JP2011025860A - 車載バッテリ放電装置およびそれを用いた車載バッテリ診断システム - Google Patents

車載バッテリ放電装置およびそれを用いた車載バッテリ診断システム Download PDF

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Abstract

【課題】従来から車両に搭載される構成を用いてクラッキング時にセルモータで消費される電力、すなわちバッテリ放電電力を所望値に設定可能とすることで、車載バッテリの放電特性を精度良く監視および診断できるようにする。
【解決手段】車載バッテリ放電装置10は、車両1に搭載されるエンジン12をクラッキングするために駆動されるモータ24と、クラッキング時にモータ24を駆動するための電力を放電する充電可能なバッテリ16と、クラッキング時におけるバッテリ放電電流Ibおよびバッテリ放電電圧Vbを検出するバッテリ放電検出部40,42と、外部からの入力Pinに応じて、クラッキング時のエンジン回転トルクおよびエンジン回転数の少なくとも1つを変更することによりクラッキング時のバッテリ放電電力を所望値に設定可能な制御装置26と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載バッテリ放電装置およびそれを用いた車載バッテリ診断システムに係り、特に、車載されたエンジンのクラッキング時におけるバッテリ放電電力を検出する放電電力検出部を備えた車載バッテリ放電装置およびそれを用いた車載バッテリ診断システムに関する。
従来、特許文献1には、車両用バッテリ状態推定装置が開示されている。この車両用バッテリ状態推定装置は、クラッキング時に測定された第一の放電電流と第一の放電電圧との関係からバッテリの放電特性を推定する推定手段と、エンジン始動後、所定のタイミングで、発電機(例えば、オルタネータ)の作動を一時停止させると共に所定の車載電気負荷を作動させ、そのときに測定された第二の放電電流と第二の放電電圧との関係を用いて上記推定手段によって推定された推定バッテリ放電特性を補正する補正手段とを備えており、このように推定バッテリ放電特性を補正することにより車載バッテリの放電特性の推定精度を向上させることができることが記載されている。
特開2007−55532号公報
上記特許文献1に記載される車両用バッテリ状態推定装置では、エンジンを始動させる際のクラッキング時に測定されるバッテリ放電電流およびバッテリ放電電圧を測定して、車載バッテリの放電特性を推定するものである。通常、エンジン始動時のクラッキングにおいて、セルモータにより回転駆動されるエンジンの回転数やエンジン回転駆動必要トルク(以下、適宜に「エンジン回転トルク」または「エンジンフリクショントルク」ということがある。)はエンジンの仕様等によって決まってくるものである。そのため、通常のエンジン始動時のクランキングの際に、バッテリからセルモータ駆動のために放電される放電電力もまた、バッテリの温度依存や経時劣化等の要因を除けば、ほぼ一定した電力量になる。
しかし、車両に搭載されるバッテリがユーザ等によって新品に交換されることがあり、そのとき交換前に搭載されていたバッテリとは異なる規格、例えば5時間容量率(JIS D 5301、単位:Ah)が異なるバッテリに交換されることがあり得る。そのような場合、新たに搭載されたバッテリの放電特性を調べて、車両に記憶させておくことがバッテリ管理上必要となる。
このように異なる規格のバッテリが搭載された場合、バッテリの放電特性を調べるための放電電力は、その規格に応じた放電電流に基づく放電電力量とすることがバッテリ放電特性測定の精度向上を図るうえで好ましい。しかしながら、上述したように、特許文献1に記載される車両用バッテリ状態推定装置では、通常のエンジン始動時のクラッキングに用いられる放電電力が予め決まった値となっているため、異なる規格のバッテリの放電特性を精度良く調べることが困難である。
また、ディーラ等で車載バッテリの放電特性を調べようとするとバッテリ放電装置が必要になるが、このようなバッテリ放電装置は大型で高価なものであるため、もっと簡易な構成でバッテリ放電特性を調べられることが望まれる。
