JP2011025979A - 気泡性緩衝シート - Google Patents

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Abstract

【課題】被包装物に印刷面が接することがなく、印刷面の剥離が生じにくい、印刷が施された気泡性緩衝シートを生産性良く製造可能な気泡性緩衝シートを提供する。
【解決手段】多数の凸状突起11を形成したエンボスフィルム10と、エンボスフィルム10の凸状突起11の開口部側の面に貼り合わされた平面状のベースフィルム20とを有し、凸状突起11による独立気泡30が形成された気泡性緩衝シートであって、ベースフィルム20のエンボスフィルム10との接合面側に、ドット印刷21が施されている、あるいは、ベースフィルム20に、ドット印刷21aが施された印刷フィルムが、ドット印刷21aが施された面とベースフィルム20とが接合するように貼り合わされている気泡性緩衝シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷が施された気泡緩衝シートに関する。
多数の凸状突起を形成したエンボスフィルムと、このエンボスフィルムの凸状突起の開口部側の面に貼り合わされた平面状のベースフィルムとを有し、凸状突起による独立気泡が形成された気泡性緩衝シートは、物品を包装するために好適に用いられている。例えば、物品を衝撃から保護したり、物品を保温若しくは断熱する目的など、様々な分野で用いられている。
また、気泡性緩衝シートに印刷を施し、意匠性を付与する等、付帯機能を持たせる試みがなされている。
例えば、下記特許文献1には、多数の凸部を有するキヤツプフィルムに平滑なバツクフィルムを貼着した気泡シートにおいて、その平坦な面に、他の固体と物理吸着により吸着する吸盤効果のある樹脂印刷がされたことを特徴とする気泡シートが開示されている。
特開平10−80801号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された気泡シートは、印刷面が最外層の表面に形成されているので、該気泡シートで被包装物を包装すると、包装時に印刷面が被包装物と直接接することがある。このため、例えば、食品等を包装する場合においては、印刷面に使用したインク等の臭気や成分がうつり、衛生上好ましくなかった。更には、擦れなどにより印刷面が剥離しやすい問題があった。
一方、印刷面をベースフィルムのエンボスフィルムとの接合面に形成することで、上記問題は解決できる。しかしながら、印刷面ではベースフィルムとエンボスフィルムとの接着性が悪いので、凸状突起による独立気泡が形成され難く、気泡抜け等生じやすかった。このため、印刷面をベースフィルムのエンボスフィルムとの接合面に形成する場合には、印刷面上にアンカーコート剤等を用いて、接着層を形成する必要があり、製造コストが嵩む問題があった。
したがって、本発明の目的は、被包装物に印刷面が接することがなく、印刷面の剥離が生じにくい、印刷が施された気泡性緩衝シートを生産性良く製造可能な気泡性緩衝シートを提供することにある。
上記目的を達成するにあたり、本発明の気泡性緩衝シートの第1は、多数の凸状突起を形成したエンボスフィルムと、このエンボスフィルムの前記凸状突起の開口部側の面に貼り合わされた平面状のベースフィルムとを有し、前記凸状突起による独立気泡が形成された気泡性緩衝シートにおいて、前記ベースフィルムの前記エンボスフィルムとの接合面側に、ドット印刷が施されていることを特徴とする。
本発明の気泡緩衝シートの第1の態様によれば、少なくとも隣接するドットどうしの間の部分において、ベースフィルムとエンボスフィルムとが強固に接合されているので、アンカーコート剤等を使用しなくても、凸状突起による独立気泡を形成できる。また、印刷面が被包装物と直接接することがないので、食品等を包装しても、食品などに印刷に使用されたインクなどの臭気や成分などがうつることがなく、衛生的に良好である。更には、印刷面が擦れることもないので、長期にわたって、優れた意匠性などを維持できる。
また、本発明の気泡性緩衝シートの第2は、多数の凸状突起を形成したエンボスフィルムと、このエンボスフィルムの前記凸状突起の開口部側の面に貼り合わされた平面状のベースフィルムとを有し、前記凸状突起による独立気泡が形成された気泡性緩衝シートにおいて、前記ベースフィルムに、ドット印刷が施された印刷フィルムが、ドット印刷が施された面と前記ベースフィルムとが接合するように貼り合わされていることを特徴とする。
