JP2011023586A - 半導体記憶装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電荷保持特性の向上を図る。
【解決手段】半導体記憶装置は、基板20上に順に積層された第1絶縁層30、ワード線としての導電層40および第2絶縁層30と、前記第1絶縁層、前記導電層および前記第2絶縁層内に形成され、前記導電層に対応する径が前記第1絶縁層および前記第2絶縁層に対応する径より大きい柱状半導体100と、前記第1絶縁層、前記導電層および前記第2絶縁層内の前記柱状半導体の側面に形成されたトンネル絶縁膜90と、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間で前記トンネル絶縁膜の側面に形成された電荷蓄積層80と、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層と前記トンネル絶縁膜との間、前記導電層と前記電荷蓄積層との間、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層と前記電荷蓄積層との間に形成された絶縁膜70と、を具備する。
【選択図】図3
【解決手段】半導体記憶装置は、基板20上に順に積層された第1絶縁層30、ワード線としての導電層40および第2絶縁層30と、前記第1絶縁層、前記導電層および前記第2絶縁層内に形成され、前記導電層に対応する径が前記第1絶縁層および前記第2絶縁層に対応する径より大きい柱状半導体100と、前記第1絶縁層、前記導電層および前記第2絶縁層内の前記柱状半導体の側面に形成されたトンネル絶縁膜90と、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間で前記トンネル絶縁膜の側面に形成された電荷蓄積層80と、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層と前記トンネル絶縁膜との間、前記導電層と前記電荷蓄積層との間、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層と前記電荷蓄積層との間に形成された絶縁膜70と、を具備する。
【選択図】図3
Description
本発明は、基板上に垂直方向に積層された複数のメモリセルトランジスタを有する半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
三次元積層メモリは、メモリセルとしての複数の縦型トランジスタが積層して形成され、単位面積あたり高密度なメモリセル構造を実現できる(例えば特許文献1)。縦型トランジスタは、シリコン基板の表面に対して垂直方向にワードラインとしての電極層(以下、ワードラインと称す)と層間絶縁膜が交互に堆積された積層膜と、この積層膜にシリコン基板表面に対して垂直方向に形成されたトレンチと、を有している。このトレンチ内の側壁に、ブロック絶縁膜、電荷蓄積層およびトンネル絶縁膜が順に形成され、トレンチ最内部に柱状半導体(チャネルシリコン膜)が埋め込まれている。
この三次元積層メモリは、ワードラインに高電圧を印加することで、トンネル絶縁膜にトンネル電流が流れて柱状半導体の電荷が電荷蓄積層に蓄積される。その後、ワードラインの電圧を0Vとすることで、電荷蓄積層に電荷が保持される。
しかし、この三次元積層メモリにおいて、複数のメモリセルの各電荷蓄積層は、連続して形成されている。このため、電荷蓄積層に蓄積された電荷が隣接するメモリセルに移動してしまい、電荷保持特性が劣化するという問題を有している。
本発明は、電荷保持特性の向上を図ることが可能な半導体記憶装置およびその製造方法を提供する。
本発明の第1の視点による半導体記憶装置は、基板上に順に積層された第1絶縁層、ワード線としての導電層および第2絶縁層と、前記第1絶縁層、前記導電層および前記第2絶縁層内に形成され、前記導電層に対応する径が前記第1絶縁層および前記第2絶縁層に対応する径より大きい柱状半導体と、前記第1絶縁層、前記導電層および前記第2絶縁層内の前記柱状半導体の側面に形成されたトンネル絶縁膜と、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間で前記トンネル絶縁膜の側面に形成された電荷蓄積層と、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層と前記トンネル絶縁膜との間、前記導電層と前記電荷蓄積層との間、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層と前記電荷蓄積層との間に形成された絶縁膜と、を具備する。
