JP2011012417A - 扉 - Google Patents

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Abstract

【課題】デザイン性に富んだ扉を作業性良く且つ低コストで提供する。
【解決手段】框体31,32,33とパネル34とがそれらの木口において化粧材35,36,37を介して突き合わせて接合一体化されて全体として矩形状に形成された扉30であり、化粧材の木口面が扉表裏面に線状ないし帯状に露出して、斬新な意匠性を与える。框体31に貼着される化粧材35においてパネル34と接合される領域、および框体32の下木口と框体33の上木口に貼着される化粧材36,37には、パネル嵌合凹溝(38a,38b,38c)が形成されて、ここにパネルの接合木口部分が嵌め込まれてパネルが取り付けられている。パネルは框体より薄いので、框体とパネルとが接合される段落ち部分に化粧材の表面が露出し、扉表裏から化粧面として観察される。
【選択図】図3

Description

本発明は、家屋などの内装においてドアや引き戸などとして用いられ、あるいは収納棚などの家具において開き扉や引き扉などとして用いられる扉の構造に関する。
このような用途に供される扉の一例として、特許文献1には、縦芯材などの扉構成部材の対向側端に設けた嵌合溝に薄いパネルの両側端を嵌合した構成の扉が開示されている。また、嵌合溝に断面コの字形の金属部材を装着してこの金属部材にパネルの両側端を嵌め込むことにより補強効果が得られることが記載されている(段落0011,図3)。
特開2004−143839号公報
特許文献1に記載されるような扉において、補強のために金属部材が嵌合溝に装着された実施形態が採用された場合であっても、この金属部材は最終的に得られる扉においては埋没されてしまって何ら扉のデザイン性を向上させることには貢献しないものである。この扉は、単に縦芯材などの扉構成部材の間に薄いパネルが嵌合された外観としか目視されず、意匠性に乏しい。また、金属部材は扉構成部材の嵌合溝の形状に合わせて加工しなければならず、加工手間を要し、コストアップを招くものであった。
近年では扉に多種多様なデザインを与えることが強く要求されてきており、製造や施工において作業性およびコストをも考慮した上で幅広いデザインを与えることを可能にする新規な扉を提供することが求められている。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、デザイン性に富んだ扉を作業性良く且つ低コストで提供することにある。
この課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、2以上の框体がそれらの木口において化粧材を介して突き合わせて接合一体化されて全体として矩形状に形成され、化粧材の木口面が扉表裏面に線状ないし帯状に露出されることを特徴とする。
請求項2に係る本発明は、2以上の框体と該框体より薄く形成された1以上のパネルとを有し、框体同士が突き合わされる木口においては化粧材を介して接合一体化され、パネルに隣接する框体の木口においては該框体の木口に設けられる化粧材を貫通して該框体の木口に入り込むようにパネル嵌合凹溝が形成され、該パネル嵌合凹溝にパネルの木口部分が嵌め込まれることにより、全体として矩形状に形成され、化粧材の木口面が扉表裏面に線状ないし帯状に露出されることを特徴とする。
本発明によれば、框体同士が突き合わせて接合される木口に化粧材が介在し、この化粧材の木口面が扉表裏面に線状ないし帯状に露出して観察されるので、デザイン性に富んだ扉を作業性良く且つ低コストで提供することができる効果がある。框体の木口は全面的に化粧材で覆われるので、加工が粗くても扉としての外観に影響を与えることがなく、美麗に仕上げることができる。
また、薄いパネルを扉の一部に使用する場合は、框体の木口に貼着される化粧材にパネル嵌合凹溝が形成されて、該パネル嵌合凹溝にパネルの木口部分が嵌め込まれてパネルが取り付けられるので、扉の表裏面から見たときに化粧材の木口面が線状ないし帯状に露出して観察されると共に、薄いパネルの木口部分が嵌め込まれている部分においては、該パネル木口部分に沿ったパネル表裏両側の段落ち部で化粧材の表面が観察されることになり、変化に富んだ意匠性を発揮することができる。
