この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
図1に示すように、この発明の電子カルテ装置は、診療録が格納される診療録データベースを備えた電子カルテサーバ100、窓口端末装置200、カルテ端末装置300、入力用端末装置400、携帯入力端末装置500が通信回線としてのLAN60を介して互いに接続されている。窓口端末装置200は、電子カルテサーバ100に対してクライアントとしての機能とサーバとしての機能を有している。このため窓口端末装置200の記憶装置と電子カルテサーバ100内のデータベースは常時同期が採られ、データベースのミラーリングが採られている。
カルテ端末装置300、入力用端末装置400、携帯入力端末装置500はクライアントとして用いられ、カルテ端末装置300は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータで構成され、端末装置400,端末装置500は、携帯に適したノートブック型パーソナルコンピュータで構成されている。特に、端末装置500は、携帯に適したモバイル型パーソナルコンピュータで構成される。
なお、このシステムの構成はあくまでも例示であり、端末装置300,400,500を全てノートブックパソコンで構成することも可能である。この実施形態においては、窓口端末装置200、カルテ端末装置300、入力用端末装置400、携帯入力端末装置500が電子カルテ端末装置として機能する。
電子カルテ端末装置400、携帯入力端末装置500は、LAN60と接続して院内環境で用いられるクライアントマシンの端末として使用でき、図1中矢印に示すように、LAN60による電子カルテサーバ100との接続を切り離して院外における独立した電子カルテ入力装置として利用できる。この実施形態においては、2つの端末装置400、携帯入力端末装置500を院外における電子カルテ入力装置として用いることができる。携帯入力端末装置500は、院外での往診の際に使用する往診端末として用いる。
また、この実施形態においては、院外における電子カルテ入力装置として用いる場合には、院外端末装置といい、特に、往診の際に用いる場合には往診端末装置ということにする。それぞれの院外端末装置400,500は互いに識別可能なように機器に識別情報を付加している。また、院内における電子カルテサーバ100のクライアントとして用いる場合には、院内端末装置ということにする。
図2の機能ブロック図に従いこの発明にかかる電子カルテ装置の構成について説明する。図2において、電子カルテサーバ100は、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション等を用いた情報処理装置で構成され、ハードディスクを備えた外部記憶装置120、CPU等により構成される制御部113、RAM、ROM等を備えた内部記憶装置114、LCD等からなる表示装置115、キーボード、マウス等を備えた入力装置116、LAN60に接続され通信制御を行うネットワーク処理部117を備える。
そして、電子カルテサーバ100と窓口端末装置200、カルテ端末装置300、入力用端末装置400、携帯入力端末装置500とはLAN60により接続される。
外部記憶装置120内には、患者毎のID、患者毎の氏名、生年月日、性別、血液型、感染症の有無等の個人情報を格納している患者管理DB(データベース)121、患者毎の診療履歴としてのカルテ、診療計画の情報、すなわち、患者毎の様々な情報を格納している患者治療情報DB122、病気毎の標準の診療手順を示す様々な情報を格納している診療DB123、多数の病名や薬品名、検査の種類等、医療に関する情報を登録している医療情報DB124、電子カルテシステムを利用する医師、事務職員等のユーザの個人情報を格納しているユーザ管理DB125、前述の各DBの更新、読み出し等の電子サーバの処理を行うための処理プログラム126、ユーザ毎の利用形態の標準等の設定情報を格納している設定ファイル127が保持されている。
制御部113は、処理プログラムDB126に格納されたプログラムにより、各種動作を制御するものである。例えば、入力装置116により入力された命令に従い、表示装置115に所定の内容を表示させるための制御、各DBの更新、読み出し等の制御、ネットワーク処理部117を介してクライアントである各端末装置200、300、400,500との間の接続の制御を行うとともに、相互間でデータの送受制御などを行う。また、内部記憶装置114は、制御部113が各種の処理を行うためのワークメモリ等として使用される。
電子カルテ端末装置200(300、400、500)は、受付、診察室等に設置されるもので、パーソナルコンピュータを用いた情報処理装置で構成される。
図1において、窓口端末装置200、カルテ端末300は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータで構成され、入力用端末装置400,携帯入力端末装置500は、ノートブック型パーソナルコンピュータで構成しているが、機能的には、デスクトップ型のパーソナルコンピュータもノートブック型パーソナルコンピュータとも同様に構成されるので、この図2及び図3については、両者を区別せずに記載している。
電子カルテ端末装置200(300、400、500)はハードディスク(HD)を備えた記憶装置205、CPU等により構成される制御部204、LCD等からなる表示装置202、キーボード、マウス等を備えた入力装置203、LAN60に接続され通信制御を行うネットワーク処理部201を備える。図示はしていないが、制御部204内には、RAM、ROM等を備えた内部記憶装置を備える。記憶装置205には、この端末装置の処理を行うための処理プログラム、ユーザ毎の利用形態の標準等の設定情報が少なくとも格納されている。制御部204は、記憶装置205に格納されたプログラムに基づき各種動作を制御するものである。例えば、入力装置203により入力された命令に従い、表示装置202に所定の内容を表示させるための制御、ネットワーク処理部201を介して電子カルテサーバ100との間の接続の制御を行うとともに、電子カルテサーバ100との間でデータの送受制御などを行う。
図3は、この発明の実施形態に用いられる電子カルテ端末装置200(300、400、500)のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。このブロック図には、制御部204を構成するCPU204a、RAM204b、ハードディスクコントローラ215、DVD−ROMドライバ216、マウスコントローラ213a、キーボードコントローラ213b、ディスプレイコントローラ212、およびネットワークボードを有するネットワーク処理部201が示されており、それらはバス220で相互に接続されている。
DVD−ROMドライバ216は、CD−ROMまたはDVD−ROMが装填され、装填されたCD−ROM、DVD−ROMをドライブし、CD−ROM、DVD−ROMに格納されたプログラム、データなどを読み込み、ハードディスク205に格納するものである。ネットワークボード処理部201に備えられたLANポート(図示しない)には、LANケーブルが挿入され、LAN60と接続される。尚、モバイル型パーソナルコンピュータにおいては、DVD-ROM装置は、内蔵されているのではなく外付けの装置をUSBを介して接続されている。
また、記憶装置としてのハードディスク205は、ハードディスクコントローラ215によりアクセスされ、制御部204の制御に基づき、データの読み出し、書き込みが行われる。入力装置203としてのマウス203aはマウスコントローラ116により制御され、マウス203aによる指示がバス220から制御部204に与えられる。入力装置203としてのキーボード203bは、キーボードコントローラ117により制御され、キーボード203bから入力された指示が制御部204に与えられる。表示装置202としてのLCDは、ディスプレイコントローラ212により制御され、表示装置202に所望の映像を表示させる。なお、図示はしていないが、入力装置203としてタッチパネルを用いる場合には、タッチパネルより入力されたコマンド等の指示が制御部204に与えられる。
次に、本実施形態の電子カルテ端末装置および電子カルテサーバの構成について説明する。