本発明の第2の視点による半導体記憶装置の製造方法は、基板上に、第1絶縁層とワード線としての導電体層と第2絶縁層とを順に形成し、前記第2絶縁層、前記導電体層および前記第1絶縁層にトレンチを形成し、前記導電体層の前記トレンチの径が、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の前記トレンチの径より大きくなるように、前記トレンチ内の前記導電体層の側面を後退させてスペースを形成し、前記トレンチ内の前記第1絶縁増上、前記導電体層上および前記第2絶縁層上に、絶縁膜を形成し、前記スペース内の前記絶縁膜上に、電荷蓄積層を形成し、前記トレンチ内の前記絶縁膜上および前記電荷蓄積層上に、トンネル絶縁膜を形成し、前記トレンチ内に柱状半導体を埋め込む。
本発明によれば、電荷保持特性の向上を図ることが可能な半導体記憶装置およびその製造方法を提供できる。
本発明の実施の形態について、以下に図面を参照して説明する。なお、図面において、同一部分には同一の符号を付す。
[三次元積層メモリ]
まず、図1および図2を参照して本発明が適用される三次元積層メモリについて説明する。
まず、図1および図2を参照して本発明が適用される三次元積層メモリについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る三次元積層メモリを有する半導体記憶装置1の概略構成図を示している。
図1に示すように、本実施形態に係る半導体記憶装置1は、メモリセルトランジスタ領域2、ワードライン駆動回路3、ソース側の選択ゲート線を駆動するSGS駆動回路4、ドレイン側の選択ゲート線を駆動するSGD駆動回路5、センスアンプ6等を備えている。
メモリセルトランジスタ領域2は、導電体層からなるワードラインWLと絶縁層とが交互に複数積層されることで構成されている。これらワードラインWLおよび絶縁層は、2次元的に広がる板状の平面構造である。それぞれのワードラインWLは、ワードライン駆動回路3に接続され、ワードライン駆動回路3により制御される。
メモリセルトランジスタ領域2の下部側には、ソース線に接続されたソース側の選択ゲート線SGSが形成されている。この選択ゲート線SGSは、板状の平面配線構造を有している。また、選択ゲート線SGSは、SGS駆動回路4に接続され、SGS駆動回路4により制御される。
メモリセルトランジスタ領域2の上部側には、ドレイン側の選択ゲート線SGDが形成され、この選択ゲート線SGDはビットラインBLに接続されている。ビットラインBLは、センスアンプ6に接続されている。また、選択ゲート線SGDは、それぞれが絶縁分離された配線構造を有している。それぞれの選択ゲート線SGDは、SGD駆動回路5に接続され、SGD駆動回路5により制御される。
図2は、図1におけるメモリセルトランジスタ領域2の拡大図を示している。
図2に示すように、3次元積層メモリは、m×n個(m、nは自然数)のメモリストリングス10を含んでいる。ここで、図2は、m=3、n=4の例を示している。各メモリストリングス10は、選択ゲート線SGSを含む下部選択トランジスタSSTrmn、メモリセルトランジスタMTr1mn乃至MTr4mn及び選択ゲート線SGDを含む上部選択トランジスタSDTrmnを有している。
各メモリストリングス10において、メモリセルトランジスタMTr1mn乃至MTr4mnのゲート電極は、それぞれ同一の導電層によって形成された共通のワードラインWL1乃至WL4に接続されている。すなわち、各メモリストリングス10において、メモリセルトランジスタMTr1mnのゲート電極は、全てワードラインWL1に接続され、各メモリストリングス10のメモリセルトランジスタMTr2mnのゲート電極は、全てワードラインWL2に接続さている。さらに、各メモリストリングス10のメモリセルトランジスタMTr3mnのゲート電極は、全てワードラインWL3に接続され、各メモリストリングス10のメモリセルトランジスタMTr4mnのゲート電極は、全てワードラインWL4に接続されている。これらワードラインWL1乃至WL4はそれぞれ、各メモリストリングス10に垂直な平面構造である。
