JP2011021358A - 防音パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車車両や鉄道車両の走行時に発生する騒音の防止対策として設けられる防音壁に使用される吸音または遮音可能な防音パネルを提供する。
【解決手段】パネル本体部2を構成する正面板2aには、同パネル2aの裏面側へ立ち上がるバーリング加工を施した複数の吸音孔が長孔として形成されており、該長孔は、車両の走行路面と平行方向に長い横長孔20aと、同平行方向と直角な上下方向に長い縦長孔20bとを組み合わせた配置で設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】パネル本体部2を構成する正面板2aには、同パネル2aの裏面側へ立ち上がるバーリング加工を施した複数の吸音孔が長孔として形成されており、該長孔は、車両の走行路面と平行方向に長い横長孔20aと、同平行方向と直角な上下方向に長い縦長孔20bとを組み合わせた配置で設けられている。
【選択図】図1
Description
この発明は、自動車車両や鉄道車両の走行時に発生する騒音の防止対策として設けられる防音壁に使用される吸音または遮音可能な防音パネルの技術分野に属し、更に云うと、高速で走行する新型車両の風圧(風荷重)に耐え得る防音パネルに関する。
従来から、自動車車両や鉄道車両の走行時に発生する騒音の防止対策として、道路や線路などの両側に吸音または遮音可能な防音パネル(以下、単に防音パネルと云う。)を設置して対処している。こうした防音パネルの正面板にはその前面に吸音孔が設けられており、その開口率が20%〜45%であると、一般的な車両が走行する際に生じる風荷重に対して必要充分な強度を保ちつつ吸音効果が発揮できることが知られている。しかし、前記のような開口率とすると、断面欠損により開口のない防音パネルに比べて強度が低下してしまうという課題点があった。
その解決策として単に防音パネル(正面板)の板厚を厚くして強度及び剛性を持たせると、孔あけなど加工の困難度が高まる上に、重量が比例的に大きくなって取り扱いに不便であるし、材料費が嵩んで高価なものになるという問題点が生じる。また、補強部材を追加したり、エンボスなどの吸音孔加工以外の加工を追加して、強度及び剛性を持たせる方法があるが、加工工程が増加して面倒であるし材料費も嵩むため望ましくない。道路や線路の両側に取り付けられる防音パネルの枚数はかなりの数になるため、上記問題点は深刻である。
上記の欠点を鑑み、強度及び剛性を発揮するべく、正面板にバーリング加工を施した吸音孔を設けた防音パネルが下記の特許文献1〜3に記載されて公知である。
即ち、特許文献1にはバーリング加工を施した丸孔を複数設けた防音パネルが記載されている。特許文献2には車両の走行路面と平行方向に長い横長孔がやはりバーリング加工により複数設けられた防音パネルが開示されている。特許文献3は、前記丸孔を設けた防音パネルと、上記横長孔を設けた防音パネルとを、その開口率を異ならせて複数枚形成し、上記各防音パネルを組み合わせて幅広い騒音周波数を吸音する発明が記載されている。
即ち、特許文献1にはバーリング加工を施した丸孔を複数設けた防音パネルが記載されている。特許文献2には車両の走行路面と平行方向に長い横長孔がやはりバーリング加工により複数設けられた防音パネルが開示されている。特許文献3は、前記丸孔を設けた防音パネルと、上記横長孔を設けた防音パネルとを、その開口率を異ならせて複数枚形成し、上記各防音パネルを組み合わせて幅広い騒音周波数を吸音する発明が記載されている。
また、特許文献4には防音パネルの吸音孔として、上記バーリング加工と同様に剛性を発揮する絞り出し加工を施した長孔が設けられている。この長孔も車両の走行路面方向と平行方向に長い横長孔である。
上記特許文献1〜4に記載された発明は、いずれも吸音孔にバーリング加工及び絞り加工を施して防音パネルの強度及び剛性を発揮させる点は認められる。しかし、以下の問題点がある。
先ず、特許文献1に記載された防音パネルは、その吸音孔の形状は丸孔とされている。しかし、丸孔は上記特許文献2〜4に記載された横長孔に比して、小径の丸孔を多数開口して同じ開口率になるようにした場合、切断端面の面積が多くなることが一般的に知られている。切断端面の面積が多くなると亜鉛などによる犠牲防食効果が充分に得られず、犠牲防蝕作用が短期間で失われてしまうという問題点がある。