図4は、この実施形態の電子カルテ端末装置および電子カルテサーバの概略構成図であり、電子カルテサーバ100と院外端末としても用いることができる端末装置400、携帯入力端末装置500とをLAN60で接続した例を示している。この実施形態では、図1の電子カルテ端末装置400,携帯入力端末装置500を院外端末装置として利用できるように構成している。
この実施形態は、LANの接続状態に応じて、診療録の入力を電子カルテサーバ100の記憶装置120に行うモード(以下、院内端末モードという。)又は電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500の記憶装置自体に行うモード(以下、院外端末モードという。)を選択できるように構成している。すなわち、電子カルテ端末装置400をサーバのクライアントとして用いる院内端末モードと、院外での診療録入力装置として用いる院外端末モードをLANの接続状態で選択できるように構成している。この実施形態における院外端末モードは、自宅や特養施設などの院外で用いる場合と患者宅など往診先で用いる場合の双方を含む。そして、院外端末モードにおいて、特に往診端末装置としての特有のモードでの動作の際には往診端末モードということにする。
図4に示すように、この実施形態の電子カルテ端末装置400および携帯入力端末装置500は、電子カルテサーバ100とLAN60が接続された院内端末モードにおいては、電子カルテサーバ100の記憶装置120に対してデータの読み出し、更新を行うクライアントとして機能する。また、電子カルテサーバ100とLAN60が切断された院外端末モードにおいては、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500自体で診療録を電子的に記録する装置として用いられる。すなわち、電子カルテ端末装置400は、院内環境と同じ電子カルテシステムを院外に持ち出して、院内と同様の作業が行えるように構成されている。このため、電子カルテ端末装置400の記憶装置205には、電子カルテサーバ100の記憶装置100に格納される各データベース(DB)が同様に設けられている。記憶装置205には、電子カルテ端末装置の処理動作を行うための処理プログラム226、ユーザ毎の利用形態等の情報を格納している設定ファイル227の他に、患者管理DB(データベース)221、患者治療情報DB222、診療DB223、医療情報DB124、電子カルテシステムを利用する医師、事務職員等のユーザの個人情報を格納しているユーザ管理DB225を備える。
また、携帯入力端末装置500は、往診端末として用いる場合には、往診に必要な往診端末専用のアプリケーションが起動し、カルテ参照、主訴記載、所見記載、投薬入力などの各画面構成並びにこれらの入力ができるように構成されている。また、往診端末として使用する場合には、往診予約している患者のカルテ情報が記憶装置205に格納されている。また、携帯入力端末装置500の記憶装置205にも、電子カルテサーバ100の記憶装置100に格納される各データベース(DB)が同様に設けられている。
携帯入力端末装置500は、モバイル型のパーソナルコンピュータで構成されるので、表示装置202の画面は小さい。そこで、表示画面の縦、横どちらに向きを変えても一画面に表示できるように構成している。
これら各データベースは、電子カルテサーバ100から電子カルテ端末装置400または、携帯入力端末装置500へ同期を取り、電子カルテサーバ100の記憶装置120の内容に電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500の記憶装置205を更新設定できる。また、院外端末モードで記憶装置205の内容を更新した場合、電子カルテ装置400または携帯入力端末装置500のデータベースの内容と、電子カルテサーバ100の記憶装置120との同期を採り、容易に最新のデータに更新できるように構成されている。
上記したように、この電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500は、LAN60との接続状態により、院内端末モードと院外端末モードとが切り替られるように構成されている。このため、この実施形態では、制御部204がネットワーク処理部201の状態を起動した後端末動作中も監視し、LAN60との接続状態が変化したときに、院内端末モードか院外端末モードを選択して切替るものである。
図4に示すように、診療録等が格納されるデータベースを備えた記憶装置205を電子カルテ端末装置400および携帯入力端末装置500は備え、電子カルテサーバ100にネットワーク処理部201、LAN60を介して接続可能である。この実施形態においては、LAN60は、有線LANで構成しているが、LANはこれに限らず、無線LANで構成することもできる。無線LANとしては、PHSシステムを用いたものや赤外線を使用したものなどを用いることができる。
電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500のLANポート(図示しない)にLANケーブル(図示しない)が接続されると、ネットワーク処理部201は、LAN60との間の接続を行う。制御部204は、ネットワーク処理部201の状態を監視し、LAN60と接続が確認されると、院内端末モードとして電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500を動作できる状態に設定する。
一方、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500のLANポート(図示しない)からLANケーブル(図示しない)を外すと、ネットワーク処理部201とLAN60との接続が遮断され、制御部204は、院外端末モードとして電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500を動作できる状態に設定する。
この実施形態では、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500を動作しているときにもLAN60の接続状態を制御部204が監視し、その状態の変化により、モードの切り替えを行うように構成している。このため、LANの接続状態に応じて、診療録の入力を電子カルテサーバ100か電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500に選択でき、医師等のユーザは、ユーザが使用を希望するモードで確実に動作が行える。
電子カルテ装置400または携帯入力端末装置500の入力装置203は、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500が電子カルテサーバ100から切り離された状態において、操作に応じて診療録を入力し、制御部204は、その診療録を記憶装置205のデータベースに格納させる。
記憶装置205に格納された診療録データは、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500が電子カルテサーバ100に接続された状態において、診療録データを電子カルテサーバ100に送付し、データの同期を採る。
電子カルテ装置400または携帯入力端末装置500の制御部204は、電子カルテサーバ100から診療録および診療録作成のためのマスタを取得し、記憶装置205に記録するように制御するとともに、電子カルテサーバ100から取得し記録された診療録を、入力装置203により入力された診療録で更新するように制御する。この制御部204は、LAN60の接続状態により、院内端末モード、院外端末モードを選択する。
制御部204は、LAN60との接続が遮断されたときには、院外端末モードとして動作させる。このため、制御部204は、院外端末として必要なアプリケーションを起動させ、不要なアプリケーションは停止し、データベースとしてアクセスする先を内部の記憶装置205に切替る。この時起動させるアプリケーションは、データベース、認証プログラム、ログオン機能プログラム等である。一方、制御部204は、LAN60と接続されたときには、院内端末モードとして動作させる。このため、制御部204は、院内端末として必要なアプリケーションを起動させ、不要なアプリケーションは停止し、データベースとしてアクセスする先を電子カルテサーバ100に切替る。
