JP2011014840A - Cmp用研磨組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】過硫酸塩化合物を含有しても保存安定性が高く、可使時間が十分に長いCMP用研磨組成物を提供すること。
【解決手段】過硫酸塩化合物、および、ヒドラジド化合物を含有してなることを特徴とするCMP用研磨組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、CMP(Chemical Mechanical Polishing、化学機械研磨)用研磨組成物に関するものであり、特に半導体装置の製造に当たってダマシン法などにより配線を形成する際に好ましく使用されるCMP用研磨組成物に関するものである。
CMP技術では、回転する板の上に平坦化処理を行うウエハを載せ、ウエハ表面にパッドを接触させ、ウエハとパッド間に研磨用組成物を供給しながら回転盤とパッドを両方とも回転させて研磨を行う。CMP用研磨組成物内の研磨砥粒とパッド表面の機械的作用で被研磨体表面が研磨されると同時に、CMP用研磨組成物内の化合物と被研磨体表面の化学反応によりウエハ表面が平坦化される。
半導体デバイスの製造に当たり、ダマシン法により配線を形成する際には、剰余の配線層およびバリアメタル層の除去にCMPが行われている。このCMPにおいて、よく行われる2段研磨法では、第1段研磨で最表層部の配線層を研磨により除去し、第2段研磨では第1段研磨で残った配線層、バリアメタル層および絶縁層を研磨し、表面を平坦化する方法が用いられている。
これまで、CMPでは、ディッシングやエロージョンなどを抑制した平坦な研磨表面を与えること、研磨残りがないこと、スクラッチを抑制した研磨面を与えること、生産性に問題の生じない充分な研磨速度を与えることが求められてきた。第1段研磨の場合は、さらに、銅、銅合金などの銅系材料からなる配線層を効率的に除去し、タンタル、窒化タンタルなどのタンタル系材料からなるバリアメタル層の研磨を極力抑える選択研磨が求められ、第2段研磨の場合は、配線材料、バリアメタル層、シリカ、有機シリカなどのシリカ系材料からなる絶縁層の異なる素材に対する研磨速度の差の小さい非選択研磨が求められてきた。
そこで、CMP用研磨組成物は、研磨砥粒、酸化剤などの種々の成分の選択および配合の組み合わせにより、上記のような要求特性を満たすように設計されている。例えば、特許文献1では、研磨砥粒0.1〜10質量%、過硫酸アンモニウム0.01〜10質量%、シュウ酸0.01〜5質量%、ベンゾトリアゾール0.0001〜5質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸および/またはドデシルベンゼンスルホン酸の塩0.001〜10質量%、ポリビニルピロリドン0.001〜10質量%および水溶性塩基性化合物であるpH調整剤を含有し、pH8〜12の範囲にあることを特徴とするCMP用研磨組成物について開示されている。また、特許文献2でも、研磨粒子、酸化剤、酸化抑制剤および界面活性剤を含有してなる化学機械研磨用スラリについて開示されている。
しかし、上記特許文献1および特許文献2に開示されているようなCMP用研磨組成物に使用される過硫酸塩化合物は、水中安定性が低く、水中で容易に分解してしまう。そのため、過硫酸塩化合物の水溶液を酸化剤として使用したCMP用研磨組成物は、可使時間が短いという問題がある。
特開2007−13059号公報 特開2002−141314号公報
本発明は、過硫酸塩化合物を含有しても保存安定性が高く、可使時間が十分に長いCMP用研磨組成物を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、CMP用研磨組成物中で過硫酸塩化合物の分解を促進する酸化反応が起こっていること、さらに、酸化防止能をもつ化合物の添加が上記課題の解決に有効であることを知見し、結果本発明に到達した。即ち、本発明は、過硫酸塩化合物、および、ヒドラジド化合物を含有してなることを特徴とするCMP用研磨組成物を提供するものである。
本発明によれば、保存安定性が高く、可使時間が十分に長いCMP用研磨組成物を提供することができる。
図1は、CMP用研磨組成物へのアジピン酸ジヒドラジドの添加量とCMP用研磨組成物のpHの変化の関係を示す。 図2は、CMP用研磨組成物へのアジピン酸ジヒドラジドの添加有無による過硫酸アンモニウム活量変化を示す。
次に好ましい実施形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明のCMP用研磨組成物は、研磨砥粒を含有する場合、および含有しない場合のいずれの場合でも使用することができる。研磨砥粒を含有しない場合は、砥粒レス研磨に使用することができる。