先ず、特許文献1に記載された防音パネルは、その吸音孔の形状は丸孔とされている。しかし、丸孔は上記特許文献2〜4に記載された横長孔に比して、小径の丸孔を多数開口して同じ開口率になるようにした場合、切断端面の面積が多くなることが一般的に知られている。切断端面の面積が多くなると亜鉛などによる犠牲防食効果が充分に得られず、犠牲防蝕作用が短期間で失われてしまうという問題点がある。
次に、特許文献2〜4に記載された発明の問題点を指摘する。
これらの発明は横長孔を設けることにより、犠牲防蝕作用を長期間維持させ、且つ強度をある程度確保している点は認められる。しかし、強度を確保する上で欠点が幾つかある。防音パネルの正面板の剛性は、吸音孔の加工を施された方向に対して発揮される特性を持っている。上記の特許文献2〜4の防音パネルの横長孔は全て防音パネルの長手方向に対して水平方向に伸びる形状である。つまり、防音パネルの上下方向への剛性は殆ど期待できない構造である。したがって、運搬や施工時に生じる縦方向への思わぬ加重によって防音パネルの正面板を面外変形させてしまう他、道路や線路を走行することで防音パネルの前面が高い風圧(風荷重)に曝されると、防音パネルがばたついて、防音パネルを変形させてしまったり、周辺部材を損傷させてしまう虞がある。
これらの発明は横長孔を設けることにより、犠牲防蝕作用を長期間維持させ、且つ強度をある程度確保している点は認められる。しかし、強度を確保する上で欠点が幾つかある。防音パネルの正面板の剛性は、吸音孔の加工を施された方向に対して発揮される特性を持っている。上記の特許文献2〜4の防音パネルの横長孔は全て防音パネルの長手方向に対して水平方向に伸びる形状である。つまり、防音パネルの上下方向への剛性は殆ど期待できない構造である。したがって、運搬や施工時に生じる縦方向への思わぬ加重によって防音パネルの正面板を面外変形させてしまう他、道路や線路を走行することで防音パネルの前面が高い風圧(風荷重)に曝されると、防音パネルがばたついて、防音パネルを変形させてしまったり、周辺部材を損傷させてしまう虞がある。
ところで、近年、高速で走行する新型の新幹線、リニアモータカーなどの開発が積極的に進められている。こうした新型車両には当然、その走行時に防音パネルの正面板に相当の風圧(風荷重)が生じてしまう。上記過大な風圧に対応するためには、防音パネルを構成する正面板自体に風荷重に対する耐力を備えさせることが望ましい。しかし、従来の防音パネルは、新型車両の過大な風荷重に耐え得る強度及び剛性を発揮させることを想定していないため、背面板もしくは防音パネルを張り付けるコンクリート壁に風圧に対する耐力を負担させる構造になっているのが現状である。
したがって、正面板自体が過大な風圧に耐え得る強度と剛性を発揮できること、更には上述した板厚を厚くせず、且つエンボスなどの吸音孔加工以外の加工や、補強部材の取付加工をせずにならしめる防音パネルが求められているが、未だそのような防音パネルは見当たらないし、開示もない。
因みに、特許文献1〜4に記載された、いずれの発明であっても、正面板そのものに風荷重に対する耐力を備えさせることは困難である。
したがって、正面板自体が過大な風圧に耐え得る強度と剛性を発揮できること、更には上述した板厚を厚くせず、且つエンボスなどの吸音孔加工以外の加工や、補強部材の取付加工をせずにならしめる防音パネルが求められているが、未だそのような防音パネルは見当たらないし、開示もない。
因みに、特許文献1〜4に記載された、いずれの発明であっても、正面板そのものに風荷重に対する耐力を備えさせることは困難である。
剛性を発揮させるバーリング加工を施した防音パネルの現状としては、上述した特許文献2〜4からも明らかなように、左右寸法が長い防音パネルの場合、走行方向に平行な横長孔のみで構成されているものしか見当たらない。これは、横長孔が車両の走行方向に対して横方向へ伝達する音を防ぎ易い特性を持っているからであると推測される。とは言え、騒音の程度や吸音材の材質によって、設置場所に対して必要充分な防音性能が得られるならば、必ずしも横長孔のバーリング加工孔のみで構成する必要はない。
因みに、上下に長い縦長孔の吸音孔のみで構成すれば、強度・剛性を非常に効率良く発揮して耐力を向上させる特性を見込めるが、必要充分な防音性能の確保の点から、吸音性能の低い縦長孔のみで構成する防音パネルは見当たらないし、開示もない。
こうした現状を分析すると、現時点ではバーリング加工を施した縦長孔と横長孔の両者を組み合わせて配置し、両者が有する特性を効果的に発揮させる防音パネルに至っていない。