また、電子カルテサーバ100は、操作に応じて診療録を入力する電子カルテ端末装置400または帯入力端末装置500がLAN60を介して接続可能な、記憶装置120を備え、制御部113により、これらデータの読み出し、更新が行われる。
電子カルテサーバ100の制御部113は、LAN60を介して接続された電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500からの要求に応じて、診療録および診療録作成のためのマスタを電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500に供与するように制御する。また、制御部113は、LAN60を介して接続された電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500から送付されてきた診療録の送付を受け、送付を受けた診療録により、記憶装置120の各データベースを更新するように制御する。
電子カルテサーバ100の制御部113により電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500などを含む各クライアントからの診療録のデータ操作に関するリクエストを集中して受け付け、応答する。
これら各部の動作の詳細については後述する。
電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500内に格納される処理プログラム226、電子カルテサーバ100に格納される処理プログラム126は、記憶媒体に格納され、電子カルテ装置400、携帯入力端末装置500及び電子カルテサーバ100にそれぞれインストールされ、電子カルテ端末装置400、携帯入力端末装置500、電子カルテサーバ100をコンピュータシステムが構成する。これらプログラムを格納するのに用いられる記憶媒体の種類は特に限定されるものではなく、処理プログラム226または処理プログラム126を記憶することのできる記憶媒体であればどのような記憶媒体でもよい。例えば、ハードディスク、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROMなど所望の記憶媒体を用いることができる。
このような、処理プログラム226を記憶したプログラム記憶媒体を、ノートブック型の電子カルテ端末装置400のDVD−ROMドライブまたはモバイル型の携帯入力端末装置500に接続したDVD−ROMドライブに装填してプログラムを電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500に読み込ませて電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500内の記憶装置205にインストールすることによりパーソナルコンピュータ上に電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500が構築され運用される。
また、電子カルテサーバプログラムを記憶した電子カルテサーバプログラム記憶媒体をサーバマシン100のDVD−ROMドライブに装填して電子カルテサーバの処理プログラム126をこれら各サーバマシンに読み込ませてサーバマシン内の記憶装置120にインストールすることにより各サーバマシン上に電子カルテサーバ100が構築され運用される。
次に、この実施形態の電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500について説明する。
この実施形態の電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500は2つの動作モード、即ち、“院内端末モード”と“院外端末モード”を有している。
前述したように、“院内端末モード”は、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500がLAN60を介して電子カルテサーバ100と接続された状態において電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500が電子カルテサーバ100の記録装置120の各データベースにアクセスして電子カルテ(診療録)の参照・更新などを行うモードである。
“院外端末モード”とは、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500が電子カルテサーバ100から切り離された状態において電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500のそれぞれ内部に備えられた記録装置205に格納されたデータベースにアクセスして電子カルテ(診療録)の参照・更新などを行うモードである。この発明においては、院外端末モードは、自宅や特養施設などの院外で用いる場合と、患者宅など往診先で用いる場合の双方の場合を含む。そして、携帯入力端末装置500は、自宅で電子カルテ(診療録)の参照・更新を行う通常の院外端末モードと、特定の患者宅等の往診先で診療する際に、予め必要なカルテ情報やオーダセットを用意し、帰院時に往診時のデータを院内のサーバに反映することができる往診端末モードとを選択できる。
これらの動作モードは、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500がLAN60との接続状態を監視し、接続状態により制御部204がいずれの動作モードかが選択されるようになっている。
入力装置203は、実際に診療情報を参照・入力する部分であり、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成され、院内端末モード、および院外端末モードのいずれの運用モードであるかに関わらず、同一の入力装置203を使用する。
ネットワーク処理部201は、自動的に電子カルテサーバ100に対するLAN60ヘの接続を試み、接続に成功すれば制御部204が院内端末モードでシステムを動作させる。一方、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500がLAN60との接続が遮断されていると、院外端末モードでシステムを動作させる。この動作の詳細については後述する。
電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500の制御部204は、入力装置203で行った入力操作を受けて、データを操作するための命令を発行する。この制御部204は、現在有効なDBに診療録を入力する。すなわち、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500が電子カルテサーバ100に接続された状態にある院内端末モードの場合は記録装置120のデータベースに診療録を入力し、また、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500が電子カルテサーバ100から切り離された状態にある院外端末運用モードの場合は、装置内部の記憶装置205のデータベースに診療録を入力する。
電子カルテ端末装置400、携帯入力端末装置500の記憶装置205内の設定ファイル227は、各電子カルテ端末装置400、携帯入力端末装置500毎に保有し、各電子カルテ端末装置400、携帯入力端末装置500が取得している情報を記録・格納するものである。
この設定ファイル227には、データ名、取得タイプ、最終更新日時、最終反映日時、更新情報が記憶される。
データ名は、各データ(テーブル)を識別する名称である。取得タイプは、取得時の状態(更新可、参照のみ)を識別するものである。最終更新日時は、データの更新を行った最終日時を記録するものである。最終反映日時は、正規DBに対して更新情報の反映を行った最終日時を記録するものである。
更新情報は、電子カルテシステムで使用する全てのデータに対して、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500がどのようなデータ操作(更新・追加・削除)を加えたかを示す更新情報が記録される。
