JP2011013559A - チルトミラー - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、構成簡易にして、駆動精度の高精度化と共に、駆動偏角量の拡大化の双方を実現し得るようにすることにある。
【解決手段】第1及び第2の反射ミラー11,12を、第1及び第2の駆動偏角機構13,14を介して直交する二軸回りに回動自在に対面設置して、その第1の反射ミラー11に光が入射されると、第2の反射ミラー12との間で光が交互に遇数回ずつ多重反射されて、入射した光を、第2の反射ミラー12から光入射方向に対して90°の角度で出射させるように構成したものである。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば航空機等の飛翔体を含む移動体に搭載される赤外線レーザ照射器の光学系、監視カメラの受光光学系、工業用レーザマーカのレーザ光光学系、望遠鏡や測量器の光学系に用いるのに好適するチルトミラーに関する。
一般に、この種のチルトミラーは、空間を伝搬する光線やレーザ光が反射光学系に入射されると、それに偏角を与えて出射して、伝搬光軸を駆動走査する。このようなチルトミラーは、その反射光学系がピエゾ素子、トルカ、モータ等の駆動部を用いて、所望の軸回りに回動制御することにより、光軸に対して所望の駆動偏角を与えて目標方向に走査される。このため、チルトミラーにおいては、光軸を高精度な駆動精度で、しかも、大きな駆動偏角を有して走査することが要請される。
ところで、このチルトミラーは、その駆動部の駆動精度と駆動偏角量とは、いわゆるトレードオフの関係を有し、その駆動部として駆動精度のよいピエゾ素子を用いると、駆動偏角量を大きく採るのが困難となり、トルカやモータを用いると、駆動偏角量を大きく採ることが可能となるが、駆動精度が低下されるという問題を有する。
そこで、このようなチルトミラーの駆動制御に用いるアクチュエータには、静電駆動方式に揺動機構を組合せ配置して、高精度な駆動精度を実現したうえで、揺動機構を用いて可動電極を機械的に揺動させて駆動偏角量を大きく採るように構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−340531号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される技術では、機械的に駆動偏角量を高める構成のために、構成が複雑となり、大形となるという問題を有する。
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、且つ、駆動精度の高精度化と共に、駆動偏角量の拡大化の双方を実現し得るようにしたチルトミラーを提供することを目的とする。
この発明は、少なくとも一方が直交する二軸回りに回動自在に設けられ、いずれか一方に光が入射されると、他方との間で光が交互に遇数回ずつ反射されて、他方から出射される第1及び第2の反射ミラーを、光が入射される一方に対して光が出射される他方を、出射方向が前記一方に入射した光の入射方向に対して90°の角度で出射するように対面設置した光学系と、前記第1及び第2の反射ミラーの回動自在な一方を前記二軸回りに回動制御するミラー駆動手段と、このミラー駆動手段を駆動偏角指令情報に基づいて駆動制御して、光軸の駆動偏角量を可変設定し、拡大倍率を制御する駆動偏角制御手段とを備えてチルトミラーを構成した。
上記構成によれば、光学系に入射された光は、一方がミラー駆動手段を介して二軸回りに回動制御される第1及び第2の反射ミラーのいずれか一方に入射されて、他方に反射され、該他方との間で交互に偶数回ずつ反射されることにより、入射した光が光学的に拡大倍率されて駆動偏角が高められ、他方から目標方向に出射される。従って、ミラー駆動手段自体の高精度な駆動精度を確保したうえで、光学的に駆動偏角量を高めることができるため、簡単な構成で、広範囲にわたる高精度な光走査を実現することが可能となる。
以上述べたように、この発明によれば、簡易な構成で、且つ、駆動精度の高精度化と共に、駆動偏角量の拡大化の双方を実現し得るようにしたチルトミラーを提供することができる。