因みに、上下に長い縦長孔の吸音孔のみで構成すれば、強度・剛性を非常に効率良く発揮して耐力を向上させる特性を見込めるが、必要充分な防音性能の確保の点から、吸音性能の低い縦長孔のみで構成する防音パネルは見当たらないし、開示もない。
こうした現状を分析すると、現時点ではバーリング加工を施した縦長孔と横長孔の両者を組み合わせて配置し、両者が有する特性を効果的に発揮させる防音パネルに至っていない。
本発明の目的は、上記の問題点を解決することであり、正面板にバーリング加工を施した縦長孔と横長孔の両者を組み合わせて配置して、同正面板自体が高速で走行する新型車両の風圧にも十分耐え得る強度及び剛性と必要充分な防音性能の両特性を効果的に発揮する防音パネルを提供することであり、更には、成形が簡単で、汎用性の高い防音パネルを提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る、吸音又は遮音パネルは、
道路や線路に沿って立設される、自動車車両や鉄道車両の走行時に発生する騒音を吸音又は遮音する防音壁に用いる防音パネルであって、
パネル本体部を構成する正面板には、同パネルの裏面側へ立ち上がるバーリング加工を施した複数の吸音孔が長孔として形成されており、
該長孔は、車両の走行路面と平行方向に長い横長孔と、同平行方向と直角な上下方向に長い縦長孔とを組み合わせた配置で設けられていることを特徴とする。
道路や線路に沿って立設される、自動車車両や鉄道車両の走行時に発生する騒音を吸音又は遮音する防音壁に用いる防音パネルであって、
パネル本体部を構成する正面板には、同パネルの裏面側へ立ち上がるバーリング加工を施した複数の吸音孔が長孔として形成されており、
該長孔は、車両の走行路面と平行方向に長い横長孔と、同平行方向と直角な上下方向に長い縦長孔とを組み合わせた配置で設けられていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載した吸音又は遮音パネルにおいて、
横長孔は、上下方向に間隔をあけて連続するように配置されて横長孔群を形成し、前記横長孔群の左右にそれぞれ縦長孔が配置されることを特徴とする。
横長孔は、上下方向に間隔をあけて連続するように配置されて横長孔群を形成し、前記横長孔群の左右にそれぞれ縦長孔が配置されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載した吸音又は遮音パネルにおいて、
防音パネルの材質は、鋼板にプレめっきした溶融亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする。
防音パネルの材質は、鋼板にプレめっきした溶融亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一に記載した防音パネルにおいて、
左右方向に長い防音パネルには、縦長孔よりも横長孔が多く配置されていることを特徴とする。
左右方向に長い防音パネルには、縦長孔よりも横長孔が多く配置されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか一に記載した防音パネルにおいて、
上下方向に長い防音パネルには、横長孔よりも縦長孔が多く配置されていることを特徴とする。
上下方向に長い防音パネルには、横長孔よりも縦長孔が多く配置されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか一に記載した防音パネルにおいて、
横長孔と縦長孔が車両の走行路面と平行方向、同平行方向と直角な上下方向に規則的な行列の配置で設けられ、同行列における断面欠損部を除く有効断面部分が同上下方向に直線的に連続して同上下方向の力骨が設けられていることを特徴とする。
横長孔と縦長孔が車両の走行路面と平行方向、同平行方向と直角な上下方向に規則的な行列の配置で設けられ、同行列における断面欠損部を除く有効断面部分が同上下方向に直線的に連続して同上下方向の力骨が設けられていることを特徴とする。
請求項1〜6に記載した発明に係るパネルは、パネル本体部を構成する正面板に、同正面板の表裏を連通する吸音孔をバーリング加工を施した長孔に形成しており、該長孔は、自動車車両や鉄道車両の走行路面と平行方向に伸びる横長孔と、同平行方向に対して直角な上下方向に伸びる縦長孔とで成り、前記横長孔は上下方向に間隔をあけて配置して連続する横長孔群を形成し、前記横長孔群の左右にそれぞれ縦長孔を配置する構成とした。
