JP2011011296A - 作業工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防振機構を有する作業工具において、組立性の向上に資する技術を提供する。
【解決手段】 先端領域に先端工具119が装着可能とされた工具本体103と、工具本体103に相対移動可能に連接されるハンドル109,211と、工具本体103とハンドル109,211との間に設けられた防振機構171,221とを有する作業工具であって、防振機構171,221は、工具本体103とハンドル109,211間の振動の伝達を低減するべく、離間して配置された複数の防振要素173,227を有し、前記複数の防振要素173,227は、接続部173a,227aによって互いに接続されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、先端工具の駆動によって被加工材に所定の加工作業を遂行させる作業工具の防振技術に関する。
特公昭58−34271号公報(特許文献1)には、打撃工具としての電動ハンマの防振ハンドル構造が開示されている。公報に記載の電動ハンマにおいては、作業者が握るハンドルが本体ハウジングのハンマビットと反対側の後端部に防振機構を介して接続されている。防振機構は、本体ハウジングとハンドル間に介在状に配置される防振要素としての複数のゴムを主体として構成されており、当該複数のゴムによって本体ハウジングからハンドルへの振動の伝達を低減する。
上記のように構成された従来の防振機構によれば、加工作業時において、作業者に対する振動の悪影響を軽減することが可能となるものの、工具本体部とハンドルを組立てる際には、当該工具本体部とハンドル間に複数のゴムを個々に配置した上で、当該配置された複数のゴムを配置位置に維持しなければならないことから、組立てが面倒であり、この点でなお改良の余地がある。
特公昭58−34271号公報
本発明は、上記の問題に鑑み、防振機構を有する作業工具において、組立性の向上に資する技術を提供することをその目的とする。
上記課題を達成するため、本発明に係る作業工具の好ましい形態によれば、先端領域に先端工具が装着可能とされた工具本体と、工具本体に相対移動可能に連接されるハンドルと、工具本体とハンドルとの間に設けられた防振機構とを有する作業工具が構成される。なお、本発明における「作業工具」は、典型的には、先端工具としてのハンマビットを長軸方向に打撃動作させて被加工材にハンマ作業を行なうハンマ、あるいはハンマビットを打撃動作及び回転動作させて被加工材にハンマドリル作業等を行なうハンマドリル等の打撃工具がこれに該当するが、当該打撃工具に限らず加工作業時に振動を伴う作業工具を好適に包含する。また、本発明における「ハンドル」とは、作業者が作業工具を操作するために備えられるメインハンドル、補助ハンドル(サイドハンドル)あるいはハンドル付ハウジングがこれに該当する。
本発明に係る作業工具の好ましい形態では、特徴的構成として、防振機構は、工具本体とハンドル間の振動の伝達を低減するべく、離間して配置された複数の防振要素を有し、複数の防振要素同士は、接続部によって互いに接続されている。なお、本発明における「防振要素」は、典型的にはゴムがこれに該当する。また、防振要素の接続部による接続の態様としては、典型的には、防振要素と接続部とを一体に成形する態様が好適である。
本発明によれば、防振機構において、離間して配置された複数の防振要素を接続部によって互いに接続する構成としたものである。これによって複数の防振要素が一体化(1部品化)されることになる。このため、部品点数が削減されるとともに、複数の防振要素を一部品として取り扱うことが可能となり、工具本体とハンドルとを組立てる際に、当該工具本体とハンドル間に配置された防振要素を当該配置された位置に維持し易い。このため、工具本体とハンドルを組み付ける際の組立性を向上することができる。
本発明に係る作業工具の更なる形態によれば、複数の防振要素の全てが同一の外形形状に形成されている。ここで、同一の外形形状とは大きさを含むものではなく、あくまでも外から見たときの形状が同一であるという意味であり、典型的には球状あるいは円柱状に形成される。
本発明に係る作業工具の更なる形態によれば、複数の防振要素は、工具本体の長軸方向回りに等間隔で配置されている。このような構成とすることで、工具本体の長軸方向回りに関してバランスの取れた振動低減作用を得ることができる。
