JP2005233160A - 駆動装置およびその制御方法並びに自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トルクリミッタが取り付けられたダンパを介してエンジンにモータが接続された駆動系の共振現象の発生に伴う破損などの不具合を防止する。
【解決手段】 始動指示によりエンジンがモータリングされている最中にエンジン回転数Neの回転変動Yが閾値Yrefを越えたとき(S106)、リセットされないカウンタC1を値1だけカウントアップすると共に回転変動Yが閾値Yref以下となった時点でリセットされるカウンタC2を値1だけカウントアップし(S112)、カウンタC1が閾値C1refよりも大きくなったときやカウンタC2が閾値C2refよりも大きくなったときに、エンジンの始動を停止する。これにより、共振現象により蓄積された疲労や過大な共振現象の発生による駆動系の振動や破損などの不具合を防止できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、駆動装置およびその制御方法並びに自動車に関し、詳しくは、内燃機関と、ダンパおよび/またはトルクリミッタを介して前記内燃機関に動力を出力可能な電動機とを備える駆動装置およびその制御方法並びに駆動装置を搭載し駆動軸に車軸が連結されて走行する自動車に関する。
従来、この種の駆動装置としては、ダンパを介して内燃機関の出力軸に接続された電動機により内燃機関をモータリングして始動するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この駆動装置では、内燃機関のモータリングの最中に内燃機関とダンパと電動機とからなる系のねじりの共振エネルギが所定値以上となった状態で内燃機関の回転数が共振現象が生じる回転数領域に所定時間以上に亘って留まったときに、過度の共振を防止するためにモータリングを停止している。
特開平10−82332号公報
このように、内燃機関とダンパと電動機とからなる駆動系には共振現象を生じさせる回転数領域があり、電動機による内燃機関のモータリングによりその回転数領域を通過する際に共振現象が発生する場合がある。共振現象の発生は駆動系の耐久性に大きな影響を与えるため、共振現象の発生に対して駆動系を保護する必要がある。この点、駆動系の部材の強度を強化すれば共振現象の発生に対する駆動系の耐久性を向上させることができるが、重量が増加しコスト的にも不適である。
本発明の駆動装置およびその制御方法並びに自動車は、内燃機関をモータリングする際の共振現象から駆動系を保護することを目的の一つとする。また、本発明の駆動装置およびその制御方法並びに自動車は、共振現象の発生に対してより適切なタイミングで内燃機関のモータリングを停止することを目的の一つとする。
本発明の駆動装置およびその制御方法並びに自動車は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の駆動装置は、
内燃機関と、ダンパおよび/またはトルクリミッタを介して前記内燃機関に動力を出力可能な電動機とを備える駆動装置であって、
前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
該回転数検出手段により検出される回転数に基づいて前記内燃機関と前記ダンパおよび/またはトルクリミッタと前記電動機とを含む駆動系の共振現象の発生を検出する共振検出手段と、
該共振検出手段により前記共振現象の発生が検出された回数または時間を積算した積算値を計測する積算値計測手段と、
前記内燃機関の始動が指示されたとき、該内燃機関がモータリングされるよう前記電動機を駆動制御すると共に該内燃機関が始動するよう該内燃機関を駆動制御する始動時制御手段と、
前記内燃機関がモータリングされている最中に前記積算値計測手段により計測された積算値が第1所定値を越えたとき、前記始動時制御手段に拘わらず前記内燃機関のモータリングを停止するモータリング停止手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の駆動装置では、内燃機関とダンパやトルクリミッタと電動機とを含む駆動系への共振現象の発生が検出されたとき、共振現象の発生を検出した回数や時間を積算した積算値を計測し、始動が指示されて内燃機関がモータリングされている最中に計測した積算値が第1所定値を越えたとき、内燃機関のモータリングを停止する。共振現象の発生を検出した回数や時間の積算値は、共振現象により駆動系に蓄積された疲労の程度とみなすことができるから、疲労限界に達する前にモータリングを停止でき、共振現象による駆動系の不具合の発生(例えば、振動やこもり音の発生や破損など)を抑制することができる。
こうした本発明の第1の駆動装置において、前記共振検出手段により前記共振現象の発生が連続して検出された回数または時間としての連続値を計測する連続値計測手段を備え、前記モータリング停止手段は、前記連続値計測手段により計測された連続値が第2所定値を越えたとき、前記積算値計測手段により計測された積算値が前記第1所定値を越えたか否かに拘わらず前記内燃機関のモータリングを停止する手段であるものとすることもできる。こうすれば、過大な共振現象の発生を防止することができる。
