JP2011016379A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、液滴を噴射する液滴噴射装置及び液滴噴射制御プログラムに関する。
従来から、ノズルから液滴を噴射する液滴噴射装置として、記録媒体に対してインクの液滴を噴射して所望の画像を記録するインクジェットプリンタが知られている。また、このようなインクジェットプリンタは、通常、画像を構成する各画素の階調情報に基づいて、ドットを形成するノズルから大きさ(体積)が異なる複数種類の液滴を選択的に噴射させて、階調を表現すること(階調印字)が可能に構成されている。
特許文献1には、原稿画像を取り込むスキャナ部や、記録用紙に画像を印刷するプリンタ部等を備えた、インクジェット複合機が開示されている。また、この複合機は、スキャナ部やプリンタ部等を駆動制御するとともに、これら複合機の各部からデータを取り込んで高速に処理するためのASIC(Application Specific Integrated Circuit)を備え
ている。
ている。
このASICには、スキャナ部や外部の情報処理装置から送られてきた画像データを、プリンタ部が記録用紙に画像を記録するのに必要なデータに変換する、画像処理回路が組み込まれている。その中でも、特に、画像処理回路は、スキャナ部等から送られてきた画像データから得られる各画素の階調情報に基づいて、ドットの径(即ち、液滴の大きさ)を大、小、零の何れにするか決定する。そして、各ドットの径に関する情報をプリンタ部の記録ヘッドに送信し、その情報に基づいて、記録ヘッドにおいてノズルから液滴を噴射させる。
ところで、1つのノズルから噴射可能な液滴種類が多いほど、より多くの階調を表現できることから、高画質の画像印刷が可能となる。しかし、液滴種類を多くすればするほどASICやメモリ等に高性能なものが要求され、ハード面のコストが高くなってしまう。
例えば、前記特許文献1においては、ドットの大きさ(液滴種類)は大、小、零の3種類(3階調)であることから、このドットを形成するためにノズルから噴射させる液滴として、3種類の液滴の何れを選択するかを示すデータは2bitでよい。しかし、液滴種類を例えば5種類に増やして5階調を表現しようとすると、3bitのデータが必要になる。このように画像を構成する多数のドットのそれぞれについて液滴種類を対応付けるためのデータが2bitから3bitに増えると、それ以降のASICによる種々のデータ処理を全て3bitで行う必要があるためにASICの構成が複雑になるし、処理するデータ量が増える分だけデータの一時記憶領域も多く確保しなくてはならない。
本発明の目的は、装置の電気的な構成をできるだけ簡素なものに抑えつつも、多くの種類の液滴を1つのノズルから選択的に噴射可能な、液滴噴射装置を提供することである。
第1の発明の液滴噴射装置は、噴射される液滴の体積がそれぞれ異なる複数の噴射態様を1つのノズルに対して選択的に取り得るように構成された液滴噴射装置であって、複数の第1噴射態様に関する情報を記憶する第1噴射態様記憶手段と、前記ノズルの各々の噴射タイミングに対して、前記第1噴射態様記憶手段に記憶された前記複数の第1噴射態様のうちの1つを対応付ける、噴射態様の時系列情報を記憶する、時系列情報記憶手段と、前記複数の第1噴射態様よりも種類の多い、複数の第2噴射態様に関する情報を記憶する第2噴射態様記憶手段と、前記時系列情報記憶手段に記憶された前記時系列情報に含まれる、任意の噴射タイミングとその前後の少なくとも一方の噴射タイミングに対応付けられた前記第1噴射態様を参照して、前記任意の噴射タイミングにおける噴射態様を、前記第2噴射態様記憶手段に記憶された前記複数の第2噴射態様の中から選択する、噴射態様選択手段と、を備え、前記噴射態様選択手段は、前記第1噴射態様と比べると、前後の少なくとも一方の噴射タイミングとの間で液滴体積の変化量が小さくなるように、前記任意の噴射タイミングにおける噴射態様を、前記複数の第2噴射態様の中から選択することを特徴とするものである。
本発明においては、時系列情報記憶手段に記憶された時系列情報により、ノズルの各々の噴射タイミングに対して、液滴体積がそれぞれ異なる複数の第1噴射態様の1つが対応付けられている。一方、第2噴射態様記憶手段には、第1噴射態様よりも種類の多い、複数の第2噴射態様に関する情報が記憶されている。そして、噴射態様選択手段は、任意の噴射タイミングにおける噴射態様を、その噴射タイミングと前後少なくとも一方の噴射タイミングに対応付けられた第1噴射態様を参照して、複数の第2噴射態様の中から選択する。
つまり、任意の噴射タイミングの噴射態様を、時系列情報に含まれる、任意の噴射タイミングとその前後の噴射タイミングにおける第1噴射態様(噴射履歴情報)を参照して、第1噴射態様よりも種類の多い第2噴射態様の中から選択する。これによれば、時系列情報によって各々の噴射タイミングに対応付けられる第1噴射態様の種類は少なくして、時系列情報のデータ量が増大するのを抑えつつ、実際に1つのノズルから噴射される液滴の種類(第2噴射態様の種類)を多くすることができる。従って、時系列情報を処理する回路の複雑化や、処理データを記憶するのに必要となる記憶領域の増加を抑えること等が可能になり、ハード構成を簡素にしつつ、1つのノズルから多くの種類の液滴を噴射させることが可能である。