本発明に係る作業工具の更なる形態によれば、複数の防振要素は、接続部によって環状に接続されている。このような環状の接続構造とすることで、防振要素を工具本体とハンドル間に介在状に組み付ける際、工具本体あるいはハンドルの防振要素配置領域の周面に嵌め込むようにセットすることが可能であり、これにより防振要素の取り扱い易さをより一層向上することができる。
本発明に係る作業工具の更なる形態によれば、ハンドルは、工具本体の長軸方向と交差する方向に延在する長尺状のグリップ部を有する。そして複数の防振要素は、グリップ部の長軸線に対して線対称に配置されている。このような線対称の配置とすることによって、複数の防振要素による振動低減作用をバランス良く発揮することができる。
本発明によれば、防振機構を有する作業工具において、組立性の向上に資する技術が提供されることとなった。
本発明の第1実施形態に係る防振構造のハンドグリップを備えたハンマドリルの全体構成を示す断面図である。 ハンドグリップの防振構造を示す拡大断面図である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 本発明の第2実施形態に係るサイドグリップの防振構造を示す図である。 図5の一部拡大図である。 図5のC−C線断面図である。
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態につき、図1〜図4を参照しつつ説明する。本実施の形態は、作業工具の一例として電動式のハンマドリルを用いて説明する。図1には本実施の形態に係る電動式ハンマドリルの全体構成が断面図として示される。図1に示すように、本実施の形態に係るハンマドリル101は、概括的に見て、ハンマドリル101の外郭を形成する本体部103と、当該本体部103の先端領域(図示左側)に筒状のツールホルダ137を介して着脱自在に取付けられたハンマビット119と、本体部103のハンマビット119と反対側に連接された使用者が握るハンドグリップ109とを主体として構成されている。本体部103は、本発明における「工具本体」に対応し、ハンマビット119は、本発明における「先端工具」に対応し、ハンドグリップ109は、本発明における「ハンドル」に対応する。ハンマビット119は、ツールホルダ137によってその長軸方向への相対的な往復動が可能に、かつその周方向への相対的な回動が規制された状態で保持される。なお説明の便宜上、ハンマビット119側を前、ハンドグリップ109側を後という。
本体部103は、駆動モータ111を収容したモータハウジング105と、運動変換機構113、打撃要素115及び動力伝達機構117を収容したギアハウジング107とを主体として構成されている。ギアハウジング107は、その前方に筒状のバレル部106を備えている。駆動モータ111の回転出力は、運動変換機構113によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素115に伝達され、当該打撃要素115を介してハンマビット119の長軸方向(図1における左右方向)への衝撃力を発生する。また、駆動モータ111の回転出力は、動力伝達機構117によって適宜減速された上でツールホルダ137に伝達され、当該ツールホルダ137と共にハンマビット119が周方向に回転動作される。ギアハウジング107の下方において、駆動モータ111はその回転軸線がハンマビット119の長軸線に対し交差するように縦向きに配置されている。なお、駆動モータ111は、ハンドグリップ109に配置されたトリガ109aを作業者が引き操作することによって通電駆動される。
運動変換機構113は、駆動モータ111の回転運動を直線運動に変換して打撃要素115に伝達するものであり、クランク機構を主体として構成される。クランク機構は、駆動モータ111によって回転駆動されることによって当該クランク機構の最終可動部材を構成する駆動子としてのピストン129がシリンダ141の内壁に沿ってハンマビット長軸方向に直線動作するように構成される。一方、動力伝達機構117は、複数のギアからなるギア減速機構を主体として構成され、駆動モータ111の回転力をツールホルダ137に伝達する。これによりツールホルダ137が鉛直面内にて回転され、それに伴い当該ツールホルダ137により保持されたハンマビット119が回転する構成とされる。なお、運動変換機構113及び動力伝達機構117の具体的な構成については、本願発明には直接的には関係しないため、その説明を省略する。
