JP2011018831A - 可変容量素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】容量向上を可能とした可変容量素子を提供すること。
【解決手段】平面形状において略短冊形状であり、一方の電極が可動であるキャパシタ電極11,12と、キャパシタ電極11,12に接続され、かつ、絶縁された駆動電極15a〜15d,16a〜16dと、キャパシタ電極11,12のそれぞれに電気的に接続されるキャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dとを有し、駆動電極15a〜15d,16a〜16d間に電位差を与えることによってキャパシタ電極11を可動させる可変容量素子1であって、キャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dは、各対ごとに近接した箇所でキャパシタ電極11,12とそれぞれ電気的に接続され、該キャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dを上方から見た場合に接続箇所からそれぞれ平行に延伸するように形成される。
【選択図】図1
【解決手段】平面形状において略短冊形状であり、一方の電極が可動であるキャパシタ電極11,12と、キャパシタ電極11,12に接続され、かつ、絶縁された駆動電極15a〜15d,16a〜16dと、キャパシタ電極11,12のそれぞれに電気的に接続されるキャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dとを有し、駆動電極15a〜15d,16a〜16d間に電位差を与えることによってキャパシタ電極11を可動させる可変容量素子1であって、キャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dは、各対ごとに近接した箇所でキャパシタ電極11,12とそれぞれ電気的に接続され、該キャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dを上方から見た場合に接続箇所からそれぞれ平行に延伸するように形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、可変容量素子に関する。
携帯電話システムにおいては、使用周波数が70MHzから5GHzまでと広範囲にわたる。このような複数の周波数帯の信号を一台の端末装置で処理するためには、従来では、端末装置内に、異なる周波数帯の信号をそれぞれ送受信するRF(Radio Frequency)回路を用意するシステムが必要であった。端末装置に対しては、小型化および薄型化のためハードウェアが占める面積を可能な限り減らすよう要求されるのに対し、この方法では周波数帯域ごとにRF回路を設けなければならないため、回路が占める面積が非常に大きくなってしまうという問題があった。そこで、いくつかのシステムを共有化するため、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術用いて形成された可変容量素子による整合素子を導入し、システムの簡素化を図る試みが進められている。
このような、可変容量素子として、一対の平行平板型のキャパシタ電極と、一方がキャパシタ電極の一方と機械的に接続された平行平板型の駆動電極とを有する可変容量素子が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。このような可変容量素子においては、駆動電極間に電圧差を与えて静電引力を発生させることによって、駆動電極の一方と機械的に接続されたキャパシタ電極の一方を移動させて、一対のキャパシタ電極によって形成されるキャパシタの静電容量を変化させている。そして、このような可変容量素子においては、キャパシタ電極以外の部分に静電容量が存在すると容量の可変比が低下することから、キャパシタ電極以外の部分での静電容量の存在をなくすために、各キャパシタ電極に接続するキャパシタ配線は直交するように配置される。