各メモリストリングス10は、半導体基板20の図示せぬP−well領域に形成されたn+領域の上に形成された柱状半導体を有している。複数のメモリストリングス10は、柱状半導体に垂直な面内にマトリクス状に配置されている。この柱状半導体は円柱状であっても、角柱状であってもよい。
[第1の実施形態]
図3は、第1の実施形態を示すものである。第1の実施形態は、図2に示すメモリセルストリングス10において、各メモリセルの電荷蓄積層を分離することにより電荷保持特性の向上を図る例である。
図3は、第1の実施形態を示すものである。第1の実施形態は、図2に示すメモリセルストリングス10において、各メモリセルの電荷蓄積層を分離することにより電荷保持特性の向上を図る例である。
[メモリセルトランジスタの構造]
まず、図3を用いて、メモリセルトランジスタの構造について説明する。
まず、図3を用いて、メモリセルトランジスタの構造について説明する。
図3に示すように、複数のメモリセルトランジスタは、図示せぬ基板に垂直方向に交互に積層された複数のメモリセル領域Bと複数の素子分離領域Aとで構成されている。これらメモリセル領域Bおよび素子分離領域Aで構成される複数のメモリセルトランジスタは、柱状半導体100、トンネル絶縁膜90、電荷蓄積層80、ブロック絶縁膜70、ワードラインWLとなる制御ゲート電極(導電体層)40および層間絶縁膜(絶縁層)30を備えている。制御ゲート電極40はメモリセル領域Bに対応し、層間絶縁膜30は素子分離領域Aに対応している。
柱状半導体100は、図示せぬ基板上に垂直方向に、複数のメモリセル領域Bおよび素子分離領域Aを貫いて形成されている。この柱状半導体100は、メモリセルトランジスタにおけるチャネルとなる。また、柱状半導体100の径は、素子分離領域A内において一定であり、メモリセル領域B内において端部よりも中央部のほうが大きく設定されている。
トンネル絶縁膜90は、メモリセル領域Bおよび素子分離領域Aにおける柱状半導体100の側面に形成されている。このトンネル絶縁膜90は、柱状半導体100の側面に沿って一定の膜厚で形成されている。また、トンネル絶縁膜90の内径および外径はそれぞれ、素子分離領域Aからメモリセル領域Bにおける端部にかけて一定であり、メモリセル領域Bにおける端部(制御ゲート電極40の膜厚方向における端部)よりも中央部(制御ゲート電極40の膜厚方向における中央部)のほうが大きい。
電荷蓄積層80は、メモリセル領域Bにおけるトンネル絶縁膜90の側面のみに形成されている。すなわち、この電荷蓄積層80は、素子分離領域Aには形成されず、メモリセル領域B間で分離している。つまり、ワードラインWLとしての制御ゲート電極40の柱状半導体100との対向面は、層間絶縁膜30の柱状半導体100との対向面より後退しており、電荷蓄積層80は制御ゲート電極40の両側(下側と上側)に隣り合う層間絶縁膜30の間に形成されている。また、電荷蓄積層80の内径はメモリセル領域Bにおける端部よりも中央部のほうが大きく、電荷蓄積層80の外径は一定である。すなわち、電荷蓄積層80は、メモリセル領域Bにおける中央部の内径にくぼみを有している。
ブロック絶縁膜70は、素子分離領域Aにおける層間絶縁膜30とトンネル絶縁膜90との間、メモリセル領域Bにおける電荷蓄積層80と両層間絶縁膜30及び制御ゲート電極40との間に形成されている。このように、ブロック絶縁膜70は、トンネル絶縁膜90の側面および電荷蓄積層80の側面に沿って一定の膜厚で形成されている。すなわち、ブロック絶縁膜70の内径および外径はそれぞれ、素子分離領域Aよりも電荷蓄積層80が形成されているメモリセル領域Bのほうが大きくなる。