打撃要素115は、ピストン129とともにシリンダ141のボア内壁に摺動自在に配置された打撃子としてのストライカ143と、ツールホルダ137に摺動自在に配置された中間子としてのインパクトボルト145とを主体として構成される。ストライカ143は、ピストン129の摺動動作に伴うシリンダ141の空気室141aの空気バネを介して駆動され、インパクトボルト145に衝突(打撃)し、当該インパクトボルト145を介してハンマビット119に打撃力を伝達する。
上記のように構成されたハンマドリル101においては、駆動モータ111が通電駆動されると、ハンマビット119には、クランク機構によって構成される運動変換機構113から打撃要素115を介して長軸方向への打撃力が加えられるとともに、ギア減速機構によって構成される動力伝達機構117を介して周方向への回転力が加えられる。かくして、ハンマビット119が長軸方向のハンマ動作と周方向のドリル動作を行い、被加工材(コンクリート)に穴開け作業を遂行する。
なお、ハンマドリル101は、ハンマビット119に対し長軸方向への打撃力のみを加えるハンマ作業と、長軸方向への打撃力と周方向への回転力を加えるハンマドリル作業とを適宜切り替えて遂行できるように構成されるが、このことについては、本発明には直接的には関係しないため、その説明を省略する。
ハンマドリル101による加工作業時には、ハンマビット119の打撃動作に伴い本体部103に振動が発生する。このときの主たる振動は、ハンマビット119の長軸方向の振動である。本体部103に発生した振動のハンドグリップ109への伝達を低減するべく、当該ハンドグリップ109は上下の防振機構161,171を介して本体部103の後端部に連結される。
ハンドグリップ109は、ハンマビット119の長軸方向と交差する上下方向に延在するグリップ部151を有するとともに、当該グリップ部151の上端部と下端部には、それぞれ前方に向かって概ね水平状に突出する連接部153,155が形成され、それら上下の連接部153,155が本体部103の後部(図1の右側)を覆うカバー部材104に対し上下の防振機構161,171を介して連接されている。これによりハンドグリップグ109は、カバー部材104を含めてループ状ハンドル(側面視でD形ハンドル)を構成している。なお、グリップ部151及び上下の連接部153,155は、中空状に形成されている。カバー部材104は、図1に示すように、本体部103の後部に配置された状態で、便宜上図示を省略するネジ等によって本体部103に対し所定の複数箇所が止着される。すなわち、カバー部材104は、本体部103に組み付け固定される本体部側部材である。
次に、上下の防振機構161,171につき、図2〜図4を参照しつつ説明する。上側の防振機構161は、図2に示すように、カバー部材104の後部と上側の連接部153の前部間に介在状に配置された圧縮コイルバネ163を主体として構成されている。圧縮コイルバネ163は、その弾発力の作用方向(軸方向)が、振動の入力方向であるハンマビット119の長軸方向に概ね一致するように配置されている。圧縮コイルバネ163は、ハンマビット119の長軸線を延長した直線よりも上方位置に置かれ、その軸方向の一端がカバー部材104によって支持され、他端が連接部153によって支持される。なお、圧縮コイルバネ163は、上側の連接部153とカバー部材104間に配置された伸縮自在なゴム製の防塵カバー165によって被覆されている。
図2〜図4に示すように、下側の防振機構171は、カバー部材104の後部と下側の連接部155の前部間に介在状に配置された複数(本実施の形態では4個)の弾性ゴム173と、カバー部材104の下側後部に形成された内側ゴム受175と、下側の連接部155の前部に形成された外側ゴム受177と、複数(本実施の形態では4個)の弾性ゴム173を互いに接続する接続部173aとを主体として構成されている。下側の防振機構171は、本発明における「防振機構」に対応し、弾性ゴム173は、本発明における「防振要素」に対応し、接続部173aは、本発明における「接続部」に対応する。4個の弾性ゴム173は、同じ大きさと形状の球状に形成されている。すなわち、同一の振動低減機能を有する構成とされ、内側ゴム受175と当該内側ゴム受175に被さるように配置された外側ゴム受177との間に配置される。