本発明の気泡緩衝シートの第2の態様によれば、ベースフィルムに、ドット印刷が施された印刷フィルムが、ドット印刷が施された面とベースフィルムとが接合するように貼り合わされているので、少なくとも隣接するドットどうしの間の部分において、ベースフィルムと印刷フィルムとが強固に接合されている。このため、アンカーコート剤等を使用しなくても、ベースフィルムと印刷フィルムとを強固に接合でき、ベースフィルムから印刷フィルムの剥離を防止できる。また、印刷面が被包装物と直接接することがないので、食品等を包装しても、食品などに印刷に使用されたインクなどの臭気や成分などがうつることがなく、衛生的に良好である。更には、印刷面が擦れることもないので、長期にわたって、優れた意匠性などを維持できる。
本発明の気泡性緩衝シートの第1において、前記ドット印刷は、隣接する前記凸状突起どうしの最小間隔L1よりも、ドットの直径D1が小さくされていることが好ましい。
本発明の気泡性緩衝シートの第1において、前記ドット印刷は、隣接するドットどうしの最小間隔L2が0.5mmよりも大きくされていることが好ましい。
本発明の気泡性緩衝シートの第1において、前記ドット印刷は、前記凸状突起の直径D2が6〜8mmの時、ドットの直径D1が0.3〜1.0mm及び/又はドットのピッチ幅Pが1.2〜3.0mmとされ、前記凸状突起の直径D2が9〜11mmの時、ドットの直径D1が0.5〜1.5mm及び/又はドットのピッチ幅Pが1.5〜3.0mmとされ、前記凸状突起の直径D2が19〜21mmの時、ドットの直径D1が0.5〜1.5mm及び/又はドットのピッチ幅Pが1.5〜3.5mmとされ、前記凸状突起の直径D2が29〜33mmの時、ドットの直径D1が0.5〜2.5mm及び/又はドットのピッチ幅Pが1.8〜4.5mmとされていることが好ましい。
本発明の気泡性緩衝シートの第1及び第2において、前記凸状突起の頂面に、更に平面状のトップフィルムが貼り合わされていることが好ましい。この態様によれば、凸状突起とベースフィルムとで形成される独立気泡による緩衝作用のみならず、エンボスフィルムと、トップフィルムに挟まれた、凸状突起の外側の空間も緩衝作用を有するので、より優れた緩衝作用が得られる。
本発明の気泡性緩衝シートの第3は、多数の凸状突起を形成したエンボスフィルムと、このエンボスフィルムの前記凸状突起の開口部側の面に貼り合わされた平面状のベースフィルムと、前記凸状突起の頂面に貼り合わされた平面状のトップフィルムとを有し、前記凸状突起による独立気泡が形成された気泡性緩衝シートにおいて、前記トップフィルムの前記エンボスフィルムとの接合面側に、ドット印刷が施されていることを特徴とする。
本発明の気泡緩衝シートの第3の態様によれば、エンボスフィルムの凸状突起の頂面に、ドット印刷が施されたトップフィルムが、ドット印刷が施された面とエンボスフィルムとが接合するように貼り合わされているので、少なくとも隣接するドットどうしの間の部分において、エンボスフィルムとトップフィルムとが強固に接合されている。このため、アンカーコート剤等を使用しなくても、エンボスフィルムとトップフィルムとを強固に接合でき、エンボスフィルムからトップフィルムの剥離を防止できる。
本発明の気泡性緩衝シートの第4は、多数の凸状突起を形成したエンボスフィルムと、このエンボスフィルムの前記凸状突起の開口部側の面に貼り合わされた平面状のベースフィルムと、前記凸状突起の頂面に貼り合わされた平面状のトップフィルムとを有し、前記凸状突起による独立気泡が形成された気泡性緩衝シートにおいて、前記トップフィルムに、ドット印刷が施された印刷フィルムが、ドット印刷が施された面と前記トップフィルムとが接合するように貼り合わされていることを特徴とする。
本発明の気泡緩衝シートの第4の態様によれば、トップフィルムに、ドット印刷が施された印刷フィルムが、ドット印刷が施された面とトップフィルムとが接合するように貼り合わされているので、少なくとも隣接するドットどうしの間の部分において、トップフィルムと印刷フィルムとが強固に接合されている。このため、アンカーコート剤等を使用しなくても、トップフィルムと印刷フィルムとを強固に接合でき、トップフィルムから印刷フィルムの剥離を防止できる。
本発明の気泡緩衝シートによれば、印刷面が被包装物と直接接することがないので、食品等を包装しても、食品などに印刷に使用されたインクなどの臭気や成分などがうつることがなく、衛生的に良好である。更には、印刷面が擦れることもないので、長期にわたって、優れた意匠性などを維持できる。そして、アンカーコート剤等を使用する必要がないので、材料コストを低減でき、更には製造工程を簡略化できる。
本発明の気泡性緩衝シートの第1の実施形態の断面図である。 同気泡性緩衝シートのベースフィルム側から見た平面図である。 同気泡性緩衝シートのエンボスフィルム側から見た平面図である。 図3の部分拡大図である。 同気泡性緩衝シートで被包装体を包装した状態を示す状態図である。 同気泡性緩衝シートの製造工程を示す概略図である。 本発明の気泡性緩衝シートの第2の実施形態の断面図である。 本発明の気泡性緩衝シートの第3の実施形態の断面図である。 同気泡性緩衝シートの製造工程を示す概略図である。 本発明の気泡性緩衝シートの第4の実施形態の断面図である。 本発明の気泡性緩衝シートの第5の実施形態の断面図である。
