JP2011023218A - 燃料電池 - Google Patents
燃料電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011023218A JP2011023218A JP2009167475A JP2009167475A JP2011023218A JP 2011023218 A JP2011023218 A JP 2011023218A JP 2009167475 A JP2009167475 A JP 2009167475A JP 2009167475 A JP2009167475 A JP 2009167475A JP 2011023218 A JP2011023218 A JP 2011023218A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- fuel cell
- power generation
- power
- output
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【課題】発電セルの出力特性の変化を抑制した燃料電池を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る燃料電池は、燃料の供給により発電するとともに、発電による電力を負荷に供給する発電セルおよび発電セルの後段に設けられた抵抗とをそれぞれ有する複数の燃料電池本体を具備し、燃料電池本体は、負荷に対してそれぞれ並列に接続されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の一態様に係る燃料電池は、燃料の供給により発電するとともに、発電による電力を負荷に供給する発電セルおよび発電セルの後段に設けられた抵抗とをそれぞれ有する複数の燃料電池本体を具備し、燃料電池本体は、負荷に対してそれぞれ並列に接続されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
この発明は、発電セルを複数備えた燃料電池に関する。
発電効率を向上させるため、燃料であるメタノールを酸素と反応させて発電する発電セルを複数備えた燃料電池がある(特許文献1)。発電セルを複数備えることにより、メタノールと酸素との接触面積を広くして発電効率を向上させている。
しかしながら、各発電セルの出力電力には、ばらつきが存在する。このため、出力電力の大きい特定の発電セルに負荷が集中する可能性がある。この場合、他の発電セルに比べて、この特定の発電セルでメタノールと酸素の反応が進む。その結果、この特定の発電セルの出力特性が変化する可能性がある。
この発明は、かかる従来の問題を解消するためになされたもので、発電セルの出力特性の変化を抑制した燃料電池を提供することを目的とする。
この発明は、かかる従来の問題を解消するためになされたもので、発電セルの出力特性の変化を抑制した燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る燃料電池は、燃料の供給により発電するとともに、発電による電力を負荷に供給する発電セルおよび発電セルの後段に設けられた抵抗とをそれぞれ有する複数の燃料電池本体を具備し、燃料電池本体は、負荷に対してそれぞれ並列に接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、発電セルの出力特性の変化を抑制した燃料電池を提供することを目的とする。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る燃料電池1の構成を示した図である。第1の実施形態に係る燃料電池1は、制御部11、燃料タンク12、出力端子13、LIB(Lithium-ion Battery)14、燃料電池本体15,16を具備する。燃料電池本体15は、バルブ101A、ポンプ102A、発電セル103A、DC/DCコンバータ104A、抵抗R1を具備する。燃料電池本体16は、バルブ101B、ポンプ102B、発電セル103B、DC/DCコンバータ104B、抵抗R2を具備する。なお、燃料電池本体16は、燃料電池本体15と同一の構成および動作であるため、以下では燃料電池本体15についてのみ説明し、重複した説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る燃料電池1の構成を示した図である。第1の実施形態に係る燃料電池1は、制御部11、燃料タンク12、出力端子13、LIB(Lithium-ion Battery)14、燃料電池本体15,16を具備する。燃料電池本体15は、バルブ101A、ポンプ102A、発電セル103A、DC/DCコンバータ104A、抵抗R1を具備する。燃料電池本体16は、バルブ101B、ポンプ102B、発電セル103B、DC/DCコンバータ104B、抵抗R2を具備する。なお、燃料電池本体16は、燃料電池本体15と同一の構成および動作であるため、以下では燃料電池本体15についてのみ説明し、重複した説明を省略する。
