JP2011011518A - インクジェット記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット記録時におけるコックリングの発生が抑制されたインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】原紙と、前記原紙の少なくとも一方の面上に設けられたインク受容層と、前記原紙と前記インク受容層との間に設けられ、白色顔料、接着剤、及び顔料として平均細孔径が0.8nm〜20nmである六方構造の細孔を有し、体積平均粒子径が50nm〜100μmである多孔質シリカを含有するインク溶媒吸収層とを有している。
【選択図】なし
【解決手段】原紙と、前記原紙の少なくとも一方の面上に設けられたインク受容層と、前記原紙と前記インク受容層との間に設けられ、白色顔料、接着剤、及び顔料として平均細孔径が0.8nm〜20nmである六方構造の細孔を有し、体積平均粒子径が50nm〜100μmである多孔質シリカを含有するインク溶媒吸収層とを有している。
【選択図】なし
Description
本発明は、インクをインクジェット法で吐出して記録するのに好適なインクジェット記録媒体に関する。
カラー画像を記録する画像記録方法としては、近年、様々な方法が提案されているが、いずれにおいても画像の品質、風合い、記録後のカールなど、記録物の品位に対する要求は高い。
例えばインクジェット法を利用した記録方法としては、インクを受容する記録層が多孔質構造に構成されたインクジェット記録媒体を用いた方法が実用化されている。その一例として、無機顔料粒子及び水溶性バインダーを含み、高い空隙率を有する記録層が耐水性の支持体上に設けられたインクジェット記録媒体があり、多孔質構造を有するためにインクの速乾性に優れ、高い光沢を有する等、写真ライクな画像の記録が可能になってきている。
このようなインクジェット記録媒体に用いられる耐水性の支持体としては、原紙上に樹脂層等の耐水層を設けた支持体等が用いられる。
このようなインクジェット記録媒体に用いられる耐水性の支持体としては、原紙上に樹脂層等の耐水層を設けた支持体等が用いられる。
インクジェット記録方法は、オフィスプリンター、ホームプリンター等の分野での適用のみならず、近年では、商業印刷分野での応用がなされつつある。この商業印刷分野では、インク溶媒の支持体への浸透を完全に遮断する写真のような表面を有するものではなく、汎用の印刷紙のような印刷の風合い、質感を有するインクジェット記録媒体が要求されている。ところが、記録媒体を構成しているインク受容層が20〜30μmと厚くなると、記録媒体の表面光沢、質感等が制限されてしまうため、商業印刷分野でのインクジェット技術の適用は、記録媒体に対する表面光沢、質感等の制限が許容されるポスター、帳票印刷等に留まっている。
例えば、画像を高速に又は一度に多数枚を印画したり、あるいは両面に画像を記録する等の商業用プリントなどの用途に対する要求がある。このような用途では、インクを打滴して画像記録するにあたり、画像をより高速に記録できるだけでなく、記録材料としての品質上、記録画像の光沢性や画像の精細さ等の品質が安定していることが求められる。ところが、高品質化ないし高性能化が進む状況では、両面記録、あるいは多数枚処理や高速処理等などを行なう場合において、湿度環境や記録後の乾燥状態が画像品質に与える影響を無視できない傾向にある。
また、上記のような記録媒体は、樹脂層で被覆されていることから、古紙回収が難しく、上記制限の一因となっている。
また、上記のような記録媒体は、樹脂層で被覆されていることから、古紙回収が難しく、上記制限の一因となっている。
上記に関連して、例えば、填料として水和ケイ酸塩を含有する原紙に多孔性顔料と接着剤を含有するインク受容性塗工層が設けられたインクジェット記録用紙が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、水分を吸着する材料として、六方構造の細孔を有する多孔質シリカが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記従来のインクジェット記録用紙では、記録時にインク溶媒が支持体に浸透してコックリングが発生する場合があった。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、インクジェット記録時におけるコックリングの発生が抑制されたインクジェット記録媒体を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 原紙と、前記原紙の少なくとも一方の面上に設けられたインク受容層と、前記原紙と前記インク受容層との間に設けられ、白色顔料、接着剤、及び顔料として平均細孔径が0.8nm〜20nmである六方構造の細孔を有し、体積平均粒子径が50nm〜100μmである多孔質シリカを含有するインク溶媒吸収層とを有するインクジェット記録媒体である。
<2> 前記多孔質シリカは、比表面積が400m2/g〜2000m2/gであることを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録媒体である。
<3> 前記多孔質シリカは、細孔容積が0.1cm3/g〜3.0cm3/gであることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載のインクジェット記録媒体である。
<4> 前記多孔質シリカは、CuKα線によるX線回折スペクトルにおいて、2.0nmより大きいd値に対応する回折角度を示す第1のピークを1以上有し、1.0nmより小さいd値に対応する回折角度を示す第2のピークのピーク強度が、前記第1のピークのうち最大強度を示すピークのピーク強度に対して200%以下の相対強度であるか、又は前記第2のピークを有しないことを特徴とする前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<5> 前記多孔質シリカは、クロロフィル吸着試験によるクロロフィル吸着量が、前記多孔質シリカ100mgに対して5mg以上であることを特徴とする前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<1> 原紙と、前記原紙の少なくとも一方の面上に設けられたインク受容層と、前記原紙と前記インク受容層との間に設けられ、白色顔料、接着剤、及び顔料として平均細孔径が0.8nm〜20nmである六方構造の細孔を有し、体積平均粒子径が50nm〜100μmである多孔質シリカを含有するインク溶媒吸収層とを有するインクジェット記録媒体である。
<2> 前記多孔質シリカは、比表面積が400m2/g〜2000m2/gであることを特徴とする前記<1>に記載のインクジェット記録媒体である。
<3> 前記多孔質シリカは、細孔容積が0.1cm3/g〜3.0cm3/gであることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載のインクジェット記録媒体である。
<4> 前記多孔質シリカは、CuKα線によるX線回折スペクトルにおいて、2.0nmより大きいd値に対応する回折角度を示す第1のピークを1以上有し、1.0nmより小さいd値に対応する回折角度を示す第2のピークのピーク強度が、前記第1のピークのうち最大強度を示すピークのピーク強度に対して200%以下の相対強度であるか、又は前記第2のピークを有しないことを特徴とする前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<5> 前記多孔質シリカは、クロロフィル吸着試験によるクロロフィル吸着量が、前記多孔質シリカ100mgに対して5mg以上であることを特徴とする前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<6> 前記多孔質シリカは、一次粒子の平均粒子径が30nm〜500nmであることを特徴とする前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<7> 前記多孔質シリカのインク溶媒吸収層中における含有量が、インク溶媒吸収層の全質量に対して5〜60質量%であることを特徴とする前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<8> 前記多孔質シリカ(x)と前記白色顔料(y)との質量比(x:y)が1:10〜2:1であることを特徴とする前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<9> 前記インク受容層は、無機微粒子及び接着剤を含有することを特徴とする前記<1>〜前記<8>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<10> 前記無機微粒子がシリカであることを特徴とする前記<9>に記載のインクジェット記録媒体である。
<11> 前記インク受容層は、光沢発現層をさらに有することを特徴とする前記<1>〜前記<10>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<7> 前記多孔質シリカのインク溶媒吸収層中における含有量が、インク溶媒吸収層の全質量に対して5〜60質量%であることを特徴とする前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<8> 前記多孔質シリカ(x)と前記白色顔料(y)との質量比(x:y)が1:10〜2:1であることを特徴とする前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<9> 前記インク受容層は、無機微粒子及び接着剤を含有することを特徴とする前記<1>〜前記<8>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
<10> 前記無機微粒子がシリカであることを特徴とする前記<9>に記載のインクジェット記録媒体である。
<11> 前記インク受容層は、光沢発現層をさらに有することを特徴とする前記<1>〜前記<10>のいずれか1つに記載のインクジェット記録媒体である。
本発明によれば、インクジェット記録時におけるコックリングの発生が抑制されたインクジェット記録媒体を提供することができる。
本発明のインクジェット記録媒体は、原紙と、原紙の少なくとも一方の面上に設けられたインク受容層と、原紙とインク受容層との間に設けられ、白色顔料、接着剤、及び顔料として平均細孔径が0.8nm〜20nmである六方構造の細孔を有し、平均粒子径が50nm〜100μmである多孔質シリカを含有するインク溶媒吸収層とを設けて構成されたものである。
本発明においては、構造上原紙とインク受容層との間に更にインク溶媒を吸収するインク溶媒吸収層が配置されており、このインク溶媒吸収層が、白色顔料とは別に特定構造の多孔質シリカを顔料として含有することで、インクジェットインクの溶媒が多孔質シリカに吸着・保持され、インクジェット記録時における原紙の変形(例えばコックリング、カール等)が発生するのを効果的に抑制することができる。また、インクの吸収容量、吸収速度が高まり、高速記録性が付与されると共に、原紙の表面を覆って平坦性が与えられることで光沢が向上し、記録媒体全体の紙腰(こわさ)も得られ、滲みの発生が抑制された高画質の画像を記録することができる。
−インク溶媒吸収層−
本発明のインクジェット記録媒体は、原紙の少なくとも一方の面において、後述する原紙とインク受容層との間にインク溶媒吸収層(以下、単に「溶媒吸収層」ともいう。)を有し、この溶媒吸収層は、白色顔料、接着剤、及び顔料として平均細孔径が0.8nm〜20nmである六方構造の細孔を有し、平均粒子径が50nm〜100μmである多孔質シリカを含有する。
本発明のインクジェット記録媒体は、原紙の少なくとも一方の面において、後述する原紙とインク受容層との間にインク溶媒吸収層(以下、単に「溶媒吸収層」ともいう。)を有し、この溶媒吸収層は、白色顔料、接着剤、及び顔料として平均細孔径が0.8nm〜20nmである六方構造の細孔を有し、平均粒子径が50nm〜100μmである多孔質シリカを含有する。
後述のインク定着層は、主にインクジェットインク成分中の着色剤、すなわち染料又は顔料等を定着させる層であるのに対し、この溶媒吸収層は、主にインクジェットインク成分中の溶媒を速やかに吸収する層として機能する。そのため、インク受容層の原紙側に下層として溶媒吸収層が設けられ、後述するような特定の多孔質シリカを含むことで、インクジェット記録の際に付与されたインクジェットインク中のインク溶媒の少なくとも一部を、多孔質シリカが吸着・保持することでインク溶媒に由来するコックリングやカール等のインクジェット記録媒体の変形を効果的に抑制することができる。また、記録時の湿度環境に影響され難く、高速記録や多数枚処理で高画質な画像記録が可能であり、平坦性が与えられることで光沢も高められる。
なお、インク溶剤吸収層とインク受容層との区別は必ずしも明確ではなく、インク量が少ない場合、着色剤はインク受容層のみに定着されることが考えられ、インク量が多くなると、着色剤の一部は溶媒吸収層に定着される。さらに、不透明度を上げる目的で、溶媒吸収層を設けることができる。
前記多孔質シリカは、溶媒吸収層中の含有率として、溶媒吸収層全質量に対して5〜60質量%の範囲で含有されていることが好ましく、10〜40質量%の範囲で含有されていることがより好ましい。多孔質シリカの含有率を前記範囲とすることで、より効果的にインクジェット記録媒体の変形を抑制することができ、取り扱い性に優れた紙腰(さばき性)と高画質を達成することができる。
