JP2011023258A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムにおいて、パージ弁と循環ポンプとの運転状態に基づいて、より好適に燃料電池運転モードを選択することである。
【解決手段】燃料電池システム10において、供給流路50と、上流側循環流路56と、下流側循環流路60と、上流側循環流路56から分岐しパージ弁59を介して排出ガスを外部に排出するための排出流路58と、制御部80と、を備え、制御部80は、循環ポンプ62の運転状態を判断する循環ポンプ判断手段と、パージ弁59の運転状態を判断するパージ弁判断手段と、循環ポンプ62の運転状態とパージ弁59の運転状態とに基づき、複数の燃料電池運転モードの中の1つの燃料電池運転モードを選択するモード選択手段と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に、循環ポンプとパージ弁とを備える燃料電池システムに関する。
環境に与える影響が少ないことから、車両において燃料電池システムの搭載が行われている。燃料電池システムは、例えば燃料電池スタックを構成する単位セルのアノード側に水素等の燃料ガスを供給し、カソード側に酸素を含む酸化ガス、例えば空気を供給し、電解質膜を通しての反応によって必要な電力を取り出している。
アノード側から排出される使用済みガスは、いわば排気ガスではあるが、燃料電池スタックで反応に使われなかった水素が含まれているので、これを回収し、循環ポンプを介して再びアノード側に供給することが行われるとともに、また、排気ガスは、パージ弁を介し、アノード側排気ガスとして、希釈器等を経由して外気(EX)に排出される。
上記のように、燃料電池システムでは、循環ポンプとパージ弁とを備えており、氷点下の環境のもとではその循環ポンプとパージ弁とが凍結等してしまう可能性がある。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、燃料電池システムとして、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、燃料電池に燃料ガスを供給し、燃料電池から排出された燃料ガス系ガスを再度燃料電池に供給するための燃料ガス系循環経路とを備える構成が開示されている。さらに、燃料ガス系循環経路に設けられ、燃料電池に燃料ガス系ガスを供給するために高電圧電源により駆動される燃料ガス系循環ポンプと、燃料ガス系循環経路から分岐された燃料ガス系排出流路に設けられ、低電圧電源により駆動されるパージ弁と、制御部と、を備える構成が開示されている。ここでは、制御部は、燃料電池の発電を停止し、パージ弁を閉鎖している場合において、パージ弁と燃料ガス系循環ポンプとのうちでパージ弁のみが所定凍結温度以下であると判定され、かつ、燃料ガス系ガスが通過する部品または流路内の水素濃度が所定濃度未満であると判定された場合に、パージ弁と燃料ガス系循環ポンプとのうちでパージ弁のみを駆動して燃料ガス系ガスがパージ弁を介して排出されるように低電圧電源を含む回路を制御すると述べられている。
特開2008−077959号公報
上記特許文献1の構成では、パージ弁と燃料ガス系循環ポンプのうちでパージ弁のみが所定凍結温度以下であると判定された場合の制御について具体的に示しているが、パージ弁と燃料ガス系循環ポンプとのそれぞれの運転状態に基づいて、燃料電池運転モードを選択することについては具体的に開示されていない。
本発明の目的は、パージ弁と循環ポンプとの運転状態に基づいて、より好適に燃料電池運転モードを選択する燃料電池システムを提供することである。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガス源から燃料電池スタックのアノード側ガス入口に燃料ガスを供給する供給流路と、燃料電池スタックのアノード側ガス出口から排出ガスを排出する上流側循環流路と、上流側循環流路から循環ポンプを介し供給流路に接続され、排出ガスを循環させるための下流側循環流路と、上流側循環流路から分岐しパージ弁を介して排出ガスを外部に排出するための排出流路と、制御部と、を備え、制御部は、循環ポンプの運転状態を判断する循環ポンプ判断手段と、パージ弁の運転状態を判断するパージ弁判断手段と、循環ポンプの運転状態とパージ弁の運転状態とに基づき、複数の燃料電池運転モードの中の1つの燃料電池運転モードを選択するモード選択手段と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、制御部は、循環ポンプが運転可能であると判断され、パージ弁が運転可能であると判断された場合に選択される通常循環運転モードであって、循環ポンプによって排出ガスを循環させるとともにパージ弁によって排出ガスを外部に排出させる通常循環運転モードと、循環ポンプが運転可能であると判断され、パージ弁が運転不能であると判断された場合に選択されるパージレス循環運転モードであって、パージ弁によって排出ガスを外部に排出させず、循環ポンプによって排出ガスを循環させるパージレス循環運転モードと、循環ポンプが運転不能であると判断され、パージ弁が運転可能であると判断された場合に選択される少量排気運転モードであって、循環ポンプによって排出ガスを循環させず、パージ弁によって排出ガスを外部に排出させる少量排気運転モードと、循環ポンプが運転不能であると判断され、パージ弁が運転不能であると判断された場合に選択されるデットエンド運転モードであって、循環ポンプによって排出ガスを循環させないとともに、パージ弁によって排出ガスを外部に排出させないデットエンド運転モードと、を含むことが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、制御部は、循環ポンプを昇温させる循環ポンプ昇温手段と、パージ弁を昇温させるパージ弁昇温手段と、循環ポンプ昇温手段により循環ポンプを昇温した後に循環ポンプ判断手段により循環ポンプの運転状態を判断し、パージ弁昇温手段によりパージ弁を昇温した後にパージ弁判断手段によりパージ弁の運転状態を判断し、循環ポンプの運転状態とパージ弁の運転状態とに基づき、モード選択手段により複数の燃料電池運転モードの中の1つの燃料電池運転モードを選択する一連の工程