本発明の気泡性緩衝シートの第1の実施形態について、図1〜5を用いて説明する。図1は、本発明の気泡性緩衝シートの第1の実施形態の断面図であり、図2は、気泡性緩衝シートのベースフィルム側から見た平面図であり、図3は、同気泡性緩衝シートのエンボスフィルム側から見た平面図であり、図4は、図3の部分拡大図であり、図5は、同気泡性緩衝シートで被包装体を包装した状態を示す状態図である。
図1に示すように、この気泡性緩衝シート1は、エンボスフィルム10と、ベースフィルム20とが貼り合わされている。
エンボスフィルム10は、凸状突起11が突き出す側の面と、凸状突起11が突き出していない側(すなわち、凸状突起の開口部側)の面とを有する。ベースフィルム20は、エンボスフィルム10の凸状突起11が突き出していない側の面に貼り合わせることにより、凸状突起11による独立気泡30が形成され、緩衝性がもたらされる。
エンボスフィルム10に形成された上記凸状突起11の形状は、主として円柱であるが、三角柱、角柱、五角柱や六角柱等の多角柱、円錐、三角錐、角錐、五角錐や六角錐等の多角錐、円錐台、三角錐台、角錐台、五角錐台や六角錐台等の多角錐台、半球、卵型、回転楕円体等とすることができる。また、これらの形状を複数組み合わせてもよい。
上記凸状突起11のサイズは、用途により異なるが、底面(すなわち開口部)の直径が6〜33mmで、高さが2.0〜14.0mmが好ましい。また、凸状突起11は、円周方向6.0〜63.0mm、管軸方向7.0〜36.0mmの範囲の間隔で、エンボスフィルム10のほぼ全面に形成されていることが好ましい。
エンボスフィルム10の材質は、特に限定はない。熱可塑性樹脂でフィルム成形が可能なポリマーであれば良い。例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリ乳酸、ポリカプロラクトンなどの生分解性等が一例として挙げられる。なかでも、ポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリエチレンがより好ましく、汎用で安価であり加工し易いという理由から低密度ポリエチレンが特に好ましい。
エンボスフィルム10の厚さは、気泡性緩衝シートが製造できれば良く特に限定はない。例えば、被包装物が小物、軽量のものを包装する、製品目付けが軽量タイプの軽包装用途の場合は、15〜80μmが好ましく、25〜55μmがより好ましい。また、被包装物が重量のあるものを包装する、製品目付けが重量タイプの重包装用途の場合は、60〜200μmが好ましく、70〜140μmがより好ましい。軽包装用途の一例としては、お菓子の箱の上敷き等が挙げられる。また、重包装用途の一例としては、非鉄金属の包装や機械部品の包装等が挙げられる。
ベースフィルム20のエンボスフィルム10との接合面には、ドット印刷21aが施されている。図2,3に示すように、このドット印刷21aは、ベースフィルム20側からみた際に、所望の文字や模様(この実施形態では、ABCの文字)が認識できるように施されている。したがって、図5に示すように、エンボスフィルム10の凸状突起11が被包装物に接するように包装することで、独立気泡30によって、被包装物を外部からの衝撃から保護しつつ、ドット印刷21aによる意匠的効果を付与できる。
このドット印刷21aは、図4に示すように、隣接する凸状突起11どうしの最小間隔L1よりも、ドット22の直径D1が小さくされていることが好ましい。より好ましくは、ドット22の直径D1は、前記最小間隔L1の12.5〜66.7%である。印刷が施された部分ではベースフィルム20とエンボスフィルム10とは接着しにくいが、前記最小間隔L1よりも、ドット22の直径D1を小さくすることで、ドット22の周囲の部分でベースフィルム20とエンボスフィルム10とが接合される。このため、ベースフィルム20とエンボスフィルム10との接着性が良好となり、その結果、凸状突起11によって形成される独立気泡30からの空気の漏れを抑制できる。なお、本発明において隣接する凸状突起11どうしの最小間隔L1とは、隣接する凸状突起11どうしの間隔のうち、もっとも短い距離を意味する。
また、隣接するドット22どうしの最小間隔L2は、0.5mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましい。前記最小間隔L2が0.5mm以上となるようにドット印刷を行うことで、ベースフィルム20とエンボスフィルム10との接着性を良好にできる。また、上限は特に限定はないが、意匠性を良好にするため、4.5mm以下が好ましく、3.0mm以下がより好ましい。なお、本発明において隣接するドット22どうしの最小間隔L2とは、隣接するドット22どうしの間隔のうち、もっとも短い距離を意味する。すなわち、ドット22のピッチ間隔Pからドット22の直径D1の値を引いた値である。