この第1の実施形態では、燃料電池1として、直接メタノール型燃料電池(以下、DMFC; Direct Methanol Fuel Cellと称する。)を例に説明する。また、発電セル103Bの構成は、発電セル103Aの構成と同一であるため以下での説明を省略する。
燃料タンク12は、発電に使用する液体燃料を収容する。液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。
制御部11は、この第1の実施形態に係る燃料電池1全体を制御する。制御部11は、燃料タンク12から発電セル103Aへ燃料を供給するバルブ101Aおよびポンプ102Aの動作を制御する。バルブ101Aは、燃料タンク12から発電セル103Aへの燃料の供給経路を開閉する。ポンプ102Aは、燃料タンク12に貯蔵されている燃料を発電セル103Aへ供給する。発電セル103Aへ燃料が供給されると、燃料が空気中の酸素と化学反応を起こし発電する。
図2および図3は、燃料電池1の発電セル103Aの構成の一例を示した図である。以下、図2、3を参照して、発電セル103Aの構成について説明する。
発電セル103Aは、アノード(燃料極)22、カソード(空気極/酸化剤極)24および電解質膜23から構成される膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を具備する。アノード(燃料極)22は、アノード触媒層22aとアノードガス拡散層22bとを有する。カソード(空気極/酸化剤極)24は、カソード触媒層24bとカソードガス拡散層24aとを有する。電解質膜23は、アノード触媒層22aとカソード触媒層24bとで扶持され、プロトン(水素イオン)伝導性を有する。
アノード触媒層22aやカソード触媒層24bに含有される触媒として、Pt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が使用できる。アノード触媒層22aには、メタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層24bにはPtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、上記触媒はこれらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用できる。また、触媒は炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒または無担持触媒などが使用できる。
電解質膜23を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料などが使用できる。
アノードガス拡散層22bは、アノード触媒層22aに燃料を均一に供給するアノード触媒層22aの集電体である。カソードガス拡散層24aは、カソード触媒層24bに酸化剤を均一に供給するカソード触媒層24bの集電体である。アノードガス拡散層22bおよびカソードガス拡散層24aは多孔質基材で構成されている。
アノードガス拡散層22bやカソードガス拡散層24aには、必要に応じて導電層が積層される。これら導電層としては、例えばAu、Niのような導電性金属材料からなる多孔質層(例えば、メッシュ)、多孔質膜、箔体あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材等が使用できる。電解質膜23と後述する燃料分配機構31およびカバープレート25との間には、それぞれゴム製の0リング26が介在する。これら0リング26は、発電セル103Aからの燃料漏れや酸化剤漏れを防止する。
カバープレート25は酸化剤である空気を取入れるための不図示の開口を有している。カバープレート25とカソード24との間には、必要に応じて保湿層や表面層が配置される。保湿層はカソード触媒層24bで生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制すると共に、カソード触媒層24bへの空気の均一拡散を促進するものである。表面層は空気の取入れ量を調整するものであり、空気の取入れ量に応じて個数や大きさ等が調整された複数の空気導入口を有している。
発電セル103Aのアノード(燃料極)22側には、燃料分配機構31が配置されている。燃料分配機構31には配管のような液体燃料の流路36を介して燃料タンク12が接続されている。