さらに、任意の噴射タイミングの噴射態様を、第1噴射態様よりも、前後の噴射タイミングとの間の液滴体積の変化量が小さくなるように複数の第2噴射態様の中から選択することにより、1つのノズルから続けて噴射される液滴の体積の時間的変化を小さくすることができる。
さらに、任意の噴射タイミングの噴射態様を、第1噴射態様よりも、前後の噴射タイミングとの間の液滴体積の変化量が小さくなるように複数の第2噴射態様の中から選択することにより、1つのノズルから続けて噴射される液滴の体積の時間的変化を小さくすることができる。
第2の発明の液滴噴射装置は、前記第1の発明において、前記時系列情報記憶手段は、通信可能に接続された外部装置から送信される、前記時系列情報を記憶することを特徴とするものである。
この構成では、各々の噴射タイミングに第1噴射態様を対応付ける時系列情報が外部装置から送信されるため、時系列情報のデータ量が多いと、外部装置からのデータ送信時間が長くかかってしまう。しかし、本発明では、最終的な噴射態様である第2噴射態様よりも、時系列情報により各々の噴射タイミングに対応付けられる第1噴射態様の種類が少ないため、時系列情報のデータ量を少なくすることが可能になり、データ送信時間を短くすることができる。
第3の発明の液滴噴射装置は、前記第1又は第2の発明において、前記複数の第1噴射態様には、実際に液滴を噴射する態様に加えて、液滴を噴射しない態様も含まれており、
前記噴射態様選択手段は、任意の噴射タイミングの前後の少なくとも一方の噴射タイミングにおける前記液滴噴射の有無に基づいて、前記任意の噴射タイミングにおける噴射態様を、前記複数の第2噴射態様の中から選択することを特徴とするものである。
前記噴射態様選択手段は、任意の噴射タイミングの前後の少なくとも一方の噴射タイミングにおける前記液滴噴射の有無に基づいて、前記任意の噴射タイミングにおける噴射態様を、前記複数の第2噴射態様の中から選択することを特徴とするものである。
噴射態様選択手段により、任意の噴射タイミングにおける噴射態様を複数の第2噴射態様の中から選択する際に、その噴射タイミングの前後の少なくとも一方の噴射タイミングに対応付けられた第1噴射態様の、液滴の大きさまでを考慮する必要は必ずしもなく、前後の噴射タイミングにおいて液滴が噴射されるか否かという情報のみを考慮して、任意の噴射タイミングの噴射態様を決定してもよい。
この構成によれば、
本発明によれば、任意の噴射タイミングの噴射態様を、時系列情報に含まれる、任意の噴射タイミングとその前後の噴射タイミングにおける第1噴射態様(噴射履歴情報)を参照して、第1噴射態様よりも種類の多い第2噴射態様の中から選択する。これによれば、時系列情報によって各々の噴射タイミングに対応付けられる第1噴射態様の種類は少なくして、時系列情報のデータ量が増大するのを抑えつつ、実際に1つのノズルから噴射される液滴の種類(第2噴射態様の種類)を多くすることができる。従って、時系列情報を処理する回路の複雑化や、処理データを記憶するのに必要となる記憶領域の増加を抑えること等が可能になり、ハード構成をできるだけ簡素にしつつも、1つのノズルから多くの種類の液滴を選択的に噴射可能となる。さらに、任意の噴射タイミングの噴射態様を、第1噴射態様よりも、前後の噴射タイミングとの間の液滴体積の変化量が小さくなるように複数の第2噴射態様の中から選択することにより、1つのノズルから続けて噴射される液滴の体積の時間的変化を小さくすることができる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、記録用紙に対してインクの液滴を噴射するインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタに本発明を適用した一例である。
まず、本実施形態のインクジェットプリンタ1(液滴噴射装置)の概略構成について説明する。図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。この図1に示すように、プリンタ1は、所定の走査方向(図1の左右方向)に沿って往復移動可能に構成されたキャリッジ2と、このキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3と、記録用紙Pを、走査方向と直交する搬送方向に搬送する搬送機構4等を備えている。
キャリッジ2は、走査方向(図1の左右方向)に平行に延びる2本のガイド軸17に沿って往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ2には、無端ベルト18が連結されており、キャリッジ駆動モータ19によって無端ベルト18が走行駆動されたときに、キャリッジ2は、無端ベルト18の走行に伴って走査方向に移動するようになっている。尚、プリンタ1には、走査方向に間隔を空けて配列された多数の透光部(スリット)を有するリニアエンコーダ10が設けられている。一方、キャリッジ2には、発光素子と受光素子とを有する透過型のフォトセンサ11が設けられている。そして、プリンタ1は、キャリッジ2の移動中にフォトセンサ11が検出したリニアエンコーダ10の透光部の計数値(検出回数)から、キャリッジ2の走査方向に関する現在位置を認識できるようになっている。