本発明の一実施形態による扉の正面図(a)、A−A’断面図(b)およびB−B’断面図(c)である。 本発明の他の実施形態による扉の正面図(a)およびA−A’断面図(b)である。 本発明のさらに他の実施形態による扉の正面図(a)、A−A’断面図(b)およびB−B’断面図(c)である。 図3(a)におけるC−C’断面図(a)およびそのD−D’部分の拡大図(b)である。 本発明のさらに他の実施形態による扉の正面図である。 図5におけるA−A’断面図(a)、B−B’断面図(b)および同B−B’断面図(b)におけるC−C’部分の拡大図(c)である。 本発明の扉に用いられる化粧材の形状例を示す断面図である。
本発明の扉は、2以上の框体がそれらの木口において化粧材を介して突き合わせて接合一体化された構成(第1発明)と、2以上の框体と該框体より薄く形成された1以上のパネルとを有し、框体同士が突き合わされる木口においては化粧材を介して接合一体化され、パネルに隣接する框体の木口においては該木口に設けられる化粧材にパネル嵌合凹溝が形成されて該パネル嵌合凹溝にパネルの木口部分が嵌め込まれた構成(第2発明)の2つの構成を持つ。いずれの場合も、扉の寸法は限定されないが、一般に、高さ300〜2400mm、幅300〜900mm、厚さ15〜35mmで、全体として矩形状に形成される。
框体は、たとえば、高さ100〜2400mm、幅100〜900mmで、厚さは扉と同厚とされる。形状は一般に矩形状であるが、後述する実施形態(図5)のように矩形状の一部(角部)を切り欠いた形状などを有するものであっても良い。框体は、MDF、LVL、合板などの木質材などで芯組みされて形成される芯組材の表裏に、化粧シートや塗装などで化粧が施された木質板を貼着してなるフラッシュ構造のものを用いることができるが、これに限定されるものではなく、無垢材や集成材で形成されたものを用いても良い。
框体は2以上用いられ、パネルが扉の構成要素として用いられない第1発明では、框体の木口同士が突き合わされる部分において化粧材を介して突き合わせて接合一体化される。1以上のパネルが扉の構成要素として用いられる第2発明では、パネルに隣接する木口を除き、框体同士が突き合わされる木口において同様に化粧材を介して接合一体化される。第2発明では、パネルに隣接する框体の木口においては、該化粧材に、パネルの木口部分を嵌め込むためのパネル嵌合凹溝が形成される。
框材の木口に貼着される化粧材は、長尺の帯状部材であり、扉の表裏面に現れる厚さはたとえば0.5〜10mmであり、扉の厚さ方向となる幅は扉の厚さと略同一またはそれより若干大きな寸法でたとえば15〜40mmであり、長さは框体の形状や使用箇所などに応じて任意に設定される。
図7を参照して後述するように、扉の厚さより大きい(たとえば1〜2mm程度)幅寸法を有する化粧材を用いて框材の木口に貼着すると、化粧材を介して框体同士を突き合わせたときに、多少のずれが生じても化粧材によって扉表面に框材の木口が露出することを防止して、美麗に仕上げることができる利点がある。また、化粧材の断面形状は矩形状のほか、コ字形状(図7(c))やI字形状(図7(d))であっても良い。このような断面形状を有する化粧材を用いることで、框体の木口に被さるように取り付けることができ、これによって框体の側面をしっかり被覆するように安定した状態で取り付けることができるだけでなく、扉の表裏面に露出するラインを太く見せることができる効果がある。
化粧材の材質は限定的ではなく、アクリルなどの合成樹脂からなるものや、MDFや合板などの木質材に化粧シートや塗装などで化粧を施したものを用いることができる。その材質に応じて、ホットメルト接着剤、ウレタン系接着剤、ゴム系接着剤などの中から適宜のものを用いて、框体の木口に貼着される。化粧材を框体の木口に貼着する場合、これらを平面同士で接着剤により貼着しても良いが、より安定且つ強固な取付状態を得るために、たとえば化粧材の框体への貼着面側に凸部を設けると共に、框体の化粧材貼着面に凹部を形成して、化粧材の凸部を框体の凹部に嵌入させるようにしても良い。
化粧材は、框材同士が突き合わされる部分の木口(および第2発明の扉にあってはパネルが嵌合される部分の木口)に貼着されるだけでなく、扉の幅方向両木口に全長に亘るように、あるいは扉の四周木口を全周に亘って覆うように貼着されても良い。この場合の化粧材には、0.5mm程度の極薄いものを用いることができる。