前記多孔質シリカ(x)と併用する後述の白色顔料(y)との質量比(x:y)としては、1:10〜2:1であることが好ましい。比率x:yは、白色顔料に対する多孔質シリカの割合が1:10以上であると、多孔質シリカによるコックリングの防止効果が大きく、該割合が2:1以下であると、画質、コストの点で有利である。
さらに、本発明における溶媒吸収層は、平均細孔径が0.8〜10nmの六方構造の細孔を有し、平均粒子径が50nm〜50μmである多孔質シリカを5〜60質量%の範囲で含むことが好ましく、平均細孔径が0.8〜5nmの六方構造の細孔を有し、平均粒子径が50nm〜30μmである多孔質シリカを5〜60質量%の範囲で含むことがより好ましい。
また更に、本発明における溶媒吸収層は、平均細孔径が0.8〜10nmの六方構造の細孔を有し、比表面積が600〜2000m2/gで、細孔容積が0.2〜3.0cm3/gで、平均粒子径が50nm〜50μmである多孔質シリカを、多孔質シリカ(x)と前記白色顔料(y)との質量比x:yが1:10〜2:1である範囲で含むことが好ましく、平均細孔径が0.8〜5nmの六方構造の細孔を有し、比表面積が900〜1200m2/gで、細孔容積が0.5〜2.0cm3/gで、平均粒子径が50nm〜30μmである多孔質シリカ、多孔質シリカ(x)と前記白色顔料(y)との質量比x:yが1:10〜2:1である範囲で含むことがより好ましい。
また更に、本発明における溶媒吸収層は、平均細孔径が0.8〜10nmの六方構造の細孔を有し、比表面積が600〜2000m2/gで、細孔容積が0.2〜3.0cm3/gで、平均粒子径が50nm〜50μmである多孔質シリカを、多孔質シリカ(x)と前記白色顔料(y)との質量比x:yが1:10〜2:1である範囲で含むことが好ましく、平均細孔径が0.8〜5nmの六方構造の細孔を有し、比表面積が900〜1200m2/gで、細孔容積が0.5〜2.0cm3/gで、平均粒子径が50nm〜30μmである多孔質シリカ、多孔質シリカ(x)と前記白色顔料(y)との質量比x:yが1:10〜2:1である範囲で含むことがより好ましい。
(多孔質シリカ)
本発明における溶媒吸収層は、平均細孔径が0.8nm〜20nmである六方構造の細孔を有し、平均粒子径が50nm〜100μmである多孔質シリカ(以下、「特定多孔質シリカ」ということがある。)を顔料として含有する。
尚、多孔質シリカとは、多孔質構造を持つケイ素酸化物を主成分とする物質をいう。
本発明における溶媒吸収層は、平均細孔径が0.8nm〜20nmである六方構造の細孔を有し、平均粒子径が50nm〜100μmである多孔質シリカ(以下、「特定多孔質シリカ」ということがある。)を顔料として含有する。
尚、多孔質シリカとは、多孔質構造を持つケイ素酸化物を主成分とする物質をいう。
前記多孔質シリカの細孔は、六方構造を形成している。すなわち、前記多孔質シリカにおいては、X線回折パターンがヘキサゴナル型(好ましくは、2d−ヘキサゴナル型)を示すか、透過型電子顕微鏡で細孔の形状を直接観察した際に、六方構造が観察できるものである。
尚、X線回折パターンは、例えば、全自動X線回折装置(RINT ULTIMA II、(株)リガク製)を用い、CuKα線を線源として常法により測定される。また、透過型電子顕微鏡としては、例えば、JEM−200CX(日本電子(株)製)を用いられる。
尚、X線回折パターンは、例えば、全自動X線回折装置(RINT ULTIMA II、(株)リガク製)を用い、CuKα線を線源として常法により測定される。また、透過型電子顕微鏡としては、例えば、JEM−200CX(日本電子(株)製)を用いられる。
前記多孔質シリカの細孔の平均細孔径は、0.8nm〜20nmであるが、0.8nm〜10nmであることが好ましく、0.8nm〜5nmであることがより好ましい。平均細孔径が0.8nm未満であると、製造適性が悪いほか、インク受容層中の孔サイズが小さくなり過ぎる。また、インク中の溶媒吸着性が低下し、インク滲みが発生しやすくなる。また、平均細孔径が20nmを超えると、表面の粗れが目立って光沢性が低下する。
また、細孔径分布については、特に制限はないが、インク溶媒吸着性の観点から、細孔径分布が狭い分布を示すことが好ましく、細孔の60%以上が細孔径分布曲線における最大分布を示す細孔径の±40%の範囲内に包含される細孔径を有していることがより好ましい。
また、細孔径分布については、特に制限はないが、インク溶媒吸着性の観点から、細孔径分布が狭い分布を示すことが好ましく、細孔の60%以上が細孔径分布曲線における最大分布を示す細孔径の±40%の範囲内に包含される細孔径を有していることがより好ましい。
前記多孔質シリカの比表面積については、特に制限はないが、インク溶媒吸着性の観点から、400m2/g〜2000m2/gであることが好ましく、600m2/g〜2000m2/gであることがより好ましく、800m2/g〜2000m2/gであることがより好ましく、900m2/g〜2000m2/gであることがさらに好ましい。
前記多孔質シリカの細孔容積については、特に制限はないが、インク溶媒吸着性の観点から、0.1cm3/g〜3.0cm3/gであることが好ましく、0.2cm3/g〜3.0cm3/gであることがより好ましく、0.5cm3/g〜3.0cm3/gであることがさらに好ましい。
本発明における多孔質シリカの平均細孔径、比表面積及び細孔容積は通常用いられる方法で得ることができる。例えば、平均細孔径、比表面積及び細孔容積は、窒素吸着等温線から算出することができる。具体的には、平均細孔径は、BJH法、BET法、t法、DFT法などにより算出することができるが、本発明においてはBJH法で算出した平均細孔径である。また比表面積は、BET法、t法、α法などにより算出することができるが、本発明においてはBET法で算出した比表面積である。さらに細孔容積は、BJH法、BET法、t法などにより算出することができるが、本発明においてはBJH法で算出した細孔容積である。
前記多孔質シリカの体積平均粒子径は、50nm〜100μmであるが、50nm〜50μmであることが好ましく、50nm〜30μmであることがより好ましく、100nm〜5μmであることが好ましい。体積平均粒子径が50nm未満であると、上記のような平均細孔径の粒子が得られにくい。また、インク中の溶媒吸着性が低下してインク滲みが発生しやすくなる。体積平均粒子径が100μmを超えると、表面の粗れが目立って光沢性が低下する。
尚、ここでいう「平均粒子径」は、多孔質シリカの2次粒子の体積平均粒子径であり、レーザー法又は動的光散乱法により通常用いられる方法で測定される。具体的には、サンプル100mgを10mlのイオン交換に添加して、超音波発生装置(UD−200、(株)トミー精工製)にて20KHz、200W、4.4watt/cm3で分散させる。得られた分散液の粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により測定し、測定される体積基準の平均径として平均粒子径が測定される。
尚、ここでいう「平均粒子径」は、多孔質シリカの2次粒子の体積平均粒子径であり、レーザー法又は動的光散乱法により通常用いられる方法で測定される。具体的には、サンプル100mgを10mlのイオン交換に添加して、超音波発生装置(UD−200、(株)トミー精工製)にて20KHz、200W、4.4watt/cm3で分散させる。得られた分散液の粒度分布をレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により測定し、測定される体積基準の平均径として平均粒子径が測定される。
さらに、前記多孔質シリカの一次粒子の平均粒子径は、インク溶媒吸着性、紙腰及び画質の観点から、30nm〜500nmであることが好ましく、30nm〜200nmであることがより好ましく、30nm〜100nmであることがより好ましく、30nm〜50nmであることがさらに好ましい。尚、一次粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて、100個の一次粒子の粒子径を測定し、その算術平均を算出することで測定される。
本発明における多孔質シリカは、CuKα線によるX線回折スペクトルにおいて、2.0nmよりも大きいd値に対応する回折角度を示す第1のピークが1以上有し、1.0nmより小さいd値に対応する回折角度を示す第2のピークのピーク強度が、前記第1のピークのうち最大強度を示すピークのピーク強度に対して200%以下の相対強度であるか、又は第2のピークを有しないことが好ましい。このような規則性の高い構造を有していることにより、インク溶媒の吸着・保持性がより良好になる。
本発明において前記第1のピークは、2.0nm〜20.0nmのd値に対応する回折角度を示すことが好ましく、2.0nm〜5.0nmのd値に対応する回折角度を示すことがより好ましく、3.0nm〜5.0nmのd値に対応する回折角度を示すことがさらに好ましい。
また、前記第2のピークが存在する場合、そのピーク強度は、第1のピークが示す最大強度の100%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、30%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。
尚、X線回折スペクトル及びd値は、全自動X線回折装置(RINT ULTIMA II、(株)リガク製)を用いて、常法により測定される。
本発明において前記第1のピークは、2.0nm〜20.0nmのd値に対応する回折角度を示すことが好ましく、2.0nm〜5.0nmのd値に対応する回折角度を示すことがより好ましく、3.0nm〜5.0nmのd値に対応する回折角度を示すことがさらに好ましい。
また、前記第2のピークが存在する場合、そのピーク強度は、第1のピークが示す最大強度の100%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、30%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。
尚、X線回折スペクトル及びd値は、全自動X線回折装置(RINT ULTIMA II、(株)リガク製)を用いて、常法により測定される。
さらに、本発明における多孔質シリカは、後述するクロロフィル吸着試験において、クロロフィルの吸着量が多孔質シリカ100mgあたり、5mg以上であることが好ましく、5mg〜100mgであることがより好ましく、10mg〜100mgであることがより好ましく、15mg〜100mgであることがより好ましく、20mg〜100mgであることがさらに好ましい。クロロフィル吸着量が前記範囲であることで、インク溶媒の吸着性がより向上する。
クロロフィル吸着試験は、以下の手順で行なう。多孔質シリカ1gを0.1質量%水酸化ナトリウムのエタノール溶液100mlに加えて、室温で5分間攪拌する。多孔質シリカを取り出し、エタノールで洗浄後、乾燥してアルカリ処理多孔質シリカを得る。得られたアルカリ処理多孔質シリカ100mgを、クロロフィルaのベンゼン溶液2ml(クロロフィル濃度:20mM)に添加し、25℃で30分間振とうする。7000rpmで20分間、遠心分離を行い、上清を得る。上清中のクロロフィルaの濃度を分光光度計(U−20000、日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定し、その測定値から多孔質シリカに吸着したクロロフィルaの吸着量を算出する。
本発明における多孔質シリカの製造方法については、上記特徴を有する多孔質シリカが得られる限り、特に制限はない。例えば、無機原料を有機原料と混合し、反応させることにより、有機物を鋳型としてその周りに無機物の骨格が形成された有機物と無機物の複合体を形成させた後、得られた複合体から、有機物を除去する方法が挙げられる。
具体的には、例えば、WO05/075068号、特開2008−137859号公報等に記載の製造方法を好ましく用いることができる。
具体的には、例えば、WO05/075068号、特開2008−137859号公報等に記載の製造方法を好ましく用いることができる。
本発明における無機原料としては、ケイ素を含有する化合物であれば特に制限はない。
ケイ素を含有する化合物としては、例えば、層状ケイ酸塩、非層状ケイ酸塩などのケイ酸塩を含む化合物及びケイ酸塩以外のケイ素を含有する化合物を挙げることができる。
層状ケイ酸塩としては、カネマイト(NaHSi2O5・xH2O)、ジケイ酸ナトリウム結晶(Na2Si2O5)、マカタイト(NaHSi4O9)、アイラアイト(NaHSi8O17・xH2O)、マガディアイト(Na2HSi14O29・xH2O)、ケニアアイト(Na2HSi20O41・xH2O)などが挙げられる。また、非層状ケイ酸塩としては、水ガラス(ケイ酸ソーダ)、ガラス、無定形ケイ酸ナトリウム、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメチルアンモニウム(TMA)シリケート、テトラエチルオルトシリケートなどのシリコンアルコキシドなどが挙げられる。さらに、ケイ酸塩以外のケイ素を含有する化合物としては、シリカ、シリカ酸化物、シリカ−金属複合酸化物などが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
ケイ素を含有する化合物としては、例えば、層状ケイ酸塩、非層状ケイ酸塩などのケイ酸塩を含む化合物及びケイ酸塩以外のケイ素を含有する化合物を挙げることができる。