このキャリッジ2には、インクジェットヘッド3が搭載されている。インクジェットヘッド3は、その下面(図1の紙面向こう側の面)に多数のノズル30(図2参照)を備えている。このインクジェットヘッド3は、搬送機構4により図1の下方(搬送方向)に搬送される記録用紙Pに対して、図示しないインクカートリッジから供給されたインクを多数のノズル30から噴射するように構成されている。
搬送機構4は、インクジェットヘッド3よりも搬送方向上流側に配置された給紙ローラ12と、インクジェットヘッド3よりも搬送方向下流側に配置された排紙ローラ13とを有する。給紙ローラ12と排紙ローラ13は、それぞれ、給紙モータ14と排紙モータ15により回転駆動される。そして、この搬送機構4は、給紙ローラ12により、記録用紙Pを図1の上方からインクジェットヘッド3へ搬送するとともに、排紙ローラ13により、インクジェットヘッド3によって画像や文字等が記録された記録用紙Pを図1の下方へ排出する。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2はインクジェットヘッドの平面図、図3は図2の一部拡大図、図4は図3のIV-IV線断面図である。図2〜図4に示すよ
うに、インクジェットヘッド3は、ノズル30や圧力室24を含むインク流路が形成された流路ユニット6と、圧力室24内のインクに圧力を付与する圧電式のアクチュエータユニット7とを備えている。
うに、インクジェットヘッド3は、ノズル30や圧力室24を含むインク流路が形成された流路ユニット6と、圧力室24内のインクに圧力を付与する圧電式のアクチュエータユニット7とを備えている。
まず、流路ユニット6について説明する。図4に示すように、流路ユニット6はキャビティプレート20、ベースプレート21、マニホールドプレート22、及びノズルプレート23を備えており、これら4枚のプレート20〜23が積層状態で接合されている。このうち、キャビティプレート20、ベースプレート21及びマニホールドプレート22は、それぞれ、ステンレス鋼等の金属材料からなる平面視で略矩形状の板である。そのため、これら3枚のプレート20〜22に、後述するマニホールド27や圧力室24等のインク流路をエッチングにより容易に形成することができるようになっている。また、ノズルプレート23は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート22の下面に接着剤で接合される。あるいは、このノズルプレート23も、他の3枚のプレート20〜22と同様にステンレス鋼等の金属材料で形成されていてもよい。
図2〜図4に示すように、4枚のプレート20〜23のうち、最も上方に位置するキャビティプレート20には、平面に沿って配列された複数の圧力室24がプレート20を貫通する孔により形成されている。また、複数の圧力室24は、搬送方向(図2の上下方向)に千鳥状に2列に配列されている。また、図4に示すように、複数の圧力室24は上下両側から後述の振動板40及びベースプレート21によりそれぞれ覆われている。さらに、各圧力室24は、平面視で走査方向(図2の左右方向)に長い、略楕円形状に形成されている。
図3、図4に示すように、ベースプレート21の、平面視で圧力室24の長手方向両端部と重なる位置には、それぞれ連通孔25,26が形成されている。また、マニホールドプレート22には、平面視で、2列に配列された圧力室24の連通孔25側の部分と重なるように、搬送方向に延びる2つのマニホールド27が形成されている。これら2つのマニホールド27は、後述の振動板40に形成されたインク供給口28に連通しており、図示しないインクタンクからインク供給口28を介してマニホールド27へインクが供給される。さらに、マニホールドプレート22の、平面視で複数の圧力室24のマニホールド27と反対側の端部と重なる位置には、それぞれ、複数の連通孔26に連なる複数の連通孔29も形成されている。
さらに、ノズルプレート23の、平面視で複数の連通孔29にそれぞれ重なる位置には、複数のノズル30が形成されている。図2に示すように、複数のノズル30は、搬送方向に沿って2列に配列された複数の圧力室24の、マニホールド27と反対側の端部とそれぞれ重なるように配置されている。言い換えれば、複数のノズル30は、千鳥配置の複数の圧力室24とそれぞれ対応して、走査方向に並ぶ2列のノズル列32A,32Bを構成するように千鳥状に配列されている。
そして、図4に示すように、マニホールド27は連通孔25を介して圧力室24に連通し、さらに、圧力室24は、連通孔26,29を介してノズル30に連通している。このように、流路ユニット6内には、マニホールド27から圧力室24を経てノズル30に至る個別インク流路31が複数形成されている。
尚、図2においては、説明の簡単のため、1つのインク供給口28に連なる1種類の流路構造(マニホールド27、圧力室24、ノズル30等)のみが描かれているが、インクジェットヘッド3が、図2に示されている流路構造が走査方向に複数並べて設けられた構成であって、複数色(例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色)のインクをそれぞれ噴射可能な、カラーインクジェットヘッドであってもよい。