また、凸状突起11の直径D2が6〜8mmの時、ドット22の直径D1が0.3〜1.0mm及び/又はドット22のピッチ幅Pが1.2〜3.0mmとされ、凸状突起11の直径D2が9〜11mmの時、ドット22の直径D1が0.5〜1.5mm及び/又はドット22のピッチ幅Pが1.5〜3.0mmとされ、凸状突起11の直径D2が19〜21mmの時、ドット22の直径D1が0.5〜1.5mm及び/又はドット22のピッチ幅Pが1.5〜3.5mmとされ、凸状突起11の直径D2が29〜33mmの時、ドット22の直径D1が0.5〜2.5mm及び/又はドット22のピッチ幅Pが1.8〜4.5mmとされていることが好ましい。このようにすることで、ベースフィルム20とエンボスフィルム10との接着性と、意匠性との両立を図ることができる。
ドット印刷に使用するインクは、特に限定はなく、いずれも好ましく使用できる。また、消臭物質、芳香物質、抗菌物質、防錆剤物質、鮮度保持剤物質、などの機能性物質が配合されたインクを使用することで、消臭機能、芳香機能、抗菌機能、防錆機能、鮮度保持機能等のさらなる付帯効果を気泡性緩衝シートに付与できる。
ベースフィルム20の材質は、特に限定はなく、エンボスフィルム10と同様のものを使用できる。又、被包装物を袋物で包装して機能性を付与する場合、ベースフィルム20はガスバリア性に優れることが好ましい。ガスバリア性に優れたフィルムとしては、内外層にポリオレフィン(主にポリエチレン樹脂)を使用し、中間層にバリア層を介在させた多層フィルムを用いることが好ましい。多層フィルムとしては、ナイロン、エチレン―酢酸ビニル共重合体の部分けん化物など使用したもの等が好ましく挙げられる。
また、ベースフィルム20のフィルム厚さは、気泡性緩衝シートが製造できれば良く特に限定はない。例えば、機能性を付与しない一般包装の場合は、10〜80μmが好ましく、15〜50μmがより好ましい。また、被包装物を袋物で包装して機能を付与する場合は、30〜100μmが好ましく、45〜80μmがより好ましい。
次に、この気泡性緩衝シートの製造方法について説明する。
この気泡性緩衝シート1は、エンボスフィルム10上に凸状突起11を形成し、凸状突起11の形成と同時またはその後に、エンボスフィルム10上に、ドット印刷21aが施されたベースフィルム20を巻き掛けて、エンボスロール上で、エンボスフィルム10と、ベースフィルム20を、圧着しつつ熱融着して独立気泡30を形成するという工程で製造される。
図6を用いて更に詳しく説明する。Tダイ101から押し出されたフィルム10aと、ベースフィルムロール102から引き出されたベースフィルム20とが、各々エンボスロール103へ送られる。
ベースフィルム20は、エンボスロール103に送られる前に予熱されることが好ましい。予熱温度は、ベースフィルム20の軟化点以上に保たれていればよい。
エンボスロール103では、エンボス形成前のフィルム10aを、軟化点以上かつ、融点以上の温度(好ましくは105〜180℃)で真空ポンプにより40〜100hPaの真空度で吸引することにより、凸状突起11をフィルム10a上に多数形成し、エンボスフィルム10とする。
エンボスフィルム10の凸状突起11の開口部側の面と、ベースフィルム20のドット印刷が施された側の面とが接合するように、エンボスフィルム10とベースフィルム20とを、圧着ロール104により圧着しつつ、エンボスロール103上で熱融着して独立気泡30を形成して、気泡性緩衝シート1を形成する。そして、エンボスロール103で形成された気泡性緩衝シート1は、ロール105を経由して、十分に冷却される。
本発明の気泡性緩衝シートの第2の実施形態について、図7を用いて説明する。なお、第1の実施形態と実質的に同一箇所には、同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の気泡性緩衝シート2は、凸状突起11の頂面に、更に平面状のトップフィルム50が貼り合わされている点が上記第1の実施形態と相違する。すなわち、この実施形態の気泡性緩衝シート2は、トップフィルム50と、ベースフィルム20とがエンボスフィルム10を挟んで貼り合わせられている。
トップフィルム50の材質は、特に限定はなく、エンボスフィルム10と同様のものを使用できる。また、トップフィルム50のフィルム厚さは、気泡性緩衝シートが製造できれば良く特に限定はない。例えば、軽包装用途の場合は、10〜50μmが好ましく、15〜45μmがより好ましい。また、重包装用途の場合は、55〜150μmが好ましく、60〜140μmがより好ましい。