ここで、上述したように、メモリセル領域Bにおけるブロック絶縁膜70の外径は、素子分離領域Aにおけるブロック絶縁膜70の外径よりも大きい。すなわち、メモリセル領域Bにおけるトレンチの径は、素子分離領域Aにおけるトレンチの径より大きい。したがって、制御ゲート電極40に形成されたトレンチの側面は、層間絶縁膜30に形成されたトレンチの側面は、メモリセル領域Bである制御ゲート電極層40の部分で後退し、制御ゲート電極層40と層間絶縁膜30との境で段差が生じている。このように、制御ゲート電極40のトレンチの側面が後退して生じた段差部分に電荷蓄積層80が形成されることで、層間絶縁膜30により電荷蓄積層80をメモリセル領域Bごとに分離することが可能となる。
[メモリセルトランジスタの製造方法]
図4乃至図10は、本実施形態に係るメモリセルストリングスにおけるメモリセルトランジスタの製造工程の断面図を示している。図4乃至図10を用いて、本実施形態に係るメモリセルトランジスタの製造工程について説明する。
図4乃至図10は、本実施形態に係るメモリセルストリングスにおけるメモリセルトランジスタの製造工程の断面図を示している。図4乃至図10を用いて、本実施形態に係るメモリセルトランジスタの製造工程について説明する。
まず、図4に示すように、図示せぬ基板上に、複数の層間絶縁膜としての絶縁層30と制御ゲート電極となる導電体層40とが交互に堆積され、積層膜が形成される。この積層膜の最下部および最上部は、絶縁層30である。この絶縁層30は、例えばシリコン酸化膜である。このシリコン酸化膜は、例えば温度が600℃から800℃で、かつ圧力が0.1Torrから5Torrの反応炉内に、例えばジクロルシラン(SiH2Cl2)と二酸化窒素(N2O)とを導入するCVD法により形成される。また、導電体層40は、例えばPが添加されたシリコン膜である。このシリコン膜は、例えば温度が450℃から650℃で、かつ圧力が0.1Torrから1Torrの反応炉内に、例えばモノシラン(SiH4)とフォスフィン(PH3)を導入するCVD法により形成される。このように形成された積層膜において、導電体層40部分がメモリセル領域Bとなり、絶縁層30部分が素子分離領域Aとなる。
次に、最上部の絶縁層30上に、後に形成されるトレンチの加工用のハードマスクとして例えばシリコン窒化膜50が形成される。このシリコン窒化膜50は、例えば温度が600℃から800℃で、かつ圧力が0.1Torrから1Torrの反応炉内に、例えばジクロルシラン(SiH2Cl2)とアンモニア(NH3)とを導入するCVD法により形成される。このシリコン窒化膜50上に、フォトレジスト膜51が形成される。次に、フォトリソグラフィにより、トレンチ60が形成される領域のフォトレジスト膜51が除去され、図示せぬ開口される。次に、パターニングされたフォトレジスト膜51をマスクとしてドライエッチングにより、シリコン窒化膜50が除去され、その後フォトレジスト膜51が除去される。
次に、図5に示すように、シリコン窒化膜50をハードマスクとして例えばRIE(Reactive Ion Etching)により、絶縁層30および導電体層40の積層膜にトレンチ60が形成される。
次に、図6に示すように、例えばウェットエッチングにより、ハードマスクであるシリコン窒化膜50が除去される。次に、例えばCDE(Chemical Dry Etching)などの等方的なドライエッチングにより、トレンチ60内のシリコン膜である制御ゲート電極40の側面が後退される。すなわち、制御ゲート電極40に形成されたトレンチ60の径は、層間絶縁膜30に形成されたトレンチ60の径より大きくなり、制御ゲート電極40と層間絶縁膜30との境でトレンチ60に段差が形成される。このようにして、2つの層間絶縁膜30の間に制御ゲート電極40が後退してスペースが形成される。
次に、図7に示すように、トレンチ60内の制御ゲート電極40および層間絶縁膜30の全面に、ブロック絶縁膜70が形成される。このブロック絶縁膜70は、例えばシリコン酸化膜である。このシリコン酸化膜は、例えば温度が600℃から800℃で、かつ圧力が0.1Torrから5Torrの反応炉内に、例えばジクロルシラン(SiH2Cl2)と二酸化窒素(N2O)とを導入するCVD法により形成される。
次に、図8に示すように、トレンチ60内のブロック絶縁膜70の全面に、電荷蓄積層80が形成される。この電荷蓄積層80は、例えばシリコン窒化膜である。このシリコン窒化膜は、例えば温度が600℃から800℃で圧力が0.1Torrから1Torrの反応炉内に、例えばジクロルシラン(SiH2Cl2)とアンモニア(NH3)とを導入するCVD法により形成される。これにより、メモリセル領域Bと素子分離領域Aとの間のトレンチ60に形成されたスペースが電荷蓄積層80により埋め込まれる。