記憶装置205の各データベースには、電子カルテ端末装置400、携帯入力端末装置500に供与される診療録及び各種マスタやファイルなどデータ全てに関する情報を記録・格納するものである。
次に、この実施形態の電子カルテ端末装置、携帯入力端末装置500および電子カルテサーバの動作について説明する。
この実施形態では、電子カルテ端末装置400、携帯入力端末装置500は、制御部204にて、起動時並びに起動した後端末として動作させている間、ネットワーク処理部201を監視し、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500がLAN60と接続されているか否か判定する。その判定結果に応じて、サーバDBによる院内端末モード、または、電子カルテ端末装置400、携帯入力端末装置500の記憶装置205による院外端末モードのいずれかの動作モードが自動的に選択されるようになっている。
この実施形態における携帯入力端末装置500は、電子カルテサーバ100と、このサーバ100にLAN60と接続される。この携帯入力端末装置500を訪問診療の際に医師等のユーザが往診先に持ち、カルテの参照、主訴記載、所見記載、投薬入力などを行う。このため、訪問診療を行う前に、ユーザは、訪問診療予約を入力し、電子カルテサーバ100の記憶装置102に訪問診療のスケジュールデータを格納する。訪問診療は、医師が定期的に患者宅を計画的に訪問(往診)して診察するものである。このため、医師等のユーザは予め訪問診療を行う予定を把握しているので、この予定に基づき、記憶装置102内に訪問診療予約としてスケジュールデータを入力し、格納しておく。この予約は、1日単位の予約、または週単位の予約として記憶装置120内に、患者ID、患者氏名、予約時間(往診日時)などが格納される。訪問診療(往診)に行く前に、これから訪問しようとする患者に関する患者データを電子カルテサーバ100と同期を採り、携帯入力端末装置500内の記憶装置205にダウンロードする。ダウンロードは、訪問診療予約した患者のデータが携帯記憶入力端末装置500にダウンロードされる。ダウンロードは、カルテ情報、往診用に設定された診察セットなどの各種オーダセット、往診用に設定した主訴テンプレート、所見テンプレート、シェーマテンプレートなどに従い、往診に利用しやすいように設定されて訪問診療予約された患者毎に記憶装置205内に格納される。
電子カルテサーバ100からデータのダウンロードが終了すると、LANケーブルを抜き、LAN60との接続を遮断して往診端末モードとして動作する携帯入力端末装置500を準備する。
往診先で、携帯入力端末装置500を用いて、訪問先の患者のカルテにより、診察行為を行うことができる。携帯端末装置500は、訪問診療(往診)に必要な予約された患者だけの患者データを格納し、所見や主訴、投薬の入力、過去カルテの参照ができるので、現地で複数の患者検索をする必要が無く、診療行為が迅速に行える。
携帯入力端末装置500を用いて過去カルテを持ち出し、この携帯入力端末装置500を用いて、所定の診療行為を行う。そして、その記録をつけると共に、患者の病気の症状を含む身体状況の記録もこの携帯入力端末装置500を利用して行われる。このように、カルテの現地入力が行えるので、過去の症状、処置もその場で確認しながら適切な診療行為と記録が行える。
携帯入力端末装置500は、モバイル型パーソナルコンピュータで構成しているので、患者宅のベッドサイドで入力が簡単に行える。
更に、この実施形態においては、訪問診療予約を行っていない緊急の往診の場合にも携帯入力端末装置500を用いて患者の診療記録が行えるように構成されている。
緊急の往診の場合には、患者宅で携帯入力端末装置500を用いて、患者ID又は患者名を入力した後に、主訴テンプレート、所見テンプレート、シェーマテンプレートなどに従いカルテ記載を行って患者登録並びに診療録を記憶装置20に格納する。
訪問診療が修了すると、医師等のユーザは診療の記録や患者の身体状況などを記録した携帯入力端末装置500を電子カルテサーバ100にLAN60を介して接続する。そして、携帯入力端末装置500を電子カルテサーバ100のクライアントとして動作させ、電子カルテサーバ100との間で同期処理が行われる。同期処理時に往診先で記載したカルテ情報が電子カルテサーバ100にアップロードされる。すなわち、院内環境で訪問予約により診療した患者並びに緊急往診した患者を訪問時と同じ日付が条件で訪問診療予約からの受付や過去受付等の受付を行う。この受付により、対応する患者のカルテが開き、往診時の記載内容がカルテに展開されて電子カルテサーバ100内の記憶装置120に記憶、保存される。
緊急の往診の場合に記録したカルテがある場合には、同期時に、携帯入力端末装置500で記録した患者ID又は患者名から電子カルテサーバ100内に記憶装置120に格納されている患者データを検索し、患者を特定する。そして、その特定された患者の診療録(カルテ)に緊急往診時に記録された内容がカルテに展開されて電子カルテサーバ100内の記憶装置に記憶、保存される。なお、患者データを検索し、該当する患者がいない場合には、新患患者として登録される。
この実施形態の電子カルテ端末装置400、携帯入力端末装置500および電子カルテサーバの動作について、図5を参照して説明する。図5は、この実施形態の電子カルテ端末装置または、携帯入力端末装置の動作を説明するためのフローチャートである。
この実施形態においては、LAN60との接続状態を監視している。勿論、システムの起動時についてもまずLAN60との接続を監視し、ネットワーク処理部201の状態から制御部201が電子カルテサーバ100の記憶装置120の診療録データベースへの接続の可否を判定し、その判定結果に応じて、電子カルテサーバ100との接続によるによる院内端末モード、または、院外端末モード(往診端末モードを含む)のいずれかの動作モードが自動的に選択されるようになっている。
先ず、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500のシステムが起動すると、制御部204は、ネットワーク処理部201からの情報に基づき、LAN60と接続されているか否か判断する(ステップS1)。LAN60と接続されていると判断されると、院内端末用モードにおける認証を行うために、制御部204は、表示装置202に院内端末用モードにおけるID入力をユーザに指示する表示を行う(ステップS2)。この表示は、ユーザID、パスワード等の利用者認証情報の入力画面である。この入力画面のとき、認証動作が院内端末であることがユーザに分かるように、IDの入力表示画面の色を院内端末モードと院外端末モードとを区別している。このように、区別することで、ユーザは、自身が使用する動作モードを確認できる。また、院内端末モードと院外端末モードとの認証情報を異ならせることで、誤ったモードでの動作を防止できる。
表示装置202の表示に従って、ID並びのパスワードを入力装置203から入力し(ステップS3)、制御部204は、入力された認証情報をユーザ管理DB225に格納された管理データに基づき利用者の認証が行われる(ステップS4)。正当な利用権を持つことが認証されると、院内端末用モードでの動作を行うように、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500がLAN60を介して電子カルテサーバ100の記録装置120の各データベースにアクセスするように、データとのアクセス先を電子カルテサーバ100にして院内端末モードに設定し、起動動作を終了する。
認証が失敗すると、エラーメッセージを表示し(ステップS6)、ID入力回数を1つインクリメントして(ステップS7)、IDの入力エラーが所定回数発生したか否か判断され(ステップS8)、所定回数エラーが発生すると、セキュリティなどの関係からLAN60の接続を遮断し、動作を終了する。
エラー回数が所定回数に達していない場合には、ステップ3に戻り、前述のID認証動作を繰り返す。IDの認証が行われれば、院内端末モードとして起動し、起動動作を終了する。
ユーザが院内端末モードで使用しようとして、院内端末用のIDを入力してエラーが何度も発生する場合には、ユーザは、IDの間違いかLANケーブルを挿入するのを忘れているかが認識できる。このため、ユーザはLANケーブルの接続状態を見て院内端末モードとして用いる予定にも関わらず、LANケーブルが外れている場合には、LANケーブルを確実に挿入することにより、院内端末モードへの動作の起動に切り替えることができる。