本発明のCMP用研磨組成物に含有される研磨砥粒としては、CMP用研磨組成物に使用されうるものであれば、特に限定されずに周知のものを使用することができる。該研磨砥粒としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素および二酸化マンガンなどの無機性砥粒、これら無機性砥粒の表面修飾物(アルキルシリル化剤、シランカップリング剤その他の表面修飾剤による修飾)、ポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタンポリウレア、ポリスチレン、ポリスチレンからなるラテックス、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸エステルからなるラテックスなどの有機性砥粒が挙げられ、これらは1種類または2種類以上混合して用いることができる。
本発明に使用される研磨砥粒としては、安価であること、研磨特性の経時変化がないことから二酸化ケイ素が好ましく、CMP用研磨組成物中の砥粒の分散安定性の面からコロイダルシリカがより好ましい。また、コロイダルシリカには種々の平均粒径をもつ多くの種類があるが、本発明のCMP用研磨組成物においては、充分な研磨速度を与え、非選択研磨性に優れる範囲である1〜400nmの範囲が好ましく、10〜300nmの範囲がより好ましい。
本発明のCMP用研磨組成物中の上記研磨砥粒の含有量は0.01〜10質量%が好ましい。0.01質量%より少ないと充分な研磨速度が得られない場合がある。また、10質量%を超えるとCMP用研磨組成物中の分散性が悪化し、スクラッチが多くなるなどの不具合が発生する場合がある。より好ましい含有量は、0.05〜10質量%であり、0.1〜5質量%が最も好ましい。
本発明のCMP用研磨組成物に含有される酸化剤は、過硫酸塩化合物である。本発明のCMP用研磨組成物に使用される過硫酸塩化合物とは、M−O−SO2−O−O−SO2−O−M(式中、MはNH4、Na、K、アルキルアミン、アルカノールアミンなどの1価のカチオンを表す)で表される構造を有するものである。本発明のCMP用研磨組成物は、特に半導体装置の製造に際して用いられるものであるので、アルカリ金属を含有しないことが好ましく、適度に化学的研磨を促進して、研磨表面の平坦性を向上させる点や、入手のしやすさなどの工業化適性の観点からもMはNH4が好ましい。本発明のCMP用研磨組成物における過硫酸塩化合物の含有量は0.01〜10質量%が好ましい。0.01質量%より少ないと研磨速度が遅くなる場合がある。一方、10質量%より多いとエッチングの制御およびディッシングの抑制が困難になる場合があり、また、取扱いの点でも危険となる。より好ましい含有量は、0.05〜5質量%である。
本発明のCMP用研磨組成物に含有されるヒドラジド化合物は、−CO−NH−NH2を有する化合物であり、特に限定はされないが、下記一般式(1)、(2)または(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2011014840
(式中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アミド基またはヒドラジド基を表す。上記炭化水素基の水素原子は、水酸基、アルコキシ基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニトロ基、ニトリル基、アミノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子または第4級アミノ基で置換されてもよく、これら置換基のアルキレン部分は、エステル結合、エーテル結合、不飽和結合、アミド結合、ウレタン結合またはウレア結合により中断されていてもよい。nは1〜3の整数を表し、Rが水素原子、アミド基またはヒドラジド基のときはn=1である。)
Figure 2011014840
(式中、mは1〜6の整数を表す。)
Figure 2011014840
(式中、pは1〜1200の整数、qは0〜1200の整数を表す。)
上記一般式(1)中、Rで表される炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素の両方を有する炭化水素基が挙げられる。これらの炭化水素基中の炭素−炭素結合は、不飽和結合であってもよい。
上記一般式(1)中、Rで表される脂肪族炭化水素基を構成する骨格としては、炭素原子数1〜10のアルカンが挙げられ、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、メチルプロパン、ペンタン、メチルブタン、へキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、ジメチルペンタン、ヘプタン、オクタン、イソノナン、デカン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロへキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカンなどの直鎖、分岐および環状の脂肪族炭化水素骨格が挙げられる。