次に、図9に示すように、例えばウェットエッチングにより、トレンチ60内の素子分離領域Aにおけるブロック絶縁膜70の側面の電荷蓄積層80が除去される。これにより、トレンチ60内のメモリセル領域Bにおけるブロック絶縁膜70の側面のみに電荷蓄積層80が残存する。すなわち、電荷蓄積層80は、トレンチ60の側面が後退したスペース内に形成され、メモリセル領域Bごとに分離される。このとき、電荷蓄積層80は、等方的にエッチングされるため、メモリセル領域Bにおける中央部にくぼみが生じる。
次に、図10に示すように、トレンチ60内のブロック絶縁膜70および電荷蓄積層80の全面に、トンネル絶縁膜90が形成される。このトンネル絶縁膜90は、例えばシリコン酸化膜である。このシリコン酸化膜は、例えば温度が600℃から800℃で、かつ0.1Torrから5Torrの反応炉内に、例えばジクロルシラン(SiH2Cl2)と二酸化窒素(N2O)とを導入するCVD法により形成される。
次に、図3に示すように、トレンチ60内に、柱状半導体(例えばシリコン膜)100が埋め込まれる。この柱状半導体100は、例えば温度が450℃から650℃で、かつ圧力が0.1Torrから1Torrの反応炉内に、例えばモノシラン(SiH4)を導入するCVD法により形成される。
このようにして、本実施形態に係るメモリセルトランジスタが形成される。なお、種々の材料は、上記材料に限らない。制御ゲート電極層40は、Pが添加されたシリコン膜の代わりに、例えばW、Tiなどの金属膜、およびWSix、TSixなどの金属シリケート膜でもよい。また、層間絶縁膜30は、絶縁膜であればよく、シリコン酸化膜の代わりに、例えばハウニア、アルミナなどの高誘電体絶縁膜でもよい。さらに、電荷蓄積層80は、シリコン窒化膜の代わりに、例えばハウニア、アルミナなどの高誘電体絶縁膜でもよい。
[効果]
上記第1の実施形態によれば、メモリセルトランジスタの電荷蓄積層80は、素子分離領域Aには形成されず、メモリセル領域Bのみに形成されている。すなわち、電荷蓄積層80は、メモリセル領域Bごとに分離して形成されている。これにより、電荷蓄積層80に蓄積された電荷が隣接したメモリセル間で移動することを抑制でき、電荷保持特性の向上を図ることができる。
上記第1の実施形態によれば、メモリセルトランジスタの電荷蓄積層80は、素子分離領域Aには形成されず、メモリセル領域Bのみに形成されている。すなわち、電荷蓄積層80は、メモリセル領域Bごとに分離して形成されている。これにより、電荷蓄積層80に蓄積された電荷が隣接したメモリセル間で移動することを抑制でき、電荷保持特性の向上を図ることができる。
また、電荷保持特性の劣化は、ブロック絶縁膜70およびトンネル絶縁膜90にトラップされた電荷が隣接したメモリセル間で移動することも原因であった。しかし、本実施形態では、トレンチ60内の側面に段差が生じ、メモリセル領域Bにおいて後退している。この段差が生じたトレンチ60の側面にブロック絶縁膜70およびトンネル絶縁膜90が形成されることにより、ブロック絶縁膜70およびトンネル絶縁膜90にも段差が生じる。これにより、ブロック絶縁膜70およびトンネル絶縁膜90が平坦に形成された場合よりも、トラップされた電荷の移動度が小さくなるため、電荷がメモリセル間で移動することを抑制でき、電荷保持特性の向上を図ることができる。
一方、従来の三次元積層メモリのメモリセル領域Bにおいて、制御ゲート電極40によってトンネル絶縁膜90に印加される電界は、フリンジ効果の影響によりトンネル絶縁膜90の中央部よりも端部のほうが小さくなる。これにより、メモリセル領域Bにおいてトンネル絶縁膜90に印加される電界が中央部と端部とで均一にならず、書き込み消去特性が劣化するという問題があった。しかし、本実施形態では、メモリセル領域Bにおける電荷蓄積層80の中央部にくぼみが形成され、この電荷蓄積層80の側面にトンネル絶縁膜90が形成されている。これにより、メモリセル領域Bにおけるトンネル絶縁膜90の中央部の径より、フリンジ効果の影響を受ける端部の径のほうが小さくなる。