一方、ステップS1において、LANが接続されていないと判断されると、ステップS9に進み、院外端末用モードにおける認証を行うために、制御部204は、表示装置202に院外端末用モードにおけるID入力をユーザに指示する表示を行う(ステップS9)。この表示は、ユーザID、パスワード等の利用者認証情報の入力画面である。
表示装置202の表示に従って、ID並びにパスワードを入力装置203から入力し(ステップS10)、制御部204は、入力された認証情報をユーザ管理DB225に格納された管理データに基づき利用者の認証が行われる(ステップS11)。正当な利用権を持つことが認証されると、院外端末用モードでの動作を行うように、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500が内部の記憶装置205のサーバDBにアクセスするように、データとのアクセス先を内部記憶装置205にして院外端末モードに設定し、起動動作を終了する。
認証が失敗すると、エラーメッセージを表示し(ステップS13)、ID入力回数を1つインクリメントして(ステップS14)、IDの入力エラーが所定回数発生したか否か判断され(ステップS15)、所定回数エラーが発生すると、セキュリティなどの関係からLAN60の接続を遮断し、動作を終了する。
エラー回数が所定回数に達していない場合には、ステップ10に戻り、前述のID認証動作を繰り返す。IDの認証が行われれば、院外端末モードとして起動し、起動動作を終了する。
ユーザが院外端末モードで使用しようとして、院内端末用のIDを入力してエラーが何度も発生する場合には、ユーザは、IDの間違いかLANケーブルが接続されたままの状態かが認識できる。このため、ユーザはLANケーブルの接続状態を見て院外端末モードとして用いる予定にも関わらず、LANケーブルが接続されている場合には、LANケーブルを外すことにより、院外端末モードへの動作の起動に切り替えることができる。
さて、この実施形態においては、LAN60との接続状態を端末の起動後端末動作を行っている間も監視し、起動後LAN60の接続状態が変化すると動作モードを変更するように制御している。図6ないし図8に従い端末動作の切り替えにつき説明する。
図6は、端末動作を説明するためのフローチャートである。図6に示すように、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500が起動し端末として動作した後も後、制御部204は、ネットワーク処理部201を監視し、LAN60が切断されたか否か判断する(ステップS21)。制御部201はLAN60が切断されていると判断すると、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500の動作モードが院内端末モードであるか否か判断する(ステップS22)。院内端末モードではないと判断する、すなわち、院外端末モードの動作を行っていると判断すると、LAN60が切断されている場合には、院外端末モードでの使用であるので、そのままの院外端末モードでの動作を継続し(ステップS23)、端末の切替動作を終了する。
一方、ステップS22において、院内端末モードであると判断されると、院外端末への切替動作の処理を行い(ステップS24)、その後、端末の切替動作を終了する。院外端末への切替動作の処理については、後述する。
一方、ステップS21において、制御部201はLAN60が接続されていると判断すると、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500の動作モードが院外端末モードであるか否か判断する(ステップS25)。院外端末モードではないと判断する、すなわち、院内端末モードの動作を行っていると判断すると、LAN60が接続されている場合には、院内端末モードでの使用であるので、そのまま院内端末モードでの動作を継続し(ステップS26)、端末の切替動作を終了する。
一方、ステップS22において、院外端末モードであると判断されると、院内端末への切替動作の処理を行い(ステップS27)、その後、端末切替動作を終了する。院内端末への切替動作の処理については、後述する。
図7は、院外端末の切替処理の動作を説明するためのフローチャートである。図7に示すように、院外端末への切替動作を開始すると、オンラインからオフラインへネットワークの状態が切り替わったことを制御部204は表示装置202に表示させ、ユーザにネットワークの状態変化を通知する(ステップS31)。図12に、ネットワークの状態を変化したときに表示する表示装置202の表示画面202aの例を示している。この実施形態においては、ネットワークの状態が変化したときには、ネットワークの切替に応じてシステムを再起動して所定の動作モードになるように構成している。このため、表示画面202aには、ネットワークの状態が変化したこと、ネットワークの変更に伴い必要なサービス(動作モード)を起動する必要があること、サービスの再起動をボタンを押すことにより、院内サーバとの同期状態に関係なくサービスの切替が可能なこと等が表示される。更に、サービスの再起動のためのアイコンボタン、キャンセルボタンが表示される。図12には、院内サーバとの同期を行うアイコンボタン、院内サーバ同期を行う場合の管理者モードにするためのアイコンボタンも表示している。尚、院内サーバとの同期を行うアイコンボタンは使用できないように表示されている。
オンラインからオフラインに切り替わったが、院内端末モードを継続したい場合には、キャンセルボタンを押しLAN60を接続すればよい。
続いて、サービスの再起動のボタン(院外端末への切替を確認摺るためのボタンとして機能する)がクリックされるまで待機し(ステップS32)、ボタンがクリックされると、端末内部の記憶装置(ハードディスク:HD)205の処理プログラム226より、データベースの起動を含みシステムを起動する(ステップS33)。
プログラムが起動すると図13に示すように、表示装置202の表示画面202aに電子カルテシステムの起動画面が表示され、続いて、図14に示すように、サービスの再起動を行っていることを示す画面が表示画面202aに表示される。
処理プログラム226を起動し、端末装置400または携帯入力端末装置500のセッションを端末装置側、すなわち、端末装置内の記憶装置205とアクセスを行うように設定し、院外端末として必要なアプリケーションが起動される。そして、記憶装置205内のデータベースへのアクセス、認証プログラム、ログオン機能を端末装置400または携帯入力端末装置500自体で行うように設定される(ステップS34)。
その後、院外端末用のIDの入力画面が表示装置202の表示画面202aに表示される(ステップS35)。このログイン時に、院外端末におけるログインが分かるように、この実施形態においては、図15に示すように、ユーザIDの欄202bの背景の色が変わる。例えば、院外端末モードの時には、背景がピンクで、院内端末モードの時にはブルーの色に変えている。院内端末モードと院外端末モードとの区別は背景の色を変える以外に、「オフラインPCにログインします」等のメッセージや、院外端末モード、院内端末モード等のモードを示すメッセージをポップアップ表示したり、画面の右上などに常時表示するなど種々の表示態様を採ることができる。
表示装置202の表示に従って、ID並びのパスワードを入力装置203から入力する(ステップS36)。制御部204は、入力された認証情報をユーザ管理DB225に格納された管理データに基づき利用者の認証が行われる(ステップS37)。正当な利用権を持つことが認証されると、院外端末用モードでの動作を行うように、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500が内部の記憶装置205のサーバDBにアクセスするように、データとのアクセス先を内部の記憶装置205にして院内端末モードに設定し、起動動作を終了する。
認証が失敗すると、エラーメッセージを表示し(ステップS39)、ID入力回数を1つインクリメントして(ステップS40)、IDの入力エラーが所定回数発生したか否か判断され(ステップS41)、所定回数エラーが発生すると、セキュリティなどの関係からLAN60の接続を遮断し、動作を終了する。