前述のように、第2発明では、パネルに隣接する框体の木口において、パネルの木口部分を嵌め込むためのパネル嵌合凹溝が形成される。このパネル嵌合凹溝の寸法は、パネルの寸法などに応じて適宜に設定されるが、パネルをしっかり保持するために、たとえば30〜50mm程度の深さを有することが好ましい。パネル嵌合凹溝は、あらかじめ框体の木口から所要の深さに凹溝を形成した後、その凹溝の両側に化粧材を貼着して該化粧材に挟まれた部分を含めてパネル嵌合凹溝としても良いし、あるいは、化粧材を框体の木口に貼着した後に化粧材の表面(内面)から化粧材の厚さを貫通して該化粧材が貼着される框体木口に入り込む深さを有するように形成しても良い。
なお、パネルは少なくとも2つの框体に囲まれて配置されるので、これらパネルを囲む少なくとも2つの框体のパネル側木口にパネル嵌合凹溝が形成されるが、その少なくとも一方の框体のパネル側木口には化粧材を貫通してパネル嵌合凹溝が形成され、該パネル嵌合凹溝の両縁の框体木口面には化粧材が残されて扉の表裏面から段落ち部として観察される。他方の框体のパネル側木口も同様にして化粧材の貼着による化粧を施しても良いが、化粧シートの貼着や塗装などによる他の手法による化粧を施しても良く、この場合にも扉の表裏面から段落ち部として化粧シートや塗装などによる化粧面が観察される。
第2発明による扉に用いられるパネルは、たとえば高さ50〜2200mm、幅50〜800mmであり、厚さは框体よりも薄くたとえば2〜15mmの板状体である。形状は矩形状に限らず、扉に与えるべきデザインによって任意の形状を有することができる。パネルの材質は特に限定されず、ガラスやアクリルなどの透光板や、MDFや合板などに化粧シートや塗装などで化粧が施されたものや無垢材などの木質系の板状体などを用いることができる。
本発明の扉の製造方法について説明する。第1発明による扉の場合は、扉を構成するために必要な2以上の框体を用意し、これらの框体を扉形状となるように配置したときに、隣り合う框体の木口同士の間に化粧材が介在されるように、該隣り合う框体のいずれか一方の木口面の全長および/または全幅に亘って化粧材を貼着する。前述したように、扉の幅方向両側面となる框体の木口面やさらに扉の上下端面となる框体の木口面にも化粧材を貼着しても良い。化粧材の貼着には前述したようにホットメルト接着剤、ウレタン系接着剤、ゴム系接着剤などの接着剤を用い、必要に応じて化粧材の框体への貼着面側に凸部を設けると共に、框体の化粧材貼着面に凹部を形成して、化粧材の凸部を框体の凹部に嵌入させるなどの手段を併用する。
このようにして所定の木口面にあらかじめ化粧材が貼着された框体および/または木口面に化粧材が貼着されない框体を得た後、これらを接合して全体として矩形状の扉とする。これらの接合方法としては、(1)化粧材が貼着されていない一方の框体の木口面と他方の框体の木口面に貼着されている化粧材表面とのそれぞれ対応する位置にダボ穴を形成し、これらのダボ穴にダボを嵌入させる方法、(2)これら框体木口と化粧材表面とのそれぞれ対応する位置に溝を形成し、これらの溝内に板状体を嵌合させる方法、(3)これら框体木口と化粧材表面とをそれぞれ相じゃくり形状に加工し、これらを互いに嵌合させる方法などを採用して、框体木口面と化粧材表面とを当接させた状態に組立固定する。
なお、以上に述べた製造方法では接合すべき框体の一方にあらかじめ化粧材を貼着してから框材同士を貼着しているが、この方法に限定されるものではなく、たとえば、框体の対応する位置にそれぞれダボ穴を形成しておくと共に、これら框体の間に介在させる化粧材には該ダボ穴に対応する位置に貫通孔を設けておき、框体/化粧材/框体の順に並べて、ダボを化粧材の貫通孔に貫通させると共にその両端を框体のダボ穴に嵌入させることによって、これらを一体に組立固定する方法を採用しても良い。
第2発明による扉の製造は、扉を構成するために必要な2以上の框体と1以上のパネルを用意し、これら框体およびパネルを扉形状となるように配置したときに、隣り合う框体の木口同士の間に化粧材が介在されるように、該隣り合う框体のいずれか一方の木口面の全長および/または全幅に亘って化粧材を貼着する。前述したように、扉の幅方向両側面となる框体の木口面やさらに扉の上下端面となる框体の木口面にも化粧材を貼着しても良い。また、パネルを取り付ける框体の木口面にも化粧材を貼着する。化粧材の貼着には前述したようにホットメルト接着剤、ウレタン系接着剤、ゴム系接着剤などの接着剤を用い、必要に応じて化粧材および框体の一方に設けた突起を他方の突起嵌入溝に嵌入するなどの手段を併用する。