次に、圧電式のアクチュエータユニット7について説明する。図2〜図4に示すように、アクチュエータユニット7は、複数の圧力室24を覆うように流路ユニット6(キャビティプレート20)の上面に配置された振動板40と、この振動板40の上面に、複数の圧力室24と対向するように配置された圧電層41と、圧電層41の上面に配置された複数の個別電極42とを備えている。
振動板40は、平面視で略矩形状の金属板であり、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。この振動板40は、キャビティプレート20の上面に複数の圧力室24を覆うように配設された状態で、キャビティプレート20に接合されている。また、導電性を有する振動板40の上面は、圧電層41の下面側に配置されることによって、上面の複数の個別電極42との間で圧電層41に厚み方向の電界を生じさせる、共通電極を兼ねている。この共通電極としての振動板40は、アクチュエータユニット7を駆動するドライバIC47(図6参照)のグランド配線に接続されて、常にグランド電位に保持される。
圧電層41は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなる。図2に示すように、この圧電層41は、振動板40の上面において、複数の圧力室24に跨って連続的に形成されている。また、この圧電層41は、少なくとも圧力室24と対向する領域において厚み方向に分極されている。
圧電層41の上面の、複数の圧力室24と対向する領域には、複数の個別電極42がそれぞれ配置されている。各々の個別電極42は圧力室24よりも一回り小さい略楕円形の平面形状を有し、圧力室24の中央部と対向している。また、複数の個別電極42の端部からは、複数の接点部45が個別電極42の長手方向に沿ってそれぞれ引き出されている。これら複数の接点部45は、図示しないフレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit:FPC)を介してドライバIC47(図6参照)と電気的に接続されている。これにより、ドライバIC47から複数の個別電極42に対して、所定の駆動電位とグランド電位のうち、何れか一方の電位を選択的に付与することが可能となっている。
次に、インク噴射時におけるアクチュエータユニット7の作用について説明する。ある個別電極42に対して、ドライバIC47から所定の駆動電位が付与されたときには、この駆動電位が付与された個別電極42とグランド電位に保持されている共通電極としての振動板40との間に電位差が生じ、個別電極42と振動板40の間に挟まれた圧電層41に厚み方向の電界が作用する。この電界の方向は圧電層41の分極方向と平行であるから、個別電極42と対向する領域(活性領域)の圧電層41が厚み方向と直交する面方向に収縮する。ここで、圧電層41の下側の振動板40はキャビティプレート20に固定されているため、この振動板40の上面に位置する圧電層41が面方向に収縮するのに伴って、振動板40の圧力室24を覆う部分が圧力室24側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このとき、圧力室24内の容積が減少するために圧力室24内のインク圧力が上昇し、この圧力室24に連通するノズル30からインクが噴射される。
ここで、本実施形態のインクジェットヘッド3は、多階調表現を可能にして高画質の画像印刷を行うために、1つのノズル30に対して、噴射される液滴の体積がそれぞれ異なる複数の噴射態様を選択的に取り得るように構成されている。
具体的には、ドライバIC47は、後述するASIC54のデータ生成回路60(図6参照)で生成された、1つのノズル30の各々の噴射タイミングに対応付けられた液滴種類に関するデータに基づいて、それに応じた駆動信号をアクチュエータユニット7に供給する。ここで、ノズル30から噴射される液滴量(液滴体積)は、圧力室24内のインクに付与される圧力の大きさに比例する。そのため、ドライバIC47が、圧力室24内のインクに付与される圧力がそれぞれ異なるように、波形の異なる複数種類の駆動信号をアクチュエータユニット7の個別電極42に供給することで、大きさの異なる複数種類の液滴をノズル30から噴射させることが可能となる。
例えば、図5(a)〜(c)に示すように、1つの液滴を噴射する所定周期T0の間に、個別電極42に駆動電位V0を印加する回数(駆動パルスの数)を異ならせる。適切なタイミングで複数の駆動パルスを続けて印加すると、個々の駆動パルスの印加によって圧力室24内に発生した圧力波が重なり合うため、多くの駆動パルスを印加するほど圧力室24内に大きな圧力を付与することが可能となる。
あるいは、駆動電位V0の値を変化させてもよい。個別電極42に付与される駆動電位V0の値が高いほど、グランド電位に保持されている共通電極としての振動板40との間の電位差が大きくなるため、圧電層41の変形(圧電歪み)が大きくなり、圧力室24内に大きな圧力を付与することが可能となる。
次に、プリンタ1の制御系について、図6のブロック図を参照して説明する。図6に示すように、本実施形態に係るプリンタ1の制御系は、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)50、ROM(Read Only Memory)51、RAM(Random Access Memory)52、及び、これらを接続するバス53からなるマイクロコンピュータで構成さ