エラー回数が所定回数に達していない場合には、ステップ36に戻り、前述のID認証動作を繰り返す。IDの認証が行われれば、院外端末モードとして起動し、端末切替動作を終了し、院外端末動作モードで動作する。院外端末動作モードで動作すると、例えば、図16に示すように、表示画面202aの右上に「オフラインモードでログイン中」などのように、院外端末動作モードで動作していることを表示し、ユーザに院外端末動作モードで動作であることを認識させている。
院外端末モードで電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500を使用することで、院内環境と同じ画面、使用態様で、自宅、特養施設などの院外で診療録の記入、新規患者登録などを行うことができる。また。携帯入力端末装置500では、院外端末モードの中で往診端末モードとして動作させる場合には、往診端末として患者宅で往診記録を行うことができる。
次に、院外端末動作モードから院内端末モードへの切替動作につき図8を参照して説明する。図8は、院外端末への切替処理の動作を説明するためのフローチャートである。
図8に示すように、院内端末への切替動作を開始すると、オフラインからオンラインへネットワークの状態が切り替わったことを制御部204は表示装置202に表示させ、ユーザにネットワークの状態変化を通知する(ステップS51)。図17に、ネットワークの状態を変化したときに表示する表示装置202の例を示している。この実施形態においては、ネットワークの状態が変化したときには、ネットワークの切替に応じてシステムを再起動した後に、記憶装置205のデータベースと電子カルテサーバ100の記憶装置120のデータベースとの同期を採り、所定の動作モードになるように構成している。このため、表示画面202aには、ネットワークの状態が変化したこと、ネットワークの変更に伴い必要なサービス(動作モード)を起動する必要があること、サービスの院内サーバとの同期ボタンを押すことにより、院内サーバとの同期を採りサービスの切替が可能なこと等が表示される。更に、院内サーバ同期管理者モードのアイコンボタン、サービスの再起動のためのアイコンボタン、キャンセルボタンが表示される。尚、サービスの再起動のためのアイコンボタン、院内サーバ同期管理者モードのアイコンボタンは、使用できないように表示されている。
オフラインからオンラインに切り替わったが、院外端末モードを継続したい場合には、キャンセルボタンを押し、LAN60の接続を解除すればよい。
続いて、院内サーバとの同期のボタン(院内切替を確認するためのボタン)がクリックされるまで待機し(ステップS52)、ボタンがクリックされると、端末内部の記憶装置(ハードディスク:HD)205への接続(アクセス)が可能か否か判断する(ステップS53)。端末内部の記憶装置205へのアクセスができない場合には、動作を終了する。
端末内部の記憶装置205へのアクセスが可能であると、ステップS54に進み、処理プログラム226より、システムを起動する。プログラムが起動すると、表示装置202に電子カルテシステムの起動画面が表示され、続いて、サービスの再起動を行っている画面が表示される。処理プログラム226を起動し、端末装置400または携帯入力端末装置500のセッションをサーバ側へのアクセスを行うように設定し、院内端末として必要なアプリケーションが起動される。
その後、院外端末用のIDの入力画面が表示装置202に表示される(ステップS54)。このログイン時に、院内端末におけるログインが分かるように、この実施形態においては、図18に示すように、ユーザIDの欄の背景の色が変わる。例えば、院内端末モードの時にはブルーの色に変えている。院内端末モードと院外端末モードとの区別は背景の色を変える以外に、「電子カルテシステムにログインします」等のメッセージや、院内端末モード等のモードを示すメッセージをポップアップ表示したり、画面の右上などにオンライン中などを常時表示するなど種々の表示態様を採ることができる。
表示装置202の表示に従って、ID並びのパスワードを入力装置203から入力する(ステップS55)。制御部204は、入力された認証情報をサーバのユーザ管理DB125に格納された管理データに基づき利用者の認証が行われる(ステップS56)。正当な利用権を持つことが認証されると、院内端末用モードでの動作を行う院内端末として起動する(ステップS57)。この時、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500は、内部の記憶装置205へのデータベースへも同期更新作業のためにアクセスできるように設定している。
認証が失敗すると、エラーメッセージを表示し(ステップS62)、ID入力回数を1つインクリメントして(ステップS63)、IDの入力エラーが所定回数発生したか否か判断され(ステップS64)、所定回数エラーが発生すると、セキュリティなどの関係からLAN60の接続を遮断し、動作を終了する。
エラー回数が所定回数に達していない場合には、ステップ55に戻り、前述のID認証動作を繰り返す。IDの認証が行われれば、院内端末モードとして起動する。
院内端末動作モードで動作すると、例えば、表示画面の右上に「オンラインモードでログイン中」などのように、院内端末動作モードで動作していることを表示し、ユーザに院内端末動作モードで動作であることを認識させるように構成することもできる。
院内端末動作を起動すると、制御部204は、記憶装置205のデータベースに更新データがあるか否か判断する(ステップS58)。更新データがない場合には、ステップS61に進み、ステップS61にて、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500がこれから入力するデータ等を電子カルテサーバ100の記憶装置120のデータベースにアクセスするように、セッションを電子カルテサーバ100に切り換える。この切替により、アクセス先が電子カルテサーバ100の記憶装置120となる。そして、院内端末モードへの切替処理が終了する。
一方、更新データがある場合には、同期処理動作を行い、内部記憶装置205と電子カルテサーバ100の記憶装置120との間でデータの同期処理が行われ(ステップS59)、同期処理が終わると、図19に示すように、表示画面202aに内部記憶装置205へのアクセスを停止する表示を行いつつ内部記憶装置205のアクセスを停止した後、ステップS61に進む。同期処理動作については、後述する。
このように、院内端末モードに切り換えることで、電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500は、電子カルテサーバ100に対するクライアントマシンとして動作する。
次に、同期処理につき説明する。同期処理は、院外端末で新たに患者を登録したときの患者のID同期と、重複したカルテの内容の同期、更に往診端末として用いた場合に訪問診療の同期処理とがある。まず、患者のID同期処理について、図9及び図10を参照して説明する。
院外端末モードで、記憶装置205内に新患患者を登録する際にIDを採番するが、この実施形態においては、自動的にIDを採番する方法とユーザが希望するID(以下、キープIDという。)とを、院外端末で使用することができるように構成している。
まず、院外端末モードで電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500を用いて患者IDを用いた新患患者登録動作について図9に従い説明する。尚、院外端末モードにおいて、登録した患者IDは電子カルテサーバ100には、まだ登録されていないので、院外端末状態での患者IDについては仮のIDとしている。このため、この実施形態では、院外端末モードでは、仮患者ID登録ということにする。
院外端末モードで電子カルテ端末装置400または携帯入力端末装置500を用いて新患患者(ID)の登録、すなわち、新たなカルテの登録を行うために、新患患者登録のための患者のアイコンをクリックすると、制御部204は、新患登録画面を起動し、表示装置202の表示画面202aに、図20に示すような患者登録の受け付け画面を表示させる。そして、このとき、制御部204は、自動的に仮患者IDを自動に割り付ける。図20の例では、患者IDに「A00004」の仮IDが自動的に割り付けられている。このIDは、例えば、先頭のアルファベットが電子カルテ端末装置を識別するための識別コードとして用い、後の数字が電子カルテ端末装置内で自動的に採番する番号としている。