内側ゴム受175は、断面縦長方形の外面形状を有するとともに、図2に示すように、その上部外面及び下部外面がそれぞれ付根側から後方に向かって先細りのテーパ状に形成されており、当該上部外面及び下部外面には、弾性ゴム173を保持する略半球凹面状の係合凹部175aが各2個ずつ形成されている。内側ゴム受175に被さる外側ゴム受177は、その内面形状が内側ゴム受175の外面形状に対応する断面縦長方形(ただし、略半球凹面状の係合凹部を有しない)の筒状に形成されている。
4個の弾性ゴム173は、図3に示すように、ハンマビット119の長軸方向と交差する上下方向(鉛直方向)の直線、すなわちハンドグリップ109のグリップ部151の長軸方向の直線に対して線対称に配置され、全体としてはハンマビット119の長軸線を延長した直線よりも下方位置に置かれる(図1参照)。各弾性ゴム173は、内側ゴム受175の上部外面及び下部外面に形成された係合凹部175aにそれぞれ嵌め込まれた状態で外側ゴム受177の上下の内面(テーパ面)によって押圧されて径方向に挟持状に保持される。そして上記のように配置される4個の弾性ゴム173は、成形時において予め一体成形によって互いに接続されている。すなわち、本実施の形態に係る球状の弾性ゴム173は、隣り合うもの同士が当該弾性ゴム173よりも小径の断面円形状の接続部173aによって略方形の環状に接続された構成とされる。
図2及び図3に示すように、カバー部材104側には、ハンマビット119の長軸方向に貫通する2個の円形の貫通孔104aが形成され、当該貫通孔104aはグリップ部151の長軸方向の直線を挟んで左右対称に形成されている。これら左右の貫通孔104aに対し下側の連接部155に設けた各1個の円形の柱状部材155aが後方から摺動自在に差し込まれる。そして差し込まれた柱状部材155aは、カバー部材104側から当該柱状部材155aにねじ込まれたストッパボルト179の頭部179aがカバー部材104の前面(貫通孔104aの孔縁)に当接することによって抜け止めされている。なお、便宜上図示を省略するが、上側の連接部153についても、上記の下側の連接部155における貫通孔104a、柱状部材155a、及びストッパボルト179を利用した連結構造、またはそれに類似の構造を用いてカバー部材104に連結される。また、下側の防振機構171は、下側の連接部155とカバー部材104間に配置された伸縮自在なゴム製の防塵カバー181によって被覆され、これによって防振機構171内部への粉塵等の侵入が防止されている。
上記のように構成されたハンマドリル101によるハンマ作業あるいはハンマドリル作業は、ハンドグリップ109のグリップ部151を把持した作業者が、本体部103に対しハンマビット119の長軸方向への押圧力を作用させつつハンマビット119を被加工材に押し付けた状態で行う。この押し付けによりカバー部材104に対してハンドグリップ109が圧縮コイルバネ163及び弾性ゴム173の変形相当量だけ接近し、ストッパボルト179の頭部179aがカバー部材104の前面から離間する。
上記の加工作業時において、本体部103にはハンマビット119の長軸方向に衝撃的かつ周期的な振動が発生するが、本体部103側からハンドグリップ109側への振動の伝達は、上側においては圧縮コイルバネ163の弾性変形によって低減され、下側においては弾性ゴム173の弾性変形によって低減することができる。
ところで、カバー部材104に対するハンドグリップ109の組み付けは、上側の連接部153とカバー部材104間に圧縮コイルバネ163を配置する一方、下側の連接部155の柱状部材155aをカバー部材104の貫通孔104aに差し込むとともに、弾性ゴム173が嵌め込まれた内側ゴム受175に対して外側ゴム受177を被せ、その後ストッパボルト179を柱状部材155aにねじ込むといった作業を行うことによってなされる。このような組み付けは、カバー部材104を本体部103の後部に組み付ける前に行う。すなわち、ハンドグリップ109とカバー部材104とを予め組み付けることによって、上下の防振機構161,171によって連接されたハンドグリップアッセンブリーが構成されることになる。