上記一般式(1)中、Rで表される芳香族炭化水素基、および、脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素の両方を有する炭化水素基としては、炭素原子数6〜20のものが挙げられ、これらを構成する骨格としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、トルエン、キシレン、ビニルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、オクチルベンゼン、2−エチルヘキシルベンゼン、1,2−ジメチルベンゼン、1,3−ジメチルベンゼン、1,4−ジメチルベンゼン、1−メチル−3−t−ブチルベンゼン、1,3−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3−ジ−t−アミルベンゼン、ビフェニル、1,3,5−トリメチルベンゼン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタンなどが挙げられる。
上記炭化水素基の水素原子が、水酸基、アルコキシ基、カルボニル基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニトロ基、ニトリル基、アミノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子または第4級アミノ基で置換される場合、置換の位置および置換の数は任意である。また、これら置換基におけるアルキレン部分が、エステル結合、エーテル結合、不飽和結合、アミド結合、ウレタン結合またはウレア結合により中断される場合、その位置および数は任意である。
上記一般式(1)、(2)または(3)で表されるヒドラジド化合物としては、例えば、ギ酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、オクタン酸ヒドラジド、トリメチルアミノ酢酸ヒドラジド、3−オキソ−3−ヒドラジノプロピオン酸エチル、セミオキサマジド、ベンズヒドラジド、フェニル酢酸ヒドラジド、2−クロロベンズヒドラジド、2−ニトロベンズヒドラジド、m−アニス酸ヒドラジド、3−ブロモベンズヒドラジド、p−トルイル酸ヒドラジド、4−クロロベンズヒドラジド、4−ブロモベンズヒドラジド、4−ニトロベンズヒドラジド、4−ヒドロキシベンズヒドラジド、4−アミノベンズヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、L−チロシンヒドラジド、3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボヒドラジド、モノメチルヒドラジド、塩酸セミカルバジド、チオセミカルバジド、t−ブチルヒドラジン塩酸塩、アミノポリアクリルアミド、イソニコチン酸ヒドラジド、チオカルボヒドラジド、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、ナフタレンジヒドラジド、1,3,5−トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
本発明のCMP用研磨組成物に含有されるヒドラジド化合物として好ましいものは、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、1,3,5−トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、アミノポリアクリルアミドである。これらは、CMP用研磨組成物中の過硫酸アンモニウムの分解を促進する酸化反応を抑制する効果が大きい。また、中でも最も好ましいものはアジピン酸ジヒドラジドである。アジピン酸ジヒドラジドは研磨砥粒として凝集しやすいコロイダルシリカを使用する場合に、その凝集を防止する効果も有する。
本発明のCMP用研磨組成物におけるヒドラジド化合物の含有量はヒドラジド基として10μmol〜15mmolが好ましく、60μmol〜12.5mmolがより好ましい。10μmolより少ないと本発明の効果が得られない場合がある。一方、15mmolより多いと過硫酸アンモニウムの分解を促進してしまい、本発明の効果が薄れてしまう場合がある。
本発明のCMP用研磨組成物は、過硫酸塩化合物、および、ヒドラジド化合物を含有するものであり、これ以外に含有される他の成分としては、複素環化合物成分、有機酸成分、水性高分子成分、pH調整剤成分、界面活性剤成分、可溶化剤成分などが挙げられる。