ここで、容量向上の要求を満たすためにキャパシタ電極の面積を大きくした場合、キャパシタの自己共振周波数の低下を防止するためにキャパシタのインダクタンスを低くする必要がある。たとえば、自己共振周波数を5GHzに抑制するには、実効的な静電容量が1pFである場合には実効的なインダクタンスを1nH以下にすれば足りる。これに対し、キャパシタ電極の面積を大きくして実効的な静電容量を10pFまで高めた場合には実効的なインダクタンスを100pH以下にする必要がある。しかしながら、従来では、各キャパシタ電極に接続するキャパシタ配線は直交するように配置されるため、インダクタンスが大きく、可変容量素子全体を実装するパッケージを考慮すると100pH以下までインダクタンスを減らすことは困難であった。
さらに、キャパシタ電極の可動性を確保するため、中空の気密封止構造体で可変容量素子全体を封止する必要がある。可変容量素子を半導体ウェハプロセスで製造する場合には、ウェハプロセス中で気密封止構造体まで製造することが望ましく、薄い絶縁膜で形成する方法が提案されている。しかしながら、容量向上のためにキャパシタ電極の面積を大きくした場合には気密封止構造体自体の寸法も大型化してしまい、薄い絶縁膜では機械的強度を確保することができず、可変容量素子が正常に作動しないという問題があった。
上記のように、インダクタンス低減と封止体の機械的強度の確保とが困難であったため、可変容量素子の容量向上を実現することが困難であった。
本発明は、容量向上を可能とした可変容量素子を提供することを目的とする。
本願発明の一態様によれば、平面形状において略短冊形状であり、一方の電極が可動である一対のキャパシタ電極と、前記一対のキャパシタ電極に接続され、かつ、絶縁された一対の駆動電極と、前記一対のキャパシタ電極のそれぞれに電気的に接続される一対のキャパシタ配線と、を有し、前記一対の駆動電極間に電位差を与えることによって前記一方のキャパシタ電極を可動させる可変容量素子において、前記一対のキャパシタ配線は、近接した箇所で前記一対のキャパシタ電極とそれぞれ電気的に接続され、該キャパシタ配線を上方から見た場合に接続箇所からそれぞれ平行に延伸するように形成されることを特徴とする可変容量素子が提供される。
本発明によれば、容量向上を可能とした可変容量素子を提供することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる可変容量素子を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各層の厚みと幅との関係、各層の比率などは、現実と異なることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態にかかる可変容量素子の斜視図である。図2は、図1に示すA−A線で切断した断面図であり、矢印方向から切断面を見た図となる。図3は、図1に示すB−B線で切断した断面図であり、矢印方向から切断面を見た図となる。
図1は、本発明の実施の形態にかかる可変容量素子の斜視図である。図2は、図1に示すA−A線で切断した断面図であり、矢印方向から切断面を見た図となる。図3は、図1に示すB−B線で切断した断面図であり、矢印方向から切断面を見た図となる。
図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる可変容量素子1は、MEMS技術を用いて、微小形状に製造されたものである。図1〜図3に示すように、可変容量素子1は、基板2上に、一対の平行平板型のキャパシタ電極11,12と、複数対の平行平板型の駆動電極15a,16a,15b,16b,15c,16c,15d,16dを備える。各対の駆動電極のうち上部に位置する駆動電極15a,15b,15c,15dは、各連結部17a,17b,17c,17dを介して、キャパシタ電極12の上部に位置するキャパシタ電極11の縁部と接続されている。この連結部17a,17b,17c,17dは絶縁体で形成されているため、駆動電極15a,15b,15c,15dは、キャパシタ電極11と絶縁された状態で接続されている。基板2は、たとえばシリコンや石英で形成されており、キャパシタ電極11,12は、たとえばアルミニウムや銅、金等の電気抵抗率の小さな金属材料のスパッタリング処理や蒸着処理を施すことによって形成され、駆動電極15a〜15d,16a〜16dは、たとえばアルミニウムや銅、金等の電気抵抗率の小さな金属材のスパッタリング処理や蒸着処理を施すことによって形成される。なお、図2に示す領域A1および図3に示す領域B1に、キャパシタ電極11,12が位置し、図3に示す領域B2に、駆動電極15a,16a,15b,16bが位置する。