本発明の第2の駆動装置は、
内燃機関と、ダンパおよび/またはトルクリミッタを介して前記内燃機関に動力を出力可能な電動機とを備える駆動装置であって、
前記内燃機関のモータリングの困難性に関係する前記駆動装置の状態を検出する状態検出手段と、
該検出された駆動装置の状態に基づいて前記電動機により前記内燃機関をモータリングしたときに前記内燃機関と前記ダンパおよび/またはトルクリミッタと前記電動機とを含む駆動系に共振現象が発生する可能性を予測する共振可能性予測手段と、
前記内燃機関の始動が指示されたとき、該内燃機関をモータリングするよう前記電動機を駆動制御すると共に該内燃機関を始動するよう該内燃機関を駆動制御する始動時制御手段と、
前記内燃機関の始動が指示されたときに前記共振可能性予測手段により前記共振現象が発生する可能性が大きいと予測されたとき、前記内燃機関の始動の指示に拘わらず前記内燃機関のモータリングを禁止するモータリング禁止手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の駆動装置では、内燃機関のモータリングの困難性に関係する駆動装置の状態に基づいて電動機により内燃機関をモータリングしたときに内燃機関とダンパやトルクリミッタと電動機とを含む駆動系に共振現象が発生する可能性を予測し、内燃機関の始動が指示されたときに駆動系に共振現象が発生する可能性が大きいと予測されたとき、内燃機関の始動の指示に拘わらず内燃機関のモータリングを禁止する。したがって、内燃機関をモータリングする際に駆動系に共振現象が発生するのを未然に防止することができ、共振現象による駆動系の不具合の発生を防止することができる。
こうした本発明の第2の駆動装置において、前記共振可能性予測手段は、前記検出された駆動装置の状態と基準状態との比較により前記駆動系に共振現象が発生する可能性を予測する手段であり、更に、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、該検出された内燃機関の回転数に基づいて前記駆動系の共振現象の発生を検出する共振検出手段と、前記共振可能性予測手段により駆動系に共振現象が発生する可能性が小さいと予測したにも拘わらず前記始動時制御手段により前記内燃機関をモータリングしたときに前記共振検出手段により前記共振現象の発生が検出されたとき、前記基準状態を変更する基準状態変更手段とを備えるものとすることもできる。こうすれば、同様の駆動装置の状態で次に内燃機関の始動が指示されたときの駆動系への共振現象の発生の可能性をより正確に予測することができる。
また、本発明の第2の駆動装置において、前記状態検出手段は、前記内燃機関の温度,前記電動機と電力をやり取りする蓄電装置の温度,前記蓄電装置の残容量,前記駆動装置の経年劣化度,前記電動機を含む電気駆動系の温度,外気温の少なくとも一つを検出する手段であるものとすることもできる。ここで、「経年劣化度」には、駆動軸の駆動時間や駆動軸の駆動距離などが含まれる。
本発明の第1または第2の駆動装置において、前記内燃機関の出力軸と前記電動機の回転軸と駆動軸とに接続された遊星歯車機構を備え、前記ダンパおよび/またはトルクリミッタは、前記内燃機関と前記遊星歯車機構との間に介在してなるものとすることもできる。この態様の本発明の第1または第2の駆動装置において、前記駆動軸に動力を出力可能な駆動軸用電動機と、前記内燃機関のモータリングが停止または禁止されたとき、前記駆動軸に要求される要求動力に見合う動力が前記駆動軸用電動機から出力されるよう該駆動軸用電動機を駆動制御する停止禁止時制御手段とを備えるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関のモータリングを停止したり禁止したりしたときでも要求動力に対応する動力を駆動軸に出力できる。
本発明の自動車は、
上述の各態様のいずれかの本発明の第1または第2の駆動装置、即ち、基本的には、内燃機関と、ダンパおよび/またはトルクリミッタを介して前記内燃機関に動力を出力可能な電動機とを備える駆動装置であって、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、該回転数検出手段により検出される回転数に基づいて前記内燃機関と前記ダンパおよび/またはトルクリミッタと前記電動機とを含む駆動系の共振現象の発生を検出する共振検出手段と、該共振検出手段により前記共振現象の発生が検出された回数または時間を積算した積算値を計測する積算値計測手段と、前記内燃機関の始動が指示されたとき該内燃機関がモータリングされるよう前記電動機を駆動制御すると共に該内燃機関が始動するよう該内燃機関を駆動制御する始動時制御手段と、前記内燃機関がモータリングされている最中に前記積算値計測