上記の複素環化合物成分は、主に銅配線またはバリアメタルに対して防食作用を有する防錆剤として機能するものであり、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニルテトラゾール、1H−テトラゾール−1−酢酸、5−アミノ−1H−テトラゾールなどのアゾール系単環類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、[1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル][1,2,4−トリアゾリル−1−メチル][2−エチルヘキシル]アミン、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸、1,5−ペンタメチレンテトラゾール、チアベンダゾールなどのアゾール系複合環類が挙げられ、これらは1種類または2種類以上の混合物で使用される。
本発明のCMP用研磨組成物における複素環化合物の含有量は0.0001〜1質量%が好ましく、0.0005〜0.5質量%がより好ましい。複素環化合物の含有量が下限より少ないと使用効果であるディッシングやエロージョンの抑制が難しくなり、複素環化合物の含有量が上限より多いと研磨速度が遅くなるという難点がある。これらの中でも、ベンゾトリアゾールが安価で防食作用をコントロールしやすいので好ましい。
上記の有機酸成分とは、有機酸または有機酸の塩であり、使用効果は構造により異なる。例えば、脂肪族有機酸、脂肪族スルホン酸およびこれらの塩は、CMP用研磨組成物の安定性を高める効果があり、また、研磨された銅などの金属を溶出させて研磨速度を向上させる効果がある。芳香族スルホン酸および芳香族スルホン酸塩は金属の過剰エッチングなどを抑制し、研磨面の平坦化を良好にする効果があり、アミノ酸およびその塩は、防食剤として機能する。
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、グリコール酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、無水酢酸などの脂肪族有機カルボン酸;安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、o−フタル酸、m−フタル酸、p−フタル酸、キナルジン酸、ナフタレン−1−カルボン酸、ナフタレン−2−カルボン酸などの芳香族カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノルボルネンスルホン酸、アダマンタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸などの脂肪族スルホン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、アントラセンスルホン酸、アセナフテンスルホン酸、フェナントレンスルホン酸などの芳香族スルホン酸;グリシン、L(D)−アラニン、L(D)−2−アミノ酪酸、L(D)−ノルバリン、L(D)−バリン、L(D)−ロイシン、L(D)−ノルロイシン、L(D)−イソロイシン、L(D)−アロイソロイシン、L(D)−フェニルアラニン、L(D)−プロリン、サルコシン、L(D)−オルニチン、L(D)−リシン、タウリン、L(D)−セリン、L(D)−トレオニン、L(D)−アロトレオニン、L(D)−ホモセリン、L(D)−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L(D)−アラニン、L(D)−チロキシン、4−ヒドロキシ−L(D)−プロリン、L(D)−システイン、L(D)−メチオニン、L(D)−エチオニン、L(D)−ランチオニン、L(D)−シスタチオニン、L(D)−シスチン、L(D)−システイン酸、L(D)−アスパラギン酸、L(D)−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L(D)−システイン、4−アミノ酪酸、L(D)−アスパラギン、L(D)−グルタミン、L(D)−アルギニン、δ−ヒドロキシ−L(D)−リシン、L(D)−ヒスチジン、L(D)−トリプトファンなどのアミノ酸;および有機酸のアルカリ金属塩(リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩)、アンモニウム塩、アミン塩が挙げられ、これらは1種類または2種類以上の混合物で使用される。
本発明のCMP用研磨組成物中の有機酸成分の含有量は0.0001〜10質量%が好ましく、0.001〜8質量%がより好ましい。有機酸成分の含有量が0.0001質量%より少ないと、使用効果が得られない場合があり、有機酸成分の含有量が10質量%を超えると使用効果が過剰となり、平坦性、研磨効率、研磨選択性のいずれかについての低下をきたす場合がある。