パネルを取り付ける框体の木口面には、化粧材の厚さを貫通して框体木口面に所定深さまで入り込むようにパネル嵌合凹溝を形成する。あらかじめ框体の木口から所要の深さに凹溝を形成した後、その凹溝の両側に化粧材を貼着して該化粧材に挟まれた部分を含めてパネル嵌合凹溝としても良いし、あるいは、化粧材を框体の木口に貼着した後に化粧材の表面(内面)から化粧材の厚さを貫通して該化粧材が貼着される框体木口に入り込む深さを有するように形成しても良い。
このようにして所定の木口面にあらかじめ化粧材が貼着された框体および/または木口面に化粧材が貼着されない框体を得た後、これらを接合すると共に所定の位置において框体にパネルを取り付けて全体として矩形状の扉とする。框体同士の接合方法は第1発明において既述したと同様に行うことができるので、説明を省略する。パネルの取付は、パネル側面木口を、パネルを取り付ける框体側に形成したパネル嵌合凹溝に嵌合させることによって行うが、(1)これらパネル側面木口とパネル嵌合凹溝の溝底とのそれぞれ対応する位置にダボ穴を形成し、これらダボ穴にダボを嵌入させる方法、(2)これらパネル側面木口を相じゃくり形状に加工して、該相じゃくり形状に対応する形状に形成されたパネル嵌合凹溝に嵌合させる方法、(3)高さ方向または幅方向などにおいてパネルの両側に框体が配置される場合において、両側の框体のパネル嵌合凹溝の内部に板バネのような押圧部材を設けてパネルを挟持固定する方法などを採用して、強固な取付状態とすることが好ましい。
なお、以上に述べた製造方法では接合すべき框体の一方にあらかじめ化粧材を貼着してから框材同士を貼着しているが、この方法に限定されるものではなく、たとえば、框体の対応する位置にそれぞれダボ穴を形成しておくと共に、これら框体の間に介在させる化粧材には該ダボ穴に対応する位置に貫通孔を設けておき、框体/化粧材/框体の順に並べて、ダボを化粧材の貫通孔に貫通させると共にその両端を框体のダボ穴に嵌入させることによって、これらを一体に組立固定する方法を採用しても良い。同様にして、パネルの組立固定をも同時に行うようにしても良い。
本発明による扉について、以下に実施例を挙げてより具体的に説明する。
図1は第1発明の一実施例を示す。この実施例による扉10は、3つの正面視矩形状の框体11,12,13を化粧材14,15を介在させて全体として平面視矩形状に接合一体化して構成されている。扉10の全体の寸法は、高さ1992mm、幅698mm、厚さ33mmであり、框体11の寸法は、高さ1992mm、幅347mm、厚さ33mmであり、框体12の寸法は、高さ920mm、幅347mm、厚さ33mmであり、框体13の寸法は、高さ1068mm、幅347mm、厚さ33mmである。すなわち、框体11,12,13はいずれも扉10と同厚であり、框体11は扉10と同じ高さを有し、框体11,12,13はすべて同幅である。
框体11は扉10の全高に亘って縦木口に沿って化粧材14を介して框体12,13の縦木口と接合されており、框体12,13は扉10の略半幅に亘って横木口に沿って化粧材15を介して互いに接合されて、全体として平面視矩形状の扉10を構成している。化粧材14の寸法は、長さが扉10の全高に等しい1992mmであり、幅が扉10の厚さに等しい33mmであり、扉10の表裏面において框体11と框体12,13との間に垂直方向に線状ないし帯状に現れる厚さは4mmである。化粧材15の寸法は、長さが框体12,13の幅に等しい347mmであり、幅が扉10の厚さに等しい33mmであり、扉10の表裏面において框体12,13の間に水平方向に線状および帯状に現れる厚さは4mmである。扉10の表裏から化粧材14,15が線状ないし帯状に観察されることによって、本発明に特有の意匠性を発揮する。
この扉10は、たとえば、(1)3つの框体11,12,13を用意し、(2)框体11の框体12,13と当接する側の縦木口の全長に亘ってホットメルト接着剤により化粧材14を貼着すると共に、框体12の下木口の全幅に亘ってホットメルト接着剤により化粧材15を貼着し、(3)框体11の縦木口に貼着した化粧材14の表面に所定間隔でダボ穴を形成すると共に、該ダボ穴に対応する位置において框体12,13の框体11側の縦木口にもダボ穴を形成し、また、框体12の下木口に貼着した化粧材15の表面に所定間隔でダボ穴を形成すると共に、該ダボ穴に対応する位置において框体13の上木口にもダボ穴を形成し、(4)これらダボ穴にそれぞれダボを嵌入して、框体11と框材12.13の縦木口間に化粧材14が介在されると共に框材13,14の横木口間に化粧材15が介在された状態に組立固定することによって形成される。