手段により計測された積算値が第1所定値を越えたとき前記始動時制御手段に拘わらず前記内燃機関のモータリングを停止するモータリング停止手段とを備える駆動装置、または、内燃機関と、ダンパおよび/またはトルクリミッタを介して前記内燃機関に動力を出力可能な電動機とを備える駆動装置であって、前記内燃機関のモータリングの困難性に関係する前記駆動装置の状態を検出する状態検出手段と、該検出された駆動装置の状態に基づいて前記電動機により前記内燃機関をモータリングしたときに前記内燃機関と前記ダンパおよび/またはトルクリミッタと前記電動機とを含む駆動系に共振現象が発生する可能性を予測する共振可能性予測手段と、前記内燃機関の始動が指示されたとき該内燃機関をモータリングするよう前記電動機を駆動制御すると共に該内燃機関を始動するよう該内燃機関を駆動制御する始動時制御手段と、前記内燃機関の始動が指示されたときに前記共振可能性予測手段により前記共振現象が発生する可能性が大きいと予測されたとき前記内燃機関の始動の指示に拘わらず前記内燃機関のモータリングを禁止するモータリング禁止手段とを備える駆動装置を搭載し、駆動軸に車軸が連結されて走行する
ことを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述の各態様のいずれかの本発明の第1または第2の駆動装置を搭載するから、本発明の第1の駆動装置や第2の駆動装置と同様の効果を奏することができる。
本発明の第1の駆動装置の制御方法であって、
内燃機関と、ダンパおよび/またはトルクリミッタを介して前記内燃機関に動力を出力可能な電動機とを備える駆動装置の制御方法であって、
(a)前記内燃機関の回転数を検出し、
(b)該ステップ(a)により検出される回転数に基づいて前記内燃機関と前記ダンパおよび/またはトルクリミッタと前記電動機とを含む駆動系の共振現象の発生を検出し、
(c)該ステップ(b)により前記共振現象の発生が検出された回数または時間を積算した積算値を計測し、
(d)前記内燃機関の始動が指示されたとき、該内燃機関がモータリングされるよう前記電動機を駆動制御すると共に該内燃機関が始動するよう該内燃機関を駆動制御し、
(e)前記内燃機関がモータリングされている最中に前記積算値計測手段により計測された積算値が第1所定値を越えたとき、前記ステップ(d)に拘わらず前記内燃機関のモータリングを停止する
ことを要旨とする。
この本発明の第1の駆動装置の制御方法では、内燃機関とダンパやトルクリミッタと電動機とを含む駆動系への共振現象の発生が検出されたとき、共振現象の発生を検出した回数や時間を積算した積算値を計測し、始動が指示されて内燃機関がモータリングされている最中に計測した積算値が第1所定値を越えたとき、内燃機関のモータリングを停止する。共振現象の発生を検出した回数や時間の積算値は、共振現象により駆動系に蓄積された疲労の程度とみなすことができるから、疲労限界に達する前にモータリングを停止でき、共振現象による駆動系の不具合の発生(例えば、振動やこもり音の発生や破損など)を抑制することができる。
本発明の第2の駆動装置の制御方法であって、
内燃機関と、ダンパおよび/またはトルクリミッタを介して前記内燃機関に動力を出力可能な電動機とを備える駆動装置の制御方法であって、
(a)前記内燃機関のモータリングの困難性に関係する前記駆動装置の状態を検出し、
(b)該検出された駆動装置の状態に基づいて前記電動機により前記内燃機関をモータリングしたときに前記内燃機関と前記ダンパおよび/またはトルクリミッタと前記電動機とを含む駆動系に共振現象が発生する可能性を予測し、
(c)前記内燃機関の始動が指示されたとき、該内燃機関をモータリングするよう前記電動機を駆動制御すると共に該内燃機関を始動するよう該内燃機関を駆動制御し、
(d)前記内燃機関の始動が指示されたときに前記ステップ(b)により前記共振現象が発生する可能性が大きいと予測されたとき、前記内燃機関の始動の指示に拘わらず前記内燃機関のモータリングを禁止する
ことを要旨とする。
この本発明の第2の駆動装置の制御方法では、内燃機関のモータリングの困難性に関係する駆動装置の状態に基づいて電動機により内燃機関をモータリングしたときに内燃機関とダンパやトルクリミッタと電動機とを含む駆動系に共振現象が発生する可能性を予測し、内燃機関の始動が指示されたときに駆動系に共振現象が発生する可能性が大きいと予測されたとき、内燃機関の始動の指示に拘わらず内燃機関のモータリングを禁止する。