続いて、希望するIDがあるか否か、すなわちキープIDを使用するか否かを判断する。この実施形態では、図20に示すキープID欄の使用という欄にクリックするとキープIDを使用すると判断し、この欄が空欄の場合には、キープIDを使用しないと判断する。図20に示す例では、キープID欄を使用しない場合である。
キープIDを使用しない場合には、ステップS108に進み、患者情報を入力し、そして、選択された患者IDを仮IDとして、仮IDとともに患者情報を記憶装置205内のデータベースに格納する(ステップS109)。
一方、図21に示すように、キープIDを使用する欄にクリックすると、ステップS103からステップS104に進み、自動割付によるIDの使用を解除し(ステップS104)、ユーザによるキープIDの入力を待ち(ステップS105)、ユーザからの入力が無いと判断すると、ステップS102に戻り、自動割付によるIDが採番に戻る。
ユーザによるキープID入力があると、制御部204は、IDの重複があるか否か判断し(ステップS105)、重複がない場合には、ステップS108に進み、患者情報を入力し、そして、選択された患者IDを仮IDとして、仮IDとともに患者情報を記憶装置205内のデータベースに格納する(ステップS109)。
ステップS106において、入力したIDが重複する場合には、ステップS107に進み、図22に示すように、IDが重複する旨表示画面202aに表示し、ステップS105に戻り、新たなIDの入力を待つ。図23に示すように、新たなキープIDを入力する。図21においては、キープIDが52だったのを図23においては、00054に変更して入力している。変更したIDが重複しない場合には、ステップS108に進み、患者情報を入力し、そして、選択された患者IDを仮IDとして、仮IDとともに患者情報を記憶装置205内のデータベースに格納する(ステップS109)。
変更したIDでも重複する場合には、ステップS105に戻り、前述の動作を繰り返す。ユーザが重複した後、キープIDの使用をやめてキープID使用欄をクリアすると、自動採番IDによる患者情報登録が行われる。患者情報登録が終了すると仮患者ID登録動作が終了する。
次に、院外端末モードから院内端末モードに変更し、患者IDに更新データがある場合につき図10に従い説明する。図10はIDの同期処理を説明するためのフローチャートである。
同期処理において、院外端末で仮患者ID登録がある場合には、ID同期処理が行われる。制御部204は、院外で登録された仮患者IDがあると、院内環境での新患登録を停止、すなわち、電子カルテサーバ100に同期以外の新患登録を停止し(ステップS111)、患者IDの変換画面を表示する(ステップS112)。図24に示すように、表示装置202の表示画面には、同期作業の進行状況とともに、仮患者ID登録動作を示す画面が表示される。
そして、仮患者ID番号を一旦決定する(ステップS113)。この決定は、キープIDがある場合には、装置の識別情報を除いたキープIDが変換後の患者IDとして一旦決定される。一方、図25に示すように、院外端末において、自動採番による仮IDの場合、電子カルテサーバ100に登録された患者IDと重複しないIDを自動的に採番するか、又は患者IDを入力し、図26に示すように、変換後IDとして一旦決定される。
続いて、仮決定されたIDが電子カルテサーバ100内に登録された患者IDと重複するか否か判断され(ステップS114)、重複しない場合には、仮決定したIDを正規IDとして割付、その患者IDに基づき、患者情報を電子カルテサーバ100内に登録する(ステップS117)。そして、全ての新患登録が終了したか否か判断され(ステップS118)、終了していない場合には、ステップS112に戻り、前述の動作を繰り返す。
一方、ステップS114において、IDの重複があると判断されると、ステップS115に進み、IDの重複があることを示すエラー表示を行う。エラー表示は、例えば、図27に示すように、キープIDがあるのにも関わらず、変換後IDの欄が空欄で、キープ患者IDの番号を赤色に表示するなどして重複することをユーザに知らせる。
続いて、図28に示すように、重複するIDとは異なるIDを入力又は自動採番によるIDの入力がされるまで待機し(ステップS116)、入力後、ステップS114に戻る。
ステップS118において、全ての新患登録が終了したと判断されると、ステップS119に進み、院内環境での新患登録のロックを解除して、ID同期処理を終了する。
次に、カルテの同期処理について図11に従い説明する。図11は、カルテの同期動作を説明するためのフローチャートである。図11に示すように、記憶装置205の中のカルテデータと電子カルテサーバ100の記憶装置120内のカルテデータとの間で重複カルテがあるか否か制御部204が判断する(ステップS71)。重複するカルテが無い場合には、動作を終了する。重複するカルテがある場合には、重複する患者の一覧を表示装置202の表示画面202aに、図29に示すように表示する(ステップS72)。続いて、変更処理する患者を選択する(ステップS73)。変更する患者を選択すると、図30に示すように、選択された患者のカルテが、院内の電子カルテサーバ100に格納されたカルテと院外端末として登録し装置の記憶装置205内に格納されたカルテとがそれぞれ判別できる態様で表示画面202aに表示される。表示されたカルテを参照して採用するカルテを決定する(ステップS74)。図30に示す例では、画面上に院内保存カルテを選択するためのアイコンと、院外保存カルテを選択するアイコンが表示され、ユーザは採用するカルテのアイコンをクリックして採用するカルテを決定する。
そして、全重複患者のカルテの選択が終わったか否か判断され(ステップS75)、終了していない場合には、ステップS72に戻り、前述の動作を繰り返す。全ての重複患者のカルテの選択が終了すると、採用するカルテを今後用いるカルテとして電子カルテサーバ100に登録するとともに、採用せずに重複削除するカルテは、図31に示すように、カルテ更新履歴として.電子カルテサーバ100内に登録する。このように、削除したカルテも完全にデータベースから削除するのではなく、カルテ更新履歴として保存する。
このように構成することで、患者に対して入力したカルテ情報は、電子カルテサーバ100内に格納保存され、通常の使用の際には、カルテが重複して表示されることはないが、必要に応じて過去のカルテ情報を読み出し、表示することもできる。
次に、携帯入力端末装置500を往診端末として、使用する場合につき説明する。図32は、往診端末モードとして用いる場合の切替動作を示すフローチャートである。この実施形態では、特定の患者宅を訪問し診察する場合に、予め必要なカルテ情報やオーダセットを用意する。訪問診療では、医師が定期的に患者宅を訪問(往診)して診察するものである。このため、この実施形態の往診端末モードでは、まず、訪問診療の為の訪問診療予約が行われ、この予約スケジュールが電子カルテサーバ100内の記憶装置120内に格納する。
携帯入力端末装置500を往診端末として用いる場合には、必要なカルテ情報やオーダセットを用意する。このため、携帯入力端末装置500は、電子カルテサーバ100にLAN60と接続し、電子カルテサーバ100から該当する患者情報を携帯入力端末装置500にダウンロードする動作を行う。そこで、訪問診療のための往診端末動作を選ぶと、携帯入力端末装置500の制御部204は、ネットワーク処理部201の状態からLAN60と接続されているか否か判断する(ステップS201)。LAN60と接続されている場合にはステップS202に進み、訪問診療予約が済んでいるか否か制御部204が判断する。予約が完了していない場合には、ステップS203に進み、訪問診療する患者の日時、患者ID、患者名を入力して訪問診療予約を行い、その予約スケジュールを電子カルテサーバ100の記憶装置120に保存し、ステップS204に進む。この予約は、1日単位の予約、または週単位の予約として記憶装置120内に、患者ID、患者氏名、予約時間(往診日時)などが格納される。