を繰り返す繰り返し手段を含むことが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、循環ポンプ昇温手段は、燃料電池スタックとラジエータとの間を循環するラジエータ液が所定の温度より低いときは、待機状態とし、前記ラジエータ液が所定の温度より高いときに、前記ラジエータ液を循環ポンプに流し込んで循環ポンプの温度を昇温させることが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、循環ポンプ昇温手段は、循環ポンプの周囲に配置され、電源がオンとなった場合に発生する熱により循環ポンプの温度を昇温させる電気ヒータであることが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、循環ポンプは、循環ポンプ用コイルに通電して回転するモータを含み、循環ポンプ昇温手段は、モータに対し、所定の回転速度で回転するように指令したにもかかわらず、モータの回転速度が0である場合に、循環ポンプ用コイルに通電して循環ポンプの温度を昇温させることが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、循環ポンプは、循環ポンプ用コイルに通電して回転するモータを含み、循環ポンプ昇温手段は、モータに対し、所定の回転速度で回転するように指令して、モータの回転速度が0より大きい場合に、前記所定の回転速度を任意の時間間隔で増加させ、モータの実際の回転速度と前記所定の回転速度との偏差が回転数偏差判定値よりも大きくなった場合、あるいは、循環ポンプの消費電力が消費電力判定値よりも大きくなった場合に、前記所定の回転速度から予め定められた回転数を引いた回転速度で循環ポンプのモータを回転させることで、循環ポンプの温度を昇温させることが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、パージ弁昇温手段は、燃料電池スタックとラジエータとの間を循環するラジエータ液が所定の温度より低いときは、待機状態とし、前記ラジエータ液が所定の温度より高いときに、前記ラジエータ液をパージ弁に流し込んでパージ弁の温度を昇温させることが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、パージ弁昇温手段は、パージ弁の周囲に配置され、電源がオンとなった場合に発生する熱によりパージ弁の温度を昇温させる電気ヒータであることが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池システムにおいて、パージ弁は、パージ弁用コイルから発生する磁力を用いて開閉する弁を含み、パージ弁昇温手段は、パージ弁用コイルに通電することでパージ弁を昇温させることが好ましい。
上記構成の燃料電池システムによれば、循環ポンプの運転状態とパージ弁の運転状態とに基づき、複数の燃料電池運転モードの中の1つの燃料電池運転モードを選択するモード選択手段を有する。これにより、循環ポンプの運転状態とパージ弁の運転状態とに基づいて、より好適な燃料電池運転モードを選択することができる。
本発明に係る実施の形態において、車両搭載用の燃料電池システムの構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、循環ポンプとパージ弁の運転状態に基づき燃料電池運転モードを選択する手順について示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、循環ポンプの昇温制御手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、パージ弁の昇温制御手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態の第1変形例において、循環ポンプの昇温制御手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態の第1変形例において、パージ弁の昇温制御手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態の第2変形例において、循環ポンプの昇温制御手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態の第2変形例において、パージ弁の昇温制御手順を示すフローチャートである。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。また、以下では、燃料電池システムとして、アノード側に、水素タンク、レギュレータ、インジェクタ、循環ポンプ、パージ弁等が配置され、カソード側に、大気源、エアコンプレッサ(ACP)、加湿器、調圧弁等が配置され、また冷却水系統が配置されるものとして説明するが、これは説明のための一例であって、これ以外の要素、例えば、ガスシャット弁、適当なガスバイパス系統等を付加することができる。
また、以下で説明する材料、温度等は説明のための例示であって、燃料電池システムの仕様に応じて適宜変更が可能である。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、車両搭載用の燃料電池システム10の構成を示す図である。この燃料電池システム10は、ハイブリッド車両に搭載し、走行用回転電機等の電源として用いられる。燃料電池システム10は、システム本体部12と、図示されていない車両運転指令部からの運転指令に基づいてシステム本体部12の各構成要素の作動を全体として制御する制御部80を含んで構成される。
システム本体部12は、燃料電池セルが複数積層された燃料電池スタック14と呼ばれる燃料電池本体及び、燃料電池スタック14のアノード側に配置される水素ガス供給のための各要素と、カソード側に配置される空気供給のための各要素を含んで構成される。
燃料電池スタック14は、単セルと呼ばれる単位燃料電池を複数接続して所望の端子電圧と出力電流を取り出せるように構成された組電池である。単セルは、電解質膜を挟んでその両側のカソード側とアノード側にそれぞれ触媒層と拡散層と多孔質電極層とセパレータが配置される構造を有し、アノード側に水素等の燃料ガスを供給し、カソード側に酸素を含む酸化ガス、例えば空気を供給し、電解質膜を通しての電気化学反応によって発電し、必要な電力を取り出す機能を有する。
