JP2011021555A - 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関の可変バルブタイミング制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の可変バルブタイミング制御装置において、専用のスイッチを設けることなく、油圧の低下を容易に検出することにある。
【解決手段】制御手段(17)は、運転状態検出手段(14)により検出された運転状態と空気量計測手段(15)により計測された吸入空気量とに基づいてバルブ(5)の目標進角量を設定する目標進角量決定手段(20)と、運転状態検出手段(14)により検出された運転状態が油圧測定用運転条件を満たした時に目標進角量を油圧測定用進角量に設定し、バルブ(5)の実際の進角量が油圧判定用進角量に到達するまでの到達時間(t)を計測し、この計測された到達時間(t)と設定到達時間(X)とを比較することにより内燃機関(1)の油圧が低下しているかどうかを判定する油圧判定手段(21)とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関の可変バルブタイミング制御装置に係り、特に油圧の低下を検出する内燃機関の可変バルブタイミング制御装置に関する。
車両の内燃機関においては、出力向上やエミッションの低減等を図るために、可変バルブタイミング制御装置を設けたものがある。
図3に示すように、内燃機関101の可変バルブタイミング制御装置106は、内燃機関101におけるバルブ105の開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミング機構(VVT)107と、この可変バルブタイミング機構107に接続した進角側油圧通路108及び遅角側油圧通路109と、この進角側油圧通路108及び遅角側油圧通路109への油圧を制御して可変バルブタイミング機構107を油圧駆動する油圧駆動手段110としてのオイルコントロールバルブ111及びこのオイルコントロールバルブ111に油圧供給通路112を介して接続したオイルポンプ113とを備えている。また、油圧供給通路112の途中には、油圧の低下(オイル異常)を検出するためのオイルブレッシャスイッチ125が設けられている。
また、内燃機関101には、この内燃機関101の運転状態を検出する運転状態検出手段として、クランク軸102の回転をエンジン回転数として検出するクランクセンサ114が設けられ、また、この内燃機関101の吸入空気量を計測する空気量計測手段として、エアフローセンサ115が設けられ、更に、カム軸103の回転をバルブ105の実際の進角量として検出する実進角量検出手段として、カムセンサ116が設けられる。これらクランクセンサ114とエアフローセンサ115とカムセンサ116とは、制御手段(ECU)117に連絡している。また、この制御手段117には、車速を検出する車速センサ118と、内燃機関101の冷却水温度を検出する水温センサ119とが連絡している。
制御手段117は、クランクセンサ114とエアフローセンサ115とに連絡してカム軸103のカム104で開閉動作するバルブ105の目標進角量を設定する目標進角量決定手段120と、オイルブレッシャスイッチ125に連絡して油圧の低下を判定する油圧判定手段121とを備えている。
特開平10−274065号公報 特許文献1に係る内燃機関のバルブ特性制御装置は、油圧制御されるバルブタイミング可変機構(VVT機構)を備え、内燃機関の運転状態に基づき変化するバルブの開閉特性目標値を積算して得られる目標積算値と、バルブの実際の開閉特性を積算して得られる実目標積算値とに基づいてオイルの異常を検出し、オイル異常を検出するためのセンサを不要とするものである。
ところで、上記の図3における可変バルブタイミング制御装置106においては、オイルプレッシャスイッチ125を必要とし、ハーネスの取り回しが面倒になり、コストにも不利になるという不都合があった。
また、上記の特許文献1においては、バルブタイミング可変機構が作動する運転状態になった場合に初めてオイル異常を検出可能となるので、オイル異常の検出が遅くなったり、場合によっては、オイル異常が生じていてもオイル異常の検出が行われなかったりするおそれがあった。
そこで、この発明の目的は、専用のスイッチを設けることなく、可変バルブタイミング機構の油圧の低下を容易に検出できる内燃機関の可変バルブタイミング制御装置を提供することにある。