上記の水性高分子成分は、バリア層研磨抑制による研磨選択性の向上や研磨砥粒の分散安定化に作用する水溶性高分子、研磨砥粒および研磨砥粒補助剤として使用される水分散性高分子化合物がある。
本発明のCMP用研磨組成物は、水性高分子成分を含有してもよい。含有される水溶性高分子としては、例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードランおよびプルランなどの多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、およびポリグリオキシル酸などのポリカルボン酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリルアミド、ポリアミノアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩などに例示されるポリカルボン酸の塩、エステルおよび誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクロレイン、ポリビニルピロリドンとαオレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなど)との共重合体などのビニル系ポリマー;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールのエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドのランダムまたはブロック付加物などのポリアルキレングリコール類が挙げられ、水分散性高分子としては、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンポリウレア樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂が挙げられる。これらの水性高分子は、1種類または2種類以上の混合物で使用される。
水性高分子成分の好ましい含有量は、0.001〜10質量%であり、より好ましくは0.005〜8質量%である。水性高分子成分含有量が下限より少ないと充分な使用効果が得られない場合があり、水性高分子成分含有量が上限より多いと充分な研磨速度を得ることができない場合がある。また、水溶性高分子の好ましい数平均分子量(GPC測定、標準ポリスチレン換算)は種類により異なり、それぞれ適正な値がある。
本発明のCMP用研磨組成物に含有される水溶性高分子として好適なもののひとつは、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンと1−ブテンとの共重合体である。これらは、他の水溶性高分子と比較してバリア層研磨の抑制の効果が大きく、銅の選択研磨性を向上させる利点を有する。また、砥粒の分散安定性を向上させる効果も大きい。本発明のCMP用研磨組成物におけるこれらのポリビニルピロリドンまたはビニルピロリドンと1−ブテンとの共重合体の好ましい含有量は、バリア層の研磨抑制に効果が発現する0.001〜5質量%である。また、数平均分子量としては5000〜100000が好ましい。
また、本発明のCMP用研磨組成物に含有される水溶性高分子として好適なもののひとつは、ポリアルキレングリコール類である。ポリアルキレングリコールは、他の水溶性高分子と比較して優れた研磨速度を示し、砥粒の分散安定性を向上させる効果も大きい。本発明のCMP用研磨組成物におけるポリアルキレングリコール類の好ましい含有量は、バリア層の研磨抑制に効果が発現する0.001〜5質量%である。また、ポリアルキレングリコールの数平均分子量としては200〜3000が好ましい。
また、本発明のCMP用研磨組成物に含有される水分散性高分子として好適なもののひとつは、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンポリウレア樹脂である。これらは研磨砥粒および研磨砥粒の助剤として、選択研磨性について、選択研磨性または非選択研磨性を増強するので有効である。ポリウレタン樹脂またはポリウレタンポリウレア樹脂は、これを分散させる乳化剤がCMP性能に影響を及ぼす可能性があるので、CMP性能を制御しやすい自己乳化が好ましい。
カチオン性基を導入したカチオン性水分散型ポリウレタンは、銅に対するエッチング作用が強く、これを制御しにくい場合があるので、ノニオン性水分散型ポリウレタンまたはアニオン性水分散型ポリウレタンがより好ましく、銅の研磨速度が大きいのでアニオン性水分散型ポリウレタンがさらに好ましい。また、アニオン性水分散型ポリウレタンの場合、酸価(mgKOH/g)は、1〜200が好ましく、10〜150がより好ましい。