れている。また、バス53には、駆動回路55,56,57を介して、インクジェットヘッド3のドライバIC47、キャリッジ2を駆動するキャリッジ駆動モータ19、搬送機構4の給紙モータ14及び排紙モータ15等を駆動制御する、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)54が接続されている。また、このASIC54は、入出
力インターフェイス(I/F)58を介して外部装置であるPC(パーソナルコンピュータ)59とデータ通信可能に接続されている。
れている。また、バス53には、駆動回路55,56,57を介して、インクジェットヘッド3のドライバIC47、キャリッジ2を駆動するキャリッジ駆動モータ19、搬送機構4の給紙モータ14及び排紙モータ15等を駆動制御する、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)54が接続されている。また、このASIC54は、入出
力インターフェイス(I/F)58を介して外部装置であるPC(パーソナルコンピュータ)59とデータ通信可能に接続されている。
また、ASIC54には、PC59から入力された画像データから、インクジェットヘッド3により記録用紙Pに画像を記録するために必要なデータを生成するデータ生成回路60と、データ生成回路60で生成されたデータに基づいてインクジェットヘッド3のドライバIC47とキャリッジ駆動モータ19とを制御するヘッド制御回路61と、同じくデータ生成回路60で生成されたデータに基づいて搬送機構4の給紙モータ14と排紙モータ15を制御する搬送制御回路62等が組み込まれている。
次に、データ生成回路60について詳細に説明する。本実施形態では、PC59において、所望の記録画像の画像データに画像処理が施され、その記録画像を構成する各画素の階調情報に応じて、ドットを形成するためにノズル30から噴射される液滴の種類が4種類(小滴、中滴、大滴、及び、液滴噴射無し)の中から決定される。
1つのノズル30に着目した表現に言い換えると、各々のドットを形成する噴射タイミングにおいて、1つのノズル30が、液滴体積の異なる4種類の液滴をそれぞれ噴射する4つ(4階調)の噴射態様(第1噴射態様)の何れをとるのかを決定するための情報、即ち、1つのノズル30の各々の噴射タイミングに4つの噴射態様を対応付ける情報(噴射態様の時系列情報)がPC59で生成される。さらに、4つの第1噴射態様を区別するには2bitのデータがあればよいことから、実際には、各々の噴射タイミングに対応する2bitのデータからなる時系列情報が、PC59からASIC54のデータ生成回路60に送信されることになる。
一方、データ生成回路60は、PC59から送信された上記時系列情報を参照して、各々の噴射タイミングの噴射態様を、前記4つの第1噴射態様よりもさらに液滴種類が細分化された、7つ(7階調)の噴射態様(第2噴射態様)の中から選択する。つまり、データ生成回路60は、PC59から送られてくる4階調に対応した2bitからなる時系列情報を参照して、7階調に対応した3bitのデータを各々の噴射タイミングに対して生成する。
図7は、データ生成回路60のブロック図である。データ生成回路60は、第1噴射態様記憶回路64(第1噴射態様記憶手段)と、時系列情報記憶回路65(時系列情報記憶手段)と、第2噴射態様記憶回路66(第2噴射態様記憶手段)と、噴射態様選択回路67(噴射態様選択手段)とを有する。以下、これらの回路64〜67について順を追って説明する。
第1噴射態様記憶回路64は、PC59において1つのノズル30に対して設定される4つの第1噴射態様に関する情報を記憶する。ここで、4つの第1噴射態様に関する情報とは、ある第1噴射態様を他の第1噴射態様と区別するための情報である。より具体的には、4つの第1噴射態様のそれぞれに4種類の液滴種類の何れが対応しているのかを示す情報である。図8は、第1噴射態様記憶回路64に記憶される、4つの第1噴射態様(No.0〜3)と噴射される液滴種類の対応を示す図である。この図8に示すように、第1噴射態様記憶回路64は、4つの第1噴射態様のそれぞれについて、噴射する液滴の種類(無(液滴噴射無し:液滴体積0)、S(小滴)、M(中滴)、及び、L(大滴))を対応付けて記憶している。また、4種類の液滴のそれぞれに対して液滴体積(単位:pl)が設定されている。
また、時系列情報記憶回路65は、PC59から送信された噴射態様の時系列情報を記憶する。この時系列情報は、全てのノズル30の各々の噴射タイミングに対して4つの第1噴射態様のうちの1つを対応付ける情報である。別の言い方をすれば、この時系列情報は、各々の噴射タイミングに、4種類の液滴種類(無(液滴体積0)、S(小滴)、M(中滴)、及び、L(大滴)を対応付けるための2bitのデータからなる情報である。
本実施形態のインクジェットヘッド3は、走査方向に一定速度で移動しながら記録用紙Pへ向けてノズル30から液滴を噴射するが、このとき、各々のノズル30側から見ると、一定の時間間隔毎に噴射タイミングを迎えることになる。ここで、噴射タイミングとは、そのノズル30が液滴を噴射する可能性のあるタイミングのことであって、各々の噴射タイミングにおいて実際に液滴を噴射するかどうかは、記録する画像による。例えば、ドットが記録用紙Pの全面に形成されるベタ印字の場合にはノズル30は全ての噴射タイミングで液滴を噴射することになるし、逆に、テキスト印字のようにドットが少ない場合には噴射タイミングを迎えても実際に液滴を噴射することは少なくなる。