この実施例1の扉10について様々なバリエーションを実施可能である。扉を構成する框体の形状および個数は任意であり、たとえば、高さ方向に二分またはそれ以上に分割する複数の平面視矩形状の框体をそれらの間に幅方向に延長する化粧材を介在させて平面視矩形状に組んでも良いし、幅方向に二分またはそれ以上に分割する複数の平面視矩形状の框体をそれらの間に高さ方向に延長する化粧材を介在させて平面視矩形状に組んでも良いし、これらを組み合わせて格子状に組んでも良い。その他様々な配置構成で実施することができる。また、化粧材の寸法や形状も任意である。化粧材は框体同士の接合に介在させるだけでなく、扉の高さ方向または幅方向に延長する対向木口面にも貼着し、あるいは扉の全周木口面にも貼着させることができる。扉の製造方法についても前記に限定されるものではなく、適宜の方法を採用することができる。
図2は第1発明の他実施例を示す。この実施例による扉20は、1つの正面視細長矩形状の框体21と2つの正面視略台角形状の框体22,23を化粧材24,25を介在させて全体として平面視矩形状に接合一体化して構成されている。扉20の全体の寸法は、図1の実施例による扉10と同じく、高さ1992mm、幅698mm、厚さ33mmであり、框体21の寸法は、高さ1992mm、幅255mm、厚さ33mmであり、框体22,23の寸法は同一で、高さ1992mm、幅広側の幅が395mm、幅狭側の幅が40mm,厚さ33mmである。すなわち、框体21,22,23はいずれも扉20と同厚であり、框体21は扉20と同じ高さを有し、框体22,23は同一寸法・同一形状のものを逆向きにしてそれらの斜辺で(化粧材25を介して)接合させることでこれら2つの框体で平面視矩形状を形成している。
框体21は扉20の全高に亘って縦木口に沿って化粧材24を介して框体22の縦木口と接合されており、框体22,23は前記接合斜辺に沿って化粧材25を介して互いに接合されて、全体として平面視矩形状の扉20を構成している。化粧材24の寸法は、長さが扉20の全高に等しい1992mmであり、幅が扉20の厚さに等しい33mmであり、扉20の表裏面において框体21と框体22との間に垂直方向に線状ないし帯状に現れる厚さは4mmである。化粧材25の長さは框体22,23の接合斜辺の長さに略等しい約2012mmであり、幅が扉20の厚さに等しい33mmであり、扉20の表裏面において框体11と框体12,13との間に斜め方向に線状ないし帯状に現れる厚さは4mmである。扉20の表裏から化粧材24,25が線状ないし帯状に観察されることによって、本発明に特有の意匠性を発揮する。
この扉20は、図1の実施例による扉10と同様にして製造することができるので、その説明を省略する。また、この扉20についても、図1の実施例による扉10について既述したと同様に、様々なバリエーションを実施可能であることは言うまでもない。
図3および図4は第2発明の一実施例を示す。この実施例による扉30は、3つの正面視矩形状の框体31,32,33と1つのパネル34を化粧材35,36,37を介在させて全体として平面視矩形状に接合一体化して構成されている。扉30の全体の寸法は、既述実施例による扉10,20と同じく、高さ1992mm、幅698mm、厚さ33mmであり、框体31の寸法は、高さ1992mm、幅347mm、厚さ33mmであり、框体32,33の寸法は同一で、高さ803.5mm、幅347mm、厚さ33mmである。すなわち、框体31,32,33はいずれも扉10と同厚であり、框体31は扉30と同じ高さを有し、框体31,32,33はすべて同幅である。また、框体31および框体32,33の間に化粧材35,36,37を介して嵌め込まれているパネル34の寸法は、高さ447mm、幅382mm、厚さ8mmであるが、その上下側面および框体側の縦側面の木口部分が後述するパネル嵌合凹溝38a,38b,38cに嵌合されるので、扉30に組み込まれた状態において正面視される高さは377mm、幅347mmである。