したがって、内燃機関をモータリングする際に駆動系に共振現象が発生するのを未然に防止することができ、共振現象による駆動系の不具合の発生を防止することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態としての駆動装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、トルクリミッタが取り付けられたダンパ28を介してエンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26に接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、駆動装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の回転数を検出する回転数センサ23aやエンジン22(冷却水)の温度を検出する温度センサ23bなどのエンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号やモータMG1の温度を検出する温度センサ45からのモータ温度tm、インバータ41の温度を検出する温度センサ46からのインバータ温度tinv、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からのバッテリ温度tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,外気温を検出する温度センサ89からの外気温tairなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン22を始動する際の動作について説明する。図2は、実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の始動が指示されたときに実行される。
始動時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、モータMG1によるエンジン22のモータリングを開始する処理を行なう(ステップS100)。この処理は、ハイブリッド用電子制御ユニット70からモータリングの指令信号をモータECU40に送信することにより、モータECU40がモータMG1からエンジン22のモータリングに必要なトルクを出力するようモータMG1を駆動制御すると共にこのトルクの出力によりリングギヤ軸32aに作用するトルクをキャンセルするトルクをモータMG2から出力するようモータMG2を駆動制御することにより行なわれる。
次に、エンジン22の回転数Neを入力し(ステップS102)、回転数Neの変動(回転変動)Yを抽出する(ステップS104)。エンジン22の回転数Neの入力は、例えば、エンジン22のクランクシャフト26に取り付けられた回転数センサ23aにより検出されたものをエンジンECU24から通信により入力することにより行なうことができる。また、回転変動Yは、例えば、回転数Neに対して共振現象を生じさせる周波数領域のみを通過させるバンドパスフィルタを作用させることにより抽出することができる。
回転変動Yを抽出すると、回転変動Yと閾値Yrefとを比較する(ステップS106)。ここで、閾値Yrefは、エンジン22やトルクリミッタが取り付けられたダンパ28,動力分配統合機構30,モータMG1などからなる駆動系に共振現象が発生しているか否かを判定するために設定される閾値であり、駆動系によって定めることができる。回転変動Yが閾値Yref以下のときには、駆動系に共振現象は発生していないと判断して、カウンタC1をクリアして(ステップS108)、エンジン22の始動が完了(完爆)したか否かを判定し(ステップS110)、エンジン22の始動が完了しているときにはそのまま本ルーチンを終了し、エンジン22の始動が完了していないときにはエンジン22の回転数Neを入力するステップS102の処理に戻る。カウンタC1については後述する。
回転変動Yが閾値Yrefより大きいときには、駆動系に共振現象が発生していると判断し、カウンタC1,C2をそれぞれ値1だけカウントアップする(ステップS112)。ここで、カウンタC1は、駆動系に共振現象が連続して発生したときの連続時間を計測するためのカウンタであり、前述したように回転変動Yが閾値Yref以下となったときに値0にリセットされる。共振現象は連続して発生している時間が長くなるほど大きく現れる傾向にあるから、カウンタC1は、駆動系に生じた共振現象の大きさとして考えることができる。また、カウンタC2は、駆動系に共振現象が発生した時間を積算した積算時間を計測するためのカウンタであり、回転変動Yが閾値Yref以下となったりイグニッションスイッチ80がオフされてもリセットされずに値がそのまま保持される。したがって、カウンタC2の値は、共振現象の発生によって駆動系に現在蓄積されている疲労の程度として考えることができる。
そして、カウンタC1と閾値C1refとを比較すると共にカウンタC2と閾値C2refとを比較する(ステップS114)。カウンタC1が閾値C1ref以下であり且つカウンタC2が閾値C2ref以下であるときには、ステップS102のエンジン22の回転数Neを入力する処理に戻り、カウンタC1が閾値C1refより大きいときやカウンタC2が閾値C2refより大きいときには、モータMG1によるモータリングの停止によりエンジン22の始動を停止して(ステップS116)、本ルーチンを終了する。ここで、閾値C1refは、共振現象の発生により疲労が蓄積して駆動系に疲労破壊などの不具合が生じるのを防止するためにエンジン22の始動を停止する必要があるか否かを判定するために設定されるものであり、閾値C2refは、過大な共振現象の発生により駆動系に破損などの不具合が生じるのを防止するためにエンジン22の始動を停止する必要があるか否かを判定するために設定されるものである。このように、カウンタC1が閾値C1refより大きくなったり、カウンタC2が閾値C2refより大きくなったときに、エンジン22の始動を停止することにより、共振現象の発生に伴う駆動系の不具合の発生を未然に防止しているのである。