本実施の形態では、複数の弾性ゴム173を予め一体成形によって隣り合うもの同士が接続部173aを介して互いに環状に接続された構成としている。このため、複数の弾性ゴム173が一体化(一部品化)され、部品点数を削減することができる。また、複数の弾性ゴム173が一部品化されることから、上記のようなハンドグリップ109とカバー部材104との組み付けを行う場合において、弾性ゴム173を内側ゴム受175の外周面に嵌合する(巻き付く)ように取り付けて各係合凹部175aに嵌め込んだ位置に維持できる。すなわち、手を離しても弾性ゴム173が脱落しないため、下側の連接部155の外側ゴム受177を内側ゴム受175に容易に被せることが可能となり、カバー部材104に対するハンドグリップ109の組立性を向上することができる。
また、本実施の形態では、複数の弾性ゴム173は、その全てが同一形状、すなわち球状に形成されるとともに、グリップ部151の長軸線に対して線対称に配置されている。このような構成とすることによって、複数の弾性ゴム173による振動低減作用をバランス良く発揮することができる。また、複数の弾性ゴム173をグリップ部151の長軸線に対して線対称に配置したことによって、組み付け方向が1方向に限られない。このため、組み付け作業を楽に行うことができる。
(本発明の第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態につき、図5〜図7を参照しつつ説明する。本実施の形態は、ハンマドリル101の本体部103の後方に配置されるメインハンドルとしてのハンドグリップ109とは別に、本体部103の前方領域に取り付けられる補助ハンドルとしてのサイドグリップ211の防振に関するものである。サイドグリップ211は、ギアハウジング107の前方領域を構成するバレル部106に取付けられる。
本実施の形態におけるサイドグリップ211は、図5及び図7に示すように、ハンマビット119の長軸方向と交差する方向に延在する棒状グリップであり、長軸方向の一端部がバレル部106に連接され、他端部が自由状態とされる。サイドグリップ211は、本発明における「ハンドル」に対応する。サイドグリップ211は、バレル部106に形成された円環状のハンドル装着部106a(図1参照)に防振機構221を介して取付けられる。防振機構221は、本発明における「防振機構」に対応する。
以下、防振機構221につき説明する。防振機構221は、バレル部106のハンドル装着部106aに固定状態に取付けられる円環状の内側ゴム受223と、当該内側ゴム受223の外側に所定の隙間を置いて遊嵌状に嵌合される円環状の外側ゴム受225と、内側ゴム受223と外側ゴム受225との間に介在状に配置される複数(本実施の形態では6個)の弾性ゴム227と、複数の弾性ゴム227を互いに接続する接続部227aとを主体として構成される。弾性ゴム227は、同じ大きさと形状の球状に形成され、同一の振動低減機能を有する構成とされる。弾性ゴム227は、本発明における「防振要素」に対応し、接続部227aは、本発明における「接続部」に対応する。
6個の弾性ゴム227は、ハンマビット119の長軸方向回り(内側ゴム受223及び外側ゴム受225の軸線回り)に等間隔(60度間隔)で、かつサイドグリップ211の長軸方向の直線に対して線対称に配置される。そして球状の各弾性ゴム227は、内側ゴム受223の外面に形成された略半球凹面状の係合凹部223aと、外側ゴム受225の内面に形成された略半球凹面状の係合凹部225aに嵌め込まれた状態で径方向に挟持状に保持される。このように保持されることによって弾性ゴム227に対しハンマビット119の長軸方向及び周方向には剪断方向の力が作用し、長軸方向と交差する方向には主として圧縮方向に力が作用する構成とされる。
上記のように内側ゴム受223と外側ゴム受225間に配置される6個の弾性ゴム227は、成形時において予め一体成形によって互いに接続される。すなわち、本実施の形態に係る球状の弾性ゴム227は、図5及び図6に示すように、隣り合うもの同士が当該弾性ゴム227よりも小径の断面円形状の接続部227aによって等間隔で円環状に接続された構成とされる。
