の除去が可能となりその結果、色相に優れたポリカーボネート樹脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)で表されるジオールと炭酸ジエステルを溶融法により重合してポリカーボネートを製造する方法において、原料の仕込みモル比(前記炭酸ジエステル/ジオール)が0.93以上0.97以下であることを特徴とするポリカーボネートの製造方法に関するものである。
Figure 2011026557
(式中、Rは、R及びRはそれぞれ独立に水素またはメチル基を示す。)
本発明の製造方法により、効率よく色相の優れた脂肪族ポリカーボネート樹脂を得ることが出来る。
以下に本発明のポリカーボネート樹脂の製造において用いられる原材料について詳細に説明する。
本発明における一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンが例示される。その中で特に9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンが好適に使用される。
本発明において、式(1)で表される繰り返し単位を二種類以上使用してもよい。また、本発明は、式(1)を主たる繰り返し単位とすることを特徴としているが、20モル%以下、好ましくは15モル%以下の割合で他の繰り返し単位を1種類以上含有してもよい。例えばトリシクロ(5.2.1.02,6)デカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン、イソソルビドのような脂肪族ジオール類あるいは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのような芳香族ジオール類やテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステル類を共重合することにより形成される繰り返し単位などが考えられる。
以下に本発明に関わるポリカーボネート樹脂の製造方法について述べる。ジオール類と炭酸ジエステルとを塩基性化合物触媒もしくはエステル交換触媒もしくはその双方からなる混合触媒の存在下反応させる公知の溶融重縮合法が好適に用いられる。
炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等が挙げられる。これらの中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。
ジフェニルカーボネートは、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して0.93以上0.97以下の仕込み比率で用いられる。0.93より小さいモル比では分子量が低く強度が足りなくなる。0.97より大きいモル比では、適度の分子量の樹脂を得るためには所定の時間で重合を停止する必要があり、重合終期にフェノールなどの揮発成分を除去するための真空脱気を行うことが出来なくなる。もし真空脱気を行うと分子量が増大し、樹脂溶融粘度が高くなりすぎ成形に不適となる。
塩基性化合物触媒としては、特にアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物、含窒素化合物等があげられる。このような化合物としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属化合物等の有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシドおよびそれらの塩、アミン類等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が用いられる。
アルカリ土類金属化合物としては、具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、フェニルリン酸マグネシウム等が用いられる。
含窒素化合物としては、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール、基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン類、プロピルアミン、ブチルアミン等の1級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類、あるいは、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基あるいは塩基性塩等が用いられる。
エステル交換触媒としては、亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛の塩が好ましく用いられ、これらは単独もしくは組み合わせて用いることができる。エステル交換触媒としては、具体的には、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)等が用いられる。これらの触媒は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、10−9〜10−3モルの比率で、好ましくは10−7〜10−4モルの比率で用いられる。
本発明にかかわる溶融重縮合法は、前記の原料、および触媒を用いて、加熱下に常圧または減圧下にエステル交換反応により副生成物を除去しながら溶融重縮合を行うものである。反応は、一般には二段以上の多段工程で実施される。
具体的には、第一段目の反応を120〜220℃、好ましくは160〜200℃の温度で0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間、常圧〜26664.4Pa(200Torr)の圧力で反応させる。次いで、1〜3時間かけて温度を最終温度である230〜260℃まで徐々に上昇させると共に圧力を徐々に最終圧力である133.322Pa(1Torr)以下まで減圧し、反応を継続する。最後に133.322Pa(1Torr)以下の減圧下、230〜260℃の温度で重縮合反応を進め、所定の粘度に達したところで窒素で復圧し、反応を終了する。133.322Pa(1Torr)以下の反応時間は0.1〜2時間であり、全体の反応時間は1〜6時間、通常2〜5時間である。
上記の反応を行うに際して用いられる反応装置は、錨型攪拌翼、マックスブレンド攪拌翼、ヘリカルリボン型攪拌翼等を装備した縦型であっても、パドル翼、格子翼、メガネ翼等を装備した横型であってもスクリューを装備した押出機型であってもよく、また、これらを重合物の粘度を勘案して適宜組み合わせた反応装置を使用することが好適に実施される。
重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持するために、触媒を除去もしくは失活させる。一般的には、公知の熱安定化剤及び加水分解安定剤の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質としては、一般には酸性物質が用いられ、具体的には、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類、ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸等のアルキル硫酸、塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物等が好適に用いられる。
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を13.3322〜133.322Pa(0.1〜1Torr)の圧力、200〜350℃の温度で脱揮除去する工程を設けても良く、このためには、パドル翼、格子翼、メガネ翼等、表面更新能の優れた攪拌翼を備えた横型装置、あるいは薄膜蒸発器が好適に用いられる。
さらに本発明において、上記熱安定化剤、加水分解安定剤の他に、酸化防止剤、顔料、染料、強化剤や充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良剤、帯電防止剤、抗菌剤等を添加することが好適に実施される。
本発明のポリカーボネート樹脂の好ましいポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は6,000〜100,000であり、より好ましくは8,000〜80,000である。さらにより好ましくは10,000〜40,000である。Mwが10,000より小さいと脆くなるため好ましくない。Mwが100,000より大きいと、溶融粘度が高くなり樹脂組成物の射出成形条件が厳しくなり成形体にシルバーが生じるため好ましくない。
