JP2011019503A - かん水装置 - Google Patents

Abstract

【課題】従来鉢の配置に制限があった潅水装置に対して、鉢の配置が自由に設定可能で、かつ安価に製作可能で、水の供給補充が容易なかん水装置を提供することを目的とする。
【解決手段】毛管現象を利用して水が移動可能な複数の繊維を含むかん水ロープ１と、植物２を植栽した鉢３へかん水を供給するための水を貯蔵するかん水槽４内の下部に、かん水ロープ１の一端１ａを保持するかん水ロープ１の端部固定具５と、かん水槽４へ水を補給するビン６やペットボトル７を逆さにして保持可能な枠体７とから構成され、鉢３の配置が自由に設定可能で、かつ安価に製作可能となっている。
【選択図】図１

Description

本発明は、植物を植栽した鉢などに対するかん水を行う装置に関するものである。

植物を植栽した鉢やプランターなどに対するかん水は定期的に行う必要がある。定期的なかん水を省く装置は従来から種々あった。その代表的なものは、上方に設けた水槽からチューブを用い、鉢やプランターなどの土中にチューブの先を埋没させてかん水を行うものであった。この場合には、上方の水槽への水の供給が不便であり、水槽が上方にあるので危険で、圧迫感があり利用に適していなかった。また、水の入ったペットボトルを逆さに土中に差込んで行うものもあったが、これは長期間のかん水を行うには十分なものではなかった。一方、毛管現象を用いて下方よりかん水を行うものがある。これは水を溜める桶の上方に複数の鉢を固定し、下方よりかん水ロープを用いて鉢の下方よりかん水を行うもの（例えば、特許文献１参照。）や、かん水材の詰まった桶を用い、複数の鉢に対して桶を介してかん水を行うものがあった（例えば、特許文献２参照。）。

特許第３９３２４３５号公報 特開２００７−２８２５６２号公報

しかしこれらの装置では、鉢の配置が限定され、比較的大きな桶が必要で、また特許文献２のものでは、かん水用の特別の桶が必要であり、桶との連結のために鉢の配置が限定される欠点があり、利用に制限があるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を同時に解決するもので、鉢の配置が自由に設定可能で、かつ安価に製作可能で、水の供給補充が容易なかん水装置を提供することを目的とする。

従来の課題を解決するために、本発明のかん水装置は、毛管現象を利用して水が移動可能な複数本の繊維を含むかん水ロープと、植物を植栽した鉢へかん水を供給するための水を貯蔵するかん水槽内の下部に、前記かん水ロープの複数本の一端を保持するかん水ロープの端の固定具とからなるものである。またさらに、かん水槽へ水を補給するビンもしくはペットボトルを逆さにして保持可能な枠体を含み、かん水ロープの端の固定具が枠体に設けられると共に、枠体はかん水槽内に配置され、かん水ロープは、一端が前記固定具によりかん水槽の水中に保持され、他端が植物を植栽した鉢に対して鉢の上方開口部から鉢の土中に配置可能な所定の長さを備え、かん水ロープの複数の繊維により毛管現象により植物を植栽した鉢へ前記かん水槽の水が供給される、構成を有するものである。

また、かん水ロープの複数本の一端を固定するための端部固定具として、複数の直径が異なる穴を設けた固定板を供えた構成としてもよく、さらに複数の固定バンドにより端部固定具を構成し、かん水装置とすることもよい。
また、かん水ロープはかん水槽の水面から上に向かい、鉢に向かって山形に配置されることが、良好なかん水を行う上で大切なので、枠体は、かん水槽の外壁より高い位置に最上部が位置するように構成し、かん水ロープを山形に配置可能なように枠体上部から紐でかん水ロープを支持できるようにしておくとよい。

本発明のかん水装置によれば、毛管現象を利用して水が移動可能な複数本の繊維を含むかん水ロープは、一端が前記固定具によりかん水槽の水中に保持され、他端が植物を植栽した鉢に対して鉢の上方開口部から鉢の土中に配置可能な所定の長さを備え、かん水ロープの複数の繊維により毛管現象により植物を植栽した鉢へ前記かん水槽の水が供給するので、鉢の配置が自由であり、複数本の繊維を含むかん水ロープは安価に入手でき、製造コストを削減することが可能となる。また、これに加えて、かん水槽は自由な形態や大きさが選択可能であり使用者の利便性に優れたかん水装置を提供することが可能となる。なお、かん水装置は、鉢より下方に配置されても、同一平面に配置されてもかん水可能である。

本発明の第１実施例に係るかん水装置の正面断面図。 同かん水装置の平面図。 同かん水装置の使用状態を示す使用状態説明図。 （ａ）同かん水装置のかん水ロープの平面部分断面図、（ｂ）同かん水装置のかん水ロープの側部分断面図。