つまり、前記自動車車両や鉄道車両の走行路面と平行方向に伸びる横長孔と上下方向の縦長孔との2種類の長孔を組み合わせたので、正面板が平行方向の剛性と上下方向の剛性の両方を確実に発揮することができ、パネル表面の強度を向上させることでパネル表面の面外変形を防止することができる。したがって、高速で走行する新型の新幹線やリニアモーターカーなどの新型車両の走行時に発生する過大な風圧(風荷重)に対しても防音パネルが十分に強度及び剛性を発揮させ、防音パネルのばたつきや面外変形を防止できる。
また、この構成によれば、正面板そのものが風荷重に対する耐力を備えることできるので、風圧(風荷重)の強い過酷な条件にも適応できる。また、この正面板は縦長孔と横長孔とを規則的に組み合わせて配置している。特に左右方向に長い防音パネルの場合には、縦長孔より横長孔が多く配置する構成であるので、必要充分な防音性能を確実に発揮させることができる。
つまり、前記自動車車両や鉄道車両の走行路面と平行方向に伸びる横長孔と上下方向の縦長孔との2種類の長孔を組み合わせたので、正面板が平行方向の剛性と上下方向の剛性の両方を確実に発揮することができ、パネル表面の強度を向上させることでパネル表面の面外変形を防止することができる。したがって、高速で走行する新型の新幹線やリニアモーターカーなどの新型車両の走行時に発生する過大な風圧(風荷重)に対しても防音パネルが十分に強度及び剛性を発揮させ、防音パネルのばたつきや面外変形を防止できる。
また、この構成によれば、正面板そのものが風荷重に対する耐力を備えることできるので、風圧(風荷重)の強い過酷な条件にも適応できる。また、この正面板は縦長孔と横長孔とを規則的に組み合わせて配置している。特に左右方向に長い防音パネルの場合には、縦長孔より横長孔が多く配置する構成であるので、必要充分な防音性能を確実に発揮させることができる。
また、この構成によれば、正面板の強度及び剛性を向上するために防音パネルにエンボスや他の補強材を取り付ける工程が一切必要無く、単に2種類の長孔を共通のバーリング加工法により形成するだけで良いので、従来の板厚(一例として鉄の露出面を錆の発生から防ぐ適切な厚さ0.8mm)の薄さを保持しつつ強度を増加できるし、従来の成形方法とほぼ同様の吸音孔を成形するプレス成形により非常に簡易に製造できるので、剛性を向上させるための新たな加工工程を追加する必要が無く、経済的である。
また、単に2種類の長孔の配置を変えるだけで、正面板の厚さや長さ、幅、設置状況に適した剛性を発揮できる対応力の良さがあり、汎用性が高い。
特に横方向に長い防音パネルには、縦長孔より横長孔の方を多く配置し、縦方向に長い防音パネルには、横長孔より縦長孔の方を多く配置するのみで、風(風圧=風荷重)による張力に耐え得る強度及び剛性を具備できる。
特に横方向に長い防音パネルには、縦長孔より横長孔の方を多く配置し、縦方向に長い防音パネルには、横長孔より縦長孔の方を多く配置するのみで、風(風圧=風荷重)による張力に耐え得る強度及び剛性を具備できる。
本発明は道路や線路に沿って立設される、自動車車両や鉄道車両の走行時に発生する騒音を吸音又は遮音する防音壁に用いる防音パネル1である。
パネル本体部2を構成する正面板2aには、同パネル2aの裏面側へ立ち上がるバーリング加工を施した複数の吸音孔20が長孔として形成されている。
該長孔20は、車両の走行路面と平行方向に長い横長孔20aと、同平行方向と直角な上下方向に長い縦長孔20bとを組み合わせた配置で設けられている。
パネル本体部2を構成する正面板2aには、同パネル2aの裏面側へ立ち上がるバーリング加工を施した複数の吸音孔20が長孔として形成されている。
該長孔20は、車両の走行路面と平行方向に長い横長孔20aと、同平行方向と直角な上下方向に長い縦長孔20bとを組み合わせた配置で設けられている。
以下に、本発明を図示した実施例に基づいて説明する。
図1には、吸音又は遮音パネル(以下、単に防音パネルと云う)の正面図を示し、図2に背面図を示した。また、図3は図1の側面図、また複数の矢視断面図を示した。
本発明の防音パネルは、特に走行時に相当の風圧(風荷重)が生じる新型の新幹線、リニアモータカーなど新型車両の走行する路面の両側に立置される遮音壁に使用される吸音パネル又は遮音パネルに好適に実施され、たとえば風荷重が300kg/m2を超える走行区間にも実施される。
図1には、吸音又は遮音パネル(以下、単に防音パネルと云う)の正面図を示し、図2に背面図を示した。また、図3は図1の側面図、また複数の矢視断面図を示した。