層状ケイ酸塩としては、カネマイト(NaHSi2O5・xH2O)、ジケイ酸ナトリウム結晶(Na2Si2O5)、マカタイト(NaHSi4O9)、アイラアイト(NaHSi8O17・xH2O)、マガディアイト(Na2HSi14O29・xH2O)、ケニアアイト(Na2HSi20O41・xH2O)などが挙げられる。また、非層状ケイ酸塩としては、水ガラス(ケイ酸ソーダ)、ガラス、無定形ケイ酸ナトリウム、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメチルアンモニウム(TMA)シリケート、テトラエチルオルトシリケートなどのシリコンアルコキシドなどが挙げられる。さらに、ケイ酸塩以外のケイ素を含有する化合物としては、シリカ、シリカ酸化物、シリカ−金属複合酸化物などが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
前記有機原料としては、界面活性剤を挙げることができる。前記界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤のいずれであってもよい。また、界面活性剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
前記カチオン性界面活性剤としては、第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、及び第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。これらの中でも、第4級アンモニウム塩が好ましい。本発明における多孔質シリカの製造において、製造条件が酸性域の場合には、第1級〜第3級アミン塩及び第4級アンモニウム塩を好ましく用いることができる。また、製造条件が塩基性域の場合には、第4級アンモニウム塩を好ましく用いることができる。
前記第4級アンモニウム塩としては、炭素数8〜22のアルキルトリメチルアンモニウム塩を挙げることができる。具体的には例えば、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクタデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムブロミド、ベヘニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどを挙げることができる。
尚、これらの第4級アンモニウム塩は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
尚、これらの第4級アンモニウム塩は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
アニオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、及びリン酸エステル塩などが挙げられる。より具体的には、セッケン、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化オレフィン、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、及び高級アルコールリン酸エステル塩などが挙げられる。これらのアニオン性界面活性剤は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
両性界面活性剤としては、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。これらの両性界面活性剤は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン酸誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール、及びポリエチレングリコールのエーテル誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどの含窒素型のものなどが挙げられる。これらのノニオン性界面活性剤は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
無機原料としてシリカ(SiO2)などの酸化ケイ素を使用する場合、カネマイトなどの層状シリケートをまず形成し、この層間に有機原料からなる鋳型を挿入し、鋳型が存在しない層間をシリケート分子等で繋いで、鋳型の周囲にシリカ壁を形成し、その後、鋳型を除去することで細孔を形成することができる。
また、無機原料として水ガラスなどを使用する場合、有機原料からなる鋳型の周囲にシリケートモノマーを集合させ、これを重合してシリカを形成し、その後、鋳型を除去して細孔を形成することができる。
また、無機原料として水ガラスなどを使用する場合、有機原料からなる鋳型の周囲にシリケートモノマーを集合させ、これを重合してシリカを形成し、その後、鋳型を除去して細孔を形成することができる。
有機原料として界面活性剤を使用し、界面活性剤を鋳型として細孔を形成する場合、鋳型としてミセルを利用することができる。これにより例えば、界面活性剤のアルキル鎖長を適宜選択することにより、鋳型の径を変化させることができ、形成する細孔の径を制御することができる。さらに界面活性剤に加えて、疎水性化合物(例えば、トリメチルベンゼン、トリプロピルベンゼン等)を併用することでミセルを膨張させることができ、より大きな径の細孔を形成することができる。このような方法により、所望の径を有する細孔が形成された多孔質シリカを製造することができる。
多孔質シリカの製造方法において、無機原料と有機原料とを混合する場合、溶媒を用いてもよい。溶媒としては特に制限はないが、例えば、水や、アルコール類等の水溶性有機溶剤等を挙げることができる。
無機原料と有機原料との混合方法には特に制限はない。例えば、無機原料に質量比で2倍以上の水(好ましくは、イオン交換水)を添加し、40〜80℃で1時間以上攪拌した後に、有機原料を添加して混合する方法が好ましい。
無機原料と有機原料の混合比には特に制限はなく、用いる原料に応じて適宜選択することができる。例えば、無機原料:有機原料の比(質量比)は0.1:1〜5:1であることが好ましく、0.1:1〜3:1であることがより好ましい。
無機原料と有機原料の混合比には特に制限はなく、用いる原料に応じて適宜選択することができる。例えば、無機原料:有機原料の比(質量比)は0.1:1〜5:1であることが好ましく、0.1:1〜3:1であることがより好ましい。
無機原料と有機原料の反応条件には特に制限はく、用いる原料に応じて適宜選択することができる。例えば、pH11以上で1時間以上攪拌した後、pHを8.0〜9.0としてさらに1時間以上反応させることで無機物と有機物との複合体を形成することが好ましい。
無機物と有機物との複合体から有機物を除去する方法としては、例えば、複合体を濾取し、水などで洗浄し、乾燥後に、400〜600℃で焼成する方法、有機溶剤を用いて有機物を抽出する方法等を挙げることができる。本発明においては、400〜600℃で焼成する方法であることが好ましい。
無機物と有機物との複合体から有機物を除去する方法としては、例えば、複合体を濾取し、水などで洗浄し、乾燥後に、400〜600℃で焼成する方法、有機溶剤を用いて有機物を抽出する方法等を挙げることができる。本発明においては、400〜600℃で焼成する方法であることが好ましい。
本発明における多孔質シリカは、加工安定性の観点から、さらに金属架橋されていることが好ましい。架橋に用いる金属としては、特に制限はないが、例えば、Mn、Co、Ni、Fe、Mg、Al、Cr、Ca、Ge、及びTiなどが挙げられる。中でも加工安定性の観点から、Alが好ましい。
金属架橋は、例えば、金属塩を水などに溶解した後、多孔質シリカと混合することで架橋反応を行い、さらに必要に応じて乾燥することで行うことができる。
金属架橋は、例えば、金属塩を水などに溶解した後、多孔質シリカと混合することで架橋反応を行い、さらに必要に応じて乾燥することで行うことができる。
以上のようにして得られる多孔質シリカは、例えば、下記式(1)で表される。
MxAlySizO2 ・・・式(1)
式中、MはAl以外の金属元素であり、xは0以上1以下である。yは0以上1以下であり、zは0より大きく1以下である。
Mは、多孔質シリカの金属架橋に用いられたAl以外の金属元素であり、例えば、Mn、Co、Ni、Fe、Mg、Cr、Ca、Ge、及びTiなどが挙げられる。またMは2種以上の金属元素であってもよく、その場合、xはその2種以上の金属元素の合計値を意味する。
MxAlySizO2 ・・・式(1)
式中、MはAl以外の金属元素であり、xは0以上1以下である。yは0以上1以下であり、zは0より大きく1以下である。
Mは、多孔質シリカの金属架橋に用いられたAl以外の金属元素であり、例えば、Mn、Co、Ni、Fe、Mg、Cr、Ca、Ge、及びTiなどが挙げられる。またMは2種以上の金属元素であってもよく、その場合、xはその2種以上の金属元素の合計値を意味する。
(白色顔料)
本発明における溶媒吸収層は、白色顔料の少なくとも一種を前記多孔質シリカとともに含有する。
白色顔料としては、例えば、カオリン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形シリカともいう)又は合成非晶質シリカ等のシリカ粒子、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、ハイドロタルサイト、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙製造分野で公知公用の各種顔料が1種もしくはそれ以上、併用することができる。これらの中でも、溶媒吸収性の高い無定形シリカ、アルミナ、ゼオライトを主成分として含有させるのが好ましい。
本発明における溶媒吸収層は、コストや製造容易さの点で、無機微粒子(=インク受容層形成材料)の割合が全顔料に対して20質量%以下である場合が好ましく、無機微粒子(=インク受容層形成材料)を含まない場合が特に好ましい。
本発明における溶媒吸収層は、白色顔料の少なくとも一種を前記多孔質シリカとともに含有する。
白色顔料としては、例えば、カオリン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形シリカともいう)又は合成非晶質シリカ等のシリカ粒子、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、ハイドロタルサイト、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙製造分野で公知公用の各種顔料が1種もしくはそれ以上、併用することができる。これらの中でも、溶媒吸収性の高い無定形シリカ、アルミナ、ゼオライトを主成分として含有させるのが好ましい。
本発明における溶媒吸収層は、コストや製造容易さの点で、無機微粒子(=インク受容層形成材料)の割合が全顔料に対して20質量%以下である場合が好ましく、無機微粒子(=インク受容層形成材料)を含まない場合が特に好ましい。
これらの白色顔料の平均粒子径(凝集顔料の場合は凝集粒径)は1〜20μm程度が好ましく、より好ましくは2〜15μm、さらに好ましくは3〜10μmである。平均粒子径は、1μm以上とすることで溶媒吸収速度向上の効果がより良好になり、20μm以下とすることで光沢発現層を設けた後での平滑性や光沢がより良好になる。ただし、インク吸収性を調整したり、溶媒吸収層上に塗布する塗料の浸透を制御したりする目的で、副成分として粒子径の小さい顔料を配合することができる。この様な顔料としてはコロイダルシリカ、アルミナゾル、又はインク定着層に含有させるシリカ微細粒子等が挙げられる。
白色顔料の溶媒吸収層中における含有量は、溶媒吸収層全質量に対して、25〜80質量%の範囲が好ましい。白色顔料の割合が前記範囲内であると、多孔質シリカを含有したことによるコックリングの防止効果が大きい。
(接着剤)
本発明における溶媒吸収層は、接着剤の少なくとも一種を含有する。
接着剤としては、例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等、一般に塗工紙用として用いられている従来公知の接着剤が単独、あるいは併用して用いられる。
本発明における溶媒吸収層は、接着剤の少なくとも一種を含有する。
接着剤としては、例えば、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等、一般に塗工紙用として用いられている従来公知の接着剤が単独、あるいは併用して用いられる。
溶媒吸収層における多孔質シリカ及び白色顔料と接着剤との含有割合は、その種類にもよるが、一般に多孔質シリカ及び白色顔料の合計量100質量部に対して、接着剤1〜100質量部、好ましくは2〜70質量部の範囲で調節される。その他、一般塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。溶媒吸収層中には蛍光染料、着色剤をさらに添加することもできる。
溶媒吸収層中には、カチオン性化合物を配合することもでき、これによりインクジェット記録用インク中の着色剤(染料又は着色顔料)成分を定着することができる。カチオン性化合物としては、インク定着層に配合するカチオン性化合物として例示したものが適宜使用できる。しかし、インクの定着は、溶媒吸収層よりもインク定着層で定着する方が、記録濃度が高く、鮮明な画像が得られるので、溶媒吸収層中のカチオン性化合物の量はインク定着層の50%以下、好ましくは20%以下とする。更に好ましくは、インク定着層中のみにカチオン性化合物を配合し、溶媒吸収層中にはカチオン性化合物が実質的に存在しないことが好ましい。実質的に存在しないとは、カチオン性界面活性剤等を助剤的に微量添加することを除外するものである。