この気泡性緩衝シート2では、凸状突起11とベースフィルム20とで形成される独立気泡30による緩衝作用のみならず、エンボスフィルム10と、トップフィルム50に挟まれた、凸状突起11の外側の空間も緩衝作用を有するので、より優れた緩衝作用が得られる。
この気泡性緩衝シート2は、図1,6における凸状突起11の頂面に、更に平面状のトップフィルム50を貼り合わせることにより製造できる。すなわち、Tダイ106から押し出されたトップフィルム50を圧着ロール107に送り、圧着ロール107、搬送ロール108とで圧着することで得られる。
本発明の気泡性緩衝シートの第3の実施形態について、図8を用いて説明する。なお、第1の実施形態と実質的に同一箇所には、同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の気泡性緩衝シート3は、エンボスフィルム10と、ドット印刷が施されていないベースフィルム25と、ドット印刷21bが施された印刷フィルム40とが貼り合わされている。すなわち、図8に示すように、ベースフィルム25に、印刷フィルム40が、ドット印刷21bが施された面とベースフィルム25とが接合するように貼り合わされている。
この実施形態の気泡性緩衝シート3によれば、ベースフィルム25に、印刷フィルム40が、ドット印刷21bが施された面とベースフィルムとが接合するように貼り合わされているので、少なくとも隣接するドットどうしの間の部分において、ベースフィルムと印刷フィルムとが強固に接合されている。このため、アンカーコート剤等を使用しなくても、ベースフィルムと印刷フィルムとを強固に接合でき、使用時にベースフィルム25から印刷フィルム40が剥離する等のトラブルの発生を防止できる。
この実施形態において、ベースフィルム25の材質は、エンボスフィルム10と同様のものを使用できる。また、ベースフィルム25のフィルム厚さは、気泡性緩衝シートが製造できれば良く特に限定はない。例えば、軽包装用途の場合は、10〜50μmが好ましく、15〜40μmがより好ましい。また、重包装用途の場合は、50〜70μmが好ましく、52〜65μmがより好ましい。
また、印刷フィルム40の材質は、特に限定はなく、エンボスフィルム10と同様のものを使用できる。又、被包装物を袋物で包装して機能性を付与する場合、印刷フィルム40はガスバリア性に優れることが好ましい。ガスバリア性に優れたフィルムとしては、上述した多層フィルムを用いることが好ましい。
また、印刷フィルム40のフィルム厚さは、30〜100μmが好ましく、45〜80μmがより好ましい。
また、印刷フィルム40に施されたドット印刷21bは、ドット22の直径D1が0.3〜2.5mmであることが好ましく、0.5〜2.0mmがより好ましい。また、隣接するドットどうしの最小間隔L2は、0.5mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましい。また、上限は特に限定はないが、意匠性を良好にするため、4.5mm以下が好ましく、3.0mm以下がより好ましい。
図9を用いて、第3の実施形態の気泡性緩衝シートの製造方法について説明する。
Tダイ201から押し出されたフィルム10bと、Tダイ202から押し出されたフィルム25bと、印刷フィルムロール203から引き出された印刷フィルム40とが、各々エンボスロール204へ送られる。
エンボスロール204では、エンボス形成前のフィルム10bを、軟化点以上かつ、融点以上の温度(好ましくは105〜180℃)に加熱しながら真空ポンプにより40〜100hPaの真空度で吸引することにより、凸状突起11をフィルム10b上に多数形成し、エンボスフィルム10とする。
エンボスフィルム10の凸状突起11の開口部側の面と、ベースフィルム25とが接合し、かつ、印刷フィルム40のドット印刷21bが施された面と、ベースフィルム25とが接合するように、エンボスフィルム10、ベースフィルム25、印刷フィルム40を、圧着ロール205により圧着しつつ、エンボスロール204上で熱融着して独立気泡30を形成して、気泡性緩衝シート3を形成する。そして、エンボスロール204で形成された気泡性緩衝シート1は、ロール206を経由して、十分に冷却される。
本発明の気泡性緩衝シートの第4の実施形態について、図10を用いて説明する。なお、第1〜3の実施形態と実質的に同一箇所には、同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の気泡性緩衝シート4は、ドット印刷21cが施されたトップフィルム55と、ドット印刷が施されていないベースフィルム25とがエンボスフィルム10を挟んで貼り合わせられている。すなわち、図10に示すように、トップフィルム55のドット印刷が施された面、エンボスフィルム10の凸状突起11の頂面とが接合するように貼り合わされている。