この発明の一実施の形態に係るチルトミラーの光学系の配置構成を説明するために示した平面図である。 図1の駆動偏角駆動系を示したブロック図である。 図1の光学系を異なる拡大倍率に設定した状態を示した平面図である。 この発明の一実施の形態に係るチルトミラーの適用されるレーザ照射装置の概略構成を説明するために示した平面図である。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施の形態に係るチルトミラーの要部を示すもので、光学系10は、対面設置される第1及び第2の反射ミラー11,12で構成される。この第1及び第2の反射ミラー11,12は、相互間で反射光路を形成して、先ず、第1の反射ミラー11に光が入射され、その反射光が第2の反射ミラー12に照射されて、その反射光が再び、第1の反射ミラー11に導かれ、この第1の反射ミラー11と第2の反射ミラー12との間で偶数回、例えば2回ずつ、いわゆる多重反射されて、最後に第2の反射ミラー12から出射される。この第2の反射ミラー12からの光の出射方向は、第1の反射ミラー11への光入射方向に対して90°の方向となる。
即ち、第1及び第2の反射ミラー11,12は、所望の対面設置角を有して対面設置されて相互間に多重反射光路が形成され、例えば直交する二軸周り(α1in,β1in及びα2in,β2in)にそれぞれ回動自在に設けられる。そして、この第1及び第2の反射ミラー11,12には、例えばミラー駆動手段を構成する第1及び第2の駆動偏角機構13,14が組付けられる。
この第1及び第2の駆動偏角機構13,14は、例えばピエゾ素子で構成され、上記第1及び第2の反射ミラー11,12を直交する二軸周り(α1in,β1in及びα2in,β2in)にそれぞれ回動調整する。そして、この第1及び第2の駆動偏角機構13,14には、図2に示すように駆動偏角制御手段を構成する駆動偏角制御部15が接続される。
この駆動偏角制御部15には、図示しない指令部より駆動偏角指令情報が入力され、この駆動偏角指令情報に基づいて直交する出射光軸駆動偏角量(図1中紙面垂直軸周り)αout及び出射光軸駆動偏角量(図1中紙面に平行、且つ、出射光軸基準垂直の軸周り)βoutを、
αout=SF・(α1in+α2in)
βout=SF・(cosθ・β1in+cosφ・β2in)
の式に基づいてそれぞれ算出する。そして、駆動偏角制御部15は、その出射光軸駆動偏角量αout及び出射光軸駆動偏角量βoutに基づいて各軸回りの駆動信号を生成して上記第1及び第2の駆動偏角機構13,14を駆動制御し、上記第1及び第2の反射ミラー11,12をそれぞれ二軸周り(α1in,β1in及びα2in,β2in)に選択的に回動制御して、入射した光の駆動偏角量を光学的に拡大させて出射させる。
ここで、α1in:第1の反射ミラー11の駆動偏角量(図1中紙面垂直軸周りの駆動偏角量)
β1in:第1の反射ミラー11の駆動偏角量(図1中紙面平行、且つ、反射面平行の軸周りの駆動偏角量)
α2in:第2の反射ミラー12の駆動偏角量(図1中紙面垂直軸周りの駆動偏角量)
β2in:第2の反射ミラー12の駆動偏角量(図1中紙面平行、且つ、反射面平行の軸周りの駆動偏角量)
θ:β1inの駆動軸とβoutの駆動軸との角度
φ:β2inの駆動軸とβoutの駆動軸との角度
SF:拡大倍率
である。
即ち、駆動偏角制御部15は、入力した駆動偏角指令情報に基づく拡大倍率SFに応じて第1及び第2の駆動偏角機構13,14を駆動制御して第1及び第2の反射ミラー11,12の対面設置角を可変設定する。この対面設置角は、例えば図1に示すように22.5°とすると、入射した光が第1及び第2の反射ミラー11,12の双方に2回ずつ反射されて拡大倍率が4倍となり、図3に示すように15°とすると、入射した光が第1及び第2の反射ミラー11,12の双方に3回ずつ反射されて拡大倍率が6倍となる。このように対面設置角は、第1及び第2の反射ミラー11,12の双方にそれぞれ反射される光反射回数をnとすると、
(90/2n)°
となり、その拡大倍率SFが2n倍となる。
そして、光学系10は、その第1の反射ミラー11に光が入射されると、その光が第1の反射ミラー11と第2の反射ミラー12との間で偶数回、反射を繰返した後、第2の反射ミラー12から入射した光の入射方向に対して90°の出射方向に設定した拡大倍率に応じた所望の駆動偏角量で出射する。これにより、光学系10に入射された光は、第1及び第2の駆動偏角機構13,14の駆動精度で、その駆動偏角量が光学的に拡大されて第2の反射ミラー12から出射され、光走査される。
ここで、この発明の一実施の形態に係るチルトミラーの適用例について説明する。
即ち、上記光学系10は、例えば図4に示すようにレーザ照射装置を構成する装置本体20内にその第1の反射ミラー11が光源21に対向されて収容配置され、その第2の反射ミラーが装置本体20の出射口201に対向配置される。そして、この光学系10は、その第1及び第2の反射ミラーが、上述したように上記第1及び第2の駆動偏角機構13,14により、それぞれ直交する二軸周りに回動制御されて、その対面設置角が制御されて拡大倍率が設定される。綾瀬