次に、図2の始動時制御ルーチンのステップS116によりエンジン22の始動停止が行なわれた際の動作について説明する。図3は、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72により実行されるエンジン始動停止時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の始動停止が行なわれたときから所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。なお、図2の始動時制御ルーチンのステップS214によりエンジン22の始動が完了したときには前述したトルク変換運転モードや充放電運転モードによる運転が行なわれる。
エンジン始動停止時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速Vなどのデータを入力し(ステップS150)、入力したアクセル開度APと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS152)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度APと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度APと車速Vとが与えられるとマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。要求トルクTr*が設定されると、設定した要求トルクTr*を減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべき目標トルクTm2*を設定して(ステップS154)、目標トルクTm2*でモータMG2を駆動制御する処理を行なって(ステップS156)、本ルーチンを終了する。これにより、始動指示に拘わらずエンジン22の始動を停止したときでも要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに出力して走行することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22をモータリングした際のエンジン22の回転変動Yが閾値Trefを越えた時間の積算値を示すカウンタC1が閾値C1refを越えたときにエンジン22の始動を停止するから、共振現象による疲労の蓄積により駆動系に振動や破損などの不具合が生じるのを未然に防止することができる。しかも、回転変動Yが閾値Yrefを連続して越えた連続時間を示すカウンタC2が閾値C2refを越えたときには、カウンタC1に拘わらずエンジン22の始動を停止するから、過大な共振現象の発生による駆動系の不具合の発生を防止することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、回転変動Yが閾値Yref以下となったりイグニッションスイッチ80がオフされてもリセットされないカウンタC1と回転変動Yが閾値Yref以下となったときにリセットされるカウンタC2とを回転変動Yが閾値Yrefを越える毎にカウントアップし、このときのカウンタC1,C2の値に基づいてエンジン22の始動を停止する必要があるか否かを判定したが、カウンタC1の値のみを用いてエンジン22を停止する必要があるか否かを判定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、図2の始動時制御ルーチンを用いてエンジン22を始動するものとしたが、図2の始動時制御ルーチンに代えて図4に例示する始動時制御ルーチンを用いてエンジン22を始動するものとしてもよい。この始動時制御ルーチンでは、まず、エンジン温度teやモータ温度tm,インバータ温度tinv,バッテリ温度tb,残容量SOC,外気温tair,走行距離ldなどのデータを入力し(ステップS200)、エンジン温度teが閾値terefよりも低いか否か,モータ温度tmが閾値tmrefよりも高いか否か、インバータ温度tinvが閾値tirefよりも高いか否か,バッテリ温度tbが上限値と下限値とにより定まる適正温度範囲(閾値tbref)外にあるか否か,残容量SOCが閾値Srefよりも小さいか否か,走行距離ldが閾値ldrefよりも長いか否かをそれぞれ判定し(ステップS202)、駆動系に共振現象が発生する可能性が大きいか否かを判定する(ステップS204)。