燃料分配機構31には燃料タンク12から流路36を介して燃料が導入される。流路36は燃料分配機構31や燃料タンク12と独立した配管に限られるものではない。例えば、燃料分配機構31と燃料タンク12とを積層して一体化する場合、これらを繋ぐ燃料の流路であってもよい。燃料分配機構31は流路36を介して燃料タンク12と接続されていればよい。
図3に示すように、燃料分配機構31は、燃料が流路36を介して流入する少なくとも1個の燃料注入口35と、燃料やその気化成分を排出する複数個の燃料排出口33とを有する燃料分配板32を備えている。また図2に示すように、燃料分配板32の内部には、燃料注入口35から導かれた燃料の通路となる空隙部34が設けられている。複数の燃料排出口33は燃料通路として機能する空隙部34にそれぞれ直接接続されている。
燃料注入口35から燃料分配機構31に導入された燃料は空隙部34に入り、この燃料通路として機能する空隙部34を介して複数の燃料排出口33にそれぞれ導かれる。複数の燃料排出口33には、例えば燃料の気化成分のみを透過し、液体成分は透過させない気液分離体(図示せず)を配置してもよい。なお、気液分離体は燃料分配機構31とアノード22との間に気液分離膜等として設置してもよい。燃料の気化成分は複数の燃料排出口33からアノード22の複数個所に向けて排出される。
燃料排出口33は、燃料分配板32のアノード22と接する面に複数設けられている。これにより、発電セル103Aの全体に燃料を供給することができる。燃料排出口33の個数は2個以上であればよいが、発電セル103Aの面内における燃料供給量を均一化する上で、0.1〜10個/cm2の燃料排出口33が存在するように形成することが好ましい。
燃料分配機構31と燃料タンク12の間を接続する流路36には、燃料移送制御手段としてのポンプ102Aが挿入されている。このポンプ102Aは燃料を循環される循環ポンプではなく、あくまでも燃料タンク12から燃料分配機構31に燃料を移送する燃料供給ポンプである。このようなポンプ102Aで必要時に燃料を送液することによって、燃料供給量の制御性を高めるものである。
この場合、ポンプ102Aとしては、少量の燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。
ロータリーベーンポンプはモータで羽を回転させて送液する。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアプラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。上記ポンプのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアプラムポンプを使用することがより好ましい。なお、燃料分配機構31から膜電極接合体21への燃料供給が行われる構成であればポンプ102Aを使用せずバルブ101Aのみで構成とすることも可能である。この場合には、バルブ101Aは、流路36による液体燃料の供給を制御するために設けられる。
このような構成において、燃料タンク12に収容された燃料は、ポンプ102Aにより流路36を移送され、燃料分配機構31に供給される。そして、燃料分配機構31から放出された燃料は、発電セル103Aのアノード(燃料極)22に供給される。発電セル103A内において、燃料はアノードガス拡散層22bで拡散されアノード触媒層22aに供給される。燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層22aで下記(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。
なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層24bで生成した水や電解質膜23中の水をメタノールと反応させて下記(l)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
CH3OH+H2O → CO2十6H++6e− …(1)
この反応で生成した電子(e−)は集電体を経由して外部に導かれ、いわゆる出力として負荷側に供給された後、カソード(空気極)24に導かれる。また、(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は電解質膜23を経てカソード24に導かれる。カソード24には酸化剤として空気が供給される。カソード24に到達した電子(e−)とプロトン(H+)は、カソード触媒層24bで空気中の酸素と下記(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成される。
6e−+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