本発明の目的は、従来から車両に搭載される構成を用いてクラッキング時にセルモータで消費される電力、すなわちバッテリ放電電力を所望値に設定可能とすることで、車載バッテリの放電特性を精度良く監視および診断することができる車載バッテリ放電装置およびこれを備えた車載バッテリ診断システムを提供することにある。
本発明に係る車載バッテリ放電装置は、車両に搭載されるエンジンをクラッキングするために駆動されるモータと、クラッキング時に前記モータを駆動するための電力を放電する充電可能なバッテリと、クラッキング時におけるバッテリ放電電流およびバッテリ放電電圧を検出するバッテリ放電検出部と、外部からの入力に応じて、前記クラッキング時のエンジン回転トルクおよびエンジン回転数の少なくとも1つを変更することにより前記クラッキング時のバッテリ放電電力を所望値に設定可能な放電電力設定部と、を備える。
本発明に係る車載バッテリ放電装置において、前記放電電力設定部は、エンジンの吸気バルブの開閉タイミングおよび/またはスロットルバルブ開度を調整することによりクラッキング時のエンジン回転トルクを変更するものであってもよい。
また、本発明に係る車載バッテリ診断システムは、上記構成からなる本発明に係る車載バッテリ放電装置と、前記放電電力検出部による検出結果に基づいてバッテリ放電特性を診断する診断装置とを備えるものである。
本発明に係る車載バッテリ診断システムにおいて、前記診断装置は、前記放電電力検出部によって検出されるクラッキング時のバッテリ放電電力の変動分を、車載された別の電気負荷で消費させる制御を実行するものとしてもよい。
本発明に係る車載バッテリ放電装置およびこれを用いた車載バッテリ診断システムによれば、外部からの入力に応じて、クラッキング時のエンジン回転トルクおよびエンジン回転数の少なくとも1つを変更することによりクラッキング時のバッテリ放電電力を所望値に設定可能な放電電力設定部を備える。これにより、車両において、規格が異なるバッテリに交換された場合にもクラッキング時に適切な放電電力でバッテリを放電させることができ、そのときのバッテリ放電電流およびバッテリ放電電圧を検出することで、車両においてバッテリ放電特性を精度良く監視および診断することができる。
また、本発明に係る車載バッテリ放電装置およびこれを用いた車載バッテリ診断システムによれば、大型で高価な放電装置を必要とせずに、従来からの車載構成要素を用いて種々の規格のバッテリの放電特性を精度良く監視および診断することができる。
図1は、本発明の一実施形態である車載バッテリ放電装置を含むハイブリッド車両の概略構成図である。 図2は、図1のハイブリッド車両に搭載されるエンジンの部分断面図である。 図3は、クラッキング時におけるエンジン回転数とフリクショントルクとの関係を、スロットルバルブ全閉および全開の2つの状態について示すグラフである。 図4は、クラッキング時におけるエンジン回転数とフリクショントルクとの関係を、バッテリ放電電力とエンジンのポンピングロスとについて示すグラフである。 図5は、クランキング時のバッテリ放電電流の変動分を車載電気負荷によって消費させて安定化させる様子を示すグラフである。
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。
図1は、本発明の一実施形態である車載バッテリ放電装置10を含むハイブリッド車両1の概略構成を示す。図1中、動力伝達系は丸棒状の軸要素として図示され、電力系は実線で図示され、信号系は破線で図示されている。
ハイブリッド車両1は、走行用動力源としてのエンジン12と、別の走行用動力源である第2のモータ(図中「MG2」と表示)14と、エンジン12の出力軸18が連結される動力分配統合機構20を介して回転軸22が接続される第1のモータ24と、第1および第2のモータ24,14に駆動電力を供給可能なバッテリ16と、上記エンジン12およびモータ24,12の作動を統括的に制御するとともに、バッテリ16の放電特性を監視および診断する制御装置(診断装置、図1中「ECU(Electronic Control Unit)」と表示)とを備える。
エンジン12は、ガソリン等を燃料とする内燃機関であり、制御装置26からの指令に基づき始動、運転、停止等が制御される。また、エンジン12から動力分配統合機構20へと延伸する出力軸18の近傍にはエンジン回転数を測定するエンジン回転数センサ28が設けられており、このセンサ28により検出されるエンジン回転数Neが制御装置26に入力されるようになっている。