一般的に、トンネル絶縁膜90は、径が小さいほど印加される電界が大きくなる。すなわち、トンネル絶縁膜90の端部に印加される電界は、中央部に印加される電界より大きくなる。したがって、フリンジ効果の影響が相殺され、メモリセル領域Bにおいてトンネル絶縁膜90に印加される電界が中央部と端部とで均一になり、書き込み消去特性の向上を図ることができる。また、電界が中央部と端部とで均一になることにより、書き込み消去時にトンネル絶縁膜90を通過する単位面積当たりのキャリア数が均一になる。したがって、局所的なトンネル絶縁膜90の劣化が押さえられるので電荷保持特性が向上する。
さらに、本実施形態に係る製造方法によれば、等方的なドライエッチングにより、トレンチ60内の制御ゲート電極40の側面を後退させて、トレンチ60に段差を形成している。この後退したスペースに電荷蓄積層80を形成することで、電荷蓄積層80をメモリセル領域Bごとに分離している。したがって、従来と比べて、トレンチ60内の制御ゲート電極40の側面を後退させる工程と、電荷蓄積層80をエッチングする工程を追加するだけであるため、容易に電荷蓄積層80をメモリセル領域Bごとに分離することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、メモリセル領域B間で電荷蓄積層が分離し、さらにそれぞれのメモリセル領域Bに2つの電荷蓄積層が形成される例である。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の点については説明を省略し、異なる点について詳説する。
第2の実施形態は、メモリセル領域B間で電荷蓄積層が分離し、さらにそれぞれのメモリセル領域Bに2つの電荷蓄積層が形成される例である。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の点については説明を省略し、異なる点について詳説する。
[メモリセルトランジスタの構造]
図11は、本実施形態に係るメモリセルストリングスにおけるメモリセルトランジスタの断面図を示している。
図11は、本実施形態に係るメモリセルストリングスにおけるメモリセルトランジスタの断面図を示している。
図11に示すように、本実施形態において第1の実施形態と異なる点は、それぞれのメモリセル領域Bに2つの蓄積層が形成されている点である。すなわち、それぞれのメモリセル領域Bにおいて、電荷蓄積層80が下部側に形成された第1電荷蓄積層80aと上部側に形成された第2電荷蓄積層80bとで構成されている。これら第1電荷蓄積層80aと第2電荷蓄積層80bとは、メモリセル領域Bの中央部において、トンネル絶縁膜90により分離されている。なお、第1電荷蓄積層80aと第2電荷蓄積層80bとは、同じ大きさであることが望ましい。
[メモリセルトランジスタの書き込み方法]
図12は、本実施形態に係るメモリセルトランジスタの書き込み方法を示している。
図12は、本実施形態に係るメモリセルトランジスタの書き込み方法を示している。
図12に示すように、例えば第2電荷蓄積層80b−2に電荷を蓄積する場合、制御ゲート電極40−2および第2電荷蓄積層80b−2に近い側の制御ゲート電極40−3に電圧が印加される。このとき、制御ゲート電極40−2にプログラム電圧例えば+Vpgmが印加され、制御ゲート電極40−3に例えば+V1の電圧が印加される。プログラム電圧Vpgmは単独で電荷蓄積層80−2に電荷を書き込む場合よりも低い電圧である。また、V1はVpgmよりも小さい電圧であり、VpgmとV1とを制御ゲート電極40−2および40−3に印加することにより、第2電荷蓄積層80b−2に接するトンネル絶縁膜90のみに高い電界がかかる。これにより、トンネル絶縁膜90を介して柱状半導体100の電子が第2電荷蓄積層80b−2に蓄積される。
また、第1電荷蓄積層80a−2に電荷を蓄積する場合も同様の方法で行われる。すなわち、制御ゲート電極40−2にプログラム電圧+Vpgmが印加され、制御ゲート電極40−1に電圧+V1が印加される。これら制御ゲート電極40−2および40−1に上記電圧を印加することにより、第1電荷蓄積層80a−2に接するトンネル絶縁膜90のみに高い電界がかかる。これにより、トンネル絶縁膜90を介して柱状半導体100の電子が第1電荷蓄積層80a−2に蓄積される。