溶媒吸収層用塗布液は、一般に固形分濃度を5〜50質量%程度に調整し、原紙上に乾燥質量で2〜100g/m2、好ましくは5〜50g/m2程度、更に好ましくは5〜20g/m2程度になるように塗布するとよい。塗布量が2g/m2以上であることで、溶媒吸収性改良効果がより良好になり、光沢発現層を設けた際に光沢がより良好になる。また、塗布量が100g/m2以下であることで、高い記録濃度が得られ、塗布層の強度が向上し粉落ちや傷の発生を抑制することができる。
溶媒吸収層は、溶媒吸収層用塗布液を、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、リップコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、スライドコーター等の各種公知公用の塗布装置により塗布、乾燥される。さらに、必要に応じて溶媒吸収層の乾燥後にスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともできる。
(インク受容層)
本発明のインクジェット記録媒体は、前記原紙の少なくとも一方の面上の前記インク溶媒吸収層の上にインク受容層を有する。インク受容層は、2以上の層から構成されていてもよく、例えば、特開2009−96132号公報に記載のインク受容性塗布層と同様の構成とすることができる。
本発明のインクジェット記録媒体は、前記原紙の少なくとも一方の面上の前記インク溶媒吸収層の上にインク受容層を有する。インク受容層は、2以上の層から構成されていてもよく、例えば、特開2009−96132号公報に記載のインク受容性塗布層と同様の構成とすることができる。
本発明において、インク受容層は原紙上の少なくとも一方の面上に設けられていればよく、前記溶媒吸収層を原紙上に有するときには、インク受容層の少なくとも一層は溶媒吸収層の上に設けられる。インク受容層は原紙の一方の面上にのみ設けられていても、両方の面上に同じ構成のインク受容層が設けられていても、それぞれの面上に異なる構成のインク受容層が設けられていてもよい。
インク受容層は、取り扱い性(紙腰)と画質の観点から、具体的には以下のような構成とすることができる。
(1)原紙上に無機微粒子、接着剤、及び必要に応じて含有されるカチオン性樹脂を含有する塗布液を塗布して塗布層を形成し、この塗布層を鏡面仕上げして光沢を付与した1層タイプ(光沢性インク定着層のみ)。
(2)原紙上に無機微粒子、接着剤、及び必要に応じて含有されるカチオン性樹脂を含有するインク定着層と、インク定着層上に形成され、鏡面仕上げされた光沢発現層と、を有する2層タイプ(インク定着層と光沢発現層)。
(1)原紙上に無機微粒子、接着剤、及び必要に応じて含有されるカチオン性樹脂を含有する塗布液を塗布して塗布層を形成し、この塗布層を鏡面仕上げして光沢を付与した1層タイプ(光沢性インク定着層のみ)。
(2)原紙上に無機微粒子、接着剤、及び必要に応じて含有されるカチオン性樹脂を含有するインク定着層と、インク定着層上に形成され、鏡面仕上げされた光沢発現層と、を有する2層タイプ(インク定着層と光沢発現層)。
以下、原紙上に設けられる、インク定着層及び光沢発現層について説明する。但し、本発明のインク受容層の層構成は、この形態に限定されるものではない。また、鏡面仕上げは、キャストドラムに代表される鏡面ロールを使用することが好ましい。
−インク定着層−
インク定着層は、無機微粒子、あるいは無機微粒子及び接着剤を含有することが好ましい。また、必要に応じて、他の成分を含ませてもよい。
インク定着層は、無機微粒子、あるいは無機微粒子及び接着剤を含有することが好ましい。また、必要に応じて、他の成分を含ませてもよい。
(無機微粒子)
無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、アルミナ微粒子、ベーマイト、擬ベーマイト等を挙げることができる。中でも、滲み抑制と臭気抑制の観点から、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、擬ベーマイトが好ましく、特に気相法シリカ微粒子が好ましい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、アルミナ微粒子、ベーマイト、擬ベーマイト等を挙げることができる。中でも、滲み抑制と臭気抑制の観点から、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、擬ベーマイトが好ましく、特に気相法シリカ微粒子が好ましい。
シリカ微粒子は、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性及び保持の効率が高く、また屈折率が低いので、適切な微小粒子径まで分散を行なえばインク受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという利点がある。このようにインク受容層が透明であるということは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用媒体に適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性及び光沢度を得る観点より重要である。
以下、シリカ微粒子を例として説明する。
インク定着層に用いるシリカ等の微粒子調製方法は特に限定するものではないが、例えば、一般的に市販されている合成非晶質シリカ等(例えば2次粒子径は数ミクロン程度のもの)を機械的手段により強い力を与えて2次粒子径を小さくすることにより得ることができる。
この機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動触媒ミル、触媒攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー等があげられる。このようにして処理されたシリカ微粒子は、一般に固形分濃度が5〜20%程度の水分散体(スラリーあるいはコロイド粒子)として得られる。
インク定着層に用いるシリカ等の微粒子調製方法は特に限定するものではないが、例えば、一般的に市販されている合成非晶質シリカ等(例えば2次粒子径は数ミクロン程度のもの)を機械的手段により強い力を与えて2次粒子径を小さくすることにより得ることができる。
この機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動触媒ミル、触媒攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー等があげられる。このようにして処理されたシリカ微粒子は、一般に固形分濃度が5〜20%程度の水分散体(スラリーあるいはコロイド粒子)として得られる。
本発明でいう平均粒子径とは、電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察した粒子径である(1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、5cm四方中の粒子のマーチン径を測定し、平均したもの。「微粒子ハンドブック」(朝倉書店)の52頁、1991年等に記載されている)。
インク定着層に用いるシリカ等の微細顔料(実質的に2次粒子が主体)の平均粒子径は、10〜1000nm程度であるのが好ましい。2次粒子の平均粒子径が大きくなると、インク定着層の透明性が低下し、インク定着層中に定着された着色剤の発色性が低下し、所望とする印画濃度が得られない傾向にある。また、2次粒子の平均粒子径が極めて小さいシリカ微粒子等を使用すると、インク吸収性が低下し、ニジミ等の発生のおそれがあり、所望とする画像品位を得ることができないおそれもある。好ましい2次粒子の平均粒子径は、10〜800nmであり、さらに好ましくは10〜500nm以下であり、より好ましくは10〜300nm、特に好ましくは15〜150nm、最も好ましくは20〜100nmに調整される。
シリカ等の微粒子顔料の平均1次粒子径は、3〜40nm程度に調整するのが好ましく、より好ましくは5〜30nm、さらに好ましくは7〜20nmである。この1次粒子径の平均が3nm未満になると1次粒子間の空隙が著しく小さくなり、インキ中の溶剤や着色剤を吸収する能力が低下し、所望とする画像品位を得ることができないおそれがある。また、1次粒子径の平均が40nmを越えると、凝集した2次粒子が大きくなり、インク定着層の透明性が低下し、インク定着層中に定着された着色剤の発色性が低下し、所望とする印画濃度が得られないおそれがある。
インク定着層中の全顔料中におけるシリカ等の微粒子の比率は、インク定着層の透明性を維持するために、50%以上が望ましい。全顔料中のシリカ微粒子等の微細顔料の比率が50%以上であると、透明性が良好であり、記録濃度等の画像品位に優れる。
(接着剤)
インク定着層に含有する接着剤としては、例えば、水溶性樹脂(例えばポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、カルボキシルメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス等の水分散性樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等、その他一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤が単独あるいは併用して使用される。水性ポリウレタン樹脂は、ウレタンエマルジョン、ウレタンラテックス、ポリウレタンラテックス等とも通称されている。ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物と活性水素含有化合物との反応から得られるものである。比較的多数のウレタン結合及び尿素結合を含む高分子化合物である。
インク定着層に含有する接着剤としては、例えば、水溶性樹脂(例えばポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、カルボキシルメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス等の水分散性樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等、その他一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤が単独あるいは併用して使用される。水性ポリウレタン樹脂は、ウレタンエマルジョン、ウレタンラテックス、ポリウレタンラテックス等とも通称されている。ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物と活性水素含有化合物との反応から得られるものである。比較的多数のウレタン結合及び尿素結合を含む高分子化合物である。
インク定着層がカチオン性化合物を含有する場合、接着剤としては、塗布用組成物の安定性の観点から、カチオン性若しくはノニオン性のものが好ましい。
インク定着層における接着剤の含有量は、無機微粒子100質量部に対し1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜100質量部の範囲で調節される。接着剤の含有量が前記下限値以上であることで、インク定着層の強度が低下して上に形成される光沢発現層の表面が傷つきやすくなったり、粉落ちが発生したりすることを抑制できる。また、接着剤の含有量が前記上限値以下であることで、インク吸収性が低下することを抑制し、良好なインクジェット記録適性が得られる。
インク定着層における接着剤の含有量は、無機微粒子100質量部に対し1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜100質量部の範囲で調節される。接着剤の含有量が前記下限値以上であることで、インク定着層の強度が低下して上に形成される光沢発現層の表面が傷つきやすくなったり、粉落ちが発生したりすることを抑制できる。また、接着剤の含有量が前記上限値以下であることで、インク吸収性が低下することを抑制し、良好なインクジェット記録適性が得られる。
インクジェット用インクの着色剤は通常アニオン性であるため、インク定着層には、インク中の着色剤成分を定着させる目的で、カチオン性化合物を配合するのが好ましい。配合の方法は、前記シリカ等の微粒子顔料に混合すれば良いが、特に微細顔料がシリカ微粒子の場合、シリカ微粒子は一般にアニオン性であり、混合の際にシリカ微粒子の凝集が起こる場合がある。
従って、非晶質シリカ(数ミクロンの2次粒子径を有する)を機械的手段により強い力を与えて微粒子に粉砕する際、粉砕処理前の非晶質シリカにカチオン性化合物を一緒に混合分散してから機械的手段により分散・粉砕するか、あるいは微細化したシリカ2次粒子分散体にカチオン性化合物を混合し、一旦増粘・凝集させた後、再度機械分散・粉砕する方法等をとることにより、前記特定の粒子径に調整したカチオン性微細シリカを用いるとよい。このようにして処理したカチオン性微細シリカは、カチオン性化合物が一部結合した構造をとり、安定して分散したスラリーとなっているためか、更に別途カチオン性化合物を追加配合しても凝集し難いという特徴を有する。