ここで、エンジン温度teは、温度センサ23により検出されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータ温度tmとインバータ温度tinvは、それぞれ温度センサ45と温度センサ46により検出されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。バッテリ温度tbは、温度センサ51により検出されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。残容量SOCは、電流センサにより検出された充放電電流により演算されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。走行距離ldは、車速センサ88により検出された車速Vの積算値を用いた。閾値teref,閾値tmref,閾値tiref,閾値tbref,閾値Sref,閾値taref,閾値ldrefは、エンジン22の温度(エンジン温度te)や外気温tair,経年劣化(走行距離ld)によりエンジン22のフリクションが大きいときやモータMG1の温度やインバータ41の温度によりモータMG1からの出力が制限されたとき、バッテリ50の温度(バッテリ温度tb)や残容量SOCによりバッテリ50からの出力が制限されたときなどのエンジン22のモータリングが困難な場合に駆動系に共振現象が発生する可能性が大きいと予測するための閾値であり、エンジン22やモータMG1,動力分配統合機構30などにより定められる。
駆動系に共振現象が発生する可能性が大きいと判定されたときには、エンジン22のモータリングを行なうことなく、そのまま本ルーチンを終了する。これにより、駆動系の共振現象の発生を未然に防止することができる。このとき、エンジン22の始動が指示されているにも拘わらずエンジン22を始動しないことになるから、図3に例示するエンジン始動停止時駆動制御ルーチンと同様の処理により、モータMG2からリングギヤ軸32aに要求される要求トルクに見合うトルクを出力して走行することになる。
一方、駆動系に共振現象が発生する可能性が小さいと判定されると、エンジン22のモータリングを開始して(ステップS206)、エンジン回転数Neを入力すると共に(ステップS208)、その回転変動Yを抽出し(ステップS210)、抽出した回転変動Yと閾値Yrefとを比較する(ステップS212)。回転変動Yが閾値Yref以下のときには、エンジン22の始動が完了したか否かを判定し(ステップS214)、エンジン22の始動が完了したときには本ルーチンを終了し、エンジン22の始動が完了していないときにはステップS208のエンジン回転数Neを入力する処理に戻る。回転変動Yが閾値Yrefより大きいときには、閾値teref,閾値tmref,閾値tiref,閾値tbref,閾値Sref,閾値taref,閾値ldrefを変更する処理を行なう(ステップS216)。この処理は、駆動系に共振現象が発生する可能性が小さいと判定したにも拘わらず回転変動Yが閾値Yrefを越えている状態であるから、同様の状態で次回に本ルーチンを実行を開始する際にステップS204で駆動系に共振現象が発生する可能性が大きいと判定されるよう閾値を変更する処理である。これにより、共振現象の発生の可能性をより正確に予測することができる。
そして、カウンタC3を値1だけカウントアップして(ステップS218)、カウンタC3と閾値C3refとを比較し(ステップS220)、カウンタC3が閾値C3ref以下のときにはステップS208のエンジン回転数Neを入力する処理に戻り、カウンタC3が閾値C3ref未満のときにはエンジン22のモータリングを停止することによりエンジン22の始動を停止して(ステップS222)、本ルーチンを終了する。
このように、エンジン22をモータリングする前にエンジン温度teやモータ温度tm,インバータ温度tinv,バッテリ温度tb,残容量SOC,外気温tair,走行距離ldなどのデータと対応する閾値teref,閾値tmref,閾値tiref,閾値tbref,閾値Sref,閾値taref,閾値ldrefとを比較することにより駆動系への共振現象の発生の可能性を予測し、その可能性が大きいときにはエンジン22のモータリングを禁止するから、駆動系の共振現象の発生を未然に防止することができる。しかも、共振現象の発生の可能性が小さいと判定したにも拘わらず回転変動Yが閾値Yrefを越えたときには、閾値teref,閾値tmref,閾値tiref,閾値tbref,閾値Sref,閾値taref,閾値ldrefを変更するから、次回にエンジン22をモータリングする際の共振現象の発生の可能性をより正確に予測することができる。