カソード側の酸素供給源(AIR)20は、酸化ガス源であるが、実際には大気を用いることができる。フィルタ22は、酸素供給源20である大気中の異物を除去して燃料電池スタック14の供給に適した状態にする機能を有する。
エアコンプレッサ(ACP)24は、図示されていないモータによって酸化ガスを容積圧縮してその圧力を高める気体昇圧機である。またACP24は、制御部80の制御の下で、その回転速度(毎分当りの回転数)を可変して、所定量の酸化ガスを提供する機能を有する。すなわち、酸化ガスの所要流量が大きいときは、モータの回転速度を上げ、逆に酸化ガスの所要流量が小さいときは、モータの回転速度を下げる。
このように燃料電池スタック14のカソード側には酸素を含む空気がACP24によって制御部80の制御の下で供給されるので、酸素供給源20からACP24までの要素を、酸素供給装置と呼ぶことができる。
ACP24と燃料電池スタック14のカソード側ガス入口とを接続する酸化ガス供給流路は、ACP24によって適当な圧力と流量に調整された酸化ガスを燃料電池スタック14に供給する機能を有するガス配管である。
燃料電池スタック14のカソード側ガス出口に接続される酸化ガス排出流路は、燃料電池スタック14のカソード側ガス入口から供給された酸化ガスが電気化学反応を行って使用済みとなった酸化ガスを排出するガス配管である。
酸化ガス供給流路と酸化ガス排出流路とにまたがって配置される加湿器26は、ACP24から供給される酸化ガスを加湿して燃料電池スタック14に供給する機能を有するガス交換型加湿器である。ここでは、燃料電池スタック14から排出され反応生成物である水蒸気を含む使用済み酸化ガスを用い、中空糸を介して水蒸気をACP24から供給される酸化ガスに与えて加湿する。
カソード側ガス出口のすぐ下流側で酸化ガス排出流路に直列に配置接続される調圧弁28は、背圧弁とも呼ばれるが、カソード側ガス出口のガス圧を調整し、燃料電池スタック14への酸化ガスの流量を調整する機能を有する弁である。
調圧弁28から加湿器26を経由して使用済みとなった酸化ガスは、燃料電池スタック14における反応生成物である水または水蒸気と共に、カソード側排気ガスとして、希釈器等を経由して外気(EX)(換言すれば、外部)に排出される。
アノード側の水素ガス源(燃料ガス源)40は、燃料ガスとしての水素を供給するタンクである。タンクは、複数並列接続して用いるものとしてもよい。水素ガス源40は、タンクの供給口に設けられる遮断弁42を経由してレギュレータ44,46に接続される。レギュレータ44,46は、制御部80の制御の下で、水素ガス源40の高いガス圧を適当な圧力に調整する機能を有する。図1の例では、レギュレータ44,46は直列に2段接続されているが、これによって、タンク内の高いガス圧を効果的に降圧することができる。
レギュレータ44,46の下流側に設けられるインジェクタ48は、弁体を電磁駆動力で所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることで、ガス流量、ガス圧を調整する機能を有する一種の開閉弁である。インジェクタ48の作動は制御部80によって制御され、これによって、燃料電池スタック14に供給される水素ガスの流量等を、運転指令に適合するものとできる。
インジェクタ48と燃料電池スタック14のアノード側ガス入口52との間に設けられる燃料ガスの供給流路50は、燃料電池スタック14に燃料ガスである水素を実際に供給する機能を有するガス配管である。
燃料電池スタック14のアノード側ガス出口54に接続される上流側循環流路56は、燃料電池スタック14のアノード側ガス入口52から供給された燃料ガスが電気化学反応によって使用済みとなった燃料ガスを排出するガス配管である。
供給流路50と循環ポンプ62との間に接続されて配置される下流側循環流路60は、アノード側ガス出口54から排出される使用済みとなった燃料ガスの中の水素ガスを再び利用してアノード側ガス入口52に戻す機能を有するガス配管である。
上流側循環流路56と下流側循環流路60との間に設けられる循環ポンプ62は、上流側循環流路56から流れてきたガスを適当に加圧し、下流側循環流路60を介して供給流路50に供給する機能を有する気体ポンプである。また、循環ポンプ62は、循環ポンプ用コイル(図示しない)に通電して回転するモータを含んで構成される。さらに、循環ポンプ62には、温度センサが取り付けられている。
循環ポンプ62のモータが回転していると、アノード側ガス出口54から排出される使用済みとなった燃料ガスの中の水素ガスを再び利用してアノード側ガス入口52に戻して循環させることができる。一方、循環ポンプ62のモータが回転していないと、アノード側ガス出口54から排出される使用済みとなった燃料ガスの中の水素ガスを循環させることができない。
パージ弁59と希釈器64との間に接続されて配置される排出流路58は、上流側循環流路56から分岐しパージ弁59を介して設けられ、アノード側ガス出口54から排出される水分混じりの使用済み燃料ガスを、希釈器64等を経由して外気(EX)(換言すれば、外部)に排出させるための配管である。
パージ弁59は、パージ弁用コイル(図示しない)から発生する磁力を用いて開閉する弁を含んで構成され、上流側循環流路56と排出流路58との間に配置される。パージ弁59が閉弁していると、アノード側ガス出口54から排出された排出ガスは、排出流路58に供給されず、排出ガスは外気(EX)に排出されない。また、パージ弁59が開弁すると、アノード側ガス出口54から排出された排出ガスは、排出流路58に供給されて、希釈器64等を介して排出ガスが外気(EX)に排出される。さらに、パージ弁59には、温度センサが取り付けられている。
冷却水循環流路30は、燃料電池スタック14を適当な温度に維持するためのラジエータ液を流すための配管である。また、冷却水循環流路30は、途中に冷却水循環ポンプ32が設けられ、燃料電池スタック14と、ラジエータ34との間にラジエータ液を循環させる。