この反応で生成した電子(e−)は集電体を経由して外部に導かれ、いわゆる出力として負荷側に供給された後、カソード(空気極)24に導かれる。また、(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は電解質膜23を経てカソード24に導かれる。カソード24には酸化剤として空気が供給される。カソード24に到達した電子(e−)とプロトン(H+)は、カソード触媒層24bで空気中の酸素と下記(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成される。
6e−+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
発電セル103Aで発電された電力は、DC/DCコンバータ104Aで昇圧される。DC/DCコンバータ104Aで昇圧された電力は、抵抗R1を介して燃料電池本体15から出力される。燃料電池本体15から出力された電力は、燃料電池本体16から出力された電力と加算される。加算された電力は、出力端子13に接続された外部機器やLIB14などの負荷へ供給される。LIB14は、燃料電池システム1を起動する際に必要な電力または電流を供給するリチウムイオン電池(二次電池)である。LIB14に蓄積された電力は、ポンプ102A,Bなどの動力源として使用される。なお、このLIB14には、DC/DCコンバータ104Aを介して発電セル103Aから供給される電力を充電するための充電制御部(図示せず)と、LIB14から出力端子13を介して外部機器へ電力を出力する際に出力電圧を昇圧するDC/DCコンバータ(図示せず)とを有する。
図4は、第1の実施形態に係る燃料電池1の出力電圧と出力電流との関係(以下、出力特性)の一例を示した図である。図4では、出力電圧を縦軸に示し、出力電流を横軸に示している。また、燃料電池本体15の出力特性を破線で、燃料電池本体16の出力特性は実線で示している。燃料電池本体15の出力特性を示す破線と、燃料電池本体16の出力特性を示す実線とは、完全には一致していない。これは、発電セル103A,BやDC/DCコンバータ104A,Bの個体差(製造ばらつき等)に起因する。
この第1の実施形態では、DC/DCコンバータ104A,Bの後段に抵抗R1,R2を具備している。このため、燃料電池本体15,16のV−I特性に傾きが生ずる。つまり、燃料電池本体15,16は、出力電流が増加するほど出力電圧が降下する(出力負荷が高くなるほど出力電圧が降下する)出力特性を有する。
燃料電池本体15,16は、出力端子13やLIB14などの負荷に対して並列に接続されているため、燃料電池本体15,16の電圧は、負荷に対して略同一となる。このため、負荷に対する出力電圧が図4の枠A内にある場合(低負荷時)、例えば出力電圧がV1のとき、燃料電池本体15,16の出力電流は、それぞれA2、A1となる。
(比較例)
図5は、比較例に係る燃料電池2の構成を示した図である。図5に示した比較例に係る燃料電池2は、抵抗R1,R2を具備しない点が図1に示した第1の実施形態に係る燃料電池1と異なる。その他の構成は、図1に示した第1の実施形態に係る燃料電池1と同じであるため、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図5は、比較例に係る燃料電池2の構成を示した図である。図5に示した比較例に係る燃料電池2は、抵抗R1,R2を具備しない点が図1に示した第1の実施形態に係る燃料電池1と異なる。その他の構成は、図1に示した第1の実施形態に係る燃料電池1と同じであるため、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図6は、比較例に係る燃料電池の出力特性を示した図である。図6では、出力電圧を縦軸に示し、出力電流を横軸に示している。抵抗R1,R2を具備しない場合、燃料電池本体15A,16AのV−I特性は、略水平となる。
比較例では、燃料電池本体15A,16AのV−I特性は、略水平であるため、負荷に対する出力電圧V2が枠B内にある場合(低負荷時)、燃料電池本体15Aの電力供給が負荷に対して支配的となる。つまり、燃料電池本体15Aから負荷に対して電流A3が供給され、燃料電池本体16Aからは負荷に対して電流がほとんど供給されない状態となる。
この場合、燃料電池本体16Aの発電セル103Aで発電した電力は、そのほとんどが熱として失われてしまうため、制御部11は、バルブ101A、ポンプ102Bを制御して発電セル103Bへの燃料の供給を停止する。その結果、燃料電池本体15Aの発電セル103Aのみで発電反応が進んでしまう。