動力分配統合機構20は、例えば遊星歯車機構によって好適に構成されることができる。エンジン12から出力軸18を介して動力分配統合機構20に入力された動力は、減速機30および車軸32を介して駆動輪34に伝達されて、車両1がエンジン動力によって走行することができる。
また、動力分配統合機構20は、出力軸18を介して入力されるエンジン12の動力の一部または全部を、回転軸22を介して第1のモータ24に入力することができる。このとき、例えば三相同期型交流モータによって好適に構成される第1のモータ24は発電機として機能し、発電された三相交流電圧がインバータ36によって直流電圧に変換された後、バッテリ16に充電されることができる。
また、第1のモータ24は、バッテリ16からインバータを介して供給された電力により回転駆動される電動機としても機能することができ、第1のモータ24が回転駆動されて回転軸22に出力される動力は動力分配統合機構20および出力軸18を介してエンジン12に入力され、エンジン12を始動させる際にエンジン12をクラッキングさせる。すなわち、第1のモータ24は、セルモータとして機能する。
主として電動機として機能する第2のモータ14は、例えば三相同期型交流モータによって好適に構成されることができ、バッテリ16から供給される直流電圧がインバータ38で三相交流電圧に変換されて駆動電圧として印加されることにより回転駆動される。第2のモータ14が駆動されて回転軸15に出力される動力は、減速機30および車軸32を介して駆動輪34に伝達され、これにより電動走行またはEV走行が可能になる。
また、第2のモータ14は、車両の回生制動時に発電機として機能することができ、駆動輪34から減速機30および回転軸15を介して入力される動力によって交流電力を発電する。第2のモータ14で発電されて出力される三相交流電圧は、インバータ38によって直流電圧に変換された後、バッテリ16に充電されることができる。
インバータ36,38は、上述したように双方向の交流・直流変換機能を有する公知構成のものを用いることができる。また、第1のモータ24によって発電された電力をインバータ36からインバータ38に直に供給して、第2のモータ14の駆動電力として用いることもできる。
バッテリ16には、充放電可能な二次電池、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛電池等を好適に用いることができる。バッテリ16には、端子間電圧(以下、適宜に「バッテリ電圧」という)Vbを検出する電圧センサ(バッテリ放電検出部)40と、バッテリ16に出入りする電流(以下、適宜に「バッテリ電流」という)Ibを検出する電流センサ(バッテリ放電検出部)42とが設けられている。各センサ40,42による検出値は、制御装置(放電電力設定部および診断装置)26に入力されてバッテリ16のSOC(State Of Charge)を管理するために用いられるとともに、後述するようにバッテリ16の放電特性を監視および診断するために用いられる。
制御装置26は、制御プログラムを実行するCPU、制御プログラム等を予め記憶するROM、各センサ40,42による検出値やバッテリ16の放電特性を一時的に記憶するRAM等の含むマイクロコンピュータとして好適に構成されることができる。制御装置26は、エンジン回転数Ne、バッテリ電流Ib、バッテリ電圧Vb、アクセル開度信号Acc、車速Sv、バッテリ放電電力に関する情報Pin等が入力される入力ポート、ならびに、エンジン12およびインバータ36,38の作動を制御する制御信号を出力する出力ポートを含む入出力インターフェースを有する。
なお、上述した構成のうち、第1のモータ24、バッテリ16、電圧センサ40、電流センサ42、および、制御装置26の一部が本実施形態の車載バッテリ放電装置10を構成し、この車載バッテリ放電装置10と制御装置26の更なる一部とが本実施形態における車載バッテリ診断装置を構成する。
図2は、エンジン12を構成する複数のシリンダのうちの1つのシリンダ50を示す部分断面である。円筒状をなすシリンダ50の内部空間52には、円柱状のピストン54がシリンダ50の軸方向に摺動可能に収容されている。ピストン54は、コンロッド57を介してクランクシャフト59に連結されている。そして、クランクシャフト59が上記出力軸18に連結されている。