図9は、あるノズル30に関する噴射態様の時系列情報を示す図である。図9に示すように、この時系列情報においては、インクジェットヘッド3が走査方向の一方へ移動しながら液滴を噴射する際の、1つのノズル30の多数の噴射タイミング(tm1、tm2・・・tm(n−1)、tm(n)、tm(n+1)・・・)が時系列的に並べられ、これら噴射タイミングtmのそれぞれに対して、噴射する液滴種類が対応付けられている。この図9の例では、ある噴射タイミングtm(n)においてM(中滴)の液滴を噴射するようになっている。また、噴射タイミングtm(n)よりも1つ前の噴射タイミングtm(n−1)においてはS(小滴)の液滴を噴射し、1つ後の噴射タイミングtm(n+1)においてはL(大滴)の液滴を噴射するようになっている。
第2噴射態様記憶回路66は、第1噴射態様よりも種類の多い、7つの第2噴射態様に関する情報を記憶する。ここで、7つの第2噴射態様に関する情報とは、ある第2噴射態様を他の第2噴射態様と区別するための情報であり、より具体的には、7つの第2噴射態様のそれぞれに7種類の液滴種類の何れが対応しているのかを示す情報である。
図10は、第2噴射態様記憶回路66に記憶される、7つの第2噴射態様(No.0〜6)と噴射される液滴種類の対応を示す図である。この図10に示すように、第2噴射態様記憶回路66は、7つの第2噴射態様のそれぞれについて、噴射する液滴の種類(無(液滴体積0)、S1(小滴1)、S2(小滴2)、M1(中滴1)、M2(中滴2)、L1(大滴1)、及び、L2(大滴2))を対応付けて記憶している。また、7種類の液滴種類のそれぞれに対して液滴体積(単位:pl)が設定されて、液滴の大きさの大小関係は、無<S1<S2<M1<M2<L1<L2となっている。このように、第2噴射態様においては、図8に示す第1噴射態様と比べて、液滴種類がその液滴体積によってさらに細分化されていることが分かる。
噴射態様選択回路67は、時系列情報記憶回路65に記憶された時系列情報に含まれる、任意の噴射タイミングとその前後両方の噴射タイミングに対応付けられた第1噴射態様(即ち、液滴種類が、無、S、M、及び、Lの何れかであるか)を参照し、任意の噴射タイミングの噴射態様を、第2噴射態様の中から決定する。
図11は、噴射態様選択回路67による噴射態様選択処理で使用されるテーブルを示す。図11には、あるノズル30から、任意の噴射タイミングtm(n)において噴射される液滴種類、その直前の噴射タイミングtm(n−1)において噴射される液滴種類、及び、その直後の噴射タイミングtm(n+1)において噴射される液滴種類が示されている。また、任意の噴射タイミングtm(n)の液滴種類が、第1噴射態様の液滴種類(S,M,L)から第2噴射態様の液滴種類(S1,S2,M1,M2,L1,L2)に変換されることも示されている。
この噴射態様選択回路67は、時系列情報で設定されている、噴射タイミングtm(n)とその前後両方の噴射タイミングtm(n−1)、tm(n+1)の第1噴射態様(液滴種類)から、3つの噴射タイミングtm(n−1)、tm(n)、tm(n+1)の間で液滴の変化が滑らかになるように、噴射タイミングtm(n)の噴射態様を第2噴射態様の中から選択(変更)する。尚、図11では記載を省略しているが、時系列情報で設定されている、噴射タイミングtm(n)の第1噴射態様が、液滴を噴射しない態様(液滴種類:無)である場合は、図10の第2噴射態様の中から液滴を噴射しない態様(液滴種類:無、No.0)を選択する。
例えば、図11に示すように、噴射タイミングtm(n)に対応付けられた第1噴射態様の液滴種類がSであって、前後両方の噴射タイミングで液滴が噴射されていない場合(液滴種類:無)には、噴射タイミングtm(n)で噴射される液滴種類はできるだけ小さい方が好ましいことから、噴射タイミングtm(n)の噴射態様として、最も小さいS1(液滴体積1pl)を噴射する第2噴射態様(No.1)を選択する。
また、噴射タイミングtm(n)に対応付けられた第1噴射態様の液滴種類がSであって、直前の噴射タイミングtm(n−1)の液滴種類がLである場合には、連続する噴射タイミング間で液滴体積の変化が非常に大きい(L(液滴体積10pl)→S(液滴体積1.5pl))。そこで、このような場合には、噴射タイミングtm(n)の噴射態様として、中滴M1(液滴体積3pl)を噴射する第2噴射態様(No.3)を選択し、時系列情報で設定されている第1噴射態様を採用した場合(L→S)と比較して、1つのノズル30から続けて噴射される液滴の体積の時間的変化を小さくする。これにより、濃度差が目立たなくなり画質が一層向上する。
尚、この噴射態様選択回路67による処理が完了すると、各々の噴射タイミングに第2噴射態様を対応付ける時系列情報は、7つの第2噴射態様を区別することができる、3bitのデータとなる。つまり、PC59から入力された段階では、噴射タイミングに第1噴射態様を対応付ける時系列情報は2bitのデータであったが、この段階で第2噴射態様に対応付けるために3bitのデータに変換されることになる。