この発明は、内燃機関におけるバルブの開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミング機構と、この可変バルブタイミング機構を油圧駆動する油圧駆動手段とを設けた内燃機関の可変バルブタイミング制御装置において、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段を設け、前記内燃機関の吸入空気量を計測する空気量計測手段を設け、前記バルブの実際の進角量を検出する実進角量検出手段を設け、前記運転状態検出手段により検出された運転状態と前記空気量計測手段により計測された吸入空気量とに基づいて前記バルブの目標進角量を設定する目標進角量決定手段と、前記運転状態検出手段により検出された運転状態が油圧測定用運転条件を満たした時に目標進角量を油圧測定用進角量に設定し、前記バルブの実際の進角量が油圧判定用進角量に到達するまでの到達時間を計測し、この計測された到達時間と設定到達時間とを比較することにより前記内燃機関の油圧が低下しているかどうかを判定する油圧判定手段とを備える制御手段を設けたことを特徴とする。
この発明の内燃機関の可変バルブタイミング制御装置は、制御の追従性・応答性により、専用のスイッチを設けることなく、可変バルブタイミング機構の油圧の低下を容易に検出できる。
図1は可変バルブタイミング制御のフローチャートである。(実施例) 図2は可変バルブタイミング制御装置のシステム構成図である。(実施例) 図3は従来において可変バルブタイミング制御装置のシステム構成図である。(従来例)
この発明は、制御の追従性・応答性により、専用のスイッチを設けることなく、可変バルブタイミング機構の油圧の低下を容易に検出する目的を実現するものである。
図1、図2は、この発明の実施例を示すものである。
図2において、1は車両に搭載される内燃機関、2はクランク軸、3はカム軸、4はこのカム軸3と一体のカム、5はこのカム4で開閉動作されるバルブである。
内燃機関1には、可変バルブタイミング制御装置6が設けられる。
この可変バルブタイミング制御装置6は、内燃機関1におけるバルブ5の開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミング機構(VVT)7と、この可変バルブタイミング機構7に接続した進角側油圧通路8及び遅角側油圧通路9と、この進角側油圧通路8及び遅角側油圧通路9への油圧を制御して可変バルブタイミング機構7を油圧駆動する油圧駆動手段10としてのオイルコントロールバルブ11及びこのオイルコントロールバルブ11に油圧供給通路12を介して接続したオイルポンプ13とを備える。
可変バルブタイミング機構7は、カム軸3の端部に設けられ、油圧駆動手段10からの油圧状態によってカム軸3の回転を調整してバルブ5の開閉の進角量・遅角量を制御するものである。オイルコントロールバルブ11は、後述する制御手段17によりデューティ制御される。オイルポンプ13は、内燃機関1のクランク軸2の回転により駆動される。
内燃機関1には、この内燃機関1の運転状態を検出する運転状態検出手段として、クランク軸2の回転をエンジン回転数として検出するクランクセンサ14が設けられ、また、この内燃機関1の吸入空気量を計測する空気量計測手段として、エアフローセンサ15が設けられ、更に、カム軸3の回転をバルブ3の実際の進角量として検出する実進角量検出手段として、カムセンサ16が設けられる。
これらクランクセンサ14とエアフローセンサ15とカムセンサ16とは、制御手段(ECU)17に連絡している。
この制御手段17には、車速を検出する車速センサ18と、内燃機関1の冷却水温度を検出する水温センサ19とが連絡している。
制御手段17は、運転状態検出手段であるクランクセンサ14により検出された運転状態と空気量計測手段であるエアフローセンサ15により計測された吸入空気量とに基づいてバルブ5の目標進角量を設定する目標進角量決定手段20と、運転状態検出手段であるクランクセンサ14により検出された運転状態が油圧測定用運転条件を満たした時に目標進角量を油圧測定用進角量に設定し、バルブ5の実際の進角量が油圧判定用進角量に到達するまでの到達時間を計測し、この計測された到達時間と設定到達時間とを比較することにより内燃機関1の油圧が低下しているかどうかを判定する油圧判定手段21とを備える。この場合、目標進角量決定手段20には、クランクセンサ14とエアフローセンサ15とが連絡している。油圧判定手段21には、目標進角量決定手段20が連絡しているとともに、クランクセンサ14とカムセンサ16と車速センサ18と水温センサ19とが連絡している。
前記油圧判定用運転条件は、減速運転時で且つ燃料カット時とする条件である。
また、制御手段17は、減速運転中に内燃機関1の燃料カット制御を実施する燃料カット手段22を備えるとともに、内燃機関1の燃料噴射弁23に連絡している。
更に、制御手段17は、油圧低下の際に警告する油圧警告ランプ24に連絡している。
次に、可変バルブタイミング制御を、図1のフローチャートに基づいて説明する。
図1に示すように、制御手段17のプログラムがスタートすると(ステップA01)、内燃機関1が始動したか否かを判断し(ステップA02)、このステップA02がNOの場合には、この判断を継続する。