一方、第1電荷蓄積層80a−2および第2電荷蓄積層80b−2の両方に電荷を蓄積する場合、制御ゲート電極40−1、40−2および40−3に電圧が印加される。すなわち、制御ゲート電極40−2にプログラム電圧+Vpgmが印加され、制御ゲート電極40−1および40−3に電圧+V1が印加される。これら制御ゲート電極40−1、40−2および40−3に上記電圧を印加することにより、第1電荷蓄積層80a−2および第2電荷蓄積層80b−2に接するトンネル絶縁膜90に高い電界がかかる。これにより、トンネル絶縁膜90を介して柱状半導体100の電子が第1電荷蓄積層80a−2および第2電荷蓄積層80b−2に蓄積される。
上述した制御ゲート電極40−1、40−2および40−3に対する電圧の印加は、図1に示したワード線駆動回路3によって制御される。このような書き込み方式を行うことにより、それぞれのメモリセル領域Bにおいて、電荷蓄積層80−2に電荷がない場合、第1電荷蓄積層80a−2(または第2電荷蓄積層80b−2)のみに電荷がある場合、第1電荷蓄積層80a−2および第2電荷蓄積層80b−2の両方に電荷がある場合の少なくとも3値の書き込みが可能である。なお、それぞれのメモリセル領域Bにおいて、蓄積される電子の量を調節することにより、3値以上の書き込みも可能である。
[メモリセルトランジスタの製造方法]
図13および図14は、本実施形態に係るメモリセルストリングスにおけるメモリセルトランジスタの製造工程の断面図を示している。第2の実施形態において、電荷蓄積層80を堆積するまでの工程は、第1の実施形態における図4乃至図8の工程と同様である。
図13および図14は、本実施形態に係るメモリセルストリングスにおけるメモリセルトランジスタの製造工程の断面図を示している。第2の実施形態において、電荷蓄積層80を堆積するまでの工程は、第1の実施形態における図4乃至図8の工程と同様である。
第2の実施形態は、電荷蓄積層80のウェットエッチングを第1の実施形態より例えば長く続ける。これにより、図13に示すように、電荷蓄積層80は、第1の実施形態における中央部のくぼみがさらにエッチングされ、第1および第2の電荷蓄積層80aおよび80bに分離される。すなわち、メモリセル領域Bの下部側に第1電荷蓄積層80aが形成され、上部側に第2電荷蓄積層80bが形成される。
次に、図14に示すように、トレンチ60内のブロック絶縁膜70および電荷蓄積層80の全面に、トンネル絶縁膜90が形成される。このトンネル絶縁膜90は、例えばシリコン酸化膜である。このシリコン酸化膜は、例えば温度が600℃から800℃で、かつ圧力が0.1Torrから5Torrの反応炉内に、例えばジクロルシラン(SiH2Cl2)と二酸化窒素(N2O)とを導入するCVD法により形成される。
次に、図11に示すように、トレンチ60内に、柱状半導体(例えばシリコン膜)100が埋め込まれる。この柱状半導体100は、例えば温度が450℃から650℃で、かつ圧力が0.1Torrから1Torrの反応炉内に、例えばモノシラン(SiH4)を導入するCVD法により形成される。
このようにして、本実施形態に係るメモリセルトランジスタが形成される。
[効果]
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、それぞれのメモリセル領域Bにおいて、電荷蓄積層80は下部側に形成された第1電荷蓄積層80aと上部側に形成された第2電荷蓄積層80bとで構成され、これら第1電荷蓄積層80aと第2電荷蓄積層80bとはトンネル絶縁膜90によって分離している。すなわち、1つのメモリセル領域Bに2つの蓄積層が形成されている。このため、書き込み対象のメモリセルの制御ゲート電極40だけでなく、隣接したメモリセルの制御ゲート電極40にも電圧を選択的に印加することにより、メモリセルの1つの蓄積層のみ、または2つの蓄積層の両方に電荷を蓄積させることが可能となる。したがって、1つのメモリセルに対して多値の書き込みが可能となり、メモリ容量を増やすことができる。