本発明の防音パネルは、特に走行時に相当の風圧(風荷重)が生じる新型の新幹線、リニアモータカーなど新型車両の走行する路面の両側に立置される遮音壁に使用される吸音パネル又は遮音パネルに好適に実施され、たとえば風荷重が300kg/m2を超える走行区間にも実施される。
本発明の防音パネル1は、縦250mm、横1960mmで、奥行き55mmであり、吸音孔20を有する正面板2a、及び上下端部にC型部鋼2bを対峙させて成るパネル本体部2と、同パネル本体部2の両端部に取り付けられる切り欠き部3aを有する連結プレート3と、パネル本体部2の上下のC型部鋼2b、2b間であって長手方向の所定箇所に間隔を空けて接合された帯プレート4とで構成されている。この防音パネル1の前記各部材は板厚が0.8mm〜1.6mmのプレめっき鋼板(溶融亜鉛めっき鋼板)が使用されており、亜鉛の犠牲防蝕作用(電気化学的に亜鉛が鉄より先に溶け出し、鉄の腐蝕を防止する作用)により錆にくく、孔明け加工後の後処理加工をしないでも、長い耐用寿命を期待できる。
また、防音パネル1の裏面に吸音効果を発揮できる空気層を形成することもできるし、本実施例のように同空気層にポリエステル繊維を織り込んた吸音材5を介在させることもできる。また、吸音材5は本実施例のポリエステル繊維に限られるものではなく、ポリエステルとは異なる繊維であってもよい。
前記帯プレート4は、防音パネル1の強度を確保する目的の他に別の使用目的がある。一つは防音パネル1の長手方向中央部に設けた帯プレート4aは上記吸音材5が後方へ風荷重により抜けないように支える目的に資する。連結プレート3の真裏に位置する端部材4b、4bは、防音パネル1を支柱(図示省略)へ取り付ける目的がある。
上記防音パネル1を支柱へ取り付ける概要を簡単に説明する。前記端部材4bには、図3Aに示すように同端部材4bの背面からボルト6が予め差し込まれている。したがって、同防音パネル1を支柱へ取り付ける際、支柱に取り付けられているレール手段(図示省略)へ前記ボルト6の頭を嵌め入れて位置決めし、その後、ナット7を連結プレート3に設けた切り欠き部3aから締め込んで取り付けられる。つまり、防音パネル1の取付作業をすべて正面から行える構造とされている。
上記防音パネル1を支柱へ取り付ける概要を簡単に説明する。前記端部材4bには、図3Aに示すように同端部材4bの背面からボルト6が予め差し込まれている。したがって、同防音パネル1を支柱へ取り付ける際、支柱に取り付けられているレール手段(図示省略)へ前記ボルト6の頭を嵌め入れて位置決めし、その後、ナット7を連結プレート3に設けた切り欠き部3aから締め込んで取り付けられる。つまり、防音パネル1の取付作業をすべて正面から行える構造とされている。
次に、パネル本体部2を構成する正面板2aに設けられる吸音孔20(長孔20a、20b)を具体的に説明する。
前記正面板2aの前面には、吸音孔20が同正面板2aの裏面側へ立ち上がるバーリング加工を施した長孔20a、20bとして形成されている(図3B、C、D)。
この長孔20a、20bとは、車両や鉄道の進行方向と同じ水平方向に長い横長孔20aと、同進行方向と直角な上下方向に長い縦長孔20bである。
前記横長孔20aは水平方向への剛性を発揮し、縦長孔20bは上下方向へ剛性を発揮することができる。したがって、高速で走行する新型の新幹線やリニアモーターカーなどの新型車両の走行時に発生する過大な風圧(風荷重)に対しても、正面板2aそのものが風荷重に対する耐力を発揮でき、もっては防音パネル1全体のばたつきや捻れ変形をも防止できる。
前記正面板2aの前面には、吸音孔20が同正面板2aの裏面側へ立ち上がるバーリング加工を施した長孔20a、20bとして形成されている(図3B、C、D)。
この長孔20a、20bとは、車両や鉄道の進行方向と同じ水平方向に長い横長孔20aと、同進行方向と直角な上下方向に長い縦長孔20bである。
前記横長孔20aは水平方向への剛性を発揮し、縦長孔20bは上下方向へ剛性を発揮することができる。したがって、高速で走行する新型の新幹線やリニアモーターカーなどの新型車両の走行時に発生する過大な風圧(風荷重)に対しても、正面板2aそのものが風荷重に対する耐力を発揮でき、もっては防音パネル1全体のばたつきや捻れ変形をも防止できる。
上記の横長孔20aの形状は、縦20mm、横200mmとされ、その端部はR加工が施されており、縦長孔20bの形状は、縦205mm、横20mmとされ、やはり端部にR加工が施されている。