カチオン性化合物としては、カチオン性樹脂や低分子カチオン性化合物(例えば、カチオン性界面活性剤等)が例示できる。印画濃度向上の効果の点ではカチオン性樹脂が好ましく、水溶性樹脂あるいはエマルジョンとして使用できる。更にカチオン性樹脂を架橋等の手段により不溶化し粒子状の形態としたカチオン性有機顔料としても使用できる。このようなカチオン性有機顔料は、カチオン性樹脂を重合する際、多官能性モノマーを共重合し架橋樹脂とする、あるいは反応性の官能基(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル基等)を有するカチオン性樹脂に必要に応じ架橋剤を添加し、熱、放射線等の手段により架橋樹脂としたものである。カチオン性化合物、特にカチオン性樹脂は接着剤としての役割を果たす場合もある。
カチオン性化合物としては下記のものが例示できる。具体的には、1)ポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類、又はその誘導体、2)第2級アミン基や第3級アミン基、第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類、4)ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、6)エポクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、7)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−SO2共重合物、8)ジアリルアミン−SO2共重合物、9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、10)ビニルベンジルトリアリルアンモニウム塩の単独重合体又は共重合体、11)アリルアミン塩の重合物、12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、13)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、14)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、ポリ乳酸アルミニウムなどのアルミニウム塩等の一般市販されるものが挙げられる。
また、特開2006−321176号公報の段落番号[0138]〜[0148]に記載のカチオン性化合物も好適に用いることができる。
また、特開2006−321176号公報の段落番号[0138]〜[0148]に記載のカチオン性化合物も好適に用いることができる。
カチオン性化合物は、さらに画像耐水性を向上させる効果も有する。インク定着層に含有できるカチオン性化合物は顔料100質量部に対し、1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部の範囲で使用することができる。含有量を前記範囲内であることで、印画濃度向上の効果が得られ易くなり、画像のニジミやムラの発生を抑制することができる。
尚、インク定着層を2層以上設ける場合、カチオン性化合物は2層以上設けられるインク定着層の少なくとも上層のインク定着層(原紙から遠い層)に含有すればその所望する効果は得られる場合が多いが、インク量が多い場合や上層のインク定着層の塗布量が少ない場合は下層のインク定着層にも配合することもできる。カチオン性化合物は、印画濃度向上に特に効果があるものや、印画耐水性向上に特に効果があるもの等が存在し、それぞれを目的に応じて適宜使い分ける、或いは数種類のものを併用して使用することができる。
またインク定着層は、架橋剤、水溶性多価金属塩、及びその他の成分を必要に応じてさらに含むことができる。
前記架橋剤としては、例えば、特開2006−321176号公報の段落番号[0125]〜[0129]に記載の架橋剤を挙げることができ、好ましい含有量も同様である。
前記水溶性多価金属塩としては、例えば、特開2006−321176号公報の段落番号[0130]〜[0137]に記載の水溶性多価金属塩を挙げることができ、好ましい含有量も同様である。
また、前記その他の成分としては、例えば、特開2005−14593号公報の段落番号[0088]〜[0117]に記載されている成分や、特開2006−321176号公報の段落番号[0149]〜[0155]に記載されている成分等を、適宜選択して用いることができる。
前記架橋剤としては、例えば、特開2006−321176号公報の段落番号[0125]〜[0129]に記載の架橋剤を挙げることができ、好ましい含有量も同様である。
前記水溶性多価金属塩としては、例えば、特開2006−321176号公報の段落番号[0130]〜[0137]に記載の水溶性多価金属塩を挙げることができ、好ましい含有量も同様である。
また、前記その他の成分としては、例えば、特開2005−14593号公報の段落番号[0088]〜[0117]に記載されている成分や、特開2006−321176号公報の段落番号[0149]〜[0155]に記載されている成分等を、適宜選択して用いることができる。
インク定着層は、インク定着層用塗布液を原紙上の溶媒吸収層又は原紙に、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、リップコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、スライドコーター等の各種公知の塗布装置により塗布、乾燥させて形成される。
インク定着層の塗布量(合計)は、乾燥固形分で1〜50g/m2が好ましく、より好ましくは、1.5〜30g/m2である。インク定着層の塗布量が1g/m2以上であることで、記録時に滲みの発生を抑制できる。また、インク定着層の塗布量が50g/m2以下であることで、高い印画濃度が達成でできる。なお、溶媒吸収層上に重ねてインク定着層を有すると、1〜10g/m2程度で充分な効果が得られる場合がある。
インク定着層の塗布量(合計)は、乾燥固形分で1〜50g/m2が好ましく、より好ましくは、1.5〜30g/m2である。インク定着層の塗布量が1g/m2以上であることで、記録時に滲みの発生を抑制できる。また、インク定着層の塗布量が50g/m2以下であることで、高い印画濃度が達成でできる。なお、溶媒吸収層上に重ねてインク定着層を有すると、1〜10g/m2程度で充分な効果が得られる場合がある。
本発明のインクジェット記録媒体においては、原紙上に、平均細孔径が0.8〜10nmの六方構造の細孔を有し、比表面積が600〜2000m2/gで、細孔容積が0.2〜3.0cm3/gで、平均粒子径が50nm〜50μmである多孔質シリカを5〜60質量%含む溶媒吸収層と、無機微粒子と接着剤の含有比(無機微粒子:接着剤)が100:5〜100:100であって、乾燥固形分が1〜50g/m2であるインク定着層とを設けた態様が好ましく、また、平均細孔径が0.8〜5nmの六方構造の細孔を有し、比表面積が900〜1200m2/gで、細孔容積が0.5〜2.0cm3/gで、平均粒子径が50nm〜30μmである多孔質シリカを5〜60質量%含む溶媒吸収層と、無機微粒子と接着剤の含有比(無機微粒子:接着剤)が100:5〜100:100であって、乾燥固形分で1.5〜30g/m2あるインク定着層とを設けた態様がより好ましい。
かかる構成とすることで、紙変形(コックリング、カール等)の発生がより効果的に抑制され、滲みの抑制された良好な画質の画像を形成することができる。
かかる構成とすることで、紙変形(コックリング、カール等)の発生がより効果的に抑制され、滲みの抑制された良好な画質の画像を形成することができる。
−光沢発現層−
本発明におけるインクジェット記録媒体は、インク定着層上に、顔料及び接着剤を含有する塗布液を塗布し、該塗布液が湿潤状態又は再湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げてなる光沢発現層を備えることが好ましい。
本発明におけるインクジェット記録媒体は、インク定着層上に、顔料及び接着剤を含有する塗布液を塗布し、該塗布液が湿潤状態又は再湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げてなる光沢発現層を備えることが好ましい。
光沢発現層に用いる顔料としては、平均粒子径(凝集体顔料の場合は、凝集粒径平均値)が1μm以下のシリカ、アルミノシリケート、アルミナ、ゼオライトより選ばれる微細粒子顔料を使用する。好ましくはシリカ、アルミノシリケートであり、より好ましくはシリカである。粒子径は小さいほど透明性に優れるため、光沢を示し、且つインク定着層に形成したインクの濃度を低下することがないので好ましい。微細粒子顔料として更に好ましくはコロイダルシリカであり、特に好ましいのはアニオン性コロイダルシリカであり、真球状のものがとりわけ好ましい。
光沢発現層は、光沢を発現するためにインク定着層上に形成する薄い厚み(インク定着層に比べて薄い)の層で、インク定着層の表面の微細な凹凸を無くすことにより乱反射を防ぎ、より高い光沢性を発現する層である。従って、微細粒子の使用が好ましく、シリカの一次粒子の分散体であるコロイダルシリカの使用が好ましい。特にアニオン性コロイダルシリカは、アニオン性であるため、インクの定着能を有さない光沢発現層が形成でき、好ましい。なお、カチオン性コロイダルシリカやカチオン性化合物を配合して、インク定着性を付与することもできるが、光沢性がやや低下する傾向にある。
コロイダルシリカの平均粒子径は、0.01〜0.15μmであり、好ましくは0.015〜0.12μmであり、更に好ましくは0.02〜0.10μmである。平均粒子径が0.01μm以上であることで、インクの吸収性が低下することを抑制できる。また、平均粒子径が0.15μm以下であることで、光沢性及び記録画像の発色の鮮明性が向上する。
光沢発現層に含有される接着剤は、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、カルボキシルメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル系重合体エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、アクリル系共重合体エマルジョン、スチレン−アクリル系共重合体エマルジョン、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等、その他一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤が単独あるいは併用して使用される。
中でも、カゼインの使用は、光沢発現層を形成する際のキャストドラムからの離型性が優れるので好ましい。また、アクリル系共重合体エマルジョン、スチレン−アクリル系共重合体エマルジョンは、記録画像の鮮明性と光沢感がすぐれるので好ましい。これらを併用することも可能である。
光沢発現層の接着剤として、エマルジョンを用いる場合、好ましい重量平均分子量は、1000〜1000万であり、より好ましくは5000〜500万である。分子量が低い光沢発現層の強度が不十分となりやすく、分子量が高いとエマルジョンの安定性が不十分となりやすい。
また、エマルジョンの平均粒子径は、0.02〜0.15μm程度が好ましい。0.02μm以上であることでインク吸収性能がより良好になる。また0.15μm以下であることで、光沢性や記録像の鮮明性がより向上する。
更に、エマルジョンのガラス転移温度は、50〜150℃が好ましい。ガラス転移温度が50℃以上であることで、乾燥の際の光沢発現層の成膜が進み過ぎることを抑制し、表面の多孔性が低下することを抑制でき、インクの吸収速度がより向上する。またガラス転移温度が150℃以下であることで、乾燥の際の成膜性が良好となり、より良好な光沢性が得られる。
また、エマルジョンの平均粒子径は、0.02〜0.15μm程度が好ましい。0.02μm以上であることでインク吸収性能がより良好になる。また0.15μm以下であることで、光沢性や記録像の鮮明性がより向上する。
更に、エマルジョンのガラス転移温度は、50〜150℃が好ましい。ガラス転移温度が50℃以上であることで、乾燥の際の光沢発現層の成膜が進み過ぎることを抑制し、表面の多孔性が低下することを抑制でき、インクの吸収速度がより向上する。またガラス転移温度が150℃以下であることで、乾燥の際の成膜性が良好となり、より良好な光沢性が得られる。
光沢発現層の顔料と接着剤との組成比(固形分質量比)は、顔料100質量部に対して3〜150質量部であることが好ましく、7〜100質量部であることがより好ましく、10〜70質量部であることが更に好ましい。接着剤の比率が150質量部以下であることで、記録画像の発色の鮮明性がより向上する。また3質量部以上とすることで、より良好な光沢性が得られる。
光沢発現層には、製造時に光沢発現層と鏡面ドラムの剥離をスムーズに行なうために、離型剤の少なくとも1種を含有することが好ましい。
離型剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸カリウム、オレイン酸アンモミウム等の高級脂肪酸アルカリ塩類、レシチン、シリコーンオイル、シリコーンワックス等のシリコーン化合物、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化合物が挙げられる。
離型剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸カリウム、オレイン酸アンモミウム等の高級脂肪酸アルカリ塩類、レシチン、シリコーンオイル、シリコーンワックス等のシリコーン化合物、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化合物が挙げられる。