トップフィルム55の材質は、特に限定はなく、エンボスフィルム10と同様のものを使用できる。又、被包装物を袋物で包装して機能性を付与する場合、トップフィルム55はガスバリア性に優れることが好ましい。ガスバリア性に優れたフィルムとしては、上述した多層フィルムを用いることが好ましい。
また、トップフィルム55のフィルム厚さは、気泡性緩衝シートが製造できれば良く特に限定はない。例えば、軽包装用途の場合は、10〜50μmが好ましく、15〜45μmがより好ましい。また、重包装用途の場合は、55〜150μmが好ましく、60〜140μmがより好ましい。
また、トップフィルム55に施されたドット印刷21cは、ドット22の直径D1が0.3〜2.5mmであることが好ましく、0.5〜2.0mmがより好ましい。また、隣接するドットどうしの最小間隔L2は、0.5mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましい。また、上限は特に限定はないが、意匠性を良好にするため、4.5mm以下が好ましく、3.0mm以下がより好ましい。
本発明の気泡性緩衝シートの第5の実施形態について、図11を用いて説明する。なお、第1〜3の実施形態と実質的に同一箇所には、同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の気泡性緩衝シート5は、ドット印刷が施されていないトップフィルム50と、ドット印刷が施されていないベースフィルム25とがエンボスフィルム10を挟んで貼り合わせられ、更にトップフィルム50に、ドット印刷21dが施された印刷フィルム41が貼り合わされている。すなわち、図11に示すように、トップフィルム50に、印刷フィルム41が、ドット印刷21dが施された面とトップフィルム50とが接合するように貼り合わされている。
印刷フィルム41の材質、フィルム厚さは、特に限定はなく、上述した印刷フィルム40と同様のものを使用できる。
また、印刷フィルム41に施されたドット印刷21dは、ドット22の直径D1が0.3〜2.5mmであることが好ましく、0.5〜2.0mmがより好ましい。また、隣接するドットどうしの最小間隔L2は、0.5mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましい。また、上限は特に限定はないが、意匠性を良好にするため、4.5mm以下が好ましく、3.0mm以下がより好ましい。
(実施例1)
三種五層の多層フィルムで中間層にエチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)、内外層に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のフィルム構成でトータル厚みが55μm、外層にコロナ表面処理(41ダイン)を施された基材に、ピッチ間隔P=2mm、ドット直径D1=1mmの条件にてドット印刷を行い、ベースフィルム20を製造し、これをロール状に巻き取ってベースフィルムロール102を得た。なお、ドット印刷には、芳香剤が配合されたインク(商品名「NEW−LAP フレグランス 紅」、合同インキ(株)製)を使用した。
このベースフィルムロール102を図6の装置(Tダイ気泡緩衝シート成形試験機)に設置し、Tダイ101内に充填されたポリエチレン樹脂(低密度ポリエチレンとリニアー低密度ポリエチレンとの混合物、宇部丸善ポリエチレン製、低密度ポリエチレン:密度=0.922g/cm,メルトフローレイト(MI)=0.8g/10分、リニアー低密度ポリエチレン:密度=0.904g/cm,メルトフローレイト=(MI)4.0g/10分)をフィルム状に引き出すと共に、ベースフィルムロール102からベースフィルム20を引き出した。そして、各々エンボスロール103へ送り、エンボス形成前のフィルム10aを、105〜180℃に加熱しながら真空ポンプにより40〜100hPaの真空度で吸引することにより、直径D2=9mmの凸状突起11をフィルム10a上に多数形成し、エンボスフィルム10とした。そして、エンボスフィルム10の凸状突起11の開口部側の面と、ベースフィルム20のドット印刷が施された側の面とが接合するように圧着ロール104により圧着して気泡性緩衝シート1を製造した。この気泡性緩衝シート1の隣接する凸状突起どうしの最小間隔L1は2.0mmであった。
(比較例1)
実施例1において、ベースフィルム20として、ドット印刷が施されていないものを用いた以外は実施例1と同様にして比較例1の気泡性緩衝シート1を製造した。
(実施例2)