以上のようにして得られるポリカーボネートは、残留フェノールが500ppm以下であり、MFR(メルトフローレート)が10〜80となる。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
〔ポリカーボネートの物性評価〕
(1)MFR:JISK7210に準拠してオリフィス2mm温度260℃荷重2160gで東洋精機(株)メルトインデクサーT−111により測定した。
(2)残留フェノール分析:樹脂6gを50mLのメチレンクロライドに溶解した。ヘキサン約350gに樹脂溶液を徐々に滴下し、樹脂を沈殿させた。ヘキサン相をロータリーエバポレーターにより温度40℃で5mLまで濃縮し、得られたサンプルをGC分析した。
(3)溶液色相(YI値):サンプル8.0gを塩化メチレン80mlに溶解し、5.0cm石英ガラスセルを用いてYI値(イエローインデックス)を測定した、色差計は日本電色工業(株)社製スペクトロカラーメーター:SE−2000を使用した。
実施例1
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン21.23kg(48.41モル)、ジフェニルカーボネート9.740kg(45.47モル)、および炭酸水素ナトリウム0.0484g(5.761×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、窒素雰囲気101325Pa(760Torr)の下1時間かけて215℃に加熱し撹拌した。その後、15分かけて減圧度を19998.3Pa(150Torr)に調整し、215℃、19998.3Pa(150Torr)の条件下で20分間保持しエステル交換反応を行った。さらに37.5℃/hrの速度で240℃まで昇温し、240℃、19998.3Pa(150Torr)で10分間保持した。その後、10分かけて15998.6Pa(120Torr)に調整し、240℃、15998.6Pa(120Torr)で70分間保持した。その後、10分かけて1332.2Paに調整し、240℃、1332.2Pa(100Torr)で10分間保持した。更に40分かけて133.322Pa(1Torr)以下とし、240℃、133.322Pa(1Torr)以下の条件下で30分間撹拌下重合反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。
このポリカーボネート樹脂10.0kgを100℃で24時間真空乾燥し、樹脂に対してチバスペシャリティケミカルズ製イルガノックス1010を500ppm、理研ビタミン社製リケマールS100Aを500ppm添加して押出し機により260℃で混練してペレタイズしペレットを得た。得られたペレットの物性の測定結果を表1にまとめた。残留フェノールが200ppmと少なく、プレス円板色相も1.9と良好であった。
実施例2
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン21.29kg(48.55モル)、ジフェニルカーボネート10.05kg(46.90モル)、および炭酸水素ナトリウム0.0484g(5.761×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、実施例1同様にペレットを得た。得られたペレットの物性の測定結果を表1にまとめた。残留フェノールが100ppmと少なく、プレス円板色相も2.2と良好であった。
比較例1
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン21.16kg(48.25モル)、ジフェニルカーボネート10.64g(49.66モル)、および炭酸水素ナトリウム0.0452g(5.38×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、実施例1同様に重合を行った。重合終期に240℃、133.322Pa(1Torr)以下の条件下で撹拌下反応を行ったが、攪拌トルクの上昇が止まらないため所定の分子量に対応するトルクに達した時間に攪拌を停止し、反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂をペレタイズしながら抜き出した。このポリカーボネート樹脂10.0kgを100℃で24時間真空乾燥し、樹脂に対してチバスペシャリティケミカルズ製イルガノックス1010を500ppm、理研ビタミン社製リケマールS100Aを500ppm添加して押出し機により260℃で混練してペレタイズしペレットを得た。得られたペレットの物性の測定結果を表1にまとめた。フェノール含有量が1550ppmと多く、プレス円板YIも6.1と着色していた。
比較例2
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン22.03kg(50.24モル)、ジフェニルカーボネート11.65g(54.38モル)、および炭酸水素ナトリウム0.0452g(5.38×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、実施例1同様に重合を行った。分子量の指標である攪拌トルクの上昇が止まり、重合時間を延ばしてもかわらないため、240℃、133.322Pa(1Torr)以下の条件下で30分間撹拌した後反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂を抜き出した。抜き出した樹脂を冷却後クラッシャーで粉砕しプレス成形を試みたが低分子量のため脆く、プレス成形できなかった。
比較例3
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン21.99kg(50.15モル)、ジフェニルカーボネート9.98g(46.63モル)、および炭酸水素ナトリウム0.0452g(5.38×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、実施例1同様に重合を行った。分子量の指標である攪拌トルクの上昇が止まり、重合時間を延ばしてもかわらないため、240℃、133.322Pa(1Torr)以下の条件下で30分間撹拌した後反応器内に窒素を吹き込み加圧にし、生成したポリカーボネート樹脂を抜き出した。抜き出した樹脂を冷却後クラッシャーで粉砕しプレス成形を試みたが低分子量のため脆く、プレス成形できなかった。
比較例4
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン22.01kg(50.19モル)、ジフェニルカーボネート10.61g(49.54モル)、および炭酸水素ナトリウム0.0452g(5.38×10−4モル)を攪拌機および留出装置付きの50リットル反応器に入れ、実施例1同様に重合を行った。得られたペレットの物性の測定結果を表1にまとめた。フェノール含有量が2000ppmと多く、プレス円板のYIは7.9と着色していた。
Figure 2011026557

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表されるジオールと炭酸ジエステルを溶融法により重合してポリカーボネートを製造する方法において、原料の仕込みモル比(前記炭酸ジエステル/ジオール)が0.93以上0.97以下であることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
    Figure 2011026557
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に水素またはメチル基を示す。)
  2. 重合反応時に圧力を133.322Pa以下まで減圧する請求項1記載のポリカーボネートの製造方法。
  3. ポリカーボネートの残留フェノールが500ppm以下であり、MFR(メルトフローレート)が10〜80である請求項1又は2記載のポリカーボネートの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により製造されたポリカーボネートを使用する成形品。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により製造されたポリカーボネートを使用する光学レンズ。
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