シリンダ50の上部には、上記内部空間52に吸気ポート56および排気ポート58を介してそれぞれ連通する吸気通路60および排気通路62が接続されている。吸気ポート56および排気ポート58には、吸気バルブ64および排気バルブ66が開放可能に設置されている。吸気バルブ64および排気バルブ66は、制御装置26からの制御信号を受けて駆動されるバルブアクチュエータ68,70によって駆動されることにより、吸気ポート56および排気ポート58の各開閉タイミングが制御されるようになっている。
また、吸気ポート56と排気ポート58の間に位置するシリンダ50の上部には、点火プラグ72が配置されている。点火プラグ72は、制御装置26からの点火信号を受けて、吸気バルブ64および排気バルブ66の各開閉動作、および、シリンダ50内でのピストン54の往復動作に同期するタイミングでスパークし、これにより吸気ポート56を介してシリンダ50内に吸気された燃料および空気の混合気に点火して爆発させるものである。
さらに、吸気通路60内には、スロットルバルブ74が開閉可能に設けられている。スロットルバルブ74は、駆動モータ76によって吸気通路60を開閉するように回転駆動される。駆動モータ76は、上記アクセル開度信号Accに応じて制御装置26から送信される駆動信号にしたがってスロットルバルブ74を開閉駆動する。図2において、スロットルバルブの全閉位置が実線で示され、その全開位置が破線で示されている。
続いて、上記構成を有するハイブリッド車両1の動作について簡単に説明する。
ユーザによってスタートスイッチ(図示せず)がオン操作されると、バッテリ16からインバータ36を介して第1のモータ24に電力供給されて駆動されて、エンジン12がクランキングされる。また、これと同時に、エンジン12には、スロットルバルブ74の開度に応じて燃料および空気の混合気が吸気ポート56を介してシリンダ50内に吸気され、点火プラグ72のスパークによって点火および爆発が生じ、これによりエンジン12が始動する。その後、発進時に車両がEV走行する場合、エンジン12は暖機運転を終了すると運転停止されることになる。
車両速度Svが低速域から中速域にかけては、ユーザによるアクセル踏み込み量に応じた車両加速度が比較的緩やかな場合、バッテリ16に出力制限がかかっていないことを条件に、バッテリ16からインバータ38を介して電力供給されて第2のモータ14が駆動され、これによりEV走行が行われる。これに対し、車両速度Svが中速域から高速域になった場合、あるいは、ユーザのアクセル操作により比較的大きな車両加速要求がある場合等に、エンジン12を運転して走行用動力を出力させる。
また、制御装置26は、バッテリ16のSOCが例えば40〜80%内に維持されるように常時監視および制御しており、SOCが低下して40%以下になるとエンジン12の動力によって第1のモータ24を駆動して発電させ、その発電電力をバッテリ16に充電してSOCを回復させる制御を実行する。
上述したようなハイブリッド車両1では、経時的劣化等に起因してバッテリ16の放電性能が低下し、車両の走行に支障を来たすような場合には、ユーザまたはディーラの作業員によって新品に交換されることがある。そのとき、交換前に搭載されていたバッテリ16とは異なる規格、例えば5時間容量率(JIS D 5301、単位:Ah)が異なるバッテリ16に交換されることがあり得る。そのような場合、新たに搭載されたバッテリ16の放電特性を調べて、車両1の制御装置26に記憶させておくことがバッテリ管理上必要となる。
このように異なる規格のバッテリ16が搭載された場合、バッテリ16の放電特性を調べるための放電電力は、その規格に応じた放電電流に基づく放電電力量とすることがバッテリ16の放電特性測定の精度向上を図るうえで好ましい。ディーラ等でバッテリ16の放電特性を調べようとするとバッテリ放電装置が必要になるが、このようなバッテリ放電装置は大型で高価なものであるため、取り扱いが容易でかつ安価な構成でバッテリ放電特性を精度良く調べられることが望ましい。
そこで、本実施形態の車載バッテリ放電装置10およびそれを含む車載バッテリ診断システムでは、下記のようにしてバッテリ16の放電特性の監視および診断を行う。