ラジエータ34には、ラジエータ液、換言すればLLC(Long Life Coolant)液が含まれている熱交換器である。また、燃料電池スタック14とラジエータ34との間を循環するラジエータ液が熱交換を行うと温度が上昇し、制御部80の制御によって、燃料電池スタック14の出口側から図示しない流路を介して循環ポンプ62、あるいは、パージ弁59に対してそのラジエータ液が流し込まれる。なお、燃料電池スタック14の出口側には、ラジエータ液の温度を計測する温度センサが設けられている。
制御部80は、図示されていない運転指令部からの燃料電池運転指令に従って、システム本体部12の各構成要素をシステム全体として制御する機能を有する。例えば、燃料電池運転指令に従って、ACP24の作動を制御して燃料電池スタック14に供給される酸化ガスの流量を調整し、調圧弁28の作動を制御して酸化ガスの圧力を調整し、またインジェクタ48の作動を制御して燃料電池スタック14に供給される燃料ガスの流量等を調整する機能を有する。
そして、ここでは特に、燃料電池システム10の循環ポンプ62とパージ弁59とのそれぞれの運転状態に基づいて、それぞれに対して行う制御について説明する。
制御部80は、FC温度判断処理部81と、循環ポンプ判断処理部82と、パージ弁判断処理部84と、循環ポンプ昇温処理部86と、パージ弁昇温処理部88と、モード選択処理部89とを含んで構成される。
かかる制御部80は、車両搭載に適したコンピュータで構成することができる。そして、上記の各機能は、ソフトウェアを実行することで実現できる。具体的には、図示しない記憶部に記憶された燃料電池運転モード選択プログラムを実行することでこれらの機能を実現できる。これらの機能の一部をハードウェアで実現するものとしてもよい。
FC温度判断処理部81は、燃料電池システム10が氷点下の環境の下で使用されているか否かを判断する機能を有する。
循環ポンプ判断処理部82は、循環ポンプ62に接続されており、循環ポンプ62からの情報を取得して、制御部80の制御により循環ポンプ62のモータが回転しているか否かを判断する(換言すれば、循環ポンプ62が運転可能であるか否かを判断する)機能を有する。
パージ弁判断処理部84は、パージ弁59に接続されており、パージ弁59からの情報を取得して、制御部80の制御によりパージ弁59が開弁可能か否かを判断する(換言すれば、パージ弁59が運転可能であるか否かを判断する)機能を有する。具体的には、閉弁時の圧力差(パージ弁59の上流側と下流側との圧力差)から開弁時の圧力差(パージ弁59の上流側と下流側との圧力差)を引いた値が閾値P1(kPa)を超えている場合は開弁可能と判断し、閾値P1(kPa)を超えていない場合は開弁不能と判断する。
循環ポンプ昇温処理部86は、燃料電池スタック14とラジエータ34との間を循環するラジエータ液が所定の温度(T1)より高いときに、燃料電池スタック14の出口側から循環ポンプ62に所定の量のラジエータ液を流し込んで、循環ポンプ62の温度を昇温させる機能を有する。そして、循環ポンプ昇温処理部86は、循環ポンプ62の温度が循環ポンプ62のモータが回転可能とされる温度になるまで所定の量のラジエータ液を繰り返し流し込む機能を有する。
パージ弁昇温処理部88は、燃料電池スタック14とラジエータ34との間を循環するラジエータ液が所定の温度(T1)より高いときに、燃料電池スタック14の出口側からパージ弁59に所定の量のラジエータ液を流し込んで、パージ弁59の温度を昇温させる機能を有する。そして、パージ弁昇温処理部88は、パージ弁59の温度が開弁可能とされる温度になるまで所定の量のラジエータ液を繰り返し流し込む機能を有する。
モード選択処理部89は、循環ポンプ62の運転状態とパージ弁59の運転状態とに基づいて、4つの燃料電池運転モードの中から1つの燃料電池運転モードを選択する機能を有する。4つの燃料電池運転モードは、通常循環運転モード892と、パージレス循環運転モード894と、少量排気運転モード896と、デットエンド運転モード898から構成される。
通常循環運転モード892は、循環ポンプ62が運転可能であり、パージ弁59が運転可能であると判断されたときに選択される選択モードである。通常循環運転モード892は、循環ポンプ62のモータを回転させてアノード側ガス出口54から排出された排出ガスを供給流路50に供給して循環させるとともに、パージ弁59を開いてアノード側ガス出口54から排出された排出ガスを排出流路58に供給して排出ガスを外気(EX)に排出させる運転モードである。
パージレス循環運転モード894は、循環ポンプ62が運転可能であり、パージ弁59が運転不能であると判断されたときに選択される選択モードである。パージレス循環運転モード894は、循環ポンプ62のモータを回転させてアノード側ガス出口54から排出された排出ガスを供給流路50に供給して循環させ、パージ弁59を閉じたままで、アノード側ガス出口54から排出された排出ガスを外気(EX)に排出させない運転モードである。
少量排気運転モード896は、循環ポンプ62が運転不能であり、パージ弁59が運転可能であると判断されたときに選択される選択モードである。少量排気運転モード896は、循環ポンプ62のモータを回転させないでアノード側ガス出口54から排出された排出ガスを供給流路50に供給させず(換言すれば、循環させず)、パージ弁59を開いてアノード側ガス出口54から排出された排出ガスを通常よりも少ない量で排出流路58に供給して排出ガスを外気(EX)に排出させる運転モードである。
デットエンド運転モード898は、循環ポンプ62が運転不能であり、パージ弁59が運転不能であると判断されたときに選択される選択モードである。デットエンド運転モード898は、循環ポンプ62のモータを回転させないでアノード側ガス出口54から排出された排出ガスを供給流路50に供給させず(換言すれば、循環させず)、パージ弁59を閉じたままで、アノード側ガス出口54から排出された排出ガスを外気(EX)に排出させない運転モードである。
続いて、上記構成の燃料電池システム10の動作について、図1〜図4を参照して説明する。図2は、燃料電池システム10において、循環ポンプ62とパージ弁59の運転状態に基づき燃料電池運転モードを選択する手順について示すフローチャートである。図3は、循環ポンプ62の昇温制御手順を示すフローチャートである。図4は、パージ弁59の昇温制御手順を示すフローチャートである。