この状態において、光学系10の第1の反射ミラー11には、光源21から射出されたレーザ光が入射される。この光源21から射出されたレーザ光は、上記第1の駆動偏角機構13を介して回動制御される第1の反射ミラー11で反射され、第2の駆動偏角機構14を介して回動制御される第2の反射ミラー12に導かれて相互間で複数回ずつ多重反射され、その拡大倍率に応じて拡大された駆動偏角量で第2の反射ミラー12から装置本体20の出射口201を通して目標方向に出射される。この装置本体20の出射口201から出射される光は、第1の反射ミラー11に入射されたレーザ光に対して90°の角度方向となる。
このように、上記チルトミラーは、第1及び第2の反射ミラー11,12を、第1及び第2の駆動偏角機構13,14を介して直交する二軸回りに回動自在に対面設置して、その第1の反射ミラー11に光が入射されると、第2の反射ミラー12との間で光が交互に遇数回ずつ多重反射されて、入射した光を、第2の反射ミラー12から光入射方向に対して90°の角度で出射させるように構成した。
これによれば、入射した光は、第1及び第2の反射ミラー11,12の対面設置角に応じてそれぞれにおいていわゆる多重反射される光反射回数が設定され、その光反射回数に応じて拡大倍率が設定されて光学的に駆動偏角量が可変設定される。この結果、簡単な構成で、第1及び第2の駆動偏角機構13,14の高精度な駆動精度を確保したうえで、駆動偏角量の拡大化を図ることができて、広範囲にわたる高精度な光走査を実現することが可能となる。
また、これによれば、光学系10に入射する光入射方向に対して光出射方向を90°に設定していることにより、例えば上記レーザ照射装置の装置本体20に対して収容配置する場合においても、その機器本体20への組付け配置における設計上の自由度が得られ、容易な組付け配置を実現することができる。
なお、上記実施の形態では、第1及び第2の反射ミラー11,12の双方を第1及び第2の駆動偏角機構13,14を介して直交する二軸周りに回動自在に設けて、第1及び第2の反射ミラー11,12の双方を二軸周りに回動して駆動偏角量を大きくするように構成した場合について説明したが、これに限ることなく、その他、第1及び第2の反射ミラー11,12のいずれか一方を直交する二軸周りに回動自在に設けて、一方のみを二軸周りに回動制御して駆動偏角量を大きく採るように構成することも可能である。この場合には、小形化の促進を図ることが可能となり、さらに、有効な効果が期待される。
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
10…光学系、11…第1の反射ミラー、12…第2の反射ミラー、13…第1の駆動偏角機構、14…第2の駆動偏角機構、15…駆動偏角し魚部、20…装置本体、201…出射口、21…光源。

Claims (5)

  1. 少なくとも一方が直交する二軸回りに回動自在に設けられ、いずれか一方に光が入射されると、他方との間で光が交互に遇数回ずつ反射されて、他方から出射される第1及び第2の反射ミラーを、光が入射される一方に対して光が出射される他方を、出射方向が前記一方に入射した光の入射方向に対して90°の角度で出射するように対面設置した光学系と、
    前記第1及び第2の反射ミラーの回動自在な一方を前記二軸回りに回動制御するミラー駆動手段と、
    このミラー駆動手段を駆動偏角指令情報に基づいて駆動制御して、光軸の駆動偏角量を可変設定し、拡大倍率を制御する駆動偏角制御手段と、
    を具備することを特徴とするチルトミラー。
  2. 前記第1及び第2の反射ミラーの対面設置角度は、(90/2×光反射回数)°に設定されることを特徴とする請求項1記載のチルトミラー。
  3. 前記拡大倍率は、前記第1及び第2の反射ミラーの光反射回数×2となることを特徴する請求項1又は2記載のチルトミラー。
  4. 前記ミラー駆動手段は、ピエゾ素子で形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のチルトミラー。
  5. 前記第1及び第2の反射ミラーは、対面設置角度が可変設定自在に設けられることを特徴する請求項1乃至4のいずれか記載のチルトミラー。
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