JP2011020124A - 条鋼圧延材の圧延方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】可及的に表面疵の発生の少ない条鋼圧延材を製造することのできるようにする。
【解決手段】条鋼圧延材2を圧延する圧延スタンド11の出側に条鋼圧延材2の幅寸法を計測する計測装置13を配置して、条鋼圧延材2の圧延を行う条鋼圧延材2の圧延方法であって、所定の圧延スタンド11を第1スタンド11aとし、第1スタンド11aに隣接する下流側の圧延スタンド11を第2スタンド11bとし、条鋼圧延材2が第1スタンド11aに導入されてから第2スタンド11bに導入される前までの第1スタンド11aにおける出側幅寸法を無張力寸法W1とすると共に、条鋼圧延材2が第2スタンド11bに導入されたときの第1スタンド11aにおける出側幅寸法を張力寸法W1’としたとき、δW1=W1−W1’の値が目標値となるように圧延ロール12の回転数を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、条鋼圧延材の圧延方法に関する。
条鋼の圧延の場合、基本的には圧下面と自由面が交互に入れ替わりながら圧延され、断面全周が製品となる。従って板の圧延のように圧下方向の制御のみならず、幅方向の寸法制御が重要となる。一方、圧延での幅広がりは圧延機間、即ち、スタンド間張力で大きく変動し、圧縮応力の場合は幅広がり増大、引張応力の場合は幅広がりの減少を引き起こすことになる。
ここで、2スタンドの連続圧延で1スタンド目と2スタンド目間に張力が作用する条件を考えた場合、条鋼圧延材の先端部が2スタンド目に噛み込むまではスタンド間張力は零、即ち、無張力となる。条鋼圧延材の先端部が2スタンド目に噛み込み、スタンド間に張力が作用すると、条鋼圧延材の幅広がりは減少し、1スタンド目と2スタンドで圧延後の幅寸法は小さくなる。更に、条鋼圧延材の後端部が1スタンド目を抜けた後はスタンド間張力が零となり、2スタンド圧延後の条鋼圧延材の幅寸法は、1,2スタンドにおける噛み込みの状態と比較して増大することになる。
その結果、条鋼圧延材の幅寸法は、圧延方向に変動し、先端部又は後端部に対してミドル部(中間部)の幅寸法は小さくなる。条鋼圧延材の幅寸法の変動は、最終製品の寸法精度のみならず、特に条鋼圧延材が孔型(カリバー)よりもはみ出した場合は後続の圧延で折れ込み疵の発生、逆に条鋼圧延材の幅寸法が規定よりも小さい場合は孔型との接触面積減少により安定性が低下し、条鋼圧延材がねじれるという問題を引き起こす。
条鋼圧延材の圧延ラインの下流側において、条鋼圧延材の断面積が比較的小さいところでは、スタンド間でループを形成し、張力制御を行うループ制御が一般的に導入されているが、条鋼圧延材の断面積が大きくループを形成することが困難な圧延ライン上流(粗圧延等)では、ループ制御に変わる制御方法が必要となる。
条鋼の圧延におけるスタンド間張力制御手段としては、例えば、特許文献1に示すものがある。この特許文献1の技術では、最終スタンド間の張力変動と、最終スタンド出側の幅寸法変動の関係に着目し、あるスタンド出側の各スタンド尻抜け時の条鋼圧延材の幅寸法変化より、当該スタンドより上流スタンド間に発生する張力を推定する残差張力推定法が開示されている。
特開昭61−30210号公報
しかしながら、特許文献1に示した残差張力推定法では、条鋼圧延材の幅寸法に対する影響係数を算出するためには張力を測定する必要があるが、張力をそのまま測定したのみでは、直接法、間接法、あるいはシミュレーションのいずれにおいても測定精度が劣ることがあった。ここで、正確に張力(残差張力)が求められても、目標値への修正量(ロール回転数又はロール隙)には計算値が使用されるため、実態と合わない場合がある。
このように、特許文献1に示した残差張力推定法では、様々な問題があったため、例えば、以下のような方法によって、条鋼圧延における制御を行っていた。