まず、制御部80において最初に記憶部に記録された燃料電池運転モード選択プログラムを実行する。車両搭載用の燃料電池システム10が氷点下の環境の下で運転されているか否かを判断する(S10)。この工程は、制御部80のFC温度判断処理部81の機能によって実行される。燃料電池システム10が氷点下の環境の下で運転されていないと判断されれば、リターン処理へと進む。
燃料電池システム10が氷点下の環境の下で運転されていると判断されれば、循環ポンプ62に対する昇温制御を行う(S12)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。なお、循環ポンプ62に対する昇温制御の具体的な手順については後述する。
S12の後は、循環ポンプ62が運転可能か否か、換言すれば、循環ポンプ62のモータが回転可能であるか否かを判断する(S14)。この工程は、制御部80の循環ポンプ判断処理部82の機能によって実行される。S14において、循環ポンプ62のモータが回転可能であると判断された場合には、パージ弁59に対する昇温制御を行う(S16)。この工程は、制御部80のパージ弁昇温処理部88の機能によって実行される。なお、パージ弁59に対する昇温制御の具体的な手順については後述する。
S16の後は、パージ弁59が運転可能か否か、換言すれば、開弁するか否かを判断する(S18)。この工程は、制御部80のパージ弁判断処理部84の機能によって実行される。S18において、パージ弁59が開弁できると判断されれば、通常循環運転モード892が選択されて、通常循環運転モード892に基づいて燃料電池システム10が運転される(S22)。この工程は、制御部80のモード選択処理部89の機能によって実行される。S22の後は、再びS10へと戻る。
S18において、パージ弁59が開弁できないと判断されれば、パージレス循環運転モード894が選択されて、パージレス循環運転モード894に基づいて燃料電池システム10が運転される(S20)。この工程は、制御部80のモード選択処理部89の機能によって実行される。S20の後は、再びS10へと戻る。
再びS14に戻り、S14において、循環ポンプ62のモータが回転可能でないと判断された場合には、パージ弁59に対する昇温制御を行う(S15)。この工程は、制御部80のパージ弁昇温処理部88の機能によって実行される。なお、パージ弁59に対する昇温制御の具体的な手順については後述する。
S15の後は、パージ弁59が開弁するか否かを判断する(S17)。この工程は、制御部80のパージ弁判断処理部84の機能によって実行される。S17において、パージ弁59が開弁できると判断されれば、少量排気運転モード896が選択されて、少量排気運転モード896に基づいて燃料電池システム10が運転される(S21)。この工程は、制御部80のモード選択処理部89の機能によって実行される。S21の後は、再びS10へと戻る。
S17において、パージ弁59が開弁できないと判断されれば、デットエンド運転モード898が選択されて、デットエンド運転モード898に基づいて燃料電池システム10が運転される(S19)。この工程は、制御部80のモード選択処理部89の機能によって実行される。S19の後は、再びS10へと戻る。
このように、燃料電池システム10によれば、循環ポンプ62とパージ弁59との運転状態に基づいて4つの燃料電池運転モードの中から好適な燃料電池運転モードを選択することができる。
ここで、S12における循環ポンプ62に対する昇温制御の手順について、図3を参照して説明する。燃料電池スタック14とラジエータ34との間を循環するラジエータ液(LLC液)の温度が所定の温度(T1)よりも高いか否かを判断する(S101)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。ラジエータ液の温度が所定の温度(T1)よりも低ければ、再びS101へと戻る。
ラジエータ液の温度が所定の温度(T1)よりも高ければ、燃料電池スタック14の出口側から循環ポンプ62に対して、所定の量のラジエータ液を流し込むように制御する(S103)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。
S103の後は、循環ポンプ62の温度が循環ポンプ62のモータが回転可能とされる温度(Th1)よりも高いか否かを判断する(S105)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。S105において、循環ポンプ62の温度が温度(Th1)よりも低いと判断されたときは、再びS103へと戻る。S105において、循環ポンプ62の温度が温度(Th1)よりも高いと判断されたときは、END処理へと進む。
また、S15,S16におけるパージ弁59に対する昇温制御の手順を図4に示している。ここで、パージ弁59に対する昇温制御は、上記の循環ポンプ62に対する昇温制御と同様の手順で昇温する。具体的には、S102は、図3におけるS101に対応し、S104は、図3におけるS103に対応し、S106は、図3におけるS105に対応するため、詳細な説明は省略する。なお、図4における各工程は、パージ弁昇温処理部88の機能によって実行される。
なお、S105で求められる循環ポンプ62の温度は、温度センサを用いて計測してもよいが、循環ポンプ62の推定温度The=(B*(T1−Th0)−α)/Hから求めてもよい。ここで、Bはラジエータ液から循環ポンプ62への伝熱係数であり、T1はラジエータ液を昇温に使用するか否かの判断基準値であり、Th0は循環ポンプ62の初期温度であり、αは循環ポンプ62に残っている氷の解凍エネルギであり、Hは循環ポンプ62の熱容量である。また、S106で求められるパージ弁59の温度は、温度センサを用いて計測してもよいが、パージ弁59の推定温度Tve=(C*(T1−Tv0)−β)/Jから求めてもよい。ここで、Cはラジエータ液からパージ弁59への伝熱係数であり、T1はラジエータ液を昇温に使用するか否かの判断基準値であり、Tv0はパージ弁59の初期温度であり、βはパージ弁59に残っている氷の解凍エネルギであり、Jはパージ弁59の熱容量である。