このステップA02がYESの場合には、可変バルブタイミング機構7の動作が可能か否かを判断し(ステップA03)、このステップA03がNOの場合には、前記ステップA02に戻す。
このステップA03がYESの場合には、内燃機関1が完暖状態か否かを判断し(ステップA04)、このステップA04がNOの場合には、前記ステップA02に戻す。
このステップA04がYESの場合には、可変バルブタイミング機構7の動作が可能状態となり且つ完暖状態として、減速運転中か否かを判断し(ステップA05)、このステップA05がNOの場合には、前記ステップA02に戻す。
このステップA05がYESの場合には、燃料カット中か否かを判断、つまり、車両の減速運転中に燃料噴射弁23からの燃料噴射を停止しているか否かを判断し(ステップA06)、このステップA06がNOの場合には、前記ステップA02に戻す。
このステップA06がYESの場合には、ドライバビリティの影響の少ない減速・燃料カット状態で油圧測定用運転条件を満たしたとして、可変バルブタイミング制御を開始する(ステップA07)。つまり、検出された運転状態と計測された吸入空気量とに基づいてバルブ5の目標進角量を設定し、検出された運転状態が上記の油圧測定用運転条件を満たした時に、目標進角量を油圧測定用進角量に設定する。
そして、バルブ5の実際の進角量を検出するように、制御デューティ(DUTY)を印加し(ステップA08)、このバルブ5の実際の進角量が油圧判定用進角量に到達するまでの到達時間(t)を計測し(ステップA09)、この計測された到達時間(t)と設定到達時間(X)との関係が、X<tか否かを判断する(ステップA10)。
このステップA10がYESの場合には、油圧の低下を検出したとして油圧警告ランプ24を点灯して告知させ(ステップA11)、プログラムを終了する(ステップA12)。
一方、前記ステップA10がNOの場合には、油圧の低下を検出していないとしてプログラムを終了する(ステップA12)。
この結果、この実施例においては、運転状態検出手段14により検出された運転状態が油圧測定用運転条件を満たした時に目標進角量を油圧測定用進角量に設定し、バルブ5の実際の進角量が油圧判定用進角量に到達するまでの到達時間tを計測し、この計測された到達時間tと設定到達時間Xとを比較することにより、つまり、実作動量と目標作動量との追従性・応答性の差により、内燃機関1の油圧が低下しているかどうかを判定することから、油圧が低下したかどうかを検出する専用のスイッチを設けることなく、油圧の低下を容易に検出することができ、また、オイルプレッシャスイッチを不要とし、ハーネスの取り回しや加工も容易となり、コストを低廉できる。
また、油圧判定用運転条件を減速運転時で且つ燃料カット時とする条件としたことにより、ドライバビリティヘの影響を少なくすることができる。
この発明に係る可変バルブタイミング制御装置を、各種の内燃機関に適用可能である。
1 内燃機関
2 クランク軸
3 カム軸
5 バルブ
6 可変バルブタイミング制御装置
7 可変バルブタイミング機構
10 油圧駆動手段
11 オイルコントロールバルブ
13 オイルポンプ
14 クランクセンサ
15 エアフローセンサ
16 カムセンサ
17 制御手段
20 目標進角量決定手段
21 油圧判定手段
22 燃料カット手段
23 燃料噴射弁
24 油圧警告ランプ

Claims (2)

  1. 内燃機関におけるバルブの開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミング機構と、この可変バルブタイミング機構を油圧駆動する油圧駆動手段とを設けた内燃機関の可変バルブタイミング制御装置において、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段を設け、前記内燃機関の吸入空気量を計測する空気量計測手段を設け、前記バルブの実際の進角量を検出する実進角量検出手段を設け、前記運転状態検出手段により検出された運転状態と前記空気量計測手段により計測された吸入空気量とに基づいて前記バルブの目標進角量を設定する目標進角量決定手段と、前記運転状態検出手段により検出された運転状態が油圧測定用運転条件を満たした時に目標進角量を油圧測定用進角量に設定し、前記バルブの実際の進角量が油圧判定用進角量に到達するまでの到達時間を計測し、この計測された到達時間と設定到達時間とを比較することにより前記内燃機関の油圧が低下しているかどうかを判定する油圧判定手段とを備える制御手段を設けたことを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
  2. 前記油圧判定用運転条件は、減速運転時で且つ燃料カット時とする条件であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。
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