具体的には、1スタンド目で条鋼圧延材が圧延されているときの1スタンド目の圧延機を駆動する駆動モータの電流値を記憶しておき、条鋼圧延材の先端部が次のスタンドに噛み込んだ後の電流値と比較し、2スタンド目に噛み込む前の電流値となるように上流スタンドの駆動モータの回転数を調整していた。駆動モータの電流値の変化はスタンド間張力に起因するものであり、圧縮応力が作用すると1スタンド目の電流値が上昇、引張応力が作用すると逆に減少する。駆動モータの電流値は当然圧延荷重が高い程高くなるため、特に圧延荷重の高い上流側のスタンドでは電流値の絶対値に対して張力変動による電流値の変動が小さく、張力制御が困難となる。このため、しばしば上流側のスタンド(粗列)では、張力制御不具合のために条鋼圧延材の幅寸法の変動をまねき、条鋼圧延材の表面疵を発生させる原因となっていた。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、可及的に表面疵の発生の少ない条鋼圧延材を製造することのできる条鋼圧延材の圧延方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、条鋼圧延材を圧延する圧延スタンドの出側に前記条鋼圧延材の幅寸法を計測する計測装置を配置して、前記条鋼圧延材の圧延を行う条鋼圧延材の圧延方法であって、所定の圧延スタンドを第1スタンドとし、第1スタンドに隣接する下流側の圧延スタンドを第2スタンドとし、前記条鋼圧延材が第1スタンドに導入されてから第2スタンドに導入される前までの第1スタンドにおける出側幅寸法を無張力寸法W1とすると共に、前記条鋼圧延材が第2スタンドに導入されたときの第1スタンドにおける出側幅寸法を張力寸法W1’としたとき、式(1)にて求められる値δW1が目標値となるように前記圧延スタンドの圧延ロールの回転数を制御する点にある。
Figure 2011020124
前記第2スタンドに隣接する下流側の圧延スタンドを第3スタンドとし、前記条鋼圧延材が第2スタンドに導入されてから第3スタンドに導入される前までの第2スタンドにおける出側幅寸法を無張力寸法W2とすると共に、前記条鋼圧延材が第3スタンドに導入されたときの第2スタンドにおける出側幅寸法を張力寸法W2’としたとき、式(2)にて求められる値δW2が目標値となるように前記圧延スタンドの圧延ロールの回転数を制御することが好ましい。
Figure 2011020124
2つ以上の圧延スタンドの圧延ロールの回転数を制御するに際して、式(3)にて求められる値δWnが目標値を満たすようにn番目圧延スタンドの圧延ロールの回転数を制御すると共に、n番目圧延スタンドより上流側の圧延スタンド間におけるロール周速比を制御前となるように維持することが好ましい。
Figure 2011020124
前記各圧延スタンドにおける出側幅寸法は、前記条鋼圧延材が通材中の実績値であることが好ましい。
また、本発明においては、次の技術的手段を採用することができる。
すなわち、複数本の条鋼圧延材を同時に圧延する多ストランド圧延で、圧延スタンドの出側に前記条鋼圧延材の幅寸法を計測する計測装置を配置して、前記条鋼圧延材の圧延を行う条鋼圧延材の圧延方法であって、所定の圧延スタンドを第1スタンドとした上で、式(4)に基づいて、各ストランド毎に第1スタンドでの条鋼圧延材の幅寸法の変化量δW1−1〜δW1−N(圧縮ではマイナス値、引っ張りではプラス値)を求め、求められた幅寸法の変化量δW1−1〜δW1−Nの中で絶対値の最も小さい値が目標値となるように、前記圧延スタンドの圧延ロールの回転数を制御することを特徴とするとよい。
Figure 2011020124
本発明によれば、可及的に表面疵の発生の少ない条鋼圧延材を製造することができる。
条鋼圧延材の圧延製造ラインの模式図である。 条鋼圧延材の圧延方法を示す図であって、a)条鋼圧延材が第2スタンドに噛み込む前の無張力状態での幅寸法を計測する図であり、b)条鋼圧延材が第2スタンドに噛み込んだ後の張力状態での幅寸法を計測する図であり、c)第1スタンドにおける圧延ロールの制御を行うときの状態図であり、d)条鋼圧延材が第3スタンドに噛み込む前の無張力状態での幅寸法を計測する図であり、e)条鋼圧延材が第2スタンドに噛み込んだ後の張力状態での幅寸法を計測する図であり、f)第2スタンドにおける圧延ロールの制御を行うときの状態図である。 ロール周速比と変動幅寸法との関係を示す図である。 実施例と比較例において、表面疵の深さと表面疵発生率との関係を示す図である。 実施例と比較例において、表面疵の深さと表面疵発生率との関係を示す図である(多ストランド圧延)。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、ビレットなどの鋼材を連続圧延して条鋼圧延材を製造する条鋼圧延材の圧延製造ラインを示したものである。