バッテリ16が新品のものに交換されたとき、その新品のバッテリ16の放電特性に関する情報Pinが制御装置26に入力される。この入力は、例えばバッテリ交換を行ったディーラの作業員によって行われることができる。上記作業員は、携帯端末を制御装置26に接続することによって新しいバッテリ16の放電特性に関する情報Pinを入力することができる。入力された情報Pinは、制御装置26を構成するRAMに記憶され、後述するようにエンジン12のクラッキング時に検出されるバッテリ16の放電特性の監視および診断に用いられる。また、上記新しいバッテリ16の放電特性に関する情報Pinは、ユーザによって車載入力装置、例えばナビゲーション装置のタッチパネル式表示部を介して入力されてもよい。
上記バッテリ16の放電特性に関する情報Pinには、例えば、バッテリ16の定格電圧(V)と、5時間率容量(Ah)とが含まれる。これらの情報が入力されると、制御装置26は、そのCPUにおいて、定格電圧と5時間率容量の5分の1とを乗算することによってバッテリ放電電力を算出して、クラッキング時の放電電力として設定する。
具体例として、バッテリ16の定格電圧が200Vで5時間率容量が100Ahである場合にはバッテリ放電電力は200×(100×1/5)=4kWに設定され、また、定格電圧が200Vで5時間率容量が200Ahである場合にはバッテリ放電電力は同様に演算されて8kWに設定され、さらに、定格電圧が200Vで5時間率容量が400Ahである場合にはバッテリ放電電力は同様に演算されて16kWに設定されることになる。
なお、上記ではバッテリ放電特性に関する情報として、バッテリの定格電圧および容量が入力され、これらに基づいてバッテリ放電電力を演算して求めるものとして説明するが、これに限定されず、バッテリ放電特性に関する情報としてバッテリ放電電力が直接入力されて設定されてもよい。
このようにしてバッテリ16のクラッキング時のバッテリ放電電力が設定されると、制御装置26は、クラッキング時にバッテリ放電電力が上記設定値となるようエンジン12の吸気バルブ64の開閉タイミングおよびスロットルバルブ74の開度の少なくとも一方を調節して、クラッキング時のエンジン回転トルクまたはエンジンフリクショントルクを変更する。
図3はクラッキング時におけるエンジン回転数(rpm)とエンジンフリクショントルク(N)との関係を、スロットルバルブ全閉および全開の2つの状態について示すグラフである。図3に示すように、クラッキング時におけるエンジン12のエンジンフリクショントルクは、クラッキング時のエンジン回転数が比較的低回転域にある場合にはスロットルバルブ74の全閉状態の方が同全開状態よりも大きくなり、クラッキング時のエンジン回転数が比較的高回転域になるとエンジンフリクショントルクはスロットルバルブ74が全開状態の方が同全閉状態よりも大きくなることが実験やシミュレーション等により判明している。本実施形態では、クランキング時のエンジン回転数は予め設定された一定値であるため、エンジン回転数が決まることでスロットルバルブ74の開閉状態をどのように設定すれば、所望のフリクショントルクが得られるかが分かる。また、スロットルバルブ74の開状態は、全開状態に限られず、中間的な開状態としてもよい。さらに、吸気バルブ64の開閉タイミングについては、通常のエンジン始動の際のクラッキングよりも多量の空気をシリンダ50内に取り込むように吸気ポート56を開放する時間を長くすることによってエンジン12をクラッキングさせる際のエンジンフリクショントルクが大きくなる。
制御装置26は、クラッキング時のフリクショントルクとバッテリ放電電力との関係、および、エンジンフリクショントルクとスロットルバルブ74の開度および吸気バルブ64の開閉タイミングとの関係を、予め実験等によって求められたデータとしてテーブル等の形式でROMに記憶しており、そのデータを参照することによって、設定されたバッテリ放電電力に対応するエンジンフリクショントルクとなるように吸気バルブの開閉タイミングやスロットルバルブの開度を調整することができる。なお、吸気バルブの開閉タイミングおよびスロットルバルブの開度のいずれか一方だけを調整して、エンジンフリクショントルクの変更を行ってもよい。