また、図5及び図6に示すように、内側ゴム受223の外面には複数の突部223bが外向きに突設され、外側ゴム受225の内面には複数の突部225bが内向きに突設され、これら両突部223b,225bは、周方向において互いに所定の隙間を置いて係合可能に対向している。これによって当該隙間の範囲内において、弾性ゴム227の弾性変形による内側ゴム受223と外側ゴム受225との周方向の相対移動を可能としている。換言すれば、両突部223b,225bは、内側ゴム受223と外側ゴム受225が突部223b,225b間に設定された周方向の隙間を超えて相対移動することを規制し、これによって弾性ゴム227に作用する周方向の過大な外力から当該弾性ゴム227を保護するストッパとして機能する構成とされる。
また、円環状の内側ゴム受223と円環状の外側ゴム受225間への弾性ゴム227の組み付けを可能とするべく、外側ゴム受225は、図5及び図6に示すように、径方向において2分割された半円環状の分割体225A,225Bによって構成されている。そして当該2分割された一方の半円環状の分割体225Aの合わせ面には係止凹部225cが形成され、他方の半円環状の分割体225Bの合わせ面にはフック状の係止片225dが形成されている。従って、係止凹部225aに弾性ゴム227がセットされた内側ゴム受223に対して2つの分割体225A,225Bを互いに対向させて被せると、係止片225dが係止凹部225cに対し弾性変形を利用して係止される。これによって分割体225A,225Bが相互に接合されて組み付けられる。
サイドグリップ211は、図5及び図7に示すように、外側ゴム受225の外表面に巻かれるバンド部213と、バンド部213の端部側に配置されるとともに外側ゴム受225の外表面に係合する略U形の係合面215aをベース部215と、ベース部215に長軸回りに相対回動自在に連接されるグリップ部217と、バンド部213を締め付ける締付用ネジ付き操作ロッド219とを主体として構成される。操作ロッド219は、グリップ部217及びベース部215の中心部を遊嵌状に貫通して長軸方向に延在し、一端がバンド部213の端部に係合し、他端がグリップ部217の内部に配置されたナット216に螺合されている。ナット216はグリップ部217に対し相対回動が規制されている。従って、グリップ部217を長軸線回りに右回りあるいは左回りに回転操作し、ナット216に螺合した締付用ネジ付き操作ロッド219を長軸方向に前進あるいは後退動作させることによってバンド部213の締付け、及び締付け解除を行うことができる。バンド部213の締め付けによりサイドグリップ211は、外側ゴム受225に固定される。
本実施の形態によれば、サイドグリップ211は、ギアハウジング107のバレル部106に防振機構221を介して取付けられる。従って、ハンマドリル101による加工作業時において、本体部103に発生した振動の、当該本体部103側からサイドグリップ211側への振動の伝達は、防振機構221における複数の弾性ゴム227の弾性変形によって低減することができる。
本実施の形態においては、球状の弾性ゴム227が、バレル部106の軸線上に配置された内側ゴム受223の係合凹部223aと外側ゴム受225の係合凹部225aにそれぞれ嵌り込まれた状態で径方向に挟持状に保持される構成としている。このような構成とすることで、加工作業時に発生するハンマビット119の長軸方向の振動に対し、弾性ゴム227がハンマビット長軸方向に剪断変形する。すなわち、本実施の形態によれば、剪断変形による振動低減効果が圧縮変形による振動低減効果よりも高いという弾性ゴム227の特性を利用し、サイドグリップ211の振動低減効果を向上することができるため、合理的である。また、弾性ゴム227は、バレル部106の周方向において等間隔で配置された構成としている。このため、バレル部106の長軸方向回りに関してバランスの取れた振動低減作用を得ることができる。
また、本実施の形態では、防振機構221における複数の弾性ゴム227を、予め一体成形によって隣り合うもの同士が接続部227aを介して互いに円環状に接続された構成としている。このため、複数の弾性ゴム227が一部品化され、部品点数を削減することができる。また、複数の弾性ゴム227が1部品化されることから、弾性ゴム227を内側ゴム受223の外周面に嵌合する(巻き付く)ように取り付けてその状態を維持できる。このため、内側ゴム受223に外側ゴム受225を容易に被せることができ、これによって防振機構221の組立性を向上することができる。
なお、第1及び第2の実施形態では、弾性ゴム173,227が球状の場合で説明したが、球状に替えて円柱状としてもよい。