ステップS204において、訪問診療予約に基づくカルテ情報やオーダセットを用意するために電子カルテサーバ100との同期をとるための同期ボタンのアイコンがクリックされたか否か判断され、同期ボタンが押されていない場合には、ステップS205に進み、該当するスケジュールに基づくダウンロードが済んでいるか否か判断され、ダウンロードが済んでいない、即ち、サーバとの同期処理を選択せず、ダウンロードも済んでいない場合には、まだ、訪問診療予約などの処理を行う場合があるので、ステップS201に戻る。
ステップS204にて、図34に示すように、同期ボタンのアイコンがクリックされると、ステップS206に進み、電子カルテサーバ100に格納されている予約スケジュールに基づき、予約した往診対象患者の患者情報を電子カルテサーバ100の記憶装置120から読み出し、携帯入力端末装置500の記憶装置205にダウンロードする。ダウンロードを行っているときには、図35に示すように、表示画面202aにダウンロード中であることを表示する。このダウンロードにより、主訴記載、所見記載、投薬入力の画面のテンプレートと往診フォルダと患者毎に患者フォルダが作成され、患者フォルダに該当する患者のカルテ情報などの患者データが格納される。
ダウンロードが修了すると、ステップS207に進む。ステップS207において、LAN60が切断されたか否か判断する。LANが切断されていない場合には、ステップS201に戻る。
LAN60が切断されると、ステップS208に進み、ステップS208にオフラインからオンラインへネットワークの状態が切り替わったことを制御部204は表示装置202に表示させ、ユーザにネットワークの状態変化を通知する。
続いて、往診端末モードで動作するためのボタンがクリックされるまで待機し(ステップS209)、ボタンがクリックされると、ステップS210に進み、処理プログラム226より、システムを起動する。プログラムが起動すると、表示装置202に電子カルテシステムの起動画面が表示され、処理プログラム226を起動し、携帯入力端末装置500のセッションを端末側へのアクセスを行うように設定し、往診端末として必要なアプリケーションが起動し、往診端末へのモードが切り替えられる。
一方、ステップS201で。LAN60の接続が遮断されたことを判断すると、ステップS211に進み、ステップS211にオフラインからオンラインへネットワークの状態が切り替わったことを制御部204は表示装置202に表示させ、ユーザにネットワークの状態変化を通知する。
続いて、往診端末モードで動作するためのボタンがクリックされるまで待機し(ステップS212)、ボタンがクリックされると、ステップS213に進み、処理プログラム226より、システムを起動する。プログラムが起動すると、表示装置202に電子カルテシステムの起動画面が表示され、処理プログラム226の起動し、携帯入力端末装置500のセッションを端末側へのアクセスを行うように設定し、往診端末として必要なアプリケーションが起動し、往診端末へのモードに切り替えられる。
上記の処理において、携帯端末装置500は、訪問診療(往診)に必要な予約された患者だけの患者データが格納される。このため、所見や主訴、投薬の入力、過去カルテの参照ができるので、現地で複数の患者検索をする必要が無く、診療行為が迅速に行える。
図36は、往診端末モードで起動した場合の表示装置202の表示画面202aの例を示す模式図である。図36に示すように、日付、時間と訪問診療する予定の患者名が患者IDと共に表示されている。そして、患者名をクリックすると、該当する患者情報が表示される。そして、表示画面202aのカルテ表示のアイコンボタンをクリックすると、図37に示すように、患者のカルテ画面が表示される。カルテには、患者毎のオーダセット等の患者個別のセットが用意されており、図37に示すように表示される。
そして、患者宅でカルテに診察記録を入力するためにワープロ入力のタグをクリックすると、図38、図39に示すように診察記録の際によく利用する項目は学習リストに登録されており、この登録された欄をクリックすることにより、簡単に診察記録をカルテに記録できるように構成している。
この携帯入力端末装置500は、モバイル型のパーソナルコンピュータを用いているので、表示画面202aは小さい。そこで、図40に示すように、表示の縦横を変えて表示可能に構成している。
更に、この実施形態においては、訪問診療予約を行っていない緊急の往診の場合にも携帯入力端末装置500を用いて患者の診療記録が行えるように構成されている。
緊急の往診の場合には、図36の予約外臨時往診のアイコンをクリックして、患者宅で携帯入力端末装置500を用いて、図41に示すように、患者ID又は患者名を入力した後に、主訴テンプレート、所見テンプレート、シェーマテンプレートなどに従いカルテ記載を行って患者登録並びに診療録を記憶装置205に格納する。
次に、往診端末モードで記録したカルテ情報の同期処理を行う場合につき図33に従い説明する。訪問診療が修了すると、医師等のユーザは診療の記録や患者の身体状況などを記録した携帯入力端末装置500を電子カルテサーバ100にLAN60を介して接続する。そして、携帯入力端末装置500を電子カルテサーバ100のクライアントとして動作させ、電子カルテサーバ100との間で同期処理が行われる。
同期処理が開始すると、緊急往診により予約外の臨時往診を行ったカルテが存在するか否か判断される(ステップS221)。予約外診療のカルテが存在すると判断されると、図42に示すように、予約外の臨時往診を行ったカルテが存在する旨を表示し、図43に示すように、予約外臨時往診選択画面が表示される。そして、ステップS222にて、名前又は患者IDより患者を特定し、電子カルテサーバ100内の患者データを検索し、該当する患者のカルテが有るか否か判断する。
該当するカルテがある場合には、ステップS223に進み、図44に示すように、患者を選択し、ステップS224に進む。ステップS222にて、該当するカルテが無い場合には、ステップS228に進み、新患患者として電子カルテサーバ100に登録し、ステップS227に進む。
ステップS222にて患者を選択すると、訪問診療患者の一覧に追加し、ステップS224に進む。そして、ステップS224にて、訪問診療患者の一覧を表示し、ステップS225に進む。
ステップS225にて、処理する患者を選択すると、ステップS226にて、図45に示すように、選択された患者のカルテが表示され、図46に示すように、往診時の診察内容が展開され、患者のカルテに、往診時の診察記録が追加されて、電子カルテサーバ100内の記憶装置120のデータベースに格納される。
尚、上記した実施形態では、訪問診療患者の一覧に基づき、同期処理により、逐次データを反映させるように構成しているが、これに関わらず、訪問診療を行った際に、診療記録を記載した患者データに対してはフラグを立て、同期処理の際には、フラグに基づき自動的にデータを反映するように構成してもよい。そして、予約外の臨時往診がある場合だけ、患者名又は患者IDから電子カルテサーバ100の患者データを検索し、患者を特定するように構成してもよい。
往診端末モードで携帯入力端末装置500においては、往診端末用の往診フォルダと患者毎に作成される患者フォルダを用いて患者毎にオーダセットを用意することができる。
図47は、図48は、患者毎に作成される患者フォルダを示し、このフォルダには、オーダに対応するアイコンが表示されている。図48は、図47に比べて全体所見と体格との情報フォルダが除かれている。このように、ユーザにより所望するカルテ情報を患者フォルダにコピーできる。
図49に示すように、往診端末において、診察処置のオーダをドラッグアンドドロップすることにより、その処置内容がカルテに反映される。反映して登録処理が終了すると、図50に示すようにカルテが作成されることになる。
図51に示すように、は、ユーザにより所望するカルテ情報を患者フォルダにコピーし、往診フォルダに投薬セットや所見セットをコピーすると往診端末の往診タグにその内容でテンプレートを自動作成する。図52は、患者毎のフォルダに患者個別セットを選択した時の表示画面を示す。このように、患者に必要な個別セットを予めコピーすることにより、患者個別のセットを作成することができる。
図53、図54は、患者個別フォルダを選択したときに表示されるカルテの例を示すものである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。