そして、制御装置26は、このようにしてエンジンフリクショントルクが設定された状態で、第1のモータ24を駆動してクランキングを行い、このときのバッテリ放電電力であるバッテリ電圧Vbおよびバッテリ電流Ibを各センサ40,42により検出する。ここでのクランキングはバッテリ放電電力を検出してバッテリ放電特性を取得するために行うものであるから、エンジン12に燃料を供給せずに所定時間(例えば、1秒程度)継続させる。その後、エンジンフリクショントルクを通常のエンジン始動時における状態に復帰させてエンジン12への燃料供給を開始して、エンジン12を始動させる。ただし、バッテリ放電特性を取得するためのクラッキング後に必ずしもエンジン12を始動させる必要はなく、バッテリ放電特性取得のためだけにエンジン12をクラッキングさせてもよい。
上記のようにエンジンフリクショントルクを調整して行ったクランキング時に検出されたバッテリ電圧Vbおよびバッテリ電流Ibから、交換後のバッテリ16についての放電特性、すなわちV−I特性を得ることができる。このようにして取得されたバッテリ放電特性が制御装置26のRAMに初期状態として記憶され、その後に実行されるバッテリ劣化度合いを診断する基準となる。その後、エンジン始動時のクラッキングごとに上記のようしてバッテリ放電特性を取得して、RAMに記憶された初期状態との比較によりバッテリ16の放電特性を監視および診断することができる。
このように、本実施形態の車載バッテリ放電装置10およびこれを含む車載バッテリ診断システムによれば、バッテリ交換作業者またはユーザ等によって外部から入力されたバッテリ放電特性に関する情報Pinに基づいてクラッキング時のエンジン回転トルク又はエンジンフリクショントルクを変更することによりクラッキング時のバッテリ放電電力を、バッテリ規格に応じた所望値に設定することができる。これにより、ハイブリッド車両1において、規格が異なるバッテリ16に交換された場合にもクラッキング時に適切な放電電力でバッテリを放電させることができ、そのときのバッテリ放電電流Ibおよびバッテリ放電電圧Vbを検出してバッテリ放電特性を取得することで、ハイブリッド車両1においてバッテリ放電特性を精度良く監視および診断することができる。
また、第1のモータ24によるエンジン12のクラッキング時のエンジン回転数を上げることが動力分配統合機構20のギヤ比等に起因して制限される場合があるが、本実施形態ではクラッキング時のエンジン回転トルクを増加させてバッテリ放電電力を大きくすることができるので、上記のようにクラッキング時のエンジン回転数が制限される場合に特に有効である。
さらに、本実施形態では、大型で高価な放電装置を必要とせずに、従来からの車載構成要素である吸気バルブ64やスロットルバルブ74を用いてクランキング時のエンジン回転トルクを調整することによりバッテリ規格に適合したバッテリ放電電力に基づいてバッテリ放電特性を精度良く監視および診断することができる。
なお、上記においては、エンジン始動時のクランキングごとにバッテリ放電特性を取得して監視および診断するものとして説明したが、これに限定されず、例えば所定回数ごとのエンジン始動時に上記バッテリ放電特性の監視および診断を行ってもよいし、エンジンの始動回数にかかわらず所定期間ごとに行ってもよいし、あるいは、不定期(例えば、ユーザ等がバッテリの劣化度合いチェックしておきたいと思ったとき)に行ってもよい。
次に、図4を参照して上記実施形態の変形例について説明する。図4は、クラッキング時におけるエンジン回転数(rpm)とエンジンフリクショントルク(N)との関係を、バッテリ放電電力とエンジンのポンピングロスとについて示すグラフである。
上記実施形態では、フリクショントルクを変更するために吸気バルブ64の開閉タイミングおよび/またはスロットルバルブ74の開度を調整したが、図4に示すように、通常のエンジン始動の際のクランキング時における吸気バルブ64の開閉タイミングのままでも、エンジン回転数Neが高回転になるほどポンピングロスおよびエンジンフリクショントルクが増加し、これに伴ってバッテリ放電電力も大きくなる関係にある。したがって、エンジン12のクラッキング時におけるエンジン回転数の増加が許容される範囲において、新たに交換されたバッテリ16の規格に見合ったバッテリ放電電力となるようクランキング時のエンジン回転数Neを変更してもよい。この場合、制御装置26は、入力されるバッテリ放電電力に関する情報Pinに基づいて算出されるバッテリ放電電力に応じたクランキング時のエンジン回転数Neを、ROMに記憶されたデータを参照して例えば符合「A」、「B」、または「C」で示す回転数を選択することができる。このように、クランキング時のエンジン回転数を変更することによってクランキング時のバッテリ放電電力を所望値に設定して、バッテリ放電特性を取得するようにしてもよい。