圧延製造ライン1は、上流側から下流側に向けて順に、鋼材を加熱する加熱炉3、粗圧延装置4、中間列圧延装置5、仕上げ圧延装置6、巻き取り装置7が順番に配設されている。また、圧延製造ライン1には、条鋼圧延材2を冷却する冷却装置8が配備されている。加えて、圧延製造ライン1は、加熱炉3、粗圧延装置4、中間列圧延装置5、仕上げ圧延装置6、巻き取り装置7及び冷却装置8を制御する制御装置10を備えている。この制御装置10は、コンピュータ等によって構成されている。
粗圧延装置4、中間列圧延装置5、仕上げ圧延装置6は、複数の圧延スタンド(圧延機)11を備えていて、この圧延スタンド11は条鋼圧延材2を圧延する圧延ロール12が設けられている。圧延ロール12は、回転駆動する駆動モータによって回転する。
このような条鋼圧延材2の圧延製造ライン1において、条鋼圧延材2を製造するにあたっては、まず、圧延製造ライン1の上流側に配備された加熱炉3内に条鋼圧延材2の元となる155角(155×155)のビレット(鋼材)を導入して加熱する。加熱したビレットをデスケーリングし、粗圧延装置4にて50角(50×50)まで圧延する。粗圧延装置4における圧延スタンド11はHV配列となっており、鋼材が90度回転して圧下方向が交互に変更されながら圧延される。中間列圧延装置5以降は、断面形状が楕円から丸状になるように圧延されて、最終的に目標とする形状(例えば、丸形状)に圧延される。
以下、本発明の条鋼圧延材の圧延方法について詳しく説明する。
条鋼圧延材の圧延方法を行うに際しては、圧延スタンド11の出側における鋼材(条鋼圧延材2)の幅寸法を用いるため、まず、図2に示すように、装置構成として、圧延スタンド11の出側には、鋼材(条鋼圧延材2)の幅寸法を計測する計測装置13を配置している。
そして、条鋼圧延材2の圧延方法では、複数の圧延スタンド11のうち、所定の圧延スタンドを第1スタンド11aとし、第1スタンド11aに隣接する下流側の圧延スタンドを第2スタンド11bとした上で、条鋼圧延材2が第1スタンド11aに導入されてから第2スタンド11bに導入される前までの第1スタンド11aにおける出側幅寸法を無張力寸法W1とすると共に、条鋼圧延材2が第2スタンド11bに導入されたときの第1スタンド11aにおける出側幅寸法を張力寸法W1’としたとき、式(1)で求められる値が目標値となるように当該圧延スタンド11における圧延ロール12(圧延スタンド11を駆動させる駆動モータの回転数)を制御している。
Figure 2011020124
図2に示すように、詳しく説明すると、本実施形態では、粗圧延装置4における最上流側(加熱炉3に隣接する)の第1番目の圧延スタンドを、上述した第1スタンド11aとし、この第1スタンド11aに隣接する圧延スタンドを、第2スタンド11bとしている。
図2(a)に示すように、加熱炉3から搬出してデスケーリングが終了した条鋼圧延材2の先端部が第1スタンド11aに導入されて、当該先端部が第2スタンド11bに噛み込むまでの無張力状態での条鋼圧延材2の幅寸法を、第1スタンド11aの出側に設けた計測装置13aによって計測する。そして、計測装置13aにて測定した無張力状態での条鋼圧延材2の寸法を無張力寸法W1して制御装置10に出力する。
次に、図2(b)に示すように、第2スタンド11bに条鋼圧延材2が噛み込み第1スタンド11aと第2スタンド11b間にて張力が作用した状態での条鋼圧延材2の幅寸法を、第1スタンド11aの出側に設けた計測装置13aによって計測する。そして、計測装置13aにて測定した張力状態での条鋼圧延材2を張力寸法W1’として制御装置10に出力する。
図2(c)に示すように、無張力寸法W1と張力寸法W1’とが決定すると、制御装置10にてδW1=W1−W1’[式(1)]を計算して、この式(1)にて算出されたδW1(幅寸法)が目標値となるように制御する。
具体的には、δW1(幅寸法)を目標値にする制御を行うにあたっては、式(a)に示されるような、第1スタンド11aと第2スタンド11bとにおける圧延ロール12の周速度比を用いている。
Figure 2011020124