離型剤の含有量は、顔料100質量部に対し0.1〜50質量部、好ましくは0.3〜30質量部、より好ましくは0.5〜20質量部の範囲で調節される。含有量を前記下限値以上とすることで、離型性がより改善される。また前記上限値以下とすることで、光沢が低下することを抑制し、インクのハジキや記録濃度の低下を抑制することができる。
光沢発現層用を形成するための塗布組成物中には、白色度、粘度、流動性等を調節するために、一般の印刷用塗工紙やインクジェット用紙に使用されている顔料、消泡剤、着色剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防腐剤及び分散剤、増粘剤等の各種助剤が適宜添加される。
光沢発現層用塗布液をインク定着層上に塗布する場合、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、リップコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、スライドコーター等の各種公知の塗布装置が使用できる。本発明において、光沢発現層はキャスト方式により形成された光沢発現層であることが好ましい。キャスト方式とは、塗布層を、平滑性を有する鏡面ドラム(キャストドラム)上で乾燥し、平滑面を塗布層上に写し取ることにより、平滑で光沢のある塗布層表面を得る方法である。
鏡面ドラムを用いて光沢発現層を設ける方法としては、上記の光沢発現層用塗布液をインク定着層上に塗布して塗布層を形成し、該塗布層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる方法(ウェットキャスト法)、該塗布層を一旦乾燥後、再湿潤し、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる方法(リウェットキャスト法)、該塗布層を流動性はないが変形可能なゲル状態に凝固させ、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥する方法(ゲル化キャスト法)等が例示できる。また加熱された鏡面ドラムに直接光沢発現層用塗布液を塗布した後、紙支持体側のインク定着層面に圧接、乾燥して積層仕上げる方法(プレキャスト法)も採用することができる。
尚、鏡面ドラムの表面温度は40〜200℃程度が好ましく、70〜150℃がより好ましい。40℃以上とすることで、速やかに乾燥することができ、成膜がより良好な状態となりやすく、光沢がより向上する。また200℃以下とすることで、成膜が進みすぎることを抑制し、表面の多孔性が低下を抑制し、インクの吸収速度がより向上する。さらに、インクジェット記録媒体の表面が荒れたり光沢が低下することを抑制できる。
光沢発現層用塗布液をインク定着層上に塗布して、インク定着層及び光沢発現層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる場合、光沢発現層用塗布液のインク定着層への浸透を抑える目的で、光沢発現層用塗布液の不動化を促進する方法を採ることもできる。
この方法としては例えば、(1)インク定着層中に光沢発現層用塗布液の不動化を促進するようなゲル化剤を配合しておく、(2)インク定着層上に光沢発現層用塗布液の不動化を促進するようなゲル化剤を塗布・含浸させる、(3)光沢発現層用塗布液を塗布した後、光沢発現層用塗布液の不動化を促進するようなゲル化剤を表面に塗布・含浸させる、(4)光沢発現層用塗布液中に塗布液が乾燥する過程で不動化が促進されるようなゲル化剤を配合しておくことが挙げられる。
この方法としては例えば、(1)インク定着層中に光沢発現層用塗布液の不動化を促進するようなゲル化剤を配合しておく、(2)インク定着層上に光沢発現層用塗布液の不動化を促進するようなゲル化剤を塗布・含浸させる、(3)光沢発現層用塗布液を塗布した後、光沢発現層用塗布液の不動化を促進するようなゲル化剤を表面に塗布・含浸させる、(4)光沢発現層用塗布液中に塗布液が乾燥する過程で不動化が促進されるようなゲル化剤を配合しておくことが挙げられる。
このようなゲル化剤としては、光沢発現層用塗布液中の接着剤の架橋剤である、ホウ酸、ギ酸等及びそれらの塩、アルデヒド化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。上記の方式の内、ウェットキャスト法を採用する場合、インキ受容層上に光沢発現層用塗布液を塗布し、鏡面ドラム上に圧接し乾燥するまでの時間をなるべく短くした方が、塗布液の浸透が抑えられるため、光沢が発現しやすい。
さらに、インキ受容層面がドラムに圧接される直前に、圧接ロール(プレスロール)上のインキ受容層面と鏡面ドラム間に光沢発現層用塗布液を付与して直ちに圧接する方式(ニップキャスト方式と称する)が、塗布液の浸透が極力抑えられ、少ない塗布量で良好な光沢、印画品位が得られ易く、特に好ましい。
さらに、インキ受容層面がドラムに圧接される直前に、圧接ロール(プレスロール)上のインキ受容層面と鏡面ドラム間に光沢発現層用塗布液を付与して直ちに圧接する方式(ニップキャスト方式と称する)が、塗布液の浸透が極力抑えられ、少ない塗布量で良好な光沢、印画品位が得られ易く、特に好ましい。
光沢発現層の塗布量は、乾燥固形分で0.1〜20g/m2程度、好ましくは0.2〜10g/m2、より好ましくは0.5〜5g/m2である。この塗布量は、0.1g/m2以上とすることでより良好な光沢が得られ、20g/m2以下とすることで、印画の際のにじみが発生することを抑制し、高い印画濃度が得られ易くなる。キャスト仕上げにより設けた後で、さらにスーパーカレンダー等により平滑化処理を行うこともできる。
(原紙)
本発明のインクジェット記録媒体を構成する原紙は、例えばセルロース繊維原料で好適に構成される。セルロース繊維原料としては、例えば、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ、又は、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプ、新聞古紙、印刷古紙、ダンボール古紙、包装紙古紙、オフィス古紙等の古紙を原料とする脱墨パルプ(DIP)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本発明のインクジェット記録媒体を構成する原紙は、例えばセルロース繊維原料で好適に構成される。セルロース繊維原料としては、例えば、クラフトパルプ(KP)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ、又は、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプ、新聞古紙、印刷古紙、ダンボール古紙、包装紙古紙、オフィス古紙等の古紙を原料とする脱墨パルプ(DIP)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
原紙は、必要に応じて、一般に紙に用いられる各種の顔料、例えば、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、無定形シリケート、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の無機顔料や、スチレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂並びにそれらの微小中空粒子等の有機顔料をさらに含有することも可能である。
本発明における原紙は、セルロース繊維原料を含む紙料を調製し、その紙料を抄紙することにより得られる。その際使用される抄紙機としては、例えば、長網式、円網式、短網式、ツインワイヤー式抄紙機などが挙げられる。また、紙料中には、必要に応じて、各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤、内添サイズ剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤を適宜添加できる。
原紙には、ロジン系サイズ剤、アルケニルコハク酸無水物、アルキルケテンダイマー等に代表されるサイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などの表面サイズ剤を内添或いは外添することができる。
さらに、酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、完全鹸化又は部分鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ケイ素変成ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等のラテックスに代表される各種バインダーや、塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム等の導電剤が塗布又は含浸されていてもよい。
さらに、酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、完全鹸化又は部分鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ケイ素変成ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等のラテックスに代表される各種バインダーや、塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム等の導電剤が塗布又は含浸されていてもよい。
本発明においてインクジェット記録媒体を構成する原紙の坪量は、コックリング抑制、紙腰、及び画質の観点から、30〜300g/m2であることが好ましく、30〜180g/m2であることがより好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(多孔質シリカの作製)
国際公開WO05/75068号、特開2008−137859号公報に記載された製造方法に準じて、以下のようにして多孔質シリカA3〜E3を製造した。
国際公開WO05/75068号、特開2008−137859号公報に記載された製造方法に準じて、以下のようにして多孔質シリカA3〜E3を製造した。
−多孔質シリカA3−
粉末ケイ酸ソーダ(SiO2/Na2O=2.00、日本化学工業社製)50gを、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドの0.1M水溶液1000mLに分散させ、70℃で3時間攪拌した。その後、70℃で加熱・攪拌しながら、2M塩酸を添加してpHを8.5に調整し、さらに70℃で3時間加熱、攪拌した。固形生成物を濾取し、イオン交換水1000mLに分散し攪拌した。この濾取・分散攪拌を5回繰り返した後、40℃で24時間乾燥した。乾燥された固形生成物を窒素ガス中450℃で3時間加熱した後、空気中550℃で6時間焼成し、多孔質シリカA3を得た。
粉末ケイ酸ソーダ(SiO2/Na2O=2.00、日本化学工業社製)50gを、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリドの0.1M水溶液1000mLに分散させ、70℃で3時間攪拌した。その後、70℃で加熱・攪拌しながら、2M塩酸を添加してpHを8.5に調整し、さらに70℃で3時間加熱、攪拌した。固形生成物を濾取し、イオン交換水1000mLに分散し攪拌した。この濾取・分散攪拌を5回繰り返した後、40℃で24時間乾燥した。乾燥された固形生成物を窒素ガス中450℃で3時間加熱した後、空気中550℃で6時間焼成し、多孔質シリカA3を得た。
得られた多孔質シリカA3には、X線回折により六方構造の細孔が形成されていることが確認された。また、BJH法により求めた平均細孔径は4.0nm、BJH法により求めた細孔容積は1.15cm3/g、体積平均粒子径は3.1μm、BET法により求めた比表面積は1041m2/gであった。
また、細孔の60%以上が細孔径分布曲線における最大のピークを示す細孔の±40%の範囲内であった。またX線回折によりd値4.9nmに対応する回折角度に強いピークが1本観察され、このピークのピーク強度の50%より大きい相対強度で1.0nmより小さいd値に対応する回折角度にピークは観察されなかった。また多孔質シリカA3は200nm〜500nmの一次粒子の凝集体を形成しており、クロロフィル吸着量は、多孔質シリカ100mgあたり23.1mgであった。
また、細孔の60%以上が細孔径分布曲線における最大のピークを示す細孔の±40%の範囲内であった。またX線回折によりd値4.9nmに対応する回折角度に強いピークが1本観察され、このピークのピーク強度の50%より大きい相対強度で1.0nmより小さいd値に対応する回折角度にピークは観察されなかった。また多孔質シリカA3は200nm〜500nmの一次粒子の凝集体を形成しており、クロロフィル吸着量は、多孔質シリカ100mgあたり23.1mgであった。
−多孔質シリカB3−
ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド10.5gをイオン交換水500mLに溶解し70℃に昇温した。また気相法シリカ(300CF−5、日本アエロジル社製)4.1gと水酸化ナトリウム25.4gをイオン交換水500mLに分散し70℃に昇温した。その後、両方の液体組成物を混合して70℃で3時間攪拌した。その後、70℃で加熱・攪拌しながら、2M塩酸を添加してpHを8.5に調整し、さらに70℃で3時間加熱、攪拌した。固形生成物を濾取し、イオン交換水1000mLに分散し攪拌した。この濾取・分散攪拌を5回繰り返した後、40℃で24時間乾燥した。乾燥された固形生成物を窒素ガス中450℃で3時間加熱した後、空気中570℃で6時間焼成し、多孔質シリカB3を得た。
ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド10.5gをイオン交換水500mLに溶解し70℃に昇温した。また気相法シリカ(300CF−5、日本アエロジル社製)4.1gと水酸化ナトリウム25.4gをイオン交換水500mLに分散し70℃に昇温した。その後、両方の液体組成物を混合して70℃で3時間攪拌した。その後、70℃で加熱・攪拌しながら、2M塩酸を添加してpHを8.5に調整し、さらに70℃で3時間加熱、攪拌した。固形生成物を濾取し、イオン交換水1000mLに分散し攪拌した。この濾取・分散攪拌を5回繰り返した後、40℃で24時間乾燥した。乾燥された固形生成物を窒素ガス中450℃で3時間加熱した後、空気中570℃で6時間焼成し、多孔質シリカB3を得た。
得られた多孔質シリカB3には、X線回折により六方構造の細孔が形成されていることが確認された。また、BJH法により求めた平均細孔径は4.5nm、BJH法により求めた細孔容積は1.14cm3/g、体積平均粒子径は510nm、BET法により求めた比表面積は1052m2/gであった。
また、細孔の60%以上が細孔径分布曲線における最大のピークを示す細孔の±40%の範囲内であった。またX線回折によりd値5.0nmに対応する回折角度に強いピークが1本観察され、このピークのピーク強度の50%より大きい相対強度で1.0nmより小さいd値に対応する回折角度にピークは観察されなかった。また多孔質シリカB3は50nm程度の一次粒子の凝集体を形成しており、クロロフィル吸着量は、多孔質シリカ100mgあたり27.8mgであった。
また、細孔の60%以上が細孔径分布曲線における最大のピークを示す細孔の±40%の範囲内であった。またX線回折によりd値5.0nmに対応する回折角度に強いピークが1本観察され、このピークのピーク強度の50%より大きい相対強度で1.0nmより小さいd値に対応する回折角度にピークは観察されなかった。また多孔質シリカB3は50nm程度の一次粒子の凝集体を形成しており、クロロフィル吸着量は、多孔質シリカ100mgあたり27.8mgであった。
−多孔質シリカC3−
粉末ケイ酸ソーダ(SiO2/Na2O=2.00、日本化学工業社製)50gを、セチルトリメチルアンモニウムクロリドの0.1M水溶液1000mLに分散させ、70℃で3時間攪拌した。その後、70℃で加熱・攪拌しながら、2M塩酸を添加してpHを8.5に調整し、さらに70℃で3時間加熱、攪拌した。固形生成物を濾取し、イオン交換水1000mLに分散し攪拌した。この濾取・分散攪拌を5回繰り返した後、40℃で24時間乾燥した。乾燥された固形生成物を窒素ガス中450℃で3時間加熱した後、空気中550℃で6時間焼成し、多孔質シリカC3を得た。
粉末ケイ酸ソーダ(SiO2/Na2O=2.00、日本化学工業社製)50gを、セチルトリメチルアンモニウムクロリドの0.1M水溶液1000mLに分散させ、70℃で3時間攪拌した。その後、70℃で加熱・攪拌しながら、2M塩酸を添加してpHを8.5に調整し、さらに70℃で3時間加熱、攪拌した。固形生成物を濾取し、イオン交換水1000mLに分散し攪拌した。この濾取・分散攪拌を5回繰り返した後、40℃で24時間乾燥した。乾燥された固形生成物を窒素ガス中450℃で3時間加熱した後、空気中550℃で6時間焼成し、多孔質シリカC3を得た。
得られた多孔質シリカC3には、X線回折により六方構造の細孔が形成されていることが確認された。また、BJH法により求めた平均細孔径は2.7nm、BJH法により求めた細孔容積は0.94cm3/g、体積平均粒子径は2.9μm、BET法により求めた比表面積は941m2/gであった。
また、細孔の60%以上が細孔径分布曲線における最大のピークを示す細孔の±40%の範囲内であった。またX線回折によりd値3.7nmに対応する回折角度に強いピークが1本観察され、このピークのピーク強度の50%より大きい相対強度で1.0nmより小さいd値に対応する回折角度にピークは観察されなかった。また多孔質シリカA3は200nm〜500nmの一次粒子の凝集体を形成しており、クロロフィル吸着量は、多孔質シリカ100mgあたり20.8mgであった。
また、細孔の60%以上が細孔径分布曲線における最大のピークを示す細孔の±40%の範囲内であった。またX線回折によりd値3.7nmに対応する回折角度に強いピークが1本観察され、このピークのピーク強度の50%より大きい相対強度で1.0nmより小さいd値に対応する回折角度にピークは観察されなかった。また多孔質シリカA3は200nm〜500nmの一次粒子の凝集体を形成しており、クロロフィル吸着量は、多孔質シリカ100mgあたり20.8mgであった。
−多孔質シリカD3−
粉末ケイ酸ソーダ(SiO2/Na2O=2.00、日本化学工業社製)50gを、n−デシルトリメチルアンモニウムクロリド〔C10H21N(CH3)3Cl〕の0.1M水溶液1000mLに分散させ、70℃で3時間攪拌した。その後、70℃で加熱・攪拌しながら、2M 塩酸を添加してpHを8.5に調整し、さらに70℃で3時間加熱、攪拌した。固形生成物を濾取し、イオン交換水1000mLに分散し攪拌した。この濾取・分散攪拌を5回繰り返した後、40℃で24時間乾燥した。乾燥された固形生成物を窒素ガス中450℃で3時間加熱した後、空気中550℃で6時間焼成し、シリカ多孔体D3を得た。
粉末ケイ酸ソーダ(SiO2/Na2O=2.00、日本化学工業社製)50gを、n−デシルトリメチルアンモニウムクロリド〔C10H21N(CH3)3Cl〕の0.1M水溶液1000mLに分散させ、70℃で3時間攪拌した。その後、70℃で加熱・攪拌しながら、2M 塩酸を添加してpHを8.5に調整し、さらに70℃で3時間加熱、攪拌した。固形生成物を濾取し、イオン交換水1000mLに分散し攪拌した。この濾取・分散攪拌を5回繰り返した後、40℃で24時間乾燥した。乾燥された固形生成物を窒素ガス中450℃で3時間加熱した後、空気中550℃で6時間焼成し、シリカ多孔体D3を得た。
得られたシリカ多孔体D3には、X線回折により六方構造の細孔が形成されていることが確認された。また、BJH法により求めた平均細孔径は1.7nm、BJH法により求めた細孔容積は0.50cm3/g、体積平均粒子径は2.8μm、BET法により求めた比表面積は943m2/gであった。
また、細孔の60%以上が細孔径分布曲線における最大のピークを示す細孔の±40%の範囲内であった。またX線回折によりd値3.2nmに対応する回折角度に強いピークが1本観察され、このピークのピーク強度の50%より大きい相対強度で1.0nmより小さいd値に対応する回折角度にピークは観察されなかった。また、シリカ多孔体D3は200nm〜500nmの一次粒子の凝集体を形成していた。
また、細孔の60%以上が細孔径分布曲線における最大のピークを示す細孔の±40%の範囲内であった。またX線回折によりd値3.2nmに対応する回折角度に強いピークが1本観察され、このピークのピーク強度の50%より大きい相対強度で1.0nmより小さいd値に対応する回折角度にピークは観察されなかった。また、シリカ多孔体D3は200nm〜500nmの一次粒子の凝集体を形成していた。
−多孔質シリカE3−
セチルトリメチルアンモニウムクロリド(炭素数16のアルキルトリメチルアンモニウム塩)2.1gを0.5M 塩酸40gに溶解させ、25℃で攪拌した後、テトラエトキシシラン(TEOS)4.3gを添加し、pH2.0、25℃で3時間攪拌した。その後、これに25%アンモニア溶液3.5gを添加し、pH9.0、25℃で1時間攪拌した。この撹拌物をトレーに移し、70℃で24時間乾燥させた。得られた固形物を580℃で10時間焼成し、多孔質シリカE3を得た。
セチルトリメチルアンモニウムクロリド(炭素数16のアルキルトリメチルアンモニウム塩)2.1gを0.5M 塩酸40gに溶解させ、25℃で攪拌した後、テトラエトキシシラン(TEOS)4.3gを添加し、pH2.0、25℃で3時間攪拌した。その後、これに25%アンモニア溶液3.5gを添加し、pH9.0、25℃で1時間攪拌した。この撹拌物をトレーに移し、70℃で24時間乾燥させた。得られた固形物を580℃で10時間焼成し、多孔質シリカE3を得た。
(実施例1)
−水和ケイ酸塩の調製−
水357部、5%濃度の硫酸ナトリウム水溶液427部、SiO2濃度28.8質量/質量%/Na2O濃度9.5質量/質量%珪酸ソーダ347部を順次、攪拌しながら添加した。攪拌しながら温度50℃にした後、攪拌翼の周速を10m/秒に調整し、硫酸(濃度20%)88部を15分間かけて添加して1段目の中和を行なった後、上記周速の状態で90℃まで昇温した。次いで、このままの温度で20%濃度の硫酸をpH5.5となるまで攪拌しながら添加して2段目の中和を行なった。次に、得られたスラリーを200メッシュ篩で分離、ろ過し、固形分12質量%の水和ケイ酸塩スラリーを得た。
この水和ケイ酸塩をレーザー回折式粒度分布計(SALD2000J、(株)島津製作所製)で測定したところ、体積平均粒子径は15.5μm、標準偏差は0.337であった。また、得られた水和ケイ酸塩の比表面積は51m2/g、細孔直径0.01〜10μmで積算した際の細孔容量は2.82cc/g、細孔径は250nmであった。
−水和ケイ酸塩の調製−
水357部、5%濃度の硫酸ナトリウム水溶液427部、SiO2濃度28.8質量/質量%/Na2O濃度9.5質量/質量%珪酸ソーダ347部を順次、攪拌しながら添加した。攪拌しながら温度50℃にした後、攪拌翼の周速を10m/秒に調整し、硫酸(濃度20%)88部を15分間かけて添加して1段目の中和を行なった後、上記周速の状態で90℃まで昇温した。次いで、このままの温度で20%濃度の硫酸をpH5.5となるまで攪拌しながら添加して2段目の中和を行なった。次に、得られたスラリーを200メッシュ篩で分離、ろ過し、固形分12質量%の水和ケイ酸塩スラリーを得た。
この水和ケイ酸塩をレーザー回折式粒度分布計(SALD2000J、(株)島津製作所製)で測定したところ、体積平均粒子径は15.5μm、標準偏差は0.337であった。また、得られた水和ケイ酸塩の比表面積は51m2/g、細孔直径0.01〜10μmで積算した際の細孔容量は2.82cc/g、細孔径は250nmであった。
−原紙A−
カナダ標準濾水度(CSF)が450mLである広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)スラリーに、前記水和ケイ酸塩を、原紙の固形分100部あたり5部になるよう添加し、さらに絶乾パルプ100部当たり、澱粉1.0部、アルキルケテンダイマー0.03部、及び硫酸バンドを0.5部、歩留向上剤0.02部(DR−1500、ハイモ社製)となるように添加して紙料を調製した。その紙料を、角型手抄き装置を用いて目標坪量が風乾で175g/m2となるように抄造し、プレスにより脱水後、シリンダードライヤーを用いて乾燥し、シートを作製した。その後、線圧25kg/cmでキャレンダー処理を施して原紙Aを得た。
カナダ標準濾水度(CSF)が450mLである広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)スラリーに、前記水和ケイ酸塩を、原紙の固形分100部あたり5部になるよう添加し、さらに絶乾パルプ100部当たり、澱粉1.0部、アルキルケテンダイマー0.03部、及び硫酸バンドを0.5部、歩留向上剤0.02部(DR−1500、ハイモ社製)となるように添加して紙料を調製した。その紙料を、角型手抄き装置を用いて目標坪量が風乾で175g/m2となるように抄造し、プレスにより脱水後、シリンダードライヤーを用いて乾燥し、シートを作製した。その後、線圧25kg/cmでキャレンダー処理を施して原紙Aを得た。
−インク定着層用塗布液の調製−
気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均一次粒子径9nm、比表面積300m2/g、(株)トクヤマ製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる濃度10%シリカ分散液を調製した。
得られたシリカ分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績(株)製)を顔料(気相法シリカ)100部に対して10部となるように添加した後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均2次粒子径300nmからなる8%分散液を調製しシリカゾルを得た。
得られたシリカゾル100部に、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ(株)製)を10部添加して、インク定着層用塗布液を調製した。
気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均一次粒子径9nm、比表面積300m2/g、(株)トクヤマ製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる濃度10%シリカ分散液を調製した。
得られたシリカ分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績(株)製)を顔料(気相法シリカ)100部に対して10部となるように添加した後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均2次粒子径300nmからなる8%分散液を調製しシリカゾルを得た。