このように、燃料電池システム10によれば、循環ポンプ62とパージ弁59とを昇温しながら、その循環ポンプ62とパージ弁59の運転状態に基づいて、燃料電池運転モードを選択することを繰り返しているため、昇温により循環ポンプ62とパージ弁59の運転状態が変化した場合にも好適な燃料電池運転モードへと変更することができる。
次に、燃料電池システム10の第1変形例について説明する。燃料電池システム10の第1変形例と燃料電池システム10との相違は、循環ポンプ62とパージ弁59の周囲にそれぞれ電気ヒータが配置されている点と、循環ポンプ昇温処理部86とパージ弁昇温処理部88の機能であるため、相違点を中心に説明する。
循環ポンプ62とパージ弁59の周囲には、それぞれ制御部80の制御によって電源がオンオフされる図示しない電気ヒータが配置され、それぞれの電気ヒータの電源がオンされて発生した熱により循環ポンプ62、パージ弁59がそれぞれ昇温される。
循環ポンプ昇温処理部86は、循環ポンプ62の周囲に配置された電気ヒータを所定の時間電源オンの状態とすることで循環ポンプ62を昇温させる。そして、循環ポンプ昇温処理部86は、循環ポンプ62の温度が循環ポンプ62のモータが回転可能とされる温度になるまで電気ヒータを所定の時間電源オンの状態とすることを繰り返す機能を有する。
パージ弁昇温処理部88は、パージ弁59の周囲に配置された電気ヒータを所定の時間電源オンの状態とすることでパージ弁59を昇温させる。そして、パージ弁昇温処理部88は、パージ弁59の温度をパージ弁59が開弁可能とされる温度になるまで電気ヒータを所定の時間電源オンの状態とすることを繰り返す機能を有する。
続いて、上記構成の燃料電池システム10の第1変形例の動作について、図1,2,5,6を参照して説明する。図5は、循環ポンプ62の昇温制御手順を示すフローチャートである。図6は、パージ弁59の昇温制御手順を示すフローチャートである。燃料電池システム10の第1変形例も図2に示される手順と同様の手順で燃料電池運転モードを選択する。したがって、燃料電池システム10の第1変形例においても、循環ポンプ62とパージ弁59との運転状態に基づいて4つの燃料電池運転モードの中から好適な燃料電池運転モードを選択することができる。
ここで、S12における循環ポンプ62に対する昇温制御の手順について、図5を参照して説明する。循環ポンプ62の周囲に配置された電気ヒータを所定の時間電源オンする(S201)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。循環ポンプ62の温度が循環ポンプ62のモータが回転可能とされる温度(Th1)よりも高いか否かを判断する(S203)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。S203において、循環ポンプ62の温度が温度(Th1)よりも低いと判断されたときは、再びS201へと戻る。S203において、循環ポンプ62の温度が温度(Th1)よりも高いと判断されたときは、END処理へと進む。
また、S15,S16におけるパージ弁59に対する昇温制御の手順を図6に示している。ここで、パージ弁59に対する昇温制御は、上記の循環ポンプ62に対する昇温制御と同様の手順で昇温する。具体的には、S202は、図5におけるS201に対応し、S204は、図5におけるS203に対応するため、詳細な説明は省略する。なお、図6に示される各工程は、制御部80のパージ弁昇温処理部88の機能によって実行される。
なお、S203で求められる循環ポンプ62の温度は、温度センサでも求める他、推定温度The=(Q−α)/H+Th0から求めてもよい。ここでは、Qは電気ヒータの投入熱量であり、αは循環ポンプ62に残っている氷の解凍エネルギであり、Hは循環ポンプ62の熱容量であり、Th0は循環ポンプ62の初期温度である。また、S204で求められるパージ弁59の温度は、温度センサで求める他、推定温度Tve=(Q−β)/J+Tv0から求めてもよい。ここでは、Qは電気ヒータの投入熱量であり、βはパージ弁59に残っている氷の解凍エネルギであり、Jはパージ弁59の熱容量であり、Tv0はパージ弁59の初期温度である。
このように、燃料電池システム10の第1変形例によれば、循環ポンプ62とパージ弁59とを昇温しながら、その循環ポンプ62とパージ弁59の運転状態に基づいて、燃料電池運転モードを選択することを繰り返しているため、昇温により循環ポンプ62とパージ弁59の運転状態が変化した場合にも好適な燃料電池運転モードへと変更することができる。
次に、燃料電池システム10の第2変形例について説明する。燃料電池システム10の第2変形例と燃料電池システム10との相違は、循環ポンプ昇温処理部86とパージ弁昇温処理部88の機能であるため、相違点を中心に説明する。
循環ポンプ昇温処理部86は、循環ポンプ62のモータの回転速度(換言すれば、毎分当たりのモータの回転数)が0rpmよりも大きければ、モータの回転速度を所定のレートで増加させ、指示回転速度(Rref)から実回転速度(Rmes)を引いた値が回転数偏差判定値(ΔR0)より大きくなったとき、あるいは、循環ポンプ62の消費電力値(Ph)が消費電力判定値(Ph0)よりも大きくなったときに、循環ポンプ62の温度が循環ポンプ62のモータが回転可能とされる温度になるまで、その判定時の回転速度から所定の回転数を引いた値で定常運転を行う機能を有する。また、循環ポンプ昇温処理部86は、循環ポンプ62のモータの回転速度が0rpmのままのときは、循環ポンプ62の温度が循環ポンプ62のモータが回転可能とされる温度になるまで循環ポンプ用コイルを所定の時間通電することを繰り返す機能を有する。
パージ弁昇温処理部88は、パージ弁59のパージ弁用コイルに所定の時間通電することでパージ弁59を昇温させる。そして、パージ弁昇温処理部88は、パージ弁59の温度をパージ弁59が開弁可能とされる温度になるまでパージ弁59のパージ弁用コイルを所定の時間通電することを繰り返す機能を有する。
続いて、上記構成の燃料電池システム10の第2変形例の動作について、図1,2,7,8を参照して説明する。図7は、循環ポンプ62の昇温制御手順を示すフローチャートである。図8は、パージ弁59の昇温制御手順を示すフローチャートである。燃料電池システム10の第2変形例も図2に示される手順と同様の手順で燃料電池運転モードを選択する。したがって、燃料電池システム10の第2変形例においても、循環ポンプ62とパージ弁59との運転状態に基づいて4つの燃料電池運転モードの中から好適な燃料電池運転モードを選択することができる。