上述のように、燃料電池本体15Aの発電セル103Aのみで燃料が空気中の酸素と化学反応して発電する状態が続くと、燃料電池本体16Aの発電セル103Bに比べて、燃料電池本体15Aの発電セル103Aで使用している触媒や材料の劣化が進んでしまう。この場合、燃料電池本体15Aと燃料電池本体16Aの出力特性(特に、長期的出力特性)に違いが生じることが考えられる。
また、発電セルへ燃料を供給してから発電反応が起こるまでにはタイムラグがある。このため、燃料電池本体16Aの発電セル103Bへの燃料の供給を停止した状態で負荷に対する電力供給の急激な変動(特に、低負荷から高負荷への変動)が生じると、燃料電池本体15Aの発電セル103Aのみで該変動に対応しなければならない。このため、該負荷の変動に追従できない可能性がある。
一方、第1の実施形態に係る燃料電池1は、DC/DCコンバータ104A,Bの後段に抵抗R1,R2を具備し、燃料電池本体15,16のV−I特性に傾きを生じさせている。この場合、燃料電池本体15,16の両方から電力が負荷へ供給されるため一方の発電セルに負荷が集中することを抑制できる。また、負荷に対する電力供給の急激な変動に対する追従性がよい。
なお、抵抗R1,R2の抵抗値は、燃料電池本体15と燃料電池本体16との出力電力の差(個体差)に応じて異なる値とするのが好ましい。具体的には、図4に示した実線と破線が、電圧V1を示す補助線とそれぞれ交点を有するように抵抗R1,R2の抵抗値を設定する。つまり、燃料電池本体15,16の出力電力の差が大きい場合には、抵抗値を大きくし、燃料電池本体15,16の出力電力の差が小さい場合には、抵抗値も小さくする。
以上のように、第1の実施形態に係る燃料電池1は、DC/DCコンバータ104A,Bの後段に抵抗R1,R2を具備している。このため、燃料電池本体15,16のV−I特性に傾きが生じ、発電セル103A,Bの両方で発電反応が起きる。その結果、一方の発電セルに負荷が集中することを避け、出力特性の変化を抑制できる。また、発電セル103A,Bの両方で発電反応が生じるため、負荷に対する電力供給の急激な変動に対する追従性がよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、DC/DCコンバータ104A,Bの後段に抵抗R1,R2を具備する実施形態について説明した。しかし第1の実施形態では、この抵抗R1,R2による電力の損失が生じる。この第2の実施形態では、この抵抗R1,R2による電力の損失を抑制した実施形態について説明する。
第1の実施形態では、DC/DCコンバータ104A,Bの後段に抵抗R1,R2を具備する実施形態について説明した。しかし第1の実施形態では、この抵抗R1,R2による電力の損失が生じる。この第2の実施形態では、この抵抗R1,R2による電力の損失を抑制した実施形態について説明する。
図7は、この第2の実施形態に係る燃料電池3の構成を示した図である。第2の実施形態に係る燃料電池3は、制御部11、燃料タンク12、LIB14、燃料電池本体15B,16Bを具備する。燃料電池本体15Bは、バルブ101A、ポンプ102A、発電セル103A、DC/DCコンバータ104A、電圧検出部105A、FET1、抵抗R1を具備する。燃料電池本体16Bは、バルブ101B、ポンプ102B、発電セル103B、DC/DCコンバータ104B、電圧検出部105B、FET2、抵抗R2を具備する。なお、以下の説明では、図1で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、重複した説明を省略する。また、燃料電池本体16Bは、燃料電池本体15Bと同一の構成および動作であるため、以下では燃料電池本体15Bについてのみ説明する。
DC/DCコンバータ104Aで昇圧された電力は、FET1または抵抗R1を介して燃料電池本体15Bから出力される。電圧検出部105Aは、DC/DCコンバータ104Aで昇圧された電圧値を検出し、この検出された電圧値を予め記憶している閾値と比較する。電圧検出部105Aは、比較結果に応じてFET1の動作を制御する。
具体的には、電圧検出部105Aは、DC/DCコンバータ104A後段の電圧値が閾値以下(高負荷時)であれば、FET1に電圧を印加し、FET1をON状態とする。また、DC/DCコンバータ104A後段の電圧が閾値を超えていれば(低負荷時)、FET1に電圧を印加せず、FET1をOFF状態とする。FET1がON状態であれば、DC/DCコンバータ104Aで昇圧された電力は、FET1を介して燃料電池本体15Bから出力される。FET1がOFF状態であれば、DC/DCコンバータ104Aで昇圧された電力は、抵抗R1を介して燃料電池本体15Bから出力される。
ここで、電圧検出部105A,Bの閾値は、燃料電池本体15B,15Bの最大出力電圧から抵抗R1,R2による電圧降下分を差し引いた値とすることが好ましい。つまり、燃料電池本体15B,15Bの出力電圧および出力電流がそれぞれ5V、400mAで、抵抗R1,R2の抵抗値が0.5Ωである場合、電圧検出部105A,Bの閾値を4.8Vに設定することが好ましい。