キャパシタ電極11,12のうちキャパシタ電極12は、基板2上の絶縁膜22上に積層された状態で形成されており、基板2直上に固定配置されている。キャパシタ電極11は、キャパシタ電極12と空隙を介して対向するように配置される。そして、キャパシタ電極11は、駆動電極15a,15b,15c,15dにより両端から支持されることで上下動可能な状態で保持されている。さらに、キャパシタ電極11,12の平面形状は、略短冊形状である。なお、図2および図3に示すように、キャパシタ電極12は、表面に絶縁膜21が形成され、キャパシタ電極11との電気的短絡を防止する構造となっている。なお、図2に示す断面図は、それぞれ矢印方向から切断面を見たものであるため、キャパシタ配線14c,14dは、切断面よりも奥でキャパシタ電極12と電気的に接続する。
駆動電極15a,15b,15c,15dは、それぞれ対となる駆動電極16a,16b,16c,16dと、空隙を介して対向している。各駆動電極16a〜16dもキャパシタ電極12と同じく絶縁膜21が表面に形成され、駆動電極16a〜16dとの電気的短絡を防止する構造となっている。また、駆動電極15a〜15d,16a〜16dは、絶縁膜22上に形成される。各対の駆動電極のうち、駆動電極15a,16aは、キャパシタ電極11,12の一方の短辺と接続し、駆動電極15b,16bは、キャパシタ電極11,12の他方の短辺であって駆動電極15a,16aと対向する位置に接続し、駆動電極15c,16cは、キャパシタ電極11,12の長辺に接続し、駆動電極15d,16dは、キャパシタ電極11,12の他方の長辺であって駆動電極15c,16cと対向する位置に接続する。
この可変容量素子1は、キャパシタ電極11とキャパシタ電極12との距離Dを変化させることで、可変容量素子1の静電容量が調整されるように構成される。具体的に、可変容量素子1の静電容量調整方法について説明する。まず、駆動電極15a〜15d,16a〜16d間に電圧差を与えることによって、図3の矢印に示すように、静電引力が発生する。なお、この電圧差は、各駆動電極15a〜15d,16a〜16dにそれぞれ接続する駆動配線18,19に所定の電圧を印加することによって生じる。なお、図3に示す断面図は、それぞれ矢印方向から切断面を見たものであるため、駆動配線19は、切断面よりも奥で駆動電極16a,16bと電気的に接続する。
そして、発生した静電引力によって、上部の駆動電極15a〜15dが下部の駆動電極16a〜16dに引き寄せられ、上部の駆動電極15a〜15dが下降する。この上部の駆動電極15a〜15dとキャパシタ電極11とは、連結部17a〜17dを介して機械的に接続されているため、上部の駆動電極15a〜15dが下降することによって、キャパシタ電極11も下降する。この結果、キャパシタ電極11とキャパシタ電極12との距離Dが変化し、可変容量素子1の静電容量も、この距離Dの変化にともない変化する。さらに、駆動電極15a〜15d,16a〜16d間の電圧差を0とすると、駆動電極15a〜15d,16a〜16d間に生じていた静電引力も消滅するため、電極の張力により上部の駆動電極15a〜15dは元の位置に戻る。これにともない、キャパシタ電極12も元の位置に戻り、可変容量素子1の静電容量も元の値に戻る。
このキャパシタ電極11には、外部回路と接続されるキャパシタ配線13a,13b,13c,13dが一体に形成されている。このため、キャパシタ電極13a,13b,13c,13dは、キャパシタ電極11と電気的に接続される。また、キャパシタ電極12には、外部回路と接続されるキャパシタ配線14a,14b,14c,14dが一体に形成されている。このため、キャパシタ電極14a,14b,14c,14dは、キャパシタ電極12と電気的に接続される。キャパシタ電極11,12は、生成した静電容量を、キャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dを介して外部回路に供給する。