ここで、S12における循環ポンプ62に対する昇温制御の手順について、図7を参照して説明する。循環ポンプ62のモータの回転速度が0rpmよりも大きいか否かを判定する(S301)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。循環ポンプ62のモータの回転速度が0rpmより大きくないと判断されれば、循環ポンプ62のモータの循環ポンプ用コイルに所定の時間通電する(S302)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。そして、循環ポンプ62の温度が循環ポンプ62のモータが回転可能とされる温度(Th1)よりも高いか否かを判断する(S304)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。S304において、循環ポンプ62の温度が温度(Th1)よりも低いと判断されたときは、再びS302へと戻る。S304において、循環ポンプ62の温度が温度(Th1)よりも高いと判断されたときは、END処理へと進む。
再びS301に戻って、S301において、循環ポンプ62のモータの回転速度が0rpmよりも大きいと判断されれば、現状の回転速度に所定の回転速度(dR)を加算して循環ポンプ62に指示回転速度を与える(S303)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。そして、Rref(指示回転速度)−Rmes(実回転速度)>ΔR0(回転数偏差判定値)となるか、あるいは、Ph(循環ポンプ62の消費電力)>Ph0(消費電力判定値)となったか否かを判定する(S305)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。S305において、Rref(指示回転速度)−Rmes(実回転速度)≦ΔR0(回転数偏差判定値)、かつ、Ph(循環ポンプ62の消費電力)≦Ph0(消費電力判定値)と判断された場合には、再びS303へと戻る。S305において、Rref(指示回転速度)−Rmes(実回転速度)>ΔR0(回転数偏差判定値)、あるいは、Ph(循環ポンプ62の消費電力)>Ph0(消費電力判定値)と判断された場合には、S307へと進む。
S307では、S305の判定時における循環ポンプ62のモータの回転速度から所定の値、例えば、500rpmを引いた指示回転速度でモータを定常運転させる(S307)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。そして、循環ポンプ62の温度が循環ポンプ62のモータが回転可能とされる温度(Th1)よりも高いか否かを判断する(S309)。この工程は、制御部80の循環ポンプ昇温処理部86の機能によって実行される。S309において、循環ポンプ62の温度が温度(Th1)よりも低いと判断されたときは、再びS307へと戻る。S309において、循環ポンプ62の温度が温度(Th1)よりも高いと判断されたときは、END処理へと進む。
また、S15,S16におけるパージ弁59に対する昇温制御の手順を図8に示している。パージ弁59のパージ弁用コイルに所定の時間通電する(S402)。この工程は、制御部80のパージ弁昇温処理部88の機能によって実行される。そして、パージ弁59の温度がパージ弁59の弁が開弁可能とされる温度(Th1)よりも高いか否かを判断する(S404)。この工程は、制御部80のパージ弁昇温処理部88の機能によって実行される。S404において、パージ弁59の温度がパージ弁59の弁が開弁可能とされる温度(Th1)よりも低いと判断されたときは、再びS402へと戻る。S404において、パージ弁59の温度が温度(Th1)よりも高いと判断されたときは、END処理へと進む。
なお、S304で求められる循環ポンプ62の温度は、温度センサで求める他、推定温度The=(Q−α)/H+Th0から求めてもよい。ここでは、Qは循環ポンプ用コイルの投入熱量であり、αは循環ポンプ62に残っている氷の解凍エネルギであり、Hは循環ポンプ62の熱容量であり、Th0は循環ポンプ62の初期温度である。また、S309で求められる循環ポンプ62の温度は、温度センサで求める他、推定温度The=Q1/H+Th0から求めてもよい。ここで、Q1は昇温エネルギでありQ1=Q−Q2−αである。そして、Qは循環ポンプ用コイルの投入熱量であり、Q2は循環ポンプ62の仕事量であり、αは循環ポンプ62に残っている氷の解凍エネルギである。また、Hは循環ポンプ62の熱容量であり、Th0は循環ポンプ62の初期温度である。さらに、S404で求められるパージ弁59の温度は、温度センサで求める他、推定温度Tve=(Q−β)/J+Tv0から求めてもよい。ここで、Qはパージ弁用コイルの投入熱量であり、βはパージ弁59に残っている氷の解凍エネルギであり、Jはパージ弁59の熱容量であり、Tv0がパージ弁59の初期温度である。
このように、燃料電池システム10の第2変形例によれば、循環ポンプ62とパージ弁59とを昇温しながら、その循環ポンプ62とパージ弁59の運転状態に基づいて、燃料電池運転モードを選択することを繰り返しているため、昇温により循環ポンプ62とパージ弁59の運転状態が変化した場合にも好適な燃料電池運転モードへと変更することができる。
10 燃料電池システム、12 システム本体部、14 燃料電池スタック、20 酸素供給源、22 フィルタ、24 ACP、26 加湿器、28 調圧弁、30 冷却水循環流路、32 冷却水循環ポンプ、34 ラジエータ、40 水素ガス源、42 遮断弁、44,46 レギュレータ、48 インジェクタ、50 供給流路、52 アノード側ガス入口、54 アノード側ガス出口、56 上流側循環流路、58 排出流路、59 パージ弁、60 下流側循環流路、62 循環ポンプ、64 希釈器、80 制御部、81 FC温度判断処理部、82 循環ポンプ判断処理部、84 パージ弁判断処理部、86 循環ポンプ昇温処理部、88 パージ弁昇温処理部、89 モード選択処理部、892 通常循環運転モード、894 パージレス循環運転モード、896 少量排気運転モード、898 デットエンド運転モード。