燃料電池本体15Bから出力された電力は、燃料電池本体16Bから出力された電力と加算される。加算された電力は、出力端子13に接続された外部機器やLIB14などの負荷へ供給される。
図8,9は、第2の実施形態に係る燃料電池3の出力電圧と出力電流との関係(以下、出力特性)を示した図である。図8,9では、出力電圧を縦軸に示し、出力電流を横軸に示している。図8は、燃料電池本体15B,16Bの出力負荷が低い場合、つまり、FET1,2がOFF状態であり、DC/DCコンバータ104A,Bから出力された電力が抵抗R1,R2を介して出力されている場合の出力特性である。図9は、燃料電池本体15B,16Bの出力負荷が高い場合、つまり、FET1,2がON状態であり、DC/DCコンバータ104A,Bから出力された電力がFET1,2を介して出力されている場合の出力特性である。
低負荷時は、負荷で消費される電力が小さいため、燃料電池本体15B,16Bは、図8の枠Cの範囲内で動作する。第1の実施形態で述べたように、低負荷時は、一方の発電セルのみで燃料が空気中の酸素と化学反応して発電するため触媒や材料の劣化が進むことが考えられる。このため、この第2の実施形態に係る燃料電池3では、FET1,2をOFF状態とし、DC/DCコンバータ104A,Bから出力された電力を、抵抗R1,R2を介して出力している。
一方、高負荷時は、負荷で消費される電力が大きいため、燃料電池本体15B,16Bは、図9の枠Dの範囲内、具体的には、破線と実線との交点Pよりも低い電圧の範囲内で動作する。この場合、図9に示すように、燃料電池本体15B,16Bの両方から電力が供給されるため、燃料電池本体15B,16BのV−I特性に傾きを生じさせる必要がない。そこで、高負荷時(図9の枠D内)は、FET1,2をON状態とし、DC/DCコンバータ104A,Bから出力された電力を、FET1,2を介して出力している。
以上のように、この第2の実施形態に係る燃料電池3は、燃料電池本体15B,16Bの出力負荷が低い場合、DC/DCコンバータ104A,Bから出力された電力を抵抗R1,R2を介して出力し、燃料電池本体15B,16Bの出力負荷が高い場合、DC/DCコンバータ104A,Bから出力された電力を、FET1,2を介して出力する。このため、抵抗R1,R2による電力損失を抑制できる。その他の効果は、第1の実施形態と同じである。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、第1の実施形態では、燃料であるメタノールを酸素と反応させて発電する発電セルを2つ(103A,B)を備えた実施形態について説明したが、発電セルは2つに限られず任意の数(3つ以上)だけ具備してもよい。また、第2の実施形態では、FET(106A,B)を用いてDC/DCコンバータ(104A,B)から出力された電力の経路を切り替えたが、FET(106A,B)の代わりにスイッチを用いてDC/DCコンバータから出力された電力の経路を切り替えてもよい。また、電圧検出部(105A,B)の代わりに、電圧比較器(コンパレータ)を具備してもよい。この場合、電圧比較器は、DC/DCコンバータ(104A,B)からの出力電圧を参照電圧と比較し、その比較結果に応じてFET(106A,B)のON/OFFを制御する。また、上記実施の形態では出力端子13より外部機器へ電力を出力する構成としたが、燃料電池1は電子機器内に内蔵された構成であってもよい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、第1の実施形態では、燃料であるメタノールを酸素と反応させて発電する発電セルを2つ(103A,B)を備えた実施形態について説明したが、発電セルは2つに限られず任意の数(3つ以上)だけ具備してもよい。また、第2の実施形態では、FET(106A,B)を用いてDC/DCコンバータ(104A,B)から出力された電力の経路を切り替えたが、FET(106A,B)の代わりにスイッチを用いてDC/DCコンバータから出力された電力の経路を切り替えてもよい。また、電圧検出部(105A,B)の代わりに、電圧比較器(コンパレータ)を具備してもよい。この場合、電圧比較器は、DC/DCコンバータ(104A,B)からの出力電圧を参照電圧と比較し、その比較結果に応じてFET(106A,B)のON/OFFを制御する。また、上記実施の形態では出力端子13より外部機器へ電力を出力する構成としたが、燃料電池1は電子機器内に内蔵された構成であってもよい。