三種五層の多層フィルムで中間層にエチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)、内外層に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のフィルム構成でトータル厚みが55μm、外層にコロナ表面処理(41ダイン)を施された基材に、ピッチ間隔P=2mm、ドット直径D1=1mmの条件にてドット印刷を行い、印刷フィルム40を製造し、ロール状に巻き取って印刷フィルムロール203を得た。なお、ドット印刷には、芳香剤が配合されたインク(商品名「NEW−LAP フレグランス 紅」、合同インキ(株)製)を使用した。
この印刷フィルムロール203を図9の装置に設置し、Tダイ201内に充填された低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン製、密度0.929=g/cm、メルトフローレイト(MI)=1.0g/10分)と、Tダイ202内に充填された低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン製、密度=0.929g/cm、メルトフローレイト(MI)=1.0g/10分)とをそれぞれフィルム状に引き出すと共に、印刷フィルムロール203から印刷フィルム40を引き出し、各々エンボスロール204へ送った。そして、エンボス形成前のフィルム10bを、105〜180℃に加熱しながら真空ポンプにより40〜100hPaの真空度で吸引することにより、直径D2=9mmの凸状突起11をフィルム10b上に多数形成し、エンボスフィルム10とした。そして、エンボスフィルム10の凸状突起11の開口部側の面と、ベースフィルム25の一方の面とを接合すると共に、ベースフィルム25の他方の面と印刷フィルム40のドット印刷が施された側の面とが接合するように圧着ロール205により圧着して気泡性緩衝シート3を製造した。この気泡性緩衝シート3の隣接する凸状突起どうしの最小間隔L1は2.0mmであった。
(比較例2)
実施例2において、印刷フィルム40を使用しなかった以外は実施例1と同様にして比較例1の気泡性緩衝シート2を製造した。
実施例1〜2、比較例1〜2の気泡性緩衝の気泡高さ、引張強度、引裂強度、耐圧強度、シール強度を求めた。結果を表1にまとめて記す。
なお、気泡高さはPPP−C−795A(米国連邦仕様書の気泡入りプラスチック緩衝材)に準じた方法で測定を行なった。引張強度は、JIS Z 1702に準拠して行った。また、引裂強度は、JIS K 7128−2に準拠して行った。また、耐圧強度は、JIS Z 0234Aに準拠して行った。また、シール強度はドット印刷が施されたフィルム(ベースフィルム20、印刷フィルム40)と、エンボスフィルムを、ヒートシーラー試験機(テスター産業株式会社製、TP701)にてシール圧力1kg、シール時間1秒、シール幅10mm、シール温度130℃の条件で試験片を作製し、試験片幅30mmを引張り試験機(インテスコ製)にて剥離速度500mm/分でシール強度の測定を行った。
上記結果から明らかなように、実施例1〜2の気泡性緩衝シートは、印刷を施していない比較例1〜2とほぼ同程度の物性を有するものであった。
(実施例3)
実施例1において、ピッチ間隔P=0.4〜6.0mm、ドット直径D1=0.3〜1.0mmの条件にてドット印刷を行ったものをベースフィルム20として用い、エンボスフィルム10上に、直径D2=6.5mmの凸状突起11を、隣接する凸状突起どうしの最小間隔L1が1.5mmとなるようにエンボス加工を行い、エンボスフィルム10を得て、これらを圧着して気泡性緩衝シートを得た。
得られた気泡性緩衝シートのエンボスフィルム10とベースフィルムとの接着性、及び、ドット印刷の意匠性を評価した。結果を表2〜5にまとめて記す。なお、接着性は、独立気泡30を指で押さえた時、隣に空気が移動するかどうかで判断し、○:ほとんど空気が移動しない、△:所々で空気が逃げる、×:ほとんどの箇所で空気が逃げる、とした。また、意匠性は、印刷デザインが目視で鮮明に判別できるか否かで判断し、○:鮮明に判別できる、△:鮮明とまではいかないが判別できる、×:鮮明に判別が出来ないとした。
(実施例4)
実施例1において、ピッチ間隔P=0.5〜6.0mm、ドット直径D1=0.5〜1.5mmの条件にてドット印刷を行ったものをベースフィルム20として用い、エンボスフィルム10上に、直径D2=9.0mmの凸状突起11を、隣接する凸状突起どうしの最小間隔L1が2.0mmとなるようにエンボス加工を行い、エンボスフィルム10を得て、これらを圧着して気泡性緩衝シートを得た。
得られた気泡性緩衝シートのエンボスフィルム10とベースフィルムとの接着性、及び、ドット印刷の意匠性を評価した。結果を表6〜8にまとめて記す。