Claims (10)

  1. 燃料ガス源から燃料電池スタックのアノード側ガス入口に燃料ガスを供給する供給流路と、
    燃料電池スタックのアノード側ガス出口から排出ガスを排出する上流側循環流路と、
    上流側循環流路から循環ポンプを介し供給流路に接続され、排出ガスを循環させるための下流側循環流路と、
    上流側循環流路から分岐しパージ弁を介して排出ガスを外部に排出するための排出流路と、
    制御部と、
    を備え、
    制御部は、
    循環ポンプの運転状態を判断する循環ポンプ判断手段と、
    パージ弁の運転状態を判断するパージ弁判断手段と、
    循環ポンプの運転状態とパージ弁の運転状態とに基づき、複数の燃料電池運転モードの中の1つの燃料電池運転モードを選択するモード選択手段と、
    を含むことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    制御部は、
    循環ポンプが運転可能であると判断され、パージ弁が運転可能であると判断された場合に選択される通常循環運転モードであって、循環ポンプによって排出ガスを循環させるとともにパージ弁によって排出ガスを外部に排出させる通常循環運転モードと、
    循環ポンプが運転可能であると判断され、パージ弁が運転不能であると判断された場合に選択されるパージレス循環運転モードであって、パージ弁によって排出ガスを外部に排出させず、循環ポンプによって排出ガスを循環させるパージレス循環運転モードと、
    循環ポンプが運転不能であると判断され、パージ弁が運転可能であると判断された場合に選択される少量排気運転モードであって、循環ポンプによって排出ガスを循環させず、パージ弁によって排出ガスを外部に排出させる少量排気運転モードと、
    循環ポンプが運転不能であると判断され、パージ弁が運転不能であると判断された場合に選択されるデットエンド運転モードであって、循環ポンプによって排出ガスを循環させないとともに、パージ弁によって排出ガスを外部に排出させないデットエンド運転モードと、
    を含むことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、
    制御部は、
    循環ポンプを昇温させる循環ポンプ昇温手段と、
    パージ弁を昇温させるパージ弁昇温手段と、
    循環ポンプ昇温手段により循環ポンプを昇温した後に循環ポンプ判断手段により循環ポンプの運転状態を判断し、パージ弁昇温手段によりパージ弁を昇温した後にパージ弁判断手段によりパージ弁の運転状態を判断し、循環ポンプの運転状態とパージ弁の運転状態とに基づき、モード選択手段により複数の燃料電池運転モードの中の1つの燃料電池運転モードを選択する一連の工程を繰り返す繰り返し手段を含むことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    循環ポンプ昇温手段は、
    燃料電池スタックとラジエータとの間を循環するラジエータ液が所定の温度より低いときは、待機状態とし、
    前記ラジエータ液が所定の温度より高いときに、前記ラジエータ液を循環ポンプに流し込んで循環ポンプの温度を昇温させることを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    循環ポンプ昇温手段は、
    循環ポンプの周囲に配置され、電源がオンとなった場合に発生する熱により循環ポンプの温度を昇温させる電気ヒータであることを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    循環ポンプは、循環ポンプ用コイルに通電して回転するモータを含み、
    循環ポンプ昇温手段は、
    モータに対し、所定の回転速度で回転するように指令したにもかかわらず、モータの回転速度が0である場合に、循環ポンプ用コイルに通電して循環ポンプの温度を昇温させることを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    循環ポンプは、循環ポンプ用コイルに通電して回転するモータを含み、
    循環ポンプ昇温手段は、
    モータに対し、所定の回転速度で回転するように指令して、モータの回転速度が0より大きい場合に、前記所定の回転速度を任意の時間間隔で増加させ、
    モータの実際の回転速度と前記所定の回転速度との偏差が回転数偏差判定値よりも大きくなった場合、あるいは、循環ポンプの消費電力が消費電力判定値よりも大きくなった場合に、前記所定の回転速度から予め定められた回転数を引いた回転速度で循環ポンプのモータを回転させることで、循環ポンプの温度を昇温させることを特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    パージ弁昇温手段は、
    燃料電池スタックとラジエータとの間を循環するラジエータ液が所定の温度より低いときは、待機状態とし、
    前記ラジエータ液が所定の温度より高いときに、前記ラジエータ液をパージ弁に流し込んでパージ弁の温度を昇温させることを特徴とする燃料電池システム。
  9. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    パージ弁昇温手段は、
    パージ弁の周囲に配置され、電源がオンとなった場合に発生する熱によりパージ弁の温度を昇温させる電気ヒータであることを特徴とする燃料電池システム。
  10. 請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、
    パージ弁は、パージ弁用コイルから発生する磁力を用いて開閉する弁を含み、
    パージ弁昇温手段は、
    パージ弁用コイルに通電することでパージ弁を昇温させることを特徴とする燃料電池システム。
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