ここで、δW1(幅寸法)の目標値をδW1mとすると、変動させる変動幅寸法(δW1s)は、式(b)で表される。そして、式(b)にて示される変動幅寸法(δW1s)にするためのロール周速比の変動量(周速比制御量)を求め、この周速比制御量を用いて第1スタンド11aにおける圧延ロール12の回転を制御している。
詳しくは、図3に示すように、ロール周速比の変動量と、周速度比に対する変動幅寸法(δW1s)との関係(例えば、線形式)を実験等により求めておき、図3に示すような制御マップにおける線形式、即ち、変動幅寸法(δW1s)×αにより周速比制御量を求める。なお、図3に示す線形式は制御装置10に格納し、制御装置10が線形式を用いて周速比制御量を求めればよい。また、図3に示すようにな所定のロール周速比と変動幅寸法との関係は、実験値や実測値によって数値化すれば良く、鋼種や圧延温度毎にテーブル化したものを用いるようにしてもよい。
そして、制御装置10によって、制御前(設定時)におけるロール周速比と、周速比制御量との和が、式(c)を満たすように、第1スタンド11aにおける圧延ロール12の回転数を求める。実際には、第1スタンド11aにおける圧延ロール12の回転数は、式(d)に示すことができるため、この式(d)を用いて第1スタンド11aにおける圧延ロール12を駆動モータの回転数に置き換えて、制御装置10による制御信号によって第1スタンド11aを駆動させる駆動モータの回転数を制御している。
なお、圧延ロール12の回転数の制御量(回転数制御量)を示すと、式(e)になることから、現在の圧延ロール12の回転数に対して回転数制御量を調整することによって第1スタンド11aにおける圧延ロール12の回転数を制御してもよい。
Figure 2011020124
また、本発明では、第1スタンド11aにおける圧延ロール(駆動モータ)の回転数を制御しつつ、第2スタンド11bにおける圧延ロール(駆動モータ)の回転数を制御している。
具体的には、第2スタンド11bに隣接する下流側の圧延スタンド11を第3スタンド11c、条鋼圧延材2が第2スタンド11bに導入されてから第3スタンド11cに導入される前までの第2スタンド11bにおける出側幅寸法を無張力寸法W2とすると共に、条鋼圧延材2が第3スタンド11cに導入されたときの第2スタンド11bにおける出側幅寸法を張力寸法W2’としたとき、式(2)で求められる値が、目標値となるように第2スタンド11bの圧延ロール12(駆動モータ)の回転数を制御している。
Figure 2011020124
詳しくは、図2(d)に示すように、上述したように第1スタンド11aにおける圧延ロール12(駆動モータ)の回転数を制御を行った後に、条鋼圧延材2の先端部が第2スタンド11bに導入されて、当該先端部が第3スタンド11cに噛み込むまでの無張力状態での条鋼圧延材2の幅寸法を、第2スタンド11bの出側に設けた計測装置13bによって計測する。そして、計測装置13bにて測定した無張力状態での条鋼圧延材2の寸法を無張力寸法W2して制御装置10に出力する。
また、図2(e)に示すように、第3スタンド11cに条鋼圧延材2が噛み込み第2スタンド11bと第3スタンド11c間にて張力が作用した状態での条鋼圧延材2の幅寸法を、第2スタンド11bの出側に設けた計測装置13bによって計測する。そして、計測装置13bにて測定した張力状態での条鋼圧延材2を張力寸法W2’として制御装置10に出力する。
図2(f)に示すように、無張力寸法W2と張力寸法W2’とが決定すると、制御装置10にてδW2=W2−W2’[式(2)]を計算して、この式(2)にて算出されたδW2(幅寸法)が目標値となるように第2スタンド11bにおける圧延ロール12(駆動モータ)の回転数を制御する。
なお、δW2(幅寸法)が目標値となるように第2スタンド11bにおける圧延ロール12(駆動モータ)の回転数を制御する方法は、上述したδW1(幅寸法)が目標値となるように第1スタンド11aにおける圧延ロール12(駆動モータ)の回転数を制御する方法と同じである。即ち、式(a)〜式(e)において第1スタンド11aに関する事項を第2スタンド11bとし、第2スタンド11bに関する事項を第3スタンド11cに置き換えれば、上述した第1スタンド11aの圧延ロール12(駆動モータ)の制御が、第2スタンド11bの圧延ロール12(駆動モータ)の制御となる。また、図3に示す、所定のロール周速比と、変動幅寸法との関係は、第2スタンド11bの圧延ロール12(駆動モータ)に対する制御にも適用すれば良い。