このようにして、全てのノズル30の各々の噴射タイミングに対応付けられた第2噴射態様の時系列情報がドライバIC47に送信される。そして、前述したように、ドライバIC47は、各噴射タイミングに対応付けられた第2噴射態様の液滴種類に応じた駆動信号をアクチュエータユニット7に供給し、ノズル30から液滴を噴射させる。
以上説明したように、本実施形態のプリンタ1は、PCから送信された時系列情報に含まれる、前後の噴射タイミングに対応付けられた第1噴射態様(噴射履歴情報)を参照して、任意の噴射タイミングの噴射態様を、第1噴射態様よりも種類の多い(多階調の)第2噴射態様の中から選択して決定する。
つまり、外部装置であるPC59から送られてくる時系列情報によって各々の噴射タイミングに対応付けられる噴射態様(第1噴射態様)を、最終的な噴射態様である第2噴射態様(7種類)と比べて少なくする(4種類)とすることで、噴射態様を区別するためのデータが2bitで済み、PC59から送信される時系列情報のデータ量を抑えられる。従って、PC59側で、最初から7階調に対応した3bitの時系列情報を生成して、これをプリンタ1のASIC54へ送信する場合に比べて、送信データ量が少なくて済み、送信時間が短くなる。
また、ASIC54は、PC59から3bitのデータを取得するのではなく、途中で3bitに変換することから、ASIC54内の全てのデータ処理を3bitで行う必要がない。そのため、ASIC54の構成が比較的簡素なものになり、処理するデータの一時記憶領域も少なくて済む。つまり、ASIC54の複雑化や、処理データを記憶するのに必要となる記憶領域の増大を抑えて、ハード構成をできるだけ簡素にしつつも、より多くの種類の液滴を1つのノズル30から選択的に噴射して多階調の表現ができ、高画質の画像記録が可能となる。
また、噴射タイミングの噴射態様を7つの第2噴射態様の中からより適切に選択するという観点からは、図11に示すように、その噴射タイミングの前後両方の噴射タイミングの第1噴射態様を参照することが好ましい。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態では、任意の噴射タイミングの噴射態様を決定するために、その前後両方の噴射タイミングの第1噴射態様を参照していたが、前後の何れか一方の噴射タイミングの第1噴射態様のみを参照して決定してもよい。この場合、噴射タイミングの噴射態様をより適切に選択するという観点では少々劣るものの、前後一方の噴射タイミングの噴射態様のみを参照すればよいため、噴射態様の選択処理が簡単になり、この処理を行うASICの回路構成が簡単になる。
2]前記実施形態では、任意の噴射タイミングの噴射態様を決定するために、その前後の噴射タイミングの液滴種類を参照していたが(図11参照)、前後の噴射タイミングの一方又は両方において、液滴種類は考慮せず、液滴噴射の有無(液滴が噴射されるか否か)のみに基づいて、任意の噴射タイミングの噴射態様を決定してもよい。
例えば、図12に示すように、噴射タイミングtm(n)の噴射態様を、7つの第2噴射態様の中から決定する場合に、直前の噴射タイミングtm(n−1)の液滴種類(無,S,M,Lの何れか)と、直後の噴射タイミングtm(n+1)の液滴噴射の有無を参照するようにしてもよい。
この図12の噴射態様選択処理について少し補足する。図12の処理では、原則として、噴射タイミングtm(n)の第1噴射態様の液滴種類がS,M,Lのときに、直後の噴射タイミングtm(n+1)に液滴を噴射する場合には、続けて噴射される液滴の体積の変化を小さくするため、大きめの液滴種類S2,M2,L2をそれぞれ噴射する第2噴射態様を選択する。一方、直後の噴射タイミングtm(n+1)に液滴を噴射しない場合には、小さめの液滴種類S1,M1,L1をそれぞれ噴射する第2噴射態様を選択する。但し、噴射タイミングtm(n)の第1噴射態様の液滴種類がSであって、直前の噴射タイミングtm(n−1)の液滴種類がLの場合には、直後の噴射タイミングの液滴噴射の有無にかかわらず、より大きな液滴種類M1を噴射する第2噴射態様を選択する。
3]前記実施形態では、ある噴射タイミングtm(n)の噴射態様を決定するのに、その直前と直後の噴射タイミングの第1噴射態様を参照していたが、さらに前の噴射タイミング(例えば、2つ前の噴射タイミングtm(n―2))やさらに後の噴射タイミング(例えば、2つ後の噴射タイミングtm(n+2))の第1噴射態様も参照するようにしてもよい。
4]第1噴射態様及び第2噴射態様の種類(数)は、前記第1実施形態で示されているものに限られず、第1噴射態様よりも第2噴射態様の種類が多くなる範囲内で、適宜変更することができる。
5]前記実施形態では、各々の噴射タイミングに4つの第1噴射態様を対応付ける、2bitデータからなる時系列情報を、7つの第2噴射態様を対応付ける3bitのデータに変換することを、ASICというハードウェアで実現している。しかし、これをソフトウェアで実現する、つまり、マイクロコンピュータのROMに記憶された液滴噴射制御プログラムが、CPUで実行されることにより、マイクロコンピュータに前記データ生成回路と同等の機能を発揮させることも可能である。