得られたシリカゾル100部に、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ(株)製)を10部添加して、インク定着層用塗布液を調製した。
−溶媒吸収層用塗布液の調製−
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−30、(株)トクヤマ製、平均2次粒子径3.2μm)60部と、多孔質シリカA3を40部と、シリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R1130、(株)クラレ製)25部と、蛍光染料(商品名:WhitexBPSH、住友化学(株)製)2部と、カチオン性化合物(商品名:ユニセンスCP104)3部とを混合し、溶媒吸収層用塗布液を調製した。
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−30、(株)トクヤマ製、平均2次粒子径3.2μm)60部と、多孔質シリカA3を40部と、シリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R1130、(株)クラレ製)25部と、蛍光染料(商品名:WhitexBPSH、住友化学(株)製)2部と、カチオン性化合物(商品名:ユニセンスCP104)3部とを混合し、溶媒吸収層用塗布液を調製した。
−光沢発現層用塗布液の調製−
ガラス転移点100℃のアクリルエマルジョンとコロイダルシリカとの複合体エマルジョン(商品名:アクアブリッド906、ダイセル化学工業(株)製、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカは質量比で20:80、エマルジョンの粒子径は40nm)100部、カゼイン5部、増粘剤6部、離型剤(ステアリン酸)5部を混合して、光沢発現層用塗布液を調製した。
ガラス転移点100℃のアクリルエマルジョンとコロイダルシリカとの複合体エマルジョン(商品名:アクアブリッド906、ダイセル化学工業(株)製、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカは質量比で20:80、エマルジョンの粒子径は40nm)100部、カゼイン5部、増粘剤6部、離型剤(ステアリン酸)5部を混合して、光沢発現層用塗布液を調製した。
−インクジェット記録媒体の作製−
エアナイフコーター、乾燥装置を有するキャスト塗布装置を用いて、上記で得られた坪量170g/m2の原紙Aの片面に、溶媒吸収層用塗布液を、乾燥質量で10g/m2になるように、エアナイフコーターで塗布して乾燥した。次いで、エアナイフコーター及び乾燥装置を備えたキャスト塗工装置を用い、形成した溶媒吸収層上にインク定着層用塗布液を、乾燥質量で4g/m2になるようにエアナイフコーターで塗布し、乾燥装置で乾燥した。続いて、光沢発現層用塗布液を鏡面ドラムとプレスロールの間のニップ部で、インク定着層面と鏡面ドラムの間に形成した液溜で塗布し、そのまま加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げ、インクジェット記録媒体を得た。このときの光沢発現層の塗布量は乾燥質量で、2g/m2であった。
エアナイフコーター、乾燥装置を有するキャスト塗布装置を用いて、上記で得られた坪量170g/m2の原紙Aの片面に、溶媒吸収層用塗布液を、乾燥質量で10g/m2になるように、エアナイフコーターで塗布して乾燥した。次いで、エアナイフコーター及び乾燥装置を備えたキャスト塗工装置を用い、形成した溶媒吸収層上にインク定着層用塗布液を、乾燥質量で4g/m2になるようにエアナイフコーターで塗布し、乾燥装置で乾燥した。続いて、光沢発現層用塗布液を鏡面ドラムとプレスロールの間のニップ部で、インク定着層面と鏡面ドラムの間に形成した液溜で塗布し、そのまま加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げ、インクジェット記録媒体を得た。このときの光沢発現層の塗布量は乾燥質量で、2g/m2であった。
(実施例2)
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に用いた多孔質シリカA3を多孔質シリカB3に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に用いた多孔質シリカA3を多孔質シリカB3に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
(実施例3)
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に用いた多孔質シリカA3を多孔質シリカC3に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に用いた多孔質シリカA3を多孔質シリカC3に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
(実施例4〜6)
実施例1〜3において、溶媒吸収層用塗布液の調製にそれぞれ用いた多孔質シリカA3〜C3の量を40部から20部に、合成非晶質シリカの量を60部から80部にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1〜3において、溶媒吸収層用塗布液の調製にそれぞれ用いた多孔質シリカA3〜C3の量を40部から20部に、合成非晶質シリカの量を60部から80部にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
(実施例7)
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に用いた多孔質シリカA3を多孔質シリカD3に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に用いた多孔質シリカA3を多孔質シリカD3に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
(実施例8)
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に用いた多孔質シリカA3を多孔質シリカE3に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に用いた多孔質シリカA3を多孔質シリカE3に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
(比較例1)
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に多孔質シリカA3を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に多孔質シリカA3を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
(比較例2)
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に用いた多孔質シリカA3を前記水和ケイ酸塩スラリーに代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
実施例1において、溶媒吸収層用塗布液の調製に用いた多孔質シリカA3を前記水和ケイ酸塩スラリーに代えたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
(評価)
得られたインクジェット記録媒体について、以下の評価を行なった。評価結果を下記表1に示す。
得られたインクジェット記録媒体について、以下の評価を行なった。評価結果を下記表1に示す。
−1.コックリング評価−
インクジェット記録媒体をはがきサイズに断裁し、純正インクを装填したンクジェットプリンターPM−A820を用いて、2cm×2cmの単色100%ベタ画像を記録媒体の中央に印画し、印画直後に発生する波打ちの最大高さをレーザー変位計(キーエンス社製)にて測定し、下記評価基準に従って評価した。
<評価基準>
A:1mm以上2mm未満だった。
B:2mm以上3mm未満だった。
C:3mm以上だった。
インクジェット記録媒体をはがきサイズに断裁し、純正インクを装填したンクジェットプリンターPM−A820を用いて、2cm×2cmの単色100%ベタ画像を記録媒体の中央に印画し、印画直後に発生する波打ちの最大高さをレーザー変位計(キーエンス社製)にて測定し、下記評価基準に従って評価した。
<評価基準>
A:1mm以上2mm未満だった。
B:2mm以上3mm未満だった。
C:3mm以上だった。
−2.画質−
A4サイズに断裁したインクジェット記録媒体に、インクジェットプリンターPM−A820を用いて、グレースケール及び文字画像を印画し、下記評価基準に従って、目視評価を行なった。
<評価基準>
A:画像滲み、色間混色が見られず、4pt以下の“鷹”の文字を解像できた。
B:画像滲み、色間混色が見られず、5ptの“鷹“の文字を解像できた。
C:画像滲み、色間混色が多く見られ、実用性が低かった。
D:画像滲み、色間混色がひどく見られ、実用性が極めて低かった。
A4サイズに断裁したインクジェット記録媒体に、インクジェットプリンターPM−A820を用いて、グレースケール及び文字画像を印画し、下記評価基準に従って、目視評価を行なった。
<評価基準>
A:画像滲み、色間混色が見られず、4pt以下の“鷹”の文字を解像できた。
B:画像滲み、色間混色が見られず、5ptの“鷹“の文字を解像できた。
C:画像滲み、色間混色が多く見られ、実用性が低かった。
D:画像滲み、色間混色がひどく見られ、実用性が極めて低かった。
前記表1に示すように、実施例では、コックリングの発生が抑制され、高光沢で滲みが抑制された高画質の画像を記録することができた。
Claims (11)
- 原紙と、
前記原紙の少なくとも一方の面上に設けられたインク受容層と、
前記原紙と前記インク受容層との間に設けられ、白色顔料、接着剤、及び顔料として平均細孔径が0.8nm〜20nmである六方構造の細孔を有し、体積平均粒子径が50nm〜100μmである多孔質シリカを含有するインク溶媒吸収層と、
を有するインクジェット記録媒体。 - 前記多孔質シリカは、比表面積が400m2/g〜2000m2/gであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記多孔質シリカは、細孔容積が0.1cm3/g〜3.0cm3/gであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記多孔質シリカは、CuKα線によるX線回折スペクトルにおいて、2.0nmより大きいd値に対応する回折角度を示す第1のピークを1以上有し、1.0nmより小さいd値に対応する回折角度を示す第2のピークのピーク強度が、前記第1のピークのうち最大強度を示すピークのピーク強度に対して200%以下の相対強度であるか、又は前記第2のピークを有しないことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記多孔質シリカは、クロロフィル吸着試験によるクロロフィル吸着量が、前記多孔質シリカ100mgに対して5mg以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記多孔質シリカは、一次粒子の平均粒子径が30nm〜500nmであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記多孔質シリカのインク溶媒吸収層中における含有量が、インク溶媒吸収層の全質量に対して5〜60質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記多孔質シリカ(x)と前記白色顔料(y)との質量比(x:y)が1:10〜2:1であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記インク受容層は、無機微粒子及び接着剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記無機微粒子がシリカであることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録媒体。
- 前記インク受容層は、光沢発現層をさらに有することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
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-
2009
- 2009-07-06 JP JP2009159844A patent/JP2011011518A/ja active Pending
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CN115627098A (zh) * | 2022-10-20 | 2023-01-20 | 湖北中烟工业有限责任公司 | 一种卷烟包装纸用逆向uv油墨及其印刷工艺 |
CN115627098B (zh) * | 2022-10-20 | 2024-05-10 | 湖北中烟工业有限责任公司 | 一种卷烟包装纸用逆向uv油墨及其印刷工艺 |
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