図4の始動時制御ルーチンでは、エンジン温度teやモータ温度tm,インバータ温度tinv,バッテリ温度tb,残容量SOC,外気温tair,走行距離ldのデータを入力し、これらのデータを用いて駆動系に共振現象が発生する可能性を予測するものとしたが、必ずしもこれらのデータのすべてを用いる必要はない。また、図4の始動時制御ルーチンでは、入力したデータと閾値との比較により共振現象が発生する可能性を予測したが、共振現象が発生する可能性が大きい領域と小さい領域とを区画したマップを作成し、このマップを用いて入力したデータがどの領域に含まれているかを判定することにより共振現象の発生の可能性を予測するものとしてもよい。さらに、図4の始動時制御ルーチンでは、駆動系に共振現象が発生する可能性が小さいと判定したにも拘わらずエンジン22の回転変動Yが閾値Yrefより大きくなったときに、ステップS216で閾値teref,閾値tmref,閾値tiref,閾値tbref,閾値Sref,閾値taref,閾値ldrefを変更するものとしたが、変更しないものとしてもよい。また、図4の始動時制御ルーチンでは、回転変動Yが閾値Yrefより大きいときに、リセットされないカウンタC3をカウントアップしていきカウンタC3が閾値C3refより大きくなったときにエンジン22の始動を停止したが、回転変動Yが閾値Yrefより大きいときに、回転変動Yが閾値Yref以下となった時点でリセットされるカウンタC4をカウントアップしていきカウンタC4が閾値C4refより大きくなったときにエンジン22の始動を停止するものとしてもよいし、こうした処理自体を行なわないものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、駆動系としてエンジン22やダンパ28や動力分配統合機構30やモータMG1としたが、エンジンにダンパを介してモータが接続された構成であれば他の如何なる構成の駆動系としてもよい。また、実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22のクランクシャフト26に取り付けれたダンパにトルクリミッタを取り付けたが、トルクリミッタを取り付けないものとしてもよい。
実施例では、エンジン22にダンパ28を介してモータMG1が接続された駆動装置をハイブリッド自動車20に搭載されたものとして説明したが、自動車に搭載されていないものでもよいのは勿論である。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施形態としての駆動装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン始動停止時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23a 回転数センサ、23b 温度センサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35、減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45,46 温度センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 温度センサ。

Claims (10)

  1. 内燃機関と、ダンパおよび/またはトルクリミッタを介して前記内燃機関に動力を出力可能な電動機とを備える駆動装置であって、
    前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
    該回転数検出手段により検出される回転数に基づいて前記内燃機関と前記ダンパおよび/またはトルクリミッタと前記電動機とを含む駆動系の共振現象の発生を検出する共振検出手段と、
    該共振検出手段により前記共振現象の発生が検出された回数または時間を積算した積算値を計測する積算値計測手段と、
    前記内燃機関の始動が指示されたとき、該内燃機関がモータリングされるよう前記電動機を駆動制御すると共に該内燃機関が始動するよう該内燃機関を駆動制御する始動時制御手段と、
    前記内燃機関がモータリングされている最中に前記積算値計測手段により計測された積算値が第1所定値を越えたとき、前記始動時制御手段に拘わらず前記内燃機関のモータリングを停止するモータリング停止手段と
    を備える駆動装置。
  2. 請求項1記載の駆動装置であって、
    前記共振検出手段により前記共振現象の発生が連続して検出された回数または時間としての連続値を計測する連続値計測手段を備え、
    前記モータリング停止手段は、前記連続値計測手段により計測された連続値が第2所定値を越えたとき、前記積算値計測手段により計測された積算値が前記第1所定値を越えたか否かに拘わらず前記内燃機関のモータリングを停止する手段である
    駆動装置。
  3. 内燃機関と、ダンパおよび/またはトルクリミッタを介して前記内燃機関に動力を出力可能な電動機とを備える駆動装置であって、
    前記内燃機関のモータリングの困難性に関係する前記駆動装置の状態を検出する状態検出手段と、
    該検出された駆動装置の状態に基づいて前記電動機により前記内燃機関をモータリングしたときに前記内燃機関と前記ダンパおよび/またはトルクリミッタと前記電動機とを含む駆動系に共振現象が発生する可能性を予測する共振可能性予測手段と、