框体31は扉30の全高に亘って縦木口に沿って化粧材35を介して框体32,33およびパネル34の縦側面木口と接合されており、パネル34と接合される箇所(高さ447mmに亘る領域)にはパネル嵌合凹溝38aが形成されている。また、框体32,33は、框体32の下木口および框体33の上木口に沿ってそれぞれ化粧材36,37を介してパネル34の上下木口と接合されており、これら化粧材36,37には全幅に沿ってパネル嵌合凹溝38b,38cが形成されている。これらパネル嵌合凹溝38a,38b,38cの寸法は、長さはそれぞれの接合木口の長さに応じて異なるが、溝幅(8mm=パネル34の厚さ)および深さ(35mm)は同一である。溝深さ(35mm)は化粧材35,36,37の厚さ(4mm)よりも大きいので、化粧材35,36,37の表面(扉厚方向に見える内側面)から該化粧材の厚さを貫通して框体31,32,33の木口面から内側に入り込むように形成されている(図3(c),図4(a),図4(b)参照)。
化粧材35の寸法は、長さが扉30の全高に等しい1992mmであり、幅が扉30の厚さに等しい33mmであり、扉30の表裏面において框体31と框体32,33との間に垂直方向に線状ないし帯状に現れる厚さは4mmである。化粧材36の寸法は、長さが框体32,33の幅に等しい347mmであり、幅が扉30の厚さに等しい33mmであり、扉30の表裏面において框体32,33とパネル34の間にそれぞれ水平方向に線状および帯状に現れる厚さは4mmである。扉30の表裏から化粧材35,36,37が線状ないし帯状に観察されることによって、本発明に特有の意匠性を発揮する。また、框体31,32,33よりも薄いパネル34が嵌め込まれているため、框体とパネルとが接合される段落ち部分においては化粧材36,37,38の表面39(図4(b))が扉30の表裏から目視されることになり、框体の木口面を露見させることなく美麗な仕上がりを得ることができる。
この扉30は、たとえば、(1)3つの框体31,32,33およびパネル34を用意し、(2)框体31の框体32,33およびパネル34と当接する側の縦木口の全長に亘ってホットメルト接着剤により化粧材35を貼着すると共に、框体32の下木口および框体33の上木口の各々全幅に亘ってホットメルト接着剤により化粧材36,37を貼着し、(3)框体31の縦木口に貼着した化粧材35のうちのパネル34接合領域と、框体32の下木口および框体33の上木口に貼着した化粧材36,37のそれぞれ全長に亘って、厚さ方向中央に前記寸法のパネル嵌合凹溝38a,38b,38cを形成し、(4)パネル嵌合凹溝が形成されずに框体同士が化粧材を介して接合される領域、すなわち框体31に貼着した化粧材35が框体32,33と接合される領域において該化粧材35にダボ穴を形成すると共に、該ダボ穴に対応する位置において框体32,33の框体31側の縦木口にもダボ穴を形成し、また、パネル嵌合凹溝38a,38b,38cの各溝底面にもダボ穴を形成すると共に、該ダボ穴に対応する位置においてパネル34の対応する木口面にもダボ穴を形成し、(4)これらダボ穴にそれぞれダボを嵌入して、框体31,32.33およびパネル34の木口間に化粧材35,36,37が介在された状態に組立固定することによって形成される。
この実施例による扉40についても、図1の実施例による扉10について既述したと同様に、様々なバリエーションを実施可能であることは言うまでもない。框体についての形状や配置・個数を適宜に変更して実施することができるだけでなく、パネルについても様々な形状や配置・個数で扉に組み込むことができ、様々なデザインニーズに対応させることができる。
図5および図6は第2発明の他実施例を示す。この実施例による扉40は、正面視細長矩形状の框体41と、この框体41と同一寸法・同一形状の框体の片側上下角部を三角形状に切除して得たもう一つの框体42と、框体42の切除部に組み込まれる2つの同一形状・同一寸法の三角形状パネル43a,43bとを用い、これらを扉40の幅方向中央で化粧材44を介在させて全体として平面視矩形状に接合一体化して構成されている。扉40の全体の寸法は、既述実施例による扉10,20,30と同じく、高さ1992mm、幅698mm、厚さ33mmであり、框体41の寸法は、高さ1992mm、幅348.5mm、厚さ33mmであり、框体42は框体41と同一寸法・同一形状の框体の片側上下角部を寸断面42a,42bにて高さ・幅共に200mmずつ三角形状に切除した形状・寸法である。パネル43a,43bはいずれも正面視にて272mmの長さの直交2辺を有する直角二等辺三角形状を有し、厚さは8mmである。このようなパネル43a,43bは、一辺が272mmで厚さ8mmの正方形板を対角線で切断することによって容易に得られる。パネル43a,43bは、框体41側の縦木口部分が後述するパネル嵌合凹溝45aに嵌合されるので、扉40に組み込まれた状態において正面視される寸法(高さおよび幅)は上記直交辺の長さ(272mm)よりも小さくなる。