一対のキャパシタ配線13a,14aは、近接した箇所でキャパシタ電極11,12と接続するとともに、接続箇所からそれぞれ同方向に延伸するように形成される。したがって、キャパシタ配線13a,14aは、可変容量素子1上方から見た場合、キャパシタ配線13a,14aがそれぞれ重ならないように、平行に延伸するように形成されている。さらに、図3に示すように、キャパシタ配線13a,14aは、側面から見た場合も、平行に対向して配置する。そして、キャパシタ配線13a,14aは、キャパシタ電極11,12にそれぞれ接続するまで、可変容量素子1上方から見た場合および側面から見た場合のいずれにおいても、平行に延伸した状態で形成される。また、実効的なインダクタンスを小さくするために、キャパシタ電極11,12間の容量に影響を及ぼさない程度に、キャパシタ配線13a,14aを近づけるように配置している。このキャパシタ配線は複数対設けられ、可変容量素子1は、たとえば、キャパシタ配線13a,14aと対向した位置に形成されたキャパシタ配線13b,14b、キャパシタ配線13a,14bとキャパシタ電極11,12の同一辺に形成されたキャパシタ配線13c,14c、および、キャパシタ配線13c,14cと対向した位置に形成されたキャパシタ配線13d,14dの4対のキャパシタ配線を備える。上述したように、駆動電極15a,16a,15b,16b,15c,16c,15d,16dも複数対設けられ、各対のキャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dと駆動電極15a〜15d,16a〜16dとは、キャパシタ電極11,12の各周に沿って、交互に設けられる。キャパシタ配線と駆動電極とは、キャパシタ電極11,12の各周に沿って交互に設けられることから、図1に例示するように、偶数対であることが望ましい。
このように、本実施の形態にかかる可変容量素子1は、一対のキャパシタ電極11,12の平面形状が略短冊形状であり、キャパシタ電極11,12とそれぞれ接続する対となるキャパシタ配線は、近接した箇所でキャパシタ電極11,12のそれぞれと接続するとともに、キャパシタ配線を上方から見た場合に接続箇所からそれぞれ平行に延伸するように形成される。
また、可変容量素子1の可動性を確保するために、図4に例示するような中空の気密封止構造体20が必要となる。可変容量素子1を半導体ウェハプロセスで製造する場合には、ウェハプロセス中で気密封止構造体20まで製造することが望ましく、この気密封止構造体20は、たとえば、薄い絶縁膜をCVD処理で形成した後、エッチング処理で加工することによって形成される。気密封止構造体20の平面形状は、封止対象の可変容量素子1のキャパシタ電極11,12の形状に対応し、略短冊形状を有するとともに、キャパシタ電極11,12に接続する駆動電極15a〜15d,16a〜16dもともに封止するため、駆動電極箇所に対応した領域に凸部を有する。
ここで、従来の可変容量素子について説明する。図5は、比較例にかかる可変容量素子の斜視図であり、図6は、比較例にかかる可変容量素子を気密封止構造体で封止した場合の斜視図である。図5に示すように、従来においては、キャパシタ電極111,112の平面形状は、略正方形であり、各キャパシタ電極111,112にそれぞれ接続するキャパシタ配線113,114は、それぞれ直交するように配置される。そして、キャパシタ電極111には、駆動電極115が接続部117を介して機械的に接続され、この駆動電極115に対向するように駆動電極116が形成されている。なお、駆動電極115,116は、それぞれ駆動配線118,119と接続している。
そして、実効的な静電容量をCとし、実効的なインダクタンスをLとした場合、自己共振周波数fは、以下の(1)式で表される。
f=1/2/π/(LC)1/2 ・・・(1)
f=1/2/π/(LC)1/2 ・・・(1)
この(1)式に示すように、従来の可変容量素子の構造を取る場合、容量向上の要求を満たすためにキャパシタ電極の面積をそのまま大きくした場合、キャパシタの自己共振周波数の低下を防止するには、キャパシタのインダクタンスを低くする必要がある。たとえば、正方形状の各辺をそれぞれ延伸してキャパシタ電極面積を大きくすることによって実効的な静電容量を10pFまで高めた場合には実効的なインダクタンスを100pH以下にしなければならない。しかしながら、従来では、各キャパシタ電極に接続するキャパシタ配線は直交するように配置されるため、このキャパシタ配線によるインダクタンスが大きく、可変容量素子全体を実装するパッケージを考慮すると100pH以下までインダクタンスを減らすことは困難であった。
さらに、キャパシタ電極の面積を正方形状のまま大きくし、さらに、図6に示すような中空の気密封止構造体120で可変容量素子全体を封止した場合、気密封止構造体120の寸法も正方形状に大型化してしまい、気密封止構造体120を上方から見た場合における縦幅および横幅の双方ともに長くなってしまう。したがって、気密封止構造体120の平面形状が縦方向および横方向のいずれにも幅広になることから、気密封止体120の外力に対する機械的強度が低下する。そのため、後の実装工程・使用環境に耐える事ができず、気密封止体の変形・破損・気密性劣化を起し、可変容量素子が正常に作動しないという問題があった。