次に、横長孔20aと縦長孔20bの配置について具体的に説明する。
図示例に示した横に長いタイプの防音パネル1の場合、横長孔20aを上下方向に一定の間隔を空けて連続するように複数個(図示例では6個)設けて横長孔群を形成し、前記横長孔20a群の行列の左右にそれぞれ縦長孔20bが垂直に一個ずつ配置する行列パターン(図4参照)とされており、防音パネル1の長手方向に連続して設けられている。
図示例に示した横に長いタイプの防音パネル1の場合、横長孔20aを上下方向に一定の間隔を空けて連続するように複数個(図示例では6個)設けて横長孔群を形成し、前記横長孔20a群の行列の左右にそれぞれ縦長孔20bが垂直に一個ずつ配置する行列パターン(図4参照)とされており、防音パネル1の長手方向に連続して設けられている。
また、前記横長孔20a、縦長孔20bの行列における断面欠損部を除く有効断面部分が上下・左右方向に一定の幅寸(一例としてW1≒17mm、W2≒20mm)で直線的に連続する上下方向の力骨8が設けられている。上下方向(縦方向)の力骨8は、風荷重に耐え得る有効断面積を確保した構成とされている。
このように2種類の長孔20a、20bを正面板2aの上下方向に規則的に配置すると、幅広い騒音周波数を吸音する効果が得られる。勿論、長孔20a、20bの行列パターンこの限りではなく、防音パネルの厚さ長さ、設置状況に合わせて変更させることが適宜行われる。
例えば、縦に長い防音パネル1に実施する場合には、横長孔20aよりも縦長孔20bが多く配置される行列パターンを防音パネルの長手方向に連続して設けることがなされる。具体的には図4に示した行列パターンを90°回転させた状態である。即ち、防音パネル1の上下位置に横長孔20a、20aを配置し、前記上下の横長孔20aの間に縦長孔20bを複数(2個より多く)配置するパターンである。勿論この限りではない。
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施例の構成に限定されない。その目的と要旨を逸脱しない範囲において、当業者が必要に応じて行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のため言及する。
1 防音パネル
2 パネル本体部
2a 正面板
2b C型部鋼
20a 横長孔
20b 縦長孔
3 連結プレート
4、4a、4b 帯プレート(端部材)
5 吸音材
6 ボルト
7 ナット
8 力骨
2 パネル本体部
2a 正面板
2b C型部鋼
20a 横長孔
20b 縦長孔
3 連結プレート
4、4a、4b 帯プレート(端部材)
5 吸音材
6 ボルト
7 ナット
8 力骨
Claims (6)
- 道路や線路に沿って立設される、自動車車両や鉄道車両の走行時に発生する騒音を吸音又は遮音する防音壁に用いる防音パネルであって、
パネル本体部を構成する正面板には、同パネルの裏面側へ立ち上がるバーリング加工を施した複数の吸音孔が長孔として形成されており、
該長孔は、車両の走行路面と平行方向に長い横長孔と、同平行方向と直角な上下方向に長い縦長孔とを組み合わせた配置で設けられていることを特徴とする、防音パネル。 - 横長孔は、上下方向に間隔をあけて連続するように配置されて横長孔群を形成し、前記横長孔群の左右にそれぞれ縦長孔が配置されることを特徴とする、請求項1に記載した防音パネル。
- 防音パネルの材質は、鋼板にプレめっきした溶融亜鉛めっき鋼板であることを特徴とする、請求項1又は2に記載した防音パネル。
- 左右方向に長い防音パネルには、縦長孔よりも横長孔が多く配置されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一に記載した防音パネル。
- 上下方向に長い防音パネルには、横長孔よりも縦長孔が多く配置されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一に記載した防音パネル。
- 横長孔と縦長孔が車両の走行路面と平行方向、同平行方向と直角な上下方向に規則的な行列の配置で設けられ、同行列における断面欠損部を除く有効断面部分が同上下方向に直線的に連続して同上下方向の力骨が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一に記載した防音パネル。
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