框体41は扉40の全高に亘って縦木口に沿って化粧材44を介して框体42およびパネル43a,43bと接合されており、パネル43a,43bと接合される上下端の領域にはパネル嵌合凹溝45aが形成されている。化粧材44の寸法は、長さが扉40の全高に等しい1992mmであり、幅が扉40の厚さに等しい33mmであり、扉40の表裏面において幅方向中央に垂直方向に線状ないし帯状に現れる厚さは1mmである。なお、図示されないが、框体42の寸断面42a,42bには化粧シートが貼着されている。この化粧シートは、框体41,42の表裏に貼着される化粧シートと同様のものであって良い。
前述のように、框体41のパネル43a,43bと接合される上下端領域にパネル嵌合凹溝45aが形成されると共に、框体42の寸断面42a,42bにも同様にパネル嵌合凹溝45bが形成され、これらパネル嵌合凹溝45a,45bにパネル43a,43bの直交辺のうちの一辺および斜辺に相当する木口部分を嵌合することによって、パネル43a,43bが取り付けられている。パネル嵌合凹溝45a,45bの寸法は、長さはそれぞれの接合木口の長さに応じて異なるが、溝幅(8mm=パネル43a,43bの厚さ)は同一であり、溝深さ(33mm)も同一である。パネル嵌合凹溝43aは化粧材44の厚さ(1mm)より大きい溝深さを有するので、化粧材44の表面(扉厚方向に見える内側面)から該化粧材の厚さを貫通して框体41の縦木口面から内側に入り込むように形成されている(図6(b),図6(c)参照)。パネル嵌合凹溝45bについても同様であり、框体42の寸断面42a,42bに貼着される化粧シートの厚さよりも当然に大きい溝深さを有するので、該化粧シートを貫通して寸断面42a,42bから框体42の内部に入り込む深さを有している(図6(b),図6(c)参照)。
この扉40にあっても、表裏から化粧材44が幅1mmの線状に観察されることによって、本発明に特有の意匠性を発揮する。また、扉40の幅方向略中間の上下部分に框体41と框体42の寸断面42a,42bとの間に囲まれた状態で框体41,42よりも薄い三角形状のパネル43a,43bが嵌め込まれているため、框体41と接合される段落ち部分においては化粧材44の表面46が、框体42の寸断面42a,42bと接合される段落ち部分においては該寸断面に貼着された化粧シートの表面47が、それぞれ扉40の表裏から目視されることになり、框体の木口面を露見させることなく美麗な仕上がりを得ることができる。さらに、このようにパネル43a,43bが接合される框体41,42の木口面の処理方法が異なることによる意匠的効果を発揮させることができる。
この扉40は、図3および図4の実施例による扉30と同様にして製造することができるので、その説明を省略する。また、この扉40についても、図1の実施例による扉10について既述したと同様に、様々なバリエーションを実施可能であることは言うまでもない。たとえば、パネル43a,43bを嵌め込むための木口面の処理についてのバリエーションとして、框体41の縦木口に沿って貼着した化粧材44と同様の化粧材を框体42の寸断面42a,42bにも貼着して同様のパネル嵌合凹溝45bを形成しても良いし、上述の実施例とは逆にして框体42の寸断面42a,42bに化粧材44と同様の化粧材を貼着して框体41の縦木口には化粧シートを貼着しても良い。また、上述の実施例では、框体41,42の表裏に貼着された化粧シートと同様の化粧シートを框体42の寸断面42a,42bに貼着して意匠的な統一性を図っているが、框体41,42の表裏に貼着された化粧シートとは異なる柄や色を有する化粧シートを框体42の寸断面42a,42bに貼着したり、異なる柄や色の塗装を該寸断面に施すことで、扉表裏面の化粧とは異なる化粧性を該寸断面の露出面に与えて変化に富んだデザインを与えるようにしても良い。