また、第1の実施形態において、下側の連接部155に外側ゴム受177を設け、カバー部材104に内側ゴム受175を設けたが、下側の連接部155に内側ゴム受175を設け、カバー部材104に外側ゴム受177を設けてもよい。また、第1の実施形態において、上側の防振機構161につき、下側の防振機構171を適用してもよい。
また、上述した第1および第2の実施形態では、打撃工具の一例としてハンマドリルの場合で説明したが、ハンマビット119に長軸方向の打撃動作のみを行わせるハンマに適用してもよい。
上記発明の趣旨に鑑み、以下の態様を構成することが可能とされる。
(態様1)
「請求項1〜5のいずれかに記載の作業工具であって、前記防振機構は、内側受部(内側ゴム受)と、当該内側受部の周りを囲むように配置される環状の外側受部(外側ゴム受)と、前記内側受部と外側受部との間に配置される前記防振要素とによって構成されることを特徴とする。」
(態様2)
「態様1に記載の作業工具であって、前記防振要素は、球状または円柱状に形成されており、前記内側受部と前記外側受部のうち少なくとも一方には、前記防振要素の外面形状に対応する係合凹部を備えていることを特徴とする。」
(態様3)
「請求項1または4に記載の作業工具であって、前記複数の防振要素同士を接続する接続部は、防振要素よりも小さい断面形状に形成されていることを特徴とする。」
101 ハンマドリル(打撃工具)
103 本体部(工具本体)
104 カバー部材
104a 貫通孔
105 モータハウジング
106 バレル部
106a ハンドル装着部
107 ギアハウジング
109 ハンドグリップ(ハンドル)
109a トリガ
111 駆動モータ(モータ)
113 運動変換機構
115 打撃要素
117 動力伝達機構
119 ハンマビット(先端工具)
129 ピストン
137 ツールホルダ
141 シリンダ
141a 空気室
143 ストライカ
145 インパクトボルト
151 グリップ部
153 上側の連接部
155 下側の連接部
155a 柱状部材
161 上側の防振機構
163 圧縮コイルバネ
165 防塵カバー
171 下側の防振機構
173 弾性ゴム(防振要素)
173a 接続部
175 内側ゴム受(内側受部)
175a 係合凹部
177 外側ゴム受(外側受部)
179 ストッパボルト
179a 頭部
181 防塵カバー
211 サイドグリップ(ハンドル)
213 バンド部
215 ベース部
215a 係合面
216 ナット
217 グリップ部
219 操作ロッド
221 防振機構
223 内側ゴム受(内側受部)
223a 係合凹部
223b 突部
225 外側ゴム受(外側受部)
225a係合凹部
225b 突部
225c 係止凹部
225d 係止片
225A 分割体
225B 分割体
227 弾性ゴム(防振要素)
227a 接続部

Claims (5)

  1. 先端領域に先端工具が装着可能とされた工具本体と、前記工具本体に相対移動可能に連接されるハンドルと、前記工具本体と前記ハンドルとの間に設けられた防振機構とを有する作業工具であって、
    前記防振機構は、前記工具本体と前記ハンドル間の振動の伝達を低減するべく、離間して配置された複数の防振要素を有し、前記複数の防振要素同士は、接続部によって互いに接続されていることを特徴とする作業工具。
  2. 請求項1に記載の作業工具であって、
    前記複数の防振要素の全てが同一の外形形状に形成されていることを特徴とする作業工具。
  3. 請求項1または2に記載の作業工具であって、
    前記複数の防振要素は、前記工具本体の長軸方向回りに等間隔で配置されていることを特徴とする作業工具。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の作業工具であって、
    前記複数の防振要素は、前記接続部によって環状に接続されていることを特徴とする作業工具。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の作業工具であって、
    前記ハンドルは、前記工具本体の長軸方向と交差する方向に延在する長尺状のグリップ部を有し、
    前記複数の防振要素は、前記グリップ部の長軸線に対して線対称に配置されていることを特徴とする作業工具。
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