(実施例5)
実施例1において、ピッチ間隔P=0.5〜6.0mm、ドット直径D1=0.5〜1.5mmの条件にてドット印刷を行ったものをベースフィルム20として用い、エンボスフィルム10上に、直径D2=20.0mmの凸状突起11を、隣接する凸状突起どうしの最小間隔L1が2.0mmとなるようにエンボス加工を行い、エンボスフィルム10を得て、これらを圧着して気泡性緩衝シートを得た。
得られた気泡性緩衝シートのエンボスフィルム10とベースフィルムとの接着性、及び、ドット印刷の意匠性を評価した。結果を表9〜11にまとめて記す。
(実施例6)
実施例1において、ピッチ間隔P=0.5〜6.0mm、ドット直径D1=0.5〜2.5mmの条件にてドット印刷を行ったものをベースフィルム20として用い、エンボスフィルム10上に、直径D2=32.0mmの凸状突起11を、隣接する凸状突起どうしの最小間隔L1が3.0mmとなるようにエンボス加工を行い、エンボスフィルム10を得て、これらを圧着して気泡性緩衝シートを得た。
得られた気泡性緩衝シートのエンボスフィルム10とベースフィルムとの接着性、及び、ドット印刷の意匠性を評価した。結果を表12〜16にまとめて記す。
1〜5:気泡性緩衝シート
10:エンボスフィルム
11:凸状突起
20、25:ベースフィルム
21a、21b、21c、21d:ドット印刷
30:独立気泡
40、41:印刷フィルム
50、55:トップフィルム

Claims (8)

  1. 多数の凸状突起を形成したエンボスフィルムと、このエンボスフィルムの前記凸状突起の開口部側の面に貼り合わされた平面状のベースフィルムとを有し、前記凸状突起による独立気泡が形成された気泡性緩衝シートにおいて、
    前記ベースフィルムの前記エンボスフィルムとの接合面側に、ドット印刷が施されていることを特徴とする気泡性緩衝シート。
  2. 前記ドット印刷は、隣接する前記凸状突起どうしの最小間隔L1よりも、ドットの直径D1が小さくされている、請求項1に記載の気泡性緩衝シート。
  3. 前記ドット印刷は、隣接するドットどうしの最小間隔L2が0.5mmよりも大きくされている、請求項1又は2に記載の気泡性緩衝シート。
  4. 前記ドット印刷は、前記凸状突起の直径D2が6〜8mmの時、ドットの直径D1が0.3〜1.0mm及び/又はドットのピッチ幅Pが1.2〜3.0mmとされ、前記凸状突起の直径D2が9〜11mmの時、ドットの直径D1が0.5〜1.5mm及び/又はドットのピッチ幅Pが1.5〜3.0mmとされ、前記凸状突起の直径D2が19〜21mmの時、ドットの直径D1が0.5〜1.5mm及び/又はドットのピッチ幅Pが1.5〜3.5mmとされ、前記凸状突起の直径D2が29〜33mmの時、ドットの直径D1が0.5〜2.5mm及び/又はドットのピッチ幅Pが1.8〜4.5mmとされている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の気泡性緩衝シート。
  5. 多数の凸状突起を形成したエンボスフィルムと、このエンボスフィルムの前記凸状突起の開口部側の面に貼り合わされた平面状のベースフィルムとを有し、前記凸状突起による独立気泡が形成された気泡性緩衝シートにおいて、
    前記ベースフィルムに、ドット印刷が施された印刷フィルムが、ドット印刷が施された面と前記ベースフィルムとが接合するように貼り合わされていることを特徴とする気泡性緩衝シート。
  6. 前記凸状突起の頂面に、更に平面状のトップフィルムが貼り合わされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の気泡性緩衝シート。
  7. 多数の凸状突起を形成したエンボスフィルムと、このエンボスフィルムの前記凸状突起の開口部側の面に貼り合わされた平面状のベースフィルムと、前記凸状突起の頂面に貼り合わされた平面状のトップフィルムとを有し、前記凸状突起による独立気泡が形成された気泡性緩衝シートにおいて、
    前記トップフィルムの前記エンボスフィルムとの接合面側に、ドット印刷が施されていることを特徴とする気泡性緩衝シート。
  8. 多数の凸状突起を形成したエンボスフィルムと、このエンボスフィルムの前記凸状突起の開口部側の面に貼り合わされた平面状のベースフィルムと、前記凸状突起の頂面に貼り合わされた平面状のトップフィルムとを有し、前記凸状突起による独立気泡が形成された気泡性緩衝シートにおいて、
    前記トップフィルムに、ドット印刷が施された印刷フィルムが、ドット印刷が施された面と前記トップフィルムとが接合するように貼り合わされていることを特徴とする気泡性緩衝シート。
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