これに対し、本実施の形態にかかる可変容量素子1においては、図1〜図3に示すように、キャパシタ電極11,12を、一組の対辺を延伸させた略短冊形状となるように大きくすることによって、キャパシタ電極11,12の面積を拡大化して要求される静電容量にまで高めている。
そして、キャパシタ電極11に接続するそれぞれ対となるキャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dを、上方から見た場合に接続箇所からそれぞれ平行に延伸するように形成していることから、従来の直交するように配置されたキャパシタ配線113,114と比較して、キャパシタ配線13a〜13d,14a〜14d間に生じる実効的なインダクタンスを小さくすることが可能になる。さらに、可変容量素子1においては、キャパシタ電極11,12を略短冊形状とすることで、短辺方向に加え長辺方向にも複数対のキャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dを設けることができる。このため、可変容量素子1は、従来よりも多い対数のキャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dを容易に設けることができるため、実効的なインダクタンスをさらに小さくすることが可能になる。また、このキャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dにも静電容量が発生するものの、面積を拡大化させたキャパシタ電極の静電容量が格段に大きいため、キャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dに発生した静電容量は可変容量素子1の動作には影響を及ぼさない。
また、キャパシタ配線は、対となるキャパシタ配線間以外の導電体と電気的接合を持つと、浮遊容量の増加や実効的なインダクタンスの増加を招くことがある。可変容量素子1においては、キャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dおよび駆動電極15a〜15d,16a〜16dが、キャパシタ電極11,12の周方向に沿って交互に配置され、さらに、キャパシタ電極11,12を上方から見た場合、各対のキャパシタ配線間には、絶縁体で構成される連結部17a〜17dを介してキャパシタ電極11,12と接続する駆動電極15a〜15d,16a〜16dが設けられている。したがって、キャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dは、対となるキャパシタ配線以外の導電体と電気的に接合しないように形成されているため、不要な電気的接合を最小限とすることができることから、浮遊容量の増加および実効的なインダクタンスの増加を回避することができる。
従来の低容量タイプの可変容量素子では、容量値が数百fF〜数pF程度であっても、キャパシタの実効インダクタンス値が数百pH〜数nHまで上がってしまっていたのに対し、本実施の形態における可変容量素子1においては、キャパシタ電極11,12の長辺を数十μm〜数mmの大きさで形成して容量値を数十pF〜数百pFまで向上させることができる上に、さらに、キャパシタの実効インダクタンス値を数十pH〜数百pHまで低減することができる。
また、気密封止構造体は、薄い絶縁膜で形成されており、外力に対する変形は、キャパシタ電極上方から見た場合、気密封止構造体の中央近傍が最も変形しやすい。可変容量素子1においては、キャパシタ電極11,12の平面形状を略短冊形状とすることによって面積を大きくしており、気密封止構造体20の平面形状も、駆動電極およびキャパシタ配線に対応した凸部を備えた略短冊形状となっている。言い換えると、気密封止構造体20を上方から見た場合、横方向の幅は短いままで、縦方向の幅のみが幅広になっている。したがって、キャパシタ電極を正方形状にそのまま大型化した従来と比較し、気密封止構造体20の短辺に対応する幅は狭いままであるため、外力がかかった場合の気密封止構造体の変形も従来と比較して小さくなる。このため、気密封止構造体20を厚さ数μmの薄い絶縁膜で形成した場合であっても、機械的強度を十分に確保することができる。この結果、気密封止構造体20の中央部分が下方にたわんでしまうこともなく、キャパシタ電極11を確実に中空に支えることができることから、可変容量素子の正常な駆動を保持することができる。