また、正面視において図5に示されるような意匠性を与えようとする場合であっても、框体42の片側上下角部の切断形状に合わせた正面視三角形状のパネル43a,43bを用意することに代えて、框体42の寸断面42a,42bから三角形状に入り込むように形成したパネル嵌合凹溝に矩形状のパネルを嵌合して、扉の表裏に露出する部分が三角形状となるようにしても良い。
既述した実施例では、いずれも框体同士あるいは框材とパネルとの間に介在する化粧材の幅を框体と同厚にして用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図7に示すように様々な形状および寸法の化粧材を用いることができる。図7(a)は既述実施例と同様に框体A1,A2の間にこれらと同厚の化粧材B1を介在させて接合した例であり、その両端面が扉の表裏面と略面一になって露出し、その厚さ分に相当する線状ないし帯状として扉の表裏に現出する。
図7(b)は、框体A1,A2の厚さより大きい幅寸法の化粧材B2を介在させて接合した例であり、その両端面が扉の表裏面から突出している。この場合にも同様に、化粧材B2の厚さ分に相当する線状ないし帯状として扉の表裏に現出すると共に、突出した化粧材B2が扉の表裏面に凹凸感を与えて斬新な意匠性を発揮する。また、このようにすると、框体A1,A2同士を接合する際に接合部に若干のずれが生じた場合であっても框体の木口面が露出することを防止できる効果がある。
図7(c)は、框体A1,A2の厚さより大きい幅寸法を有すると共に断面コ字形に形成された化粧材B3を用い、この化粧材B3の両端部を扉の表裏面から突出させると共にコ字形断面の両端が框体A1,A2のいずれか一方の木口面から表裏面に回り込んで覆うように配置した例である。この場合にも、化粧材B2を用いた場合と同様に、扉の表裏面に凹凸感を与えて斬新な意匠性を発揮し、また、框体A1,A2同士を接合する際に接合部に若干のずれが生じた場合であっても框体の木口面が露出することを防止できる効果がある。加えて、框体の木口面の処理が粗い場合であっても化粧材B3によって覆い隠すことができるので、美麗な仕上がり状態が得られる効果がある。さらに、断面コ字形とすることによって、扉の表裏に線状ないし帯状として現出する幅が化粧材B3本体の厚さよりも大きく(幅広に)なるので、見掛け上の露出幅を大きくできる意匠的効果が得られる。
図7(d)は、框体A1,A2の厚さより大きい幅寸法を有すると共に断面I字形に形成された化粧材B4を用い、この化粧材B4の両端部を扉の表裏面から突出させると共にI字形断面の両端が框体A1およびA2の木口面から表裏面に回り込んで覆うように配置した例である。この場合にも、化粧材B3を用いた場合と同様の効果が得られると共に、さらに、框体A1,A2を接合する際の位置決めが容易になって位置ずれを生じさせにくくする効果も得られる。
化粧材については、上記各例における効果に鑑みて、また要求されるデザインに応じて、適宜のものを選択して使用することができる。一つの扉において、接合箇所によって異なる形状の化粧材を使用しても良い。また、図7に例示した以外の形状を有する化粧材を使用しても良い。
10 扉
11,12,13 框体
14,15 化粧材
20 扉
21,22,23 框体
24,25 化粧材
30 扉
31,32,33 框体
34 パネル
35,36,37 化粧材
38a,38b,38c パネル嵌合凹溝
40 扉
41,42 框体
42a,42b 寸断面
43a,43b パネル
44 化粧材
45a,45b パネル嵌合凹溝
46 化粧材表面
47 化粧シート表面
A1,A2 框体
B1,B2,B3,B4 化粧材

Claims (2)

  1. 2以上の框体がそれらの木口において化粧材を介して突き合わせて接合一体化されて全体として矩形状に形成され、化粧材の木口面が扉表裏面に線状ないし帯状に露出されることを特徴とする扉。
  2. 2以上の框体と該框体より薄く形成された1以上のパネルとを有し、框体同士が突き合わされる木口においては化粧材を介して接合一体化され、パネルに隣接する框体の木口においては該框体の木口に設けられる化粧材を貫通して該框体の木口に入り込むようにパネル嵌合凹溝が形成され、該パネル嵌合凹溝にパネルの木口部分が嵌め込まれることにより、全体として矩形状に形成され、化粧材の木口面が扉表裏面に線状ないし帯状に露出されることを特徴とする扉。
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