（実施の形態１）
本発明の実施の形態１を図１および図２により説明する。図１は本発明の実施の形態１の正面断面図であり、図２は同平面図、図３は同使用状態説明図である。
本実施の形態１のかん水装置は、毛管現象を利用して水が移動可能な複数本の繊維を含むかん水ロープ１と、植物２を植栽した鉢３へかん水を供給するための水を貯蔵するかん水槽４内の下部に、かん水ロープ１の一端１ａを保持するかん水ロープ１の端部固定具５と、かん水槽４へ水を補給するビン６（もしくはペットボトル）を逆さにして保持可能な枠体７とから構成されている。かん水ロープ１の端部固定具５は枠体７に設けられ、枠体７はかん水槽４内に配置され、かん水ロープ１は、一端１ａが端部固定具５によりかん水槽４の下部水中に保持され、他端１ｂが植物２を植栽した鉢３に対して鉢３の上方開口部３ａから鉢３の土中３ｂに配置可能な所定の長さＬを備え、かん水ロープ１の複数の繊維１ａにより毛管現象により植物２を植栽した鉢３へかん水槽４の水が供給される構成となっているものである。

なお、かん水ロープ１の複数本の一端を固定するための端部固定具５は、直径が異なる複数の穴８を設けた板５ａとして、あるいは直径が異なる複数のかん水ロープ１を固定可能な固定バンド９を板に取り付け端部固定具５を構成している。複数の直径が異なる穴８を設けているので、かん水量に応じて太さの異なるかん水ロープ１が使用可能で、一端１ａを穴８に大きさに応じて差し込んでかん水ロープ１の固定ができる。
固定用バンド９も直径が異なるかん水ロープ１の固定が可能なユニバーサル型（いわゆるタイトバンド）を用いるか、直径が異なるかん水ロープ１用に複数の大きさのものを使用する。

また、かん水ロープ１はかん水槽４の水面４ａから上に向かい、鉢３に向かって山形に配置されることが、良好なかん水を行ううえで大切なので、枠体７は、かん水槽４の外壁１０より高い位置に最上部１１が位置するように構成し、かん水ロープ１を山形に配置可能なように、枠体７上部から紐１２でかん水ロープ１を支持できるようにフックやＬ型の金具や突起部による紐支持部（図示せず）を設けておくとよい。なお、かん水ロープ１は、図３に示すように、いったん鉢３を介して、逆Ｕ字型にして、別の鉢３に端部１ｂを差し込むようにしても、両方の鉢３にかん水が可能である。

かん水ロープ１は、図４（ａ）でかん水ロープ１の平面部分断面図や、図４（ｂ）のかん水ロープの側部分断面図で示すように、毛管現象を利用して水が移動可能な複数本の繊維を、より合わせるか、外皮１ｃで束ねるか、あるいは繊維を相互に溶着、接着することなどで、構成する。また、かん水する鉢３やプランター（図示せず）の大きさに合わせて適宜、その直径を選択する。

本発明のかん水装置は、一般家庭でのプランターや鉢へのかん水提供用の装置として、容易に長期間のかん水ができ、一般家庭にあるバケツや桶などをかん水槽として利用可能である。かん水ロープを複数取付けることによって、複数のプランターや鉢へ、プランターや鉢配置の制限なくかん水が可能で、農業等にも適用できる。

１ かん水ロープ、２ 植物、３ 鉢、４ かん水槽、５ 端部固定具、７ 枠体、８ 穴 ９ 固定バンド。

Claims (3)

1. 毛管現象を利用して水が移動可能な複数本の繊維を含むかん水ロープと、植物を植栽した鉢へかん水を供給するための水を貯蔵するかん水槽内の下部に、前記かん水ロープの一端を保持するかん水ロープの端の固定具と、前記かん水槽へ水を補給するビンもしくはペットボトルを逆さにして保持可能な枠体と、を含み前記かん水ロープの端の固定具が前記枠体に設けられると共に、前記枠体は前記かん水槽内に配置され、前記かん水ロープは、一端が前記固定具によりかん水槽の水中に保持され、他端が植物を植栽した鉢に対して鉢の上方開口部から鉢の土中に配置可能な所定の長さを備え、かん水ロープの複数の繊維により毛管現象により植物を植栽した鉢へ前記かん水槽の水が供給される、構成を有するかん水装置。
2. 毛管現象を利用して水が移動可能な複数の繊維を含むかん水ロープと、植物を植栽した鉢へかん水を供給するための水を貯蔵するかん水槽内の下部に、前記かん水ロープの一端を保持するかん水ロープの端の固定具と、からなる、かん水装置。
3. 前記端部固定具５は、かん水ロープ１の複数本の一端が固定可能なように、直径が異なる複数の穴８を設けた板により構成するか、もしくは複数の直径が異なるかん水ロープ１を固定可能な固定用バンド９により構成した、請求項１または２に記載のかん水装置。

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