即ち、前記液滴噴射制御プログラムは、CPUで実行されることにより、1)複数の第1噴射態様に関する情報を記憶する第1噴射態様記憶手段と、2)ノズルの各々の噴射タイミングに対して、複数の第1噴射態様のうちの1つを対応付ける、噴射態様の時系列情報を記憶する、時系列情報記憶手段と、3)複数の第2噴射態様に関する情報を記憶する第2噴射態様記憶手段と、4)時系列情報に含まれる、任意の噴射タイミングとその前後の第1噴射態様を参照して、任意の噴射タイミングにおける噴射態様を、複数の第2噴射態様の中から選択する、噴射態様選択手段として、マイクロコンピュータを機能させる。
この場合でも、時系列情報によって各々の噴射タイミングに対応付けられる第1噴射態様の種類は少なくして、時系列情報のデータ量が増大するのを抑えつつ、実際に1つのノズルから噴射される液滴の種類(第2噴射態様の種類)を多くすることができる。従って、プログラムを実行するCPUの高性能化、あるいは、処理データを記憶するのに必要となる記憶領域の容量増大を抑えることができる。
5]前記実施形態では、外部装置であるPCにおいて画像データに画像処理が施され、各々の噴射タイミングに4つの第1噴射態様の1つを対応付ける時系列情報がPC59で生成された上でプリンタのASIC54に送信されていたが、この時系列情報の生成も、プリンタが行うように構成されてもよい。例えば、画像データが記憶された画像記憶媒体が、PC等の外部装置を介さずに直接プリンタに接続されて、この画像記憶媒体に記憶された画像をプリンタが記録用紙Pに記録する場合には、プリンタ側で時系列情報を生成する必要がある。
あるいは、外部装置側において、記憶装置(ハードディスク等)に記憶された液滴噴射制御プログラムがCPUで実行される、あるいは、前記データ生成回路に相当する回路が設けられることにより、外部装置側で、各々の噴射タイミングに第1噴射態様を対応付ける時系列情報の生成と、この時系列情報を参照して、任意の噴射タイミングの噴射態様を複数の第2噴射態様の中から選択する噴射態様の選択の、両方の処理が行われてもよい。
尚、上のように、時系列情報の生成とそれに基づく噴射態様の選択の両方が、プリンタ単独、あるいは、外部装置単独で行われる場合には、前記実施形態とは違い、第1噴射態様の種類を少なくすることにより外部装置からプリンタへ送信するデータ量が少なくなるという利点はない。しかし、画像記録に関する様々な処理をハード的に行うASICや、あるいは、ソフトウェア的に処理を行うマイクロコンピュータは、途中までは少ないデータ量(例えば2bit)の時系列情報を取り扱うことになり、ASICの複雑化やCPUの高性能化、あるいは、処理データを記憶するのに必要となる記憶領域の増大を抑えることができるという効果がある。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを噴射して画像等を記録する、インクジェットプリンタに適用したものであるが、本発明の適用対象は、このような用途に使用されるものに限られない。即ち、インク以外の様々な種類の液体をその用途に応じて対象(被噴射体)に噴射する、種々の液滴噴射装置に本発明を適用することが可能である。
1 インクジェットプリンタ
30 ノズル
59 PC
64 第1噴射態様記憶回路
65 時系列情報記憶回路
66 第2噴射態様記憶回路
67 噴射態様選択回路
30 ノズル
59 PC
64 第1噴射態様記憶回路
65 時系列情報記憶回路
66 第2噴射態様記憶回路
67 噴射態様選択回路
Claims (3)
- 噴射される液滴の体積がそれぞれ異なる複数の噴射態様を1つのノズルに対して選択的に取り得るように構成された液滴噴射装置であって、
複数の第1噴射態様に関する情報を記憶する第1噴射態様記憶手段と、
前記ノズルの各々の噴射タイミングに対して、前記第1噴射態様記憶手段に記憶された前記複数の第1噴射態様のうちの1つを対応付ける、噴射態様の時系列情報を記憶する、時系列情報記憶手段と、
前記複数の第1噴射態様よりも種類の多い、複数の第2噴射態様に関する情報を記憶する第2噴射態様記憶手段と、
前記時系列情報記憶手段に記憶された前記時系列情報に含まれる、任意の噴射タイミングとその前後の少なくとも一方の噴射タイミングに対応付けられた前記第1噴射態様を参照して、前記任意の噴射タイミングにおける噴射態様を、前記第2噴射態様記憶手段に記憶された前記複数の第2噴射態様の中から選択する、噴射態様選択手段と、
を備え、
前記噴射態様選択手段は、
前記第1噴射態様と比べると、前後の少なくとも一方の噴射タイミングとの間で液滴体積の変化量が小さくなるように、前記任意の噴射タイミングにおける噴射態様を、前記複数の第2噴射態様の中から選択することを特徴とする液滴噴射装置。 - 前記時系列情報記憶手段は、通信可能に接続された外部装置から送信される、前記時系列情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
- 前記複数の第1噴射態様には、実際に液滴を噴射する態様に加えて、液滴を噴射しない態様も含まれており、
前記噴射態様選択手段は、
任意の噴射タイミングの前後の少なくとも一方の噴射タイミングにおける前記液滴噴射の有無に基づいて、前記任意の噴射タイミングにおける噴射態様を、前記複数の第2噴射態様の中から選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴噴射装置。
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