また、キャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dおよび駆動電極15a〜15d,16a〜16dはそれぞれ偶数対設けられ、さらに、キャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dおよび駆動電極15a〜15d,16a〜16dは、キャパシタ電極11,12の各辺を介して対向するように配置している。気密封止構造体20の凸部も、これらのキャパシタ配線13a〜13d,14a〜14dおよび駆動電極15a〜15d,16a〜16dの位置に応じて対向して形成されるため、この凸部によって、気密封止構造体20の略短冊形状の長辺および短辺は、それぞれ両側から支えられることとなることから、機械的強度をさらに確保できる構造となっている。
また、可変容量素子1では、上方から見た場合、キャパシタ電極11に接続するキャパシタ配線13a〜13dとキャパシタ電極12に接続するキャパシタ配線14a〜14dとが、それぞれ交互となるように配置されている。このため、この可変容量素子1を半導体パッケージに搭載する場合、パッケージ外部端子がキャパシタ電極11およびキャパシタ電極12と交互に接続するように配置したパッケージ設計を容易に行なうことができる。
また、本実施の形態においては、図1に示すように、キャパシタ電極11,12の各短辺に二対の駆動電極15a,16a,15b,16bを配置した場合を例に説明したが、もちろんこれに限らず、図7に示すように、キャパシタ電極211,212の各短辺にそれぞれ接続するように二対のキャパシタ配線213a,214a,213b,214bを配置してもよい。この場合、図7に示すように、キャパシタ電極211,212の各長辺に、二対の駆動電極15a〜15d,16a〜16dをそれぞれ対向させて配置させ、これらの各駆動電極15a〜15d,16a〜16dの間に、二対のキャパシタ配線213c,214c,213d,214dを配置することによって、キャパシタ電極211,212の各周方向に沿って、キャパシタ配線と駆動電極とを交互に配置している。
1 可変容量素子、2 基板、11,12,111,112,211,212 キャパシタ電極、13a〜13d,14a〜14d,213a〜213d,214a〜214d キャパシタ配線、15a〜15d,16a〜16d 駆動電極、17a〜17d 連結部、18,19 駆動配線、20 気密封止構造体、21,22,23,24 絶縁膜
Claims (5)
- 平面形状において略短冊形状であり、一方の電極が可動である一対のキャパシタ電極と、
前記一対のキャパシタ電極に接続され、かつ、絶縁された一対の駆動電極と、
前記一対のキャパシタ電極のそれぞれに電気的に接続される一対のキャパシタ配線と、
を有し、
前記一対の駆動電極間に電位差を与えることによって前記一方のキャパシタ電極を可動させる可変容量素子において、
前記一対のキャパシタ配線は、近接した箇所で前記一対のキャパシタ電極とそれぞれ電気的に接続され、該キャパシタ配線を上方から見た場合に接続箇所からそれぞれ平行に延伸するように形成されることを特徴とする可変容量素子。 - 前記一対のキャパシタ配線は、二対以上設けられ、前記略短冊形状のキャパシタ電極の長辺と接続されることを特徴とする請求項1に記載の可変容量素子。
- 前記一対の駆動電極は、二対以上設けられ、
前記一対のキャパシタ配線と前記一対の駆動電極とは、前記一対のキャパシタ電極の各周に沿って交互に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の可変容量素子。 - 前記キャパシタ電極および前記駆動電極は、薄膜によって封止されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の可変容量素子。
- 前記一対のキャパシタ配線と前記一対の駆動電極とは、それぞれ偶数対設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の可変容量素子。
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