ここで、第2スタンド11bの圧延ロール12(駆動モータ)の回転数を制御するにあたっては、第1スタンド11aと第2スタンド11bとのロール周速比が一定となるように、第1スタンド11aの圧延ロール12(駆動モータ)の回転数も制御することが好ましい。
以上のように、第1スタンド11aや第2スタンド11bのように2スタンド以上の圧延ロール12(駆動モータ)の制御を行うにあたっては、即ち、2つ以上の圧延スタンド11の圧延ロール12(駆動モータ)の回転数を制御するに際しては、式(3)に示すように、各圧延スタンド11にて求められるδWn(幅寸法)が目標値となるように、n番目圧延スタンド11の圧延ロール12(駆動モータ)の回転数を制御することが好ましい。そして、n番目圧延スタンド11の圧延ロール12(駆動モータ)の回転数を制御するにあたっては、当該n番目より上流側の圧延スタンド11間におけるロール周速比が、当該制御前の値と同じとなるように上流側の圧延スタンド11の圧延ロール12(駆動モータ)の回転数を制御して、上流側の圧延スタンド11のロール周速比を一定にすることが好ましい。
Figure 2011020124
条鋼圧延材2の圧延方法は、条鋼圧延材2を圧延する前に、コンピュータシミュレーション等によって各圧延スタンド11の出側における条鋼圧延材2の幅寸法を求めておき、これにより、各圧延スタンド11の圧延ロール12(駆動モータ)の回転数を設定するような制御であってもよい。また、過去の条鋼圧延材2における制御データ(1つ前の圧延)を当該圧延に適用してもよい。
また、条鋼圧延材2を通材中に計測装置13にて計測した幅寸法(条鋼圧延材2が通材中の実績値)を用いて、各圧延スタンド11の圧延ロール(駆動モータ)の制御するようなフィードバック制御に適用してもよい。
図4は、条鋼圧延材2の圧延方法を粗圧延装置の各圧延スタンドに適用した実施例における表面疵の深さと表面疵発生率との関係、及び、条鋼圧延材2の圧延方法を用いずに圧延した比較例における表面疵の深さと発生率との関係をまとめたものである。
実施例及び比較例において、ビレットは155角、加熱炉3での加熱温度は1000℃、鋼種はSCM435、条鋼圧延材2の大きさ(製品サイズ)は、φ14.0mm、最終圧延速度は、40m/sec、δWn(幅寸法)の目標値については、粗圧延装置4の各圧延スタンド11(8スタンド)において、−0.5mm<δWns<1.5mmとした。即ち、無張力状態でのWnと張力状態でのWn’の差の目標値を、−0.5mm<δWn(目標値)<1.5mmとした。また、比較例では、従来通り、駆動モータの回転数、即ち、駆動モータの電流値の制御は作業者(オペレータ)が手動により行った。
表面疵発生率の調査は、条鋼圧延材2のボトム側から1巻き中に入った場所(巻き取り装置7で巻き取った後の最後から1巻き目)を100本採取して、採取したサンプルの横断面を光学顕微鏡により調査し、表面疵深さ0.01mm以下、0.01〜0.02mm、0.02〜0.03mm、0.03〜0.04mm、0.04mm以上の6つの水準に分類した。なお、0.02mmよりも深い疵が有害な疵である。なお、条鋼圧延材2においてボトム部から採取した理由は、最も張力の影響を受けやすいためである。
図4に示すように、比較例では、0.02〜0.03mmにおける表面疵発生率が最も高く、また少ない頻度ではあるが、0.03mm以上についても更に深い表面疵が発生していた。
一方で、実施例では、表面疵深さ0.01mm以下の発生率が高かったものの、有害となる0.02mm以上の大きな表面疵は発生しなかった(0.02mm以上の表面疵発生率が皆無になっている)。これは、粗圧延装置4における各圧延スタンド11において、適切な張力制御によって長手方向の寸法変動[特に、孔型(カリバー)からのはみだし]が減少したためと考えられる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上記の実施形態では、圧延製造ライン1において、第1番目の圧延スタンドを第1スタンド11a、2番目の圧延スタンドを第2スタンド11bとしたが、これに限らず、例えば、粗圧延装置4内において所定番目の圧延スタンドを、第1スタンドとし、次の圧延スタンドを第2スタンドとしてもよい。