1,2…燃料電池、11…制御部、12…燃料タンク、13…出力端子、14…LIB、15,16…燃料電池本体、22…アノード、23…電解質膜、24…カソード、25…カバープレート、26…Oリング、31…燃料分配機構、32…燃料分配板、33…燃料排出口、34…空隙部、35…燃料注入口、36…流路、101…バルブ、102…ポンプ、103…発電セル、104…DC/DCコンバータ、105…電圧検出部。
Claims (2)
- 燃料の供給により発電するとともに、前記発電による電力を負荷に供給する発電セルおよび前記発電セルの後段に設けられた抵抗とをそれぞれ有する複数の燃料電池本体を具備し、
前記燃料電池本体は、前記負荷に対してそれぞれ並列に接続されていることを特徴とする燃料電池。 - 前記抵抗をバイパスするバイパス経路と、
前記発電セルの出力電圧を検出し、該検出された電圧に応じて、前記発電セルから前記負荷へ供する電力の経路を前記抵抗から前記バイパス経路へ切換える電圧検出部と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009167475A JP2011023218A (ja) | 2009-07-16 | 2009-07-16 | 燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009167475A JP2011023218A (ja) | 2009-07-16 | 2009-07-16 | 燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011023218A true JP2011023218A (ja) | 2011-02-03 |
Family
ID=43633110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009167475A Withdrawn JP2011023218A (ja) | 2009-07-16 | 2009-07-16 | 燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011023218A (ja) |
-
2009
- 2009-07-16 JP JP2009167475A patent/JP2011023218A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009087741A (ja) | 燃料電池の劣化検出装置及び燃料電池システム | |
JP2008192506A (ja) | 燃料電池 | |
JP2008218236A (ja) | 燃料電池システム及び電子機器 | |
WO2010013711A1 (ja) | 燃料電池システム及び電子機器 | |
JP2008293856A (ja) | 燃料電池 | |
JP2010165601A (ja) | 燃料電池システム及び電子機器 | |
JP2009123441A (ja) | 燃料電池 | |
WO2010013709A1 (ja) | 燃料電池システム及び電子機器 | |
JP5258203B2 (ja) | 燃料電池システム及び電子機器 | |
JP2010244919A (ja) | 燃料電池システム、燃料電池システムの制御方法 | |
WO2008068886A1 (ja) | 燃料電池 | |
JP2010239701A (ja) | 燃料電池システム及び圧電ポンプ装置 | |
WO2008068887A1 (ja) | 燃料電池 | |
JP2010238408A (ja) | 燃料電池システム及びバルブ装置 | |
WO2011052204A1 (ja) | 燃料電池 | |
WO2011016400A1 (ja) | 燃料電池 | |
JP2011023218A (ja) | 燃料電池 | |
WO2010013714A1 (ja) | 燃料電池システム及び充電装置 | |
JP5025288B2 (ja) | 燃料電池システム及び電子機器 | |
JP2010033904A (ja) | 燃料電池システム及び電子機器 | |
JP5556123B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP2010033899A (ja) | 燃料電池システム及び電子機器 | |
JP2011023198A (ja) | 燃料電池システム及び充電装置 | |
JP2010033898A (ja) | 燃料電池システム及び電子機器 | |
WO2011024386A1 (ja) | 燃料電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20120614 |
|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20121002 |