また、上述したような書き込み対象のメモリセルの制御ゲート電極40および隣接したメモリセルの制御ゲート電極40に印加される電圧を制御することにより、第1の実施形態におけるフリンジ効果の影響を抑制することができる。すなわち、第1の実施形態において、書き込み対象のメモリセルの制御ゲート電極40と同時に、隣接したメモリセルの制御ゲート電極40にも電圧を印加することで、トンネル絶縁膜90の端部に印加される電界を大きくすることができる。これにより、フリンジ効果の影響を抑制し、書き込み消去特性の向上を図ることができる。
その他、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
10…メモリストリングス、20…基板、30…層間絶縁膜(絶縁層)、30…、40…制御ゲート電極(導電体層)、40…、60…トレンチ、70…ブロック絶縁膜、80…電荷蓄積層、80a…第1電荷蓄積層、80b…第2電荷蓄積層、90…トンネル絶縁膜、100…柱状半導体。
Claims (5)
- 基板上に順に積層された第1絶縁層、ワード線としての導電層および第2絶縁層と、
前記第1絶縁層、前記導電層および前記第2絶縁層内に形成され、前記導電層に対応する径が前記第1絶縁層および前記第2絶縁層に対応する径より大きい柱状半導体と、
前記第1絶縁層、前記導電層および前記第2絶縁層内の前記柱状半導体の側面に形成されたトンネル絶縁膜と、
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間で前記トンネル絶縁膜の側面に形成された電荷蓄積層と、
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層と前記トンネル絶縁膜との間、前記導電層と前記電荷蓄積層との間、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層と前記電荷蓄積層との間に形成された絶縁膜と、
を具備することを特徴とする半導体記憶装置。 - 前記トンネル絶縁膜の前記導電層における膜厚方向の端部に対応する径は、前記導電層における膜厚方向の中央部に対応する径より小さいことを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
- 前記電荷蓄積層は、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の一方側に形成された第1電荷蓄積層と、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の他方側に形成された第2電荷蓄積層と、で構成され、
前記第1電荷蓄積層と前記第2電荷蓄積層とは、前記トンネル絶縁膜により分離されていることを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。 - 基板上に、第1絶縁層とワード線としての導電体層と第2絶縁層とを順に形成し、
前記第2絶縁層、前記導電体層および前記第1絶縁層にトレンチを形成し、
前記導電体層の前記トレンチの径が、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の前記トレンチの径より大きくなるように、前記トレンチ内の前記導電体層の側面を後退させてスペースを形成し、
前記トレンチ内の前記第1絶縁層上、前記導電体層上および前記第2絶縁層上に、絶縁膜を形成し、
前記スペース内の前記絶縁膜上に、電荷蓄積層を形成し、
前記トレンチ内の前記絶縁膜上および前記電荷蓄積層上に、トンネル絶縁膜を形成し、
前記トレンチ内に柱状半導体を埋め込む、
ことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。 - 前記電荷蓄積層は、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の一方側に形成された第1電荷蓄積層と、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の他方側に形成された第2電荷蓄積層と、で構成され、
前記第1電荷蓄積層と前記第2電荷蓄積層とは、前記トンネル絶縁膜により分離されていることを特徴とする請求項4記載の半導体記憶装置の製造方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20121002 |