水分散型ポリウレタンの平均粒子径は、研磨砥粒として機能しCMP用研磨組成物中に安定に分散可能な範囲である5〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましい。本発明のCMP用研磨組成物におけるこれらの樹脂の好ましい含有量は0.01〜10質量%である。
上記のpH調整剤は、水溶性塩基性化合物である。該化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属類、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどの水酸化アルカリ土類金属類、炭酸アンモニウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンなどの4級アンモニウムヒドロキシド類、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ヒドロキシエチルアミンなどの有機アミン類、アンモニアが挙げられる。中でも安価で扱いやすいので、水酸化アルカリ金属類が好ましい。本発明のCMP用研磨組成物における水溶性塩基性化合物の含有量は、CMP用研磨組成物のpHが8〜12の範囲になる量である。pHが8未満であると、十分な研磨速度が得られず、さらに6より小さいとバリア層の研磨が起こり、選択研磨性が低下する。また、pHが12より大きいとディッシングが起こり、表面状態が悪化する。
本発明のCMP用研磨組成物は、研磨抑制、各成分の溶解または分散安定性、消泡性などを付与するために界面活性剤を含有してもよい。含有される界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤が挙げられ、これらは1種類または2種類以上の混合物で使用される。
本発明のCMP用研磨組成物中の界面活性剤成分を使用する場合の好ましい含有量は0.0001〜10質量%であり、より好ましくは0.001〜5質量%である。界面活性剤成分の含有量が下限より少ないと充分な使用効果が得られない場合があり、界面活性剤成分の含有量が上限より多いと研磨速度が低下する場合がある。
本発明のCMP用研磨組成物に含有される界面活性剤として好適なのは、アニオン系界面活性剤である。アニオン系界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、硫化オレフィン塩、高級アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、グリセライド硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、N−アシル−N−メチルタウリンの塩、N−アシルグルタミン酸またはその塩、アシルオキシエタンスルホン酸塩、アルコキシエタンスルホン酸塩、N−アシル−β−アラニンまたはその塩、N−アシル−N−カルボキシエチルタウリンまたはその塩、N−アシル−N−カルボキシメチルグリシンまたはその塩、アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、およびアルキルまたはアルケニルアミノカルボキシメチル硫酸塩などの1種または2種以上の混合物を挙げることができる。
本発明のCMP用研磨組成物は、研磨された金属を溶出させる金属溶出剤成分を含有してもよい。例えば、銅のCMPの場合、含有される金属(銅)溶出剤としては、上記の有機酸成分で例示した有機酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩が挙げられ、これらは1種または2種以上の混合物で使用される。
上記の銅溶出剤を使用する場合の好ましい含有量は、0.01〜10質量%である。銅溶出剤の含有量が下限より少ないと十分な研磨速度が得られない場合があり、銅溶出剤の含有量が上限より多いと過剰なエッチングを制御できなくなる場合がある。
また、上記銅溶出剤として好ましいのは、グリシン、L(D)−アラニン、L(D)−2−アミノ酪酸、L(D)−ノルバリン、L(D)−バリン、L(D)−ロイシン、L(D)−ノルロイシン、L(D)−イソロイシン、L(D)−アロイソロイシン、L(D)−フェニルアラニン、L(D)−プロリン、サルコシン、L(D)−オルニチン、L(D)−リシン、タウリン、L(D)−セリン、L(D)−トレオニン、L(D)−アロトレオニン、L(D)−ホモセリン、L(D)−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L(D)−アラニン、L(D)−チロキシン、4−ヒドロキシ−L(D)−プロリン、L(D)−システイン、L(D)−メチオニン、L(D)−エチオニン、L(D)−ランチオニン、L(D)−シスタチオニン、L(D)−シスチン、L(D)−システイン酸、L(D)−アスパラギン酸、L(D)−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L(D)−システイン、4−アミノ酪酸、L(D)−アスパラギン、L(D)−グルタミン、L(D)−アルギニン、δ−ヒドロキシ−L(D)−リシン、L(D)−ヒスチジン、L(D)−トリプトファンなどのアミノ酸および脂肪酸有機カルボン酸のアンモニウム塩であり、特にグリシン、L(D)−アラニン、タウリン、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸のアンモニウム塩が好ましい。