また、複数本の条鋼圧延材を同時に圧延する多ストランド圧延を行うに際しては、第1スタンド11aにおいて、式(4)に基づいて、各ストランド毎に条鋼圧延材2の幅寸法の変化量δW1−1〜δW1−Nを求め、求められた幅寸法の変化量δW1−1〜δW1ーNの中で最も絶対値の小さい値が目標値となるように、第1スタンド11aの圧延ロール12の回転数を制御するとよい。
Figure 2011020124
従来の技術で多ストランド圧延を行った場合には、図5(a)に示すように、0.01mm以上の表面疵、特に0.01〜0.04mmの表面疵が多く発生する。ところが、上記技術を適用し圧延を行うと、図5(b)に示すように、表面疵はほとんど発生しないか、発生したとしても0.01mm以下の疵が多数を占めることがわかる。
このことより、多ストランド圧延を実施していて、全てのストランドにおいて第1スタンドでの条鋼圧延材の幅寸法の変化量を一定にできない場合であっても、最も張力値が小さい値を目標値(≒0)となるように制御することで、可及的に表面疵の発生の少ない条鋼圧延材を製造することができるようになる。
1 圧延製造ライン
2 条鋼圧延材
3 加熱炉
4 粗圧延装置
5 中間列圧延装置
6 仕上げ圧延装置
8 冷却装置
10 制御装置
11 圧延スタンド
11a 第1スタンド
11b 第2スタンド
11c 第3スタンド
12 圧延ロール
13 計測装置
13a 第1スタンドの計測装置
13b 第2スタンドの計測装置

Claims (5)

  1. 条鋼圧延材を圧延する圧延スタンドの出側に前記条鋼圧延材の幅寸法を計測する計測装置を配置して、前記条鋼圧延材の圧延を行う条鋼圧延材の圧延方法であって、
    所定の圧延スタンドを第1スタンドとし、第1スタンドに隣接する下流側の圧延スタンドを第2スタンドとし、前記条鋼圧延材が第1スタンドに導入されてから第2スタンドに導入される前までの第1スタンドにおける出側幅寸法を無張力寸法W1とすると共に、前記条鋼圧延材が第2スタンドに導入されたときの第1スタンドにおける出側幅寸法を張力寸法W1’としたとき、式(1)にて求められる値δW1が目標値となるように前記圧延スタンドの圧延ロールの回転数を制御することを特徴とする条鋼圧延材の圧延方法。
    Figure 2011020124
  2. 前記第2スタンドに隣接する下流側の圧延スタンドを第3スタンドとし、前記条鋼圧延材が第2スタンドに導入されてから第3スタンドに導入される前までの第2スタンドにおける出側幅寸法を無張力寸法W2とすると共に、前記条鋼圧延材が第3スタンドに導入されたときの第2スタンドにおける出側幅寸法を張力寸法W2’としたとき、式(2)にて求められる値δW2が目標値となるように前記圧延スタンドの圧延ロールの回転数を制御することを特徴とする請求項1に記載の条鋼圧延材の圧延方法。
    Figure 2011020124
  3. 2つ以上の圧延スタンドの圧延ロールの回転数を制御するに際して、式(3)にて求められる値δWnが目標値を満たすようにn番目圧延スタンドの圧延ロールの回転数を制御すると共に、n番目圧延スタンドより上流側の圧延スタンド間におけるロール周速比を制御前となるように維持することを特徴とする請求項2に記載の条鋼圧延材の圧延方法。
    Figure 2011020124
  4. 前記各圧延スタンドにおける出側幅寸法は、前記条鋼圧延材が通材中の実績値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の条鋼圧延材の圧延方法。
  5. 複数本の条鋼圧延材を同時に圧延する多ストランド圧延で、圧延スタンドの出側に前記条鋼圧延材の幅寸法を計測する計測装置を配置して、前記条鋼圧延材の圧延を行う条鋼圧延材の圧延方法であって、
    所定の圧延スタンドを第1スタンドとした上で、式(4)に基づいて、各ストランド毎に第1スタンドでの条鋼圧延材の幅寸法の変化量δW1−1〜δW1−Nを求め、
    求められた幅寸法の変化量δW1−1〜δW1−Nの中で絶対値の最も小さい値が目標値となるように、前記圧延スタンドの圧延ロールの回転数を制御することを特徴とする条鋼圧延材の圧延方法。
    Figure 2011020124
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