    前記内燃機関の始動が指示されたとき、該内燃機関をモータリングするよう前記電動機を駆動制御すると共に該内燃機関を始動するよう該内燃機関を駆動制御する始動時制御手段と、
    前記内燃機関の始動が指示されたときに前記共振可能性予測手段により前記共振現象が発生する可能性が大きいと予測されたとき、前記内燃機関の始動の指示に拘わらず前記内燃機関のモータリングを禁止するモータリング禁止手段と
    を備える駆動装置。
  4. 請求項3記載の駆動装置であって、
    前記共振可能性予測手段は、前記検出された駆動装置の状態と基準状態との比較により前記駆動系に共振現象が発生する可能性を予測する手段であり、
    更に、
    前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、
    該検出された内燃機関の回転数に基づいて前記駆動系の共振現象の発生を検出する共振検出手段と、
    前記共振可能性予測手段により駆動系に共振現象が発生する可能性が小さいと予測したにも拘わらず前記始動時制御手段により前記内燃機関をモータリングしたときに前記共振検出手段により前記共振現象の発生が検出されたとき、前記基準状態を変更する基準状態変更手段と
    を備える駆動装置。
  5. 前記状態検出手段は、前記内燃機関の温度,前記電動機と電力をやり取りする蓄電装置の温度,前記蓄電装置の残容量,前記駆動装置の経年劣化度,前記電動機を含む電気駆動系の温度,外気温の少なくとも一つを検出する手段である請求項3または4記載の駆動装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の駆動装置であって、
    前記内燃機関の出力軸と前記電動機の回転軸と駆動軸とに接続された遊星歯車機構を備え、
    前記ダンパおよび/またはトルクリミッタは、前記内燃機関と前記遊星歯車機構との間に介在してなる
    駆動装置。
  7. 請求項6記載の駆動装置であって、
    前記駆動軸に動力を出力可能な駆動軸用電動機と、
    前記内燃機関のモータリングが停止または禁止されたとき、前記駆動軸に要求される要求動力に見合う動力が前記駆動軸用電動機から出力されるよう該駆動軸用電動機を駆動制御する停止禁止時制御手段と
    を備える駆動装置。
  8. 請求項1ないし7いずれか記載の駆動装置を搭載し、駆動軸に車軸が連結されて走行する自動車。
  9. 内燃機関と、ダンパおよび/またはトルクリミッタを介して前記内燃機関に動力を出力可能な電動機とを備える駆動装置の制御方法であって、
    (a)前記内燃機関の回転数を検出し、
    (b)該ステップ(a)により検出される回転数に基づいて前記内燃機関と前記ダンパおよび/またはトルクリミッタと前記電動機とを含む駆動系の共振現象の発生を検出し、
    (c)該ステップ(b)により前記共振現象の発生が検出された回数または時間を積算した積算値を計測し、
    (d)前記内燃機関の始動が指示されたとき、該内燃機関がモータリングされるよう前記電動機を駆動制御すると共に該内燃機関が始動するよう該内燃機関を駆動制御し、
    (e)前記内燃機関がモータリングされている最中に前記積算値計測手段により計測された積算値が所定値を越えたとき、前記ステップ(d)に拘わらず前記内燃機関のモータリングを停止する
    駆動装置の制御方法。
  10. 内燃機関と、ダンパおよび/またはトルクリミッタを介して前記内燃機関に動力を出力可能な電動機とを備える駆動装置の制御方法であって、
    (a)前記内燃機関のモータリングの困難性に関係する前記駆動装置の状態を検出し、
    (b)該検出された駆動装置の状態に基づいて前記電動機により前記内燃機関をモータリングしたときに前記内燃機関と前記ダンパおよび/またはトルクリミッタと前記電動機とを含む駆動系に共振現象が発生する可能性を予測し、
    (c)前記内燃機関の始動が指示されたとき、該内燃機関をモータリングするよう前記電動機を駆動制御すると共に該内燃機関を始動するよう該内燃機関を駆動制御し、
    (d)前記内燃機関の始動が指示されたときに前記ステップ(b)により前記共振現象が発生する可能性が大きいと予測されたとき、前記内燃機関の始動の指示に拘わらず前記内燃機関のモータリングを禁止する
    駆動装置の制御方法。



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JP2015074298A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 日産自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置

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