これらを使用する場合、CMP用研磨組成物中の配合量は、0.05〜2質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
本発明のCMP用研磨組成物は、上記説明の有機性成分を安定に溶解させるために可溶化剤成分を含有してもよい。含有される可溶化剤としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパンなどのポリアルコール類;N−メチルピロリドンなどのピロリドン類が挙げられ、これらは1種類または2種類以上の混合物で使用される。
可溶化剤を使用する場合、CMP用研磨組成物中の好ましい含有量は0.01〜10質量%である。可溶化剤の含有量が下限より少ないと十分な使用効果が得られない場合があり、可溶化剤の含有量が上限より多いと研磨面の表面荒れを生じる場合がある。
本発明のCMP用研磨組成物は、上記に例示した以外にも、必要に応じて他の添加剤成分を含有してもよい。添加剤成分としては、pH緩衝剤;ウエハの有機物汚染を低減させる効果のある有機化合物を包接するα−、β−またはγ−シクロデキストリンなどの包接化合物;研磨面の表面平滑性を付与するイセチオン酸脂肪酸エステルなどのヒドロキシアルカンスルホン酸脂肪酸エステル類;砥粒表面の清浄化作用を付与することで、砥粒の分散安定性および研磨能力を向上させるモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、N−メチルジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類;銅の研磨速度を促進させる効果のある硫酸、リン酸、ホウ酸、カルボン酸、スルホン酸およびそれらの塩などが挙げられる。これらのその他の添加剤成分を使用する場合は、CMP用研磨組成物中に各々0.0001〜10質量%、好ましくは0.0005〜5質量%となる範囲で配合される。
本発明のCMP用研磨組成物は、上記した各成分を上記したような含有量で含んでなるが、残りは水である。従って、上記に挙げた各成分を規定した量で含むCMP用研磨組成物となるように、水を加えて100質量%とする。
本発明のCMP用研磨組成物の調製は、上記で説明した各成分と水とを混合し、均一に分散溶解すればよい。水溶性高分子や水分散性高分子を使用する場合は、予め水に溶解または分散させた組成物の状態で加えればよい。また、本発明のCMP用研磨組成物は、全ての成分を混合して1液タイプの組成物としてもよく、2液タイプの組成物としてもよい。2液タイプの組成物としては、例えば、酸化剤成分のみ別成分とし、他の全ての成分の混合物との2液タイプが挙げられる。
以下、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
[実施例1〜8]CMP用研磨組成物の製造
コロイダルシリカ(平均粒径100nm)1質量%、過硫酸アンモニウム1.5質量%、グリシン1質量%、ベンゾトリアゾール0.001質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.02質量%、水酸化カリウム0.4質量%、ビニルピロリドン/1−ブテンの共重合体(P−904LC:ISP・JAPAN(株)製、数平均分子量17,000)0.03質量%、硫酸アンモニウム0.3質量%、表1に記載のヒドラジド化合物4.11mmol(ヒドラジド基として)、および水(残分)を配合し、CMP用研磨組成物を得た。
[比較例1〜3]CMP用研磨組成物の製造
コロイダルシリカ(平均粒径100nm)1質量%、過硫酸アンモニウム1.5質量%、グリシン1質量%、ベンゾトリアゾール0.001質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.02質量%、水酸化カリウム0.4質量%、ビニルピロリドン/1−ブテンの共重合体(P−904LC:ISP・JAPAN(株)製、数平均分子量17,000)0.03質量%、硫酸アンモニウム0.3質量%を配合し、さらにヒドラジド化合物の代わりに表2に記載の酸化防止効果が見込める化合物4.11mmol(酸化防止活性基として)、および水(残分)を配合し、CMP用研磨組成物を得た。