さらに、図5を参照して、上記実施形態の車載バッテリ放電装置およびこれを含む車載バッテリ診断システムの改良について説明する。図5は、クランキング時のバッテリ放電電流の変動分を車載電気負荷によって消費させて安定化させる様子を示すグラフである。
図5に示すように、クランキング時に電流センサ42で検出されるバッテリ電流Ibは、クランキング時にエンジン12を回転させる第1のモータ24の回転に伴って波打つように変動する。その変動分ΔIbを、ハイブリッド車両1に搭載された電気負荷である別のモータ、例えば第2のモータ14で消費させる制御を実行する。具体的には、制御装置26は、上記電流変動分ΔIbに相当するモータ電流を第2のモータ14に流すようにインバータ38を作動させる。このとき、車両1は停車した状態にあり、上記のようなモータ電流を流すことで第2のモータ14にトルクを発生させるのは好ましくないため、上記モータ電流がd軸電流すなわち励磁電流のみとなるようにインバータ38を作動させるのが好ましい。ただし、トルクが生じても不都合が生じない別の車載モータ、例えば電動エアコン用のモータであれば通常のインバータ制御を行えばよい。
このようにバッテリ電流Ibの変動分ΔIbを第1のモータ以外の別の車載モータで消費させることで、バッテリ電流Ibを図5中に破線で示すように安定化させることができ、これにより上記のように取得されるバッテリ放電特性の精度を向上させることができると共に、これに基づくバッテリ放電特性の診断精度も向上させることができる。
なお、上記においては、本発明の実施形態がハイブリッド車両に適用された例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、エンジンのみを走行用動力源として有する車両に適用されてもよい。
1 ハイブリッド車両、10 車載バッテリ放電装置、12 エンジン、14 第2のモータ、15 回転軸、16 バッテリ、18 出力軸、20 動力分配統合機構、22 回転軸、24 第1のモータ、26 制御装置、28 エンジン回転数センサ、30 減速機、32 車軸、34 駆動輪、36,38 インバータ、40 電圧センサ、42 電流センサ、50 シリンダ、52 内部空間、54 ピストン、56 吸気ポート、57 コンロッド、58 排気ポート、59 クランクシャフト、60 吸気通路、62 排気通路、64 吸気バルブ、66 排気バルブ、68,70 バルブアクチュエータ、72 点火プラグ、74 スロットルバルブ、76 駆動モータ。

Claims (4)

  1. 車両に搭載されるエンジンをクラッキングするために駆動されるモータと、クラッキング時に前記モータを駆動するための電力を放電する充電可能なバッテリと、クラッキング時におけるバッテリ放電電流およびバッテリ放電電圧を検出するバッテリ放電検出部と、外部からの入力に応じて、前記クラッキング時のエンジン回転トルクおよびエンジン回転数の少なくとも1つを変更することにより前記クラッキング時のバッテリ放電電力を所望値に設定可能な放電電力設定部と、を備える車載バッテリ放電装置。
  2. 請求項1に記載の車載バッテリ放電装置において、
    前記放電電力設定部は、エンジンの吸気バルブの開閉タイミングおよび/またはスロットルバルブ開度を調整することによりクラッキング時のエンジン回転トルクを変更することを特徴とする車載バッテリ放電装置。
  3. 請求項1に記載の車載バッテリ放電装置と、
    前記放電電力検出部による検出結果に基づいてバッテリ放電特性を診断する診断装置とを備える、車載バッテリ診断システム。
  4. 請求項3に記載の車載バッテリ診断システムにおいて、
    前記診断装置は、前記放電電力検出部によって検出されるクラッキング時のバッテリ放電電力の変動分を、車載された別のモータで消費させる制御を実行することを特徴とする車載バッテリ診断システム。
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