[比較例4]
ヒドラジド化合物を添加しない以外は、上記実施例1と同様の配合でCMP用研磨組成物を得た。
[評価例1]
上記実施例1〜8および比較例1〜4のCMP用研磨組成物を100mlのポリプロピレン製容器に密閉保存し、40℃の恒温槽中に16時間静置した。静置前と静置後のpHを測定し比較した。結果を表3に示す。
過硫酸アンモニウムは水中安定性が低く、水中で下記式のように分解してしまう。分解後生成するNH4HSO4は酸性であるため、過硫酸アンモニウムの分解に伴ってpHは低下する。従って、CMP用研磨組成物の静置後のpHが酸性側であるほど、過硫酸アンモニウムの分解が大きいことを意味する。
2(NH4228+2H2O→4NH4HSO4+O2
Figure 2011014840
Figure 2011014840
Figure 2011014840
表3の結果より、本発明のCMP用研磨組成物はヒドラジド化合物を含有するため、pHの低下を抑制できたことが分かる。つまり、ヒドラジド化合物を添加することにより、過硫酸アンモニウムの分解を促進する酸化反応を抑制できることが確認できた。特に、アジピン酸ジヒドラジドは酸化抑制効果が最も大きく、CMP用研磨組成物の静置後の様子も良好だった。
[実施例11〜19]CMP用研磨組成物の製造
コロイダルシリカ(平均粒径100nm)1質量%、過硫酸アンモニウム1.5質量%、グリシン1質量%、ベンゾトリアゾール0.001質量%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.02質量%、水酸化カリウム0.4質量%、ビニルピロリドン/1−ブテンの共重合体(P−904LC:ISP・JAPAN(株)製、数平均分子量17,000)0.03質量%、硫酸アンモニウム0.3質量%を配合し、さらにアジピン酸ジヒドラジド(ADH)を下記表4に記載の添加量で配合し、残分を水としてCMP用研磨組成物を得た。
[評価例2]
上記実施例11〜19、および比較例4のCMP用研磨組成物を100mlのポリプロピレン製容器に密閉保存し、40℃の恒温槽中に16時間、および35時間静置した。静置前と静置後のpHを測定し比較した。結果を表5および図1に示す。
Figure 2011014840
Figure 2011014840
表5の結果より、本発明のCMP用研磨組成物に添加するアジピン酸ジヒドラジドの量としては、0.1質量%(ヒドラジド基として1.37mmol)が最適であることが分かった。
[評価例3]
上記実施例13および比較例4で調製して得たCMP用研磨組成物を100mlのポリプロピレン製の容器に密閉保存し、25℃の恒温槽中に静置した。表6に記載した静置時間毎に過マンガン酸カリウムによる逆滴定を行い、過硫酸アンモニウム(APS)の活量の変化を求めた。
Figure 2011014840
表6の結果より、本発明のCMP用研磨組成物はヒドラジド化合物を含有するために保存安定性が良好であり、可使時間が十分に長いことが分かった。
[評価例4]
上記実施例13および比較例4で調製して得たCMP用研磨組成物について、電解めっき法で銅膜をシリコン基板上に1500nm成膜したウエハを3cm×3cm正方形に切断した銅ブランケットテストピース、スパッタリング法でタンタル膜をシリコン基板上に50nm成膜したウエハを3cm×3cm正方形に切断したタンタルブランケットテストピースを被研磨体として、下記研磨条件による研磨速度の評価を行った。結果を表7に示す。なお、研磨量は、Loresta GP(三菱化学製)を使用し、膜の抵抗値を膜厚に換算し、研磨前後の膜厚差から研磨速度を算出した。
研磨機:NF−300(ナノファクター社製)
研磨パッド:IC1000(XY溝付)(ロームアンドハース社製)
定盤回転数:60rpm
キャリア回転数:60rpm
研磨加工圧力:2psi
研磨液供給速度:40ml/分
Figure 2011014840
表7の結果より、本発明のCMP用研磨組成物はヒドラジド化合物を含有しない従来のものと同等の銅研磨速度で、かつ銅を選択的に研磨できることが分かった。つまり、CMP用研磨組成物へのヒドラジド化合物の添加は、研磨特性にほとんど影響しないと言える。

Claims (4)

  1. 過硫酸塩化合物、および、ヒドラジド化合物を含有してなることを特徴とするCMP用研磨組成物。
  2. さらに、研磨砥粒を含有してなる請求項1に記載のCMP用研磨組成物。
  3. 上記研磨砥粒がコロイダルシリカである請求項2に記載のCMP用研磨組成物。
  4. 上記ヒドラジド化合物として、アジピン酸ジヒドラジドを含有してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のCMP用研磨組成物。
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